(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】画像読取装置、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/053 20060101AFI20240618BHJP
H04N 1/10 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
H04N1/053
H04N1/10
(21)【出願番号】P 2023517117
(86)(22)【出願日】2022-03-09
(86)【国際出願番号】 JP2022010308
(87)【国際公開番号】W WO2022230377
(87)【国際公開日】2022-11-03
【審査請求日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】P 2021074684
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】河▲崎▼ 謙一郎
(72)【発明者】
【氏名】平原 一尚
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-257258(JP,A)
【文献】特開平07-333745(JP,A)
【文献】特開2005-167845(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/04- 1/207
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿に照射される光を射出する光射出部から前記原稿で反射された光を受光して当該光に基づく電気信号を出力する光電変換部へ至る光路上に配置される光学素子と、
第1軸を中心に回転可能な
軸状の操作部を有し、前記
操作部の回転に応じて前記光学素子の姿勢を調整する姿勢調整部と、
前記
操作部が予め定められた特定角度回転されるごとに前記
操作部の操作者がその旨を知覚可能な刺激を出力する刺激出力部と、
を備える画像読取装置。
【請求項2】
前記姿勢調整部は、前記
操作部と一体に回転する第1ギヤ、及び前記第1軸と平行な第2軸を中心に回転可能であって前記第1ギヤと噛合する第2ギヤを有し、
前記刺激出力部は、前記第1ギヤ及び前記第2ギヤのいずれか一方又は両方において前記特定角度に対応する間隔で設けられ、前記第1ギヤ及び前記第2ギヤのいずれか一方の歯先又は歯底において他方の歯底又は歯先と接触可能に形成された接触部を含む、
請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記姿勢調整部は、前記第1ギヤ及び前記第2ギヤのいずれかにおける回転軸に直交する平面に沿った側面部を覆うカバー部を有し、
前記刺激出力部は、前記側面部において前記回転軸から離間して形成される目印部、及び前記カバー部において前記目印部の回転経路に沿って前記特定角度に対応する間隔で形成され、前記目印部を前記カバー部の外側に露出させるスリットを含む、
請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記目印部及び前記スリットは、前記接触部によって前記刺激が出力されるタイミングで前記目印部が前記スリットを介して前記カバー部の外側に露出する位置関係で設けられる、
請求項3に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記姿勢調整部は、前記
操作部の回転に応じて回転する特定ギヤ、及び前記特定ギヤにおける回転軸に直交する平面に沿った側面部を覆うカバー部を有し、
前記刺激出力部は、前記側面部において前記回転軸から離間して形成される目印部、及び前記カバー部において前記目印部の回転経路に沿って前記特定角度に対応する間隔で形成され、前記目印部を前記カバー部の外側に露出させるスリットを含む、
請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項6】
請求項1に記載の画像読取装置と、
前記画像読取装置によって出力される画像データに基づく画像を形成する画像形成部と、
を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンタクトガラスに載置された原稿の画像を読み取る読取ユニットを備える画像形成装置が知られている。前記読取ユニットは、光源、ミラー、レンズ、及びCCD(Charge Coupled Device)などの光学素子と、それら光学素子を収容する箱状の筐体とを備える。前記筐体の底部は、前記画像形成装置の装置本体の上部に設けられた筐体支持部によって支持される。
【0003】
前記画像形成装置では、前記筐体支持部の形状バラつきなどにより、前記筐体支持部によって支持される前記筐体の姿勢にゆがみが生じることがある。この場合には、前記読取ユニットによって出力される画像データの画質が低下する。これに対し、前記筐体の底部におけるいずれかの角部の支持位置を上下方向に調整する機構を設けて、前記筐体の姿勢を調整可能とする画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記筐体の姿勢のゆがみに起因する前記読取ユニットによって出力される画像データの画質低下は、前記CCDの姿勢を調整することによっても抑制可能である。具体的に、前記筐体の内部に前記CCDの姿勢を調整する機構を設けることが考えられる。
