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特許7505606販売支援装置、販売支援方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】販売支援装置、販売支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0283 20230101AFI20240618BHJP
   G06Q 30/0207 20230101ALI20240618BHJP
【FI】
G06Q30/0283
G06Q30/0207
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023015866
(22)【出願日】2023-02-06
(62)【分割の表示】P 2020155937の分割
【原出願日】2020-09-17
(65)【公開番号】P2023041932
(43)【公開日】2023-03-24
【審査請求日】2023-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 朋子
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-144950(JP,A)
【文献】特開2012-141997(JP,A)
【文献】特開2014-052678(JP,A)
【文献】特開2005-174035(JP,A)
【文献】特開2017-097386(JP,A)
【文献】弥生販売 見積りの値引き価格に迷ったときは、過去の単価履歴を参照しよう!,2017年02月02日,https://media.yayoi-kk.co.jp/backoffice/1691/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売実績の照会対象にする対象商品の入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により対象商品の入力を受け付けた場合に、前記対象商品の取り引きにおいて予め設定されている販売価格よりも減額されて前記対象商品が販売された販売実績を示す取引リストであって取り引きごとに値引額又は値引き後金額が対応付けられている取引リストを表示させる第1表示制御手段と、
前記取引リスト中の各取り引きに所定の値引きが上乗せされた場合の参考リストであって取り引きごとに値引額又は値引き後金額が対応付けられている参考リストを表示させる第2表示制御手段と、
を備え、
前記第2表示制御手段は、前記上乗せによって減額許容額を超える取り引きについては前記上乗せを反映させずに前記取引リストでの値引額又は値引き後金額を維持した状態で前記参考リストを表示させる、
ことを特徴とする販売支援装置。
【請求項2】
前記第2表示制御手段は、前記上乗せが反映されずに前記取引リストでの値引額又は値引き後金額が維持された状態の取り引きを識別可能なように前記参考リストを表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の販売支援装置。
【請求項3】
前記第1表示制御手段は、前記受付手段により入力を受け付けた対象商品が前記所定の値引きを上乗せする際の条件が予め設定されている商品であった場合に、前記取引リストとともに所定の操作ボタンを表示させ、
前記第2表示制御手段は、前記所定の操作ボタンがユーザにより操作された場合に、前記参考リストを表示させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の販売支援装置。
【請求項4】
販売支援装置が実行する販売支援方法であって、
販売実績の照会対象にする対象商品の入力を受け付ける受付処理と、
前記受付処理で対象商品の入力を受け付けた場合に、前記対象商品の取り引きにおいて予め設定されている販売価格よりも減額されて前記対象商品が販売された販売実績を示す取引リストであって取り引きごとに値引額又は値引き後金額が対応付けられている取引リストを表示させる第1表示制御処理と、
前記取引リスト中の各取り引きに所定の値引きが上乗せされた場合の参考リストであって取り引きごとに値引額又は値引き後金額が対応付けられている参考リストを表示させる第2表示制御処理と、
を含み、
前記第2表示制御処理は、前記上乗せによって減額許容額を超える取り引きについては前記上乗せを反映させずに前記取引リストでの値引額又は値引き後金額を維持した状態で前記参考リストを表示させる、
ことを特徴とする販売支援方法。
【請求項5】
コンピュータを、
販売実績の照会対象にする対象商品の入力を受け付ける受付手段、
前記受付手段により対象商品の入力を受け付けた場合に、前記対象商品の取り引きにおいて予め設定されている販売価格よりも減額されて前記対象商品が販売された販売実績を示す取引リストであって取り引きごとに値引額又は値引き後金額が対応付けられている取引リストを表示させる第1表示制御手段、
前記取引リスト中の各取り引きに所定の値引きが上乗せされた場合の参考リストであって取り引きごとに値引額又は値引き後金額が対応付けられている参考リストを表示させる第2表示制御手段、
として機能させ、
前記第2表示制御手段は、前記上乗せによって減額許容額を超える取り引きについては前記上乗せを反映させずに前記取引リストでの値引額又は値引き後金額を維持した状態で前記参考リストを表示させる、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売支援装置、販売支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品の見積、受注、売上、請求、仕入、発注、在庫等の情報を記録管理する販売管理装置が知られている。この販売管理装置では、商品のマスターデータ、取引データ、在庫データ等を照会する照会機能を備えているものが一般的であり、当該照会機能として、例えば、複数の商品の商品コードの入力を受け付けた場合に、そのうちの2以上の商品の選択を受け付けてセット割引を適用することで、割引後の金額を算出して表示する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-118822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている技術では、一意的に定められた割引後の金額を提示するだけであるため、例えば、顧客との間で当該割引後の金額について交渉の余地がある場合、当該割引後の金額の許容範囲が明確でないと、適切な価格を迅速に判断することができないという問題がある。