(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】入力装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20240618BHJP
G04G 21/08 20100101ALI20240618BHJP
【FI】
G06F3/041 400
G04G21/08 J
(21)【出願番号】P 2018195237
(22)【出願日】2018-10-16
【審査請求日】2021-10-05
【審判番号】
【審判請求日】2023-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】末永 尚史
【合議体】
【審判長】篠塚 隆
【審判官】野崎 大進
【審判官】村松 貴士
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-176732(JP,A)
【文献】特開2005-114495(JP,A)
【文献】特開2015-114802(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G04G 21/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによるタッチ操作を検出する静電容量方式のタッチパネルと、
前記タッチパネルに付設している付設部材と、
を備え、
前記付設部材は、前記タッチパネルの検出面の上部に設けられている特定部分を有し、
前記特定部分の一部
が複数の抵抗体により形成され、
前記抵抗体は、前記付設部材とは異なる材料であって金属材料よりも抵抗値の高い材料で形成されており、
前記付設部材に対する前記ユーザによるタッチ操作により、前記タッチパネルへのタッチ操作を可能とすることを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記抵抗体は、カーボン材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記タッチパネルは、前記付設部材における一の前記抵抗体に重なる複数箇所に対する前記ユーザによるタッチ操作により、前記タッチパネルにおける対応する複数箇所に対する個別のタッチ操作を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記特定部分は、前記タッチパネルの検出面の一部の上部に設けられることを特徴とする請求項1~3のうちいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項5】
前記抵抗体は、
前記タッチパネル側に露出しないように前記付設部材に埋め込まれて設けられていることを特徴とする請求項1~4のうちいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項6】
表示面を有する表示パネルをさらに備え、
前記抵抗体は、前記付設部材の形状に沿った連続した形状を有しているとともに、所定方向の長さが前記表示パネルの表示面における所定の一辺の長さと略等しい、ことを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項7】
時計型の電子機器用であり、
前記特定部分は、ベゼルであることを特徴とする請求項1~3のうちいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項8】
請求項1~7のうちのいずれか1項に記載の入力装置と、
前記付設部材に収容されている表示パネルと、
を備え、
前記タッチパネルは、前記付設部材に外周が囲繞される態様で前記表示パネルの視野側の面上に設けられることを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、入力装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンやタブレット端末等の電子機器において、入力装置として、液晶ディスプレイ等の表示部の前面(視野側)にタッチパネルが用いられている。また、特許文献1には、表示部の周囲のケース部分に導電体(非抵抗体)を設けることにより、ケース部分においてユーザによるタッチ操作を可能とする構成が記載されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、ケース部分におけるユーザによるタッチ操作を検出することは可能ではあるが、非抵抗体を利用するので、非抵抗体が存在しない部分でのタッチ位置の検出精度が局所的に低いという課題があった。すなわち、タッチ位置の検出精度がケース部分における非抵抗体の位置に依存してしまうため、タッチ位置の検出精度が変化しやすいという課題がある。
