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特許7505787弦巻線を圧縮することで螺旋状体を生成する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】弦巻線を圧縮することで螺旋状体を生成する方法
(51)【国際特許分類】
   H01F 41/04 20060101AFI20240618BHJP
   H01F 27/32 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
H01F41/04 Z
H01F27/32 130
H01F41/04 F
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021541510
(86)(22)【出願日】2020-02-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-01
(86)【国際出願番号】 EP2020053953
(87)【国際公開番号】W WO2020165435
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】102019202049.6
(32)【優先日】2019-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】598080163
【氏名又は名称】フラウンホッファー-ゲゼルシャフト ツァー フェーデルング デア アンゲバンテン フォルシュング エー ファー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブッセ、マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ワストマン、フランツ-ヨーゼフ
【審査官】後藤 嘉宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-258201(JP,A)
【文献】特開2006-157989(JP,A)
【文献】特開2006-158024(JP,A)
【文献】特開2005-319479(JP,A)
【文献】特開2005-310566(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102014000636(DE,A1)
【文献】特開2005-186092(JP,A)
【文献】国際公開第2012/127603(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/177596(WO,A1)
【文献】独国特許出願公開第102014222468(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 41/04
H01F 27/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気的コイルの形状である螺旋状体を、導電性材料から生成する方法であって、前記方法において、まずは形状の前記導電性材料が複数のターンを有する弦巻線を形成するようにマンドレルの周りに巻き付けられ、次に圧力をかける前に、前記マンドレルおよび前記弦巻線はダイ内に配置され、前記マンドレルに固定的に接続されたベースプレートが形状ロック接続により前記ダイに接続され、その後、前記弦巻線に対して前記弦巻線の軸方向に圧力がかけられ、その結果、個別のターンの断面が、前記弦巻線の前記軸方向に変形および圧縮され、前記弦巻線に対する前記圧力は、多段階に上昇し、圧力上昇後毎に、再度前記圧力が一時的に低下する、方法。
【請求項2】
軸方向圧力が、前記弦巻線に対して、ルス状打ち込み形式で、複数回連続してかけられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マンドレルおよび前記弦巻線は、前記圧力がかかる前に、前記弦巻線を囲い、前記弦巻線の径方向外方への拡張を制限するダイ内に配置される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記弦巻線に対する前記圧力、または圧力パルスの強度は、前記巻きの少なくとも1つのターンの場合、前記弦巻線の前記軸方向の高さが少なくとも10減少するように選択される、請求項1からの何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記形状材料には、電気的絶縁および/または含侵性外層が、巻き処理の前または後に設けられる、請求項1からの何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記形状材料には、気的絶縁および/または含侵性外層が、前記弦巻線の前記圧縮後に設けられる、請求項1からの何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記弦巻線は圧縮後に電気的絶縁充填材料により封止され、前記電気的絶縁充填材料は前記弦巻線の前記ターン間の中間空間を完全に充填し、前記弦巻線の前記ターンを互いに電気的に絶縁する、請求項1からの何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
