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特許7505556信頼性分析システム,信頼性分析方法及びプログラム
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  • 特許-信頼性分析システム,信頼性分析方法及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】信頼性分析システム,信頼性分析方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/31 20130101AFI20240618BHJP
【FI】
G06F21/31
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022531315
(86)(22)【出願日】2020-06-24
(86)【国際出願番号】 JP2020024803
(87)【国際公開番号】W WO2021260840
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2022-12-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】谷 真宏
(72)【発明者】
【氏名】児島 一郁
(72)【発明者】
【氏名】池田 圭佑
【審査官】松平 英
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-194797(JP,A)
【文献】特開2019-041355(JP,A)
【文献】谷川 恭平 他,SNSにおける友人推薦のための基礎検討,第50回 システム制御情報学会研究発表講演会講演論文集,日本,システム制御情報学会,2006年05月10日,p.363-364
【文献】山口 修平 他,SNSにおける信頼値に基づいたアクセスコントロール,第69回(平成19年)全国大会講演論文集(1) アーキテクチャ ソフトウェア科学・工学 データベースとメディア,日本,社団法人情報処理学会,2007年03月06日,p.1-581~1-582
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F12/14
21/00-21/88
G09C 1/00-5/00
H04K 1/00-3/00
H04L 9/00-9/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク経由で判定対象アカウントの人物属性情報を取得する人物属性取得手段と,
ネットワーク経由で当該判定対象アカウントの友人アカウントのリストを取得する友人リスト取得手段と,
前記リストに基づいて,ネットワーク経由で友人の情報を取得する友人情報取得手段と,
前記友人の情報に基づいて,当該判定対象アカウントの人物属性を推定する人物属性推定手段と,
前記人物属性取得手段において取得された当該判定対象アカウントの前記人物属性情報と,前記人物属性推定手段において推定された当該判定対象アカウントの前記人物属性との距離を算出する距離算出手段と,
前記距離算出手段において算出された距離に基づいて,当該判定対象アカウントの信頼度を算出する信頼度算出手段を備える,信頼性分析システム。
【請求項2】
前記距離算出手段は,前記人物属性情報と推定された前記人物属性とにおいて同じカテゴリの情報で距離を算出する請求項1に記載の信頼性分析システム。
【請求項3】
前記カテゴリの情報は、居住地、デモグラフィック属性、サイコグラフィック属性の少なくともいずれかの情報である請求項2に記載の信頼性分析システム。
【請求項4】
前記信頼性分析システムは,複数の判定対象アカウントについて信頼度を算出し,
前記信頼性分析システムは,当該判定対象アカウントの友人アカウント由来の情報に基づき類似度を算出する第1類似度算出手段と,
当該判定対象アカウント由来の情報に基づき類似度を算出する第2類似度算出手段と,
前記第1類似度算出手段及び前記第2類似度算出手段において算出された類似度に前記信頼度で重み付けして,重付き統合類似度を算出する重付き統合類似度算出手段とを,備える請求項1乃至3のいずれか1項に記載の信頼性分析システム。
【請求項5】
複数の判定対象アカウントと繋がりのある友人アカウントを取得する友人リスト取得手段と,
複数の判定対象アカウントと繋がりのある友人アカウントの人物属性情報を取得する第1取得手段と,
前記第1取得手段において取得された人物属性情報から,特徴となる情報を抽出する第1抽出手段と,
複数の判定対象アカウントの人物属性情報を取得する第2取得手段と,
前記第2取得手段において取得された人物属性情報から,特徴となる情報を抽出する第2抽出手段と,備える請求項に記載の信頼性分析システム。
