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特許7505599液体漏れ検出装置、液体漏れ検出方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】液体漏れ検出装置、液体漏れ検出方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/38 20060101AFI20240618BHJP
【FI】
G01M3/38 J
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022576329
(86)(22)【出願日】2021-01-22
(86)【国際出願番号】 JP2021002224
(87)【国際公開番号】W WO2022157923
(87)【国際公開日】2022-07-28
【審査請求日】2023-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】小野 貴寛
【審査官】福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-537146(JP,A)
【文献】特開2014-174708(JP,A)
【文献】特開昭62-197747(JP,A)
【文献】特表2020-515873(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0115396(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管に照射されたレーザ光の反射光を取得する取得手段と、
前記反射光に基づき、前記配管の三次元点群データである配管モデルを生成する配管モデル生成手段と、
前記反射光に基づき、前記配管偏光状態を検出する偏光状態検出手段と、
前記配管モデルと前記偏光状態に基づき前記配管の液体漏れを検出する液体漏れ検出手段と、
を備える液体漏れ検出装置。
【請求項2】
前記偏光状態検出手段は、前記配管モデルの各点対応する偏光状態それぞれを検出することを特徴とする請求項1に記載の液体漏れ検出装置。
【請求項3】
前記偏光状態検出手段は、前記反射光をコヒーレント検波し、検波結果に基づき前記偏光状態を示す偏光値を検出する
ことを特徴とする請求項2に記載の液体漏れ検出装置。
【請求項4】
前記偏光値は、ジョーンズベクトルを用いたものであることを特徴とする請求項に記載の液体漏れ検出装置。
【請求項5】
前記液体漏れ検出手段は、前記偏光値に対するクラスタリングを実行することにより前記液体漏れを検出することを特徴とする請求項に記載の液体漏れ検出装置。
【請求項6】
前記液体漏れ検出手段は、前記偏光値を基準値と比較することにより前記液体漏れを検出することを特徴とする請求項に記載の液体漏れ検出装置。
【請求項7】
前記液体漏れ検出手段は、前記液体漏れの発生の有無を判定する液体漏れ有無判定手段を含むことを特徴とする請求項に記載の液体漏れ検出装置。
【請求項8】
配管に照射されたレーザ光の反射光を取得し、
前記反射光に基づき前記配管の三次元モデルを生成し、
前記反射光に基づき前記配管偏光状態を検出し、
出された前記偏光状態に基づき前記配管の液体漏れを検出する
ことを特徴とする液体漏れ検出方法。
【請求項9】
コンピュータ
管に照射されたレーザ光の反射光に基づいて前記配管の三次元点群データである配管モデルを生成する処理と、
前記反射光に基づいて前記配管偏光状態を検出する処理と、
前記配管モデルと前記偏光状態に基づき前記配管の液体漏れを検出する処理と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体漏れ検出装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配管を有する施設において、作業員が手作業及び直接目視により配管の液体漏れを検出している。具体的には、例えば、工場において、作業員が手作業及び直接目視により配管の油漏れを検出している。
【0003】
特許文献1には、可視光カメラを用いて配管の油漏れを検出する技術が開示されている。より具体的には、光の照射により蛍光を発する油の漏れを検出する技術が開示されている(例えば、特許文献1の要約参照。)。すなわち、光照射手段が配管を含む領域に光を照射する。可視光カメラが、当該光が照射されている状態にて当該領域を撮像するとともに、当該光が照射されていない状態にて当該領域を撮像する。これらの撮像により得られた画像の差分画像が取得される。当該取得された差分画像における輝度の変化に基づき、油漏れの有無が判定される。
【0004】
なお、関連技術として、特許文献2に記載の技術も知られている。また、特許文献3に記載の技術も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-185757号公報
【文献】特開昭62-197745号公報
【文献】特開2002-286862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の技術においては、配管の油漏れを検出するにあたり、可視光カメラを設置する作業及び光照射手段を設置する作業が要求される。また、特許文献1に記載の技術においては、光照射手段により光が照射されるタイミングと、可視光カメラより画像が撮像されるタイミングとの同期を取る制御が要求される。このように、特許文献1に記載の技術においては、油漏れを検出するための構成が複雑であるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、より容易に配管の液体漏れを検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る液体漏れ検出装置の一形態は、配管を含む領域に照射されたレーザ光の反射光に基づくデータを取得するデータ取得手段と、データを用いて配管の三次元モデルである配管モデルを生成する配管モデル生成手段と、データを用いて配管モデルにおける偏光状態を検出する偏光状態検出手段と、偏光状態検出手段により検出された偏光状態に基づき配管の液体漏れを検出する液体漏れ検出手段と、を備えるものである。
