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特許7505778サーバ、ユーザ端末、システム、サーバの制御方法及びプログラム、ユーザ端末の制御方法及びプログラム並びにネットワーク接続装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】サーバ、ユーザ端末、システム、サーバの制御方法及びプログラム、ユーザ端末の制御方法及びプログラム並びにネットワーク接続装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 41/0806 20220101AFI20240618BHJP
【FI】
H04L41/0806
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021198410
(22)【出願日】2021-12-07
(65)【公開番号】P2023084308
(43)【公開日】2023-06-19
【審査請求日】2023-04-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】西田 幸礼
【審査官】宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/064790(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続されたネットワーク接続装置の装置情報を保存する装置情報保存部、但し該装置情報は装置識別情報と設定情報を含む
ユーザ端末から受信したユーザ端末生成情報に基づいて、交換されるネットワーク接続装置(以下「旧装置」という。)と新たに追加されるネットワーク接続装置(以下「新装置」という。)の紐付けを行う新旧装置紐付け部、但し該ユーザ端末生成情報は該旧装置の装置識別情報と該新装置の装置識別情報を含み、該紐付けは前記ユーザ端末から受信したユーザ端末生成情報に含まれる前記新装置の装置識別情報による前記装置情報保存部に保存された前記旧装置の装置情報に含まれる装置識別情報の上書きである、及び、
前記紐付けによって生成された設定移行情報を前記新装置へ送信する装置情報送信部、但し該設定移行情報は前記ユーザ端末から受信したユーザ端末生成情報に含まれる新装置の装置識別情報と前記装置情報保存部に保存された前記旧装置の装置情報に含まれる設定情報を含む、
を含
前記装置情報送信部は、前記設定移行情報を、前記新装置からの要求に応じて又は該設定移行情報の生成後自動的に前記新装置へ送信すること
を特徴とするサーバ。
【請求項2】
請求項1に記載のサーバにおいて、
前記装置情報保存部は、前記ネットワークに接続されているネットワーク接続装置の設定情報が更新された場合、該ネットワーク接続装置から受信した該ネットワーク接続装置の更新された設定情報に基づいて、該装置情報保存部に保存されたネットワーク接続装置の装置情報を自動的に更新すること
を特徴とするサーバ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のサーバと
ネットワーク接続装置の装置識別情報を取り込む装置識別情報取込部、及び、
前記装置識別情報取込部によって取り込んだ旧装置の装置識別情報と新装置の装置識別情報を含むユーザ端末生成情報を送信する送信部
を含む、ユーザ端末
を含む、システム。
【請求項4】
請求項に記載のシステムにおいて、
前記装置識別情報取込部は、前記ネットワーク接続装置の装置識別情報がコード化された識別子を読み取る読取部又は前記ネットワーク接続装置の装置識別情報が記録された近距離無線通信部と通信する通信部を含むこと
を特徴とするシステム
【請求項5】
サーバの制御方法であって、
ユーザ端末からユーザ端末生成情報を受信すること、但し該ユーザ端末生成情報は旧装置の装置識別情報と新装置の装置識別情報を含む、
前記ユーザ端末生成情報に基づいて、旧装置と新装置の紐付けを行うこと、及び、
前記紐付けによって生成した設定移行情報を前記新装置へ送信すること、但し該設定移行情報は前記ユーザ端末から受信したユーザ端末生成情報に含まれる新装置の装置識別情報と前記サーバに保存された前記旧装置の設定情報を含む、
前記設定移行情報を、前記新装置からの要求に応じて又は該設定移行情報の生成後自動的に前記新装置へ送信すること
を含む、サーバの制御方法。
【請求項6】
コンピュータに、請求項に記載のサーバの制御方法を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバ、ユーザ端末、システム、サーバの制御方法及びプログラム、ユーザ端末の制御方法及びプログラムに関し、とりわけ、ネットワーク接続装置の設定情報の移行に使用される、サーバ、ユーザ端末、システム、サーバの制御方法及びプログラム、ユーザ端末の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年無線LAN(Local Area Network)の普及が著しく、無線が自宅や会社、店舗、屋外など多くの場で利用できるようになった。また無線技術の進歩により無線規格やその規格に対応した無線装置が開発され世の中に広がっている。技術の進歩に伴い、ユーザはより早く快適な通信を求め最新無線技術を搭載した装置に買い替えることも多いが、そのたびに、旧装置(交換されるネットワーク接続装置)から新装置(新たに追加されるネットワーク接続装置)への装置設定の移行ないし引き継ぎが必要となる。この装置設定の移行のために種々のアプローチがある。
【0003】
非特許文献1はユーザがWeb GUI(Graphical User Interface)を用いて新装置の設定を行うアプローチを記載している。
【0004】
非特許文献2はWPS(Wi-Fi Protected Setup)を利用して旧装置から新装置へ設定を移行するアプローチを記載している。