【0005】
そこで、本発明は、タッチパネルを収容している付設部材の特定部分におけるタッチ位置の検出精度の位置依存性を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の1つの側面では、ユーザによるタッチ操作を検出する静電容量方式のタッチパネルと、
前記タッチパネルに付設している付設部材と、
を備え、
前記付設部材は、前記タッチパネルの検出面の上部に設けられている特定部分を有し、
前記特定部分の一部が複数の抵抗体により形成され、
前記抵抗体は、前記付設部材とは異なる材料であって金属材料よりも抵抗値の高い材料で形成されており、
前記付設部材に対する前記ユーザによるタッチ操作により、前記タッチパネルへのタッチ操作を可能とすることを特徴とする入力装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
1つの側面では、本発明によれば、タッチパネルを収容している付設部材の特定部分におけるタッチ位置の検出精度の位置依存性を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る入力装置が適用された電子機器の一実施例を示す概略構成図である。
【
図2】本実施例に係る電子機器の要部の断面構造を示す概略図である。
【
図4】比較例による静電容量の変化態様を示す説明図である。
【
図5】本実施例による静電容量の変化態様を示す説明図である。
【
図6】第1変形例による電子機器を示す概略図である。
【
図7】第2変形例による電子機器を示す概略図である。
【
図8】第3変形例による電子機器を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
【0010】
図1は、一実施例による電子機器を示す概略構成図である。
図1(a)は、本実施例に係る電子機器の外観を示す斜視図であり、
図1(b)は、電子機器の機器本体を視野側から見た正面図である。また、
図2は、本実施例に係る電子機器の要部の断面構造を示す概略図である。
図2(a)は、
図1(b)に示した電子機器におけるA-A断面の構造図であり、
図2(b)は、同B-B断面の構造図である。なお、
図1には、表示部DSPの画面の垂直方向に対応するX方向と、同画面の水平方向に対応するY方向とが示されており、Y方向を左右方向と称する場合がある。
【0011】
電子機器100は、腕時計型の形状を有し、例えば
図1(a)、(b)に示すように、その動作や機能に応じた種々の情報を表示する表示部DSPが設けられた機器本体102と、機器本体102を手首等の人体に装着するための帯状のベルト部(付設部材)104と、を備えた腕時計型の形状を有している。
【0012】
機器本体102は、例えば
図1に示すように、略矩形状の平面形状を有し、視野側である一面(
図1(a)の上側の面、
図1(b)の手前側の面、
図2(a)、(b)の上面)側には、タッチパネルを備えた表示部DSPが設けられ、一方、機器本体102の他面(
図2(a)、(b)の下面)側には、裏蓋(閉止蓋)120が設けられている。
【0013】
具体的には、機器本体102は、例えば
図2(a)、(b)に示すように、枠状に形成され、絶縁性を有して誘電体をなす、樹脂製のケース110を有し、その中央に貫通するように設けられた開口部110hの内部に、保護板116と、液晶方式等の表示パネル112と、静電容量方式のタッチパネル114と、回路基板や電池等を含む回路構成部118と、固定部材110aとが組み込まれて(収容されて)いる。ここで、表示パネル112とタッチパネル114と保護板116は、表示部DSPを構成し、タッチパネル114は視野側がタッチ位置(タッチ座標)を検出する検知面となっている。タッチパネル114及び保護板116は上面から表示パネル112による表示を視認可能とする透過性を有しており、保護板116は例えばガラスにより形成される。なお、本実施例においては、タッチパネル114とケース110(付設部材の一例)とが、「入力装置」の一例を形成する。
