IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社エッチ・エル・ピーの特許一覧

<>
  • 特許-住宅設備品選定装置 図1
  • 特許-住宅設備品選定装置 図2
  • 特許-住宅設備品選定装置 図3
  • 特許-住宅設備品選定装置 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】住宅設備品選定装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20240618BHJP
【FI】
G06Q50/08
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020153146
(22)【出願日】2020-09-11
(65)【公開番号】P2022047313
(43)【公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】520353178
【氏名又は名称】株式会社エッチ・エル・ピー
(74)【代理人】
【識別番号】100176256
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 隆敬
(72)【発明者】
【氏名】田邉 隆
【審査官】石川 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-119142(JP,A)
【文献】特開2013-191010(JP,A)
【文献】特開2006-085536(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の空間に設置された所定種類の一の住宅設備品を交換するに当たり、前記所定の空間に設置可能な前記所定種類の他の住宅設備品を選定するための住宅設備品選定装置であって、
前記所定種類に属する複数の住宅設備品のそれぞれを特定するための特定情報と、各住宅設備品の少なくとも一部のスペックに関するスペック情報と、各特定情報で特定される住宅設備品に互換可能な一又は複数の住宅設備品に関する互換情報と、を記憶した記憶部と、
前記一の住宅設備品の特定情報を入力するための入力部と、
前記互換情報を参照して、前記入力された特定情報で特定される一の住宅設備品に互換可能な一又は複数の住宅設備品を抽出する制御部と、
前記抽出された一又は複数の住宅設備品に関するスペック情報の少なくとも一部を出力する出力部と、
を備え、
前記記憶部には、互換可能な住宅設備品同士であっても、設置空間上の注意度及び隣接する他の住宅設備品との注意度の少なくとも一方が高い住宅設備品同士の組み合わせが更に記憶されており、
前記出力部は、前記抽出された一又は複数の住宅設備品に関するスペック情報を、前記注意度が高い住宅設備品と、それ以外の住宅設備品と、で区別して出力することを特徴とする住宅設備品選定装置。
【請求項2】
前記記憶部には、前記注意度が高い住宅設備品同士の組み合わせに関しては、両者のスペック情報の差異を考慮した設置上の注意事項が更に記憶されており、
前記出力部は、前記抽出された一又は複数の住宅設備品が前記注意度が高い住宅設備品である場合、前記注意事項を出力可能であることを特徴とする請求項1に記載の住宅設備品選定装置。
【請求項3】
前記記憶部には、前記注意度が高い住宅設備品同士の組み合わせに関しては、設置空間及び隣接する他の住宅設備品の少なくとも一方を把握するために必要な撮影箇所に関する撮影箇所情報が更に記憶されており、
前記出力部は、前記抽出された一又は複数の住宅設備品が前記注意度が高い住宅設備品である場合、前記撮影箇所情報を出力可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の住宅設備品選定装置。
【請求項4】
前記スペック情報は、各住宅設備品の寸法情報を含んでおり、
前記出力部は、前記寸法情報を参照して、前記一の住宅設備品と、前記抽出された一又は複数の住宅設備品と、の寸法の差異を出力可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に住宅設備品選定装置。
