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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20240618BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240618BHJP
   F21S 8/06 20060101ALI20240618BHJP
   F21V 21/30 20060101ALI20240618BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20240618BHJP
【FI】
F21S8/04 430
F21S2/00 110
F21S8/04 200
F21S8/06 200
F21V21/30 100
F21Y115:15
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021551449
(86)(22)【出願日】2020-10-01
(86)【国際出願番号】 JP2020037427
(87)【国際公開番号】W WO2021070731
(87)【国際公開日】2021-04-15
【審査請求日】2023-08-22
(31)【優先権主張番号】P 2019186968
(32)【優先日】2019-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】594135737
【氏名又は名称】株式会社キルトプランニングオフィス
(73)【特許権者】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】豊久 将三
(72)【発明者】
【氏名】山口 洋一
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開昭50-108623(JP,A)
【文献】特開2013-134853(JP,A)
【文献】特開2017-010654(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21S 2/00
F21S 8/06
F21V 21/30
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取付部に対して垂下されて取り付けられる照明装置であって、
重心側結節部と、4つの頂点側結節部と、4つの接続部を有し、
前記4つの頂点側結節部は、四面体の各頂点をなすように配されており、
前記重心側結節部は、前記四面体の重心位置に配されており、
前記四面体は、少なくとも一面が正三角形を構成し、前記正三角形を構成する三つの頂点からの残りの頂点までの長さが等しいものであり、
前記4つの接続部は、前記重心側結節部と各頂点側結節部を接続するものであって、かつ前記重心側結節部から各頂点側結節部に向かって延びており、
前記重心側結節部は、面光源が取り付けられており、
前記4つの接続部のうち一の接続部は、前記被取付部から垂下された状態において、鉛直方向に延びており、
前記面光源は、前記一の接続部に対して前記重心側結節部の反対側に取り付けられている、照明装置。
【請求項2】
前記面光源は、前記重心側結節部に対して回動可能に取り付けられている、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記接続部は、外面の一部又は全部が鏡面となっている、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
重心側結節部と、4つの頂点側結節部と、4つの接続部を有し、
前記4つの頂点側結節部は、四面体の各頂点をなすように配されており、
前記重心側結節部は、前記四面体の重心位置に配されており、
前記四面体は、少なくとも一面が正三角形を構成し、前記正三角形を構成する三つの頂点からの残りの頂点までの長さが等しいものであり、
前記4つの接続部は、前記重心側結節部と各頂点側結節部を接続するものであって、かつ前記重心側結節部から各頂点側結節部に向かって延びており、
前記重心側結節部は、面光源が取り付けられており、
第1配線部と第2配線部と光源用配線部を含む配線部材を有し、
前記第1配線部は、一の頂点側結節部側から一の接続部に沿って前記重心側結節部に向かって延びており、
前記第2配線部は、前記第1配線部から分岐し、他の接続部に沿って他の頂点側結節部に向かって延びており、
前記光源用配線部は、前記第1配線部から分岐し、前記面光源に接続されて給電可能となっており、
前記第2配線部と前記光源用配線部は、通電時において、同電位である、照明装置。
