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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】バッテリーの収容構造
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/202 20210101AFI20240618BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20240618BHJP
【FI】
H01M50/202 401D
H01M50/202 501S
H01M50/284
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023577841
(86)(22)【出願日】2022-03-11
(86)【国際出願番号】 JP2022010834
(87)【国際公開番号】W WO2023170906
(87)【国際公開日】2023-09-14
【審査請求日】2023-12-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513046294
【氏名又は名称】ビーサイズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100158850
【弁理士】
【氏名又は名称】明坂 正博
(72)【発明者】
【氏名】八木 啓太
【審査官】井原 純
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-114078(JP,A)
【文献】米国特許第06143440(US,A)
【文献】特開2008-226496(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0198177(US,A1)
【文献】中国実用新案第208400991(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーと、
前記バッテリーを収容する収容体と、
前記バッテリーの膨張を検出する接触式の検出スイッチと、を有し、
前記収容体は、
前記バッテリーの第1主面側が前記バッテリーの第2主面側よりも変形しやすく、
前記検出スイッチが前記バッテリーの第1主面側で前記バッテリーに収容されたバッテリーセルの中心からずれた位置に設けられる、
ことを特徴とするバッテリーの収容構造。
【請求項2】
前記バッテリーの第1主面と前記検出スイッチとが直接接触しないよう、前記バッテリーの第1主面と前記検出スイッチとの間に前記収容体を構成する第1部材が介在する、
ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーの収容構造。
【請求項3】
前記収容体は、
前記第1部材と、前記バッテリーの第2主面側に設けられた第2部材とを有し、
前記第1部材は、
前記第2部材に固定又は係止されないフローティング状態となっている、
ことを特徴とする請求項2に記載のバッテリーの収容構造。
【請求項4】
前記収容体は、
前記第1部材と、前記バッテリーの第2主面側に設けられた第2部材とを有し、
前記第1部材の一部が、前記第2部材に固定又は係止された片持ち構造である、
ことを特徴とする請求項2に記載のバッテリーの収容構造。
【請求項5】
前記検出スイッチは、
前記バッテリーに収容されたバッテリーセルの中心から、前記第1部材が前記第2部材に固定又は係止された側と反対側にずれた位置に設けられている、
ことを特徴とする請求項4に記載のバッテリー収納構造。
【請求項6】
前記第1部材は、
前記バッテリーの第1主面側の少なくとも一部に切り込み孔、開口又はスリットが設けられている、
ことを特徴とする請求項2に記載のバッテリーの収容構造。
【請求項7】
前記第1部材に設けられた切り込み孔は、
前記検出スイッチに対向する所定領域の少なくとも2方向に設けられている、
ことを特徴とする請求項6に記載のバッテリーの収容構造。
【請求項8】
前記第1部材に設けられた切り込み孔は、
前記検出スイッチに対向する所定領域を囲むようにコの字型に設けられている、
ことを特徴とする請求項7に記載のバッテリーの収容構造。
【請求項9】
前記第1部材は、
前記検出スイッチに対向する位置以外の少なくとも一部に凹部又は開口が設けられている、
ことを特徴とする請求項2に記載のバッテリーの収容構造。
【請求項10】
前記第1部材は、
前記検出スイッチに対向する位置に凸部が設けられている、
