(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】セルフレジ監視システム、セルフレジ監視方法、及びセルフレジ監視プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20240618BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20240618BHJP
A47F 10/02 20060101ALI20240618BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
H04N7/18 D
G07G1/00 331B
A47F10/02
G08B25/00 510M
(21)【出願番号】P 2023007340
(22)【出願日】2023-01-20
【審査請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】山口 祥吾
【審査官】長谷川 素直
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-108991(JP,A)
【文献】特開2021-157420(JP,A)
【文献】特開2015-153224(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
G07G 1/00
A47F 10/02
G08B 13/00
G08B 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセルフレジを上方から撮像する撮像部と、
前記撮像部により撮像された前記複数のセルフレジの画像を、前記複数のセルフレジごとに分割して、前記複数のセルフレジのそれぞれに分配する画像分配部と、を備え、
前記複数のセルフレジのそれぞれにおける買い物客の買い物情報が表示されている表示部に、前記画像分配部から分配された当該セルフレジの分割画像を表示させる、
セルフレジ監視システム。
【請求項2】
前記複数のセルフレジのそれぞれには、当該セルフレジを識別するための識別情報が付されており、
前記画像分配部は、前記識別情報に基づいて、前記分割画像に含まれるセルフレジを識別する、
請求項1に記載のセルフレジ監視システム。
【請求項3】
前記分割画像に基づいて、当該分割画像に含まれるセルフレジを利用している買い物客が不正行為を行
う恐れがあるか否かを判定する判定部をさらに備え、
前記買い物客が不正行為を行う
恐れがあると前記判定部が判定した場合、当該セルフレジの前記表示部に警告表示をさらに表示させる、
請求項1又は2に記載のセルフレジ監視システム。
【請求項4】
前記判定部は、前記買い物客が所定の回数以上、周囲を確認している場合に、前記買い物客が不正行為を行う
恐れがあると判定する、
請求項3に記載のセルフレジ監視システム。
【請求項5】
前記買い物客が不正行為を行う
恐れがあると前記判定部が判定した場合、当該セルフレジの前記表示部に表示された前記分割画像を拡大表示させる、
請求項4に記載のセルフレジ監視システム。
【請求項6】
上方から撮像された複数のセルフレジの画像を、前記複数のセルフレジごとに分割して、前記複数のセルフレジのそれぞれに分配し、
前記複数のセルフレジのそれぞれにおける買い物客の買い物情報が表示されている表示部に、分配された当該セルフレジの分割画像を表示させる、
処理をコンピュータが実行する、
セルフレジ監視方法。
【請求項7】
上方から撮像された複数のセルフレジの画像を、前記複数のセルフレジごとに分割して、前記複数のセルフレジのそれぞれに分配し、
前記複数のセルフレジのそれぞれにおける買い物客の買い物情報が表示されている表示部に、分配された当該セルフレジの分割画像を表示させる、
処理をコンピュータに実行させる、
セルフレジ監視プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、セルフレジ監視システム、セルフレジ監視方法、及びセルフレジ監視プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、店舗において、人手不足解消のため、セルフレジが導入されている。セルフレジでは、買い物客自らが商品のバーコードをセルフレジのバーコードスキャナーに読み取らせて会計処理するため、不正行為が生じる可能性がある。
【0003】
このような不正行為を防止するため、セルフレジのそれぞれには監視カメラが取り付けられ、店舗の店員が買い物客の会計処理を監視している。
【0004】
