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特許7505777ユニバーサルジョイント、連結ロッド装置、及び楽器用ペダル装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】ユニバーサルジョイント、連結ロッド装置、及び楽器用ペダル装置
(51)【国際特許分類】
   F16D 3/43 20060101AFI20240618BHJP
   F16D 3/40 20060101ALI20240618BHJP
   G10D 13/11 20200101ALI20240618BHJP
【FI】
F16D3/43
F16D3/40 R
G10D13/11
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021185209
(22)【出願日】2021-11-12
(65)【公開番号】P2023072570
(43)【公開日】2023-05-24
【審査請求日】2023-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000195018
【氏名又は名称】星野楽器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】平澤 諭
【審査官】松江川 宗
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-073461(JP,U)
【文献】米国特許第06878068(US,B2)
【文献】米国特許第08556735(US,B1)
【文献】実開平02-058200(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 1/00-9/10
G10D 13/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニバーサルジョイントであって、
2つの回転部材にそれぞれ接続される一対のヨークと、
前記一対のヨークに回転可能に連結されるスパイダと、
前記一対のヨークと前記スパイダとの連結部に設けられ、前記スパイダを回転可能に支持するベアリングとを備え、
前記スパイダは、前記一対のヨークの内面により形成される空間に配置可能に、かつ前記ベアリングの外輪を前記スパイダに固定可能に構成され、前記ベアリングの内輪は、前記ベアリングの軸線方向から前記一対のヨークの内面に固定されていることを特徴とするユニバーサルジョイント。
【請求項2】
請求項1に記載のユニバーサルジョイントにおいて、
前記スパイダは、前記ベアリングの軸線と直交する方向から組み付けることで構成されていることを特徴とするユニバーサルジョイント。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のユニバーサルジョイントにおいて、
前記スパイダには、前記スパイダを複数の部品に分割する分割面が設けられ、
前記分割面には、前記ベアリングの外輪が固定される凹部が設けられていることを特徴とするユニバーサルジョイント。
【請求項4】
請求項3に記載のユニバーサルジョイントにおいて、
前記複数の部品は、
前記ベアリングが配置される収容部が設けられたスパイダ本体と、
前記収容部内の前記ベアリングを覆うように前記スパイダ本体に組み付けられる蓋と、
を備えることを特徴とするユニバーサルジョイント。
【請求項5】
請求項4に記載のユニバーサルジョイントにおいて、
前記ベアリングは、一対のベアリングの1つであり、
前記スパイダは、前記分割面上で前記一対のベアリングの外輪を固定するように構成されていることを特徴とするユニバーサルジョイント。
【請求項6】
請求項5に記載のユニバーサルジョイントにおいて、
前記一対のベアリングは、軸線を共有すると共に、前記軸線上の2箇所で前記分割面上に固定されることを特徴とするユニバーサルジョイント。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のユニバーサルジョイントにおいて、
前記一対のヨークは、第1のヨークと第2のヨークとからなり、
前記ベアリングは、前記第1のヨークと前記スパイダとの連結部に設けられる一対の第1のベアリングと、前記第2のヨークと前記スパイダとの連結部に設けられる一対の第2のベアリングとからなり、
前記蓋は、前記一対の第1のベアリング又は前記一対の第2のベアリングを前記スパイダに固定可能に構成されていることを特徴とするユニバーサルジョイント。
【請求項8】
請求項4~7のうちいずれか一項に記載のユニバーサルジョイントにおいて、
前記スパイダ本体及び前記蓋は、前記ベアリングの軸線と直交する直線上に配置した状態で組み付けられることを特徴とするユニバーサルジョイント。
【請求項9】
請求項8に記載のユニバーサルジョイントにおいて、
前記蓋は、前記スパイダ本体に対して対向する位置で組み付けられることを特徴とするユニバーサルジョイント。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のユニバーサルジョイントは、更に、
前記スパイダ本体に前記蓋を固定すると共に軸線を有する固定部材を備え、
前記固定部材は、前記固定部材の軸線を前記ベアリングの軸線と直交する直線に一致させるように配置されていることを特徴とするユニバーサルジョイント。
【請求項11】
請求項1に記載のユニバーサルジョイントにおいて、
前記一対のヨークは前記回転部材が挿入される挿入穴を有し、
前記一対のヨークの少なくとも一方には、
前記挿入穴に前記回転部材を固定する固定具と、
前記挿入穴に設けられ、前記固定具により押圧されることで、前記回転部材を前記挿入穴の壁面に圧接して固定する押圧部材と、が設けられ、
前記押圧部材は、前記回転部材と面接触するように構成されていることを特徴とするユニバーサルジョイント。
【請求項12】
請求項11に記載のユニバーサルジョイントにおいて、
前記押圧部材は、前記回転部材と面接触すると共に第1の幅を有する接触面を有し、
前記回転部材は、前記押圧部材と面接触すると共に前記第1の幅よりも大きい第2の幅を有する接触面を有していることを特徴とするユニバーサルジョイント。
【請求項13】
請求項12に記載のユニバーサルジョイントにおいて、
前記押圧部材は、前記接触面の幅方向の両端にR状の角部をそれぞれ有していることを特徴とするユニバーサルジョイント。
【請求項14】
第1の回転が生じる第1の装置と第2の回転が生じる第2の装置とを連結すると共に、前記第1の回転を前記第2の装置に伝達するように構成された連結ロッド装置であって、
前記連結ロッド装置は、
前記第1の装置及び前記第2の装置の少なくとも一方に接続されるユニバーサルジョイントと、
前記ユニバーサルジョイントを介して前記第1の装置と前記第2の装置とに連結される連結ロッドとを備え、
前記ユニバーサルジョイントは、
2つの回転部材にそれぞれ接続される一対のヨークと、
前記一対のヨークに回転可能に連結されるスパイダと、
前記一対のヨークと前記スパイダとの連結部に設けられ、前記スパイダを回転可能に支持するベアリングと、を備え、
前記スパイダは、前記一対のヨークの内面により形成される空間に配置可能に、かつ前記ベアリングの外輪を前記スパイダに固定可能に構成され、前記ベアリングの内輪は、前記ベアリングの軸線方向から前記一対のヨークの内面に固定されていることを特徴とする連結ロッド装置。
【請求項15】
複数のペダル装置を備え、ユニバーサルジョイントを介して、各ペダル装置の回転シャフト同士が連結された状態で使用される楽器用ペダル装置であって、
前記ユニバーサルジョイントは、
2つの回転部材にそれぞれ接続される一対のヨークと、
