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特許7505534管理装置、照合装置、照合システム、管理方法、照合方法及び記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】管理装置、照合装置、照合システム、管理方法、照合方法及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/9035 20190101AFI20240618BHJP
   G06F 16/908 20190101ALI20240618BHJP
   G06F 16/909 20190101ALI20240618BHJP
   G07C 9/37 20200101ALI20240618BHJP
【FI】
G06F16/9035
G06F16/908
G06F16/909
G07C9/37
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022176888
(22)【出願日】2022-11-04
(62)【分割の表示】P 2020521226の分割
【原出願日】2019-05-20
(65)【公開番号】P2023016050
(43)【公開日】2023-02-01
【審査請求日】2022-11-04
(31)【優先権主張番号】P 2018099617
(32)【優先日】2018-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】中島 克也
(72)【発明者】
【氏名】岩波 彰裕
(72)【発明者】
【氏名】則松 香威
(72)【発明者】
【氏名】芦田 祐介
【審査官】三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-045340(JP,A)
【文献】特開2006-107285(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G07C 9/37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
渡航者の生体情報を取得する生体情報取得部と、
出発日時又は出発日に基づいて抽出された前記渡航者の渡航履歴情報に含まれる生体情 取得した前記生体情報との照合結果に基づいて自動化ゲートを制御する制御部とを備えた制御装置。
【請求項2】
撮影された渡航者の生体情報を取得する取得部と、
前記渡航者の生体情報を含む渡航履歴情報から、出発日時又は出発日に基づいて前記 航履歴情報を抽出する抽出部と、
撮影した前記渡航者の生体情報と、抽出された前記渡航履歴情報に含まれる生体情報とを照合する照合部と、
前記照合結果に基づいて自動化ゲートを制御する制御部とを備えたシステム
【請求項4】
前記抽出部は、前記生体情報の種類に応じて、特定の到着地を含む渡航者情報に関連付 けられた前記渡航履歴情報を抽出する請求項に記載のシステム
【請求項10】
コンピュータ・ソフトウェアによる制御方法であって、
生体情報取得部が、渡航者の生体情報を取得し、
CPUが、出発日時又は出発日に基づいて抽出された前記渡航者の渡航履歴情報に含ま れる生体情報取得した前記生体情報との照合結果に基づいて自動化ゲートを制御する制御方法。
【請求項11】
コンピュータに、
渡航者の生体情報を取得し、
出発日時又は出発日に基づいて抽出された前記渡航者の渡航履歴情報に含まれる生体情 取得した前記生体情報との照合結果に基づいて自動化ゲートを制御する
ことを実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、照合装置、照合システム、管理方法、照合方法及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、旅客情報データベース内の第1の生体情報と、生体情報ウォッチリスト内の生体情報との第1の照合を行う個人識別システムが記載されている。特許文献1に記載の個人識別システムは、第1の照合の後、旅客情報データベース内の第1の生体情報と、生体情報取得機能により取得された第2の生体情報との第2の照合を行う。
【0003】
さらに、特許文献1に記載の個人識別システムは、第1の照合の時刻と現在の時刻との違いが予め定めた時間より大きい場合、利用者情報データベース内の第1の生体情報と、第1の照合以降に追加された生体情報ウォッチリスト内の生体情報との第3の照合を行う。一方、予め定めた時間内の場合には、第3の照合を省略する。これにより、生体情報ウォッチリストのチェックに要する時間を短縮する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-088944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の個人識別システムでは、生体情報ウォッチリスト内の生体情報の更新分との照合を省略しうるにすぎない。このため、特許文献1に記載の個人識別システムでは、生体情報の照合精度を向上することは困難である。
【0006】
本発明の目的は、上述した課題を鑑み、渡航履歴情報を用いた照合を行う場合において、照合精度を向上することができる管理装置、照合装置、照合システム、管理方法、照合方法及び記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点によれば、渡航者に関する渡航者情報を取得する渡航者情報取得部と、前記渡航者に関する前記渡航者情報及び渡航履歴情報に基づいて、照合に用いられる照合用渡航履歴情報を作成する管理部とを有する管理装置が提供される。
【0008】
本発明の他の観点によれば、管理装置と通信可能な照合装置であって、前記管理装置は、渡航者に関する渡航者情報を取得する渡航者情報取得部と、前記渡航者に関する前記渡航者情報及び渡航履歴情報に基づいて、照合に用いられる照合用渡航履歴情報を作成する管理部とを有し、前記照合装置は、対象者に関する対象者情報を取得する対象者情報取得部と、前記対象者情報に含まれる情報と、前記照合用渡航履歴情報に含まれる情報とを照合する照合部とを有する照合装置が提供される。
【0009】
本発明のさらに他の観点によれば、管理装置と、前記管理装置と通信可能な照合装置とを含み、前記管理装置は、渡航者に関する渡航者情報を取得する渡航者情報取得部と、前記渡航者に関する前記渡航者情報及び渡航履歴情報に基づいて、照合に用いられる照合用渡航履歴情報を作成する管理部とを有し、前記照合装置は、対象者に関する対象者情報を取得する対象者情報取得部と、前記対象者情報に含まれる情報と、前記照合用渡航履歴情報に含まれる情報とを照合する照合部とを有する照合システムが提供される。
【0010】
本発明のさらに他の観点によれば、渡航者に関する渡航者情報を取得し、前記渡航者に関する前記渡航者情報及び渡航履歴情報に基づいて、照合に用いられる照合用渡航履歴情報を作成する管理方法が提供される。
【0011】
本発明のさらに他の観点によれば、渡航者に関する渡航者情報を取得し、前記渡航者に関する前記渡航者情報及び渡航履歴情報に基づいて、照合に用いられる照合用渡航履歴情報を作成し、対象者に関する対象者情報を取得し、前記対象者情報に含まれる情報と、前記照合用渡航履歴情報に含まれる情報とを照合する照合方法が提供される。
【0012】
本発明のさらに他の観点によれば、コンピュータに、渡航者に関する渡航者情報を取得し、前記渡航者に関する前記渡航者情報及び渡航履歴情報に基づいて、照合に用いられる照合用渡航履歴情報を作成することを実行させるプログラムが記録された記録媒体が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、渡航履歴情報を用いた照合を行う場合において、照合精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の一実施形態による照合システムの全体構成を示す概略図である。
