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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】電気光学装置、および電子機器
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1368 20060101AFI20240618BHJP
   G02F 1/1343 20060101ALI20240618BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240618BHJP
   G09F 9/35 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
G02F1/1368
G02F1/1343
G09F9/30 338
G09F9/35
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020163635
(22)【出願日】2020-09-29
(65)【公開番号】P2022055921
(43)【公開日】2022-04-08
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】杉本 陽平
【審査官】山本 貴一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-300477(JP,A)
【文献】特開2004-170910(JP,A)
【文献】特開2009-042436(JP,A)
【文献】特開2008-040398(JP,A)
【文献】特開2001-177100(JP,A)
【文献】特開平10-325964(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0185191(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1368
G02F 1/1343
G09F 9/30
G09F 9/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板本体と、
半導体膜を含むトランジスターと、
前記基板本体と前記半導体膜との間に設けられた第1層間絶縁膜と、
前記基板本体と前記第1層間絶縁膜との間で前記半導体膜と平面視で重なるように延在する遮光膜と、
前記半導体膜の側方で前記遮光膜に平面視で重なるように前記第1層間絶縁膜に形成された第1溝に導電性の遮光性材料が設けられた第1遮光壁と、
前記半導体膜の前記第1遮光壁とは反対側の側方で前記遮光膜に平面視で重なるように前記第1層間絶縁膜に形成された第2溝に前記遮光性材料が設けられた第2遮光壁と、
を備え、
前記半導体膜は、チャネル領域と、前記チャネル領域から前記遮光膜の延在方向で離間する位置で前記チャネル領域より前記遮光膜の幅方向の一方側および他方側のうちの一方に突出した第1突出部と、前記チャネル領域から前記遮光膜の延在方向で前記第1突出部とは反対側に離間する位置で前記チャネル領域より前記遮光膜の幅方向の前記一方側および前記他方側のうちの一方に突出した第2突出部と、を備え、
前記第1遮光壁および前記第2遮光壁のうち、前記第1突出部の突出方向と反対側に位置する遮光壁は、少なくとも前記第1突出部の側方まで延在し、
前記第1遮光壁および前記第2遮光壁のうち、前記第2突出部の突出方向と反対側に位置する遮光壁は、少なくとも前記第2突出部の側方まで延在していることを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電気光学装置において、
前記遮光膜は走査線であり、
前記遮光性材料は、前記トランジスターのゲート電極と前記走査線とを電気的に接続する遮光性の導電膜であることを特徴とする電気光学装置。
【請求項3】
請求項2に記載の電気光学装置において、
前記第1突出部および前記第2突出部は互いに、前記チャネル領域より前記遮光膜の幅方向の反対方向に向けて突出し、
前記第1遮光壁および前記第2遮光壁のうち、前記第2突出部の突出方向と反対側に位置する第1遮光壁は、少なくとも前記第2突出部の側方まで延在し、前記第1突出部の突出方向と反対側に位置する第2遮光壁は、少なくとも前記第1突出部の側方まで延在していることを特徴とする電気光学装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電気光学装置において、
前記半導体膜は、前記第1突出部を含む第1コンタクト領域と、前記第1コンタクト領域と前記チャネル領域との間に設けられ、前記第1コンタクト領域より不純物濃度が低い第1低濃度領域と、前記第2突出部を含む第2コンタクト領域と、前記第2コンタクト領域と前記チャネル領域との間に設けられ、前記第2コンタクト領域より不純物濃度が低い第2低濃度領域と、を備え、
前記第1遮光壁は、前記第1コンタクト領域のうち、前記第1突出部より前記チャネル領域の側の側方から少なくとも前記第2突出部の側方まで延在し、
前記第2遮光壁は、前記第2コンタクト領域のうち、前記第2突出部より前記チャネル領域の側の側方から少なくとも前記第1突出部の側方まで延在していることを特徴とする電気光学装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の電気光学装置において、
前記第1遮光壁は、前記第2突出部の側方から前記第2突出部に前記走査線の延在方向
で対向する位置まで屈曲し、
前記第2遮光壁は、前記第1突出部の側方から前記第1突出部に前記走査線の延在方向で対向する位置まで屈曲していることを特徴とする電気光学装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電気光学装置において、
前記半導体膜は、前記走査線に沿って複数配置され、
前記複数の半導体膜のうち、前記走査線の延在方向で隣り合う2つの半導体膜の間では、前記2つの半導体膜のうちの一方の半導体膜に沿って延在する前記第1遮光壁と、前記2つの半導体膜のうちの他方の半導体膜に沿って延在する前記第2遮光壁と、が繋がっていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項7】
請求項6に記載の電気光学装置において、
前記第1遮光壁と前記第2遮光壁とは、前記半導体膜と平面視で重なる位置で電気的に接続されており、
前記第1遮光壁および前記第2遮光壁は、表示領域において前記走査線に沿って連続して延在する走査信号用の冗長配線を構成していることを特徴とする電気光学装置。
【請求項8】
請求項2に記載の電気光学装置において、
前記第1突出部および前記第2突出部は互いに、前記チャネル領域より前記遮光膜の幅方向の同一方向に向けて突出し、
前記第1遮光壁および前記第2遮光壁のうち、前記第1突出部および前記第2突出部の突出方向と反対側に位置する第1遮光壁は、少なくとも前記第1突出部の側方と前記第2突出部の側方との間で延在し、前記第1突出部および前記第2突出部の突出方向の側に位置する第2遮光壁は、前記第1突出部と前記第2突出部との間で延在していることを特徴とする電気光学装置。
【請求項9】
請求項8に記載の電気光学装置において、
前記半導体膜は、前記第1突出部を含む第1コンタクト領域と、前記第1コンタクト領域と前記チャネル領域との間に設けられ、前記第1コンタクト領域より不純物濃度が低い第1低濃度領域と、前記第2突出部を含む第2コンタクト領域と、前記第2コンタクト領域と前記チャネル領域との間に設けられ、前記第2コンタクト領域より不純物濃度が低い第2低濃度領域と、を備え、
