(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】データ転送装置、飛行型通信中継装置、災害復旧システム、データの転送方法、データの中継方法、データの復旧方法、プログラム、及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06F 3/06 20060101AFI20240618BHJP
G06F 13/10 20060101ALI20240618BHJP
G06F 13/14 20060101ALI20240618BHJP
H04B 7/185 20060101ALI20240618BHJP
H04B 7/155 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
G06F3/06 306Z
G06F3/06 301X
G06F13/10 340A
G06F13/14 310H
G06F13/14 330B
H04B7/185
H04B7/155
(21)【出願番号】P 2020032170
(22)【出願日】2020-02-27
【審査請求日】2023-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】大谷 寛之
【審査官】田名網 忠雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-174107(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0270314(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0238234(US,A1)
【文献】特開2018-139379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/06-3/08
G06F 13/10-13/14
H04B 7/185
H04B 7/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信基地局に備えられ、
取得手段、記憶手段、配置決定手段、送信手段、及び転送手段を含み、
前記取得手段は、飛行型通信中継装置から被災ストレージ装置の座標を取得し、
前記記憶手段は、前記通信基地局の座標を記憶し、
前記配置決定手段は、前記被災ストレージ装置及び前記通信基地局の座標
の少なくとも一方が、少なくとも一つの前記飛行型通信中継装置の通信可能距離に含まれる位置を、前記被災ストレージ装置におけるデータを取得するための前記飛行型通信中継装置の移動位置を示す配置座標
として決定し、
前記送信手段は、前記飛行型通信中継装置に対して、前記決定した配置座標へ移動する移動指示情報を送信し、
前記取得手段は、さらに、前記配置座標に移動した前記飛行型通信中継装置を介して、前記被災ストレージ装置におけるデータを取得し、
前記転送手段は、前記取得したデータを他のストレージ装置へ転送する、データ転送装置。
【請求項2】
前記飛行型通信中継装置が複数あり、
前記複数の飛行型通信中継装置は、少なくとも一つの前記飛行型通信中継装置と通信可能な距離を維持したまま飛行することで通信経路を形成し、
前記取得手段は、前記複数の飛行型通信中継装置のうち、少なくとも一つの前記飛行型通信中継装置が特定した前記被災ストレージ装置の座標を前記通信経路により取得し、
前記配置決定手段は、前記複数の飛行型通信中継装置の配置座標を決定し、
前記送信手段は、前記複数の飛行型通信中継装置に対して、前記移動指示情報を前記通信経路により送信し、
前記転送手段は、前記複数の飛行型通信中継装置によって形成される前記通信経路を介して、前記データを他のストレージ装置へ転送する、請求項1記載のデータ転送装置。
【請求項3】
前記配置決定手段は、前記被災ストレージ装置までの距離と、前記飛行型通信中継装置の通信可能距離とから、前記飛行型通信中継装置の前記配置座標を決定する、請求項2記載のデータ転送装置。
【請求項4】
飛行手段、探索手段、座標特定手段、無線通信手段、及び操縦制御手段を含み、
前記探索手段は、前記飛行手段及び前記操縦制御手段により、前記無線通信手段とデータ転送装置との無線通信が可能な距離を維持したまま、被災地方向へ飛行して、被災ストレージ装置の発信信号を探索し、
前記無線通信手段は、取得手段及び送信手段を含み、
前記取得手段は、前記発信信号を取得し、
前記座標特定手段は、前記取得した発信信号により、前記被災ストレージ装置の座標を特定し、
前記送信手段は、前記被災ストレージ装置の座標を前記データ転送装置に送信し、
前記取得手段は、さらに、前記データ転送装置から移動指示情報を取得し、
前記操縦制御手段は、前記移動指示情報に従って前記飛行手段の操縦を制御し、
前記取得手段は、前記移動指示情報が指示する配置座標まで飛行したとき、前記被災ストレージ装置のデータを取得し、
前記送信手段は、さらに、前記被災ストレージ装置のデータを前記データ転送装置に送信する、飛行型通信中継装置。
【請求項5】
前記操縦制御手段は、被災地が、前記データ転送装置との無線通信が可能な距離外にある場合、他の飛行型通信中継装置と連なって飛行することで、前記被災地まで通信経路を形成するように、前記飛行手段の操縦を制御する、請求項4記載の飛行型通信中継装置。
【請求項6】
前記送信手段は、前記通信経路を介して、前記被災ストレージ装置のデータを前記データ転送装置に送信する、請求項5記載の飛行型通信中継装置。
【請求項7】
前記データ転送装置が、請求項1から3のいずれか一項に記載のデータ転送装置である、請求項4から6のいずれか一項に記載の飛行型通信中継装置。
【請求項8】
通信基地局、請求項4から7のいずれか一項に記載の飛行型通信中継装置、メインストレージ装置、及びリモートストレージ装置を含み、
前記通信基地局は、請求項1から3のいずれか一項に記載のデータ転送装置を含み、
前記通信基地局は、前記飛行型通信中継装置と、前記リモートストレージ装置と通信可能であり、
前記メインストレージ装置は、前記飛行型通信中継装置と通信可能であり、
前記メインストレージ装置は、耐災害性を有する筐体、及びバッテリーを含み、
前記筐体の内部に、記憶手段、位置情報発信手段、及び送信手段を含み、
前記位置情報発信手段は、前記メインストレージ装置の位置情報を含む発信信号を発信し、
前記送信手段は、前記記憶手段に格納されているデータを前記飛行型通信中継装置に送信し、
前記バッテリーは、前記メインストレージ装置において電力を必要とする各部に電力供給をし、
前記飛行型通信中継装置は、
前記探索手段により、前記メインストレージ装置が発信する発信信号を探索し、
前記取得手段により、前記発信信号を取得し、
前記座標特定手段により、メインストレージ装置の座標を特定し、
前記送信手段により、前記メインストレージ装置の座標をデータ転送装置に送信し、
前記取得手段により、前記データ転送装置から前記移動指示情報を取得し、
前記操縦制御手段により、前記移動指示情報に従って前記飛行手段の操縦を制御し、
前記取得手段により、前記メインストレージ装置のデータを取得し、
前記送信手段により、前記メインストレージ装置のデータを前記データ転送装置に送信し、
前記データ転送装置は、
前記取得手段により、前記飛行型通信中継装置から前記メインストレージ装置の座標を取得し、
前記配置決定手段により、前記メインストレージ装置の座標及び前記通信基地局の座標
の少なくとも一方が、少なくとも一つの前記飛行型通信中継装置の通信可能距離に含まれる位置を、前記メインストレージ装置におけるデータを取得するための前記飛行型通信中継装置の移動位置を示す配置座標
として決定し、
前記送信手段により、前記飛行型通信中継装置に対して、前記決定した配置座標へ移動する移動指示情報を送信し、
前記取得手段により、前記配置座標に移動した前記飛行型通信中継装置を介して、前記メインストレージ装置における前記データを取得し、
前記転送手段により、前記データを前記リモートストレージ装置へ転送し、
前記リモートストレージ装置は、記憶手段を含み、
前記記憶手段は、前記データ転送装置から転送された前記データを格納する、災害復旧システム。
【請求項9】
取得工程、配置決定工程、送信工程、及び転送工程を含み、
前記取得工程は、飛行型通信中継装置から被災ストレージ装置の座標を取得し、
前記配置決定工程は、前記被災ストレージ装置及び予め記憶したデータ転送装置を備える通信基地局の座標
の少なくとも一方が、少なくとも一つの前記飛行型通信中継装置の通信可能距離に含まれる位置を、前記被災ストレージ装置におけるデータを取得するための前記飛行型通信中継装置の移動位置を示す配置座標
として決定し、
前記送信工程は、前記飛行型通信中継装置に対して、前記決定した配置座標へ移動する移動指示情報を送信し、
前記取得工程は、さらに、前記配置座標に移動した前記飛行型通信中継装置を介して、前記被災ストレージ装置におけるデータを取得し、