【0005】
非特許文献3はPC(Personal Computer)等の外部機器を用いて設定情報を保存・復元するアプローチを記載している。
【0006】
非特許文献4は機器メーカーが提供するクラウド上のサーバに装置の設定情報を登録しておくことにより、装置がサーバにアクセスした際に装置個別の設定情報をダウンロードするアプローチを記載している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【文献】“Aterm(登録商標)WX3000HPユーザーズマニュアル”の“クイック設定Webの使いかた”,[online],2021年10月27日,NECプラットフォームズ株式会社,[令和3年11月5日検索],インターネット,<URL:https://www.aterm.jp/function/wx3000hp/guide/quickweb.html>
【文献】“Aterm(登録商標)WX3000HPユーザーズマニュアル”の“本商品を中継機/子機に設定して親機に接続する”,[online],2021年10月27日,NECプラットフォームズ株式会社,[令和3年11月5日検索],インターネット,<URL:https://www.aterm.jp/function/wx3000hp/guide/cnv_connect_ap.html>
【文献】“Aterm(登録商標)WX3000HPユーザーズマニュアル”の“設定内容を確認・保存・復元する”,[online],2021年10月27日,NECプラットフォームズ株式会社,[令和3年11月5日検索],インターネット,<URL:https://www.aterm.jp/function/wx3000hp/guide/current.html#hozon>
【文献】“Atermクラウド装置管理サービス”の“クラウド設定”,[online],Atermソリューション情報サイト,[令和3年11月5日検索],インターネット,<URL:https://www.aterm.jp/solution/service/cloud/s_s/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以下の分析は本発明者によってなされたものである。
【0009】
非特許文献1に記載されたアプローチでは、旧装置の設定情報に基づいて新装置を初めから設定する必要があり非常に面倒であるうえ、この設定はユーザがキーボードやマウスを用いて手動で行うため設定ミスが起こり易い。更に、無線LAN装置の設定及び設定に関連する機能に対し一定の知識も必要になる。
【0010】
更に、非特許文献2に記載されたアプローチでは、ユーザによる設定ミスは回避可能であるが、この場合も、新装置を中継機として親機としての旧装置に接続した後に面倒な親機モードへの変更をしなければならない等、無線LAN装置の関連する機能に対し一定の知識も必要になる。更に、このアプローチは、旧装置が正常に稼働していることを前提としており、従って、旧装置が故障している場合には利用できない。
【0011】
更に、非特許文献3に記載されたアプローチでは、ユーザによる設定ミスは回避可能であるが、この場合も、無線LAN装置の関連する機能に対し一定の知識も必要になる。更に、このアプローチは、無線LAN装置の最新の設定をPCに保存するためには、その設定を更新するたびにユーザが意図的に設定の保存をしなければならない上、その保存を行う前に無線LAN装置が故障した場合、最早利用できない。
【0012】
更に、非特許文献4に記載されたアプローチは、基本的にビジネス用のネットワーク管理が主目的であり、ネットワーク管理の全般的な知識や経験が必要になる。
【0013】
本開示の課題は、上記の問題点の少なくとも1つを解決することであり、とりわけ、無線LAN装置等のネットワーク接続装置やネットワーク全般についての知識を有しないユーザであっても旧装置の設定を新装置へ容易に移行できるようにし、しかも、旧装置が故障していてもそのような設定の移行を可能にすることに貢献する、サーバ、ユーザ端末、システム、サーバの制御方法及びプログラム、ユーザ端末の制御方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本開示の第1の視点により、サーバが提供される。
該サーバは、
前記ネットワークに接続されたネットワーク接続装置の装置情報を保存する装置情報保存部、但し該装置情報は装置識別情報と設定情報を含む、
ユーザ端末から受信したユーザ端末生成情報に基づいて、交換されるネットワーク接続装置(以下「旧装置」という。)と新たに追加されるネットワーク接続装置(以下「新装置」という。)の紐付けを行う新旧装置紐付け部、但し該ユーザ端末生成情報は該旧装置の装置識別情報と該新装置の装置識別情報を含み、該紐付けは前記ユーザ端末から受信したユーザ端末生成情報に含まれる前記新装置の装置識別情報による前記装置情報保存部に保存された前記旧装置の装置情報に含まれる装置識別情報の上書きである、及び、
前記紐付けによって生成された設定移行情報を前記新装置へ送信する装置情報送信部、但し該設定移行情報は前記ユーザ端末から受信したユーザ端末生成情報に含まれる新装置の装置識別情報と前記装置情報保存部に保存された前記旧装置の装置情報に含まれる設定情報を含む、
を含
前記装置情報送信部は、前記設定移行情報を、前記新装置からの要求に応じて又は該設定移行情報の生成後自動的に前記新装置へ送信する(形態1)
開示の第の視点により、
本開示のサーバと、
ネットワーク接続装置の装置識別情報を取り込む装置識別情報取込部、及び、
前記装置識別情報取込部によって取り込んだ旧装置の装置識別情報と新装置の装置識別情報を含むユーザ端末生成情報を送信する送信部
を含む、ユーザ端末
を含む、システムが提供される(形態)。
本開示の第の視点により、サーバの制御方法が提供される。
該制御方法は、