図2図2は、本発明の一実施形態による照合システムにおける管理サーバ、情報サーバ及び自動化ゲートのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の一実施形態による照合システムにおける情報サーバ、管理サーバ及び自動化ゲートの動作を示すシーケンス図である。
図4図4は、本発明の一実施形態による情報サーバの渡航者情報データベースの一例を示す概略図である。
図5図5は、本発明の一実施形態による管理サーバの渡航履歴情報データベースの一例を示す概略図である。
図6図6は、本発明の一実施形態による管理サーバのテンポラリ情報データベースの一例を示す概略図である。
図7図7は、本発明の他の実施形態による照合システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[一実施形態]
本発明の一実施形態による管理装置、照合装置、照合システム、管理方法及び照合方法について図1乃至図6を用いて説明する。
【0016】
まず、本実施形態による照合システムの構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施形態による照合システムの全体構成を示す概略図である。図2は、本実施形態による照合システムにおける管理サーバ、情報サーバ及び自動化ゲートのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態による照合システム1は、情報サーバ10と、管理サーバ20と、会社サーバ30と、自動化ゲート40とを含んでいる。本実施形態による照合システム1は、例えば、照合システム1が運用される国の空港で入国審査を受ける渡航者Pに対して、入国審査の手続を自動的に行う自動化ゲート40において渡航者Pの生体情報の照合を行うものである。以下では、照合システム1が運用される国を、単に「当該国」と適宜称する。
【0018】
なお、照合システム1は、当該国の空港のほか、当該国の海港、国境検問所等の出入国審査が行われる施設に設置された自動化ゲート40において照合を行うものであってもよい。
【0019】
情報サーバ10は、例えば、当該国における航空機等の入出港に関連する手続の情報処理システムを管理運用する機関又は事業者の施設内に設置されている。管理サーバ20は、例えば、当該国の出入国を管理する管理局の施設内に設置されている。自動化ゲート40は、当該国の空港における入国審査場に設置されている。入国審査場における自動化ゲート40の設置台数は、特に限定されるものではなく、1台であっても複数台であってもよい。
【0020】
会社サーバ30は、外国から当該国に渡航する渡航者Pが利用する航空機を運航する航空会社が管理運用するサーバである。なお、会社サーバ30は、外国から当該国に渡航する渡航者Pが利用する航空機以外の船舶等の移動手段を運航する旅客運送業を営む会社が管理運用するサーバであってもよい。
【0021】
情報サーバ10、管理サーバ20、会社サーバ30及び自動化ゲート40、ネットワークNW1に接続されている。ネットワークNW1は、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等により構成されている。
【0022】
情報サーバ10と管理サーバ20とは、ネットワークNW1を介して通信可能になっている。情報サーバ10と会社サーバ30とは、ネットワークNW1を介して通信可能になっている。管理サーバ20と自動化ゲート40とは、ネットワークNW1を介して通信可能になっている。
【0023】
情報サーバ10は、外国から当該国に渡航する渡航者Pに関する情報である渡航者情報を管理する情報管理装置として機能する。会社サーバ30は、その航空会社の航空機を利用して当該国に向かう渡航者Pの渡航者情報を、ネットワークNW1を介して情報サーバ10に送信して報告する。例えば、会社サーバ30は、渡航者Pが利用する航空機の出港前の所定の時間前まで又は出港前の所定の時点で、渡航者情報を情報サーバ10に送信して事前に報告する。また、例えば、会社サーバ30は、渡航者Pがチェックインして渡航情報が確定してから、入国する当該国における入国審査を行う前までの間、より具体的にはチェックインしてから航空機が離陸するまでの間に情報サーバ10に渡航者情報を送信することができる。また、例えば、会社サーバ30は、渡航者Pがチェックインしてから航空機が到着するまでの間、渡航者Pが入国審査場に向かうまでの間に情報サーバ10に渡航者情報を送信してもよい。情報サーバ10は、後述するように、各航空会社の会社サーバ30から送信された渡航者情報を渡航者情報データベース(DB、Database)106aに登録して管理する。
【0024】
情報サーバ10は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)102と、RAM(Random Access Memory)104と、記憶装置106と、通信部108とを有している。CPU102、RAM104、記憶装置106及び通信部108は、バスライン110に接続されている。
【0025】
CPU102は、記憶装置106に記憶されたプログラムを実行することにより動作し、情報サーバ10全体の動作を制御する制御部として機能する。また、CPU102は、記憶装置106に記憶されたアプリケーションプログラムを実行して、情報管理装置としての各種処理を実行する。RAM104は、CPU102の動作に必要なメモリ領域を提供する。
【0026】
より具体的には、CPU102は、管理部として機能し、当該国へ向かう国際線を就航する各航空会社の会社サーバ30から事前に報告される渡航者情報を記憶装置106に記録して管理する。CPU102は、記憶装置106に格納された渡航者情報DB106aに渡航者情報を登録して管理する。外国においては、観光、商用、帰国、一時帰国等の種々の目的で当該国に向けて出国する。これらのような種々の渡航者Pの渡航者情報は、各国の航空会社において、航空機の予約、搭乗手続等の際に取得される。会社サーバ30は、取得した渡航者情報を上述のようにネットワークNW1を介して情報サーバ10に送信して事前に報告する。CPU102は、各国の航空会社の会社サーバ30から事前に報告される渡航者情報を記憶装置206の渡航者情報DB106aに集約して登録する。
【0027】
また、CPU102は、提供部として機能し、ネットワークNW1を介して、渡航者情報を管理サーバ20に送信して提供する。CPU102は、渡航者Pの当該国への入国前において、定期又は不定期に渡航者情報を管理サーバ20に事前に提供する。
【0028】
記憶装置106は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブ等の記憶媒体により構成され、記憶部として機能する。記憶装置106は、CPU102により実行されるプログラム、そのプログラムの実行の際にCPU102により参照されるデータ等を記憶する。
【0029】
また、記憶装置106は、渡航者情報DB106aを格納している。渡航者情報DB106aには、上記渡航者情報が登録されている。
【0030】
渡航者情報DB106aに登録される渡航者情報は、当該国へ向かう渡航者Pに関する情報である。渡航者情報は、例えば、渡航者Pの旅券情報、旅程情報等を含んでいる。旅券情報は、その渡航者Pに対して発行された旅券の旅券番号、旅券発行国、身分情報等を含んでいる。身分情報は、その渡航者Pの氏名、国籍、生年月日、性別等を含んでいる。旅程情報は、その渡航者Pの旅程を示す情報であり、その渡航者Pの出発地、到着地、利用する航空会社、便名、出発日時、到着日時等を含んでいる。航空会社、便名、出発日時、到着日時は、フライト情報を構成する。出発日時は、時刻を含まない出発日であってもよい。到着日時は、時刻を含まない到着日であってもよい。出発地及び到着地は、それぞれ出発する空港及び到着する空港を意味しうる。渡航者情報並びに当該渡航者情報に含まれる旅券情報及び旅程情報は、互いに関連付けられている。