前記転送工程は、前記取得したデータを他のストレージ装置へ転送する、データの転送方法。
【請求項10】
請求項9記載の方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ転送装置、飛行型通信中継装置、災害復旧システム、データの転送方法、データの中継方法、データの復旧方法、プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
あらゆる分野においてIT化が進む中、ディザスタリカバリシステムの重要性が、高まっている。ディザスタリカバリシステムは、災害時におけるデータの破損や損失に備えることで、コンピュータシステムが提供するサービスを継続可能にするシステムである。データの破損や損失に備える手法の一つとして、例えば、メインサイトに格納されているデータを複製し、リモートサイトに転送するシステムがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、耐災害記憶ユニットを回収する必要がある。しかしながら、耐災害記憶ユニットが存在する災害エリアは、インフラ設備の損害等の理由により、行くことが難しい。そのため、耐災害記憶ユニットを回収できず、データの復旧が困難という問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、容易にデータの復旧を可能にするデータ転送装置、飛行型通信中継装置、災害復旧システム、データの転送方法、データの中継方法、データの復旧方法、プログラム、及び記録媒体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明のデータ転送装置は、
取得手段、記憶手段、配置決定手段、送信手段、及び転送手段を含み、
前記取得手段は、飛行型通信中継装置から被災ストレージ装置の座標を取得し、
前記記憶手段は、通信基地局の座標を記憶し、
前記配置決定手段は、前記被災ストレージ装置及び前記通信基地局の座標から、前記飛行型通信中継装置の配置座標を決定し、
前記送信手段は、前記飛行型通信中継装置に対して、前記決定した配置座標へ移動する移動指示情報を送信し、
前記取得手段は、さらに、前記配置座標に移動した前記飛行型通信中継装置を介して、前記被災ストレージ装置におけるデータを取得し、
前記転送手段は、前記取得したデータを他のストレージ装置へ転送する、装置である。
【0007】
本発明の飛行型通信中継装置は、
飛行手段、探索手段、座標特定手段、無線通信手段、及び操縦制御手段を含み、
前記探索手段は、前記飛行手段及び前記操縦制御手段により、前記無線通信手段とデータ転送装置との無線通信が可能な距離を維持したまま、被災地方向へ飛行して、被災ストレージ装置の発信信号を探索し、
前記無線通信手段は、取得手段及び送信手段を含み、
前記取得手段は、前記発信信号を取得し、
前記座標特定手段は、前記取得した発信信号により、前記被災ストレージ装置の座標を特定し、
前記送信手段は、前記被災ストレージ装置の座標を前記データ転送装置に送信し、
前記取得手段は、さらに、前記データ転送装置から移動指示情報を取得し、
前記操縦制御手段は、前記移動指示情報に従って前記飛行手段の操縦を制御し、
前記取得手段は、前記移動指示情報が指示する配置座標まで飛行したとき、前記被災ストレージ装置のデータを取得し、
前記送信手段は、さらに、前記被災ストレージ装置のデータを前記データ転送装置に送信する、装置である。
【0008】
本発明の災害復旧システムは、
通信基地局、本発明の飛行型通信中継装置、メインストレージ装置、及びリモートストレージ装置を含み、
前記通信基地局は、本発明のデータ転送装置を含み、
前記通信基地局は、前記飛行型通信中継装置と、前記リモートストレージ装置と通信可能であり、
前記メインストレージ装置は、前記飛行型通信中継装置と通信可能であり、
前記メインストレージ装置は、耐災害性を有する筐体、及びバッテリーを含み、
前記筐体の内部に、記憶手段、位置情報発信手段、及び送信手段を含み、
前記位置情報発信手段は、前記メインストレージ装置の位置情報を含む発信信号を発信し、
前記送信手段は、前記記憶手段に格納されているデータを前記飛行型通信中継装置に送信し、
前記バッテリーは、前記メインストレージ装置において電力を必要とする各部に電力供給をし、
前記飛行型通信中継装置は、
前記探索手段により、前記メインストレージ装置が発信する発信信号を探索し、
前記取得手段により、前記発信信号を取得し、
前記座標特定手段により、メインストレージ装置の座標を特定し、
前記送信手段により、前記メインストレージ装置の座標をデータ転送装置に送信し、
前記取得手段により、前記データ転送装置から前記移動指示情報を取得し、
前記操縦制御手段により、前記移動指示情報に従って前記飛行手段の操縦を制御し、
前記取得手段により、前記メインストレージ装置のデータを取得し、
前記送信手段により、前記メインストレージ装置のデータを前記データ転送装置に送信し、
前記データ転送装置は、
前記取得手段により、前記飛行型通信中継装置から前記メインストレージ装置の座標を取得し、
前記配置決定手段により、前記メインストレージ装置の座標及び前記通信基地局の座標から、前記飛行型通信中継装置の配置座標を決定し、
前記送信手段により、前記飛行型通信中継装置に対して、前記決定した配置座標へ移動する移動指示情報を送信し、
前記取得手段により、前記配置座標に移動した前記飛行型通信中継装置を介して、前記メインストレージ装置における前記データを取得し、
前記転送手段により、前記データを前記リモートストレージへ転送し、
前記リモートストレージ装置は、記憶手段を含み、
前記記憶手段は、前記データ転送装置から転送された前記データを格納する、システムである。
【0009】
本発明のデータの転送方法は、
取得工程、配置決定工程、送信工程、及び転送工程を含み、
前記取得工程は、飛行型通信中継装置から被災ストレージ装置の座標を取得し、
前記配置決定工程は、前記被災ストレージ装置及び予め記憶した通信基地局の座標から、前記飛行型通信中継装置の配置座標を決定し、
前記送信工程は、前記飛行型通信中継装置に対して、前記決定した配置座標へ移動する移動指示情報を送信し、
前記取得工程は、さらに、前記配置座標に移動した前記飛行型通信中継装置を介して、前記被災ストレージ装置におけるデータを取得し、
前記転送工程は、前記取得したデータを他のストレージ装置へ転送する、方法である。
【0010】
本発明のデータの中継方法は、
探索工程、座標特定工程、無線通信工程、及び操縦制御工程を含み、
前記探索工程は、前記操縦制御工程により、データ転送装置との無線通信が可能な距離を維持したまま、被災地方向へ飛行して、被災ストレージ装置の発信信号を探索し、
前記無線通信工程は、取得工程及び送信工程を含み、
前記取得工程は、前記発信信号を取得し、
前記座標特定工程は、前記取得した発信信号により、前記被災ストレージ装置の座標を特定し、
前記送信工程は、前記被災ストレージ装置の座標を前記データ転送装置に送信し、
前記取得工程は、さらに、前記データ転送装置から移動指示情報を取得し、
前記操縦制御工程は、前記移動指示情報に従って飛行手段の操縦を制御し、
前記取得工程は、前記移動指示情報が指示する配置座標まで飛行したとき、前記被災ストレージ装置のデータを取得し、
前記送信工程は、さらに、前記被災ストレージ装置のデータを前記データ転送装置に送信する、方法である。
【0011】
本発明のデータの復旧方法は、
通信基地局、本発明の中継方法を実行可能な飛行型通信中継装置、メインストレージ装置、及びリモートストレージ装置を含み、
前記通信基地局は、本発明の転送方法を実行可能なデータ転送装置を含み、
前記通信基地局は、前記飛行型通信中継装置と、前記リモートストレージ装置と通信可能であり、
前記メインストレージ装置は、前記飛行型通信中継装置と通信可能であり、
前記メインストレージ装置は、位置情報発信工程、及び送信工程を含む処理を実行し、
前記位置情報発信工程は、前記メインストレージ装置の位置情報を含む発信信号を発信し、
前記送信工程は、記憶手段に格納されているデータを前記飛行型通信中継装置に送信し、
前記飛行型通信中継装置は、
前記探索工程により、前記メインストレージ装置が発信する発信信号を探索し、
前記取得工程により、前記発信信号を取得し、
前記座標特定工程により、メインストレージ装置の座標を特定し、
前記送信工程により、前記メインストレージ装置の座標をデータ転送装置に送信し、
前記取得工程により、前記データ転送装置から前記移動指示情報を取得し、
前記操縦制御工程により、前記移動指示情報に従って前記飛行手段の操縦を制御し、
前記取得工程により、前記メインストレージ装置のデータを取得し、
前記送信工程により、前記メインストレージ装置のデータを前記データ転送装置に送信し、
