(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 45/47 20180101AFI20240618BHJP
F21S 45/00 20180101ALI20240618BHJP
F21S 41/141 20180101ALI20240618BHJP
F21S 41/155 20180101ALI20240618BHJP
F21S 41/16 20180101ALI20240618BHJP
F21S 41/19 20180101ALI20240618BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20240618BHJP
F21S 43/145 20180101ALI20240618BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20240618BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20240618BHJP
F21V 23/06 20060101ALI20240618BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20240618BHJP
F21V 29/77 20150101ALI20240618BHJP
F21S 41/143 20180101ALI20240618BHJP
F21W 102/10 20180101ALN20240618BHJP
F21W 102/30 20180101ALN20240618BHJP
F21W 103/10 20180101ALN20240618BHJP
F21W 103/55 20180101ALN20240618BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240618BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20240618BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20240618BHJP
【FI】
F21S45/47
F21S45/00
F21S41/141
F21S41/155
F21S41/16
F21S41/19
F21S43/14
F21S43/145
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21V19/00 450
F21V23/00 160
F21V23/06
F21V29/503 100
F21V29/77
F21S41/143
F21W102:10
F21W102:30
F21W103:10
F21W103:55
F21Y115:10
F21Y115:15
F21Y115:30
(21)【出願番号】P 2020166236
(22)【出願日】2020-09-30
【審査請求日】2023-09-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松岡 健二
(72)【発明者】
【氏名】清水 邦宏
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-171277(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 45/47
F21S 45/00
F21S 41/141
F21S 41/155
F21S 41/16
F21S 41/19
F21S 43/14
F21S 43/145
F21V 19/00
F21V 23/00
F21V 23/06
F21V 29/503
F21V 29/77
F21S 41/143
F21W 102/10
F21W 102/30
F21W 103/10
F21W 103/55
F21Y 115/10
F21Y 115/15
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子と、前記発光素子に接続される基板と、を有する光源部と、
前記光源部に電力を供給する給電部材と、
前記光源部が取り付けられる放熱部材と、
前記光源部が取り付けられる前記放熱部材の前面とは反対の後側に組付けられるソケットと、を備え、
前記基板と前記給電部材が基板接続部により電気的に接続され、
前記放熱部材は、少なくとも前記放熱部材の前後方向の配置にて前記基板接続部が支持されている拡張支持部を一体に有
し、
前記ソケットは、ソケット本体部と、ソケット放熱部と、を有し、
前記ソケット本体部は、前記ソケット本体部と前記ソケット放熱部を区画する底壁を有し、
前記放熱部材は、前記ソケット本体部に嵌め入れられる
ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
発光素子と、前記発光素子に接続される基板と、を有する光源部と、
前記光源部に電力を供給する給電部材と、
前記光源部が取り付けられる放熱部材と、
前記光源部が取り付けられる前記放熱部材の前面とは反対の後側に組付けられるソケットと、を備え、
前記基板と前記給電部材が基板接続部により電気的に接続され、
前記放熱部材は、少なくとも前記放熱部材の前後方向の配置にて前記基板接続部が支持されている拡張支持部を一体に有し、
前記放熱部材の前面に、前記拡張支持部である拡張支持領域を有し、
前記放熱部材の前後方向の厚さのうち、前記拡張支持領域の厚さは残りの領域の厚さよりも薄く設定されている
ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載された車両用灯具において、
前記放熱部材の前面に、前記発光素子が取り付けられる発光領域と、前記基板が取り付けられる基板領域と、を有し、
前記基板領域は、前記拡張支持部である拡張支持領域を含み、
前記放熱部材の前後方向の厚さのうち、前記発光領域の厚さは少なくとも前記基板領域の厚さよりも厚く設定されている
ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項4】
請求項1から請求項3までの何れか一項に記載された車両用灯具において、
前記放熱部材の前面のうち、前記発光素子と前記基板とは異なる領域に取り付けられ、
前記放熱部材の前面に、前記発光素子が取り付けられる発光領域と、前記基板が取り付けられる基板領域と、を有し、
前記基板領域は、前記拡張支持部である拡張支持領域を含み、
前記放熱部材の前後方向の厚さのうち、前記発光領域の厚さは少なくとも前記基板領域の厚さよりも厚く設定され、
前記発光領域は、少なくとも前記基板領域よりも前記放熱部材の前面が突出した凸形状に形成されている
ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項5】
請求項4に記載された車両用灯具において、
前記放熱部材の前面に、前記発光領域と、前記基板領域と、前記発光領域を拡張した拡張発光領域と、を有し、
前記放熱部材の前後方向の厚さのうち、前記発光領域の厚さと前記拡張発光領域の厚さは少なくとも前記基板領域の厚さよりも厚く設定され、
前記発光領域と前記拡張発光領域は、少なくとも前記基板領域よりも前記放熱部材の前面が突出した凸形状に形成され、前記放熱部材の前面にて連続した領域である
ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項6】
請求項5に記載された車両用灯具において、
前記拡張発光領域は、前記発光領域よりも、車両に搭載された状態での鉛直方向の上側に設定されている
ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項7】
請求項4から請求項6までの何れか一項に記載された車両用灯具において、
前記基板は、孔部を有し、
前記放熱部材は、前記孔部に挿入されて、かしめられる位置決め突起部を有する
