(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】コンテンツ提供システム、コンテンツ提供方法、及びコンテンツ提供プログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/86 20140101AFI20240618BHJP
A63F 13/21 20140101ALI20240618BHJP
A63F 13/52 20140101ALI20240618BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240618BHJP
H04L 67/00 20220101ALI20240618BHJP
【FI】
A63F13/86
A63F13/21
A63F13/52
A63F13/79
H04L67/00
(21)【出願番号】P 2019083038
(22)【出願日】2019-04-24
【審査請求日】2021-10-21
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼ 美都子
(72)【発明者】
【氏名】林 伸樹
(72)【発明者】
【氏名】山内 克仁
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼山 麻美
【合議体】
【審判長】藤本 義仁
【審判官】藤田 年彦
【審判官】殿川 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-188833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つのゲーム空間内で同時多発的にイベントが発生する対戦ゲームをプレイしている複数のプレイヤーそれぞれから、シートに配置したセンサの出力から推定される姿勢と、入力装置に対する入力量及び会話情報の少なくとも1つと、をプレイヤー情報として取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記プレイヤー情報を前記対戦ゲームの観戦者又は主催者に提供される観戦情報に加工する加工部と、
前記観戦情報に基づいて視点が変化する、前記対戦ゲームのプレイ映像を生成するように構成された生成部と、
を備
える、コンテンツ提供システム。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツ提供システムであって、
前記対戦ゲームでは、前記複数のプレイヤーが前記ゲーム空間内でそれぞれキャラクタを操作する、コンテンツ提供システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のコンテンツ提供システムであって、
前記プレイ映像を出力する出力部をさらに備える、コンテンツ提供システム。
【請求項4】
1つのゲーム空間内で同時多発的にイベントが発生する対戦ゲームをプレイしている複数のプレイヤーそれぞれから、シートに配置したセンサの出力から推定される姿勢と、入力装置に対する入力量及び会話情報の少なくとも1つと、をプレイヤー情報として取得する工程と、
取得した前記プレイヤー情報を前記対戦ゲームの観戦者又は主催者に提供される観戦情報に加工する工程と、
前記観戦情報に基づいて視点が変化する、前記対戦ゲームのプレイ映像を生成する工程と、
を備
える、コンテンツ提供方法。
【請求項5】
1つのゲーム空間内で同時多発的にイベントが発生する対戦ゲームをプレイしている複数のプレイヤーそれぞれから取得した、シートに配置したセンサの出力から推定される姿勢と、入力装置に対する入力量及び会話情報の少なくとも1つとを、前記対戦ゲームの観戦者又は主催者に提供される観戦情報に加工するステップ
と、前記観戦情報に基づいて視点が変化する、前記対戦ゲームのプレイ映像を生成するステップとをコンピュータに実行さ
せる、コンテンツ提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンテンツ提供システム、コンテンツ提供方法、及びコンテンツ提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のプレイヤーが対戦する対戦ゲームでは、ゲーム会場で直接ゲームを観戦する観客に加え、オンラインで配信されるプレイ映像をゲーム会場外で視聴する視聴者が、観戦者として存在する。
【0003】
このようなオンラインの視聴者に対し、ゲームの進行状況を追うことができるデータを提供するシステムが考案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