ところで、特許文献1には、監視領域を一台の監視カメラを用いて監視することができる監視システムが記載されている。特許文献1に開示された監視システムでは、天井に設置された広角カメラによって撮像した画像を所定数に分割すると共に、画像処理して通常のレンズで撮像された画像に補正している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
店舗では、買い物客の不正行為を防止するために、セルフレジのそれぞれに監視カメラが必要となり、高コストになる問題があった。
なお、上述した特許文献1に開示された監視システムは、セルフレジについては何ら開示されていない。
【0007】
本開示の目的は、上述した課題に鑑み、低コストで買い物客の不正行為を監視可能なセルフレジ監視システム、セルフレジ監視方法、及びセルフレジ監視プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係るセルフレジ監視システムは、
複数のセルフレジを上方から撮像する撮像部と、
前記撮像部により撮像された前記複数のセルフレジの画像を、前記複数のセルフレジごとに分割して、前記複数のセルフレジのそれぞれに分配する画像分配部と、を備え、
前記複数のセルフレジのそれぞれにおける買い物客の買い物情報が表示されている表示部に、前記画像分配部から分配された当該セルフレジの分割画像を表示させる。
【0009】
本開示の一態様に係るセルフレジ監視方法は、
上方から撮像された複数のセルフレジの画像を、前記複数のセルフレジごとに分割して、前記複数のセルフレジのそれぞれに分配し、
前記複数のセルフレジのそれぞれにおける買い物客の買い物情報が表示されている表示部に、分配された当該セルフレジの分割画像を表示させる、
処理をコンピュータが実行する。
【0010】
本開示の一態様に係るセルフレジ監視プログラムは、
上方から撮像された複数のセルフレジの画像を、前記複数のセルフレジごとに分割して、前記複数のセルフレジのそれぞれに分配し、
前記複数のセルフレジのそれぞれにおける買い物客の買い物情報が表示されている表示部に、分配された当該セルフレジの分割画像を表示させる、
処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示により、低コストで買い物客の不正行為を監視可能なセルフレジ監視システム、セルフレジ監視方法、及びセルフレジ監視プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態1に係るセルフレジ監視システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態1に係るセルフレジ監視方法を例示したフローチャートである。
【
図3】実施形態1に係るセルフレジ監視システムの構成を示すブロック図である。
【
図4】実施形態2に係るセルフレジ監視システムの撮像部が上方から撮像した画像の一例である。
【
図6】実施形態2に係るセルフレジ監視システムの撮像部が上方から撮像した画像の一例である。
【
図8】実施形態3に係るセルフレジ監視システムの構成を示すブロック図である。
【
図10】実施形態3に係るセルフレジ監視方法を例示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施形態を通じて本開示を説明するが、請求の範囲に係る開示を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0014】
<実施形態1>
以下、図面を参照して本開示の実施形態1について説明する。
図1は、実施形態1に係るセルフレジ監視システムの構成を示すブロック図である。実施形態1に係るセルフレジ監視システム10は、撮像部11、画像分配部12を備える。
【0015】
まず、撮像部11について説明する。撮像部11は、複数のセルフレジを上方から撮像する。撮像部11は、複数のセルフレジを一度に撮像することができる位置に設置された広角カメラである。撮像部11は、例えば、天井に設置される。しかし、これに限定されることはなく、撮像部11は、側近の壁において、セルフレジよりも高い位置に設置されてもよい。
【0016】
撮像部11の台数は、複数のセルフレジの台数よりも少ない台数であればよい。また、撮像部11の台数は、複数のセルフレジの台数に対して少ないほど不正行為を防止する費用が低コストになるため好ましい。例えば、4台のセルフレジに対して、撮像部11の台数が2台よりも1台であることが好ましい。
【0017】
ここで、セルフレジについて説明する。セルフレジでは、買い物客自らが商品のバーコードをセルフレジのバーコードスキャナーに読み取らせて会計処理を行う。より具体的には、セルフレジの表示部には買い物客の買い物情報が表示され、買い物客は購入する商品及び支払金額を確認して、支払金額を支払う。