ユーザ端末からユーザ端末生成情報を受信すること、但し該ユーザ端末生成情報は旧装置の装置識別情報と新装置の装置識別情報を含む、
前記ユーザ端末生成情報に基づいて、旧装置と新装置の紐付けを行うこと、及び、
前記紐付けによって生成した設定移行情報を前記新装置へ送信すること、但し該設定移行情報は前記ユーザ端末から受信したユーザ端末生成情報に含まれる新装置の装置識別情報と前記サーバに保存された前記旧装置の設定情報を含む、
前記設定移行情報を、前記新装置からの要求に応じて又は該設定移行情報の生成後自動的に前記新装置へ送信すること
を含む(形態)。
本開示の第の視点により、コンピュータに、本開示のサーバの制御方法を実行させるプログラムが提供される(形態
お、上記のプログラムは、コンピュータが読み取り可能な(非トランジエントな)記憶媒体に記録することができる。即ち、本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。プログラムは、コンピュータ装置に入力装置又は外部から通信インターフェースを介して入力され、記憶装置に記憶されて、プロセッサを所定のステップないし処理に従って駆動させ、必要に応じ中間状態を含めその処理結果を段階毎に表示装置を介して表示することができ、あるいは通信インターフェースを介して、外部と交信することができる。そのためのコンピュータ装置は、一例として、典型的には互いにバスによって接続可能なプロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インターフェース、及び必要に応じ表示装置を備える。
【0015】
上記形態1のサーバにおいて
記装置情報保存部は、前記ネットワークに接続されているネットワーク接続装置の設定情報が更新された場合、該ネットワーク接続装置から受信した該ネットワーク接続装置の更新された設定情報に基づいて、該装置情報保存部に保存されたネットワーク接続装置の装置情報を自動的に更新することが可能である(形態)。
上記形態システムにおいて、
前記装置識別情報取込部は、前記ネットワーク接続装置の装置識別情報がコード化された識別子を読み取る読取部又は前記ネットワーク接続装置の装置識別情報が記録された近距離無線通信部と通信する通信部を含むことが可能である(形態)。
【発明の効果】
【0016】
本開示ないしその各視点は、とりわけ、無線LAN装置等のネットワーク接続装置やネットワーク全般についての知識を有しないユーザであっても旧装置の設定を新装置へ容易に移行することを可能にすることに貢献することができ、しかも、旧装置が故障していてもそのような設定の移行を可能にすることに貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本開示のシステムの第1実施形態の構成の一例のブロック図。
図2図1に示したシステムにおける旧装置を設定変更する際の動作の一例のシーケンス図。
図3図1に示したシステムにおける新装置のネットワークへの接続後の動作の一例のシーケンス図。
図4図2又は図3に示したデータG及びデータHの構成の一例。
図5】本開示のシステムの第2実施形態の一例のブロック図。
図6】本開示のサーバと本開示のユーザ端末から構成される本開示のシステムの最小構成に係る一実施形態の一例の模式的ブロック図。
図7図6に示した本開示のサーバの一例。
図8図6に示した本開示のユーザ端末の一例。
図9図6に示したネットワーク接続装置の一例。
図10図6に示したシステムにおける動作の一例のシーケンス図。
図11図10に示した装置情報、ユーザ端末生成情報及び設定移行情報の一例。
図12】ハードウェア資源の構成の一例を模式的に示したブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本開示の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、専ら本開示の理解を助けるためのものであり、本開示を図示の態様に限定することは意図していない。また、各図におけるブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印は、信号、情報、データ等の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。更に、各図におけるブロック間の接続は有線又は無線方式の何れでも可能である。更に、プログラムはコンピュータ装置を介して実行され、コンピュータ装置は、例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インターフェース、及び必要に応じ表示装置を備え、コンピュータ装置は、通信インターフェースを介して装置内又は外部の機器(コンピュータを含む)と、有線、無線を問わず、交信可能に構成される。
【0019】
また、本開示において、「ネットワーク」は、典型的にはインターネットであるが、これに限定されず、例えば構内LAN等のような複数の情報処理装置の相互接続を媒介する任意のネットワークを含む。
更に、本開示において、「ネットワーク接続装置」は、例えば無線又は有線LAN装置等のような、ネットワークに接続可能であり、その動作のために設定を必要とする任意の装置を含む。
更に、本開示において、「ユーザ端末」ないし「デバイス」は、典型的にはスマートフォン等の携帯電話機であるが、これに限定されず、例えばタブレット、PDA(Personal Digital Assistant)等の情報端末、QRコード(登録商標)リーダ、バーコードリーダ等のような、ネットワーク接続装置の装置識別情報(MACアドレス、シリアル番号等)を、該ネットワーク接続装置に付された識別子(QRコード、バーコード等)の撮像により及び/又は近距離無線通信(NFC(Near Field Communication)等)を利用して取得し、これを送信する機能を有する任意の装置を含む。