対戦ゲームをオンラインで視聴する視聴者は、ゲームの進行が停滞するなどして盛り上がりが低い場合、視聴から離脱する可能性が高い。しかし、上述のシステムのように進行状況を提供するだけでは、視聴者の離脱を抑制するのは難しい。また、ゲームの盛り上がりが低い状態が続くと、会場の観客の満足度も低下する。
【0006】
本開示の一局面は、対戦ゲームにおける観戦者の盛り上がりを誘起できるコンテンツ提供システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、1つのゲーム空間内で同時多発的にイベントが発生する対戦ゲームをプレイしている複数のプレイヤーそれぞれから、姿勢、活動量及び生体情報の少なくとも1つをプレイヤー情報として取得する取得部(4)と、取得部(4)が取得したプレイヤー情報を対戦ゲームの観戦者又は主催者に提供される観戦情報に加工する加工部(5)と、を備えるコンテンツ提供システム(1)である。
【0008】
このような構成によれば、対戦ゲームの試合中にプレイヤー自身の状態を観戦情報として観戦者又は主催者に提供することができる。また、観戦情報を元に、試合の終了後に、プレイヤー自身の状態変化の履歴を試合のリプレイと共に振り返ることができる。その結果、試合展開の停滞時や試合の終了後等に観戦者の盛り上がりを誘起できる。
【0009】
さらに、観戦情報に基づいて、注目すべき行動をしているプレイヤーへの観戦者の視線誘導、つまりプレイ映像における視点の切り替えがリアルタイムに行える。そのため、会場にいる観客を含めた観戦者の盛り上がりを底上げすることができる。
【0010】
本開示の一態様では、対戦ゲームでは、複数のプレイヤーがゲーム空間内でそれぞれキャラクタを操作してもよい。このような構成によれば、試合の展開に緩急が発生しやすい複数のプレイヤーキャラクタが参加する対戦ゲームにおいて、観戦者の盛り上がりを試合中維持させることができる。
【0011】
本開示の一態様は、観戦情報に基づいて対戦ゲームのプレイ映像を生成すると共に、プレイ映像を出力する出力部(3)をさらに備えてもよい。このような構成によれば、プレイヤー情報に基づいた実況、カメラワーク等が観戦者に適宜提供されるため、盛り上がりを誘起できる。
【0012】
本開示の別の態様は、1つのゲーム空間内で同時多発的にイベントが発生する対戦ゲームをプレイしている複数のプレイヤーそれぞれから、姿勢、活動量及び生体情報の少なくとも1つをプレイヤー情報として取得する工程(S10)と、取得したプレイヤー情報を対戦ゲームの観戦者又は主催者に提供される観戦情報に加工する工程(S20)と、を備えるコンテンツ提供方法である。
【0013】
このような構成によれば、観戦情報の利用によって、試合展開の停滞時や試合の終了後等に観戦者の盛り上がりを誘起できる。また、試合中の観戦者の盛り上がりを底上げすることができる。
【0014】
本開示の別の態様は、1つのゲーム空間内で同時多発的にイベントが発生する対戦ゲームをプレイしている複数のプレイヤーそれぞれから取得した、姿勢、活動量及び生体情報の少なくとも1つを、対戦ゲームの観戦者又は主催者に提供される観戦情報に加工するステップをコンピュータに実行させるコンテンツ提供プログラムである。
【0015】
このような構成によれば、観戦情報の利用によって、試合展開の停滞時や試合の終了後等に観戦者の盛り上がりを誘起できる。また、試合中の観戦者の盛り上がりを底上げすることができる。
【0016】
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、実施形態におけるコンテンツ提供システムを示す模式的な構成図である。
【
図2】
図2は、対戦ゲームの画面の一例を示す模式図である。
【
図3】
図3は、対戦ゲームの試合の流れの一例を示す模式図である。
【
図4】
図4は、実施形態におけるコンテンツ提供方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1に示すコンテンツ提供システム1は、オンライン又はオフラインの対戦ゲーム(いわゆるeスポーツ)の試合内容をコンテンツとして観戦者に提供するシステムである。
【0019】
コンテンツ提供システム1がコンテンツを提供する「観戦者」には、「観客」と「視聴者」とが含まれる。「観客」は、対戦ゲームが行われている(つまりプレイヤーが対戦ゲームをプレイしている)会場で直接試合を観戦する。「視聴者」は、会場外(例えば自宅、会場とは異なる施設、移動体の客室等)でネットワークを介して試合を観戦する。