前記第2遮光壁は、前記第1コンタクト領域のうち、前記第1突出部より前記チャネル領域の側の側方から前記第2コンタクト領域のうち、前記第2突出部より前記チャネル領域の側の側方から前記第1突出部の側方まで延在していることを特徴とする電気光学装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載の電気光学装置において、
前記第1遮光壁は、前記第1突出部の側方から前記第1突出部に前記走査線の延在方向で対向する位置まで屈曲するとともに、前記第2突出部の側方から前記第2突出部に前記走査線の延在方向で対向する位置まで屈曲していることを特徴とする電気光学装置。
【請求項11】
請求項8から10までの何れか一項に記載の電気光学装置において、
前記半導体膜は、前記走査線に沿って複数配置され、
前記複数の半導体膜のうち、前記走査線の延在方向で隣り合う2つの半導体膜の間では、前記2つの半導体膜のうちの一方の半導体膜に沿って延在する前記第1遮光壁と、前記2つの半導体膜のうちの他方の半導体膜に沿って延在する前記第1遮光壁とが繋がっていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項12】
請求項11に記載の電気光学装置において、
前記第1遮光壁と前記第2遮光壁とは、前記半導体膜と平面視で重なる位置で電気的に接続されており、
前記第1遮光壁は、表示領域において前記走査線に沿って連続して延在する走査信号用の冗長配線を構成していることを特徴とする電気光学装置。
【請求項13】
請求項1から12までの何れか一項に記載の電気光学装置において、
前記トランジスターを前記基板本体とは反対側から覆う第2層間絶縁膜を有し、
前記第2層間絶縁膜には、前記第1突出部に平面視で重なる第1コンタクトホールと、前記第2突出部に平面視で重なる第2コンタクトホールと、が設けられていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項14】
請求項1から13までの何れか一項に記載の電気光学装置を備えていることを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透光性部材とトランジスターとの間の層に遮光膜が設けられた電気光学装置、および電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
投射型表示装置のライトバルブとして用いられる液晶装置等の電気光学装置は、透光性の基板本体と画素電極との間に半導体膜が設けられており、半導体膜を利用してトランジスターが構成される。かかる電気光学装置において、基板の側から入射した光がトランジスターのチャネル領域やその近傍に入射すると、トランジスターに光リーク電流が発生する。そこで、基板本体と半導体膜との間に層間絶縁膜を設けるとともに、半導体膜に平面視で重なる遮光性の走査線を基板本体と層間絶縁膜との間に設け、基板本体の側から入射した光を走査線で遮る構造が提案されている(特許文献1、2参照)。また、特許文献1、2では、半導体膜の側方に溝を設け、溝の内部に設けた遮光性の導電膜によって、ゲート電極と走査線とを電気的に接続するとともに、半導体膜に対する遮光壁を構成する技術が提案されている。また、特許文献1、2に記載の技術では、半導体膜の端部に半導体膜の延在方向に対して交差する方向に突出した突出部が設けることによって半導体膜の幅を広くし、ソースドレイン電極と半導体膜とを電気的に接続するコンタクトホールが突出部と平面視で重なるようにしてある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-246358号公報
【文献】国際公開番号WO2018/074060
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、2に記載の技術において、遮光壁を設けるには、遮光壁と突出部とが短絡しない範囲に遮光壁を設ける必要がある。このため、半導体膜の両端部で突出する突出部の間で遮光壁を延在させることになるが、この場合、遮光壁が短い距離しか延在させることができないので、遮光性が低い。また、突出部から幅方向に十分離間した位置で遮光壁を延在させた場合、半導体膜と遮光壁との間隔が広いため、遮光性が低いとともに、走査査線の幅を広くする必要があるため、1つの画素において光が透過可能な領域が占める割合を示す画素開口率が低下してしまう。それ故、従来構造では、コンタクトのための突出部を半導体膜に設けた場合には、遮光壁による遮光性が低いという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係る電気光学装置の一態様は、基板本体と、半導体膜を含むトランジスターと、前記基板本体と前記半導体膜との間に設けられた第1層間絶縁膜と、前記基板本体と前記第1層間絶縁膜との間で前記半導体膜と平面視で重なるように延在する遮光膜と、前記半導体膜の側方で前記遮光膜に平面視で重なるように前記第1層間絶縁膜に形成された第1溝に導電性の遮光性材料が設けられた第1遮光壁と、前記半導体膜の前記第1遮光壁とは反対側の側方で前記遮光膜に平面視で重なるように前記第1層間絶縁膜に形成された第2溝に前記遮光性材料が設けられた第2遮光壁と、を備え、前記半導体膜は、チャネル領域と、前記チャネル領域から前記遮光膜の延在方向で離間する位置で前記チャネル領域より前記遮光膜の幅方向の一方側および他方側のうちの一方に突出した第1突出部と、前記チャネル領域から前記遮光膜の延在方向で前記第1突出部とは反対側に離間する位置で前記チャネル領域より前記遮光膜の幅方向の前記一方側および
前記他方側のうちの一方に突出した第2突出部と、を備え、前記第1遮光壁および前記第2遮光壁のうち、前記第1突出部の突出方向と反対側に位置する遮光壁は、少なくとも前記第1突出部の側方まで延在し、前記第1遮光壁および前記第2遮光壁のうち、前記第2突出部の突出方向と反対側に位置する遮光壁は、少なくとも前記第2突出部の側方まで延在していることを特徴とする。
【0006】
本発明を適用した電気光学装置は各種電子機器に用いられる。本発明において、電子機器が投射型表示装置である場合、投射型表示装置には、電気光学装置に供給される光を出射する光源部と、電気光学装置によって変調された光を投射する投射光学系と、が設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態1に係る電気光学装置の平面図。
図2図1に示す電気光学装置の断面図。
図3図1に示す電気光学装置において隣り合う複数の画素の平面図。
図4図3に示す画素の1つを拡大して示す平面図。
図5図4のA1-A1′断面図。
図6図4のB1-B1′断面図。
図7図4のC1-C1′断面図。
図8図5および図6に示す走査線、半導体膜、ゲート電極等の平面図。
図9図5および図6に示す第1容量電極および第2容量電極等の平面図。
図10図5および図6に示すデータ線および容量線等の平面図。
図11図8に示す半導体膜の周辺を拡大して示す平面図。
図12】本発明の実施形態2に係る電気光学装置の説明図。
図13】本発明の実施形態3に係る電気光学装置の説明図。
図14図13に示す画素を拡大して示す説明図。
図15】本発明の実施形態4に係る電気光学装置の説明図。
図16】本発明の実施形態5に係る電気光学装置の説明図。
図17】本発明の実施形態6に係る電気光学装置の説明図。
図18図17に示す画素を拡大して示す説明図。