【0006】
ここで、前記CCDの姿勢調整に用いられる操作部が回転可能な軸状に形成される場合には、前記操作部の操作者において前記CCDの姿勢の調整量が把握しづらく、そのため微調整がしづらいことがある。
【0007】
なお、前記読取ユニットには、前記ミラーの姿勢を調整する機構が設けられることもあるが、当該機構の操作部が回転可能な軸状に形成される場合には、同様の問題が生じる。
【0008】
本発明の目的は、光学素子の姿勢の調整量を容易に把握させることが可能な画像読取装置、及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一の局面に係る画像読取装置は、光学素子と、姿勢調整部と、刺激出力部とを備える。前記光学素子は、原稿に照射される光を射出する光射出部から前記原稿で反射された光を受光して当該光に基づく電気信号を出力する光電変換部へ至る光路上に配置される。前記姿勢調整部は、第1軸を中心に回転可能な操作軸を有し、前記操作軸の回転に応じて前記光学素子の姿勢を調整する。前記刺激出力部は、前記操作軸が予め定められた特定角度回転されるごとに前記操作軸の操作者がその旨を知覚可能な刺激を出力する。
【0010】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、前記画像読取装置と、画像形成部とを備える。前記画像形成部は、前記画像読取装置によって出力される画像データに基づく画像を形成する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、光学素子の姿勢の調整量を容易に把握させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の読取ユニットの構成を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の姿勢調整部の構成を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の姿勢調整部の構成を示す断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の第2ギヤの構成を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の第3ギヤの構成を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の姿勢調整部の構成を示す平面図である。
【
図8】
図8は、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置の姿勢調整部の構成を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置の姿勢調整部の構成を示す側面図である。
【
図10】
図10は、本発明の第4実施形態に係る画像形成装置の第1ギヤの構成を示す平面図である。
【
図11】
図11は、本発明の第4実施形態に係る画像形成装置の姿勢調整部の構成を示す平面図である。
【
図12】
図12は、本発明の第4実施形態に係る画像形成装置の姿勢調整部の構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0014】
[第1実施形態]
まず、
図1を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置100の構成について説明する。なお、
図1では、画像読取部2における光射出部21AからCCD24へ至る光路R1が矢印付きの破線によって示されている。
【0015】
なお、説明の便宜上、画像形成装置100が使用可能な設置状態(
図1に示される状態)で鉛直方向を上下方向D1と定義する。また、
図1に示される画像形成装置100の紙面手前側の面を正面(前面)として前後方向D2を定義する。また、前記設置状態の画像形成装置100の正面を基準として左右方向D3を定義する。
【0016】
画像形成装置100は、原稿の画像を読み取るスキャン機能、及び画像データに基づいて画像を形成するプリント機能とともに、ファクス機能、及びコピー機能などの複数の機能を有する複合機である。なお、本発明は、ファクス装置、及びコピー機などの前記スキャン機能を有する画像形成装置に適用されてもよい。
【0017】
図1に示されるように、画像形成装置100は、ADF(Auto Document Feeder)1、画像読取部2、画像形成部3、給紙部4、装置本体5、及び筐体支持部6を備える。画像読取部2を備える装置が、本発明の画像読取装置の一例である。
【0018】
ADF1は、画像読取部2によって画像が読み取られる原稿を搬送する。ADF1は、原稿セット部、複数の搬送ローラー、原稿押さえ、及び排紙部を備える。また、ADF1は、原稿載置面13A(
図1参照)に対して開閉可能に支持されており、原稿載置面13Aに載置される原稿に対する原稿カバーを兼ねている。
【0019】
画像読取部2は、前記スキャン機能を実現する。具体的に、画像読取部2は、ADF1によって搬送される原稿から画像を読み取り、読み取った画像を含む画像データを出力する。また、画像読取部2は、原稿載置面13A(