【0014】
なお、保護板116はガラスにより形成されたものに限らず、例えばアクリルやポリカーボネート等による透明性を有する樹脂材料により形成されているものであってもよい。また、ケース110は、タッチパネル114の上部に設けられて、後述する抵抗体70が設けられている部分以外は、誘電体でなくともよい。
【0015】
保護板116は、ケース110の開口部110h内の、最も視野側に取り付けられている。タッチパネル114は、検知面である表面側が保護板116に密着し、他面側が表示パネル112に密着するように設けられている。また、タッチパネル114は、例えば
図2(a)に示すように、その幅寸法(図面左右方向の長さ)H2が、ケース110の表面側の開口部110hの幅寸法H1よりも大きくなるように形成され、表示部DSPの周囲(図面左右方向の周囲)に設けられたケース110部分にまでその端部が延在するように設けられている。ここで、機器本体102における表示部DSPの周囲のケース110は、いわゆる、腕時計のベゼルに相当する部分(以下、「ベゼル103」と称する)である。
【0016】
また、回路基板や電池等を含む回路構成部118は、表示パネル112の他面側(裏蓋120側)に設けられ、詳細な図示を省略するが、CPUやMPU等の演算処理回路、記憶回路等が搭載された回路基板部や、機器本体102の各部に駆動電力を供給する電源部等を有している。固定部材110aは、ケース110の他面側の開口部110h内に嵌合するように取り付けられ、開口部110h内に組み込まれたタッチパネル114や表示パネル112、回路構成部118の位置を固定する。裏蓋120は、ケース110の他面側の開口部110h内に組み込まれたタッチパネル114や表示パネル112、回路構成部118、固定部材110aを閉止する。
【0017】
ここで、機器本体102は、
図2(a)に示すように、電子機器100の使用時における破損や衝撃に対する強度や、デザイン性を確保するために、表示部DSPを構成する保護板116の表面に比較して、表示部DSPの周囲に設けられたケース110が表面側(視野側;
図2(a)の上方側)に突出するように形成されている。
【0018】
そして、本実施例においては、
図1(b)、
図2(a)、(b)に示すように、表示部DSPの周囲に突出して設けられたケース110部分、すなわち、ベゼル103(特定部分の一例)の内部に、機器本体102を表面側から平面視した場合に、開口部110hの幅寸法H1よりも端部が延在して設けられたタッチパネル114と平面的に重なるように、抵抗体70が設けられている。抵抗体70は、例えばカーボン等の抵抗値の比較的低い(例えば、1×10
-5オーム~2×10
-5オーム程度)材料からなる。
【0019】
抵抗体70は、ベゼル103の外形(
図1に示す例では、矩形の枠の形態)に沿った外形を有する。
図1では、抵抗体70は、ベゼル103の左右部のそれぞれに設けられ、ベゼル103の左右部に沿って(表示部DSPの垂直方向に)延在する。
【0020】
抵抗体70は、
図2に示すように、ベゼル103の上面からは露出せず、かつ、タッチパネル114側にも露出しない。すなわち、抵抗体70は、ベゼル103に埋設され、
図2に示す寸法L1,L2は、ゼロより大きい。これにより、抵抗体70が露出する場合に生じる見栄えの悪化を防止し、デザイン性が向上する。なお、寸法L1は、抵抗体70とタッチパネル114との距離であり、寸法L2は、抵抗体70とケース110の表面との距離である。ただし、変形例では、寸法L1,L2のいずれか一方又は双方はゼロであってもよい。また、
図2に示す例では、寸法L1と寸法L2は実質的に同じであるが、有意に異なってもよい。
【0021】
本実施例では、表示部DSPのタッチパネル114の視野側に配置された保護板116に、ユーザが指USf等を接触させることにより入力操作が行われる(
図2(a)参照)。また、ベゼル103に、ユーザが指USf等を接触させることにより入力操作が行われる(
図2(b)参照)。
【0022】
保護板116にユーザが指USf等を接触させると、タッチパネル114の静電容量が変化することで、電子機器100の回路構成部118によりタッチ位置等が検出される。電子機器100の回路構成部118は、かかるタッチ位置を検出すると、当該タッチ位置と現在の画面情報等に基づいて各種機能を実現する。
【0023】
