(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供システム、情報提供方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240618BHJP
G06Q 20/38 20120101ALI20240618BHJP
G06Q 20/40 20120101ALI20240618BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q20/38 360
G06Q20/40
(21)【出願番号】P 2022545261
(86)(22)【出願日】2020-08-31
(86)【国際出願番号】 JP2020032902
(87)【国際公開番号】W WO2022044330
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】大谷 美樹
(72)【発明者】
【氏名】森 祐輔
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-139547(JP,A)
【文献】特開2020-095393(JP,A)
【文献】特開2019-160276(JP,A)
【文献】特開2013-232218(JP,A)
【文献】国際公開第2017/072906(WO,A1)
【文献】株式会社JTBコーポレートセールス,平成27年度補正予算 IoT推進のための新ビジネス創出基盤整備事業(IoT活用おもてなし実証事業)関東実証報告書,[オンライン] 経済産業省委託調査報告書. 平成27年度,日本,経済産業省,2017年03月31日,8-14,21-23,38,45-46,78-79,84-86ページ,[検索日 2020.11.19], インターネット: <URL: https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11157160/www.meti.go.jp/meti_lib/report/2016fy/290227.pdf>
【文献】デロイトトーマツコンサルティング合同会社,平成27年度補正予算「IoT推進のための新ビジネス創出基盤整備(IoT活用おもてなし実証事業)」 おもてな,[オンライン] 平成27年度 委託調査報告書,日本,経済産業省,2017年06月30日,1-113ページ,[検索日 2020.11.19], インターネット: <URL: https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2016fy/290226.pdf>
【文献】LINEトラベルjp編集部,3分でわかる!旅行比較サイトでお得な国内ツアーを探す方法|LINEトラベルjp旅行ガイド,[オンライン],日本,株式会社ベンチャーリパブリック,2017年04月07日,1-7ページ,[検索日 2020.11.19], インターネット<URL: https://www.travel.co.jp/guide/howto/84/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の人物の生体情報と、認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いた生体認証の認証結果と、前記認証端末が設けられた場所の情報とに基づいて、前記認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた企業を、
複数の企業の各企業に対して1以上の人物の生体情報が関連付けられて記憶される第1の記憶装置において、前記認証端末が設けられた場所に関連付けられた企業を参照して生体認証を実行することで、前記複数の企業の中から特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した前記企業と関連する1以上のサービスの情報を
第2の記憶装置から受信し、受信した前記サービスの情報を端末に出力するサービス情報出力手段と、を備える
情報提供装置。
【請求項2】
前記特定手段は、前記認証端末が設けられた場所にある施設を運営する企業を、前記複数の企業の中から特定する、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記サービス情報出力手段は、受信した前記サービスの情報のうち、前記認証端末が設けられた場所で提供されるサービスの情報を除外して前記端末に出力する、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項4】
複数の企業の各企業に対して、1以上のサービスが関連付けられて記憶される
第1の記憶装置と、
複数の人物の生体情報と、認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いた生体認証の認証結果と、前記認証端末が設けられた場所の情報とに基づいて、前記認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた企業を、
前記複数の企業の各企業に対して1以上の人物の生体情報が関連付けられて記憶される第2の記憶装置において、前記認証端末が設けられた場所に関連付けられた企業を参照して生体認証を実行することで、前記複数の企業の中から特定する特定手段と、前記特定手段が特定した前記企業と関連付けられて前記
第1の記憶装置に記憶された前記1以上のサービスの情報を端末に出力するサービス情報出力手段と、を有する情報提供装置と、を備える、
情報提供システム。
【請求項5】
複数の企業の各企業について設けられ、各々が、前記企業に対して1以上のサービスを関連付けて記憶する
第1の記憶装置と、
複数の人物の生体情報と、認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いた生体認証の認証結果と、前記認証端末が設けられた場所の情報とに基づいて、前記認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた企業を、
前記複数の企業の各企業に対して1以上の人物の生体情報が関連付けられて記憶される第2の記憶装置において、前記認証端末が設けられた場所に関連付けられた企業を参照して生体認証を実行することで、前記複数の企業の中から特定する特定手段と、前記特定手段が特定した前記企業と対応する前記
第1の記憶装置に記憶された前記1以上のサービスの情報を端末に出力するサービス情報出力手段と、を有する情報提供装置と、を備える、
情報提供システム。
【請求項6】
複数の人物の生体情報と、認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いた生体認証の認証結果と、前記認証端末が設けられた場所の情報とに基づいて、前記認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた企業を、
複数の企業の各企業に対して1以上の人物の生体情報が関連付けられて記憶される記憶装置において、前記認証端末が設けられた場所に関連付けられた企業を参照して生体認証を実行することで、前記複数の企業の中から特定するステップと、
特定した前記企業と関連する1以上のサービスの情報を端末に出力するステップと、を備える、
コンピュータが実行する情報提供方法。
【請求項7】
複数の人物の生体情報と、認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いた生体認証の認証結果と、前記認証端末が設けられた場所の情報とに基づいて、前記認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた企業を、
複数の企業の各企業に対して1以上の人物の生体情報が関連付けられて記憶される記憶装置において、前記認証端末が設けられた場所に関連付けられた企業を参照して生体認証を実行することで、前記複数の企業の中から特定するステップと、
特定した前記企業と関連する1以上のサービスの情報を端末に出力するステップと、
を備える情報提供方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は情報提供装置、情報提供システム、情報提供方法及びプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、日本及び各国で、生体認証を用いたサービスが普及し始めている。例えば、特許文献1には、指紋情報を用いて、観光案内情報を提供する観光案内サーバが記載されている。具体的には、観光案内サーバは、指紋情報に対応付けられた外国人観光客のパスポート情報(国籍、性別、生年月日)を取得し、そのパスポート情報に応じた案内情報を表示する。以上の処理により、外国人観光客は、自身の属性に適した案内情報を得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
生体認証は、ユーザにとって手間がかからない容易な認証方法であるため、ユーザにサービスを提供する企業にとっては、生体認証を導入することで、ユーザにサービスを提供する機会がより拡大すると考えられる。また、それにより、サービスを受けるユーザ側の利便性も高まることになる。
【0005】
本開示の目的は、ユーザが利便性高く企業のサービスを受けるための情報提供装置、情報提供システム、情報提供方法及びプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態にかかる一態様の情報提供装置は、1以上の企業で構成された企業群に対して、1以上のサービスが関連付けられて記憶される記憶手段と、複数の人物の生体情報と、認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いた生体認証の認証結果に基づいて、前記認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた前記企業群を特定する特定手段と、前記特定手段が特定した前記企業群と関連付けられて前記記憶手段に記憶されたサービスの情報を端末に出力するサービス情報出力手段を備える。
【0007】
本実施形態にかかる別態様の情報提供装置は、複数の人物の生体情報と、認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いた生体認証の認証結果に基づいて、前記認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた企業群を特定する特定手段と、前記特定手段が特定した前記企業群と関連する1以上のサービスの情報を記憶装置から受信し、受信した前記サービスの情報を端末に出力するサービス情報出力手段を備える。
【0008】
本実施形態にかかる一態様の情報提供システムは、1以上の企業で構成された企業群に対して、1以上のサービスが関連付けられて記憶される記憶装置と、複数の人物の生体情報と、認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いた生体認証の認証結果に基づいて、前記認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた前記企業群を特定する特定手段と、前記特定手段が特定した前記企業群と関連付けられて前記記憶装置に記憶されたサービスの情報を端末に出力するサービス情報出力手段を有する。
【0009】
本実施形態にかかる別態様の情報提供システムは、1以上のサービスを記憶し、1以上の企業で構成された企業群と対応する記憶装置と、複数の人物の生体情報と、認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いた生体認証の認証結果に基づいて、前記認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた前記企業群を特定する特定手段と、前記特定手段が特定した前記企業群と対応する前記記憶装置に記憶されたサービスの情報を端末に出力するサービス情報出力手段を有する情報提供装置を備える。
【0010】
本実施形態にかかる一態様の情報提供方法は、複数の人物の生体情報と、認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いた生体認証の認証結果に基づいて、前記認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた、1以上の企業で構成された企業群を特定するステップと、特定した前記企業群と関連する1以上のサービスの情報を端末に出力するステップを備える。
【0011】
本実施形態にかかる一態様の非一時的なコンピュータ可読媒体は、複数の人物の生体情報と、認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いた生体認証の認証結果に基づいて、前記認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた、1以上の企業で構成された企業群を特定するステップと、特定した前記企業群と関連する1以上のサービスの情報を端末に出力するステップを備える情報提供方法をコンピュータに実行させるプログラムが格納されたものである。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、ユーザが利便性高く企業のサービスを受けるための情報提供装置、情報提供システム、情報提供方法及びプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施の形態1にかかる情報提供装置100のブロック図である。
【
図2】実施の形態1にかかる情報提供装置100の処理を示すフローチャートである。
【
図3】実施の形態1にかかる情報提供システムS1の構成図である。
【
図4】実施の形態2にかかる情報提供システムS2を示す図である。
【
図5】実施の形態2にかかるTP200のブロック図である。
【
図6】実施の形態2にかかる情報提供サーバ210のブロック図である。
【
図7】実施の形態2にかかるDB1に登録された情報を示すテーブルである。
【
図8】実施の形態2にかかるDB2に登録された情報を示すテーブルである。
【
図9】実施の形態2にかかるDB3に登録された情報を示すテーブルである。
【
図10】実施の形態2にかかる情報提供サーバ210のユーザ登録処理を示すフローチャートである。
【
図11】実施の形態2にかかる情報提供システムS2の認証処理を示すシーケンス図である。
【
図12】実施の形態2にかかる情報提供サーバ210の認証処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図13】実施の形態2にかかる表示部204の表示画面例を示す図である。
【
図14】実施の形態2にかかる情報提供システムS2を示す図である。
【
図15】実施の形態2にかかる情報提供システムS2の認証処理を示すシーケンス図である。
【
図16】実施の形態3にかかる情報提供システムS3を示す図である。
【
図17】実施の形態3にかかるTP300のブロック図である。
【
図18】実施の形態3にかかる情報提供サーバ310のブロック図である。
【
図19】実施の形態3にかかるDB1に登録された情報を示すテーブルである。
【
図20】実施の形態3にかかるDB2に登録された情報を示すテーブルである。
【
図21】実施の形態3にかかる認証装置320のブロック図である。
【
図22】実施の形態3にかかるDB323に登録された情報を示すテーブルである。
【
図23】実施の形態3にかかる情報提供システムS3の認証処理を示すシーケンス図である。
【
図24】実施の形態6にかかる情報提供システムS4を示す図である。
【
図25】実施の形態6にかかるDB3に登録された情報を示すテーブルである。
【
図26】実施の形態6にかかる表示部204の表示画面例を示す図である。
【
図27】実施の形態6にかかる表示部204の表示画面例を示す図である。
【
図28】実施の形態7にかかるDB3に登録された情報を示すテーブルである。
【
図29】実施の形態7にかかるDB3に登録された情報を示すテーブルである。
【
図30】実施の形態7にかかる表示部204の表示画面例を示す図である。
【
図31】実施の形態7にかかる表示部204の表示画面例を示す図である。
【
図32】実施の形態7にかかる表示部204の表示画面例を示す図である。
【