【請求項5】
前記接続部は、内部に空間がある中空体であり、
前記配線部材は、前記第1配線部が前記接続部の前記空間を通って延び、前記重心側結節部内で前記第2配線部と前記光源用配線部に分岐する、請求項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記4つの接続部のうち他の3つの接続部と接続される3つの頂点側結節部は、第2面光源がそれぞれ取り付けられており、
各第2面光源は、前記3つの頂点側結節部の上方側にあって、前記一の接続部の延び方向に取り付けられている、請求項1~3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記重心側結節部と前記4つの頂点側結節部と前記4つの接続部は、ボールアンドスティックモデルのダイヤモンド結晶構造を構成する、請求項1~のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項8】
複数のユニット部を有し、
前記ユニット部は、前記重心側結節部と前記4つの頂点側結節部と前記4つの接続部で構成されており、
隣接する2つのユニット部の間には、頂点側結節部を共有する共有結節部がある、請求項1~のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項9】
重心側結節部と、4つの頂点側結節部と、4つの接続部を有し、
前記4つの頂点側結節部は、四面体の各頂点をなすように配されており、
前記重心側結節部は、前記四面体の重心位置に配されており、
前記四面体は、少なくとも一面が正三角形を構成し、前記正三角形を構成する三つの頂点からの残りの頂点までの長さが等しいものであり、
前記4つの接続部は、前記重心側結節部と各頂点側結節部を接続するものであって、かつ前記重心側結節部から各頂点側結節部に向かって延びており、
前記重心側結節部は、面光源が取り付けられており、
複数のユニット部を有し、
前記ユニット部は、前記重心側結節部と前記4つの頂点側結節部と前記4つの接続部で構成されており、
隣接する2つのユニット部の間には、頂点側結節部を共有する共有結節部があり、
前記複数のユニット部には、第1ユニット部と第2ユニット部と第3ユニット部があり、
前記第1ユニット部と前記第2ユニット部の間には、頂点側結節部を共有する第1共有結節部があり、
前記第2ユニット部と前記第3ユニット部の間には、頂点側結節部を共有する第2共有結節部があり、
前記第3ユニット部と前記第1ユニット部の間には、頂点側結節部を共有する第3共有結節部があり、
前記第1ユニット部の重心側結節部と、前記第2ユニット部の重心側結節部と、前記第3ユニット部の重心側結節部と、前記第1共有結節部と、前記第2共有結節部と、前記第3共有結節部は、それぞれ前記接続部で接続されて環状部を構成し、いす型の立体配座の位置関係となっている、照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。特に本発明は、有機ELパネルやLEDを面状に散りばめたLEDパネル等の面光源を用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、面光源として有機ELパネルを使用し、自然光に近い柔らかい光で室内空間を照らす照明装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5598633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の照明装置は、複数の有機ELパネルが平面状に並べられており、平面的で面白味がないという問題があった。そのため、従来にはない斬新で意匠性に優れた照明装置が望まれていた。
【0005】
そこで、本発明は、奥行き感がある立体的な装飾が可能な照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した解決するための本発明の一つの様相は、重心側結節部と、4つの頂点側結節部と、4つの接続部を有し、前記4つの頂点側結節部は、四面体の各頂点をなすように配されており、前記重心側結節部は、前記四面体の重心位置に配されており、前記四面体は、少なくとも一面が正三角形を構成し、前記正三角形を構成する三つの頂点からの残りの頂点までの長さが等しいものであり、前記4つの接続部は、前記重心側結節部と各頂点側結節部を接続するものであって、かつ前記重心側結節部から各頂点側結節部に向かって延びており、前記重心側結節部は、面光源が取り付けられている、照明装置である。
【0007】
