(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】通信装置及び通信装置の方法
(51)【国際特許分類】
H04W 76/14 20180101AFI20240618BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20240618BHJP
H04W 48/16 20090101ALI20240618BHJP
H04W 88/04 20090101ALI20240618BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20240618BHJP
【FI】
H04W76/14
H04W24/10
H04W48/16 132
H04W88/04
H04W92/18
(21)【出願番号】P 2022569475
(86)(22)【出願日】2020-05-15
(86)【国際出願番号】 CN2020090667
(87)【国際公開番号】W WO2021227072
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2023-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ミャオ ジャオバン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
【審査官】吉倉 大智
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/159000(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/033086(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0027009(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0287866(US,A1)
【文献】Ericsson,PHY layer structure for NR sidelink,3GPP TSG RAN WG1 #98 R1-1908911,2019年08月16日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リレー通信装置を介してネットワークと通信する処理部と、
候補リレー通信装置の
Source identityを含む情報を、sidelink Channelで受信する受信部と、を備え、
前記処理部は
、少なくとも1以上の前記候補リレー通信装置の前記
Source identityに基づいて、
前記少なくとも1以上の前記候補リレー通信装置からの参照信号の測定結果をレイヤ3フィルタでフィルタリングし、
前記少なくとも1以上の前記候補リレー通信装置の中から、第2の通信装置を前記リレー通信装置として選択し、
前記第2の通信装置を介して、前記ネットワークと通信する
第1の通信装置。
【請求項2】
前記sidelink Channelは、
Physical Sidelink Control Channel(PSCCH),
Physical Sidelink Shared Channel(PSSCH),
Physical Sidelink Broadcast Channel(PSBCH)
のうちの少なくとも1つのChannelを含むグループから選択される
請求項1に記載の第1の通信装置。
【請求項3】
前記受信部は、第1のフォーマットのsidelink control information(SCI)を受信し、
前記第1のフォーマットのSCIは、physical sidelink shared channel(PSSCH)のスケジューリングと前記PSSCHでの第2のフォーマットのSCIのスケジューリングのために使用され、
前記受信部は、前記PSSCHで前記第2のフォーマットのSCIを受信し、
前記第2のフォーマットのSCIは、前記第1のフォーマットのSCIとは異なり、
前記第2のフォーマットのSCIは、前記候補リレー通信装置の前記
Source identityを含
む
請求項1に記載の第1の通信装置。
【請求項4】
前記
Source identityは、
sidelink control informationに含まれるSource identity、
前記Source identityとsidelink control informationに含まれるzone identityの組合せ、
前記
Source identity固有のsidelink control informationのフィールド、
前記
Source identity固有のsystem synchronization blockのフィールド
のうちの少なくとも1つによって示される
請求項1に記載の第1の通信装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記少なくとも1以上の前記候補リレー通信装置から受信した少なくとも1以上の参照信号の測定結果を取得する
請求項1に記載の第1の通信装置。
【請求項6】
前記処理部は、前記少なくとも1以上の前記候補リレー通信装置から受信した前記少なくとも1以上の参照信号を測定し、
前記処理部は、前記少なくとも1以上の参照信号の測定パラメータに基づいて、前記測定結果を決定する
請求項1に記載の第1の通信装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記sidelink Channelで送信を検出した場合には、前記少なくとも1以上の前記候補リレー通信装置から受信した前記少なくとも1以上の参照信号を測定し、
前記処理部は、所定のtime gapを考慮して、前記少なくとも1以上の参照信号を測定する
請求項1に記載の第1の通信装置。
【請求項8】
前記処理部は、同一の前記
Source identityに関連する前記測定パラメータをフィルタリングすることによって、前記測定結果を決定する
請求項6に記載の第1の通信装置。
【請求項9】
前記第2の通信装置の前記測定結果が閾値よりも低い場合には、
前記処理部は、前記少なくとも1以上の前記候補リレー通信装置の中から、第3の通信装置を前記リレー通信装置として選択し、
前記処理部は、前記第3の通信装置を介して、前記ネットワークと通信する
請求項1に記載の第1の通信装置。
【請求項10】
前記参照信号は、DeModulation Reference Signal(DMRS)であり、
前記測定パラメータは、Sidelink Discovery Reference Signal Received Power(SD-RSRP)である
請求項6に記載の第1の通信装置。
【請求項11】
リレー通信装置を介してネットワークと通信し、
候補リレー通信装置の
Source identityを含む情報を、sidelink Channelで受信し、
少なくとも1以上の前記候補リレー通信装置
の前記Source identityに基づいて、前記少なくとも1以上の前記候補リレー通信装置からの参照信号の測定結果
をレイヤ3フィルタでフィルタリングし、
前記少なくとも1以上の前記候補リレー通信装置の中から、第2の通信装置を前記リレー通信装置として選択し、
前記第2の通信装置を介して、前記ネットワークと通信する
第1の通信装置の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に通信分野に関し、特に、通信方法、端末装置、ネットワーク装置及びコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