ことを特徴とする車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用灯具は、基板の上面である実装面には発光チップが実装され、基板の下面である当接面は金属体の上面である当接面に密着している。金属体の下面である固定面は熱伝導樹脂部材に固定されている。金属体は、発光チップや基板等で構成される光源部で発生する熱を熱伝導樹脂部材へ伝達する。金属体の外周縁の1辺(給電部材が対応する辺)には、給電部材を回避する回避凹部が設けられている。給電部材の一端部は、基板を貫通して、半田により、電気的に接続されていてかつ機械的に取り付けられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の車両用灯具は、基板の当接面に対して垂直方向において、基板の一部は回避凹部に配置されているので、金属体により基板の一部は支持されていない。更に、基板と給電部材が半田等を介して電気的に接続される基板側の基板接続部は、金属体により基板の一部が支持されていない部分であるので、基板接続部を支持するのは困難である。このため、垂直方向における基板接続部の支持剛性が確保されていない、という問題がある。
【0005】
本開示は、上記問題に着目してなされたもので、部品点数を増大させることなく、前後方向における基板接続部の支持剛性を確保する車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示の車両用灯具は、光源部と、給電部材と、放熱部材と、ソケットと、備える。光源部は、発光素子と、発光素子に接続される基板と、を有する。給電部材は、光源部に電力を供給する。放熱部材は、光源部が取り付けられる。ソケットは、光源部が取り付けられる放熱部材の前面とは反対の後側に組付けられる。この車両用灯具において、基板と給電部材が基板接続部により電気的に接続される。放熱部材は、少なくとも放熱部材の前後方向の配置にて基板接続部が支持されている拡張支持部を一体に有する。
【発明の効果】
【0007】
よって、部品点数を増大させることなく、前後方向における基板接続部の支持剛性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の車両用灯具を説明する説明図である。
【
図2】本開示の光源ユニットを示す前側斜視図である。
【
図3】本開示の光源ユニットを示す分解斜視図である。
【
図4】本開示の光源部・放熱部材・給電部材・電源側コネクタを説明する説明図である。
【
図5】本開示の光源部・放熱部材・給電部材・電源側コネクタの断面を示す断面図であって、本開示の電源側コネクタの一部破断を示す破断面であって、
図4のI―I線における断面図である。
【
図6】本開示の光源部・放熱部材の断面を示す断面図であって、
図4のII―II線における断面図から給電部材・電源側コネクタを除いた図である。
【
図8】本開示の放熱部材の断面を示す断面図であって、
図7のIII―III線における断面図である。
【
図9】本開示の放熱部材の断面を示す断面図であって、
図7のIV―IV線における断面図である。
【
図10】本開示の光源部・放熱部材・給電部材を示す分解斜視図である。
【
図11】本開示の光源ユニットを示す後側斜視図である。
【
図12】本開示のソケットを示す前側斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示による車両用灯具を実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
【実施例1】
【0010】
実施例1における車両用灯具1は、自動車等の車両の灯具として用いられるものであり、例えばヘッドランプやフォグランプやデイタイムランニングランプやクリアランスランプ等に適用されるものである。以下の説明では、車両用灯具1において、車両の直進時の進行方向(前後方向)であって光を照射する方向を光軸方向(図面では「Z」とし、照射する方を前側とする。)とし、車両に搭載された状態での鉛直方向を上下方向(図面では「Y」とする。)とし、光軸方向および上下方向に直交する方向(左右方向)を幅方向(図面では「X」とする。)とする。以下、実施例1の構成を、「全体構成」と、「光源ユニットの構成」と、「放熱部材の要部構成」と、に分けて説明する。
【0011】
【0012】
車両用灯具1は、
図1に示すように、ランプハウジング11と、ランプレンズ12と、リフレクタ13と、光源ユニット2と、を備える。ランプハウジング11は、色付きや塗装された樹脂材料等の光不透過性の部材で形成され、前方が開口し、後方が塞がれた中空形状とされる。ランプハウジング11では、塞がれた後端を貫通する取付穴11aが設けられている。取付穴11aの縁には、複数個の切欠部とストッパ部とが略等間隔に設けられている。
【0013】
ランプレンズ12は、透明樹脂部材やガラス部材等の光透過性の部材により形成され、ランプハウジング11の開放された前端を覆うことのできる形状に形成されている。ランプレンズ12は、ランプハウジング11の開口部に封止された状態にて固定され、水密性が確保されている。ランプハウジング11とランプレンズ12とに区画されて、灯室14が形成されている。
【0014】
リフレクタ13は、光源ユニット2から出射される出射光を配光制御する配光制御部であり、ランプハウジング11等に固定されている。リフレクタ13は、灯室14内に配置されている。リフレクタ13は、光源ユニット2の発光部31c(後述)の近傍に焦点を有する湾曲形状に形成されている。リフレクタ13は、内側の面が光を反射する反射面13aとされ、底部に取付穴13bが設けられている。取付穴13bは、リフレクタ13が灯室14内に配置された状態において、ランプハウジング11の取付穴11aと通じる位置関係である。なお、リフレクタ13をランプハウジング11とは別の部材として形成されているが、一体の構成すなわちランプハウジング11の内側の面を反射面としても良く、他の構成としてもでも良い。また、リフレクタ13(反射面13a)に替えて、光源ユニット2の光軸方向の前側に導光部材を設けてその発光部31cとは異なる位置や大きさの異なる領域で光を出射するものとしてもよく、実施例1の構成に限定されない。このように導光部材を設けた場合であっても、車両用灯具1は、例えば、ヘッドランプやフォグランプやデイタイムランニングランプやクリアランスランプ等として用いることができる。
【0015】
灯室14には、ランプハウジング11の取付穴11aとリフレクタ13の取付穴13bとに通されて、光源ユニット2が配置されている。光源ユニット2は、ランプハウジング11との間に封止部材15(Oリング、ゴムパッキン)を介在させて、ランプハウジング11の取付穴11aに着脱可能に取り付けられている。なお、光源ユニット2は、上下方向用光軸調整機構や左右方向用光軸調整機構を介して灯室14に設けられても良い。
【0016】
次に、
図2~
図12を参照して、光源ユニット2の構成を説明する。
【0017】
光源ユニット2は、
図2と
図3と
図11等に示すように、光源部3と、放熱部材4(ヒートシンク)と、給電部材5(光源側コネクタ)と、電源側コネクタ6と、ソケット7と、封止部材15(
図1参照)と、を備えている。
【0018】
光源部3は、
図2~
図6に示すように、発光素子31と、回路基板32(基板)と、一対のボンディングワイヤ33(ボンディングリボン)と、を有している。
【0019】
発光素子31は、サブマウント基板31aと、一対の発光電極部31b(発光端子部)と、発光部31c(発光チップ)と、接着剤31d(接着層)と、を有する。発光素子31は、サブマウント基板31aに発光部31cが設けられ、回路基板32とは別体に設けられるサブマウントタイプである。
【0020】
サブマウント基板31aは、光軸方向にて前側から見て略矩形形状に形成されている。サブマウント基板31aの前面かつ下側には左右に一つずつ発光電極部31bが設けられ、サブマウント基板31aの前面かつ上側には発光部31cが取り付けられている。サブマウント基板31aには、発光電極部31bと発光部31cとを電気的に接続する電気経路が設けられている。サブマウント基板31aの後面は、接着剤31dにより放熱部材4に取り付けられている。接着剤31dは、熱伝導性を有する。接着剤31dは、エポキシ系樹脂接着剤、シリコン系樹脂接着剤またはアクリル系樹脂接着剤等の材質であり、液状形態、流動状形態またはテープ形態等の形態である。