図19】本発明を適用した電気光学装置を用いた投射型表示装置の概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。また、以下の説明において、第1基板10に形成した各層を説明する際、上層側あるいは表面側とは基板本体19が位置する側とは反対側(第2基板20が位置する側)を意味し、下層側とは基板本体19が位置する側を意味する。また、第1基板10の面内方向で交差する2方向のうち、走査線3aが延在する方向を第1方向Xとし、データ線6aが延在する方向を第2方向Yとする。また、第1方向Xに沿う方向の一方側を第1方向Xの一方側X1とし、第1方向Xに沿う方向の他方側を第1方向Xの他方側X2とし、第2方向Yに沿う方向の一方側を第2方向Yの一方側Y1とし、第2方向Yに沿う方向の他方側を第2方向Yの他方側Y2とする。
【0009】
また、本発明において、「幅方向」とは、延在方向に対して直交する方向である。例えば、以下に説明する走査線3aおよび半導体膜31aは、第1方向Xに延在していることから、走査線3aの幅方向、および半導体膜31aの幅方向はいずれも、第2方向Yである。
【0010】
[実施形態1]
1.電気光学装置100の構成
図1は、本発明の実施形態1に係る電気光学装置100の平面図である。図2は、図1に示す電気光学装置100の断面図である。図1および図2に示すように、電気光学装置100では、第1基板10と、第2基板20とが所定の隙間を介してシール材107によって貼り合わされており、第1基板10と第2基板20とが対向している。シール材107は第2基板20の外縁に沿うように枠状に設けられており、第1基板10と第2基板20との間でシール材107によって囲まれた領域に液晶層等の電気光学層80が配置されている。シール材107は、光硬化性を備えた接着剤、あるいは光硬化性および熱硬化性を備えた接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー、あるいはガラスビーズ等のギャップ材が配合されている。本形態において、第1基板10および第2基板20はいずれも四角形であり、電気光学装置100の略中央には、表示領域10aが四角形の領域として設けられている。かかる形状に対応して、シール材107も略四角形に設けられ、シール材107の内周縁と表示領域10aの外周縁との間には、矩形枠状の周辺領域10bが設けられている。
【0011】
第1基板10は、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体19を含んでいる。基板本体19の第2基板20側の一方面19s側において、表示領域10aの外側には、第1基板10の一辺に沿ってデータ線駆動回路101および複数の端子102が設けられ、この一辺に隣接する他の辺に沿って走査線駆動回路104が設けられている。図示を省略するが、端子102には、フレキシブル配線基板が接続され、第1基板10には、フレキシブル配線基板を介して各種電位や各種信号が入力される。
【0012】
基板本体19の一方面19sの側において、表示領域10aには、ITO(Indium Tin Oxide)膜等からなる透光性の複数の画素電極9aがマトリクス状に形成され、複数の画素電極9aの各々が画素を構成する。画素電極9aに対して第2基板20側には第1配向膜16が形成されており、画素電極9aは、第1配向膜16によって覆われている。従って、基板本体19から第1配向膜16までが第1基板10に相当する。
【0013】
第2基板20は、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体29を備えている。基板本体29において第1基板10と対向する一方面29sの側には、ITO膜等からなる透光性の共通電極21が形成されており、共通電極21に対して第1基板10側には第2配向膜26が形成されている。従って、基板本体29から第2配向膜26までが第2基板20に相当する。共通電極21は、第2基板20の略全面に形成されており、第2配向膜26によって覆われている。第2基板20には、基板本体29と共通電極21との間に樹脂、金属または金属化合物からなる遮光部材27が形成され、遮光部材27と共通電極21との間に透光性の保護膜28が形成されている。遮光部材27は、例えば、表示領域10aの外周縁に沿って延在する額縁状の見切り27aとして形成されている。遮光部材27は、隣り合う画素電極9aにより挟まれた領域と平面視で重なる領域にブラックマトリクス27bとしても形成されている。第1基板10の周辺領域10bのうち、見切り27aと平面視で重なる領域には、画素電極9aと同時形成されたダミー画素電極9bが形成されている。なお、第2基板20において画素電極9aと対向する位置にレンズが設けられることがあり、この場合、ブラックマトリクス27bが形成されないことが多い。
【0014】
第1配向膜16および第2配向膜26は、例えば、SiO(x<2)、SiO、TiO、MgO、Al等の斜方蒸着膜からなる無機配向膜であり、電気光学層80に用いた負の誘電率異方性を備えた液晶分子を傾斜配向させている。このため、液晶分子は、第1基板10および第2基板20に対して所定の角度を成している。本形態において、第1配向膜16および第2配向膜26は、酸化シリコンからなる。このようにして、電気光学装置100は、VA(Vertical Alignment)モードの液晶装置として構成されている。
【0015】
第1基板10には、シール材107より外側において第2基板20の角部分と重なる領域に、第1基板10と第2基板20との間で電気的導通をとるための基板間導通用電極109が形成されている。基板間導通用電極109には、導電粒子を含んだ基板間導通材109aが配置されており、第2基板20の共通電極21は、基板間導通材109aおよび基板間導通用電極109を介して、第1基板10側に電気的に接続されている。このため、共通電極21は、第1基板10の側から共通電位が印加される。
【0016】
電気光学装置100において、画素電極9aおよび共通電極21がITO膜等の透光性導電膜により形成されており、電気光学装置100は、透過型液晶装置として構成されている。かかる電気光学装置100では、第1基板10および第2基板20のうち、一方側の基板から電気光学層80に入射した光が他方側の基板を透過して出射される間に変調されて画像を表示する。本実施形態では、矢印Lで示すように、第2基板20から入射した光が第1基板10を透過して出射される間に電気光学層80によって画素毎に変調され、画像を表示する。
【0017】
2.画素の概略構成
図3は、図1に示す電気光学装置100において隣り合う複数の画素の平面図である。図4は、図3に示す画素の1つを拡大して示す平面図であり、図4には、トランジスター30付近を拡大して示してある。図5は、図4のA1-A1′断面図である。図6は、図4のB1-B1′断面図である。図7は、図4のC1-C1′断面図である。なお、図3図4、および後述する図8図10では、各層を以下の線で表してある。また、図3図4、および後述する図8図10では、互いの端部が平面視で重なり合う層については、層の形状等が分かりやすいように、端部の位置をずらしてある。また、図3図4、および図8においては、溝41gを右上がりの斜線を付した領域で示してある。
走査線3a=太い一点鎖線
半導体膜31a=細くて短い破線
ゲート電極8a=細い実線
第1容量電極4a=細くて長い破線
第2容量電極5a=細い一点鎖線
データ線6aおよび中継電極6b、6c=太くて長い破線
容量線7aおよび中継電極7b=太い二点鎖線
画素電極9a=太くて短い破線
【0018】
図3および図4に示すように、第1基板10において第2基板20と対向する面には、複数の画素の各々に画素電極9aが形成されており、隣り合う画素電極9aにより挟まれた画素間領域に沿って走査線3a、データ線6a、および容量線7aが延在している。データ線6aは、画素間領域において第2方向Yに延在し、走査線3aは、画素間領域において第1方向Xに延在している。容量線7aは、画素間領域において第1方向Xおよび第2方向Yに沿って延在している。また、データ線6aと走査線3aとの交差に対応してトランジスター30が形成されている。ここで、走査線3a、データ線6a、および容量線7aは、遮光性を有している。従って、走査線3a、データ線6a、容量線7a、およびこれらの配線と同層の電極が形成された領域は、光が通過しない遮光領域18であり、遮光領域18で囲まれた領域は、光が透過する開口領域17である。また、1つの画素において開口領域17が占める割合が画素開口率に相当する。
