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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/00 20060101AFI20240618BHJP
【FI】
B65H31/00 Z
B65H31/00 B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023099858
(22)【出願日】2023-06-19
(62)【分割の表示】P 2019034233の分割
【原出願日】2019-02-27
(65)【公開番号】P2023108046
(43)【公開日】2023-08-03
【審査請求日】2023-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】濱田 展光
(72)【発明者】
【氏名】宮宇地 博人
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 和章
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-65844(JP,A)
【文献】特開2015-189558(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 31/00-31/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体が排出される排出口が形成された筐体と、
前記筐体内に位置し、前記媒体に印刷する印刷部と、
上方に位置する前記筐体を支持し、設置面に接触する基台と、
前記排出口から排出された前記媒体を積載するシートと、
を備え、
前記シートは、端部である一方端と、前記一方端とは反対に位置する端部である他方端とを有し、前記一方端は、前記設置面よりも高い位置且つ排出口よりも低い位置で前記シートが前記媒体を受けることが可能に取り付けられ、前記他方端は前記設置面に置かれることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記シートの前記一方端または前記他方端の端部に取り付けられた巻取軸と、前記巻取軸が取り付けられた端部とは反対に位置する端部に取り付けられた取付軸と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記巻取軸が前記設置面に置かれ、前記取付軸が前記筐体または前記基台に取り付けられることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記巻取軸を回転可能な状態で支持する支持部を備え、前記支持部が前記設置面に置かれることにより、前記巻取軸は前記設置面に置かれることを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記取付軸が前記設置面に置かれ、前記巻取軸が前記筐体または前記基台に取り付けられることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記巻取軸は、回転することで前記シートの巻き取りと巻き出しを行い、巻出量に応じて前記シートが積載可能な前記媒体のサイズが変更可能なことを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記巻取軸を動力により回転させ、前記シートを巻き取る巻取機構を備えることを特徴とする請求項6に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体積載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、媒体積載装置の一例として、流体噴射装置から排出される媒体が積載されるスタッカーが記載されている。このスタッカーは、未使用時には折りたたむことが可能な構成とされている。すなわち、未使用時においては、スタッカーのサイズを小さくできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-32045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるスタッカーにおいては、使用時におけるサイズが決まっている。そのため、排出される媒体のサイズによっては、スタッカーのサイズと合わない場合がある。この場合、媒体が適切に積載されないおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する媒体積載装置は、印刷装置の排出口から排出される媒体が積載される媒体積載装置であって、前記媒体を受けるシートと、前記シートを巻き取る巻取軸と、を備えることを特徴とする媒体積載装置。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】媒体積載装置及び印刷装置の側面図。
図2】媒体積載装置の斜視図。
