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  • 特許-工具ボディ及び回転切削工具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】工具ボディ及び回転切削工具
(51)【国際特許分類】
   B23C 5/06 20060101AFI20240618BHJP
【FI】
B23C5/06 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2024003893
(22)【出願日】2024-01-15
【審査請求日】2024-01-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000221144
【氏名又は名称】株式会社タンガロイ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】阿曽 孝洋
(72)【発明者】
【氏名】佐治 龍一
【審査官】増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-015444(JP,A)
【文献】特開平04-331012(JP,A)
【文献】特開2018-149657(JP,A)
【文献】特開2002-321114(JP,A)
【文献】特開平11-000816(JP,A)
【文献】特表2000-502291(JP,A)
【文献】仏国特許出願公開第02892650(FR,A1)
【文献】国際公開第2001/058632(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2023-0001750(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23C 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心部がアーバに組付けられて中心軸回りに回転される工具ボディであって、
前記アーバへの組付け側と反対側からの正面視において、前記中心部と外周部との間に、周方向に沿って設けられた複数の凹部を有し、
前記凹部は、深さ方向へ向かって次第に窄まる断面形状とされており
前記中心部側における前記凹部の延在方向と直交する仮想直線での断面視において、前記凹部は、V字状に形成された部分を有する、
工具ボディ。
【請求項2】
軸方向において、前記凹部の底部、前記中心部における正面側の端部、前記外周部における前記正面側の端部が、前記アーバへの組付け側から順に配置されている、
請求項1に記載の工具ボディ。
【請求項3】
前記凹部は、径方向外方へ向かって次第に正面側へ傾斜する外周側傾斜面を有する、
請求項1に記載の工具ボディ。
【請求項4】
前記凹部は、前記外周側傾斜面よりも中心部側に、径方向外方へ向かって次第に前記組付け側へ傾斜する内周側傾斜面を有し、
前記外周側傾斜面は、前記中心軸に直交する平面に対する傾斜角が、前記内周側傾斜面よりも大きくされている、
請求項3に記載の工具ボディ。
【請求項5】
正面視における前記凹部の底部の最深部の点と前記中心軸とを結ぶ仮想直線での断面において、前記外周側傾斜面の前記傾斜角が、前記内周側傾斜面の傾斜よりも大きくされている、
請求項4に記載の工具ボディ。
【請求項6】
前記凹部におけるV字状の部分は、回転方向の前方側の前方側傾斜面と、回転方向後方側の後方側傾斜面とを有し、
前記前方側傾斜面は、前記中心軸に直交する平面に対する傾斜角が、前記後方側傾斜面よりも大きくされている、
請求項に記載の工具ボディ。
【請求項7】
正面視において、前記凹部は、前記外周部へ向かって次第に細くなる先細り部を有する、
請求項1に記載の工具ボディ。
【請求項8】
請求項1~のいずれか一項に記載の工具ボディと、
前記工具ボディの前記外周部に設けられた切削刃と、
を有する、
回転切削工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工具ボディ及び回転切削工具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、フライス等の回転切削工具において、複数の貫通孔を形成して重量を軽減させる技術が開示されている。また、特許文献2には、複数の凹部を有し、さらに、先端外周部に凹状のポケットが形成された工具本体を有する正面フライスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平4-331012号公報
【文献】特開2006-15444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の技術のように、複数の貫通孔を形成した回転切削工具では、十分に軽量化できず、また、全体の剛性が低下してしまう。
【0005】