【0031】
通信部108は、ネットワークNW1に接続され、ネットワークNW1を介してデータの送受信を行う。通信部108は、CPU102による制御に従って、管理サーバ20、会社サーバ30等との間の通信を行う。
【0032】
こうして、情報サーバ10が構成されている。
【0033】
管理サーバ20は、当該国の出入国審査業務に要する各種情報を記憶して管理する管理装置として機能する。管理サーバ20は、図2に示すように、CPU202と、RAM204と、記憶装置206と、通信部208とを有している。CPU202、RAM204、記憶装置206及び通信部208は、バスライン210に接続されている。
【0034】
CPU202は、記憶装置206に記憶されたプログラムを実行することにより動作し、管理サーバ20全体の動作を制御する制御部として機能する。また、CPU202は、記憶装置206に記憶されたアプリケーションプログラムを実行して、管理装置としての各種処理を実行する。RAM204は、CPU202の動作に必要なメモリ領域を提供する。
【0035】
より具体的には、CPU202は、管理部として機能し、当該国における渡航者Pの出入国に関する渡航履歴情報を記憶装置206に記録して管理する。CPU202は、記憶装置206に格納された渡航履歴情報DB206aに渡航履歴情報を登録して管理する。当該国においては、観光、商用等の種々の目的で諸外国から外国人が入国し、入国した外国人が出国する。また、当該国においては、観光、商用、一時帰国等の種々の目的で自国人や在留外国人が出国し、出国した自国人や在留外国人が入国する。これらのような種々の渡航者Pの渡航履歴情報は、例えば、入国審査場における対面の審査ブース、自動化ゲート40等において取得されて管理サーバ20に送信される。CPU202は、送信された渡航履歴情報を記憶装置206に記録して管理する。なお、外国人とは、当該国の国籍を有しない者である。
【0036】
また、CPU202は、渡航者情報取得部として機能し、ネットワークNW1を介して情報サーバ10から提供される渡航者情報を取得する。
【0037】
また、CPU202は、管理部として機能し、情報サーバ10から提供されて取得した渡航者情報に基づき、渡航履歴情報DB206aからテンポラリ情報DB206bを作成する。CPU202は、渡航者情報に基づき、渡航履歴情報DB206aの渡航履歴情報を絞り込む。これにより、CPU202は、渡航履歴情報DB206aの渡航履歴情報と比較して絞り込まれて数の少ない渡航履歴情報が登録されたテンポラリ情報DB206bを作成する。テンポラリ情報DB206bの作成の詳細については後述する。CPU202は、作成したテンポラリ情報DB206bを記憶装置206に格納する。
【0038】
また、CPU202は、管理部として機能し、要注意者リスト(watchlist)と信頼者リスト(trustedlist)とを含む人物リストを記憶装置206に記録して管理する。CPU202は、記憶装置206に格納された人物リストDB206cに人物リストを登録して管理する。要注意者リストは、出入国審査に特に留意を要すべき又は出入国を不許可とすべき要注意人物の生体情報を含む人物情報が登録されたリストである。信頼者リストは、入国を許可すべき人物の生体情報を含む人物情報が登録されたリストである。人物リストは、例えば、自動化ゲート40での照合、審査ブースでの照合に用いられる。なお、人物リストは、必ずしも要注意者リスト及び信頼者リストの両方を含むものである必要はなく、要注意者リスト及び信頼者リストのいずれか一方を含むものであってもよい。
【0039】
記憶装置206は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブ等の記憶媒体により構成され、記憶部として機能する。記憶装置206は、CPU202により実行されるプログラム、そのプログラムの実行の際にCPU202により参照されるデータ等を記憶する。
【0040】
また、記憶装置206は、渡航履歴情報DB206aと、テンポラリ情報DB206bと、人物リストDB206cとを格納している。渡航履歴情報DB206aには、上記渡航履歴情報が登録されている。テンポラリ情報DB206bには、上記絞り込まれた渡航履歴情報が登録されている。人物リストDB206cには、上記人物リストが登録されている。
【0041】
渡航履歴情報DB206aに登録される渡航履歴情報は、当該国に入国した渡航歴のある渡航者Pに関する情報である。渡航履歴情報は、例えば、渡航者Pが当該国へ入国する際及び当該国から出国する際に登録される。渡航履歴情報は、例えば、当該国への渡航歴のある渡航者Pの旅券情報、生体情報及び履歴情報を含んでいる。旅券情報は、その渡航者Pに対して発行された旅券の旅券番号、旅券発行国、身分情報等を含んでいる。身分情報は、その渡航者Pの氏名、国籍、生年月日、性別等を含んでいる。生体情報は、その渡航者Pの指紋画像、顔画像、虹彩画像、指の静脈画像、掌紋画像、手のひらの静脈画像等である。生体情報は、1つであっても複数であってもよい。また、生体情報は、渡航者Pの生体情報が記録されたIC(Integrated Circuit)旅券から取得されたものであってもよいし、審査の際に渡航者Pから直接取得したものであってもよい。履歴情報は、その渡航者Pの入国地、入国年月日、出国地、出国年月日、航空機便名等を含んでいる。入国地及び出国地は、それぞれ入国した空港及び出国した空港を意味しうる。渡航履歴情報並びに当該渡航履歴情報に含まれる旅券情報、生体情報及び履歴情報は、互いに関連付けられている。
【0042】
テンポラリ情報DB206bに登録される渡航履歴情報は、渡航履歴情報DB206aに登録された渡航履歴情報のうち、渡航者情報DB106aのうちの特定の条件を満たす渡航者情報に含まれる渡航者Pの個人識別情報に関連付けられた渡航履歴情報である。すなわち、テンポラリ情報DB206bに登録される渡航履歴情報は、渡航履歴情報DB206aに登録された渡航履歴情報のうち、渡航者情報DB106aのうちの特定の条件を満たす渡航者情報に対応する渡航履歴情報である。特定の条件は、例えば、渡航者情報の出発日時又は出発日が所定の期間に含まれること、渡航者情報の到着日時又は到着日が所定の期間に含まれること、渡航者情報の到着地が特定の到着地、すなわち特定の空港又は特定の空港群であること等である。特定の条件の詳細は後述する。また、渡航者Pの個人識別情報は、特に限定されるものではないが、例えば旅券番号である。また、個人識別情報は、例えば、氏名、国籍、生年月日等の身分情報の2以上の組み合わせであってもよい。テンポラリ情報DB206bに登録される渡航履歴情報は、自動化ゲート40における入国審査の際の本人確認のための照合に用いられる照合用渡航履歴情報である。
【0043】
人物リストDB206cに登録される人物リストは、要注意者リストと信頼者リストとを含んでいる。要注意者リストは、出入国審査に特に留意を要すべき又は出入国を不許可とすべき要注意人物の人物情報として、生体情報、テキスト情報等が登録されている。また、信頼者リストは、入国を許可すべき人物の人物情報として、生体情報、テキスト情報等が登録されている。要注意者リスト及び信頼者リストの各人物情報に含まれる生体情報は、例えば、当該人物の指紋画像、顔画像、虹彩画像、指の静脈画像、掌紋画像、手のひらの静脈画像等である。
【0044】
通信部208は、ネットワークNW1に接続され、ネットワークNW1を介してデータの送受信を行う。通信部208は、CPU202による制御に従って、情報サーバ10、自動化ゲート40等との間の通信を行う。
【0045】
こうして、管理サーバ20が構成されている。
【0046】
自動化ゲート40は、自動化ゲート40を利用可能な自動化ゲート40の対象者である渡航者Pの出入国審査の手続を自動的に行う自動手続装置として機能する。自動化ゲート40は、生体情報の照合を行う照合装置としても機能する。
