(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】車両用駆動装置
(51)【国際特許分類】
F16H 57/04 20100101AFI20240618BHJP
F16H 57/031 20120101ALI20240618BHJP
【FI】
F16H57/04 J
F16H57/031
(21)【出願番号】P 2021116009
(22)【出願日】2021-07-13
【審査請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085361
【氏名又は名称】池田 治幸
(74)【代理人】
【識別番号】100147669
【氏名又は名称】池田 光治郎
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 笙
(72)【発明者】
【氏名】信安 清太郎
【審査官】前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-145476(JP,A)
【文献】国際公開第2019/177104(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 57/04
F16H 57/031
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転機と、前記回転機を収容するためのカバーと、前記カバーに取り付けられているオイルポンプと、前記カバーに設けられ、前記オイルポンプから吐出されるオイルの油圧が所定値を超えると開弁してオイルを排出するリリーフバルブと、を有し、前記カバーは、前記回転機の回転軸線の方向で前記回転機と隣り合い、且つ、前記回転軸線に対して垂直な姿勢で配置され、前記リリーフバルブは、前記カバーにおいて前記回転軸線に所定の厚みを有する肉厚部に形成された筒状の空間であるシリンダ室を含んで構成される、車両用駆動装置であって、
前記肉厚部には、前記シリンダ室の内壁から前記回転軸線に対して垂直な方向に切り欠かれている少なくとも1つの切欠が形成され、
前記カバーには、前記切欠に対向する位置に形成され、前記回転軸線の方向に沿って伸びるリブが形成されている
ことを特徴とする車両用駆動装置。
【請求項2】
前記切欠は、前記シリンダ室を前記回転軸線の方向に見たときの前記シリンダ室の中心点を通り前記回転軸線に対して垂直な直線に沿って形成され、
前記リブは、前記直線と重なる位置に形成されている
ことを特徴とする請求項1の車両用駆動装置。
【請求項3】
前記切欠は、前記シリンダ室を前記回転軸線の方向に見たときの前記シリンダ室の中心点を挟んで対向する位置に形成された第1切欠および第2切欠から構成され、
前記リブは、前記第1切欠に対向する位置に形成された第1リブおよび前記第2切欠に対向する位置に形成された第2リブから構成されている
ことを特徴とする請求項1または2の車両用駆動装置。
【請求項4】
前記リリーフバルブは、前記シリンダ室内に収容されて前記シリンダ室の内壁に対して摺動可能なスリーブと、前記スリーブの内側に配置され、前記スリーブを閉弁側に付勢するスプリングと、前記肉厚部の頂部に取り付けられ、前記シリンダ室の開口を塞ぐプレートと、をさらに備えて構成されている
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1に記載の車両用駆動装置。
【請求項5】
前記プレートには、前記肉厚部の前記頂部に取り付けられた状態で、前記切欠に嵌合する屈曲部が形成されている
ことを特徴とする請求項4の車両用駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転機を備えて構成される車両用駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回転機を備えて構成される車両用駆動装置がよく知られている。特許文献1に記載の車両用駆動装置がそれである。特許文献1には、回転機およびオイルポンプを覆うカバーに、オイルポンプから吐出されるオイルの油圧が過剰なときにオイルを排出するリリーフバルブが設けられる構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1にあっては、リリーフバルブの吐出口から出たオイルを、回転機に向かって放出させる設計とはなっておらず、リリーフバルブから排出されたオイルによって回転機を効率良く冷却することができなかった。