図1参照)に載置された原稿から画像を読み取り、読み取った画像を含む画像データを出力する。
【0020】
画像形成部3は、前記プリント機能を実現する。具体的に、画像形成部3は、電子写真方式で画像を形成する。画像形成部3は、感光体ドラム、帯電ローラー、光走査装置、現像装置、転写ローラー、クリーニング装置、及び定着装置を備える。画像形成部3は、画像読取部2によって出力される画像データに基づいて画像を形成する。
【0021】
給紙部4は、画像形成部3にシートを供給する。給紙部4は、給紙カセット、及び複数の搬送ローラーを備える。画像形成部3は、給紙部4から供給されるシートに画像を形成する。画像形成部3によって画像が形成されたシートは、排紙空間6A(
図1参照)に排出される。
【0022】
装置本体5は、画像形成部3、及び給紙部4を収容する筐体である。
図1に示されるように、給紙部4は、装置本体5の下部に設けられる。また、画像形成部3は、装置本体5において給紙部4の上側に設けられる。
【0023】
また、装置本体5は、ADF1、及び画像読取部2を支持する。
図1に示されるように、画像読取部2は、装置本体5の上側に設けられる。また、ADF1は、画像読取部2の上側に設けられる。
【0024】
筐体支持部6は、画像読取部2の筐体25の底部25B(
図1参照)を支持する。また、筐体支持部6は、筐体25の下側に少なくとも水平方向に沿った一方向が開放された排紙空間6A(
図1参照)を形成する。
【0025】
図1に示されるように、筐体支持部6は、装置本体5の上部に設けられる。排紙空間6Aは、画像形成装置100の前方側、及び左方側が開放された空間である。排紙空間6Aの右方側には、上方へ向けて立設された右方側支柱部6B(
図1参照)が設けられる。排紙空間6Aの後方側には、上方へ向けて立設された後方側支柱部6C(
図1参照)が設けられる。画像読取部2の筐体25は、右方側支柱部6Bの上面、及び後方側支柱部6Cの上面によって支持される。
【0026】
次に、
図1及び
図2を参照しつつ、画像読取部2について説明する。
【0027】
図1に示されるように、画像読取部2は、読取ユニット11、外装部12、及びコンタクトガラス13を備える。
【0028】
外装部12は、読取ユニット11の側面を覆う樹脂製のカバーである。外装部12の上部には、上方へ向けて開口する矩形状の開口部が設けられる。
【0029】
コンタクトガラス13は、外装部12の前記開口部の下側から当該開口部に取り付けられる。前記開口部は、コンタクトガラス13によって閉鎖される。コンタクトガラス13には、読取対象の原稿が載置される。つまり、コンタクトガラス13の上面は、原稿が載置される原稿載置面13Aとして機能する。
【0030】
読取ユニット11は、コンタクトガラス13の下側に設けられる。
図1に示されるように、読取ユニット11は、第1キャリッジ21、第2キャリッジ22、光学レンズ23、CCD(Charge Coupled Device)24、筐体25、及び姿勢調整部26を備える。
【0031】
筐体25は、原稿載置面13Aの下側に、CCD24を含む読取ユニット11の各構成部材を収容する収容空間25Aを形成する。筐体25は、上方が開放された箱状に形成される。具体的に、
図2に示されるように、筐体25は、左右方向D3に長尺な矩形状の底部25Bと、底部25Bの各辺に沿って立設された4つの側壁部25Cとを備える。底部25B及び4つの側壁部25Cにより、収容空間25Aが形成される。筐体25は、板金部材によって形成される。
【0032】
第1キャリッジ21は、筐体25の内部において左右方向D3に移動可能に設けられる。第1キャリッジ21は、前後方向D2に長尺に形成される。
図1に示されるように、第1キャリッジ21は、光射出部21A、及び第1ミラー21Bを備える。光射出部21A、及び第1ミラー21Bは、第1キャリッジ21と一体に移動可能に設けられる。
【0033】
光射出部21Aは、原稿載置面13Aの下側から原稿載置面13Aに向けて光を射出する。光射出部21Aは、前後方向D2に沿って配列された複数の発光素子を有する。第1ミラー21Bは、前後方向D2に長尺に形成される。第1ミラー21Bは、光射出部21Aから射出されて原稿載置面13Aに載置された原稿で反射された光を第2キャリッジ22の第2ミラー22Aへ向けて反射させる。
【0034】
第1キャリッジ21は、不図示のモーターから供給される駆動力を受けて左右方向D3へ移動する。これにより、原稿載置面13Aに載置された原稿における光射出部21Aから射出された光の照射位置が左右方向D3へ移動する。
【0035】
第2キャリッジ22は、筐体25の内部において左右方向D3に移動可能に設けられる。第2キャリッジ22は、前後方向D2に長尺に形成される。
図1に示されるように、第2キャリッジ22は、第2ミラー22A、及び第3ミラー22Bを備える。第2ミラー22A、及び第3ミラー22Bは、第2キャリッジ22と一体に移動可能に設けられる。
【0036】
第2ミラー22Aは、第1ミラー21Bで反射された光を第3ミラー22Bへ向けて反射させる。第3ミラー22Bは、第2ミラー22Aで反射された光を光学レンズ23へ向けて反射させる。
【0037】