本様相によれば、四面体の頂点位置と重心位置に結節部をもち、これらの結節部を接続部が繋ぐので、照明装置全体として三次元的に広がりがある。そのため、照明装置全体として奥行き感を持たせることができ、立体的な装飾が可能である。
本様相によれば、四面体の重心位置に配された重心側結節部に面光源が取り付けられているため、重量バランスが良好で安定して面光源を設置できる。
【0008】
好ましい様相は、前記面光源は、一の接続部に対して前記重心側結節部の反対側に取り付けられていることである。
【0009】
本様相によれば、面光源が一の接続部と重心側結節部を挟んで反対側に位置するため、より重量バランスがとりやすい。
【0010】
好ましい様相は、前記面光源は、前記重心側結節部に対して回動可能に取り付けられていることである。
【0011】
本様相によれば、面光源の発光面を回動させることで、面光源の発光面を所望の方向に向けることができる。
【0012】
好ましい様相は、前記接続部は、外面の一部又は全部が鏡面となっていることである。
【0013】
本様相によれば、自然光や面光源から放射される放射光及びその反射光、他の照明装置から放射される放射光やその反射光等が接続部で反射され、煌びやかな外観を呈することができる。
【0014】
好ましい様相は、第1配線部と第2配線部と光源用配線部を含む配線部材を有し、前記第1配線部は、一の頂点側結節部側から一の接続部に沿って前記重心側結節部に向かって延びており、前記第2配線部は、前記第1配線部から分岐し、他の接続部に沿って他の頂点側結節部に向かって延びており、前記光源用配線部は、前記第1配線部から分岐し、前記面光源に接続されて給電可能となっており、前記第2配線部と前記光源用配線部は、通電時において、同電位であることである。
【0015】
本様相によれば、例えば、第2配線部に他の面光源等の負荷を取り付けた場合に、通電時に第2配線部と光源用配線部が同電位となるため、光源用配線部から面光源に給電しつつ、負荷に対しても給電できる。
【0016】
より好ましい様相は、前記接続部は、内部に空間がある中空体であり、前記配線部材は、前記第1配線部が前記接続部の前記空間を通って延び、前記重心側結節部内で前記第2配線部と前記光源用配線部に分岐することである。
【0017】
本様相によれば、接続部や重心側結節部の内部の空間を通過して面光源に給電可能である。そのため、配線部材の一部又は全部が接続部や重心側結節部によって隠されて、配線部材を外観上見えにくくできる。また、配線部材の一部又は全部が接続部や重心側結節部によって保護されて、配線部材の断線等も防止できる。
【0018】
好ましい様相は、被取付部に対して垂下されて取り付けられる照明装置であって、前記4つの接続部のうち一の接続部は、前記被取付部から垂下された状態において、鉛直方向に延びていることである。
【0019】
ここでいう「被取付部」とは、照明装置の取付対象部位をいい、例えば、天井や壁、床等の構造物を含む。
【0020】
本様相によれば、接続部と面光源が鉛直方向に重なるので、重量バランスが良好であり、安定して被取付部から垂下できる。
【0021】
より好ましい様相は、前記4つの接続部のうち他の3つの接続部と接続される3つの頂点側結節部は、第2面光源がそれぞれ取り付けられており、各第2面光源は、前記3つの頂点側結節部の上方側にあって、前記一の接続部の延び方向に取り付けられていることである。
【0022】
本様相によれば、各第2面光源が鉛直方向の同一側に取り付けられているため、より重量バランスが良好となる。
【0023】
好ましい様相は、前記重心側結節部と前記4つの頂点側結節部と前記4つの接続部は、ボールアンドスティックモデルのダイヤモンド結晶構造を構成することである。
【0024】
本様相によれば、従来にはない独創的な外観となり、意匠性が高い。
【0025】
好ましい様相は、複数のユニット部を有し、前記ユニット部は、前記重心側結節部と前記4つの頂点側結節部と前記4つの接続部で構成されており、隣接する2つのユニット部の間には、頂点側結節部を共有する共有結節部があることである。
【0026】
本様相によれば、隣接するユニット部間で頂点側結節部を共有できるので、部品点数を削減できる。
【0027】
より好ましい様相は、前記複数のユニット部には、第1ユニット部と第2ユニット部と第3ユニット部があり、前記第1ユニット部と前記第2ユニット部の間には、頂点側結節部を共有する第1共有結節部があり、前記第2ユニット部と前記第3ユニット部の間には、頂点側結節部を共有する第2共有結節部があり、前記第3ユニット部と前記第1ユニット部の間には、頂点側結節部を共有する第3共有結節部があり、前記第1ユニット部の重心側結節部と、前記第2ユニット部の重心側結節部と、前記第3ユニット部の重心側結節部と、前記第1共有結節部と、前記第2共有結節部と、前記第3共有結節部は、それぞれ前記接続部で接続されて環状部を構成し、いす型の立体配座の位置関係となっていることである。