更に、本開示において、「接続」は、無線方式及び有線方式の何れも含み得る。
【0020】
(第1実施形態)
図1は、本開示のネットワーク接続装置の設定情報移行システムの第1実施形態の構成の一例を示す。該システムは、交換されるネットワーク接続装置(以下「旧装置」という。)1-1、新たに追加されるネットワーク接続装置(以下「新装置」という。)1-2、サーバ1-3、ユーザ端末ないしデバイス(第1実施形態においては「デバイス」を用いる。)1-4、ネットワーク1-5から構成される。
【0021】
旧装置1-1は、装置情報送信部1-1-1、設定情報1-1-2、装置ID1-1-3を含む。装置ID1-1-3はQRコード/NFC1-1-4としてデータ化され旧装置1-1に構成される。新装置1-2も、旧装置1-1と同様に、装置情報送信部1-2-1、設定情報1-2-2、装置ID1-2-3、QRコード/NFC1-2-4を含む。サーバ1-3は装置情報保存部1-3-1、装置情報送信部1-3-2、新旧装置紐付け部1-3-3を含む。デバイス1-4はQRコード/NFC読み取り部1-4-1を含む。
【0022】
ネットワーク接続装置の装置情報送信部(旧装置1-1及び新装置1-2の装置情報送信部1-1-1、1-2-1)は、該装置が装置ID(MAC(Media Access Control)アドレスやシリアル番号等)及び設定情報をサーバに送信する機能ないし手段Aを有する。機能ないし手段Aは、設定情報の更新時に自動的に更新された設定情報をサーバへ送信することも可能である。ネットワーク接続装置の装置情報送信部は、更に、該装置のネットワークへの接続時に、該装置が設定情報を含んでいない場合、サーバに設定情報の送信を要求する機能ないし手段Bを有する。
【0023】
サーバ1-3の装置情報保存部1-3-1は、(当該サーバ1-3が接続されたネットワークに接続された)ネットワーク接続装置の設定情報を保存する機能ないし手段Cを有する。
【0024】
サーバ1-3の装置情報送信部1-3-2は、新装置1-2からの機能ないし手段Bに基づく設定情報(送信)要求に応じて該新装置1-2へ設定情報を送信する機能ないし手段Dを有する。
【0025】
サーバ1-3の新旧装置紐付け部1-3-3は、デバイス1-4から受信したデータH(図4参照)に含まれている装置IDによって旧装置と新装置の関連付けを認識し、これらの装置の紐付けを行う機能ないし手段Iを有する。
【0026】
デバイス1-4のQRコード/NFC読み取り部1-4-1は、旧装置1-1及び新装置1-2のQRコードやNFCを介してこれらの装置の装置ID(ないし固有情報)1-1-3及び1-2-3を読み込む機能ないし手段Eを有する。該QRコード/NFC読み取り部1-4-1は、更に、データG(図4)を含む情報をサーバに送信する機能ないし手段Fを有する。
【0027】
データGは、ネットワーク接続装置の装置情報、とりわけ装置ID(MACアドレス、シリアル番号等)及び設定情報を含む。データHは、互いに関連付けられた旧装置1-1の装置ID1-1-3及び新装置1-2の装置ID1-2-3を含む。
【0028】
図2は、上記のように構成されかつ上記の機能ないし手段を有するシステムにおいて旧装置を設定変更する際の動作の一例のシーケンス図である。
【0029】
まず、ユーザが旧装置2-1を設定変更すると(2-3)、該旧装置2-1は、サーバ2-2へ向けて設定変更の信号を送信する(2-4)。
【0030】
サーバ2-2は、設定変更の信号を受信すると、装置情報保存部からのデータGの送信要求(2-5)を旧装置2-1に向けて送信する(2-6)。
【0031】
旧装置2-1は、サーバ2-2からのデータGの送信要求を受信すると、装置情報送信部で該旧装置2-1の設定情報とMACアドレスやシリアル番号等の装置IDから構成されるデータGを生成し(2-7)、サーバ2-2へ送信する(2-8)。
【0032】
サーバ2-2は、データGを受信すると、旧装置2-1のデータGを装置情報保存部に保存する(2-9)。この場合、既に同一の装置IDが装置情報保存部に保存されていれば、上書き保存する(2-9)。
【0033】
このようにして、ユーザが旧装置2-1の設定変更した場合、自動的にサーバ2-2へ設定を保存することができる。
【0034】
図3は、上記のように構成されかつ上記の機能ないし手段を有するシステムにおいて新装置をネットワークへ接続した後の動作、即ち、ユーザが新装置3-3をネットワークに接続した後、旧装置3-2の最新の設定情報が該新装置3-3に反映されるまでの動作の一例のシーケンス図である。
【0035】
まず、ユーザが新装置3-3をネットワークに接続すると(3-5)、新装置3-3は、新装置3-3の装置IDをサーバ3-4へ送信する(3-6)。
【0036】
サーバ3-4は、新装置3-3の装置IDを受信すると、サーバ3-4の装置情報保存部にて装置IDを検索し(3-7)、新装置(3-3)に向けて、装置IDなしの情報を送る(3-8)。
【0037】
新装置3-3は、装置IDなしの情報を受信した場合、再度新装置3-3の装置IDをサーバ3-4に向けて送信する(3-6)。
【0038】
この新装置3-3からサーバ3-4への新装置3-3の装置IDの送信は新装置3-3の装置IDがサーバ3-4で検索されるまで繰り返す(3-9)。
【0039】
次に、ユーザは、デバイス3-1においてQRコード/NFC読み取りアプリを起動する(3-10)。
【0040】
旧装置3-2と新装置3-3は、装置IDをQRコードまたはNFCデータ化しているとする(3-11)、(3-12)。
【0041】
デバイス3-1は、QRコード/NFC読み取り部によって旧装置3-2のQRコードまたはNFCと、新装置3-3のQRコードまたはNFCを読み込む(3-13)、(3-14)。
【0042】
デバイス3-1は、読み込んだ旧装置3-2の装置IDと新装置3-3の装置IDからデータHを生成し(3-15)、生成したデータHをサーバ3-4に送信する(3-16)。