【0047】
自動化ゲート40は、図2に示すように、CPU402と、RAM404と、記憶装置406と、通信部408と、ゲート装置410と、旅券読取装置412と、生体情報取得装置414と、ディスプレイ416とを有している。CPU402、RAM404、記憶装置406、通信部408、ゲート装置410、旅券読取装置412、生体情報取得装置414及びディスプレイ416は、バスライン418に接続されている。
【0048】
CPU402は、記憶装置406に記憶されたプログラムを実行することにより動作し、自動化ゲート40全体の動作を制御する制御部として機能する。また、CPU402は、記憶装置406に記憶されたアプリケーションプログラムを実行して、自動手続装置としての各種処理を実行する。RAM404は、CPU402の動作に必要なメモリ領域を提供する。
【0049】
記憶装置406は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブ等の記憶媒体により構成され、記憶部として機能する。記憶装置406は、CPU402により実行されるプログラム、そのプログラムの実行の際にCPU402により参照されるデータ等を記憶する。
【0050】
通信部408は、ネットワークNW1に接続され、ネットワークNW1を介してデータの送受信を行う。通信部408は、CPU402による制御に従って、管理サーバ20等との間の通信を行う。
【0051】
ゲート装置410は、自動化ゲート40における入国審査を渡航者Pが通過した場合に、渡航者Pの通行を遮る待機時の閉鎖状態から、渡航者Pの通行を許す開放状態に移行する。ゲート装置410の方式は、特に限定されるものではなく、例えば、通路の片側又は両側から設けられたフラッパーが開閉するフラッパーゲート、3本バーが回転するターンスタイルゲート等である。
【0052】
旅券読取装置412は、自動化ゲート40における入国審査において、渡航者Pの旅券を読み取って旅券に記録された情報を取得する旅券情報取得部として機能する。旅券読取装置412は、自動化ゲート40において手続を行う対象者である渡航者Pに関する情報である対象者情報を取得する対象者情報取得部の1つとして機能する。旅券読取装置412は、例えば、OCR(Optical Character Reader)装置、非接触IC(Integrated Circuit)リーダにより構成される。旅券読取装置412は、OCR装置により旅券券面の旅券番号を読み取る。また、IC旅券の場合、旅券読取装置412は、非接触ICリーダにより、IC旅券のICチップに記録された旅券番号を読み取る。
【0053】
また、IC旅券の場合、そのICチップには、旅券申請時の渡航者Pの指紋画像、顔画像、虹彩画像、指の静脈画像、掌紋画像、手のひらの静脈画像等の生体情報が記録されて事前に登録されている。ICチップに事前に登録された生体情報は、1つであっても複数であってもよい。また、複数の生体情報は、いかなる生体情報の組み合わせであってもよい。生体情報がICチップに記録されている場合、旅券読取装置412は、ICチップに記録された生体情報をさらに読み取って取得する。旅券読取装置412によりIC旅券から取得された生体情報は、生体情報取得装置414により取得された同種の生体情報と照合され、渡航者Pの本人確認に用いられる。
【0054】
なお、本実施形態による照合システム1では、旅券読取装置412により旅券の読み取りを行うことなく、本人確認のための生体情報の照合を行って入国審査を行うことができる。この場合、自動化ゲート40は、照合装置として機能し、生体情報取得装置414により取得された生体情報と、管理サーバ20のテンポラリ情報DB206bに登録された複数人の渡航履歴情報に含まれる同種の生体情報とを1:Nで照合する。これにより、自動化ゲート40は、渡航者Pの本人確認を行う。以下では、このように旅券読取装置412により旅券の読み取りを行うことなくテンポラリ情報DB206bを利用して本人確認を行う場合について説明する。
【0055】
生体情報取得装置414は、自動化ゲート40において手続を行う対象者である渡航者Pの生体情報を取得する生体情報取得部として機能する。生体情報取得装置414は、自動化ゲート40において手続を行う対象者である渡航者Pに関する情報である対象者情報を取得する対象者情報取得部の1つとして機能する。生体情報取得装置414は、例えば、渡航者Pの指紋画像、顔画像、虹彩画像、指の静脈画像、掌紋画像、手のひらの静脈画像等の生体情報を取得する。生体情報取得装置414が取得する生体情報は、1つであっても複数であってもよい。また、複数の生体情報は、いかなる生体情報の組み合わせであってもよい。
【0056】
自動化ゲート40において照合を行う生体情報、すなわち、テンポラリ情報DB206bの渡航履歴情報に含まれるべき生体情報は、次の条件に基づいて自動的に設定されてもよいし、ユーザである管理者等により手動により適宜変更されて設定されてもよい。例えば、生体情報は、空港に設置されている自動化ゲート40のスペック、具体的には生体情報取得装置414が指紋画像による指紋認証に対応しているか、顔画像による顔認証に対応しているか等によって設定される。また、例えば、生体情報は、複数種類の生体情報に対応可能な場合、お盆、正月を含む年末年始、ゴールデンウィーク等の空港が混雑する時期、空いている時期等、時期によって設定される。具体的には、例えば、生体情報は、混雑する時期には指紋画像に設定され、空いている時期には顔画像に設定される。また、例えば、生体情報は、複数種類の生体情報に対応可能な場合、対象となる出発地の環境、すなわち対象となる空港の環境によって設定される。具体的には、生体情報は、例えば、安全な国や協定を結んでいる国の空港から渡航する渡航者の場合には顔画像に設定され、その他の危険な国の空港から渡航する渡航者の場合には指紋画像に設定される。
【0057】
ディスプレイ416は、例えばタッチパネルディスプレイにより構成される。ディスプレイ416は、自動化ゲート40において手続を行う渡航者Pに対して操作案内を表示するとともに、渡航者Pからの操作指示の入力を受け付ける表示部及び入力部として機能する。
【0058】
自動化ゲート40は、当該国へ入国する渡航者Pのうち、特定の渡航者Pをその対象者として、その渡航者Pの入国審査手続を自動的に行う。入国審査手続に際して、自動化ゲート40のCPU402は、生体情報を照合する照合部として機能する。
【0059】
自動化ゲート40の対象者となる特定の渡航者Pは、特に限定されるものではないが、例えば、当該国への入国直近の所定の期間、より具体的には当該国へ入国する日以前の所定の期間における当該国への渡航回数が所定の回数以上の者である。例えば、このような者として、入国する日以前の1年間の当該国への渡航回数が2回以上の者が挙げられる。また、自動化ゲート40の対象者となる特定の渡航者Pは、過去に当該国への渡航履歴があり、かつ、過去に要注意者リストに該当した履歴のない者であってもよい。
【0060】
例えば、自動化ゲート40は、当該国への入国前直近の所定の期間における当該国への渡航回数が所定の回数以上の渡航者Pの入国審査手続を自動的に行う。この際、照合部として機能するCPU402は、本人確認のため、生体情報取得装置414により取得された渡航者Pの生体情報と、管理サーバ20のテンポラリ情報DB206bに登録された複数人の渡航履歴情報に含まれる同種の生体情報とを1:Nで照合する。
【0061】
また、照合部として機能するCPU402は、生体情報取得装置414により取得された渡航者Pの生体情報と、管理サーバ20の人物リストDB206cに登録された要注意者リストや信頼者リストに含まれる複数人の同種の生体情報とを1:Nで照合することができる。これにより、CPU202は、渡航者Pについて、要注意者リスト照合や信頼者リスト照合を行うことができる。
【0062】
こうして、自動化ゲート40が構成されている。
【0063】