前記データ転送装置は、
前記取得工程により、前記飛行型通信中継装置から前記メインストレージ装置の座標を取得し、
前記配置決定工程により、前記メインストレージ装置の座標及び前記通信基地局の座標から、前記飛行型通信中継装置の配置座標を決定し、
前記送信工程により、前記飛行型通信中継装置に対して、前記決定した配置座標へ移動する移動指示情報を送信し、
前記取得工程により、前記配置座標に移動した前記飛行型通信中継装置を介して、前記メインストレージ装置における前記データを取得し、
前記転送工程により、前記データを前記リモートストレージへ転送し、
前記リモートストレージ装置は、記憶工程を含み、
前記記憶工程は、前記データ転送装置から転送された前記データを格納する、方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、例えば、被災時においても、容易にデータを復旧することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施形態1の装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態1の装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態1の装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施形態1の装置における配置決定手段及び送信手段の一例を示す模式図である。
【
図5】
図5は、実施形態1の装置における配置決定手段及び送信手段の一例を示す模式図である。
【
図6】
図6は、実施形態2の装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、実施形態2の装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、実施形態2の装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施形態3のシステムの一例の構成を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、実施形態3のシステムにおけるメインストレージ装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、実施形態3のシステムにおけるメインストレージ装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【
図12】
図12は、実施形態3のシステムにおける処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のデータ転送装置は、例えば、前記飛行型通信中継装置が複数あり、
前記複数の飛行型通信中継装置は、少なくとも一つの前記飛行型通信中継装置と通信可能な距離を維持したまま飛行することで通信経路を形成し、
前記取得手段は、前記複数の飛行型通信中継装置のうち、少なくとも一つの前記飛行型通信中継装置が特定した前記被災ストレージ装置の座標を前記通信経路により取得し、
前記配置決定手段は、前記複数の飛行型通信中継装置の配置座標を決定し、
前記送信手段は、前記複数の飛行型通信中継装置に対して、前記移動指示情報を前記通信経路により送信し、
前記転送手段は、前記複数の飛行型通信中継装置によって形成される前記通信経路を介して、前記データを他のストレージ装置へ転送する、という態様であってもよい。
【0015】
本発明のデータ転送装置において、例えば、前記配置決定手段は、前記被災ストレージまでの距離と、前記飛行型通信中継装置の通信可能距離とから、前記飛行型通信中継装置の座標情報を決定する、という態様であってもよい。
【0016】
本発明の飛行型通信中継装置において、例えば、前記操縦制御手段は、被災地が、前記データ転送装置との無線通信が可能な距離外にある場合、他の飛行型通信中継装置と連なって飛行することで、前記被災地まで通信経路を形成するように、前記飛行手段の操縦を制御する、という態様であってもよい。
【0017】
本発明の飛行型通信中継装置において、例えば、前記送信手段は、前記通信経路を介して、前記被災ストレージ装置のデータを前記データ転送装置に送信する、という態様であってもよい。
【0018】
本発明の飛行型通信中継装置において、例えば、前記データ転送装置が、本発明のデータ転送装置である、という態様であってもよい。
【0019】
本発明のデータの転送方法は、例えば、前記飛行型通信中継装置が複数あり、
前記複数の飛行型通信中継装置は、少なくとも一つの前記飛行型通信中継装置と通信可能な距離を維持したまま飛行することで通信経路を形成し、
前記取得工程は、前記複数の飛行型通信中継装置のうち、少なくとも一つの前記飛行型通信中継装置が特定した前記被災ストレージ装置の座標を前記通信経路により取得し、
前記配置決定工程は、前記複数の飛行型通信中継装置の配置座標を決定し、
前記送信工程は、前記複数の飛行型通信中継装置に対して、前記移動指示情報を前記通信経路により送信し、
前記転送工程は、前記複数の飛行型通信中継装置によって形成される前記通信経路を介して、前記データを他のストレージ装置へ転送する、という態様であってもよい。
【0020】
本発明のデータの転送方法において、例えば、前記配置決定工程は、前記被災ストレージまでの距離と、前記飛行型通信中継装置の通信可能距離とから、前記飛行型通信中継装置の座標情報を決定する、という態様であってもよい。
【0021】
本発明のデータの中継方法において、例えば、前記操縦制御工程は、被災地が、前記データ転送装置との無線通信が可能な距離外にある場合、他の飛行型通信中継装置と連なって飛行することで、前記被災地まで通信経路を形成するように、前記飛行工程の操縦を制御する、という態様であってもよい。
【0022】
本発明のデータの中継方法において、例えば、前記送信工程は、前記通信経路を介して、前記被災ストレージ装置のデータを前記データ転送装置に送信する、という態様であってもよい。
【0023】
本発明のデータの中継方法において、例えば、前記データ転送装置が、本発明のデータ転送装置である、という態様であってもよい。
【0024】
本発明のプログラムは、本発明のデータの転送方法、データの中継方法、及びデータの復旧方法の少なくとも一つの方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0025】
本発明の記録媒体は、本発明のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0026】
本発明において、被災とは、災害を受けたことを意味する。前記災害は、特に制限されず、例えば、地震、台風、豪雨、寒波、雪崩、火山噴火、酷暑等の自然災害、大火事、大爆発、テロ、ストライキ、戦争、騒乱等の人為的な災害等がある。
【0027】
本発明の実施形態について図を用いて説明する。本発明は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用でき、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0028】
[実施形態1]
図1は、本実施形態のデータ転送装置10の一例の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本装置10は、取得手段11、記憶手段12、配置決定手段13、送信手段14、及び転送手段15を含む。本装置10は、例えば、通信基地局が備える装置であることが好ましい。
【0029】
本装置10は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。また、本装置10は、前記通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。前記通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。前記通信回線網は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、SAN(Storage Area Network)、DTN(Delay Tolerant Networking)等があげられる。無線通信としては、例えば、WiFi(Wireless Fidelity)、Bluetooth(登録商標)等が挙げられる。前記無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、アクセスポイントを介した間接通信のいずれであってもよい。本装置10は、例えば、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、本装置10は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。