【0018】
次に、画像分配部12について説明する。撮像部11により撮像された複数のセルフレジの画像を、複数のセルフレジごとに分割して、複数のセルフレジのそれぞれに分配する。画像分配部12は、複数のセルフレジの画像をセルフレジ1台ずつが含まれるように等分割する。しかし、これに限定されることはなく、画像分配部12は、複数のセルフレジの画像をセルフレジ1台ずつが含まれるように分割できれば、等分割でなくてもよい。また、画像分配部12が分割した複数のセルフレジの画像を分割画像と称する。当然のことながら、画像分配部12は、複数のセルフレジの台数分、分割画像を作成する。
【0019】
画像分配部12は、分割画像を、分割画像に含まれるセルフレジそれぞれに分配する。このような構成にすることにより、実施形態1に係るセルフレジ監視システム10は、複数のセルフレジのそれぞれにおける買い物客の買い物情報が表示されている表示部に、画像分配部12から分配された当該セルフレジの分割画像を表示させる。セルフレジ監視システム10では、撮像部11に撮像された画像をリアルタイムで画像分配部12によって分配する。すなわち、セルフレジの表示部には撮像部11がリアルタイムで撮像している画像が表示される。
【0020】
<セルフレジ監視方法>
次に、実施形態1に係るセルフレジ監視方法について説明する。
図2は、実施形態1に係るセルフレジ監視方法を例示したフローチャートである。
【0021】
まず、上方から撮像された複数のセルフレジの画像を、複数のセルフレジごとに分割する(ステップST1)。より具体的には、複数のセルフレジの画像をセルフレジ1台ずつが含まれるように等分割して、分割画像を作成する。
【0022】
次に、複数のセルフレジのそれぞれに分割画像を分配する(ステップST2)。より具体的には、分割画像を、分割画像に含まれるセルフレジのそれぞれに分配する。
【0023】
次に、複数のセルフレジのそれぞれにおける買い物客の買い物情報が表示されている表示部に、分配された当該セルフレジの分割画像を表示させる(ステップST3)。
【0024】
このように、実施形態1に係るセルフレジ監視システム10は、買い物客が利用しているセルフレジの表示部に、当該セルフレジの画像を表示させる。これにより、セルフレジ監視システム10は、買い物客に対して監視しているというアピールをするため、買い物客が不正行為を行う気持ちを軽減させることができる。また、一台のカメラを用いることによって、複数台のセルフレジを監視するため、不正行為を防止する費用を節約することができる。よって、低コストで買い物客の不正行為を監視できる。
【0025】
<実施形態2>
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態2について説明する。
図3は、実施形態1に係るセルフレジ監視システムの構成を示すブロック図である。実施形態2に係るセルフレジ監視システム10は、実施形態1と同様に、撮像部11、画像分配部12を備える。セルフレジ13は、買い物客の買い物情報が表示される表示部を備え、画像分配部12から分配された当該セルフレジの分割画像を表示する。
【0026】
図4を参照しながら、撮像部11、画像分配部12について説明する。
図4は、実施形態2に係るセルフレジ監視システムの撮像部が上方から撮像した画像の一例である。
【0027】
図4に示すように、撮像部11は、店舗におけるセルフレジS1~S4全てが含まれるように画像P1を撮像する。撮像部11によって撮像された画像P1には、セルフレジS1~S4をそれぞれ利用している買い物客U1~U4が含まれる。
【0028】
図4に示すように、画像分配部12は、撮像部11により撮像された複数のセルフレジの画像を、複数のセルフレジごとに分割する。より具体的には、画像分配部12は、撮像部11によって撮像された画像P1を4分割して、分割画像P11~P14を作成する。分割画像P11には、セルフレジS1が含まれる。分割画像P12には、セルフレジS2が含まれる。分割画像P13には、セルフレジS3が含まれる。分割画像P14には、セルフレジS4が含まれる。このように、画像分配部12は、撮像部11によって撮像された画像P1をセルフレジが1台ずつ含まれるように分割して、セルフレジS1~S4の4台分の分割画像を作成する。なお、分割画像P11~P14には、それぞれセルフレジS1~S4を利用している買い物客U1~U4が含まれる。
【0029】
また、画像分配部12は、分割画像P11~P14を分割画像P11~P14に含まれるセルフレジS1~S4のそれぞれに分配する。より具体的には、画像分配部12は、分割画像P11をセルフレジS1に分配する。画像分配部12は、分割画像P12をセルフレジS2に分配する。画像分配部12は、分割画像P13をセルフレジS3に分配する。画像分配部12は、分割画像P14をセルフレジS4に分配する。