自動化ゲート40は、その対象者である渡航者Pの出入国審査を自動的に行うため、出入国審査場が混雑している場合であっても、円滑、迅速に出入国審査の手続を行うことができる。一般的に、自動化ゲート40では、旅券読取装置412により取得した事前にIC旅券に登録された生体情報と、生体情報取得装置414により取得された渡航者Pの生体情報を1:1で照合することで本人確認を行う。しかしながら、この場合、渡航者Pは、旅券読取装置412にIC旅券を読み取らせる必要がるため、スループットが悪くなってしまう。特に、渡航者Pは、多くの荷物を抱えている場合が多く、旅券読取装置412にIC旅券を読み取らせる際に、多くの荷物を持っている状況ではIC旅券を探すのに時間を要することがある。このため、上記のようにIC旅券の生体情報を用いて1:1の照合を行ったのでは、渡航者Pは、スムーズに自動化ゲート40を利用できないことがあるという問題があった。このため、自動化ゲート40では、本人確認のため、生体情報取得装置414により取得された渡航者Pの生体情報と、管理サーバ20の渡航履歴情報DB206aに登録された複数人の渡航履歴情報に含まれる生体情報とを1:Nで照合することも考えられる。
【0064】
しかしながら、渡航履歴情報DB206aの複数人の生体情報を渡航者Pの本人確認のための照合に用いたのでは、生体情報取得装置414により取得された渡航者Pの生体情報と照合すべき照合対象の複数人の生体情報の数が膨大なものとなりうる。このため、生体情報の照合精度が低下するおそれがある。
【0065】
これに対して、本実施形態による照合システム1は、渡航履歴情報DB206aの渡航履歴情報を所定の条件で絞り込んでテンポラリ情報DB206bを作成する。さらに、照合システム1は、本人確認のため、生体情報取得装置414により取得された渡航者Pの生体情報と、テンポラリ情報DB206bに登録された複数人の渡航履歴情報に含まれる生体情報とを1:Nで照合する。
【0066】
テンポラリ情報DB206bの複数人の生体情報は、渡航履歴情報DB206aの複数人の生体情報と比較して絞り込まれている。このため、本人確認の際に、生体情報取得装置414により取得された渡航者Pの生体情報と照合すべき照合対象の複数人の生体情報の数を低減することができる。したがって、本実施形態による照合システム1は、渡航者Pの本人確認のためにデータベースに登録された生体情報との照合を行う場合において、生体情報の照合精度を向上することができる。また、本人確認のための生体情報の照合に要する時間を短縮することができる。こうして、本実施形態による照合システム1は、渡航履歴情報を用いた照合を行う場合において、照合精度を向上することができる。
【0067】
すなわち、過去に1回でも複数回でも渡航履歴がある渡航者Pである場合、渡航履歴情報DB206aには、過去に渡航者Pから生体情報取得装置414が取得した生体情報、又はIC旅券から旅券読取装置412が取得した生体情報が記憶されている。しかしながら、このまま自動化ゲート40における生体情報取得装置414が取得した生体情報と、既に登録されている過去の渡航履歴情報DB206aの生体情報とを1:Nで照合すると、低い照合精度となってしまう。これは、Nに対応する既に登録されている過去の渡航履歴情報DB206aの生体情報の数が膨大であるためである。
【0068】
そこで、本実施形態では、Nに対応する既に登録されている過去の渡航履歴情報DB206aの渡航履歴情報を渡航者Pの渡航者情報に基づいて抽出して絞り込み、テンポラリ情報DB206bを作成する。そして、本実施形態では、自動化ゲート40における生体情報取得装置414が取得した生体情報と、渡航者情報により絞り込まれた照合用渡航履歴情報が登録されたテンポラリ情報DB206bにおける生体情報とを1:Nで照合する。これにより、本実施形態では、Nの数が渡航者情報に基づいて絞り込まれているため、生体情報の照合精度の低下を抑制することができ、照合時間を短縮することができる。
【0069】
以下、本実施形態による照合システム1における照合動作についてさらに図3乃至図6を用いて説明する。図3は、本実施形態による照合システムにおける情報サーバ10、管理サーバ20及び自動化ゲート40の動作を示すシーケンス図である。図4は、本実施形態による情報サーバ10の渡航者情報DB106aの一例を示す概略図である。図5は、本実施形態による管理サーバ20の渡航履歴情報DB206aの一例を示す概略図である。図6は、本実施形態による管理サーバ20のテンポラリ情報DB206bの一例を示す概略図である。なお、図4乃至図6に示す各DB106a、206a、206cでは、簡単のため、各項目のデータを省略している。本実施形態による照合システム1における照合動作が行われることにより、本実施形態による管理方法及び照合方法が実行される。
【0070】
図3に示すように、情報サーバ10のCPU102は、管理サーバ20に対して、渡航者情報DB106aに登録されている渡航者情報をネットワークNW1を介して定期又は不定期に送信して事前に提供する(ステップS102)。
【0071】
情報サーバ10には、当該国へ向かう各航空会社の会社サーバ30から渡航者情報がネットワークNW1を介して送信されて事前に報告されている。情報サーバ10のCPU102は、事前に報告された渡航者情報を記憶装置206の渡航者情報DB106aに集約して登録する。図4に例示するように、渡航者情報DB106aには、各航空会社の会社サーバ30から事前に報告された複数人の渡航者Pの渡航者情報Cが登録されて管理されている。なお、渡航者情報Cのうちの渡航者情報Csは、以下に述べる特定の条件を満たす渡航者情報Cである。CPU102は、渡航者情報DB106aの渡航者情報Cを管理サーバ20に事前に提供する。
【0072】
管理サーバ20のCPU202は、情報サーバ10から事前に提供された渡航者情報に基づき、渡航履歴情報DB206aに登録されている渡航履歴情報を絞り込む。すなわち、CPU202は、特定部として機能し、特定の条件を満たす旅程情報を含む渡航者情報を特定する。次いで、CPU202は、抽出部として機能し、特定された渡航者情報に対応する渡航履歴情報を、照合用渡航履歴情報として抽出して渡航履歴情報を絞り込む。これにより、CPU202は、テンポラリ情報DB206bを作成する(ステップS104)。テンポラリ情報DB206bには、渡航履歴情報DB206aの渡航履歴情報と比較して絞り込まれて数の少ない渡航履歴情報が登録されている。CPU202は、例えば、以下のようにして特定の条件を満たす旅程情報を含む渡航者情報に基づき、渡航履歴情報DB206aの渡航履歴情報を絞り込んでテンポラリ情報DB206bを作成することができる。
【0073】
例えば、まず、CPU202は、情報サーバ10から事前に提供された渡航者情報のうち、特定の条件を満たす特定の渡航者情報、具体的には自動化ゲート40で本人確認のための照合を行う所定の期間に到着日時が含まれる特定の渡航者情報を抽出する。到着日時は、到着日であってもよい。所定の期間は、例えば、日単位であってもよいし、時間単位であってもよい。図4に示すように、CPU202は、事前に提供された渡航者情報DB106aの渡航者情報Cのうち、特定の条件を満たす渡航者情報Csを抽出する。また、CPU202は、到着日時又は到着日を基準に特定の渡航者情報を抽出することに代えて、出発日時又は出発日を基準に特定の渡航者情報を抽出してもよい。
【0074】
例えば、本人確認のための生体情報の照合を行う到着日を4月10日とする。この場合、特定の条件として、出発地から比較的に遠い空港の場合、出発日が同日を含む4月9日~10日の渡航者情報を抽出することができる。一方、出発地から比較的に近い空港の場合は、出発日が同日の4月10日の渡航者情報を抽出することができる。このように、時差を考慮して空港ごとに特定の条件における到着日が含まれる所定の期間を設定することができる。空港ごとに変更せずに、特定の条件における到着日が含まれる所定の期間を一律に設定することもできる。
【0075】
