(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】屈曲可能なロック部材を有するロック機構
(51)【国際特許分類】
F16B 39/24 20060101AFI20240618BHJP
F16B 5/00 20060101ALI20240618BHJP
F16B 43/00 20060101ALI20240618BHJP
F16B 39/28 20060101ALI20240618BHJP
F16B 35/06 20060101ALI20240618BHJP
F16B 35/04 20060101ALI20240618BHJP
F16B 37/04 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
F16B39/24 B
F16B5/00 E
F16B43/00 B
F16B39/28 Z
F16B35/06 Z
F16B35/04 A
F16B39/24 L
F16B37/04 M
(21)【出願番号】P 2021559042
(86)(22)【出願日】2020-03-30
(86)【国際出願番号】 US2020025695
(87)【国際公開番号】W WO2020205724
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-01-16
(32)【優先日】2019-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517302435
【氏名又は名称】エンデュラロック・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Enduralock, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】ヘス,ハロルド
(72)【発明者】
【氏名】フル-シェケリー,ゾルタン カルマン
(72)【発明者】
【氏名】セルバラジ,ディープテシュ
【審査官】正木 裕也
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-004743(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 39/24
F16B 5/00
F16B 43/00
F16B 39/28
F16B 35/06
F16B 35/04
F16B 37/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸に沿って延びるねじ切りされた本体部と
、軸方向に延びるスロットが設けられた外面を有するヘッド部とを含む、ねじ部材と、
複数のラチェット歯を含み、その中に伸びる開口部を規定する第1のロック部材と、
第2のロック部材とを、備え、
前記ラチェット歯は、
前記第1のロック部材から、前記軸に平行な方向に延びており、
前記開口部は、
前記ねじ切りされた本体部を受容する大きさであり、
前記第2のロック部材は、
前記ねじ部材に回転可能に結合するように構成されたベース部と、
前記ベース部から軸方向に延び、前記ベース部に結合された近位端と、前記近位端とは反対側の自由端とを有する、少なくとも1つのスプリングフィンガとを、備え、
前記第2のロック部材は、
前記少なくとも1つのスプリングフィンガの前記自由端が、前記複数のラチェット歯と係合するように構成された、ロック位置と、
前記少なくとも1つのスプリングフィンガの前記自由端が、前記複数のラチェット歯から間隔を空けて配置された、ロック解除位置とを、有し、
前記少なくとも1つのスプリングフィンガは、
前記第2のロック部材を前記ロック位置から前記ロック解除位置に切り替え、前記少なくとも1つのスプリングフィンガを前記複数のラチェット歯から離すために、前記ねじ
切りされた本体部の前記軸に対して半径方向内側に変位可能であ
り、
前記少なくとも1つのスプリングフィンガは、
前記ベース部が前記ヘッド部に結合されたときに、前記軸方向に延びるスロットに、少なくとも部分的に係合する、
締結具アセンブリ。
【請求項2】
前記第1のロック部材は、
内周面、外周面、および、前記内周面と前記外周面との間に延びる環状面を有する、本体を含み、
前記ラチェット歯は、
前記環状面から上方に向かって延びている、
請求項1に記載の締結具アセンブリ。
【請求項3】
前記第2のロック部材の前記ベース部は、
環状リングを備え、
前記少なくとも1つのスプリングフィンガは、
前記環状リングから軸方向に延びる一対のスプリングフィンガを備える、
請求項1に記載の締結具アセンブリ。
【請求項4】
前記一対のスプリングフィンガと前記環状リングとは、
一体である、
請求項3に記載の締結具アセンブリ。
【請求項5】
前記ヘッド部は、
前記第2のロック部材を受けるように構成され、前記ベース部と係合するように構成されたフランジを含む、
請求項1に記載の締結具アセンブリ。
【請求項6】
前記第2のロック部材は、
前記少なくとも1つのスプリングフィンガの前記自由端上の、複数の歯を、さらに備え、
前記複数の歯は、
前記ロック位置で前記ラチェット歯と係合するように構成されている、
請求項1に記載の締結具アセンブリ。
【請求項7】
前記第1のロック部材は、
前記締結具アセンブリがパネルに結合されたときに、前記第1のロック部材の回転を制限するように構成された、少なくとも1つの回転防止機能を含む、
請求項1に記載の締結具アセンブリ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの回転防止機能は、
パネル内の表面構造に対応する複数の表面構造を、備える、
請求項
7に記載の締結具アセンブリ。
【請求項9】
前記第2のロック部材を、前記ロック位置と前記ロック解除位置との間で切り替える、ように構成された工具を、さらに備え、
前記工具は
、ボアを規定する、本体を備
え、
前記ボアは、前記本体が前記少なくとも1つのスプリングフィンガに係合するように、前記ヘッド部および前記第2のロック部材の少なくとも一部を、その中に受け入れるように構成されている、
請求項1に記載の締結具アセンブリ。
【請求項10】
締結具アセンブリのロック機構であって、
複数のラチェット歯と、その中に延びる開口部を規定する本体とを含む第1のロック部材と、
第2のロック部材とを、備えており、
前記開口部は、
前記締結具アセンブリのねじ部材を受け入れる大きさであり、
前記本体は、
内周面、外周面、および前記内周面と前記外周面との間に延びる環状面を有し、
前記ラチェット歯は、
前記環状面から上方に延びており、
前記第2のロック部材は、
それとの回転のために、前記ねじ部材に結合するように構成された環状リングと、
前記環状リングから軸方向に延びる、一対のスプリングフィンガとを、備え、
前記一対のスプリングフィンガの各スプリングフィンガは、
前記環状リングに接合された近位端と、前記近位端とは反対側の自由端とを有し、
前記第2のロック部材は、
各自由端が前記複数のラチェット歯と係合するように構成された、ロック位置と、各自由端が前記複数のラチェット歯から間隔を空けて配置された、ロック解除位置とを有し、
前記一対のスプリングフィンガは、
前記第2のロック部材を前記ロック位置から前
記ロック
解除位置に切り替え、前記一対のスプリングフィンガを前記複数のラチェット歯から離すために、前記ねじ部材の軸に対して半径方向内側に変位可能であ
り、
前記一対のスプリングフィンガは、
前記締結具アセンブリのヘッド部の外面に設けられた軸方向に延びる一対のスロットに、少なくとも部分的に係合する、
ロック機構。
【請求項11】
前記一対のスプリングフィンガの各スプリングフィンガは、
前記自由端が、前記第2のロック部材の最大幅を規定するように、前記環状リングから半径方向外側に延びている、
請求項
10に記載のロック機構。
【請求項12】
前記第2のロック部材は、
各自由端上に複数の歯を、さらに備えている、
請求項
10に記載のロック機構。
【請求項13】
前記環状リングと前記一対のスプリングフィンガとは、
一体である、
請求項
10に記載のロック機構。
【請求項14】
ねじ切りされた本体部
と、軸方向に延びるスロットが設けられた外面を有するヘッド部とを含む締結具のためのロック機構を組立てる方法であって、
複数のラチェット歯を含む第1のロック部材を、提供することと、ここで、前記第1のロック部材は、その中を延びる第1の開口部を規定し、前記第1の開口部は、前記ねじ切りされた本体部を受容する大きさであり、前記ラチェット歯は、前記第1のロック部材が前記ねじ
切りされた本体部に配置されたときに、前記第1のロック部材から前記ねじ
切りされた本体部の軸に平行な方向に延びており、
第2のロック部材のベース部を形成することと、ここで、前記ベース部は、その中を延びる第2の開口部を規定し、前記第2の開口部は、前記ねじ切りされた本体部を受容する大きさであり、
前記第2のロック部材の少なくとも1つのスプリングフィンガを形成すること、ここで、前記少なくとも1つのスプリングフィンガは、 前記ベース部に接合された近位端と、前記近位端の反対側の自由端とを有し、
前記少なくとも1つのスプリングフィンガが、前記ベース部から軸方向に延びるように
、且つ、前記ベース部が前記ヘッド部に結合されたときに、前記軸方向に延びるスロットに前記少なくとも1つのスプリングフィンガが少なくとも部分的に係合するように、前記少なくとも1つのスプリングフィンガを、前記ベース部に対して角度をつけて曲げることと、を備えており、
前記第2のロック部材は、
前記少なくとも1つのスプリングフィンガの前記自由端が、前記複数のラチェット歯に係合するように構成された、ロック位置と、前記少なくとも1つのスプリングフィンガの前記自由端が、前記複数のラチェット歯から間隔を空けて配置された
、ロック
解除位置との間で、位置決め可能であり、
前記ベース部および前記少なくとも1つのスプリングフィンガは、
一体化されており、
前記少なくとも1つのスプリングフィンガは、
前記第2のロック部材を前記ロック位置から前記ロック解除位置に切り替え、前記少なくとも1つのスプリングフィンガを前記複数のラチェット歯から離すために、前記ねじ
切りされた本体部の前記軸に対して半径方向内側に変位可能である、
方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つのスプリングフィンガの前記自由端上に、複数の歯を形成することを、さらに備えており、
前記複数の歯は、前記自由端から軸方向に延び、前記少なくとも1つのスプリングフィンガが、前記ベース部に対して角度をつけて曲げられたときに、前記ラチェット歯と係合するように構成されている、