図3】第1調整具及び第2調整具によってシートの第3端及び第4端が引っ張られる場合の正面図。
図4】シートの第3端及び第4端が引っ張られない場合の正面図。
図5】媒体積載装置の変更例を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、印刷装置の一実施形態及び媒体積載装置の一実施形態について図を参照しながら説明する。印刷装置は、例えば、用紙等の媒体に液体の一例であるインクを吐出することによって、文字、写真等の画像を印刷するインクジェット式のプリンターである。媒体積載装置は、印刷装置によって印刷された媒体を受ける。
【0008】
図1に示すように、印刷装置11は、筐体12を備える。筐体12には、印刷された媒体99が排出される排出口13が形成される。本実施形態において、排出口13は、筐体12の前面に形成される。
【0009】
印刷装置11は、基台14を備える。基台14は、筐体12を支持する。本実施形態において、基台14の上方に筐体12が位置する。本実施形態においては、鉛直方向における上方を、単に上方と表記し、鉛直方向における下方を、単に下方と表記する。
【0010】
印刷装置11は、設置面91に設置される。設置面91は、例えば、水平に広がる面である。本実施形態においては、基台14が接触する床面が設置面91とされる。
本実施形態の印刷装置11は、媒体99が巻き重ねられたロール体98をセット可能に構成される。本実施形態において、ロール体98は、筐体12内の所定の位置に収容されることによってセットされる。印刷装置11は、ロール体98から繰り出される媒体99に印刷する。
【0011】
印刷装置11は、媒体99を搬送する搬送部15を備える。本実施形態の搬送部15は、筐体12内に位置する。搬送部15は、例えば、第1ローラー16と第2ローラー17とを含む。第1ローラー16及び第2ローラー17が媒体99を挟み込む状態で回転することによって、媒体99が搬送される。搬送部15は、媒体99をロール体98から排出口13に向けて搬送する。すなわち、搬送部15は、筐体12内において、筐体12の後面から前面に向かうように媒体99を搬送する。
【0012】
印刷装置11は、媒体99に印刷する印刷部18を備える。本実施形態の印刷部18は、筐体12内に位置する。印刷部18は、媒体99に向けて液体を吐出することによって、媒体99に印刷する。印刷部18は、搬送部15によって搬送される媒体99に印刷する。
【0013】
印刷装置11は、媒体99を切断する切断部19を備える。本実施形態の切断部19は、筐体12内に位置する。切断部19は、例えば、第1回転刃21と第2回転刃22とを含む。第1回転刃21及び第2回転刃22が媒体99を挟み込む状態で回転することによって、媒体99が切断される。ロール体98から連続する長尺の媒体99は、切断部19によって切断されると、ロール体98から分離された単票の媒体99となる。
【0014】
印刷装置11の排出口13から排出される媒体99は、媒体積載装置31に積載される。本実施形態の媒体積載装置31は、印刷装置11に取り付けられた状態で使用される。
そのため、本実施形態の印刷装置11は、媒体積載装置31が取り付けられるための取付部24を備える。取付部24は、例えば、筐体12に設けられる。取付部24は、基台14に設けられてもよい。
【0015】
媒体積載装置31は、媒体99を受けるシート32と、シート32を巻き取る巻取軸33とを備える。排出口13から排出される媒体99は、シート32上に積載される。シート32は、例えば、織布、不織布などで構成される。本実施形態のシート32は、長方形状となる長尺の布である。
【0016】
本実施形態において、媒体99は、印刷された印刷面が上方を向く姿勢でシート32上に積載される。そのため、媒体99において印刷面とは反対の面である裏面がシート32に接触する。印刷面がシート32に接触しないことによって、印刷された画像の品質が、媒体99がシート32上に載置されることの影響を受けにくい。
【0017】
巻取軸33は、シート32の一端に取り付けられる。そのため、巻取軸33が回転すると、シート32が巻取軸33に巻き取られる。シート32が巻取軸33に巻き取られるときとは逆方向に巻取軸33が回転すると、シート32が巻取軸33から巻き出される。
【0018】
シート32は、巻取軸33から所定量巻き出された状態で使用される。巻取軸33から巻き出されたシート32の巻出量に応じて、シート32が積載可能な媒体99のサイズが変わる。そのため、本実施形態では、ユーザーが、媒体99のサイズが大きい場合にはシート32の巻出量を大きくし、媒体99のサイズが小さい場合にはシート32の巻出量を小さくする。このように、ユーザーは、媒体99のサイズに合わせて、媒体99を受けるシート32のサイズを変更できる。なお、本実施形態においては、ユーザーがシート32の巻出量を変更するが、別途設けられるセンサーで検出された媒体99のサイズに応じて、ユーザーの操作に拠らずにシート32の巻出量が変更される構成であってもよい。
【0019】