【0030】
図2に、本装置10のハードウエア構成のブロック図を例示する。本装置10は、例えば、中央演算装置(CPU,GPU等)101、メモリ102、バス103、記憶手段12、入力装置104、表示装置105、通信デバイス106等を有する。本装置10のハードウエア構成の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して相互に接続されている。
【0031】
中央演算装置(中央処理装置)101は、本装置10の全体の制御を担う。本装置10において、中央演算装置101により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、中央演算装置101が、取得手段11、配置決定手段13、送信手段14、及び転送手段15として機能する。
【0032】
バス103は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、外部データベース、プリンター、ストレージ装置、飛行型通信中継装置等があげられる。本装置10は、例えば、バス103に接続された通信デバイス106により、前記通信回線網に接続でき、前記通信回線網を介して、外部装置と接続することもできる。
【0033】
メモリ102は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。中央演算装置101が処理を行う際には、例えば、後述する記憶手段12に記憶されている本発明のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ102が読み込み、中央演算装置101は、メモリ102からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ102は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0034】
記憶手段12は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶手段12には、本発明のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶手段12は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶手段12は、例えば、記録媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、及びソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。
【0035】
本装置10において、メモリ102及び記憶手段12は、管理者からのアクセス情報及びログ情報、並びに、外部データベース(図示せず)から取得した情報を記憶することも可能である。
【0036】
本装置10は、例えば、さらに、入力装置104、表示装置105を有する。入力装置104は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等である。表示装置105は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等が挙げられる。
【0037】
つぎに、本実施形態のデータの転送方法の一例を、
図3のフローチャートに基づき説明する。本実施形態の転送方法は、例えば、
図1のデータ転送装置10を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態の転送方法は、
図1のデータ転送装置10の使用には限定されない。
【0038】
まず、取得手段11により、飛行型通信中継装置から被災ストレージ装置の座標を取得する(S11)。前記飛行型通信中継装置は、例えば、無人での自動運転が可能であって、データの中継が可能な装置である。具体的には、例えば、ドローン等があげられ、特に、実施形態2記載の飛行型通信中継装置であることが好ましい。前記飛行型通信中継装置は、1つでもよいし、2つ以上であってもよい。前記被災ストレージ装置は、被災したストレージ装置である。前記ストレージ装置は、特に制限されず、例えば、耐災害性を有する筐体、及びバッテリーを含むストレージ装置である。具体的には、例えば、実施形態3記載の災害復旧システムにおけるメインストレージ装置であることが好ましい。前記被災ストレージ装置は、例えば、メインサイトにおけるストレージ装置である。前記取得は、例えば、前記無線通信を介して実施される。
【0039】
つぎに、配置決定手段13により、前記被災ストレージ装置及び予め記憶手段12に記憶した前記通信基地局の座標から、前記飛行型通信中継装置の配置座標を決定する(S12)。前記通信基地局は、特に制限されず、例えば、前記被災ストレージ装置の近隣に存在し、且つ被災していない通信基地局である。
【0040】
つぎに、送信手段14により、前記飛行型通信中継装置に対して、前記決定した配置座標へ移動する移動指示情報を送信する(S13)。前記送信は、例えば、前記無線通信を介して実施される。
【0041】
具体的に、
図4を用いて、配置決定手段13及び送信手段14を説明する。なお、これは、例示であって、
図4の形態に限定されない。
図4において、通信基地局1は、本装置10を備えている。また、
図4において、前記飛行型通信中継装置は、1つであり、ドローン2として示す。ドローン2は、例えば、災害の発生に備えて、常時、通信基地局1に待機している。そして、ドローン2は、例えば、災害発生時に、通信基地局1からの探索指令により、前記探索を開始する。ドローン2は、本装置10(通信基地局1)と通信可能な距離を維持したまま、被災地A周辺を飛行することで、前記被災ストレージ装置が発する発信信号を探索し、前記被災ストレージ装置の座標を特定する。
図4において、ドローン2によって特定された前記被災ストレージ装置の座標を×印で示す。そして、本装置10の配置決定手段13は、ドローン2における通信可能距離(破線で囲った範囲)が、本装置10(通信基地局1)と前記被災ストレージ装置との両方を含むように、ドローン2の配置座標を決定する。ドローン2は、送信手段14から送信された前記移動指示情報に従って、飛行することで、前記配置座標に移動する。前記飛行型通信中継装置が2つ以上の場合は、後述する。
【0042】
つぎに、取得手段11により、さらに、前記配置座標に移動した前記飛行型通信中継装置を介して、前記被災ストレージ装置におけるデータを取得する(S14)。前記取得するデータは、例えば、前記被災ストレージ装置がメインサイトである場合、リモートサイトへの未転送データであってもよいし、前記被災ストレージ装置内の全データであってもよい。この際、前記飛行型通信中継装置は、例えば、ホバリング状態であってもよい。
【0043】
そして、転送手段15により、前記取得したデータを他のストレージ装置へ転送して(S15)、終了する(END)。前記他のストレージ装置は、前記災害による被害を受けていないストレージ装置であり、例えば、リモートサイトにおけるストレージ装置である。前記転送は、例えば、前記無線通信を介して実施される。
【0044】
図5に、前記飛行型通信中継装置が2つ以上のある一例を示す。なお、これは、例示であって、
図5の形態に限定されない。
図5において、前記飛行型通信中継装置(ドローン2)は、6つ存在する。
図5に示すように、ドローン2a~2fは、少なくとも一つのドローン2と通信可能な距離を維持したまま飛行することで通信経路(
図5における一点鎖線)を形成する。また、ドローン2a~2fのうち、少なくとも一つのドローン2(例えば、
図5におけるドローン2a)は、通信基地局1(本装置10)と通信可能な距離を維持したまま飛行する。ドローン2a~2fのうち、例えば、ホバリング状態のドローン2があってもよい。このように、複数のドローン2は、前記通信経路を形成するために、他のドローン2または通信基地局1と通信可能な距離を維持できればよい。これにより、本装置10と複数のドローン2とが、間接的または直接的に通信可能になる。具体的には、例えば、取得手段11は、複数のドローン2のうち、前記被災ストレージ装置の座標を特定したドローン2fから、ドローン2a~2c及び2eで形成される前記通信経路を介して、前記被災ストレージ装置の座標を取得する。
【0045】
そして、前記飛行型通信中継装置が2つ以上のある場合、配置決定手段13は、各ドローン2の配置座標を決定する。前記配置座標は、例えば、ドローン2によって形成される本装置10(通信基地局1)から前記被災ストレージ装置までの前記通信経路(