請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
軸に沿って延びており、ねじ切りされた本体部を含む、ねじ部材と、
前記ねじ切りされた本体部とねじ的に係合するように構成されたナット
であって、軸方向に延びるスロットが設けられた外面を有するナットと、
複数のラチェット歯を含み、その中に延びる開口部を規定する、第1のロック部材と、
第2のロック部材とを、備えており、
前記開口部は、
前記ねじ切りされた本体部を受容する大きさであり、
前記第1のロック部材は、
前記ねじ部材に対して前記第1のロック部材
の回転を防止するように構成された、少なくとも1つの回転防止構造を含み、
前記ラチェット歯は、
前記第1のロック部材から前記軸に平行な方向に延びており、
前記第2のロック部材は、
前記ナットと回転可能に結合するように構成されたベース部と、
前記ベース部から軸方向に延びる、少なくとも1つのスプリングフィンガとを、備え、
前記少なくとも1つのスプリングフィンガは、
前記ベース部に結合された近位端と、前記近位端とは反対側の自由端とを有し、
前記第2のロック部材は、
前記少なくとも1つのスプリングフィンガの前記自由端が、前記複数のラチェット歯と係合するように構成された、ロック位置と、前記少なくとも1つのスプリングフィンガの前記自由端が、前記複数のラチェット歯から間隔を空けて配置された
、ロック
解除位置とを有し、
前記少なくとも1つのスプリングフィンガは、
前記第2のロック部材を前記ロック位置から前記ロック解除位置に切り替えて、前記少なくとも1つのスプリングフィンガを前記複数のラチェット歯から離すために、前記ねじ
切りされた本体部の前記軸に対して半径方向内側に変位可能であ
り、
前記少なくとも1つのスプリングフィンガは、
前記ベース部が前記ナットに結合されたときに、前記軸方向に延びるスロットに、少なくとも部分的に係合する、
締結具アセンブリ。
【請求項17】
前記第1のロック部材は、
内周面、外周面、および前記内周面と前記外周面との間に延びる環状面を有する、本体を含み、
前記ラチェット歯は、
前記環状面から上方に延びている、
請求項
16に記載の締結具アセンブリ。
【請求項18】
前記第2のロック部材の前記ベース部は、
環状リングを含み、
前記少なくとも1つのスプリングフィンガは、
前記環状リングから軸方向に延びる、一対のスプリングフィンガを含む、
請求項
16に記載の締結具アセンブリ。
【請求項19】
前記一対のスプリングフィンガおよび前記環状リングは、
一体である、
請求項
18に記載の締結具アセンブリ。
【請求項20】
前記ナットは、
前記第2のロック部材を受容するように構成され、前記ナット上に前記第2のロック部材を保持するように構成されたフランジを含む、
請求項
16に記載の締結具アセンブリ。
【請求項21】
前記第2のロック部材は、
前記少なくとも1つのスプリングフィンガの前記自由端上に、複数の歯を、さらに含み、
前記複数の歯は、
前記ロック位置において、前記ラチェット歯と係合するように構成されている、
請求項
16に記載の締結具アセンブリ。
【請求項22】
前記第2のロック部材を、前記ロック位置と前記ロック解除位置との間で、切り替えるように構成された工具を、さらに備え、
前記工具は
、ボアを規定する本体を、含
み、
前記ボアは、前記本体が前記少なくとも1つのスプリングフィンガに係合するように、前記ナットおよび前記第2のロック部材の少なくとも一部を、その中に受容するように構成されている、
請求項
16に記載の締結具アセンブリ。
【請求項23】
軸に沿って延びており、ねじ切りされた本体部を含む、ねじ部材と、
複数のラチェット歯を含み、その中に延びる開口部を規定する、第1のロック部材と、
第2のロック部材とを、備えており、
前記開口部は、
前記ねじ切りされた本体部を受容する大きさであり、
前記第1のロック部材は、
前記ねじ部材に対して前記第1のロック部材
の回転を防止するように構成された、少なくとも1つの回転防止構造を含み、
前記ラチェット歯は、
前記軸に対して半径方向に高さが伸びており、
前記第2のロック部材は、
貫通するように延びており、前記ねじ切りされた本体部を受容する大きさである、開口部を規定する内側部と、
前記内側部から軸方向に延びる少なくとも1つのタブを含む、外側部とを、備えており、
前記少なくとも1つのタブは、
前記内側部に接合された近位端と、前記近位端とは反対側の自由端とを有し、
前記第2のロック部材は、
前記少なくとも1つのタブの前記自由端が、前記複数のラチェット歯と係合するように構成された、ロック位置と、前記少なくとも1つのタブの前記自由端が、前記複数のラチェット歯から間隔を空けて配置された、ロック解除位置とを有
し、
前記少なくとも1つのタブは、
前記タブの前記自由端が、前記ラチェット歯に向かって、半径方向内側に延びるような、少なくとも1つの屈曲部を有する、
締結具アセンブリ。
【請求項24】
前記第1のロック部材は、
内周面、外周面、および前記内周面と前記外周面との間に延びる環状面を有する、本体を含み、
前記ラチェット歯は、
前記外周面から半径方向外側に延びている、
請求項
23に記載の締結具アセンブリ。
【請求項25】
前記少なくとも1つのタブは、
前記内側部から延びる一対の径方向に対向する、タブを含む、
請求項
23に記載の締結具アセンブリ。
【請求項26】
前記第2のロック部材は、
前記少なくとも1つのタブの前記自由端上に、複数の歯を含む、
請求項
23に記載の締結具アセンブリ。
【請求項27】
前記第2のロック部材は、
前記内側部および前記外側部に結合されたベース部を、さらに含み、
前記ベース部は、
前記ベース部に対する前記外側部および前記内側部の回転を制限するように構成された、少なくとも1つの第1回転防止構造を含む、
請求項
23に記載の締結具アセンブリ。
【請求項28】
前記ベース部は、
少なくとも1つのパネルに対する前記ベース部の回転を制限するように構成された、少なくとも1つの第2の回転防止構造を、さらに含む、
請求項
27に記載の締結具アセンブリ。
【請求項29】
前記第2のロック部材は、
シングルピースである、
請求項
23に記載の締結具アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の分野は、一般的に、締結具に関するものであり、より具体的には、ねじ式締結具のロック機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
締結具は、時間の経過とともに締結具要素が緩まないようにするための機構や設計上の特徴を含み、接合された要素が緩んだり分離したりする可能性がある。機構の例は、ねじ穴のインサートと、締め付け時に変形するねじ山のプロファイルとを、含む。ロック部材、コッターピン、ロックワイヤーなどの締結具付属品も、一般的に、締結具要素の緩みを防ぐための締結具と一緒に使用される。エポキシのような接着材料を、締結具要素を支え、締結具要素の緩みを防止するために、締結具のねじ山に適用することができる。しかし、従来の締結具機構、付属品、および接着剤は、高温環境や激しい振動を受ける構造物など、用途によっては適さない場合がある。
【0003】
さらに、締結具アセンブリの製造に必要な、時間とコストを削減することができる。例えば、締結具要素が経時的に緩まないようにするための、少なくともいくつかの締結具機構または付属品は、カスタムまたは特殊な製造プロセスを必要とする。そのようなプロセスは、締結具アセンブリの製造に必要な、時間およびコストを増加させ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、時間が経っても緩まず、従来の締結具の製造工程よりも安価で迅速な製造工程で製造可能を用いた、改良された締結具アセンブリが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ある一つの側面において、締結具アセンブリが提供される。締結具アセンブリは、ねじ切りされた本体部およびヘッド部分を含む、ねじ部材を含む。締結具アセンブリは、複数の軸方向に延びるラチェット歯を含み、その中に延びる開口部を規定する、第1のロック部材も含む。開口部は、ねじ切りされた本体部を受容する大きさである。締結具アセンブリは、ねじ部材と回転可能に結合するように構成されたベース部と、ベース部から軸方向に延びる少なくとも1つのスプリングフィンガとを含む、第2のロック部材をさらに含む。少なくとも1つのスプリングフィンガは、ベース部に接合された近位端と、近位端の反対側の自由端とを、有する。第2のロック部材は、少なくとも1つのスプリングフィンガの自由端が複数の軸方向に延びるラチェット歯に係合するように構成されたロック位置と、少なくとも1つのスプリングフィンガの自由端が複数の軸方向に延びるラチェット歯から間隔を空けて配置されたアンロック位置とを、有する。
【0006】
別の側面において、締結具アセンブリのロック機構が、提供される。ロック機構は、複数の軸方向に延びるラチェット歯を含む第1のロック部材と、その中に延びる開口部を規定する本体とを、含む。開口部は、締結具アセンブリのねじ部材を受容する大きさである。本体は、内周面と、外周面と、内周面と外周面との間に延びる環状面とを、有する。軸方向に延びるラチェット歯は、環状面から上方に延びる。締結具アセンブリは、ねじ部材に回転可能に結合するように構成された環状リングと、環状リングから軸方向に延びる一対のばねフィンガとを含む、第2のロック部材も含む。一対のスプリングフィンガの各スプリングフィンガは、環状リングに接合された近位端と、近位端の反対側の自由端とを、有する。第2のロック部材は、各自由端が複数の軸方向に延びるラチェット歯と係合するように構成されたロック位置と、各自由端が複数の軸方向に延びるラチェット歯から間隔を空けて配置されたロック解除位置とを、有している。
【0007】