第2キャリッジ22は、筐体25の内部において第1キャリッジ21の左方側に設けられる。第2キャリッジ22は、第1キャリッジ21に連動して、第1キャリッジ21と同方向に移動可能に設けられる。また、第2キャリッジ22は、第1キャリッジ21の移動速度の半分の速度で移動可能に設けられる。
【0038】
光学レンズ23は、第3ミラー22Bで反射された光を集光してCCD24へ入射させる。
【0039】
CCD24は、原稿載置面13Aに載置された原稿で反射された光を受光して当該光に基づく電気信号を出力する。CCD24は、前後方向D2に沿って配列された複数の光電変換素子を有するイメージセンサーである。CCD24は、本発明の光電変換部の一例である。
【0040】
画像読取部2では、光射出部21Aから射出されて読取対象の原稿で反射された光が第1ミラー21B、第2ミラー22A、第3ミラー22B、及び光学レンズ23を経由してCCD24に入射される。これにより、CCD24から読取対象の原稿の画像に対応するアナログの電気信号が出力される。CCD24から出力されるアナログの電気信号は、不図示のアナログフロントエンド回路に入力される。前記アナログフロントエンド回路では、入力されたアナログの電気信号がデジタルの電気信号(画像データ)に変換されて出力される。前記アナログフロントエンド回路から出力される画像データは、不図示の制御部に入力される。
【0041】
ところで、画像形成装置100では、筐体支持部6の形状バラつきなどにより、筐体支持部6によって支持される筐体25の姿勢にゆがみが生じることがある。この場合には、読取ユニット11によって出力される画像データの画質が低下する。これに対し、筐体25の底部25Bにおけるいずれかの角部の支持位置を上下方向D1に調整する機構を設けて、筐体25の姿勢を調整可能とする画像形成装置が知られている。
【0042】
ここで、筐体25の姿勢のゆがみに起因する読取ユニット11によって出力される画像データの画質低下は、CCD24の姿勢を調整することによっても抑制可能である。具体的に、筐体25の内部にCCD24の姿勢を調整する機構を設けることが考えられる。
【0043】
しかしながら、CCD24の姿勢調整に用いられる操作部が筐体25内部に設けられる場合には、前記操作部を操作するためにコンタクトガラス13を外して筐体25上部を開放する必要がある。この場合には、筐体25内部に粉塵が入り込み、当該粉塵が光路R1上に設けられた光射出部21A、第1ミラー21B、第2ミラー22A、第3ミラー22B、光学レンズ23、及びCCD24などの光学素子に付着して、読取ユニット11によって出力される画像データの画質が低下することがある。
【0044】
これに対し、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置100では、以下に説明するように、筐体25の姿勢の調整及び筐体25の上部の開放を行うことなく、読取ユニット11によって出力される画像データの画質低下を抑制することが可能である。
【0045】
次に、
図1~
図6を参照しつつ、姿勢調整部26について説明する。ここで、
図3は、
図2に示される筐体25から支持部材31が取り外された状態を示す図である。また、
図4は、
図3に示される第2ギヤ32、第1ギヤ33、及び第3ギヤ35を前後方向D2に直交する平面で切った断面図である。また、
図5は第2ギヤ32を下側から見た斜視図である。また、
図6は第3ギヤ35を上側から見た斜視図である。なお、
図4では、第1ギヤ33の回転軸である第1軸AX1、並びに第2ギヤ32及び第3ギヤ35に共通の回転軸である第2軸AX2が一点鎖線によって示されている。
【0046】
姿勢調整部26は、筐体25の外側に設けられた操作部34(
図1参照)を有し、操作部34への操作に応じてCCD24の姿勢を調整する。
【0047】
図1に示されるように、操作部34は、筐体25の底部25Bの下側に設けられる。
図1及び
図4に示されるように、操作部34は、筐体25の底部25Bを貫通して下方向に突出する軸状に形成されている。操作部34は、突出方向に沿った第1軸AX1(
図4参照)を中心に回転可能である。姿勢調整部26は、操作部34の回転に応じて、CCD24の姿勢を調整する。
【0048】
図2及び
図3に示されるように、姿勢調整部26は、操作部34に加えて、支持部材31、第2ギヤ32、第1ギヤ33、及び第3ギヤ35を備える。
【0049】
支持部材31は、CCD24の下側でCCD24を支持する。
図2に示されるように、支持部材31は、矩形状に形成された平板状の部材である。支持部材31の上面には、光学レンズ23と、CCD24を含む基板とが取り付けられる。つまり、支持部材31は、光学レンズ23、及びCCD24を支持する。なお、支持部材31は、任意の形状の部材であってよい。また、支持部材31は、光学レンズ23を支持していなくてもよい。
【0050】
図2及び
図3に示されるように、支持部材31は、支持ビス31A(
図2及び
図3参照)、支持ビス31B(
図2及び
図3参照)、及び第2ギヤ32によって下側から支持される。支持ビス31Aは、支持部材31の底面における左方側の後端部を支持する。支持ビス31Bは、支持部材31の底面における右方側の後端部を支持する。第2ギヤ32は、支持部材31の底面における前端部を支持する。
【0051】