図5における一点鎖線)が、最短経路となる配置座標でもよいし、障害物等を迂回した経路であってもよい。配置決定手段13は、例えば、前記被災ストレージまでの距離と、各ドローン2における通信可能距離(破線で囲った範囲)とから、各ドローン2の座標情報を決定してもよい。具体的には、例えば、各ドローン2の通信可能距離は、ドローン2を中心として4kmであり、本装置10(通信基地局1)から前記被災ストレージ装置までは、20km離れていたとする。この場合、例えば、4台のドローン2を4km間隔で配置することで、前記通信経路を形成するために配置するドローン2の数を必要最小限にすることができる。このように、本装置10(通信基地局1)から前記被災ストレージ装置までに配置するドローン2の数は、特に制限されず、例えば、通信基地局1に待機している全てのドローン2でもよいし、必要最小限のドローン2でもよい。必要最小限のドローン2の場合は、例えば、余分なドローンは、前記座標情報を待機場所(例えば、通信基地局1等)の座標にしてもよい。
【0046】
そして、前記飛行型通信中継装置が2つ以上のある場合、送信手段14は、各ドローン2に対して、前記移動指示情報を前記通信経路により送信する。具体的には、例えば、前記移動指示情報は、前記通信経路により、飛行中のドローン2a~2fに送信される。取得手段11は、例えば、前記配置座標に到着したドローン2によって形成される前記被災ストレージ装置と繋がっている通信経路(
図5右側におけるドローン2a~2dで形成される一点鎖線)により、前記被災ストレージ装置におけるデータを取得する。そして、転送手段15は、各ドローン2によって形成される通信経路を介して、前記データを前記他のストレージ装置へ転送する。
【0047】
本実施形態のデータ転送装置10によれば、被災ストレージ装置を回収する必要がないため、容易にデータを復旧することができる。また、本装置10によれば、データの復旧までにかかる時間を短縮することができる。
【0048】
[実施形態2]
図6は、本実施形態の飛行型通信中継装置20の一例の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、本装置20は、飛行手段21、探索手段22、座標特定手段23、無線通信手段24、及び操縦制御手段25を含む。また、無線通信手段24は、取得手段241及び送信手段242を含む。
【0049】
本装置20は、例えば、無人での自動運転が可能な装置である。本装置20としては、例えば、ドローン等があげられる。本装置20の自動操縦方式は、特に制限されず、例えば、GPS方式が利用できる。前記GPS方式は、例えば、本装置20の現在座標と、目的地(例えば、後述する移動指示情報によって指示された場所、被災地等)の座標を測位し、飛行ルートを設定する方式である。また、本装置20は、通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。前記通信回線網は、特に制限されず、例えば、前述と同様である。本装置20は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたドローン等であってもよい。
【0050】
図7に、本装置20のハードウエア構成のブロック図を例示する。本装置20は、例えば、中央演算装置(CPU,GPU等)101、メモリ102、バス103、入力装置104、表示装置105、通信デバイス106、記憶装置107等を有する。本装置20のハードウエア構成の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して相互に接続されている。
【0051】
中央演算装置(中央処理装置)101は、本装置10の全体の制御を担う。本装置10において、中央演算装置101により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、中央演算装置101が、探索手段22、座標特定手段23、及び操縦制御手段25として機能する。
【0052】
バス103は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、外部データベース、プリンター、ストレージ装置、他の飛行型通信中継装置、通信基地局等があげられる。本装置20は、例えば、バス103に接続された通信デバイス106により、前記通信回線網に接続でき、前記通信回線網を介して、外部装置と接続することもできる。具体的には、例えば、通信デバイス106が、無線通信手段24として機能する。
【0053】
メモリ102は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。中央演算装置101が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置107に記憶されている本発明のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ102が読み込み、中央演算装置101は、メモリ102からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ102は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0054】
記憶装置107は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置107には、本発明のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶装置107は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶装置107は、例えば、記録媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、及びソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。
【0055】
本装置20において、メモリ102及び記憶装置107は、管理者からのアクセス情報及びログ情報、並びに、外部データベース(図示せず)から取得した情報を記憶することも可能である。
【0056】
本装置20は、例えば、さらに、入力装置104、表示装置105、飛行手段21を有する。入力装置104は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等である。表示装置105は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等があげられる。飛行手段21は、例えば、プロペラ、モータ、フライトコントローラがあげられるが、飛行を実現し得る手段であれば、その種類は問わない。
【0057】
つぎに、本実施形態のデータの中継方法の一例を、
図8のフローチャートに基づき説明する。本実施形態の中継方法は、例えば、
図6の飛行型通信中継装置20を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態の中継方法は、
図6の飛行型通信中継装置20の使用には限定されない。
【0058】
まず、探索手段22は、飛行手段21及び操縦制御手段25により、無線通信手段24とデータ転送装置との無線通信が可能な距離を維持したまま、被災地方向へ飛行して、被災ストレージ装置の発信信号を探索する(S21)。前記被災ストレージ装置は、例えば、前述と同様であり、特に、実施形態3記載の災害復旧システムにおけるメインストレージ装置であることが好ましい。前記データ転送装置は、特に制限されず、例えば、前記被災ストレージ装置のデータを前記災害による被害を受けていない他のストレージ装置に転送する装置である。具体的には、例えば、実施形態1記載のデータ転送装置があげられる。前記データ転送装置は、例えば、通信基地局が備えている装置である。
【0059】
つぎに、無線通信手段24における取得手段241により、前記発信信号を取得する(S22)。
【0060】
つぎに、座標特定手段23により、前記取得した発信信号から、前記被災ストレージ装置の座標を特定する(S23)。具体的には、例えば、前記発信信号に含まれている前記被災ストレージ装置の現在座標から特定してもよいし、前記発信信号を取得した場所から一定の範囲を前記被災ストレージ装置の座標と特定してもよい。
【0061】
つぎに、無線通信手段24における送信手段242により、前記被災ストレージ装置の座標をデータ転送装置に送信する(S24)。
【0062】
つぎに、無線通信手段24における取得手段241により、前記データ転送装置から移動指示情報を取得する(S25)。前記移動指示情報は、例えば、本装置20に対し、前記データ転送装置によって指定された座標へ移動するように指示する情報である。
【0063】
つぎに、操縦制御手段25により、前記移動指示情報に従って飛行手段21の操縦を制御する(S26)。これにより、本装置20は、例えば、自動操縦を行うことができる。
【0064】