ダイと、前記ダイを、前記弦巻線を巻き付けるためのマンドレルに接続する接続デバイスと、記マンドレルを収容するための凹部を備えるラムを含む圧力デバイスであって、前記ラムは、前記弦巻線に対する前記圧力を、多段階に上昇させ、圧力上昇後毎に、再度前記圧力が一時的に低下させる、請求項1からの何れか一項に記載の方法を実施するためのデバイス。
【請求項9】
前記ダイは、前記圧縮された弦巻線を収容するための円錐形空洞を含む、請求項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械工学分野に関し、金属鋳造によって弦巻線を生成する際の鋳造技術の分野で特に有利に利用可能である。
【背景技術】
【0002】
螺旋状金属体は、電気工学および力学において多種多様な用途に、例えばばねまたは電気的コイルとして使用可能である。現状、例えば電線のような、より線形状金属体を巻くことで生成された1次巻コイルが電気機械で使用されている。この製造技術では、利用可能な設置スペースが理想的に充填されないことが多い。具体的には、当該コイルが円筒形を有さない場合、製造には巻き時に追加の手動作業が伴うことが多い。
【0003】
充填レベルを上げて、当該巻き線/コイルを含む電気機械の電力またはトルク密度を上げるために、金属鋳造工程により当該螺旋状体を生成することが記述されている。これにより、当該弦巻線の断面および外形のより自由な構成が可能になる。具体的には、例えば、個別のターンの断面も自由に構成できる。理想的な空間利用と放熱により、電力と、放熱効率の両方が理想化できる。しかし、鋳造による弦巻線および電気的コイルの製造は、製造時にその他欠点を伴う。
【発明の概要】
【0004】
背景技術の背景に対して、本発明の目的は、製造の複雑さを最小限にとどめながら、最終製品により理想的な空間利用を可能とする、特に電気的コイルである螺旋状体を製造する方法を創り出すことである。
【0005】
目的は、請求項1の特徴により、本発明によって実現される。従属請求項2から8は、螺旋状体を生成する方法の可能な実装を示す。本発明はさらに、請求項9に記載の特徴を有するデバイスと、当該デバイスの可能な実施形態に関する。
【0006】
よって、本発明は、特に電気的コイルである螺旋状体を、導電性材料から生成する方法において、まずはより線形状の上記材料が複数のターンを有する弦巻線を形成するようにマンドレルの周りに巻き付けられ、次に圧力をかける前に、上記マンドレルおよび上記弦巻線はダイ内に配置され、上記マンドレルに固定的に接続されたベースプレートが形状ロック接続、特に差し込み係止部により上記ダイに接続され、その後、上記弦巻線に対して上記弦巻線の軸方向に圧力がかけられ、その結果、上記個別のターンの断面が、上記弦巻線の上記軸方向に変形および圧縮される、方法に関する。
【0007】
原則として、電気的コイル成形時に、まず弦巻線を巻く形式の従来の方法が使用され得る。その後、弦巻線に対して、個別のまたは全てのターンの断面が変形するように、軸方向圧力をかけることで、弦巻線の材料を変形させる。これにより、弦巻線の長手方向のターンがより密に詰め込まれ、ターン数を同じに保ったまま、弦巻線の空間要件の低減が維持される。同時に、個別のターンの断面は、径方向に拡張可能である。したがって、弦巻線により形成された電気的コイルはより高効率および省スペースとなる。さらに、弦巻線のターン間の熱伝導の向上により、全体の熱伝導、したがって損失熱の散逸が向上できる。
【0008】
方法の一実施形態では、軸方向圧力が、上記弦巻線に対して、特にパルス状打ち込み形式で、複数回連続してかけられるように提供され得る。これにより、圧縮は多段階変形処理で実行可能である。これによると、多くの場合に、材料クラックまたはあり得る構造的変化を伴うことなく、十分な変形が実現できる。例えば打ち込みによる、圧力のパルス状上昇は、迅速且つ動的に高圧力が、対応する力を静的に生成またはそれに耐えるデバイスを提供する必要なく、生成できるという利点がある。
【0009】
別の実施形態は、上記弦巻線に対する上記圧力は、多段階に上昇し、特に、圧力上昇後毎に、再度上記圧力が一時的に低下することを提供できる。弦巻線に対する当該多段階圧力上昇は、弦巻線の材料が多段階に変形されることで、構造的変化が限定されるという意味内で、有効な結果をさらに有し得る。
【0010】
上記弦巻線の成形について、上記マンドレルおよび上記弦巻線は、上記圧力がかかる前に、上記弦巻線を囲い、上記弦巻線の径方向外方への拡張を制限するダイ内に配置されるように提供され得る。軸方向圧力印加時の弦巻線の径方向拡張が、ダイにより制限される。ダイの結果、弦巻線の目標外形が画定できる。これは、十分な軸方向圧力をかけることで実現できる。特に、弦巻線は、マンドレルとダイとの間の空間を充填するまで、圧力をかけることにより、マンドレル上で、且つマンドレルとダイとの間で、軸方向に圧縮することができる。この目的のため、マンドレルおよびダイは、互いに同軸上に配置され、特に、互いに接続される。