図33】実施の形態7にかかる表示部204の表示画面例を示す図である。
【
図34】情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態1
(1-1)
以下、本開示の実施の形態1について説明する。実施の形態1に係る情報提供装置は、有線又は無線により認証端末と接続され、認証端末が出力したユーザの生体情報に基づいた生体認証の認証結果を用いて、ユーザにサービスの情報を提供するものである。認証端末は、生体情報を取得可能なものであれば、場所が固定される端末機器(例えばタッチポイント型の端末)、PC(Personal Computer)のようなコンピュータ、又はスマートフォン等の携帯端末のいずれでも良い。生体情報は、個人を特定可能な人体の情報であれば良く、例えば顔、指紋、虹彩、血管等の画像であっても良いし、又はそれらの画像から生成された特徴を示す情報であっても良い。
【0015】
図1は、実施の形態1に係る情報提供装置の構成を示すブロック図である。情報提供装置100は、記憶部101(記憶手段)、特定部102(特定手段)及びサービス情報出力部103(サービス情報出力手段)を備える。
【0016】
記憶部101は、1以上の企業で構成された企業群に対して、1以上のサービスが関連付けられて記憶される。企業は、ユーザにサービスを提供する主体であり、株式会社が一般的であるが、それ以外の事業形態を有していても良い。また、企業群が複数の企業で構成される場合としては、複数の企業がグループ関係にある場合、又は社外協力関係のように、複数の企業が業務提携関係にある場合が、一例として考えられる。
【0017】
例えば、記憶部101は、企業群毎に設けられ、各記憶部101が、対応する企業群を構成する企業が提供する1以上のサービスを記憶しても良い。別の例として、記憶部101に、企業群の識別情報と、その企業群を構成する企業が提供する1以上のサービスが関連付けられて記憶されても良い。なお、企業群の識別情報は、名称、ID等であって、企業群を特定する情報である。企業群の識別情報と、1以上のサービスとは、例えばテーブル形式により記憶される。記憶部101が、企業群の識別情報を複数記憶する場合、記憶部101は、各々の識別情報に関連付けられた1以上のサービスを記憶しても良い。
【0018】
サービスは、移動手段の提供、飲食物や物品の販売、宿泊施設の提供、娯楽の提供(例えば、複合施設やアミューズメント施設)等、対価を伴うあらゆる分野のサービスが含まれ得る。
【0019】
例えば、航空会社Aに対して、移動手段としての飛行機、及び航空会社Aの運営するホテルの情報が、記憶部101にサービスとして関連付けられて記憶されても良い。また、鉄道会社Bに対して、移動手段としての鉄道路線、及び鉄道会社Bの運営する娯楽施設の情報が、記憶部101にサービスとして関連付けられて記憶されても良い。
【0020】
特定部102は、複数の人物の生体情報と、認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いた生体認証の認証結果に基づいて、認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた企業群を特定する。認証結果は、ユーザがどの個人であるかを特定するものであるため、認証結果によって何らかのユーザの情報が特定される。このユーザの情報は、ユーザの生体情報であっても良いし、ユーザの氏名、又はユーザ個人が特定されないユーザID等の情報であっても良い。なお、後述のとおり、情報提供装置100が生体認証を行うことで認証結果を取得しても良いし、別の認証装置が生体認証を行い、その結果を情報提供装置100が取得しても良い。
【0021】
情報提供装置100は、ユーザの情報と企業群との対応関係を記憶し、その記憶された対応関係を参照して企業群を特定しても良い。又は、他の装置にこの対応関係が記憶されており、他の装置に接続することで、対応関係に基づいた企業群を特定しても良い。対応関係により参照される企業群は、特定のユーザに対応付けられた、そのユーザがユーザ登録した企業を含む企業群であっても良い。又は、そのユーザが使用する又は興味があると想定されるサービスに関連する企業群であっても良い。
【0022】
サービス情報出力部103は、特定部102が特定した企業群と関連付けられて記憶部101に記憶されたサービスの情報を端末に出力する。端末は、出力されたサービスの情報を、適宜報知しても良い。ここで、報知は、端末の画面への表示であっても良いし、他の形態による報知(例えば音声による通知)であっても良い。具体的な報知方法については後述する。
【0023】
サービス情報出力部103がサービスの情報を出力する端末は、ユーザの生体情報を出力した認証端末であっても良いし、ユーザが有するPCやスマートフォン等の携帯端末であっても良い。この端末は、生体情報を取得可能である必要はない。なお、サービス情報の宛先となる端末の情報は、例えばユーザの情報として情報提供装置100に格納されており、情報提供装置100は、その情報を用いて、サービス情報を端末に送信しても良い。
【0024】
以下、情報提供装置100が実行する処理について、
図2を参照して説明する。まず、情報提供装置100は、記憶部101に、1以上の企業で構成された企業群に対して、1以上のサービスを関連付けて記憶させる(ステップS101)。サービスの記憶方法については、上述のとおりである。また、情報提供装置100は、記憶部101に記憶された情報を適宜更新することができる。
【0025】
情報提供装置100の特定部102は、複数の人物の生体情報と、認証端末が出力したユーザの生体情報を用いた生体認証の認証結果に基づいて、認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた企業群を特定する(ステップS102)。
【0026】
サービス情報出力部103は、特定部102が取得した企業群と関連付けられて記憶部101に記憶されたサービスの情報を端末に出力する(ステップS103)。
【0027】
以上のように、情報提供装置100は、生体認証の認証結果に基づいて企業群を特定し、その企業群に関連付けられたサービスの情報を端末に出力させる。これにより、ユーザは、そのユーザが使用する又は興味があると想定されるサービスの情報を端末で取得できるため、利便性高く企業のサービスを受けることができる。
【0028】
(1-2)
企業のサービス情報が記憶されるのは、情報提供装置100に限らず、1以上の他の記憶装置であっても良い。
図3は、情報提供装置110と、情報提供装置100の記憶部101に相当する機能を有する記憶装置111を備える情報提供システムS1を示す。記憶装置111は、企業群に対して、1以上のサービスが関連付けられて記憶されるものであり、例えばストレージサーバである。情報提供装置110と記憶装置111とは、図示しないネットワークにより、有線又は無線で接続されている。
【0029】
例えば、情報提供システムS1は、1以上の記憶装置111を備えていても良い。この記憶装置111には、上述の記憶部101と同様、企業群に対して、1以上のサービスが関連付けられて記憶される。記憶装置111が、企業群を複数記憶する場合、記憶装置111は、各々の企業群に関連付けられた1以上のサービスを記憶しても良い。
【0030】
別の例として、記憶装置111は、企業群と対応するものであっても良い。例えば、記憶装置111が企業群毎に設けられ、各記憶装置111が、対応する企業群を構成する企業が運営するサービスの情報を記憶していても良い。以上のようにして、記憶装置111は、企業群と関連するサービスの情報を記憶する。
【0031】
図3における情報提供装置110は、特定部102が、複数の人物の生体情報と、認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いた生体認証の認証結果に基づいて、認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた企業群を特定する。サービス情報出力部103は、特定した企業群と関連付けられて記憶装置111に記憶されたサービスの情報を、記憶装置111から取得する。
【0032】
例えば、記憶装置111において、企業群に対して1以上のサービスが関連付けられて記憶されている場合、サービス情報出力部103は、その記憶装置111に対して、サービスの情報を取得する問い合わせを、企業群の情報を含めて送信しても良い。記憶装置111は、その問い合わせに応じて、受信した企業群の情報と関連付けて記憶するサービスを、情報提供装置110に送信する。
【0033】
別の例として、記憶装置111が企業群に対応して設けられている場合、サービス情報出力部103は、特定した企業群に対応する記憶装置111に対して、サービスの情報を取得する問い合わせを送信しても良い。記憶装置111は、その問い合わせに応じて、記憶するサービスを情報提供装置110に送信する。なお、情報提供装置110は、企業群と記憶装置111への問い合わせ先(例えばIP(Internet Protocol)アドレス)を対応付けて記憶することで、問い合わせ先を特定しても良い。
【0034】
以上のようにして、サービス情報出力部103は、サービスの情報を記憶装置111から受信する。その後、サービス情報出力部103は、受信したサービスの情報を端末に出力する。これにより、ユーザは、そのユーザが使用する又は興味があると想定されるサービスの情報を端末で取得できるため、利便性高く企業のサービスを受けることができる。
【0035】
実施の形態2
(2-1)
以下、本開示の実施の形態2について説明する。ここでは、より具体的な情報提供装置の構成及び処理について説明する。実施の形態2では、クラウド認証方式による顔認証について説明する。
【0036】
図4は、実施の形態2における情報提供システムS2の概要を示した図である。情報提供システムS2は、地域1に設けられたTP(タッチポイント)200Xと、地域1と離れた地域2に設けられたTP200Yと、TP200X、200YとネットワークNを介して接続された情報提供サーバ210を備える。TP200X、200Yは、実施形態1の認証端末に対応し、情報提供サーバ210は、実施形態1の情報提供装置100に対応する。なお、
図4において、TP200X、200Yはそれぞれ便宜上1台ずつ示されているが、それぞれ複数台設けられていても良い。また、情報提供サーバ210も、複数台設けられていて良い。
【0037】
図4において、地域1に位置する施設であるレジャー施設A1、ホテルB1及び地域2に位置する施設である施設A2、ホテルB2は、情報提供システムS2に参加している企業により事業展開されている。この例では、レジャー施設A1、A2は航空会社Aにより運営され、ホテルB1、B2は鉄道会社Bにより経営されている。航空会社Aの飛行機Aは、地域1を出発地とし、地域2を到着地とする移動手段である。また、鉄道会社Bの飛行機Bは、地域1を出発地とし、地域2を到着地とする移動手段である。つまり、航空会社A及び鉄道会社Bは、それぞれ、自社の路線において事業を展開している。航空会社A及び鉄道会社Bは、実施の形態1における企業群に対応する。また、地域1、地域2は、それぞれ県、市、町といった行政単位であっても良いし、行政単位ではない任意の領域(例えば関東地方、関西地方といった広域な領域)を示していても良い。また、地域1、2は、異なる国同士であっても良い。
【0038】
TP200X、200Yは、空港、駅、ホテル、レジャー施設等の施設に設置可能な端末であり、例えばデジタルサイネージとして設けられても良い。
図4においては、レジャー施設A1、ホテルB1にTP200Xを設置し、レジャー施設A2、ホテルB2にTP200Yを設置することができる。認証システムS2にユーザ登録しているユーザは、TP200X、200Yを用いて様々なサービスを享受することができる。例えば、ユーザは、TP200X、200Yを用いて、航空券や鉄道といった交通チケット若しくはイベントのチケットの購入、又は宿泊施設のチェックイン手続き等を行うことができる。
【0039】
TP200X、200Yは、上記機能に加え、ユーザに情報提供を行うことができる。この情報提供は、例えば、TP200X、200Yが設置された地域から別の地域への移動の提案、移動手段(交通手段)の提案、移動先の地域における訪問施設の提案の少なくともいずれかが含まれていても良い。
【0040】
例えば、後述のとおり、レジャー施設A1の退場手続きをする認証端末として設置されたTP200Xは、退場するユーザに対して、飛行機Aで移動して、航空会社Aが運営する別のレジャー施設A2に行くことを提案することができる。また、ホテルB1のチェックアウト(退館)手続きをする認証端末として設置されたTP200Yは、チェックアウトをするユーザに対して、鉄道Bで移動して、鉄道会社Bが運営する別のホテルB2に宿泊することを提案することができる。このように、ユーザには、移動手段による移動を伴った他地域に関する情報提供(行動の推薦)がなされる。
【0041】
以下、TP200X、200Y及び情報提供サーバ210の構成について、具体的に説明する。TP200X、200Yは、同一構成を有しており、以下、TP200と定義する。
【0042】
図5は、TP200の構成を示すブロック図である。TP200は、カメラ201、操作部202、通信部203、表示部204、顔画像取得部205、認証要求部206及びサービス提供部207を備える。以下、各構成要素について説明する。
【0043】
カメラ201は、画像(特にユーザの顔領域)を撮影する。撮影された顔情報は、ユーザの生体情報として、TP200内に記憶される。カメラ201は、例えばTP200の正面に設けられており、TP200の正面にいるユーザの顔画像を撮影することができる。
【0044】
操作部202は、ユーザがTP200を操作して情報又は指示を入力するためのインタフェースであり、例えばボタン、タッチパネルを有している。通信部203は、TP200がネットワークNを介して情報提供サーバ210と通信するための通信インタフェースである。表示部204は、ユーザに対して情報を通知する(特に、後述のサービス情報を通知する)ためのインタフェースであり、例えば液晶パネル、タッチパネル等で形成される。顔画像取得部205は、例えばユーザの操作部202の操作に応じて、カメラ201に対して撮影要求を行う。カメラ201は、その要求に応じて、ユーザの顔領域を撮影する。
【0045】
認証要求部206は、カメラ201が撮影し、TP200内に記憶された顔画像を用いて、ユーザを特定可能な顔の特徴量の情報を生成する。例えば、認証要求部206は、顔画像における目、鼻、口等の特徴点を算出し、特徴点の位置、特徴点間の距離等を「特徴量」として計算する。また、認証要求部206は、複数の特徴量を並べて「特徴ベクトル」を生成しても良い。認証要求部206は、以上のように生成された特徴量の情報又は特徴ベクトルの情報(以下、特徴情報とも記載)を含めた個人の認証要求を、通信部203を用いて情報提供サーバ210に送信する。このように、カメラ201が撮影した画像は、個人認証に使用される。
【0046】
なお、認証要求部206は、顔の特徴情報を生成せず、撮影された顔画像を、そのまま情報提供サーバ210に送信しても良い。このようにしても、情報提供サーバ210側で顔認証を行うことは可能である。
【0047】
また、認証要求部206は、TP200の端末識別情報を、情報提供サーバ210に送信しても良い。TP200の端末識別情報は、例えば、TP200が地域1に設けられるという情報でも良い。または、詳細に、TP200がレジャー施設A1の退場口に設けられるという情報でも良い。
【0048】
さらに、端末識別情報は、TP200が属する企業群を示す情報であっても良い。例えば、端末識別情報は、TP200Xが、航空会社Aが保有する施設に設けられ、航空会社Aに属するという情報であっても良い。TP200の端末識別情報は、通信部211(受信手段)で受信され、例えば、情報提供サーバ210の図示しない記憶部に記憶される。
【0049】
サービス提供部207は、通信部203を介して情報提供サーバ210から受信したサービス情報を、表示部204に表示させる。
【0050】
図6は、情報提供サーバ210の構成を示すブロック図である。情報提供サーバ210は、通信部211、登録部212、DB(データベース)213、認証部214、企業特定部215及びサービス抽出部216を備える。認証部214は、生体認証手段であり、認証部214及び企業特定部215は、実施の形態1の特定部102に対応する。
【0051】