第2ギヤ32は、支持部材31の下側において第1軸AX1と平行な第2軸AX2(
図4参照)を中心に回転可能に設けられる。第2ギヤ32は、支持部材31を支持する。第2ギヤ32は、回転に応じて上下方向D1に変位する。第2ギヤ32は、平歯車である。
【0052】
図4及び
図5に示されるように、第2ギヤ32は、軸孔部41、円板状部42、歯部43、及び第1カム部44を備える。軸孔部41は、円筒状に形成されており、筐体25の底部25Bに立設される回転軸が挿通される。軸孔部41の上側の端部41Aは、支持部材31の底面と接触して、支持部材31を支持する。円板状部42は、第2軸AX2を中心とする円板状に形成される。歯部43は、円板状部42の外周部に設けられる。歯部43は、円板状部42の外周に沿って配列された複数の歯を有する。
【0053】
第1カム部44は、円板状部42における上下方向D1に直交する下側の側面に形成される。換言すると、第1カム部44は、第3ギヤ35との対向部に形成される。
図5に示されるように、第1カム部44は、軸孔部41の外側であって歯部43の内側に形成される。第1カム部44は、第2軸AX2の周方向に沿って上下に起伏する第1カム面44Aを形成する。第1カム面44Aは、第2軸AX2の周方向に沿って連続する滑らかな傾斜面である。
図5に示されるように、第1カム部44は、第2軸AX2の周方向に沿って等間隔に配置された3つの頂部44Bと、第2軸AX2の周方向に沿って等間隔に配置され、且つ当該周方向に隣接する二つの頂部44Bの中間に配置された3つの谷部44Cとを有する。頂部44Bは、歯部43よりも下方向に突出して形成される。なお、頂部44B及び谷部44Cの数は、3つに限られなくてよい。
【0054】
第1ギヤ33は、操作部34と一体に回転可能に設けられる。つまり、第1ギヤ33は、第1軸AX1を中心に回転可能に設けられる。第1ギヤ33は、第2ギヤ32及び第3ギヤ35と噛合する。第1ギヤ33は、平歯車である。
【0055】
図4に示されるように、第1ギヤ33は、軸部51、及び歯部52を備える。軸部51は、円柱状に形成される。軸部51は、筐体25の底部25Bを貫通して下方向に突出して設けられる。軸部51における底部25Bからの突出部が、操作部34である。歯部52は、軸部51の周方向に沿って設けられる。歯部52は、軸部51と一体回転可能に設けられる。歯部52は、軸部51の周方向に沿って配列された複数の歯を有する。
【0056】
例えば、歯部52は、第2ギヤ32の歯数の0.4倍の歯を有する。この場合、第1ギヤ33が180度回転すると、第2ギヤ32は72度回転する。つまり、第1ギヤ33が半回転すると、第2ギヤ32は5分の1回転する。
【0057】
第1ギヤ33は、操作部34を操作する操作者の手によって操作部34を介して入力される回転駆動力によって回転する。これにより、第1ギヤ33と噛合する第2ギヤ32、及び第3ギヤ35が回転する。
【0058】
第3ギヤ35は、第2ギヤ32の下側において第2軸AX2を中心に回転可能に設けられる。第3ギヤ35は、第1ギヤ33と噛合する。第3ギヤ35は、平歯車である。
【0059】
図4及び
図6に示されるように、第3ギヤ35は、軸孔部61、円板状部62、歯部63、及び第2カム部64を備える。軸孔部61は、円筒状に形成されており、第2ギヤ32の軸孔部41が挿通される。円板状部62は、第2軸AX2を中心とする円板状に形成される。歯部63は、円板状部62の外周部に設けられる。歯部63は、円板状部62の外周に沿って配列された複数の歯を有する。
【0060】
第2カム部64は、円板状部62における上下方向D1に直交する上側の側面に形成される。換言すると、第2カム部64は、第2ギヤ32との対向部に形成される。
図6に示されるように、第2カム部64は、軸孔部61の外側であって歯部63の内側に形成される。第2カム部64は、第2軸AX2の周方向に沿って上下に起伏する第2カム面64Aを形成する。第2カム面64Aは、第2軸AX2の周方向に沿って連続する滑らかな傾斜面である。
図6に示されるように、第2カム部64は、第2軸AX2の周方向に沿って等間隔に配置された3つの頂部64Bと、第2軸AX2の周方向に沿って等間隔に配置され、且つ当該周方向に隣接する二つの頂部64Bの中間に配置された3つの谷部64Cとを有する。頂部64Bは、歯部63よりも上方向に突出して形成される。なお、頂部64B及び谷部64Cの数は、3つに限られなくてよい。
【0061】
第2カム面64Aは、第1カム面44Aに対応する形状で形成される。具体的に、第2カム面64Aは、第1カム面44Aと密接可能に形成される。換言すると、第2カム面64Aは、頂部64B各々が第1カム面44Aの谷部44Cに接触すると同時に、谷部64C各々が第1カム面44Aの頂部44Bに接触可能に形成される。なお、第1カム面44Aは、第2カム面64Aに対応する形状で形成されていなくてもよい。また、第2ギヤ32は、第1カム部44に替えて、円板状部42における下側の側面から頂部44Bと同じ位置まで突出する一又は複数の突出部を備えていてもよい。
【0062】
第3ギヤ35は、第2ギヤ32の下側から第2ギヤ32を支持する。具体的に、第3ギヤ35の第2カム面64Aは、第2ギヤ32の頂部44Bと接触して、第2ギヤ32を支持する。
【0063】