前記一対のヨークに回転可能に連結されるスパイダと、
前記一対のヨークと前記スパイダとの連結部に設けられ、前記スパイダを回転可能に支持するベアリングと、を備え、
前記スパイダは、前記一対のヨークの内面により形成される空間に配置可能に、かつ前記ベアリングの外輪を前記スパイダに固定可能に構成され、前記ベアリングの内輪は、前記ベアリングの軸線方向から前記一対のヨークの内面に固定されていることを特徴とする楽器用ペダル装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユニバーサルジョイント、連結ロッド装置、及び楽器用ペダル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
両足で左右のペダル装置を操作してバスドラムを演奏する方法が知られている。例えば、左足でペダル装置を操作することにより、そのペダル装置から離れた位置にある別のペダル装置の回転シャフトが回転する。そして、別のペダル装置の回転シャフトに固定されたビータが回転することで、そのビータによりバスドラムが叩打される。左右のペダル装置は、連結ロッドを介して各ペダル装置の回転シャフト同士を連結した状態で使用される。この場合、左右のペダル装置の位置は、ユーザの体格や好みによって異なることが多い。このため、左右のペダル装置の位置に柔軟に対応するために、連結ロッドと回転シャフトとを角度を付けて連結可能なユニバーサルジョイントが用いられる。
【0003】
ユニバーサルジョイントは、2つの回転部材にそれぞれ接続される一対のヨークと、両ヨークに回転可能に連結されるスパイダと、両ヨークとスパイダとの連結に用いられる複数のベアリングとを備えている。スパイダは、ベアリングを介して、両ヨークのそれぞれに対し、直交する2つの軸線周りにそれぞれ回転可能に連結されている。ユニバーサルジョイントは、連結ロッドと回転シャフトとの連結角度を変更可能に、かつ連結ロッドと回転シャフトとの間でそれらの軸線周りの回転を伝達可能に構成されている。
【0004】
ドラム用ツインペダル等に適用したユニバーサルジョイントとして、例えば、以下の構成のものが提案されている。特許文献1~3に開示のユニバーサルジョイントは、一対のヨークと、両ヨークの外側に配置される円環状のスパイダと、4つのベアリングとを備えている。特許文献4又は5に開示のユニバーサルジョイントは、一対のヨークと、両ヨークの内側に配置されるブロック状のスパイダと、4つのベアリングとを備えている。
【0005】
特許文献1のスパイダは、単一部品として構成されている。特許文献2のスパイダは、2つの分割体を組み付けて構成されている。両文献のスパイダには、径方向に貫通する4つの孔が等間隔に形成されている。スパイダの4つの孔には、ベアリングと軸とがそれぞれ配置されている。軸は、ベアリングの内輪及びヨーク先端の孔の両方に圧入されている。ベアリングの外輪は、スパイダの孔に固定されている。特許文献3のスパイダは、スパイダ本体と、スパイダ本体に組み付けられる4つの蓋部材とからなる。この文献のスパイダにも、径方向に貫通する4つの孔が等間隔に形成されている。スパイダの4つの孔には、ベアリングと、ヨーク先端の突起とがそれぞれ配置されている。ベアリングの内輪は、ヨーク先端の突起に固定されている。ベアリングの外輪は、スパイダの孔に固定されている。
【0006】
特許文献4のスパイダは、ヨークに連結される4つの側面に、ベアリングが配置される穴をそれぞれ有している。ヨークは、スパイダの穴と対応する位置にネジ孔を有している。ベアリングの内輪は、ヨークのネジ孔に螺合されたネジ付ピンの先端に固定されている。ベアリングの外輪は、スパイダの穴に固定されている。特許文献5のスパイダは、ヨークに連結される4つの側面に、ネジ穴をそれぞれ有している。ヨークは、スパイダのネジ穴と対応する位置にネジ孔をそれぞれ有している。ベアリングの内輪は、ネジによって、リング状のスペーサと共に、スパイダの側面に固定されている。ベアリングの外輪は、ヨークのネジ孔に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第7633000号明細書
【文献】米国特許第8556735号明細書
【文献】米国特許第6878068号明細書
【文献】米国特許第8110731号明細書
【文献】米国特許第7641560号明細書
【発明の概要】
【0008】
特許文献1~3のスパイダはいずれも、ヨークよりも大きい外径を有する環状体である。つまり、これらのスパイダは外形も重量も大きいため、両ヨーク間を回転力が伝達される際に生じる回転モーメント力が大きくなり易い。このため、特許文献1~3のユニバーサルジョイントを用いたツインペダルでは、バスドラムを演奏する際に、左足でペダルを踏み込むときや、踏み込まれた左ペダルが戻るときに感じる操作フィーリングが、右足でペダルを操作するときの操作フィーリングとずれ易くなる。よって、左右のペダル装置を用いてバスドラムを演奏する際に、違和感が生じ、良好な操作フィーリングが得られない。また、特許文献1又は2のスパイダでは、単一部品や2つの分割体に形成されるベアリング固定用の4つの孔について、位置精度及び寸法精度が厳しく要求される。その理由は、4つの孔で同時にベアリングを固定する場合、1つ孔の径が大きいか孔の位置がすれているだけで、孔に配置されるベアリングを固定できないためである。また、特許文献3のスパイダでは、スパイダを構成する部品の数が多いため、構成も複雑である。
【0009】
特許文献4のユニバーサルジョイントでは、ネジ付ピンを締め付けた場合に、ベアリングの内輪に対して軸方向の荷重がかかり易くなっている。このため、ネジ付ピンを締め付け具合によっては、ベアリングがロックする虞がある。特許文献5のユニバーサルジョントでは、ベアリングの内輪と外輪とを意図的にこじらせてガタを取り除くようにしている。しかしながら、この場合も、ネジの締め付け具合や部品の寸法精度によっては、軸方向の荷重によってベアリングがロックする虞がある。また、特許文献5のユニバーサルジョントでは、ベアリングの外輪がヨークに固定されているため、ベアリングの外輪がスパイダに固定されている特許文献4のユニバーサルジョイントよりも、回転モーメント力が大きくなり易い。
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、回転モーメント力を小さく、かつ製造上の負担を軽減できるユニバーサルジョイント、連結ロッド装置、及び楽器用ペダル装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ユニバーサルジョイントであって、2つの回転部材にそれぞれ接続される一対のヨークと、前記一対のヨークに回転可能に連結されるスパイダと、前記一対のヨークと前記スパイダとの連結部に設けられ、前記スパイダを回転可能に支持するベアリングとを備え、前記スパイダは、前記一対のヨークの内面により形成される空間に配置可能に、かつ前記ベアリングの外輪を前記スパイダに固定可能に構成され、前記ベアリングの内輪は、前記ベアリングの軸線方向から前記一対のヨークの内面に固定されていることを要旨とする。
【0012】
この構成によれば、スパイダは、一対のヨークの内面により形成される空間に配置可能な大きさに形成されている。つまり、スパイダは、ヨークの外形よりも小さい空間内に配置可能な大きさに形成されている。このため、ユニバーサルジョイントにおいては、両ヨーク間を回転力が伝達される際に生じる回転モーメント力を小さくすることができる。