情報提供サーバ210は、航空会社A、鉄道会社Bといった、後述のDB213に登録された企業とは別の事業者(サードパーティー)により運営されている。また、情報提供サーバ210は、顔認証処理と、サービス情報提供処理の両方を実行するものであるため、クラウド認証方式におけるサーバ制御をするといえる。以下、情報提供サーバ210の各構成要素について説明する。
【0052】
通信部211は、情報提供サーバ210がネットワークNを介してTP200と通信するための通信インタフェースである。登録部212は、ユーザの顔の特徴情報と、ユーザの個人情報を、通信部211を介して他の端末又は装置から取得し、取得した情報を関連付けて(紐付けて)DB213に新規ユーザのエントリとして登録する。取得するユーザの個人情報は、ユーザが企業からサービスを受ける場合に用いられるユーザID、ユーザの氏名が挙げられる。また、登録部212は、上述の情報のうち一部の情報を取得し、その情報を登録済のユーザの更新情報として登録しても良い。さらに、登録部212は、ユーザの個人情報を、ユーザがユーザ登録をした企業の情報と対応付けて登録する。
【0053】
なお、登録部212は、ユーザの顔の特徴情報を別の装置から取得した上で、その情報をDB213に登録しても良い。又は、登録部212は、ユーザの顔画像を用いて、ユーザを特定可能な顔の特徴情報を生成し、その情報をDB213に登録しても良い。
【0054】
さらに、登録部212は、複数の企業に対して、その企業に関連するサービスを関連付けてDB213に登録させる。関連する企業のサービスは、例えばその企業が運営するサービスでも良いし、又はその企業と業務提携関係にある企業が運営するサービスであっても良い。関連付けられる企業のサービスは、1つでも良いし、複数のサービスであっても良い。なお、関連付けられる企業のサービスは、情報提供サーバ210内に予め記憶されても良いし、通信部211を経由して他装置から取得されても良い。
【0055】
DB213には、登録部212によって、ユーザの顔の特徴情報と、ユーザの個人情報が関連付けて登録されている。この実施形態では、DB213は、航空会社Aのユーザ登録されたユーザ情報が登録されたDB1と、鉄道会社Bのユーザ登録されたユーザ情報が登録されたDB2と、各会社に関連するサービスが登録されたDB3を有する。
【0056】
DB1、DB2には、登録部212によって、それぞれ航空会社A、鉄道会社Bの会員情報であるユーザの個人情報が登録されている。なお、DB1、DB2には、個人情報として、ユーザの顔の特徴情報だけでなく、顔画像も登録されていても良い。
【0057】
図7は、DB1に登録された情報を示したテーブルである。このテーブルは、ユーザの個人情報である特徴情報、ユーザID及びユーザの氏名が関連付けられたテーブルとなっている。
図7では、ユーザの氏名がN1であるユーザU1の特徴情報がFV1、ユーザIDがU1であり、ユーザの氏名がN3であるユーザU2の特徴情報がFV3、ユーザIDがU3である。
【0058】
図8は、DB2に登録された情報を示したテーブルである。このテーブルは、ユーザの個人情報である特徴情報、ユーザID及びユーザの氏名が関連付けられたテーブルとなっている。
図7では、ユーザの氏名がN2であるユーザU2の特徴情報がFV2、ユーザIDがU2であり、ユーザの氏名がN3であるユーザU3の特徴情報がFV3、ユーザIDがU3である。
【0059】
図9は、DB3に登録された情報を示したテーブルである。DB3には、航空会社Aの提供するサービスである飛行機A、レジャー施設A1及びA2の情報が、それぞれ移動手段、レジャー施設のサービスとして記憶されている。さらに、DB3には、鉄道会社Bの提供するサービスである鉄道B、ホテルB1及びB2の情報が、それぞれ移動手段、宿泊施設のサービスとして記憶されている。
【0060】
なお、各サービス情報は、以下のような詳細な情報を含んでも良い。移動手段の情報であれば、検索対象となる日時における移動手段(例えば、飛行機や鉄道)の出発時刻、到着時刻、移動距離、所要時間(移動時間)、席の種類及び交通費の少なくともいずれかを含むような、詳細な情報が含まれていても良い。さらに、移動手段を用いた場合に獲得するポイントの情報が含まれていても良い。飛行機A、鉄道Bは、その便数又は本数が1つだけ登録されていても良いし、複数登録されていても良い。
【0061】
レジャー施設A1、A2は、現在又は検索対象となる日時の混雑度合を示す情報が登録されていても良い。また、宿泊情報であれば、検索対象となる日時における宿泊施設が有する部屋の種類、宿泊費の少なくともいずれかを含むような、詳細な情報が含まれていても良い。
【0062】
なお、DB1、DB2は、航空会社A及び鉄道会社Bの登録されたユーザを両方記憶する、単一のDBとして設けられていても良い。ただし、企業毎にDBを設けることにより、登録ユーザの管理が容易になるほか、企業間における個人情報の混在がないため、プライバシーに配慮したシステムを形成することができる。
【0063】
図6に戻り、説明を続ける。認証部214は、TP200から取得した認証要求に応じて、顔認証処理(照合処理)を行う。具体的には、通信部211を介して、TP200から照合対象となるユーザの顔の特徴情報を受信したときに、DB1、DB2に格納された特徴情報といわゆる1対N照合を実行し、そのユーザがDB1、DB2に登録されたどのユーザに該当するかを判定する。
【0064】
特徴情報が特徴量である場合、認証部214は、照合対象の特徴量とDB1、DB2側(登録側)の特徴量間の類似度を計算する。閾値よりも類似度が大きい登録側の特徴量があれば、特徴量は一致したと判定し、「認証成功」と判定する。また、特徴情報が特徴ベクトルである場合、認証部214は、照合対象の特徴ベクトルと登録側の特徴ベクトル間の距離を計算する。閾値よりも距離が小さい登録側の特徴ベクトルがあれば、特徴ベクトルは一致したと判定し、「認証成功」と判定する。一方、閾値よりも類似度が大きい登録側の特徴量がない場合、又は閾値よりも距離が小さい登録側の特徴ベクトルがない場合には、認証部214は「認証失敗」と判定する。
【0065】
なお、認証部214は、最初にDB1に登録されたユーザの特徴情報と、照合対象の特徴情報を照合する。DB1の照合中に「認証成功」と判定された場合には、そこで顔認証を中止する一方、DB1の照合が「認証失敗」と判定された場合には、認証部214は、別のDB2について照合を実行する。全てのDBの照合において「認証失敗」と判定された場合には、認証部214は、顔認証が失敗したと判定する。なお、DB2、DB1の順番で照合処理を行っても良い。
【0066】
さらに、TP200の端末識別情報(特に、TP200がどの会社の施設に設けられたかを示す情報)を、情報提供サーバ210が受信する場合が考えられる。この場合には、認証部214は、端末識別情報に基づいて、DB1、2のうち、TP200が属する航空会社Aに対応するDBを対象として照合処理を実行しても良い。
【0067】
また、TP200の認証要求部206が、顔の特徴情報を生成せず、撮影された顔画像をそのまま情報提供サーバ210に送信した場合、認証部214はその顔画像に基づいて、照合対象となるユーザの特徴情報を生成する。そして、生成したユーザの特徴情報と、DB1、DB2に登録された特徴情報を照合する。
【0068】
企業特定部215は、認証部214が「認証成功」と判定した場合に、判定対象となった特徴情報を有するユーザに関連付けられた企業を特定する。例えば、
図7、8に記載の例において、「認証成功」と判定された登録側のユーザがユーザU1、U2であれば、企業特定部215は、企業として、それぞれ航空会社A、鉄道会社Bを特定する。
【0069】
サービス抽出部216は、企業特定部215が特定した企業に関連付けられてDB3に登録された企業のサービスを抽出する。例えば、
図9に記載の例において、企業特定部215が航空会社Aを特定した場合には、サービス抽出部216は、サービスとして、移動手段「飛行機A」、レジャー施設「レジャー施設A1、A2」を抽出する。一方、企業特定部215が鉄道会社Bを特定した場合には、サービス抽出部216は、サービスとして、移動手段「鉄道B」、宿泊施設「ホテルB1、B2」を抽出する。
【0070】
なお、認証部214は、認証部214が実行した認証結果が「認証成功」であった場合に、上述のようにしてサービス抽出部216が抽出した企業のサービスについて、通信部211を制御して、TP200に送信する。なお、認証部214は、照合処理により特定されたユーザID、氏名等の個人情報を、必要に応じてTP200に送信しても良い。また、認証部214は、認証部214が実行した認証結果が「認証失敗」であった場合に、その認証結果をTP200に送信する。
【0071】
次に、情報提供サーバ210が実際に行うユーザ登録処理及び認証処理の一例について説明する。まず、
図10を用いて、情報提供サーバ210のユーザ登録処理の一例を説明する。
【0072】
情報提供サーバ210の登録部212は、ユーザの顔画像及び個人情報を、他の端末又は装置から、新規ユーザのエントリとして取得する(ステップS201)。
【0073】
登録部212は、取得したユーザの顔画像を用いて、ユーザを特定可能な顔の特徴情報を生成し、その情報をDB213に登録する(ステップS202)。なお、上述のとおり、 登録部212は、ユーザの顔の特徴情報を別の装置から取得して、その情報をDB213に登録しても良い。
【0074】
登録部212は、氏名、ユーザIDを含む個人情報と、特徴情報を関連付けてDB213に登録する(ステップS203)。以上のようにして、情報提供サーバ210に新規ユーザの情報が登録される。
【0075】
次に、
図11を用いて、情報提供システムS2の認証処理の一例を説明する。ユーザU1は、レジャー施設A1の退場口に設けられたTP200Xを用いて、操作部202を介して、レジャー施設A1の退場手続きをする。TP200Xは、この操作を受けて、生体認証によりレジャー施設A1の退場手続きをする。顔画像取得部205は、顔認証を実行するために、カメラ201でユーザU1を撮影し、顔画像を取得する(ステップS211)。
【0076】
TP200Xは、例えばレジャー施設A1のサーバ(図示せず)と接続されており、取得した顔画像をサーバに送信する。サーバは、記憶された入場者の顔画像に基づいて生成された特徴情報と、取得した顔画像に基づいて生成された特徴情報を照合して、ユーザU1が入場者の中に入っていたことを判定する。サーバは、この判定結果をTP200Xに送信し、TP200Xは、この判定結果に応じて、ユーザU1の退場を許可する。なお、TP200Xは、レジャー施設A1の支払い処理を実行しても良い。
【0077】
さらに、TP200Xは、この退場手続きと並行して、以下の処理を実行する。
【0078】
TP200Xの認証要求部206は、ユーザU1の顔画像を用いて、ユーザU1の特徴情報を生成する。認証要求部206は、生成したユーザU1の特徴情報と、認証要求と、TP200Xがレジャー施設A1の退場口に設けられるという端末識別情報を、サービス情報の問い合わせとして、通信部203を介して情報提供サーバ210に送信する(ステップS212)。
【0079】
情報提供サーバ210は、受信した問い合わせに基づいて顔認証を実施する(ステップS213)。情報提供サーバ210は、認証処理の結果として得られたサービス情報を、TP200Xに送信する(ステップS214)。このサービス情報は、後述のとおり、飛行機Aで移動し、地域2にある施設A2で遊ぶ提案を含む情報である。
【0080】
TP200のサービス提供部207は、情報提供サーバ210から送信されたサービス情報を、表示部204に表示する(ステップS215)。このようにして、航空会社Aは、自社の提供するサービスを、ユーザに提案することができる。
【0081】
以下、
図12を用いて、
図11のステップS213で示した情報提供サーバ210の認証処理の詳細について説明する。上述のとおり、情報提供サーバ210の通信部211は、TP200Xから、ユーザU1の特徴情報と、認証要求と、TP200Xの端末識別情報を取得する(ステップS221)。
【0082】
認証部214は、認証要求に応じて、照合対象となるユーザU1の顔の特徴情報と、DB1、DB2に格納された特徴情報との1対N照合を実行する(ステップS222)。そして、DB1、DB2に格納された特徴情報中に、照合対象となるユーザの顔の特徴情報と一致するものがあるか否かを判定する(ステップS223)。この判定の詳細については、上述のとおりである。
【0083】
なお、TP200Xがレジャー施設A1の退場口に設けられたという端末識別情報(すなわち、TP200Xが航空会社Aの施設に設けられたかを示す情報)に基づいて、認証部214は、航空会社Aに関するDB1のみを対象として照合処理を実行しても良い。
【0084】
図7を参照すると、DB1には、照合対象となるユーザU1の顔の特徴情報FV1と一致するものが存在する(ステップS223のYes)。したがって、認証部214は「認証成功」と判定する。そして、航空会社AのDB1において特徴情報が一致したユーザが存在したことから、企業特定部215は、航空会社Aを特定する。
【0085】
サービス抽出部216は、DB3において、企業特定部215が特定した航空会社Aに関連付けられたサービスを抽出する(ステップS224)。この例では、航空会社Aのサービスである、移動手段「飛行機A」、レジャー施設「レジャー施設A1、A2」を抽出する。
【0086】
さらに、サービス抽出部216は、TP200Xの端末識別情報に基づいて、TP200Xが、地域1のレジャー施設A1の退場口に設けられていることを把握する。この情報に基づき、サービス抽出部216は、ユーザに推薦するサービスから、レジャー施設A1を除く。これは、ユーザがレジャー施設A1で遊んだばかりであり、すぐに行く場所ではないと考えられるからである。
【0087】
サービス抽出部216は、レジャー施設A1以外の場所として、地域2にあるレジャー施設A2を抽出する。さらに、サービス抽出部216は、航空会社Aが、地域1から地域2への移動手段を提供していないかを判定する。この場合、サービス抽出部216は、地域1から地域2への移動手段である「飛行機A」があることを判定するので、「飛行機A」の情報も抽出する。以上から、サービス抽出部216は、飛行機Aで移動して、航空会社Aが運営する別のレジャー施設A2に行くという提案内容(サービス情報)を生成する。さらに、サービス抽出部216は、DB3から、飛行機Aに関する詳細な情報として、移動距離、移動時間及び獲得ポイントの情報を取得し、サービス情報に含める。
【0088】
認証部214は、「認証成功」の判定結果と、サービス抽出部216が生成したサービス情報を、通信部211を用いて、TP200Xに通知する(ステップS225)。また、認証部214は、ユーザU1の個人情報(例えば氏名「N1」、ユーザID「U1」)を、併せてTP200に通知しても良い。TP200Xは、通知された情報を、表示部204に表示する。
【0089】
なお、ステップS223において、DB1、DB2に、照合対象となるユーザU1の顔の特徴情報FV1と一致するものが存在しない場合(ステップS223のNo)、認証部214は「認証失敗」と判定する。そして、認証部214は、「認証失敗」の判定結果を、通信部211を用いて、TP200Xに通知する(ステップS226)。
【0090】
図13は、このような場合における、TP200Xでの表示部204の表示例である。
図13では、飛行機Aで地域1から地域2へ移動して、航空会社Aが運営する別のレジャー施設A2に行くという提案内容が表示されている。また、詳細な情報として、移動距離、移動時間及び獲得ポイントの情報も表示されている。さらに、表示画面の左下には、「認証成功」の判定結果が、絵で表示されている。
【0091】
以上のようにして、ユーザU1が、レジャー施設A1の退場手続きをTP200Xで行った場合には、退場手続きと並行して、航空会社Aが提供する飛行機A、レジャー施設A2を利用することをTP200に提示(推薦)するような処理がなされる。
【0092】
また、別の例として、ユーザU2が、ホテルB1のチェックアウト手続きを、ホテルのフロントに設けられたTP200Xを用いて生体認証により行うことを想定する。
図11を参照しながら説明すると、TP200Xは、生体認証において、カメラ201でユーザU2を撮影し、顔画像を取得する(ステップS211)。
【0093】