ことを特徴とする請求項2に記載のバッテリーの収容構造。
【請求項11】
前記検出スイッチは、
前記検出スイッチ以外の機器が実装された基板に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーの収容構造。
【請求項12】
前記収容体の前記バッテリーの第2主面側は、
前記検出スイッチ及び前記基板を収容する筐体の少なくとも一部で構成されている、
ことを特徴とする請求項11に記載のバッテリーの収容構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーの収容構造に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池などの二次電池は、充電を行うことにより繰り返して利用することができ利便性が高いため車両分野・通信分野・産業分野・建設分野・再生可能エネルギー・携帯機器など、幅広い分野で利用されている。しかし、二次電池は、内部に使用されている材料等の劣化により電解液がガス化して膨張が生じる。このように、劣化により二次電池が膨張した場合、電解液の漏れや発火の恐れが生じるため二次電池の膨張の検出が行われている。
例えば、従来の発明では、リチウムイオン電池の表面の略矩形状の主面に電池表面の圧力を検出する4つのひずみゲージを取り付け、この取り付けた4つのひずみゲージの測定値に基づいて、リチウムイオン電池の膨張を検出することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-198765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、より効果的に二次電池の膨張を検出できる手法が求められている。
本発明は、上記課題を解決するために発明されたものであり、より効果的にバッテリーの膨張を検出できるバッテリーの収容構造を提供することを目的とする。
【0005】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、より効果的にバッテリーの膨張を検出できるバッテリーの収容構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決すべく、本発明に係るバッテリーの収容構造は、バッテリーの収容体を有し、当該収容体は、バッテリーの第1主面側とバッテリーの第2主面側とで、バッテリーの膨張に対する変形のしやすさが異なる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、より効果的にバッテリーの膨張を検出できるバッテリーの収容構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る端末の斜視図である。
図2】実施形態に係る端末の図1のA-A線での断面図である。
図3】バッテリーセルの中心を説明するための平面模式図である。
図4】バッテリーの収容体の変形しやすさを説明するための模式図である。
図5】バッテリーの収容体の変形しやすさを説明するための模式図である。
図6】バッテリーの収容構造の他の例を示す図である。
図7】バッテリーの収容構造の他の例を示す図である。
図8】バッテリーの収容構造の他の例を示す図である。
図9】バッテリーの収容構造の他の例を示す図である。
図10】バッテリーの収容構造の他の例の一部分拡大断面図である
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、図面を参照して実施形態に係るバッテリー(二次電池)の収容構造について説明する。
実施形態に係るバッテリーの収容構造は、いわゆるモニタリングシステムで利用される被見守り者(例えば、子供)によって携帯された端末におけるバッテリーの収容構造である。なお、以下の説明では、本バッテリーの収容構造をモニタリングシステムで利用される端末に適用した例について説明するが、バッテリーを収容するものであれば本バッテリーの収容構造を適用可能である。
【0010】
図1に示すように、端末1は、丸みを帯びた略立方体形状であり、筐体2にカバー3がかぶせられた構成を有する。
【0011】
図2に示すように、筐体2は、上部筐体21と下部筐体22(第2部材)とで構成される。上部筐体21は、下端部211の外周面に沿って形成されたリム部211Aを有する。下部筐体22は、上端部221の内周面に沿って形成された溝部221Aを有する。そして、上部筐体21のリム部211Aと下部筐体22の溝部221Aとを嵌合させることにより、上部筐体21と下部筐体22と着脱可能に係合される構成となっている。