【請求項5】
前記記憶部には、前記住宅設備品のメーカー名ごとに、前記特定情報としての品番又は型式の前記住宅設備品における推定表示箇所が記憶されており、
前記入力部には、前記メーカー名も入力可能であり、
前記出力部は、前記入力部に前記メーカー名が入力された場合には、前記入力されたメーカー名に対応した推定表示箇所を出力可能であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の住宅設備品選定装置。
【請求項6】
所定の空間に設置された所定種類の一の住宅設備品を交換するに当たり、前記所定の空間に設置可能な前記所定種類の他の住宅設備品を選定するための住宅設備品選定プログラムであり、前記所定種類に属する複数の住宅設備品のそれぞれを特定するための特定情報と、各住宅設備品の少なくとも一部のスペックに関するスペック情報と、各特定情報で特定される住宅設備品に互換可能な一又は複数の住宅設備品に関する互換情報と、互換可能な住宅設備品同士であっても設置空間上の注意度及び隣接する他の住宅設備品との注意度の少なくとも一方が高い住宅設備品同士の組み合わせと、が記憶され、前記一の住宅設備品の特定情報を入力可能なコンピュータで実行されるプログラムであって、前記コンピュータに、
前記互換情報を参照して、前記入力された特定情報で特定される一の住宅設備品に互換可能な一又は複数の住宅設備品を抽出するステップと、
前記抽出された一又は複数の住宅設備品に関するスペック情報の少なくとも一部を出力するステップと、
実行させ
前記出力するステップでは、前記抽出された一又は複数の住宅設備品に関するスペック情報を、前記注意度が高い住宅設備品と、それ以外の住宅設備品と、で区別して出力することを特徴とする住宅設備品選定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の空間に設置された所定種類の一の住宅設備品を交換するに当たり、当該所定の空間に設置可能な当該所定種類の他の住宅設備品を選定するための住宅設備品選定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、住宅メーカー担当者と住宅購入予定者との間で本打ち合わせに近いものとなるようなやりとりを低コストで実現可能とするために、キッチン装置等の設備を重ね合わせた間取り情報を端末装置へ送信することで、購入予定者は、インテリア・エクステリアの設定変更による価格の変更や間取り情報の変更の様子を容易に把握することが可能になる住宅販売支援装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-35990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したような住宅購入の際の住宅設備品の選定の場合、住宅(フロア)全体という広い空間への設置であり、また、他の住宅設備品が設置されていない状況であるため、住宅設備品の組み合わせをリモートで選定したとしても、選定した住宅設備品を設置に赴いた際に「設置することができない」という問題が生じる可能性は低い。
【0005】
一方で、住宅設備品(トイレ等)の交換の場合には、既に設置空間は決まっており、また、他の住宅設備品が隣接して設置されている等の状況であるため、互換可能な住宅設備品を持参したとしても、「隣接して設置されている他の住宅設備品等の存在により設置することができない」、「設置することはできたが、隣接して設置されている他の住宅設備品等の存在により扉が開かなくなった」等の問題が頻繁に生じる。
【0006】
そのため、住宅設備品(トイレ等)の交換の場合には、「工務店等の作業員が設置空間の現地調査に赴き、その後、住宅設備品を選定した上で、選定した住宅設備品の設置に再度赴く」という二度手間が生じていた。更に、経験の浅い作業員の場合、現地調査を行ったとしても「隣接して設置されている他の住宅設備品等の存在により設置することができない」、「設置することはできたが、隣接して設置されている他の住宅設備品等の存在により扉が開かなくなった」等の問題を見落としてしまう事態も生じていた。