端末間(D2D:Device-to-Device)通信では、EPC(Evolved Packet Core)等のコアネットワーク上でトラフィックをルーティングする代わりに、端末装置、例えばユーザ端末(UE:User Equipment)が、ダイレクトリンクで互いに通信することが許可されている。一般に、D2D通信には、発見、直接通信、及びUE-ネットワーク間又はUE-UE間の中継手順が含まれ得る。発見とは、互いに近接している端末装置を識別する手順である。直接通信とは、近接した端末装置がローカル無線リソースを使用して通信を行うことができる手順である。UE-ネットワーク間又はUE-UE間の中継手順とは、ある端末装置(中継端末装置と称される)が、別の端末装置(遠隔端末装置と称される)からネットワーク又はさらに別の端末装置へのトラフィックの中継、及び、その逆を行うことができる手順である。例えば、遠隔端末装置がネットワークの基地局等のネットワーク装置のカバレッジエリア外にある場合、UE-ネットワーク間の中継手順によって、遠隔端末装置がネットワーク装置のカバレッジエリア内にある中継端末装置に対して、直接通信によりトラフィックを送信することが可能になる。そして中継端末装置は、ネットワーク装置と通信することで、遠隔端末装置からのトラフィックをネットワークに転送する。
【0003】
新無線(NR:New Radio)技術とも称される第5世代移動通信システムの技術であるV2X(Vehicle to Everything)技術は、サイドリンク通信技術等のD2D通信技術をベースとすることができる。NR通信システムは、従来のセルラーネットワークと比較して、構成要素、コントロールプレーン、データプレーン、リソース割当、チャネル設計等の面で変更・改良が加えられている。そのため、5G通信システムでは、適用シナリオに適応したサイドリンク発見・中継選択に関し、より柔軟な通信メカニズムが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、本開示の例示的な実施形態は、中継の発見及び選択の解決手段を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様では、通信方法が提供される。前記方法は、第1端末装置において、少なくとも1つの第2端末装置の中継機能に関連するアイデンティティに関する情報を、サイドリンクチャネルを介して受信すること、を含む。前記方法は、前記アイデンティティに関する前記情報に基づいて、前記第1端末装置の中継端末装置を決定すること、をさらに含む。
【0006】
第2の態様では、通信方法が提供される。前記方法は、ネットワーク装置において、前記ネットワーク装置からサービスを受ける第2端末装置の中継機能に関連する、サイドリンク通信用のアイデンティティを決定すること、を含む。前記方法は、前記アイデンティティを前記第2端末装置にシグナリングによって送信することをさらに含む。
【0007】
第3の態様では、通信方法が提供される。前記方法は、第2端末装置において、前記第2端末装置の中継機能に関連するアイデンティティをネットワーク装置から受信すること、を含む。前記方法は、サイドリンクチャネルにおいて、前記アイデンティティに関する情報を第1端末装置に送信することをさらに含む。
【0008】
第4の態様では、端末装置が提供される。前記ネットワーク装置は、プロセッサと、命令が格納されているメモリとを備える。前記メモリ及び前記命令は、前記プロセッサとともに、前記端末装置に前記第1の態様にかかる方法を実行させるように構成されている。
【0009】
第5の態様では、ネットワーク装置が提供される。前記ネットワーク装置は、プロセッサと、命令が格納されているメモリとを備える。前記メモリ及び前記命令は、前記プロセッサとともに、前記ネットワーク装置に前記第2の態様にかかる方法を実行させるように構成されている。
【0010】
第6の態様では、端末装置が提供される。前記端末装置は、プロセッサと、命令が格納されているメモリとを備える。前記メモリ及び前記命令は、前記プロセッサとともに、前記端末装置に前記第3の態様にかかる方法を実行させるように構成されている。
【0011】
第7の態様では、命令が格納されているコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、装置の少なくとも1つのプロセッサにおいて実行された場合に、前記装置に、前記第1の態様にかかる方法を実行させる。
【0012】
第8の態様では、命令が格納されているコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、装置の少なくとも1つのプロセッサにおいて実行された場合に、前記装置に、前記第2の態様にかかる方法を実行させる。
【0013】
第9の態様では、命令が格納されているコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、装置の少なくとも1つのプロセッサにおいて実行された場合に、前記装置に、前記第3の態様にかかる方法を実行させる。
【0014】
発明の概要部分は、本開示の実施形態の重要な特徴又は必須の特徴を特定することを意図したものではなく、本開示の範囲を限定するために用いることを意図したものでもないことを理解されたい。本開示の他の特徴は、以下の説明を通して容易に理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
添付図面における本開示のいくつかの実施形態のより詳細な説明を通じて、本開示の上記及び他の目的、特徴及び利点がより明らかになるはずである。
【0016】
【
図1】サイドリンク通信における中継発見の模式図である。
【0017】
【
図2】本開示のいくつかの実施形態を実施可能な通信環境の模式図である。
【0018】
【
図3】本開示のいくつかの実施形態にかかるサイドリンク通信の例示的プロセスを示す例示的なシグナリングチャートを示す。
【0019】
【
図4】本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な方法のフローチャートを示す。
【0020】
【
図5】本開示のいくつかの実施形態にかかる別の例示的な方法のフローチャートを示す。
【0021】
【
図6】本開示のいくつかの実施形態にかかるさらに別の例示的な方法のフローチャートを示す。
【0022】
【
図7】本開示のいくつかの実施形態を実施するのに好適な装置の概略ブロック図である。
【0023】
全ての図面にわたって、同一又は類似の参照番号は、同一又は類似の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示の原理について、いくつかの例示的な実施形態を参照しながら説明する。これらの実施形態は、単に説明を目的として説明されるもので、当業者が本開示を理解し実施する際に役立つものであり、本開示の範囲に対するいかなる限定も示唆しないことを理解されたい。本明細書で説明する本開示は、以下で説明するもの以外にも様々な方法で実施することができる。
【0025】
以下の説明及び特許請求の範囲において、別途定義されない限り、使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0026】
本明細書で使用する場合、「ネットワーク装置」又は「基地局」(BS:Base Station)という用語は、端末装置が通信を実行することができるセル又はカバレッジを提供又はホストすることが可能な装置を指す。ネットワーク装置の例としては、Node B(NodeB又はNB)、Evolved NodeB(eNodeB又はeNB)、次世代NodeB(gNB)、V2X(Vehicle-to-Everything)通信用のインフラストラクチャ装置、送信/受信ポイント(TRP:Transmission/Reception Point)、リモート無線ユニット(RRU:Remote Radio Unit)、無線ヘッド(RH:Radio Head)、リモート無線ヘッド(RRH:Remote Radio Head)、フェムトノード、ピコノード等の低電力ノード等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