【0011】
ダイは、圧縮後に弦巻線も同様に円筒形または錐台形状の外輪郭を有するように、円筒形または錐台形状の空洞を含むことができる。そのような弦巻線は、例えば、個別の巻き線のために利用可能な設置スペースも同様に錐台形状を有する回転電気機械における電気的コイルとして使用することができる。
【0012】
マンドレルおよびダイの両方は、安定した金属、特にスチールで形成することができる。
【0013】
弦巻線のマンドレル上への巻き付けは、マンドレルがダイへと導入される前に行われるのが有利である。その結果、有利な設計では、離れたマンドレルと、これに接続可能なダイが提供される。マンドレルおよびダイは、ダイの径方向に最も狭い領域において互いに接続可能である。
【0014】
方法の別の実施形態は、上記弦巻線に対する上記圧力、または上記圧力パルスの強度は、上記巻きの少なくとも1つのターンの場合、上記弦巻線の上記軸方向の高さが少なくとも10%、特に少なくとも20%減少するように選択されることを提供できる。
【0015】
弦巻線の軸圧縮の間、ダイが径方向で最も拡張される領域において、個別のターンが軸方向に最も圧縮可能である。この領域では、弦巻線の長手方向における個別のターンの高さに対する個別のターンの径方向幅の比は、最大であり、ダイの径方向により狭い領域においてよりも大きい。例えば、弦巻線は、巻き付けられたより線の断面について、高さに対する径方向幅の比が2:1、または特に5:1とまでなるように圧縮可能である。
【0016】
方法の別の実施形態では、上記より線形状材料には、電気的絶縁および/または含侵性外層が、巻き処理の前または後に設けられるように提供され得る。より線形状材料の変形の間にやはり変形する層を、絶縁外層として提供することができる。その結果、外層は変形の間も閉じられたままとなる。この目的のため、容易に変形可能なプラスチック材料が特に適している。外層としてさらに酸化層も提供され得る。酸化層は、例えば、弦巻線の変形の後、生じたクラック部位にて空気と接触して新たに形成され、弦巻線のターンを電気的に絶縁する。
【0017】
方法の一実施形態では、上記より線形状材料には、特に電気的絶縁および/または含侵性外層が、上記弦巻線の上記圧縮後に設けられるようにさらに提供され得る。これは、例えば、弾性の弦巻線によって可能とすることができる。すなわち、その結果、ターンの圧縮および変形後、圧縮力が低下した後に弦巻線自体が軸方向にある程度弾性拡張し、その結果、弦巻線の個別のターンは互いの距離を確立し、これによって、コーティングにアクセス可能となる。次に、例えば、弦巻線を含侵する、または噴霧によって、コーティングを塗布可能である。上記弦巻線の上記ターン間の中間空間を、上記弦巻線の上記個別のターンを互いに電気的に絶縁するように鋳造によって、絶縁材料により充填することも可能である。この目的のため、毛細管作用によって、液体材料を弦巻線の中間空間に引き込ませるか、これを支持するように、絶縁材料を選択可能である。鋳造は、真空鋳造の形式で実行可能である。この目的のため、マンドレルのベースプレートとダイとの間の接続は、真空気密に設計可能である。コーティング処理のため、弦巻線はさらに、力をかけながら、長手方向に一時的に弾性拡張することができる。
【0018】
よって、本発明の別の有利な実施形態は、上記弦巻線は、圧縮後の鋳造によって、上記弦巻線の上記ターン間の中間空間を完全に充填する、充填材料により封止されることを提供できる。
【0019】
上述の種類の方法に加えて、本発明はさらに、ダイと、上記ダイを、上記弦巻線を巻き付けるためのマンドレルに接続する接続デバイスと、特に上記マンドレルを収容するための凹部を含むラムを含む圧力デバイスとを備える、上記方法を実施するためのデバイスに関する。
【0020】
さらに、上記ダイは、上記圧縮された弦巻線を収容するための円錐形空洞を含むように提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明は以下に、図面の各図に基づいて示され、説明される。
図面において、
【0022】
図1】その周りにコイルを巻き付けられるマンドレルを示す。
図2】その上に巻き付けられたコイルを含むマンドレルを示す。
図3】ダイ内の、その上に巻き付けられたコイルを含むマンドレルを示す。
図4】ダイおよび圧力器具と共にマンドレルを示す。
図5】コイルを巻き付けるための別のマンドレルを示す。
図6】マンドレル上に巻き付けられた、絶縁層を含むより線形状材料から形成されるコイルを示す。
図7】ダイ内の、マンドレル上に絶縁体を含む巻き付けられたコイルを示す。
図8】マンドレル、コイル、および圧力器具と共にダイを示す。
図9】圧縮後の、ダイ内の、絶縁層のないコイルを示す。
図10】圧縮後の、ダイ内の、絶縁層のあるコイルを示す。
図11】ダイ内で圧縮された、絶縁層のないコイルを示す。