TP200Xは、例えばホテルB1のサーバ(図示せず)と接続されており、取得した顔画像をサーバに送信する。サーバは、記憶された宿泊者の顔画像に基づいて生成された特徴情報と、取得した顔画像に基づいて生成された特徴情報を照合して、ユーザU2が宿泊者の中に入っていたことを判定する。サーバは、この判定結果をTP200Xに送信し、TP200Xは、この判定結果に応じて、ユーザU2のチェックアウト手続きを終了する。なお、TP200Xは、ホテルB1の支払い処理を実行しても良い。
【0094】
さらに、TP200Xは、この退場手続きと並行して、以下の処理を実行する。
【0095】
TP200Xの認証要求部206は、ユーザU2の顔画像を用いて、ユーザU2の特徴情報を生成する。認証要求部206は、生成したユーザU2の特徴情報と、認証要求と、TP200XがホテルB1のフロントに設けられるという端末識別情報を、サービス情報の問い合わせとして、通信部203を介して情報提供サーバ210に送信する(ステップS212)。
【0096】
情報提供サーバ210は、受信した問い合わせに基づいて顔認証を実施する(ステップS213)。情報提供サーバ210は、認証処理の結果として得られたサービス情報を、TP200Xに送信する(ステップS214)。このサービス情報は、後述のとおり、鉄道Bで地域1から地域2へ移動し、地域2にあるホテルB2で宿泊する提案を含む情報である。
【0097】
TP200のサービス提供部207は、情報提供サーバ210から送信されたサービス情報を、表示部204に表示する(ステップS215)。このようにして、鉄道会社Bは、自社の提供するサービスを、ユーザに提案することができる。
【0098】
以下、
図12を用いて、上述のステップS213で示した情報提供サーバ210の認証処理の詳細について説明する。上述のとおり、情報提供サーバ210の通信部211は、TP200Xから、ユーザU2の特徴情報と、認証要求と、TP200Xの端末識別情報を取得する(ステップS221)。
【0099】
認証部214は、認証要求に応じて、照合対象となるユーザU2の顔の特徴情報と、DB1、DB2に格納された特徴情報との1対N照合を実行する(ステップS222)。そして、DB1、DB2に格納された特徴情報中に、照合対象となるユーザの顔の特徴情報と一致するものがあるか否かを判定する(ステップS223)。この判定の詳細については、上述のとおりである。
【0100】
なお、TP200XがホテルB2の退場口に設けられたという端末識別情報(すなわち、TP200Xが鉄道会社Bの施設に設けられたかを示す情報)に基づいて、認証部214は、鉄道会社Bに関するDB2のみを対象として照合処理を実行しても良い。
【0101】
図8を参照すると、DB2には、照合対象となるユーザU2の顔の特徴情報FV2と一致するものが存在する(ステップS223のYes)。したがって、認証部214は「認証成功」と判定する。そして、鉄道会社BのDB2において特徴情報が一致したユーザが存在したことから、企業特定部215は、鉄道会社Bを特定する。
【0102】
サービス抽出部216は、DB3において、企業特定部215が特定した鉄道会社Bに関連付けられたサービスを抽出する(ステップS224)。この例では、鉄道会社Bのサービスである、移動手段「鉄道B」、宿泊施設「ホテルB1、B2」を抽出する。
【0103】
さらに、サービス抽出部216は、TP200Xの端末識別情報に基づいて、TP200Xが、地域1のホテルB1のフロントに設けられることを把握する。この情報に基づき、サービス抽出部216は、ユーザに推薦するサービスから、ホテルB1を除く。これは、ユーザがホテルB1で宿泊又はサービスを受けていることが想定されるため、ホテルB1ではないサービスを推薦する方が、より鉄道会社Bの利益になると考えられるからである。
【0104】
サービス抽出部216は、ホテルB1以外の場所として、地域2にあるホテルB2を抽出する。さらに、サービス抽出部216は、鉄道会社Bが、地域1から地域2への移動手段を提供していないかを判定する。この場合、サービス抽出部216は、地域1から地域2への移動手段である「鉄道B」があることを判定するので、「鉄道B」の情報も抽出する。以上から、サービス抽出部216は、鉄道Bで移動して、鉄道会社Bが運営する別のホテルB2に行くという提案内容(サービス情報)を生成する。さらに、サービス抽出部216は、DB3から、鉄道Bに関する詳細な情報として、移動距離、移動時間及び獲得ポイントの情報を取得し、サービス情報に含める。
【0105】
認証部214は、「認証成功」の判定結果と、サービス抽出部216が生成したサービス情報を、通信部211を用いて、TP200に通知する(ステップS225)。また、認証部214は、ユーザU2の個人情報(例えば氏名「N2」、ユーザID「U2」)を、併せてTP200に通知しても良い。TP200は、通知された情報を、表示部204に表示する。
【0106】
以上のようにして、情報提供システムS2は、ユーザが登録した企業が提供するサービスをユーザに提示できる。そのため、ユーザは、自身が登録する企業のサービスを把握できるため、より利便性高く企業のサービスを受けることができる。また、企業にとっても、ユーザがその企業のサービスを受ける可能性を高めることができるため、利益となる。
【0107】
現在、ホテルが生体認証により宿泊サービスを提供したり、小売店等が代金の決済に生体認証を用いたりするなど、生体認証のシステムが普及し始めている。しかしながら、多くの企業は、生体認証により1種類のサービスを提供している段階にある。
【0108】
生体認証によるサービスの提供は、多種多様な業種を展開する大企業にも広がっている。このような大企業は、多くの会員等を有し、これらの会員に対して総合的なサービスを提供することがある。例えば、鉄道会社や航空会社が、ホテルやレジャー施設を運営していることも多い。このような複合企業には、生体認証によるサービス提供を通じて自社の事業をより活性化したいニーズがある。実施の形態2は、このような認証システムにおいて、会社の運営するサービスを生体認証時にユーザに推薦することで、生体認証を用いたサービスの拡大を図るものである。特に、生体認証の度に自社の移動手段(例えば飛行機、鉄道)を使った提案をすることにより、ユーザの移動が増えることで、自社の事業をより活性化することができる。
【0109】
(2-1)に記載された情報提供サーバ210は、生体認証のための認証部214を備えている。このように、情報提供装置を認証装置と一体化することで、少ない装置数で情報提供システムS2を構成することができる。
【0110】
情報提供システムS2におけるTP200は、航空会社Aや鉄道会社Bといった企業の施設の退場又は退館の手続きをする認証端末として設けられている。しかしながら、施設の入場又は入館の手続きをする認証端末として設けられていても良い。ただし、企業のサービス情報を提供する場合には、ユーザが施設の退場又は退館の手続きをするタイミングの方が、施設の入場又は入館の手続きをするタイミングと比較して、ユーザにとってより記憶に残りやすい。したがって、ユーザが施設の退場又は退館の手続きをするタイミングが、企業のサービス情報の宣伝効果として、より好ましいといえる。
【0111】
また、情報提供サーバ210は、TP200から送信された端末識別情報を用いて、認証部214が参照するDBを決定している。これは、複数の企業にユーザ登録しているユーザがTP200で生体認証をした場合に、提供する企業のサービス情報を、TP200が属する企業に対応したものに決定するためである。例えば、
図7、8では、航空会社Aと鉄道会社Bの共通のユーザとして、ユーザU3が登録されている。このユーザU3からTP200によって生体認証を行った場合は、端末識別情報に基づいて、いずれの会社のサービス情報をTP200に表示させるかを決定する。これにより、TP200が設けられた施設の企業が、自社のサービス情報を提供することができる。また、対応する企業以外のDBを参照せずに済むため、処理にかかる時間を早くすることができる。
【0112】
(2-2)
実施の形態1の(1-2)に記載したとおり、各企業が提供するサービスが関連付けられて記憶されるのは、情報提供装置210のDB3でなく、他の記憶装置(ストレージサーバ)であっても良い。
【0113】
図14は、航空会社A、鉄道会社Bの各々に対して、ストレージサーバ220A、ストレージサーバ220Bがそれぞれ設けられた情報提供システムS2の一例である。ストレージサーバ220Aに、
図9に示された航空会社Aの提供するサービス情報、ストレージサーバ220Bに、
図9に示された鉄道会社Bの提供するサービス情報がそれぞれ記憶されている。
【0114】
図15は、本実施例における、情報提供システムS2の認証処理の一例である。(2-1)の記載と同様、TP200Xは、ユーザU1からの操作を受けて、生体認証によりレジャー施設A1の退場手続きをする。顔画像取得部205は、顔認証を実行するために、カメラ201でユーザU1を撮影し、顔画像を取得する(ステップS231)。TP200X及びレジャー施設A1のサーバは、取得した顔画像を用いて生体認証を行い、ユーザU1の退場を許可する。
【0115】
さらに、TP200Xは、この退場手続きと並行して、以下の処理を実行する。TP200Xの認証要求部206は、ユーザU1の顔画像を用いて、ユーザU1の特徴情報を生成する。認証要求部206は、生成したユーザU1の特徴情報と、認証要求と、TP200Xがレジャー施設A1の退場口に設けられるという端末識別情報を、サービス情報の問い合わせとして、通信部203を介して情報提供サーバ210に送信する(ステップS232)。
【0116】
情報提供サーバ210は、受信した問い合わせに基づいて顔認証を実施する(ステップS233)。顔認証処理の詳細については、
図12のステップS221~S223に記載のとおりである。顔認証の結果、航空会社AのDB1において特徴情報が一致したユーザが存在したことから、企業特定部215は、航空会社Aを特定する。なお、(2-1)に記載のとおり、情報提供サーバ210は、端末識別情報に基づいて、TP200が設けられた航空会社Aに対応するDBのみを対象として照合処理を実行しても良い。
【0117】
情報提供サーバ210は、認証処理の結果として特定したユーザU1のユーザID「U1」を、ストレージサーバ220Aに送信して、航空会社Aのサービス情報を問い合わせる(ステップS234)。なお、情報提供装置210は、航空会社Aとストレージサーバ220Aへの問い合わせ先、鉄道会社Bとストレージサーバ220Bへの問い合わせ先をそれぞれ対応付けて記憶することで、問い合わせ先を特定しても良い。
【0118】
ストレージサーバ220Aは、自身が記憶する航空会社Aのサービスである、移動手段「飛行機A」、レジャー施設「レジャー施設A1、A2」を、サービス情報として情報提供サーバ210に送信する(ステップS235)。また、ストレージサーバ220Aは、飛行機Aに関する詳細な情報として、移動距離、移動時間及び獲得ポイントの情報を、詳細なサービス情報として送信する。
【0119】
情報提供サーバ210は、ストレージサーバ220Aからサービス情報を受信する。サービス抽出部216は、TP200Xの端末識別情報に基づいて、TP200Xが、地域1のホテルB1のフロントに設けられることを把握する。この情報に基づき、サービス抽出部216は、受信したサービス情報のうち、移動手段「飛行機A」及びレジャー施設「レジャー施設A2」を選択し、「レジャー施設A1」を除く(ステップS236)。この選択の理由については、上述のとおりである。
【0120】
以上から、サービス抽出部216は、飛行機Aで移動して、航空会社Aが運営する別のレジャー施設A2に行くという提案内容(サービス情報)を生成する。このサービス情報には、上述の飛行機Aに関する詳細な情報が含まれる。認証部214は、「認証成功」の判定結果と、サービス抽出部216が生成したサービス情報を、通信部211を用いて、TP200に通知する(ステップS237)。また、認証部214は、ユーザU1の個人情報(例えば氏名「N1」、ユーザID「U1」)を、併せてTP200に通知しても良い。TP200Xは、情報提供サーバ210から送信されたサービス情報を、表示部204に表示する(ステップS238)。このようにして、航空会社Aは、自社の提供するサービスを、ユーザに提案することができる。
【0121】
なお、情報提供サーバ210は、ステップS234において、TP200から送信された端末識別情報を用いて、参照するストレージサーバ220を決定しても良い。この理由は、(2-1)と同様、複数の企業にユーザ登録しているユーザがTP200で生体認証をした場合に、提供する企業のサービス情報を、TP200が属する企業に対応したものに決定するためである。これにより、TP200が設けられた施設の企業が、自社のサービス情報を提供することができる。また、対応する企業以外のストレージサーバ220を参照せずに済むため、処理にかかる時間を早くすることができる。
【0122】
また、ステップS234において、情報提供サーバ210は、航空会社Aのサービス情報を問い合わせるときに、TP200Xの端末識別情報を併せて送信しても良い。ストレージサーバ220Aは、自身が記憶する航空会社Aのサービスに関して、ステップS236に記載したような、TP200Xの端末識別情報を用いた判断を実施する。判断の結果、ストレージサーバ220Aは、飛行機Aで移動して、航空会社Aが運営する別のレジャー施設A2に行くという提案内容(サービス情報)を生成する。ストレージサーバ220Aは、サービス情報に、飛行機Aに関する詳細な情報を含めて、情報提供サーバ210に送信する。情報提供サーバ210は、そのサービス情報を、TP200Xに送信する。
【0123】
実施の形態3
実施の形態2において説明した顔認証処理は、異なる方式の情報提供システムによっても実現できる。実施の形態3では、デジタルID型認証方式による顔認証について説明する。
【0124】
(3-1)
図16は、実施の形態3における情報提供システムS3の概要を示した図である。情報提供システムS3は、TP300X、300Yと、TP300X、300Yとそれぞれ接続された情報提供サーバ310A、310Bと、情報提供サーバ310A、310BとネットワークNを介して接続された認証装置320を備える。以下、TP300X、TP300YをまとめてTP300と記載し、情報提供サーバ310A、310Bをまとめて情報提供サーバ310と記載する。TP300は、実施形態1の認証端末に対応し、情報提供サーバ310は、実施形態1の情報提供装置100に対応する。
【0125】
情報提供サーバ310は、概略、実施の形態2における情報提供サーバ210から顔認証機能を除いた機能を有するサーバ装置であり、認証装置320は、顔認証処理を専用に実行する認証局として機能する。また、
図16に示すとおり、認証装置320に対して、情報提供サーバ310A、310Bが接続されている。さらに、情報提供サーバ310Aには、TP300Xが接続され、情報提供サーバ310Bには、TP300Yが接続されている。そして、認証装置320は、複数の情報提供サーバ310に対して、顔認証処理を行う。
【0126】
なお、
図16の情報提供システムS3の構成はあくまで例示であり、情報提供システムS3は、任意の台数のTP、情報提供サーバを有していても良い。また、認証装置320も、1台に限らず、複数台設けられていても良い。
【0127】
TP300も、TP200と同様、空港、駅、ホテル等の施設に設置可能な端末である。以下の説明において、TP300Xは、
図4における施設A1に設置され、TP300Yは、
図4におけるホテルB1に設置されている。認証システムS3にユーザ登録しているユーザは、TP300を用いて様々なサービスを享受することができる。ユーザは、TP300を用いて、一例として、航空券や鉄道といった交通チケット、イベントのチケットの購入、又は宿泊施設のチェックイン手続き等を行うことができる。また、TP300は、実施の形態2と同様、ユーザに企業のサービス情報を提供することができる。
【0128】
以下、認証システムS3の各構成要素であるTP300、情報提供サーバ310及び認証装置320の構成について、具体的に説明する。
図17は、TP300の構成を示すブロック図である。TP300は、カメラ301、操作部302、通信部303、表示部304、顔画像取得部305、通信制御部306及びサービス提供部307を備える。カメラ301~顔画像取得部305及びサービス提供部307は、実施の形態2におけるカメラ201~顔画像取得部205及びサービス提供部207と同様の処理をするため、説明を省略する。
【0129】