本明細書において、「端末装置」又は「ユーザ端末」(UE:User Equipment)という用語は、無線又は有線の通信機能を有する任意の装置を指す。通信は、電磁信号、電波、赤外線信号、及び/又は空中で情報を伝達するのに適した他の種類の信号を使用して、無線信号を送信及び/又は受信することに関わり得る。端末装置の例には、移動電話、携帯電話、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、デスクトップ、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルコンピュータ、デジタルカメラ等の撮像装置、ゲーム機器、音楽保存・再生装置、圧力センサ、湿度センサ、温度計、モーションセンサ、加速度計、アクチュエータ、スマートウォッチ、リング、e-ヘルス関連装置、無線又は有線のインターネットアクセス及びブラウジングを可能にするインターネット家電、車両搭載端末装置、歩行者用デバイス、路側機等が含まれるが、これらに限定されない。議論のために、以下では、端末装置の例としてUEを参照しながら、いくつかの実施形態を説明する。用語「端末装置」及び「ユーザ端末」(UE)は、本開示の文脈では互換的に使用され得る。
【0028】
いくつかの実施形態において、端末装置は、第1ネットワーク装置及び第2ネットワーク装置と接続されてもよい。第1ネットワーク装置及び第2ネットワーク装置の一方はマスターノードで、他方はセカンダリーノードであってもよい。第1ネットワーク装置と第2ネットワーク装置は、異なる無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technologies)を使用してもよい。いくつかの実施形態において、第1ネットワーク装置は第1RAT装置で、第2ネットワーク装置は第2RAT装置であってもよい。いくつかの実施形態において、第1RAT装置はeNBであり、第2RAT装置はgNBである。異なるRATに関連する情報は、第1ネットワーク装置及び第2ネットワーク装置の少なくとも一方から端末装置に送信されてもよい。いくつかの実施形態において、第1情報が第1ネットワーク装置から端末装置に送信されてもよいし、第2情報が第2ネットワーク装置から端末装置に直接送信されるか、又は第1ネットワーク装置を介して送信されてもよい。いくつかの実施形態において、第2ネットワーク装置によって設定された端末装置の設定に関連する情報が、第2ネットワーク装置から第1ネットワーク装置を介して送信されてもよい。第2ネットワーク装置によって設定された端末装置の再設定に関連する情報が、第2ネットワーク装置から端末装置に直接送信されるか、又は第1ネットワーク装置を介して送信されてもよい。
【0029】
本明細書で使用する場合、「送受信ポイント」、「送信/受信ポイント」、又は「送信・受信ポイント」という用語は、一般にユーザ端末と通信する局を表す。ただし、送受信ポイントは、基地局(BS)、セル、Node-B、evolved Node-B(eNB)、次世代NodeB(gNB)、送信受信ポイント(TRP)、セクタ、サイト、ベーストランシーバシステム(BTS:Base Transceiver System)、アクセスポイント(AP:Access Point)、中継ノード(RN:Relay Node)、リモート無線ヘッド(RRH)、無線機(RU:Radio Unit)、アンテナ等異なる用語で称されてもよい。
【0030】
すなわち、本開示の文脈では、送受信ポイント、基地局(BS)、又はセルは、符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access)におけるBSC(Base Station Controller)、WCDMA(登録商標)におけるNode-B、LTEにおけるeNB又はセクタ(サイト)、NRにおけるgNB又はTRP等がカバーするエリア又は機能の一部を示す包括的な概念として解釈されてもよい。したがって、送受信ポイント、基地局(BS)、及び/又はセルの概念には、メガセル、マクロセル、マイクロセル、ピコセル、フェムトセル等、様々なカバレッジエリアが含まれてもよい。さらに、かかる概念は、中継ノード(RN)、リモート無線ヘッド(RRH)、又は無線機(RU)の通信範囲を含んでもよい。
【0031】
本開示の文脈において、ユーザ端末と送信/受信ポイントは、本明細書で開示する技術及び技術構想を具体化するために用いられる包括的な意味を有する2つの送信/受信主体であればよく、特定の用語又は単語に限定されるものではない。さらに、ユーザ端末と送信/受信ポイントは、本開示に関連して開示される技術及び技術構想を具体化するために用いられる包括的な意味を有するアップリンク又はダウンリンクの送信/受信主体であればよく、特定の用語又は単語に限定されるものではない。本明細書において、アップリンク(UL:Uplink)送信/受信は、ユーザ端末から基地局へデータを送信する方式である。逆に、ダウンリンク(DL:Downlink)送信/受信は、基地局からユーザ端末にデータを送信する方式である。
【0032】
本明細書において、「リソース」、「送信リソース」、「リソースブロック」、「物理リソースブロック」、「アップリンクリソース」、又は「ダウンリンクリソース」という用語は、通信、例えば、端末装置とネットワーク装置との間の通信を実行するための任意のリソース、例えば、時間領域のリソース、周波数領域のリソース、空間領域のリソース、コード領域のリソース、又は通信を可能にする他の任意のリソース等を指してもよい。以下では、本開示のいくつかの実施形態を説明するための送信リソースの例として、周波数領域と時間領域の両方におけるリソースを使用する。本開示の実施形態は、他の領域の他のリソースにも同様に適用可能であることに留意されたい。
【0033】
本明細書で使用される場合、単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」、及び「上記(the)」は、文脈で別途明確に示されない限り、複数形も含むことを意図している。「含む」という用語及びその変形は、「含むがこれに限定されない」ことを意味する開放式の用語として解釈される。「・・・に基づいて」という用語は、「・・・に少なくとも部分的に基づいて」と解釈される。「一実施形態」及び「1つの実施形態」という用語は、「少なくとも1つの実施形態」と解釈される。「別の実施形態」という用語は、「少なくとも1つの他の実施形態」と解釈される。
【0034】
本明細書では、「第1」、「第2」等の用語を用いて様々な要素を説明することがあるが、こうした要素はこれらの用語に限定されるべきではない。これらの用語は、ある要素を別の要素から区別するだけのために使用される。例えば、例示的な実施形態の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と称することができ、同様に、第2の要素を第1の要素と称することができる。本明細書で使用される場合、用語「及び/又は」は、列挙されたものの1つ又は複数のうちいずれか、及びそのすべての組合せを含む。
【0035】
いくつかの例において、値、手順又は装置は、「最適」、「最低」、「最高」、「最小」、「最大」等と称される。理解される点として、こうした説明は、使用される複数の機能的代替の中から、選択可能であると示すことを意図しており、こうした選択は、他の選択と比べて、より優れていたり、より小さかったり、より高かったり、又はより好ましかったりする必要はない。
【0036】
端末装置がネットワーク装置のカバレッジ内にあるかどうかによって、カバレッジ内中継、一部がカバレッジ外の中継、全てカバレッジ外の中継という3種類の中継シナリオがある。中継のシナリオにかかわらず、遠隔端末装置は通常、一定の規則又は基準に基づいて中継端末装置を検索し選択する。例えば、中継端末装置は、遠隔端末装置と、対応する中継端末装置の候補との間のリンク品質を評価するために、1つ以上の中継端末装置の候補から送信される参照信号を測定してもよい。そして、リンク品質が良好な中継端末装置の候補のうち少なくとも1つが、遠隔端末装置のトラフィックを中継する中継端末装置として決定されてもよい。
【0037】
図1は、サイドリンク通信における中継発見の模式図である。
図1に示すように、遠隔端末装置は、複数の測定機会T
1~T
Nにおいて、異なる中継端末装置の候補から物理サイドリンク発見チャネル(PSDCH:physical sidelink discovery channel)で送信される複数の参照信号を発見する。リンク品質を評価するために、遠隔端末装置は、同じ近接サービス(ProSe)の中継端末装置のアイデンティティに関連付けられた、RS
