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特許7505694間接照明装置、照明システム、及び照明付き建材
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】間接照明装置、照明システム、及び照明付き建材
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20240618BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20240618BHJP
   H05B 45/12 20200101ALI20240618BHJP
   H05B 45/18 20200101ALI20240618BHJP
   H05B 47/17 20200101ALI20240618BHJP
   H05B 47/175 20200101ALI20240618BHJP
   H05B 47/11 20200101ALI20240618BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240618BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20240618BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21V23/00 113
F21V23/00 117
H05B45/12
H05B45/18
H05B47/17
H05B47/175
H05B47/11
F21Y115:10
F21Y115:15
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020164323
(22)【出願日】2020-09-30
(65)【公開番号】P2022056527
(43)【公開日】2022-04-11
【審査請求日】2023-07-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000201478
【氏名又は名称】前田建設工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】594135737
【氏名又は名称】株式会社キルトプランニングオフィス
(73)【特許権者】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】川島 要一
(72)【発明者】
【氏名】木曽 昌志
(72)【発明者】
【氏名】反保 善夫
(72)【発明者】
【氏名】豊久 将三
(72)【発明者】
【氏名】清水 宏司
(72)【発明者】
【氏名】山口 洋一
(72)【発明者】
【氏名】鮎川 秀
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-197659(JP,A)
【文献】特開2019-036393(JP,A)
【文献】特開2015-130285(JP,A)
【文献】実開平05-014385(JP,U)
【文献】特開2009-218094(JP,A)
【文献】特開2019-008868(JP,A)
【文献】特開2019-106291(JP,A)
【文献】特開2005-181441(JP,A)
【文献】特開2014-075244(JP,A)
【文献】特開2019-040826(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0129093(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21V 23/00
H05B 45/12
H05B 45/18
H05B 47/17
H05B 47/175
H05B 47/11
F21Y 115/10
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
面状発光パネルの発光面が室内空間を構成する第1壁面と間隔を空けて対面するように設置される間接照明装置であって、
保持プレートと、取付プレートと、保護カバーを有し、
前記保持プレートは、第1主面を有し、前記面状発光パネルを前記第1主面側に保持し、前記取付プレートから前記取付プレートに対する交差方向に延びており、
前記取付プレートは、前記室内空間を構成する前記第1壁面とは異なる第2壁面で構成される被取付面に対して取り付け可能であり、
前記取付プレートは、電源装置又は制御回路が実装された取付側本体部を有し、
前記保護カバーは、前記取付側本体部と前記電源装置又は前記制御回路を挟んで対向するカバー本体部と、前記カバー本体部と連続し前記カバー本体部から前記保持プレートに跨って前記面状発光パネル側に向かって延びる延伸部を備え、
前記延伸部の前記カバー本体部からの延伸長さは、15mm以上であり、
前記保持プレートと前記取付プレートと前記保護カバーは、それぞれ別部材である、間接照明装置。
【請求項2】
前記面状発光パネルの発光面は、点灯時に発光する発光領域を含み、
前記発光領域と、前記カバー本体部との最短距離は、35mm以上である、請求項1に記載の間接照明装置。
【請求項3】
前記カバー本体部は、実質的に凹凸がない、請求項1又は2に記載の間接照明装置。
【請求項4】
前記カバー本体部と前記延伸部は、単一色である、請求項1~3のいずれか1項に記載の間接照明装置。
【請求項5】
前記面状発光パネルは、中継基板を介して、前記電源装置又は前記制御回路と接続されており、
前記中継基板は、前記保持プレートに取り付けられており、
前記電源装置又は前記制御回路と前記中継基板との間を接続する配線部を有し、
前記延伸部は、前記配線部の一部を覆っている、請求項1~4のいずれか1項に記載の間接照明装置。
【請求項6】
装飾シートを有し、
前記保持プレートは、第2主面を有し、前記取付プレートの端部から前記取付プレートに対して交差する方向に延びており、
前記装飾シートは、前記保持プレートの前記第2主面側を基端部側から先端部にかけて覆い、かつ、前記保持プレートの先端部において前記第1主面側に折り返されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の間接照明装置。
【請求項7】
前記保持プレートは、基端部側に前記第1主面に対して立ち上がった立壁部を有し、
前記取付プレートは、前記被取付面に対する交差方向に延びる係合板部を有し、
前記係合板部は、厚み方向に深さを持った係合穴を有し、
前記保護カバーは、前記電源装置又は前記制御回路を覆うものであって、前記被取付面に対する直交方向において、前記係合穴の内壁と係合する第1カバー側係合部と、前記立壁部と係合する第2カバー側係合部を備える、請求項1~6のいずれか1項に記載の間接照明装置。
【請求項8】
点灯時に発光する発光領域を有する複数の面状発光パネルと、各面状発光パネルの点灯時の前記発光領域の輝度を個別に検知する輝度センサーと、各面状発光パネルの点灯時の前記発光領域の温度を個別に検知する温度センサーと、各面状発光パネルへの給電量を制御する給電制御手段を有し、
前記給電制御手段は、各面状発光パネルの点灯時の前記発光領域の温度及び輝度に基づいて、各面状発光パネルへの給電量を個別に調整できる、請求項1~7のいずれか1項に記載の間接照明装置。
【請求項9】
面状発光パネルの発光面が室内空間を構成する第1壁面と間隔を空けて対面するように設置される間接照明装置であって、
保持プレートと、取付プレートと、保護カバーを有し、
前記保持プレートは、第1主面を有し、前記面状発光パネルを前記第1主面側に保持し、前記取付プレートから前記取付プレートに対する交差方向に延びており、
前記取付プレートは、前記室内空間を構成する前記第1壁面とは異なる第2壁面で構成される被取付面に対して取り付け可能であり、
前記取付プレートは、電源装置又は制御回路が実装された取付側本体部を有し、
前記保護カバーは、前記取付側本体部と前記電源装置又は前記制御回路を挟んで対向するカバー本体部と、前記カバー本体部と連続し前記カバー本体部から前記保持プレートに跨って前記面状発光パネル側に向かって延びる延伸部を備え、
前記延伸部の前記カバー本体部からの延伸長さは、15mm以上であり、
複数の面状発光パネルと、各発光パネルの点灯時に発光する発光領域を覆うパネルカバー部と、前記面状発光パネルと前記パネルカバー部の間に設けられ各面状発光パネルの点灯時の前記発光領域の輝度を個別に検知する内部輝度センサーと、前記面状発光パネルを基準として前記パネルカバー部の外側に設けられ各面状発光パネルの点灯時の前記発光領域の輝度を個別に検知する外部輝度センサーと、各面状発光パネルへの給電量を制御する給電制御手段を有し、
前記給電制御手段は、前記内部輝度センサーで検知した各面状発光パネルの輝度と、前記外部輝度センサーで検知した各面状発光パネルの輝度に基づいて、各面状発光パネルへの給電量を個別に調整できる、間接照明装置。
【請求項10】
面状発光パネルの発光面が室内空間を構成する第1壁面と間隔を空けて対面するように設置される間接照明装置であって、
保持プレートと、取付プレートと、保護カバーを有し、
前記保持プレートは、第1主面を有し、前記面状発光パネルを前記第1主面側に保持し、前記取付プレートから前記取付プレートに対する交差方向に延びており、
前記取付プレートは、前記室内空間を構成する前記第1壁面とは異なる第2壁面で構成される被取付面に対して取り付け可能であり、
前記取付プレートは、電源装置又は制御回路が実装された取付側本体部を有し、
前記保護カバーは、前記取付側本体部と前記電源装置又は前記制御回路を挟んで対向するカバー本体部と、前記カバー本体部と連続し前記カバー本体部から前記保持プレートに跨って前記面状発光パネル側に向かって延びる延伸部を備え、
前記延伸部の前記カバー本体部からの延伸長さは、15mm以上であり、
前記電源装置は、調光入力部を有し、前記調光入力部に入力された調光信号に基づいて前記面状発光パネルに対して直接又は前記制御回路を介して給電するものであり、
前記電源装置は、調光信号を送信する外部調光装置と接続可能な調光端子部と、直接給電状態と間接給電状態との間で切り替え可能な調光切替部を有し、
前記直接給電状態は、前記制御回路が接続されないときに前記調光端子部から入力された調光信号を前記調光切替部から前記調光入力部に送信する状態であり、
前記間接給電状態は、前記制御回路が接続されたときに前記制御回路を介して前記調光端子部から入力された調光信号を前記調光切替部から前記調光入力部に送信する状態である、間接照明装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の間接照明装置を複数備え、複数の間接照明装置が前記被取付面に並設された照明システムであって、
前記複数の間接照明装置の中には、隣接する第1間接照明装置と第2間接照明装置があり、
前記第1間接照明装置の前記保持プレートと前記第2間接照明装置の前記保持プレートは、先端部がそれぞれ自由端となっており、
前記第1間接照明装置の前記保持プレートは、自由端側であって、前記並設方向の端部に前記第2間接照明装置と連結可能な連結部を備えている、照明システム。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか1項に記載の間接照明装置を有し、面状発光パネルの発光面が室内空間を構成する天井面と間隔を空けて対面するように設置される照明付き建材であって、
前記取付プレートは、前記天井面から垂下した壁面で構成される被取付面に対して取り付ける、照明付き建材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機ELパネルやLEDを面状に散りばめたLEDパネル等の面状に発光する面状発光パネルを光源として用いた間接照明装置、当該間接照明装置を複数備えた照明システム、並びに照明付き建材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、壁面等に光を反射させてその反射光で室内空間側を照らす間接照明装置が知られている。この間接照明装置は、壁面等での反射光を使用するため、眩しくなりすぎず、室内空間に立体感を出すことができる。
このような間接照明装置には、例えば、特許文献1の面発光ユニットがある。
【0003】
特許文献1の面発光ユニットは、面状発光パネルを保持し下方に向かって突出した突出片部を有する保持部材と、上方に向かって突出した突起部を有する取付部材を備えている。そして、特許文献1の面発光ユニットは、保持部材の突出片部を取付部材の突起部に引っ掛けて回転させ、取付ねじで保持部材を取付部材に固定することで、壁面に対して面状発光パネルを取り付ける構造となっている。特許文献1の面発光ユニットによれば、安定的に面状発光パネルを壁面に対して取り付けることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-197659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、特許文献1の面発光ユニットに倣って、図48のような天井面815と有機ELパネル810の発光面が対向し、天井面815だけではなく、発光面の発光領域812からの照射光の一部を壁面816でも反射させる間接照明装置800を試作した。
【0006】
具体的には、試作した間接照明装置800は、図48のように、有機ELパネル810を保持する保持プレート802と、壁面816に取り付けて電源装置806等を固定する取付プレート803と、取付プレート803に固定された電源装置806等を保護する保護カバー805を備え、電源装置806等を保護カバー805で覆い、固定ねじ811で保護カバー805を取付プレート803に固定する構造とした。