【0021】
発光部31cは、LED(Light Emitting Diode)、LDチップ(レーザーダイオードチップ)、EL(有機EL)等の自発光半導体型光源であり、前方から見て略矩形形状である。発光部31cは、光源ユニット2がランプハウジング11へ組付けられた状態にて、リフレクタ13の焦点の近傍位置に配置されている。発光部31cは、回路基板32から発光電極部31bへ電力が供給されると点灯する。なお、発光部31cは、上記の導光部材を用いる場合には、導光部材の入射部の近傍位置に配置されている。
【0022】
回路基板32は、車両に搭載された制御回路からの制御信号を発光部31cへ伝えるものであり、コンデンサ等の複数の素子が設けられている。回路基板32は、給電部材5からの電力を発光素子31へ供給する。回路基板32は、前方から見て、中央部32Aの上側が切り欠かれた基板切欠部32Bを有する形状である。言い換えると、回路基板32は、前方から見て、凹字形状またはU字形状に形成されている。回路基板32は、一対のかしめ孔部32a(孔部)と、一対の湾曲孔部32bと、一対の端子接続孔部32c(基板側の基板接続部)と、一対の基板電極部32dと、粘着シート32eと、を有している。回路基板32には、端子接続孔部32cと基板電極部32dとを電気的に接続する電気経路が設けられている。一対のかしめ孔部32aと、一対の湾曲孔部32bと、一対の端子接続孔部32cと、は回路基板32の光軸方向に貫通されている。回路基板32は、粘着シート32eにより放熱部材4に取り付けられている。粘着シート32eは、少なくとも回路基板32のかしめ孔部32aと湾曲孔部32bと端子接続孔部32cとに対応する部分について切り欠かれている。粘着シート32eは、エポキシ系樹脂接着剤、シリコン系樹脂接着剤またはアクリル系樹脂接着剤等の材質であり、テープ形態である。粘着シート32eの形態は、テープ形態に代えて、液状形態または流動状形態等の形態であっても良い。
【0023】
かしめ孔部32aは、基板切欠部32Bの左右に一つずつ設けられている。かしめ孔部32aのそれぞれには、位置決め突起部46(後述)が挿入されて、位置決め突起部46がかしめられることにより、回路基板32は放熱部材4に固定される。湾曲孔部32bは、基板切欠部32Bとかしめ孔部32aとの間に一つずつ設けられている。湾曲孔部32bは、幅方向にて基板切欠部32B側に突出した湾曲形状に形成されている。端子接続孔部32cは、基板切欠部32Bの下側であって左右に一つずつ設けられている。端子接続孔部32cのそれぞれは、放熱部材4の前面4Aに回路基板32を取り付けた際、光軸方向にて左右の端子挿入孔部42a(後述)のそれぞれと重なる位置(対応する位置)に設けられている。端子接続孔部32cには、端子一端部51a(後述)がそれぞれ挿入される。そして、端子接続孔部32cの前側にて、端子接続孔部32cと端子一端部51aとがそれぞれ半田(不図示)を介して電気的に接続される。基板電極部32dは、上下方向において基板切欠部32Bと端子接続孔部32cとの間であって左右に一つずつ設けられている。基板電極部32dの位置は、発光素子31と回路基板32が放熱部材4に取り付けられた状態にて、発光電極部31bの位置よりも幅方向にて外側に配置されている(
図4参照)。
【0024】
ボンディングワイヤ33は、超音波を用いたワイヤボンディングにより左右の発光電極部31bと左右の基板電極部32dをそれぞれ電気的に接続している。これにより、回路基板32は、給電部材5からの電力を発光素子31へ供給する。ボンディングワイヤ33は、光軸方向にて前側に突出した湾曲形状に形成されている。
【0025】
放熱部材4は、
図3~
図10に示すように、発光部31cから発生する熱をソケット7に伝導する(逃がす)ヒートシンク部材であり、熱伝導率の高い金属材料や樹脂材料で形成されている。例えば、放熱部材4は、熱伝導性を有するアルミダイカストにより形成されている。放熱部材4は、ベース部41(本体部)と、拡張支持部42と、フィン部43と、第1凸部44と、第2凸部45と、一対の位置決め突起部46と、を一体に有する。
【0026】
ベース部41は、
図7~
図9に示すように、光軸方向に直交する板状に形成されている。ベース部41は、前方から見て上側が略弓形形状であり下側が略矩形形状である。ベース部41の前側には第1凸部44と第2凸部45とが設けられおり、ベース部41の後側にはフィン部43が設けられている。ベース部41の下側には拡張支持部42が設けられている。
【0027】
拡張支持部42は、ベース部41の光軸方向の前端部分、かつ、ベース部41の下側に設けられている。つまり、拡張支持部42は、ベース部41を下側に拡張したものである。言い換えると、拡張支持部42は、第1凸部44よりも車両に搭載された状態での上下方向の下側に設けられている。拡張支持部42は、光軸方向に直交する板状に形成されている。拡張支持部42は、前方から見て略弓形形状である。拡張支持部42は、
図5と
図10等に示すように、一対の端子挿入孔部42aと、一対の第1突起42bと、一対の第2突起42cと、を有する。端子挿入孔部42aは、拡張支持部42の光軸方向に貫通され、左右に一つずつ設けられている。端子挿入孔部42aのそれぞれは、放熱部材4の前面4Aに回路基板32が取り付けられた際、光軸方向にて端子接続孔部32cのそれぞれと重なる位置(対応する位置)に設けられている。このため、拡張支持部42は、光軸方向のソケット7側(後側)の端子接続孔部32cを支持する。端子挿入孔部42aの径は、端子接続孔部32cの径よりも大きく設定されている。端子挿入孔部42aには、給電端子51の端子一端部51aがそれぞれ挿入される。第1突起42bは、拡張支持部42の拡張支持後面42Bが突出した突形状に形成されている。第1突起42bは、左右に一つずつ設けられ、幅方向にて一対の端子挿入孔部42aを挟む位置に配置されている。第1突起42bは、端子挿入孔部42aに端子一端部51aが挿入されると、絶縁一端面52a(後述)に当接される。第2突起42cは、拡張支持後面42Bが第1突起42bよりも突出した突形状に形成されている。第2突起42cは、左右に一つずつ設けられ、幅方向にて一対の第1突起42bを挟む位置に配置されている。
【0028】
フィン部43は、
図8~
図10等に示すように、ベース後面41Bが突出した、複数の並列フィン43aと複数の連結フィン43bと、を有する。各並列フィン43aは、ベース後面41Bにおいて、上下方向に直交する平坦な板状に形成されている。各並列フィン43aは、上下方向に所定の間隔を開けて並列に設けられている。すなわち、各並列フィン43aは、平板形状とされることで上下のそれぞれに平坦な外表面を有しており、互いの外表面を対向させて並列されている。例えば、並列フィン43aの枚数は四枚である。連結フィン43bは、各並列フィン43aを上下方向に架け渡すものである。例えば、連結フィン43bの枚数は、二枚である。二枚の連結フィン43bは、各並列フィン43aの幅方向端部よりも内側であって上下方向にて、一番上の並列フィン43a1から中間の二枚の並列フィン43a2,43a3を経て一番下の並列フィン43a4に至るものとされている。このため、フィン部43は、四枚の並列フィン43aと二枚の連結フィン43bとが格子状に組み合わされたものである。並列フィン43aと連結フィン43bとは交差部分で重畳している。
【0029】
中間の並列フィン43a3(一番上の並列フィン43a1から3番目)は、
図8に示すように、光軸方向にて一対の位置決め突起部46と重なる位置(光軸方向の同一直線上の位置)に設けられている。連結フィン43bのそれぞれは、
図9に示すように、光軸方向にて位置決め突起部46のそれぞれと重なる位置(光軸方向の同一直線上の位置)に設けられている。つまり、中間の並列フィン43a3および連結フィン43bの左右の交差部分のそれぞれは、光軸方向にて位置決め突起部46のそれぞれと重なる位置(光軸方向の同一直線上の位置)となっている。
【0030】
第1凸部44は、
図7~