【0030】
セルフレジ監視システム10は、セルフレジS1~S4のそれぞれにおける買い物客の買い物情報が表示されている表示部に、画像分配部12から分配された当該セルフレジの分割画像を表示させる。
図5を参照しながら、より具体的に説明する。
図5は、セルフレジS1の表示部の一例である。
【0031】
図5に示すように、セルフレジS1の表示部DS1には、お買い物情報SI1、分割画像P11、支払いボタンPB1が表示されている。お買い物情報SI1は、買い物客U1が商品のバーコードをセルフレジのバーコードスキャナーに読み取らせた商品と金額を示している。分割画像P11は、画像分配部12によりセルフレジS1に分配された分割画像である。
図5に示した例では、表示部DS1は、セルフレジS1の表示部であるため、セルフレジS1を含む分割画像P11が表示されている。買い物客U1は、購入する全商品をセルフレジのバーコードスキャナーに読み取らせた後、支払いボタンPB1を押下して、会計処理を行う。
【0032】
図5に示すように、セルフレジS1の表示部DS1には、セルフレジS1を含む分割画像P11が表示されている。これにより、セルフレジ監視システム10は、セルフレジS1を利用している買い物客U1に対して監視しているというアピールをするため、買い物客U1が不正行為を行う気持ちを軽減させることができる。
【0033】
<画像分配部の識別>
ここで、複数のセルフレジのそれぞれには、当該セルフレジを識別するための識別情報が付されており、画像分配部12は、識別情報に基づいて、分割画像に含まれるセルフレジを識別してもよい。
図6及び
図7を参照しながら、より具体的に説明する。
図6は、実施形態2に係るセルフレジ監視システムの撮像部が上方から撮像した画像の一例である。
図7は、セルフレジS33の表示部の一例である。
【0034】
図6に示すように、複数のセルフレジのそれぞれには、当該セルフレジを識別するための識別情報が付されている。セルフレジS11には、識別情報ID1が付されている。セルフレジS22には、識別情報ID2が付されている。セルフレジS33には、識別情報ID3が付されている。セルフレジS44には、識別情報ID4が付されている。
図6に示した例では、識別情報として、星形マークを付している。しかし、これに限定されることはなく、それぞれのセルフレジを識別できる記号、番号、バーコードでもよい。
【0035】
図6に示すように、画像分配部12は、撮像部11により撮像された複数のセルフレジの画像P2を、複数のセルフレジごとに分割する。より具体的には、画像分配部12は、撮像部11によって撮像された画像P2を4分割して、分割画像P21~P24を作成する。分割画像P21には、セルフレジS33が含まれる。分割画像P22には、セルフレジS22が含まれる。分割画像P23には、セルフレジS44が含まれる。分割画像P24には、セルフレジS11が含まれる。このように、画像分配部12は、撮像部11によって撮像された画像P2をセルフレジが1台ずつ含まれるように分割して、セルフレジS11、S22、S33、S44の4台分の分割画像を作成する。
【0036】
なお、
図6に示すように、分割画像P21には、セルフレジS33を利用している買い物客U33が含まれる。分割画像P22には、セルフレジS22を利用している買い物客U22が含まれる。分割画像P23には、セルフレジS44を利用している買い物客U44が含まれる。分割画像P24には、セルフレジS11を利用している買い物客U11が含まれる。
【0037】
画像分配部12は、識別情報に基づいて分割画像P11~P14にどのセルフレジが含まれるかを識別して、識別した識別情報が付されたセルフレジにそれぞれ分配する。より具体的には、画像分配部12は、分割画像P21に含まれる識別情報ID3を識別する。画像分配部12は、分割画像P21を、識別情報ID3を付したセルフレジS33に分配する。同様に、画像分配部12は、分割画像P22を、識別情報ID2を付したセルフレジS22に分配する。画像分配部12は、分割画像P23を、識別情報ID4を付したセルフレジS44に分配する。画像分配部12は、分割画像P24を、識別情報ID1を付したセルフレジS11に分配する。
【0038】
セルフレジ監視システム10は、セルフレジS11、S22、S33、S44のそれぞれにおける買い物客の買い物情報が表示されている表示部に、画像分配部12から分配された当該セルフレジの分割画像を表示させる。
図7を参照しながら、より具体的に説明する。
【0039】
図7に示すように、セルフレジS33の表示部DS33には、お買い物情報SI1、分割画像P21、支払いボタンPB1が表示されている。お買い物情報SI1、支払いボタンPB1は、