【0012】
また、上部筐体21は、上端部212の外周面に沿って形成された溝部212Aを有する。カバー3は、下端部31の内周面に沿って形成されたリム部31Aを有する。そして、上部筐体21の溝部212Aとカバー3のリム部31Aとを嵌合させることにより、上部筐体21とカバー3とが着脱可能に係合される構成となっている。なお、上部筐体21とカバー3とは比較的軽い力で着脱が可能となっている。
【0013】
上部筐体21と下部筐体22により構成される筐体内には、種々の半導体チップ、コンデンサ、抵抗器などの電子部品4及び検出スイッチ5などが実装されたメイン制御基板6(プリント回路板)、フレーム7(第1部材)、バッテリー8(二次電池)などが収容される。
【0014】
フレーム7は、下部筐体22に螺子(不図示)などにより固定されており、フレーム7と下部筐体22により、バッテリー8を収容する収容体を構成する。なお、本実施形態では、フレーム7は、下部筐体22に螺子などにより固定されているが、固定の方法は問わない。
【0015】
検出スイッチ5は、フレーム7との接触を検出するスイッチであり、上部筐体21とフレーム7の間に存在するメイン制御基板6のフレーム7側に実装されている。つまり、検出スイッチ5は、バッテリー8の第1主面81側に設けられている。また、端末1は、バッテリー8の第1主面81と検出スイッチ5とが直接接触しないよう、バッテリー8の第1主面81と検出スイッチ5との間に収容体を構成するフレーム7が介在する構成となっている。このように検出スイッチ5とバッテリー8とが直接接触せず、検出スイッチ5との接触によりバッテリー8に印加される力がフレーム7により分散される。このため検出スイッチ5との接触によりバッテリー8に過剰な圧力がかからず、バッテリー8の外装が破損して内部の電解液が漏れにくい構造となっている。また、図2に示す例では、検出スイッチ5の中心(中心線L1を参照)は、バッテリー8に収容されたバッテリーセル83Aの中心(中心線L2参照)からずれた位置に設けられているが、バッテリー8内に収容されたバッテリーセル83Aの中心に対応する位置に検出スイッチ5の中心が来るように検出スイッチ5をメイン制御基板6に実装することができれば、この限りではない。
【0016】
収容体を構成するフレーム7は、メイン制御基板6側の主面71の検出スイッチ5に対向する位置に凸部72が設けられている。また、収容体を構成するフレーム7は、検出スイッチ5に対向する位置以外、具体的には、メイン制御基板6のフレーム7側に実装された電子部品4に対向する位置には、凹部73が設けられている。凸部72及び凹部73は、バッテリー8が膨張した際に、フレーム7が検出スイッチ5と接触するよりも先に、検出スイッチ5以外のもの(例えば、メイン制御基板6に実装された電子部品4など)と接触することを防止するために設けられている。このように、フレーム7に凸部72及び凹部73を設けることにより、上部筐体21と下部筐体22により構成される筐体内に高密度に電子部品4、メイン制御基板6、バッテリー8などを収容することができ、上部筐体21と下部筐体22により構成される筐体内の空間を有効に利用できる。
【0017】
なお、バッテリー8が膨張した際に、フレーム7が検出スイッチ5と接触するよりも先に、フレーム7が検出スイッチ5以外のもの(例えば、メイン制御基板6に実装された電子部品4など)と接触しなければ、必ずしもフレーム7に凸部72及び凹部73の少なくとも一方を設ける必要はない。また、フレーム7に設ける凹部73は一つでなくともよい。また、凹部73の代わりに、メイン制御基板6のフレーム7側に実装された電子部品4よりも一回り大きな開口を設けて、フレーム7が検出スイッチ5と接触するよりも先に、検出スイッチ5以外のもの(例えば、メイン制御基板6に実装された電子部品4など)と接触することを防止するようにしてもよい。また、検出スイッチ5は、フレーム7との接触を検知できればよく、どのような方式によりフレーム7との接触を検出してもよい。
【0018】
本実施形態のバッテリー8は、リチウムイオン電池などの二次電池である。二次電池は、充放電を繰り返すと、内部の電解液が膨張、又は内部にガスが発生することによって膨張が生じる。また、膨張した場合、二次電池が劣化して使用できなくなる。本実施形態では、このようなバッテリー8の不具合を検出スイッチ5で検出する構成となっている。
【0019】