これに対して、特許文献2に記載の技術では、複数の凹部とともに、先端外周部にも凹状のポケットを形成することにより、全体の剛性を確保しつつ十分な軽量化が図れる。しかし、切削刃が設けられる外周部の強度が低下し、また、外周部に設ける切削刃の刃数が制限されてしまう。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、高い剛性を維持しつつ多刃化が可能な工具ボディ及び回転切削工具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る工具ボディは、中心部がアーバに組付けられて中心軸回りに回転される工具ボディであって、アーバへの組付け側と反対側からの正面視において、中心部と外周部との間に、周方向に沿って設けられた複数の凹部を有し、凹部は、深さ方向へ向かって次第に窄まる断面形状とされている。
【0008】
上記構造の工具ボディでは、正面視における中心部と外周部との間に複数の凹部を周方向に沿って設けている。しかも、凹部を深さ方向へ向かって次第に窄まる断面形状としている。これにより、凹部を設けることによる剛性の低下を抑えつつ軽量化を図ることができる。また、複数の凹部を中心部と外周部との間に設けているので、外周部を肉抜きした構造と比較し、切削刃が設けられる外周部における剛性の低下及び外周部に設ける切削刃の刃数の削減を抑えることができる。
【0009】
軸方向において、凹部の底部、中心部における正面側の端部、外周部における正面側の端部が、アーバへの組付け側から順に配置されていてもよい。
【0010】
凹部は、径方向外方へ向かって次第に正面側へ傾斜する外周側傾斜面を有していてもよい。
【0011】
凹部は、外周側傾斜面よりも中心部側に、径方向外方へ向かって次第に組付け側へ傾斜する内周側傾斜面を有し、外周側傾斜面は、中心軸に直交する平面に対する傾斜角が、内周側傾斜面よりも大きくされていてもよい。
【0012】
正面視における凹部の底部の最深部の点と中心軸とを結ぶ仮想直線での断面において、外周側傾斜面の傾斜角が、内周側傾斜面の傾斜面よりも大きくされていてもよい。
【0013】
断面視において、凹部は、V字状に形成された部分を有していてもよい。
【0014】
凹部におけるV字状の部分は、回転方向の前方側の前方側傾斜面と、回転方向後方側の後方側傾斜面とを有し、前方側傾斜面は、中心軸に直交する平面に対する傾斜角が、後方側傾斜面よりも大きくされていてもよい。
【0015】
正面視において、凹部は、外周部へ向かって次第に細くなる先細り部を有していてもよい。
【0016】
本発明の一態様に係る回転切削工具は、上記の工具ボディと、工具ボディの外周部に設けられた切削刃と、を有する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、高い剛性を維持しつつ多刃化が可能な工具ボディ及び回転切削工具が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本実施形態に係る工具ボディを備えた回転切削工具、アーバ及び締結部品の斜視図である。
図2図2は、回転切削工具の斜視図である。
図3図3は、回転切削工具の正面図である。
図4図4は、回転切削工具の側面図である。
図5図5は、図3におけるV-V断面図である。
図6図6は、図3におけるVI-VI断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1図3に示すように、本実施形態に係る工具ボディ10は、円板形状に形成されている。この工具ボディ10は、例えば、被削材に対して切削加工を行う用途に用いられる正面フライス等の回転切削工具100のボディである。工具ボディ10は、締結部品20によってアーバ30に固定されて組付けられる。
【0020】
アーバ30は、例えば、マシニングセンタ等の工作機械に装着されるもので、ボス部31を有している。ボス部31には、内周面にめねじが形成された穴部33を有する円筒状の取付軸32が設けられている。
【0021】
締結部品20は、工具ボディ10をアーバ30に固定する固定用のボルトであり、アーバ30のボス部31に形成された取付軸32に締結される。締結部品20は、軸部21と、頭部22とを有している。軸部21には、その外周面におねじが形成されている。頭部22は、軸部21よりも大径の円板状に形成されている。頭部22には、その中心に、係合穴23が形成されている。係合穴23は、例えば、レンチ等の工具が挿し込み可能な六角穴やトルクス(登録商標)穴などの工具穴である。
【0022】
工具ボディ10は、正面10aと背面10bとを有し、背面10b側がアーバ30へ組付けられる。アーバ30は、正面視において、中心部40と外周部50との間が周方向にわたって環状に凹んでおり、この凹み部分が環状窪み部55とされている。
【0023】
工具ボディ10は、その中心部40に、取付穴41を有している。この取付穴41には、アーバ30のボス部31に設けられた取付軸32が挿し込まれる。そして、この取付穴41に挿し込まれた取付軸32の穴部33に締結部品20の軸部21が螺合されて締結される。これにより、工具ボディ10は、その中心部40が締結部品20によってアーバ30に固定されて組付けられる。なお、工具ボディ10とボス部31の取付軸32との間には、アーバ30の回転力を工具ボディ10へ伝達させるために、互いに係合する図示しないキー及びキー溝が設けられている。