【0019】
図5図6および図7に示すように、第1基板10では、基板本体19とトランジスター30の半導体膜31aとの間の層には第1層間絶縁膜41が設けられ、基板本体19と第1層間絶縁膜41との間の層には遮光膜3bが設けられている。本形態において、遮光膜3bは、走査線3aとして構成されている。第1基板10には、トランジスター30を
基板本体19とは反対側から覆う第2層間絶縁膜42が設けられている。また、第2層間絶縁膜42と画素電極9aとの間の層には層間絶縁膜43、44、45が順に積層されている。第1層間絶縁膜41、第2層間絶縁膜42、および層間絶縁膜43、44、45は各々、酸化シリコン等の透光性の絶縁膜からなる。本形態において、第1層間絶縁膜41、第2層間絶縁膜42、および層間絶縁膜45は、画素電極9a側の面が化学的機械研磨等の平坦化処理によって連続した平面になっている。
【0020】
3.各層の詳細説明
図5図6および図7を参照するとともに、以下の図8図10を適宜、参照して、第1基板10の詳細構成を説明する。図8は、図5および図6に示す走査線3a、半導体膜31a、ゲート電極8a等の平面図である。図9は、図5および図6に示す第1容量電極4aおよび第2容量電極5a等の平面図である。図10は、図5および図6に示すデータ線6aおよび容量線7a等の平面図である。なお、図8図10には、それらの図に示す電極等の電気的な接続に関連するコンタクトホールを示すとともに、基準となる位置を示すために半導体膜31aおよび画素電極9aを示してある。
【0021】
まず、図5および図6に示すように、第1基板10において、基板本体19と第1層間絶縁膜41との間の層には遮光膜3bが設けられている。本形態において、遮光膜3bは、第1方向Xに沿って延在する走査線3aを構成している。遮光膜3bは、金属膜あるいは金属化合物膜等の遮光性の導電膜からなる。本形態において、遮光膜3bは、タングステンシリサイド、タングステン、窒化チタン等からなる。
【0022】
第1層間絶縁膜41と第2層間絶縁膜42との間の層には、画素スイッチング用のトランジスター30が構成されている。トランジスター30は、第1層間絶縁膜41の基板本体19とは反対側の面に形成された半導体膜31aと、半導体膜31aの画素電極9a側に積層されたゲート絶縁膜32と、ゲート絶縁膜32の画素電極9a側で半導体膜31aと平面視で重なるゲート電極8aとを備えている。半導体膜31aは、ポリシリコン膜によって構成されている。ゲート絶縁膜32は、半導体膜31aを熱酸化した酸化シリコンからなる第1ゲート絶縁膜32aと、減圧CVD法等により形成された酸化シリコンからなる第2ゲート絶縁膜32bとの2層構造からなる。ゲート電極8aは、導電性のポリシリコン膜、金属膜、あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。
【0023】
図8に示すように、走査線3aは、同一の幅寸法をもって第1方向Xに延在する主線部分3a0と、主線部分3a0からデータ線6aに沿って第2方向Yの一方側Y1に突出した第1副線部分3a1と、主線部分3a0からデータ線6aに沿って第2方向Yの他方側Y2に突出した第2副線部分3a2とを有している。半導体膜31aは、走査線3aとデータ線6aとの交差部分から第1方向Xの他方側X2に延在しており、走査線3aの主線部分3a0と平面視で重なっている。半導体膜31aは、ゲート電極8aと平面視で重なる部分がチャネル領域31cになっている。本形態において、トランジスター30はLDD(Lightly Doped Drain)構造を有している。従って、半導体膜31aにおいて、チャネル領域31cに対して第1方向Xの他方側X2の画素電極側ソースドレイン領域31dは、チャネル領域31cから第1方向Xに離間する第1コンタクト領域31eと、第1コンタクト領域31eとチャネル領域31cとに挟まれた第1低濃度領域31fとを有しており、第1低濃度領域31fは、第1コンタクト領域31eより不純物濃度が低い。また、半導体膜31aにおいて、チャネル領域31cに対して第1方向Xの一方側X1のデータ線側ソースドレイン領域31sは、チャネル領域31cから第1コンタクト領域31eとは反対側に離間する第2コンタクト領域31tと、第2コンタクト領域31tとチャネル領域31cとに挟まれた第2低濃度領域31uとを有しており、第2低濃度領域31uは、第2コンタクト領域31tより不純物濃度が低い。第1コンタクト領域31eおよび第2コンタクト領域31tは、それらの一部が上層側の電極や配線と
の電気的な接続に用いられる。
【0024】
図6図7および図8に示すように、第1層間絶縁膜41には、走査線3aとトランジスター30のゲート電極8aとを電気的に接続するための溝41gが設けられている。溝41gの内部には、図11を参照して後述する遮光壁が構成されている。
【0025】
図5および図6において、トランジスター30の上層側において、第2層間絶縁膜42と層間絶縁膜43との間の層には、第1容量電極4a、誘電体膜40および第2容量電極5aが順に積層された積層膜550によって、容量素子55が構成されている。容量素子55は、画素電極9aと共通電極21との間に構成された液晶容量で保持される画像信号の変動を防ぐ保持容量である。第1容量電極4aおよび第2容量電極5aは、導電性のポリシリコン膜、金属膜、あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、第1容量電極4aおよび第2容量電極5aは、導電性のポリシリコン膜からなる。
【0026】
図9に示すように、第1容量電極4aは、走査線3aおよび半導体膜31aと平面視で重なるように第1方向Xに延在する本体部分4a1と、本体部分4a1からデータ線6aと平面視で重なるように突出した突出部4a2とを有しており、本体部分4a1の端部は、第2層間絶縁膜42に形成された第1コンタクトホール42aを介して半導体膜31aの第1コンタクト領域31eに電気的に接続されている。第1容量電極4aは、データ線6aと重なる半導体膜31aの端部と平面視で重ならないように切り欠き4a3が形成されている。
【0027】
第2容量電極5aは、第1容量電極4aの本体部分4a1と平面視で重なる本体部分5a1と、第1容量電極4aの突出部4a2と平面視で重なる突出部5a2とを有している。従って、容量素子55は、半導体膜31aと重なるように第1方向Xに延在する第1素子部551と、データ線6aと重なるように第2方向Yに延在する第2素子部552とを有する。それ故、容量素子55の静電容量が大きい。第2容量電極5aは、第1容量電極4aと同様、データ線6aと重なる半導体膜31aの端部と平面視で重ならないように切り欠き5a3が形成されている。また、第2容量電極5aの本体部分5a1の第1方向Xの他方側X2の端部には、第1容量電極4aの本体部分4a1の端部と重ならないように切り欠き5a4が形成されている。
【0028】
図5および図6において、層間絶縁膜43の上層側には層間絶縁膜44、45が形成されている。層間絶縁膜43と層間絶縁膜44との間の層にはデータ線6a、および中継電極6b、6cが設けられている。データ線6a、および中継電極6b、6cは同一の導電膜からなる。データ線6a、および中継電極6b、6cはいずれも、金属膜あるいは金属化合物膜等の遮光性の導電膜からなる。例えば、データ線6a、および中継電極6b、6cは、チタン層/窒化チタン層/アルミニウム層/窒化チタン層の多層構造や、窒化チタン層/アルミニウム層/窒化チタン層の多層構造からなる。