また、本人確認のための照合を行う生体情報の種類に応じて、特定の条件を変更することができる。例えば、照合を行う生体情報が指紋画像の場合は、照合精度が高いため、特定の条件における到着日が含まれる所定の期間を1週間とし、到着日が4月10日の場合、出発日が同日を含む4月3日~10日の渡航者情報を抽出することができる。一方、照合を行う生体情報が顔画像の場合は、照合精度が低いため、特定の条件における到着日が含まれる所定の期間を2日間とし、到着日が4月10日の場合、出発日が同日を含む4月9日~10日の渡航者情報を抽出することができる。
【0076】
また、本人確認のための生体情報の照合精度をさらに高める手段として、到着日の時間ごとにテンポラリ情報DB206bを作成することができる。例えば、特定の条件における到着日が含まれる所定の期間を6時間とし、到着日時が4月10日12時00分~同日18時00分の場合、空港ごとの出発地からの飛行時間に基づいて抽出する渡航者情報を決定することができる。具体的には、出発地からの飛行時間が24時間の比較的に遠い空港の場合は、出発日時が4月9日12時00分~同日18時00分の渡航者情報を抽出することができる。一方、出発地からの飛行時間が12時間の比較的に近い空港の場合は、4月10日0時00分~同日6時00分の渡航者情報を抽出することができる。このように、所定期間の長さと、到着する空港までの空港ごとの飛行時間とに基づいて、特定の条件を満たす渡航者情報Csを決定することができる。
【0077】
続いて、CPU202は、抽出した特定の渡航者情報に含まれる渡航者Pの個人識別情報と関連付けられた特定の渡航履歴情報を、渡航履歴情報DB206aの渡航履歴情報から抽出する。すなわち、CPU202は、抽出した特定の渡航者情報に対応する特定の渡航履歴情報を、渡航履歴情報DB206aの渡航履歴情報から抽出する。図5に例示するように、渡航履歴情報DB206aには、過去に入出国した複数人の渡航者Pの渡航履歴情報Hが登録されて管理されている。図5に示すように、CPU202は、渡航履歴情報DB206aの渡航履歴情報Hのうち、特定の渡航者情報Csに含まれる渡航者Pの個人識別情報と関連付けられた特定の渡航履歴情報Hsを抽出する。
【0078】
続いて、CPU202は、抽出した特定の渡航履歴情報をデータベースに登録してテンポラリ情報DB206bを作成する。図6に例示するように、テンポラリ情報DB206bには、抽出された特定の渡航履歴情報Hsが照合用渡航履歴情報として登録される。
【0079】
また、CPU202は、特定の渡航者情報が満たすべき特定の条件として、上記条件に代えて又は上記条件とともに、以下の条件のように他の特定の条件を用いることができる。
【0080】
例えば、まず、CPU202は、情報サーバ10から事前に提供された渡航者情報のうち、特定の条件を満たす特定の渡航者情報、具体的には自動化ゲート40で本人確認のための照合を行う特定の到着地が含まれる特定の渡航者情報を抽出する。特定の到着地は、特定の空港であってもよいし、特定の空港群であってもよい。特定の到着地については、出発する国における空港と到着する国における空港との2国間の協定、安全面等から決定することもできる。
【0081】
続いて、上記の場合と同様に、CPU202は、抽出した特定の渡航者情報に含まれる渡航者Pの個人識別情報と関連付けられた特定の渡航履歴情報を、渡航履歴情報DB206aの渡航履歴情報から抽出する。続いて、CPU202は、抽出した特定の渡航履歴情報をデータベースに登録してテンポラリ情報DB206bを作成する。
【0082】
なお、CPU202は、上記のほか、種々の特定の条件を満たす旅程情報を含む渡航者情報を特定し、特定された渡航者情報に対応する渡航履歴情報を照合用渡航履歴情報として抽出して、テンポラリ情報DB206bを作成することができる。
【0083】
こうして、管理サーバ20のCPU202は、渡航履歴情報DB206aの渡航履歴情報を絞り込んでテンポラリ情報DB206bを作成する。なお、CPU202は、テンポラリ情報DB206bを随時更新する。例えば、CPU202は、分、時間、日にち等、所定の更新間隔が経過するとともにテンポラリ情報DB206bも更新する。テンポラリ情報DB206bの更新において、CPU202は、上記所定の期間に含まれない渡航者情報に対応する渡航者履歴情報をテンポラリ情報DB206bから削除する。また、テンポラリ情報DB206bの更新において、CPU202は、新たに上記所定の期間に含まれる渡航者情報に対応する渡航者履歴情報をテンポラリ情報DB206bに追加する。すなわち、CPU202は、所定の時間間隔ごとに照合用渡航履歴情報を作成し、所定の時間間隔ごとに、特定の条件を満たす特定の渡航者情報と対応しない渡航履歴情報をテンポラリ情報DB206bから削除する。
【0084】
管理サーバ20のCPU202がテンポラリ情報DB206bを更新する更新間隔は、次の条件に基づいてCPU202により自動的に設定されてもよいし、ユーザである管理者等により手動により適宜変更されて設定されてもよい。
【0085】
例えば、CPU202は、空港に設置されている自動化ゲート40のスペックによって更新間隔を決定して設定することができる。具体的には、CPU202は、生体情報取得装置414が虹彩画像による虹彩認証、指紋画像による指紋認証、顔画像による顔認証等のいずれに対応しているか等によって更新間隔を決定して設定することができる。より具体的には、虹彩認証、指紋認証及び顔認証の3つの認証の場合、CPU202は、虹彩認証の場合の更新間隔を最も長く設定し、指紋認証の場合の更新間隔を2番目に長く設定し、顔認証の場合の更新間隔を最も短く設定することができる。
【0086】
また、例えば、CPU202は、お盆、正月を含む年末年始、ゴールデンウィーク等の空港が混雑する時期、空いている時期等、時期によって更新間隔を決定して設定することができる。具体的には、CPU202は、空港が混雑する時期は更新間隔をより短く設定し、空港が空いている時期は更新間隔をより長く設定することができる。
【0087】
また、CPU202は、対象となる出発地の環境、すなわち対象となる空港の環境によって更新間隔を決定して設定することができる。具体的には、CPU202は、安全な国や協定を結んでいる国の空港から渡航する場合は更新間隔をより長く設定し、その他の危険な国の空港から渡航する場合は更新間隔をより短く設定することができる。
【0088】
このように、CPU202は、テンポラリ情報DB206bの更新間隔、すなわち照合用渡航履歴情報を更新する更新間隔を状況によって決定して設定することができる。CPU202は、自動化ゲート40で取得される渡航者Pの生体情報、すなわち照合用渡航履歴情報に含まれる渡航者Pの生体情報の種類によって決定して設定することができる。また、CPU202は、照合用渡航履歴情報を更新する更新間隔を、時期、渡航者の出発地の環境等によって決定して設定することもできる。なお、管理者も、これらの基準に従って同様に更新間隔を決定して手動で設定することができる。
【0089】
なお、自動化ゲート40において本人確認のための生体情報の照合は、照合を行う生体情報の種類によって照合精度が異なりうる。このため、管理サーバ20のCPU202は、照合を行う生体情報の種類に応じて、渡航履歴情報DB206aの渡航履歴情報を絞り込む絞り込み度合いを変更することができる。すなわち、CPU202は、生体情報の種類に応じて、特定の条件における出発日時又は到着日時が含まれる所定の期間、特定の条件における特定の到着地を決定することができる。これにより、照合を行う生体情報の種類に応じた照合精度の向上を実現することができる。
【0090】
例えば、指紋画像の照合は、顔画像の照合と比較して照合精度が高い。したがって、本人確認のために指紋画像の照合を行う場合は、顔画像の照合を行う場合と比較して、渡航履歴情報DB206aの渡航履歴情報を絞り込む絞り込み度合いを小さくすることができる。すなわち、指紋画像の照合を行う場合のテンポラリ情報DB206bの渡航履歴情報の数は、顔画像の照合を行う場合のテンポラリ情報DB206bの渡航履歴情報の数よりも多くすることができる。