こうすることで、特許文献1と同様、保護カバー805を容易に取付プレート803から取り外し可能となり、電源装置806等のメンテナンスが容易となった。
【0007】
しかしながら、試作した間接照明装置800では新たな問題が発生した。
すなわち、試作した間接照明装置800は、光源として有機ELパネル810を使用しており、照射光が面状に広がる拡散光である。
そのため、図48の矢印のように、照射光の一部が発光面の発光領域812からの出射直後から保護カバー805側にも拡散し、保護カバー805や固定ねじ811でも反射してしまう。その結果、保護カバー805や固定ねじ811で反射する散乱光の一部が保持プレート側に向かって再度反射し、保持プレート802に設けられた凹凸や保護カバー805から露出する配線が光源全体の光に反映され、天井面815を照らす光に色むらが生じることがあった。
【0008】
そこで、本発明は、保持プレートでの光の反射による色むらの発生を抑制できる間接照明装置、照明システム、及び照明付き建材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するための本発明の一つの様相は、面状発光パネルの発光面が室内空間を構成する第1壁面と間隔を空けて対面するように設置される間接照明装置であって、保持プレートと、取付プレートと、保護カバーを有し、前記保持プレートは、第1主面を有し、前記面状発光パネルを前記第1主面側に保持し、前記取付プレートから前記取付プレートに対する交差方向に延びており、前記取付プレートは、前記室内空間を構成する前記第1壁面又は前記第1壁面とは異なる第2壁面で構成される被取付面に対して取り付け可能であり、前記取付プレートは、電源装置又は制御回路が実装された取付側本体部を有し、前記保護カバーは、前記取付側本体部と前記電源装置又は前記制御回路を挟んで対向するカバー本体部と、前記カバー本体部と連続し前記カバー本体部から前記保持プレートに跨って前記面状発光パネル側に向かって延びる延伸部を備え、前記延伸部の前記カバー本体部からの延伸長さは、15mm以上である、間接照明装置である。
【0010】
本様相によれば、面状発光パネルの発光面から照射される散乱光のほとんどが保護カバーに照射されるので、保護カバー以外の部分で光が反射することによる色むらの発生を抑制できる。
【0011】
好ましい様相は、前記面状発光パネルの発光面は、点灯時に発光する発光領域を含み、前記発光領域と、前記カバー本体部との最短距離は、35mm以上であることである。
【0012】
本様相によれば、発光面の発光領域とカバー本体部との距離が十分に離れているため、スカラップの発生を抑制できる。
【0013】
好ましい様相は、前記カバー本体部は、実質的に凹凸がないことである。
【0014】
ここでいう「実質的に凹凸がない」とは、凹凸によって影ができない程度に凹凸がない状態をいい、光を照射したときに目視では光の色むらが視認できない程度に凹凸がない状態をいう。
【0015】
本様相によれば、より均一な光を第1壁面に照射でき、カバー本体部に埃等が溜まっても、除去しやすい。
【0016】
好ましい様相は、前記カバー本体部と前記延伸部は、単一色であることである。
【0017】
本様相によれば、反射率が同程度となり、同程度の色の光が反射されるので、より均一な光を第1壁面に照射できる。
【0018】
好ましい様相は、前記面状発光パネルは、中継基板を介して、前記電源装置又は前記制御回路と接続されており、前記中継基板は、前記保持プレートに取り付けられており、前記電源装置又は前記制御回路と前記中継基板との間を接続する配線部を有し、前記延伸部は、前記配線部の一部を覆っていることである。
【0019】
本様相によれば、電源装置又は制御回路と中継基板を接続する配線部の一部を延伸部が覆って隠されているため、配線部の影が第1壁面に反映されにくい。
【0020】
ところで、面状発光パネルを使用する間接照明装置は、面状発光パネルを保持する保持プレートの面積が一定以上の面積となり、保持プレートの裏面側(面状発光パネルとは反対側の面)が室内空間内の居住者側に大きく露出する。
保持プレートの色や模様が被取付面の表面の色や模様と大きく相違すると、保持プレートと被取付面との間で継ぎ目が明確となり、保持プレートが目立ってしまい、意匠性が損なわれる場合がある。そのため、意匠性の向上には、保持プレートと被取付面との間でデザインの統一性が求められる。
【0021】
そこで、好ましい様相は、装飾シートを有し、前記保持プレートは、第2主面を有し、前記取付プレートの端部から前記取付プレートに対して交差する方向に延びており、前記装飾シートは、前記保持プレートの前記第2主面側を基端部側から先端部にかけて覆い、かつ、前記保持プレートの先端部において前記第1主面側に折り返されていることである。
【0022】
本様相によれば、室内空間の中央側から視認される保持プレートの第2主面に装飾シートを巻き付けている。そのため、例えば、装飾シートとして被取付面と統一性のあるシートを使用することで、被取付面と保持プレートとの間でデザインの一体性を持たせ、被取付面と保持プレートとの境界部分を目立たなくでき、意匠性を向上できる。
【0023】
ところで、電源装置や制御回路を保護する保護カバーを取り付けるには、試作した保護カバーのように、ねじ等の締結要素を使用して固定することが考えられる。しかしながら、第1壁面と面状発光パネルの発光面との間隔が狭い場合、ねじ等の締結要素で固定すると、締結作業を行いにくい問題がある。
【0024】
そこで、好ましい様相は、前記保持プレートは、基端部側に前記第1主面に対して立ち上がった立壁部を有し、前記取付プレートは、前記被取付面に対する交差方向に延びる係合板部を有し、前記係合板部は、厚み方向に深さを持った係合穴を有し、前記保護カバーは、前記電源装置又は前記制御回路を覆うものであって、前記被取付面に対する直交方向において、前記係合穴の内壁と係合する第1カバー側係合部と、前記立壁部と係合する第2カバー側係合部を備えることである。
【0025】
本様相によれば、保護カバーを取付プレートと保持プレートの双方に跨って係合させることで固定できるため、保護カバーを取り付けるにあたって、ねじ等の締結要素を使用する必要がなく、保護カバーを取り付ける空間が狭くても取付作業が容易となる。
【0026】
ところで、発光面の面積を大きくするには、複数の面状発光パネルを並べて保持プレートで保持させることが考えられる。
複数の面状発光パネルを並べて、各面状発光パネルをそれぞれ調光制御する場合、各面状発光パネルの経年劣化により、同様の出力で調光を行っていても、調光の度合が異なってくる場合がある。すなわち、面状発光パネルの劣化度合いには個体差があり、同一条件下であっても面状発光パネル間で輝度に差が生じたり、輝度の変化量が異なったりする場合がある。
【0027】
そこで、好ましい様相は、点灯時に発光する発光領域を有する複数の面状発光パネルと、各面状発光パネルの点灯時の前記発光領域の輝度を個別に検知する輝度センサーと、各面状発光パネルの点灯時の前記発光領域の温度を個別に検知する温度センサーと、各面状発光パネルへの給電量を制御する給電制御手段を有し、前記給電制御手段は、各面状発光パネルの点灯時の前記発光領域の温度及び輝度に基づいて、各面状発光パネルへの給電量を個別に調整できることである。
【0028】
本様相によれば、その時々に適した各面状発光パネルの給電制御が可能であり、例えば、調光時における各面状発光パネル間での輝度差や輝度の変化量の差を小さくするように給電量を調整できる。
【0029】
ところで、室内空間に長時間にわたって設置していると、各面状発光パネル上への埃等の堆積により、同様の出力で給電しても、実際に室内空間に伝わる各面状発光パネルの光量が埃等によって低下してしまい、以前と同一の光空間を再現できなくなる場合がある。
【0030】
そこで、好ましい様相は、複数の面状発光パネルと、各発光パネルの点灯時に発光する発光領域を覆うパネルカバー部と、前記面状発光パネルと前記パネルカバー部の間に設けられ各面状発光パネルの点灯時の前記発光領域の輝度を個別に検知する内部輝度センサーと、前記面状発光パネルを基準として前記パネルカバー部の外側に設けられ各面状発光パネルの点灯時の前記発光領域の輝度を個別に検知する外部輝度センサーと、各面状発光パネルへの給電量を制御する給電制御手段を有し、前記給電制御手段は、前記内部輝度センサーで検知した各面状発光パネルの輝度と、前記外部輝度センサーで検知した各面状発光パネルの輝度に基づいて、各面状発光パネルへの給電量を個別に調整できることである。
【0031】
本様相によれば、パネルカバー部の内外での輝度を測定できるので、内外での輝度差によって埃等が輝度に与える影響を踏まえた給電制御が可能である。そのため、パネルカバー部上に埃等が溜まっても、給電量を調整することで過去の光空間に近い光空間を再現できる。
【0032】
好ましい様相は、前記電源装置は、調光入力部を有し、前記調光入力部に入力された調光信号に基づいて前記面状発光パネルに対して直接又は前記制御回路を介して給電するものであり、前記電源装置は、調光信号を送信する外部調光装置と接続可能な調光端子部と、直接給電状態と間接給電状態との間で切り替え可能な調光切替部を有し、前記直接給電状態は、前記制御回路が接続されないときに前記調光端子部から入力された調光信号を前記調光切替部から前記調光入力部に送信する状態であり、前記間接給電状態は、前記制御回路が接続されたときに前記制御回路を介して前記調光端子部から入力された調光信号を前記調光切替部から前記調光入力部に送信する状態であることである。
【0033】
本様相によれば、電源装置に制御回路を接続しても接続しなくても電源装置から発光パネルを給電することができ、制御回路の接続の有無に合わせて電源装置を製造しなくてもよく、製造コストを低減できる。
【0034】
ところで、室内空間の大きさが大きい場合、一つの間接照明装置で室内空間の広範囲を照らすことができない場合がある。このような場合、間接照明装置を隣接させて並べて被取付面に取り付けることで、室内空間の広範囲を照らすことが可能になると考えられる。
光源として有機ELパネルのような薄い発光パネルを使用した場合、保持プレートの厚みも薄くでき、空間的な制約が少ない利点がある。その一方で、保持プレートの厚みを薄くし、間接照明装置を隣接させて並べると、保持プレートが自重によりわずかに弾性変形する。この弾性変形には個体差があり、各保持プレート間で自由端の位置が揃わずに上下にぶれ、保持プレートの中には、他の保持プレートに比べて自由端が垂れ下がったものが生じていた。
【0035】
本発明の一つの様相は、上記した間接照明装置を複数備え、複数の間接照明装置が前記被取付面に並設された照明システムであって、前記複数の間接照明装置の中には、隣接する第1間接照明装置と第2間接照明装置があり、前記第1間接照明装置の前記保持プレートと前記第2間接照明装置の前記保持プレートは、先端部がそれぞれ自由端となっており、前記第1間接照明装置の前記保持プレートは、自由端側であって、前記並設方向の端部に前記第2間接照明装置と連結可能な連結部を備えている、照明システムである。
【0036】
本様相によれば、隣接する保持プレートの先端部側(自由端側)を連結部で連結するので、隣接する保持プレートの先端部を揃えることができる。
【0037】
本発明の一つの様相は、上記した間接照明装置を有し、面状発光パネルの発光面が室内空間を構成する天井面と間隔を空けて対面するように設置される照明付き建材であって、前記取付プレートは、前記天井面から垂下した壁面で構成される被取付面に対して取り付ける、照明付き建材である。
【0038】
本様相によれば、面状発光パネルの発光面から照射される散乱光のほとんどが保護カバーに照射されるので、保護カバー以外の部分で光が反射することによる色むらの発生を抑制できる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、保持プレートでの反射による色むらの発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明の第1実施形態の照明システムを模式的に表す斜視図である。
図2図1の間接照明装置を上方側から視た斜視図である。
図3図2の間接照明装置のA-A断面図である。
図4図2の間接照明装置の分解斜視図である。
図5図4の発光プレートの分解斜視図である。
図6図5の発光モジュールの分解斜視図である。
図7図6の発光モジュールの要部の分解斜視図である。
図8図4の保持プレートの説明図であり、(a)は保持プレートの斜視図であり、(b)は(a)とは別の方向からみた斜視図である。
図9図4の取付プレートの斜視図である。
図10図4の保護カバーを図4とは別の方向からみた斜視図である。
図11図2の間接照明装置の要部の断面斜視図である。
図12図2の間接照明装置のネットワーク構成図である。
図13図2の間接照明装置の構成図である。
図14図13の間接照明装置の一部の構成図である。
図15図2の照明システムを設置する際の説明図であり、取付プレートを壁面に固定する際の斜視図である。
図16図1の照明システムを設置する際の説明図であり、取付プレートに発光プレートを取り付ける際の斜視図である。
図17図2の照明システムを設置する際の説明図であり、隣接する発光プレートの凸部と凹部を嵌合させる際の斜視図である。
図18図2の照明システムを設置する際の説明図であり、(a)は保護カバーを取り付ける途中の断面図であり、(b)は保護カバーを取り付けた後の断面図である。