通信制御部306は、顔画像取得部305がユーザの顔画像を取得した場合に、通信部303を用いて、情報提供サーバ310に対して、ユーザに提供するサービスの問い合わせをする。通信制御部306は、この問い合わせに、ユーザの顔画像の情報を付加する。ただし、通信制御部306は、顔画像に基づいて顔の特徴情報を生成し、その特徴情報を情報提供サーバ310に対して送信しても良い。
【0130】
図18は、情報提供サーバ310の構成を示すブロック図である。情報提供サーバ310は、通信部311、登録部312、DB313、認証情報処理部314、企業特定部315及びサービス抽出部316を備える。ここで、情報提供サーバ310は、顔認証処理を実行せず、サービス情報提供処理を実行する。以下、情報提供サーバ310の各構成要素について説明する。
【0131】
通信部311は、TP300、又はネットワークNを介して認証装置320と通信するための通信インタフェースである。登録部312は、ユーザの個人情報を、通信部311を介して他の端末又は装置から取得し、取得した情報をDB313に新規ユーザのエントリとして登録する。ユーザの個人情報は、ユーザが企業からサービスを受ける場合に用いられるユーザID、ユーザの氏名が挙げられる。また、登録部312は、上述の情報のうち一部の情報を取得し、その情報を登録済のユーザの更新情報として登録しても良い。
【0132】
また、登録部312は、複数の企業に対して、その企業に関連する企業のサービスを関連付けてDB313に登録させる。関連付けられる企業のサービスは、1つでも良いし、複数のサービスであっても良い。なお、関連付けられる企業のサービスは、情報提供サーバ310内に予め記憶されたものでも良いし、通信部311を経由して他装置から取得するものであっても良い。
【0133】
DB313には、ユーザの個人情報が登録されている。この実施形態では、DB313は、航空会社Aのユーザ登録されたユーザ情報が登録されたDB4と、鉄道会社Bのユーザ登録されたユーザ情報が登録されたDB5と、各会社に関連するサービスが登録されたDB6を有する。
【0134】
DB4、DB5には、登録部312によって、それぞれ航空会社A、鉄道会社Bの会員情報であるユーザの個人情報が登録されている。
図19、20は、それぞれDB4、5に登録された情報を示したテーブルである。これらのテーブルは、
図7、8に記載のテーブルから、特徴情報を除いたものである。DB6に登録された情報を示すテーブルは、
図9に記載のとおりであるため、説明を省略する。
【0135】
図18に戻り、説明を続ける。認証情報処理部314は、TP300から通信部311を介してサービスの問い合わせを受信した場合に、問い合わせと併せてTP300から取得した顔画像又は顔の特徴情報を、認証装置320に送信する。これにより、認証装置320は、顔認証をすることができる。
【0136】
また、認証情報処理部314は、認証装置320が顔認証の認証結果として送信したユーザIDを取得する認証結果取得手段としても機能する。認証情報処理部314は、そのユーザIDを用いて、DB313に登録された情報から、そのユーザIDに係る個人を特定する。
【0137】
具体的に、認証情報処理部314は、DB4に登録されたユーザIDと、照合対象のユーザIDを照合する。DB4において一致したユーザIDがあった場合には、顔認証されたユーザ個人を特定できたと判定し、そこで照合処理を中止する。一方、DB4において一致したユーザIDがなかった場合には、認証情報処理部314は、別のDB5について、同様の照合を実行する。全てのDBにおいて一致したユーザIDがなかった場合には、認証情報処理部314は、顔認証がされたユーザ個人を特定できず、照合が失敗したと判定する。なお、DBの照合処理をする順番は逆でも良い。
【0138】
また、実施の形態2に記載のとおり、TP300の端末識別情報(特に、TP200がどの会社の施設に設けられたかを示す情報)を、TP300が情報提供サーバ310に出力する場合が考えられる。この場合には、認証情報処理部314は、DB1、2のうち、TP300が設けられた会社に対応するDBのみを対象として照合処理を実行しても良い。
【0139】
企業特定部315は、認証情報処理部314がユーザ個人を特定できた場合に、DB313(登録側)において、判定対象となったユーザに関連付けられた企業を特定する。例えば、特定されたユーザがユーザU1であれば、企業特定部215は航空会社Aを特定する。一方、特定されたユーザがユーザU2であれば、企業特定部215は鉄道会社Bを特定する。
【0140】
サービス抽出部316は、企業特定部315が特定した企業に関連付けられた企業のサービスを抽出する。例えば、企業特定部315が航空会社Aを特定した場合には、サービス抽出部316は、サービスとして、移動手段「飛行機A」、レジャー施設「レジャー施設A1、A2」を抽出する。一方、企業特定部315が鉄道会社Bを特定した場合には、サービス抽出部316は、サービスとして、移動手段「鉄道B」、宿泊施設「ホテルB1、B2」を抽出する。
【0141】
なお、認証情報処理部314は、認証情報処理部314がユーザ個人を特定した場合に、上述のように、サービス抽出部316が抽出した企業のサービスについて、通信部311を制御して、TP300に送信する。なお、認証情報処理部314は、特定されたユーザのユーザID、氏名等の個人情報を、必要に応じてTP300に送信しても良い。また、認証情報処理部314は、認証情報処理部314がユーザ個人を特定できなかった場合に、その判定結果をTP300に送信する。
【0142】
図21は、認証装置320の構成を示すブロック図である。認証装置320は、通信部321、登録部322、DB323、認証部324を備える。以下、認証装置320の各構成要素について説明する。
【0143】
通信部321は、ネットワークNを介して情報提供サーバ310と通信するための通信インタフェースである。登録部322は、ユーザの特徴情報をDB323に新規ユーザのエントリとして登録する。ここで、登録部322は、取得したユーザのユーザIDと特徴情報を関連付けて、DB323に登録する。なお、登録される特徴情報は、他の装置から特徴情報の形式で送信されたものでも良いし、他の装置から取得した顔画像を、後述の認証部324で処理することで特徴情報として取得しても良い。
【0144】
DB323には、ユーザの特徴情報と、ユーザIDとが、登録部322によって関連付けて登録されている。ここで、DB323は、認証に必要な情報が登録されているものの、ユーザ個人が具体的に誰か分かるような個人情報は登録されていない。そのような個人情報は、上述の情報提供サーバ310のDB313に登録されている。
【0145】
図22は、DB323に登録された情報を示したテーブルである。このテーブルは、
図7、8に示されたテーブルにおける、ユーザの特徴情報とユーザIDを抜粋したものである。
図22のテーブルに示された情報の詳細については、
図7、8のテーブルに関して説明したとおりであるため、説明を省略する。また、DB323は、N名のユーザについて特徴情報とユーザIDが関連付けて登録された第1のDB、M名のユーザについて特徴情報とユーザIDが関連付けて登録された第2のDB、のように、複数のDBとして設けられていても良い。
【0146】
図21に戻り、説明を続ける。認証部324は、情報提供サーバ310から取得した顔画像に応じて、顔認証処理を行う。具体的には、通信部321を介して照合対象となるユーザの顔画像を受信したときに、認証部324は、顔画像を用いて特徴情報を生成する。その後、生成された特徴情報と、DB323に格納された特徴情報を比較する1対N照合を実行し、対象となるユーザがDB323に登録されているか否かを判定する。なお、認証部324は、特徴情報が特徴量であるか特徴ベクトルであるかに応じて、実施の形態2に記載したとおり、判定方法を変更する。
【0147】
なお、上述のとおり、DB323が個人単位で複数のDBに分割されている場合、認証部324は、第1のDBに登録されたユーザの特徴情報と、照合対象の特徴情報を照合する。第1のDBの照合中に「認証成功」と判定された場合には、そこで顔認証を中止する一方、第1のDBの照合が「認証失敗」と判定された場合には、認証部324は、別の第2のDBについて照合を実行する。全てのDBの照合において「認証失敗」と判定された場合には、認証部324は、顔認証が失敗したと判定する。
【0148】
また、TP300が、撮影した顔画像に基づいて顔の特徴情報を生成し、その特徴情報が認証装置320に送信された場合、認証部324はその特徴情報をそのまま用いて、顔認証を行う。
【0149】
認証部324は、「認証成功」と判定された場合、特定されたユーザのユーザIDを、通信部321を用いて情報提供サーバ310に送信する。認証情報処理部314は、そのユーザIDを用いて、ユーザ個人を特定する。
【0150】
以下、情報提供システムS3においてなされる処理の一例について説明する。最初に、認証装置320のユーザ登録処理の一例を説明する。ユーザは、端末装置を用いて認証装置320にアクセスし、ユーザID及びユーザの顔画像を送信する。ここで、登録において、登録ユーザ以外がDB323に記憶される情報を更新できないように、パスワードが設定されても良い。認証装置320にアクセスする端末装置に対して、登録ユーザに対応付けられたパスワードの送信を要求することで、不正なアクセスを防止することができる。
【0151】
認証部324は、送信された顔画像を用いて特徴情報を生成し、その特徴情報とユーザIDを関連付けて、
図22のように登録する。なお、ユーザは、顔画像ではなく特徴情報を認証装置320に送信し、認証装置320はその特徴情報をそのままDB323に登録しても良い。
【0152】
次に、情報提供サーバ310のユーザ登録処理の一例を説明する。ユーザは、サービス提供者である企業毎に、サービス登録をする。仮に、航空会社Aが情報提供サーバ310Aを有しており、ユーザが航空会社Aにサービス登録をする場合には、ユーザは、端末装置から情報提供サーバ310Aにアクセスして、ユーザID等の個人情報を送信する。登録部312は、取得したユーザの個人情報を、通信部311を介して取得し、取得した情報をDB313に新規ユーザのエントリとして登録する。なお、情報提供サーバ310Aは、端末装置から他の装置を経由して、個人情報を取得しても良い。
【0153】
図23を用いて、上述の登録処理後に、情報提供システムS3においてなされる認証処理の一例について説明する。
【0154】
まず、ユーザU1は、レジャー施設A1の退場口に設けられたTP300Xを用いて、操作部302を介して、レジャー施設A1の退場手続きをする。TP300Xは、この操作を受けて、生体認証によりレジャー施設A1の退場手続きをする。顔画像取得部305は、顔認証を実行するために、カメラ301でユーザU1を撮影し、顔画像を取得する(ステップS311)。上述のとおり、TP300X及びレジャー施設A1のサーバは、取得した顔画像を用いて生体認証を行い、ユーザU1の退場を許可する。
【0155】
さらに、TP300Xは、この退場手続きと並行して、以下の処理を実行する。
【0156】
TP300Xの通信制御部306は、ユーザU1の顔画像と、認証要求と、TP300Xがレジャー施設A1の退場口に設けられるという端末識別情報を、サービス情報の問い合わせとして、通信部303を介して情報提供サーバ310に送信する(ステップS312)。情報提供サーバ310の認証情報処理部314は、受信したサービスの問い合わせに応じて、TP300Xから取得した顔画像を含めた認証要求を、認証装置320に送信する(ステップS313)。
【0157】
認証装置320の通信部321は、情報提供サーバ310からの認証要求を受信する。認証部324は、受信した顔画像から特徴情報を生成し、その特徴情報と、DB323に登録された特徴情報とを1対N照合して、顔認証を実施する(ステップS314)。具体的には、認証部324は、ユーザU1の顔画像から特徴情報「FV1」を生成する。認証部324が、特徴情報「FV1」と、DB323に登録された
図22記載のテーブルと1対N照合を行うことにより、認証部324は、ユーザU1のユーザID「U1」を特定する。認証部324は、特定されたユーザのユーザID「U1」を、通信部321を用いて情報提供サーバ310に送信する(ステップS315)。
【0158】
情報提供サーバ310の通信部311は、認証装置320からユーザID「U1」を受信する。認証情報処理部314は、そのユーザID「U1」を用いて、ユーザ個人を特定する(ステップS316)。
【0159】
例えば、DB4に
図19のテーブルが登録されている場合には、認証情報処理部314は、ユーザ個人として、認証装置320から受信したユーザID「U1」と、
図19のテーブルにおけるユーザID「U1」が一致することを判定して、ユーザ個人を特定する。企業特定部315は、特定されたユーザID「U1」に関連付けられた航空会社Aを特定する。サービス抽出部316は、航空会社Aに関連付けられた企業のサービスである、移動手段「飛行機A」、レジャー施設「レジャー施設A1、A2」を抽出する。
【0160】
なお、このときに、TP300Xの端末識別情報(TP300Xが航空会社Aの運営するレジャー施設A1の退場口に設けられている旨の情報)に基づいて、航空会社Aに関するDB4のみが、照合対象として選択されても良い。
【0161】
さらに、サービス抽出部316は、TP300Xの端末識別情報に基づいて、飛行機Aで移動して、航空会社Aが運営する別のレジャー施設A2に行くという提案内容(サービス情報)を生成する。さらに、サービス抽出部316は、DB6から、飛行機Aに関する詳細な情報として、移動距離、移動時間及び獲得ポイントの情報を取得し、サービス情報に含める。この詳細については、実施の形態2で記載したとおりである。
【0162】
認証情報処理部314は、「認証成功」の判定結果と、サービス抽出部316が生成した企業のサービス情報を、通信部311を制御して、TP300Xに送信する(ステップS317)。TP300のサービス提供部307は、情報提供サーバ310から送信されたサービス情報を、表示部304に表示する(ステップS318)。このようにして、航空会社Aは、自社の提供するサービスを、ユーザに提案することができる。ユーザU2がTP300Yを用いて、ホテルB1のチェックアウト手続きをした場合であっても、鉄道会社Bは、自社の提供するサービスを、TP300Yを介してユーザに提案することができる。
【0163】
以上のように、顔認証の認証装置とサービス情報を提供するサーバ(情報提供サーバ310)が別に設けられる場合であっても、ユーザが受けられるサービスの利便性を高め、生体認証を用いたサービスの拡大を図ることができる。また、この構成では、情報提供サーバ310の機能を増大させる必要がないため、情報提供サーバ310のコストを抑制させることができる。
【0164】
また、
図16に示された構成において、複数のサービス提供者が、それぞれ情報提供サーバ310A、310Bを有していても良い。例えば、サービス提供者である航空会社A、鉄道会社Bが、それぞれ情報提供サーバ310A、310Bを有していても良い。また、航空会社AがTP300Xをさらに有し、鉄道会社BがTP300Yをさらに有していても良い。この場合、航空会社A、鉄道会社Bは、それぞれ自社のシステムとして、TP300X及び情報提供サーバ310A、TP300Y及び情報提供サーバ310Bを有する。そして、認証装置320は、複数のサービス提供者に対して、顔認証処理を行うことになる。また、ユーザは、企業毎に、ユーザ登録(サービス情報提供に係る登録)をする。
【0165】
(3-2)
また、複数の企業が、それぞれ情報提供サーバ310A、310Bを有している場合に、認証システムS3に対して、生体情報(例えば顔の特徴情報)と個人情報を分離して記憶するための構成として、サービスIDと、サービスユーザIDを導入しても良い。サービスIDは、各企業に割り当てられるIDである。サービスユーザIDは、企業とユーザの組み合わせにより決められるIDであって、認証結果により特定されるユーザの情報である。
【0166】
例えば、
図16で示した例において、航空会社Aが情報提供サーバ310Aを有し、航空会社AにサービスID「G1」が割り当てられる場合を想定する。情報提供サーバ310Aは、サービスID「G1」を記憶しており、ユーザU1が航空会社Aにユーザ登録したときには、情報提供サーバ310AのDB313に、ユーザU1の個人情報及び航空会社Aが提供するサービスが登録される。ユーザU1の個人情報の詳細については、上述のとおりである。このとき、情報提供サーバ310Aは、認証装置320に、ユーザU1のユーザID「U1」と、サービスID「G1」を送信する。