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、回転機と、オイルポンプから吐出されたオイルの油圧が所定値を超えると開弁してオイルを排出するように構成されるリリーフバルブと、を備える車両用駆動装置において、リリーフバルブから排出されたオイルによって回転機を効率良く冷却できる車両用駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1発明の要旨とするところは、(a)回転機と、前記回転機を収容するためのカバーと、前記カバーに取り付けられているオイルポンプと、前記カバーに設けられ、前記オイルポンプから吐出されるオイルの油圧が所定値を超えると開弁してオイルを排出するリリーフバルブと、を有し、前記カバーは、前記回転機の回転軸線の方向で前記回転機と隣り合い、且つ、前記回転軸線に対して垂直な姿勢で配置され、前記リリーフバルブは、前記カバーにおいて前記回転軸線に所定の厚みを有する肉厚部に形成された筒状の空間であるシリンダ室を含んで構成される、車両用駆動装置であって、(b)前記肉厚部には、前記シリンダ室の内壁から前記回転軸線に対して垂直な方向に切り欠かれている少なくとも1つの切欠が形成され、(c)前記カバーには、前記切欠に対向する位置に形成され、前記回転軸線の方向に沿って伸びるリブが形成されていることを特徴とする。
【0007】
第2発明の要旨とするところは、第1発明において、前記切欠は、前記シリンダ室を前記回転軸線の方向に見たときの前記シリンダ室の中心点を通り前記回転軸線に対して垂直な直線に沿って形成され、前記リブは、前記直線と重なる位置に形成されていることを特徴とする。
【0008】
第3発明の要旨とするところは、第1発明または第2発明の車両用駆動装置において、(a)前記切欠は、前記シリンダ室を前記回転軸線の方向に見たときの前記シリンダ室の中心点を挟んで対向する位置に形成された第1切欠および第2切欠から構成され、(b)前記リブは、前記第1切欠に対向する位置に形成された第1リブおよび前記第2切欠に対向する位置に形成された第2リブから構成されていることを特徴とする。
【0009】
第4発明の要旨とするところは、第1発明から第3発明の何れか1に記載の車両用駆動装置において、前記リリーフバルブは、前記シリンダ室内に収容されて前記シリンダ室の内壁に対して摺動可能なスリーブと、前記スリーブの内側に配置され、前記スリーブを閉弁側に付勢するスプリングと、前記肉厚部の頂部に取り付けられ、前記シリンダ室の開口を塞ぐプレートと、をさらに備えて構成されていることを特徴とする。
【0010】
第5発明の要旨とするところは、第4発明の車両用駆動装置において、前記プレートには、前記肉厚部の前記頂部に取り付けられた状態で、前記切欠に嵌合する屈曲部が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
第1発明によれば、オイルポンプから吐出されたオイルの油圧が所定値を超えるとリリーフバルブが開弁させられ、肉厚部に形成された切欠からオイルが排出される。ここで、切欠と対向する位置にリブが形成されているため、切欠から排出されたオイルがリブに衝突し、オイルの流れが回転軸線方向に変更させられる。その結果、オイルが回転機に向かって回転軸線方向に放出されることとなり、回転機をオイルによって効率良く冷却することができる。
【0012】
第2発明によれば、切欠がシリンダ室の中心点を通り回転軸線に対して垂直な直線に沿って形成されるため、シリンダ室内に流入したオイルが切欠を通って前記直線に沿って放出される。また、リブが前記直線と重なる位置に形成されているため、切欠から放出されたオイルがリブに衝突し、オイルの流れの方向がリブによって回転軸線に沿った方向に変換される。
【0013】
第3発明によれば、切欠がシリンダ室を回転軸線の方向に見たときのシリンダ室の中心点を挟んで対向する位置に形成されている第1切欠および第2切欠から構成されているため、第1切欠および第2切欠を経由してオイルが対称に排出される。その結果、シリンダ室内に収容されているリリーフバルブの構成部品の傾きが低減され、構成部品が傾いた状態で構成部品がシリンダ室の内壁に衝突することによる摩耗が低減される。
【0014】
第4発明によれば、スプリングの付勢力によってスリーブが閉弁側に付勢されることで、通常はリリーフバルブが閉弁側に切り替えられる。一方で、オイルポンプから吐出されるオイルの油圧が所定値を超えると、スプリングの付勢力に抗ってスリーブが開弁側に移動させられ、リリーフバルブが開弁側に切り替えられる。このように、オイルポンプから吐出されるオイルの油圧に応じてリリーフバルブの開閉状態が切り替えられることで、リリーフバルブが実用的となる。
【0015】
第5発明によれば、プレートの屈曲部が切欠に嵌合することで、プレートの回転が防止され、プレートを1個のボルトで固定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明が適用された車両用駆動装置の構成を概略的に示す骨子図である。
【
図2】
図1のケースカバーを第1軸線と平行な方向に見た図である。
【
図3】
図2においてケースカバーを切断線Aで切断した断面図である。
【
図5】リリーフバルブをケースカバーの合わせ面に対して垂直な方向に見た図である。
【
図7】