【0028】
本様相によれば、第1ユニット部の重心側結節部と、第2ユニット部の重心側結節部と、第3ユニット部の重心側結節部と、第1共有結節部と、第2共有結節部と、第3共有結節部がいす型の立体配座の位置関係となっている。そのため、三次元的な歪みがほとんどなく、構造の安定性が高い。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、奥行き感がある立体的な装飾が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の第1実施形態の照明装置を模式的に示した斜視図である。
図2図1のユニット部の斜視図である。
図3図1のユニット部の斜視図であり、図2とは異なる方向からみた斜視図である。
図4図2のユニット体の断面斜視図である。
図5図2の頂点側結節部の断面図である。
図6図2のユニット部の概念図である。
図7図6のユニット部の説明図であり、(a)は二段目のユニット部を表す概念図であり、(b)は三段目のユニット部を表す概念図である。
図8図2の面光源部の分解斜視図である。
図9】本発明の第2実施形態の照明装置を模式的に示した斜視図である。
図10図9のユニット部の斜視図である。
図11】本発明の他の実施形態のユニット部を模式的に示した斜視図であり、(a)は正四面体に対して高さが高い四面体構造をとる場合、(b)は正四面体に対して高さが低い四面体構造をとる場合を表す。
図12】本発明の他の実施形態の照明装置の設置状況を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0032】
本発明の第1実施形態の照明装置1は、図1のように、天井面等の被取付面200(被取付部)に対して取り付けられる装飾照明装置である。
照明装置1は、主に、ベース部2と、吊り下げ部3と、ユニット部5と、配線部材6(図4図5参照)で構成されている。
【0033】
ベース部2は、図1のように、被取付面200に取り付けられる板状体であり、図示しない締結要素や接着剤等の取付手段によって被取付面200に対して面接触して固定される部位である。
【0034】
吊り下げ部3は、図1のように、ベース部2とユニット部5を接続し、ユニット部5をベース部2に対して吊り下げる部位である。すなわち、吊り下げ部3は、ユニット部5をベース部2に対して垂下させて支持可能となっている。
本実施形態の吊り下げ部3は、所定の方向に延びた紐状体又は棒状体である。
【0035】
ユニット部5は、図1のように、複数のユニット体10と、複数の面光源部11,12で構成されており、ユニット体10が段状に連なって三次元的に広がっている。
ユニット体10は、図2図3のように、頂点側結節部20(20a~20d)と、重心側結節部21と、第1接続部22と、第2接続部23を備えている。
ユニット体10は、図2図3のように、4つの頂点側結節部20a~20dと、重心側結節部21と、接続部22,23とによってボールアンドスティックモデルのダイヤモンド結晶構造を構成している。すなわち、各結節部20,21がボール(原子)に対応し、各接続部22,23がスティックに対応している。
【0036】
頂点側結節部20a~20dは、図2のように正四面体15(正三角錐)の各頂点位置に配される部位であり、図3のように立方体16の頂点位置にも配される部位である。
頂点側結節部20は、図2図5のように、略球状であって、内部に空間26を有する中空体であり、外面が鏡面となっている。
【0037】
頂点側結節部20は、図5のように、取付部27~29を複数備えている。
取付部27~29は、外面から空間26に向かって延び、空間26と連通する連通孔である。取付部27,28は、照明装置1を被取付面200に取り付けたときに、鉛直方向に互いに近接するように延びる延伸穴であり、鉛直方向に並んでいる。すなわち、第1取付部27は、頂点側結節部20の頂部に設けられ、第2取付部28は、頂点側結節部20の底部に設けられている。
【0038】
取付部29は、図5のように、照明装置1を被取付面200に取り付けたときに、鉛直方向に対して交差する方向に延びている。すなわち、取付部29の中心軸は、取付部27,28の中心軸に対して交差し、斜め上方向に延びている。
【0039】
第1取付部27は、頂点側面光源部11の取付部51を挿入することで、頂点側面光源部11を取り付け可能となっている。
第2取付部28は、第1接続部22を挿入することで、第1接続部22を取り付け可能となっている。