図3は、バッテリーセルの中心を説明するための平面模式図である。バッテリー8は、バッテリーセル83Aが収容されたメイン部83と、制御回路(不図示)などが収容されたサブ部84とを有する。図3に示すように、本実施形態に係るバッテリーの収容構造では、バッテリー8の第1主面81側から見た平面視(検出スイッチ5と向かい合う投影面)において、検出スイッチ5の中心C1と、バッテリーセル83Aの中心C2とは、ずれた位置となっている。換言すると、バッテリー8の第1主面81側から見た平面視において、検出スイッチ5の中心C1とバッテリーセル83Aの中心C2とが重ならない位置になっている。本実施形態に係るバッテリーの収容構造では、バッテリーセル83Aの中心C2は、バッテリーセル83Aの対角線L3、L4の交点としている。なお、本実施形態に係るバッテリーセル83Aは、第1主面81側から見た平面視において、矩形又は略矩形であるため、バッテリーセル83Aの対角線L3、L4の交点をバッテリーセル83Aの中心C2としている。しかし、第1主面81側から見た平面視においてバッテリーセル83Aの形状が異なる場合は、この限りではない。例えば、第1主面81側から見た平面視においてバッテリーセル83Aの形状が異形(例えば、多角形)の場合は、バッテリーセル83Aの幾何的重心をバッテリー8の中心としてもよい。また、バッテリー8内に2以上のバッテリーセル83Aが収容されている場合、各バッテリーセル83Aの対角線の交点、又は幾何的重心を中心としてよい。この場合、中心C2が2以上あることになる。
【0020】
図4及び図5図4及び図5ではバッテリーセル83Aの図示は省略している)は、バッテリー8の収容体を構成するフレーム7及び下部筐体22の変形しやすさを説明するための模式図である。図4は、バッテリー8が膨張する前の収容体の概略断面図である。図5は、バッテリー8が膨張した後の収容体の概略断面図である。本実施形態の端末1は、バッテリー8の第1主面81側となるフレーム7と、バッテリー8の第2主面82側となる下部筐体22とでバッテリー8の膨張に対する変形のしやすさが異なっている。具体的には、バッテリー8の収容体を構成するフレーム7及び下部筐体22は、バッテリー8の第1主面81側となるフレーム7の方が、バッテリー8の第2主面82側となる下部筐体22よりも変形しやすい構造となっており、図4及び図5に示すように、バッテリー8が膨張すると、フレーム7の方が下部筐体22よりもより大きく変形する。
【0021】
ここで、フレーム7の方が下部筐体22よりも変形しやすい構造とするための手法は問わない。例えば、フレーム7と下部筐体22とを異なる材質とすることで、フレーム7の方が下部筐体22よりも変形しやすい構造としてもよい。また、例えば、フレーム7の厚みT1と下部筐体22の厚みT2を変えることで、フレーム7の方が下部筐体22よりも変形しやすい構造としてもよい。また、例えば、フレーム7と下部筐体22との構造、例えば、下部筐体22にハニカム構造などの剛性が向上する構造を採用することで、フレーム7の方が下部筐体22よりも変形しやすい構造としてもよい。また、例えば、フレーム7と下部筐体22との材質、厚み及び構造の少なくとも2以上を変えることで、フレーム7の方が下部筐体22よりも変形しやすい構造としてもよい。
【0022】
以上のように、本実施形態に係るバッテリーの収容構造は、下部筐体22とフレーム7とで構成されるバッテリーの収容体を有し、当該収容体は、バッテリー8の第1主面81側とバッテリー8の第2主面82側とで、バッテリー8の膨張に対する変形のしやすさが異なる。例えば、バッテリー8の膨張を検出する検出スイッチ5がバッテリー8の第1主面81側に設けられ、収容体は、バッテリー8の第1主面81側がバッテリー8の第2主面82側よりも変形しやすい構造とすることで、バッテリー8の膨張を検出スイッチ5側に誘導することができ、効果的にバッテリー8の膨張を検出することができる。
【0023】
また、本実施形態に係るバッテリーの収容構造は、バッテリー8の第1主面81と検出スイッチ5とが直接接触しないよう、バッテリーの第1主面81と検出スイッチ5との間に収容体を構成するフレーム7(第1部材)が介在する。このため検出スイッチ5とバッテリー8とが直接接触せず、検出スイッチ5との接触によりバッテリー8に印加される力がフレーム7により分散される。結果、検出スイッチ5との接触によりバッテリー8に過剰な圧力がかからず、バッテリー8の外装が破損して内部の電解液が漏れにくい構造となっている。
【0024】