シート32は、巻取軸33に巻き取られることによってロール状となる。そのため、媒体積載装置31を使用しない場合には、巻取軸33がシート32を巻き取ることによって、媒体積載装置31がコンパクトになる。
【0020】
本実施形態において、シート32は、端部である第1端34と、第1端34とは反対に位置する端部である第2端35とを有する。本実施形態の第1端34及び第2端35は、シート32において短辺となる端部である。第1端34は、巻取軸33に取り付けられる。第1端34は、巻取軸33の軸線と平行となるように巻取軸33に取り付けられる。
【0021】
第2端35は、印刷装置11に取り付けられる。第2端35は、印刷装置11から取り外すこともできる。第2端35が印刷装置11から取り外されると、媒体積載装置31が印刷装置11から取り外される。
【0022】
シート32の巻き取り及び巻き出しは、巻取軸33を回転させることによって行われる。そのため、巻取軸33が取り付けられる第1端34とは反対に位置する第2端35が印刷装置11に取り付けられることによって、巻取軸33を回転させやすくなる。すなわち、シート32のサイズを調整しやすい。
【0023】
本実施形態の媒体積載装置31は、第2端35に取り付けられる取付軸36を備える。
第2端35は、取付軸36の軸線に平行となるように取付軸36に取り付けられる。そのため、巻取軸33によってシート32が適切に巻き取られた場合、巻取軸33からシート32が適切に巻き出された場合などにおいて、取付軸36は、巻取軸33と平行となる。
本実施形態の取付軸36は、巻取軸33と同じ長さである。取付軸36及び巻取軸33の長さは、シート32の幅となる第1端34及び第2端35よりも長い。
【0024】
本実施形態においては、取付軸36を取付部24に取り付けることによって、第2端35が印刷装置11に取り付けられる。すなわち、取付軸36を介して第2端35が印刷装置11に取り付けられる。本実施形態の取付部24は、取付軸36を引っ掛けることができるフックで構成される。これにより、印刷装置11に対する媒体積載装置31の取り付け及び取り外しが容易となる。
【0025】
本実施形態において、第2端35は、設置面91よりも高い位置且つ排出口13よりも低い位置で印刷装置11に取り付けられる。例えば、取付部24は、設置面91よりも高い位置且つ排出口13よりも低い位置に設けられる。そのため、切断部19によって切断された媒体99は、排出口13からシート32に向けて落下する。
【0026】
本実施形態において、シート32が巻き出された巻取軸33は、設置面91に置かれる。この場合、シート32は、第2端35から巻取軸33にかけて下方に傾斜、又は湾曲する姿勢となる。そのため、排出口13から排出される媒体99は、シート32上を滑るようにシート32に積載される。これにより、媒体99の排出が促される。排出口13から排出される媒体99が排出口13の近傍に溜まるおそれを低減できる。本実施形態の媒体積載装置31は、印刷装置11からその前方に向かってシート32が延びる状態で使用される。
【0027】
媒体積載装置31は、巻取軸33を回転可能な状態で支持する支持部37を備えてもよい。支持部37は、例えば、巻取軸33の両端を支持する。本実施形態においては、支持部37が設置面91に置かれることによって、巻取軸33が設置面91に置かれることになる。
【0028】
図2に示すように、媒体積載装置31は、シート32を巻き取る方向に巻取軸33を回転させる自動巻取機構38を備えてもよい。自動巻取機構38は、ユーザーが操作することによって駆動する。本実施形態の自動巻取機構38は、支持部37に設けられる。自動巻取機構38は、例えば、電気の動力によって巻取軸33を回転させてもよいし、ぜんまいばねの動力によって巻取軸33を回転させてもよい。
【0029】
本実施形態のシート32は、第1端34及び第2端35とは異なる端部である第3端41と、第3端41とは反対に位置する端部である第4端42とを有する。本実施形態の第3端41及び第4端42は、シート32において長辺となる端部である。
【0030】
図3に示すように、媒体積載装置31は、シート32を引っ張るための第1調整具43及び第2調整具44を備えてもよい。第1調整具43は、第3端41と印刷装置11とに取り付けられる。第2調整具44は、第4端42と印刷装置11とに取り付けられる。第3端41は、第1調整具43を介して印刷装置11に引っ張られる。第4端42は、第2調整具44を介して印刷装置11に引っ張られる。すなわち、第1調整具43及び第2調整具44は、シート32を第3端41と第4端42とで引っ張り合う。第1調整具43及び第2調整具44を例えばゴムで構成すると、シート32をより効果的に引っ張ることができる。シート32を第3端41と第4端42とで引っ張り合うことにより、シート32における第3端41と第4端42との間の弛みが低減される。
【0031】