第3取付部29は、第2接続部23を挿入することで、第2接続部23を取り付け可能となっている。
【0040】
重心側結節部21は、図2のように正四面体15の重心位置に配される部位であり、図3のように立方体16の中心位置にも配される部位である。
重心側結節部21は、図2図4のように、略球状であって、内部に空間36を有する中空体であり、外面が鏡面となっている。
【0041】
重心側結節部21は、図4のように、取付部37~41を複数備えている。
取付部37~41は、外面から空間36に向かって延び、空間36と連通する連通孔である。
取付部37,38は、照明装置1を被取付面200に取り付けたときに、鉛直方向に互いに近接するように延びる延伸穴であり、鉛直方向に並んでいる。すなわち、第1取付部37は、重心側結節部21の頂部に設けられ、第2取付部38は、重心側結節部21の底部に設けられている。
取付部39~41は、取付部37,38の中心軸に対して周方向に間隔を空けて並設された穴である。
取付部39~41は、照明装置1を被取付面200に取り付けたときに、鉛直方向に対して交差する方向に延びている。すなわち、取付部39~41は、それぞれの中心軸が取付部37,38の中心軸に対して交差し、斜め下方向に延びている。
【0042】
第1取付部37は、第1接続部22を挿入することで、第1接続部22を取り付け可能となっている。
第2取付部38は、重心側面光源部12の取付部51を挿入することで、重心側面光源部12を取り付け可能となっている。
第3取付部39~41は、それぞれ第2接続部23を挿入することで、第2接続部23をそれぞれ取り付け可能となっている。
【0043】
第1接続部22は、図2図4のように、頂点側結節部20aと重心側結節部21を接続する部位であり、所定の方向に延びる延伸部である。第1接続部22は、円筒状であって内部に空間46があり、外面が鏡面となっている。
【0044】
第2接続部23は、図2図4のように、重心側結節部21と頂点側結節部20b~20dとを接続する部位であり、第1接続部22とは異なる方向に延びる延伸部である。第2接続部23は、円筒状であって内部に空間56があり、外面が鏡面となっている。
【0045】
頂点側面光源部11(第2面光源)は、図8のように、発光パネル50と、取付部51を備えている。
発光パネル50は、片面が発光面となり、発光面が面状に発光し、拡散光を放射する面状発光パネルであり、具体的には、有機ELパネルである。
本実施形態の発光パネル50は、面状に広がりをもった方形状の板状パネルである。
なお、発光パネル50は、LEDを面状に散りばめたLEDパネルであってもよい。
【0046】
取付部51は、図8のように発光パネル50を頂点側結節部20の第1取付部27に対して回動可能に取り付ける部位である。
本実施形態の頂点側面光源部11は、発光パネル50の裏面に軸受け部52を備え、取付部51に軸部53を備えている。そして、頂点側面光源部11は、取付部51の軸部53が発光パネル50の軸受け部52に挿入され、発光パネル50が軸部53を中心に周方向に回動可能となっている。
【0047】
重心側面光源部12は、頂点側面光源部11と同様の部材であり、頂点側面光源部11と同様の構成を有しているため、同一の構成については同様の符号を付して説明を省略する。すなわち、重心側面光源部12は、図8のように、発光パネル50と、取付部51を備えており、取付部51によって発光パネル50を重心側結節部21の第2取付部38に対して回動可能に取り付けることが可能となっている。つまり、重心側面光源部12は、発光パネル50が取付部51の軸部53を中心に周方向に回動可能となっている。
【0048】
配線部材6は、外部電源から各面光源部11,12に対して給電するための給電配線であり、内部にプラス配線とマイナス配線を内蔵するものである。
配線部材6は、図4図5のように、主幹配線部70と、第1光源用配線部71と、第2光源用配線部72で構成されている。
主幹配線部70は、主にユニット体10の内部を這う配線であり、基端の頂点側結節部20aから末端の各頂点側結節部20b~20dまで電気的に接続するための接続配線である。
【0049】
主幹配線部70は、第1配線部75と、第2配線部76が交互に配されて構成されている。
第1配線部75は、図4のように、頂点側結節部20aから重心側結節部21に向かって延び、頂点側結節部20aと重心側結節部21を接続する配線部である。
第2配線部76は、第1配線部75の端部と接続され、重心側結節部21から頂点側結節部20b~20dに向かって延び、重心側結節部21と頂点側結節部20b~20dを接続する配線部である。
【0050】