さらに別の側面において、ねじ切りされた本体部を含む締結具のためのロック機構を組み立てる方法が、提供される。本方法は、複数の軸方向に延びるラチェット歯を含む、第1のロック部材を提供すること、を含む。第1のロック部材は、その中を延びる第1の開口部を規定する。第1の開口部は、ねじ切りされた本体部を受容する大きさである。本方法はまた、第2のロック部材のベース部を形成すること、を含む。ベース部は、その中を延びる第2の開口部を規定する。第2の開口部は、ねじ切りされた本体部を受容する大きさである。本方法は、第2のロック部材の少なくとも1つのスプリングフィンガを形成することを、さらに含む。少なくとも1つのスプリングフィンガは、ベース部に接合された近位端と、近位端の反対側の自由端とを、有する。本方法は、少なくとも1つのスプリングフィンガがベース部から軸方向に延びるように、少なくとも1つのスプリングフィンガをベース部に対して角度をつけて曲げること、も含む。第2のロック部材は、少なくとも1つのスプリングフィンガの自由端が前記複数の軸方向に延びるラチェット歯に係合するように構成されたロック位置と、少なくとも1つのスプリングフィンガの自由端が複数の軸方向に延びるラチェット歯から間隔を空けて配置されたアンロック位置との間で、位置決め可能である。ベース部と少なくとも1つのスプリングフィンガは、一体である。
【0008】
さらに別の側面において、締結具アセンブリが提供される。締結具アセンブリは、ねじ切りされた本体部を含むねじ部材と、ねじ切りされた本体部と螺合するように構成されたナットと、第1のロック部材と、第2のロック部材とを含む。第1のロック部材は、複数の軸方向に延びるラチェット歯を含み、その中に延びる開口部を規定している。開口部は、ねじ切りされた本体部を受容する大きさである。第1のロック部材は、第1のロック部材をねじ部材に対して回転可能に固定するように構成された、少なくとも1つの回転防止構造を含む。第2のロック部材は、ナットにそれと一緒に回転可能に結合するように構成されたベース部と、ベース部から軸方向に延びる少なくとも1つのスプリングフィンガとを含む。少なくとも1つのスプリングフィンガは、ベース部に接合された近位端と、近位端とは反対側の自由端とを有している。第2のロック部材は、少なくとも1つのスプリングフィンガの自由端が複数の軸方向に延びるラチェット歯に係合するように構成されたロック位置と、少なくとも1つのスプリングフィンガの自由端が複数の軸方向に延びるラチェット歯から間隔を空けて配置されたアンロック位置とを有する。
【0009】
別の側面において、締結具アセンブリが提供される。締結具アセンブリは、ねじ切りされた本体部を含む、ねじ部材を含む。締結具アセンブリはまた、第1のロック部材および第2のロック部材を含む。第1のロック部材は、複数の半径方向に延びるラチェット歯を含み、その中に延びる開口部を規定する。開口部は、ねじ切りされた本体部を受容する大きさである。第1のロック部材は、第1のロック部材をねじ部材に対して回転可能に固定するように構成された、少なくとも1つの回転防止構造を含む。第2のロック部材は、その中を延びる開口部を規定する内側部を含む。開口部は、ねじ切りされた本体部を受容する大きさである。また、第2のロック部材は、内側部から軸方向に延びる、少なくとも1つのタブを含む、外側部を含む。少なくとも1つのタブは、内側部に接合された近位端と、近位端の反対側の自由端とを有する。第2のロック部材は、少なくとも1つのタブの自由端が複数の半径方向に延びるラチェット歯に係合するように構成されたロック位置と、少なくとも1つのタブの自由端が複数の半径方向に延びるラチェット歯から間隔を空けて配置されたアンロック位置とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示のこれらおよびその他の特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明を、同一文字が図面全体で同一部分を表す添付の図面を参照して読むことで、よりよく理解される。
【0011】
【
図1】第1のロック部材および第2のロック部材を含む締結具アセンブリの例示的な実施の形態を示す斜視図であり、第2のロック部材は、ロック位置にあり、第1のロック部材と係合している。
【
図2】
図1に示した締結具アセンブリの側面図である。
【
図3】
図1,2に示した締結具アセンブリの正面図である。
【
図4】
図1~3に示した締結具アセンブリの上面図である。
【
図5】
図1~4に示した締結具アセンブリの底面図である。
【
図6】
図1~5に示した締結具アセンブリの第1のロック部材の斜視図である。
【
図7】
図1~5に示した締結具アセンブリの第2のロック部材の斜視図である。
【
図8】
図6に示した第2のロック部材を平置きにした構成の斜視図である。
【
図9】
図1~5に示した締結具アセンブリのねじ部材の斜視図である。
【
図10】
図1~5に示した締結具アセンブリ、および、締結具アセンブリによって結合された2つのコンポーネントの、斜視図である。
【
図11】
図10に示したコンポーネントを結合した締結具アセンブリの断面図であり、締結具アセンブリの第2のロック部材は、ロック位置にある。
【
図12】
図10に示したコンポーネントを結合した締結具アセンブリの断面図であり、締結具アセンブリの第2のロック部材をロック解除位置に配置するための工具を示している。
【
図13】工具が第2のロック部材に係合し、第2のロック部材をロック解除位置に位置決めする様子を示す拡大透視図である。
【
図14】締結具アセンブリの代替的な例となる実施の形態の斜視図である。
【
図15】締結具アセンブリと共に使用するための工具を含む、
図14に示した締結具アセンブリの分解斜視図である。
【
図16】
図14,15に示した締結具アセンブリの第1のロック部材の斜視図である。
【
図17】
図14,15に示した締結具アセンブリの第2のロック部材の斜視図であり、第2のロック部材は、第2のロック部材がロック位置にあるときに、第1のロック部材と係合するように構成される。
【
図18】
図14,15に示した締結具アセンブリのナットの斜視図であり、ナットは、
図17に示した第2のロック部材に解放可能に結合するように構成されている。
【
図19】第2のロック部材がロック位置にある状態の、
図15に示した締結具アセンブリおよび工具の断面図である。
【
図20】第2のロック部材がロック解除位置にある状態の、
図15,19に示した締結具アセンブリおよび工具の断面図である。
【
図21】第2のロック部材をロック解除位置に配置するために、第2のロック部材に係合する工具の拡大透視図である。
【
図22】締結具アセンブリの別の代替的な例となる実施の形態の斜視図である。
【
図24】
図23に示した締結具アセンブリの一部の上面図であり、締結具アセンブリの第1のロック部材と第2のロック部材との係合を図示するために、ヘッド部分を除去したものである。
【
図25】
図22~24に示した締結具アセンブリの第2のロック部材の斜視図である。
【
図26】
図25に示した第2のロック部材の一部の斜視図であり、第2のロック部材は、複数の歯を含む。
【
図27】
図25に示した第2のロック部材の下部の斜視図である。
【
図28】
図22~24に示した締結具アセンブリの第1のロック部材の斜視図である。
【
図29】
図22~24に示した締結具アセンブリのねじ部材の斜視図である。
【
図30】
図22~24に示した締結具アセンブリを用いて結合されたコンポーネントの透視図である。
【
図31】
図22~24に示した締結具アセンブリを用いて、
図30に示したコンポーネントを結合した状態の断面図であり、締結具アセンブリの第2のロック部材はロック位置にある。
【
図32】
図22~24に示した締結具アセンブリを用いて、
図30に示したコンポーネントを結合した状態の断面図であり、締結具アセンブリの第2のロック部材はロック解除位置にある。
【0012】
特に断りのない限り、本明細書で提供される図面は、本開示の実施の形態の特徴を説明するためのものである。これらの特徴は、本開示の1つ以上の実施の形態を構成する多種多様なシステムに適用可能であると考えられる。そのため、図面は、本明細書に開示された実施の形態の実施に必要とされる、当業者に知られているすべての従来の特徴を含むことを意図していない。
【発明を実施するための形態】
【0013】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年4月1日に出願された米国特許出願シリアル番号16/371,911の優先権および利益を主張するものであり、その全体が参照により組み込まれる。
【0014】
以下の明細書および特許請求の範囲では、多くの用語が参照されるが、これらの用語は、以下のような意味を持つように定義される。
【0015】
単数形の「a」、「an」、「the」は、文脈上明らかに別の意味を持たない限り、複数形の参照を含む。
【0016】
「optional(任意の)」または「optionally(任意に)」は、その後に記述された事象または状況が発生する場合もしない場合もあり、記述には事象が発生する場合と発生しない場合が含まれることを意味する。
【0017】
本明細書および特許請求の範囲で使用されている近似表現は、関連する基本的な機能に変化をもたらすことなく許容範囲内で変化し得る、あらゆる定量的表現を修正するために適用することができる。したがって、「約」、「およそ」、「実質的に」などの用語で修正された値は、指定された正確な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例では、近似的な言葉は、値を測定するための機器の精度に対応することができる。本明細書および特許請求の範囲では、範囲の限定は組み合わせてもよいし、入れ替えてもよい。そのような範囲は、文脈や言語が別の意味を示す場合を除き、特定され、そこに含まれるすべてのサブ範囲を含む。
【0018】
本明細書において、軸方向、半径方向、上向き、下向き、左、右、上、下、長さ、高さ、幅、厚さなどの相対的な記述は、図を参照したものであり、限定的な意味ではない。さらに、図示された実施の形態は、特定の実施の形態の様々な詳細の例示的な特徴を提供するものと理解することができ、したがって、図示の特徴、コンポーネント、モジュール、要素、および/または側面は、開示された締結具アセンブリから実質的に逸脱することなく、別の方法で組み合わせ、相互に接続し、順序付け、分離し、相互に交換し、配置し、および/または再配置することができる。さらに、コンポーネントの形状およびサイズも例示的なものであり、開示された技術に実質的に影響を与えたり制限したりすることなく変更することができる。
【0019】
本明細書に記載されている実施の形態は、現在知られているおよび後に開発されるアプリケーションのためのプロセス、装置、システム、デバイス、設置および除去の方法、および方法として限定されることなく、多数の方法で実施および利用される。本明細書に記載された技術のこれらおよび他のユニークな特徴は、以下の説明および添付の図面からより容易に明らかになる。
【0020】