図4に示すように、シート32において第3端41と第4端42との間における中央部分が下方に弛んでいると、排出口13から媒体99が排出される際に、媒体99の先端における角部分がシート32に接触する。すなわち、媒体99の角部分のみに大きく負荷がかかりやすい。このとき、シート32の弛みが大きいと、シート32に接触することによって媒体99の角部分のみに生じる負荷が大きくなりやすい。その結果、媒体99が折れ曲がるおそれがある。これに対して、第1調整具43及び第2調整具44によってシート32を引っ張ることにより、シート32の弛みが小さい状態であれば、媒体99の角部分がシート32に接触してから、媒体99の幅方向の中央部分がシート32に接触するまでの時間が短くなる。したがって、媒体99の角部分のみに大きな負荷が生じやすい期間が短いため、シート32に接触することによって生じる媒体99の負荷を低減できる。
【0032】
本実施形態の第1調整具43は、シート32の第3端41に固定される。本実施形態の第2調整具44は、シート32の第4端42に固定される。
本実施形態の印刷装置11は、第1調整具43が取り付けられるための第1装着部25と、第2調整具44が取り付けられるための第2装着部26とを備える。本実施形態において、第1装着部25及び第2装着部26は、第1調整具43及び第2調整具44を引っ掛けることができるフックで構成される。第1調整具43は、その一部分が第1装着部25に引っ掛けられることによって、第1装着部25に取り付けられる。第2調整具44は、その一部分が第2装着部26に引っ掛けられることによって、第2装着部26に取り付けられる。
【0033】
第1調整具43及び第2調整具44は、シート32を引っ張る力の大きさを段階的に調整可能に構成されてもよい。例えば、第1調整具43及び第2調整具44は、複数の環状部材で構成されてもよい。本実施形態の第1調整具43は、第1環状部材46と、第2環状部材47と、第3環状部材48とを有する。第1環状部材46は、第3端41と第2環状部材47とに繋がっている。第2環状部材47は、第1環状部材46と第3環状部材48とに繋がっている。
【0034】
第1環状部材46、第2環状部材47、第3環状部材48の何れかが第1装着部25に引っ掛けられることによって、第1調整具43が印刷装置11に取り付けられる。第1環状部材46、第2環状部材47、第3環状部材48の何れが第1装着部25に引っ掛けられるかによって、シート32を引っ張る力の大きさが変わる。本実施形態の第1調整具43においては、第3環状部材48を第1装着部25に引っ掛けた場合に、シート32を引っ張る力が最も弱くなる。第1環状部材46を第1装着部25に引っ掛けた場合に、シート32を引っ張る力が最も強くなる。
【0035】
本実施形態の第2調整具44は、第4環状部材51と、第5環状部材52と、第6環状部材53とを有する。第4環状部材51は、第4端42と第5環状部材52と繋がっている。第5環状部材52は、第4環状部材51と第6環状部材53とに繋がっている。
【0036】
第4環状部材51、第5環状部材52、第6環状部材53の何れかが第2装着部26に引っ掛けられることによって、第2調整具44が印刷装置11に取り付けられる。第4環状部材51、第5環状部材52、第6環状部材53の何れが第2装着部26に引っ掛けられるかによって、シート32を引っ張る力の大きさが変わる。本実施形態の第2調整具44においては、第6環状部材53を第2装着部26に引っ掛けた場合に、シート32を引っ張る力が最も弱くなる。第4環状部材51を第2装着部26に引っ掛けた場合に、シート32を引っ張る力が最も強くなる。
【0037】
次に、上記実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)巻取軸33を回転させることによって、巻取軸33から巻き出されるシート32のサイズを調整できる。すなわち、媒体99のサイズに合わせて、シート32のサイズを調整できる。これにより、媒体99が適切に積載される。
【0038】
(2)第1端34は、巻取軸33に取り付けられ、第2端35は、印刷装置11に取り付けられる。巻取軸33が取り付けられる第1端34とは反対に位置する端部である第2端35が印刷装置11に取り付けられることによって、巻取軸33を回転させやすくなる。すなわち、シート32のサイズを調整しやすくなる。
【0039】
(3)第2端35は、印刷装置11が設置される設置面91よりも高い位置且つ排出口13よりも低い位置で印刷装置11に取り付けられる。シート32が巻き出された巻取軸33を設置面91に置いた場合、シート32は、第2端35から巻取軸33にかけて下方に傾斜、又は湾曲する姿勢となる。そのため、排出口13から排出される媒体99は、シート32上を滑るようにシート32に受けられる。これにより、媒体99の排出が促される。排出口13から排出される媒体99が排出口13の近傍に溜まるおそれを低減できる。
【0040】