また、この構成によれば、ヨークの内面にベアリングの内輪を固定する方向が、スパイダにベアリングの外輪を固定する方向と直交している。つまり、ユニバーサルジョイントを組み付ける際に、ベアリングの内輪とベアリングの外輪とに対し同方向に荷重がかかり難い構成となっている、このため、ベアリングの内輪と外輪とに拗れを生じさせずにユニバーサルジョイントを組み付けることが容易となり、製造上の負担を更に軽減できる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記スパイダは、前記ベアリングの軸線と直交する方向から組み付けることで構成されていることを要旨とする。
この構成によれば、ベアリングの軸線と直交する方向から組み付けられてスパイダが構成されることで、ベアリングの外輪がスパイダに固定される。このとき、部品の組み付けによる荷重がベアリングの軸線と直交する方向に作用する。このため、ヨークとスパイダとの連結部においては、ベアリングに軸方向の荷重がかかり難くなっている。よって、ベアリングをロックさせずにユニバーサルジョイントを組み付けることが容易となり、製造上の負担を軽減できる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記スパイダには、前記スパイダを複数の部品に分割する分割面が設けられ、前記分割面には、前記ベアリングの外輪が固定される凹部が設けられていることを要旨とする。
【0015】
この構成によれば、スパイダを複数の部品に分割する分割面にベアリングの外輪が固定される凹部を設けたことで、スパイダの内部にベアリングを配置してユニバーサルジョイントを組み付けることができる。これにより、ユニバーサルジョイントにおいては、ヨークとスパイダとの連結部付近の形状がコンパクトになるため、回転モーメント力がより一層小さくなる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記複数の部品は、前記ベアリングが配置される収容部が設けられたスパイダ本体と、前記収容部内の前記ベアリングを覆うように前記スパイダ本体に組み付けられる蓋と、を備えることを要旨とする。
【0017】
この構成によれば、スパイダ本体の収容部にベアリングを配置してから、収容部内のベアリングを覆うように蓋がスパイダ本体に組み付けられる。この場合、複数の部品を組み付けてスパイダを製造するのと同時に、ベアリングの外輪をスパイダに固定することができる。よって、ユニバーサルジョイントを組み付ける際の作業性が向上し、製造上の負担を更に軽減できる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記ベアリングは、一対のベアリングの1つであり、前記スパイダは、前記分割面上で前記一対のベアリングの外輪を固定するように構成されていることを要旨とする。
【0019】
この構成によれば、例えば、直交する2つの軸線上にそれぞれ1つずつ配置された2つのベアリングをスパイダに固定して、ユニバーサルジョイントを組み付けることもできる。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記一対のベアリングは、軸線を共有すると共に、前記軸線上の2箇所で前記分割面上に固定されることを要旨とする。
【0021】
この構成によれば、スパイダの分割面によって、軸線を共有する一対のベアリングが、軸線上の2箇所で固定される。このため、スパイダを構成する部品にベアリング固定用の孔を4つ形成する従来構成と比較して、スパイダとの位置合わせを要するベアリングの数が半減する。このため、上記従来構成のスパイダより部品の寸法精度が低くても、ベアリングの外輪をスパイダに圧接して固定することが容易となる。よって、製造上の負担をより一層軽減できる。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の発明において、前記一対のヨークは、第1のヨークと第2のヨークとからなり、前記ベアリングは、前記第1のヨークと前記スパイダとの連結部に設けられる一対の第1のベアリングと、前記第2のヨークと前記スパイダとの連結部に設けられる一対の第2のベアリングとからなり、前記蓋は、前記一対の第1のベアリング又は前記一対の第2のベアリングを前記スパイダに固定可能に構成されていることを要旨とする。
【0023】
この構成によれば、一対のベアリングをスパイダに固定するための蓋が一部品として構成されている。これにより、一対のベアリングのそれぞれを別の蓋で固定する構成と比較して、部品の数が少なくなり、構成も簡素化される。よって、ユニバーサルジョイントを組み付ける際の作業性が更に向上する。
【0024】
請求項8に記載の発明は、請求項4~7のうちいずれか一項に記載の発明において、前記スパイダ本体及び前記蓋は、前記ベアリングの軸線と直交する直線上に配置した状態で組み付けられることを要旨とする。
【0025】
この構成によれば、スパイダ本体及び蓋をベアリングの軸線と直交する直線上に配置して状態で組み付けるため、スパイダの重心を、一対のヨークの内面により形成される空間の中心付近に設定することができる。これにより、ユニバーサルジョイントにおいては、ユニバーサルジョイントの中心付近に重心が設定されるため、回転モーメント力が更に小さくなる。
【0026】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記蓋は、前記スパイダ本体に対して対向する位置で組み付けられることを要旨とする。
この構成によれば、蓋がスパイダ本体に対して対向する位置で組み付けられることで、スパイダの重心を、一対のヨークの内面により形成される空間の中心付近に設定することが容易となる。
【0027】
請求項10に記載の発明は、請求項8又は9に記載の発明において、前記スパイダ本体に前記蓋を固定すると共に軸線を有する固定部材を備え、前記固定部材は、前記固定部材の軸線を前記ベアリングの軸線と直交する直線に一致させるように配置されていることを要旨とする。
【0028】
この構成によれば、固定部材は、その軸線をベアリングの軸線と直交する直線に一致させるように配置されることで、スパイダ本体及び蓋と同一直線上に配置される。このため、スパイダの重心を、一対のヨークの内面により形成される空間の中心に更に近づけることができる。これにより、ユニバーサルジョイントにおいては、ユニバーサルジョイントの中心に重心を更に近づけることができるため、回転モーメント力が更に小さくなる。
【0031】
上記の目的を達成するために、請求項11に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記一対のヨークは前記回転部材が挿入される挿入穴を有し、前記一対のヨークの少なくとも一方には、前記挿入穴に前記回転部材を固定する固定具と、前記挿入穴に設けられ、前記固定具により押圧されることで、前記回転部材を前記挿入穴の壁面に圧接して固定する押圧部材と、が設けられ、前記押圧部材は、前記回転部材と面接触するように構成されていることを要旨とする。
【0032】
ネジやボルト等の固定具の先端を回転部材に直接押し当てて、回転部材をヨークの挿入穴の壁面に固定する方法がある。これに対し、本発明は、固定具により押圧された押圧部材を回転部材に面接触させた状態で、固定具による軸方向の力を回転部材に伝達することにより、回転部材を挿入穴の壁面に圧接して固定する方法である。この場合、上記従来の固定方法と比較して、固定具による軸方向の力を、より広い面積で回転部材に伝達することができる。これにより、ヨークの挿入穴に対して回転部材を確実に固定することができる。
【0033】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の発明において、前記押圧部材は、前記回転部材と面接触すると共に第1の幅を有する接触面を有し、前記回転部材は、前記押圧部材と面接触すると共に前記第1の幅よりも大きい第2の幅を有する接触面を有していることを要旨とする。