本明細書に記載されている締結装置およびシステムは、既知の締結装置およびシステムよりも多くの利点を提供する。一般的に、ねじ式締結具は、外科用インプラント、工業用途、航空宇宙用途、建築用途などの様々な用途において、2つ以上のコンポーネントを固定的に接続するために使用されるが、これらに限定されるものではない。他の特徴や利点に加えて、開示された締結装置およびシステムは、迅速かつ容易な取り付けおよび取り外し、必要なトルクの低減、耐振動性の固定された気密性、およびブラインドファスニングアプリケーションのためのシングルエンドアクセスの1つ以上を容易にする。
【0021】
いくつかの実施の形態では、ロック機構は、ねじセグメントを有する細長いねじ部材と、軸方向に延びる係合歯を有するロック部材と、ねじ部材および複数のラチェット歯を受容する開口部を有する第1のロック部材と、直立するばねフィンガおよび第1のロック部材のラチェット歯と係合するように構成された少なくとも1つの歯を有する環状体を有する第2のロック部材とを含む。いくつかの実施の形態では、第2のロック部材のスプリングフィンガは、ねじ部材のねじセグメントに結合された軸方向スロットと協働して、ロック部材をねじ部材に対して回転可能に固定する。他の実施の形態では、第1のロック部材または第2のロック部材の一方は、ねじ部材に係合してそれのみで回転を可能にする1つ以上の係合特徴を含む。第2のロック部材の歯は、係合歯を係合および係合解除するために、第1のロック部材に対して半径方向または軸方向に変位可能である。ロック位置では、第2のロック部材の歯は、ラチェット歯と噛み合い、第2のロック部材に対する第1のロック部材の少なくとも一方向への回転を阻止する。ロック解除位置では、第2のロック部材とネジ部材が、第1のロック部材に対して相対的に回転可能となるように、第2のロック部材は、第1のロック部材に対して相対的に回転可能である。
【0022】
さらなる実施の形態では、ねじ部材は、ねじ部材に対する第1または第2のロック部材の回転を防止するように設計された、平坦部または2つ以上の平坦部または他の特徴を含むことができる。平坦部は、ねじ部材の長さに沿って、軸方向に延びることができる。ねじ部材のバンキング機能は、平坦部を含むことができる。平坦部は、ねじ部材のねじセグメントに、半径方向に隣接することができる。平坦部は、第1の平坦部であることができ、ねじ部材は、1以上の第2の平坦部を含むことができる。バンキング機能は、第1の平坦部および第2の平坦部の両方を、含むことができる。第2の平坦部は、ねじ部材に沿って、軸方向に延びることができる。第2の平坦部は、第1の平坦部とは径方向に反対側のねじ部材の側面に配置され得る。ねじセグメントは、ねじ部材の周方向に延び、第1の平坦部と第2の平坦部とを結合することができる。
【0023】
また、いくつかの実施の形態では、第1または第2のロック部材は、ロック部材の軸方向の厚さによって隔てられた、対向する軸方向の表面を有することができる。係合歯は、軸方向の表面の少なくとも1つから、軸方向に離れて延びることができる。あるいは、係合歯は、周方向壁の半径方向表面に配置され、周方向壁から半径方向に延びることができる。中央開口部は、ロック部材の軸方向の表面の間で、ロック部材の厚さを通って、延びることができる。中央開口部は、ねじ部材のバンキング機能を補完する、バンキング部を含むことができる。例えば、1つ以上の平坦なセグメントが、中央開口部を境界にすることができる。平らなセグメントは、ねじ部材のバンキング機能に対応することができる。中央開口部は、中央開口部を囲む1以上の円弧状セグメントを含むことができる。円弧状セグメントは、ねじ部材のねじセグメントに対応することができる。中央開口部は、平坦なセグメントおよび円弧状のセグメントの両方を含むことができ、応力低減機能は、平坦なセグメントと円弧状のセグメントとの交点に配置されることができる。
【0024】
さらに、いくつかの実施の形態では、第1または第2のロック部材は、自由端および近位端を有するスプリングフィンガを含むことができる。近位端は、ロック部材の環状体に接続されることができる。歯およびスプリングフィンガを、互いに円周方向に整列することができる。ロック部材の環状体は、円形、楕円形、正方形、長方形、または任意の適切な形状の軸方向プロファイルを、有することができる。スプリングフィンガは、スプリングフィンガの固定端と自由端との間の位置で、スプリングフィンガに及ぼされる内向きの力に応じて、変位することができる。スプリングフィンガは、第1のスプリングフィンガとすることができ、ロック部材は、第1のスプリングフィンガとは反対側の環状体の側面で、環状体に接続された第2のスプリングフィンガを含むことができる。
【0025】
さらに、さらなる実施の形態では、第1または第2のロック部材は、環状体に結合されたスプリングタブまたはフィンガから、軸方向外方または半径方向外方に、それぞれ延びる、第1および第2の歯を有することができる。歯は、環状体から間隔を空けて、スプリングフィンガの自由端に配置させることができる。
また、1つ以上の円周方向に隣接する歯が、第1のスプリングフィンガ上に存在することができ、1つ以上の円周方向に隣接する歯が、第2のスプリングフィンガ上に存在することができることが、企図されている。
【0026】
いくつかの実施の形態では、ねじ部材のナット部またはヘッド部は、ロック部材の環状体を受け入れるように配置された、空洞を有することができる。ナット部またはヘッド部は、複数の面を有する円周を有することができる。ナット部またはヘッド部の複数の面は、ナット部またはヘッド部について中心に延びる六角形の周面を形成することができる。ナット部またはヘッドの1つ以上の面は、軸方向スロットを有することができる。軸方向スロットは、空洞と、空洞の反対側にあるナット部またはヘッド部の端部との間に、延びることができる。ナット部またはヘッド部は、互いに径方向に対向する面に配置された、軸方向スロットを有する面を有することができる、ことが企図されている。
【0027】
さらに、いくつかの実施の形態では、ねじ部材、第1のロック部材、および第2のロック部材は、ロック機構として協働することができる。ロック機構は、第2のロック部材のスプリングフィンガが歯を第1のロック部材の係合歯と係合するように促すロック位置を有することができ、第2のロック部材を第1のロック部材に対して回転可能に固定し、締結機構の緩みを防止する。ロック機構は、第2のロック部材のスプリングフィンガの歯が第1係合部材の歯との係合を解除して、第2のロック部材を第1のロック部材に対して回転可能な状態にする、締付位置または解錠位置を有することができる。
【0028】
また、いくつかの実施の形態では、脊椎固定システムは、上述したような締結ロック機構と、ロッドとを含む。ロッドは、ねじ部材の中で、ロック部材の下に位置する。ナット部を締め付けると、ロック部材に力が加わり、これにより、ロッドがねじ部材に対して押し付けられる、ことが考えられる。
【0029】
さらに、いくつかの実施の形態では、ねじ部材は、ステムセクションの端部に結合された、ヘッド部を有することができる。ヘッド部は、ステム部に対して固定することができる。ジョイントは、ヘッド部とステム部との間に介在することができ、それにより、ヘッド部は、ステム部に対して相対的に移動可能である。ヘッド部は、ステム部に対して、例えば、円錐形の動きの包絡線のように、ピボット可能であることができる。ヘッド部は、第1のねじ切りされたセグメントを有することができ、ステム部は、第2のねじ切りされたセグメントを有することができる。第1のねじ切りされたセグメントは、ナット部のボアによって規定された雌ねじセグメントに対応する雄ねじセグメントとすることができる。第2のねじ切りされたセグメントは、ヘッド部材に隣接する端部と、ヘッド部分の反対側のステム部分の端部との間で、テーパ状とすることができる。第2のねじ切りされたセグメントは、ペディクルなどの骨構造にネジ部材を着座させるために適合された、ネジ山を有することができる、ことが企図される。
【0030】
さらに、いくつかの実施の形態では、ねじ部材は、チューリップヘッドを含むことができる。チューリップヘッドは、ロッドを着座させるために、その中を延びるスロットを有することができる。スロットは、中央に配置され、ねじ部材の上部を横切って延びることができる。スロットは、ねじ部材の側面を横切って延びるように、横方向に配置され得る。ロブは、スロットの対向する側面で、規定されることができる。ロブは、その上に規定されたねじ部材のバンキング機能を有することができる。ロブは、その上に規定されたねじ部材のねじ切りされたセグメントを有することができる。例示的な実施の形態では、各ロブは、その上に規定されたねじ切りされたセグメントおよびバンキング機能の両方の部分を有する。
【0031】
さらに、さらなる実施の形態では、第1または第2のロック部材は、中央バー部を含むことができる。中央バー部分は、ロック部材中央開口部を横切って延び、中央開口部を、第1および第2の部分に分割することができる。ねじ部材チューリップヘッドの1つのロブは、中央開口部の第1の部分を通って延びることができ、ねじ部材チューリップヘッドの別のロブは、中央開口部の第2の部分を通って延びることができる。中央バー部は、中央バー部がチューリップヘッドのスロットと着座したときに、ロック部材がチューリップヘッドに対して回転固定されるように、存在する場合には、ロック部材のバンキング部から延びることができる。中央バー部は、チューリップヘッドのスロットに着座し、ロッドをオーバーレイし、ナット部、ロック部材、およびねじ部材のステムの間に配置され得る、ことが企図されている。
【0032】
本明細書に記載の実施の形態では、ファスナー機構は、細長いねじ部材と、少なくとも1つのロック部材とを含む。例えば、第1のロック部材は、ねじ部材のヘッド部またはそれと一緒に回転するためのロックナットに結合されてもよい。いくつかの実施の形態では、締結機構は、第1のロック部材と係合して、ねじ部材の第1の方向への回転を許容し、ねじ部材の第2の方向への回転を防止する、第2のロック部材を含む。第1および第2のロック部材のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのタブまたはスプリングフィンガを含み、これは、少なくとも1つのタブまたはスプリングフィンガの自由端が複数のラチェット歯に係合するように構成されるロック位置と、自由端が複数のラチェット歯から間隔を空けて配置されるアンロック位置との間で、ロック部材を切り替えるために位置調整可能である。いくつかの実施の形態では、少なくとも1つのタブまたはフィンガは、第1または第2のロック部材と一体的に形成されており、スタンピングプロセスを用いて、締結機構を少なくとも部分的に形成することができる。その結果、少なくともいくつかの既知の締結機構と比較して、締結ロック機構を組み立てるのに必要な時間とコストが削減される。