図5においてプレート、スリーブ、およびスプリングを取り外した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
【実施例】
【0018】
図1は、本発明が適用された車両用駆動装置10(以下、駆動装置10)の構成を概略的に示す骨子図である。駆動装置10は、走行用の駆動力源であるエンジン12および第2回転機MG2から出力される動力を左右一対の前輪14l、14r(区別しない場合には前輪14と記載)に伝達する。駆動装置10は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)形式のハイブリッド車両に好適に用いられる。なお、本明細書における動力は、トルクおよび駆動力と同義である。
【0019】
駆動装置10は、第1回転軸線CL1(以下、第1軸線CL1)を中心にして回転可能に配置されている入力軸22と、第2回転軸線CL2(以下、第2軸線CL2)を中心にして回転可能に配置されている動力伝達軸24と、第3回転軸線CL3(以下、第3軸線CL3)を中心にして回転可能に配置されているカウンタ軸26と、第4回転軸線CL4(以下、第4軸線CL4)を中心にして回転可能に配置されているデファレンシャル装置28および左右一対の前輪車軸30l、30rと、を備えている。入力軸22の外周側には、遊星歯車装置32、第1回転機MG1、および出力歯車34が設けられている。動力伝達軸24には、リダクションギヤ36が設けられている。また、動力伝達軸24の軸方向の一端には、第2回転機MG2が動力伝達可能に接続されている。カウンタ軸26には、出力歯車34と噛み合うカウンタギヤ38およびデファレンシャル装置28のデフリングギヤ40と噛み合うデフドライブギヤ42が設けられている。これら各回転部材は、何れも非回転部材であるケース44の内部に収容されている。また、第1軸線CL1~第4軸線CL4は、互いに平行に配置されていることから、第1軸線CL1の方向(第1軸線CL1方向)~第4軸線CL4の方向(第4軸線CL4方向)はそれぞれ同じ方向となる。以下、第1軸線CL1方向~第4軸線CL4方向を、回転軸線CL方向と記載する。
【0020】
第1回転機MG1および第2回転機MG2は、電気エネルギから機械的な動力を発生させる発動機としての機能および機械的な動力から電気エネルギを発生させる発電機としての機能のうち少なくとも一方を備えた電動機であって、好適には、発動機または発電機として選択的に作動させられるモータジェネレータである。第1回転機MG1は、エンジン12の反力を受け持つための発電機(ジェネレータ)機能、および、運転停止中のエンジン12を駆動させる電動機(モータ)機能を備える。また、第2回転機MG2は、走行用の駆動力源として動力を出力する走行用電動機として機能するための電動機機能、および、前輪14側からの逆駆動力から回生により電気エネルギを発生させる発電機機能を備える。
【0021】
第1軸線CL1を中心にして、入力軸22が回転可能に設けられている。入力軸22は、図示しないダンパ等を介してエンジン12のクランク軸12aに動力伝達可能に連結されている。また、入力軸22は、軸受46等を介してケース44によって回転可能に支持されている。入力軸22の外周側には、遊星歯車装置32、第1回転機MG1、および出力歯車34が設けられている。
【0022】
遊星歯車装置32は、第1軸線CL1を中心にして配置され、サンギヤS、キャリヤCA、およびリングギヤRを有するシングルピニオン型の遊星歯車装置(差動機構)である。遊星歯車装置32は、エンジン12の動力を、第1回転機MG1および出力歯車34に分配する動力分配機構として機能する。遊星歯車装置32のサンギヤSが第1回転機MG1に動力伝達可能に連結され、キャリヤCAが入力軸22等を介してエンジン12に動力伝達可能に連結され、リングギヤRが出力歯車34に動力伝達可能に連結されている。
【0023】
第1回転機MG1は、回転軸線CL方向において、ケース44の一部である隔壁48を隔てて遊星歯車装置32と隣り合う位置に配置されている。第1回転機MG1は、ケース44に固定されている円環状のステータコア50と、ステータコア50の内周側に配置されている円環状のロータ52と、ロータ52の内周に連結されているロータ軸54とを、備えている。また、ステータコア50には、ステータコイル56が巻き掛けられている。ロータ軸54は、軸方向の両側に配置されている一対の軸受58a、58bを介して、ケース44によって回転可能に支持されている。
【0024】
出力歯車34は、遊星歯車装置32のリングギヤRに連結され、カウンタ軸26に設けられているカウンタギヤ38に噛み合わされている。なお、リングギヤRおよび出力歯車34は、これらのギヤが一体成形された複合ギヤから構成されている。
【0025】
第2軸線CL2を中心にして、動力伝達軸24が回転可能に設けられている。動力伝達軸24は、軸方向の両側に配置されている一対の軸受70a、70bを介して、ケース44によって回転可能に支持されている。動力伝達軸24には、リダクションギヤ36が設けられているとともに、動力伝達軸24の軸方向の一端には、第2回転機MG2が動力伝達可能に接続されている。第2回転機MG2とリダクションギヤ36とは、回転軸線CL方向で隔壁48を隔てて並んで配置されている。