【0034】
この構成によれば、押圧部材と回転部材との接触部分において、押圧部材の第1の幅よりも、回転部材の第2の幅が大きくなっている。固定具による軸方向の力により押圧部材が回転部材に押圧された場合、接触面の幅方向両端の角部が、回転部材の押圧部材と面接触する部分を押圧することができる。これにより、回転部材が軸線周りに傾いた状態からでも、押圧部材と回転部材とが面接触した状態へと円滑に移行させることができる。つまり、回転シャフトが軸線周りに傾いている状態でも、押圧部材により回転部材が押圧されることで、回転シャフトの軸線周りの傾きを矯正することができる。よって、固定具を用いてヨークの挿入穴に回転部材を固定する際の作業性が向上する。
【0035】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の発明において、前記押圧部材は、前記接触面の幅方向の両端にR状の角部をそれぞれ有していることを要旨とする。
この構成によれば、押圧部材の角部がR状であるため、押圧部材の角部と回転部材との接触が滑らかになる。これにより、押圧部材による回転部材の押圧が円滑に行われる。よって、押圧部材と回転部材とが面接触した状態への移行が容易となる。
【0036】
上記の目的を達成するために、請求項14に記載の発明は、第1の回転が生じる第1の装置と第2の回転が生じる第2の装置とを連結すると共に、前記第1の回転を前記第2の装置に伝達するように構成された連結ロッド装置であって、前記連結ロッド装置は、前記第1の装置及び前記第2の装置の少なくとも一方に接続されるユニバーサルジョイントと、前記ユニバーサルジョイントを介して前記第1の装置と前記第2の装置とに連結される連結ロッドとを備え、前記ユニバーサルジョイントは、2つの回転部材にそれぞれ接続される一対のヨークと、前記一対のヨークに回転可能に連結されるスパイダと、前記一対のヨークと前記スパイダとの連結部に設けられ、前記スパイダを回転可能に支持するベアリングと、を備え、前記スパイダは、前記一対のヨークの内面により形成される空間に配置可能に、かつ前記ベアリングの外輪を前記スパイダに固定可能に構成され、前記ベアリングの内輪は、前記ベアリングの軸線方向から前記一対のヨークの内面に固定されていることを要旨とする。
【0037】
この構成によれば、請求項1と同等の作用効果を奏することができる。
上記の目的を達成するために、請求項15に記載の発明は、複数のペダル装置を備え、ユニバーサルジョイントを介して、各ペダル装置の回転シャフト同士が連結された状態で使用される楽器用ペダル装置であって、前記ユニバーサルジョイントは、2つの回転部材にそれぞれ接続される一対のヨークと、前記一対のヨークに回転可能に連結されるスパイダと、前記一対のヨークと前記スパイダとの連結部に設けられ、前記スパイダを回転可能に支持するベアリングと、を備え、前記スパイダは、前記一対のヨークの内面により形成される空間に配置可能に、かつ前記ベアリングの外輪を前記スパイダに固定可能に構成され、前記ベアリングの内輪は、前記ベアリングの軸線方向から前記一対のヨークの内面に固定されていることを要旨とする。
【0038】
この構成によれば、請求項1と同等の作用効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、回転モーメント力を小さく、かつ製造上の負担を軽減できるユニバーサルジョイント、連結ロッド装置、及び楽器用ペダル装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明の楽器用ペダル装置を具体化したツインペダルの斜視図。
図2】本発明のユニバーサルジョイントを備えた連結ロッド装置の斜視図。
図3】ユニバーサルジョイントの斜視図。
図4】ユニバーサルジョイントの分解斜視図。
図5】第1のヨークの斜視図。
図6】ユニバーサルジョイントを回転シャフトの軸線方向から見た正面図。
図7】回転シャフトが軸線周りに傾いた状態を示すユニバーサルジョイントの正面図。
図8】押圧部材により押圧されることで回転シャフトの軸線周りの傾きが矯正された状態を示すユニバーサルジョイントの正面図。
図9図6の9-9線に沿った断面図。
図10図6の10-10線に沿った断面図。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明のユニバーサルジョイント30,40、連結ロッド装置22、及び楽器用ペダル装置としてのツインペダル20を具体化した一実施形態について、図1図10を参照して説明する。
【0042】
図1に示すように、ツインペダル20は、左右の足で操作する一対のペダル装置21L,21Rと、ペダル装置21L,21Rを連結する連結ロッド装置22とを備えている。第1の装置としての左側のペダル装置21Lは、左ペダル23Lと、左ペダル23Lの踏み込みにより回転する回転部材としての回転シャフト24Lとを備えている。第2の装置としての右側のペダル装置21Rは、右ペダル23Rと、右ペダル23Rの踏み込みにより回転する第1の回転シャフト24R1と、回転部材としての第2の回転シャフト24R2とを備えている。第2の回転シャフト24R2は、連結ロッド装置22を介して、左側のペダル装置21Lの回転シャフト24Lに連結されている。ツインペダル20は、左側のペダル装置21Lの回転シャフト24Lと右側のペダル装置21Rの第2の回転シャフト24R2とが連結された状態で使用される。
【0043】
第1及び第2の回転シャフト24R1,24R2には、バスドラムBDを叩打するビータ26,27がそれぞれ取り付けられている。ツインペダル20では、右足で右ペダル23Rを操作すると、右側のペダル装置21Rの第1の回転シャフト24R1と共にビータ26が回転し、ビータ26によりバスドラムBDが叩打される。一方、左足で左ペダル23Lを操作すると、左側のペダル装置21Lの回転シャフト24Lが回転し、その回転が連結ロッド装置22を介して右側のペダル装置21Rの第2の回転シャフト24R2に伝達される。そして、第2の回転シャフト24R2が回転することで、第2の回転シャフト24R2と共にビータ27が回転し、ビータ27によりバスドラムBDが叩打される。つまり、連結ロッド装置22は、左ペダル23Lの踏み込みによる回転シャフト24Lの回転を、右側のペダル装置21Rの第2の回転シャフト24R2に伝達するために用いられる。
【0044】
図1及び図2に示すように、連結ロッド装置22は、左側のユニバーサルジョイント30と、右側のユニバーサルジョイント40とを備えている。左側のユニバーサルジョイント30は、左側のペダル装置21Lの回転シャフト24Lに接続される。右側のユニバーサルジョイント40は、右側のペダル装置21Rの第2の回転シャフト24R2に接続される。また、連結ロッド装置22は、左右両側のユニバーサルジョイント30,40を連結する回転部材としてのロッドアッセンブリ50を備えている。ロッドアッセンブリ50は、複数の連結ロッドを組み付けて構成されると共に、ロッドアッセンブリ50全体の長さを調整可能に構成されている。
【0045】
ロッドアッセンブリ50は、左側のユニバーサルジョイント30に連結される回転部材としての第1の連結ロッド51と、右側のユニバーサルジョイント40に連結される回転部材としての第2の連結ロッド52とを備えている。第2の連結ロッド52は、他の面よりも幅広な上面52aを有する断面六角形状に形成されている。第1の連結ロッド51は、筒状であり、第2の連結ロッド52を収容可能に形成されている。第1の連結ロッド51内には、第2の連結ロッド52が第1の連結ロッド51の軸線方向に摺動可能に配置されている。
【0046】