【0043】
サーバ3-4は、デバイス3-1からデータHを受信すると、新旧装置紐付け部で旧装置3-2と新装置3-3の紐付けを行い、装置情報保存部において旧装置3-2のデータGに新装置3-3の装置IDを上書き保存する(3-17)。
【0044】
サーバ3-4の装置情報保存部において新装置3-3の装置IDを上書きした後、新装置3-3から装置IDを受信したサーバ3-4は、装置情報保存部において装置IDを検索し、新装置3-3に装置IDありの情報を送信する(3-18)。
【0045】
新装置3-3は、装置IDありの情報を受信すると、その装置情報送信部から設定情報要求(3-19)をサーバ3-4へ送信する(3-20)。
【0046】
サーバ3-4は、設定情報要求を受信すると、その装置情報保存部において新装置3-3の装置IDを検索し、装置情報送信部においてデータGを読み込み(3-21)、新装置3-3に送信する(3-22)。
【0047】
新装置3-3は、データGを受信すると、受信したデータGから設定情報を読み出し、その設定を新装置3-3に反映させる(3-23)。
【0048】
以上のようにして、ユーザが新装置3-3をインターネットに接続すると、旧装置3-2の最新の設定情報は新装置3-3に引き継がれることができる。
【0049】
(第2実施形態)
図5は、本開示のネットワーク接続装置の設定情報移行システムの第2実施形態の一例のブロック図である。なお、第2実施形態において、ネットワークはインターネットであり、ネットワーク接続装置(旧装置及び新装置)の識別子はQRコードであり、ユーザ端末ないしデバイスはスマートフォンである(以下「スマホ」と略称する)。
【0050】
第2実施形態のシステムは、旧装置5-1、新装置5-2、サーバ5-3、QRコードを読み込むためのスマホ5-4、これらを繋げるインターネット5-5から構成されている。
【0051】
本実施形態で使用するQRコード5-1-4、5-2-4は装置筐体の側面の記載や付属されるシールに記載されているとする。旧装置5-1、新装置5-2は本開示の技術を搭載している装置とする。ユーザがスマホ5-4によってQRコード5-1-4、5-2-4を読み込む際のアプリ(ないしプログラム)5-4-1としては、それ自体既知のQRコード読み込みアプリが使用されている。
【0052】
新装置5-2は、インターネット5-5に接続されておらず、スマホ5-4とサーバ5-3は、インターネット5-5に接続されている。新装置5-2をインターネット5-5に接続した後、本開示の技術を用いて新装置5-2に旧装置5-1の設定を移行する。
【0053】
本実施形態のシステムのシーケンスは、図3に示した第1実施形態のシステムのシーケンスと同様であり、以下に示す。
【0054】
ユーザが新装置5-2をインターネット5-5に接続すると、新装置5-2は新装置5-2の装置ID5-2-3をサーバ5-3へ送信する。
【0055】
サーバ5-3は、新装置5-2の装置IDを受信すると、その装置情報保存部5-3-1において装置ID5-2-3を検索し、新装置5-2へ装置IDなしの情報を送る。
【0056】
新装置5-2は、装置IDなしの情報を受信すると、再度新装置5-2の装置ID5-2-3をサーバ5-3へ送信する。
【0057】
この新装置5-2からサーバ5-3への新装置5-2の装置ID5-2-3の送信は、新装置5-2の装置ID5-2-3がサーバ5-3で検索されるまで繰り返される。
【0058】
次に、ユーザは、スマホ5-4においてQRコード読み取りアプリ5-4-1を起動する。
【0059】
旧装置5-1と新装置5-2の装置ID5-1-3、5-2-3は、QRコード化されている。
【0060】
スマホ5-4は、そのカメラで旧装置5-1のQRコード5-1-4と新装置5-2のQRコード5-2-4を撮像し、QRコード読み取りアプリ5-4-1によって旧装置5-1の装置ID5-1-3と新装置5-2の装置ID5-2-3を読み込む。
【0061】
スマホ5-4は、読み込んだ旧装置5-1の装置ID5-1-3と新装置5-2の装置ID5-2-3からデータH(図4参照)を生成し、生成したデータHをサーバ5-3へ送信する。
【0062】
サーバ5-3は、スマホ5-4からデータHを受信すると、新旧装置紐付け部5-3-3において旧装置5-1と新装置5-2の紐付けを行い、装置情報保存部5-3-1において旧装置5-1についてのデータG(図4参照)に新装置5-2の装置ID5-2-3を上書き保存する。
【0063】
サーバ5-3の装置情報保存部5-3-1において新装置5-2の装置ID5-2-3を上書きした後、新装置5-2から装置ID5-2-3を受信したサーバ5-3は、その装置情報保存部5-3-1において装置ID5-2-3を検索し、新装置5-2に装置IDありの情報を送信する。
【0064】
新装置5-2は、装置IDありの情報を受信すると、その装置情報送信部5-3-2から設定情報要求をサーバ5-3へ送信する。
【0065】
サーバ5-3は、設定情報要求を受信すると、その装置情報保存部5-3-1において新装置5-2の装置ID5-2-3を検索し、その装置情報送信部5-3-2によってデータGを読み込み新装置5-2へ送信する。
【0066】
新装置5-2は、データGを受信すると、受信したデータGから設定情報を読み出して取り込む。
【0067】
以上のようにして、ユーザが新装置5-2をインターネット5-5に接続すると、旧装置5-1の最新の設定情報が新装置5-2に引き継がれる。
【0068】
(最小構成)
図6は、本開示に係るサーバ10と本開示に係るユーザ端末20から構成される本開示に係る最小構成に係る一実施形態のネットワーク接続装置の設定情報移行システムの一例を示す。なお、図6には、更に、このシステムに関わるネットワーク30、ネットワーク接続装置(図9参照)としての旧装置40及び新装置50が破線で示されている。
【0069】