(4)第1調整具43は、第3端41と印刷装置11とに取り付けられ、第2調整具44は、第4端42と印刷装置11とに取り付けられる。巻き出されたシート32においては、第3端41と第4端42との間における中央部分が下方に弛みやすい。シート32の中央部分が下方に弛んだ状態で媒体99を受けると、シート32と接触することによって生じる媒体99の負荷が大きくなる。この点、上記実施形態によれば、第1調整具43及び第2調整具44がシート32を引っ張り合うことによって、シート32の弛みを低減できる。これにより、媒体99がシート32に接触することによって生じる媒体99の負荷を低減できる。
【0041】
(5)第1調整具43及び第2調整具44は、シート32を引っ張る力の大きさを段階的に調整可能に構成される。これにより、媒体99のサイズに応じてシート32を引っ張る力を適切な大きさに調整できる。
【0042】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
図5に示すように、巻取軸33が、印刷装置11に取り付けられてもよい。この変更例においては、巻取軸33が取付部24に取り付けられる。こうすると、媒体積載装置31を使用しない場合には、巻取軸33がシート32を巻き取ることによって、媒体積載装置31を印刷装置11に保持させることができる。そのため、使い勝手がよくなる。
【0043】
媒体積載装置31が支持部37を備える場合は、支持部37が取付部24に取り付けられることによって、巻取軸33が印刷装置11に取り付けられる。そのため、取付部24は、支持部37を保持可能に構成される。取付部24は、巻取軸33を回転可能に支持する軸受で構成されてもよい。
【0044】
この変更例において、巻取軸33は、設置面91よりも高い位置且つ排出口13よりも低い位置で印刷装置11に取り付けられる。例えば、取付部24は、設置面91よりも高い位置且つ排出口13よりも低い位置に設けられる。そのため、切断部19によって切断された媒体99は、排出口13からシート32に向けて落下する。
【0045】
巻取軸33から巻き出されたシート32の第1端34は、設置面91に置かれる。取付軸36を備える場合においては、取付軸36が設置面91に置かれることによって、第1端34が設置面91に置かれることになる。
【0046】
第1端34が設置面91に置かれる場合、シート32は、巻取軸33から第1端34にかけて下方に傾斜、又は湾曲する姿勢となる。そのため、排出口13から排出される媒体99は、シート32上を滑るようにシート32に積載される。これにより、媒体99の排出が促される。排出口13から排出される媒体99が排出口13の近傍に溜まるおそれを低減できる。
【0047】
上記変更例によれば、以下の効果を得られる。
(6)第1端34は、巻取軸33に取り付けられ、巻取軸33は、印刷装置11に取り付けられる。こうすると、媒体積載装置31を使用しない場合には、巻取軸33がシート32を巻き取ることによって、媒体積載装置31を印刷装置11に保持させることができる。そのため、使い勝手がよくなる。
【0048】
(7)巻取軸33は、印刷装置11が設置される設置面91よりも高い位置且つ排出口13よりも低い位置で印刷装置11に取り付けられる。巻取軸33から巻き出されたシート32の第2端35を設置面91に置いた場合、シート32は、巻取軸33から第2端35にかけて下方に傾斜、又は湾曲する姿勢となる。そのため、排出口13から排出される媒体99は、シート32上を滑るようにシート32に積載される。これにより、媒体99の排出が促される。排出口13から排出される媒体99が排出口13の近傍に溜まるおそれを低減できる。
【0049】
図5に示すように、第1調整具43は、シート32に対して取り外し可能とされてもよい。例えば、第1調整具43は、第3端41に対して取り外し可能な取付部材55を有してもよい。取付部材55は、第1環状部材46と繋がっている。取付部材55は、例えばクリップで構成される。第2調整具44もまた、シート32から取り外し可能とされてもよい。この場合、第2調整具44は、第1調整具43と同様に、取付部材55を有する。こうすると、第1調整具43及び第2調整具44のシート32に対する位置を変更できるため、シート32を引っ張る力の大きさをより細かく変更できる。
【0050】
・第1調整具43は、環状部材を2つ有する構成でもよいし、4つ以上有する構成でもよい。
・第2調整具44は、環状部材を2つ有する構成でもよいし、4つ以上有する構成でもよい。
【0051】
・シート32において、取付軸36に代えて、第2端35に環状部材を設けてもよい。
この場合、その環状部材が取付部24に引っ掛けられることによって、第2端35が印刷装置11に取り付けられる。
【0052】
・第1調整具43は、紐で構成されてもよい。この場合、その紐を第1装着部25に結ぶことによって、第1調整具43が第1装着部25に取り付けられる。第1装着部25に対する紐の結び位置を変えることによって、引っ張る力の大きさを調整できる。第2調整具44も、第1調整具43と同様に紐で構成されてもよい。
【0053】
・ロール体98に代えて、単票の媒体99が印刷装置11にセットされてもよい。
・印刷部18は、インクジェット方式に限らない。印刷部18は、トナージェット方式、サーマルプリント方式、ドットインパクト方式などでもよい。
【0054】