【請求項6】
ネットワーク経由で判定対象アカウントの人物属性情報を取得し,
ネットワーク経由で当該判定対象アカウントの友人アカウントのリストを取得し,
前記リストに基づいて,ネットワーク経由で友人の情報を取得し,
前記友人の情報に基づいて,当該判定対象アカウントの人物属性を推定し,
取得された当該判定対象アカウントの前記人物属性情報と,推定された当該判定対象アカウントの前記人物属性との距離を算出し,
算出された前記距離に基づいて,当該判定対象アカウントの信頼度を算出する,コンピュータが実行する信頼性分析方法。
【請求項7】
ネットワーク経由で判定対象アカウントの人物属性情報を取得し,
ネットワーク経由で当該判定対象アカウントの友人アカウントのリストを取得し,
前記リストに基づいて,ネットワーク経由で友人の情報を取得し,
前記友人の情報に基づいて,当該判定対象アカウントの人物属性を推定し,
取得された当該判定対象アカウントの前記人物属性情報と,推定された当該判定対象アカウントの前記人物属性との距離を算出し,
算出された前記距離に基づいて,当該判定対象アカウントの信頼度を算出することをコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は信頼性分析システム,信頼性分析方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年,複数のSNS(Social Networking Service)を利用するユーザが増加している。多くの企業がマーケティング,推薦システムに,プロフィール情報および投稿情報等のSNS情報を活用している。また,法執行機関が行う犯罪捜査等にも,上記SNS情報が活用されている。
【0003】
他方,サイバー空間を悪用した犯罪(テロ,違法薬物売買,詐欺等)では,同一人物が異なる複数のSNSやDark Webを用いている。犯罪者は,SNSやDark Webにおいて,プロフィール情報を詐称したフェイク・アカウントを使用する。
非特許文献1には,フェイク・アカウント特有の特徴に基づき判定を行う技術が記載されている。具体的には,アカウント(保有者)についての説明書きが空欄,Followersが少ない,Followingが多い,定期的かつ継続的に流行りの話題をリツイート(Botの場合),及びデフォルトのプロフィール/背景画像を使用しているといった特徴に基づき,フェイク・アカウントであるか否かの判定を行う技術が記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】Ersahin他, "Twitter Fake Account Detection", IEEE UBMK'17
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1に記載された方法は,詐称者が制御可能な情報に基づくものであり,比較的容易に回避可能であるという問題があった。
【0006】
本開示の目的は,上述した課題を鑑み,対象アカウントがフェイク・アカウントか否か判定できる信頼性分析システム,信頼性分析方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態の信頼性分析システムは,ネットワーク経由で判定対象アカウントの人物属性情報を取得する人物属性取得手段と,ネットワーク経由で当該判定対象アカウントの友人アカウントのリストを取得する友人リスト取得手段と,前記リストに基づいて,ネットワーク経由で友人の情報を取得する友人情報取得手段と,前記友人の情報に基づいて,当該判定対象アカウントの人物属性を推定する人物属性推定手段と,前記人物属性取得手段において取得された人物属性情報と,前記人物属性推定手段において推定された人物属性との距離を算出する距離算出手段と,前記距離算出手段において算出された距離に基づいて,当該判定対象アカウントの信頼度を算出する信頼度算出手段を備えるようにした。
【0008】
一実施形態の信頼性分析方法は,ネットワーク経由で判定対象アカウントの人物属性情報を取得する人物属性取得ステップと,ネットワーク経由で当該判定対象アカウントの友人アカウントのリストを取得する友人リスト取得ステップと,前記リストに基づいて,ネットワーク経由で友人の情報を取得する友人情報取得ステップと,前記友人の情報に基づいて,当該判定対象アカウントの人物属性を推定する人物属性推定ステップと,前記人物属性取得ステップにおいて取得された人物属性情報と,前記人物属性推定ステップにおいて推定された人物属性との距離を算出する距離算出ステップと,前記距離算出ステップにおいて算出された距離に基づいて,当該判定対象アカウントの信頼度を算出する信頼度算出ステップを備えるようにした。