図7は、本開示に係るサーバ10の一例を示す。
【0070】
サーバ10は、装置情報保存部10a、新旧装置紐付け部10b及び装置情報送信部10cを含む。
【0071】
装置情報保存部10aは、ネットワーク30に接続されたネットワーク接続装置の装置情報90-1(図11参照)を保存することができる。なお、図11に示されているように、ネットワーク接続装置の装置情報90-1は、当該ネットワーク接続装置の装置識別情報(MACアドレス、シリアル番号等)及び設定情報を含む。
【0072】
新旧装置紐付け部10bは、ネットワーク30を介してユーザ端末20から受信したユーザ端末生成情報90-2(図11参照)に基づいて、交換されるネットワーク接続装置即ち旧装置40と新たに追加されるネットワーク接続装置即ち新装置50の紐付けを行うことができる。なお、図11に示されているように、ユーザ端末生成情報90-2は、互いに関連付けられた旧装置の装置識別情報と新装置の装置識別情報を含む。
【0073】
新旧装置紐付け部10bにおけるこの紐付けは、ユーザ端末20から受信したユーザ端末生成情報90-2に含まれる新装置50の装置識別情報による、装置情報保存部10aに保存された旧装置40の装置情報に含まれる装置識別情報の上書きによって行うことができる。そして、この紐付けにより、新装置の装置識別情報と旧装置の設定情報を含む設定移行情報90-3(図11参照)が生成される。
【0074】
装置情報送信部10cは、新旧装置紐付け部10bにおける紐付けによって生成された設定移行情報90-3をネットワーク30を介して新装置50へ送信することができる。
【0075】
図8は、本開示に係るユーザ端末20の一例を示す。
【0076】
ユーザ端末20は、装置識別情報取込部20a及び送信部20bを含む。
【0077】
装置識別情報取込部20aは、ネットワーク接続装置の装置識別情報を取り込むことができる。なお、装置識別情報取込部20aは、ネットワーク接続装置の筐体の外面に付され該ネットワーク接続装置の装置識別情報がコード化された識別子、例えばQRコード、バーコード等、を読み取る読取部及び/又はネットワーク接続装置に内蔵されネットワーク接続装置の装置識別情報が記録された近距離無線通信部と、例えばNFCを介して、通信する通信部を含むことができる。
【0078】
送信部20bは、装置識別情報取込部20aによって取り込まれかつ互いに関連付けられた旧装置40の装置識別情報と新装置50の装置識別情報を含むユーザ端末生成情報をネットワーク30を介してサーバへ送信することができる。
【0079】
図9は、図6に示したシステムによる設定情報の移行の対象となるネットワーク接続装置70の一例を示す。
【0080】
ネットワーク接続装置70は、装置情報送受信部70a、装置情報保存部70b及び装置識別情報保存部70cを含む。
【0081】
装置情報送受信部70aは、装置情報保存部70bに保存されたネットワーク接続装置70の装置情報に含まれる設定情報が更新された場合、その都度、この更新された設定情報を装置識別情報と共に自動的にサーバへ送信する機能を有することも可能である。これにより、ユーザは、ネットワーク接続装置70の設定更新の都度、更新された設定を手動でバックアップする必要がなくなり、更には、ネットワークへの新装置の接続時に旧装置がネットワークから既に分離されている場合や故障等により稼働できない場合であっても、旧装置の最新の設定情報を新装置へ移行することが可能になる。
【0082】
装置情報保存部70bは、ネットワーク接続装置70の設定情報と装置識別情報を含む装置情報を保存することができる。
【0083】
装置識別情報保存部70cは、ネットワーク接続装置70の装置識別情報を保存することができる。
【0084】
装置識別情報保存部70cは、ネットワーク接続装置70の装置識別情報がコード化された識別子又はネットワーク接続装置70の装置識別情報が記録された近距離無線通信部を含むことができ、或いは、これらの識別子及び近距離無線通信部の両方を含むこともできる。
【0085】
識別子は、例えば、ネットワーク接続装置70の筐体の外面に付されるQRコード又はバーコードとして構成されることができる。この場合、ユーザ端末20は、旧装置40が故障等により稼働できない場合であっても、旧装置40の装置識別情報を取り込むことができる。
【0086】
近距離無線通信部は、例えばネットワーク接続装置70に内蔵されたNFCチップないしタグとして構成されることができる。この場合、ユーザ端末20は、QRコード、バーコード等として構成された識別子の削れ、剥がれ等のために、当該識別子を読み取ることができない場合であっても、ネットワーク接続装置70の装置識別情報を取り込むことができる。更に、NFCを利用する場合も、ユーザ端末20は、旧装置40が故障等により稼働できない場合であっても、旧装置40の装置識別情報を取り込むことができる。
【0087】
更に、ネットワーク接続装置70は、QRコード、バーコード等として構成された識別子を当該ネットワーク接続装置70に接続されたPC等の他の装置のモニタ等においてWeb GUIで表示する機能を有することも可能である。この場合、旧装置40及び/又は新装置50から離れた場所においても、ネットワーク接続装置の設定情報の移行を行うことが可能になる。
【0088】
図10は、図6に示したシステムにおける動作の一例のシーケンス図である。
【0089】
まず、ユーザ端末20によって、旧装置40の装置識別情報と新装置50の装置識別情報を取り込む(80-2)。
【0090】
なお、上記(80-2)の前に既に、サーバ10には、旧装置40を含むネットワーク接続装置70の装置情報(装置識別情報と設定情報)が保存されている(80-1)。そして、サーバ10には、ネットワーク接続装置70の設定が更新される都度、好ましくは自動的に、該ネットワーク接続装置70から更新された装置情報がその装置識別情報と共に送信され、これに基づいて、サーバ10に保存された当該ネットワーク接続装置70の設定情報が更新される。