特に、販売員がアルバイトやパート店員等である場合、顧客から割引後の金額について交渉を持ちかけられた際に、当該割引後の金額の許容範囲が明確でないと、当該交渉を社員等に頼らざるを得ないため上記の問題が顕著となる。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、顧客との値引交渉や割引交渉において、適切な価格を迅速に判断することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る販売支援装置は、販売実績の照会対象にする対象商品の入力を受け付ける受付手段と、前記受付手段により対象商品の入力を受け付けた場合に、前記対象商品の取り引きにおいて予め設定されている販売価格よりも減額されて前記対象商品が販売された販売実績を示す取引リストであって取り引きごとに値引額又は値引き後金額が対応付けられている取引リストを表示させる第1表示制御手段と、前記取引リスト中の各取り引きに所定の値引きが上乗せされた場合の参考リストであって取り引きごとに値引額又は値引き後金額が対応付けられている参考リストを表示させる第2表示制御手段と、を備え、前記第2表示制御手段は、前記上乗せによって減額許容額を超える取り引きについては前記上乗せを反映させずに前記取引リストでの値引額又は値引き後金額を維持した状態で前記参考リストを表示させる、ことを特徴とする。
また、本発明に係る販売支援方法は、販売支援装置が実行する販売支援方法であって、販売実績の照会対象にする対象商品の入力を受け付ける受付処理と、前記受付処理で対象商品の入力を受け付けた場合に、前記対象商品の取り引きにおいて予め設定されている販売価格よりも減額されて前記対象商品が販売された販売実績を示す取引リストであって取り引きごとに値引額又は値引き後金額が対応付けられている取引リストを表示させる第1表示制御処理と、前記取引リスト中の各取り引きに所定の値引きが上乗せされた場合の参考リストであって取り引きごとに値引額又は値引き後金額が対応付けられている参考リストを表示させる第2表示制御処理と、を含み、前記第2表示制御処理は、前記上乗せによって減額許容額を超える取り引きについては前記上乗せを反映させずに前記取引リストでの値引額又は値引き後金額を維持した状態で前記参考リストを表示させる、ことを特徴とする。
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータを、販売実績の照会対象にする対象商品の入力を受け付ける受付手段、前記受付手段により対象商品の入力を受け付けた場合に、前記対象商品の取り引きにおいて予め設定されている販売価格よりも減額されて前記対象商品が販売された販売実績を示す取引リストであって取り引きごとに値引額又は値引き後金額が対応付けられている取引リストを表示させる第1表示制御手段、前記取引リスト中の各取り引きに所定の値引きが上乗せされた場合の参考リストであって取り引きごとに値引額又は値引き後金額が対応付けられている参考リストを表示させる第2表示制御手段、として機能させ、前記第2表示制御手段は、前記上乗せによって減額許容額を超える取り引きについては前記上乗せを反映させずに前記取引リストでの値引額又は値引き後金額を維持した状態で前記参考リストを表示させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、顧客との値引交渉や割引交渉において、適切な価格を迅速に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態の販売管理システムの概略構成図である。
図2】サーバーの機能構成を示すブロック図である。
図3】クライアント端末の機能構成を示すブロック図である。
図4】商品マスターテーブルの内容例を示す図である。
図5】伝票明細テーブルの内容例を示す図である。
図6】早見表表示制御処理を示すフローチャートである。
図7】初期状態の早見表表示画面の例を示す図である。
図8】業務用ミックスナッツに対応する商品コード“100501”がテキストボックスに入力された状態で検索ボタンが操作された際に表示される早見表表示画面の例を示す図である。
図9】商品Bに対応する商品コード“100002”がテキストボックスに入力された状態で検索ボタンが操作された際に表示される早見表表示画面の例を示す図である。
図10図8の早見表表示画面において、商品値引/割引早見表の表示態様を変更する指示操作が操作部を介してなされた際に表示される早見表表示画面の例を示す図である。
図11図10の早見表表示画面において、操作部34を介して複数購入再計算ボタンの操作がなされた際に表示される早見表表示画面の例を示す図である。
図12】商品値引/割引早見表の他の例を示す図である。
図13図8に示された商品値引/割引早見表に加えて、業務用ミックスナッツに関する他社最安値情報が表示された状態の早見表表示画面の例を示す図である。
図14図10に示された商品値引/割引早見表の代わりに業務用ミックスナッツに関する他社最安値情報が追加された商品値引/割引早見表が表示された状態の早見表表示画面の例を示す図である。
図15】商品値引/割引早見表の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の販売管理装置及びプログラムに係る実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
<販売管理システム1の構成>
まず、図1を参照して、本実施形態の構成を説明する。図1は、本実施形態の販売管理システム1の概略構成図である。
【0011】
図1に示すように、販売管理システム1は、サーバー2と、複数(例えば、3つ)のクライアント端末3とを備えている。サーバー2とクライアント端末3とは通信ネットワークNを介して情報通信可能に接続される。
【0012】
サーバー2は、例えば、クラウド上のサーバーであり、販売管理システム1を導入した各企業における商品の見積、受注、売上、請求、仕入、発注、在庫、販売計画など販売管理業務に関するサポートを行う。