【0009】
本発明に係る液体漏れ検出方法の一形態は、データ取得手段が、配管を含む領域に照射されたレーザ光の反射光に基づくデータを取得し、配管モデル生成手段が、データを用いて配管の三次元モデルである配管モデルを生成し、偏光状態検出手段が、データを用いて配管モデルにおける偏光状態を検出し、液体漏れ検出手段が、偏光状態検出手段により検出された偏光状態に基づき配管の液体漏れを検出するものである。
【0010】
本発明に係る記録媒体の一形態は、コンピュータを、配管を含む領域に照射されたレーザ光の反射光に基づくデータを取得するデータ取得手段と、データを用いて配管の三次元モデルである配管モデルを生成する配管モデル生成手段と、データを用いて配管モデルにおける偏光状態を検出する偏光状態検出手段と、偏光状態検出手段により検出された偏光状態に基づき配管の液体漏れを検出する液体漏れ検出手段と、として機能させるためのプログラムが記録されたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、より容易に配管の液体漏れを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、第1実施形態に係る液体漏れ検出装置を含む液体漏れ検出システムの要部を示すブロック図である。
図2A図2Aは、第1実施形態に係る液体漏れ検出装置の要部のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2B図2Bは、第1実施形態に係る液体漏れ検出装置の要部の他のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2C図2Cは、第1実施形態に係る液体漏れ検出装置の要部の他のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図3は、第1実施形態に係る液体漏れ検出装置の動作を示すフローチャートである。
図4A図4Aは、配管における液体漏れの発生がない部位に対応するレーザ光の偏光状態の例を示す説明図である。
図4B図4Bは、図4Aに示す偏光状態における偏光値の例を示す説明図である。
図5A図5Aは、配管における液体漏れの発生がある部位に対応するレーザ光の偏光状態の例を示す説明図である。
図5B図5Bは、図5Aに示す偏光状態における偏光値の例を示す説明図である。
図6A図6Aは、液体漏れの発生がない状態における配管の例を示す説明図である。
図6B図6Bは、液体漏れの発生がない状態における配管モデルの例を示す説明図である。
図6C図6Cは、液体漏れの発生がない状態における個々の偏光値がプロットされた二次元マップの例を示す説明図である。
図7A図7Aは、液体漏れの発生がある状態における配管の例を示す説明図である。
図7B図7Bは、液体漏れの発生がある状態における配管モデルの例を示す説明図である。
図7C図7Cは、液体漏れの発生がある状態における個々の偏光値がプロットされた二次元マップの例を示す説明図である。
図8図8は、表示装置に表示される画像の例を示す説明図である。
図9図9は、表示装置に表示される他の画像の例を示す説明図である。
図10図10は、第1実施形態に係る他の液体漏れ検出システムの要部を示すブロック図である。
図11図11は、第1実施形態に係る他の液体漏れ検出装置の要部を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る液体漏れ検出装置を含む液体漏れ検出システムの要部を示すブロック図である。図1を参照して、第1実施形態に係る液体漏れ検出装置を含む液体漏れ検出システムについて説明する。
【0015】
図1に示す如く、液体漏れ検出システム100は、レーザ測定装置1、液体漏れ検出装置2及び出力装置3を含む。液体漏れ検出装置2は、データ取得部11、配管モデル生成部12、偏光状態検出部13、液体漏れ検出部14及び出力制御部15を含む。液体漏れ検出部14は、液体漏れ有無判定部21及び液体漏れ箇所検出部22を含む。出力装置3は、表示装置31を含む。
【0016】
レーザ測定装置1は、少なくとも1本の配管Pを有する施設(例えば工場)に設置される。レーザ測定装置1による測定の対象となる領域(以下「測定対象領域」という。)は、配管Pのうちの少なくとも一部を含む。
【0017】
すなわち、レーザ測定装置1は、レーザ光L_Iを出射する。当該レーザ光L_Iは、測定対象領域に照射される。当該照射されたレーザ光L_Iは、測定対象領域内の物体により反射される。レーザ測定装置1は、当該反射されたレーザ光L_Rを受信する。以下、測定対象領域に照射されるレーザ光L_Iを「照射レーザ光」又は単に「レーザ光」ということがある。また、測定対象領域内の物体により反射されたレーザ光L_Rを「反射レーザ光」又は「反射光」ということがある。
【0018】
ここで、照射レーザ光L_Iを反射する物体は、配管Pのうちの測定対象領域に含まれる部位を含む。また、かかる部位にて液体漏れ(例えば油漏れ)が発生している場合、照射レーザ光L_Iを反射する物体は、かかる液体(例えば油)を含む。