【0024】
工具ボディ10には、その外周部50における正面10a側に、複数の切削刃51が設けられている。工具ボディ10の外周部50には、複数のチップ座52が形成されている。これらのチップ座52は、周方向に間隔をあけて配置されており、それぞれのチップ座52に切削チップ53が装着される。そして、これらのチップ座52に切削チップ53を装着することにより、工具ボディ10の外周部50に複数の切削刃51が設けられた回転切削工具100とされる。なお、回転切削工具100としては、工具ボディ10の外周部50に切削刃51が直接設けられた構成でもよい。
【0025】
このように、回転切削工具100は、工具ボディ10のアーバ30への組付け側である背面10b側をアーバ30へ向けた状態でアーバ30に組付けられる。そして、回転切削工具100は、アーバ30とともに中心軸Ax回りに回転方向Rへ回転されることにより(図3参照)、工具ボディ10の外周部50における正面10a側に設けられた切削刃51によって被削材に対して切削加工を行う。
【0026】
図4図6に示すように、工具ボディ10は、正面視において、複数の凹部60を有している。これらの凹部60は、工具ボディ10の中心部40と外周部50との間において、周方向に沿って設けられている。これらの凹部60は、中心部40と外周部50との間の環状窪み部55の底部からさらに凹んだ形状とされている。このように、工具ボディ10は、その中心部40と外周部50との間に複数の凹部60を設けることで軽量化が図られている。なお、周方向に隣接する凹部60は、中心部40側で一部が互いに連通されているが、これらの周方向に隣接する凹部60は、互いに間隔をあけて設けられていてもよい。
【0027】
図5は、工具ボディ10の中心部40側における凹部60の延在方向と直交する仮想直線での断面(図3におけるV-V断面)を示している。図5に示すように、工具ボディ10に形成された凹部60は、深さ方向へ向かって次第に窄まる断面形状とされている。
【0028】
ここで、工具ボディ10に形成する凹部としては、深さ方向へ向かって次第に窄まる断面形状でなくても工具ボディ10の軽量化が図れる。つまり、工具ボディ10の軽量化には、凹部を形成することによる除去体積が寄与する。したがって、同一の除去体積であれば、凹部の断面形状としては、深さ方向へ一定の幅を有する矩形状であっても同様の軽量化が図れる。そして、断面矩形状の凹部を形成した場合、凹部同士の間には、工具ボディ10の軸方向に沿って同一幅寸法の断面矩形状の部分が形成される。
【0029】
これに対して、本実施形態のように、深さ方向へ向かって次第に窄まる断面形状の凹部60を形成すれば、工具ボディ10には、凹部60同士の間に断面三角形状の部分Ptが形成される(図5参照)。この断面三角形状の部分Ptは、深さ方向へ一定の幅を有する矩形状の凹部を設けた場合に形成される断面矩形状の部分と比較し、凹部を形成することによる除去体積が同一であっても根元部分の幅が大きくなり、高い強度が維持される。したがって、深さ方向へ向かって次第に窄まる断面形状の凹部60を形成した本実施形態の工具ボディ10によれば、工具ボディ10の剛性の低下を抑えて撓みに対して高い強度を確保しつつ軽量化が図られる。
【0030】
図6は、凹部60の底部60aの最深部における点と中心軸Axとを結ぶ仮想直線での断面(図3におけるVI-VI断面)を示している。なお、凹部60の底部60aの最深部の点とは、凹部60における最も背面10b側の点であり、その点の近傍も含む。この図6の断面視で、工具ボディ10は、軸方向において、アーバ30への組付け側である背面10bから、凹部60の底部60a、締結部品20が接触する接触部40aを有する中心部40における正面10a側の端面、切削刃51が設けられる外周部50における正面10a側の端面の順に配置されている。つまり、工具ボディ10では、アーバ30の背面10bから凹部60の底部60aまでの寸法H1と、アーバ30の背面10bから中心部40における正面10a側の端面までの寸法H2と、アーバ30の背面10bから外周部50における正面10a側の端面までの寸法H3との関係が、H1<H2<H3となっている。
【0031】
このような寸法とすることにより、工具ボディ10は、切削加工時に大きな力が付与されるために最も高い剛性が求められる外周部50の肉厚を十分に確保して高い強度を維持できる。さらに、工具ボディ10は、締結部品20によってアーバ30へ組付けられるために高い剛性が求められる中心部40においても、肉厚を十分に確保して高い強度を維持できる。そして、工具ボディ10は、外周部50及び中心部40を高い強度に維持しつつ、凹部60を設けることによる軽量化が図れる。
【0032】
また、図6に示すように、凹部60は、径方向外方へ向かって次第に工具ボディ10の正面10a側へ傾斜する外周側傾斜面61を有している。さらに、凹部60は、外周側傾斜面61よりも中心部40側に、径方向外方へ向かって次第に工具ボディ10の背面10b側へ傾斜する内周側傾斜面62を有している。そして、外周側傾斜面61は、中心軸Axに直交する平面Sに対する傾斜角θ1が、内周側傾斜面62における中心軸Axに直交する平面Sに対する傾斜角θ2よりも大きくされている。