【0007】
そこで、本発明は、所定の空間に設置された所定種類の一の住宅設備品を交換するに当たり、当該所定の空間に設置可能な当該所定種類の他の住宅設備品をリモートでも適切に選定することが可能な住宅設備品選定装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、所定の空間に設置された所定種類の一の住宅設備品を交換するに当たり、前記所定の空間に設置可能な前記所定種類の他の住宅設備品を選定するための住宅設備品選定装置であって、前記所定種類に属する複数の住宅設備品のそれぞれを特定するための特定情報と、各住宅設備品の少なくとも一部のスペックに関するスペック情報と、各特定情報で特定される住宅設備品に互換可能な一又は複数の住宅設備品に関する互換情報と、を記憶した記憶部と、前記一の住宅設備品の特定情報を入力するための入力部と、前記互換情報を参照して、前記入力された特定情報で特定される一の住宅設備品に互換可能な一又は複数の住宅設備品を抽出する制御部と、前記抽出された一又は複数の住宅設備品に関するスペック情報の少なくとも一部を出力する出力部と、を備え、前記記憶部には、互換可能な住宅設備品同士であっても、設置空間上の注意度及び隣接する他の住宅設備品との注意度の少なくとも一方が高い住宅設備品同士の組み合わせが更に記憶されており、前記出力部は、前記抽出された一又は複数の住宅設備品に関するスペック情報を、前記注意度が高い住宅設備品と、それ以外の住宅設備品と、で区別して出力することを特徴とする住宅設備品選定装置を提供している。
【0009】
このような構成によれば、業者等のユーザが、「隣接して設置されている他の住宅設備品等の存在により設置することができない」、「設置することはできたが、隣接して設置されている他の住宅設備品等の存在により扉が開かなくなった」等の可能性を考慮した上で、リモートであっても現地調査なしで、抽出された一又は複数の住宅設備品の中から実際に設置可能な住宅設備品Fを顧客Yに提案することが可能となる。
【0010】
また、前記記憶部には、前記注意度が高い住宅設備品同士の組み合わせに関しては、両者のスペック情報の差異を考慮した設置上の注意事項が更に記憶されており、前記出力部は、前記抽出された一又は複数の住宅設備品が前記注意度が高い住宅設備品である場合、前記注意事項を出力可能であることが好ましい。
【0011】
このような構成によれば、経験の浅い作業員等が設置上の問題点を見落としてしまう可能性がより低減される。
【0012】
前記記憶部には、前記注意度が高い住宅設備品同士の組み合わせに関しては、設置空間及び隣接する他の住宅設備品の少なくとも一方を把握するために必要な撮影箇所に関する撮影箇所情報が更に記憶されており、前記出力部は、前記抽出された一又は複数の住宅設備品が前記注意度が高い住宅設備品である場合、前記撮影箇所情報を出力可能であることが好ましい。
【0013】
このような構成によれば、設置空間に住宅設備品Fを設置可能かどうか又は設置空間に設置した際に他の住宅設備品との問題が生じないかを把握するために設置空間を実際に見なければならない場合であっても、撮影箇所情報を顧客Yに送信し、撮影データを返送してもらうことで、設置可能か否かをリモートでありながら適切に判断することが可能となる。
【0014】
また、前記スペック情報は、各住宅設備品の寸法情報を含んでおり、前記出力部は、前記寸法情報を参照して、前記一の住宅設備品と、前記抽出された一又は複数の住宅設備品と、の寸法の差異を出力可能であることが好ましい。
【0015】
このような構成によれば、設置可能か否かをより適切に判断することが可能となる。
【0016】
また、前記記憶部には、前記住宅設備品のメーカー名ごとに、前記特定情報としての品番又は型式の前記住宅設備品における推定表示箇所が記憶されており、前記入力部には、前記メーカー名も入力可能であり、前記出力部は、前記入力部に前記メーカー名が入力された場合には、前記入力されたメーカー名に対応した推定表示箇所を出力可能であることが好ましい。
【0017】
このような構成によれば、顧客に、推定表示箇所付近で品番又は型式を探してもらうことが可能となる