【0033】
図1は、第1のロック部材102および第2のロック部材104を含む、締結具アセンブリ100の例示的な実施の形態の斜視図である。
図2は、締結具アセンブリ100の側面図である。
図3は、締結具アセンブリ100の正面図である。
図4は、締結具アセンブリ100の上面図である。
図5は、締結具アセンブリ100の底面図である。例示的な実施の形態では、締結具アセンブリ100は、第1のロック部材102、第2のロック部材104、および、ねじ部材106を含む。ねじ部材106は、軸108に沿って延びる。本明細書で使用されるように、用語「軸」および「軸に」は、軸108に平行な方向を指す。「半径」および「半径に」という用語は、軸108に垂直な方向を指す。ねじ部材106は、ヘッド部110と、ヘッド部110から軸方向に延びる細長いねじ切りされた本体112とを含む。代替的に、ねじ部材106は、ヘッド部110を含まなくてもよい。例えば、限定されないが、ねじ部材106は、ボルト、ねじ、または締結具アセンブリ100が本明細書に記載されるように機能することを可能にする任意の他のねじコンポーネントであってもよい。
【0034】
例示的な実施の形態では、ヘッド部110は、六角ヘッドである。あるいは、ヘッド部110は、締結具アセンブリ100が本明細書に記載されるように機能することを可能にする、例えば、限定されない任意の形態、スプラインヘッド、ソケットキャップ、チューリップヘッド、およびパンヘッドである。
【0035】
また、例示的な実施の形態では、第2のロック部材104は、ネジ部材106のヘッド部110に解放可能に結合して、それに伴って回転するように構成されている。代替としての実施の形態では、第2のロック部材104は、締結具アセンブリ100が本明細書に記載されるように機能することを可能にする、任意の方法で、ヘッド部110に結合される。例えば、いくつかの実施の形態では、第2のロック部材104は、ヘッド部110に永久的に取り付けられる。さらなる実施の形態では、第2のロック部材104およびヘッド部110は、単一のピースとして一体的に形成される。
【0036】
さらに、例示的な実施の形態では、ヘッド部110は、ねじ部材106に対する第2のロック部材104の回転を防止するための回転防止機能を含む。回転防止機能は、例えば、限定するものではないが、フラット、ノッチ、溝、スロット、または、ねじ部材106が本明細書に記載されたように機能することを可能にする他の特徴を含む。例示的な実施の形態では、回転防止機能は、ヘッド部110に形成された一対の対向する長手方向に延びるスロットを含む。スロット114は、サイズおよび形状が実質的に等しく、ヘッド部110の全長に沿って延びている。代替となる実施の形態では、ねじ部材106は、ねじ部材106が本明細書に記載されたように動作することを可能にする任意の回転防止機能を含む。例えば、いくつかの実施の形態では、回転防止機能は、少なくとも部分的にねじ切りされた本体112に形成される。
【0037】
例示的な実施の形態では、ねじ部材106、第1のロック部材102、および第2のロック部材104は、例えば、限定されないが、鋼、アルミニウム、チタン、または超合金などの金属から作製される。あるいは、ねじ部材106、第1のロック部材102、および第2のロック部材104は、限定されない複合材料、樹脂、繊維強化樹脂、プラスチック、および繊維強化プラスチックなど、締結具アセンブリ100が本明細書に記載されるように機能することを可能にする任意の材料から作製される。
【0038】
図6は、締結具アセンブリ100(
図1に示す)の第1のロック部材102の斜視図である。第1のロック部材102は、その中に軸方向開口部120を規定する内側部118と、複数の軸方向に延びる歯124を有する外側部122とを、含む。軸方向開口部120は、ロック部材104を(
図1に示す)ねじ部材106のねじ切りされた本体部112に、自由にスライドさせることを容易にする、大きさである。このように、軸方向開口部120は、(
図5に示す)ねじ切りされた本体部112の直径よりも、わずかに大きい直径を有する。第1のロック部材102はまた、回転防止構造を含む。回転防止構造は、例えば、限定されないが、別の回転防止機能と係合するように構成された、部材、くぼみ、くさび、または他の任意のコンポーネントを含む。例示的な実施の形態では、回転防止特徴機能は、第1のロック部材102の内側部118から下方に延びる一対のピン126を含む。ピン126は、パネル130(
図10に示す)に規定された開口部128内に受容され、締結具アセンブリ100がパネル130に対して締め付けられたときに、第1のロック部材102をパネル130に対して回転可能に固定する。代替となる実施の形態では、第1のロック部材102は、第1のロック部材102が本明細書に記載されるように機能することを可能にする任意の回転防止機能を含む。例えば、いくつかの実施の形態では、第1のロック部材102は、第1のロック部材102の回転を拘束する係合面などの1つ以上の軸方向または半径方向の特徴を含む。
【0039】
例示的な実施の形態では、外側部122は、上面132と、下面134と、上面132と下面134との間で軸方向に延びる半径方向外側表面136とを含む。軸方向に延びる歯124は、上面132から上方に延びる。具体的には、軸方向に延びる歯124は、第1のロック部材102の全周に沿って、上面132から上向きに延び、連続したリングを形成する。例示的な実施の形態では、各歯124は、傾斜した表面138と、軸方向に延びる係合面140とを含む。その結果、対向する歯は、傾斜面138に沿って、歯124の上を円周方向の一方向に移動することができるが、係合面140によって、反対方向に移動することが阻止される。したがって、歯124は、歯が係合したときに、対向する歯のラチェット運動を可能にする、ラチェット歯である。代替となる実施の形態では、
外側部122は、第1のロック部材102が本明細書に記載されたように機能することを可能にする任意の歯124を含む。
【0040】
図7は、締結具アセンブリ100(
図1~5に示す)の第2のロック部材104の斜視図である。第2のロック部材104は、環状体142と、1以上のスプリングフィンガ144とを含む。図示された実施の形態では、環状体142は、リング状の形状を有する。環状体142は、円形、楕円形、長円形、または他の適切な形状であってもよく、エラストマーまたはバネ鋼などの弾力性のある材料から構成されてもよい、ことが企図されている。1以上のスプリングフィンガ144によってその上に及ぼされる半径方向の力に応答して、環状体142は、環状体142に及ぼされる半径方向の力の量および第2のロック部材104のばね定数に応じて、多かれ少なかれ丸くなってもよい。
【0041】
例示的な実施の形態では、第2のロック部材104は、一対のスプリングフィンガ144を含む。各スプリングフィンガ144は、環状体142から軸方向に延び、近位端146と自由端148との間で延びる。近位端146は、環状体142に接合されている。各スプリングフィンガ144は、自由端148が近位端146の半径方向外側に配置されるように、近位端146から半径方向外側に延びる。図示の実施の形態では、スプリングフィンガ144は、環状体142の径方向に反対側の側面から延びている。スプリングフィンガ144の自由端148は、外力がロック部材104に作用していないとき、すなわち、ロック部材104が静止しているときに、ロック部材104がロック位置にあるように、外側に偏っている。自由端148は、第2のロック部材104がロック位置にあるときに、第2のロック部材104の最大幅を規定する。代替となる実施の形態では、第2のロック部材104は、第2のロック部材104が本明細書に記載されるように機能することを可能にする、任意のスプリングフィンガ144を含む。例えば、いくつかの実施の形態では、第2のロック部材104は、1つのスプリングフィンガ144または3つ以上のスプリングフィンガ144を含む。
【0042】
また、例示的な実施の形態では、少なくとも1つの軸方向に延びる歯150は、各スプリングフィンガ144の自由端148に配置されている。各歯150は、第1のロック部材102(
図6に示す)の傾斜面138および係合面140に対応する、係合面152および傾斜面154を含む。図示された実施の形態では、各自由端148は、締結具アセンブリ100(
図1に示す)がロック構成にあるときに、歯124(
図6に示す)と係合するように構成された複数の歯150を含む。代替となる実施の形態では、第2のロック部材104は、第2のロック部材104が本明細書に記載されるように機能することを可能にする任意の歯150を含む。
【0043】
図8は、レイドフラット構成の第2のロック部材104の斜視図である。例示的な実施の形態では、第2のロック部材104は、例えば、かつ限定されないが、鋼、アルミニウム、チタン、または超合金などの材料のシートから、レイドフラット構成で形成される。レイドフラット構成を形成した後、第2のロック部材104のスプリングフィンガ144は、環状体142に対して角度をつけて曲げられ、環状体142から軸方向に延びるように配置される。したがって、第2のロック部材104は、少なくともいくつかの既知のロック部材と比較して、低減されたコストでスタンピングプロセスを使用して組み立てることができる。
【0044】
図9は、締結具アセンブリ100(
図1~5に示す)のねじ部材106の斜視図である。ねじ部材106のヘッド部110は、空洞156を有し、環状体142(
図7に示す)が空洞156内に配置され、スプリングフィンガ144(
図7に示す)がスロット114を通って延びるように、第2のロック部材104(
図7に示す)を受容するように構成される。空洞156は、円形であり、環状体142の直径よりも大きい直径を有する。円周方向のリップ158は、空洞156の周りで、ヘッド部110のヘッド部から軸方向に延びる。カラー160は、リップ158から半径方向内側に延びており、環状体142が空洞156内に配置されたときに、環状体142を空洞156内に固定するために、第2のロック部材104(
図7に示す)の上に少なくとも部分的に延びる大きさである。第2のロック部材104(
図7に示す)は、カラー160によって規定される開口部を介して空洞156内に第2のロック部材104を位置決めできるように、少なくとも部分的に圧縮可能である。代替となる実施の形態では、第2のロック部材104は、締結具アセンブリ100が本明細書に記載されたように機能することを可能にする任意の方法で、ねじ部材106に結合される。