図19図2の照明システムを設置する際の説明図であり、(a)は保持プレートに装飾シートを取り付ける際の保持プレートの基端部側の部分の斜視図であり、(b)は保持プレートに装飾シートを取り付ける際の保持プレートの先端部側の部分の斜視図であり、装飾シートを凸条部に沿って切断する途中の状態を表している。
図20図2の間接照明装置の第1調光制御モードの説明図であり、調光制御に関与する要部のみ描写した構成図である。
図21図2の間接照明装置の第2調光制御モードの説明図であり、調光制御に関与する要部のみ描写した構成図である。
図22図2の間接照明装置の発光パネルから照射される光の光路の説明図であり、(a)は図2の間接照明装置の要部の光路を概念的に表す断面図であり、(b)は図48で試作した間接照明装置の要部の光路を概念的に表す断面図である。なお、理解を容易にするために発光パネルを黒塗りにして描写している。
図23図2の間接照明装置と従来のコーブ照明の説明図であり、(a)は図2の間接照明装置の設置状況を示す側面図であり、(b)は従来のコーブ照明の設置状況を示す側面図である。
図24】本発明の第2実施形態の間接照明装置の調光制御の説明図であり、調光制御に関与する要部のみ描写した構成図である。
図25】本発明の第3実施形態の間接照明装置の調光制御の説明図であり、調光制御に関与する要部のみ描写した構成図である。
図26】本発明の第4実施形態の間接照明装置を上方側からみた斜視図である。
図27図26の間接照明装置のB-B断面図である。
図28図26の間接照明装置の分解斜視図である。
図29図28の発光プレートの分解斜視図である。
図30図28の取付プレートの斜視図である。
図31図28の保護カバーを図28とは別の方向からみた分解斜視図である。
図32図29の取付側サイドカバーの説明図であり、(a)は取付側サイドカバーを一方向からみた分解斜視図であり、(b)は取付側サイドカバーを(a)とは別の方向からみた分解斜視図である。
図33図26の間接照明装置を設置する際の説明図であり、取付プレートを壁面に固定する際の斜視図である。
図34図26の間接照明装置を設置する際の説明図であり、隣接する間接照明装置を連結させる際の斜視図であり、(a)は隣接する間接照明装置を近接させる前の状態を示す斜視図であり、(b)は隣接する間接照明装置を近接させた状態を示す斜視図であり、(c)は連結片を連結穴に挿入した状態を表す斜視図である。
図35図26の間接照明装置を設置する際の説明図であり、発光プレートに隙間閉塞シートを取り付ける際の斜視図である。
図36図26の間接照明装置を設置する際の説明図であり、隣接する取付プレートに本体カバーを固定する際の斜視図である。
図37図26の間接照明装置を設置する際の説明図であり、並設方向の端部に位置する本体カバーに化粧カバーを取り付ける際の斜視図である。
図38図26の間接照明装置を設置する際の説明図であり、(a)は保護カバーを取り付ける際の断面図であり、(b)は保護カバーを取り付けたときの断面図である。
図39】本発明の第5実施形態の保護カバーの説明図であり、(a)は保護カバーの要部の断面図であり、(b)は係合部材の斜視図である。
図40】本発明の第6実施形態の取付プレートの分解斜視図である。
図41】本発明の第6実施形態の取付プレートの要部の説明図であり、(a)は突出姿勢における取付用連結片の斜視図であり、(b)は退避姿勢における取付用連結片の斜視図である。
図42】本発明の他の実施形態の間接照明装置の位置を表す斜視図である。
図43図2の間接照明装置の設置例を表す設置図であり、壁側クロス部に跨って装飾シートが設けられる場合の断面図である。
図44図2の間接照明装置の設置例を表す設置図であり、(a)はシート部が既に貼られた折上天井に設置したときの側面図であり、(b)はシート部が貼られていない折上天井に設置したときの側面図である。
図45】従来の折上天井照明の設置状況を示す側面図である。
図46図2の間接照明装置の設置例を表す設置図であり、(a)は天井に設置したときの側面図であり、(b)は壁の凹部に設置したときの側面図である。
図47図2の間接照明装置の設置例を表す設置図であり、間接照明装置を背中合わせに設置したときの側面図である。
図48】本発明者が試作した間接照明装置の光路を概念的に表す断面図である。なお、理解を容易にするために発光パネルを黒塗りにして描写している。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0042】
本発明の第1実施形態の間接照明装置1は、図1のように、オフィスビルや、美術館、ホール、店舗、一般住宅などの建物の室内空間400に好適に設置されるものである。
間接照明装置1(1A)(第1間接照明装置)は、図1図2のように、他の間接照明装置1(1B,1C)(第2間接照明装置)とともに並設されて照明システム300を構成している。
間接照明装置1は、照明としての機能と、建材としての機能を備えた照明付き建材として使用されるものである。
間接照明装置1は、室内空間400のいずれの位置、いずれの姿勢でも設置できるが、本実施形態の説明においては、図1図2のように、室内空間400を構成する天井401の天井面405(第1壁面)と壁402の壁面406(第2壁面,被取付面)との境界を構成する角部の近傍に設け、コーブ照明として使用した場合について説明する。すなわち、以下の説明においては、図2の姿勢を基準とする。
【0043】
間接照明装置1は、図4のように、発光プレート2と、取付プレート3と、保護カバー5と、電源装置6と、制御基板7(制御回路)と、外部輝度センサー8(8a~8i)と、装飾シート9を備えている。
【0044】
発光プレート2は、図2のように、前後方向Xに幅をもち、横方向Y(左右方向)に長さをもち、縦方向Z(上下方向)に厚みをもった板状プレートである。
発光プレート2は、図5のように、発光モジュール10と、保持プレート11を備えている。
【0045】
発光モジュール10は、図6図7のように、一又は複数の発光パネル20(20a~20i)と、中継基板21と、内部輝度センサー22(22a~22i)と、内部温度センサー23(23a~23i)と、ケース部材25を備えている。
【0046】
発光パネル20は、図7のように、片面が発光領域26を有する発光面となり、発光領域26が面状に発光し、発光領域26から拡散光を放射する面状発光パネルである。
本実施形態の発光パネル20は、面状に広がりをもった方形状の板状パネルであり、具体的には有機ELパネルである。なお、発光パネル20は、LEDを面状に散りばめたLEDパネルであってもよい。
【0047】
中継基板21は、図14のように、制御基板7と各発光パネル20との間を中継する基板である。
中継基板21は、配線部によって制御基板7の電力入出力部228から電力を各発光パネル20に出力可能となっている。
中継基板21は、配線部を介して各外部輝度センサー8a~8iと接続され、各外部輝度センサー8a~8iから輝度信号を受け取り、制御基板7の外部輝度測定部224へ一つの外部輝度信号として出力可能となっている。
中継基板21は、配線部を介して各内部輝度センサー22a~22iと接続され、各内部輝度センサー22a~22iから輝度信号を受け取り、内部輝度測定部225へ一つの内部輝度信号として出力可能となっている。
中継基板21は、配線部を介して各内部温度センサー23a~23iと接続され、各内部温度センサー23a~23iから温度信号を受け取り、内部温度測定部226へ一つの温度信号として出力可能となっている。
【0048】
中継基板21は、例えば、マルチプレクサを内蔵させたり、マルチプレクサと電解効果トランジスタを組み合わせたりすることで、複数の信号を入力として受け取り、1つの信号として出力することが可能となっている。
【0049】
内部輝度センサー22a~22iは、図6のように、発光パネル20a~20iの発光領域26上に載置され、発光パネル20a~20iの発光領域26から放射される光の輝度を検知する輝度検知手段である。すなわち、内部輝度センサー22a~22iは、ケース部材25の内部に設けられ、埃の影響を受けない輝度を検知可能となっている。
【0050】
内部温度センサー23a~23iは、図6のように、発光パネル20a~20iの発光領域26上に載置され、発光パネル20a~20iの温度を検知する温度検知手段である。
【0051】
ケース部材25は、図6図7のように、ケース本体部30と、パネルカバー部31を備えている。
【0052】
ケース本体部30は、図7のように発光パネル20を保持するパネル設置部32と、中継基板21を保持する基板設置部33を備えている。
パネルカバー部31は、図6のように、各発光パネル20a~20iの発光領域26を覆い、各発光パネル20a~20iの発光面を保護する部材である。パネルカバー部31は、透明樹脂製であって、発光領域26から照射される光を透過させることが可能となっている。
パネルカバー部31は、カバー本体部35と、カバー本体部35に対して隆起した格納部36を有している。
格納部36は、その内部に凹部があり、中継基板21、各内部輝度センサー22a~22i、各内部温度センサー23a~23i等を格納可能となっている。
【0053】
保持プレート11は、図4図5のように、発光モジュール10を保持する保持部材である。
保持プレート11は、図8のように、ベース本体部50と、保持凹部51,52と、係止部53と、取付凹部55と、連結凸部56(連結部)と、連結凹部57(連結部)と、凸条部58を備えている。
【0054】
ベース本体部50は、発光モジュール10が載置される載置部である。
ベース本体部50は、図8のように、板状であって、設置状態において、天井面405側を向く第1主面60と、第1主面60と反対側の面である第2主面61を有している。
ベース本体部50は、基端部側に接続用固定ねじ181(図16参照,接続用締結要素)の軸部を挿通可能な挿通孔62を備えている。
挿通孔62は、ベース本体部50を厚み方向に貫通した貫通孔であり、接続用固定ねじ181の軸部を介して取付プレート3に取り付ける取付孔である。
【0055】
保持凹部51は、図8(a)のように、ベース本体部50と、係止壁部65と、端面壁部66で構成される「コ」字状の凹部であり、発光モジュール10の先端側部分を保持することが可能となっている。すなわち、保持凹部51は、基端部側から先端部側に深さをもち、長さ方向(横方向Y)に延びた凹溝である。
【0056】
係止壁部65は、発光モジュール10がベース本体部50上から離反することを係止する部位であり、ベース本体部50と間隔を空けて対向する部位である。
端面壁部66は、係止壁部65の先端部とベース本体部50の先端部を接続する接続壁部である。端面壁部66は、先端部が鋭角であって角部が丸まっており、係止壁部65側(天井面405側)の面に傾斜面67が設けられている。
傾斜面67は、裏面である第2主面61(基準面)に対して相対的に鋭角に傾斜した面である。
【0057】
保持凹部52は、図8(a)のように、ベース本体部50と、係止壁部70と、端面壁部71で構成される「コ」字状の凹部であり、発光モジュール10の基端側部分を保持することが可能となっている。すなわち、保持凹部52は、先端部側から基端部側に深さをもち、発光モジュール10の長さ方向(横方向Y)に延びた凹溝である。
【0058】
係止壁部70は、発光モジュール10がベース本体部50上から離反することを係止する部位であり、ベース本体部50と間隔を空けて対向する部位である。
端面壁部71は、係止壁部70の基端部とベース本体部50を接続する接続壁部である。
【0059】
係止部53は、保護カバー5を係止する断面形状が「コ」字状の係止片であり、端面壁部71から係止壁部70とは反対側に延びた第1壁部75と、第1壁部75の端部から立ち上がった立設された立壁部76と、立壁部76の立ち上がり方向の端部から第1壁部75とは逆方向に延びた第2壁部77を備えており、壁部75~77で囲まれた保持凹部78が形成されている。
【0060】
取付凹部55は、取付プレート3と係合する部位であり、ベース本体部50と、端面壁部71と、第1壁部75で構成される「コ」字状の凹部である。
取付凹部55は、基端部側から先端部側に深さをもち、長さ方向に延びている。すなわち、取付凹部55は、保持凹部52と逆向きに深さを有している。
【0061】
連結凸部56は、並設方向に隣接する他の間接照明装置1Cと連結する際に、他の間接照明装置1Cの発光プレート2の連結凹部57に挿入し、連結する連結ピンである。
連結凸部56は、長さ方向(横方向Y)において、端面壁部66の一方の端部に設けられており、端面壁部66の端面から外側に向かって突出している。
【0062】
連結凹部57は、並設方向に他の間接照明装置1Bと連結時において、他の間接照明装置1Bの発光プレート2の連結凸部56が挿入され、連結する連結穴である。
連結凹部57は、長さ方向(横方向Y)において、端面壁部66の他方の端部に設けられており、端面壁部66の端面から内側に向かって窪んでいる。
【0063】
凸条部58は、図8のように、係止壁部65から発光モジュール10とは反対側に突出した凸部であり、係止壁部65とともに角部を構成している。
凸条部58は、装飾シート9の長さを調整する調整凸部であり、前後方向Xに幅をもち、長さ方向(横方向Y)に直線状に延びている。
【0064】
取付プレート3は、図3のように、壁面406に対して取り付けられる取付部材であり、電源装置6や制御基板7を壁面406に対して固定するベース部材である。
取付プレート3は、図9のように、取付側本体部100と、取付側係止片101と、固定部102と、脱落防止部材103を備えている。