【0026】
第2回転機MG2は、ケース44に固定されている円環状のステータコア60と、ステータコア60の内周側に配置されている円環状のロータ62と、ロータ52の内周に連結されているロータ軸64とを備えている。ステータコア60には、ステータコイル66が巻き掛けられている。ロータ軸64は、軸方向の両側に配置されている一対の軸受68a、68bを介して、ケース44によって回転可能に支持されている。
【0027】
リダクションギヤ36は、動力伝達軸24に一体的に設けられ、カウンタ軸26に設けられているカウンタギヤ38に噛み合わされている。リダクションギヤ36の歯数が、カウンタギヤ38の歯数よりも少なく設定されることで、第2回転機MG2の回転が、リダクションギヤ36およびカウンタギヤ38を経由して、減速してカウンタ軸26に伝達される。
【0028】
第3軸線CL3を中心にして、カウンタ軸26が回転可能に設けられている。カウンタ軸26は、軸方向の両側に配置されている一対の軸受73a、73bを介して、ケース44によって回転可能に支持されている。カウンタ軸26には、カウンタギヤ38およびデフドライブギヤ42が相対回転不能に設けられている。
【0029】
カウンタギヤ38は、出力歯車34およびリダクションギヤ36に噛み合わされることで、エンジン12および第2回転機MG2から出力される動力が伝達される。デフドライブギヤ42は、デファレンシャル装置28のデフリングギヤ40に噛み合わされている。従って、出力歯車34およびリダクションギヤ36の少なくとも一方からカウンタギヤ38に動力が入力されると、カウンタ軸26およびデフドライブギヤ42を経由してデファレンシャル装置28に動力が伝達される。
【0030】
第4軸線CL4を中心にして、デファレンシャル装置28および一対の前輪車軸30l、30rが回転可能に配置されている。デファレンシャル装置28は、よく知られた差動機構から構成され、左右一対の前輪車軸30l、30rの相対回転を許容しつつ、左右一対の前輪車軸30l、30rに動力を伝達する。なお、デファレンシャル装置28は、公知の技術であるため、その説明を省略する。デファレンシャル装置28は、回転軸線CL方向の両側に配置されている一対の軸受75a、75bを介して、ケース44によって回転可能に支持されている。
【0031】
上記のように構成される駆動装置10において、エンジン12の動力が、遊星歯車装置32、出力歯車34、カウンタギヤ38、カウンタ軸26、デフドライブギヤ42、デファレンシャル装置28、および前輪車軸30l、30rを順次介して、左右の前輪14l、14rに伝達される。また、第2回転機MG2の動力が、ロータ軸64、動力伝達軸24、リダクションギヤ36、カウンタギヤ38、カウンタ軸26、デフドライブギヤ42、デファレンシャル装置28、および前輪車軸30l、30rを順次介して、左右の前輪14l、14rに伝達される。
【0032】
駆動装置10のケース44は、ハウジング44aと、アクスルケース44bと、ケースカバー44cと、から構成されている。アクスルケース44bは、回転軸線CL方向の両側が開口しており、アクスルケース44bの一方の開口がハウジング44aによって塞がれるとともに、アクスルケース44bの他方の開口がケースカバー44cによって塞がれている。ハウジング44aおよびケースカバー44cは、回転軸線CLに対して垂直な姿勢で配置されている。アクスルケース44bとハウジング44aおよびケースカバー44cとは、それぞれボルトによって締結されている。なお、ケースカバー44cが、本発明の回転機を収容するためのカバーに対応している。
【0033】
アクスルケース44bには、回転軸線CLに対して垂直な隔壁48が形成されている。隔壁48が形成されることにより、ケース44の内部が、ギヤ室49およびモータ室51の2つの空間に区画されている。ギヤ室49は、ハウジング44aおよびアクスルケース44bによって覆われた空間である。モータ室51は、アクスルケース44bおよびケースカバー44cによって覆われた空間である。ギヤ室49には、遊星歯車装置32、出力歯車34、カウンタギヤ38、リダクションギヤ36、およびデファレンシャル装置28等の各ギヤが収容されている。モータ室51には、第1回転機MG1および第2回転機MG2が収容されている。ケースカバー44cは、回転軸線CL方向で第1回転機MG1および第2回転機MG2と隣り合っている。
【0034】
また、第1軸線CL1上であって、入力軸22の軸方向でエンジン12と反対側の端部には、エンジン12によって駆動させられる機械式のオイルポンプ45が設けられている。すなわち、ケースカバー44cにオイルポンプ45が取り付けられている。ケースカバー44cは、オイルポンプ45のポンプボデーとしても機能する。入力軸22の軸端部には、オイルポンプ45を構成する図示しない駆動ギヤが接続されており、オイルポンプ45は、エンジン12の回転に連動して駆動させられる。従って、エンジン12が回転することで、オイルポンプ45が駆動させられる。