第1光源用配線部71は、図4のように主幹配線部70の中間部から分岐した分岐配線であり重心側面光源部12に給電するための給電配線である。具体的には、第1光源用配線部71は、第1配線部75の端部から分岐した配線であり、通電時において、別途、第1配線部75から分岐する第2配線部76と同電位となっている。
【0051】
第2光源用配線部72は、図5のように主幹配線部70の中間部から分岐した分岐配線であり頂点側面光源部11に給電するための給電配線である。具体的には、第2光源用配線部72は、第2配線部76の端部から分岐した配線であり、通電時において、別途、第2配線部76から分岐する第1配線部75と同電位となっている。
【0052】
続いて、本実施形態の照明装置1の各部材の位置関係について説明する。なお、被取付面200に対してベース部2を取り付けてユニット部5が吊り下げ部3によって垂下された状態を基準とする。
【0053】
照明装置1は、図1のように、ベース部2が図示しない固定手段によって被取付面200に取り付けられている。吊り下げ部3は、鉛直方向に延びており、下端部が一段目の頂点側結節部20aに接続されている。
【0054】
ユニット体10に注目すると、頂点側結節部20aは、図2のように、第1接続部22を介して重心側結節部21と接続されており、重心側結節部21は、各第2接続部23を介して頂点側結節部20b~20dと接続されている。
頂点側結節部20aは、図5のように、第1取付部27が吊り下げ部3(一段目)又は頂点側面光源部11(二段目以降)と接続されており、第2取付部28が第1接続部22と接続されており、第3取付部29が第2接続部23と接続されている。
【0055】
重心側結節部21は、図4のように、第1取付部37が第1接続部22と接続されており、第2取付部38が重心側面光源部12と接続されており、第3取付部39~41が各第2接続部23と接続されている。
【0056】
照明装置1は、図6から読み取れるように、ユニット体10間で頂点側結節部20a~20dを共有する箇所が複数箇所存在する。
一段目のユニット体10aの頂点側結節部20b~20dは、二段目のユニット体10b~10dの頂点側結節部20aを兼ねた共有結節部となっている。すなわち、一段目のユニット体10aの頂点側結節部20b~20dは、図5のように、第2取付部28に第1接続部22が接続されている。
【0057】
二段目のユニット体10bは、図7(a)のように、頂点側結節部20cが二段目のユニット体10cの頂点側結節部20bを兼ねた共有結節部となっており、頂点側結節部20dが二段目のユニット体10dの頂点側結節部20bを兼ねた共有結節部となっている。
二段目のユニット体10cは、頂点側結節部20dが二段目のユニット体10dの頂点側結節部20cを兼ねた共有結節部となっている。
すなわち、二段目のユニット体10b~10dの頂点側結節部20は、いずれも取付部29に隣接するユニット体10の第2接続部23が挿入されている。
【0058】
また、照明装置1は、図7(a)の太線で示されるように、二段目のユニット体10b~10dのそれぞれの重心側結節部21と、共有する頂点側結節部20と、これらの結節部20を結ぶ第2接続部23によって環状部80を構成している。そして、環状部80を構成する結節部20,21は、いす型の立体配座の位置関係となっている。
【0059】
二段目のユニット体10b~10dの頂点側結節部20b~20dは、図7のように、三段目のユニット体10e~10jの頂点側結節部20aを兼ねた共有結節部となっている。すなわち、二段目のユニット体10b~10dの頂点側結節部20b~20dは、第2取付部28に第1接続部22が接続されている。
【0060】
三段目のユニット体10e~10jは、図7(b)のように、二段目のユニット体10b~10dと同様、隣接するユニット体10同士で頂点側結節部20b~20dを共有しており、各頂点側結節部20は、隣接するユニット体10の第2接続部23が挿入されている。
また、照明装置1は、図7(b)のように、三段目のユニット体10e~10jのそれぞれの重心側結節部21と、共有する頂点側結節部20と、これらの結節部20を結ぶ第2接続部23によって環状部80を複数構成している。そして、環状部80を構成する結節部20,21は、いす型の立体配座の位置関係となっている。
【0061】
頂点側面光源部11は、図5のように、第1接続部22の延び方向の延長上に位置している。
頂点側面光源部11と第1接続部22は、頂点側結節部20b~20dを挟んで対向する位置に配されている。すなわち、頂点側面光源部11は、頂点側結節部20b~20dの第1接続部22との接続部分とは反対側にあって、鉛直方向の上側に位置している。
頂点側面光源部11は、軸部53が第1接続部22の中心軸の延長上に位置しており、発光パネル50が軸部53を中心として回動可能となっている。