【0013】
クライアント端末(端末装置)3は、例えば、販売管理システム1を導入した各企業の社員が使用する端末装置である。このクライアント端末3としては、例えば、ノートPC(Personal Computer)、デスクトップPC等が挙げられる。なお、これらに限定されず、スマートフォン、タブレットPC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)であってもよい。
【0014】
通信ネットワークNは、例えば、インターネットであるものとするが、LAN(Local Area Network)等、他のネットワークとしてもよい。
【0015】
<サーバー2の構成>
次に、図2を参照して、サーバー2の機能構成について説明する。図2は、サーバー2の機能構成を示すブロック図である。
【0016】
図2に示すように、サーバー2は、CPU(Central Processing Unit)21と、RAM(Random Access Memory)22と、記憶部23と、操作部24と、表示部25と、通信部26と、バス27などを備えている。サーバー2の各部は、バス27を介して接続されている。
【0017】
CPU21は、サーバー2の各部を制御するプロセッサである。CPU21は、記憶部23に記憶されているシステムプログラム及びアプリケーションプログラムのうち、指定されたプログラムを読み出してRAM22に展開し、当該プログラムに従って各種処理を実行する。
【0018】
RAM22は、例えば、揮発性のメモリであり、CPU21により読み出された各種のプログラムやデータを一時的に格納するワークエリアを有する。
【0019】
記憶部23は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)といった、データの書き込み及び読み出しが可能な記憶装置を備え、各種のプログラムやデータを含むファイル等を記憶する。
【0020】
操作部24は、キーボード等のキー入力部と、マウス等のポインティングデバイスとを有し、ユーザーからのキー操作入力及び位置操作入力を受け付け、その操作情報を、CPU21に出力する。CPU21は、操作部24から送信された情報に基づいて、ユーザーの入力操作を受け付ける。
【0021】
表示部25は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成され、CPU21から指示された表示情報に従い各種表示を行う。
【0022】
通信部26は、ネットワークカード等により構成されている。通信部26は、通信ネットワークNに通信接続されて、通信ネットワークN上の機器との通信を行う。
【0023】
<クライアント端末3の構成>
次に、図3を参照して、クライアント端末3の機能構成について説明する。図3は、クライアント端末3の機能構成を示すブロック図である。
【0024】
図3に示すように、クライアント端末3は、CPU31と、RAM32と、記憶部33と、操作部34と、表示部35と、通信部36と、バス37などを備えている。クライアント端末3の各部は、バス37を介して接続されている。
【0025】
CPU(記憶制御手段、表示制御手段、指定手段、導出手段)31は、クライアント端末3の各部を制御するプロセッサである。CPU31は、記憶部33に記憶されているシステムプログラム及びアプリケーションプログラムのうち、指定されたプログラムを読み出してRAM32に展開し、当該プログラムに従って各種処理を実行する。
【0026】
RAM32は、例えば、揮発性のメモリであり、CPU21により読み出された各種のプログラムやデータを一時的に格納するワークエリアを有する。
【0027】
記憶部33は、HDD、SSDといった、データの書き込み及び読み出しが可能な記憶装置を備え、各種のプログラムやデータを含むファイル等を記憶する。記憶部33に記憶されるデータとしては、商品マスターテーブル331、伝票明細テーブル332などがある。
【0028】
図4は、商品マスターテーブル331の内容例を示す図である。 商品マスターテーブル331は、登録商品ごとに、商品コード、商品名、規格、販売価格、仕入価格、粗利率、底値、複数購入割引区分、及び、複数購入割引率の各データが対応付けられて記憶された商品データベースである。ここで、複数購入割引区分とは、対象商品を複数購入した場合に割引する複数購入割引の対象であるか否かを識別するための区分である。複数購入割引区分のデータが“1”である場合、対象商品が複数購入割引の対象として設定され、当該複数購入割引区分のデータが“0”である場合、対象商品が複数購入割引の対象外として設定されていることを示している。図4に示されている商品マスターテーブル331では、複数購入割引区分のデータが“1”である商品Aや業務用ミックスナッツ等が複数購入割引の対象として設定されている。
【0029】
図5は、伝票明細テーブル332の内容例を示す図である。
伝票明細テーブル332は、登録された伝票ごと(一伝票において複数の商品が登録されている場合は当該伝票の商品ごと)に、伝票番号、取引日時、商品コード、数量、販売価格、割引率、及び、値引/割引額の各データが対応付けられて記憶されたテーブルである。ここで、値引/割引額の項目では、値引額と割引額のいずれかが表されるようになっており、例えば、当該項目のデータが値引額を表している場合、又は、当該項目のデータが“0”すなわち値引の適用も割引の適用も無かった場合、対応する割引率の項目のデータが“-”で表されるようになっている。一方、値引/割引額の項目のデータが割引額を表している場合、対応する割引率の項目のデータは当該割引額に対応する割引率で表されるようになっている。図4に示されている伝票明細テーブル332では、伝票番号“1000000001”の商品コード“100002”である「商品B」は、値引・割引が無かったことを表している。また、伝票番号“1000000001”の商品コード“100501”である「業務用ミックスナッツ」は、75円(割引率;5.0%)の割引がなされたことを表している。また、伝票番号“1000000002”の商品コード“100001”である「商品A」は、200円の値引がなされたことを表している。ここで、CPU31は、商品取引において予め設定されている販売価格よりも減額(値引又は割引)されて商品が販売された場合に、当該販売価格からの減額金額と、当該商品の商品コード(識別情報)とを対応付けて商品取引情報として記憶部33の伝票明細テーブル332に記憶する記憶制御手段として機能したこととなる。また、図示は省略するが、所定期間内に販売価格よりも減額されて商品が販売された回数(減額回数)が上記の減額金額それぞれに対応付けられて記憶されているものとする。