つぎに、無線通信手段24における取得手段241により、前記移動指示情報が指示する配置座標まで飛行したとき、前記被災ストレージ装置のデータを取得する(S27)。前記取得するデータは、例えば、前記被災ストレージ装置の全データでもよいし、他のストレージ装置への未転送データでもよい。
【0065】
そして、無線通信手段24における送信手段242により、前記被災ストレージ装置のデータを前記データ転送装置に送信し(S28)、終了する(END)。すなわち、本装置20は、前記被災ストレージ装置のデータを前記データ転送装置へ送信するために、中継しているともいえる。
【0066】
操縦制御手段25は、例えば、被災地が、前記データ転送装置との無線通信が可能な距離外にある場合、他の飛行型通信中継装置と連なって飛行することで、前記被災地まで通信経路を形成するように、前記飛行手段の操縦を制御してもよい。前記他の飛行型通信中継装置は、無線通信によって通信経路を形成可能な装置であればよく、例えば、本装置20と同じ構成であることが好ましい。本装置20及び前記他の飛行型通信中継装置の少なくとも一方の前記飛行は、例えば、ホバリング状態であってもよい。この場合、無線通信手段24における送信手段242は、例えば、前記通信経路を介して、前記被災ストレージ装置のデータを前記データ転送装置に送信してもよい。
【0067】
本実施形態の飛行型通信中継装置20によれば、被災ストレージ装置を回収する必要がないため、容易にデータを復旧することができる。また、本装置20によれば、データの復旧までにかかる時間を短縮することができる。被災地は、例えば、交通手段や通信手段等のインフラ設備が被害を受けている場合や、被災ストレージ装置が存在する場所まで近づくことができない場合が多い。そのような場合であっても、本装置20によれば、被災地に容易に向かうことができ、データを復旧することができる。さらに、作業員が被災地に行く必要もないため、作業員の安全性が確保される。
【0068】
[実施形態3]
図9は、本実施形態の災害復旧システムの一例の構成を示す模式図である。本システムは、
図9に示すように、通信基地局1、実施形態2記載の飛行型通信中継装置20、メインストレージ装置30、及びリモートストレージ装置40を含む。通信基地局1は、前記実施形態1記載のデータ転送装置10を含む。通信基地局1は、例えば、通信回線網(図示せず)により、飛行型通信中継装置20と、リモートストレージ装置40と通信可能である。前記通信回線網は、例えば、前述と同様である。また、メインストレージ装置30は、前記通信回線網(図示せず)により、飛行型通信中継装置20と通信可能である。メインストレージ装置30は、例えば、被災地であるメインサイトにおけるストレージ装置である。また、リモートストレージ装置40は、例えば、前記被災地とは遠隔地にあるリモートサイトのストレージ装置である。本実施形態の災害復旧システムは、例えば、災害復旧システム装置ともいう。
図9において、矢印は、前記リモートサイトのリモートストレージ装置40までの前記メインサイトのメインストレージ装置30におけるデータ(マスタデータ等)の流れの一例を示す。
【0069】
図10は、本システムにおけるメインストレージ装置30の一例の構成を示す模式図である。
図10に示すように、メインストレージ装置30は、耐災害性を有する筐体31、及びバッテリー32を含む。前記耐災害性とは、前記災害に耐えうる性質(例えば、耐水性、耐衝撃性等)をいう。メインストレージ装置30は、筐体31の内部に、記憶手段311、位置情報発信手段312、及び送信手段313を含む。メインストレージ装置30は、例えば、前記被災ストレージ装置である。
【0070】
図11に、メインストレージ装置30のハードウエア構成のブロック図を例示する。メインストレージ装置30は、例えば、中央演算装置(CPU,GPU等)101、メモリ102、バス103、入力装置104、表示装置105、通信デバイス106、記憶手段311、バッテリー32、等を有する。メインストレージ装置30のハードウエア構成の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して相互に接続されている。
【0071】
中央演算装置(中央処理装置)101は、メインストレージ装置30の全体の制御を担う。メインストレージ装置30において、中央演算装置101により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、中央演算装置101が、位置情報発信手段312、及び送信手段313として機能する。
【0072】
バス103は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、外部データベース、プリンター、飛行型通信中継装置等があげられる。メインストレージ装置30は、例えば、バス103に接続された通信デバイス106により、前記通信回線網に接続でき、前記通信回線網を介して、外部装置と接続することもできる。
【0073】
メモリ102は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。中央演算装置101が処理を行う際には、例えば、後述する記憶手段311に記憶されている本発明のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ102が読み込み、中央演算装置101は、メモリ102からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ102は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0074】
記憶手段311は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶手段311には、本発明のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶手段311は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶手段311は、例えば、記録媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、及びソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。
【0075】
メインストレージ装置30において、メモリ102及び記憶手段311は、管理者からのアクセス情報及びログ情報、並びに、外部データベース(図示せず)から取得した情報を記憶することも可能である。
【0076】
メインストレージ装置30は、例えば、さらに、入力装置104、表示装置105を有する。入力装置104は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等である。表示装置105は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等があげられる。
【0077】
バッテリー手段32は、外部の給電装置から電力を供給され、メインストレージ装置30において電力を必要とする各部に電力を供給する。また、バッテリー手段32は、例えば、外部の給電装置から電力を供給されることにより、充電される。これにより、バッテリー手段32は、外部の給電装置からの電力供給がない状態でも、一定期間の間、各部に電力を供給可能である。なお、バッテリー手段32は、非接触型の電力伝送方式により外部の給電装置から電力を供給されるものであってもよい。非接触型の電力伝送方式としては、例えば、国際標準規格のQi等があげられる。
【0078】
リモートストレージ装置40は、記憶手段を含む。リモートストレージ装置40のその他の構成は、例えば、メインストレージ装置30における構成と同様である。
【0079】
図12のフローチャートを用いて、本システムにおける処理(データの復旧方法)を示す。
【0080】
まず、メインストレージ装置30における位置情報発信手段312により、メインストレージ装置30の位置情報を含む発信信号を発信する(S1)。前記発信信号は、例えば、通信デバイス106を介して外部に発信される。前記発信信号の発信は、例えば、所定のタイミング毎に実施してもよい。前記発信信号の発信は、例えば、前記災害の発生時から行われてもよい。前記災害の発生は、例えば、メインストレージ装置30が災害発生検知手段を含むことで検知してもよい。また、ストレージ装置30が、通信回線網を介して、災害発生情報(例えば、緊急地震速報、津波注意報等)を取得することで、前記災害の発生を検知してもよい。
【0081】
つぎに、飛行型通信中継装置20における探索手段22により、メインストレージ装置30が発信する発信信号を探索する(S2)。飛行型通信中継装置20は、例えば、災害の発生に備えて、常時、通信基地局1に待機している。そして、飛行型通信中継装置20は、例えば、災害発生時に、通信基地局1からの探索指令により、前記探索を開始する。通信基地局1は、例えば、前記リモートサイトの装置によって決定された、前記被災地の近隣であり、且つ被災していない通信基地局である。