【0062】
重心側面光源部12は、図4のように、第1接続部22の延び方向の延長上であって頂点側面光源部11とは反対側に位置している。
重心側面光源部12と第1接続部22は、重心側結節部21を挟んで対向する位置に配されている。すなわち、重心側面光源部12は、重心側結節部21の第1接続部22との接続部分とは反対側にあって、鉛直方向の下側に位置している。
重心側面光源部12は、軸部53が第1接続部22の中心軸の延長上に位置しており、発光パネル50が軸部53を中心として回動可能となっている。
【0063】
本実施形態の照明装置1によれば、最も頂点、辺、面の数が少ない正多面体である正四面体15の頂点位置に頂点側結節部20が配されている。そのため、安価で形成でき、奥行き感がある立体的装飾が可能である。
【0064】
本実施形態の照明装置1によれば、各結節部20,21が一定の空間内に均等かつ最も間隔を空けて配されている。そのため、簡素な構成でも煌びやかな外観を呈することができる。
【0065】
本実施形態の照明装置1によれば、あらゆる方向から観察しても、面光源部11,12からの放射光の重複が最小となり、より広い範囲を照らすことができる。そのため、省エネルギー化が可能である。
【0066】
本実施形態の照明装置1によれば、各重心側結節部21が第2接続部23によって整然と支持されている。そのため、安定性が高く信頼性も高い。
【0067】
本実施形態の照明装置1によれば、光源として面光源を使用している。そのため、点光源たるLEDと比べて、遠近効果が得られやすく、演出性に優れている。
【0068】
本実施形態の照明装置1によれば、各頂点側結節部20や各接続部22,23が同一形状であるため、同一部材とすることができ、安価で簡便に製造することができる。
【0069】
本実施形態の照明装置1によれば、ユニット部5が正四面体構造を取り、立体障害が少ない位置に面光源部11,12を設けている。そのため、接続部22,23が干渉しにくく、面光源部11,12を回転させやすい。
【0070】
本実施形態の照明装置1によれば、面光源部11,12が結節部20,21に対して回動可能であるため、設置場所に合わせて、適切な装飾効果が得られるように発光面の角度を調整することができ、装飾の自由度が高い。
【0071】
本実施形態の照明装置1によれば、各面光源部11,12が外部電源に対して並列接続され、同電位となっている。そのため、配線部材6全体を単純化でき、面光源部11,12の交換やユニット部5の拡張が容易である。
【0072】
本実施形態の照明装置1によれば、頂点側結節部20aと重心側結節部21を繋ぐ第1接続部22が鉛直方向に延びており、残りの頂点側結節部20b~20dが鉛直軸をなす接続部22の中心線に対して3回回転対称となっている。そのため、結節部20,21の相互の配置が安定し、照明装置1全体として重量バランスを取りやすく、安定性に優れている。
【0073】
本実施形態の照明装置1によれば、ユニット部5が各結節部20,21を原子位置とするダイヤモンド結晶構造を取る。そのため、従来にはない斬新なデザインの装飾照明装置となる。
【0074】
本実施形態の照明装置1によれば、二段目のユニット体10b~10dの重心側結節部21と共有結節部を構成する頂点側結節部20と接続部22,23によって、環状部80を構成している。そして、本実施形態の照明装置1によれば、いす型の立体配座のシクロヘキサンの炭素基のように、環状部80を構成する結節部20,21がいす型の立体配座の位置関係となっている。そのため、三次元的な歪みがほとんどなく、構造の安定性が高い。
【0075】
続いて、本発明の第2実施形態の照明装置300について説明する。なお、第1実施形態の照明装置1と同様の構成について、同様の符号を付して説明を省略する。以下、同様とする。
【0076】
第2実施形態の照明装置300は、図9図10のように、第1実施形態の照明装置1とユニット部5の姿勢が逆転している。すなわち、照明装置300は、ユニット部5の天地が逆転している。
照明装置300は、ベース部2と、吊り下げ部3と、ユニット部305を備えている。
ユニット部305は、図9図10のように、複数のユニット体310と、複数の面光源部311,312から構成されており、ユニット体310が複数段となって広がっている。
面光源部311,312は、発光パネル350と取付部351とで自在継手を構成しており、接合する角度を自由に変化させることが可能となっている。
【0077】
発光パネル350は、図10のように、発光パネル50と同様のパネルであり、取付部351は、発光パネル350の角部に取り付けられている。
【0078】