なお、商品コードに関しては、例えば、商品の構成等が変更された場合であっても当該商品の種類に変更がなければ、当該変更の前に割り振られていた商品コードと同一の商品コードが当該変更の後の商品に割り振られるケースがあるものとする。
【0030】
操作部34は、キーボード等のキー入力部と、マウス等のポインティングデバイスとを有し、ユーザーからのキー操作入力及び位置操作入力を受け付け、その操作情報を、CPU31に出力する。CPU31は、操作部34から送信された情報に基づいて、ユーザーの入力操作を受け付ける。
【0031】
表示部35は、LCD、ELディスプレイ等で構成され、CPU31から指示された表示情報に従い各種表示を行う。
【0032】
通信部36は、ネットワークカード等により構成されている。通信部36は、通信ネットワークNに通信接続されて、通信ネットワークN上の機器との通信を行う。
【0033】
<早見表表示制御処理>
次に、クライアント端末3によって行われる早見表表示制御処理を説明する。図6は、早見表表示制御処理を示すフローチャートである。ここで、早見表表示制御処理は、例えば、図示しないメニュー画面において「商品値引/割引早見表」の項目に対応するメニューボタンを、操作部34を介して選択する操作がなされたことを契機として開始されるようになっている。
【0034】
図6に示すように、早見表表示制御処理が開始されると、クライアント端末3のCPU31は、先ず、初期状態の早見表表示画面41を表示部35に表示させる(ステップS1)。
【0035】
図7は、初期状態の早見表表示画面41の例を示す図である。
図7に示すように、初期状態の早見表表示画面41では、テキストボックス411、商品選択ボタン412、検索ボタン413、及び、クリアボタン414が設けられている。また、早見表表示画面41では、画面上部のタイトルバーに現在日時(例えば、2020/8/2)及び時刻(例えば、10:40)が表示されるようになっている(後述する各早見表表示画面42~45,47,48も同様)。
【0036】
テキストボックス411は、商品値引/割引早見表の表示対象となる商品の商品コードを入力するためのテキストボックスである。商品選択ボタン412は、商品値引/割引早見表の表示対象となる商品の商品コードが不明な場合に用いられるボタンである。この商品選択ボタン412の操作がなされると、図示しない商品選択ダイアログが表示され、この商品選択ダイアログから上記の表示対象となる商品を選択することにより、当該商品の商品コードがテキストボックス411に反映されて入力された状態となる。検索ボタン413は、商品値引/割引早見表の表示を指示する際に用いられるボタンである。クリアボタン414は、テキストボックス411に入力された商品コードをクリアする際に用いられるボタンである。
【0037】
次いで、CPU31は、初期状態の早見表表示画面41において、操作部34を介して検索ボタン413の操作がなされたか否かを判定する(ステップS2)。
【0038】
ステップS2において、操作部34を介して検索ボタン413の操作がなされていないと判定された場合(ステップS2;NO)、CPU31は、操作部34を介して早見表表示画面41の表示を終了させる操作がなされたか否かを判定する(ステップS13)。
【0039】
ステップS13において、操作部34を介して早見表表示画面41の表示を終了させる操作がなされたと判定された場合(ステップS13;YES)、CPU31は、早見表表示制御処理を終了する。
一方、ステップS13において、操作部34を介して早見表表示画面41の表示を終了させる操作がなされていないと判定された場合(ステップS13;NO)、CPU31は、処理をステップS2の判定処理に戻し、それ以降の処理を繰り返し行う。
【0040】
また、ステップS2において、操作部34を介して検索ボタン413の操作がなされたと判定された場合(ステップS2;YES)、CPU31は、商品マスターテーブル331を参照し、テキストボックス411に入力されている商品コードに対応する商品があるか否かを判定する(ステップS3)。
【0041】
ステップS3において、テキストボックス411に入力されている商品コードに対応する商品が無いと判定された場合(ステップS3;NO)、CPU31は、テキストボックス411に入力されている商品コードに対応する商品が無い旨のエラー表示を行う(ステップS12)。そして、CPU31は、処理をステップS13の判定処理に移し、それ以降の処理を繰り返し行う。
一方、ステップS3において、テキストボックス411に入力されている商品コードに対応する商品があると判定された場合(ステップS3;YES)、CPU31は、商品マスターテーブル331を参照し、当該商品が複数購入割引の対象商品、すなわち複数購入割引区分“1”に属する商品であるか否かを判定する(ステップS4)。
【0042】
ステップS4において、複数購入割引の対象商品であると判定された場合(ステップS4;YES)、CPU31は、テキストボックス411に入力されている商品コードに対応する商品の商品情報421、商品値引/割引早見表422、及び、指示手段としての複数購入再計算ボタン423が表示された状態の早見表表示画面42を表示部35に表示させる(ステップS5)。
【0043】
図8は、業務用ミックスナッツに対応する商品コード“100501”がテキストボックス411に入力された状態で検索ボタン413が操作された際に表示される早見表表示画面42の例を示す図である。
図8に示すように、早見表表示画面42では、業務用ミックスナッツに関する商品情報421と商品値引/割引早見表422が表示されるとともに、複数購入再計算ボタン423が表示されるようになっている。
【0044】
商品情報421では、商品マスターテーブル331のデータに基づいて、業務用ミックスナッツの規格“1kg”、仕入価格“1,000”、販売価格“1,500”、及び、粗利率“33.3%”が表示されるようになっている。