取付側本体部100は、壁面406に対して壁用固定ねじ180(図15参照、壁用締結要素)によって固定される部位であり、ベース本体部105と、固定孔106と、凸部107と、凹部108を備えている。
【0065】
ベース本体部105は、図9のように、縦方向Z(上下方向)に幅をもち、横方向Y(左右方向)に長さをもつ板状部位であり、第1本体部110と、第2本体部111と、接続壁部112を備えている。
ベース本体部105は、第1本体部110と第2本体部111との間に前後方向Xにおいて段差があり、第1本体部110と第2本体部111が接続壁部112を介して段状に連続している。
【0066】
固定孔106は、ベース本体部105を厚み方向に貫通する貫通孔であり、図15のように、壁用固定ねじ180を挿入可能な挿入孔である。
固定孔106は、横方向Y(左右方向)に延びた長孔であり、壁用固定ねじ180による固定位置を横方向Yにおいて調整可能となっている。
【0067】
凸部107は、図9のように、第1本体部110の長手方向(横方向Y)において、ベース本体部105の一方の端部に設けられ、ベース本体部105の端面から長手方向の外側に張り出した張出片である。
凹部108は、第1本体部110の長手方向(横方向Y)において、ベース本体部105の他方の端部に設けられ、ベース本体部105の端面から長手方向の内側に窪んだ窪み又は切り欠きである。
凹部108は、他の間接照明装置1の取付プレート3の凸部107と嵌合可能となっている。
【0068】
取付側係止片101は、保護カバー5を係止する部位であり、図9のように、接続部120と、対向部121を備えている。
接続部120は、ベース本体部105の幅方向(縦方向Z)の一方の端部(上端部)から折れ曲がり、折れ曲がり方向の先端部が対向部121の基端部と接続される壁部である。
対向部121は、保護カバー5の一部と係合して、保護カバー5の取付プレート3からの離反を係止する係止部である。
対向部121は、板状部位であって第1本体部110と平行となっており、第1本体部110と接続部120を介して段状に連続している。
【0069】
固定部102は、保持プレート11と係合して固定する係合片である。
固定部102は、第2本体部111の端部から交差方向(直交方向)に折れ曲がった壁部であり、接続部120と同一方向に立ち上がっている。
固定部102は、図16のように、接続用固定ねじ181の軸部と係合し、接続用固定ねじ181と締結可能な締結穴123を備えている。
締結穴123は、固定部102の下面から縦方向Z(上下方向)に深さを持った有底穴又は貫通孔であり、内ねじが切られている。
【0070】
脱落防止部材103は、取付プレート3からの保護カバー5の脱落及び落下を防止する部材である。本実施形態では、脱落防止部材103は、落下防止チェーン又は落下防止ワイヤーであり、図9のように、一方の端部が取付側本体部100に片持ち状に取り付けられており、他方の端部を保護カバー5に取り付け可能となっている。
脱落防止部材103は、取付側本体部100と不可分一体であってもよいし、取付側本体部100に対して着脱可能であってもよい。
【0071】
保護カバー5は、図3のように、電源装置6や制御基板7を覆って保護する被覆カバーである。
保護カバー5の材質は、特に限定されるものではないが、基地局通信部229と無線基地局301間の通信の阻害を防止する観点から、ポリカーボネート等の樹脂製であることが好ましい。
保護カバー5の色は、特に限定されるものではないが、光の反射による色むらを抑制する観点から単一色であることが好ましい。
【0072】
保護カバー5は、図10のように、カバー本体部140と、第1カバー側係合部141と、第2カバー側係合部142と、延伸部143を備えている。
カバー本体部140は、「L」字状の部位であり、正面壁部150と、天面壁部151を備えている。
正面壁部150は、平面状で平坦であり、少なくとも電源装置6とは反対側の面(外側面)に実質的に凹凸が形成されていないことが好ましい。
天面壁部151は、正面壁部150の上端部から曲面状の延びる部位であり、実質的に凹凸が形成されていないことが好ましい。
【0073】
第1カバー側係合部141は、図10のように、第1カバー側係止片155と、対向壁部156を備えている。
第1カバー側係止片155は、取付プレート3の対向部121と係合し、保護カバー5の取付プレート3からの離反を係止する部位であり、天面壁部151の端部から下方に向かって折れ曲がった板状部位である。
対向壁部156は、第1カバー側係止片155と間隔を空けて対向し、第1カバー側係止片155との間に取付プレート3の対向部121が相対的に移動可能となる移動空間157を形成する壁部である。
【0074】
第2カバー側係合部142は、第2カバー側係止片160と、第3カバー側係止片161を備えている。
第2カバー側係止片160は、カバー本体部140の中間部から取付プレート3に向かって延びた板状部位であり、先端部に爪部162を備えている。
【0075】
第3カバー側係止片161は、挿入部165と、接続部166を備えている。
挿入部165は、保持プレート11の保持凹部78(図8参照)に挿入される部位であり、接続部166の下端部から取付プレート3側に向かって延びた板状部位である。
接続部166は、挿入部165の基端部と、第2カバー側係止片160を接続する部位である。
【0076】
延伸部143は、図10のように、カバー本体部140の正面壁部150の下端部から延びた板状部位である。
図3に示される延伸部143のカバー本体部140からの延伸長さD1は、15mm以上であり、20mm以上であることが好ましい。
この範囲であれば、カバー本体部140で発光パネル20から照射される光が反射しても、その散乱光の大部分が延伸部143で再度反射でき、光に色むらが生じにくい。
また、延伸長さD1は、30cm以下であることが好ましく、10cm以下であることがより好ましい。
この範囲であれば、壁面406との距離が大きくなりすぎず、ほどよく光を壁面406で反射できる。
【0077】
延伸部143は、図10図11のように、第1延伸部170と、第2延伸部171を備えている。
第1延伸部170は、正面壁部150の下端部から取付プレート3とは反対側に延びる部位である。
第2延伸部171は、第1延伸部170の先端部から保持プレート11に向かって傾斜して延びる部位である。
【0078】
電源装置6は、安定化回路が内蔵された安定化電源装置であり、出力電流が一定となる直流電力を制御基板7側に流す定電流電源装置である。
電源装置6は、図13のように、PWM入力部201と、調光切替部202と、調光端子部203と、電力入力部204と、定電流出力部205を備えている。
PWM入力部201は、PWM信号を受信する部位である。
調光切替部202は、調光端子部203から受信したPWM信号の送信先をPWM入力部201と制御基板7のPWM測定部222との間で切り替える切替スイッチである。
調光端子部203は、外部調光装置350からPWM信号を受信する端子台である。
電力入力部204は、AC電源制御装置やAC電源スイッチ等の外部電源装置351からの電力供給される部位である。
定電流出力部205は、PWM入力部201で入力されたPWM信号に基づいて出力電流が一定となる直流電力を制御基板7に出力する部位である。
【0079】
制御基板7は、データに対する演算を行う演算装置と、プログラムに沿ってデータを操作し、各装置を制御する制御信号を出す制御装置と、プログラムやデータを記憶する記憶装置と、外部からデータを入力する入力装置と、外部にデータを出力する出力装置を有するマイコンを実装するものである。
制御基板7は、図13のように、PWM出力部221と、PWM測定部222と、時間測定部223と、外部輝度測定部224と、内部輝度測定部225と、内部温度測定部226と、電圧測定部227と、電力入出力部228と、基地局通信部229を備えた制御回路である。
【0080】
制御基板7は、各発光パネル20への給電量を制御する給電制御手段であり、各発光パネル20の点灯時の発光面の発光領域26の温度及び輝度に基づいて、調光時における各発光パネル20への給電量を個別に調整することが可能となっている。
制御基板7は、各測定部223~226によって発光パネル20の稼働状況を測定し、無線基地局301を介して常時又は所定時間T1毎にその稼働状況をアプリ管理サーバー303や管理端末304に送信可能となっている。
所定時間T1は、10分以上1日以下であることが好ましく、15分以上6時間以下であることがより好ましく、30分以上2時間以下であることがさらに好ましい。
また、所定時間T1は、時間帯等によって変更してもよい。
【0081】
PWM出力部221は、電源装置6のPWM入力部201にPWM信号を出力する部位である。
PWM測定部222は、電源装置6の調光切替部202から受信したPWM信号を測定する部位である。
時間測定部223は、発光パネル20の点灯時間を計測するタイマーである。
【0082】
外部輝度測定部224は、図14のように、中継基板21を介して各発光パネル20a~20iのパネルカバー部31の外部に設けられた外部輝度センサー8a~8iと接続され、各発光パネル20a~20iの発光領域26からパネルカバー部31を透過した透過光の輝度を測定する部位である。すなわち、外部輝度測定部224は、パネルカバー部31上の埃を踏まえた各発光パネル20の輝度を個別に検知することが可能となっている。
【0083】
内部輝度測定部225は、中継基板21を介して各発光パネル20a~20iの発光領域26上であってパネルカバー部31の内部に設けられた内部輝度センサー22a~22iと接続され、各発光パネル20a~20iの発光面の発光領域26からの出射光の輝度を測定する部位である。すなわち、内部輝度測定部225は、パネルカバー部31上の埃を無視して各発光パネル20の輝度を個別に検知することが可能となっている。
【0084】
内部温度測定部226は、中継基板21を介して各発光パネル20a~20iのパネルカバー部31の内部に設けられた内部温度センサー23a~23iと接続され、各発光パネル20a~20iの発光面の発光領域26の温度を測定する部位である。
【0085】
電圧測定部227は、図13のように、定電流出力部205からの出力電圧を測定する部位である。
電力入出力部228は、定電流出力部205から出力される電力を入力し、中継基板21を介して各発光パネル20a~20iに電力を出力する部位である。
【0086】
基地局通信部229は、無線基地局301と特定の周波数域の無線でデータの送受信が可能な部位である。
基地局通信部229は、無線基地局301とデータの送受信が可能なものであれば、特に限定されるものではない。基地局通信部229は、例えば、Sigfox Breakout BoardやSigfox Shield for ArduinoなどのSigfoxデバイスが使用可能である。
基地局通信部229と無線基地局301との間の通信方式は、特に限定されるものではないが、消費電力を抑えて遠距離通信が可能である観点からLPWA(Low Power Wide Area)方式であることが好ましい。
また、基地局通信部229は、無線基地局301からデータを常時受信し、常時又は所定の間隔でデータを無線基地局301に送信可能となっている。
【0087】
外部輝度センサー8a~8iは、発光パネル20からみて、パネルカバー部31の外部に設けられ、発光パネル20a~20iの発光領域26からパネルカバー部31を透過した透過光の輝度を検知する輝度検知手段である。すなわち、外部輝度センサー8a~8iは、パネルカバー部31上の埃等の影響を踏まえた輝度を検知可能となっている。
【0088】
装飾シート9は、壁側クロス部411と一連の模様又は色彩をもつシートであり、本実施形態の壁側クロス部411と同様のシートである。
装飾シート9は、例えば、ビニールクロス、織物クロス、紙クロス、珪藻土クロス、無機質クロス、オリフィンクロス、天然素材系クロス、木質系クロスなどが使用できるが、これらに限られるものではない。
【0089】
天井面405は、図3のように、下地部407上に天井側クロス部408が覆われて形成されており、壁面406は、下地部410上に壁側クロス部411が覆われて形成されている。すなわち、天井面405の表面(室内空間400への露出面)は、天井側クロス部408で構成されており、壁面406の表面(室内空間400への露出面)は、壁側クロス部411で構成されている。
天井面405は、水平方向に面状に広がった水平面であり、壁面406は、天井面405から垂下して設けられた立壁面である。
【0090】
クロス部408,411は、下地部407,410を覆う壁紙であり、装飾シート9と同様のものが使用できる。クロス部408,411は、例えば、ビニールクロス、織物クロス、紙クロス、珪藻土クロス、無機質クロス、オリフィンクロス、天然素材系クロス、木質系クロスなどが使用できるが、これらに限られるものではない。
【0091】
照明システム300は、上記したように複数の間接照明装置1A~1Cによって構成されており、各間接照明装置1は、図12のように無線基地局301を中継しネットワーク302を介して、アプリ管理サーバー303や管理端末304、無線管理サーバー305と相互通信又は一方通信が可能となっている。
【0092】
アプリ管理サーバー303は、データに対する演算を行う演算装置と、プログラムに沿ってデータを操作し、各装置を制御する制御信号を出す制御装置と、プログラムやデータを記憶する記憶装置と、外部からデータを入力する入力装置と、外部にデータを出力する出力装置を有するコンピュータを備えている。