【0019】
レーザ測定装置1は、照射レーザ光L_I及び反射レーザ光L_Rに基づき、LiDAR(Light Detection and Ranging)による測定を実行する。レーザ測定装置1は、かかる測定の結果を示すデータ(以下「測定データ」という。)を出力する。
【0020】
すなわち、レーザ測定装置1においては、照射レーザ光L_Iの出射方向が可変である。レーザ測定装置1は、照射レーザ光L_Iを複数個の方向に順次出射する。これにより、複数個の方向の各々に照射レーザ光L_Iが出射される。各方向に対する照射レーザ光L_Iの出射について、レーザ測定装置1によって、レーザ光L_I,L_Rの往復伝搬時間に対応する片道伝搬距離を示すデータ(以下「距離データ」という。)、及び照射レーザ光L_Iの出射方向を示すデータ(以下「方向データ」という。)が生成される。これに加えて、レーザ測定装置1が移動型又は可搬型である場合、レーザ測定装置1の位置を示すデータ(以下「位置データ」という。)が生成される。レーザ測定装置1により出力される測定データは、これらのデータ(すなわち距離データ、方向データ及び位置データ)を含む。
【0021】
また、レーザ測定装置1は、偏波分離器(不図示)を用いて、反射レーザ光L_Rを2偏波成分(X偏波成分及びY偏波成分を含む。)に分離する。レーザ測定装置1は、コヒーレント検波器(不図示)を用いて、X偏波成分及びY偏波成分の各々に対するコヒーレント検波を実行する。レーザ測定装置1は、測定データを出力するのに加えて、かかるコヒーレント検波の結果を示すデータ(以下「検波データ」という。)を出力する。ここで、X偏波成分及びY偏波成分は、光の進行方向に対して直交する面上で分解された直交成分を示している。具体的には、例えば、X偏波成分及びY偏波成分は、P偏光における当該直交成分を示している。
【0022】
なお、LiDARによる測定には、公知の種々の技術を用いることができる。また、コヒーレント検波には、公知の種々の技術を用いることができる。これらの技術についての詳細な説明は省略する。
【0023】
また、レーザ測定装置1は、移動型又は可搬型であっても良い。レーザ測定装置1が移動することにより、実質的に測定対象領域の拡大を図ることができる。これにより、配管Pのうちの測定対象領域に含まれる範囲の拡大を図ることができる。この結果、例えば、配管Pの全体を測定対象領域に含めることができる。
【0024】
データ取得部11は、レーザ測定装置1により出力された測定データ及び検波データを取得する。
【0025】
配管モデル生成部12は、データ取得部11により取得された測定データを用いて、配管Pのうちの測定対象領域に含まれる部位の表面形状に対応する三次元モデル(以下「配管モデル」という。)PMを生成する。すなわち、配管モデル生成部12は、当該取得された測定データに含まれる距離データ及び方向データを用いて、仮想的な三次元座標空間における座標値であって、照射レーザ光L_Iが反射された地点の位置を示す座標値を算出する。かかる三次元座標空間において個々の座標値に対応する点が配置されることにより、点群により構成された三次元モデル(すなわち配管モデルPM)が生成される。なお、レーザ測定装置1が移動型又は可搬型である場合、個々の座標値の算出には、上記取得された測定データに含まれる位置データも用いられる。
【0026】
このほか、LiDARによる測定の結果に基づく三次元モデルの生成には、公知の種々の技術を用いることができる。これらの技術についての詳細な説明は省略する。
【0027】
配管モデルPMは、複数個の点により構成されている。上記取得された検波データは、個々の点に対応する反射レーザ光L_Rについて、X偏波成分及びY偏波成分の各々に対するコヒーレント検波の結果を示す。そこで、偏光状態検出部13は、上記取得された検波データを用いて、配管モデルPMにおける偏光状態を検出する。より具体的には、偏光状態検出部13は、配管モデルPMにおける個々の点に対応する反射レーザ光の偏光状態を検出し、その偏光状態を示す情報(以下「偏光情報」という。)を生成する。偏光情報は、例えば、個々の点について、反射レーザ光の偏光状態を示す値(以下「偏光値」という。)PV_X,PV_Yを含む。
【0028】
ここで、偏光値PV_Xは、X偏波成分の大きさに対応する値である。他方、偏光値PV_Yは、Y偏波成分の大きさに対応する値である。偏光値PV_X,PV_Yには、かかる大きさに対応する値であれば、種々の値が用いられ得る。偏光値PV_X,PV_Yの具体例については、図4A図4B図5A及び図5Bを参照して後述する。
【0029】
液体漏れ検出部14は、偏光状態検出部13により生成された偏光情報を用いて(すなわち偏光状態検出部13により検出された偏光状態に基づき)、配管Pのうちの測定対象領域に含まれる部位における液体漏れ(例えば油漏れ)を検出する。より具体的には、まず、液体漏れ有無判定部21により、かかる部位における液体漏れの発生の有無が判定される。液体漏れの発生があると判定された場合、液体漏れ箇所検出部22により、配管Pにおける液体漏れが発生している部位の位置(以下「発生箇所」ということがある。)が検出される。液体漏れ有無判定部21による判定方法の具体例及び液体漏れ箇所検出部22による検出方法の具体例については、図6A図6C及び図7A図7Cを参照して後述する。
【0030】