同様に、ベゼル103にユーザが指USf等を接触させると、タッチパネル114の静電容量が変化することで、電子機器100の回路構成部118によりタッチ位置等が検出される。電子機器100の回路構成部118は、かかるタッチ位置を検出すると、当該タッチ位置と現在の画面情報等に基づいて各種機能を実現する。
【0024】
なお、回路構成部118は、タッチ位置に基づいて、保護板116上での操作かベゼル103上での操作かを識別することが可能である。回路構成部118は、保護板116上での操作かベゼル103上での操作かに応じて、種類の異なる機能を実現してもよい。例えば、保護板116上での操作は、表示部DSPでの表示画面に形成されるタッチスイッチの操作に対応し、ベゼル103上での操作は、表示部DSPの表示画面のスクロール操作に対応してもよい。あるいは、ベゼル103上での操作は、「戻る」や「進む」等の所定の機能を実現するものであってもよい。この場合、ベゼル103上での操作に対して割り当てられる機能は、ユーザによりカスタマイズ可能とされてもよい。
【0025】
次に、
図2とともに
図3以降を参照して、本実施例の効果について説明する。
【0026】
図3は、比較例の構成を示す断面図であり、
図4は、比較例による静電容量の変化態様を示す説明図であり、
図5は、本実施例による静電容量の変化態様を示す説明図である。
図3(前出の
図2も同様)には、ある2箇所での操作の際の指USfの状態が模式的に示される。また、
図3(前出の
図2も同様)には、X方向が示され、ここでは、タッチパネル114の端部がX座標の原点であるとする。
【0027】
比較例は、抵抗体70に代えて、導電体60(非抵抗体)が設けられる点が異なる。なお、
図3では、本実施例と同様であってよい構成要素については同一の参照符号が付されている。導電体60は、例えば抵抗が抵抗体70よりも有意に低い材料により形成される。従って、導電体60は、
図3に示すように、X方向で互いに電気的に絶縁される態様で複数個設けられる。なお、これらを連続すると、ユーザがどの位置(例えば
図3のP1やP2)で操作しても、タッチパネル114に生じる静電容量の変化は同じ態様となり、ベゼル103上での操作の有無だけしか検出できなくなる。このため、比較例では、上述のように、X方向に沿って複数個、導電体60が設けられる。
【0028】
図4には、縦軸に静電容量を取り、横軸に位置(X方向の位置)を取り、指USfの位置が
図3の位置P1であるときのタッチパネル114での静電容量のX方向に沿った変化態様が波形400(P1)で示されるとともに、指USfの位置が
図3の位置P2であるときのタッチパネル114での静電容量のX方向に沿った変化態様が波形402(P2)で示される。
【0029】
指USfの位置が
図3の位置P1であるときは、指USfが、特定の導電体60-0に上下方向(表示部DSPに垂直な方向)で対向するので、
図4で波形40(P1)に示すように比較的大きなピークが発生し、タッチ位置(X方向の位置)の良好な検出精度が期待できる。他方、指USfの位置が
図3の位置P2であるときは、指USfが、X方向で隣接する2つの導電体60-1、60-2の間に上下方向で対応するので、
図4で波形42(P2)に示すように、明確なピークが現れ難く、タッチ位置(X方向の位置)の良好な検出精度が期待できなくなる。
【0030】
このように、比較例では、ベゼル103における位置に依存して、タッチ位置の検出精度が変化しやすいという課題がある。
【0031】
これに対して、本実施例によれば、以下で説明するように、上述のような抵抗体70を有するので、ベゼル103におけるタッチ位置の検出精度の位置依存性を低減することが可能となる。
【0032】
具体的には、本実施例の特性に関する
図5には、縦軸に静電容量を取り、横軸に位置(X方向の位置)を取り、指USfの位置が
図2の位置P1であるときのタッチパネル114での静電容量のX方向に沿った変化態様が波形500(P1)で示されるとともに、指USfの位置が
図2の位置P2であるときのタッチパネル114での静電容量のX方向に沿った変化態様が波形502(P2)で示される。
【0033】
指USfの位置が
図2の位置P1であるときは、指USfが、抵抗体70に上下方向(表示部DSPに垂直な方向)で対向するので、
図5で波形50(P1)に示すように、指USfに対向する位置に対応して比較的大きなピークが発生し、タッチ位置(X方向の位置)の良好な検出精度が期待できる。また、指USfの位置が