歯部63は、第2ギヤ32の歯数とは異なる数の歯を有する。例えば、歯部63の歯数は、第2ギヤ32の歯数よりも一つ少ない。これにより、第3ギヤ35は、第1ギヤ33の回転に応じて、第2ギヤ32よりも僅かに速い回転速度で回転する。そのため、第2カム面64Aにおける第2ギヤ32の支持位置、つまり第1カム部44の頂部44Bとの接触位置が、第2ギヤ32及び第3ギヤ35の速度差に対応する回転速度で移動する。これにより、第2ギヤ32が第2カム面64Aによって上下方向D1に変位される。従って、第2ギヤ32によって支持される支持部材31の姿勢が変化し、支持部材31によって支持される光学レンズ23及びCCD24の姿勢も変化する。第2カム面64Aは、本発明のカム面の一例である。また、第1カム部44の頂部44Bは、本発明の被押圧部の一例である。なお、歯部63の歯数は、第2ギヤ32の歯数よりも一つ多くてもよい。また、第2ギヤ32と第3ギヤ35との歯数差は、第1ギヤ33の回転に応じた回転を阻害しない範囲で任意に定められてよい。
【0064】
このように、画像形成装置100では、操作部34が筐体25の外側に設けられている。これにより、操作部34が筐体25の内側に設けられる構成と比較して、筐体25の上部を開放することなく、読取ユニット11によって出力される画像データの画質低下を抑制することが可能である。また、筐体25の姿勢を調整することなく、読取ユニット11によって出力される画像データの画質低下を抑制することが可能である。
【0065】
また、画像形成装置100では、操作部34が筐体25の底部25Bの下側に設けられる。そのため、操作部34が筐体25の側壁部25Cの外側に設けられる構成と比較して、水平方向における画像形成装置100のサイズの大型化を回避可能である。
【0066】
また、画像形成装置100では、操作部34が第1軸AX1を中心に回転する軸状に形成されており、操作部34の回転に応じてCCD24の姿勢が調整される。これにより、操作部34が水平方向に沿って移動可能に設けられ、水平方向に沿った移動に応じてCCD24の姿勢が調整される構成と比較して、操作部34の構成を小型化可能である。
【0067】
また、画像形成装置100では、操作部34と一体に回転する第1ギヤ33と噛合する第2ギヤ32が設けられ、操作部34の回転に応じて第2ギヤ32が上下方向D1に変位することによりCCD24の姿勢が調整される。これにより、操作部34の回転に応じて操作部34が上下方向D1に変位してCCD24の姿勢を調整する構成と比較して、操作部34の底部25Bからの突出量が不変となるため、操作部34の操作性が変化することを回避可能である。
【0068】
また、画像形成装置100では、第2ギヤ32の下側に、第2ギヤ32とは異なる速度で回転する第3ギヤ35が設けられて、第3ギヤ35の第2カム部64によって第2ギヤ32が上下方向D1に変位される。これにより、第3ギヤ35が設けられず、第2ギヤ32が筐体25の底部25Bに形成されたカム面によって上下方向D1に変位される構成と比較して、操作部34を所定量操作した場合の第2ギヤ32の変位量、つまりCCD24の姿勢の調整量を小さくすることが可能である。つまり、より細かな調整を行うことが可能である。
【0069】
なお、姿勢調整部26は、第3ギヤ35を含んでいなくてもよい。また、姿勢調整部26は、第3ギヤ35及び第2ギヤ32の両方を含んでいなくてもよい。また、姿勢調整部26は、操作部34に替えて、水平方向に沿って移動可能に設けられた操作部を備えていてもよい。例えば、上下方向D1に延在する棒状の操作部を水平方向に沿って移動可能に設けるとともに、支持部材31の底面における当該操作部の上端部との接触部に、当該操作部の移動方向に沿って上下方向に傾斜する傾斜面を設けることが考えられる。
【0070】
[第2実施形態]
次に、
図7を参照しつつ、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置100の構成について説明する。
【0071】
第2実施形態に係る画像形成装置100は、姿勢調整部26に替えて、
図7に示される姿勢調整部200を備える。
【0072】
姿勢調整部200は、支持部材31、第2ギヤ32、第1ギヤ33、操作部34、第3ギヤ35、及びベルト部材201を備える。支持部材31、第2ギヤ32、及び第3ギヤ35の構成は、姿勢調整部26と同じである。
【0073】
姿勢調整部200において、第1ギヤ33は、
図7に示されるように、第2ギヤ32から第2軸AX2に直交する方向に離間して設けられる。そのため、第1ギヤ33と一体に形成される操作部34も、第2ギヤ32から第2軸AX2に直交する方向に離間して設けられる。なお、第1ギヤ33及び操作部34の形状は、姿勢調整部26と同じである。
【0074】
ベルト部材201は、第1ギヤ33と、第2ギヤ32及び第3ギヤ35とに巻きかけられて、第1ギヤ33に入力される回転駆動力を第2ギヤ32及び第3ギヤ35に伝達する。具体的に、ベルト部材201は、内周面に第1ギヤ33、第2ギヤ32、及び第3ギヤ35と噛合する歯部を有する。
【0075】
これにより、姿勢調整部26と同様に、CCD24の姿勢を調整可能である。また、姿勢調整部200では、第1ギヤ33及び操作部34を、筐体25の底部25Bにおける任意の位置に配置することが可能である。そのため、姿勢調整部26と比較して、操作部34の操作性を向上させることが可能である。