出力制御部15は、液体漏れ検出部14による検出結果を示す情報(以下「液体漏れ情報」という。)を出力する制御を実行する。液体漏れ情報の出力には、出力装置3が用いられる。より具体的には、出力制御部15は、液体漏れ情報を含む画像Iを表示する制御を実行する。画像Iは、配管モデル生成部12により生成された配管モデルPMを含むものであっても良い。画像Iの表示には、表示装置31が用いられる。ここで、表示装置31は、ディスプレイを用いたものである。具体的には、例えば、表示装置31は、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイを用いたものである。画像Iの具体例については、図8及び図9を参照して後述する。
【0031】
このようにして、液体漏れ検出システム100の要部が構成されている。
【0032】
以下、データ取得部11を「データ取得手段」ということがある。また、配管モデル生成部12を「配管モデル生成手段」ということがある。また、偏光状態検出部13を「偏光状態検出手段」ということがある。また、液体漏れ検出部14を「液体漏れ検出手段」ということがある。また、出力制御部15を「出力制御手段」ということがある。また、液体漏れ有無判定部21を「液体漏れ有無判定手段」ということがある。また、液体漏れ箇所検出部22を「液体漏れ箇所検出手段」ということがある。
【0033】
次に、図2A図2B及び図2Cを参照して、液体漏れ検出装置2の要部のハードウェア構成について説明する。
【0034】
図2A図2B及び図2Cの各々に示す如く、液体漏れ検出装置2は、コンピュータ41を用いたものである。コンピュータ41は、レーザ測定装置1が設置される場所(例えば工場)と同一の場所に設けられているものであっても良い。または、コンピュータ41は、レーザ測定装置1が設置される場所と異なる場所に設けられているものであっても良い。例えば、コンピュータ41は、クラウドネットワーク内に設けられているものであっても良い。
【0035】
図2Aに示す如く、コンピュータ41は、プロセッサ51及びメモリ52を含む。メモリ52には、コンピュータ41をデータ取得部11、配管モデル生成部12、偏光状態検出部13、液体漏れ検出部14及び出力制御部15として機能させるためのプログラムが記憶されている。プロセッサ51は、メモリ52に記憶されているプログラムを読み出して実行する。これにより、データ取得部11の機能F1、配管モデル生成部12の機能F2、偏光状態検出部13の機能F3、液体漏れ検出部14の機能F4及び出力制御部15の機能F5が実現される。
【0036】
または、図2Bに示す如く、コンピュータ41は、処理回路53を含む。処理回路53は、機能F1~F5に対応する処理を実行する。これにより、機能F1~F5が実現される。
【0037】
または、図2Cに示す如く、コンピュータ41は、プロセッサ51、メモリ52及び処理回路53を含む。メモリ52には、機能F1~F5のうちの一部の機能に対応するプログラムが記憶されている。プロセッサ51は、メモリ52に記憶されているプログラムを読み出して実行する。これにより、かかる一部の機能が実現される。また、処理回路53は、機能F1~F5のうちの残余の機能に対応する処理を実行する。これにより、かかる残余の機能が実現される。
【0038】
プロセッサ51は、1個以上のプロセッサにより構成されている。個々のプロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ又はDSP(Digital Signal Processor)を用いたものである。
【0039】
メモリ52は、1個以上のメモリにより構成されている。個々のメモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、コンパクトディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスク、MO(Magneto Optical)ディスク又はミニディスクを用いたものである。
【0040】
処理回路53は、1個以上の処理回路により構成されている。個々の処理回路は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)又はシステムLSI(Large Scale Integration)を用いたものである。
【0041】
なお、プロセッサ51は、機能F1~F5の各々に対応する専用のプロセッサを含むものであっても良い。メモリ52は、機能F1~F5の各々に対応する専用のメモリを含むものであっても良い。処理回路53は、機能F1~F5の各々に対応する専用の処理回路を含むものであっても良い。
【0042】
次に、図3に示すフローチャートを参照して、液体漏れ検出装置2の動作について説明する。
【0043】
まず、データ取得部11は、レーザ測定装置1により出力された測定データ及び検波データを取得する(ステップST1)。次いで、配管モデル生成部12は、当該取得された測定データを用いて、配管モデルPMを生成する(ステップST2)。次いで、偏光状態検出部13は、上記取得された検波データを用いて、上記生成された配管モデルPMにおける偏光状態を検出する(ステップST3)。これにより、偏光情報が生成される。偏光情報は、上記生成された配管モデルPMにおける個々の点に対応する反射レーザ光L_Rの偏光状態を示す。次いで、液体漏れ検出部14は、当該生成された偏光情報を用いて、配管Pにおける液体漏れを検出する(ステップST4)。次いで、出力制御部15は、液体漏れ情報を出力する制御を実行する(ステップST5)。
【0044】
次に、図4A図4B図5A及び図5Bを参照して、偏光値PV_X,PV_Yの具体例について説明する。
【0045】