【0045】
図10は、締結具アセンブリ100と、締結具アセンブリ100によって一緒に結合された2つのコンポーネントの斜視図である。
図11は、第2のロック部材104がロック位置にある状態の、コンポーネントおよび締結具アセンブリ100の断面図である。締結具アセンブリ100は、多くの種類のコンポーネントを一緒に結合することができる。例えば、締結具アセンブリ100は、パネル130を基板162に結合するために、使用される。締結具アセンブリ100は、パネル130内の開口部128を介して配置され、基板162のねじ穴164にねじ込まれて、パネル130を基板162に固定する。第1のロック部材102は、パネル130の回転防止構造、例えば、開口部128に係合し、第1のロック部材102がパネル130に押し付けられるときに、パネル130に対する第1のロック部材102の回転を防止する。締結具アセンブリ100は、締結具アセンブリ100がパネル130に対して締め付けられたときに、締結具アセンブリ100の緩みを防止するロック位置を有する。例えば、第2のロック部材104は、それと一緒に回転するため、ねじ部材106に結合される。第2のロック部材104は、第2のロック部材104が第1のロック部材102に係合して、第1のロック部材102に対する第2のロック部材104およびねじ部材106の回転を防止する、ロック位置にある。具体的には、スプリングフィンガ144上の歯150は、第1のロック部材102の歯124と係合する。歯150と歯124の係合は、ねじ穴164内での締結具アセンブリ100の締め付けを可能にするが、ねじ部材106が反対方向に回転することを防止する。
【0046】
図12は、コンポーネント130,162を一緒に結合する締結具アセンブリ100と、第2のロック部材104をロック解除位置に位置決めするための工具166とを、示す断面図である。
図13は、工具166が第2のロック部材104に係合し、第2のロック部材104をロック解除位置に位置決めする、様子を示す拡大透視図である。工具166は、その中を軸方向に延びる段付きボア170を有する、本体168を含む。段付きボア170は、円筒形部分172と、係合部分174とを含む。段付きボア170は、本明細書に記載されているように、本体168が第2のロック部材104の外側部分に係合するように、締結具アセンブリ100をその中に受け入れるように構成された、直径または幅を有する。段付きボア170は、締結具アセンブリ100の全体を段付きボア170内に受け入れることを容易にするように構成された所定の距離だけ、本体170を介して軸方向に延びる。段付きボア170の係合部分174は、円筒形部分172から本体168の第1の端部178まで延びるレンチング面176を含む。レンチング面176は、形状およびサイズがヘッド部110に対応し、締結具アセンブリ100のヘッド部110と係合するように構成される。本体168の第2の端部180において、段付きボア170は、ラチェットのような駆動部材(図示せず)から駆動トルクを受け取るための、ドライバ接続部182を含む。代替としての実施の形態において、締結具アセンブリ100は、締結具アセンブリ100が本明細書に記載されるように動作することを可能にする、任意のツール166と共に使用される。例えば、いくつかの実施の形態において、工具166は、円筒形部172のないボア170を含む。
【0047】
さらに、例示的な実施の形態では、工具166は、締結具アセンブリ100が段付きボア170内に受容されたときに、ねじ部材106に結合された第2のロック部材104と係合するように配置される。例えば、第2のロック部材104のスプリングフィンガ144は、環状体142が空洞156内に配置されたときに、少なくとも部分的にスロット114を介して、ヘッド部110の上および側面に沿って延びる。第2のロック部材104の最大幅は、第2のロック部材104がロック解除位置にあるときに、スプリングフィンガ144の自由端148が、ヘッド部110の外面を超えて延びるように、ヘッド部110の幅よりも大きい。したがって、工具166は、工具166がヘッド部110上に嵌められたときに、自由端148と接触する。スロット114は、工具166の本体168が、第2のロック部材104のスプリングフィンガ144に接触したときに、第1のロック部材102上の歯150の半径方向内側に、スプリングフィンガ144を変位させることができるような、大きさおよび形状を有する。したがって、工具166は、スプリングフィンガ144の外側表面に接触し、歯150が歯124から外れるように、スプリングフィンガ144を半径方向内側に変位させる。このような方法で、工具166は、第2のロック部材104を、第1のロック部材102およびパネル130に対する第2のロック部材104およびねじ部材106の回転を可能にするロック解除位置に配置するために、使用される。
【0048】
図14は、締結具アセンブリ200の代替的な例となる実施の形態の斜視図である。
図15は、締結具アセンブリ200の分解斜視図である。締結具アセンブリ200は、第1のロック部材202、第2のロック部材204、ねじ部材206、およびナット208を含む。締結具アセンブリ200は、第2のロック部材204に解放可能に結合するナット208を含むことを除いて、締結具アセンブリ100(
図1に示す)と同様である。
【0049】
例示的な実施の形態では、ねじ部材206、第1のロック部材202、第2のロック部材204、およびナット208は、例えば、限定されないが、鋼、アルミニウム、チタン、または超合金などの、金属から製作される。あるいは、ねじ部材206、第1のロック部材202、第2のロック部材204、およびナット208は、限定するものではないが、複合材料、樹脂、繊維強化樹脂、プラスチック、および繊維強化プラスチックなど、締結具アセンブリ200が本明細書に記載されるように機能することを可能にする、任意の材料から製作される。
【0050】
図16は、締結具アセンブリ200(
図14および
図15に示す)の第1のロック部材202の斜視図である。例示的な実施の形態では、第1のロック部材202は、複数の軸方向に延びるラチェット歯210と、その中に延びる開口部214を規定する本体212とを含む。本体212は、内周面216と、外周面218と、内周面216と外周面218との間に延びる環状面220とを有する。軸方向に延びるラチェット歯210は、環状面220から上方に延びる。開口部214は、ねじ部材206を受容する大きさである。代替的な実施の形態において、締結具アセンブリ200は、締結具アセンブリ200が本明細書に記載されるように機能することを可能にする、任意の第1のロック部材202を含む。
【0051】
さらに、例示的な実施の形態では、第1のロック部材202は、第1のロック部材202をねじ部材206(
図14および15に示す)に対して回転可能に固定するように構成された、少なくとも1つの回転防止機能を含む。第1のロック部材202およびねじ部材206の回転防止機能は、ねじ部材206に対する第1のロック部材202の回転を防止する。回転防止機能は、例えば、限定されないが、平面、ノッチ、溝、スロット、または締結具アセンブリ200が本明細書に記載されるように機能することを可能にする任意の他の特徴を含む。例示的な実施の形態では、第1のロック部材202上の回転防止機能は、内周面216に形成された平坦または平面状の係合領域222を含む。代替となる実施の形態では、締結具アセンブリ200は、ねじ部材206が本明細書に記載されるように動作することを可能にする、任意の回転防止機能を含む。
【0052】
図17は、締結具アセンブリ200(
図14および
図15に示す)の第2のロック部材204の斜視図である。第2のロック部材204は、一緒に回転するように、ナット208(
図14および
図15に示す)に結合するように構成される。さらに、第2のロック部材204は、第2のロック部材204がロック位置にあるときに、第1のロック部材202(
図16に示す)と係合するように構成されている。第2のロック部材204は、ベース部224と、ベース部分224から軸方向に延びる少なくとも1つのスプリングフィンガ226とを含む。例示的な実施の形態では、第2のロック部材204のベース部224は、環状のリングを備える。代替となる実施の形態では、第2のロック部材204は、締結具アセンブリ200が本明細書に記載されるように機能することを可能にする、任意のベース部224を含む。
【0053】
また、例示的な実施の形態では、第2のロック部材204は、ベース部224の反対側から軸方向に延びる、径方向に対向するスプリングフィンガ226を含む。各スプリングフィンガ226は、ベース部224に接合された近位端228と、近位端228とは反対側の自由端230とを有する。各自由端230は、軸方向に延びる複数の歯232を含む。第2のロック部材204は、各スプリングフィンガ226の自由端230上の歯232が、第1のロック部材202上の軸方向に延びるラチェット歯210(
図16に示す)と係合するように構成されたロック位置と、自由端230がラチェット歯210から間隔を空けて配置されたロック解除位置とを有する。例示的な実施の形態では、第2のロック部材204は、単一のピースである。代替となる実施の形態では、締結具アセンブリ200は、締結具アセンブリ200が本明細書に記載されるように機能することを可能にする、任意の第2のロック部材204を含む。例えば、いくつかの実施の形態では、スプリングフィンガ226は、ベース部224に結合された1以上の別個のピースである。
【0054】
図18は、締結具アセンブリ200(
図14および
図15に示す)のナット208の斜視図である。例示的な実施の形態では、ナット208は、六角ナットであり、レンチなどの工具を用いて回転可能である。代替としての実施の形態では、締結具アセンブリ200は、締結具アセンブリ200が本明細書に記載されるように動作することを可能にする、任意のナット208を含む。
【0055】
例示的な実施の形態では、ナット208は、第2のロック部材204(
図17に示す)に解放可能に結合するように構成される。ナット208は、上面234と、上面234に対向する下面236と、上面234と下面236との間に延びる円周面238とを含む。ねじ穴240は、ナット208内で規定され、ナット208の中心軸242に沿って、下面236から上面234まで延びる。ねじ穴240は、ナット208が、ねじ部材206にねじ込まれることができるように、ねじ部材206と係合するように構成されている。