【0082】
つぎに、飛行型通信中継装置20における取得手段241により、前記発信信号を取得する(S3)。飛行型通信中継装置20が複数あり、且つ連なって飛行している場合、例えば、少なくとも一つの飛行型通信中継装置20が前記発信信号を取得すればよい。
【0083】
つぎに、飛行型通信中継装置20における座標特定手段23により、前記取得した発信信号からメインストレージ装置30の座標を特定する(S4)。飛行型通信中継装置20が複数ある場合は、例えば、前記発信信号を取得した少なくとも一つの飛行型通信中継装置20が前記座標を特定すればよい。
【0084】
つぎに、飛行型通信中継装置20における送信手段242により、メインストレージ装置30の座標をデータ転送装置10に送信する(S5)。飛行型通信中継装置20が複数ある場合は、例えば、複数の飛行型通信中継装置20で形成される前記通信経路により、前記座標データ転送装置10に送信する。
【0085】
つぎに、データ転送装置10における取得手段11により、飛行型通信中継装置20からメインストレージ装置30の座標を取得する(S6)。
【0086】
つぎに、データ転送装置10における配置決定手段13により、メインストレージ装置30の座標及び予め記憶している通信基地局1の座標から、飛行型通信中継装置20の配置座標を決定する(S7)。
【0087】
つぎに、データ転送装置10における送信手段14により、飛行型通信中継装置20に対して、前記決定した配置座標へ移動する移動指示情報を送信する(S8)。飛行型通信中継装置20が複数ある場合は、例えば、前記通信経路を介して、全ての飛行型通信中継装置20に対して前記移動指示情報を送信する。
【0088】
つぎに、飛行型通信中継装置20における取得手段241により、データ転送装置10から前記移動指示情報を取得する(S9)。飛行型通信中継装置20が複数ある場合は、例えば、前記通信経路を介して、全ての飛行型通信中継装置20が前記移動指示情報を取得する。
【0089】
つぎに、飛行型通信中継装置20における操縦制御手段25により、前記移動指示情報に従って飛行手段21の操縦を制御する(S10)。
【0090】
つぎに、メインストレージ装置30における送信手段313により、記憶手段311に格納されているデータを前記移動指示情報が指示する配置座標に到着した飛行型通信中継装置20に送信する(S11)。前記送信するデータは、例えば、記憶手段311に格納されている全データでもよいし、リモートストレージ装置40への未転送データでもよい。また、前記送信するデータは、例えば、記憶手段311に格納されているデータの複製データでもよいし、生データ(マスタデータ)でもよい。飛行型通信中継装置20が複数ある場合は、例えば、メインストレージ装置30と直接的に通信可能な飛行型通信中継装置20に前記データを送信する。
【0091】
つぎに、飛行型通信中継装置20における取得手段241により、前記移動指示情報が指示する配置座標に到着したとき、メインストレージ装置30のデータを取得する(S12)。飛行型通信中継装置20が複数ある場合は、例えば、メインストレージ装置30と直接的に通信可能な飛行型通信中継装置20が前記データを取得する。
【0092】
つぎに、飛行型通信中継装置20における送信手段242により、メインストレージ装置30のデータをデータ転送装置10に送信する(S13)。飛行型通信中継装置20が複数ある場合は、例えば、前記データを取得した飛行型通信中継装置20から、前記通信経路を介して、データ転送装置10にデータを送信する。すなわち、メインストレージ装置30からデータ転送装置10へのデータの送信を、飛行型通信中継装置20が中継しているといえる。
【0093】
つぎに、データ転送装置10における取得手段11により、前記配置座標に移動した飛行型通信中継装置20を介して、メインストレージ装置30における前記データを取得する(S14)。
【0094】
つぎに、データ転送装置10における転送手段15により、前記取得したデータをリモートストレージ装置40へ転送する(S15)。
【0095】
そして、リモートストレージ装置40における前記記憶手段は、データ転送装置10から転送された前記データを格納し、(S16)、終了する(END)。
【0096】
本実施形態の災害復旧システムによれば、例えば、被災したメインストレージ装置30を回収する必要がないため、容易にデータを復旧することができる。また、本システムによれば、データの復旧までにかかる時間を短縮することができる。さらに、本システムによれば、被災地に容易に向かうことができ、データを復旧することができる。さらに、作業員が被災地に行く必要もないため、作業員の安全性が確保される。
【0097】
[実施形態4]
本実施形態のプログラムは、前記各実施形態の方法の各工程を、手順として、コンピュータに実行させるためのプログラムである。本発明において、「手順」は、「処理」と読み替えてもよい。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。前記記録媒体としては、特に限定されず、例えば、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。
【0098】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0099】
<付記>
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
取得手段、記憶手段、配置決定手段、送信手段、及び転送手段を含み、
前記取得手段は、飛行型通信中継装置から被災ストレージ装置の座標を取得し、
前記記憶手段は、通信基地局の座標を記憶し、
前記配置決定手段は、前記被災ストレージ装置及び前記通信基地局の座標から、前記飛行型通信中継装置の配置座標を決定し、
前記送信手段は、前記飛行型通信中継装置に対して、前記決定した配置座標へ移動する移動指示情報を送信し、
前記取得手段は、さらに、前記配置座標に移動した前記飛行型通信中継装置を介して、前記被災ストレージ装置におけるデータを取得し、
前記転送手段は、前記取得したデータを他のストレージ装置へ転送する、データ転送装置。
(付記2)
前記飛行型通信中継装置が複数あり、
前記複数の飛行型通信中継装置は、少なくとも一つの前記飛行型通信中継装置と通信可能な距離を維持したまま飛行することで通信経路を形成し、
前記取得手段は、前記複数の飛行型通信中継装置のうち、少なくとも一つの前記飛行型通信中継装置が特定した前記被災ストレージ装置の座標を前記通信経路により取得し、
前記配置決定手段は、前記複数の飛行型通信中継装置の配置座標を決定し、
前記送信手段は、前記複数の飛行型通信中継装置に対して、前記移動指示情報を前記通信経路により送信し、
前記転送手段は、前記複数の飛行型通信中継装置によって形成される前記通信経路を介して、前記データを他のストレージ装置へ転送する、付記1記載のデータ転送装置。
(付記3)
前記配置決定手段は、前記被災ストレージまでの距離と、前記飛行型通信中継装置の通信可能距離とから、前記飛行型通信中継装置の座標情報を決定する、付記2記載のデータ転送装置。
(付記4)
飛行手段、探索手段、座標特定手段、無線通信手段、及び操縦制御手段を含み、
前記探索手段は、前記飛行手段及び前記操縦制御手段により、前記無線通信手段とデータ転送装置との無線通信が可能な距離を維持したまま、被災地方向へ飛行して、被災ストレージ装置の発信信号を探索し、
前記無線通信手段は、取得手段及び送信手段を含み、
前記取得手段は、前記発信信号を取得し、
前記座標特定手段は、前記取得した発信信号により、前記被災ストレージ装置の座標を特定し、
前記送信手段は、前記被災ストレージ装置の座標を前記データ転送装置に送信し、
前記取得手段は、さらに、前記データ転送装置から移動指示情報を取得し、
前記操縦制御手段は、前記移動指示情報に従って前記飛行手段の操縦を制御し、
前記取得手段は、前記移動指示情報が指示する配置座標まで飛行したとき、前記被災ストレージ装置のデータを取得し、
前記送信手段は、さらに、前記被災ストレージ装置のデータを前記データ転送装置に送信する、飛行型通信中継装置。
(付記5)
前記操縦制御手段は、被災地が、前記データ転送装置との無線通信が可能な距離外にある場合、他の飛行型通信中継装置と連なって飛行することで、前記被災地まで通信経路を形成するように、前記飛行手段の操縦を制御する、付記4記載の飛行型通信中継装置。
(付記6)
前記送信手段は、前記通信経路を介して、前記被災ストレージ装置のデータを前記データ転送装置に送信する、付記5記載の飛行型通信中継装置。
(付記7)