【0091】
絞り込み度合いの程度は、本人確認のための照合に用いる生体情報の照合精度の順に応じて、例えば、虹彩画像、指紋画像、及び顔画像の順に大きくすることができる。すなわち、虹彩画像、指紋画像、及び顔画像の順に、テンポラリ情報DB206bの渡航履歴情報の数を少なくすることができる。
【0092】
具体的には、例えば、指紋画像の照合を行う場合、24時間以上の日単位の所定の期間に到着日時又は到着日が含まれる渡航者情報に含まれる渡航者Pの個人識別情報に関連付けられた渡航履歴情報を抽出して、テンポラリ情報DB206bを作成することができる。
【0093】
一方、例えば、顔画像の照合を行う場合、24時間未満の時間単位の所定の期間に到着日時又は到着日が含まれる渡航者情報に含まれる渡航者Pの個人識別情報に関連付けられた渡航履歴情報を抽出して、テンポラリ情報DB206bを作成することができる。このように、顔画像の照合を行う場合は、所定の期間を、指紋画像の照合を行う場合よりも短期間に決定して設定することができる。これにより、テンポラリ情報DB206bの渡航履歴情報を少なくすることができ、照合精度が比較的に低い顔画像の場合であっても、本人確認のための生体情報の照合精度を向上することができる。
【0094】
また、例えば、顔画像の照合を行う場合、特定の一の空港が到着地として含まれる渡航者情報に含まれる渡航者Pの個人識別情報に関連付けられた渡航履歴情報を抽出して、テンポラリ情報DB206bを作成することができる。すなわち、指紋画像の照合を行う場合、対象となる空港は複数の空港を含む特定の空港群であるが、顔画像の照合を行う場合、照合精度が指紋画像の照合より低いため、対象となる空港は特定の一の空港が到着地とされる。そして、その特定の一の空港が到着地として含まれる渡航者情報に含まれる渡航者Pの個人識別情報に関連付けられた渡航履歴情報を抽出する。このように、顔画像の照合を行う場合は、特定の到着地の数を、指紋画像の照合を行う場合よりも少なく決定して設定することができる。これによっても、テンポラリ情報DB206bの渡航履歴情報を少なくすることができ、照合精度が比較的に低い顔画像の場合であっても、本人確認のための生体情報の照合精度を向上することができる。
【0095】
自動化ゲート40では、上述のように渡航履歴情報を絞り込んだ特定の条件に用いた所定の期間又は空港において、渡航者Pの入国審査を自動的に行う。なお、本実施形態では、自動化ゲート40の旅券読取装置412に渡航者Pの旅券を読み取らせる必要はない。さらには、生体情報取得装置414により取得する生体情報が渡航者Pの顔画像である場合には、自動化ゲート40で渡航者Pが立ち止まる必要のないウォークスルーでの入国審査を行うことができる。
【0096】
まず、入国審査において、自動化ゲート40のCPU402は、生体情報取得装置414により、渡航者Pの生体情報として、渡航者Pの指紋画像、顔画像、虹彩画像等を取得する(ステップS106)。CPU402は、例えば、指紋画像及び顔画像の少なくとも一方を取得することもできるし、他の生体情報を含む複数の生体情報のいずれか1つ又は組み合わせを取得することもできる。
【0097】
次いで、CPU402は、本人確認のため、生体情報取得装置414により取得された渡航者Pの生体情報と、管理サーバ20のテンポラリ情報DB206bに登録された複数人の渡航履歴情報に含まれる同種の生体情報とを1:Nで照合する。これにより、CPU402は、渡航者Pの本人確認のための照合を行う(ステップS108)。
【0098】
照合の結果、CPU402は、テンポラリ情報DB206bの複数人の渡航履歴情報に含まれる生体情報のうち、生体情報取得装置414により取得された渡航者Pの生体情報と一致する生体情報が発見された場合に、本人確認に成功したと判定する。
【0099】
テンポラリ情報DB206bには、渡航履歴情報DB206aの渡航履歴情報と比較して絞り込まれて数の少ない渡航履歴情報が登録されている。したがって、生体情報取得装置414により取得された生体情報と照合する照合対象として、テンポラリ情報DB206bの渡航履歴情報に含まれる生体情報を用いることにより、生体情報の照合精度を向上することができる。また、本人確認のための照合に要する時間を短縮することができる。
【0100】
次いで、CPU402は、生体情報取得装置414により取得された渡航者Pの生体情報と、管理サーバ20の人物リストDB206cに登録された要注意者リストや信頼者リストに含まれる複数人の同種の生体情報とを1:Nで照合する(ステップS110)。これにより、CPU402は、渡航者Pについて、要注意者リスト照合や信頼者リスト照合を行う。なお、要注意者リスト照合や信頼者リスト照合は、対象者となる人物が限られており、照合すべき人数が少なく、本人確認のための照合より照合速度が速いため、スループットに影響することはない。
【0101】
こうして、自動化ゲート40において、本人確認のための照合、要注意者リスト照合、信頼者リスト照合等を含む入国審査が渡航者Pについて行われる。入国審査を渡航者Pが通過すると、自動化ゲート40のCPU402は、ゲート装置410を、渡航者Pの通行を遮る待機時の閉鎖状態から、渡航者Pの通行を許す開放状態に移行させる(ステップS112)。
【0102】
このように、本実施形態では、渡航履歴情報DB206aの複数人の生体情報を絞り込んで作成したテンポラリ情報DB206bの生体情報を用いて渡航者Pの本人確認のための生体情報の照合を行う。したがって、本実施形態によれば、渡航者Pの本人確認のためにデータベースに登録された生体情報との照合を行う場合において、生体情報の照合精度を向上することができる。こうして、本実施形態によれば、渡航履歴情報を用いた照合を行う場合において、照合精度を向上することができる。
【0103】
[他の実施形態]
上記実施形態において説明した照合システムは、さらに他の実施形態によれば、図7に示すように構成することもできる。図7は、他の実施形態による照合システムの構成を示すブロック図である。
【0104】
図7に示すように、他の実施形態による照合システム1000は、管理装置1100と、管理装置1100と通信可能な照合装置1200とを含む。
【0105】
管理装置1100は、渡航者に関する渡航者情報を取得する渡航者情報取得部1102と、渡航者に関する渡航者情報及び渡航履歴情報に基づいて、照合に用いられる照合用渡航履歴情報を作成する管理部1104とを有する。
【0106】
照合装置1200は、対象者に関する対象者情報を取得する対象者情報取得部1202と、対象者情報に含まれる情報と、照合用渡航履歴情報に含まれる情報とを照合する照合部1204とを有する。
【0107】
他の実施形態によれば、渡航者に関する渡航者情報及び渡航履歴情報に基づいて、照合に用いられる照合用渡航履歴情報を作成する。したがって、他の実施形態によれば、データベースに登録された生体情報との照合を行う場合において、生体情報の照合精度を向上することができる。
【0108】
[変形実施形態]
本発明は、上記実施形態に限らず、種々の変形が可能である。
【0109】
例えば、上記実施形態では、情報サーバ10と、管理サーバ20とが別個のサーバである場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。単一のサーバを、情報サーバ10及び管理サーバ20として機能するように構成することもできる。
【0110】
また、上記実施形態では、テンポラリ情報DB206bの渡航履歴情報に含まれる生体情報を、自動化ゲート40での照合に用いる場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、テンポラリ情報DB206bの渡航履歴情報に含まれる生体情報は、審査官による対面の審査が行われる審査ブースにおける本人確認のための生体情報の照合に用いることもできる。この場合、例えば、対面の審査ブースに設置された情報端末が本人確認のための生体情報の照合を行う。すなわち、対面の審査ブースの情報端末は、自動化ゲート40と同様、対面の審査ブースに設置された生体情報取得装置により取得された渡航者Pの生体情報と、テンポラリ情報DB206bの渡航履歴情報に含まれる生体情報とを照合する。