【0009】
一実施形態の非一時的なコンピュータ可読媒体は,ネットワーク経由で判定対象アカウントの人物属性情報を取得する人物属性取得ステップと,ネットワーク経由で当該判定対象アカウントの友人アカウントのリストを取得する友人リスト取得ステップと,前記リストに基づいて,ネットワーク経由で友人の情報を取得する友人情報取得ステップと,前記友人の情報に基づいて,当該判定対象アカウントの人物属性を推定する人物属性推定ステップと,前記人物属性取得ステップにおいて取得された人物属性情報と,前記人物属性推定ステップにおいて推定された人物属性との距離を算出する距離算出ステップと,前記距離算出ステップにおいて算出された距離に基づいて,当該判定対象アカウントの信頼度を算出する信頼度算出ステップとをコンピュータに実行させるようにした。
【発明の効果】
【0010】
本発明の信頼性分析システム,信頼性分析方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体によれば,対象アカウントがフェイク・アカウントか否か判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1にかかる信頼性分析システムの構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態1にかかる信頼性分析システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図3】実施の形態1にかかる信頼性分析システムの人物属性間距離算出の一例を示すブロック図である。
図4】実施の形態2にかかる信頼性分析システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1
以下,図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は,実施の形態1にかかる信頼性分析システムの構成を示すブロック図である。図1において,信頼性分析システム100は,友人リスト取得部111と,友人情報取得部112と,属性情報取得部113と,人物属性推定部121と,距離算出部122と,信頼度算出部123とを備える。
【0013】
友人リスト取得部111は,判定対象アカウントの友人アカウントリストを取得する。そして,友人リスト取得部111は,取得した友人アカウントリストを友人情報取得部112に出力する。
【0014】
友人情報取得部112は,友人アカウントリストに基づいて,判定対象アカウントの友人の人物属性情報を取得する。例えば,友人情報取得部112は,友人の人物属性情報として,友人アカウントのプロフィールや投稿情報を取得する。そして,友人情報取得部112は,取得した友人の人物属性情報を人物属性推定部121に出力する。
【0015】
属性情報取得部113は,判定対象アカウントの人物属性情報を取得する。例えば,属性情報取得部113は,判定対象アカウントのプロフィール等に記載されている人物属性情報を取得する。
【0016】
例えば,友人リスト取得部111,友人情報取得部112及び属性情報取得部113は,ネットワークに接続する通信回路により構成される。
【0017】
人物属性推定部121は,友人の人物属性情報に基づいて,判定対象アカウントの人物属性を推定する。そして,人物属性推定部121は,推定した人物属性を距離算出部122に出力する。
【0018】
距離算出部122は,属性情報取得部113において取得された人物属性情報と,人物属性推定部121において推定された人物属性との距離を算出する。例えば,距離算出部122は,取得された人物属性情報と,推定された人物属性のうち,同じカテゴリの情報で距離を算出する。具体的には,判定対象アカウントのプロフィールに記載された居住地と,友人情報から推定された居住地との距離を算出してもよい。
【0019】
また,距離を算出するカテゴリは,年齢,性別,所得,学歴(例:偏差値や分野間距離),職業(例えばブルーカラーまたはホワイトカラー,業種間距離),家族構成等のデモグラフィック(人工統計学的)属性の差の少なくとも1つであってもよい。分野間/業種間距離(例えば,異なる分野/業種への転科/転職率(遷移確率))に基づく方法で算出されてもよい。また,距離を算出するカテゴリは,趣味嗜好(例:インドア/アウトドア),購買傾向等のサイコグラフィック(心理学的)属性の差の少なくとも1つであってもよい。
【0020】
信頼度算出部123は,距離算出部122において算出された距離に基づいて,当該判定対象アカウントの信頼度を算出する。信頼度は,距離で求められた数値指標であってもよい。また,信頼度算出部123は,距離算出部122において算出された距離が所定の閾値より大きいか,小さいかを比較した結果を信頼度として算出してもよい。