【0035】
図2は、
図1のケースカバー44cを回転軸線CL方向に見た図である。なお、
図2は、平坦路において駆動装置10が車両に搭載されている(車両搭載状態)ときの姿勢が示され、紙面上方が車両搭載状態における鉛直上方に対応している。
図2において、第1回転機MG1の回転中心である第1軸線CL1および第2回転機MG2の回転中心である第2軸線CL2の位置が示されている。第1軸線CL1を中心にして、第1回転機MG1およびオイルポンプ45が配置される。
図2において斜線が施されている部位は、第1回転機MG1のステータコア50が配置される部位に対応している。また、
図2において一点鎖線で示す部位は、オイルポンプ45が配置される部位に対応している。また、
図2に示すように、第1軸線CL1よりも上方であって、且つ、第1回転機MG1のステータコア50の外周側の位置に、リリーフバルブ80が設けられている。リリーフバルブ80は、オイルポンプ45から吐出されたオイルの油圧が所定値を超えると開弁し、モータ室51内にオイルが排出されるように構成されている。リリーフバルブ80からオイルが排出されることで、オイルポンプ45から吐出されたオイルの油圧が低下し、オイルポンプ45から吐出されたオイルを元圧とする油圧回路が保護される。また、
図2において、第1回転機MG1の鉛直下方には、ケース44内に貯留されているオイルが吸い上げられる吸入口であるストレーナ穴82が形成されている。
【0036】
図3は、
図2においてケースカバー44cを切断線Aで切断した断面図である。
図3には、専らケースカバー44cに形成された油路が示されている。なお、
図3に示す各矢印は、ケースカバー44c内に形成された油路内におけるオイルの流れを示している。
図3に示すオイルポンプ45が駆動すると、ストレーナ穴82からオイルが吸い上げられ、オイルが油路84を経由してオイルポンプ45の吸入口からオイルポンプ45内に流入するとともに、オイルが吐出口から油路88に吐出される。オイルポンプ45から吐出されたオイルは、オイルポンプ45を駆動させる図示しないポンプロータ内に形成された油路穴を経由してギヤ室49側に供給されたり、油路88を経由してオイルクーラ89に供給されたりする。
【0037】
また、ケースカバー44cには、油路88を流れるオイルの油圧が所定値を超えると開弁してオイルを排出するリリーフバルブ80が設けられている。リリーフバルブ80は、連絡油路98を介して油路88に接続されている。
図4は、
図3のリリーフバルブ80の拡大図である。リリーフバルブ80は、ケースカバー44cの一部である肉厚部91に形成された円筒状の空間であるシリンダ室90と、シリンダ室90内に収容されてシリンダ室90の内壁90aに対して摺動可能に嵌め付けられているスリーブ92と、スリーブ92の内側に配置されスリーブ92を閉弁側に付勢するスプリング94と、シリンダ室90の開口を塞ぐプレート96と、を備えている。
【0038】
肉厚部91は、ケースカバー44cにおいて回転軸線CL方向に突き出し、回転軸線CL方向に所定の肉厚を有している。シリンダ室90は、肉厚部91に形成された円筒状の空間である。シリンダ室90の底壁90bは、ケースカバー44cに形成された油路88と連通する連絡油路98に接続されている。また、シリンダ室90の開口99側は、プレート96によって塞がれている。
【0039】
スリーブ92は、円板形状の底板部92aと、底板部92aの外周縁から垂直に伸びる円筒状の筒部92bと、から構成されている。底板部92aは、シリンダ室90の底壁90bと当接可能となっている。また、筒部92bは、シリンダ室90の内壁90aに対して摺動可能に嵌め付けられている。従って、スリーブ92は、シリンダ室90内をケースカバー44cの合わせ面110(
図2参照)に対して垂直な方向(すなわち回転軸線CL、紙面上下方向)に移動可能となる。
【0040】
スプリング94は、コイルスプリングから構成され、シリンダ室90内においてスリーブ92の筒部92bの内側に配置されている。スプリング94は、長さ方向の一端がスリーブ92の底板部92aに当接するとともに、他端がプレート96に当接している。スプリング94は、予荷重状態でシリンダ室90内に収容されており、スリーブ92をシリンダ室90の底壁90bに向かって常時付勢している。
【0041】
プレート96は、板状の部材から構成されている。プレート96は、シリンダ室90の開口99を塞いだ状態で、ボルト100(
図5参照)によって肉厚部91の頂部91aに取り付けられている。
【0042】