【0018】
また、本発明の別の観点によれば、所定の空間に設置された所定種類の一の住宅設備品を交換するに当たり、前記所定の空間に設置可能な前記所定種類の他の住宅設備品を選定するための住宅設備品選定プログラムであり、前記所定種類に属する複数の住宅設備品のそれぞれを特定するための特定情報と、各住宅設備品の少なくとも一部のスペックに関するスペック情報と、各特定情報で特定される住宅設備品に互換可能な一又は複数の住宅設備品に関する互換情報と、互換可能な住宅設備品同士であっても設置空間上の注意度及び隣接する他の住宅設備品との注意度の少なくとも一方が高い住宅設備品同士の組み合わせと、が記憶され、前記一の住宅設備品の特定情報を入力可能なコンピュータで実行されるプログラムであって、前記互換情報を参照して、前記入力された特定情報で特定される一の住宅設備品に互換可能な一又は複数の住宅設備品を抽出するステップと、前記抽出された一又は複数の住宅設備品に関するスペック情報の少なくとも一部を出力するステップと、を備え、前記出力するステップでは、前記抽出された一又は複数の住宅設備品に関するスペック情報を、前記注意度が高い住宅設備品と、それ以外の住宅設備品と、で区別して出力することを特徴とする住宅設備品選定プログラムを提供している。
【発明の効果】
【0019】
本発明の住宅設備品選定装置によれば、所定の空間に設置された所定種類の一の住宅設備品を交換するに当たり、当該所定の空間に設置可能な当該所定種類の他の住宅設備品をリモートでも適切に選定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施の形態による住宅設備品選定装置の使用環境の説明図
図2】本発明の実施の形態による住宅設備品選定装置のブロック図
図3】本発明の実施の形態による住宅設備品選定装置の出力結果の説明図
図4】本発明の変形例による住宅設備品選定装置のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態による住宅設備品選定装置1について、図1図4を参照して説明する。
【0022】
住宅設備品選定装置1は、図1に示すように、所定の空間Sに設置された所定種類の一の住宅設備品Fを交換するに当たり、当該所定の空間に設置可能な当該所定種類の他の住宅設備品Fをリモートで選定するためのものである。住宅設備品選定装置1としては、所定のwebページを提供するコンピュータ等が考えられる。
【0023】
以下では、業者X側の情報端末A1により住宅設備品選定装置1が提供するwebページにアクセスして住宅設備品Fの選定を行い、選定結果を顧客Y側の情報端末A2に送信する例を用いて説明を行う。
【0024】
住宅設備品選定装置1は、図2に示すように、記憶部2と、入力部3と、制御部4と、出力部5と、を備えている。
【0025】
記憶部2は、所定種類に属する複数の住宅設備品Fのそれぞれを特定するための特定情報と、各住宅設備品Fの少なくとも一部のスペックに関するスペック情報と、各特定情報で特定される住宅設備品Fに互換可能な一又は複数の住宅設備品Fに関する互換情報と、を記憶している。
【0026】
住宅設備品Fの種類としては、トイレ、キッチン、洗面台、浴槽、扉、サッシ等が考えられ、本実施の形態では、記憶部2には、一の種類(例えば、トイレ)に属する複数の住宅設備品Fに関する情報が記憶されている。
【0027】
特定情報としては、各メーカーにより各住宅設備品Fにあてがわれた品番や型式等が考えられ、スペック情報としては、各住宅設備品Fの寸法情報等が考えられる。また、例えば、住宅設備品Fがトイレの場合、排水芯の位置、手洗い付きか否か、タンク式か水道直圧式か等の情報もスペック情報として記憶されている。
【0028】
互換情報としては、各特定情報で特定される住宅設備品Fに互換可能な一又は複数の住宅設備品Fが記憶されている。例えば、住宅設備品Fがトイレの場合、排水芯の位置に応じて互換可能か否かが分類されている。
【0029】
また、記憶部2には、互換可能な住宅設備品F同士であっても、設置空間上の注意度及び隣接する他の住宅設備品との注意度の少なくとも一方が高い住宅設備品F同士の組み合わせが更に記憶されている。
