(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】水平回転軸で支持される偏心荷重腕のカム機構を用いるばねバランス装置
(51)【国際特許分類】
F16H 25/14 20060101AFI20240618BHJP
【FI】
F16H25/14
(21)【出願番号】P 2021148018
(22)【出願日】2021-09-10
【審査請求日】2023-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】717004179
【氏名又は名称】佐藤 雅郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雅郎
【審査官】鷲巣 直哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-030099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 25/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏心荷重腕を
360°回転自由に支持する水平回転軸に、
偏心荷重腕の垂直姿勢に対し、任意の取付け姿勢線上に固定される一つ以上のカム、
前記カム
のそれぞれに対
向して、
前記取付け姿勢線上に移動可能に配設
される、カムと当接する、その中心が数式6(d)に規定される
カム曲線を描くローラを回転自由に、かつ
前記取付け姿勢線上を摺動可能に支持する一つ以上のローラ付き直動カムフォロワー、および
各ローラ付き直動カムフォロワーを前記取付け姿勢線上を摺動可能に
案内する軸受部および
前記軸受部に外装され、前記各ローラ付き直動カムフォロワーをそれぞれの対向するカムに対し付勢し、前記ローラを介して
カムに押圧力を印加し、偏心荷重腕の負荷トルクに釣り合
う数式4(b)で規定される対抗トルクを発生
させる圧縮コイルばね
からなることを特徴とするカム機構。
【請求項2】
圧縮コイルばねに代えて、その圧縮コイルばねの
ばね定数kと同一の線形性
、およびばねの初期撓みξ
0
に相当する初期押圧力を有するガススプリングを備えるこ
とを特徴とする請求項1のカム機構。
【請求項3】
請求項1または請求項2のカム機構、および前記カム機構の水平回転軸を360°回転自由に支持する軸受を有し、およびローラ付き直動カムフロワーの軸受部が取り付けられる、前記カム機構を収容して、カムからの反力を支える筐体を備えることを特徴とするばねバランス装置。
【請求項4】
偏心荷重腕、請求項3のばねバランス装置、およびばねバランス装置を床または天井に沿い移動可能に、または、床または天井に固定して支持する支持部を備えることを特徴とする装置
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業界における各種機器、例えば、医療機器等に多用されている水平回転軸で支持される偏心荷重腕にカム機構を用いるばねバランス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カム機構は、カムリフトの所定のタイミングでの正確な運動、およびカムリフトの振動抑制の観点からのカム曲線の選定などが注目され、真の意味でのバランス装置としての利用が少なかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第10,786,318号
【文献】特開2017-30099
【非特許文献】
【0004】
【文献】図式解析ソフト「FunctionView」 (和田 啓助氏作)
図4から
図7までのカム機構の解析、描画に利用
【文献】「演習 機械運動学」 高野 政晴/遠山 茂樹 共著 1993年4月10日 株式会社 サイエンス社出版 ローラ付き直動カムフォロワーとカムに関して利用
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
偏心荷重腕の水平回転軸に直結される、偏心荷重腕の全360°回転を可能にする、カム機構の特徴を生かした、簡易なばねバランス装置の開発である。
【発明の効果】
【0006】
本発明のカム機構は、水平回転軸上に外装でき、水平回転軸の回りの、偏心荷重を支持する偏心荷重腕の完全な360°回転を可能にするばねバランス装置を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明のばねバランス装置200を備える偏心荷重腕50を有する機器の実施例を示す。
【
図2】
図1のカム機構100を収容するばねバランス装置200の実施例を示す。
【
図3】
図2のばねバランス装置200の中のカム機構100の部分図を示す。
【
図4】
図3のカム機構100の一部についての、偏心荷重腕50の負荷トルクに釣り合いかつ対抗するばねバランス装置200の初期釣り合い状態図を示す。
【
図5】