【0020】
コンテンツ提供システム1は、処理部2と、出力部3と、取得部4と、加工部5とを備える。
【0021】
<処理部>
処理部2は、対戦ゲームを提供する。処理部2は、例えばプロセッサ(CPU)と、ゲームプログラムが記憶されたRAM、ROM等の記憶媒体とを有する情報処理装置によって構成される。
【0022】
対戦ゲームをプレイする複数のプレイヤーは、処理部2に直接又はネットワークを介して接続された入力装置又は端末(図示省略)をそれぞれ操作することで、対戦ゲームをプレイする。
【0023】
処理部2によって提供される対戦ゲームは、1つのゲーム空間内で同時多発的にイベントが発生する。つまり、共通の仮想空間の異なる地点で、複数のプレイヤーが同時にイベントに遭遇する仕様の対戦ゲームが処理部2によって提供される。
【0024】
このような対戦ゲームとしては、リアルタイムストラテジー(RTS)ゲーム、バトルロイヤルゲーム、パズルゲーム等が挙げられる。これらの中でも、複数のプレイヤーがゲーム空間内でそれぞれゲーム内の仮想キャラクタを操作するRTSゲーム、バトルロイヤルゲーム等に対して、コンテンツ提供システム1の盛り上がり誘起機能が効果的に発揮される。
【0025】
つまり、コンテンツ提供システム1は、試合の展開に緩急が発生しやすい複数のプレイヤーキャラクタが参加する対戦ゲームにおいて、観戦者の盛り上がりを試合中維持させることができる。
【0026】
さらに、これらのゲームの中でも、チーム対戦を行うマルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ(MOBA)が盛り上がり誘起の対象として好適である。
図2にMOBAのゲーム画面の一例を示す。
【0027】
図2のゲーム画面Sは、ゲーム空間を部分的に描写したプレイ映像の一部である。ゲーム画面Sには、複数のプレイヤーキャラクタC1,C2,C3が存在するが、ゲーム空間内には、これ以外のプレイヤーキャラクタ(PC)及びノンプレイヤーキャラクタ(NPC)も存在する。
【0028】
ゲーム画面Sでは、プレイヤーキャラクタC1とプレイヤーキャラクタC2との間でイベント(例えば戦闘)Iが発生している。一方、MOBAでは、ゲーム空間のうちゲーム画面Sに表示されていない領域において、他のPC同士、又はPCとNPCとの間でもイベントが発生し得る。
【0029】
処理部2は、プレイされている対戦ゲームの処理結果(つまりゲーム画面、音声等の出力データ)を出力部3に出力する。
【0030】
<出力部>
出力部3は、プレイ中の対戦ゲームのプレイ映像を観戦者及び主催者に提供する。出力部3は、ゲーム画面を表示するディスプレイ、音声及び効果音を再生するスピーカー、プレイ映像をオンラインで配信する通信装置等を含む。処理部2と出力部3の一部(つまり通信装置)とは、ネットワークNWに接続されたゲームサーバを構成している。
【0031】
出力部3は、ゲームをプレイしているプレイヤー及び会場で試合を観戦している観客に向けてプレイ映像を音声と共に出力する。同時に、出力部3は、プレイ映像をオンラインで視聴者に配信する。つまり、出力部3は、いわゆるゲームプレイ動画の配信を行う。
【0032】
出力部3は、処理部2から出力された処理結果から、ゲーム画面及び音声を少なくとも含む観戦用のプレイ映像を生成する。出力部3は、プレイ映像をディスプレイ及びスピーカーに出力すると共に、ネットワークNWを介してプレイ映像を複数の視聴者端末100に送信する。
【0033】
出力部3は、プレイ映像を生成する際に、後述する加工部5が生成した観戦情報に基づいて、プレイ映像の構成を調整する。具体的には、出力部3は、加工部5が後述するプレイヤー情報に基づいて生成した観戦情報を参照して、プレイ映像におけるカメラワーク、実況音声又は実況字幕のプレイ映像への追加、視覚エフェクト又は音声エフェクトのプレイ映像への追加等の編集処理を行う。
【0034】
出力部3が生成したプレイ映像は、配信サーバに接続された視聴者端末100に一斉に送信される。なお、出力部3は、複数のプレイ映像を同時に生成し、これら複数のプレイ映像のうち視聴者端末100からリクエストされたプレイ映像をリクエスト先の視聴者端末100に配信してもよい。
【0035】
<取得部>
取得部4は、対戦ゲームをプレイしている複数のプレイヤーそれぞれから、姿勢、活動量及び生体情報の少なくとも1つをプレイヤー情報として取得する。
【0036】