【0030】
例えば、住宅設備品Fがトイレの場合、排水芯の位置に関しては互換可能であっても、手洗い付きか否かによってサイズや突出度が異なってくる。従って、互換可能なトイレ同士であっても手洗い付きか否かによってサイズや突出度が異なっていれば、設置空間上の注意度が高い住宅設備品Fとして記憶されている。また、水道直圧式のトイレの場合、高層階では水圧が弱くなってしまうので、設置空間上の注意度が高い住宅設備品Fとして記憶されている。また、“手洗いなしトイレ”から“手洗い付きトイレ”への交換において「後方の高さ○○○mm以下の位置に窓があると、手洗いによって窓が開かなくなる」場合には、隣接する他の住宅設備品との注意度が高い住宅設備品Fとして記憶されている。
【0031】
また、記憶部2には、上記注意度が高い住宅設備品F同士の組み合わせに関しては、両者のスペック情報の差異を考慮した設置上の注意事項が更に記憶されている。
【0032】
例えば、“手洗いなしトイレ”と“手洗い付きトイレ”の組み合わせの場合、「この“手洗いなしトイレ”からこの“手洗い付きトイレ”への交換の場合、後方の高さ○○○mm以下の位置に窓があると、手洗いによって窓が開かなくなる」、「この“手洗い付きトイレ”からこの“手洗いなしトイレ”への交換の場合、別途手洗いを付けるなら、右側(左側)に○○○mm以上の空間が必要」等の注意事項が考えられる。
【0033】
また、記憶部2には、上記注意度が高い住宅設備品F同士の組み合わせに関しては、設置空間及び隣接する他の住宅設備品の少なくとも一方を把握するために必要な撮影箇所に関する撮影箇所情報が更に記憶されている。
【0034】
例えば、“手洗いなしトイレ”と“後方(右側又は左側)に手洗いが付いた手洗い付きトイレ”の組み合わせの場合、“手洗いなしトイレ”の後方(右側又は左側)の空間を撮影した見本等が撮影箇所情報として考えられる。
【0035】
入力部3は、設置されている一の住宅設備品Fの特定情報を入力するためのものである。
【0036】
制御部4は、互換情報を参照して、入力された特定情報で特定される住宅設備品Fに互換可能な一又は複数の住宅設備品Fを抽出する。この際、メーカーの住宅設備品Fの中から互換可能な一又は複数の住宅設備品Fを抽出するだけでなく、複数のメーカーの住宅設備品Fの中から互換可能な一又は複数の住宅設備品Fを抽出することができるので、より広範な選定を行うことが可能となる。
【0037】
出力部5は、抽出された一又は複数の住宅設備品Fに関するスペック情報の少なくとも一部を出力する。ここでは、全てのスペック情報を出力しても良いし、スペック情報のうち設置に必要な情報だけを出力しても良い。
【0038】
また、出力部5は、抽出された一又は複数の住宅設備品Fに関するスペック情報を、上記注意度が高い住宅設備品Fと、それ以外の住宅設備品Fと、で区別して出力する。
【0039】
図3では、住宅設備品F1に互換可能なものとして、住宅設備品F1-F4が抽出された場合、注意度が高くない住宅設備品F1-F2は上段に、注意度が高い住宅設備品F3-F4は下段に出力された例を示している。詳細には、図3では、住宅設備品F3は住宅設備品F1と比べて明らかにサイズが大きく、住宅設備品F4は後方に手洗いが付いているため、下段に出力されている。
【0040】
また、出力部5は、抽出された一又は複数の住宅設備品Fが注意度が高い住宅設備品Fである場合、記憶部2に記憶された注意事項や撮影箇所情報も出力可能である。
【0041】
更に、出力部5は、記憶部2に記憶されたスペック情報(寸法情報)を参照して、一の住宅設備品Fと、抽出された一又は複数の住宅設備品Fと、の寸法の差異も出力可能である。例えば、住宅設備品Fがトイレの場合、両者の横幅、奥行、高さの差異を出力することが考えられる。
【0042】
続いて、図4のフローチャートを用いて、本実施の形態による制御部4の動作について説明する。図4では、業者Xが情報端末A1を介して住宅設備品選定装置1の操作を行い、出力結果のみを業者X側の情報端末A1から顧客側の情報端末A2に送信する例について説明する。
【0043】