また、ロッドアッセンブリ50は、ロッドアッセンブリ50全体の長さを調整するためのアジャスタ54を備えている。アジャスタ54は、第1の連結ロッド51内に第2の連結ロッド52を固定するためのボルト55を有している。アジャスタ54は、ボルト55の締め付けにより押さえ板57を第2の連結ロッド52の上面52aに押圧するように構成されている。つまり、ボルト55を操作することで、第1の連結ロッド51に対する第2の連結ロッド52の位置を変更してロッドアッセンブリ50全体の長さが調整されたり、調整後の長さが固定されたりする。
【0047】
また、ロッドアッセンブリ50は、ロッドアッセンブリ50全体の長さを記憶しておくためのメモリロック58を備えている。例えば、第1の連結ロッド51より第2の連結ロッド52が抜かれた運搬時の状態から、第1の連結ロッド51に第2の連結ロッド52が挿入された使用時に状態にすることがある。この場合、メモリロック58を第2の連結ロッド52に取り付けておくことで、ロッドアッセンブリ50を運搬前の元の長さに容易に復元することができる。
【0048】
メモリロック58は、平坦な上面を有する筒状であり、第2の連結ロッド52に取り付けられている。メモリロック58の上面には、ボルト56が螺合されている。メモリロック58は、ボルト56の締め付けによりボルト56の先端を上面52aに直接押圧するように構成されている。つまり、ボルト56を操作することで、第2の連結ロッド52に対するメモリロック58の位置が変更されたり、メモリロック58の位置が固定されたりする。
【0049】
次に、ユニバーサルジョイント30,40の構成について、図3図8を参照して説明する。右側のユニバーサルジョイント40における左側のユニバーサルジョイント30と同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0050】
図3及び図4に示すように、ユニバーサルジョイント40は、右側のペダル装置21Rの第2の回転シャフト24R2に接続される第1のヨーク41と、ロッドアッセンブリ50の第2の連結ロッド52に接続される第2のヨーク42とを備えている。第1のヨーク41は第2の回転シャフト24R2と共に回転し、第2のヨーク42は第2の連結ロッド52と共に回転する。また、ユニバーサルジョイント40は、第1及び第2のヨーク41,42に回転可能に連結されるスパイダ43と、第1及び第2のヨーク41,42とスパイダ43との連結に用いられる4つのベアリングとを備えている。4つのベアリングのうち、一対の第1のベアリング44は第1のヨーク41とスパイダ43との連結部に設けられ、一対の第2のベアリング45は第2のヨーク42とスパイダ43との連結部に設けられている。一対の第1のベアリング44は、軸線C1を共有すると共に、軸線C1上の2箇所でスパイダ43を回転可能に支持する。同様に、一対の第2のベアリング45は、軸線C2を共有すると共に、軸線C2上の2箇所でスパイダ43を回転可能に支持する。
【0051】
スパイダ43は、4つのベアリングを介して、第1及び第2のヨーク41,42のそれぞれに対し、直交する2つの軸線C1,C2周りにそれぞれ回転可能に連結されている。第1及び第2のヨーク41,42に対しスパイダ43が上記のように連結されることで、ユニバーサルジョイント40は、第2の連結ロッド52と第2の回転シャフト24R2との連結角度を変更可能に構成されている。また、ユニバーサルジョイント40は、第2の連結ロッド52と第2の回転シャフト24R2との間でそれらの軸線周りの回転を伝達可能に構成されている。
【0052】
次に、第1及び第2のヨーク41,42の構成について詳細に説明する。第1のヨーク41における第2のヨーク42と同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
図4図6に示すように、第1のヨーク41は、第2の回転シャフト24R2が接続される筒状のヨーク本体41aと、第1のベアリング44がそれぞれ取り付けられる上下一対のアーム41bとを備えている。ヨーク本体41aには、断面略T字状の挿入穴41cが形成されている。挿入穴41cの上半分は、断面長方形状である。挿入穴41cの下半分は、断面略半円状である。
【0053】
挿入穴41cの上部には、断面略U字状の押圧部材46と、扁平な四角柱状の位置決め部材47とが収容されている。押圧部材46は、底壁46aと、底壁46aの両側縁から上方に延びる一対の側壁46bとからなる。底壁46aの外面からは、平坦面46cを有する押圧部46dが突出している。押圧部材46は、押圧部46dを下向きにした状態で、挿入穴41c内に配置されている。
【0054】
位置決め部材47は、押圧部材46の両側壁46b間の空間に配置されている。位置決め部材47の中央には、ネジ孔47aが形成されている。ヨーク本体41aの上部中央には、固定具としてのボルト60が挿通される挿通孔41dが形成されている。ボルト60は、挿通孔41dに挿通されると共に位置決め部材47のネジ孔47aに螺合されている。この状態で、ボルト60の先端は、押圧部材46の底壁46aの内面に当接されている。
【0055】
第2の回転シャフト24R2は、平坦な上面28を有する断面略円形状に形成されている。第2の回転シャフト24R2の上面28は、ヨーク本体41aの挿入穴41cに収容された押圧部材46の押圧部46dと対応するように形成されている。このため、ボルト60を締め付けて、ボルト60の先端により押圧部材46の底壁46aが押圧されることで、押圧部材46の押圧部46dにより、第2の回転シャフト24R2の上面28が押圧される。これにより、第2の回転シャフト24R2は、挿入穴41cの壁面41eに圧接されることで、第1のヨーク41のヨーク本体41aに固定される。
【0056】
この場合、押圧部材46は、平坦面46cを上面28と面接触させた状態で、第2の回転シャフト24R2に対し上方から押圧される。つまり、押圧部材46の平坦面46cは、第2の回転シャフト24R2と面接触する接触面であり、第1の幅W1を有している。押圧部材46は、平坦面46cの幅方向の両端にR状の角部46eをそれぞれ有している。また、第2の回転シャフト24R2の上面28は、押圧部材46と面接触する接触面であり、第1の幅W1よりも大きい第2の幅W2を有している。尚、第1及び第2の幅W1,W2は、押圧部材46と第2の回転シャフト24R2とが面接触した状態でボルト60及び第2の回転シャフト24R2の軸線C3,C4と直交する方向の寸法として、それぞれ定義される。
【0057】
図4図5図9図10に示すように、アーム41bは、ヨーク本体41aの挿入穴41cの開口と反対側に、第1のヨーク41の上部と下部とからそれぞれ延びている。アーム41bの先端付近には、リング状のカラー49と共に第1のベアリング44が固定される固定孔41fが形成されている。固定孔41fに固定ピン48の先端が圧入されることで、第1のベアリング44の内輪44aとカラー49とが、固定ピン48の頭部とアーム41bとの間に挟まれた状態で固定される。この状態で、固定ピン48は、第1のベアリング44の軸線方向から、第1のベアリング44の内輪44aをアーム41bの内面に固定している。第2のヨーク42においても、上記と同様の方法で、第2のベアリング45の内輪45aとカラー49とが、固定ピン48の頭部とアーム42bとの間に挟まれた状態で固定される。尚、本実施形態において、第1のベアリング44及び第2のベアリング45は、内輪44a,45aと外輪44b,45bとの間に複数のボール44c,45cを配置したボールベアリングである。
【0058】
次に、スパイダ43の構成について詳細に説明する。