【0167】
認証装置320の登録部322は、送信されたユーザID「U1」が、DB323に既に特徴情報と関連付けられて登録されているか否かを判定する。登録されている場合には、ユーザID「U1」とサービスID「G1」を用いて、新規のサービスユーザID「H1」を生成し、サービスユーザID「H1」を、サービスID「G1」とともに、ユーザID「U1」、特徴情報「FV1」と関連付けてDB323に登録する。
【0168】
その後、認証装置320は、サービスユーザID「H1」とユーザID「U1」を、情報提供サーバ310Aに送信する。情報提供サーバ310Aの登録部312は、ユーザID「U1」に関連付けられてDB313に登録された情報に、サービスユーザID「H1」をさらに関連付けて登録する。
【0169】
そして、
図19に示した認証処理を行うときには、ステップS313において、情報提供サーバ310Aは、TP300Xから取得したユーザU1の顔画像と、サービスID「G1」を含む認証要求を、認証装置320に送信する。認証装置320は、ステップS314において、サービスID「G1」と、顔画像から生成した特徴情報「FV1」を用いて、DB323を参照し、サービスID「G1」と特徴情報「FV1」に関連付けられたサービスユーザID「H1」を特定する。認証装置320は、ステップS315において、ユーザIDではなく、特定したサービスユーザID「H1」を、情報提供サーバ310Aに送信する。
【0170】
情報提供サーバ310Aの認証情報処理部314は、ステップS316において、サービスユーザID「H1」を用いてDB313を参照し、サービスユーザID「H1」に関連付けられた個人情報を特定する。以下、企業特定部315、サービス抽出部316が実行する処理は、上述と同様であるため、説明を省略する。
【0171】
以上のように、サービスIDと、サービスユーザIDを認証システムS3に導入する場合には、認証がなされた場合に、サービスユーザIDが認証装置320から情報提供サーバ310に送信される。このサービスユーザIDは、認証システムS3でのみ用いられ、ユーザと直接紐づけられた情報ではない。そのため、よりユーザのプライバシーが保たれた認証システムS3を提供することができる。
【0172】
また、認証システムS3において、複数のサービス提供者が、1又は複数台のTP又は情報提供サーバを共有していても良い。例えば、1台の情報提供サーバが、所定の地域のTPを管理し、所定の地域に設けられたTPは、その地域を管理する情報提供サーバとの間で通信をすることで、情報提供サーバからサービス情報の提供を受けることができる。
【0173】
また、実施の形態3においては、実施の形態2に記載した変形例を、適宜適用することができる。
【0174】
以降の実施の形態では、実施の形態2、3においてなされたサービス情報の提供について、より具体的な例を説明する。以降の説明においては、便宜上、実施の形態2を参照した説明を行うが、実施の形態3でも、以降の説明と同様の処理を実現することができる。また、以降の実施の形態に記載した技術的特徴は、適宜組み合わせられることは言うまでもない。
【0175】
実施の形態4
実施の形態2において、DB213に記憶される移動手段、宿泊施設等の企業のサービスとして、生体認証(例えば顔認証)が用いられるサービスが記憶されても良い。例えば、
図4に示す例において、飛行機Aの搭乗手続きや、ホテルB1でのチェックイン手続きが生体認証により可能であっても良い。
【0176】
このように、企業に関連する生体認証が用いられるサービスが登録され、ユーザの問い合わせによってTP200の表示部204に表示されることで、ユーザは、より自身にとって簡便なサービスを知り、使う機会を多く得られる。また、サービスを提供する企業にとっても、ユーザの利用頻度を増すことができると考えられる。
【0177】
実施の形態5
移動手段、宿泊施設等の企業のサービスとして、企業が割引で提供するサービス、又は企業がユーザに対して特典を付与するサービスの少なくともいずれかが、DB213に記憶されても良い。割引は、例えば、サービスを提供する会社又はその会社と業務提携している会社が提供するクレジットカード支払いにより、受けられるものであっても良い。特典は、景品や、支払いによって付与されるポイントが含まれる。ポイントは、蓄積されることにより、ユーザが何らかのギフトを受けられるものをいい、例えば、航空会社のマイル等が含まれる。
【0178】
例えば、
図9において、ユーザが航空会社Aの飛行機A及びレジャー施設A1を利用した場合に、航空会社Aがそれぞれのサービス利用にポイントを付与しても良い。また、ユーザが鉄道会社Bの鉄道B及びホテルB1を利用した場合に、鉄道会社Bがそれぞれのサービス利用にポイントを付与しても良い。航空会社A、鉄道会社Bは、提案する特典が異なっていても良い。
【0179】
DB213は、サービス及びそのサービスの割引又はポイントの少なくともいずれかの情報を、関連付けて記憶する。サービス抽出部216は、抽出したサービス及びそれに関連付けて記憶された割引、ポイントの情報を、TP200に送信する。TP200のサービス提供部207は、取得したサービスの情報だけでなく、そのサービスの割引、ポイントの情報を、表示部204に表示させる。これにより、ユーザは、サービスの割引、ポイントの情報を知ることができる。
【0180】
なお、サービス又は会社の割引、ポイントの値は、DB213に登録されていなくても良く、他の装置から取得しても良い。例えば、各サービスを提供する企業のサーバに、サービスの割引、ポイントの値が記憶されていても良い。その場合、サービス抽出部216は、(1-2)、(2-2)に示した方法と同様に、企業のサーバに対して問い合わせをし、割引、ポイントの情報を取得しても良い。なお、企業のサーバに、各サービスの割引、ポイントの値だけでなくサービスの情報も記憶されていても良い。この場合、サービス抽出部216は、そのサーバからサービスの情報を取得することができる。
【0181】
また、実施の形態2において、サービス抽出部216が複数の企業のサービスを抽出した場合に、その複数の企業のサービス間における表示の優先順位を決めることができる。この優先順位を決定するための要素として、割引、ポイント等を用いても良い。
【0182】
例えば、DB213に
図7、8に示したテーブルが登録されており、ユーザU3が、
図4におけるTP200Xで生体認証をした場合を想定する。なお、このTP200Xは、航空会社A、鉄道会社Bといった、DB213に登録された企業とは別の事業者(サードパーティー)により運営されている。
【0183】
ここで、
図7、8に示すとおり、ユーザU3は航空会社A及び鉄道会社Bの登録ユーザである。したがって、サービス抽出部216は、移動手段のサービスとして、航空会社Aの「飛行機A」、鉄道会社Bの「鉄道B」を抽出する。なお、この例では、サービス抽出部216は、「飛行機A」、「鉄道B」のサービスのみを抽出し、「飛行機A」、「鉄道B」間の優先順位を決定する場合を想定する。
【0184】
サービス抽出部216は、「飛行機A」及び「鉄道B」のそれぞれの割引又はポイントを用いて、「飛行機A」及び「鉄道B」間の優先順位を決定することができる。割引に関しては、例えば、割引となる金額、又は原価の運賃からの割引率のいずれかが大きい順に、サービスの優先順位を設定しても良い。また、ポイントに関しては、ポイント自体の値、又はポイントを金額に換算した値のいずれかが大きい順に、サービスの優先順位を設定しても良い。
【0185】
例えば、「飛行機A」を利用した場合の割引価格が5000円、「鉄道B」を利用した場合の割引価格が1000円である場合に、サービス抽出部216は、「飛行機A」を「鉄道B」よりも優先順位を高く設定しても良い。別の例として、「飛行機A」を利用した場合に蓄積するポイントが1000ポイント、「鉄道B」を利用した場合に蓄積するポイントが2000ポイントである場合に、サービス抽出部216は、「鉄道B」を「飛行機A」よりも、優先順位を高く設定しても良い。
【0186】
サービス抽出部216が、施設のサービスとして、航空会社Aの「レジャー施設A1又はA2」、鉄道会社Bの「ホテルB1又はB2」を抽出した場合にも、サービス抽出部216は、上述と同様の優先順位をつけることができる。
【0187】
さらに、サービス抽出部216は、航空会社Aについて、「飛行機A」を用いて「レジャー施設A2」に行くという複数のサービス情報を抽出し、鉄道会社Bについて、「鉄道B」を用いて「ホテルB2」に行くという複数のサービス情報を抽出しても良い。この場合、サービス抽出部216は、航空会社Aについて、「飛行機A」と「レジャー施設A2」のそれぞれのサービスにおけるポイント又は割引を加算したものを算出する。また、サービス抽出部216は、鉄道会社Bについて、「鉄道B」と「ホテルB2」のそれぞれのサービスにおけるポイント又は割引を加算したものを算出し、この算出値と、航空会社Aにおける算出値とを比較する。ポイント同士を比較する詳細な方法については、上述のとおりである。サービス抽出部216は、比較した結果、算出値が高い方の企業について、優先順位を高く設定する。
【0188】
サービス抽出部216は、以上のようにして優先順位を高く設定したサービスが、TP200の表示部204で優先されて表示されるよう、優先順位を設定する。
【0189】
さらに、各企業は、企業に対応するサービスについて、ユーザの獲得ポイントに応じたギフトを設定しても良い。サービス抽出部216は、複数の企業のサービスを抽出した場合に、ある企業のサービスを利用することによりユーザが何らかの特典を獲得可能なサービスがあれば、その企業のサービスの優先順位を、他の企業のサービスよりも高くしても良い。
【0190】
ギフトの情報は、上述のとおり、サービスの割引、ポイントの値の情報と同様、DB213、又は、情報提供サーバ210とは別の記憶装置に記憶される。また、ユーザの獲得ポイントの情報も、ユーザの情報の一部として、DB213、又は、情報提供サーバ210とは別の記憶装置(例えば、企業のサーバ)に記憶される。サービス抽出部216は、取得した情報に基づいて、ユーザのこれまでの獲得ポイントと、企業のサービスを受けた場合に獲得するポイントの合計が、ギフトを受けられるポイントに到達しているか否かを判定することができる。
【0191】
以下、優先順位が設定されたサービスのTP200における具体的な表示方法について説明する。サービス提供部207は、情報提供サーバ210から受信したサービス情報が、表示の優先順位が設定された複数のサービス情報である場合に、表示部204に対し、その優先順位に従った表示をするように制御する。
【0192】
具体例として、サービス抽出部216が、「飛行機A」を用いて「レジャー施設A2」に行くという航空会社Aのサービス情報を、「鉄道B」を用いて「ホテルB2」に行くという鉄道会社Bのサービス情報よりも優先順位を高く設定した場合を仮定する。サービス提供部207は、例えば航空会社Aのサービス情報を表示部204の上部に表示し、鉄道会社Bのサービス情報を表示部204の下部に表示することで、優先順位に従った表示をすることができる。また、航空会社Aのサービス情報を「ご提案1」として表示し、鉄道会社Bのサービス情報を「ご提案2」として表示することで、推薦順位を表示しても良い。
【0193】
その他のバリエーションとして、航空会社Aのサービス情報を表示部204の中央に表示させ、鉄道会社Bのサービス情報の全部又は一部を、航空会社Aのサービス情報よりも小さく、表示部204の上下左右のいずれかの端部に表示させても良い。この場合、ユーザU1が操作部202を操作することにより、鉄道会社Bのサービス情報を画面中央に大きく表示させることができる。例えば、操作部202がタッチディスプレイである場合、鉄道会社Bのサービス情報が表示されている箇所をユーザがタッチすることで、鉄道会社Bのサービス情報を画面中央に大きく表示させる。
【0194】
また、最初の表示においては、航空会社Aのサービス情報のみを表示部204に表示させても良い。ユーザが操作部202を操作する(例えば、次頁の表示をさせるよう、ボタン又はタッチディスプレイを操作する)ことで、鉄道会社Bのサービス情報が表示部204に表示される。
【0195】
以上のようにして、サービス提供部207は、航空会社Aのサービス情報を、鉄道会社Bのサービス情報よりも優先的にTP200に提示(推薦)するような処理をする。このような処理がなされることで、ユーザは、自身にとってより利益を得られるサービスを知り、使う機会を多く得られる。また、サービスを提供する企業にとっても、ユーザの利用頻度を増すことができると考えられる。
【0196】
実施の形態6
実施の形態2において、TP200Xがサービス情報を表示した場合に、ユーザがサービスの予約を申し込み可能であっても良い。
【0197】
図24は、実施の形態6における情報提供システムS4の概要を示した図である。地域1には、航空会社Aの経営するホテルA1及び鉄道会社Bの経営するホテルB1が設けられている。地域2には、航空会社Aの運営するレジャー施設A2及び鉄道会社Bの経営するレジャー施設B2が設けられている。TP200Xは、ホテルA1及びホテルA2に設けられ、TP200Yは、レジャー施設A2及びレジャー施設B2に設けられる。
【0198】
なお、
図24におけるTP200X、200Y及び情報提供サーバ210の構成及び実行する処理は、以下に説明する事項を除き、実施の形態2に記載したTP200X、200Y及び情報提供サーバ210の構成及び実行する処理と同様である。
【0199】
図24における情報提供サーバ210は、航空会社A又は鉄道会社Bのサーバと接続されており、情報提供サーバ210からの要求に応じて、飛行機A又は鉄道Bのチケットの予約又は予約手続きが可能である。
【0200】
図25は、
図9に記載したテーブルに代えて、情報提供サーバ210のDB3に登録された情報を示したテーブルである。DB3には、航空会社Aの提供するサービスである飛行機A、レジャー施設A2及びホテルA1の情報が、それぞれ移動手段、レジャー施設及び宿泊施設のサービスとして記憶されている。さらに、DB3には、鉄道会社Bの提供するサービスである鉄道B、レジャー施設B2及びホテルB1の情報が、それぞれ移動手段、レジャー施設及び宿泊施設のサービスとして記憶されている。
【0201】
また、DB3には、レジャー施設A2及びホテルA1、レジャー施設B2及びホテルB1について、TP200X又はTP200Yを用いて、顔認証によるサービスを受けられることも記憶されている。
【0202】
図24において、ユーザU1が、ホテルA1のフロントに設けられたTP200Xを用いて生体認証によるチェックアウト手続きを実行する場合を想定する。このとき、TP200Xは、ユーザU1の顔の特徴情報FV1を含めた問い合わせを情報提供サーバ210に送信する。情報提供サーバ210のサービス抽出部216は、実施の形態2に記載の処理を実行することで、「飛行機Aを用いて、レジャー施設A2に行く」というサービス情報を生成する。このサービス情報には、施設A2が顔認証を用いたサービスであることも含まれる。
【0203】
このとき、サービス抽出部216は、航空会社Aのサーバに、飛行機Aのチケットが予約可能であるか(すなわち、飛行機Aに空席があるか)の問い合わせをする。航空会社Aのサーバは、チケットが予約可能又は不可能である旨を、情報提供サーバ210に送信する。
【0204】
サービス抽出部216は、チケットが予約可能である場合に、「飛行機Aを用いて、レジャー施設A2に行く」というサービス情報とともに、ユーザU1に対して飛行機Aの予約を問い合わせるための情報を生成し、TP200Xに送信する。TP200Xは、送信されたサービス情報を、表示部204に表示する。
【0205】
図26は、TP200Xでの表示部204の表示例である。
図13での表示例と異なる点は、施設A2が顔認証を用いたサービスであることが明示されている点と、飛行機Aの予約を問い合わせるための表示として「OK」及び「NG」が表示されている点である。
【0206】
例えば、表示部204と操作部202がタッチパネルとして一体化されている場合に、ユーザU1が「OK」を選択し、飛行機Aを予約することを選択したとする。この場合、ユーザU1が飛行機Aを予約する旨を示す情報が、情報提供サーバ210に送信される。
【0207】