【0021】
例えば,人物属性推定部121,距離算出部122及び信頼度算出部123は,情報処理を行うプロセッサにより構成される。
【0022】
以上の構成により,信頼性分析システム100は,判定対象アカウントの信頼度を算出する。次に信頼性分析システム100の動作について説明する。図2は,実施の形態1にかかる信頼性分析システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0023】
まずステップS201において,属性情報取得部113が判定対象アカウントの人物属性取得する。そしてステップS202に進む。
【0024】
ステップS202において,友人リスト取得部111は,友人リスト取得部111は,判定対象アカウントの友人アカウントを取得する。そして,判定対象アカウントに友人アカウントがあるか否か判断する。判定対象アカウントに友人アカウントがある場合,ステップS203に進む。判定対象アカウントに友人アカウントがない場合,ステップS207に進む。
【0025】
ステップS203において,友人リスト取得部111は,判定対象アカウントの各友人アカウントの人物属性情報を取得する。例えば,友人リスト取得部111は,友人アカウントiの数だけ,友人アカウントの人物属性情報の取得を繰り返す。なお,友人リスト取得部111は,全ての友人アカウントの人物属性情報を一括して取得してもよい。
【0026】
ステップS204において,人物属性推定部121は,友人の人物属性情報に基づいて,判定対象アカウントの人物属性を推定する。例えば,人物属性推定部121は,取得した全ての友人の人物属性情報に基づいて,判定対象アカウントの人物属性を推定する。そして,ステップS205に進む。
【0027】
ステップS205において,距離算出部122は,取得された判定対象アカウントの人物属性情報と,推定された判定対象アカウントの人物属性との人物属性間距離を算出する。そしてステップS206に進む。
【0028】
ステップS206において,信頼度算出部123は,人物属性間距離に基づいて,判定対象アカウントの信頼度を算出する。そして処理を終了する。
【0029】
ステップS207において,信頼度算出部123は,判定対象アカウントの信頼度初期値を返却する。そして処理を終了する。
【0030】
以上の動作により,信頼性分析システム100は,判定対象アカウントの信頼度を算出する。次に信頼性分析システム100の人物属性間距離について説明する。図3は,実施の形態1にかかる信頼性分析システムの人物属性間距離算出の一例を示すブロック図である。
【0031】
図3に示すように,判定対象アカウントの友人アカウントについて,取得した居住地の情報から判定対象アカウントの居住地を推定する。図3の例では,居住地の物理的距離から,判定対象アカウントの居住地が横浜市と推定される。そして,判定対象アカウントのプロフィールに記載されている居住地が横浜市である場合,推定結果の居住地の横浜市と物理的距離が近いため(または同一であるため),判定対象アカウントの情報の信頼性は高いと判定される。また,判定対象アカウントのプロフィールに記載されている居住地が札幌市である場合,推定結果の居住地の横浜市と物理的距離が遠いため,判定対象アカウントの情報の信頼性は低いと判定される。
【0032】
このように実施の形態1の信頼性分析システムによれば,判定対象アカウントの友人アカウントから推定される人物属性情報と,判定対象アカウントのプロフィールから取得した人物属性情報との人物属性間距離を算出することにより,判定対象アカウントがフェイク・アカウントか否か判定できる。
【0033】
実施の形態2
実施の形態2では,実施の形態1の信頼性分析システムを友人の投稿情報の類似性に基づくアカウント照合に適用した例について説明する。具体的には,実施の形態2では,アカウントAとアカウントBが同一人物由来のアカウントであるか否かを判定する例について説明する。
【0034】
図4は,実施の形態2にかかる信頼性分析システムの構成を示すブロック図である。図4において,信頼性分析システム400は,友人リスト取得部401-1及び401-2と,第1画像取得部402-1及び402-2と,第1被写体抽出部403-1及び403-2と,第1被写体類似度算出部404と,第2画像取得部411-1及び411-2と,第2被写体抽出部412-1及び412-2と,第2被写体類似度算出部413と,アカウント信頼度算出部421と,重付き統合類似度算出部422とを備える。図4の例では,アカウントAとアカウントBの類似度を算出する例として説明する。
【0035】