1、RS
2...RS
nと表記される参照信号のサイドリンク参照信号受信電力(例えば、SD-RSRP:Sidelink Reference Signal Receiving Power)又は参照信号受信品質(RSRQ:Reference Signal Receiving Quality)を測定してフィルタリングする。SD-RSRPは、PSDCHに関連付けられた復調参照信号を搬送するリソース要素の電力寄与の線形平均として定義される。現在の通信システムにおいて遠隔端末装置は、PSDCHリソースで受信した参照信号を復号する。
【0038】
ただし、巡回冗長検査(CRC:cyclic redundancy check)が検証され、中継端末装置の候補のアイデンティティが検出された場合のみ、遠隔端末装置は後続の測定をPSDCHで行うことができる。これは、信号が送信されないリソースでは、ノイズしか測定されない可能性があるためである。そのため、現在のD2D通信では、対応するリソースのDMRSをより正確に測定するために、CRCに通したかどうかで信号の有無が判定される。異なるUEのD2D信号であっても、CRCに通せばフィルタリング(平均化)される場合がある。この現象を防ぐために、CRCに通した状態では、同じUE ID(同じ物理層又は上位レイヤのID)を持つパケットに関して、フィルタリング(平均化)を行ってもよい。同じ状況において、D2D RSRP又はD2D RSRQが測定される場合、D2D RSRPが所定の閾値を超える場合のみ、対応する測定値をフィルタリング(平均化)の入力値に含めてもよい。すなわち、端末装置がDMRSのRSRP、RSRQ又はRSSIを測定する場合、端末装置はまず復号を行う。そしてCRCに通し特定のIDが検出された場合に限り、端末装置はその特定のIDに関してのみ、対応する測定値を記憶する。次に、同一IDが検出される場合に限り、端末装置は測定値の更新(又は測定値の平均化、又は測定値を入力値に含めること)を行ってもよい。
【0039】
また、E-UTRANは、PSDCHでのサイドリンク発見のための専用リソースプールをサポートする。PSDCHとSD-RSRPはどちらも、NRネットワークアーキテクチャにおけるリンク品質の測定と中継の選択に適用できない。
【0040】
従来の解決手段における上記の技術的課題及び潜在的な他の技術的課題を解決するために、本開示の例示的な実施形態は、サイドリンク発見及び中継選択のための解決手段を提供する。本解決手段は、複数のサイドリンクチャネルにおいて実施可能な、中継端末装置の候補の中継機能に関連したアイデンティティを搬送する柔軟なチャネル設計に関するものである。このようなアイデンティティは、サイドリンクチャネルのリソースに対してCRCを実行することなく取得できるため、中継の発見・選択の手順を容易にすることができる。また、本解決手段では、中継端末装置の候補に設定可能な中継機能も提供する。特に、中継端末装置の候補は、中継機能がサポートされているか否かを、アイデンティティによって遠隔端末装置に通知してもよい。
【0041】
図2は、本開示の例示的な実施形態を実施可能な例示的な通信環境200を示す。
図2に示すように、通信環境200は通信ネットワークの一部であり、セル235をホストするネットワーク装置230と、セル235のカバレッジ内に位置する第1端末装置210-1、210-3、220-1、220-2と、セル235のカバレッジ外に位置する第2端末装置210-2と、を含む。特に、第2端末装置220-1は通信チャネルを介してネットワーク装置230と通信してもよい。ネットワーク装置230から第2端末装置220-1への送信の場合、通信チャネルはダウンリンクチャネル(DL)と称されることがあり、一方、第2端末装置220-1からネットワーク装置230への送信の場合、通信チャネルは代わりにアップリンクチャネル(UL)と称されることがある。
【0042】
なお、第1端末装置210-1、210-2は、遠隔端末装置として動作し、第2端末装置220-1、220-2は、中継端末装置として動作してもよい。例えば、第1端末装置210-2、第2端末装置220-1及びネットワーク装置230の間で、UE-ネットワーク間の中継手順が実施されてもよい。UEーUE間の中継手順は、第1端末装置210-1、210-3と、第2端末装置220-2との間で実施されてもよい。また、第1端末装置210に対して、複数の中継端末装置、すなわち第2端末装置220-1、220-2が中継端末装置として選択されてもよい。この場合、遠隔端末装置210と中継端末装置220との間の中継リンクは、PC5リンクであってもよい。
【0043】
「第1端末装置210」及び「遠隔端末装置210」、並びに「第2端末装置220」及び「中継端末装置の候補220」は、本開示の文脈での番号において互換可能に使用され得ることを理解されたい。また、
図2に示す第1端末装置210及び第2端末装置220、並びにネットワーク装置230の数は、説明のためのものに過ぎず、何らかの限定を示唆するものではないことを理解されたい。通信環境200は、本開示の実施形態を実施するのに適した任意の適切な数の端末装置、任意の適切な数のネットワーク装置、及び任意の適切な数の他の通信装置を含んでもよい。
【0044】
さらに、あらゆる通信装置間では、様々な無線通信だけでなく、(必要に応じて)有線通信が行われてもよいことが理解されるであろう。また、
図2では、ネットワーク装置230が基地局として、第1端末装置210と第2端末装置220が携帯電話として模式的に描かれているが、これらの描写は例示に過ぎず、いかなる限定も示唆しないことが理解されることに留意されたい。他の実施形態において、ネットワーク装置230は、他の任意の無線ネットワーク装置であってもよく、第1端末装置210と第2端末装置220は、他の任意の無線通信装置であってもよい。
【0045】
通信環境200における通信は、任意の適切な規格に準拠してもよい。規格は、モバイル通信用グローバルシステム(GSM:Global System for Mobile Communications)、EC-GSM-IoT(Extended Coverage Global System for Mobile Internet of Things)、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)、LTEエボリューション(LTE-Evolution)、LTEアドバンスト(LTE-A:LTE-Advanced)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA:Wideband Code Division Multiple Access)、符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access)、GSM EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN:GSM EDGE Radio Access Network)等を含むが、これらに限定されない。さらに、通信は、現在知られている、又は将来開発される任意の世代の通信プロトコルに従って実行されてもよい。通信プロトコルの例には、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)の通信プロトコルが含まれるが、これらに限定されない。
【0046】
図3は、本開示のいくつかの実施形態にかかるリソース調整の例示的プロセスを示す例示的なシグナリングチャートを示す。
図3に示すように、プロセス300は、
図2に示す第1端末装置210、第2端末装置220、及びネットワーク装置230に関わってもよい。プロセス300は、示されていない追加の動作を含んでもよく、且つ/又は示されたいくつかの動作を省略してもよく、この点に関して本開示の範囲は限定されないことを理解されたい。さらに、本明細書では主として、連続的に実行されるものとして提示されているが、プロセス300の動作の少なくとも一部は、同時に実行されるか、又は
図3に示されたものとは異なる順序で実行されてもよいことを理解されたい。