また、本実施形態に係るバッテリーの収容構造では、検出スイッチ5は、バッテリー8に収容されたバッテリーセル83Aの中心からずれた位置に設けられている。検出スイッチ5が実装されるメイン制御基板6には、検出スイッチ5以外の電子部品4が実装されているため、バッテリー8が膨張した際に最も膨らむバッテリーセル83Aの中心に対応する位置に検出スイッチ5の中心が重なるように検出スイッチ5を設けることは難しいが、本実施形態に係るバッテリーの収容構造では、バッテリーセル83Aの中心からずれた位置に検出スイッチ5の中心が来るように検出スイッチ5をメイン制御基板6に設けても、効果的にバッテリー8の膨張を検出することができる。
【0025】
また、本実施形態に係るバッテリーの収容構造では、収容体を構成するフレーム7(第1部材)は、検出スイッチ5に対向する位置に凸部72が設けられている。また、本実施形態に係るバッテリーの収容構造では、収容体を構成するフレーム7(第1部材)は、検出スイッチ5に対向する位置以外の少なくとも一部に凹部73が設けられている。このようにフレーム7に凸部72及び凹部73の少なくとも一方を設けることで、バッテリー8が膨張した際に、フレーム7が検出スイッチ5と接触するよりも先に、検出スイッチ5以外のもの(例えば、メイン制御基板6に実装された電子部品4など)と接触することを防止することができる。また、上部筐体21と下部筐体22により構成される筐体内に高密度に電子部品4、メイン制御基板6、バッテリー8などを収容することができ、上部筐体21と下部筐体22により構成される筐体内の空間を有効に利用できる。なお、上述したように凹部73の代わりに、メイン制御基板6のフレーム7側に実装された電子部品4よりも平面視において一回り大きな開口を設けて、フレーム7が検出スイッチ5と接触するよりも先に、検出スイッチ5以外のもの(例えば、メイン制御基板6に実装された電子部品4など)と接触することを防止するようにしてもよい。
【0026】
また、本実施形態に係るバッテリーの収容構造では、下部筐体22とフレーム7とで構成される収容体は、バッテリー8の第1主面81側とバッテリー8の第2主面82側とが異なる部材で構成されている。このようにバッテリー8の第1主面81側とバッテリー8の第2主面82側とが異なる部材、例えば、フレーム7の方が下部筐体22よりも変形しやすい材質とすることで、バッテリー8の膨張を検出スイッチ5側に誘導することができ、効果的にバッテリー8の膨張を検出することができる。
【0027】
また、本実施形態に係るバッテリーの収容構造では、検出スイッチ5は、検出スイッチ5以外の電子部品4(機器)が実装されたメイン制御基板6に設けられている。このように、検出スイッチ5以外の電子部品4が実装されたメイン制御基板6に検出スイッチ5を設けることで、検出スイッチ5を設けることによるコスト増を抑制し、また、上部筐体21と下部筐体22により構成される筐体内の空間を有効に利用できる。
【0028】
[実施形態の変形例]
以下、実施形態の変形例について図6から図10を参照して説明する(なお、図6から図9ではバッテリーセル83Aの図示を省略している)。
上記実施形態では、フレーム7を下部筐体22に固定しているが、フレーム7を下部筐体22のどこにも固定又は係止されていない状態、換言すると、フレーム7をフローティング状態としてもよい。
この場合、バッテリー8の膨張に追随してフレーム7が浮き上がることになるが、図6に示すように、フレーム7において、バッテリー8に収容されたバッテリーセル83Aの中心と対向する部分以外の部分(周辺部)が、最も膨らむバッテリーセル83Aの中心の膨張に追随する。このため、検出スイッチ5をバッテリーセル83Aの中心に対向する位置に設けることができない場合でも、フレーム7の周辺部が最も膨らむバッテリーセル83Aの中心の膨張に追随するので、バッテリーセル83Aの中心に対向する位置に検出スイッチ5の中心が来るように検出スイッチ5を設けたのと同様にバッテリー8の膨張を検出することができる。
【0029】
また、フレーム7の一部を下部筐体22に固定又は係止した状態、換言すると、フレーム7を片持ち状態としてもよい。
この場合、フレーム7のうち下部筐体22に固定又は係止された側と反対側(図7に示す例では、図面に向かって左側)が、バッテリー8の膨張に追随してフレーム7が浮き上がることになる。この際、図7に示すように、フレーム7の下部筐体22に固定又は係止されていない側が、最も膨らむバッテリーセル83Aの中心の膨張に追随する。このため、検出スイッチ5をバッテリーセル83Aの中心に対向する位置に設けることができない場合でも、フレーム7の下部筐体22に固定又は係止されていない側が最も膨らむバッテリーセル83Aの中心の膨張に追随するので、バッテリーセル83Aの中心に対向する位置に検出スイッチ5の中心が来るように検出スイッチ5を設けたのと同様にバッテリー8の膨張を検出することができる。