アプリ管理サーバー303は、図12のように、状況監視部310と、劣化推定部311と、出力補正部312と、状態データ記憶部313と、通信部314を備えている。
【0093】
状況監視部310は、通信部314を介して各発光パネル20の動作時の表面温度、パネルカバー部31の内外の輝度、電圧、積算点灯時間、電流などの状態データを常時又は定期的に取得し、各発光パネル20の稼働状況を監視するものである。
【0094】
劣化推定部311は、状況監視部310で取得した状態データ及び状態データ記憶部313で記憶された状態データを元に、所定のアルゴリズムに従い演算処理を行い、各発光パネル20の劣化状況を推定するものである。
【0095】
出力補正部312は、劣化推定部311で推定された各発光パネル20の劣化状況を踏まえて各発光パネル20を制御するPWM信号に対応する調光制御データを補正して調光補正データを作成し、通信部314を介して制御基板7に補正後のPWM信号に対応する調光制御データを送信するものである。
【0096】
状態データ記憶部313は、状況監視部310で取得した状態データを記憶するものである。
通信部314は、ネットワーク302とデータの相互通信可能なものである。
【0097】
管理端末304は、無線基地局301を介して各間接照明装置1を保守及び管理するものであり、データに対する演算を行う演算装置と、プログラムに沿ってデータを操作し、各装置を制御する制御信号を出す制御装置と、プログラムやデータを記憶する記憶装置と、外部からデータを入力する入力装置と、外部にデータを出力する出力装置を有したコンピュータである。
管理端末304は、図12のように、制御部316と、報知手段317と、通信部318を備えており、アプリ管理サーバー303から各発光パネル20の状態データや、各発光パネル20の劣化状況、制御基板7におけるPWM信号の入出力状況を取得可能となっている。
【0098】
制御部316は、調光値の設定、調光補正値の変更、データ送信間隔の変更、制御基板7の再起動等の制御データを生成し、制御データを制御基板7に送信して各間接照明装置1を制御するものである。
報知手段317は、各発光パネル20の異常や劣化が生じた場合に報知する報知装置である。
報知手段317の報知方法は、特に限定されるものではなく、例えば、音、色、映像、言語等により報知することができる。
通信部318は、ネットワーク302と相互通信可能なものである。
【0099】
無線管理サーバー305は、無線基地局301を介したネットワーク302を管理するサーバーであり、データに対する演算を行う演算装置と、プログラムに沿ってデータを操作し、各装置を制御する制御信号を出す制御装置と、プログラムやデータを記憶する記憶装置と、外部からデータを入力する入力装置と、外部にデータを出力する出力装置を有するコンピュータを備えている。
無線管理サーバー305は、ネットワーク302と相互通信可能な通信部320を備えている。
無線管理サーバー305は、無線基地局301からデータを受信し、当該データをアプリ管理サーバー303に転送することが可能となっている。
また、無線管理サーバー305は、アプリ管理サーバー303や管理端末304からデータを受信し、当該データを無線基地局301に転送することが可能となっている。
【0100】
続いて、本実施形態の間接照明装置1の各部材の位置関係について説明する。
【0101】
発光プレート2は、図2のように、各発光パネル20の発光面の発光領域26が天井面405と間隔を空けて対面するように、保持プレート11が各発光パネル20を保持している。
保持プレート11は、図2図3のように、複数の発光パネル20を第1主面60側に保持しており、取付プレート3から取付プレート3に対する交差方向(本実施形態では直交方向)に延びている。
保持プレート11は、基端部が取付プレート3に取り付けられて片持ち状に支持されており、先端部が自由端になっている。
ベース本体部50は、第1主面60上に発光モジュール10が直接又は絶縁シートを介して載置され、発光モジュール10の裏面を支持している。
【0102】
保護カバー5は、図3のように、カバー本体部140が取付側本体部100と電源装置6及び制御基板7を挟んで対向し、電源装置6及び制御基板7を覆っている。
保護カバー5は、延伸部143がカバー本体部140から保持プレート11に跨って発光パネル20側に向かって延びている。
図3に示される発光パネル20の発光面の発光領域26と保護カバー5のカバー本体部140との最短距離D2は、スカラップの発生を抑制する観点から、35mm以上であることが好ましく、40mm以上であることがより好ましい。
【0103】
第1カバー側係合部141の第1カバー側係止片155は、壁面406と対向部121の間に挿入され、対向部121と係合しており、第2カバー側係合部142の第2カバー側係止片160は、立壁部76と係合している。
【0104】
中継基板21と各内部輝度センサー22a~22iを接続する配線部及び中継基板21と各内部温度センサー23a~23iを接続する配線部、中継基板21と発光パネル20を接続する配線部は、図3図11のように、それぞれ延伸部143によって覆われており、視認不能となっている。
【0105】
壁面406と、発光プレート2の基端部及び取付プレート3の第2本体部111との間には、図3のように、下方に向けて開放した空間185が形成されている。
装飾シート9は、基端部が空間185に挿入され、保持プレート11の第2主面61側を基端部から先端部にかけて覆っており、さらに保持プレート11の先端部の端面壁部66において第1主面60側に折り返されている。
【0106】
続いて、本実施形態の各間接照明装置1を壁402の壁面406に取り付ける際の推奨される手順について説明する。
【0107】
まず、図15のように、壁面406に壁用固定ねじ180の軸部を固定孔106に挿入して各取付プレート3A,3Bを取り付けていき、横方向Y(左右方向)に一列に並設する。そして、電源装置6や制御基板7等を取付プレート3A,3Bに固定し、配線等を行う。
【0108】
このとき、取付プレート3Bの凸部107を隣接する取付プレート3Aの凹部108に挿入し、位置決めする。
【0109】
続いて、図16のように、発光プレート2の取付凹部55に取付プレート3の固定部102を挿入し、その状態で接続用固定ねじ181の軸部を挿通孔62に挿通させ、締結穴123と締結させる。
【0110】
このとき、図11のように、ベース本体部50の基端面が第2本体部111の外側面と面一となる。また、図17のように、発光プレート2Aの連結凹部57に隣接する発光プレート2Bの連結凸部56を挿入させる。
【0111】
続いて、取付プレート3の脱落防止部材103を保護カバー5に接続し、保護カバー5を電源装置6や制御基板7等に被せる。
具体的には、図18(a)のように、取付側係止片101の対向部121に第1カバー側係止片155を引っ掛けて、対向部121の内側の角部を中心に保護カバー5を回転させる。
保護カバー5は、回転に伴い、第3カバー側係止片161の挿入部165が保持プレート11の保持凹部78に挿入され、第2カバー側係止片160の爪部162が立壁部76と係合する。別の観点からみると、保護カバー5は、回転に伴い、第2カバー側係止片160と第3カバー側係止片161の間の空間に第2壁部77が挿入される。
【0112】
そして、必要に応じて、装飾シート9を発光プレート2に巻きつける。
具体的には、図19(a)のように、装飾シート9の基端部を壁面406と発光プレート2の基端部の間の空間185に挿入し、第2本体部111の外側面からベース本体部50の下面を覆うように接着剤や粘着テープ等の接着手段によって貼り付ける。そして、図19(b)のように、端面壁部66で折り返して凸条部58まで接着剤や粘着テープ等の接着手段によって貼り付け、凸条部58と係止壁部65でなす角部にカッター等の切断部材Cを押し当てて横方向Y(左右方向)に切断部材Cに移動させて装飾シート9を切断する。
【0113】
このとき、凸条部58と係止壁部65の角部によって切断部材Cの刃先が誘導されるので、横方向Y(左右方向)にスムーズに切断できる。
【0114】
続いて、照明システム300における調光制御について説明する。
【0115】
本実施形態の照明システム300における調光制御は、図20で示される第1調光制御モードと、図21で示される第2調光制御モードで実行可能となっている。
【0116】
第1調光制御モードは、外部調光装置350によって調光制御するものであり、外部調光装置350から受けるPWM信号(調光信号)を各発光パネル20の劣化状況に合わせて補正し、調光量を調整し、発光パネル20を調光制御するものである。
【0117】
具体的には、図20のように、外部調光装置350からPWM信号を電源装置6の調光端子部203で受け取ると、調光端子部203から調光切替部202を経由して制御基板7のPWM測定部222に送信する。制御基板7は、PWM測定部222が調光切替部202からのPWM信号を受信すると、PWM測定部222によってPWM信号を測定し、測定したPWM信号を調光制御データに変換して基地局通信部229から無線基地局301に送信する。
無線基地局301が調光制御データを受信すると、無線管理サーバー305が無線基地局301からネットワーク302を介して調光制御データを取得し、必要に応じて調光制御データを記憶しつつ、再度ネットワーク302を介して取得した調光制御データをアプリ管理サーバー303に転送する。
アプリ管理サーバー303が調光制御データを受信すると、劣化推定部311が推定した発光パネル20の現在の劣化状況に合わせて、出力補正部312によって調光制御データに基づくPWM信号を補正した調光補正データを作成する。そして、アプリ管理サーバー303がネットワーク302を介して調光補正データを無線管理サーバー305に送信する。
無線管理サーバー305が調光補正データを受信すると、必要に応じて調光補正データを記憶しつつ、ネットワーク302を介して無線基地局301に調光補正データを転送し、無線基地局301から制御基板7の基地局通信部229に調光補正データを送信する。
制御基板7が調光補正データを受信すると、調光補正データをPWM信号に変換し、PWM出力部221から調光補正データに基づいて補正したPWM信号を電源装置6のPWM入力部201に入力する。
電源装置6のPWM入力部201に補正したPWM信号が入力されると、電源装置6は、定電流出力部205からPWM信号に合わせた電流を制御基板7の電力入出力部228を入力し、電力入出力部228から中継基板21を経て各発光パネル20に給電される。
【0118】
一方、第2調光制御モードは、管理端末304によって調光制御するものであり、管理端末304で調光制御データを作成し、ネットワーク302を介して調光制御データを制御基板7に送信することで調光制御するものである。
【0119】
具体的には、図21に示されるように、管理端末304の制御部316で調光制御データを作成し、ネットワーク302を介して調光制御データをアプリ管理サーバー303と無線管理サーバー305に送信する。
アプリ管理サーバー303が調光制御データを受信すると、状態データ記憶部313で調光制御データを記憶する。
また、無線管理サーバー305が調光制御データを受信すると、必要に応じて調光制御データを記憶し、再度ネットワーク302を介して調光制御データを無線基地局301に転送し、無線基地局301から制御基板7の基地局通信部229に調光制御データを送信する。
制御基板7が調光制御データを受信すると、調光制御データをPWM信号に変換し、PWM出力部221から調光制御データに基づいたPWM信号を電源装置6のPWM入力部201に入力する。
電源装置6のPWM入力部201に補正したPWM信号が入力されると、電源装置6は、定電流出力部205からPWM信号に合わせた電流を制御基板7の電力入出力部228を入力し、電力入出力部228から中継基板21を経て各発光パネル20に給電される。
【0120】
なお、本実施形態の調光制御では、第2調光制御モードが実行されている場合には、第1調光制御モードは無効とされ、第2調光制御モードが優先的に実行される。
【0121】
本実施形態の間接照明装置1は、アプリ管理サーバー303の状況監視部310によって状態データを取得して各発光パネル20の稼働状況を監視しており、各発光パネル20の状態データに異常が生じた場合に、異常報知データを作成し、ネットワーク302を介して管理端末304に異常報知データを送信し、管理端末304が異常報知データを受信すると、異常報知データに従って報知手段317により発光パネル20に異常が生じた旨を報知する。
また、本実施形態の間接照明装置1は、常時又は定期的にアプリ管理サーバー303の劣化推定部311によって状態データに基づいて各発光パネル20の劣化状態を推定しており、発光パネル20の劣化状態が所定の閾値を超えた場合に、劣化報知データを作成し、ネットワーク302を介して管理端末304に劣化報知データを送信し、管理端末304が劣化報知データを受信すると、劣化報知データに従って報知手段317により発光パネル20の劣化が基準値を超えた旨を報知する。
このように、本実施形態の間接照明装置1によれば、異常や劣化が生じた場合に報知手段317によって管理端末304の管理者に異常や劣化を報知するため、管理者は、設備の更新や修理などを速やかに実施することが可能である。
【0122】
本実施形態の間接照明装置1では、図22(b)に示される試作した間接照明装置800とは異なり、保護カバー5にカバー本体部140から発光パネル20側に向かって延びる延伸部143があり、延伸部143の延伸長さD1が15mm以上である。