図4と同様に、偏心荷重腕50が任意の角度θだけ反時計回りしたときの、トルクの釣り合い関係を検討する検討図である。
【
図6】
図5のローラ付き直動カムフォロワー150の、そのローラ122の中心における力の釣り合いに関する拡大図である。
【
図7】
図5の偏心荷重腕50の姿勢が垂直軸(y軸)に関し対称である場合の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1において、本発明の機器は、例えば、X線管、カセッテ装置、計測器、インジケータ等の偏心荷重Wを支持する偏心荷重腕50、偏心荷重Wをその重心G(図示せず)から偏心量L(図示せず)で支持する水平回転軸70(
図2参照)、偏心荷重腕50を水平回転軸60の回りに全360°、手動で軽快かつ回転自由に支持するばねバランス装置200、およびばねバランス装置200を床上に支持する支持部10を有す。支持部10は、床上に固定で示されているが、本発明の請求範囲を限定するものではなく、床または天井に設置のための台、および床上を、または天井レール等に沿い移動する移動式台車である場合等も含まれる。
【0009】
図1において、偏心荷重腕50は、水平回転軸70に取り付けられ、
図1に示すように時計回り、および反時計回りのいずれの回転方向にも、ばねバランス装置200の水平回転軸70の軸芯60の回りに全360°回転自由に支持される。
【0010】
図2は、カムフォロワー150がカム110に対し、斜め下方に(しかも、それぞれが水平回転軸70に関し、姿勢を異にして、即ち、取付け姿勢線110-0(
図4参照)を異にして)配されるばねバランス装置200の一実施例を示す。
【0011】
図2のばねバランス装置200は、軸芯60を有する水平回転軸70、水平回転軸70に関し取り付けられた、偏心重腕50の負荷トルクT
Wに釣り合いかつ対抗する対抗トルクT
S(数式5(b)等参照)を発生するカム機構100の複数の組(
図2の実施例において、カム機構100の偏心荷重腕50に近い方から右方へ、第1組から第4組の4組)、水平回転軸70の両端を回転自由に支持する軸受80-1、80-2、およびそれら軸受を支持し、後述する圧縮コイルばね140の常時押圧力を外部へ伝達する、カム機構100を収容する筐体90を有す。なお、水平回転軸70は、偏心荷重腕50の取り付け面F(
図3参照)および水平回転軸70の全長に亘り貫通する、本発明の特徴であるケーブル類(導管類も含む)の貫通を、ばねバランス装置200の軸芯60と交差させることなく可能とする軸孔H(
図3参照)を有す。
即ち、軸孔Hは、例えば、偏心荷重腕50の全360°回転の際に捩られるケーブル類(導管類も含む)の通路として機能する。なお、この場合、ケーブル類は、いわゆるスリップリングを介して外部ケーブル類(導管類も含む)と連結されると、全360°回転の本発明の特徴が生かされる。
【0012】
図2のばねバランス装置200は、上記のように、カム機構100により負荷トルクT
Wに釣り合う対抗トルクT
Sを発生して偏心荷重腕50の負荷とのバランスをとるが、併せて、負荷とのバランスを取った状態で、偏心荷重腕50の水平回転軸70に関する姿勢を維持する。
【0013】
図2は、カムフォロワー150がカム110に対し、斜め下方に(しかも、それぞれが水平回転軸70に関し、姿勢を異にして、即ち、取付け姿勢線110-0を異にして)配されるばねバランス装置200の一実施例を示す。
【0014】
図3は、
図2のばねバランス装置200の一部分である、カム機構100の第1から第4組の中の第1および第2組の場合を示す。カム機構100の第1から第4組の各組は、
図2に示すように、それらの水平回転軸70への取付け姿勢を除けば、その構成が同一であって、水平回転軸70に回転不能に取り付けられるカム110、およびカム110と対向し、筐体90に対し、所定の取付け姿勢(
図4の取付け姿勢線110-0で表示)で設置される、ローラ付き直動カムフォロワー150の組から構成される。
【0015】
ローラ付き直動カムフォロワー150(以降、単に、カムフォロワー150と言う)は、カム110と転動係合するローラ122、ローラ122をその中心C(
図4参照)の回りに回転自由に支持するカムフォロワー軸125、カムフォロワー軸125をカム110に対し、取付け姿勢線110-0(
図4参照)で示される一定姿勢に支持し、カム110により駆動されるカムフォロワー軸125の摺動を案内し、押圧力P(θ)(数式4参照)の反力を筐体90へ伝達するカムフォロワー軸受部130、およびカムフォロワー軸受部130の外周に、カムフォロワー軸125と同軸状に外装される、水平回転軸70に対し偏心荷重腕50の負荷トルクT
W(数式5(a)参照)に釣り合いかつ対抗する対抗トルクT
Sを発生する押圧力P(θ)をカム110に対し印加する圧縮コイルばね140から構成される。
【0016】
図4は、