図3及び図4に示すように、スパイダ43は、複数の部品からなり、略六面体状に形成されている。スパイダ43は、第1の分割面61a,62aによりスパイダ本体61と第1の蓋62とに分割され、第2の分割面61b,63aによりスパイダ本体61と第2の蓋63とに分割される。スパイダ43は、スパイダ本体61と第1及び第2の蓋62,63とを組み付けることによって、4つのベアリング44,45の外輪44b,45bをスパイダ43に固定可能に構成されている。スパイダ本体61と第1及び第2の蓋62,63との組み付けには、固定部材としてのボルト70が用いられる。また、スパイダ43は、第1及び第2のヨーク41,42の内面により形成される空間Sに配置可能な大きさに形成されている。
【0059】
図4図9図10に示すように、スパイダ本体61は、略六面体状のスパイダ43から、第1及び第2の蓋62,63と4つのベアリング44,45が組み付けられる部分を取り除いた形状を有している。このため、スパイダ本体61に第1及び第2の蓋62,63が組み付けられる方向を基準とした場合、スパイダ本体61は、側面視でU字状であり、正面視でリング状である。
【0060】
スパイダ本体61の第1の分割面61aには、第1のベアリング44の外輪44bが配置される凹部としての第1の収容部61d1が設けられている。第1の収容部61d1は、スパイダ43において、第1の蓋62と第1のベアリング44とに対応する部分として形成されている。第1の収容部61d1の両内端面は、第1のベアリング44の外輪44bの外周面と部分的に一致するよう円弧状に形成されている。
【0061】
スパイダ本体61の第2の分割面61bには、第2のベアリング45の外輪45bが配置される凹部としての第2の収容部61d2が設けられている。第2の収容部61d2は、スパイダ43において、第2の蓋63と第2のベアリング45とに対応する部分として形成されている。第2の収容部61d2の両内端面は、第2のベアリング45の外輪45bの外周面と部分的に一致するよう円弧状に形成されている。
【0062】
第1の蓋62の中央には、ボルト70が挿通される第1の挿通孔62bと、第1の挿通孔62bよりも大きい径を有する第2の挿通孔62cとが形成されている。第2の挿通孔62cは、第1の挿通孔62bと連通している。第1の蓋62の第1の分割面62aには、第1のベアリング44の外輪44bが当接される凹状の第1の当接部62dが設けられている。第1の当接部62dは、第1のベアリング44の外輪44bの外周面と部分的に一致するよう円弧状に形成されている。
【0063】
第2の蓋63の中央には、ボルト70の先端が螺合されるネジ孔63cが設けられている。第2の蓋63の第2の分割面63aには、第2のベアリング45の外輪45bが当接される凹状の第2の当接部63dが設けられている。第2の当接部63dは、第2のベアリング45の外輪45bの外周面と部分的に一致するよう円弧状に形成されている。第2の蓋63は、第1及び第2の挿通孔62b,62cに代えてネジ孔63cを有している点以外は、第1の蓋62と同じである。
【0064】
スパイダ本体61、第1及び第2の蓋62,63は、第1のベアリング44の軸線C1及び第2のベアリング45の軸線C2と直交する直線L1上に配置された状態で組み付けられる。第1及び第2の蓋62,63は、スパイダ本体61に対して対向する位置で組み付けられる。また、第2の蓋63は、スパイダ本体61に対して第1の蓋62とは90度異なる向きで組み付けられる。スパイダ本体61、第1及び第2の蓋62,63は、ボルト70によって、軸線C1,C2と直交する方向から組み付けられる。ボルト70は、スパイダ本体61に第1及び第2の蓋62,63を固定している状態で、ボルト70の軸線C5を直線L1と一致させるように配置されている。
【0065】
次に、上記のユニバーサルジョイント30,40の作用について説明する。まず、ユニバーサルジョイント30,40の組み付け方法における作用について、図4図9図10を参照して説明する。
【0066】
図4図9図10に示すように、第1のヨーク41の内面には、固定ピン48を用いて、第1のベアリング44の軸線方向から第1のベアリング44の内輪44aが固定されて、第1のベアリング44が取り付けられる。同様に、第2のヨーク42の内面にも、固定ピン48を用いて、第2のベアリング45の軸線方向から第2のベアリング45の内輪45aが固定されて、第2のベアリング45が取り付けられる。
【0067】
次に、第1のベアリング44が取り付けられた第1のヨーク41と、第2のベアリング45が取り付けられた第2のヨーク42とが、スパイダ本体61に組み付けられる。まず、第1のヨーク41の第1のベアリング44がスパイダ本体61の第1の収容部61d1に嵌め込まれる。そして、第1の蓋62が、第1の収容部61d1内に配置された一対の第1のベアリング44を覆うように第1の収容部61d1に嵌め込まれる。同様に、第2のヨーク42の第2のベアリング45がスパイダ本体61の第2の収容部61d2に嵌め込まれる。そして、第2の蓋63が、第2の収容部61d2内に配置された一対の第2のベアリング45を覆うように第2の収容部61d2に嵌め込まれる。
【0068】
続いて、ボルト70を用いて、スパイダ本体61に第1及び第2の蓋62,63を固定する。このとき、ボルト70は、頭部70aを、第1の挿通孔62bと第2の挿通孔62cとの境界にある段差部62eに当接させるまで、第2の蓋63のネジ孔63cに締め付けられる。ボルト70の締め付けにより、第1及び第2の蓋62,63がスパイダ本体61にそれぞれ固定されることで、第1のベアリング44の外輪44bが第1の蓋62とスパイダ本体61とにより挟持される。これにより、スパイダ本体61の第1の分割面61a及び第1の蓋62の第1の分割面62a上で、一対の第1のベアリング44の外輪44bが固定される。同様に、第2のベアリング45の外輪45bが第2の蓋63とスパイダ本体61とにより挟持される。これにより、スパイダ本体61の第2の分割面61b及び第2の蓋63の第2の分割面63a上で、一対の第1のベアリング44の外輪44bが固定される。こうして、第1及び第2のベアリング44,45の外輪44b,45bがスパイダ43に固定されると共に、スパイダ43が第1及び第2のベアリング44,45を介して第1及び第2のヨーク41,42に連結される。
【0069】
この場合、ボルト70を締め付ける方向は、固定ピン48を圧入する方向、即ち、第1及び第2のベアリング44,45の軸線C1,C2と直交している。このとき、ボルト70によってスパイダ本体61に第1及び第2の蓋62,63を組み付けるときの荷重は、第1及び第2のベアリング44,45の軸線C1,C2と直交する方向に作用する。このため、第1及び第2のヨーク41,42とスパイダ43との連結部においては、ボルト70の締め付けによる荷重が、第1及び第2のベアリング44,45の軸線C1,C2と同方向に作用し難くなっている。このため、ユニバーサルジョイント30,40を組み付ける際、ボルト70の締め付けにより第1及び第2のベアリング44,45の内輪44a,45aと外輪44b,45bとが拗れ難くなっている。
【0070】
また、ユニバーサルジョイント30,40を構成するスパイダ43は、第1及び第2のヨーク41,42の内面により形成される空間Sに配置可能な大きさに形成されている。つまり、スパイダ43は、第1及び第2のヨーク41,42の外形よりも小さい空間内に配置可能な大きさに形成されている。このため、ユニバーサルジョイント30,40においては、第1及び第2のヨーク41,42間を回転力が伝達される際に生じる回転モーメント力が小さくなる。よって、ユニバーサルジョイント30,40を用いたツインペダル20では、バスドラムBDを演奏する際に、以下のような効果を奏する。即ち、左足で左ペダル23Lを踏み込むときや、踏み込まれた左ペダル23Lが戻るときに感じる操作フィーリングが、右足で右ペダル23Rを操作するときの操作フィーリングとずれ難くなる。よって、左右のペダル装置21L,21Rを用いてバスドラムBDを演奏する際に、違和感が無くなり、良好な操作フィーリングが得られる。