【0029】
第2層間絶縁膜42および層間絶縁膜43には第2コンタクトホール43aが設けられており、第2コンタクトホール43aは、ゲート絶縁膜32、第2層間絶縁膜42および層間絶縁膜43を貫通している。データ線6aは、第2コンタクトホール43aを介して、半導体膜31aの第2コンタクト領域31tに電気的に接続されている。第2コンタクトホール43aは、図9を参照して説明した第1容量電極4aの切り欠き4a3、および第2容量電極5aの切り欠き5a3に相当する部分に形成される。従って、第2コンタクトホール43aと容量素子55とを離間させることができる。層間絶縁膜43にはコンタクトホール43bが設けられており、コンタクトホール43bは、層間絶縁膜43を貫通している。中継電極6bは、コンタクトホール43bを介して第1容量電極4aに電気的に接続されている。コンタクトホール43bは、図9を参照して説明した第2容量電極5
aの切り欠き5a4に相当する部分に形成される。層間絶縁膜43にはコンタクトホール43cが設けられており、中継電極6cは、コンタクトホール43cを介して第2容量電極5aに電気的に接続されている。本形態において、中継電極6cは、半導体膜31aの少なくとも第2低濃度領域31uから第1低濃度領域31fまでを画素電極9aの側から覆い、少なくとも第2低濃度領域31uと平面視で重なっている。
【0030】
層間絶縁膜44と層間絶縁膜45の層間には、容量線7aおよび中継電極7bが設けられている。容量線7aおよび中継電極7bは同一の導電膜からなる。容量線7aおよび中継電極7bはいずれも、金属膜あるいは金属化合物膜等の遮光性の導電膜からなる。例えば、容量線7aおよび中継電極7bは、チタン層/窒化チタン層/アルミニウム層/窒化チタン層の多層構造や、窒化チタン層/アルミニウム層/窒化チタン層の多層構造からなる。
【0031】
層間絶縁膜44にはコンタクトホール44cが設けられており、容量線7aは、コンタクトホール44cを介して中継電極6cに電気的に接続されている。従って、容量線7aは、中継電極6cを介して第2容量電極5aに電気的に接続されており、第2容量電極5aには、容量線7aから共通電位が印加される。層間絶縁膜44にはコンタクトホール44bが設けられており、中継電極7bは、コンタクトホール44bを介して中継電極6bに電気的に接続されている。
【0032】
層間絶縁膜45には、コンタクトホール45aが設けられており、画素電極9aは、コンタクトホール45aを介して中継電極7bに電気的に接続されている。従って、画素電極9aは、中継電極7b、6bを介して第1容量電極4aに電気的に接続されている。ここで、第1容量電極4aは、第1コンタクトホール42aを介して半導体膜31aの第1コンタクト領域31eに電気的に接続していることから、画素電極9aは、第1容量電極4aを介して半導体膜31aの第1コンタクト領域31eに電気的に接続されている。
【0033】
4.遮光壁等の構成
図11は、図8に示す半導体膜31aの周辺を拡大して示す平面図である。ゲート電極8aは、ポリシリコン膜81aと遮光性の導電膜82aとを積層して構成されている。図11では、ポリシリコン膜81aに右下がりの斜線を付し、遮光性の導電膜82aに右上がりの斜線を付してある。従って、右下がりの斜線、および右上がりの斜線が付された領域は、ポリシリコン膜81aと遮光性の導電膜82aとが積層されていることを示す。
【0034】
図11に示すように、溝41gは、半導体膜31aの側方を通って走査線3aに到達するように第1層間絶縁膜41を貫通する第1溝41g1と、半導体膜31aの第1溝41g1とは反対側の側方で走査線3aに到達するように第1層間絶縁膜41を貫通する第2溝41g2として設けられている。第1溝41g1および第2溝41g2は各々、半導体膜31aの両側を通って半導体膜31aに沿うように第1方向Xに延在し、ゲート電極8aおよび走査線3aの双方と平面視で重なっている。
【0035】
ゲート電極8aは、半導体膜31aと交差するように第2方向Yに延在した導電性のポリシリコン膜81aと、ポリシリコン膜81aを覆う遮光性の導電膜82aとを積層することによって構成されている。導電膜82aに用いた導電性の遮光性材料は、ポリシリコン膜81aより遮光性が高く、抵抗が小さい。例えば、導電膜82aは、タングステンシリサイド膜等のシリサイド膜からなる。
【0036】
ここで、導電膜82aは、ポリシリコン膜81aより広い範囲にわたって形成されており、ポリシリコン膜81aの全体を覆っている。従って、ゲート電極8aにおいてポリシリコン膜81aが形成されている電極部8a0では、ポリシリコン膜81aと遮光性の導
電膜82aの2層構造になっており、ゲート電極8aにおいてポリシリコン膜81aが形成されていない領域では、導電膜82aの単層構造になっている。例えば、図5図6および図7に示すように、ゲート電極8aにおいて、第1溝41g1および第2溝41g2の内部にはポリシリコン膜81aが形成されておらず、導電膜82aの単層構造になっている。これに対して、電極部8a0のうち、溝41gの外側の部分では、ポリシリコン膜81aと導電膜82aとの2層構造になっている。
【0037】
第1溝41g1および第2溝41g2の内部には、ゲート電極8aと走査線3aとを電気的に接続する遮光性の導電膜82aが形成されている。導電膜82aは、第1溝41g1および第2溝41g2の内壁全体に沿って設けられている。従って、導電膜82aは、半導体膜31aの側方を通って走査線3aに到達するように第1層間絶縁膜41を貫通する第1遮光壁8a1と、半導体膜31aの第1遮光壁8a1とは反対側の側方で走査線3aに到達するように第1層間絶縁膜41を貫通する第2遮光壁8a2とを構成している。それ故、ゲート電極8aは、第1遮光壁8a1および第2遮光壁8a2を介して走査線3aに電気的に接続されているので、走査線3aから走査信号が印加される。
【0038】
かかる構成は、以下の工程によって実現される。まず、走査線3a、第1層間絶縁膜41、半導体膜31a、およびゲート絶縁膜32を形成する。次に、導電性のポリシリコン膜を形成した後、ポリシリコン膜をパターニングし、半導体膜31aに対して交差する第2方向Yに延在するポリシリコン膜81aを形成する。
【0039】
次に、エッチングマスクを形成した状態で、ゲート絶縁膜32、ポリシリコン膜81aおよび第1層間絶縁膜41をエッチングし、第1溝41g1および第2溝41g2を形成する。従って、第1溝41g1および第2溝41g2の内部には、ポリシリコン膜81aが存在しない。次に、遮光性の導電膜を形成した後、図11に示すように、遮光性の導電膜をパターニングし、遮光性の導電膜82aを形成する。その結果、導電膜82aのうち、第1溝41g1の内部に位置する部分によって第1遮光壁8a1が構成され、第2溝41g2の内部に位置する部分によって第2遮光壁8a2が構成される。
【0040】
5.半導体膜31a等の構成
図5および図8において、第2層間絶縁膜42は、第2層間絶縁膜42を貫通して第1コンタクト領域31eまで到達した第1コンタクトホール42aが形成されており、第1容量電極4aは、第1コンタクトホール42aを介して第1コンタクト領域31eに電気的に接続されている。また、第2層間絶縁膜42は、第2層間絶縁膜42を貫通して第2コンタクト領域31tまで到達した第2コンタクトホール43aが形成されており、データ線6aは、第2コンタクトホール43aを介して第2コンタクト領域31tに電気的に接続されている。
【0041】