前記データ転送装置が、付記1から3のいずれかに記載のデータ転送装置である、付記4から6のいずれかに記載の飛行型通信中継装置。
(付記8)
通信基地局、付記4から7のいずれかに記載の飛行型通信中継装置、メインストレージ装置、及びリモートストレージ装置を含み、
前記通信基地局は、付記1から3のいずれかに記載のデータ転送装置を含み、
前記通信基地局は、前記飛行型通信中継装置と、前記リモートストレージ装置と通信可能であり、
前記メインストレージ装置は、前記飛行型通信中継装置と通信可能であり、
前記メインストレージ装置は、耐災害性を有する筐体、及びバッテリーを含み、
前記筐体の内部に、記憶手段、位置情報発信手段、及び送信手段を含み、
前記位置情報発信手段は、前記メインストレージ装置の位置情報を含む発信信号を発信し、
前記送信手段は、前記記憶手段に格納されているデータを前記飛行型通信中継装置に送信し、
前記バッテリーは、前記メインストレージ装置において電力を必要とする各部に電力供給をし、
前記飛行型通信中継装置は、
前記探索手段により、前記メインストレージ装置が発信する発信信号を探索し、
前記取得手段により、前記発信信号を取得し、
前記座標特定手段により、メインストレージ装置の座標を特定し、
前記送信手段により、前記メインストレージ装置の座標をデータ転送装置に送信し、
前記取得手段により、前記データ転送装置から前記移動指示情報を取得し、
前記操縦制御手段により、前記移動指示情報に従って前記飛行手段の操縦を制御し、
前記取得手段により、前記メインストレージ装置のデータを取得し、
前記送信手段により、前記メインストレージ装置のデータを前記データ転送装置に送信し、
前記データ転送装置は、
前記取得手段により、前記飛行型通信中継装置から前記メインストレージ装置の座標を取得し、
前記配置決定手段により、前記メインストレージ装置の座標及び前記通信基地局の座標から、前記飛行型通信中継装置の配置座標を決定し、
前記送信手段により、前記飛行型通信中継装置に対して、前記決定した配置座標へ移動する移動指示情報を送信し、
前記取得手段により、前記配置座標に移動した前記飛行型通信中継装置を介して、前記メインストレージ装置における前記データを取得し、
前記転送手段により、前記データを前記リモートストレージへ転送し、
前記リモートストレージ装置は、記憶手段を含み、
前記記憶手段は、前記データ転送装置から転送された前記データを格納する、災害復旧システム。
(付記9)
取得工程、配置決定工程、送信工程、及び転送工程を含み、
前記取得工程は、飛行型通信中継装置から被災ストレージ装置の座標を取得し、
前記配置決定工程は、前記被災ストレージ装置及び予め記憶した通信基地局の座標から、前記飛行型通信中継装置の配置座標を決定し、
前記送信工程は、前記飛行型通信中継装置に対して、前記決定した配置座標へ移動する移動指示情報を送信し、
前記取得工程は、さらに、前記配置座標に移動した前記飛行型通信中継装置を介して、前記被災ストレージ装置におけるデータを取得し、
前記転送工程は、前記取得したデータを他のストレージ装置へ転送する、データの転送方法。
(付記10)
前記飛行型通信中継装置が複数あり、
前記複数の飛行型通信中継装置は、少なくとも一つの前記飛行型通信中継装置と通信可能な距離を維持したまま飛行することで通信経路を形成し、
前記取得工程は、前記複数の飛行型通信中継装置のうち、少なくとも一つの前記飛行型通信中継装置が特定した前記被災ストレージ装置の座標を前記通信経路により取得し、
前記配置決定工程は、前記複数の飛行型通信中継装置の配置座標を決定し、
前記送信工程は、前記複数の飛行型通信中継装置に対して、前記移動指示情報を前記通信経路により送信し、
前記転送工程は、前記複数の飛行型通信中継装置によって形成される前記通信経路を介して、前記データを他のストレージ装置へ転送する、付記9記載の転送方法。
(付記11)
前記配置決定工程は、前記被災ストレージまでの距離と、前記飛行型通信中継装置の通信可能距離とから、前記飛行型通信中継装置の座標情報を決定する、付記10記載の転送方法。
(付記12)
探索工程、座標特定工程、無線通信工程、及び操縦制御工程を含み、
前記探索工程は、前記操縦制御工程により、データ転送装置との無線通信が可能な距離を維持したまま、被災地方向へ飛行して、被災ストレージ装置の発信信号を探索し、
前記無線通信工程は、取得工程及び送信工程を含み、
前記取得工程は、前記発信信号を取得し、
前記座標特定工程は、前記取得した発信信号により、前記被災ストレージ装置の座標を特定し、
前記送信工程は、前記被災ストレージ装置の座標を前記データ転送装置に送信し、
前記取得工程は、さらに、前記データ転送装置から移動指示情報を取得し、
前記操縦制御工程は、前記移動指示情報に従って飛行手段の操縦を制御し、
前記取得工程は、前記移動指示情報が指示する配置座標まで飛行したとき、前記被災ストレージ装置のデータを取得し、
前記送信工程は、さらに、前記被災ストレージ装置のデータを前記データ転送装置に送信する、データの中継方法。
(付記13)
前記操縦制御工程は、被災地が、前記データ転送装置との無線通信が可能な距離外にある場合、他の飛行型通信中継装置と連なって飛行することで、前記被災地まで通信経路を形成するように、前記飛行工程の操縦を制御する、付記12記載の中継方法。
(付記14)
前記送信工程は、前記通信経路を介して、前記被災ストレージ装置のデータを前記データ転送装置に送信する、付記13記載の中継方法。
(付記15)
前記データ転送装置が、付記1から3のいずれかに記載のデータ転送装置である、付記12から14のいずれかに記載の中継方法。
(付記16)
通信基地局、付記12から15のいずれかに記載の中継方法を実行可能な飛行型通信中継装置、メインストレージ装置、及びリモートストレージ装置を含み、
前記通信基地局は、付記9から11のいずれかに記載の転送方法を実行可能なデータ転送装置を含み、
前記通信基地局は、前記飛行型通信中継装置と、前記リモートストレージ装置と通信可能であり、
前記メインストレージ装置は、前記飛行型通信中継装置と通信可能であり、
前記メインストレージ装置は、位置情報発信工程、及び送信工程を含む処理を実行し、
前記位置情報発信工程は、前記メインストレージ装置の位置情報を含む発信信号を発信し、
前記送信工程は、記憶手段に格納されているデータを前記飛行型通信中継装置に送信し、
前記飛行型通信中継装置は、
前記探索工程により、前記メインストレージ装置が発信する発信信号を探索し、
前記取得工程により、前記発信信号を取得し、
前記座標特定工程により、メインストレージ装置の座標を特定し、
前記送信工程により、前記メインストレージ装置の座標をデータ転送装置に送信し、
前記取得工程により、前記データ転送装置から前記移動指示情報を取得し、
前記操縦制御工程により、前記移動指示情報に従って前記飛行手段の操縦を制御し、
前記取得工程により、前記メインストレージ装置のデータを取得し、
前記送信工程により、前記メインストレージ装置のデータを前記データ転送装置に送信し、
前記データ転送装置は、
前記取得工程により、前記飛行型通信中継装置から前記メインストレージ装置の座標を取得し、
前記配置決定工程により、前記メインストレージ装置の座標及び前記通信基地局の座標から、前記飛行型通信中継装置の配置座標を決定し、
前記送信工程により、前記飛行型通信中継装置に対して、前記決定した配置座標へ移動する移動指示情報を送信し、
前記取得工程により、前記配置座標に移動した前記飛行型通信中継装置を介して、前記メインストレージ装置における前記データを取得し、
前記転送工程により、前記データを前記リモートストレージへ転送し、
前記リモートストレージ装置は、記憶工程を含み、
前記記憶工程は、前記データ転送装置から転送された前記データを格納する、データの復旧方法。
(付記17)
付記9から16のいずれかに記載の方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
(付記18)
付記17記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明によれば、例えば、容易にデータを復旧することができる。このため、本発明は、例えば、災害発生時において、データの復旧を行う場合に、特に有用である。
【符号の説明】
【0101】
1 通信基地局
2 ドローン
10 データ転送装置
11 取得手段
12 記憶手段
13 配置決定手段
14 送信手段
15 転送手段
20 飛行型通信中継装置
21 飛行手段
22 探索手段
23 座標特定手段
24 無線通信手段
241 取得手段
242 送信手段
25 操縦制御手段
30 メインストレージ装置
31 筐体
311 記憶手段
312 位置情報発信手段
313 送信手段
32 バッテリー
40 リモートストレージ装置
101 中央演算装置
102 メモリ
103 バス
104 入力装置
105 表示装置
106 通信デバイス
107 記憶装置