【0076】
[第3実施形態]
次に、
図8及び
図9を参照しつつ、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置100の構成について説明する。なお、
図9では、第7ギヤ305の回転軸である第3軸AX3が黒丸によって示されている。また、
図9では、第4ギヤ302の回転軸である第4軸AX4、並びに第5ギヤ303及び第6ギヤ304に共通の回転軸である第5軸AX5が一点鎖線によって示されている。
【0077】
第3実施形態に係る画像形成装置100は、姿勢調整部26に替えて、
図8及び
図9に示される姿勢調整部300を備える。
【0078】
姿勢調整部300は、支持部材31、操作部301、第4ギヤ302、第5ギヤ303、第6ギヤ304、及び第7ギヤ305を備える。支持部材31の構成は、姿勢調整部26と同じである。
【0079】
操作部301は、筐体25の側壁部25Cの外側に設けられる。
図8に示されるように、操作部301は、筐体25の側壁部25Cを貫通して水平方向に沿って突出する軸状に形成されている。操作部301は、突出方向に沿った第3軸AX3(
図9参照)を中心に回転可能である。姿勢調整部300は、操作部301の回転に応じて、CCD24の姿勢を調整する。
【0080】
第4ギヤ302は、支持部材31の下側において鉛直方向(上下方向D1)に沿った第4軸AX4(
図9参照)を中心に回転可能に設けられる。第4ギヤ302は、支持部材31を支持する。第4ギヤ302は、回転に応じて上下方向D1に変位する。第4ギヤ302は、平歯車である。
【0081】
例えば、第4ギヤ302は、内周部にねじ溝が形成された軸孔部を有する。第4ギヤ302は、筐体25の底部25Bの下側から筐体25の内部へ向けて上方向に突出して設けられる支持ビス302Aに挿通される。支持ビス302Aの外周部には、第4ギヤ302の内周部のねじ溝に対応する形状のねじ溝が形成される。第4ギヤ302は、支持ビス302Aの外周部に形成されたねじ溝により、回転に応じて上下方向D1に変位可能に支持される。
【0082】
第5ギヤ303は、第4軸AX4と平行な第5軸AX5(
図9参照)を中心に回転可能に設けられる。第5ギヤ303は、第4ギヤ302と噛合する。第5ギヤ303は、平歯車である。
【0083】
例えば、第5ギヤ303は、筐体25の底部25Bに立設された回転軸に挿通される円筒状の軸孔部303A(
図9参照)を備える。
【0084】
第6ギヤ304は、第5ギヤ303と一体に回転可能に設けられる。つまり、第6ギヤ304は、第5軸AX5(
図9参照)を中心に回転可能に設けられる。第6ギヤ304は、ウォームホイールである。第6ギヤ304は、第5ギヤ303の上側に設けられる。
【0085】
第7ギヤ305は、操作部301と一体に回転可能に設けられる。つまり、第7ギヤ305は、第3軸AX3を中心に回転可能に設けられる。第7ギヤ305は、第6ギヤ304と噛合する。第7ギヤ305は、ウォームであって、第6ギヤ304とでウォームギヤを構成する。第7ギヤ305は、操作部301における左方向の先端部に設けられる。
【0086】
姿勢調整部300では、操作部301を介して入力される回転駆動力により、第7ギヤ305、第6ギヤ304、第5ギヤ303、及び第4ギヤ302が回転される。これにより、第4ギヤ302が上下方向D1に変位されて、第4ギヤ302によって支持される支持部材31の姿勢、つまりCCD24の姿勢が調整される。つまり、姿勢調整部26と同様に、CCD24の姿勢を調整可能である。
【0087】
ここで、姿勢調整部300では、操作部301が筐体25の側壁部25Cの外側に設けられる。これにより、操作部が筐体25の底部25Bの下側に設けられる構成と比較して、操作部301の操作性をより向上させることが可能である。
【0088】
なお、姿勢調整部300は、第4ギヤ302に替えて、第2ギヤ32及び第3ギヤ35を備えていてもよい。また、姿勢調整部300は、操作部301に替えて、側壁部25Cに沿って移動可能に設けられた操作部を備えていてもよい。例えば、左右方向D3に延在する棒状の操作部を前後方向D2に沿って移動可能に設けるとともに、支持部材31の底面における当該操作部との接触部に、当該操作部の移動方向に沿って上下方向に傾斜する傾斜面を設けることが考えられる。
【0089】
ところで、CCD24の姿勢調整に用いられる操作部が回転可能な軸状に形成される場合には、前記操作部の操作者においてCCD24の姿勢の調整量が把握しづらく、そのため微調整がしづらいことがある。
【0090】
これに対し、本発明の第4実施形態に係る画像形成装置100では、以下に説明するように、CCD24の姿勢の調整量を容易に把握させることが可能である。
【0091】
[第4実施形態]
次に、
図10~
図12を参照しつつ、本発明の第4実施形態に係る画像形成装置100の構成について説明する。ここで、
図10は姿勢調整部400に設けられる第1ギヤ33の構成を示す平面図である。また、
図11は、筐体25において支持部材31が取り外された状態を示す図である。なお、
図10では、歯部52における接触部411が設けられた歯先の回転経路R2、及び接触部411が設けられていない歯先の回転経路R3が、それぞれ二点鎖線によって示されている。また、