図2の位置P2であるときも、
図4で波形52(P2)に示すように、指USfに対向する位置に対応して比較的大きなピークが発生し、タッチ位置(X方向の位置)の良好な検出精度が期待できる。なお、抵抗体70の場合、導電体とは異なり、有意な抵抗があるため、指USfの位置が
図2の位置P1であるときと、指USfの位置が
図2の位置P2であるときとで、静電容量のピークが発生する位置が明確に異なる。
【0034】
このようにして本実施例によれば、指USfがベゼル103におけるどの位置にあっても、抵抗体70に上下方向で対向する位置である限り、静電容量に明確なピークが発生しやすくなる。この結果、本実施例によれば、ベゼル103におけるタッチ位置の検出精度の位置依存性を低減でき、その結果、タッチ位置の検出精度を高めることができる。
従って、本実施例によれば、ベゼル103において、一の抵抗体70に重なる複数箇所に対するユーザによるタッチ操作により、タッチパネル114における対応する複数箇所に対する個別のタッチ操作を検出することが可能である。すなわち、一の抵抗体70に重なる複数箇所に対するユーザによるタッチ操作は、異なる位置として検出できるので、異なる位置に応じた異なる機能を、当該タッチ操作に割り当てることができる。この結果、本実施例によれば、単位面積あたりに実装可能なタッチスイッチの数を効率的に増やすことも可能である。
【0035】
なお、上述した実施例では、抵抗体70は、ベゼル103の左右部にそれぞれ設けられるが、一方のみに設けられてもよい。また、抵抗体70は、表示部DSPの画面の上端から下端までの全高さにわたり設けられるが、表示部DSPの画面の上端から下端までの一部に対して設けられてもよいし、表示部DSPの画面の上端や下端を超えて延在してもよい。
【0036】
次に、
図6以降を参照して、幾つかの変形例について説明する。
【0037】
図6は、第1変形例による電子機器100Aを示す概略図である。第1変形例による電子機器100Aは、上述した実施例による電子機器100に対して、抵抗体70Aが追加された点が異なる。以下では、ベゼル103に関して、X方向の正側の部位を上部と称し、X方向の負側の部位を下部と称する場合がある。
【0038】
抵抗体70Aは、
図6に示すように、ベゼル103の上下部にも設けられる。すなわち、ベゼル103の上部の抵抗体70Aは、左右方向に延在し、ベゼル103の下部の抵抗体70Aは、左右方向に延在する。なお、抵抗体70Aのベゼル103内での構造については、抵抗体70と同様であってよい。
【0039】
このように第2変形例では、ベゼル103には、左右部において画面上下方向に連続する抵抗体70が設けられるとともに、上下部において画面左右方向に連続する抵抗体70Aが設けられる。
【0040】
この場合、回路構成部118は、タッチ位置に基づいて、ベゼル103のどの部分での操作かに応じて、種類の異なる機能を実現してもよい。例えば、ベゼル103上の各部分での操作は、「戻る」や「進む」等の所定の機能を実現するものであってもよい。この場合、ベゼル103上での操作に対して割り当てられる機能は、ユーザによりカスタマイズ可能とされてもよい。
【0041】
本変形例によっても、上述した実施例と同様の効果が奏される。
【0042】
図7は、第2変形例による電子機器100Bを示す概略図である。第2変形例による電子機器100Bは、上述した実施例による電子機器100に対して、抵抗体70が抵抗体70Bで置換された点が異なる。
【0043】
抵抗体70Bは、
図7に示すように、ベゼル103の全周にわたり連続する態様で設けられる。なお、抵抗体70Bのベゼル103内での構造については、抵抗体70と同様であってよい。
【0044】
この場合、回路構成部118は、タッチ位置に基づいて、ベゼル103のどの部分での操作かに応じて、種類の異なる機能を実現してもよい。例えば、ベゼル103上の各部分での操作は、「戻る」や「進む」等の所定の機能を実現するものであってもよい。この場合、ベゼル103上での操作に対して割り当てられる機能は、ユーザによりカスタマイズ可能とされてもよい。
【0045】
本変形例によっても、上述した実施例と同様の効果が奏される。
【0046】
このように、ベゼル103における抵抗体の配置パターンや配置数は適宜変更されてもよい。
【0047】
図8は、第3変形例による電子機器100Cを示す概略断面図である。