図4は、連絡油路98を流れるオイルの油圧が低圧の状態が示されている。このとき、スプリング94の付勢力が、オイルの油圧に基づく、スリーブ92を底壁90bから乖離させる方向に作用する押圧力よりも大きいため、スリーブ92の底板部92aが底壁90bに当接させられている。従って、シリンダ室90と連絡油路98との間の連通が遮断され、リリーフバルブ80が閉弁された状態となる。
【0043】
一方で、連絡油路98を流れるオイルの油圧が所定値を超えると、スプリング94の付勢力に抗って、スリーブ92が底壁90bから乖離する方向(紙面上方)に移動させられる。このとき、シリンダ室90と連絡油路98とが連通させられ、連絡油路98を流れるオイルがシリンダ室90内に流入する。シリンダ室90に流入したオイルは、肉厚部91に形成された後述する第1切欠104aおよび第2切欠104bを経由してモータ室51側に放出される。
【0044】
図5は、リリーフバルブ80を回転軸線CL方向に見た図、すなわちケースカバー44cの合わせ面110に対して垂直な方向に見た図であり、
図6は、リリーフバルブ80の斜視図である。
図5および
図6に示すように、ケースカバー44cには、回転軸線CL方向に所定の厚みを有する肉厚部91が形成されている。肉厚部91の回転軸線CL方向の高さは、シリンダ室90を形成可能な寸法とされている。肉厚部91の頂部91aは平面形状に形成されており、その頂部91aにプレート96がボルト100で固定されている。また、
図5に示すように、肉厚部91のプレート96によって覆われた部位には、円筒状の空間である破線で示すシリンダ室90が形成されている。さらに、シリンダ室90内には、破線で示すスリーブ92およびスプリング94が収容されている。
【0045】
また、肉厚部91には、シリンダ室90の内壁90aと連通する一対の第1切欠104aおよび第2切欠104bが形成されている。第1切欠104aおよび第2切欠104bは、シリンダ室90をケースカバー44cの合わせ面110に対して垂直な方向(回転軸線CL方向)に見たとき、シリンダ室90の中心点Ceを挟んで互いに対向する位置に形成されている。すなわち、シリンダ室90をケースカバー44cの合わせ面110に対して垂直な方向から見たときのシリンダ室90の円形状の中心点Ceを通る直線Le上に、肉厚部91が切り欠かれた一対の第1切欠104aおよび第2切欠104bが形成されている。なお、第1切欠104aおよび第2切欠104bが、本発明の切欠に対応している。
【0046】
第1切欠104aおよび第2切欠104bは、それぞれシリンダ室90の内壁から回転軸線CLに対して垂直な方向に沿って切り欠かれている。すなわち、第1切欠104aおよび第2切欠104bは、それぞれシリンダ室90を回転軸線CL方向に見たときのシリンダ室90の中心点Ceを通り回転軸線CLに対して垂直な直線Leに沿って形成されている。これより、第1切欠104aおよび第2切欠104bは、それぞれシリンダ室90の内壁90aと肉厚部91の外壁との間を連通している。また、第1切欠104aおよび第2切欠104bは、ケースカバー44cの合わせ面110に対して垂直な方向(回転軸線CL方向)で、肉厚部91の頂部91aからシリンダ室90の底壁90bまたはその近傍の深さまで切り欠かれている。従って、シリンダ室90内に流入したオイルは、第1切欠104aおよび第2切欠104bを通ってモータ室51に放出されることとなる。
【0047】
また、ケースカバー44cには、第1切欠104aと対向する位置に形成され、且つ、ケースカバー44cの合わせ面110に対して垂直な方向すなわち回転軸線CL方向に沿って伸びる第1リブ106aが形成されている。第1リブ106aは、第1切欠104aと同様に、直線Leと重なる位置に形成されている。すなわち、第1リブ106aは、直線Le上で第1切欠104aと対向するようにして形成されている。また、ケースカバー44cには、第2切欠104bと対向する位置に形成され、且つ、ケースカバー44cの合わせ面110に対して垂直な方向すなわち回転軸線CL方向に沿って伸びる第2リブ106bが形成されている。第2リブ106bは、第2切欠104bと同様に、直線Leと重なる位置に形成されている。すなわち、第2リブ106bは、直線Le上で第2切欠104bと対向するようにして形成されている。
図7は、
図5においてプレート96、スリーブ92、およびスプリング94を取り外した状態を示す図であり、
図8は、
図7を切断線Bで切断した断面図である。なお、第1リブ106aおよび第2リブ106bが、本発明のリブに対応している。
【0048】
図7に示すように、肉厚部91には円筒状の空間であるシリンダ室90が形成され、さらに、肉厚部91にはシリンダ室90と連通する一対の第1切欠104aおよび第2切欠104bが形成されている。また、シリンダ室90の中心点Ceを通る直線Le上に、第1切欠104aと対向する第1リブ106aが形成されるとともに、第2切欠104bと対向する第2リブ106bが形成されている。第1リブ106aおよび第2リブ106bは、