本実施形態の照明装置300によれば、発光パネル350と取付部351が自在継手を構成しているため、発光パネル350の発光面を所望の方向に向けることができ、装飾の自由度がより高い。
【0079】
上記した実施形態では、発光パネル50,350は正面視方形状であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、発光パネル50,350の形状は限定されない。例えば、正面視三角形や五角形、六角形などの多角形状であってもよいし、円形状や楕円形状であってもよい。
【0080】
上記した実施形態では、配線部材6は、ユニット体10の内部の空間26,36,46,56に這わしていたが、本発明はこれに限定されるものではない。配線部材6は、一部又は全部がユニット体10の外部に露出していてもよい。
【0081】
上記した実施形態では、頂点側結節部20は、正四面体15の頂点位置に配されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。頂点側結節部20は、少なくとも一面が正三角形であってかつ正三角形の三つの頂点からの残りの頂点までの長さが等しい四面体の頂点位置に配されていればよい。例えば、各頂点側結節部20は、図11(a)のように、正四面体15と比べて高さが高い四面体の各頂点位置に配されていてもよいし、図11(b)のように、正四面体15と比べて高さが低い四面体の各頂点位置に配されていてもよい。いずれの場合も正三角形の重心位置に対して直交する軸上に重心位置が位置することになる。
【0082】
上記した実施形態では、ユニット部5は、吊り下げ部3によって被取付面200から吊り下げられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。被取付面200が壁面や床面の場合、ユニット部5は、剛性を有する支持部材によって被取付面200に対して固定されていてもよい。
【0083】
上記した実施形態では、ユニット部5が三段の場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。ユニット部5は一段や二段であってもよいし、四段以上であってもよい。
【0084】
上記した実施形態では、上段の全ての頂点側結節部20に下段のユニット部5の第1接続部22が接続されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。一部の頂点側結節部20にのみ下段のユニット部5の第1接続部22が接続されていてもよい。
【0085】
上記した実施形態では、ベース部2を介して被取付面200に吊り下げ部3を取り付けていたが、本発明はこれに限定されるものではない。ベース部2を介さずに直接吊り下げ部3を被取付面200に取り付けてもよい。
【0086】
上記した第1実施形態では、被取付面200に対して一つの照明装置1を取り付けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。図12のように、複数の照明装置1を被取付面200に面状に敷設してもよい。この場合、各照明装置1のベース部2を平面充填となるように敷き詰めることが好ましい。
同様に、上記した第2実施形態では、被取付面200に対して一つの照明装置300を取り付けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。複数の照明装置300を被取付面200に面状に敷設してもよい。
【0087】
上記した実施形態は、本発明の技術的範囲に含まれる限り、各実施形態間で各構成部材を自由に置換や付加できる。
【符号の説明】
【0088】
1,300 照明装置
2 ベース部
3 吊り下げ部
5,305 ユニット部
6 配線部材
10,10a~10j ユニット体(第1ユニット体、第2ユニット体、第3ユニット体)
11,311 頂点側面光源部(第2面光源)
12,312 重心側面光源部
15 正四面体
20,20a~20d 頂点側結節部(第1共有結節部、第2共有結節部、第3共有結節部)
21 重心側結節部
22 第1接続部
23 第2接続部
26 空間
27 第1取付部
28 第2取付部
29 第3取付部
36 空間
37 第1取付部
38 第2取付部
39~41 第3取付部
46 空間
50,350 発光パネル
51,351 取付部
52 軸受け部
53 軸部
56 空間
70 主幹配線部
71 第1光源用配線部
72 第2光源用配線部
75 第1配線部
76 第2配線部
80 環状部
200 被取付面(被取付部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12