図4Aは、照射レーザ光L_Iの偏光状態の例、及び配管Pのうちの液体漏れの発生がない部位における反射レーザ光L_Rの偏光状態の例を示している。図中、OAは、レーザ光L_I,L_Rの光軸を示している。また、PPは、レーザ光L_I,L_Rが投影される仮想的な平面(以下「被投影面」という。)を示している。被投影面PPは、光軸OAに対して直交している。図4Aに示す例において、照射レーザ光L_Iは、X偏波成分を含まない。換言すれば、照射レーザ光L_Iは、X偏波成分及びY偏波成分のうちのY偏波成分のみを含む。
【0046】
図4Bは、図4Aに示すレーザ光L_I,L_Rが被投影面PPに投影された状態の例を示している。図4Bに示す例においては、反射レーザ光L_RのX偏波成分を示す値が0.01であり、かつ、反射レーザ光L_RのY偏波成分を示す値が0.99である。これらの値は、照射レーザ光L_Iの振幅を基準に正規化された値である。この場合、例えば、かかる「0.01」の値が偏光値PV_Xに用いられるとともに、かかる「0.99」の値が偏光値PV_Yに用いられる。
【0047】
図5Aは、照射レーザ光L_Iの偏光状態の例、及び配管Pのうちの液体漏れの発生がある部位における反射レーザ光L_Rの偏光状態の例を示している。図5Bは、図5Aに示すレーザ光L_I,L_Rが被投影面PPに投影された状態の例を示している。図5Bに示す例においては、反射レーザ光L_RのX偏波成分を示す値が0.5であり、かつ、反射レーザ光L_RのY偏波成分を示す値が0.85である。これらの値は、照射レーザ光L_Iの振幅を基準に正規化された値である。この場合、例えば、かかる「0.5」の値が偏光値PV_Xに用いられるとともに、かかる「0.85」の値が偏光値PV_Yに用いられる。
【0048】
このように、液体漏れの発生がある部位における反射レーザ光L_Rの偏光状態(図5A参照)は、液体漏れの発生がない部位における反射レーザ光L_Rの偏光状態(図4A参照)と異なるものとなる。このため、液体漏れの発生がある部位に対応する偏光値(図5B参照)は、液体漏れの発生がない部位に対応する偏光値(図B参照)と異なるものとなる。これは、当該漏れた液体の物性(特に光学的特性)が配管Pの表面部の材料の物性(特に光学的特性)と異なることに起因する。
【0049】
次に、図6A図6C及び図7A図7Cを参照して、液体漏れ有無判定部21による判定方法の具体例について説明する。また、液体漏れ箇所検出部22による検出方法の具体例について説明する。
【0050】
まず、液体漏れ検出部14は、偏光状態検出部13により生成された偏光情報に含まれる個々の偏光値PV_X,PV_Yを仮想的な二次元マップMにプロットする。ここで、二次元マップMは、X偏波成分に対応する第1軸を有しており、かつ、Y偏波成分に対応する第2軸を有している(図6C及び図7C参照)。
【0051】
次いで、液体漏れ検出部14は、当該プロットされた偏光値PV_X,PV_Yに対するクラスタリングを実行する。これにより、1個以上のグループGが設定される。
【0052】
ここで、図6Aは、液体漏れの発生がない状態における配管Pの例を示している。図6Bは、液体漏れの発生がない状態における配管モデルPMの例を示している。図6Cは、液体漏れの発生がない状態における、個々の偏光値PV_X,PV_Yが二次元マップMにプロットされた状態の例を示している。
【0053】
他方、図7Aは、液体漏れの発生がある状態における配管Pの例を示している。図中、LPは、配管Pにおける液体漏れの発生箇所を示している。図7Bは、液体漏れの発生がある状態における配管モデルPMの例を示している。図7Cは、液体漏れの発生がある状態における個々の偏光値PV_X,PV_Yが二次元マップMにプロットされた状態の例を示している。
【0054】
液体漏れの発生がない状態においては、偏光情報に含まれる複数個の偏光値PV_X,PV_Yのうちの全ての偏光値PV_X,PV_Yが図4Bに示す値と同等の値となる。このため、クラスタリングにより1個のグループG_1が設定される(図6C参照)。
【0055】
他方、液体漏れの発生がある状態においては、偏光情報に含まれる複数個の偏光値PV_X,PV_Yのうちの一部の偏光値PV_X,PV_Yが図4Bに示す値と同等の値となる。また、偏光情報に含まれる複数個の偏光値PV_X,PV_Yのうちの残余の偏光値PV_X,PV_Yが図5Bに示す値と同等の値になる。このため、クラスタリングにより2個のグループG_1,G_2が設定される(図7C参照)。ただし、図5BがPV_X=0.5かつPV_Y=0.85である場合の例を示しているのに対して、図7CはPV_X≒0.85かつPV_Y≒0.5である場合の例を示している。
【0056】
そこで、液体漏れ有無判定部21は、クラスタリングにより1個のグループG_1が設定された場合、液体漏れの発生がないと判定する。他方、クラスタリングにより2個以上のグループが設定された場合、液体漏れ有無判定部21は、液体漏れの発生があると判定する。
【0057】
また、通常、配管Pの表面部における液体漏れが発生している部位の面積は、配管Pの表面部における液体漏れが発生していない部位の面積に比して小さい。このため、液体漏れの発生がある部位に対応するグループに含まれる偏光値PV_X,PV_Yの個数は、液体漏れの発生がない部位に対応するグループに含まれる偏光値PV_X,PV_Yの個数に比して小さい。例えば、図7Cに示す例において、グループG_2に含まれる偏光値PV_X,PV_Yの個数は、グループG_1に含まれる偏光値PV_X,PV_Yの個数に比して小さい。
【0058】
そこで、液体漏れ箇所検出部22は、個々のグループに含まれる偏光値PV_X,PV_Yの個数に基づき、個々のグループにおいて、液体漏れが発生している部位に対応しているか、あるいは液体漏れが発生していない部位に対応しているかを判定する。液体漏れ箇所検出部22は、液体漏れが発生している部位に対応するグループに含まれる偏光値PV_X,PV_Yについて、配管モデルPMにおける対応する点を特定する。これにより、配管Pにおける液体漏れの発生箇所が検出される。