ここで、半導体膜31aは、チャネル領域31cから走査線3aの延在方向で離間する位置でチャネル領域31cより走査線3aの幅方向の一方側および他方側のうちの一方に突出した第1突出部31gと、チャネル領域31cから走査線3aの延在方向で第1突出部31gとは反対側に離間する位置でチャネル領域31cより走査線3aの幅方向の一方側および他方側のうちの一方に突出した第2突出部31hとを備えている。従って、第1突出部31gに平面視で重なるように第1コンタクトホール42aを設け、第2突出部31hに平面視で重なるように第2コンタクトホール43aを設けることができるので、第1コンタクトホール42aおよび第2コンタクトホール43aでの電気的な接続を広い面積で行うことができる。それ故、第1コンタクトホール42aおよび第2コンタクトホール43aでの電気的な接続を広い面積で行うことができる。
【0042】
ここで、第1遮光壁8a1および第2遮光壁8a2のうち、第1突出部31gの突出方
向と反対側に位置する遮光壁は、少なくとも第1突出部31gの側方まで延在し、第1遮光壁8a1および第2遮光壁8a2のうち、第2突出部31hの突出方向と反対側に位置する遮光壁は、少なくとも第2突出部31hの側方まで延在している。
【0043】
本形態において、第1突出部31gおよび第2突出部31hは互いに、走査線3aの幅方向の反対方向に向けて突出している。より具体的には、第1突出部31gは、第1コンタクト領域31eの第1方向Xの他方側X2の端部で第2方向Yの他方側Y2に突出し、第2突出部31hは、第2コンタクト領域31tの第1方向Xの一方側X1の端部で第2方向Yの一方側Y2に突出している。
【0044】
従って、第1遮光壁8a1および第2遮光壁8a2のうち、第1突出部31gの突出方向と反対側に位置する第2遮光壁8a2は、少なくとも第1突出部31gの側方まで延在し、第1遮光壁8a1および第2遮光壁8a2のうち、第2突出部31hの突出方向と反対側に位置する第1遮光壁8a1は、少なくとも第2突出部31hの側方まで延在している。より具体的には、第1遮光壁8a1は、第1コンタクト領域31eのうち、第1突出部31gよりチャネル領域31cの側の側方から少なくとも第2突出部31hの側方まで延在し、第2遮光壁8a2は、第2コンタクト領域31tのうち、第2突出部31hよりチャネル領域31cの側の側方から少なくとも第1突出部31gの側方まで延在している。
【0045】
また、第1遮光壁8a1は、第1突出部31gの突出方向の端部の延長線とチャネル領域31cの第1突出部31gの突出方向の側の端部の延長線とによって挟まれた領域で延在しており、第1遮光壁8a1とチャネル領域31cとの間隔が狭い。また、第2遮光壁8a2は、第2突出部31hの突出方向の端部の延長線とチャネル領域31cの第2突出部31hの突出方向の側の端部の延長線とによって挟まれた領域で延在しており、第2遮光壁8a2とチャネル領域31cとの間隔が狭い。
【0046】
6.本形態の主な効果
以上説明したように、本実施形態の電気光学装置100において、第2基板20の側から入射した光は、半導体膜31aに対して第2基板20の側に設けられたデータ線6a、中継電極6c、容量線7a等によって遮られるため、半導体膜31aへの入射が抑制される。また、第1基板10の側から出射した光が再び、第1基板10の側から入射した場合でも、半導体膜31aに対して基板本体19の側に設けられた走査線3aによって遮られるため、半導体膜31aへの入射が抑制される。
【0047】
また、第1基板10において、半導体膜31aの側方には、第1層間絶縁膜41を貫通して走査線3aに到達した第1遮光壁8a1および第2遮光壁8a2が設けられているため、第2基板20の側から入射した後、半導体膜31aに交差する第2方向Yに進行する光、および第1基板10の側から入射した後、半導体膜31aに交差する第2方向Yに進行する光の双方を第1遮光壁8a1および第2遮光壁8a2によって遮ることができる。
【0048】
また、第1遮光壁8a1および第2遮光壁8a2のうち、第1突出部31gの突出方向と反対側に位置する第2遮光壁8a2は、少なくとも第1突出部31gの側方まで延在し、第1遮光壁8a1および第2遮光壁8a2のうち、第2突出部31hの突出方向と反対側に位置する第1遮光壁8a1は、少なくとも第2突出部31hの側方まで延在している。従って、第1遮光壁8a1および第2遮光壁8a2の延在範囲が長いので、半導体膜31aに入射しようとする光を第1遮光壁8a1および第2遮光壁8a2によって効率よく遮ることができる。特に、チャネル領域31cと第1コンタクト領域31eとの間に設けた第1低濃度領域31fへの光の入射を効率よく抑制することができるので、トランジスター30は、LDD構造による特性を十分に発揮することができる。
【0049】
また、第1遮光壁8a1は、第1コンタクト領域31eのうち、第1突出部31gよりチャネル領域31cの側の側方から少なくとも第2突出部31hの側方まで延在し、第2遮光壁8a2は、第2コンタクト領域31tのうち、第2突出部31hよりチャネル領域31cの側の側方から少なくとも第1突出部31gの側方まで延在している。従って、第1突出部31gにおける突出方向の側方、および第2突出部31hにおける突出方向の側方には、第1遮光壁8a1および第2遮光壁8a2が設けられていない。このため、第1突出部31gおよび第2突出部31hの存在が第1遮光壁8a1とチャネル領域31cとの間隔、および第2遮光壁8a2とチャネル領域31cとの間隔に影響を及ぼしにくいので、第1遮光壁8a1とチャネル領域31cとの間隔、および第2遮光壁8a2とチャネル領域31cとの間隔を狭めることができる。従って、半導体膜31aに入射しようとする光を第1遮光壁8a1および第2遮光壁8a2によって効率よく遮ることができる。
【0050】
また、第1突出部31gおよび第2突出部31hの存在は、第1遮光壁8a1および第2遮光壁8a2を設けた場合でも、走査線3aの幅に影響を及ぼしにくい。従って、走査線3aの幅を狭くすることができるので、第1遮光壁8a1および第2遮光壁8a2の遮光性を高めた場合でも、高い画素開口率を実現することができる。
【0051】
また、ゲート電極8aは、導電性のポリシリコン膜81aと遮光性の導電膜82aとを含み、遮光性の導電膜82aが溝41gの側面に沿って設けられている。このため、ゲート電極8aの遮光性が高く、抵抗が低い。また、導電膜82aとゲート絶縁膜32との間に導電性のポリシリコン膜81aが介在しているので、トランジスター30の閾値電圧が安定している。
【0052】
[実施形態2]
図12は、本発明の実施形態2に係る電気光学装置100の説明図である。図12には、図8と同様、走査線3a、半導体膜31a、ゲート電極8a等の平面構成を示してある。なお、本形態、および以下に説明する実施形態の基本的な構成は、実施形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0053】
図12に示すように、本形態でも、実施形態1と同様、半導体膜31aにおいて、第1突出部31gは、第1コンタクト領域31eの第1方向Xの他方側X2の端部で第2方向Yの他方側Y2に突出し、第2突出部31hは、第2コンタクト領域31tの第1方向Xの一方側X1の端部で第2方向Yの一方側Y2に突出している。また、第1突出部31gの突出方向と反対側に位置する第2遮光壁8a2は、少なくとも第1突出部31gの側方まで延在し、第2突出部31hの突出方向と反対側に位置する第1遮光壁8a1は、少なくとも第2突出部31hの側方まで延在している。
【0054】
本形態において、第1遮光壁8a1は、第2突出部31hの側方から第2突出部31hに走査線31aの延在方向で対向する位置まで屈曲し、第2遮光壁8a2は、第1突出部31gの側方から第1突出部31gに走査線3aの延在方向で対向する位置まで屈曲している。その他の構成は、実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0055】