図8に示すように、ケースカバー44cの合わせ面110に対して垂直方向に伸びている。これより、第1リブ106aには、第1切欠104aと対向するとともに、ケースカバー44cの合わせ面110に対して垂直な第1対向面108aが形成されている。また、第2リブ106bには、切欠104と対向するとともに、ケースカバー44cの合わせ面110に対して垂直な第2対向面108bが形成されている。
【0049】
上述した第1切欠104a、第2切欠104bおよび第1リブ106a、第2リブ106bが形成されることによる効果について以下から説明する。連絡油路98を流れるオイルの油圧が所定値を超えると、リリーフバルブ80が開弁させられ、連絡油路98のオイルがシリンダ室90内に流入する。ここで、肉厚部91には、シリンダ室90の内壁90aと肉厚部91の外壁との間を連通する第1切欠104aおよび第2切欠104bが形成されているため、シリンダ室90内に流入したオイルが、第1切欠104aおよび第2切欠104bを通ってモータ室51側に流出する。このとき、オイルは直線Leに沿って放出されるが、直線Le上に第1切欠104aと対向する第1リブ106aが形成されているため、第1切欠104aから流出したオイルが、第1リブ106aの第1対向面108aに衝突し、オイルの流れの方向がケースカバー44cの合わせ面110に対して垂直な方向(すなわち回転軸線CL方向)に変換される。同じく、直線Le上に第2切欠104bと対向する第2リブ106bが形成されているため、第2切欠104bから流出したオイルが、第2リブ106bの第2対向面108bに衝突し、オイルの流れの方向がケースカバー44cの合わせ面110に対して垂直な方向(すなわち回転軸線CL方向)に変換される。
【0050】
図8に示す矢印が、上述したオイルの流れを示している。オイルが
図8の矢印で示す方向に放出されることで、オイルがモータ室51において第1回転機MG1に向かって回転軸線CL方向に放出されることとなる。その結果、リリーフバルブ80から放出されたオイルが、第1回転機MG1の回転軸線CL方向の奥側まで到達し、リリーフバルブ80から放出されたオイルによって第1回転機MG1を効率良く冷却することができる。例えば、第1切欠104aから放出されたオイルによって、
図2の第1軸線CL1よりも上方の破線で囲まれた領域内のステータコア50が効率良く冷却される。また、第2切欠104bから放出されたオイルによって、
図2の第1回転機MG1の下部の破線で囲まれた領域内のステータコア50が効率良く冷却される。特に、第1回転機MG1の下部側は、第1回転機MG1の上方に配置される図示しない冷却パイプから放出されるオイルがかかりにくい部位であるものの、リリーフバルブ80から排出されたオイルがこの部位に向かって放出されることで、第1回転機MG1が好適に冷却される。
【0051】
また、第1切欠104aおよび第2切欠104bから放出されたオイルが、第1リブ106aおよび第2リブ106bに衝突するため、第1切欠104aおよび第2切欠104bから放出されたオイルが、ケースカバー44cの合わせ面110に直接かかることが防止される。また、
図2の実線の四角で囲まれた部位に第1回転機MG1の温度を検出するサーミスタ112が配置されるが、第1切欠104aおよび第2切欠104bから放出されたオイルが第1リブ106aおよび第2リブ106bに衝突するため、第1切欠104aおよび第2切欠104bから放出されたオイルがサーミスタ112に直接かかることが防止される。
【0052】
また、第1切欠104aおよび第2切欠104bが、シリンダ室90を挟んで互いに対向する位置に形成されているため、シリンダ室90において対称な位置からオイルが排出されることとなる。これより、シリンダ室90に流入したオイルが第1切欠104aおよび第2切欠104bから排出される過渡期において、スリーブ92が傾いた状態でシリンダ室90の内壁90aに衝突する片当たりが低減され、スリーブ92とシリンダ室90の内壁90aとの間の摩耗が低減される。
【0053】
また、プレート96には、
図5および
図6に示す屈曲部96aが形成されている。屈曲部96aは、プレート96の平面部に対して垂直方向に屈曲されている。屈曲部96aは、肉厚部91の頂部91aに取り付けられた状態で、第1切欠104aに嵌合することでプレート96の回り止めとして機能している。従って、プレート96を1つのボルト100で回転不能に固定することが可能になる。
【0054】
上述のように、本実施例によれば、オイルポンプ45から吐出されたオイルの油圧が所定値を超えるとリリーフバルブ80が開弁させられ、肉厚部91に形成された第1切欠104aおよび第2切欠104bからオイルが排出される。ここで、第1切欠104aおよび第2切欠104bと対向する位置に第1リブ106aおよび第2リブ106bがそれぞれ形成されているため、第1切欠104aおよび第2切欠104bから排出されたオイルが第1リブ106aおよび第2リブ106bにそれぞれ衝突し、オイルの流れが回転軸線CL方向に変更させられる。その結果、オイルが第1回転機MG1に向かって回転軸線CL方向に放出されることとなり、第1回転機MG1をリリーフバルブ80から排出されたオイルによって効率良く冷却することができる。