図4に示した例と同様であるため、説明を省略する。分割画像P21は、画像分配部12によりセルフレジS33に分配された分割画像である。
図7に示した例では、表示部DS33は、セルフレジS33の表示部であるため、セルフレジS33を含む分割画像P21が表示されている。これにより、セルフレジ監視システム10は、セルフレジS33を利用している買い物客U33に対して監視しているというアピールをするため、買い物客U33が不正行為を行う気持ちを軽減させることができる。
【0040】
このように、実施形態2に係るセルフレジ監視システム10は、買い物客が利用しているセルフレジの表示部に、当該セルフレジの分割画像を表示させる。これにより、セルフレジ監視システム10は、買い物客に対して監視しているというアピールをするため、買い物客が不正行為を行う気持ちを軽減させることができる。また、一台のカメラを用いることによって、複数台のセルフレジを監視するため、不正行為を防止する費用を節約することができる。よって、低コストで買い物客の不正行為を監視できる。
【0041】
また、実施形態2に係るセルフレジ監視システム10は、セルフレジに付された識別情報に基づいて、分割画像に含まれるセルフレジを識別して、それぞれのセルフレジに分割画像を分配する。これにより、店舗の改装に伴い、セルフレジの設置位置が変更されても、識別情報に基づいて分割画像にどのセルフレジが含まれるかを識別して、識別した識別情報が付されたセルフレジに分配して、表示させることができる。すなわち、セルフレジのレイアウト変更に伴うシステム改修費用を要することなく、不正行為を防止する費用を節約することができる。
【0042】
<実施形態3>
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態3について説明する。
図8は、実施形態3に係るセルフレジ監視システムの構成を示すブロック図である。実施形態3に係るセルフレジ監視システム20は、撮像部11、画像分配部12、判定部21を備える。撮像部11、画像分配部12は、実施形態1及び2と同様であるため、説明を省略する。セルフレジ13は、買い物客の買い物情報が表示される表示部を備え、画像分配部12から分配された当該セルフレジの分割画像を表示する。
【0043】
判定部21は、分割画像に基づいて、当該分割画像に含まれるセルフレジを利用している買い物客が不正行為を行うか恐れがあるか否かを判定する。例えば、買い物客が所定の回数以上、周囲を確認している場合、買い物客の手が撮像部11の死角範囲内にある場合、判定部21は買い物客が不正行為を行う恐れがあると判定する。
【0044】
また、不正行為の行動パターンを記憶している記憶部(不図示)を備え、分割画像に含まれる買い物客の行動が、記憶部が記憶している不正行為の行動パターンに一致している場合、判定部21は買い物客が不正行為を行うか恐れがあると判定してもよい。
【0045】
さらに、判定部21は、分割画像に含まれる買い物客の行動が、不正行為の行動パターンを記憶している記憶部(不図示)に保存されている不正行為の行動パターンに部分的に一致している場合、買い物客が不正行為を行うか恐れがあると判定してもよい。
【0046】
セルフレジ監視システム20は、買い物客が不正行為を行うと判定部21が判定した場合、当該セルフレジの表示部に、警告表示をさらに表示させる。
図9を参照しながら、より具体的に説明する。
図9は、セルフレジの表示部の一例である。
図9に示した例では、買い物客U50がセルフレジS50を利用している。分割画像P50には、セルフレジS50及び買い物客U50が含まれている。ここでは、買い物客U50が所定の回数以上、周囲を確認しているとする。
【0047】
判定部21は、分割画像P50に含まれる買い物客U50が所定の回数以上、周囲を確認しているため、買い物客U50が不正行為を行うか恐れがあると判定する。この場合、セルフレジ監視システム20は、セルフレジS50の表示部DS50に、お買い物情報SI1、分割画像P50、支払いボタンPB1に加えて、警告表示M1を表示させる。
【0048】
図9に示した例では、警告表示M1は「店員監視中!!」であるが、これに限定されることはなく、買い物客U50が不正行為を行う気持ちを軽減させることができるような警告であればよい。また、セルフレジS50の表示部DS50に警告表示M1が表示された場合、セルフレジ監視システム20は、警告表示M1の表示前後における所定の時間分の分割画像P50を記憶部(不図示)に送信してもよい。これにより、店舗における従業員は、買い物客U50の不正行為を行ったか否かを後に確認することができる。
【0049】