図12】ダイ内で圧縮された、絶縁層のあるコイルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、円筒形設計、例えば、円形断面を有し得るマンドレル1を示す。しかし、マンドレル1は、楕円または多角形断面、またはその他形状の断面を有することもできる。
【0024】
図2は、ベースプレートの形状である接続デバイス2に接続されたマンドレル1を示す。より線形状材料である弦巻線3が、マンドレル1上に巻き付けられる。より線形状材料は、例えば円形断面を有する金属電線であり得る。例えば金属は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、または銅合金であり得る。金属電線も、楕円またはその他形状の断面を有し得る。接続要素となるベースプレート2は、そこから突出し、ダイ4の差し込み係止部と協働する要素2a、2bを含む。
【0025】
図3は、ベースプレート2上の巻き付けられた弦巻線3を含むマンドレル1を示す。ここで、円錐形ダイ4が、ベースプレート2、したがってさらにマンドレル1に、差し込み係止部により接続される。円錐形ダイ4は、同心状にマンドレル1を囲う。単層巻き線の形状の弦巻線3が、ダイ4と、円筒形マンドレル1との間の円錐形空洞内に配置される。
【0026】
図4は、ダイ4上方の圧力デバイスのラム5を示し、その駆動機構は詳細に示されていない。駆動機構は例えば油圧であり得る。矢印6、7は、ダイ4内へとラム5が導入される方向を示す。ラム5は、軸8で示される、配置の長手方向で、弦巻線3を上からプレスする。弦巻線3の個別のターン9、10が、個別のターンの断面が変形するように、圧縮される程度に、ラム5による圧力が上昇する。
【0027】
図5および図6は、マンドレル1と、ベースプレート2とを含む構成を示す。より線形状の金属体3'が、マンドレル1に、弦巻線の形式で巻き付けられる。より線形状の金属体は、カバー層12を含む電線11から構成される。カバー層は通常電気絶縁性で、例えば、酸化層またはさらにポリマー層、あるいは、一般的にプラスチック層として設計可能である。
【0028】
図7は、ダイ4において絶縁性電線から形成される弦巻線3'を、図3と同様に示す。
【0029】
図8は、ダイ4と、弦巻線3'が巻き付けられたマンドレル1と、矢印6、7の方向で弦巻線3'を軸圧縮するためのラム5とを含む構成を、図4と同様に示す。弦巻線は、カバー層が設けられたより線形状の金属体から構成される。
【0030】
図9は、第1圧縮処理後のダイ4内の弦巻線3を示す。より線形状の金属体/電線のターンのいくつか、またはさらには全ても、断面形状に関して変形することが明らかである。軸圧縮の結果、個別のターンが配置の長手方向に平坦化されている。空洞の円錐形形状により、個別ターン用に多少の空間がダイ4内で径方向に使用可能であるため、長手軸に沿った位置によって、個別のターンは多少平坦化可能である。図9の最も底側に配置された弦巻線のターンの平坦化が最小であり、最上のターンが配置の径方向に最も拡張することができるため、最も平坦な形状となることは明らかである。
【0031】
図10は、図9と同様だが、カバー層を含み、それにより圧縮されている電線に基づく状況を示す。
【0032】
弦巻線3、3'は、ラム5により作用する圧縮力を増やすか、繰り返しの打ち込み状圧縮により、さらに圧縮可能である。これにより、弦巻線3、3'の個別のターン間の中間空間がさらに低減でき、弦巻線による空間充填が向上する。弦巻線を形成するより線形状体を形成する材料の延性によっては、中間空間は実質的にゼロまで低減可能である。
【0033】
図11および図12はそれぞれ弦巻線を示す。図11は、カバー層のないより線形状体から形成される弦巻線を示し、一方、図12は、カバー層のあるより線形状体から形成される弦巻線を示す。いずれの場合でも、個別のターン間の中間空間を完全に充填するように、弦巻線が圧縮されている。ここで、弦巻線の径方向外側の輪郭は、ダイ4の内側の輪郭に一致する。一方、弦巻線の内側の円筒形輪郭は、マンドレル1の外面に一致する。この形状で、弦巻線は例えば電気機械内に設置できるようになっている。設置前に、弦巻線の個別のターンの表面に第1または追加カバー層を塗布する、または弦巻線の圧縮中に損傷したカバー層を例えば熱処理により焼きなますことが有用または必要となり得る。
【0034】
図11に示す弦巻線の場合、弦巻線の個別のターンの間の中間空間が、ラム除去後、弾力性により発生し得、カバー層材料により充填可能である。弦巻線を例えば樹脂のような絶縁性材料内に含侵することで、個別のターンは互いに絶縁可能となる。弦巻線の個別のターン間の中間空間が不十分であれば、弦巻線はさらに、カバー層の塗布中に、カバー層が乾燥および/または硬化/ポリマー化によって固化するまで、弾性拡張し得る。
【0035】
図11および図12に示す形状を有する弦巻線は、例えば電気機械内の積層スタックの歯の上に配置され得る。当該歯が、電気機械内の外周で星形に分散されている場合、歯の間の中間空間も同様に、図示形状の円錐形弦巻線により理想的に充填される、円錐形状を有する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12