【0059】
なお、液体漏れの発生がない部位における偏光値PV_X,PV_Yは、図4A及び図4Bに示す例に限定されるものではない。すなわち、かかる部位におけるPV_Xの値は、略0(例えば0.01)に限定されるものではない。また、かかる部位におけるPV_Yの値は、略1(例えば0.99)に限定されるものではない。かかる部位における偏光値PV_X,PV_Yは、配管Pの表面部の材料の物性(特に光学的特性)等に応じて異なる。
【0060】
次に、図8及び図9を参照して、表示装置31に表示される画像Iの具体例について説明する。
【0061】
図8及び図9の各々は、液体漏れ有無判定部21により液体漏れの発生があると判定された場合における画像Iの例を示している。図8及び図9の各々に示す如く、画像Iは、液体漏れの発生があることを示すテキスト状の画像(図中「油漏れが発生しています」)を含むものであっても良い。これにより、液体漏れ検出システム100のユーザ(例えば配管Pを有する工場における運用担当者)に対して、液体漏れが発生したことを知らせることができる。これに加えて、画像Iは、配管モデルPMを含むものであっても良い。これにより、液体漏れ検出システム100のユーザは、液体漏れが発生している部位を含む配管Pの表面形状を確認することができる。
【0062】
ここで、図9に示す如く、画像Iは、液体漏れ箇所検出部22により検出された液体漏れの発生箇所を示すものであっても良い。図9に示す例においては、配管モデルPMのうちの液体漏れの発生箇所に対応する部位の色が他の部位の色と異なる色により表示されている。これにより、液体漏れ検出システム100のユーザに対して、液体漏れの発生箇所を知らせることができる。
【0063】
次に、液体漏れ検出システム100を用いることによる効果について説明する。
【0064】
特許文献1に記載の技術においては、配管の油漏れを検出するにあたり、光照射手段及び可視光カメラを設置する作業が要求される。また、光照射手段により光が照射されるタイミングと、可視光カメラにより画像が撮像されるタイミングとの同期を取るための制御が要求される。すなわち、2種類のデバイスを設置する作業が要求されるとともに、2種類のデバイスにおける同期を取るための制御が要求される。このため、構成が複雑であるという問題があった。
【0065】
これに対して、液体漏れ検出システム100においては、レーザ測定装置1を設置することにより(すなわち1種類のデバイスを設置することにより)、配管Pの液体漏れを検出することができる。また、上記のような2種類のデバイスにおける同期を取るための制御を不要とすることができる。この結果、より容易に配管Pの液体漏れを検出することができる。
【0066】
このとき、配管モデルPMにおける個々の点に対応する偏光情報(より具体的には偏光値PV_X,PV_Y)を用いることにより、液体漏れの発生の有無を判定することができるのはもちろんのこと、液体漏れの発生箇所を検出することができる。この結果、液体漏れの発生箇所を液体漏れ検出システム100のユーザに知らせることができる。
【0067】
次に、液体漏れ検出システム100の変形例について説明する。
【0068】
偏光値PV_X,PV_Yは、上記の具体例に限定されるものではない。すなわち、偏光値PV_X,PV_Yは、照射レーザ光L_Iを基準に正規化された値に限定されるものではない。偏光値PV_Xは、反射レーザ光L_RのX偏波成分に対応する値であれば良い。他方、偏光値PV_Yは、反射レーザ光L_RのY偏波成分に対応する値であれば良い。例えば、偏光値PV_X,PV_Yは、ジョーンズベクトルを用いたものであっても良い。この場合、レーザ測定装置1は、X偏波成分及びY偏波成分における位相差を検出するものであっても良い。LiDARによる位相差の検出には、公知の種々の技術を用いることができる。これらの技術についての詳細な説明は省略する。
【0069】
次に、液体漏れ検出システム100の他の変形例について説明する。
【0070】
液体漏れ検出部14は、上記のようなクラスタリングを実行するのに代えて、個々の偏光値PV_X,PV_Yを基準値と比較するものであっても良い。ここで、基準値は、液体漏れが発生していない部位における偏光値PV_X,PV_Yに相当する値である。基準値は、配管Pの表面部の材料の物性(特に光学的特性)等に応じて異なる値である。基準値は、液体漏れ検出部14に予め設定されている。
【0071】
この場合、液体漏れ検出部14は、例えば、二次元マップMにおける基準値と個々の偏光値PV_X,PV_Yとの距離を算出する。液体漏れ検出部14は、当該算出された距離を所定の閾値と比較することにより、個々の偏光値PV_X,PV_Yが液体漏れの発生がある部位に対応しているか液体漏れの発生がない部に対応しているかを判定する。かかる判定の結果に基づき、液体漏れ有無判定部21が液体漏れの発生の有無を判定するとともに、液体漏れ箇所検出部22が液体漏れの発生箇所を検出する。
【0072】
ただし、この場合、配管Pの液体漏れを検出するにあたり、かかる基準値を事前に設定することが要求される。かかる基準値を事前に設定することが不可能又は困難である場合(例えば配管Pの表面部の材料の物性が不明である場合)、クラスタリングを用いるのが好適である。
【0073】
次に、液体漏れ検出システム100の他の変形例について説明する。
【0074】