【0033】
ここで、回転切削工具100によって被削材を切削する場合、アーバ30を通して供給されるクーラントなどの流体を、工具ボディ10の中心部40側から切削刃51による切削箇所へ向かって径方向外方へ吐出させる場合がある。このような場合、外周側傾斜面61を有する凹部60を備えた工具ボディ10では、その中心部40側から吐出させた流体を凹部60の外周側傾斜面61に沿って切削刃51が設けられる外周部50側へ円滑に導くことができる。これにより、外周部50の切削刃51へ流体を円滑に供給して冷却及び潤滑させることができる。
【0034】
特に、凹部60は、外周側傾斜面61よりも中心部40側に、径方向外方へ向かって次第に工具ボディ10の背面10b側へ傾斜する内周側傾斜面62を有する。このように、外周側傾斜面61よりも中心部40側を背面10b側へ傾斜させることにより、工具ボディ10の中心部40から径方向外方へ向かって吐出される流体の噴射を邪魔することなく外周側傾斜面61へ導くことができる。そして、外周側傾斜面61に導かれた流体は、その後、内周側傾斜面62の傾斜角θ2よりも大きな傾斜角θ1を有する外周側傾斜面61に沿って切削刃51が設けられる工具ボディ10の外周部50側へ導かれることとなる。これにより、外周部50の切削刃51へより円滑に流体を供給して冷却及び潤滑させることができる。なお、流体を切削刃51へ直接誘導する外周側傾斜面61は、傾斜角θ1が大きいほど流体を方向転換して切削刃51へ良好に導ける。このため、外周側傾斜面61の傾斜角θ1は、流体の噴射を邪魔しないために設ける内周側傾斜面62の傾斜角θ2よりも大きくしている。
【0035】
また、図5に示すように、凹部60は、工具ボディ10の中心部40側をV字状に形成することにより、中心部40側から径方向外方へ向かって吐出される流体を切削刃51が設けられる外周部50側へより円滑に導くことができ、さらに、外周部50の切削刃51による切削時に生じる切粉の排出性を高めることができる。
【0036】
ここで、工具ボディ10の中心部40側において、V字状に形成された凹部60は、回転方向Rの前方側の前方側傾斜面65と、回転方向Rの後方側の後方傾斜面66と、を有している。そして、前方側傾斜面65は、中心軸Axに直交する平面Sに対する傾斜角θ3が、後方側傾斜面66における中心軸Axに直交する平面Sに対する傾斜角θ4よりも大きくされている。このような前方側傾斜面65と後方側傾斜面66とによって凹部60をV字状とすれば、外周部50の切削刃51へ流体をさらに円滑に導くことができるとともに、切削時に生じる切粉の排出性をより高めることができる。
【0037】
また、図3に示すように、凹部60は、工具ボディ10の正面視において、工具ボディ10の外周部50へ向かって次第に細くなる先細り部64を有している。このように、凹部60に先細り部64を設けることで、工具ボディ10の中心部40側から径方向外方へ向かって吐出されて凹部60内に入り込んだ流体の流速を先細り部64で高めることができる。また、凹部60に先細り部64を設けることで、外周部50での肉厚を維持できる。これにより、凹部60同士の間における外周部50側での肉厚を確保して剛性を維持させつつ、工具ボディ10の切削刃51が設けられた外周部50側へ流体をより良好に導くことができる。
【0038】
以上、説明したように、本実施形態に係る工具ボディ10及びそれを備えた回転切削工具100によれば、正面視における中心部40と外周部50との間に複数の凹部60を周方向に沿って設けている。しかも、凹部60を深さ方向へ向かって次第に窄まる断面形状としている。これにより、凹部60を設けることによる工具ボディ10の剛性の低下を抑えつつ軽量化を図ることができる。また、複数の凹部60を工具ボディ10の中心部40と外周部50との間に設けているので、外周部50を肉抜きした構造と比較し、切削刃51が設けられる外周部50における剛性の低下及び外周部50に設ける切削刃51の刃数の削減を抑えることができる。
【符号の説明】
【0039】
10 工具ボディ
10a 正面
30 アーバ
40 中心部
51 切削刃
60 凹部
60a 底部
61 外周側傾斜面
62 内周側傾斜面
64 先細り部
65 前方側傾斜面
66 後方側傾斜面
100 回転切削工具
Ax 中心軸
R 回転方向
θ1,θ2 傾斜角
θ3,θ4 傾斜角
【要約】
【課題】高い剛性を維持しつつ多刃化が可能な工具ボディ及び回転切削工具を提供する。
【解決手段】中心部40がアーバ30に組付けられて中心軸Ax回りに回転される工具ボディ10であって、アーバ30への組付け側と反対側からの正面視において、中心部40と外周部50との間に、周方向に沿って設けられた複数の凹部60を有し、凹部60は、深さ方向へ向かって次第に窄まる断面形状とされている。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6