そのため、図22(a)の矢印のように、カバー本体部140での乱反射光の大部分を延伸部143で再度反射できる。その結果、色むらが極めて少ない光を天井面405側に照射できる。
また本実施形態の間接照明装置1では、発光領域26と保護カバー5との最短距離D2は、図22(b)に示される試作した間接照明装置800の発光領域812と保護カバー5との最短距離D2(30mm程度)よりも長い。
そのため、図22(a)の矢印のように、十分に光が拡散された状態でカバー本体部140で反射されるため、カバー本体部140での乱反射光の天井面405での反射に与える影響を小さくでき、スカラップの発生を抑制できる。
本実施形態の間接照明装置1によれば、延伸部143によって中継基板21と制御基板7とを接続する配線部を覆い隠しているため、意匠性に優れ、中継基板21と制御基板7とを繋ぐ配線部の断線も抑制できる。
【0123】
本実施形態の間接照明装置1によれば、図3のように、装飾シート9は、保持プレート11の第2主面61側を基端部から先端部にかけて覆い、かつ、保持プレート11の先端部の端面壁部66において第1主面60側に折り返されている。すなわち、本実施形態の間接照明装置1によれば、保持プレート11の第2主面61のうち、室内空間400の中央側から視認される部分の全体に装飾シート9を巻き付けている。そのため、発光プレート2の裏面が装飾シート9で覆い隠されて露出せず、装飾シート9の模様等によって所望の装飾が可能である。
例えば、装飾シート9として壁面406と統一性のあるシートを使用することで、壁面406と保持プレート11との間でデザインの一体性を持たせ、壁面406と保持プレート11との境界部分を目立たなくでき、意匠性を向上できる。また、間接照明装置1を壁面406から取り外した状態で装飾シート9を保持プレート11に貼ることができ、作業性が向上する。
【0124】
本実施形態の間接照明装置1によれば、図11のように、壁面406と発光プレート2の基端部との間に装飾シート9の一部を挿入できる空間185が形成されているため、装飾シート9の端部を空間185に挿入することで見えにくくできる。
【0125】
ところで、従来の一般的なコーブ照明は、図23(b)のように、壁面406に対して石膏ボード等の建材によって顎425と幕板426を形成し、顎425に対してLED等の照明装置427を設置していた。
一方、本実施形態の間接照明装置1によれば、照明付き建材であり、図23(a)のように、間接照明装置1の保持プレート11が顎425及び幕板426として機能するので、他の建材等で顎425及び幕板426を形成する必要がなく、石膏ボード等を省略でき、コストを低減できる。
【0126】
本実施形態の間接照明装置1によれば、図19(b)のように、発光プレート2の端面壁部66の先端部が丸まっており、先端部から基端部側に向かって第2主面61に対して相対的に鋭角に傾斜した傾斜面67を有している。そのため、装飾シート9を第2主面61側から隙間なく折り返すことができる。
【0127】
本実施形態の間接照明装置1によれば、図18のように、取付側係止片101の対向部121に第1カバー側係止片155を引っ掛けて、対向部121の内側の角部を中心に保護カバー5を回転させて、保護カバー5のカバー側係止片160,161を発光プレート2の係止部53に係合させる。すなわち、本実施形態の間接照明装置1によれば、保護カバー5を取付プレート3と保持プレート11のそれぞれに跨って係合させることで固定できる。そのため、保護カバー5を取り付けるにあたって、保護カバー5を壁面406側に押し込む動作で保護カバー5を容易に取り付けることができ、ねじ等の締結要素を使用する必要がなく、天井面405と発光面の間隔が狭くても取り付け作業が容易となる。
【0128】
本実施形態の間接照明装置1によれば、取付プレート3と保護カバー5が脱落防止部材103によって接続されているので、高位置に配置しても保護カバー5が落下せず、安全性が高い。
【0129】
本実施形態の間接照明装置1によれば、各発光パネル20に個別に外部輝度センサー8a~8i、内部輝度センサー22a~22i、及び内部温度センサー23a~23iが設けられているので、照射光のパネルカバー部31の内外の輝度や発光パネル20の表面温度等を各発光パネル20で個別に細かく監視、制御できる。
【0130】
本実施形態の間接照明装置1によれば、各外部輝度センサー8a~8i、各内部輝度センサー22a~22i、各内部温度センサー23a~23i、電圧測定部227、及び時間測定部223で、各発光パネル20の内外の輝度や温度、電圧、点灯時間等の状態データを検知し、状態データを制御基板7の基地局通信部229を介して無線基地局301に常時又は定期的に送信する。そのため、アプリ管理サーバー303や管理端末304で、各発光パネル20の調光状態や、発光パネル20での輝度異常や温度異常などの不具合、経時変化による発光パネル20の劣化状況などの現在の稼働状況をリアルタイムで監視できる。その結果、アプリ管理サーバー303や管理端末304で受信したデータを元に、異常の検知、修理や調光値の補正、設定情報の変更などの保守対応を行うことができ、常に照明を最適な状態に保つことができる。
【0131】
本実施形態の間接照明装置1によれば、発光パネル20ごとに劣化状況に応じて各発光パネル20の輝度を補正できるため、時間の経過により各発光パネル20が劣化し、同一出力での輝度が相違していても、各発光パネル20への出力を調整することで過去と同様の調光制御が可能である。また、劣化状況に応じて各発光パネル20への出力を調整することで、各発光パネル20間で輝度を統一することもできる。
【0132】
本実施形態の間接照明装置1によれば、内部輝度センサー22a~22iと外部輝度センサー8a~8iによってパネルカバー部31の内外の輝度を検知できるので、パネルカバー部31上の埃等の影響を踏まえて給電制御できる。そのため、パネルカバー部31上に埃等が溜まっても、給電量を調整することで過去の光空間に近い光空間を再現できる。
また、本実施形態の間接照明装置1によれば、パネルカバー部31の内部の輝度と、パネルカバー部31の外部の輝度の差によって埃等の有無を検知することができるので、パネルカバー部31の外部での輝度が内部での輝度に比べて輝度が大きく下がる場合には、掃除を促すように使用者に報知することができる。
【0133】
本実施形態の間接照明装置1によれば、管理端末304がネットワーク302を介して制御基板7と接続されており、管理端末304から制御基板7を介して電源装置6のPWM入力部201にPWM信号を入力できるので、外部調光装置350やアプリ管理サーバー303によらずとも、管理端末304から直接調光制御が可能である。
【0134】
本実施形態の間接照明装置1によれば、各発光パネル20の点灯時の発光面の温度及び輝度に基づいて、調光時における各発光パネル20への給電量を個別に調整できる。そのため、その時々に適した各発光パネル20の調光制御が可能であり、調光時における発光パネル20,20間での輝度差や輝度の変化量の差を小さくするように給電量を調整できる。
【0135】
本実施形態の照明システム300によれば、図17のように間接照明装置1Aの保持プレート11の連結凹部57に壁面406に沿って隣接した間接照明装置1Bの保持プレート11の連結凸部56が挿入されて連結しているので、隣接する保持プレート11,11の先端部を揃えることができる。
【0136】
本実施形態の照明システム300によれば、図17のように間接照明装置1Aの取付プレート3Aの凹部108を隣接する他の間接照明装置1Bの取付プレート3Bの凸部107と嵌合させる。そのため、位置決めが容易であり、取付プレート3を直線上に配置しやすい。
【0137】
続いて、本発明の第2実施形態の間接照明装置について説明する。なお、第1実施形態の間接照明装置1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。以下、同様とする。
【0138】
本発明の第2実施形態の間接照明装置は、制御基板7に基地局通信部229が設けられておらず、制御基板7が各発光パネル20の状態データから各発光パネル20の劣化状況を算出し、各発光パネル20の劣化状況に合わせて制御基板7の自立演算によってPWM信号の補正を行うものである。
【0139】
第2実施形態の間接照明装置の調光制御は、図24のように、外部調光装置350からPWM信号を電源装置6の調光端子部203で受けると、調光端子部203から調光切替部202を経由して制御基板7のPWM測定部222に送信する。
制御基板7は、PWM測定部222によってPWM信号を測定し、測定したPWM信号を各発光パネル20の劣化状況に合わせて補正し、補正したPWM信号をPWM出力部221から電源装置6のPWM入力部201に入力する。
電源装置6のPWM入力部201に補正したPWM信号が入力されると、電源装置6は、定電流出力部205からPWM信号に合わせた電流を制御基板7の電力入出力部228を入力し、電力入出力部228から中継基板21を経て各発光パネル20に給電される。
【0140】
第2実施形態の間接照明装置によれば、制御基板7の自立演算により、PWM信号の補正を行うため、無線基地局301への通信等を必要とせず、コストを低減できる。
【0141】
続いて、本発明の第3実施形態の間接照明装置について説明する。
【0142】
本発明の第3実施形態の間接照明装置は、制御基板7が設けられておらず、電源装置6が直接発光モジュール10の中継基板21に配線部を介して接続されている。
第3実施形態の間接照明装置の調光制御は、図25のように、外部調光装置350からPWM信号を電源装置6の調光端子部203で受けると、調光端子部203から調光切替部202を経由してPWM入力部201に直接PWM信号が入力される。
電源装置6のPWM入力部201にPWM信号が入力されると、電源装置6は、中継基板21を介して、定電流出力部205からPWM信号に合わせた電流を各発光パネル20に給電する。
【0143】
第3実施形態の間接照明装置によれば、制御基板7を省略できるため、コストを低減できる。
【0144】
ところで、第1,2実施形態のような制御基板7をもつ間接照明装置と、第3実施形態のような制御基板7を持たない間接照明装置をそれぞれ製造する場合、それぞれ個別に電源装置を製造する必要があり、コストが嵩む問題がある。
そこで、上記した実施形態の電源装置6は、第1,2実施形態のような制御基板7をもつ間接照明装置と、第3実施形態のような制御基板7を持たない間接照明装置のいずれでも使用可能となっている。
すなわち、電源装置6は、第3実施形態のように制御基板7が接続されないときに調光端子部203から入力されたPWM信号(調光信号)を調光切替部202からPWM入力部201(調光入力部)に送信する直接給電状態(図25参照)と、第1,2実施形態のように制御基板7が接続されたときに制御基板7を介して調光端子部203から入力されたPWM信号を調光切替部202からPWM入力部201に送信する間接給電状態(図20図21図24参照)に切り替え可能となっている。
そのため、電源装置6は、直接給電状態と間接給電状態との間で切り替えることで、第1~3実施形態のいずれの間接照明装置でも共有化でき、コストを低減できる。
【0145】
続いて、本発明の第4実施形態の間接照明装置501について説明する。
【0146】
本発明の第4実施形態の間接照明装置501は、第1実施形態と同様、他の間接照明装置501とともに横方向Y(左右方向)に並設されて照明システムを構成するものである。また、本実施形態の説明においても第1実施形態と同様、図26図27のように、天井面405と壁面406との境界を構成する角部の近傍に設け、コーブ照明として使用した場合について説明する。
間接照明装置501は、図28のように、発光プレート502と、取付プレート503と、保護カバー505と、電源装置6と、制御基板7と、外部輝度センサー8a~8iと、装飾シート9と、取付側サイドカバー506a,506bを備えている。
【0147】
発光プレート502は、図29のように、発光モジュール10と、保持プレート11と、発光側サイドカバー510a,510bと、連結片511(連結部)を備えている。
【0148】
発光側サイドカバー510a,510bは、発光モジュール10の長手方向(横方向Y)の端面を覆って保護する保護カバーである。
発光側サイドカバー510a,510bは、端面側覆部520と、受光側覆部521と、連結側係合部522と、保持側係合部523と、貫通孔525を備えている。
【0149】
端面側覆部520は、発光モジュール10の端面及び保持プレート11の端面を覆い、発光プレート502の端面を構成する板状部位である。
受光側覆部521は、発光モジュール10の受光面側を覆う部位であり、端面側覆部520の上端部から立設されている。
連結側係合部522は、端面側覆部520から厚み方向に突出した突出部であり、連結凹部57に挿入することで連結凹部57と係合可能となっている。
保持側係合部523は、横方向Yの受光側覆部521の先端部から突出した突出片であり、保持プレート11の保持凹部78と係合可能となっている。
貫通孔525は、端面側覆部520を厚み方向に貫通し、連結片511の係止部528を挿通可能な挿通孔である。
【0150】
連結片511は、隣接する他の発光モジュール10の発光側サイドカバー510bの貫通孔525に挿入して連結する部位である。
連結片511は、図29のように、操作部527と、係止部528を備えており、操作部527を操作することで貫通孔525から係止部528を出没可能となっている。
【0151】
取付プレート503は、図30のように、取付側本体部530と、取付側係止片531と、固定部102と、脱落防止部材103を備えている。