液体漏れ検出部14は、液体漏れ箇所検出部22を有しないものであっても良い。換言すれば、液体漏れ検出部14は、液体漏れ有無判定部21及び液体漏れ箇所検出部22のうちの液体漏れ有無判定部21のみを有するものであっても良い。
【0075】
次に、液体漏れ検出システム100の他の変形例について説明する。
【0076】
出力装置3は、表示装置31に限定されるものではない。例えば、出力装置3は、表示装置31に代えて又は加えて、音声出力装置(不図示)を含むものであっても良い。音声出力装置は、例えば、スピーカを用いたものである。
【0077】
この場合、出力制御部15は、液体漏れ情報を含む画像Iを表示する制御に代えて又は加えて、液体漏れ情報を含む音声を出力する制御を実行するものであっても良い。かかる音声の出力には、音声出力装置が用いられる。
【0078】
次に、液体漏れ検出システム100の他の変形例について説明する。
【0079】
出力制御部15は、液体漏れ有無判定部21による判定結果にかかわらず、液体漏れ情報を出力する制御を実行するものであっても良い。すなわち、液体漏れの発生があると判定された場合、例えば、その旨を示す画像I(図8又は図9参照)が表示される。他方、液体漏れの発生がないと判定された場合、例えば、その旨を示す画像I(不図示)が表示される。
【0080】
または、出力制御部15は、液体漏れの発生があると判定された場合にのみ、液体漏れ情報を出力する制御を実行するものであっても良い。換言すれば、出力制御部15は、液体漏れの発生がないと判定された場合、かかる制御の実行をキャンセルするものであっても良い。
【0081】
次に、図10を参照して、液体漏れ検出システム100の他の変形例について説明する。
【0082】
図10に示す如く、レーザ測定装置1及び液体漏れ検出装置2により液体漏れ検出システム100の要部が構成されているものであっても良い。この場合、出力装置3は、液体漏れ検出システム100の外部に設けられているものであっても良い。
【0083】
次に、図11を参照して、液体漏れ検出装置2の変形例について説明する。
【0084】
図11に示す如く、データ取得部11、配管モデル生成部12、偏光状態検出部13及び液体漏れ検出部14により液体漏れ検出装置2の要部が構成されているものであっても良い。この場合、出力制御部15は、出力装置3に設けられているものであっても良い。この場合であっても、上記のような効果を奏することができる。
【0085】
すなわち、データ取得部11は、配管Pを含む領域に照射されたレーザ光の反射光に基づくデータ(より具体的には測定データ及び検波データ)を取得する。配管モデル生成部12は、データ(より具体的には測定データ)を用いて配管Pの三次元モデルである配管モデルPMを生成する。偏光状態検出部13は、データ(より具体的には検波データ)を用いて配管モデルPMにおける偏光状態を検出する。液体漏れ検出部14は、偏光状態検出部13により検出された偏光状態に基づき配管Pの液体漏れを検出する。このように、液体漏れ検出装置2においては、レーザ光の反射光に基づくデータを用いることにより(すなわちレーザ測定装置1を用いて得られるデータを用いることにより)、配管Pの液体漏れを検出することができる。すなわち、特許文献1に記載の技術のように2種類のデバイスにおける同期を取るための制御を不要とすることができる。これにより、より容易に配管Pの液体漏れを検出することができる。
【0086】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0087】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0088】
[付記]
[付記1]
配管を含む領域に照射されたレーザ光の反射光に基づくデータを取得するデータ取得手段と、
前記データを用いて前記配管の三次元モデルである配管モデルを生成する配管モデル生成手段と、
前記データを用いて前記配管モデルにおける偏光状態を検出する偏光状態検出手段と、
前記偏光状態検出手段により検出された前記偏光状態に基づき前記配管の液体漏れを検出する液体漏れ検出手段と、
を備える液体漏れ検出装置。
[付記2]
前記偏光状態検出手段は、前記配管モデルにおける前記偏光状態を示す偏光値を検出することを特徴とする付記1に記載の液体漏れ検出装置。
[付記3]
前記データは、前記反射光に対するコヒーレント検波の結果を示す検波データを含み、
前記偏光状態検出手段は、前記検波データを用いて前記偏光値を検出する
ことを特徴とする付記2に記載の液体漏れ検出装置。
[付記4]
前記偏光値は、ジョーンズベクトルを用いたものであることを特徴とする付記2又は付記3に記載の液体漏れ検出装置。
[付記5]
前記液体漏れ検出手段は、前記偏光値に対するクラスタリングを実行することにより前記液体漏れを検出することを特徴とする付記2から付記4のうちのいずれか一つに記載の液体漏れ検出装置。
[付記6]
前記液体漏れ検出手段は、前記偏光値を基準値と比較することにより前記液体漏れを検出することを特徴とする付記2から付記4のうちのいずれか一つに記載の液体漏れ検出装置。
[付記7]
前記液体漏れ検出手段は、前記液体漏れの発生の有無を判定する液体漏れ有無判定手段を含むことを特徴とする付記1から付記6のうちのいずれか一つに記載の液体漏れ検出装置。
[付記8]
前記液体漏れ検出手段は、前記液体漏れの発生の有無を判定する液体漏れ有無判定手段と、前記配管における前記液体漏れの発生箇所を検出する液体漏れ箇所検出手段と、を含むことを特徴とする付記1から付記6のうちのいずれか一つに記載の液体漏れ検出装置。
[付記9]
前記液体漏れ検出手段による検出結果を示す液体漏れ情報を出力する制御を実行する出力制御手段を備えることを特徴とする付記1から付記8のうちのいずれか一つに記載の液体漏れ検出装置。