図9等に示すように、ベース前面41Aが突出した凸形状に形成されている。第1凸部44は、前方から見て矩形形状である。第1凸部44は、放熱部材4の前面4A全体の中央部分に設けられている。なお、放熱部材4の前面4A全体には、放熱部材4から位置決め突起部46を含めないものとする。第2凸部45は、ベース前面41Aが突出した凸形状に形成されている。第2凸部45は、前方から見て上側が略弓形形状であり下側が矩形形状である。言い換えると、第2凸部45は、前方から見て、T字形状に形成されている。第2凸部45は、放熱部材4の前面4A全体の上側、かつ、第1凸部44よりも車両に搭載された状態での上下方向の上側に設けられている。第1凸部44と第2凸部45は、前方に同じ量だけ突出した凸形状に形成されている(
図8参照)。第1凸部44と第2凸部45は、一体の凸形状に形成されている。言い換えると、第2凸部45は第1凸部44の上側から連続しており、第1凸部44と第2凸部45とはその間に間隔を空けず隣接した状態である。放熱部材4の前面4A全体では、第1凸部44と第2凸部45による段差が生じる。このため、放熱部材4の前面4A全体は、第1凸部44と第2凸部45の凸面部4A1と、凸面部4A1に対して凹んでいる残りの凹面部4A2と、に分かれる。
【0031】
位置決め突起部46は、第1凸部44と第2凸部45よりもベース前面41Aから前方へ突出した円柱形状に形成されている。位置決め突起部46は、第1凸部44の左右に一つずつ設けられ、幅方向にて第1凸部44を挟む位置に配置されている。位置決め突起部46のそれぞれには、かしめ孔部32aが挿入されて、かしめられることにより、回路基板32は放熱部材4に固定される(
図4等参照)。位置決め突起部46のそれぞれの位置は、光軸方向にて中間の並列フィン43a3および連結フィン43bの左右の交差部分のそれぞれと重なる位置(光軸方向の同一直線上の位置)である。
【0032】
給電部材5は、
図5に示すように、コネクタのうち光源側の光源側コネクタである。なお、コネクタは、給電部材5と電源側コネクタ6である。給電部材5は、電源側コネクタ6(
図11参照)が、機械的に着脱可能にかつ電気的に断続可能に接続されるものであり、電源側コネクタ6からの電力を光源部3に供給する。給電部材5は、
図3と
図12に示すように、給電取付孔71f(後述)に絶縁材料を介して嵌め入れられることにより、ソケット7に固定される。給電部材5は、
図5と
図10等に示すように、一対の給電端子51(電極ピン)と、給電絶縁部52と、を有する。給電端子51は、ピン形状であり、一対の端子一端部51aと一対の端子他端部51bを残して、給電絶縁部52により覆われている。端子一端部51aのそれぞれは、端子挿入孔部42aと端子接続孔部32cに挿入される。そして、端子接続孔部32cの前側にて、端子接続孔部32cと端子一端部51aとがそれぞれ半田(不図示)を介して電気的に接続される。端子他端部51bのそれぞれは、コネクタ電極部61(後述)のそれぞれに差し込むことにより電気的に接続される。給電絶縁部52の絶縁一端面52aは、端子挿入孔部42aに端子一端部51aを挿入すると、一対の第1突起42bに当接される。これにより、給電部材5は放熱部材4に対して位置決めされると共に、端子一端部51aは端子接続孔部32cに対して位置決めされる。給電絶縁部52の絶縁他端面52bは、コネクタ電極部61に端子他端部51bを差し込むと、コネクタ一端面6a(後述)に当接される。これにより、給電部材5は、光軸方向にて拡張支持部42と電源側コネクタ6に挟まれる。
【0033】
電源側コネクタ6は、
図1と
図5に示すように、コネクタのうち電源側のコネクタであり、給電部材5に電力を供給する。電源側コネクタ6は、
図11に示すように、ソケット放熱部72(後述)の後方かつ下側にてソケット7と嵌合されることにより、ソケット7に固定される。電源側コネクタ6は、
図5と
図11等に示すように、一対のコネクタ電極部61と、一対のハーネス接続部62と、コネクタ絶縁部63と、を有する。一対のコネクタ電極部61と一対のハーネス接続部62とは、端部の電極部分を残して、コネクタ絶縁部63により覆われている。コネクタ電極部61と端子他端部51bとのそれぞれは電気的に接続されている。ハーネス接続部62とハーネス16とのそれぞれは電気的に接続されている(
図1参照)。これにより、給電端子51とハーネス16が、電源側コネクタ6を介して電気的に接続される(
図1と
図5参照)。コネクタ一端面6aは、コネクタ電極部61に端子他端部51bを差し込むと、絶縁他端面52bに当接される。
【0034】
ソケット7は、
図1~
図3と
図11と
図12に示すように、放熱部材4から伝導された熱を外部に逃がす(放射させる)部材であり、熱伝導性を有する材料(例えば樹脂材料)で形成されている。ソケット7は、光源部3が取り付けられる放熱部材4の前面4Aとは反対の後側に組付けられる。ソケット7は、ソケット本体部71と、ソケット放熱部72と、を一体に有する。光軸方向にて、ソケット7の前側にソケット本体部71が設けられ、ソケット7の後側にソケット放熱部72が設けられている。
【0035】
ソケット本体部71は、周壁71aと、フランジ壁71bと、底壁71cと、四つの取付突起71dと、溝部71eと、給電取付孔71fと、一対の位置決め穴71gと、を有する。ソケット本体部71は、底壁71cによりソケット放熱部72側すなわち光軸方向の後側と区画されている。周壁71aは、光軸方向に延び、外径がランプハウジング11の取付穴11aの内径より若干小さい円筒形状に形成されている。フランジ壁71bは、周壁71aの後側から光軸方向に直交する方向の外側に全周に亘って突出する平板形状に形成されている。底壁71cは、円筒形状の周壁71aの後側を閉鎖するものである。つまり、底壁71cは、ソケット本体部71の底面に相当する。
【0036】
取付突起71dは、フランジ壁71bよりも前方であって、周壁71aから光軸方向に直交する方向の外側に突出する凸形状に形成されている。四つの取付突起71dは、周壁71aの周方向で略等しい間隔で設けられており、ランプハウジング11の取付穴11aに設けられた切欠部を通すことができる。各取付突起71dは、上記の切欠部を通した後にランプハウジング11に対するソケット本体部71の回転姿勢が変化されてストッパ部に宛がわれることにより、フランジ壁71bとの間に取付穴11aの周縁部と封止部材15とを挟み込むことができる(
図1参照)。これにより、各取付突起71dは、フランジ壁71bと協働して、ソケット7すなわち光源ユニット2をランプハウジング11に封止部材15を介して着脱可能に取り付けることができる。
【0037】
溝部71eと給電取付孔71fと位置決め穴71gとは、円筒形状の周壁71aの内側に形成されている。
【0038】
溝部71eは、放熱部材4のフィン部43を嵌め入れる部分であり、フィン部43を反転させた形状に形成されている。溝部71eは、複数の壁部71e1と、溝底部に相当する底壁71cと、により形成されている。溝部71eは、4枚の並列フィン43aに適合する並列溝部71e2と、2枚の連結フィン43bに適合する連結溝部71e3と、が格子状に組み合わされている。このため、溝部71eは、フィン部43と適切に噛み合うようにフィン部43を受け入れることができる。なお、溝部71eには熱伝導グリース100(熱伝導体)が塗布される。
【0039】
給電取付孔71fは、給電部材5を取り付ける孔であり、底壁71cが光軸方向に貫通されている。給電取付孔71fは、給電絶縁部52の外形(絶縁一端面52aと絶縁他端面52bを除く)を模る形状に形成されている。給電取付孔71fは、絶縁材料を介して給電部材5を嵌め入れることにより、給電部材5の絶縁性が確保されている。給電取付孔71fに給電部材5を嵌め入れると、ソケット7の後側に端子他端部51bが露出される。そして、端子他端部51bに電源側コネクタ6が取り付けられることにより、端子他端部51bがコネクタ電極部61に電気的に接続される(
図5と
図11参照)。
【0040】