まず、制御部4は、入力部3に特定情報が入力されたか否かを判断する(S1)。ここでは、業者Xにより、特定情報としての品番や型式等が入力される。
【0044】
特定情報が入力された場合には(S1:YES)、互換情報を参照して、入力された特定情報で特定される一の住宅設備品Fに互換可能な一又は複数の住宅設備品Fを抽出する(S2)。
【0045】
続いて、抽出された一又は複数の住宅設備品Fの中に注意度が高い住宅設備品があるか否かを判断する(S3)。
【0046】
注意度が高い住宅設備品があった場合には(S3:YES)、抽出された一又は複数の住宅設備品Fに関するスペック情報を、注意度が高い住宅設備品Fと、それ以外の住宅設備品Fと、で区別して出力部5から出力させる(S4)。また、この場合には、注意事項、及び、撮影箇所情報も、併せて出力部5から出力させることが好ましい。
【0047】
一方、注意度が高い住宅設備品がなかった場合には(S3:NO)、抽出された一又は複数の住宅設備品Fに関するスペック情報を、特に区別することなく出力部5から出力させる(S5)。
【0048】
なお、S4、及び、S5のいずれにおいても、一の住宅設備品Fとの寸法の差異も出力部5から出力させることが好ましい。
【0049】
上記した住宅設備品選定装置1の使用例としては、「業者Xが住宅設備品選定装置1としての情報端末A1の操作を行った後、抽出された住宅設備品Fに関するスペック情報(外観等)のみを業者X側の情報端末A1から顧客Y側の情報端末A2に送信すると共に、出力された注意事項及び寸法の差異を参考にして、顧客Yに電話等で抽出された住宅設備品Fの説明を行う。必要に応じて、撮影箇所情報を顧客Y側の情報端末A2に更に送信し、撮影データを返送してもらう」等が考えられる。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態による住宅設備品選定装置1では、抽出された一又は複数の住宅設備品Fに関するスペック情報を、設置空間上の注意度及び隣接する他の住宅設備品との注意度の少なくとも一方が高い住宅設備品Fと、それ以外の住宅設備品Fと、で区別して出力する。
【0051】
このような構成によれば、業者X等のユーザが、「隣接して設置されている他の住宅設備品等の存在により設置することができない」、「設置することはできたが、隣接して設置されている他の住宅設備品等の存在により扉が開かなくなった」等の可能性を考慮した上で、現地調査なしのリモートであっても、抽出された一又は複数の住宅設備品Fの中から実際に設置可能な住宅設備品Fを顧客Yに提案することが可能となる。
【0052】
また、本実施の形態による住宅設備品選定装置1では、抽出された一又は複数の住宅設備品Fが注意度が高い住宅設備品Fである場合、注意事項を出力可能である。
【0053】
このような構成によれば、経験の浅い作業員等が設置上の問題点を見落としてしまう可能性がより低減される。
【0054】
また、本実施の形態による住宅設備品選定装置1では、抽出された一又は複数の住宅設備品Fが注意度が高い住宅設備品Fである場合、撮影箇所情報を出力可能である。
【0055】
このような構成によれば、設置空間に住宅設備品Fを設置可能かどうか又は設置空間に設置した際に他の住宅設備品との問題が生じないかを把握するために設置空間を実際に見なければならない場合であっても、撮影箇所情報を顧客Yに送信し、撮影データを返送してもらうことで、設置可能か否かをリモートでありながら適切に判断することが可能となる。
【0056】
また、本実施の形態による住宅設備品選定装置1では、一の住宅設備品Fと、抽出された一又は複数の住宅設備品Fと、の寸法の差異を出力可能である。
【0057】
このような構成によれば、設置可能か否かをより適切に判断することが可能となる。
【0058】
尚、本発明の住宅設備品選定装置は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。
【0059】
例えば、上記実施の形態では、入力部3に特定情報が入力されたが、品番や型番が分からない場合に備えて、メーカー名も入力可能であっても良い。
【0060】