【0047】
図3に示すように、ネットワーク装置230は、上位レイヤのシグナリングによって、第1端末装置210にインジケータを送信する(310)。インジケータは、中継端末装置の候補、例えば、第2端末装置220の中継機能が設定可能であるか否かを示す。いくつかの実施形態において、インジケータの送信はオプションであり、例えば、そのようなインジケータがない場合、第1端末装置210は、中継機能が第2端末装置220にとって必須であると判定してもよい。
【0048】
ネットワーク装置230は、ネットワーク装置230からサービスを受ける第2端末装置220の中継機能に関連するアイデンティティを決定する(320)。端末装置の固有識別と異なり、中継機能に関連するアイデンティティは、中継の発見と選択を容易にするために、サイドリンク通信に特化したものである。これについては、後ほど詳述する。
【0049】
ネットワーク装置230は、上位レイヤのシグナリングによって、アイデンティティを第2端末装置220に送信する(330)。例えば、ネットワーク装置230は、そのカバレッジ内の中継端末装置の候補にアイデンティティを送信してもよい。
【0050】
第2端末装置220は、中継機能に関連するアイデンティティをネットワーク装置230から受信する。カバレッジ外の端末装置等の中継端末装置の候補に予めアイデンティティが定義されている場合は、アイデンティティの受信は必須ではなく、省略してもよい。第2端末装置220は、サイドリンクチャネルにおいてアイデンティティを第1端末装置210に送信する(340)。サイドリンクチャネルは、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH:Physical Sidelink Control Channel)、物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH:Physical Sidelink Shared Channel)、及び物理サイドリンクブロードキャストチャネル(PSBCH:Physical Sidelink Broadcast Channel)のうち少なくとも1つから選択されてもよい。これについては、後ほど詳述する。
【0051】
情報を受信すると、第1端末装置210は、アイデンティティに関する情報に少なくとも部分的に基づいて、第1端末装置の中継端末装置の結果を決定する(350)。結果の決定は、さらに、サイドリンクチャネルにおいて受信された少なくとも1つの参照信号の測定結果に基づいてもよい。当該結果は、中継端末装置の候補のうち少なくとも1つが中継端末装置となることを示してもよい。この場合、第1端末装置210は、中継端末装置、例えば、端末装置220-1、220-2との中継接続を確立してもよい(360)。あるいは、当該結果は、中継端末装置の候補のいずれも中継端末装置とならないことを示してもよい。この場合、中継端末装置が決定されるまで中継選択手順が繰り返されてもよい。
【0052】
このように、遠隔端末装置と中継端末装置の双方が、簡便で実現性の高い、中継の発見・選択の手順の恩恵を受けることができる。中継機能専用のアイデンティティは、異なる端末装置を区別するために使用できるだけでなく、端末装置が中継端末装置の候補として遠隔端末装置によって発見されるかどうかを、端末装置が判定することも可能にする。
【0053】
図4は、本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な方法400のフローチャートを示す。いくつかの実施形態において、方法400は、
図2に示す端末装置210-1、210-2等の端末装置で実施することができる。追加で、又は代替として、方法400は、
図2に示されていない他の端末装置においても実施することができる。議論を目的として、
図2を参照しつつ一般性を損なうことなく、方法400について、端末装置210によって実行されるものとして説明する。
【0054】
ブロック410において、第1端末装置210は、少なくとも1つの端末装置の中継機能に関連するアイデンティティに関する情報を、サイドリンクチャネルを介して受信する。サイドリンクチャネルは、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)、物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)、及び物理サイドリンクブロードキャストチャネル(PSBCH)のうち少なくとも1つを含むグループから選択されてもよい。中継機能に関連するアイデンティティは、カバレッジ内の端末装置についてはネットワークによって設定され、カバレッジ外の端末装置については予め定義されてもよい。前述したように、アイデンティティは中継の発見・選択の手順を容易にするために、サイドリンク通信に特化したものである。アイデンティティは、サイドリンク制御情報(SCI:Sidelink Control Information)に含まれる、アイデンティティ、ソースアイデンティティ(source identity)、及びソースアイデンティティとゾーンアイデンティティ(zone identity)との組合せに特化したフィールド、並びに、サイドリンクチャネルに応じたサイドリンク同期信号ブロック(S-SSB)のフィールドのうち少なくとも1つによって示されてもよい。これについては、後ほど詳述する。
【0055】
SCIは、2つの段階、すなわち、第1段階のSCIと第2段階のSCIを含んでもよい。この第1段階のSCIと第2段階のSCIは、SCI1-X及びSCI2-Xと表され、Xは異なるタイプを指す。本開示の文脈では、「第1段階のSCIフォーマット」及び「SCIフォーマット1」並びに「第2段階のSCIフォーマット」及び「SCIフォーマット2」という用語は、互換的に使用されてもよい。特に、第1段階のSCIフォーマットは、PSSCHのスケジューリングと、PSSCHでの第2段階のSCIのスケジューリングのために使用される。第2段階のSCIフォーマットは、PSSCHの復号に使用される。
【0056】
いくつかの実施形態において、サイドリンクチャネルはPSCCHであってもよい。これは、第2端末装置220がPSCCHでデータ送信を行ってもよく、この場合、アイデンティティに関する情報を搬送するために、サイドリンク制御情報(SCI)フォーマット1(少なくともフォーマット1-Aを含む)が使用されてもよいためである。議論を目的として、以下ではSCIフォーマット1-Aを参照して説明を行う。アイデンティティの設定は、すべての第1段階のSCIフォーマットに等しく適用可能であることが理解されるであろう。第1端末装置210は、SCIフォーマット1-Aのフィールドからアイデンティティを取得する。表1-1は、SCIフォーマット1-Aに含まれる情報の少なくとも一部を示す。表1-1に示すように、アイデンティティはフィールド内の少なくとも1つの予約済みビットによって示されてもよい。あるいはアイデンティティは、SCIフォーマット1-Aに追加された追加フィールドの少なくとも1つのビットによって示されてもよい。これは、アイデンティティに特化した追加フィールドを有する、新しい未表示のSCIフォーマットとみなすこともできる。第1端末装置210は、DMRS等の参照信号の位置に基づいて、リンク品質を評価するために参照信号を測定してもよい。これについては後ほど詳述する。
【表1-1】
【0057】