位置決め穴71gは、第2突起42cを挿入する部分である。位置決め穴71gは、光軸方向の後側に延び、第2突起42cを挿入可能な形状に形成されている。位置決め穴71gは、幅方向にて給電取付孔71fの外側に配置され、上下方向にて溝部71eと給電取付孔71fとの間に配置されている。位置決め穴71gのそれぞれは、第2突起42cが挿入されることにより、放熱部材4とソケット7との相対的な位置を定めることができる。つまり、第2突起42cが放熱部材4側の位置決め部であり、位置決め穴71gがソケット7側の位置決め部である。なお、第2突起42cと位置決め穴71gは、放熱部材4とソケット7との相対的な位置を定めるものであれば、位置や数は適切に設定されれば良く、例えば突起と穴を入れ替えても良く、実施例1の構成に限定されない。
【0041】
ソケット放熱部72は、ソケット本体部71を介して、放熱部材4から伝導された熱を外部に逃がす(放射させる)ものである。ソケット放熱部72は、複数のソケットフィン72aを有する。ソケットフィン72aは、フランジ壁71bと底壁71cの後面から、光軸方向の後側に突出し、幅方向に直交する面に沿う板状に形成されている。ソケットフィン72aは、幅方向に所定の間隔を開けて並列に設けられている。ソケット放熱部72の後方かつ下側には、ソケットフィン72aが設けられていない部分がある(
図11参照)。ソケットフィン72aが設けられていない部分には、電源側コネクタ6が嵌合される嵌合部(不図示)が設けられている。嵌合部は、電源側コネクタ6が機械的に着脱可能に取り付けられるものである。嵌合部に電源側コネクタ6が取り付けられることにより、ソケット7に電源側コネクタ6が固定されると共に、電源側コネクタ6と給電部材5とが電気的に接続される。
【0042】
次に、
図4~
図9を参照して、放熱部材4の要部構成について説明する。
【0043】
図4と
図7を参照して、放熱部材4の前面4A全体の領域について説明する。
【0044】
放熱部材4の前面4A全体を、下記の通りに分ける。放熱部材4の前面4A全体を、拡張支持領域4Aeと、残りのベース領域4Aa(残りの領域)と、に分ける。拡張支持領域4Aeは、拡張支持部42であり、発光領域4Af(後述)よりも車両に搭載された状態での上下方向の下側に設定されている。ベース領域4Aaは、ベース部41であり、ベース部41のベース前面41A全体である。
【0045】
放熱部材4の前面4A全体を、発光領域4Afと、回路基板領域4Ag(基板領域)と、拡張発光領域4Ahと、に分ける。発光領域4Afは、第1凸部44であり、発光素子31が取り付けられる領域である。回路基板領域4Agは、ベース部41の一部と拡張支持部42であり、回路基板32が取り付けられる領域である。回路基板領域4Agは、拡張支持領域4Aeを含む領域である。言い換えると、回路基板領域4Agの一部の領域と拡張支持領域4Aeとは重複している。拡張発光領域4Ahは、第2凸部45であり、発光領域4Afを拡張した領域である。拡張発光領域4Ahは、発光領域4Afよりも車両に搭載された状態での上下方向の上側に設定されている。拡張発光領域4Ahは、何も取り付けられない領域である。
【0046】
そして、ベース領域4Aaは、発光領域4Afと拡張発光領域4Ahとかしめ領域4Ajとを合わせた領域である。かしめ領域4Ajは、孔部32aと湾曲孔部32bと位置決め突起部46とが配置される領域であって、位置決め突起部46がかしめられる領域である。言い換えると、かしめ領域4Ajは、回路基板領域4Agから拡張支持領域4Aeを含めない領域である。回路基板領域4Agは、拡張支持領域4Aeとかしめ領域4Ajを合わせた領域である。
【0047】
図6~
図9を参照して、放熱部材4における光軸方向の厚さ(寸法)について説明する。なお、放熱部材4における光軸方向の厚さは、放熱部材4からフィン部43と位置決め突起部46を含めいない厚さである。
【0048】
拡張支持領域4Aeの厚さ40eは、ベース領域4Aaの厚さ40a(残りの領域の厚さ)よりも薄く設定されている。言い換えると、拡張支持領域4Aeの厚さ40eは、発光領域4Afの厚さ40fと拡張発光領域4Ahの厚さ40hとかしめ領域4Ajの厚さ40jのいずれの厚さよりも薄く設定されている。
【0049】
発光領域4Afの厚さ40fは、拡張発光領域4Ahの厚さ40hと同じ厚さに設定されている。放熱部材4の前面4A全体のうち、発光領域4Afと拡張発光領域4Ahは、前面4Aにて連続した領域であり、前側にて同一平面(面一)である。発光領域4Afと拡張発光領域4Ahとは、その間に間隔を空けずに隣接した状態である。
【0050】
発光領域4Afの厚さ40fおよび拡張発光領域4Ahの厚さ40hは、回路基板領域4Agの厚さ40gよりも厚く設定されている。言い換えると、発光領域4Afの厚さ40fおよび拡張発光領域4Ahの厚さ40hは、拡張支持領域4Aeの厚さ40eとかしめ領域4Ajの厚さ40jのどちらの厚さよりも厚く設定されている。
【0051】
かしめ領域4Ajの厚さ40jは、拡張支持領域4Aeの厚さ40eよりも厚く設定されている。かしめ領域4Ajの厚さ40jは、第1凸部44および第2凸部45の厚さ40k(凸面部4A1の厚さ、段差)分、発光領域4Afの厚さ40fおよび拡張発光領域4Ahの厚さ40hよりも薄く設定されている。放熱部材4の前面4A全体のうち、拡張支持領域4Aeとかしめ領域4Ajは、前面4Aにて連続した領域であり、前側にて同一平面(面一)である。拡張支持領域4Aeとかしめ領域4Ajは、その間に間隔を空けずに隣接した状態である。拡張支持領域4Aeの厚さ40eは、かしめ領域4Ajの厚さ40jよりも厚さ40mだけ薄く設定されている。
【0052】
ここで、放熱部材4の前面4A全体では、発光領域4Afと拡張発光領域4Ahは凸面部4A1となり、回路基板領域4Ag(拡張支持領域4Aeとかしめ領域4Aj)は凹面部4A2となる。言い換えると、発光領域4Afと拡張発光領域4Ahは、回路基板領域4Agよりも放熱部材4の前面4Aが突出した凸形状に形成されている。そして、回路基板領域4Agに回路基板32が取り付けられると、回路基板32は第1凸部44よりも前側に突出する(
図6参照)。更に、発光領域4Afに発光素子31が取り付けられると、光軸方向にて発光電極部31bの位置は基板電極部32dの位置よりも前側である(
図6参照)。光軸方向にて、回路基板32の厚さは、第1凸部44の厚さと発光素子31の厚さとを足した厚さよりも薄く設定されている(
図6参照)。言い換えると、光軸方向の第1凸部44の厚さ40kは、光軸方向の回路基板32の厚さ等に基づいて決定される。
【0053】
次に、実施例1の作用を、「光源ユニット2の組付け作用」と、「端子接続孔部32cの支持剛性作用」と、「拡張支持部42の作用」と、「車両用灯具1の放熱基本作用」と、「車両用灯具1の放熱特徴作用」と、に分けて説明する。
【0054】
まず、光源ユニット2の組付け作用について説明する。
【0055】
最初に、
図3に示すように、給電部材5は、ソケット7の給電取付孔71fに絶縁材料を介して嵌め入れられる。
【0056】
次に、
図4と
図7を参照して、光源部3の放熱部材4への取り付けについて説明する。
まず、発光素子31は、接着剤31dにより発光領域4Afに取り付けられる。次に、回路基板32は、粘着シート32eにより回路基板領域4Agに取り付けられる。回路基板32の取り付けのとき、粘着シート32eの切り欠き部分が、端子挿入孔部42aと位置決め突起部46に合わせられる。次に、かしめ孔部32aに位置決め突起部46が挿入され、端子接続孔部32cと端子挿入孔部42aの位置が合せられる。その後、位置決め突起部46の先端が潰されることにより、位置決め突起部46が塑性変形される。つまり、位置決め突起部46がかしめられる。これにより、回路基板32は放熱部材4に固定される。次に、超音波を用いたワイヤボンディングにより左右の発光電極部31bと左右の基板電極部32dはそれぞれ接続される。接続されるとき、各発光電極部31bと各基板電極部32dに宛がわれた各ボンディングワイヤ33の両端は、超音波を用いたワイヤボンディングにより電気的に接続される。
【0057】
続いて、
図3と
図10と
図12を参照して、放熱部材4とソケット7の組付けについて説明する。
【0058】