この場合、記憶部2に、メーカー名ごとに、住宅設備品Fにおける品番又は型式の推定表示箇所(画像等)を記憶しておき、入力部3にメーカー名が入力された場合に、制御部4が、記憶部2を参照して、品番又は型式の推定表示箇所を出力部5から出力させる構成が考えられる。なお、推定表示箇所が複数考えられる場合には、複数記憶しておいても良い。
【0061】
そして、推定表示箇所を業者X側の情報端末A1から顧客Y側の情報端末A2に送信することで、顧客Yに推定表示箇所付近で品番又は型式を探してもらうことが可能となる。
【0062】
また、上記実施の形態では、図3に示すように、設置空間上の注意度が高い住宅設備品Fは上段に、それ以外の住宅設備品Fを下段に出力したが、で区別して出力されていれば他の方法で出力されても良い。例えば、設置空間上の注意度が高い住宅設備品Fと、それ以外の住宅設備品Fと、を色分けしたり、点滅させて出力したりしても良い。
【0063】
また、上記実施の形態では、注意度が高い住宅設備品F同士の組み合わせが個別に記憶されていたが、例えば、新型の住宅設備品Fは、互換可能なほとんどの住宅設備品Fに対して注意度が高いことが多い。従って、互換可能なほとんどの住宅設備品Fに対して注意度が高い住宅設備品Fに関しては、「全ての住宅設備品Fとの組み合わせに対して注意度が高い」と記憶してもよく、このような場合も本発明に含まれる。
【0064】
また、上記実施の形態では、住宅設備品Fがトイレの場合、排水芯の位置に応じて互換可能か否かが分類された例を示したが、「和式か洋式か」等のその他の条件で分類しても良い。
【0065】
また、上記実施の形態では、住宅設備品Fがトイレの場合の例をいくつか挙げたが、洗面台、キッチン、扉、ユニットバス、サッシ等の他の住宅設備品Fの選定に住宅設備品選定装置1を用いても良い。
【0066】
例えば、住宅設備品Fが洗面台の場合、「高さ、横幅、奥行」に基づいて“互換可能か否か”を分類し、「高さ」に基づいて、“注意度が高いか否か”を分類することが考えられる。これは、例えば、設置空間の上方に梁があった場合に、洗面台の高さによっては梁に当たって設置できない可能性があることを考慮したものである。注意事項としては、このような情報を記憶しておくことが考えられる。
【0067】
また、住宅設備品Fがキッチンの場合、「高さ、横幅、奥行」に基づいて“互換可能か否か”を分類し、「引き出しタイプの収納か否か」によって“注意度が高いか否か”を分類することが考えられる。これは、例えば、引き出しタイプの収納だと、引き出しを引き出した際に隣接している扉の枠に当たってしまう可能性があることを考慮したものである。注意事項としては、このような情報を記憶しておくことが考えられる。
【0068】
また、住宅設備品Fが扉の場合、「開き戸か引き戸か」に基づいて“互換可能か否か”を分類し、「左右のどちらから開けるタイプの開き戸か」によって“注意度が高いか否か”を分類することが考えられる。これは、例えば、今までと反対方向に開く開き戸の場合、壁に当たってしまうことや照明スイッチやコンセントが使いにくくなってしまうことを考慮したものである。注意事項としては、このような情報を記憶しておくことが考えられる。
【0069】
また、上記実施の形態では、業者Xが情報端末A1を介して住宅設備品選定装置1の操作を行い、出力結果のみを業者X側の情報端末A1から顧客側の情報端末A2に送信する例について説明したが、情報端末A2側でも操作や出力結果の閲覧ができるようにしても良い。
【0070】
また、本発明は、住宅設備品選定装置1(制御部4)が行う処理に相当するプログラムや、当該プログラムを記憶した記録媒体にも応用可能である。記録媒体の場合、コンピュータ等に当該プログラムがインストールされることとなる。ここで、当該プログラムを記憶した記録媒体は、非一過性の記録媒体であっても良い。非一過性の記録媒体としては、CD-ROM等が考えられるが、それに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0071】
1 住宅設備品選定装置
2 記憶部
3 入力部
4 制御部
5 出力部
F 住宅設備品
図1
図2
図3
図4