商品値引/割引早見表422では、伝票明細テーブル332のデータに基づいて、業務用ミックスナッツの過去の販売実績において適用頻度が高い上位5つの値引/割引額が左側から右側へ降順でそれぞれの値引/割引後金額と対応付けられた状態で表示されるようになっている。ここで、商品値引/割引早見表422のタイトルに表示されている「14」、「12」、「8」、「5」、「2」の各数字は、値引/割引額の適用頻度(適用回数(減額回数))を表している。また、商品値引/割引早見表422では、上位5つの値引/割引額のうち、一度でも割引額として適用したことがあるもの(例えば、値引/割引額“150”)については対応する割引率(例えば、割引率“10%”)が更に対応付けられた状態で表示されるようになっている。また、商品値引/割引早見表422では、商品マスターテーブル331のデータに基づいて、業務用ミックスナッツの底値である値引/割引後金額“1,100”と値引/割引額“400”が表示されるようになっている。
【0045】
また、早見表表示画面42では、商品値引/割引早見表422の左上にプルダウンボタン424が設けられている。プルダウンボタン424は、商品値引/割引早見表422の表示態様を変更する際に用いられるボタンである。このプルダウンボタン424の操作がなされると、「値引/割引 回数順」と「値引/割引 日付順」の2つの選択肢からなるプルダウンリストが表示され、このプルダウンリストから現状とは異なる方の選択肢を選択することにより、商品値引/割引早見表422の表示態様を変更することが可能となっている。
【0046】
早見表表示制御処理の説明に戻り、ステップS4において、複数購入割引の対象商品ではないと判定された場合(ステップS4;NO)、CPU31は、テキストボックス411に入力されている商品コードに対応する商品の商品情報431、及び、商品値引/割引早見表432が表示された状態の早見表表示画面43を表示部35に表示させる(ステップS6)。
【0047】
図9は、商品Bに対応する商品コード“100002”がテキストボックス411に入力された状態で検索ボタン413が操作された際に表示される早見表表示画面43の例を示す図である。
図9に示すように、早見表表示画面43では、商品Bに関する商品情報431と商品値引/割引早見表432が表示されるようになっている。ここで、商品Bは、複数購入割引の対象外であるため、早見表表示画面43では、複数購入再計算ボタンが表示されないようになっている。なお、早見表表示画面43では、操作の対象外であるグレーアウトの態様で複数購入再計算ボタンを表示させるようにしてもよい。
【0048】
商品情報431では、商品マスターテーブル331のデータに基づいて、商品Bの規格“1袋”、仕入価格“1,500”、販売価格“1,950”、及び、粗利率“30.0%”が表示されるようになっている。
商品値引/割引早見表432では、伝票明細テーブル332のデータに基づいて、商品Bの過去の販売実績において適用頻度が高い上位5つの値引/割引額が左側から右側へ降順でそれぞれの値引/割引後金額と対応付けられた状態で表示されるようになっている。ここで、商品値引/割引早見表432のタイトルに表示されている「20」、「10」、「3」、「1」、「1」の各数字は、値引/割引額の適用頻度(適用回数(減額回数))を表している。また、商品値引/割引早見表432では、上位5つの値引/割引額のうち、一度でも割引額として適用したことがあるもの(例えば、値引/割引額“195”)については対応する割引率(例えば、割引率“10%”)が更に対応付けられた状態で表示されるようになっている。また、商品値引/割引早見表432では、商品マスターテーブル331のデータに基づいて、商品Bの底値である値引/割引後金額“1,700”と値引/割引額“250”が表示されるようになっている。
【0049】
また、早見表表示画面43では、上述の早見表表示画面42(図8参照)と同様に、プルダウンボタン424が設けられている。
【0050】
早見表表示制御処理の説明に戻り、CPU31は、商品値引/割引早見表の表示態様を変更する指示操作が操作部34を介してなされたか否かを判定する(ステップS7)。具体的には、例えば、上述の早見表表示画面42(図8参照)や早見表表示画面43(図9参照)において、プルダウンボタン424の操作がなされた後、プルダウンリストから現状とは異なる方の選択肢である「値引/割引 日付順」を選択する操作がなされた場合、商品値引/割引早見表の表示態様を変更する指示操作が操作部34を介してなされたと判定されることとなる。
【0051】
ステップS7において、商品値引/割引早見表の表示態様を変更する指示操作が操作部34を介してなされたと判定された場合(ステップS7;YES)、CPU31は、当該商品値引/割引早見表の表示態様を変更する(ステップS8)。
【0052】
図10は、図8の早見表表示画面42において、商品値引/割引早見表の表示態様を変更する指示操作が操作部34を介してなされた際に表示される早見表表示画面44の例を示す図である。
図10に示すように、早見表表示画面44では、業務用ミックスナッツに関する商品値引/割引早見表441が表示されるようになっている。
【0053】
商品値引/割引早見表441では、伝票明細テーブル332のデータに基づいて、業務用ミックスナッツの過去の販売実績において取引日付が新しい直近5つの取引における値引/割引額が左側から右側へ当該取引日付の新しい順でそれぞれの値引/割引後金額と対応付けられた状態で表示されるようになっている。ここで、商品値引/割引早見表441のタイトルに表示されている「2020/8/1」等の日付は、値引/割引額を適用した取引が行われた日付を表している。また、商品値引/割引早見表441では、各値引/割引額のうち割引額として適用したもの(例えば、2020年8月1日と同年7月26日に値引/割引額“150”を適用した取引)については対応する割引率(例えば、割引率“10%”)が更に対応付けられた状態で表示されるようになっている。また、商品値引/割引早見表441では、商品マスターテーブル331のデータに基づいて、業務用ミックスナッツの底値である値引/割引後金額“1,100”と値引/割引額“400”が表示されるようになっている。
【0054】