いくつかの実施形態において、サイドリンクチャネルはPSSCHであってもよい。PSCCHと同様に、第2端末装置220は、PSSCHでデータ送信を行ってもよく、この場合、アイデンティティに関する情報を搬送するために、SCIフォーマット2(少なくともフォーマット2-Aと2-Bを含む)が使用されてもよい。第1端末装置210は、SCIフォーマット2からアイデンティティを取得する。例えば、アイデンティティは、SCIフォーマット2-Aのソースフィールド(source field)に含まれるソースアイデンティティで示されてもよい。別の例として、アイデンティティは、ソースアイデンティティと、SCIフォーマット2-Bのゾーンフィールド(zone field)に含まれるゾーンアイデンティティとの組合せ、例えば、「ソースID+ゾーンID」又は「ゾーンID+ソースID」の形で示されてもよい。あるいはアイデンティティは、SCIフォーマット2-A又はフォーマット2-Bに追加された追加フィールドの少なくとも1つのビットによって示されてもよい。これは、アイデンティティに特化した追加フィールドを有する新しいSCIフォーマットとみなすこともできる。場合によっては、第1端末装置210は、まず、SCIフォーマット1-Aを受信して、SCIフォーマット2-A、2-Bが送信されるリソースを示すリソース割当情報を取得してもよい。また、SCIフォーマット1-Aは、例えば、「周波数リソース割当」及び「時間リソース割当」のフィールドから、PSSCHで送信されるDMRS等の参照信号の位置を示してもよい。第1端末装置210は、DMRS等の参照信号の位置に基づいて、リンク品質を評価するために参照信号を測定してもよい。これについては後ほど詳述する。表1-2と表1-3はそれぞれ、SCIフォーマット2-A、2-Bに含まれる情報の少なくとも一部を示したものである。
【表1-2】
【表1-3】
【0058】
いくつかの実施形態おいて、サイドリンクチャネルはPSBCHであってもよい。この場合、PSBCHで送信されるサイドリンク同期信号ブロック(S-SSB:Sidelink Synchronization Signal Block)が、アイデンティティに関する情報を搬送するために使用されてもよい。第1端末装置210は、S-SSBを受信し、S-SSBに含まれるアイデンティティを取得する。例えば、アイデンティティは、SSBの少なくとも1つの保留ビットによって示されてもよい。
【0059】
アイデンティティによって識別されるそれぞれの中継端末装置の候補に関連付けられたリンク品質を知るために、第1端末装置210は、第2端末装置220から受信した少なくとも1つの参照信号の測定を実行してもよい。特に、第1端末装置210は、第2端末装置220-1、220-2から受信したDMRSを測定し、DMRSのRSRP又はRSRQ又はRSSI(RSRP又はRSRQが好ましい)等の測定パラメータに基づいて測定結果を判定してもよい。この測定結果は、その後の中継端末装置の選択に役立つ可能性がある。
【0060】
上述したように、中継機能は、第2端末装置220によって設定可能であってもよいし、設定不可能であってもよい。中継機能が設定可能でない場合、中継機能は、中継機能に関連するアイデンティティを持つ第2端末装置220の各々から提供されるものとみなされ、第1端末装置210は、少なくとも1つの参照信号の測定結果を取得してもよい。中継機能が第2端末装置220によって設定可能である場合、第1端末装置210は、まずアイデンティティに関する情報に基づいて、第2端末装置220によって中継機能がサポートされているか否かを判定してもよい。中継機能がサポートされていると判定された場合、第1端末装置は、第2端末装置220から受信した少なくとも1つの参照信号の測定結果を取得してもよい。
【0061】
いくつかの実施形態において、測定パラメータRSRP、又はそれぞれの第2端末装置220から送信されたDMRSのRSRPを取得した後、第1端末装置210は、測定パラメータの値を第1閾値Mと比較してもよい。測定パラメータの値が第1閾値M未満であれば、対応する第2端末装置220は、そのリンク品質が低いために無視される端末装置であると決定されてもよい。第1端末装置は、無視される端末装置から送信される参照信号を測定しなくてもよい。例えば、測定結果によれば、第2端末装置220-1のDMRSのRSRPは第1閾値M dBmを超えるが、第2端末装置220-2のDMRSのRSRPは第1閾値M dBmを超えていない。この場合、第2端末装置220-2は、中継端末装置には適さない、無視される端末装置であると決定されてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態において、第1端末装置210は、RSRP、RSRQ又はRSSI等の測定パラメータを、所定のフィルタ係数が設定された平均フィルタ又はレイヤ3のフィルタでフィルタリングすることによって、測定結果を更新してもよい。フィルタ入力は、同一アイデンティティに関連付けられた参照信号のすべての測定結果又はi個の測定結果であってもよい。場合によっては、第1端末装置210は、第2閾値N dBmを超える値を有する測定結果をフィルタリングしてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態において、第1端末装置210は、一定の時間間隔、例えば所定の最小時間間隔で少なくとも1つの参照信号を測定してもよい。他の実施形態において、第1端末装置210は、サイドリンクチャネルでの送信を検出したらすぐに、少なくとも1つの参照信号を測定してもよい。
【0064】
図2を引き続き参照すると、ブロック420において、第1端末装置210は、アイデンティティに関する情報に基づいて、第1端末装置の中継端末装置の結果を決定する。例えば当該結果は、中継端末装置の候補である1つ以上の端末装置220が中継端末装置となることを示してもよい。この場合、遠隔端末装置210は、中継端末装置、例えば、第2端末装置220-1、220-2との中継接続を確立してもよい。
【0065】
いくつかの実施形態において、第1端末装置210は、アイデンティティに関する情報と、測定結果とに基づいて、中継端末装置の結果を決定してもよい。例えば、第1端末装置210は、中継端末装置の候補からの参照信号の測定結果に基づいて、トップのl個のリンク品質を有する1つ以上の第2端末装置220を中継端末装置として決定してもよい。あるいは、第1端末装置210は、測定パラメータの値が第3閾値F dBmを超えていることを示す測定結果を有する第2端末装置220を、中継端末装置として決定してもよい。本開示は、この態様に限定されるものではない。
【0066】
そして第1端末装置210は、直接、又はRRCシグナリングによって接続要求を送信することにより、中継端末装置との中継接続を確立してもよい。本実施形態において、中継接続を確立した後、第1端末装置210は、第2端末装置220と第1端末装置210との間のリンク品質を監視するために、中継端末装置からのRSRP、RSRQ又はRSSIを継続的に測定してもよい。測定結果がリンク品質の低さを示す場合、例えば、RSRP、RSRQ又はRSSIの値が予め設定された閾値k dBm未満である場合、第1端末装置210は、第2端末装置220が中継に適している可能性があると判定し、中継(再)選択手順が繰り返されてもよい。この場合、第1端末装置210は、第2端末装置以外の端末装置を検索して選択し、中継端末装置としてもよい。
【0067】
第2端末装置220-1と第2端末装置220-2がいずれも中継に適しない場合、例えば、端末装置220-1、220-2の両方のリンク品質が所定の閾値未満である場合、当該結果は、端末装置220-1、220-2以外の中継端末装置の候補から中継端末装置が選択されること、中継選択手順が再度行われてもよいことを示してもよい。
【0068】
第1端末装置210は、中継端末装置の候補の中継機能に関連するアイデンティティを他の端末装置と共有するための端末装置として動作してもよい。例えば、第1端末装置210は、第1端末装置210と他の端末装置との間の座標距離又は無線距離(例えば、パスロス)に関し予め設定された範囲内の他の端末装置と、情報を共有してもよい。第1端末装置210は、端末装置の候補を報告するためのアイデンティティを含むメッセージを、無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)シグナリングによって送信してもよい。メッセージは、第1端末装置210の上位レイヤの設定に基づいて、あるいは代替として他の端末装置からの要求に応じて、送信されてもよい。報告メッセージを送信するための報告期間や報告機会は、第1端末装置210の上位レイヤによって設定されてもよい。いくつかの実施形態において、メッセージはRSRP/RSRQの測定結果も含む。
【0069】
図5は、本開示のいくつかの実施形態にかかる別の例示的な方法500のフローチャートを示す。いくつかの実施形態において、方法500は、