このように、セルフレジ監視システム20は、セルフレジの表示部に警告表示をすることにより、買い物客に対して監視しているというアピールをするため、買い物客が不正行為を行う気持ちを軽減させることができる。
【0050】
<セルフレジ監視方法>
次に、実施形態3に係るセルフレジ監視方法について説明する。
図10は、実施形態3に係るセルフレジ監視方法を例示したフローチャートである。
【0051】
まず、上方から撮像された複数のセルフレジの画像を、複数のセルフレジごとに分割する(ステップST31)。ステップST31は、実施形態1に係るステップST1と同等である。
【0052】
次に、分割画像に基づいて、当該分割画像に含まれるセルフレジを利用している買い物客が不正行為を行うか恐れがあるか否かを判定する(ステップST32)。より具体的には、買い物客が所定の回数以上、周囲を確認しているか否か、買い物客の手が撮像部11の死角範囲内にあるか否かなどを判定する。
【0053】
当該分割画像に含まれるセルフレジを利用している買い物客が不正行為を行うか恐れがあると判定した場合(ステップST32YES)、複数のセルフレジのそれぞれに分割画像を分配する(ステップST33)。より具体的には、分割画像を、分割画像に含まれるセルフレジのそれぞれに分配する。
【0054】
次に、複数のセルフレジのそれぞれにおける買い物客の買い物情報が表示されている表示部に、当該セルフレジの分割画像と警告表示を表示させる(ステップST34)。
【0055】
一方で、当該分割画像に含まれるセルフレジを利用している買い物客が不正行為を行うか恐れがないと判定した場合(ステップST32NO)、複数のセルフレジのそれぞれに分割画像を分配する(ステップST35)。より具体的には、分割画像を、分割画像に含まれるセルフレジそれぞれに分配する。
【0056】
この場合、複数のセルフレジのそれぞれにおける買い物客の買い物情報が表示されている表示部に、当該セルフレジの分割画像を表示させる(ステップST36)。
【0057】
さらに、買い物客が不正行為を行うと判定部21が判定した場合、当該セルフレジの表示部に表示された分割画像を拡大表示させてもよい。
図11を参照しながら、より具体的に説明する。
図11は、セルフレジの表示部の一例である。
図11における分割画像P51は、
図9の分割画像P50を拡大表示した画像であり、その他の構成は同様であるため、説明を省略する。
【0058】
判定部21は、分割画像P51に含まれる買い物客U50が所定の回数以上、周囲を確認しているため、買い物客U50が不正行為を行うか恐れがあると判定する。この場合、セルフレジ監視システム20は、
図11に示すように、
図9に示した分割画像P50を拡大した分割画像P51を、セルフレジS50の表示部DS50に表示させる。
【0059】
また、セルフレジ監視システム20は、買い物客U50の手が撮像部11の死角範囲内にある場合、
図9に示した分割画像P50のうち、買い物客U50の腕の部分だけを拡大表示してもよい。
【0060】
このように、セルフレジ監視システム20は、
図11に示すように、セルフレジの表示部に警告表示に加えて分割画像を拡大表示する。これにより、買い物客に対して監視しているというアピールするため、買い物客が不正行為を行う気持ちを軽減させることができる。
【0061】
このように、実施形態3に係るセルフレジ監視システム20は、当該分割画像に含まれるセルフレジを利用している買い物客が不正行為を行うか恐れがあると判定した場合に、当該セルフレジの分割画像と警告表示とを表示させる。これにより、セルフレジ監視システム20は、買い物客に対して監視しているというアピールをするため、買い物客が不正行為を行う気持ちを軽減させることができる。また、一台のカメラを用いることによって、複数台のセルフレジを監視するため、不正行為を防止する費用を節約することができる。よって、低コストで買い物客の不正行為を監視できる。
【0062】
また、上述した実施形態1~3に係るセルフレジ監視システムにおける処理の一部又は全部は、コンピュータプログラムとして実現可能である。このようなプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0063】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
複数のセルフレジを上方から撮像する撮像部と、
前記撮像部により撮像された前記複数のセルフレジの画像を、前記複数のセルフレジごとに分割して、前記複数のセルフレジのそれぞれに分配する画像分配部と、を備え、
前記複数のセルフレジのそれぞれにおける買い物客の買い物情報が表示されている表示部に、前記画像分配部から分配された当該セルフレジの分割画像を表示させる、
セルフレジ監視システム。
(付記2)