【0091】
次に、ユーザ端末20において、取り込んだ旧装置40の装置識別情報と新装置50の装置識別情報を含むユーザ端末生成情報90-2が生成される(80-3)。なお、ユーザ端末生成情報90-2を構成する旧装置40の装置識別情報と新装置50の装置識別情報は、後に行われるサーバ10における旧装置40と新装置50の紐付け(80-5)のために、互いに関連付けられる。
【0092】
次に、ユーザ端末20からサーバ10へユーザ端末生成情報が送信される(80-4)。
【0093】
次に、サーバ10において旧装置40と新装置50の紐付けが行われる(80-5)。この紐付けは、サーバ10の装置情報保存部10aに保存された旧装置40の装置情報に含まれる装置識別情報を、サーバ10がユーザ端末20から受信したユーザ端末生成情報に含まれる新装置50の装置識別情報によって上書きすることによって行われる。なお、この紐付けによって生じた新装置50の装置識別情報と旧装置40の設定情報を含む情報は設定移行情報と称される。
【0094】
最後に、この紐付けによって生成した設定移行情報がサーバ10から新装置50へ送信される。
【0095】
かくして、この設定移行情報に基づいて、旧装置40の設定の新装置50への移行ないし引き継ぎを行うことができる。
【0096】
このように、本開示によれば、設定の移行は、ユーザ端末によるネットワーク接続装置の装置識別情報の読み込み及び生成した情報の送信だけで完結するため、ネットワークやネットワーク接続装置について知識の乏しいユーザであっても、更には旧装置が故障している場合や既にネットワークから分離されている場合であっても、極めて容易に実行することができる。
【0097】
更に、本開示は、無線機器を介したネットワーク上で接続環境の変更や故障時の復旧の際にも利用され得る。
【0098】
更に、本開示によれば、例えば企業が管理者権限でユーザのデータにアクセスを可能にすることでバグのメンテナンスをする際、正確な情報が取得できメンテナンスのスピード向上を図り得る。
【0099】
なお、上記各実施形態に係るサーバは、いわゆるハードウェア資源(情報処理装置、コンピュータ)により構成することができ、図12に例示する構成を備えたものを用いることができる。例えば、ハードウェア資源200は、内部バス204により相互に接続される、プロセッサ201、メモリ202、ネットワークインタフェイス203等を備える。
【0100】
なお、図12に示す構成は、ハードウェア資源200のハードウェア構成を限定する趣旨ではない。ハードウェア資源200は、図示しないハードウェア(例えば、入出力インタフェイス)を含んでもよい。あるいは、装置に含まれるプロセッサ201等のユニットの数も図12の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のプロセッサ201がハードウェア資源200に含まれていてもよい。プロセッサ201には、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等を用いることができる。
【0101】
メモリ202には、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等を用いることができる。
【0102】
ネットワークインタフェイス203には、例えば、LAN(Local Area Network)カード、ネットワークアダプタ、ネットワークインタフェイスカード等を用いることができる。
【0103】
ハードウェア資源200の機能は、上述の処理モジュールにより実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ202に格納されたプログラムをプロセッサ201が実行することで実現される。また、そのプログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。即ち、上記処理モジュールが行う機能は、何らかのハードウェアにおいてソフトウェアが実行されることによって実現できればよい。
【0104】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
[付記1]サーバは、
(該サーバが接続された)ネットワークに接続されたネットワーク接続装置の装置情報を保存する装置情報保存部、但し該装置情報は装置識別情報(MACアドレス、シリアル番号等。以下同様)と設定情報を含む、
(前記ネットワークを介して)ユーザ端末から受信したユーザ端末生成情報に基づいて、交換されるネットワーク接続装置(以下「旧装置」という。)と新たに追加されるネットワーク接続装置(以下「新装置」という。)の紐付けを行う新旧装置紐付け部、但し該ユーザ端末生成情報は(互いに関連付けられた)該旧装置の装置識別情報と該新装置の装置識別情報を含み、該紐付けは前記ユーザ端末から受信したユーザ端末生成情報に含まれる前記新装置の装置識別情報による前記装置情報保存部に保存された前記旧装置の装置情報に含まれる装置識別情報の上書きである、及び、
前記紐付けによって生成された設定移行情報を(前記ネットワークを介して)前記新装置へ送信する装置情報送信部、但し該設定移行情報は前記ユーザ端末から受信したユーザ端末生成情報に含まれる新装置の装置識別情報と前記装置情報保存部に保存された前記旧装置の装置情報に含まれる設定情報を含む、
を含む。
[付記2]上記のサーバにおいて、
前記装置情報送信部は、前記設定移行情報を、前記新装置からの要求に応じて又は該設定移行情報の生成後自動的に前記新装置へ送信する。
[付記3]上記のサーバにおいて、
前記装置情報保存部は、前記ネットワークに接続されているネットワーク接続装置の設定情報が更新された場合、該ネットワーク接続装置から受信した該ネットワーク接続装置の更新された設定情報に基づいて、該装置情報保存部に保存されたネットワーク接続装置の装置情報を自動的に更新する。