取付側本体部530は、一枚の金属製の板材が折り曲げ加工されて形成されたものである。
取付側本体部530は、ベース本体部105と、固定孔106と、凹部108と、サイド用貫通孔536を備えており、長手方向の両端部に凹部108が設けられている。
【0152】
取付側係止片531は、図30のように、係合板部532と、規制板部533を備えている。
係合板部532は、接続部120と同様、ベース本体部105の幅方向(縦方向Z)の一方の端部(上端部)から折れ曲がり、折れ曲がり方向の先端部が規制板部533の基端部と接続される接続壁部である。係合板部532は、壁面406に対する交差方向(本実施形態では直交方向)に延びている。
係合板部532は、前後方向Xの中間部にカバー用係合穴535を備えている。
【0153】
カバー用係合穴535は、係合板部532の外側面から内側(電源装置6側)に向かって係合板部532を厚み方向に深さをもった有底穴又は貫通孔である。
本実施形態のカバー用係合穴535は、前後方向Xに幅をもち、横方向Yに直線状に延びた貫通溝であり、保護カバー505の第1カバー側係合部546と係合可能となっている。
【0154】
規制板部533は、保護カバー505の正面壁部150と当接し、保護カバー505の壁面406側への移動を規制する部位である。規制板部533は、係合板部532の前後方向の前方側端部から折れ曲がった板状部位である。
【0155】
サイド用貫通孔536は、ベース本体部105の横方向Yの端部近傍に設けられ、ベース本体部105を厚み方向に貫通し、カバー用固定部材596の固定ねじ597の軸部を挿通可能な挿通孔である。
【0156】
保護カバー505は、図28図31のように、カバー本体部540と、係合部材541と、固定部材542と、軸受部材543と、窓部544と、第1カバー側係合部546と、延伸部547を備えている。
カバー本体部540は、図31のように、正面壁部150と、天面壁部151と、対向壁部545を備えている。
カバー本体部540は、樹脂製又は金属製であり、単一色であることが好ましい。
本実施形態のカバー本体部540は、金属製であり、必要に応じて塗装等により、表面に白色のコーティング層が形成されている。
対向壁部545は、正面壁部150と間隔を空けて対向する壁部であり、天面壁部151の端部から下方側(電源装置6側)に向かって立設された壁部である。
【0157】
係合部材541は、図31のように、第1取付壁部550と、第2取付壁部551と、第2カバー側係合部552(第2係合部)と、落下防止用取付部553を備えている。
第1取付壁部550は、接着剤等の接着材や両面テープ等の粘着材等の接着手段によって正面壁部150に接着されて取り付けられる部位であり、横方向Y及び縦方向Zに延びた板状部位である。
第2取付壁部551は、固定部材542を介して延伸部547の第1延伸部170に取り付けられる部位であり、第1取付壁部550の下端部から立設されている。
第2取付壁部551は、締結用挿通孔555を備えている。
締結用挿通孔555は、第2取付壁部551を厚み方向に貫通した貫通孔であり、図27のように固定部材542の軸部566を挿通可能となっている。
【0158】
第2カバー側係合部552は、図31のように、第2カバー側係止片560と、第3カバー側係止片561を備えている。
第2カバー側係止片560は、第1取付壁部550の中間部から取付プレート3に向かって延びた板状部位であり、先端部に爪部562を備えている。
【0159】
第3カバー側係止片561は、第1取付壁部550の下端部から第2取付壁部551とは反対側に立設されて延びた板状部位であり、第2カバー側係止片560とは横方向Yにずれた位置に設けられている。
【0160】
落下防止用取付部553は、第1取付壁部550に設けられ、図27に示すように、脱落防止部材103の端部を取り付け可能な部位である。
【0161】
固定部材542は、図27図31のように、カバー本体部540に対して係合部材541を固定する部材であり、頭部565と、軸部566を有している。本実施形態の固定部材542は、ねじで構成されており、軸部566が外ねじとなっている。
【0162】
軸受部材543は、図28のように、設置時において第1延伸部170から突出し、使用者の摘みとして機能する摘み部材であり、固定部材542の軸部566を保護する保護部材でもある。
軸受部材543は、円柱状であり、その中心軸方向において軸部566を挿入可能な凹部568を備えている。本実施形態の凹部568は、内ねじとなっており、軸部566と螺合可能となっている。
【0163】
窓部544は、制御基板7の基地局通信部229に対応する部位に設けられ、基地局通信部229と無線基地局301間の通信を可能とする部位である。
窓部544は、樹脂製であって、必要に応じて塗装等により、表面に白色のコーティング層が形成されている。
【0164】
第1カバー側係合部546は、図31のように、対向壁部545の下端部から突出した突出片であり、カバー用係合穴535に挿入して係合する係合片である。
第1カバー側係合部546は、背面視したときに、台形状であり、横方向Yの端部に傾斜部548を有している。すなわち、第1カバー側係合部546は、基端部側(対向壁部545側)から先端部側に向けて漸次幅が狭くなっている。
【0165】
延伸部547は、カバー本体部540と連続しカバー本体部540から保持プレート11に跨って発光モジュール10側に向かって延びる部位である。
延伸部547は、カバー本体部540と同一の材質で構成されるものであり、樹脂製又は金属製であって、単一色であることが好ましい。
延伸部547は、図31のように、第1延伸部170と、第2延伸部171と、挿通孔549を備えている。
挿通孔549は、第1延伸部170を厚み方向に貫通した貫通孔であり、図27のように固定部材542の軸部566を挿通可能となっている。
【0166】
取付側サイドカバー506a,506bは、図32のように、本体カバー570と、化粧カバー571を備えている。
本体カバー570は、白色の樹脂カバーであり、化粧用凹部580と、配線孔581と、信号孔582と、化粧用固定穴583と、取付用固定穴585と、スライド溝586を備えている。
化粧用凹部580は、横方向Yにおいて内側に向かって深さをもつ凹部であり、化粧カバー571の本体部590と嵌合可能となっている。
配線孔581は、化粧用凹部580の底部587に設けられ、横方向Yに貫通した貫通孔である。配線孔581は、図示しない給電配線を通過可能となっている。
信号孔582は、化粧用凹部580の底部587に設けられ、横方向Yに貫通した貫通孔である。信号孔582は、図示しない給電配線を通過可能となっている。
化粧用固定穴583は、化粧用凹部580の底部587に設けられ、底部587から横方向Yの内側に向かって深さを持った有底穴又は貫通孔であり、化粧カバー571の固定爪591と係合可能となっている。
取付用固定穴585は、カバー用固定部材596の固定筒部598を挿通可能な挿通孔である。
【0167】
化粧カバー571は、図32のように、本体部590と、固定爪591を備えている。
本体部590は、取付側サイドカバー506a,506bの外面を構成する板状の部位である。
固定爪591は、本体部590に対して立設された係合爪であり、化粧用固定穴583と係合可能となっている。
【0168】
続いて、本実施形態の各間接照明装置501を壁402の壁面406に取り付ける際の推奨される手順について説明する。
【0169】
まず、図33のように、壁面406に四角形状で板状の位置決め部材595を固定し、壁用固定ねじ180の軸部を固定孔106に挿入して各取付プレート503A,503Bを取り付けていき、横方向Yに一列に並設させる。そして、電源装置6や制御基板7等を各取付プレート503A,503Bに固定し、給電線や信号線等の配線を行う。
【0170】
このとき、位置決め部材595を取付プレート503A,503Bの凹部108,108に跨って配置し、凹部108,108と嵌合させる。
なお、位置決め部材595をテープ等で固定してから取付プレート503A,503Bのそれぞれを固定してもよいし、取付プレート503Aを設置してから位置決め部材595を配置し、取付プレート503Bを設置してもよい。
【0171】
続いて、発光プレート502の取付凹部55に取付プレート503の固定部102を挿入し、その状態で接続用固定ねじ181の軸部を挿通孔62に挿通させ、締結穴123と締結させる。
【0172】
このとき、図34のように、隣接する発光プレート502A,502Bを近接させ、連結片511の操作部527を操作し、発光プレート502Aの連結片511を発光プレート502B側に移動させて係止部528が発光プレート502Aの貫通孔525から突出した姿勢とし、係止部528を発光プレート502Bの貫通孔525に挿入する。
なお、並設方向の端部に位置する間接照明装置501の連結片511は、突出させずに、貫通孔525から退避した姿勢のまま維持する。こうすることで連結片511が外部に露出せず、意匠性が向上する。
また隣接する発光プレート502A,502Bを近接させる際に、隣接する発光プレート502A,502Bの間に隙間が形成される場合には、図35のように端面側覆部520の外側面に当該隙間に合わせて発光プレート502A(502B)の発光側サイドカバー510a(510b)に一又は複数の隙間閉塞シート593を接着してもよい。
この隙間閉塞シート593は、発光プレート502A,502B間の隙間を閉塞するシートであり、端面側覆部520と同一形状であって貫通孔525と同様の形状の貫通孔594を備えている。
【0173】
続いて、図36のように、固定ねじ597と固定筒部598で構成されるカバー用固定部材596によって隣接する取付プレート503A,503Bに取付側サイドカバー506a,506bの本体カバー570のそれぞれを固定する。
【0174】
また、必要に応じて、図37のように並設方向の端部に位置する間接照明装置501の本体カバー570に化粧カバー571を固定する。
【0175】
このとき、図37のように本体カバー570の化粧用固定穴583に化粧カバー571の固定爪591が挿入されて係合する。
【0176】
続いて、取付プレート503の脱落防止部材103を保護カバー505の落下防止用取付部553に接続し、保護カバー505を電源装置6や制御基板7等に被せる。
具体的には、図38のように、第1カバー側係合部546をカバー用係合穴535に挿入し、保護カバー505を回転させる。保護カバー505は、回転に伴い、第3カバー側係止片561が保持プレート11の保持凹部78に挿入され、第2カバー側係止片560の爪部562が立壁部76と係合する。
【0177】
このとき、第1カバー側係合部546をカバー用係合穴535に挿入する際には、第1カバー側係合部546の傾斜部548に沿って第1カバー側係合部546がカバー用係合穴535の延び方向の中央側に誘導される。
【0178】
そして、必要に応じて、装飾シート9を発光プレート2に巻きつけて、照明システムが完成する。
【0179】
本実施形態の照明システムによれば、各間接照明装置501において発光モジュール10の側面を発光側サイドカバー510a,510bが覆っている。そのため、点灯時等において発光モジュール10が温度変化により膨張又は収縮しても、隣接する間接照明装置501,501の間に隙間が発生することを防止できる。
【0180】
本実施形態の照明システムによれば、各間接照明装置501の並設方向の端部に位置する取付側サイドカバー506a,506bでは、本体カバー570の配線孔581や信号孔582を化粧カバー571が塞いで隠している。そのため、配線孔581や信号孔582が見えず、意匠性が高い。
【0181】
本実施形態の照明システムによれば、隣接する保護カバー505,505の間から白色の本体カバー570,570が露出するため、取付プレート503の色が点灯時の発光モジュール10,10からの照射光の色に影響を与えにくい。
【0182】
本実施形態の間接照明装置501によれば、第1カバー側係合部546の側面に傾斜部548が設けられている。そのため、第1カバー側係合部546をカバー用係合穴535の奥まで挿入すると、横方向Yにおける保護カバー505の位置が傾斜部548に導かれて矯正され、正規の位置に配することができる。
【0183】
本実施形態の間接照明装置501によれば、保護カバー505の正面壁部150の内側面が取付プレート503の規制板部533に当たり、保護カバー505の前後方向Xの位置が規制される。そのため、保護カバー505を正規の位置に配することができる。
【0184】
本実施形態の間接照明装置501によれば、延伸部143の第1延伸部170から軸受部材543が突出している。そのため、軸受部材543を摘みとして使用でき、軸受部材543を指で引っ掛けて引っ張ることで治具を使わずとも保護カバー505を取り外すことができる。
【0185】
本実施形態の間接照明装置501によれば、隣接する発光プレート502A,502Bの間に隙間が形成される場合に、当該隙間を一又は複数の隙間閉塞シート593で閉塞する。そのため、隣接する発光プレート502A,502Bの間の隙間からの光漏れを防止できる。
【0186】
続いて、本発明の第5実施形態の間接照明装置について説明する。
【0187】
本発明の第5実施形態の間接照明装置は、保護カバー605の形状が第4実施形態の間接照明装置501の保護カバー505と異なる。
具体的には、第5実施形態の保護カバー605は、図39(a)のように、カバー本体部540と、係合部材641と、固定部材542と、軸受部材543と、付勢部材644を備えている。
係合部材641は、樹脂製であって、図39(b)のように、第1取付壁部550と、第2取付壁部551と、第2カバー側係合部652と、落下防止用取付部653を備えている。