【0056】
また、例示的な実施の形態では、円周面238は、その中に規定された、少なくとも1つの軸方向に延びるスロット244を有する。例示的な実施の形態では、一対の径方向に対向するスロット244が、円周面238によって規定され、(
図16に示す)スプリングフィンガ226を受け入れるように配置される。さらに、スロット244は、第2のロック部材204がナット208に結合されたときに、ナット208に対する第2のロック部材204の回転を固定するために、少なくとも部分的にスプリングフィンガ226に係合するように構成されている。
【0057】
さらに、例示的な実施の形態では、ナット208は、第2のロック部材204(
図16に示す)のベース部224を受容する大きさの空洞246を規定する。ナットは、上面234から軸方向外側に延び、少なくとも部分的に空洞246の周りを囲むリップ248を含む。カラー250は、リップ248から半径方向内側に延びて、第2のロック部材204のベース部224を空洞246内に保持する。リップ248は、スロット244と整列し、スプリングフィンガ226(
図16に示す)を受容する大きさの、ノッチ252を含む。ノッチ252は、スプリングフィンガ226がスロット244内に延びることを可能にする。したがって、第2のロック部材204(
図16に示す)は、ベース部224が空洞246内に配置され、スプリングフィンガ226がスロット244を介して少なくとも部分的に延びるように、ナット208に結合するように構成される。代替的な実施の形態において、第2のロック部材204は、締結具アセンブリ200が本明細書に記載されたように機能することを可能にする、任意の方法でナット208に結合する。
【0058】
図19は、第2のロック部材204がロック位置にある状態の、工具166および締結具アセンブリ200の断面図である。ロック位置では、第2のロック部材204はナット208に結合され、第2のロック部材204は第1のロック部材202に係合して、第1のロック部材102に対する第2のロック部材104およびねじ部材106の回転を防止する。具体的には、スプリングフィンガ226の歯232は、第1のロック部材202の歯210と係合する。歯232と歯210のラチェット状の係合により、ナット208をねじ部材206に締め付けるためのナット208の回転が可能となり、歯210が歯232に係合するように配置されたときに、反対方向へのナット208の回転が防止される。
【0059】
図20は、第2のロック部材204がロック解除位置にある状態の、工具166と締結具アセンブリ200の断面図である。
図21は、工具166が第2のロック部材204に係合し、第2のロック部材204をロック解除位置に位置決めしている様子の拡大透視図である。工具166は、締結具アセンブリ200を、ロック位置とロック解除位置との間で、切り替えるように構成されている。工具166は、工具166、締結具アセンブリ100、および締結具アセンブリ200が、同様のサイズおよび形状を有する構造を含むため、締結具アセンブリ100(
図11および12に示す)および締結具アセンブリ200の両方で使用可能である。したがって、締結具アセンブリ100および締結具アセンブリ200は、ロック解除のためのカスタム寸法または特徴を有するツールを必要としない。代替的としての実施の形態において、締結具アセンブリ200は、締結具アセンブリが本明細書に記載されるように動作することを可能にする、任意のツール166を使用してロック解除される。
【0060】
さらに、例示的な実施の形態では、工具166の段付きボア170は、工具166の本体168が、ねじ部材206に結合された第2のロック部材204の周りに延びて係合するように、締結具アセンブリ200を受容する大きさである。例えば、第2のロック部材204のスプリングフィンガ226は、ベース部224が空洞246内に配置されたときに、ナット208の側面上および側面に沿って、スロット244を少なくとも部分的に通って延びる。第2のロック部材204の最大幅は、スプリングフィンガ226の自由端230が、ナット208の外面を超えて延びるように、ナット208の幅よりも大きい。したがって、工具166は、工具166がナット208上に嵌められたときに、自由端230に接触する。スロット244は、工具166の本体168が第2のロック部材204のスプリングフィンガ226に接触したときに、スプリングフィンガ226を第1のロック部材202の歯210の半径方向内側に変位させることができるような、大きさおよび形状を有する。例えば、工具166は、スプリングフィンガ226の外面に接触し、工具166が締結具アセンブリ200の上に配置されたときに、歯232が歯210から外れるように、スプリングフィンガ226を半径方向内側に変位させる。したがって、工具166は、第2のロック部材204を、ねじ部材106に対する第2のロック部材204およびナット208の回転を可能にする、ロック解除位置に配置される。
【0061】
図22は、締結具アセンブリ300の例示的な実施の形態の斜視図である。
図23は、締結具アセンブリ300の側面図である。締結具アセンブリ300は、第1のロック部材302と、第2のロック部材304と、ねじ部材306とを含む。締結具アセンブリ300は、締結具アセンブリ200の第2のロック部材304が、ロックワッシャの形態であることを除いて、締結具アセンブリ100(
図1に示す)と同様である。
【0062】
例示的な実施の形態では、ねじ部材306、第1のロック部材302、および第2のロック部材304は、例えば、限定されないが、鋼、アルミニウム、チタン、または超合金などの、金属から作製される。あるいは、ねじ部材306、第1のロック部材302、および第2のロック部材304は、限定されるものではないが、複合材料、樹脂、繊維強化樹脂、プラスチック、および繊維強化プラスチックなど、締結具アセンブリ300が本明細書に記載されるように機能することを可能にする任意の材料から作製される。
【0063】
図24は、第1のロック部材302が第2のロック部材304と係合する様子を説明できるように、ねじ部材306のヘッド部を除去した、締結具アセンブリ300の一部の上面図である。第1のロック部材302は、その回転のために、ねじ部材306と係合するように構成される。第2のロック部材304は、第2のロック部材304がロック位置にあるときに、第1のロック部材302とネジ部材306の回転を防止するために、第1のロック部材302と係合するように構成されている。さらに、第2のロック部材304は、第2のロック部材304に対する第1のロック部材302およびねじ部材306の回転を可能にするために、ロック解除位置に位置可能である。
【0064】
図25は、締結具アセンブリ300(
図22~24に示す)の第2のロック部材304の斜視図である。第2のロック部材304は、内側部分308と、外側部分310と、ベース部312とを含む。例示的な実施の形態では、内側部分308および外側部分310は、単一のピースとして形成されている。ベース部312は、内側部分308および外側部分310に結合するように構成されている。具体的には、第2のロック部材304は、結合回転のために、内側部分308、外側部分310、およびベース部312を一緒に保持する、複数の係合機能、例えば、ピン316を含む。代替となる実施の形態では、ベース部312は、第2のロック部材304が本明細書に記載されるように機能することを可能にする任意の方法で、外側部分310または内側部分308に結合される。例えば、いくつかの実施の形態では、ベース部312は、内側部分308に永久的に取り付けられる。さらなる実施の形態では、内側部分308、外側部分310、およびベース部312は、一体的に形成され、第2のロック部材304は、単一のピースである。
【0065】
図26は、第2のロック部材304の一部分の斜視図である。内側部分308は、そこを通って延びる開口部314を規定する。開口314は、ねじ部材306を受容する大きさである。外側部分310は、内側部分308から円周方向および軸方向に延びる、少なくとも1つのタブ318を含む。例示的な実施の形態では、外側部分310は、一対の径方向に対向するタブ318を含む。各タブ318は、内側部分308に接合された近位端320と、近位端320とは反対側の自由端322とを有する。各自由端322は、複数の半径方向に延びる歯324を含む。さらに、各タブ318は、近位端320と自由端322との間に屈曲部326を含む。屈曲部326は、タブの自由端322上の半径方向に延びる歯324が、第1のロック部材302に向かって半径方向内側に延びるように、構成される。例えば、各屈曲部326は、45°以上の角度を規定する。代替となる実施の形態では、第2のロック部材304は、第2のロック部材304が本明細書に記載されるように機能することを可能にする、任意のタブ318を含む。
【0066】
図27は、第2のロック部材304のベース部312の斜視図である。ベース部312は、ねじ部材306(
図22に示す)を受容する大きさの開口部330を規定する、環状体328を含む。開口部330は、ベース部312が内側部308に結合されると、開口部314(
図26に示す)と整列する。ベース部312は、ベース部312を内側部308および外側部310に結合するために、内側部308の開口部に受容される、複数のピン316を含む。さらに、ベース部312は、コンポーネント354(
図30に示す)などのコンポーネントと係合し、コンポーネントに対する第2のロック部材304の移動を制限するように構成された、少なくとも1つの回転防止構造を含む。例示的な実施の形態では、回転防止構造は、ベース部312の下面から軸方向に延びるピン332を含む。
【0067】
図28は、締結具アセンブリ300の第1のロック部材302の斜視図である。第1のロック部材302は、内周面336と、外周面338と、内周面336と外周面338との間に延びる対向する環状面340とを有する、本体334を含む。内周面336は、本体334を通って延在し、ねじ部材306(
図22に示す)を受容する大きさの、開口342を規定する。さらに、第1のロック部材302は、外周面338から半径方向外側に延在する複数の半径方向に延在するラチェット歯344を含む。ラチェット歯344は、第2のロック部材304がロック位置にあるときに、半径方向に延びる歯324と係合するように構成されている。
【0068】
さらに、例示的な実施の形態では、第1のロック部材302は、ねじ部材306(