・印刷部18が吐出する液体はインクに限らず、例えば機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体などでもよい。例えば、印刷部18が液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材または画素材料などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を吐出してもよい。
【0055】
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
(A)媒体積載装置は、印刷装置の排出口から排出される媒体が積載される媒体積載装置であって、前記媒体を受けるシートと、前記シートを巻き取る巻取軸と、を備える。
【0056】
この構成によれば、巻取軸を回転させることによって、巻取軸から巻き出されるシートのサイズを調整できる。すなわち、媒体のサイズに合わせて、シートのサイズを調整できる。これにより、媒体が適切に積載される。
【0057】
(B)上記媒体積載装置において、前記シートは、端部である第1端と、前記第1端とは反対に位置する端部である第2端とを有し、前記第1端は、前記巻取軸に取り付けられ、前記第2端は、前記印刷装置に取り付けられてもよい。
【0058】
シートの巻き取り及び巻き出しは、巻取軸を回転させることによって行われる。上記構成によれば、巻取軸が取り付けられる第1端とは反対に位置する端部である第2端が印刷装置に取り付けられることによって、巻取軸を回転させやすくなる。すなわち、シートのサイズを調整しやすくなる。
【0059】
(C)上記媒体積載装置において、前記第2端は、前記印刷装置が設置される設置面よりも高い位置且つ前記排出口よりも低い位置で前記印刷装置に取り付けられてもよい。
この構成によれば、シートが巻き出された巻取軸を設置面に置いた場合、シートは、第2端から巻取軸にかけて下方に傾斜、又は湾曲する姿勢となる。そのため、排出口から排出される媒体は、シート上を滑るようにシートに受けられる。これにより、媒体の排出が促される。排出口から排出される媒体が排出口の近傍に溜まるおそれを低減できる。
【0060】
(D)上記印刷装置において、前記シートは、端部である第1端と、前記第1端とは反対に位置する端部である第2端とを有し、前記第1端は、前記巻取軸に取り付けられ、前記巻取軸は、前記印刷装置に取り付けられてもよい。
【0061】
この構成によれば、媒体積載装置を使用しない場合には、巻取軸がシートを巻き取ることによって、媒体積載装置を印刷装置に保持させることができる。そのため、使い勝手がよくなる。
【0062】
(E)上記印刷装置において、前記巻取軸は、前記印刷装置が設置される設置面よりも高い位置且つ前記排出口よりも低い位置で前記印刷装置に取り付けられてもよい。
この構成によれば、巻取軸から巻き出されたシートの第2端を設置面に置いた場合、シートは、巻取軸から第2端にかけて下方に傾斜、又は湾曲する姿勢となる。そのため、排出口から排出される媒体は、シート上を滑るようにシートに積載される。これにより、媒体の排出が促される。排出口から排出される媒体が排出口の近傍に溜まるおそれを低減できる。
【0063】
(F)上記印刷装置は、前記シートを引っ張るための第1調整具及び第2調整具を備え、前記シートは、前記第1端及び前記第2端とは異なる端部である第3端と、前記第3端とは反対に位置する端部である第4端とを有し、前記第1調整具は、前記第3端と前記印刷装置とに取り付けられ、前記第2調整具は、前記第4端と前記印刷装置とに取り付けられてもよい。
【0064】
巻き出されたシートにおいては、第3端と第4端との間における中央部分が下方に弛みやすい。シートの中央部分が下方に弛んだ状態で媒体を受けると、シートと接触することによって生じる媒体の負荷が大きくなる。この点、上記構成によれば、第1調整具及び第2調整具がシートを引っ張り合うことによって、シートの弛みを低減できる。これにより、媒体がシートに接触することによって生じる媒体の負荷を低減できる。
【0065】
(G)上記印刷装置において、前記第1調整具及び前記第2調整具は、前記シートを引っ張る力の大きさを段階的に調整可能に構成されてもよい。
この構成によれば、媒体のサイズに応じてシートを引っ張る力を適切な大きさに調整できる。
【符号の説明】
【0066】
11…印刷装置、12…筐体、13…排出口、14…基台、15…搬送部、16…第1ローラー、17…第2ローラー、18…印刷部、19…切断部、21…第1回転刃、22…第2回転刃、24…取付部、25…第1装着部、26…第2装着部、31…媒体積載装置、32…シート、33…巻取軸、34…第1端、35…第2端、36…取付軸、37…支持部、38…自動巻取機構、41…第3端、42…第4端、43…第1調整具、44…第2調整具、46…第1環状部材、47…第2環状部材、48…第3環状部材、51…第4環状部材、52…第5環状部材、53…第6環状部材、55…取付部材、91…設置面、98…ロール体、99…媒体。
図1
図2
図3
図4
図5