第2カバー側係合部652は、第2カバー側係止片560と、第3カバー側係止片561と、対向片672と、接続部673を備えている。
対向片672は、第2カバー側係合部652とは反対側において、第3カバー側係止片561と間隔を空けて対向する部位である。
接続部673は、第1取付壁部550に設けられ、第3カバー側係止片561と対向片672と接続する部位である。
【0188】
落下防止用取付部653は、脱落防止部材103が取り付けられている。
落下防止用取付部653は、脱落防止部材103と不可分一体であってもよいし、脱落防止部材103を着脱可能となっていてもよい。
【0189】
付勢部材644は、第2カバー側係止片560と対向片672の間の空間に配され、第2カバー側係止片560を第3カバー側係止片561側に付勢する部材である。
付勢部材644は、金属製の板バネであり、弾性を有し、その復元力で第2カバー側係止片560を付勢することが可能となっている。
【0190】
本実施形態の間接照明装置によれば、付勢部材644によって第2カバー側係止片560を第3カバー側係止片561側に付勢するため、係合部材641が樹脂製であっても、経年劣化により爪部562の立壁部76への掛かりが悪くなりにくい。
【0191】
続いて、本発明の第6実施形態の間接照明装置について説明する。
【0192】
本発明の第6実施形態の間接照明装置は、取付プレート703の形状が第4実施形態の間接照明装置501の取付プレート503と異なる。
具体的には、取付プレート703は、図40のように、取付側本体部730と、取付側係止片531と、固定部102と、脱落防止部材103と、取付用連結片734を備えている。
取付側本体部730は、ベース本体部105と、固定孔106と、凹部108と、サイド用貫通孔536と、凹部108と、規制用貫通孔740と、規制爪741a,741bを備えている。
【0193】
規制用貫通孔740は、図40のように、ベース本体部105を厚み方向に貫通した貫通孔である。
規制爪741a,741bは、取付用連結片734の移動方向を横方向Yに規制する規制部である。規制爪741a,741bは、規制用貫通孔740の対向する縁部にそれぞれ設けられ、ベース本体部105から規制用貫通孔740の中央に向かって片持ち状に延びている。すなわち、規制爪741a,741bは、縦方向Zにおいて互いに近接する方向に延びている。
【0194】
取付用連結片734は、隣接する他の間接照明装置の取付プレート703の凹部108に挿入して隣接する取付プレート703,703間を連結する部位である。
取付用連結片734は、図40のように、操作部745と、係止部746を備えており、操作部745を操作することで横方向Yにスライド可能となっている。すなわち、取付用連結片734は、図41(a)に示される取付側本体部730の横方向Yの端部から外側に突出した突出姿勢と、図41(b)に示される取付側本体部730の横方向Yの端部の内側に退避した退避姿勢に変更可能となっている。
【0195】
本実施形態の間接照明装置によれば、取付プレート703Aが隣接する取付プレート703Bの凹部108と嵌合可能な取付用連結片734を備えているため、図41(a)のように突出姿勢とすることで、別途位置決め部材595等を設けずとも取付プレート703A,703B間の位置決めを行うことができる。
【0196】
本実施形態の間接照明装置によれば、取付用連結片734がスライド移動可能であるため、図41(b)のように退避姿勢とすることで、取付用連結片734の先端部が凹部108内に収まり、取付側サイドカバー506aよりも内側に取付用連結片734を収めることが可能である。
【0197】
上記した実施形態では、間接照明装置は、下地部407上に天井側クロス部408が貼られた天井面405や下地部410上に壁側クロス部411が貼られた壁面406に取り付けられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。下地部407や下地部410に直接取り付けられてもよい。例えば、下地部407,410がLGS(Light Gauge Steel又はLight Gauge Stud)で構成されている場合には、LGSに直接取り付けてもよい。
【0198】
上記した実施形態では、図1のように、天井401から垂下し、かつ壁402と隣接し、壁402を挟んで横方向Yに対向する側面壁403a,403bとの間に間接照明装置を配し、間接照明装置の取付プレートと側面壁403a(側面壁403b)との間に隙間が発生しない場合について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。間接照明装置と側面壁403a(側面壁403b)との間に隙間が発生する場合には、保持プレート11の長さを長くし、側面壁403a(側面壁403b)との隙間を埋めることが好ましい。
例えば、第4実施形態の間接照明装置501の場合、図42のように、保持プレート11の長さを横方向Yに長くし、取付側サイドカバー506a(506b)と側面壁403a(403b)の隙間を埋める。こうすることで、各保持プレート11によって側面壁403a,403b間に延びた一連の顎や幕板を構成することができる。
【0199】
上記した実施形態では、装飾シート9と壁側クロス部411は別体であったが、本発明はこれに限定されるものではない。装飾シート9は、図43のように、壁側クロス部411を兼ねていてもよい。すなわち、装飾シート9を保持プレート11の第2主面61から下地部410に跨って設けてもよい。こうすることで、壁面406と間接照明装置1の境界部分がわかりにくくでき、意匠性を向上できる。
【0200】
上記した実施形態では、壁面406に間接照明装置1を取り付けていたが、本発明はこれに限定されるものではない。間接照明装置1の設置場所は特に限定されない。
例えば、図44(a),図44(b)のように段差を持った第1天井421と第2天井422が立壁423によって段状に連続した折上天井420に設置してもよい。
図44(a)のように既に下地部440にシート部441が貼られた既設の折上天井420の立壁423に間接照明装置1を取り付ける場合には、装飾シート9の基端部を立壁423と保持プレート11の基端部との間の空間185に差し込むことが好ましい。
図44(b)のように下地部440にシート部441が貼られていない新設の折上天井420に間接照明装置1を取り付ける場合には、第2天井422の表面を構成するシート部441の代わりに装飾シート9を保持プレート11の第2主面61に跨って設けることが好ましい。
【0201】
ところで、従来の一般的な折上天井照明は、図45のように、高さの異なる第1天井421と第2天井422と立壁423によって段状に連続した折上天井420において、低い方の第2天井422の延長上に石膏ボード等の建材によって顎425及び幕板426を形成し、顎425に対して照明装置427を設置していた。
一方、図44のように折上天井420に間接照明装置1を設置することによって、保持プレート11が顎425と幕板426を構成し、間接照明装置1自身が折上天井照明としての機能と建材としての機能を有するので、コストを低減できる。
【0202】
また、例えば、図46(a)のように天井面405に取付プレート3を取り付けてもよいし、図46(b)のように、壁402に凹部430を設け、凹部430内に取付プレート3が収まるように取り付けてもよい。
さらに、例えば、図47のように、間接照明装置1D,1Eを取付プレート3D,3E同士が背中合わせになるように天井面405に取り付けてもよい。
この場合、発光プレート2D,2Eは、互いに離反するように延びることとなり、各保持プレート11,11に一つの装飾シート9を巻きつけることが好ましい。すなわち、装飾シート9が保持プレート11,11の第2主面61,61に跨るように設けられることが好ましい。こうすることで、背中合わせになった2つの間接照明装置1D,1Eが一つの照明装置であるかのように視認させることができる。
【0203】
上記した実施形態では、装飾シート9を保持プレート11に巻きつけていたが、本発明はこれに限定されるものではない。装飾シート9を設けずに保持プレート11の第2主面61を塗装することによって装飾してもよい。
【0204】
上記した実施形態では、アプリ管理サーバー303の劣化推定部311が各発光パネル20の劣化状況を推定したが、本発明はこれに限定されるものではない。管理端末304に劣化推定部311を設けて管理端末304で各発光パネル20の劣化を推定してもよい。
【0205】
上記した実施形態では、アプリ管理サーバー303の出力補正部312が調光制御データを調光補正データに自動で補正したが、本発明はこれに限定されるものではない。管理端末304で調光制御データを調光補正データに補正してもよい。すなわち、管理端末304を操作する管理者が手動で調光制御データを調光補正データに補正してもよい。
【0206】
上記した実施形態では、ネットワーク302に一つの管理端末304が接続されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。複数の管理端末304をネットワーク302に接続し、それぞれの管理端末304によって制御できるようにしてもよい。
【0207】
上記した実施形態では、管理端末304としてコンピュータを使用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。管理端末304として携帯電話やスマートフォン、タブレットなどの携帯端末を使用してもよい。
【0208】
上記した第1実施形態では、取付プレート3を壁面406に固定し、発光プレート2を取付プレート3に取り付けてから装飾シート9を発光プレート2に取り付けていたが、本発明はこれに限定されるものではない。あらかじめ発光プレート2を取付プレート3に取り付け、装飾シート9を発光プレート2に貼ってから取付プレート3を壁面406に固定してもよい。すなわち、間接照明装置1を壁面406から取り外した状態で装飾シート9を保持プレート11に貼ってもよい。こうすることで、工場等の設置場所以外で装飾シート9を貼ることができ、作業性が向上する。
【0209】
上記した実施形態では、発光モジュール10は、9枚の発光パネル20a~20iを実装していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発光モジュール10に実装される発光パネル20の枚数は特に限定されない。発光モジュール10は、1枚以上8枚以下の発光パネル20a~20iを実装していてもよいし、10枚以上の発光パネル20を実装していてもよい。
【0210】
上記した第1実施形態では、調光端子部203に外部調光装置350を接続していたが、本発明はこれに限定されるものではない。調光端子部203に外部調光装置350を接続しなくてもよい。この場合、調光制御は、第2調光制御モードで調光することとなる。
【0211】
上記した第4実施形態では、固定部材542は、ねじであったが、本発明はこれに限定されるものではない。固定部材542は、頭部と軸部を有したピンであってもよい。
【0212】
上記した実施形態では、複数の間接照明装置1,501によって照明システム300を構成していたが、本発明はこれに限定されるものではない。間接照明装置1,501を単体で使用してもよい。間接照明装置501を単体で使用する場合には、横方向Yの両端部に位置する取付側サイドカバー506a,506bにおいて化粧カバー571を設けることが好ましい。
【0213】
上記した第4実施形態では、保護カバー505に制御基板7の基地局通信部229と、無線基地局301との間の通信を可能とするために窓部544を設けていたが、本発明はこれに限定されるものではない。第3実施形態のように制御基板7が設けられていない場合やカバー本体部540が樹脂等の電磁波を通過可能な材質で構成されている場合には、窓部544を設けなくてもよい。
【0214】
上記した実施形態は、本発明の技術的範囲に含まれる限り、各実施形態間で各構成部材を自由に置換や付加できる。
【符号の説明】
【0215】
1,1A~1E,501 間接照明装置(照明付き建材)
2,2A,2B,2D,2E,502,502A,502B 発光プレート
3,3A,3B,3D,3E,503,503A,503B 取付プレート
5,505,605 保護カバー
6 電源装置
7 制御基板(制御回路,給電制御手段)
8,8a~8i 外部輝度センサー
9 装飾シート
11 保持プレート
20,20a~20i 発光パネル(面状発光パネル)
21 中継基板
22,22a~22i 内部輝度センサー
23,23a~23i 内部温度センサー
26 発光領域
56 連結凸部
57 連結凹部
60 第1主面
61 第2主面
76 立壁部
100 取付側本体部
101 取付側係止片
103 落下防止部材
120 接続部
121 対向部
140 カバー本体部
141 第1カバー側係合部
142 第2カバー側係合部
143,547 延伸部
155 第1カバー側係止片
160 第2カバー側係止片
201 PWM入力部(調光入力部)
202 調光切替部
203 調光端子部
300 照明システム
303 アプリ管理サーバー(給電制御手段)
304 管理端末(給電制御手段)
350 外部調光装置
400 室内空間
405 天井面(第1壁面)
406 壁面(第2壁面,被取付面)
511 連結片(連結部)
546 第1カバー側係合部
552,652 第2カバー側係合部
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