次に、ソケット7の溝部71eに熱伝導グリース100(熱伝導体)が塗布される。ここで、熱伝導グリース100は、放熱部材4のフィン部43と溝部71eとの間での熱伝導性を高めるためのものである。次に、各第2突起42cは位置決め穴71gに挿入される。続いて、超音波が用いられ放熱部材4はソケット7に圧入される。圧入のとき、各第2突起42cと位置決め穴71gの位置決めの作用により、フィン部43は溝部71eに嵌め入れられる。更に、同作用により、給電部材5の各端子一端部51aは、端子挿入孔部42aに挿入された後に端子接続孔部32cに挿入される。そして、給電絶縁部52の絶縁一端面52aは、一対の第1突起42bに当接される。また、端子一端部51aの一部(先端部)は、端子接続孔部32cから、回路基板32の前面よりも僅かに前側に突き出る。
【0059】
続いて、
図2と
図4に示すように、端子接続孔部32cの前側にて、半田(不図示)を用いて、端子一端部51aのそれぞれは、端子接続孔部32cのそれぞれに電気的に接続される。このように、光源ユニット2は組付けられる。
【0060】
そして、封止部材15は、
図1~
図3に示すように、周壁71aに取り巻きられつつフランジ壁71bに宛がわれた状態にて取り付けられる。次に、封止部材15が取り付けられた状態にて、光源ユニット2は発光部31c側からランプハウジング11の取付穴11aに挿入される。次に、ソケット7の各取付突起71dは取付穴11aの縁に設けられた切欠部に通される。次に、ランプハウジング11に対するソケット本体部71の回転姿勢が変化される。次に、各取付突起71dが対応するストッパ部に宛がわれる。これにより、フランジ壁71bと取付穴11aの周縁部との間に封止部材15とが挟み込まれた状態にて、光源ユニット2はランプハウジング11に取り付けられる。その後、ランプハウジング11にリフレクタ13およびランプレンズ12が取り付けられる。このように、車両用灯具1が組付けられる。
【0061】
これにより、車両用灯具1において、光源部3は、ランプハウジング11の取付穴11aおよびリフレクタ13の取付穴13bを経て灯室14内に配置され、リフレクタ13の反射面13a側に配置される。また、車両用灯具1は、ソケット7の嵌合部に、ハーネス16が接続された電源側コネクタ6が取り付けられる(
図1参照)。これにより、給電部材5を経て回路基板32から発光素子31に電力が供給可能になり、発光部31cを点灯および消灯することができる。
【0062】
次に、端子接続孔部32cの支持剛性作用について説明する。
【0063】
本開示は、従来の車両用灯具では、垂直方向(光軸方向)における基板接続部の支持剛性が確保されていない、という課題に着目した。そして、基板接続部の支持剛性が確保されていないと、基板と給電部材の接続時等において基板接続部やその周辺が破損したり、外部からの振動により基板と給電部材の接続状態が解除されたりするおそれがある。
【0064】
これに対し、実施例1では、
図5等に示すように、回路基板32と給電部材5が端子接続孔部32cにより電気的に接続される。そして、放熱部材4は、放熱部材4の光軸方向の配置にて端子接続孔部32cが支持されている拡張支持部42を一体に有するものである。即ち、拡張支持部42は、ベース部41を下方に拡張したものであるから、部品点数を増大させなくて良い。更に、放熱部材4の光軸方向の配置にて、拡張支持部42により端子接続孔部32cの後側(ソケット7側)が支持されている。言い換えると、拡張支持部42が端子接続孔部32cの後側の支持力を受け持っている。この結果、部品点数を増大させることなく、光軸方向における端子接続孔部32cの支持剛性が確保される。これにより、回路基板32と給電部材5の接続時等において端子接続孔部32cやその周辺が破損したり、外部からの振動により回路基板32と給電部材5の接続状態が解除されたりするおそれが抑制される。更に、部品点数を増大させなくて良いので、組付け工数を増大させることなく、光軸方向における端子接続孔部32cの支持剛性が確保される。
【0065】
次に、拡張支持部42の作用について説明する。
【0066】
実施例1では、
図7と
図8等に示すように、放熱部材4の光軸方向の厚さのうち、拡張支持領域4Aeの厚さ40eはベース領域4Aaの厚さ40aよりも薄く設定されている。ここで、回路基板32(端子接続孔部32c)と給電部材5(端子一端部51a)が半田を介して拡張支持部42にて接続される部分(端子接続孔部32c)は、放熱部材4として放熱性が要求されない部分(あるいは放熱性の要求は比較的低い部分)である。これにより、拡張支持領域4Aeの厚さ40eはベース領域4Aaの厚さ40aよりも薄く設定することができる。このため、放熱部材4本来の放熱性が維持されつつ、光軸方向における端子接続孔部32cの支持剛性が確保される。
【0067】
更に、実施例1では、放熱部材4は、ベース部41と拡張支持部42とを一体に有する。拡張支持部42は、ベース部41の前端部分、かつ、ベース部41の上下方向の下方に一体に設けられている。これにより、拡張支持部42の後方に、少なくとも厚さ40mの分の組付けスペースが確保される。このため、端子接続孔部32cとの関係にて給電部材5の位置の自由度を高めることができる。
【0068】
更にまた、実施例1では、
図5と
図10等に示すように、拡張支持部42は、光軸方向に貫通された端子挿入孔部42aと、拡張支持後面42Bが突出した第1突起42bと、を有する。これにより、第1突起42bは、端子挿入孔部42aに端子一端部51aが挿入されると、給電絶縁部52の絶縁一端面52aに当接される。このため、給電部材5を組み付ける際に、第1突起42bにより給電部材5の組付け位置を決定することができる。
【0069】
続いて、車両用灯具1の放熱基本作用について説明する。
【0070】
車両用灯具1において、
図6等に示すように、発光素子31は、直接、放熱部材4に設けられている。更に、放熱部材4のフィン部43はソケット7の溝部71eに嵌め入れられている。これにより、発光素子31から発生する熱は、直接、放熱部材4へ伝導される。次に、放熱部材4へ伝導された熱は、フィン部43から溝部71eを介してソケット7へ伝導される。そして、ソケット7へ伝導された熱は、ソケット7から外部へ放熱される。
【0071】
このため、車両用灯具1は、発光素子31を適切に冷却することができ、発光素子31を適切に点灯および消灯することができる。更に、発光素子31は、直接、放熱部材4に設けられているので、基板実装タイプよりも、実施例1では発光素子31の放熱性において有利である(放熱性が高い)。更にまた、ソケット7にはソケットフィン72aが設けられているので、放熱部材4からソケット7へと伝導された熱を効率よく外部へ放射することができる。これにより、放熱部材4の放熱性を促進することができる。なお、基板実装タイプは、従来のように(特開2013-247062号公報)、基板の上面である実装面には発光チップが実装され、基板の下面側に金属体が配置されているものである。言い換えると、発光チップと金属体との間に基板を介在させるものである。
【0072】
次に、車両用灯具1の放熱特徴作用について説明する。
【0073】
ここで、近年、車両用灯具は、LED化が進み、LEDから発生する熱の放熱性について重要度が高まっている。しかし、新しいデザインによる部品の小型化やコストによる部品点数の削減により、一つのLEDで高出力化および高輝度化が要求されている。また、LEDの高出力化に伴いLEDから発生する発熱が増大しており、課題として放熱性の促進(効率化)が望まれている。
【0074】
これに対し、実施例1では、
図7と
図8等に示すように、放熱部材4の光軸方向の厚さのうち、発光領域4Afの厚さ40fは、回路基板領域4Agの厚さ40gよりも厚く設定されている。即ち、発光領域4Afの厚さ40fの熱容量は、回路基板領域4Agの厚さ40gの熱容量よりも大きくなる。これにより、発光領域4Afの周囲の温度上昇速度を遅らせることができるので、発光素子31から発生する熱は熱伝導作用により放熱部材4へ伝導されやすくなる。このため、発光素子31の温度上昇が抑制され、発光素子31から発生した熱の放熱性が促進される。
【0075】