かかる構成によれば、半導体膜31aと第1遮光壁8a1との間、および半導体膜31aと第2遮光壁8a2との間を通って半導体膜31aに入射しようとする光を、第1遮光壁8a1において第2突出部31hと対向するように屈曲した部分8a11、および第2遮光壁8a2において第1突出部31gと対向するように屈曲した部分8a21によって遮ることができるという効果を奏する。
【0056】
[実施形態3]
図13は、本発明の実施形態3に係る電気光学装置100の説明図である。図13には、図3と同様、複数の画素の平面図を示してある。図14は、図13に示す画素を拡大して示す説明図である。図14には、図8と同様、走査線3a、半導体膜31a、ゲート電極8a等の平面構成を示してある。
【0057】
図13および図14に示すように、本形態でも、実施形態1と同様、半導体膜31aにおいて、第1突出部31gは、第1コンタクト領域31eの第1方向Xの他方側X2の端部で第2方向Yの他方側Y2に突出し、第2突出部31hは、第2コンタクト領域31tの第1方向Xの一方側X1の端部で第2方向Yの一方側Y2に突出している。また、第1突出部31gの突出方向と反対側に位置する第2遮光壁8a2は、少なくとも第1突出部31gの側方まで延在し、第2突出部31hの突出方向と反対側に位置する第1遮光壁8a1は、少なくとも第2突出部31hの側方まで延在している。
【0058】
ここで、走査線3aに沿って配置された複数の半導体膜31aのうち、走査線3aの延在方向で隣り合う2つの半導体膜31aの間では、2つの半導体膜31aのうちの一方の半導体膜31aに沿って延在する第1遮光壁8a1と、2つの半導体膜31aのうちの他方の半導体膜31aに沿って延在する第2遮光壁8a2とが繋がっている。より具体的には、第1遮光壁8a1は、第2突出部31hと対向するように屈曲した部分8a11から延在して隣りの画素に設けられた第2遮光壁8a2と繋がっており、第2遮光壁8a2は、第1突出部31gと対向するように屈曲した部分8a21から延在して隣りの画素に設けられた第1遮光壁8a1と繋がっている。また、図11に示すように、第1遮光壁8a1と第2遮光壁8a2とは、半導体膜31のチャネル領域31cと平面視で重なる位置で電気的に接続されている。従って、第1遮光壁8a1および第2遮光壁8a2は、表示領域において走査線3aに沿って連続して延在する走査信号用の冗長配線を構成している。その他の構成は、実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0059】
かかる構成によれば、第1遮光壁8a1および第2遮光壁8a2が走査線3aに沿って連続して延在する冗長配線を構成しているため、走査線3aの幅を狭くして画素開口率を高めた場合でも、走査線3aの電気抵抗を低下させた場合と同等の効果を得ることができる。
【0060】
[実施形態4]
図15は、本発明の実施形態4に係る電気光学装置100の説明図である。図15には、図8と同様、走査線3a、半導体膜31a、ゲート電極8a等の平面構成を示してある。
【0061】
図15に示すように、本形態でも、実施形態1と同様、半導体膜31aは、チャネル領域31cから走査線3aの延在方向で離間する位置でチャネル領域31cより幅方向に突出した第1突出部31gと、チャネル領域31cから走査線3aの延在方向で第1突出部31gとは反対側に離間する位置でチャネル領域31cより幅方向に突出した第2突出部31hとを備えている。また、第1遮光壁8a1および第2遮光壁8a2のうち、第1突出部31gの突出方向と反対側に位置する遮光壁は、少なくとも第1突出部31gの側方まで延在し、第1遮光壁8a1および第2遮光壁8a2のうち、第2突出部31hの突出方向と反対側に位置する遮光壁は、少なくとも第2突出部31hの側方まで延在している。
【0062】
本形態において、第1突出部31gおよび第2突出部31hは互いに、走査線3aの幅方向の同一方向に向けて突出している。より具体的には、第1突出部31gは、第1コンタクト領域31eの第1方向Xの他方側X2の端部で第2方向Yの一方側Y1に突出し、第2突出部31hは、第2コンタクト領域31tの第1方向Xの一方側X1の端部で第2
方向Yの一方側Y2に突出している。
【0063】
従って、第1遮光壁8a1および第2遮光壁8a2のうち、第1突出部31gおよび第2突出部31hの突出方向と反対側に位置する第1遮光壁8a1は、少なくとも第1突出部31gの側方と第2突出部31hの側方との間で延在している。また、第1突出部31gおよび第2突出部31hの突出方向の側に位置する第2遮光壁8a2は、第1突出部31gと第2突出部31hとの間で延在している。より具体的には、第2遮光壁8a2は、第1コンタクト領域31eのうち、第1突出部31gよりチャネル領域31cの側の側方から、第2コンタクト領域31tのうち、第2突出部31hよりチャネル領域31cの側の側方まで延在している。
【0064】
また、第2遮光壁8a2は、第1突出部31gおよび第2突出部31hの突出方向の端部の延長線とチャネル領域31cの第1突出部31gおよび第2突出部31hの突出方向の側の端部の延長線とによって挟まれた領域で延在しており、第2遮光壁8a2とチャネル領域31cとの間隔が狭い。また、第1遮光壁8a1とチャネル領域31cとの間隔は、第2遮光壁8a2とチャネル領域31cとの間隔と同様、狭い。
【0065】
このように構成した場合も、実施形態1と同様、第2基板20の側から入射した後、半導体膜31aに交差する第2方向Yに進行する光、および第1基板10の側から入射した後、半導体膜31aに交差する第2方向Yに進行する光の双方を第1遮光壁8a1および第2遮光壁8a2によって遮ることができる。
【0066】
また、本形態では、第1遮光壁8a1の延在範囲が長いので、半導体膜31aに入射しようとする光を第1遮光壁8a1によって効率よく遮ることができる。また、第1突出部31gおよび第2突出部31hの存在が第1遮光壁8a1とチャネル領域31cとの間隔、および第2遮光壁8a2とチャネル領域31cとの間隔に影響を及ぼしにくいので、第1遮光壁8a1とチャネル領域31cとの間隔、および第2遮光壁8a2とチャネル領域31cとの間隔を狭めることができる。従って、半導体膜31aに入射しようとする光を第1遮光壁8a1および第2遮光壁8a2によって効率よく遮ることができる。また、第1突出部31gおよび第2突出部31hの存在は、第1遮光壁8a1および第2遮光壁8a2を設けた場合でも、走査線3aの幅に影響を及ぼしにくいので、走査線3aの幅を狭くすることができるので、第1遮光壁8a1および第2遮光壁8a2の遮光性を高めた場合でも、高い画素開口率を実現することができる。
【0067】
[実施形態5]
図16は、本発明の実施形態5に係る電気光学装置100の説明図である。図16には、図8と同様、走査線3a、半導体膜31a、ゲート電極8a等の平面構成を示してある。
【0068】
図16に示すように、本形態でも、実施形態4と同様、第1突出部31gおよび第2突出部31hは互いに、走査線3aの幅方向の同一方向に向けて突出している。第1遮光壁8a1および第2遮光壁8a2のうち、第1突出部31gおよび第2突出部31hの突出方向と反対側に位置する第1遮光壁8a1は、少なくとも第1突出部31gの側方と第2突出部31hの側方との間で延在している。また、第1突出部31gおよび第2突出部31hの突出方向の側に位置する第2遮光壁8a2は、第1突出部31gと第2突出部31hとの間で延在している。
【0069】
本形態において、第1遮光壁8a1は、第1突出部31gの側方から第1突出部31gに走査線31aの延在方向で対向する位置まで屈曲するとともに、第2突出部31hの側方から第2突出部31hに走査線3aの延在方向で対向する位置まで屈曲している。その