【0071】
次に、ユニバーサルジョイント40にペダル装置21Rの第2の回転シャフト24R2を接続する場合の作用について、図6図7図8を参照して説明する。
図6は、ボルト60を締め付ける前に第2の回転シャフト24R2が軸線(C4)周りに傾いていない状態を示す。この状態では、押圧部材46の平坦面46cと第2の回転シャフト24R2の上面28とがほぼ平行である。このため、ボルト60を締め付けることで、押圧部材46の平坦面46cと第2の回転シャフト24R2の上面28とが容易に面接触する。そして、図8に示すように、押圧部材46が第2の回転シャフト24R2に対し上方から押圧されることで、第2の回転シャフト24R2が挿入穴41cの壁面41eに圧接される。図7は、ボルト60を締め付ける前に第2の回転シャフト24R2が軸線(C4)周りに傾いている状態を示す。この状態では、押圧部材46の平坦面46cと第2の回転シャフト24R2の上面28とが平行でない。
【0072】
本実施形態では、第2の回転シャフト24R2の上面28の第2の幅W2が、押圧部材46の平坦面46cの第1の幅W1よりも大きい。また、平坦面46cの幅方向両端には、R状の角部46eが設けられている。このため、図7に示す状態からボルト60を締め付けると、平坦面46cの一方の角部46eによって第2の回転シャフト24R2の上面28が押圧される。これにより、第2の回転シャフト24R2は、軸線(C4)周りに図7に示す矢印の方向へと、押圧部材46の平坦面46cと第2の回転シャフト24R2の上面28とが面接触するまで回転する。その結果、押圧部材46の平坦面46cと第2の回転シャフト24R2の上面28とが平行でない状態からでも、図8に示すように、押圧部材46と第2の回転シャフト24R2とが面接触した状態へと円滑に移行する。つまり、第2の回転シャフト24R2が軸線(C4)周りに傾いている状態でも、押圧部材46により第2の回転シャフト24R2が押圧されることで、第2の回転シャフト24R2の軸線(C4)周りの傾きが矯正される。
【0073】
従って、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)スパイダ43は、第1及び第2のヨーク41,42の内面により形成される空間Sに配置可能な大きさに形成されている。つまり、スパイダ43は、第1及び第2のヨーク41,42の外形よりも小さい空間内に配置可能な大きさに形成されている。このため、ユニバーサルジョイント30,40においては、第1及び第2のヨーク41,42間を回転力が伝達される際に生じる回転モーメント力を小さくすることができる。
【0074】
(2)複数の部品を第1及び第2のベアリング44,45の軸線C1,C2と直交する方向から組み付けることで、第1及び第2のベアリング44,45の外輪44b,45bがスパイダ43に固定される。このとき、部品の組み付けによる荷重は、第1及び第2のヨーク41,42の軸線C1,C2と直交する方向に作用する。このため、第1及び第2のヨーク41,42とスパイダ43との連結部においては、上記荷重が第1及び第2のベアリング44,45の軸線C1,C2と同方向に作用し難くなっている。よって、第1及び第2のベアリング44,45をロックさせずにユニバーサルジョイント30,40を組み付けることが容易となり、製造上の負担を軽減できる。
【0075】
(3)スパイダ本体61の第1の分割面61aには、第1のベアリング44の外輪44bが配置される凹状の第1の収容部61d1が設けられている。また、スパイダ本体61の第2の分割面61bには、第2のベアリング45の外輪45bが配置される凹状の第2の収容部61d2が設けられている。この構成によれば、スパイダ43の内部に第1及び第2のベアリング44,45を配置してユニバーサルジョイント30,40を組み付けることができる。これにより、ユニバーサルジョイント30,40においては、第1及び第2のヨーク41,42とスパイダ43との連結部付近の形状がコンパクトになるため、回転モーメント力がより一層小さくなる。
【0076】
(4)スパイダ43は、スパイダ本体61と第1及び第2の蓋62,63とを組み付けることによって構成されている。この構成によれば、まず、スパイダ本体61の第1及び第2の収容部61d1,61d2に第1及び第2のベアリング44,45が配置される。そして、第1及び第2の収容部61d1,61d2内の第1及び第2のベアリング44,45を覆うように、第1及び第2の蓋62,63がスパイダ本体61に組み付けられる。この場合、複数の部品を組み付けてスパイダ43を製造するのと同時に、第1及び第2のベアリング44,45の外輪44b,45bをスパイダ43に固定することができる。よって、ユニバーサルジョイント30,40を組み付ける際の作業性が向上し、製造上の負担を更に軽減できる。
【0077】
(5)スパイダ43の第1の分割面61a,62aによって、軸線C1を共有する一対の第1のベアリング44が、軸線C1上の2箇所で固定される。また、スパイダ43の第2の分割面61b,63aによって、軸線C2を共有する一対の第2のベアリング45が、軸線C2上の2箇所で固定される。この構成によれば、スパイダ43を構成する部品にベアリング固定用の孔を4つ形成する従来構成と比較して、スパイダ43との位置合わせを要するベアリング44の数が半減する。このため、上記従来構成のスパイダより部品の寸法精度が低くても、ベアリング44の外輪44bをスパイダ43に圧接して固定することが容易となる。よって、製造上の負担をより一層軽減できる。
【0078】
(6)第1の蓋62が、第1の収容部61d1内に配置された一対の第1のベアリング44を覆うように第1の収容部61d1に嵌め込まれる。同様に、第2の蓋63が、第2の収容部61d2内に配置された一対の第2のベアリング45を覆うように第2の収容部61d2に嵌め込まれる。この構成によれば、一対の第1のベアリング44をスパイダ43に固定するための第1の蓋62が一部品として構成されている。同様に、一対の第2のベアリング45をスパイダ43に固定するための第2の蓋63が一部品として構成されている。これにより、一対のベアリングのそれぞれを別の蓋で固定する構成と比較して、部品の数が少なくなり、構成も簡素化される。よって、ユニバーサルジョイント30,40を組み付ける際の作業性が更に向上する。
【0079】
(7)スパイダ本体61、第1及び第2の蓋62,63は、第1のベアリング44の軸線C1及び第2のベアリング45の軸線C2と直交する直線L1上に配置された状態で組み付けられる。この構成によれば、スパイダ43の重心を、第1及び第2のヨーク41,42の内面により形成される空間Sの中心付近に設定することができる。これにより、ユニバーサルジョイント30,40においては、ユニバーサルジョイント30,40の中心付近に重心が設定されるため、回転モーメント力が更に小さくなる。
【0080】
(8)第1及び第2の蓋62,63は、スパイダ本体61に対して対向する位置で組み付けられる。これにより、スパイダ43の重心を、第1及び第2のヨーク41,42の内面により形成される空間Sの中心に更に近づけることが容易となる。
【0081】
(9)ボルト70は、スパイダ本体61に第1及び第2の蓋62,63を固定している状態で、ボルト70の軸線C5を直線L1と一致させるように配置されている。この構成によれば、ボルト70がスパイダ本体61及び蓋62,63と同一直線上に配置されるため、スパイダ43の重心を、第1及び第2のヨーク41,42の内面により形成される空間Sの中心に更に近づけることができる。これにより、ユニバーサルジョイント30,40においては、ユニバーサルジョイント30,40の中心に重心を更に近づけることができるため、回転モーメント力が更に小さくなる。