図2に示すネットワーク装置230等のネットワーク装置で実施することができる。追加で、又は代替として、方法500は、
図2に示されていない他のネットワーク装置においても実施することができる。議論を目的として、
図2を参照しつつ一般性を損なうことなく、方法500について、ネットワーク装置230によって実行されるものとして説明する。
【0070】
ブロック510において、ネットワーク装置230は、ネットワーク装置230からサービスを受ける第2端末装置220の中継機能に関連するアイデンティティを決定する。アイデンティティはサイドリンク通信に使用することができ、例えば、中継の発見・選択の手順に特化したものである。いくつかの実施形態において、中継機能は中継端末装置の候補にとって必須であってもよく、中継機能に関連するアイデンティティの値は、中継端末装置の候補を識別するために使用されてもよい。他の実施形態において、中継機能は中継端末装置の候補にとって必須でなくてもよい。アイデンティティの特定の値、例えば、「0000」の値が、中継機能が非アクティブ化又はサポートされていないことを示してもよく、また、当該特定の値以外の値が中継端末装置の候補の識別に使用されてもよい。
【0071】
ブロック520において、ネットワーク装置230は、上位レイヤのシグナリングによって第2端末装置220にアイデンティティを送信する。例えば、ネットワーク装置230は、そのカバレッジ内の中継端末装置の候補にアイデンティティを送信してもよい。いくつかの実施形態において、ネットワーク装置230は、第2端末装置220によって中継機能が設定可能であるか否かを示すインジケータを、上位レイヤのシグナリングによって第1端末装置210に送信してもよい。
【0072】
図6は、本開示のいくつかの実施形態にかかる別の例示的な方法600のフローチャートを示す。いくつかの実施形態において、方法600は、
図2に示す端末装置220-1、220-2等の端末装置で実施することができる。追加で、又は代替として、方法600は、
図2に示されていない他の端末装置においても実施することができる。議論を目的として、
図2を参照しつつ一般性を損なうことなく、方法600について、第2端末装置220によって実行されるものとして説明する。
【0073】
ブロック610において、第2端末装置220は、第2端末装置220の中継機能に関連するアイデンティティをネットワーク装置230から受信する。上述したように、アイデンティティは上位レイヤのシグナリングによって設定されてもよい。
【0074】
ブロック620において、第2端末装置220は、アイデンティティに関する情報をサイドリンクチャネルにおいて第1端末装置210に送信する。サイドリンクチャネルは、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)、物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)、及び物理サイドリンクブロードキャストチャネル(PSBCH)のうち少なくとも1つから選択されてもよい。
【0075】
サイドリンクチャネルがPSCCHである場合、第2端末装置220は、アイデンティティに関する情報をSCIにより送信してもよい。いくつかの実施形態において、第2端末装置220は、アイデンティティを含むサイドリンク制御情報(SCI)を生成する。SCIはSCIフォーマット1-Aの1つであってもよい。そして、SCIのフィールドの少なくとも1つのビットがアイデンティティを示すように設定されてもよく、又は、少なくとも1つのフィールドを含む新しい第1段階のSCIフォーマットがアイデンティティを示してもよい。例えばアイデンティティは、SCIフォーマット1-Aの2~4の保留の情報ビット、又はSCIに追加された追加フィールドによって示されてもよい。そして、第2端末装置220はPSCCHでSCIを送信してもよい。
【0076】
サイドリンクチャネルがPSSCHである場合、第2端末装置220は、アイデンティティに関する情報をSCIにより送信してもよい。いくつかの実施形態において、第2端末装置220は、アイデンティティを含むSCIを生成する。SCIは、ソースフィールドを含むSCIフォーマット2-A、ソースフィールドとゾーンフィールドを含むSCIフォーマット2-Bであってもよい。例えば、アイデンティティは、SCIフォーマット2-A又はSCIフォーマット2-Bのソースフィールドに含まれるソースアイデンティティで示されてもよい。別の例では、アイデンティティは、ソースアイデンティティと、SCIフォーマット2-Bのゾーンフィールドに含まれるゾーンアイデンティティとの組合せ、例えば、「ソースID+ゾーンID」又は「ゾーンID+ソースID」の形で示されてもよい。そして、第2端末装置220はPSSCHでSCIを送信してもよい。
【0077】
サイドリンクチャネルがPSBCHである場合、第2端末装置220は、アイデンティティに関する情報を同期信号ブロック(SSB)により送信してもよい。いくつかの実施形態において、第2端末装置220は、アイデンティティを含むSSBを生成する。アイデンティティは、SSBの少なくとも1つの保留ビットによって示される。そして、第2端末装置220はPSBCHでSSBを送信してもよい。
【0078】
いくつかの実施形態において、中継機能は中継端末装置の候補にとって必須であってもよく、中継機能に関連するアイデンティティの値が、中継端末装置の候補220を識別するために使用される。他の実施形態において、中継機能は中継端末装置の候補にとってオプションである。この場合、アイデンティティが予め設定又は定義されているか否かに関わらず、第2端末装置220に対し、中継機能に関連するアイデンティティを設定で変えることができる。例えば、第2端末装置220が中継端末装置になることを想定しておらず、他の端末装置との中継接続を確立している場合がある。第2端末装置220は、中継機能を非アクティブ化又は無効化することを決定し、中継機能をサポートしないことを示す特定の値、例えば「0000」をアイデンティティに設定する。中継端末装置の候補220を識別するためには、当該特定の値以外の値が使用されてもよい。
【0079】
図7は、本開示のいくつかの実施形態を実施するのに適した装置700の概略ブロック図である。装置700は、
図2に示す第1端末装置210、第2端末装置220、及びネットワーク装置230のさらなる実施形態であるとみなすことができる。したがって、装置700は、第1端末装置210、第2端末装置220、及びネットワーク装置230の少なくとも一部において、又は少なくともその一部として実施することができる。
【0080】
図に示すように、装置700は、プロセッサ710、プロセッサ710に結合されるメモリ720、プロセッサ710に結合される適切な送信機(TX)及び受信機(RX)740、並びにTX/RX740に接続される通信インタフェースを含む。メモリ720は、プログラム730の少なくとも一部を格納する。TX/RX 740は、双方向通信用である。TX/RX 740は、通信を促進する少なくとも1つのアンテナを有するが、実際には、本願で述べたアクセスノードは、複数のアンテナを有してもよい。通信インタフェースは、他のネットワーク要素と通信を行う際に必要な任意のインタフェース、例えば、gNB又はeNB間の双方向通信用のX2インタフェース、モビリティマネージメントエンティティ(MME)/サービングゲートウェイ(S-GW)とgNB又はeNBとの間の通信用のS1インタフェース、gNB又はeNBと中継ノード(RN)との間の通信用のUnインタフェース、又はgNB又はeNBと端末装置との間の通信用のUuインタフェースを表してもよい。
【0081】
プログラム730はプログラム命令を含むとみなされ、プログラム命令は、関連付けられたプロセッサ710によって実行されると、本明細書で
図4~6を参照して論じたように、本開示の実施形態に従って装置700が動作することを可能にする。本明細書の実施形態は、装置700のプロセッサ710が実行可能なコンピュータソフトウェア、ハードウェア、又はソフトウェア及びハードウェアの組合せにより実施してもよい。プロセッサ710は、本開示の各実施形態を実施するように構成され得る。また、プロセッサ710及びメモリ720の組合せは、本開示の各実施形態を実施するのに適した処理手段750を構成してもよい。