また、ステップS7において、商品値引/割引早見表の表示態様を変更する指示操作が操作部34を介してなされていないと判定された場合(ステップS7;NO)、CPU31は、ステップS8の処理をスキップして、処理をステップS9に進める。
【0055】
次いで、CPU31は、操作部34を介して複数購入再計算ボタン423(図8図10参照)の操作がなされたか否かを判定する(ステップS9)。
【0056】
ステップS9において、操作部34を介して複数購入再計算ボタン423の操作がなされたと判定された場合(ステップS9;YES)、CPU31は、複数購入割引一覧を表示させる(ステップS10)。
【0057】
図11は、図10の早見表表示画面44において、操作部34を介して複数購入再計算ボタン423の操作がなされた際に表示される早見表表示画面45の例を示す図である。
図11に示すように、早見表表示画面45では、業務用ミックスナッツを複数購入した場合の値引/割引額に関する参考データである複数購入割引一覧451が表示されるようになっている。
【0058】
複数購入割引一覧451は、商品値引/割引早見表441に表示されている各値引/割引額に対して、商品マスターテーブル331に登録されている複数購入割引率“2.0%”から導出した割引額“30”をそれぞれ加算することで生成されるようになっている。ただし、加算後の値引/割引額が業務用ミックスナッツの底値“400”を超える場合は、複数購入割引一覧451において、該当する値引/割引額(例えば、2020年7月8日と同年6月23日の値引/割引額)に対応するタイトルに「(対象外)」の文字情報が付され、「値引/割引額」、及び、「値引/割引後金額」の各項目には、商品値引/割引早見表441に表示されている金額がそのまま表示される。
【0059】
また、ステップS9において、操作部34を介して複数購入再計算ボタン423の操作がなされていないと判定された場合(ステップS9;NO)、CPU31は、ステップS10の処理をスキップして、処理をステップS11に進める。
【0060】
次いで、CPU31は、操作部34を介して早見表表示画面の表示を終了させる操作がなされたか否かを判定する(ステップS11)。
【0061】
ステップS11において、操作部34を介して早見表表示画面の表示を終了させる操作がなされたと判定された場合(ステップS11;YES)、CPU31は、早見表表示制御処理を終了する。
一方、ステップS11において、操作部34を介して早見表表示画面の表示を終了させる操作がなされていないと判定された場合(ステップS11;NO)、CPU31は、処理をステップS7の判定処理に戻し、それ以降の処理を繰り返し行う。
【0062】
以上説明したように、クライアント端末3のCPU31は、商品取引において予め設定されている販売価格よりも減額されて商品が販売された場合に、当該販売価格からの値引/割引額(減額金額)と、当該商品の商品コード(識別情報)とを対応付けて商品取引情報として記憶部33に記憶し、当該商品における商品取引情報を参照する操作を受け付けた場合に、当該商品の商品コードと対応付けて記憶部33に記憶されている値引/割引額を、優先表示順序の設定情報に従って一覧表示させる。
したがって、クライアント端末3によれば、顧客との値引交渉や割引交渉において、対象商品の価格を減額する際に参考となる値引/割引額を、予め定められた優先表示順序の設定情報に従って一覧表示させることができる。この結果、当該対象商品の値引/割引額を確認しながら交渉を進めることができるので、適切な価格を迅速に判断することができる。
【0063】
また、クライアント端末3のCPU31は、値引/割引額(減額金額)の表示態様が互いに異なる第1モード(値引/割引 回数順)と第2モード(値引/割引 日付順)とのうちのいずれか一方のモードをユーザー操作に基づき指定し、上記第1モードが指定された場合、減額回数が多い順に値引/割引額を一覧表示させ、上記第2モードが指定された場合、取引日時の新しい順に値引/割引額を一覧表示させる。
したがって、クライアント端末3によれば、対象商品の価格を減額する際に参考となる値引/割引額の表示態様を変更可能とすることで、当該対象商品の価格を判断する際の判断材料を増やすことができるので、より適切な価格をより迅速に判断することができる。
【0064】
また、クライアント端末3のCPU31は、値引/割引額(減額金額)を表示部35に一覧表示させる際に、対象商品の底値を併せて表示させる。
したがって、クライアント端末3によれば、顧客との値引交渉や割引交渉において、対象商品の底値を更に確認しながら交渉を進めることができるので、より適切な価格を迅速に判断することができる。
【0065】
また、クライアント端末3のCPU31は、値引/割引額(減額金額)が割引額である場合、当該割引額に対応する割引率を併せて表示させる。
したがって、クライアント端末3によれば、割引率の表示の有無によって値引/割引額が割引額であったのか値引額であったのかを区別することができる。この結果、値引/割引額が割引額であったのか値引額であったのかを区別可能とすることで、対象商品の価格を判断する際の判断材料をより一層増やすことができるので、より適切な価格をより迅速に判断することができるようになる。
【0066】
また、クライアント端末3のCPU31は、値引/割引額(減額金額)を表示部35に一覧表示させる際に、当該値引/割引額が適用された状態の対象商品の販売価格を併せて表示させる。
したがって、クライアント端末3によれば、顧客との値引交渉や割引交渉において、値引/割引額が適用された状態の対象商品の販売価格を更に確認しながら交渉を進めることができるので、より適切な価格をより迅速に判断することができる。
【0067】
また、クライアント端末3のCPU31は、対象商品を複数購入した場合に適用される値引/割引額(特別減額金額)の導出が指示された場合、表示部35に一覧表示されている値引/割引額(減額金額)を対象として複数購入した場合に適用される値引/割引額を導出し、当該複数購入した場合に適用される値引/割引額を表示部35に表示されている値引/割引額(減額金額)と同様の表示態様によって表示させる。