前記複数のセルフレジのそれぞれには、当該セルフレジを識別するための識別情報が付されており、
前記画像分配部は、前記識別情報に基づいて、前記分割画像に含まれるセルフレジを識別する、
付記1に記載のセルフレジ監視システム。
(付記3)
前記分割画像に基づいて、当該分割画像に含まれるセルフレジを利用している買い物客が不正行為を行うか恐れがあるか否かを判定する判定部をさらに備え、
前記買い物客が不正行為を行うと前記判定部が判定した場合、当該セルフレジの前記表示部に警告表示をさらに表示させる、
付記1又は2に記載のセルフレジ監視システム。
(付記4)
前記判定部は、前記買い物客が所定の回数以上、周囲を確認している場合に、前記買い物客が不正行為を行うと判定する、
付記3に記載のセルフレジ監視システム。
(付記5)
前記買い物客が不正行為を行うと前記判定部が判定した場合、当該セルフレジの前記表示部に表示された前記分割画像を拡大表示させる、
付記4に記載のセルフレジ監視システム。
(付記6)
上方から撮像された複数のセルフレジの画像を、前記複数のセルフレジごとに分割して、前記複数のセルフレジのそれぞれに分配し、
前記複数のセルフレジのそれぞれにおける買い物客の買い物情報が表示されている表示部に、分配された当該セルフレジの分割画像を表示させる、
処理をコンピュータが実行する、
セルフレジ監視方法。
(付記7)
セルフレジに付された当該セルフレジを識別するための識別情報に基づいて、前記分割画像に含まれるセルフレジを識別する、
付記6に記載のセルフレジ監視方法。
(付記8)
前記分割画像に基づいて、当該分割画像に含まれるセルフレジを利用している買い物客が不正行為を行うか恐れがあるか否かを判定し、
前記買い物客が不正行為を行うと判定した場合、当該セルフレジの前記表示部に警告表示をさらに表示させる、
付記7又は8に記載のセルフレジ監視方法。
(付記9)
前記買い物客が所定の回数以上、周囲を確認している場合に、前記買い物客が不正行為を行うと判定する、
付記8に記載のセルフレジ監視方法。
(付記10)
前記買い物客が不正行為を行うと判定した場合、当該セルフレジの前記表示部に表示された前記分割画像を拡大表示させる、
付記9に記載のセルフレジ監視方法。
(付記11)
上方から撮像された複数のセルフレジの画像を、前記複数のセルフレジごとに分割して、前記複数のセルフレジのそれぞれに分配し、
前記複数のセルフレジのそれぞれにおける買い物客の買い物情報が表示されている表示部に、分配された当該セルフレジの分割画像を表示させる、
処理をコンピュータに実行させる、
セルフレジ監視プログラム。
(付記12)
セルフレジに付された当該セルフレジを識別するための識別情報に基づいて、前記分割画像に含まれるセルフレジを識別する、
付記11に記載のセルフレジ監視プログラム。
(付記13)
前記分割画像に基づいて、当該分割画像に含まれるセルフレジを利用している買い物客が不正行為を行うか恐れがあるか否かを判定し、
前記買い物客が不正行為を行うと判定した場合、当該セルフレジの前記表示部に警告表示をさらに表示させる、
付記11又は12に記載のセルフレジ監視プログラム。
(付記14)
前記買い物客が所定の回数以上、周囲を確認している場合に、前記買い物客が不正行為を行うと判定する、
付記13に記載のセルフレジ監視プログラム。
(付記15)
前記買い物客が不正行為を行うと判定した場合、当該セルフレジの前記表示部に表示された前記分割画像を拡大表示させる、
付記14に記載のセルフレジ監視プログラム。
【符号の説明】
【0064】
10、20 セルフレジ監視システム
11 撮像部
12 画像分配部
13 セルフレジ
21 判定部
DS1、DS33、DS50 表示部
ID1、ID2、ID3、ID4 識別情報
M1 警告表示
P1、P2 画像
P11、P12、P13、P14、P21、P22、P23、P24、 分割画像
P50、P51 分割画像
PB1 支払い情報
S1、S2、S3、S4、S11、S22、S33、S44 セルフレジ
SI 買い物情報
U1、U2、U3、U4、U11、U22、U33、U44 買い物客
【要約】
【課題】低コストで買い物客の不正行為を監視可能なセルフレジ監視システム、セルフレジ監視方法、及びセルフレジ監視プログラムを提供する。
【解決手段】本開示に係るセルフレジ監視システム10は、複数のセルフレジを上方から撮像する撮像部11と、撮像部11により撮像された複数のセルフレジの画像を、複数のセルフレジごとに分割して、複数のセルフレジのそれぞれに分配する画像分配部12と、を備える。セルフレジ監視システム10は、複数のセルフレジのそれぞれにおける買い物客の買い物情報が表示されている表示部に、画像分配部12から分配された当該セルフレジの分割画像を表示させる。
【選択図】
図1