更に、実施例1では、発光領域4Afは、回路基板領域4Agよりも放熱部材4の前面4Aが突出した凸形状に形成されている。ここで、例えば、仮に発光素子31と回路基板32とが取り付けらえる面が同一平面上である場合、発光素子31の発光による出射光が、回路基板32によりカットされるおそれがある。これに対し、実施例1では、発光領域4Afに発光素子31が取り付けられ、回路基板領域4Agに回路基板32が取り付けられるので、発光素子31(詳細には発光部31c)が回路基板32よりも前側になる。このため、発光素子31(詳細には発光部31c)の発光による出射光が、回路基板32によりカットされにくくなる。つまり、仮に発光領域4Afと回路基板領域4Agが同一平面である場合よりも、配光の設計において有利である(配光の設計がしやすい)。加えて、発光素子31の発光電極部31bが基板電極部32dよりも前側になるので、ワイヤボンディングしやすい。
【0076】
実施例1では、
図7~
図9等に示すように、放熱部材4の光軸方向の厚さのうち、発光領域4Afの厚さ40fと拡張発光領域4Ahの厚さ40hは、回路基板領域4Agの厚さ40gよりも厚く設定されている。そして、発光領域4Afと拡張発光領域4Ahは、回路基板領域4Agよりも放熱部材4の前面4Aが突出した凸形状に形成されている。また、発光領域4Afと拡張発光領域4Ahは、放熱部材4の前面4Aにて連続した領域である。即ち、発光領域4Afの厚さ40fの熱容量に加えて拡張発光領域4Ahの厚さ40hの熱容量も、回路基板領域4Agの厚さ40gの熱容量よりも大きく設定されており、発光領域4Afと拡張発光領域4Ahは連続した領域である。これにより、拡張発光領域4Ahの厚さ40hの熱容量の分、発光領域4Afの周囲の温度上昇速度をより遅らせることができる。このため、発光素子31から発生する熱は熱伝導作用により発光領域4Afから放熱部材4(特に拡張発光領域4Ahである第2凸部45)へ伝導されやすくなる。従って、発光素子31の温度上昇がより抑制され、発光素子31から発生した熱の放熱性がより促進される。
【0077】
実施例1では、拡張発光領域4Ahは、発光領域4Afよりも車両に搭載された状態での上下方向の上側に設定されている。即ち、熱は下側から上側へ伝導されることおよび熱は熱容量が大きい方へ伝導されることに着目して、拡張発光領域4Ahの配置が設定されている。言い換えると、熱を発生する発光素子31よりも、上側(拡張発光領域4Ahの厚さ40h)の熱容量が下側(回路基板領域4Agの厚さ40g)の熱容量よりも大きく設定されている。これにより、発光素子31から発生する熱は発光領域4Afを通じて拡張発光領域4Ah(第2凸部45)の方へ伝導されやすくなる。このため、発光領域4Afの周囲の温度上昇速度をより一層遅らせることができ、発光素子31から発生する熱は熱伝導作用により放熱部材4へ伝導されやすくなる。従って、発光素子31の温度上昇がより一層抑制され、発光素子31から発生した熱の放熱性がより一層促進される。なお、拡張支持領域4Aeは、上記のとおり放熱性が要求されないので、発光領域4Afよりも車両に搭載された状態での上下方向の下側に設定されている。
【0078】
更に、実施例1では、放熱部材4の前面4A全体のうち、発光領域4Afと拡張発光領域4Ahは同一平面である。拡張発光領域4Ahは、何も取り付けられない領域である。これにより、発光部31cの発光による出射光が、拡張発光領域4Ahによりカットされにくい。このため、仮に拡張発光領域4Ahが何か取り付けられる領域である場合よりも、配光の設計において有利である(配光の設計がしやすい)。
【0079】
実施例1では、
図2と
図4等に示すように、放熱部材4は、かしめ孔部32aに挿入されて、かしめられる位置決め突起部46を有する。即ち、放熱部材4に回路基板32を取り付ける際、かしめ孔部32aに位置決め突起部46が挿入されることにより、容易に放熱部材4に対して回路基板32が位置決めされる。更に、かしめ孔部32aに位置決め突起部46が挿入された後、位置決め突起部46がかしめられるので、放熱部材4に回路基板32が取り付けられる。これにより、ワイヤボンディングの場合の振動や放熱部材4がソケット7に嵌め入れられる場合の振動や車両の振動等によって、放熱部材4からの回路基板32の脱落が抑制される。このため、容易に放熱部材4に対して回路基板32が位置決めされると共に、放熱部材4からの回路基板32の脱落が抑制される。加えて、実施例1では、基板切欠部32Bとかしめ孔部32aとの間に一つずつ湾曲孔部32bが設けられている。これにより、かしめ孔部32aに作用する応力を、湾曲孔部32bへ分散することができる。このため、位置決め突起部46がかしめられるとき、回路基板32の破損を抑制することができる。
【0080】
以上説明したように、実施例1の車両用灯具1にあっては、下記に列挙する効果が得られる。
【0081】
(1)車両用灯具1は、光源部3と、給電部材5と、放熱部材4と、ソケット7と、を備える。光源部3は、発光素子31と、発光素子31に接続される回路基板32(基板)と、を有する。給電部材5は、光源部3に電力を供給する。放熱部材4は光源部3が取り付けられる。ソケット7は、光源部3が取り付けられる放熱部材4の前面4Aとは反対の後側に組付けられる。車両用灯具1において、回路基板32(基板)と給電部材5が端子接続孔部32c(基板接続部)により電気的に接続される。放熱部材4は、少なくとも放熱部材4の光軸方向(前後方向)の配置にて端子接続孔部32c(基板接続部)が支持されている拡張支持部42を一体に有する。従って、部品点数を増大させることなく、光軸方向における端子接続孔部32c(基板接続部)の支持剛性を確保することができる車両用灯具1を提供することができる。
【0082】
(2)放熱部材4の前面4Aに、拡張支持部42である拡張支持領域4Aeを有する。放熱部材4の光軸方向(前後方向)の厚さのうち、拡張支持領域4Aeの厚さ40eはベース領域4Aaの厚さ40a(残りの領域の厚さ)よりも薄く設定されている。従って、上記(1)の効果に加え、放熱部材4本来の放熱性を維持することができると共に、光軸方向における端子接続孔部32c(基板接続部)の支持剛性を確保することができる
【0083】
(3)放熱部材4の前面4Aに、発光素子31が取り付けられる発光領域4Afと、回路基板32(基板)が取り付けられる回路基板領域4Ag(基板領域)と、を有する。回路基板領域4Ag(基板領域)は、拡張支持部42である拡張支持領域4Aeを含む。放熱部材4の光軸方向(前後方向)の厚さのうち、発光領域4Afの厚さ40fは少なくとも回路基板領域4Agの厚さ40g(基板領域の厚さ)よりも厚く設定されている。従って、上記(1)~(2)の効果に加え、発光素子31の温度上昇を抑制することができ、発光素子31から発生した熱の放熱性を促進することができる。
【0084】
(4)放熱部材4の前面4Aのうち、発光素子31と回路基板32(基板)とは異なる領域に取り付けられる。放熱部材4の前面4Aに、発光素子31が取り付けられる発光領域4Afと、回路基板32(基板)が取り付けられる回路基板領域4Ag(基板領域)と、を有する。回路基板領域4Ag(基板領域)は、拡張支持部42である拡張支持領域4Aeを含む。放熱部材4の光軸方向(前後方向)の厚さのうち、発光領域4Afの厚さ40fは少なくとも回路基板領域4Agの厚さ40g(基板領域の厚さ)よりも厚く設定されている。発光領域4Afは、少なくとも回路基板領域4Ag(基板領域)よりも放熱部材4の前面4Aが突出した凸形状に形成されている。従って、上記(1)~(3)の効果に加え、発光素子31(詳細には発光部31c)の発光による出射光が、回路基板32(基板)によりカットされにくくできる。
【0085】
(5)放熱部材4の前面4Aに、発光領域4Afと、回路基板領域4Ag(基板領域)と、発光領域4Afを拡張した拡張発光領域4Ahと、を有する。放熱部材4の光軸方向(前後方向)の厚さのうち、発光領域4Afの厚さ40fと拡張発光領域4Ahの厚さ40hは、少なくとも回路基板領域4Agの厚さ40g(基板領域の厚さ)よりも厚く設定されている。発光領域4Afと拡張発光領域4Ahは、少なくとも回路基板領域4Ag(基板領域)よりも放熱部材4の前面4Aが突出した凸形状に形成され、放熱部材4の前面4Aにて連続した領域である。従って、上記(4)の効果に加え、発光素子31の温度上昇をより抑制することができ、発光素子31から発生した熱の放熱性をより促進することができる。