【0055】
また、本実施例によれば、第1切欠104aおよび第2切欠104bが、シリンダ室90の中心点Ceを通り回転軸線CLに対して垂直な直線Leに沿って形成されるため、シリンダ室90内に流入したオイルが第1切欠104aおよび第2切欠104bを通って直線Leに沿って放出される。また、第1リブ106aおよび第2リブ106bが直線Leと重なる位置に形成されているため、第1切欠104aおよび第2切欠104bから放出されたオイルが第1リブ106aおよび第2リブ106bにそれぞれ衝突し、オイルの流れの方向が第1リブ106aおよび第2リブ106bによって回転軸線CLに沿った方向に変換される。また、第1切欠104aおよび第2切欠104bがシリンダ室90を回転軸線CLの方向に見たときのシリンダ室90の中心点Ceを挟んで対向する位置に形成されているため、第1切欠104aおよび第2切欠104bを通って対称な位置からオイルが排出される。その結果、シリンダ室90内に収容されているスリーブ92の傾きが低減され、スリーブ92が傾いた状態でシリンダ室90の内壁90aにスリーブ92が衝突することで生じる摩耗が低減される。また、プレート96の屈曲部96aが第1切欠104aに嵌合することで、プレート96の回転が防止され、プレート96を1個のボルト100で固定することが可能になる。
【0056】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0057】
例えば、前述の実施例では、リリーフバルブ80から放出されたオイルが、専ら第1回転機MG1に向かって回転軸線CL方向に放出されるように構成されるものであったが、オイルが第2回転機MG2に向かって放出されるように構成されていても構わない。
【0058】
また、前述の実施例では、肉厚部91に一対の第1切欠104aおよび第2切欠104bが形成されるものであったが、切欠の数は必ずしも2個に限定されない。例えば、1個の切欠が形成されるものであってもよく、3個以上の切欠が形成されるものであっても構わない。
【0059】
また、前述の実施例では、第1切欠104aおよび第2切欠104bがシリンダ室90の中心点Ceを通る直線Le上に配置される、すなわち第1切欠104aとシリンダ室90の中心点Ceを結ぶ直線と第2切欠104bとシリンダ室90の中心点Ceを結ぶ直線との間の角度が180度となるものであったが、必ずしもこの態様に限定されない。すなわち、第1切欠104aとシリンダ室90の中心点Ceとを結ぶ直線と第2切欠104bとシリンダ室90の中心点Ceとを結ぶ直線との間の角度が180度とは異なるものであっても構わない。
【0060】
また、前述の実施例では、第1対向面108aおよび第2対向面108bは、それぞれケースカバー44cの合わせ面110に対して垂直に形成されるものであったが、本発明は必ずしもこの態様に限定されない。すなわち、第1対向面108aおよび第2対向面108bが、合わせ面110に対して直角に形成されなくても構わない。要するに、対向面に衝突したオイルの流れが回転軸線CLの方向に変換されてオイルが回転機の狙った部位まで到達するように、対向面の合わせ面110に対する角度が適宜調整される。
【0061】
また、前述の実施例では、オイルポンプ45は、第1回転機MG1の回転中心である第1軸線CL1上に配置されるものであったが、本発明は必ずしも第1軸線CL1上に配置されるものに限定されない。例えば、オイルポンプ45が第2回転機MG2の回転中心である第2軸線CL2上に配置され、第2回転機MG2のロータ軸64によってオイルポンプ45が駆動させられるものであっても構わない。
【0062】
また、シリンダ室90は、円筒状に形成されるものであったが、本発明は必ずしも円筒状に限定されない。例えばシリンダ室が四角柱状に形成されるなど、シリンダ室の内壁をスリーブが摺動できる筒状の形状であれば、シリンダ室の形状を適宜変更することができる。
【0063】
また、前述の実施例では、車両用駆動装置10は、エンジン12および第2回転機MG2を走行用の駆動力源とするハイブリッド車両に適用されるものであったが、本発明はこの態様に限定されない。例えば回転機のみを走行用の駆動力源とする電気自動車であっても、本発明を適用することができる。
【0064】
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0065】
10:車両用駆動装置
44c:ケースカバー(カバー)
45:オイルポンプ
80:リリーフバルブ
90:シリンダ室
91:肉厚部
92:スリーブ
94:スプリング
96:プレート
96a:屈曲部
104a:第1切欠(切欠)
104b:第2切欠(切欠)
106a:第1リブ(リブ)
106b:第2リブ(リブ)
MG1:第1回転機(回転機)
MG2:第2回転機(回転機)
CL:回転軸線
Ce:シリンダ室の中心点
Le:直線