【0082】
(10)第1のヨーク41の内面には、固定ピン48を用いて、第1のベアリング44の軸線方向から第1のベアリング44の内輪44aが固定される。同様に、第2のヨーク42の内面にも、固定ピン48を用いて、第2のベアリング45の軸線方向から第2のベアリング45の内輪45aが固定される。この構成によれば、第1及び第2のヨーク41,42の内面に第1及び第2のベアリング44,45の内輪44a,45aを固定する方向が、スパイダ43に第1及び第2のベアリング44,45の外輪44b,45bを固定する方向と直交している。つまり、ユニバーサルジョイント30,40を組み付ける際に、第1及び第2のベアリング44,45の内輪44a,45aと外輪44b,45bとに対し同方向に荷重がかかり難い構成となっている。このため、第1及び第2のベアリング44,45の内輪44a,45aと外輪44b,45bとに拗れを生じさせずにユニバーサルジョイント30,40を組み付けることが容易となり、製造上の負担を更に軽減できる。
【0083】
(11)ネジやボルト等の固定具の先端を回転部材に直接押し当てて、回転部材をヨークの挿入穴の壁面に固定する方法がある。これに対し、本発明では、押圧部材46が、平坦面46cを上面28と面接触させた状態で、ボルト60によって、第2の回転シャフト24R2に対し上方から押圧される。この場合、ボルト60により押圧された押圧部材46を第2の回転シャフト24R2と面接触させた状態で、ボルト60による軸方向の力を第2の回転シャフト24R2に伝達することができる。これにより、第2の回転シャフト24R2を挿入穴41cの壁面41eに圧接して固定することができる。この場合、上記従来の固定方法と比較して、固定具による軸方向の力を、より広い面積で回転部材に伝達することができる。これにより、第1のヨーク41の挿入穴41cに対して第2の回転シャフト24R2を確実に固定することができる。
【0084】
(12)第2の回転シャフト24R2の上面28は、押圧部材46と面接触する接触面であり、平坦面46cの第1の幅W1よりも大きい第2の幅W2を有している。この構成によれば、ボルト60による軸方向の力により押圧部材46が第2の回転シャフト24R2に押圧された場合、平坦面46cの幅方向両端の角部46eが第2の回転シャフト24R2の上面28を押圧することができる。これにより、第2の回転シャフト24R2が軸線C4の周りに傾いた状態からでも、押圧部材46と第2の回転シャフト24R2とが面接触した状態へと円滑に移行させることができる。つまり、第2の回転シャフト24R2が軸線(C4)周りに傾いている状態でも、押圧部材46により第2の回転シャフト24R2が押圧されることで、第2の回転シャフト24R2の軸線(C4)周りの傾きを矯正することができる。よって、ボルト60を用いて第1のヨーク41の挿入穴41cに第2の回転シャフト24R2を固定する際の作業性が向上する。
【0085】
また、押圧部材46は、平坦面46cの幅方向の両端にR状の角部46eをそれぞれ有している。この構成によれば、押圧部材46の角部46eがR状であるため、押圧部材46の角部46eと第2の回転シャフト24R2との接触が滑らかになる。つまり、押圧部材46の角部46eが第2の回転シャフト24R2の上面28に引っ掛かりにくくなる。これにより、押圧部材46による第2の回転シャフト24R2の押圧が円滑に行われる。よって、押圧部材46と第2の回転シャフト24R2とが面接触した状態への移行が容易となる。
【0086】
上記各実施形態は、以下のように変更してもよい。
・本実施形態において、スパイダ43には、一対の第1のベアリング44が両第1のベアリング44の軸線C1上の2箇所で支持されると共に、一対の第2のベアリング45が両第2のベアリング45の軸線C2上の2箇所で支持されている。これに代えて、例えば、直交する2つの軸線C1,C2上にそれぞれ1つずつ配置された2つのベアリングをスパイダ43に固定してもよい。つまり、共有する軸線を有していない2つのベアリングをスパイダ43に固定して、ユニバーサルジョイント30,40を組み付けてもよい。
【0087】
・本実施形態において、スパイダ43は、略六面体状であったが、第1及び第2のヨーク41,42の内面により形成される空間S内で回転可能な形状であれば、例えば、球体や多面体等、任意の立体形状であってもよい。
【0088】
・本実施形態において、第1の蓋62を二つの蓋片に分割し、各蓋片により第1の収容部61d1内に配置された一対の第1のベアリング44のそれぞれを覆うように、二つの蓋片をスパイダ本体61に組み付けてもよい。第2の蓋63についても、上記と同様に、二つの蓋片に分割して、スパイダ本体61に組み付けてもよい。
【0089】
・本実施形態において、スパイダ本体61に第1及び第2の蓋62,63を固定するのにボルト70を用いたが、固定ピンを用いてもよい。この場合、固定ピンを第1の挿通孔62b及び第2の挿通孔62cを挿通させてから、固定ピンの先端を第2の蓋63の固定穴に圧入すればよい。また、ボルト70や固定ピン等の固定部材に代えて、磁石や接着剤やテープ等を用いて、スパイダ本体61に第1及び第2の蓋62,63を固定してもよい。
【0090】
・本実施形態において、第1及び第2のヨーク41,42の内面に第1及び第2のベアリング44,45の内輪44a,45aを固定するのに固定ピン48を用いたが、ボルトを用いてもよい。この場合、第1及び第2のヨーク41,42の内面にネジ孔を形成し、ネジ孔にボルトを締め付けることによって、第1及び第2のヨーク41,42の内面に第1及び第2のベアリング44,45を固定すればよい。
【0091】
・本実施形態において、押圧部材46から押圧部46dを省略してもよい。この場合、押圧部材46の底壁46aを第2の回転シャフト24R2の上面28と面接触させるため、底壁46aを平坦状に形成すればよい。
【0092】
・本実施形態において、第1のベアリング44及び第2のベアリング45は、ボールベアリング以外に、例えば、ころ軸受け等、内輪と外輪の間にボール以外の転動体を配置した任意の転がり軸受であってもよい。
【0093】
・本実施形態において、押圧部材46の角部46eは、R状にして丸みを帯びた形状とすること以外に、C面状にして鈍角を有するようにしてもよい。
・本実施形態において、楽器用ペダル装置は、左右の足で操作する一対のペダル装置21L,21Rを備えたツインペダル20に具体化したが、リモートバスドラムを演奏するドラムシステムに具体化してもよい。
【符号の説明】
【0094】
20…ツインペダル(楽器用ペダル装置)、21L,21R…ペダル装置(第1の装置、第2の装置)、22…連結ロッド装置、24L…回転シャフト、24R1…第1の回転シャフト、24R2…第2の回転シャフト(回転部材)、28…上面(接触面)、30,40…ユニバーサルジョイント、41…第1のヨーク、41c…挿入穴、41e…壁面、42…第2のヨーク、43…スパイダ、44…第1のベアリング、44a…内輪、44b…外輪、45…第2のベアリング、46…押圧部材、45a…内輪、45b…外輪、46c…平坦面(接触面)、46e…角部、52…連結ロッド(回転部材)、60…ボルト(固定具)、61…スパイダ本体、61a…第1の分割面、61b…第2の分割面、61d1…第1の収容部(凹部)、61d2…第2の収容部(凹部)、62…第1の蓋、62a…第1の分割面、62d…第1の当接部(凹部)、63…第2の蓋、63a…第2の分割面、63d…第2の当接部(凹部)、70…ボルト(固定部材)。
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