【0082】
メモリ720は、ローカルの技術ネットワークに適した任意のタイプとしてもよく、任意の適切なデータ記憶技術(例として、コンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体、半導体ベースの記憶装置、磁気記憶装置及びシステム、光学記憶装置及びシステム、固定メモリ及び移動可能メモリ等が挙げられるが、これらに限定されない)により実施してもよい。装置700には1つのメモリ720しか示されていないが、装置700には複数の物理上異なるメモリモジュールを設置してもよい。プロセッサ710は、ローカルの技術ネットワークに適した任意のタイプであってもよく、例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号処理器(DSP)、及びマルチコアプロセッサ構成に基づくプロセッサのうち、1つ又は複数を含んでもよいが、これらに限定されない。装置700は複数のプロセッサ、例えば、マスタープロセッサと同期するクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップを有してもよい。
【0083】
本開示の装置及び/又はデバイスに含まれる構成要素は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組合せを含む様々な態様で実施してもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のユニットが、ソフトウェア及び/又はファームウェア、例えば、記憶媒体に格納されたマシン可読命令を用いて実施されてもよい。マシン可読命令に加え、又はその代わりに、装置及び/又はデバイスのユニットの一部又は全部は、少なくとも部分的に、1つ又は複数のハードウェア論理コンポーネントによって実施されてもよい。例えば、使用可能なハードウェア論理コンポーネントの例示的なタイプには、FPGA(Field-programmable Gate Array)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application-specific Integrated Circuit)、ASSP(Application-specific Standard Product)、システムオンチップシステム(SOC)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)等が含まれるがこれらに限定されない。
【0084】
通常、本開示の様々な実施形態は、ハードウェア若しくは専用回路、ソフトウェア、論理又はそれらの任意の組合せにより実施してもよい。いくつかの態様はハードウェアによって実施し、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサ又は他のコンピューティングデバイスが実行し得るファームウェア又はソフトウェアによって実施してもよい。本開示の実施形態の各態様は、ブロック図、フローチャートとして図示されて説明され、又は他の何らかの絵画的表現によって示されているが、本明細書に記載のブロック、装置、システム、技術又は方法は、例えば、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路若しくはロジック、汎用ハードウェア若しくはコントローラ若しくは他のコンピューティングデバイス、又はそれらの組合せによって実施してもよいが、これらに限定されないことが理解されるであろう。
【0085】
本開示はさらに、コンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体に、有形記憶される少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。当該コンピュータプログラム製品は、プログラムモジュールに含まれる命令のような、コンピュータが実行可能な命令を含む。当該命令は、対象の実プロセッサ又は仮想プロセッサ上のデバイスにおいて実行され、例えば
図3~6のいずれかを参照して上述したプロセス又は方法を実行する。通常、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、又は特定の抽象データタイプを実装するルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造等を含む。各実施形態において、プログラムモジュールの機能は、必要に応じてプログラムモジュール間で組み合わせるか、又は分割してもよい。プログラムモジュールのマシン可読命令は、ローカル又は分散型デバイスにおいて実行してもよい。分散型デバイスにおいて、プログラムモジュールはローカル及びリモートの記憶媒体のどちらに置いてもよい。
【0086】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組合せにより記述されてもよい。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はコントローラに提供されてもよく、プログラムコードがプロセッサ又はコントローラによって実行されると、フローチャート及び/又はブロック図に規定された機能/操作が実施される。プログラムコードは全てマシン上で実行するか、部分的にマシン上で実行するか、独立したソフトウェアパッケージとして実行するか、マシン上で部分的に実行するとともにリモートのマシン上で部分的に実行するか、又は全てリモートのマシン若しくはサーバ上で実行してもよい。
【0087】
上述のプログラムコードは、マシン可読媒体上で具現化されてもよく、当該マシン可読媒体は、命令実行システム、装置若しくはデバイスにより使用されるプログラム、又は、それらと結合して使用されるプログラムを含むか又は格納する任意の有形媒体であり得る。マシン可読媒体は、マシン可読信号媒体又はマシン可読記憶媒体であり得る。マシン可読媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線若しくは半導体のシステム、装置若しくはデバイス、又は前述の任意の適切な組合せを含んでもよいが、これらに限定されない。マシン可読記憶媒体のさらにより具体的な例には、1つ若しくは複数のワイヤ、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去・書き込み可能なリードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、携帯型コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、光学的記憶装置、磁気記憶装置、又は前述の任意の適切な組合せが含まれる。
【0088】
なお、操作について、特定の順序で説明を行ったが、所望の結果を得るために、こうした操作を示された特定の順序で実行するか若しくは順に実行するか、又は、示された全ての操作を実行することが求められる、と理解されるべきではない。いくつかの状況では、マルチタスク及び並行処理が有利である可能性がある。同様に、上述の議論には、いくつかの具体的な実施形態の詳細が含まれるが、これらは本開示の範囲に対する限定ではなく、特定の実施形態に特定され得る特徴についての説明であると解釈されるべきである。個々の実施形態の文脈において説明したいくつかの特徴は、ある1つの実施形態において組み合わせて実施されてもよい。逆に、1つの実施形態の文脈において説明された各種特徴は、複数の実施形態において別々に、又は任意の適切なサブ組合せにより、実施されてもよい。
【0089】
本開示について、構造的特徴及び/又は方法論的な動作に特有の言葉で説明したが、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示は、必ずしも上述の特定の特徴又は動作に限定されないことを理解されたい。上述の特定の特徴や動作はむしろ、特許請求の範囲を実施する例示的形態として開示されている。