図2に示されるカム機構100のカム110とローラ122付きのカムフォロワー150からなるカム機構100の第1組と第3組を表し、偏心荷重腕50が垂直姿勢であり、その偏心荷重腕50による水平回転軸70の軸芯60の回りの負荷トルクT
Wがゼロであり、また、ローラ122の中心Cの描くカム曲線112に対する、後述する法線110-1が上述の取付け姿勢線110-0と重なり、軸芯60を通り、対抗トルクT
Sがゼロとなる、ばねバランス装置200の負荷トルクT
Wがゼロであり、それに対抗する対抗トルクnT
Sがゼロであるという意味(数式5(a)参照)での、初期釣り合い状態を示す。このとき、法線110-1が上述の取付け姿勢線110-0と重なることから、カム110とローラ122の接触点Fは、両直線110-0、110-1上にあり、また、カム基礎円114に巻き付くカムリフトy(数式6(c)参照)の巻き付き開始点および終了点であるカム特定点Aとも重なる。このような条件が満たされれば、
図4から
図7のついての検討結果は、取付け姿勢線110-0が異なる第2組および第4組についても同様に適合する。従って、カムフォロワー150の取付け姿勢線110-0は、カム110に対し、選択により左右の側方あるいは上方である場合もある。
【0017】
なお、
図4から
図7までのカム機構100のカム曲線112の形状に関し、カム機構100の厚み方向は、捨象し、軸芯60に直交する、取付け姿勢線110-0を含むxy面上にて検討し、そのことについてのその都度の言及は省略する。例えば、後述するカム曲線112に対する法線110-1、接線110-2、およびカム110の対称軸110-3は、取付け姿勢線110-0を含むxy面上にある。
【0018】
図4において、偏心荷重腕50が軸芯60の回りに回転すると、カムフォロワー150のカムフォロワー軸125は、フォロワー軸受部130に支持され、ローラ122と共に、カム110により駆動され、圧縮コイルばね140を圧縮して、前述の取付け姿勢線110-0上を摺動する。
また、カムフォロワー150のローラ122は、カム110の回りを、自身の中心Cの回りに回転しながら、カム110との接触点Fを回転中心として転動運動をする。このとき、ローラ122の中心Cは、カム110の外周から、ローラ122の半径r(数式6参照)に等しい距離離れた、本発明が求めようとするカム曲線112を描く。
【0019】
即ち、本発明の目的は、偏心荷重腕50の負荷トルクT
Wに釣り合いかつ対抗する、カム機構100の水平回転軸70への対抗トルクT
Sを発生する、ローラ122の中心Cが描く、カム曲線112の輪郭、即ち、水平回転軸70の軸芯60からのカム曲線112の動径R(θ)(
図4における矢印付き直線OCで示される、数式6(d)参照)を定めることである。その結果として、ローラ122のカム110との接触点Fの座標が、法線110-1上の点として得られ、カム110の形状が定まる。接触点Fは、ローラ122上の点でもあり、カム110上の点でもあり、接触点Fの座標は両点で共有されると解することができる。
【0020】
図5は、偏心荷重腕50が、垂直姿勢から反時計回りに角度θだけ回転したとき、のカム機構100を示す。
図5は、カム100が、軸芯60の回りに偏心荷重腕50と同一角度θだけ回転することを示す。即ち、
図5において、カム110の回転角θは、動径R(θ)と上述の特定点Aを通り、軸芯60に直角にカム110の中心でもある軸芯60を通る、回転角θと等しい。カム曲線112の動径R(θ)は、カム基礎円114の半径をRg、カムリフトをy(θ)、ローラ122の半径をrとすれば、ローラ122の中心Cにおける接線110-2の動径R(θ)とのなす角(接線角
)
について、数式1を得る。
【0021】
同様に、
図5において、前記カム曲線112上のC点での、動径R(θ)とカム曲線112の法線110-1とのなす角、即ち、カム110の圧力角φは、法線110-1が接線110-2と直交することから、数式1(b)より数式2で表される。なお、
図5において、注目すべきことは、法線110-1がカム110の中心(軸芯60と一致)に対し、
図5に向かい左側を通ることである。このことによって、カム機構100が偏心荷重腕5に釣り合いかつ対抗する、後述する対抗トルクT
S(数式3参照)を発生する。
【数2】
【0022】
図6において、カムフォロワー150のカム110に対する、カムフォロワー軸125に沿う押圧力をP(θ)、その押圧力に対抗し、接触点Fにおける、法線110-1方向に発生する反力をN(θ)、およびカムフォロワー150とカム110からなるカム機構100が発生する、偏心荷重腕50の負荷トルクT
Wに釣り合いかつ対抗する対抗トルクをT
Sとし、そして、カムフォロワー150のフロワー軸受部130等の摩擦が少ないと、数式3を得る。
【数3】
【0023】
一方、θ=0のときの圧縮コイルばね140の撓みをξ
0とし、偏心荷重腕50の任意の回転θにおける圧縮コイルばね140の撓みをξ(θ)とし、圧縮コイルばね140のばね定数をkとすれば、カムフォロワー150がローラ122を介してのカム110への押圧力P(θ)は、数式4で表される。