【0048】
第3変形例による電子機器100Cは、上述した実施例による電子機器100に対して、ケース110がケース110Cで置換された点が異なる。ケース110Cは、上述した実施例によるケース110に対して、抵抗体70とタッチパネル114との間の部位110fが、他の部位と別体である点が異なる。
【0049】
本変形例では、ケース110Cは、抵抗体70が収容される凹部110bを有する態様で製造される。具体的には、製造の際、凹部110bに抵抗体70を嵌め込み、部位110fで蓋をすることで、
図8に示すような断面構造を実現できる。なお、抵抗体70は、上述した比較例による導電体60とは異なり、個数が少なくて済み、また、抵抗体70に対応した凹部110bに嵌め込む態様で組み付けることができ、製造性を高めることができる。
【0050】
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
【0051】
例えば、上述した実施例では、電子機器100の表示部DSPは、矩形であったが、形状は任意であり、例えば円形や、一部に直線部を含む略円形、多角形等であってもよい。なお、円形の場合、抵抗体70は、例えば
図7に示すような第2変形例の形態であれば、リング状の形態となる。
【0052】
また、上述した各実施例においては、タッチパネル114は、保護板116が設けられている部分と、ケース110部分にまで延在している端部とが、1枚のパネルである場合について説明したが、これに限らず、例えば、保護板116が設けられている部分と、ケース110部分に設けられている部分とが、別個のタッチパネルであってもよい。
【0053】
また、上述した各実施例においては、腕時計型の形状を有する電子機器を例にして詳しく説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えばスマートフォンやタブレット端末、デジタルカメラ、各種のウェアラブル機器等のように、表示部の視野側にタッチパネルが設けられ、かつ、表示部の周囲のケースが表示部よりも突出又は肉厚の構造、あるいは、ケースの誘電率が保護板の誘電率と異なる構造を有する小型の電子機器に良好に適用することができる。
【0054】
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
<請求項1>
ユーザによるタッチ操作を検出する静電容量方式のタッチパネルと、
前記タッチパネルに付設している付設部材と、
を備え、
前記付設部材は、前記タッチパネルの検出面の上部に設けられている特定部分を有し、
前記特定部分の一部又は全部が抵抗体により形成され、
前記付設部材に対する前記ユーザによるタッチ操作により、前記タッチパネルへのタッチ操作を可能とすることを特徴とする入力装置。
<請求項2>
前記タッチパネルは、前記付設部材における一の前記抵抗体に重なる複数箇所に対する前記ユーザによるタッチ操作により、前記タッチパネルにおける対応する複数箇所に対する個別のタッチ操作を検出することを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
<請求項3>
前記特定部分は、前記タッチパネルの検出面の一部の上部に設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の入力装置。
<請求項4>
前記抵抗体は、前記付設部材に埋め込まれて設けられていることを特徴とする請求項1~3のうちいずれか1項に記載の入力装置。
<請求項5>
前記抵抗体は、前記付設部材の形状に沿った連続した形状を有していることを特徴とする請求項1~4のうちのいずれか1項に記載の入力装置。
<請求項6>
時計型の電子機器用であり、
前記特定部分は、ベゼルであり、
前記付設部材は、ケースであることを特徴とする請求項1~5のうちのいずれか1項に記載の入力装置。
<請求項7>
請求項1~6のうちのいずれか1項に記載の入力装置と、
前記付設部材に収容されている表示パネルと、
を備え、
前記タッチパネルは、前記付設部材に外周が囲繞される態様で前記表示パネルの視野側の面上に設けられることを特徴とする電子機器。
【符号の説明】
【0055】
70 抵抗体
100 電子機器
102 機器本体
103 ベゼル
104 ベルト部
110 ケース
112 表示パネル
114 タッチパネル
116 保護板
120 裏蓋
DSP 表示部
USf 指