[付記10]
前記出力制御手段は、前記配管モデル及び前記液体漏れ情報を含む画像を表示する前記制御を実行することを特徴とする付記9に記載の液体漏れ検出装置。
[付記11]
付記1から付記10のうちのいずれか一つに記載の液体漏れ検出装置と、
前記レーザ光を出射して前記反射光を受信するレーザ測定装置と、
を備える液体漏れ検出システム。
[付記12]
データ取得手段が、配管を含む領域に照射されたレーザ光の反射光に基づくデータを取得し、
配管モデル生成手段が、前記データを用いて前記配管の三次元モデルである配管モデルを生成し、
偏光状態検出手段が、前記データを用いて前記配管モデルにおける偏光状態を検出し、
液体漏れ検出手段が、前記偏光状態検出手段により検出された前記偏光状態に基づき前記配管の液体漏れを検出する
ことを特徴とする液体漏れ検出方法。
[付記13]
前記偏光状態検出手段は、前記配管モデルにおける前記偏光状態を示す偏光値を検出することを特徴とする付記12に記載の液体漏れ検出方法。
[付記14]
前記データは、前記反射光に対するコヒーレント検波の結果を示す検波データを含み、
前記偏光状態検出手段は、前記検波データを用いて前記偏光値を検出する
ことを特徴とする付記13に記載の液体漏れ検出方法。
[付記15]
前記偏光値は、ジョーンズベクトルを用いたものであることを特徴とする付記13又は付記14に記載の液体漏れ検出方法。
[付記16]
前記液体漏れ検出手段は、前記偏光値に対するクラスタリングを実行することにより前記液体漏れを検出することを特徴とする付記13から付記15のうちのいずれか一つに記載の液体漏れ検出方法。
[付記17]
前記液体漏れ検出手段は、前記偏光値を基準値と比較することにより前記液体漏れを検出することを特徴とする付記13から付記15のうちのいずれか一つに記載の液体漏れ検出方法。
[付記18]
前記液体漏れ検出手段は、前記液体漏れの発生の有無を判定することを特徴とする付記12から付記17のうちのいずれか一つに記載の液体漏れ検出方法。
[付記19]
前記液体漏れ検出手段は、前記液体漏れの発生の有無を判定するとともに、前記配管における前記液体漏れの発生箇所を検出することを特徴とする付記12から付記17のうちのいずれか一つに記載の液体漏れ検出方法。
[付記20]
出力制御手段が、前記液体漏れ検出手段による検出結果を示す液体漏れ情報を出力する制御を実行することを特徴とする付記12から付記19のうちのいずれか一つに記載の液体漏れ検出方法。
[付記21]
前記出力制御手段は、前記配管モデル及び前記液体漏れ情報を含む画像を表示する前記制御を実行することを特徴とする付記20に記載の液体漏れ検出方法。
[付記22]
コンピュータを、
配管を含む領域に照射されたレーザ光の反射光に基づくデータを取得するデータ取得手段と、
前記データを用いて前記配管の三次元モデルである配管モデルを生成する配管モデル生成手段と、
前記データを用いて前記配管モデルにおける偏光状態を検出する偏光状態検出手段と、
前記偏光状態検出手段により検出された前記偏光状態に基づき前記配管の液体漏れを検出する液体漏れ検出手段と、
として機能させるためのプログラムが記録された記録媒体。
[付記23]
前記偏光状態検出手段は、前記配管モデルにおける前記偏光状態を示す偏光値を検出することを特徴とする付記22に記載の記録媒体。
[付記24]
前記データは、前記反射光に対するコヒーレント検波の結果を示す検波データを含み、
前記偏光状態検出手段は、前記検波データを用いて前記偏光値を検出する
ことを特徴とする付記23に記載の記録媒体。
[付記25]
前記偏光値は、ジョーンズベクトルを用いたものであることを特徴とする付記23又は付記24に記載の記録媒体。
[付記26]
前記液体漏れ検出手段は、前記偏光値に対するクラスタリングを実行することにより前記液体漏れを検出することを特徴とする付記23から付記25のうちのいずれか一つに記載の記録媒体。
[付記27]
前記液体漏れ検出手段は、前記偏光値を基準値と比較することにより前記液体漏れを検出することを特徴とする付記23から付記25のうちのいずれか一つに記載の記録媒体。
[付記28]
前記液体漏れ検出手段は、前記液体漏れの発生の有無を判定する液体漏れ有無判定手段を含むことを特徴とする付記22から付記27のうちのいずれか一つに記載の記録媒体。
[付記29]
前記液体漏れ検出手段は、前記液体漏れの発生の有無を判定する液体漏れ有無判定手段と、前記配管における前記液体漏れの発生箇所を検出する液体漏れ箇所検出手段と、を含むことを特徴とする付記22から付記27のうちのいずれか一つに記載の記録媒体。
[付記30]
前記プログラムは、前記コンピュータを、前記液体漏れ検出手段による検出結果を示す液体漏れ情報を出力する制御を実行する出力制御手段として機能させるものであることを特徴とする付記22から付記29のうちのいずれか一つに記載の記録媒体。
[付記31]
前記出力制御手段は、前記配管モデル及び前記液体漏れ情報を含む画像を表示する前記制御を実行することを特徴とする付記30に記載の記録媒体。
【符号の説明】
【0089】
1 レーザ測定装置
2 液体漏れ検出装置
3 出力装置
11 データ取得部
12 配管モデル生成部
13 偏光状態検出部
14 液体漏れ検出部
15 出力制御部
21 液体漏れ有無判定部
22 液体漏れ箇所検出部
31 表示装置
41 コンピュータ
51 プロセッサ
52 メモリ
53 処理回路
100 液体漏れ検出システム
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11