他の構成は、実施形態1、4と同様であるため、説明を省略する。
【0070】
かかる構成によれば、半導体膜31aと第1遮光壁8a1との間、および半導体膜31aと第2遮光壁8a2との間を通って半導体膜31aに入射しようとする光を、第1遮光壁8a1において第2突出部31hおよび第1突出部31gと対向するように屈曲した部分8a11、8a12によって遮ることができるという効果を奏する。
【0071】
[実施形態6]
図17は、本発明の実施形態6に係る電気光学装置100の説明図である。図17には、図3と同様、複数の画素の平面図を示してある。図18は、図17に示す画素を拡大して示す説明図である。図18には、図8と同様、走査線3a、半導体膜31a、ゲート電極8a等の平面構成を示してある。
【0072】
図17および図18に示すように、本形態でも、実施形態4と同様、第1突出部31gおよび第2突出部31hは互いに、走査線3aの幅方向の同一方向に向けて突出している。第1遮光壁8a1および第2遮光壁8a2のうち、第1突出部31gおよび第2突出部31hの突出方向と反対側に位置する第1遮光壁8a1は、少なくとも第1突出部31gの側方と第2突出部31hの側方との間で延在している。また、第1突出部31gおよび第2突出部31hの突出方向の側に位置する第2遮光壁8a2は、第1突出部31gと第2突出部31hとの間で延在している。
【0073】
ここで、走査線3aに沿って配置された複数の半導体膜31aのうち、走査線3aの延在方向で隣り合う2つの半導体膜31aの間では、2つの半導体膜31aのうちの一方の半導体膜31aに沿って延在する第1遮光壁8a1と、2つの半導体膜31aのうちの他方の半導体膜31aに沿って延在する第1遮光壁8a1とが繋がっている。従って、第1遮光壁8a1は、表示領域において走査線3aに沿って連続して延在する走査信号用の冗長配線を構成している。その他の構成は、実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0074】
かかる構成によれば、第1遮光壁8a1が走査線3aに沿って連続して延在する冗長配線を構成しているため、走査線3aの幅を狭くして画素開口率を高めた場合でも、走査線3aの電気抵抗を低下させた場合と同等の効果を得ることができる。
【0075】
[他の実施形態]
上記実施形態では、ゲート電極8aがポリシリコン膜81aと遮光性の導電膜82aとの2層構造になっていたが、ゲート電極8aが遮光性の導電膜82aの単層膜によって構成されている場合に本発明を適用してもよい。
【0076】
上記実施形態では、遮光膜3bが走査線3aであったが、複数の遮光膜3bが第1方向Xに沿って配置される場合に本発明を適用してもよい。
【0077】
上記実施形態では、データ線6a、中継電極6cおよび容量線7aによって、画素電極9aの側から半導体膜31aと平面視で重なる遮光部材を構成したが、第1容量電極4aおよび第2容量電極5aのうちの少なくとも一方を遮光性電極とし、かかる遮光性電極によって、画素電極9aの側から半導体膜31aと平面視で重なる遮光部材を構成してもよい。上記実施形態では、第1層間絶縁膜41の表面が平坦化されていたが、第1層間絶縁膜41の表面が平坦化されていない場合に本発明を適用してもよい。また、上記実施形態では、第2層間絶縁膜42の表面が平坦化されていたが、第2層間絶縁膜42の表面が平坦化されていない場合に本発明を適用してもよい。
【0078】
上記実施形態では、第2基板20の側から光源光が入射する電気光学装置100を例に説明したが、第1基板10の側から光源光が入射する電気光学装置100に本発明を適用してもよい。上記実施形態では、電気光学装置100が透過型液晶装置の場合を例示したが、電気光学装置100が反射型液晶装置である場合に本発明を適用してもよい。また、電気光学装置100が有機エレクトロルミネッセンス表示装置である場合に本発明を適用してもよい。
【0079】
[電子機器への搭載例]
上述した実施形態に係る電気光学装置100を用いた電子機器について説明する。図19は、本発明を適用した電気光学装置100を用いた投射型表示装置の概略構成図である。図19には、偏光板等の光学素子の図示を省略してある。図19に示す投射型表示装置2100は、電気光学装置100を用いた電子機器の一例である。投射型表示装置2100において、電気光学装置100がライトバルブとして用いられ、装置を大きくすることなく高精細で明るい表示が可能である。この図に示されるように、投射型表示装置2100の内部には、ハロゲンランプ等の白色光源を有するランプユニット等からなる光源部2102が設けられている。光源部2102から射出された投射光は、内部に配置された3枚のミラー2106および2枚のダイクロイックミラー2108によってR(赤)色、G(緑)色、B(青)色の3原色に分離される。分離された投射光は、各原色に対応するライトバルブ100R、100Gおよび100Bにそれぞれ導かれ、変調される。なお、B色の光は、他のR色やG色と比較すると光路が長いので、その損失を防ぐために、入射レンズ2122、リレーレンズ2123および出射レンズ2124を有するリレーレンズ系2121を介して導かれる。
【0080】
ライトバルブ100R、100G、100Bによってそれぞれ変調された光は、ダイクロイックプリズム2112に3方向から入射する。そして、ダイクロイックプリズム2112において、R色およびB色の光は90度に反射し、G色の光は透過する。したがって、各原色の画像が合成された後、スクリーン2120には、投射光学系2114によってカラー画像が投射される。
【0081】
[他の投射型表示装置]
なお、投射型表示装置については、光源部として、各色の光を出射するLED光源等を用い、かかるLED光源から出射された色光を各々、別の液晶装置に供給するように構成してもよい。
【0082】
[他の電子機器]
本発明を適用した電気光学装置100を備えた電子機器は、上記実施形態の投射型表示装置2100に限定されない。例えば、投射型のヘッドアップディスプレイ、直視型のヘッドマウントディスプレイ、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ等の電子機器に用いてもよい。
【符号の説明】
【0083】
3a…走査線、3b…遮光膜、4a…第1容量電極、5a…第2容量電極、6a…データ線、6b、6c、7b…中継電極、7a…容量線、8a…ゲート電極、8a0…電極部、8a1…第1遮光壁、8a2…第2遮光壁、9a…画素電極、10…第1基板、10a…表示領域、17…開口領域、18…遮光領域、19、29…基板本体、20…第2基板、21…共通電極、30…トランジスター、31a…半導体膜、31c…チャネル領域、31d…画素電極側ソースドレイン領域、31e…第1コンタクト領域、31f…第1低濃度領域、31g…第1突出部、32h…第2突出部、31s…データ線側ソースドレイン領域、31t…第2コンタクト領域、31u…第2低濃度領域、32…ゲート絶縁膜、40…誘電体膜、41…第1層間絶縁膜、41g…溝、41g1…第1溝、41g2…第2
溝、42…第2層間絶縁膜、42a…第1コンタクトホール、43a…第2コンタクトホール、55…容量素子、80…電気光学層、81a…ポリシリコン膜、82a…導電膜、100…電気光学装置、100B、100G、100R…ライトバルブ、2100…投射型表示装置、2102…光源部、2112…ダイクロイックプリズム、2114…投射光学系、X…第1方向、Y…第2方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
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