図22に示す)に対して第1のロック部材302を回転可能に固定するように構成された、少なくとも1つの回転防止機能を含む。回転防止機能は、例えば、限定されないが、平坦、ノッチ、溝、スロット、または締結具アセンブリ300が本明細書に記載されるように機能することを可能にする他の特徴部を含む。例示的な実施の形態では、回転防止機能は、内周面336に形成された平坦または平面の係合領域346を含む。代替となる実施の形態では、締結具アセンブリ300は、締結具アセンブリ300が本明細書に記載されるように動作することを可能にする任意の回転防止機能を含む。
【0069】
図29は、締結具アセンブリ300のねじ部材306の斜視図である。ねじ部材306は、ヘッド部348と、ヘッド部348から軸方向に延びる細長いねじ切りされた本体部350とを含む。代替的に、ねじ部材306は、ヘッド部348から解放されていてもよい。例えば、限定されないが、ねじ部材306は、ねじ切りされたロッド、ボルト、ねじ、または締結具アセンブリ100が本明細書に記載されるように機能することを可能にする任意の他のねじ切りされたコンポーネントであってもよい。
【0070】
例示的な実施の形態では、ヘッド部348は、六角ヘッドである。あるいは、ヘッド部348は、締結具アセンブリ300が本明細書に記載されるように機能することを可能にする、例えば、限定されない、スプラインヘッド、ソケットキャップ、チューリップヘッド、およびパンヘッドなどの任意の形態である。
【0071】
例示的な実施の形態では、ねじ部材306は、第1のロック部材302がねじ切りされた本体部350上に配置されたときに、ねじ部材306に対する第1のロック部材302の回転を防止するための、少なくとも1つの回転防止機能を含む。回転防止機能は、例えば、限定されないが、平坦、ノッチ、溝、スロット、または、ねじ部材306が本明細書に記載されたように機能することを可能にする任意の他の特徴を含む。例示的な実施の形態では、回転防止機能は、ねじ切りされた本体部350上に形成された平坦または平面の係合領域352を含む。代替となる実施の形態では、ねじ部材306は、ねじ部材306が本明細書に記載されているように動作することを可能にする任意の回転防止機能を含む。
【0072】
図30は、締結具アセンブリ300を使用して、一緒に結合されたコンポーネント354の透視図である。
図31は、締結具アセンブリ300の第2のロック部材304がロック位置にある、締結具アセンブリ300を使用して、一緒に結合されたコンポーネント354の断面図である。ロック位置において、タブ318の自由端322は、内側部分308から軸方向に間隔を空けており、半径方向に延びる歯324は、第1のロック部材302のラチェット歯344と係合するように構成されている。したがって、第1のロック部材302およびねじ部材306は、第2のロック部材304に対して相対的に回転することが防止される。さらに、ピン316は、コンポーネント354に係合して、締結具アセンブリ300がロック構成にあるときに、コンポーネント354に対する締結具アセンブリ300の回転または緩みを防止する。
【0073】
図32は、締結具アセンブリ300の第2のロック部材304がロック解除位置にある、締結具アセンブリ300を用いて、一緒に結合されたコンポーネント354の断面図である。例示的な実施の形態では、工具358の段付きボア356は、工具358の本体360が、ねじ部材306に結合された第2のロック部材304の周りに延びて係合するように、締結具アセンブリ300を受け入れる大きさになっている。例えば、第2のロック部材304の最大幅が、第1のロック部材302の幅よりも大きいので、第2のロック部材204のタブ318は、第1のロック部材302を超えて延びる。したがって、工具358は、工具358が締結具アセンブリ300の上に嵌められたときに、タブ318に接触し、タブ318を軸方向に変位させる。工具358は、歯324が歯344から外れるような、軸方向の距離で、タブ318に接触し、変位させる。したがって、工具358は、第2のロック部材304をロック解除位置に配置し、第2のロック部材304およびコンポーネント354に対する、第1のロック部材302およびねじ部材306の回転を可能にするように構成される。
【0074】
いくつかの実施の形態では、第1および/または第2のロック部材は、プラスチックなどの成形材料から射出成形プロセスを用いて形成される。例えば、いくつかの実施の形態では、成形可能なプラスチック材料は、マルチショット射出成形プロセス中に金型に注入され、各構成要素は単一のピースとして形成される。
【0075】
いくつかの実施の形態では、第1または第2のロック部材は、2つ以上の別個のコンポーネントとして形成されてもよい。例えば、いくつかの実施の形態では、ロック部材の1以上は、ベース部と上部とを含む。上部は、複数の接続タブによって、または他の任意の適切な方法で、ベース部に剛体的に固定されてもよい。ベース部と上部は、クリンチ、溶接、および/またはリベットによって接合することができる。少なくとも1つのアームが上部から延び、ロックナットおよび/またはロック部材と係合するように構成されていてもよい。さらに、いくつかの実施の形態では、少なくとも1つのアームは、エッジの歯がベース部および/または上部とは異なる平面にあるように、垂直方向または軸方向に少なくとも1つの垂直な曲がりを含む。さらに実施の形態では、アームは、1以上の45度の曲げを含んでもよい。その結果、ロック部材は、より高いロックトルクを提供する。さらに、ロック部材は、ベースのように、強度や頑丈さを高めるために、異なる厚さの領域を有していてもよい。また、異なるコンポーネントは、異なる寸法を有していてもよい。例えば、ロック機構の直径に影響を与えることなく、ベース部の直径を、より大きくすることができる。代替的な実施の形態では、ロック部材は、例えば、限定されることなく、単一のピース設計を含む、本明細書に記載されたようにロック部材が機能することを可能にする任意の数のピースを含んでもよい。
【0076】
いくつかの実施の形態では、締結具アセンブリは、ねじ部材、ナット、および/またはロック部材が、一緒に結合されたキャプティブ締結具アセンブリとして組み立てられ、単一のアセンブリとしてユーザーに提供される。このような実施の形態では、キャプティブ締結具アセンブリは、追加のコンポーネントを必要とせずに、単一のユニットとしてすぐに取り付けられることができる。したがって、キャプティブ構成は、締結具アセンブリの取り付けおよび取り外しを容易にし、異物による損傷の機会を減少させる。
【0077】
本明細書に記載されているようなコンポーネントは、ロックおよび耐振動締結具アセンブリを提供する。例えば、本明細書の実施の形態で説明したように、工具を関連する締結具アセンブリから取り外すと、第1のロック部材上の歯は、それぞれのロック部材のロック開口部/歯に再び係合する。歯が係合すると、パネルなどのコンポーネントに対するロック部材の回転ロック関係により、ロック部材は回転で積極的にロックされる。歯がロック用の開口部/歯から外れると、ロック部材は、係合面に対して相対的に回転自在となる。さらに、図に示された配置は、工具によって加えられた力「F」に応答して、ロック部材が過度にたわむのを防止するのを容易にする。
【0078】
回転ロック式締結具アセンブリのシステムおよび方法の例示的な実施の形態を、上述した。システムおよび方法は、本明細書に記載された特定の実施の形態に限定されるものではなく、むしろ、システムの構成要素および/または方法の操作は、本明細書に記載された他の構成要素および/または操作とは独立して、かつ別々に利用されてもよい。さらに、記載された構成要素および/または操作は、他のシステム、方法、および/または装置に定義されたり、それらと組み合わせて使用されたりすることもあり、本明細書に記載されたシステムのみでの実施に限定されるものではない。
【0079】
本明細書に記載されている締結技術は、産業およびその他の用途において無限の応用が可能である。特に有利な用途としては、自動車用途、航空宇宙用途、軍事用途、道路・建設用途、石油・ガス、製造機械など、激しい振動が従来のファスナーの緩みを引き起こす可能性のあるモーターや可動装置の近くで使用することが挙げられる。また、本発明の締結装置技術は、ペディクルスクリューの脊椎ロッドへの取り付け、脊椎プレートや骨折プレートの取り付け、股関節や膝のような人工関節の固定、整形外科や顎顔面の外部固定装置システムなどの医療用途にも適している。特に、当業者は、本明細書に記載された締結デバイス技術の実施の形態が、高温用途に耐えることができ、例えば、それらが製造される材料が耐えることができるのと同じくらい高い温度に耐えることができ、容易に適用、除去、および再利用されることを容易に理解するであろう。さらに、ねじ部材上のナット番号の締め付けをブラインドにすることができることが企図されている。例えば、ヘッド部分の代わりに、ねじ部材上に定義されたフラットを、締め付け中に保持またはその他の方法で固定することができる。
【0080】
さらに、本明細書に記載のいくつかの実施の形態は、調整可能な直径のロックおよび耐振動締結具アセンブリを提供する。例えば、本明細書の実施の形態に記載されているように、工具が関連する締結具アセンブリから取り外されると、ロック部材上の歯がそれぞれの係合面のノッチまたはラチェット歯に係合する。歯が係合すると、ロック部材に対するロック部材の回転ロック関係により、ロック部材が回転ロックされる。工具をロック部材に当てると、ロック部材の少なくとも一部が半径方向または軸方向に変位して、歯がラチェット歯から外れる。歯がラチェット歯から外れると、ロック部材は係合面に対して相対的に回転自在となる。
【0081】
本発明の様々な実施の形態の特定の特徴は、いくつかの図面に示され、他の図面には示されていない場合があるが、これは便宜上のことである。本発明の原理に基づき、図面の任意の特徴は、他の図面の任意の特徴と組み合わせて参照および/または請求することができる。
【0082】
本明細書では、最良の態様を含む本発明を開示するために実施例を用いており、また、任意の装置またはシステムを作成および使用し、任意の組み込まれた方法を実行することを含め、当業者が本発明を実施できるようにしている。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が思いつく他の例を含むことができる。そのような他の実施例は、特許請求の範囲の文字通りの文言とは異なることのない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文字通りの文言とは実質的に異なる同等の構造要素を含む場合には、特許請求の範囲に含まれることが意図されている。