なお、フレーム7を下部筐体22に固定又は係止する位置であるが、バッテリー8の第1主面81側から見た平面視において、バッテリーセル83Aの中心を対称点として、検出スイッチ5の中心とは反対側となる位置のフレーム7の端部を下部筐体22に固定又は係止することが好ましい。
【0030】
また、収容体を構成するフレーム7のバッテリー8に収容されたバッテリーセル83Aの中心と対向する所定領域以外の少なくとも一部に切り込み孔、開口又はスリット(以下、切り込み孔等74と称する)を設けるようにしてもよい。図8に示す例では、フレーム7に設けられた切り込み孔等74は、平面視において検出スイッチ5を囲むようにコの字型に設けられているが、必ずしもコの字型である必要はない。フレーム7に設けられた切り込み孔等74は、検出スイッチ5に対向する所定領域の少なくとも2方向に設けられていることが好ましい。
このようにフレーム7に切り込み孔等74を設けることで、フレーム7をフローティング状態としていなくても、切り込み孔等74に囲まれた領域75が、フレーム7の領域75以外の領域に比してバッテリーセル83A側からの圧に対して変位しやすくなるため、図9に示すように、フレーム7の切り込み孔等74に囲まれた領域75が、最も膨らむバッテリーセル83Aの中心の膨張に追随する。このため、検出スイッチ5をバッテリーセル83Aの中心に対向する位置に設けることができない場合でも、フレーム7の切り込み孔等74に囲まれた領域75が、最も膨らむバッテリーセル83Aの中心の膨張に追随するので、バッテリーセル83Aの中心に対向する位置に検出スイッチ5の中心が来るように検出スイッチ5を設けたのと同様にバッテリー8の膨張を検出することができる。
【0031】
以上のように、本実施形態の変形例に係るバッテリーの収容構造では、収容体を構成するフレーム7(第1部材)は、固定又は係止されないフローティング状態となっている。このため、フレーム7の周辺部が最も膨らむバッテリーセル83Aの中心の膨張に追随するので、検出スイッチ5をバッテリーセル83Aの中心に対向する位置に設けたのと同様にバッテリー8の膨張を検出することができる。
【0032】
また、本実施形態の変形例に係るバッテリーの収容構造では、収容体を構成するフレーム7(第1部材)は、バッテリー8に収容されたバッテリーセル83Aの中心と対向する所定領域以外の少なくとも一部に切り込み孔等74が設けられている。このため、フレーム7の切り込み孔等74に囲まれた領域75が、最も膨らむバッテリーセル83Aの中心の膨張に追随するので、バッテリーセル83Aの中心に対向する位置に検出スイッチ5の中心が来るように検出スイッチ5を設けたのと同様にバッテリー8の膨張を検出することができる。
【0033】
また、本実施形態の変形例に係るバッテリーの収容構造では、フレーム7(第1部材)に設けられた切り込み孔等74は、検出スイッチ5に対向する所定領域の少なくとも2方向に設けられている。検出スイッチ5に対向する所定領域の少なくとも2方向に切り込み孔等74を設けることで、より確実にバッテリーセル83Aの中心の膨張に追随させることができる。
【0034】
また、本実施形態に係るバッテリーの収容構造では、バッテリー8が膨張した際に、フレーム7が検出スイッチ5と接触するよりも先に、検出スイッチ5以外のもの(例えば、メイン制御基板6に実装された電子部品4など)と接触することを防止するためにフレーム7に凸部72を設けていたが、図10に示すように、フレーム7に凸部72を設けず、ベース部51に棒状のスイッチ部52を設けて検出スイッチ5を延長するようにしてもよい(例えば、タクタイルスイッチなどを利用するとよい)。また、フレーム7に凸部72を設け、かつ、検出スイッチ5のスイッチ部52を延長するようにしてもよい。
【0035】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 :端末
2 :筐体
3 :カバー
4 :電子部品
5 :検出スイッチ
6 :メイン制御基板
7 :フレーム(第1部材)
8 :バッテリー(二次電池)
21 :上部筐体
22 :下部筐体(第2部材)
31 :下端部
31A :リム部
51 :ベース部
52 :スイッチ部
71 :主面
72 :凸部
73 :凹部
74 :切り込み孔等
75 :領域
81 :第1主面
82 :第2主面
83 :メイン部
83A :バッテリーセル
84 :サブ部
211 :下端部
211A :リム部
212 :上端部
212A :溝部
221 :上端部
221A :溝部
T1 :厚み
T2 :厚み
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10