情報提供サーバ210は、受信した情報に基づき、記憶されているユーザU1のIDを用いて、航空会社Aのサーバに対し、チケット予約の手続きの実行要求を、ユーザU1のユーザIDを含めて行う。航空会社Aのサーバは、要求に応じて、ユーザU1に対し、飛行機Aの空席を予約する処理を実行する。予約処理が完了後、サーバは、予約情報(例えば、飛行機Aの出発時刻、到着時刻、席の番号、空港の搭乗口、料金等が含まれた情報)を、情報提供サーバ210に送信する。情報提供サーバ210は、予約情報をTP200Xに送信し、表示部204は、その予約情報を表示する。このようにして、ユーザU1は、飛行機Aをすぐに予約することができるため、利便性の良いサービスをTP200Xで提供することができる。
【0208】
なお、ユーザU1が「OK」を選択した場合に、情報提供サーバ210は、航空会社Aのサーバに接続し、飛行機Aの予約サービスのURL(Uniform Resource Locator)に接続しても良い。これにより、TP200Xが飛行機Aの予約サービス画面を表示部204に表示するため、ユーザは、予約サービス画面から、飛行機Aの予約手続きをすることができる。なお、情報提供サーバ210が、ユーザU1のユーザID、又は氏名の少なくともいずれかを含む個人情報を、航空会社Aのサーバに送信しても良い。航空会社Aのサーバ側では、送信された個人情報を、表示部204における飛行機Aの予約サービス画面において表示させることで、ユーザU1が予約手続きにおいて個人情報を入力する手間を省略させることができる。
【0209】
図27は、TP200Xでの表示部204の別の表示例である。この表示例は、
図24において、ユーザU2が、ホテルB1のフロントに設けられたTP200Xを用いて生体認証によるチェックアウト手続きを実行する場合に、TP200Xに表示される画面を示している。
図27に示す画面では、「鉄道Bを用いて、レジャー施設B2に行く」というサービス情報とともに、鉄道Bの予約を問い合わせるための表示として「OK」及び「NG」が表示されている。ユーザU2が「OK」を選択することにより、鉄道会社Bのサーバによって、ユーザU2は、鉄道Bの予約又は予約手続きが可能である。
【0210】
なお、
図26、27記載の例において、「OK」が選択された場合に、飛行機A又は鉄道Bの予約に関する処理に代えて、又はその処理と併せて、ユーザがレジャー施設A2又はレジャー施設B2の事前予約又は事前予約手続きを可能とするようにしても良い。レジャー施設でなく、宿泊施設等の他の施設についても、同様の処理を行うことができる。このような場合、サービス抽出部216は、各企業のサーバに、施設が予約可能であるか(例えば、ホテルの空室があるか)の問い合わせをし、企業のサーバは、予約可能又は不可能である旨を、情報提供サーバ210に送信する。その他の点については、飛行機A又は鉄道Bの予約についての処理と同様であるため、説明を省略する。
【0211】
なお、航空会社A及び鉄道会社Bの両方の登録ユーザであるユーザU3が生体認証によるチェックアウト手続きを実行した場合、TP200Xには、
図26、27のどちらの画面も表示させることができる。ここで、航空会社A、鉄道会社Bのいずれのサービス情報を優先して表示させるかは、実施の形態5に記載のとおりである。例えば、航空会社Aのサービス情報を優先して表示する場合には、
図26に図示の画面が表示部204に表示される。この画面において、ユーザU3が「NG」を操作部202で選択した場合に、サービス提供部207は、
図27の画面(鉄道会社Bのサービス情報)を表示させても良い。
【0212】
実施の形態7
(7-1)
実施の形態2において、情報提供サーバ210のサービス抽出部216は、各企業がサービスを運営する地域の地名を、サービス情報として提案しても良い。例えば、企業が単一地域で複数のサービスを運営する場合に、その地域がサービス情報として提案されても良い。なお、この実施形態において情報提供サーバ210の構成及び実行する処理は、以下に説明する事項を除き、実施の形態2に記載した情報提供サーバ210の構成及び実行する処理と同様である。
【0213】
図28は、情報提供サーバ210のDB3に記憶されている、航空会社A及び鉄道会社Bの各々がサービス(事業)を提供する地域を示すテーブルである。航空会社Aは、地域A及びCでサービスを提供し、鉄道会社Bは、地域B及びDでサービスを提供している。このように、各企業及び各企業がサービスを提供する地域が、関連付けて記憶されている。
【0214】
また、
図28の情報には、地域間の移動に関する詳細な情報として、地域Aと地域C間の移動距離、移動時間と、地域Bと地域D間の移動距離、移動時間が関連付けて記憶される。
【0215】
さらに、航空会社A、鉄道会社Bともに、それぞれ地域A、C及び地域B、Dで重点的に事業を展開していることから、各企業は、地域Aと地域C間の移動、地域Bと地域D間の移動に、それぞれポイントを付与しても良い。ポイントは、上述の地域間の移動に関する詳細な情報として記憶される。
【0216】
なお、ユーザが各地域におけるTP200で生体認証を実行することにより、情報提供サーバ210は、ユーザの各TP200での生体認証の履歴を参照することで、ユーザが2つの地域を移動したことを把握する。情報提供サーバ210は、ユーザが2つの地域を移動したと判断した場合に、情報提供サーバ210又は他の装置に格納された、ユーザの獲得ポイントに、新たな獲得ポイントを加算する処理を実行する。
【0217】
図29は、航空会社Aが地域Cで提供するサービスの詳細な情報の具体例であり、DB3に記憶されている。「施設A」には、「温水プール 観覧車有」の詳細な説明及びその地図上の位置「位置L1」が関連付けられている。「ホテルA」には、「3ツ星ホテル 温泉有」の詳細な説明及びその地図上の位置「位置H1」が関連付けられている。「レストランA」には、「フレンチ 17時~21時」の詳細な説明及びその地図上の位置「位置R1」が関連付けられている。「カフェA」には、「100席 10時~20時」の詳細な説明及びその地図上の位置「位置C1」が関連付けられている。
【0218】
一例として、ユーザU1が地域Aに設けられたTP200において、生体認証を受ける場合を想定する。TP200は、生体認証を実行するときに、サービス情報の問い合わせを情報提供サーバ210に送信する。情報提供サーバ210のサービス抽出部216は、問い合わせに応じて、航空会社Aがサービスを提供する地域Cの情報を抽出する。さらに、サービス抽出部216は、地域Cと関連付けられた、
図29に記載の、航空会社Aが地域Cで提供するサービスの詳細な情報を抽出する。認証部214は、抽出したこれらの情報と、ユーザU1の個人情報であるユーザID、氏名をTP200に送信し、TP200のサービス提供部207は、表示部204にこれらの情報を表示させる。
【0219】
図30は、表示部204の表示画面の一例である。表示画面では、地域Aから地域Cへの移動の提案のほか、詳細な情報として、地域Cへの移動距離、移動時間及び移動によって航空会社Aから付与されるポイント数が表示される。また、ユーザU1の顔認証が成功したことや、ユーザU1の個人情報も表示されている。
【0220】
さらに、サービス提供部207は、表示部204の表示画面に、ユーザU1が地域Cの詳細な情報を見るための表示として、「OK」及び「NG」が表示されている。ユーザU1が「OK」を選択した場合、
図31に示されるように、地域Cの地図及び「施設A」、「ホテルA」、「レストランA」、「カフェA」の地図上の位置が表示される。また、表示部204には、情報提供サーバ210から取得したユーザID「U1」や、ユーザU2の氏名「N1」も表示されている。
【0221】
また、表示部204の表示方法は、地図を用いたものでなくても良い。
図32に示すように、表示部204は、施設一覧として、「施設A」、「ホテルA」、「レストランA」、「カフェA」のアイコンと文字説明を一覧で表示するようにしても良い。さらにいえば、ユーザがTP200の操作部202を操作することで、
図31の表示と
図32の表示とが切り替えられるように制御されても良い。
【0222】
また、ユーザは、操作部202を操作することで、
図33に示した詳細な説明を表示することができる。例えば操作部202がタッチディスプレイであり、ユーザが
図31において施設Aをタッチした場合に、TP200のサービス提供部207は、操作を検出して、「施設A」の詳細な説明である「温水プール 観覧車有」を、
図33のように表示させる。これにより、ユーザは、関心がある施設の詳細な情報を知ることができる。
【0223】
以上のようにして、航空会社Aは、自社がサービスを提供する地域C及びそのサービスの詳細情報を知らせることができる。なお、ユーザU1が、地域A~Dのいずれでもない地域Xに設けられたTP200において、生体認証を受ける場合も考えられる。この場合に、情報提供サーバ210のサービス抽出部216は、航空会社Aがサービスを提供する地域A及びそのサービスの詳細情報、又は地域C及びそのサービスの詳細情報の少なくともいずれかを抽出することができる。TP200は、抽出されたその情報を表示することができる。
【0224】
仮に、サービス抽出部216が、航空会社Aがサービスを提供する地域A及びそのサービスの詳細情報と、地域C及びそのサービスの詳細情報の両方を抽出した場合には、サービス抽出部216は、地域Xから地域A、Cへの移動距離又は移動時間のうち、少なくともいずれかが少ない方の優先順位を高くしても良い。又は、地域Xから地域Aに移動することで獲得する獲得ポイント及び地域Xから地域Cに移動することで獲得する獲得ポイントのうち、獲得ポイントが高い方の優先順位を高くしても良い。上述のとおり、優先順位が高い方が、TP200の表示部204において優先的に表示される。なお、地域Xから地域A、Cへの移動距離、移動時間及び獲得ポイントについては、情報提供サーバ210のDB3等に格納することができる。
【0225】
(7-2)
また、実施の形態7においては、ユーザの特性に基づいて、ユーザに提案する地域を決定することができる。例えば、情報提供サーバ210のDB3に、各ユーザの特性情報が、ユーザの他の情報と関連付けて記憶されていても良い。ユーザの特性情報は、例えば、ユーザの年齢、性別、職業、家族構成、趣味、住所等のうち少なくともいずれかを含む事前登録される属性情報、行動履歴、現時点でユーザが興味を有する情報、の少なくともいずれかを含む情報である。また、ユーザの出身国、及びその出身国の人の統計データ(例えば、属性情報、行動履歴、ユーザが興味を有する情報の少なくともいずれかに関するもの)が格納されても良い。
【0226】
例えば、サービス抽出部216が、ユーザU1に提案するサービスとして、航空会社Aがサービスを提供する地域A及びそのサービスの詳細情報と、地域C及びそのサービスの詳細情報の両方を抽出した場合を想定する。ここで、地域Aにはレジャー施設がなく、地域Cには、上述のとおり、レジャー施設Aが設けられている。このとき、サービス抽出部216は、ユーザU1の特性情報に基づいて、ユーザU1に提案する地域を選択する。
【0227】
例えば、サービス抽出部216は、家族構成から、ユーザU1が小さい子供を連れているため、レジャー施設を好む可能性が高いと判断することができる。サービス抽出部216は、ユーザU1の趣味、又はレジャー施設に頻繁に行くという行動履歴から、レジャー施設を好む可能性が高いと判断しても良い。さらに、サービス抽出部216は、ユーザU1の出身国の人がレジャー施設を好むという統計データに基づいて、同様の判断をしても良い。
【0228】
以上の判断結果に基づいて、サービス抽出部216は、レジャー施設が存在する地域C及びそのサービスの詳細情報が、よりユーザU1の好みに合うと判断して、地域A及びそのサービスの詳細情報よりも、優先順位を高くする。以上のように優先順位が設定されたサービス情報は、上述に記載の方法で、TP200の表示部204に表示される。
【0229】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、各実施形態の認証システムは、顔認証に限られず、指紋や虹彩といった、その他の情報を用いた生体認証を実行しても良い。
【0230】
サービス情報の認証端末(具体的にはTP200又は300)における報知は、画面表示以外にも、音声による通知等、他の形態による報知であっても良い。あるいは、画面表示と音声による通知を組み合わせる等、複数の形態による報知がなされても良い。
【0231】
例えば、実施の形態2の例において、TP200にスピーカがさらに備えられても良い。TP200が航空会社Aのサービス情報を音声により通知する場合には、サービス提供部207の制御により、スピーカが、航空会社Aのサービス情報を報知する。
【0232】
また、TP200が航空会社Aのサービス情報及び鉄道会社Bのサービス情報を音声により通知する場合には、サービス提供部207の制御により、スピーカが、航空会社Aのサービス情報及び鉄道会社Bのサービス情報を出力する。この場合、例えば、サービス提供部207は、航空会社Aのサービス情報を鉄道会社Bのサービス情報よりも時間的に先に報知することで、前者の情報を後者の情報と比較して優先的に報知させることができる。
【0233】
さらに、実施の形態2において、移動手段又は宿泊施設の予約状況を表示部204に表示させても良い。例えば、サービス抽出部216は、問い合わせに対応するサービスを抽出した後、通信部211を介して、抽出したサービスを提供する各企業(例えば航空会社Aや鉄道会社B)のサーバにアクセスすることで、当該サービスの予約状況を取得する。例えば、飛行機Aのフライトが複数便あるような場合には、航空会社Aのサーバから各便の予約状況を取得しても良い。予約状況は、例えば、空席が十分にある「空席有り」、空席が残り少ない「残り〇席」、空席がない「満席」等で表される。また、宿泊施設の予約状況は、例えば、空室が十分にある「空室有り」、空室が残り少ない「残り〇室」、空室がない「満室」等で表される。
【0234】
認証部214は、サービス抽出部216が抽出したサービス情報と、企業のサーバから取得したサービスの予約状況を併せてTP200に通知する。TP200のサービス提供部207は、その情報に基づいて、サービス情報とサービスの予約状況を併せて表示部204に表示させる。ここで、予約状況が、空席が残り少ない「残り〇席」である場合には、サービス提供部207は、ユーザに注意を促すために、赤等の目立つ色で予約状況又はそのフライト情報を表示しても良い。また、空席がない「満席」である場合には、ユーザが予約できないことを示すために、薄い色で予約状況又はそのフライト情報を表示しても良いし、予約できないフライト情報を表示しないように制御しても良い。
【0235】
また、TP200において、上述の優先順位決定手法により、飛行機Aが鉄道Bより優先して表示される場合でも、特別な状況においては、鉄道Bが飛行機Aよりも優先して表示されても良い。例えば、地域1から地域2への移動手段として、移動日における飛行機Aのフライトが全て満席であって、鉄道Bの予約状況に空きがある(例えば「空席有り」又は「残り〇席」である)場合には、鉄道Bを優先的に表示させても良い。また、移動日において、フライトに空きがある飛行機Aが存在するものの、その地域2への到着時刻が、鉄道Bの地域2への到着時刻よりも所定時間以上遅い場合には、鉄道Bを優先的に表示させても良い。
【0236】
同様に、宿泊施設情報の表示において、本来、ホテルAがホテルBより優先して表示される場合でも、ホテルAが満室であり、ホテルBの予約状況に空きがある(例えば「空室有り」又は「残り〇室」である)場合には、ホテルBを優先的に表示させても良い。
【0237】
また、TP200には、上述のとおり、チケットの予約又は発券の機能を持たせることができる。その場合には、表示された飛行機Aや鉄道Bの情報を操作部202で選択することで、TP200は、通信部203を介して、各企業のサーバにアクセスし、チケットを予約又は発券しても良い。また、TP200にカードリーダを設けることで、クレジットカード等の決済機能を持たせることで、チケットを決済しても良い。なお、ユーザの個人情報を取得するために、TP200にカードリーダを設けても良い。
【0238】
さらに、DB213に、ユーザの個人情報として、ユーザが所有するスマートフォン等の携帯端末のメールアドレスが登録されていても良い。この情報は、
図9のステップS214において、情報提供サーバ210からTP200に送信される。そして、TP200において上述のチケットの予約、発券又は決済処理がなされた場合に、チケットの処理がなされたことを示す情報を、TP200からネットワークNを介して携帯端末のメールアドレスに送信されても良い。
【0239】