したがって、クライアント端末3によれば、顧客との値引交渉や割引交渉において、対象商品を複数購入した場合に適用される値引/割引額を更に確認しながら交渉を進めることができるので、当該交渉を円滑に進めることができる。また、複数購入した場合に適用される値引/割引額を表示部35に表示させる際は、既に表示部35に表示されている値引/割引額(減額金額)と同様の表示態様によって表示させることによって、複数購入した場合に適用される値引/割引額を確認し易くすることができる。
【0068】
また、クライアント端末3のCPU31は、対象商品の取引に関する商品情報として、当該対象商品の商品名、規格、仕入価格、通常の販売価格、及び、粗利率を表示させる。
したがって、クライアント端末3によれば、顧客との値引交渉や割引交渉において、対象商品の取引に関する商品情報として、当該対象商品の商品名、規格、仕入価格、通常の販売価格、及び、粗利率を確認しながら交渉を進めることができるので、より適切な価格をより迅速に判断することができる。
【0069】
以上、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記実施形態では、複数購入再計算ボタン423の操作がなされた場合、複数購入割引率2%が上乗せされた複数購入割引一覧451(図11参照)が表示される構成としたが、購入予定数が多ければ多いほど上乗せされる複数購入割引率を高くすることができるようにしてもよい。具体的には、例えば、購入予定数が2~10である場合、複数購入割引率を2%とし、当該購入予定数が11~100である場合、複数購入割引率を3%とし、当該購入予定数が100以上である場合、複数購入割引率を4%とする。かかる場合、購入予定数に応じた複数購入割引一覧をそれぞれ表示させるようにする。
【0070】
また、上記実施形態では、例えば、セット購入再計算ボタンを更に設け、当該セット購入再計算ボタンの操作がなされた際に、対象商品(例えば、業務用ミックスナッツ)とは異なる種類の商品を指定する操作を受け付け、指定された商品(例えば、商品A)を対象商品とセットで購入した場合の割引一覧を表示させるようにしてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、適用頻度が高い上位5つの値引/割引額が降順で並べられた商品値引/割引早見表、又は、取引日付が新しい直近5つの取引における値引/割引額が当該取引日付の新しい順で並べられた商品値引/割引早見表を選択して表示部35に表示させる構成としたが、これらの商品値引/割引早見表とは異なる表示態様の早見表を選択して表示させることができるようにしてもよい。具体的には、図12に示すように、例えば、割引率が5%刻みで対象商品の底値を超えない範囲で表示されるとともに、それぞれの割引率に対応する割引額及び割引後販売価格が表示された商品値引/割引早見表461を選択して表示部35に表示させることができるようにしてもよい。この商品値引/割引早見表461では、割引実績のある割引額及び割引後販売価格を識別可能とするため、対応する割引額及び割引後販売価格の欄が通常とは異なる表示態様(例えば、網掛け表示態様)で表示されるようになっている。
【0072】
また、上記実施形態では、適用頻度が高い上位5つの値引/割引額が降順で並べられた商品値引/割引早見表や、取引日付が新しい直近5つの取引における値引/割引額が当該取引日付の新しい順で並べられた商品値引/割引早見表を表示部35に表示させる際に、例えば、対象商品に関する他社の最安値を示す他社最安値情報をサーバー2や外部サーバー(図示省略)等から取得し、取得された当該他社最安値情報を併せて表示させるようにしてもよい。
【0073】
図13は、図8に示された商品値引/割引早見表422に加えて、業務用ミックスナッツに関する他社最安値情報が表示された状態の早見表表示画面47の例を示す図である。
図13に示すように、早見表表示画面47では、商品値引/割引早見表422の下方に、業務用ミックスナッツに関する他社最安値情報として、例えば、“※2020/4/1~2020/8/1までの他社最安値は1,200円です。”の文字情報が表示されるようになっている。
【0074】
図14は、図10に示された商品値引/割引早見表441の代わりに業務用ミックスナッツに関する他社最安値情報が追加された商品値引/割引早見表481が表示された状態の早見表表示画面48の例を示す図である。
図14に示すように、早見表表示画面48では、商品値引/割引早見表481において、業務用ミックスナッツの過去の販売実績において取引日付が新しい直近5つの取引における値引/割引額が左側から右側へ当該取引日付の新しい順でそれぞれの取引日付における他社最安値と対応付けられた状態で表示されるようになっている。
【0075】
また、上記実施形態では、適用頻度が高い上位5つの値引/割引額が降順で並べられた商品値引/割引早見表や、取引日付が新しい直近5つの取引における値引/割引額が当該取引日付の新しい順で並べられた商品値引/割引早見表を表示部35に表示させる際に、例えば、対象商品に関する不良在庫数を示す不良在庫数情報を記憶部33やサーバー2等から取得し、当該対象商品に関する不良在庫数が0ではない場合は、この不良在庫数が0になるまでの間、当該対象商品の底値を超えた減額を許容する旨の情報を併せて表示させるようにしてもよい。
なお、図15に示すように、不良在庫処分を目的として対象商品(例えば、業務用ミックスナッツ)の底値を超えて減額がなされた際の値引/割引額が商品値引/割引早見表491に表示される場合、当該値引/割引額を通常の値引/割引額とは異なる表示態様(例えば、金額の頭に*印を付した態様)で表示させることが好ましい。これは、対象商品の底値を超えて減額がなされた際の値引/割引額のようにイレギュラーな値引/割引額に影響されて当該値引/割引額が適用され続けてしまうことを防止するためである。
【0076】
また、上記した実施形態では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として記憶部33のHDD、SSDを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリや、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを、通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0077】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