図12では、目印部421の回転経路R4が破線によって示されている。
【0092】
第4実施形態に係る画像形成装置100は、姿勢調整部26に替えて、
図11及び
図12に示される姿勢調整部400を備える。
【0093】
姿勢調整部400は、支持部材31、第2ギヤ32、第1ギヤ33、操作部34、及び第3ギヤ35を備える。操作部34、及び第3ギヤ35の構成は、姿勢調整部26と同じである。
【0094】
また、姿勢調整部400は、第1刺激出力部401、及び第2刺激出力部402を備える。
【0095】
第1刺激出力部401及び第2刺激出力部402は、操作部34が予め定められた特定角度回転されるごとに、操作部34の操作者がその旨を知覚可能な刺激を出力する。例えば、前記特定角度は180度である。
【0096】
具体的に、第1刺激出力部401は、第1ギヤ33の歯部52において前記特定角度に対応する間隔で設けられ、第1ギヤ33の歯先において第2ギヤ32の歯底と接触可能に形成された接触部411を含む。
【0097】
図10に示されるように、第1ギヤ33の歯部52において、接触部411が設けられた歯先の歯先円直径は、接触部411が設けられていない歯先の歯先円直径よりも長い。これにより、接触部411が設けられた歯先は、第2ギヤ32の歯底と接触することが可能である。接触部411が第2ギヤ32の歯底と接触すると、接触時に発生する刺激エネルギーが操作部34を介して操作部34の操作者に伝達される。これにより、操作者は、操作部34が前記特定角度回転されたことを触覚的に知覚可能である。
【0098】
また、第2刺激出力部402は、目印部421、及びスリット423を有する。
【0099】
目印部421は、第2ギヤ32における第2軸AX2に直交する平面に沿った上側の側面部において第2軸AX2から離間して形成される。例えば、目印部421は、
図11に示されるように、第2ギヤ32における上側の側面部の縁部に形成された突起である。なお、目印部421は、形状、色、模様などにより、視覚的に他の箇所と識別可能に構成されていればよい。
【0100】
スリット423は、第2ギヤ32における上側の側面部を覆うカバー部422(
図11及び
図12参照)として機能する支持部材31に形成される。
図12に示されるように、スリット423は、目印部421の回転経路R4(
図12参照)に沿って前記特定角度に対応する特定間隔で形成される。スリット423は、目印部421をカバー部422の外側に露出させる。
【0101】
具体的に、前記特定間隔は、第1ギヤ33の前記特定角度の回転に応じた第2ギヤ32の回転量である。例えば、画像形成装置100では、第1ギヤ33が前記特定角度である180度回転されると、第2ギヤ32は72度回転される。この場合、前記特定間隔は72度である。そして、スリット423は、回転経路R4に沿って72度の間隔で5つ形成される。これにより、第1ギヤ33が前記特定角度回転されるごとに、目印部421がスリット423を介してカバー部422の外部に露出する。つまり、視覚的な刺激が出力される。そのため、操作部34の操作者は、操作部34が前記特定角度回転されたことを、コンタクトガラス13を介して視覚的に知覚可能である。
【0102】
ここで、第4実施形態に係る画像形成装置100では、目印部421及びスリット423が、接触部411によって刺激エネルギーが出力されるタイミングで目印部421がスリット423を介してカバー部422の外部に露出する位置関係で設けられる。これにより、操作部34の操作者は、操作部34が前記特定角度回転されたことを触覚及び視覚の両方で知覚可能である。なお、目印部421及びスリット423は、上述の位置関係で設けられていなくてもよい。
【0103】
このように、第4実施形態に係る画像形成装置100では、操作部34が前記特定角度回転されるごとに操作部34の操作者がその旨を知覚可能な刺激が出力される。これにより、操作部34の操作者にCCD24の姿勢の調整量を容易に把握させることが可能である。
【0104】
なお、接触部411は、第1ギヤ33の歯部52において前記特定角度に対応する間隔で設けられ、第1ギヤ33の歯底において第2ギヤ32の歯先と接触可能に形成されたものであってもよい。具体的に、第1ギヤ33の歯部52において、接触部411が設けられた歯底は、接触部411が設けられていない歯底よりも、歯底円直径が長くなるように形成されていればよい。
【0105】
また、接触部411は、第2ギヤ32の歯部43に設けられてもよい。また、接触部411は、第1ギヤ33及び第2ギヤ32の両方に設けられてもよい。また、接触部411は、第3ギヤ35の歯部52に設けられてもよい。
【0106】
また、目印部421は、第1ギヤ33における側面部に設けられてもよい。
【0107】
また、第4実施形態に係る画像形成装置100は、第1刺激出力部401、及び第2刺激出力部402のいずれか一方を備えていてもよい。
【0108】
また、第4実施形態に係る画像形成装置100は、姿勢調整部400に替えて、一方向に沿った軸を中心に回転可能な操作軸を有し、当該操作軸の回転に応じて光射出部21A、第1ミラー21B、第2ミラー22A、及び第3ミラー22Bのいずれかの光学素子の姿勢を調整する姿勢調整部を備えていてもよい。この場合、第1刺激出力部401、及び第2刺激出力部402は、当該姿勢調整部に設けられていればよい。