友人リスト取得部401-1は,アカウントAと繋がりのあるアカウントを,アカウントAの友人アカウントリストとして取得する。アカウントAと繋がりのあるアカウントとは,例えば,アカウントAの友人リストに含まれるアカウント,アカウントAとメッセージ(会話)のやり取りのあるアカウント等を意味する。そして,友人リスト取得部401-1は,取得した友人アカウントリストを第1画像取得部402-1に出力する。
【0036】
同様に友人リスト取得部401-2は,アカウントBと繋がりのあるアカウントを,アカウントBの友人アカウントリストとして取得する。そして,友人リスト取得部401-2は,取得した友人アカウントリストを第1画像取得部402-2に出力する。
【0037】
第1画像取得部402-1は,アカウントAの友人アカウントリストに基づいて,アカウントAの友人アカウントの投稿画像を取得する。投稿画像とは,プロフィール画像等も含むアカウントがアップロード(シェア,リンク等)した全ての画像である。そして,第1画像取得部402-1は,取得した画像を第1被写体抽出部403-1に出力する。
【0038】
同様に第1画像取得部402-2は,アカウントBの友人アカウントリストに基づいて,アカウントBの友人アカウントの投稿画像を取得する。そして,第1画像取得部402-2は,取得した画像を第1被写体抽出部403-2に出力する。
【0039】
第1被写体抽出部403-1は,第1画像取得部402-1が取得した画像から被写体を抽出する。例えば,第1被写体抽出部403-1は,顔認識,物体認識等の画像認識技術により被写体を抽出する。そして,第1被写体抽出部403-1は,抽出した被写体画像を第1被写体類似度算出部404に出力する。
【0040】
同様に第1被写体抽出部403-2は,第1画像取得部402-2が取得した画像から被写体を抽出する。そして,第1被写体抽出部403-2は,抽出した被写体画像を第1被写体類似度算出部404に出力する。
【0041】
第1被写体類似度算出部404は,第1被写体抽出部403-1が抽出した被写体画像と,第1被写体抽出部403-2が抽出した被写体画像の類似度を算出する。例えば,第1被写体類似度算出部404は,被写体画像の身体情報から類似度を算出する。例えば,身体情報は,ソフトバイオメトリック情報である。具体的には,身体情報は,髪の色,体型,服色,アクセサリー等を含んでもよい。被写体類似度の算出は,アカウントAとアカウントBそれぞれの被写体同士を画像認識技術により直接比較して算出された類似度(類似度の相加平均等)を用いても良いし,ヒストグラムの一致度を用いても良い。そして,第1被写体類似度算出部404は,算出した類似度を重付き統合類似度算出部422に出力する。
【0042】
第2画像取得部411-1は,アカウントAの投稿画像を取得する。そして,第2画像取得部411-1は,取得した画像を第2被写体抽出部412-1に出力する。
【0043】
同様に第2画像取得部411-2は,アカウントBの投稿画像を取得する。そして,第2画像取得部411-1は,取得した画像を第2被写体抽出部412-2に出力する。
【0044】
第2被写体抽出部412-1は,第2画像取得部411-1が取得した画像から被写体を抽出する。そして,第2被写体抽出部412-1は,抽出した被写体画像を第2被写体類似度算出部413に出力する。
【0045】
同様に第2被写体抽出部412-2は,第2画像取得部411-2が取得した画像から被写体を抽出する。そして,第2被写体抽出部412-2は,抽出した被写体画像を第2被写体類似度算出部413に出力する。
【0046】
第2被写体類似度算出部413は,第2被写体抽出部412-1が抽出した被写体画像と,第2被写体抽出部412-2が抽出した被写体画像の類似度を算出する。そして,第2被写体類似度算出部413は,算出した類似度を重付き統合類似度算出部422に出力する。第2被写体類似度算出部413は,第1被写体類似度算出部404の説明と同様の手法を用いて類似度を算出してもよい。
【0047】
アカウント信頼度算出部421は,実施の形態1の信頼性分析システムで用いた手法により,アカウントA及びアカウントBの信頼度を算出する。そして,アカウント信頼度算出部421は,算出したアカウントA及びアカウントBの信頼度を重付き統合類似度算出部422に出力する。
【0048】
重付き統合類似度算出部422は,アカウントA及びアカウントBの信頼度に基づき,類似度を重付き統合する。アカウントA及びアカウントBの信頼度が高い場合,重付き統合類似度算出部422は,アカウントA及びアカウントBそのものから算出した類似度(すなわち第2被写体類似度算出部413からの情報を重要視する。また,アカウントA及びアカウントBの信頼度が低い場合,重付き統合類似度算出部422は,アカウントA及びアカウントBの友人アカウントから算出した類似度(すなわち第1被写体類似度算出部414からの情報を重要視する。
【0049】