[付記]
<請求項1>
商品取引において予め設定されている販売価格よりも減額されて商品が販売された場合に、前記販売価格からの減額金額と、前記商品又は当該商品と同じ種類の商品における識別情報とを対応付けて商品取引情報として記憶部に記憶する記憶制御手段と、
商品における前記商品取引情報を参照する操作を受け付けた場合に、商品の識別情報と対応付けて前記記憶部に記憶されている前記販売価格からの減額金額を、優先表示順序の設定情報に従って一覧表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする端末装置。
<請求項2>
前記記憶制御手段は、所定期間内に前記販売価格よりも減額されて前記商品が販売された回数を減額回数として前記減額金額それぞれに対応付けて記憶しており、
前記表示制御手段は、前記優先表示順序の設定情報としての前記減額回数の情報に従って前記販売価格からの減額金額を一覧表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
<請求項3>
前記表示制御手段は、前記減額回数が多い順に前記販売価格からの減額金額を一覧表示させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の端末装置。
<請求項4>
前記記憶制御手段は、前記販売価格よりも減額されて前記商品が販売された際の取引日時を前記減額金額それぞれに対応付けて記憶しており、
前記表示制御手段は、前記優先表示順序の設定情報としての前記取引日時の情報に従って前記販売価格からの減額金額を一覧表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
<請求項5>
前記表示制御手段は、前記取引日時の新しい順に前記販売価格からの減額金額を一覧表示させる、
ことを特徴とする請求項4に記載の端末装置。
<請求項6>
前記減額金額の表示態様が互いに異なる第1モードと第2モードとのうちのいずれか一方のモードをユーザー操作に基づき指定する指定手段を備え、
前記表示制御手段は、前記第1モードが指定された場合、前記減額回数が多い順に前記販売価格からの減額金額を一覧表示させる、
ことを特徴とする請求項3に記載の端末装置。
<請求項7>
前記減額金額の表示態様が互いに異なる第1モードと第2モードとのうちのいずれか一方のモードをユーザー操作に基づき指定する指定手段を備え、
前記表示制御手段は、前記第2モードが指定された場合、前記取引日時の新しい順に前記販売価格からの減額金額を一覧表示させる、
ことを特徴とする請求項5に記載の端末装置。
<請求項8>
前記表示制御手段は、前記減額金額を一覧表示させる際に、前記商品の底値を併せて表示させる、
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の端末装置。
<請求項9>
前記減額金額は、割引額又は値引額であり、
前記表示制御手段は、前記減額金額が割引額である場合、前記割引額に対応する割引率を併せて表示させる、
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の端末装置。
<請求項10>
前記表示制御手段は、前記減額金額を一覧表示させる際に、前記減額金額が適用された状態の前記商品の販売価格を併せて表示させる、
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の端末装置。
<請求項11>
前記商品を複数購入した場合に適用される特別減額金額の導出を指示する指示手段と、
前記指示手段によって前記特別減額金額の導出が指示された場合、一覧表示されている前記減額金額を対象として前記特別減額金額を導出する導出手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記導出手段によって導出された前記特別減額金額を前記減額金額の表示態様と同様の表示態様によって表示させる、
ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の端末装置。
<請求項12>
前記商品に関する他社の最安値を示す他社最安値情報を取得する第1取得手段を備え、
前記表示制御手段は、前記減額金額を一覧表示させる際に、前記第1取得手段によって取得された前記他社最安値情報を併せて表示させる、
ことを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の端末装置。
<請求項13>
前記商品に関する不良在庫数を示す不良在庫数情報を取得する第2取得手段を備え、
前記表示制御手段は、前記第2取得手段によって取得された前記商品に関する不良在庫数が0ではない場合、前記減額金額を一覧表示させる際に、前記商品の底値を超えた減額を許容する旨の情報を併せて表示させる、
ことを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の端末装置。
<請求項14>
前記表示制御手段は、不良在庫処分を目的として前記商品の底値を超えて減額がなされた際の減額金額を表示させる場合、前記減額金額を通常の減額金額とは異なる態様で表示させる、
ことを特徴とする請求項13に記載の端末装置。
<請求項15>
端末装置のコンピュータを、
商品取引において予め設定されている販売価格よりも減額されて商品が販売された場合に、前記販売価格からの減額金額と前記商品の識別情報とを対応付けて商品取引情報として記憶部に記憶する記憶制御手段、
商品における前記商品取引情報を参照する操作を受け付けた場合に、商品の識別情報と対応付けて前記記憶部に記憶されている前記販売価格からの減額金額を、優先表示順序の設定情報に従って一覧表示させる表示制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0078】
1 販売管理システム
2 サーバー
3 クライアント端末(端末装置)
31 CPU(記憶制御手段、表示制御手段、指定手段、導出手段)
32 RAM
33 記憶部
331 商品マスターテーブル
332 伝票明細テーブル
34 操作部
35 表示部
36 通信部
37 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15