【0111】
また、上記実施形態では、入国審査が行われる審査場において自動化ゲート40により生体情報の照合を行う場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。本発明による照合システムは、生体情報を取得して利用するあらゆる場合に適用することができる。本発明による照合システムは、例えば、施設、会場等の出入場口において出入場の許否を自動的に審査する自動化ゲートにより生体情報の照合を行う場合に広く適用することができる。
【0112】
また、上記の各実施形態の機能を実現するように該実施形態の構成を動作させるプログラムを記録媒体に記録させ、該記録媒体に記録されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も各実施形態の範疇に含まれる。すなわち、コンピュータ読取可能な記録媒体も各実施形態の範囲に含まれる。また、上述のコンピュータプログラムが記録された記録媒体はもちろん、そのコンピュータプログラム自体も各実施形態に含まれる。
【0113】
該記録媒体としては、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROMを用いることができる。また、該記録媒体に記録されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウェア、拡張ボードの機能と共同して、OS(Operating System)上で動作して処理を実行するものも各実施形態の範疇に含まれる。
【0114】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0115】
(付記1)
渡航者に関する渡航者情報を取得する渡航者情報取得部と、
前記渡航者に関する前記渡航者情報及び渡航履歴情報に基づいて、照合に用いられる照合用渡航履歴情報を作成する管理部とを有する管理装置。
【0116】
(付記2)
前記管理部は、前記渡航者に関する前記渡航者情報に基づいて、前記渡航履歴情報から前記渡航者情報に対応する前記照合用渡航履歴情報を抽出する付記1記載の管理装置。
【0117】
(付記3)
前記渡航者情報は、前記渡航者の旅程を示す旅程情報を含み、
特定の条件を満たす前記旅程情報を含む前記渡航者情報を特定する特定部を有し、
前記管理部は、特定された前記渡航者情報に対応する前記渡航履歴情報を前記照合用渡航履歴情報として抽出する付記1又は2に記載の管理装置。
【0118】
(付記4)
前記渡航者情報は、前記渡航者を識別する識別情報と、出発日時に関する情報とを含み、
前記渡航履歴情報は、前記識別情報を含み、
前記管理部は、前記渡航履歴情報から、前記出発日時が所定の期間に含まれる前記渡航者情報に対応する前記渡航履歴情報を前記照合用渡航履歴情報として抽出する付記1又は2に記載の管理装置。
【0119】
(付記5)
前記渡航者情報は、前記渡航者を識別する識別情報と、到着地に関する情報とを含み、
前記渡航履歴情報は、前記識別情報を含み、
前記管理部は、前記渡航履歴情報から、前記到着地が特定の到着地である前記渡航者情報に対応する前記渡航履歴情報を前記照合用渡航履歴情報として抽出する付記1又は2に記載の管理装置。
【0120】
(付記6)
前記渡航履歴情報は、前記渡航者の生体情報を含み、
前記管理部は、前記生体情報の種類に応じて、前記渡航者情報を絞り込む絞り込み度合いを変更する付記1乃至5のいずれかに記載の管理装置。
【0121】
(付記7)
前記渡航履歴情報は、前記渡航者の生体情報を含み、
前記管理部は、前記生体情報の種類に応じて、前記所定の期間を決定する付記4記載の管理装置。
【0122】
(付記8)
前記渡航履歴情報は、前記渡航者の生体情報を含み、
前記管理部は、前記生体情報の種類に応じて、前記特定の到着地を決定する付記5記載の管理装置。
【0123】
(付記9)
前記渡航履歴情報は、前記渡航者の生体情報を含み、
前記管理部は、前記生体情報が顔画像である場合、前記生体情報が指紋画像である場合と比較して、前記所定の期間を短く決定する付記4記載の管理装置。
【0124】
(付記10)
前記渡航履歴情報は、前記渡航者の生体情報を含み、
前記管理部は、前記生体情報が顔画像である場合、前記生体情報が指紋画像である場合と比較して、対象の前記特定の到着地を少なく決定する付記5記載の管理装置。
【0125】
(付記11)
前記管理部は、所定の時間間隔ごとに前記照合用渡航履歴情報を作成し、所定の時間間隔ごとに前記渡航者情報と対応しない前記渡航履歴情報を削除する付記1乃至10のいずれかに記載の管理装置。
【0126】
(付記12)
前記管理部は、前記照合用渡航履歴情報を更新する更新間隔を、自動化ゲートで取得される生体情報、時期又は出発地の環境によって設定する付記1乃至10のいずれかに記載の管理装置。
【0127】
(付記13)
前記渡航履歴情報は、前記渡航者の生体情報を含み、
前記渡航履歴情報に含まれる前記生体情報は、自動化ゲートで取得された生体情報と照合されることを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の管理装置。
【0128】
(付記14)
管理装置と通信可能な照合装置であって、
前記管理装置は、
渡航者に関する渡航者情報を取得する渡航者情報取得部と、
前記渡航者に関する前記渡航者情報及び渡航履歴情報に基づいて、照合に用いられる照合用渡航履歴情報を作成する管理部とを有し、
前記照合装置は、
対象者に関する対象者情報を取得する対象者情報取得部と、
前記対象者情報に含まれる情報と、前記照合用渡航履歴情報に含まれる情報とを照合する照合部とを有する照合装置。
【0129】
(付記15)
管理装置と、前記管理装置と通信可能な照合装置とを含み、
前記管理装置は、
渡航者に関する渡航者情報を取得する渡航者情報取得部と、
前記渡航者に関する前記渡航者情報及び渡航履歴情報に基づいて、照合に用いられる照合用渡航履歴情報を作成する管理部とを有し、
前記照合装置は、
対象者に関する対象者情報を取得する対象者情報取得部と、
前記対象者情報に含まれる情報と、前記照合用渡航履歴情報に含まれる情報とを照合する照合部とを有する照合システム。
【0130】
(付記16)
渡航者に関する渡航者情報を取得し、
前記渡航者に関する前記渡航者情報及び渡航履歴情報に基づいて、照合に用いられる照合用渡航履歴情報を作成する管理方法。
【0131】
(付記17)
渡航者に関する渡航者情報を取得し、
前記渡航者に関する前記渡航者情報及び渡航履歴情報に基づいて、照合に用いられる照合用渡航履歴情報を作成し、
対象者に関する対象者情報を取得し、
前記対象者情報に含まれる情報と、前記照合用渡航履歴情報に含まれる情報とを照合する照合方法。
【0132】
(付記18)
コンピュータに、
渡航者に関する渡航者情報を取得し、
前記渡航者に関する前記渡航者情報及び渡航履歴情報に基づいて、照合に用いられる照合用渡航履歴情報を作成する
ことを実行させるプログラムが記録された記録媒体。
【0133】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0134】
この出願は、2018年5月24日に出願された日本出願特願2018-099617を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0135】
1…照合システム
10…情報サーバ
20…管理サーバ
30…会社サーバ
40…自動化ゲート
NW1…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7