[付記4]上記のサーバにおいて、
前記ネットワークはインターネット又は構内LANである。
[付記5](ネットワークを介してサーバにアクセス可能な)ユーザ端末。
該ユーザ端末は、
ネットワーク接続装置の装置識別情報を取り込む装置識別情報取込部、及び、
前記装置識別情報取込部によって取り込んだ旧装置の装置識別情報と新装置の装置識別情報を含むユーザ端末生成情報を送信する送信部
を含む。
[付記6]上記のユーザ端末において、
前記装置識別情報取込部は、前記ネットワーク接続装置の装置識別情報がコード化された識別子(QRコード、バーコード等。以下同様)を読み取る読取部又は前記ネットワーク接続装置の装置識別情報が記録された近距離無線通信部と通信する通信部を含む。
[付記7]上記のユーザ端末において、
ユーザ端末生成情報を構成する旧装置の装置識別情報と新装置の装置識別情報は互いに関連付けられている。
[付記8]上記のユーザ端末は、スマートフォン等の携帯電話機、タブレット、QRコードリーダ、バーコードリーダ等のイメージスキャナとして構成される。
[付記9]
上記の何れかのサーバと、上記の何れかのユーザ端末を含む、システム。
[付記10]サーバの制御方法。
該制御方法は、該サーバに以下をさせることを含む:
ユーザ端末からユーザ端末生成情報を受信すること、但し該ユーザ端末生成情報は(互いに関連付けられた)旧装置の装置識別情報と新装置の装置識別情報を含む、
前記ユーザ端末生成情報に基づいて、旧装置と新装置の紐付けを行うこと、及び、
前記紐付けによって生成した設定移行情報を前記新装置へ送信すること、但し該設定移行情報は前記ユーザ端末から受信したユーザ端末生成情報に含まれる新装置の装置識別情報と前記サーバに保存された前記旧装置の設定情報を含む。
[付記11]上記のサーバの制御方法において、
前記紐付けは、前記ユーザ端末から受信したユーザ端末生成情報に含まれる前記新装置の装置識別情報による、前記装置情報保存部に保存された前記旧装置の装置情報に含まれる装置識別情報の上書きである。
[付記12]上記のサーバの制御方法において、
前記設定移行情報は、前記新装置からの要求に応じて又は該設定移行情報の生成後自動的に前記新装置へ送信される。
[付記13]上記のサーバの制御方法において、
前記ネットワークに接続されているネットワーク接続装置の設定情報が更新された場合、該ネットワーク接続装置から受信した該ネットワーク接続装置の更新された設定情報に基づいて、該装置情報保存部に保存されたネットワーク接続装置の装置情報は自動的に更新される。
[付記14]コンピュータに、上記の何れかのサーバの制御方法を実行させるプログラム。
[付記15]ユーザ端末の制御方法。
該制御方法は、
旧装置の装置識別情報と新装置の装置識別情報を取り込むこと、及び、
前記取り込んだ旧装置の装置識別情報と新装置の装置識別情報を含むユーザ端末生成情報を送信すること
を含む。
[付記16]上記のユーザ端末の制御方法において、
前記ネットワーク接続装置の装置識別情報がコード化された識別子(QRコード、バーコード等。以下同様)の読み取りによって又は前記ネットワーク接続装置の装置識別情報が記録された近距離無線通信部と通信によって、該装置識別情報は該ユーザ端末に取り込まれる。
[付記17]上記のユーザ端末の制御方法において、
ユーザ端末生成情報を構成する旧装置の装置識別情報と新装置の装置識別情報は互いに関連付けられている。
[付記18]上記のユーザ端末の制御方法において、
上記のユーザ端末は、スマートフォン等の携帯電話機、タブレット、QRコードリーダ、バーコードリーダ等のイメージスキャナとして構成されている。
[付記19]コンピュータに、上記の何れかのユーザ端末の制御方法を実行させるプログラム。
[付記20]ネットワークに接続可能なネットワーク接続装置。
該ネットワーク接続装置は、
装置識別情報と設定情報を含む装置情報を(前記ネットワークを介して)サーバと送受信する装置情報送受信部、
前記装置情報を保存する装置情報保存部、及び、
ユーザ端末によって取り込まれる装置識別情報を保存する装置識別情報保存部
を含む。
[付記21]上記のネットワーク接続装置において、
前記装置識別情報保存部は、装置識別情報がコード化された識別子及び/又は装置識別情報が記録された近距離無線通信部
を含む。
[付記22]上記のネットワーク接続装置において、
前記識別子は、該ネットワーク接続装置の筐体の外面に付されたQRコード又はバーコードである。
[付記23]上記のネットワーク接続装置において、
前記近距離無線通信部は、該ネットワーク接続装置に内蔵されたNFCチップである。
[付記24]上記のネットワーク接続装置は、無線又は有線LAN装置として構成される。
[付記25]上記のシステムは、更に、上記の何れかのネットワーク接続装置を含む。
【0105】
本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素( 各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択(部分的削除を含む)が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0106】
10 サーバ
10a 装置情報保存部
10b 新旧装置紐付け部
10c 装置情報送信部
20 ユーザ端末
20a 装置識別情報取込部
20b 送信部
30 ネットワーク
40 旧装置
50 新装置
70 ネットワーク接続装置
70a 装置情報送受信部
70b 装置情報保存部
70c 装置識別情報保存部
100 システム
200 ハードウェア資源
201 プロセッサ
202 メモリ
203 ネットワークインタフェイス
204 内部バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12