【数4】
【0024】
偏心荷重腕50の任意の反時計回りの回転θにおける偏心荷重腕50が水平回転軸70に及ぼす負荷トルクT
Wは、n組のカム機構100の対抗負荷トルクnT
Sと釣り合いことから、数式5を得る。
【数5】
なお、(a)式は、トルクT
WおよびT
Sの値は、共に、θ=0およびπのとき、ゼロであり、偏心荷重腕50の場合には、垂直軸(y軸)に関し、また、カム110の場合は、上述の特定点Aを通るカム110の対称軸110-3に関し、共に対称であることを示す。
【0025】
数式5(d)の微分方程式を解くと得られる、トルクT
WとT
Sとの釣り合いを満たす、カムリフトy(θ)および動径R(θ)を規定する数式6を、その解法と共に示す。
【数6】
【0026】
数式6(c)、(d)は、ばねバランス装置200の、全360°回転に亘るバランス性能を実現する。
また、数式6(c)、(d)は、カム基礎円114の半径Rg、ローラ122の半径r、偏心荷重W、その偏心量L、カム110とカムフォロワー150からなる組の数n、および圧縮コイルばね140のばね定数kおよび初期撓みξ0がカム機構100を定めるパラメータであることを示す。また、 数式6(d)は、偏心荷重腕50の負荷トルクTW(数式5(a)参照)の対称性から帰結されることであるが、カム110には、前述したように、特定点Aを通る、動径R(θ)を有するカム曲線112の2等分線である、カム110の対称軸110-3が存在することを示す。
【0027】
数式6(c)より、回転角θのときの圧縮コイルばね140の撓みをξ(θ)、カムリフトをy(θ)とし、θ=π/2のときの、それらをξ
iおよびy
i、θ=πのときの、それらをξ
m、y
mとすれば、数式7を得る。
【数7】
【0028】
ここで、 数式6(c)、(d)により定まる、カム110の形状を定めるパラメータの、圧縮コイルばね140のばね定数kおよび初期撓みξ
0に関し、数式5(b)に基づき検討すると、表1を得る。
【表1】
【0029】
即ち、両パラメータk、ξ
0は、互いにトレードオフの関係にあり、例えば、
図2および
図3等が示す実施例の場合には、表1に示す「組合せパラメータ」のときに、ばねバランス装置200のためのカム機構100が実現する。なお、表1は、多数の組合せの中で、ばね定数kの有用な範囲に対するばねの初期撓みξ
0について掲げたもので、ここに掲げるばね定数kの範囲内でも、無数の「組合せパラメータ」が存在することは注目に値する。
【0030】
表1は、特定の付与要件、例えば、偏心荷重Wおよびその偏心量L等の下で、ばねバランス装置200をなりたたせるカム機構100を実現する、カム110の形状を間接的に規定する、ばね定数kとばねの初期撓みξ0との組合せパラメータは、限定的であることを示す。また、カム110の形状を決める組合せパラメータの選択には、数式5(b)に基づき、表1のようなデータを取得して、種々の観点、例えば、圧縮コイルばね140の諸元等から検討すべきことを示す。
【0031】
同様に、カム110の形状が定まっているときに、偏心荷重腕50の負荷トルクT
wが当初の想定負荷トルクの場合(正規WL)と相違する場合(変動WL)に対する対応は、数式6(c)(d)の値を同一に保つ条件(対応条件という)を満たせば、即ち、そのT
wに対応して、WL/Kが不変であるようにばね定数kを変化させ、ばねの初期撓みξ
0を不変に保つことで可能である。数式5(b)に基づき、
図2および
図3の一例について検証した結果を表2に示す。
【表2】
即ち、表2は、上述の対応条件を満たせば、数式6(c)(d)で規定されるカム110を有するカム機構100が想定負荷トルクT
wとの違い対し、カム110は交換せずに、圧縮コイルばね140を交換するだけで対応できることを示す。
【0032】
ローラ122の中心Cが描くカム曲線112が数式6(d)で決定された後、即ち、そのカム曲線112の動径R(θ)が確定された後に、カムフォロワー150のローラ122の半径rと数式2(a)で表されるカム110の圧力角φから、ローラ122とカム110の接触点Fの位置座標が確定し、結果としてカム110の形状が確定する。
【0033】
図7は、
図5の場合と比較して、偏心荷重Wがy軸に関し対称の位置にある場合を示す。数式7は、偏心荷重Wの全360°回転に亘り、適用できることを示すが、
図5および
図7もまた、本発明が偏心荷重腕50の時計回りおよび反時計回りの両回転方向、即ち、全360°回転に対応できることを端的に表す。
【0034】
以上の解析では、水平回転軸70は水平姿勢であることを前提にしているが、当業者は、水平姿勢でない一定の傾斜姿勢の回転軸にカム機構100を直結しても、その傾斜に相当する修正を加えれば、同様にばねバランス装置200が構築可能であることが理解されるであろう。また、本明細書では、圧縮コイルばね140を使用する場合について説明するが、同様の機能および線形特性を有するガススプリングを排除するものではない。