具体的には,アカウントAの信頼度をa,アカウントBの信頼度をb(0≦a,b≦1)と定義し,アカウントA及びアカウントBそのものから算出した類似度をS0,アカウントA及びアカウントBの友人アカウントから算出した類似度をS1として定義すると,重付き統合類似度算出部422は,重付き統合類似度a×b×S0+(1-a×b)×S1で求めてもよい。
【0050】
そして,この重付き統合類似度に基づきアカウントAとアカウントBが同一人物由来か否か判定することができる。
【0051】
このように実施の形態2の信頼性分析システムによれば,アカウント由来の類似度と,当該アカウントの友人アカウント由来の類似度とを,アカウントの信頼度で重み付けして類似度を算出することにより,複数のアカウントが同一人物由来か否か判定することができる。
【0052】
なお,上記実施の形態2では,信頼性分析システムでは,被写体画像の類似度を算出しているが,人物属性情報であれば,いずれも類似度算出に用いることができる。具体的には,画像中の人物,物(例:車),場所,トピック(例:アニメ)を抽出し,アカウントA及びアカウントBで,抽出した共通する被写体(の頻度分布)の類似度を算出するようにしてもよい。また,類似度算出に用いる情報は,画像に限らず,動画でも良い。また,類似度算出に用いる情報は,動画に含まれる音声(話者等)や投稿文に含まれるキーワード(氏名,地名等)でも良い。
【0053】
なお,本発明は上記実施の形態に限られたものではなく,趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば,各構成は,複数の装置に分散させ,構成間を通信回線で接続して,情報をやりとりすることにより実現してもよい。また,1つの装置に全ての構成を備えるようにしてもよい。
【0054】
以上,実施の形態を参照して本願発明を説明したが,本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には,発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0055】
上述の実施の形態では,本発明をハードウェアの構成として説明したが,本発明は,これに限定されるものではない。本発明は,任意の処理を,CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0056】
プログラムは,様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され,コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は,様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は,磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク,磁気テープ,ハードディスクドライブ),光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク),CD-ROM(Read Only Memory),CD-R,CD-R/W,半導体メモリ(例えば,マスクROM,PROM(Programmable ROM),EPROM(Erasable PROM),フラッシュROM,RAM(random access memory))を含む。また,プログラムは,様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は,電気信号,光信号,及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は,電線及び光ファイバ等の有線通信路,又は無線通信路を介して,プログラムをコンピュータに供給できる。
【0057】
また,上述の実施の形態は,各構成の一部,または全部をクラウド上で実現するようにしてもよい。また,また,上述の実施の形態は,各構成を分散させた分散システム上で実現するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0058】
100,400 信頼性分析システム
111 友人リスト取得部
112 友人情報取得部
113 属性情報取得部
121 人物属性推定部
122 距離算出部
123 信頼度算出部
401-1,401-2 友人リスト取得部
402-1,402-2 第1画像取得部
403-1,403-2 第1被写体抽出部
404 第1被写体類似度算出部
411-1,411-2 第2画像取得部
412-1,412-2 第2被写体抽出部
413 第2被写体類似度算出部
414 被写体類似度算出部
421 アカウント信頼度算出部
422 重付き統合類似度算出部
図1
図2
図3
図4