また、実施の形態2において、TP200は、顔認証及びサービス情報の表示のみならず、別の用途にも用いられることができる。例えば、TP200は、上述の目的以外に、施設入場又は退場の場所に設けられたゲートの開閉制御を行う端末であっても良い。より具体的には、
図4の例において、TP200が空港APに設けられている場合に、TP200は、搭乗ゲートの入り口に設けることができる。
【0240】
この場合、TP200は、顔認証を実行する情報提供サーバ210、又はこれとは別の制御サーバに対し、顔認証に係る情報を送信し、当該サーバから顔認証の結果を受信する。サービス提供部207は、結果が認証成功であれば、顔認証の対象となったユーザの入場又は退場を許可し、ゲートを開ける。一方、結果が認証失敗であれば、顔認証の対象となったユーザの入場又は退場を許可せず、ゲートを閉めたままにする。この場合、ユーザは、TP200に対し、ゲートを開くために個人情報を入力する必要がなく、また、TP200は個人情報を記憶する必要がない。
【0241】
別の例として、
図4の例において、TP200がホテルB1に設けられている場合に、TP200は、上述の目的以外に、ホテルのチェックインを行う端末であっても良い。この場合も、TP200のサービス提供部207は、受信した顔認証の結果に基づいて、チェックインの許可又は不許可を判断することができる。サービス提供部207は、判断に基づいて、表示部204に対してその情報を表示させる。また、TP200は、操作部202から取得した個人情報を使って、チェックイン処理等を行うことも可能である。
【0242】
実施の形態で示したとおり、企業は、自社のサービスだけでなく、業務提携をしている他の企業のサービスについても、自社の企業IDと関連付けてDB上に登録させることにより、他の企業のサービス情報をユーザに提供することができる。ただし、業務提携が終了した等の理由により、他の企業のサービス情報と自社の企業IDとの関連付けを解除しても良い。
【0243】
実施の形態4、実施の形態7においては、サービス抽出部216が複数の企業のサービスを抽出した場合、又は同じ企業のサービスを複数抽出した場合に、その複数のサービス間における表示の優先順位を決める方法を説明した。しかしながら、これらの方法以外にも、優先順位を決定するバリエーションが考えられる。
【0244】
例として、サービス抽出部216が、航空会社Aについて、「レジャー施設A2」に行くというサービス情報を抽出し、鉄道会社Bについて、「ホテルB2」に行くというサービス情報を抽出する場合を想定する。ここで、サービス抽出部216は、情報提供サーバ210の時計機能等に基づいて、現在時刻を判定し、現在時刻が所定の時間帯にあるか否かで、優先順位を決定する。
【0245】
例えば、現在時刻が午前6時~午後3時の時間帯(概略、朝~昼にかけての第1の時間帯)にある場合には、ユーザが活動可能な時間帯であると判断できる。この場合、サービス抽出部216は、「レジャー施設A2」に行くというサービス情報の優先順位を、「ホテルB2」に行くというサービス情報の優先順位よりも高くする。逆に、現在時刻がそれ以外の時間帯(概略、夕方~夜にかけての第2の時間帯)にある場合には、ユーザの活動が抑えられる時間帯であると判断できる。この場合、サービス抽出部216は、「ホテルB2」に行くというサービス情報の優先順位を、「レジャー施設A2」に行くというサービス情報の優先順位よりも高くする。このようにして、サービス抽出部216は、人間の特性に応じた優先順位を設定することで、よりユーザのニーズに合ったサービス情報の提案をすることができる。
【0246】
また、複数のサービス情報を抽出した場合、サービス抽出部216は、それぞれのサービスが提供される施設又は地域と、現在ユーザがいる地域(TP200が設置された地域)との距離を判定しても良い。この距離情報は、例えばDB213に格納されている。現在時刻が上記第1の時間帯にある場合には、サービス抽出部216は、サービスが提供される施設又は地域が遠い方を、サービスが提供される施設又は地域が近い方と比較して、優先順位を高く設定する。逆に、現在時刻が上記第2の時間帯にある場合には、サービス抽出部216は、サービスが提供される施設又は地域が近い方を、サービスが提供される施設又は地域が遠い方と比較して、優先順位を高く設定する。このようにしても、よりユーザのニーズに合ったサービス情報の提案をすることができる。
【0247】
なお、上記第1の時間帯及び第2の時間帯は、特定の時期又は季節に応じて、適宜変更可能である。
【0248】
情報提供サーバ210は、適宜各企業のサーバ等と通信することで、DB213に格納されたサービス情報を更新しても良い。
【0249】
以上に示したTP200におけるサービス情報の表示(報知)は、TP200ではない端末(例えば、ユーザUの所有するスマートフォン等の端末)になされても良い。実施の形態1に記載のとおり、この端末は、生体情報を取得可能である必要はない。なお、サービス情報の宛先となる端末の情報は、例えばユーザの情報として情報提供装置又は他の装置に格納されており、情報提供装置100は、その情報を用いて、サービス情報を端末に送信することができる。
【0250】
以上に示した実施の形態では、この開示をハードウェアの構成として説明したが、この開示は、これに限定されるものではない。この開示は、上述の実施形態において説明された、情報提供サーバ(情報提供装置)、各種端末、認証装置の処理を、コンピュータ内のプロセッサにコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。例えば、情報提供サーバ(情報提供装置)であれば、
図2、10、12のフローチャートに示された処理を、情報提供方法の処理として実現しても良い。
【0251】
図34は、以上に示した各実施の形態の処理が実行される情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図34を参照すると、この情報処理装置10は、通信回路11、プロセッサ12及びメモリ13を含む。
【0252】
通信回路11は、プロセッサ12の制御に応じて、他の端末又は装置と通信を実行するための回路である。プロセッサ12は、メモリ13からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、上述の実施形態において説明された装置の処理を行う。プロセッサ12の一例として、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、DSP(Demand-Side Platform)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)のうち一つを用いてもよいし、複数を並列で用いてもよい。
【0253】
メモリ13は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ13は、プロセッサ12から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ12は、図示されていないI/O(Input / Output)インタフェースを介してメモリ13にアクセスしてもよい。
【0254】
図34の例では、メモリ13は、ソフトウェアモジュール群を格納するために使用される。プロセッサ12は、これらのソフトウェアモジュール群をメモリ13から読み出して実行することで、上述の実施形態において説明された処理を行うことができる。
【0255】
以上に説明したように、上述の実施形態における各装置が有する1又は複数のプロセッサは、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行する。この処理により、各実施の形態に記載された処理が実現できる。
【0256】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0257】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
1以上の企業で構成された企業群に対して、1以上のサービスが関連付けられて記憶される記憶手段と、
複数の人物の生体情報と、認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いた生体認証の認証結果に基づいて、前記認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた前記企業群を特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した前記企業群と関連付けられて前記記憶手段に記憶されたサービスの情報を端末に出力するサービス情報出力手段と、を備える、
情報提供装置。
(付記2)
前記記憶手段は、前記企業群に対して、前記企業群を構成する企業が割引で提供するサービス、又は前記企業群を構成する企業がユーザに対して特典を付与するサービスのうち少なくとも1つを関連付けて記憶する、
付記1に記載の情報提供装置。
(付記3)
前記記憶手段は、前記企業群に対して、前記企業群を構成する企業がサービスを提供する地名を、前記サービスとして関連付けて記憶する、
付記1又は2に記載の情報提供装置。
(付記4)
前記情報提供装置は、前記認証端末が属する企業群を示す端末識別情報を前記認証端末から受信する受信手段をさらに備え、
前記記憶手段は、複数の前記企業群に対して、1以上のサービスが関連付けられて記憶され、
前記特定手段は、前記認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた前記企業群であって、かつ、前記受信手段が受信した前記端末識別情報が示す企業群を特定する、
付記1乃至3のいずれか1項に記載の情報提供装置。
(付記5)
前記記憶手段は、前記企業群に対して、前記企業群を構成する企業が提供する移動手段を、前記サービスとして関連付けて記憶する、
付記1乃至4のいずれか1項に記載の情報提供装置。
(付記6)
前記記憶手段は、複数の前記企業群の各々に対して、前記企業群を構成する企業が提供する移動手段がサービスとして関連付けられて記憶され、
前記特定手段が前記認証結果に基づいて、前記複数の企業群のうち2以上の企業群を特定した場合に、
前記サービス情報出力手段は、前記特定手段が特定した前記複数の企業群と関連付けられて前記記憶手段に記憶された2以上の前記移動手段の情報のうち、前記移動手段を用いることで前記ユーザに付与されるポイントが大きい順、又は前記移動手段における割引が大きい順に優先して前記端末に報知させるように前記認証端末に出力する、
付記5に記載の情報提供装置。
(付記7)
複数の人物の生体情報と、認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いた生体認証の認証結果に基づいて、前記認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた企業群を特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した前記企業群と関連する1以上のサービスの情報を記憶装置から受信し、受信した前記サービスの情報を端末に出力するサービス情報出力手段と、を備える
情報提供装置。
(付記8)
前記複数の人物の生体情報と、前記認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いて生体認証を行うことで、前記認証結果を取得する生体認証手段をさらに備える、
付記1乃至7のいずれか1項に記載の情報提供装置。
(付記9)
前記複数の人物の生体情報を記憶した認証装置に対して、前記複数の人物の生体情報と、前記認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いて生体認証を行わせ、その認証結果を前記認証結果として前記認証装置から取得する認証結果取得手段をさらに備える、
付記1乃至8のいずれか1項に記載の情報提供装置。
(付記10)
前記ユーザの生体情報を出力する認証端末と、
付記1乃至9のいずれか1項に記載の前記情報提供装置と、を備える
情報提供システム。
(付記11)
前記認証端末は、前記企業群を構成する企業が運営する施設の退場又は退館の手続きをする認証端末として設けられる、
付記10に記載の情報提供システム。
(付記12)
1以上の企業で構成された企業群に対して、1以上のサービスが関連付けられて記憶される記憶装置と、
複数の人物の生体情報と、認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いた生体認証の認証結果に基づいて、前記認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた前記企業群を特定する特定手段と、前記特定手段が特定した前記企業群と関連付けられて前記記憶装置に記憶されたサービスの情報を端末に出力するサービス情報出力手段と、を有する情報提供装置と、を備える、
情報提供システム。
(付記13)
1以上のサービスを記憶し、1以上の企業で構成された企業群と対応する記憶装置と、
複数の人物の生体情報と、認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いた生体認証の認証結果に基づいて、前記認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた前記企業群を特定する特定手段と、前記特定手段が特定した前記企業群と対応する前記記憶装置に記憶されたサービスの情報を端末に出力するサービス情報出力手段と、を有する情報提供装置と、を備える、
情報提供システム。
(付記14)
前記情報提供システムは、複数の前記企業群毎に、複数の前記記憶装置を備え、
前記情報提供装置は、前記認証端末が属する企業群を示す端末識別情報を前記認証端末から受信する受信手段をさらに有し、
前記特定手段は、前記認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた前記企業群であって、かつ、前記受信手段が受信した前記端末識別情報が示す企業群を特定する、
付記13に記載の情報提供システム。
(付記15)
前記情報提供システムは、前記ユーザの生体情報を出力する認証端末をさらに備える、
付記12乃至14のいずれか1項に記載の情報提供システム。
(付記16)
複数の人物の生体情報と、認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いた生体認証の認証結果に基づいて、前記認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた、1以上の企業で構成された企業群を特定するステップと、
特定した前記企業群と関連する1以上のサービスの情報を端末に出力するステップと、を備える、
情報提供方法。
(付記17)
複数の人物の生体情報と、認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いた生体認証の認証結果に基づいて、前記認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた、1以上の企業で構成された企業群を特定するステップと、
特定した前記企業群と関連する1以上のサービスの情報を端末に出力するステップと、
を備える情報提供方法をコンピュータに実行させるプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0258】
以上、実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上記によって限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0259】
100、110 情報提供装置
101 記憶部
102 特定部
103 サービス情報出力部
111 記憶装置
200、300 TP
201、301 カメラ
202、302 操作部
203、303 通信部
204、304 表示部
205、305 顔画像取得部
206 認証要求部
207、307 サービス提供部
210、310 情報提供サーバ
211、311 通信部
212、312 登録部
213、313 DB
214 認証部
215、315 企業特定部
216、316 サービス抽出部
306 通信制御部
314 認証情報処理部
320 認証装置
321 通信部
322 登録部
323 DB
324 認証部