【0086】
(6)拡張発光領域4Ahは、発光領域4Afよりも、車両に搭載された状態での上下方向(鉛直方向)の上側に設定されている。従って、上記(5)の効果に加え、発光素子31の温度上昇をより一層抑制することができ、発光素子31から発生した熱の放熱性をより一層促進することができる。
【0087】
(7)回路基板32(基板)は、かしめ孔部32a(孔部)を有する。放熱部材4は、かしめ孔部32a(孔部)に挿入されて、かしめられる位置決め突起部46を有する。従って、上記(4)~(6)の効果に加え、容易に放熱部材4に対して回路基板32(基板)を位置決めすることができると共に、放熱部材4からの回路基板32(基板)の脱落を抑制することができる。
【0088】
以上、本開示の車両用灯具1を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0089】
実施例1では、回路基板32と給電部材5が半田を介して電気的に接続される回路基板32の基板接続部を、端子接続孔部32cとする例を示したが、これに限られない。例えば、回路基板32の基板接続部を、板状の端子としても良い。要するに、回路基板32と給電部材5が電気的に接続されていれば良い。このように構成しても、上記(1)~(7)に記載の効果を奏する。
【0090】
実施例1では、拡張支持部42は端子接続孔部32cとその周辺(回路基板32の一部)を支持する例を示したが、これに限られない。要するに、拡張支持部42により、少なくとも放熱部材4の光軸方向の配置にて回路基板32と給電部材5が電気的に接続される基板接続部が支持されていれば良い。このように構成しても、上記(1)~(7)に記載の効果を奏する。
【0091】
実施例1では、放熱部材4の前面4A全体を、ベース領域4Aaと拡張支持領域4Aeと発光領域4Afと回路基板領域4Agと拡張発光領域4Ahとかしめ領域4Ajに分ける例を示したが、これに限られない。例えば、これらの領域の位置や大きさは変更しても良いし、これらの領域に他の領域を追加しても良い。このように構成しても、少なくとも上記(1)~(5),(7)に記載の効果を奏する。
【0092】
実施例1では、残りの領域を、ベース領域4Aaとする例を示したが、これに限られない。要するに、放熱部材4の前面4Aのうち、拡張支持領域4Aeの厚さ40eが残りの領域の厚さよりも薄ければ良い。このように構成しても、少なくとも上記(1)~(2)に記載の効果を奏する。
【0093】
実施例1では、発光領域4Afの厚さ40fは、回路基板領域4Agの厚さ40gよりも厚く設定されている例を示した。また、発光領域4Afの厚さ40fは、拡張発光領域4Ahの厚さ40hと同じ厚さに設定されている例を示した。しかし、これに限られない。例えば、発光領域4Afの厚さ40fは、回路基板領域4Agの厚さ40gと拡張発光領域4Ahの厚さ40h(発光領域4Afを除く残りの領域の厚さ)よりも厚く設定されていても良い。このように構成しても、少なくとも上記(1)~(4)に記載の効果を奏する。
【0094】
実施例1では、発光領域4Afは、回路基板領域4Agよりも放熱部材4の前面4Aが突出した凸形状に形成されている例を示したが、これに限られない。例えば、発光領域4Afは、回路基板領域4Agと拡張発光領域4Ahよりも放熱部材4の前面4Aが突出した凸形状に形成されていても良い。例えば、拡張発光領域4Ahが放熱部材4の前面4Aが突出した凸形状に形成され無くても良い。このように構成しても、少なくとも上記(1)~(4)に記載の効果を奏する。更に、発光領域4Afは、回路基板領域4Agよりも放熱部材4の前面4Aが突出した凸形状に形成されていなくても良い。例えば、発光領域4Afは、少なくとも回路基板領域4Agよりも放熱部材4の前面4Aとは反対の後面が突出した凸形状に形成されていても良い。このように構成しても、少なくとも上記(1)~(3)に記載の効果を奏する。
【0095】
実施例1では、拡張発光領域4Ahの厚さ40hは、発光領域4Afの厚さ40fと同じ厚さに設定され、回路基板領域4Agの厚さ40gよりも厚く設定されている例を示したが、これに限られない。例えば、拡張発光領域4Ahの厚さ40hは、発光領域4Afの厚さ40fよりも薄く設定され、かつ、回路基板領域4Agの厚さ40gよりも厚く設定されていても良いし、発光領域4Afの厚さ40fよりも厚く設定されていても良い。つまり、発光領域4Afと拡張発光領域4Ahの厚さ40hは、前側にて同一平面で無くても良い。このように構成しても、少なくとも上記(1)~(5)に記載の効果を奏する。
【0096】
実施例1では、拡張発光領域4Ahは、発光領域4Afよりも車両に搭載された状態での上下方向の上側に設定されている例を示したが、これに限られない。例えば、拡張発光領域4Ahは、発光領域4Afよりも車両に搭載された状態での上下方向の下側や幅方向の左右の両側等に設定されても良い。このように構成しても、少なくとも上記(1)~(5)に記載の効果を奏する。
【0097】
実施例1では、放熱部材4は、ベース後面41Bから後方に突出するフィン部43を有する例を示したが、これに限られない。例えば、放熱部材4がフィン部43を有さなくても良い。このように構成しても、上記(1)~(7)に記載の効果を奏する。なお、このように構成した場合、例えば、ベース後面41Bを平坦面とし、ソケット7の溝部71eを平坦面とする。そして、ソケット7の平坦面に熱伝導グリース100が塗布され、放熱部材4がソケット7に組付けられる。
【0098】
実施例1では、発光素子31と回路基板32とは別体に放熱部材4に取り付けられるサブマウントタイプである例を示したが、これに限られない。例えば、基板実装タイプであっても良い。つまり、回路基板32の前面に発光素子31が実装され、回路基板32の後側に放熱部材4が配置されているタイプでも良い。このように構成した場合、回路基板32は、発光部31cを駆動制御する制御回路を構成するものであっても良い。このように構成しても、少なくとも上記(1)~(3)に記載の効果を奏する。なお、実施例1におけるサブマウント基板31aと回路基板32とは、電気的に接続されていれば良く、実施例1のボンディングワイヤ33の構成には限定されない。
【0099】
実施例1では、超音波が用いられて、放熱部材4はソケット7に圧入される例を示した。また、ソケット7の溝部71eに熱伝導グリース100が塗布される例を示した。しかし、これに限られない。例えば、超音波による圧入ではなく、単に圧力を加えて押し込む圧入としても良い。また、超音波による圧入である場合、熱伝導グリース100が塗布され無くても良い。このように構成しても、上記(1)~(7)に記載の効果を奏する。
【0100】
実施例1では、本開示の車両用灯具1を、自動車等の車両の反射面13a(リフレクタ13)を利用した反射型の灯具に適用する例を示した。しかし、これに限らず、本開示の車両用灯具1を、投影レンズを利用した灯具に適用しても良いし、光源(発光部31c)前方に導光部材を用いた導光タイプの灯具に適用しても良い。要するに、本開示の車両用灯具1は、光源部と、給電部材と、拡張支持部を一体に有する放熱部材と、ソケットと、を備える車両用灯具であれば、車両に用いる他の車両用灯具であっても良い。
【符号の説明】
【0101】
1 車両用灯具
2 光源ユニット
3 光源部
31 発光素子
31c 発光部
32 回路基板(基板)
32a かしめ孔部(孔部)
32c 端子接続孔部(基板接続部)
4 放熱部材(ヒートシンク)
4A 放熱部材の前面
4Aa ベース領域(残りの領域)
4Ae 拡張支持領域
4Af 発光領域
4Ag 回路基板領域
4Ah 拡張発光領域
40a ベース領域の厚さ
40e 拡張支持領域の厚さ
40f 発光領域の厚さ
40g 回路基板領域の厚さ
40h 拡張発光領域の厚さ
42 拡張支持部
44 第1凸部
45 第2凸部
46 位置決め突起部
5 給電部材(光源側コネクタ)
51 給電端子(電極ピン)
7 ソケット
X 幅方向(左右方向)
Y 上下方向(鉛直方向)
Z 光軸方向(前後方向)