プレイヤー情報を構成する「姿勢」には、例えば、プレイヤーのシートへの着席姿勢及び着席姿勢の変化が含まれる。プレイヤーの着席姿勢は、例えば、シートに配置した加速度センサの出力によって推定できる。
【0037】
プレイヤー情報を構成する「活動量」には、例えば、プレイヤーの会話における音圧、発言量、テンポ、トーン等の会話情報、マウス、キーボード、パッド等の入力装置に対する入力量等が含まれる。
【0038】
プレイヤー情報を構成する「生体情報」には、例えば、プレイヤーの心拍及び脈拍が含まれる。プレイヤーの心拍及び脈拍は、プレイヤーが装着した測定装置によって測定される。
【0039】
<加工部>
加工部5は、取得部4が取得した複数のプレイヤー毎のプレイヤー情報を、対戦ゲームの観戦者又は主催者に提供される観戦情報に加工する。
【0040】
加工部5は、例えばプロセッサ(CPU)と、RAM、ROM等の記憶媒体とを有するコンピュータで構成される。なお、加工部5は、処理部2を構成する情報処理装置に組み込まれていてもよい。
【0041】
加工部5は、まず、プレイヤー情報を観戦者又は主催者にとって有意義な観戦情報に加工する。次に、加工部5は、観戦情報を観戦者又は主催者に提供するために、出力部3に観戦情報を出力する。
【0042】
観戦情報には、例えば
図3に示すように、プレイヤー毎の集中度、リラックス度、緊張度、貢献度等の個人変数と、チーム毎のチームボルテージ、チームコミュニケーション度、チームワーク度等のチーム変数とが含まれる。
【0043】
プレイヤーの集中度は、例えば、体動と、マウスのクリック数又はボタンの押下数(つまりキャラクタ操作の入力数)とによって推定される。
プレイヤーのリラックス度は、例えば、キーボードの入力量(つまりチャット発言量)と、会話での音圧と、姿勢の変化(つまり体動)とによって推定される。
【0044】
プレイヤーの緊張度は、例えば、プレイヤーの会話での音圧と、心拍数とによって推定される。
プレイヤーの貢献度は、例えば、チーム内での発言量とプレイヤーの集中度とに、ゲーム内でのプレイヤーのスコアを組み合わせることで判断される。
【0045】
なお、プレイヤーの集中度、リラックス度及び緊張度は、それぞれ試合開始前のプレイヤーがスタンバイした状態から試合終了まで提供される。プレイヤーの貢献度は、試合中に提供される。
【0046】
チームボルテージは、例えば、チーム内の会話における各プレイヤーの音圧及び発言量の総和と、チーム内におけるマウスのクリック数又はボタンの押下数(つまりキャラクタ操作の入力数)の総和と、チーム内における各プレイヤーの心拍間隔(つまりRRI)とから推定される。
【0047】
チームコミュニケーション度は、例えば、チーム内の会話における各プレイヤーの音圧、テンポ及びトーンから推定される。
チームワーク度は、例えば、チーム内における各プレイヤーの呼吸のシンクロ率と、発言量とによって推定される。チームワーク度の推定には、ゲーム内でのチームのスコアが考慮されてもよい。
【0048】
チームボルテージ、チームコミュニケーション度、及びチームワーク度は、それぞれ試合中に提供される。
【0049】
加工部5が生成した観戦情報は、出力部3によって、パラメータの形で直接観戦者(つまり観客及び視聴者)に提供されてもよい。また、観戦情報は、出力部3によって試合の主催者に提供され、主催者による演出等に利用されてもよい。
【0050】
主催者には、試合の進行を実況する実況者、観戦者に提供されるプレイ映像の視点を選択する操作者等が含まれる。
実況者に提供された観戦情報は、実況者による解釈が加えられた定性的な情報として観戦者に間接的に提供される。
【0051】
例えば、観戦情報に含まれる個人変数は、実況者によってプレイヤー及びプレイヤーが属するチームの個性として観戦者に伝達される。また、プレイヤーの緊張度は、実況者によって現在の試合展開の重要度(つまり注目度)としても観戦者に伝達される。さらに、プレイヤーの貢献度は、実況者によって試合終了後に選出される最優秀選手(MVP)の予想又は判断情報として観戦者に伝達される。
【0052】
また、例えば、観戦情報に含まれるチーム変数のうち、チームボルテージは、実況者によって現在のチームの勢いとして観戦者に伝達される。チームコミュニケーション度は、実況者によってこれからの試合展開の予兆として観戦者に伝達される。チームワーク度は、実況者によってこれからの試合展開における盛り上がりの予兆として観戦者に伝達される。
【0053】
このような実況者による観戦情報の提供が、試合中に大きなイベントが発生しない停滞タイミングT1、試合終了後のリプレイタイミングT2等で行われることで、試合の盛り上がりの低下による視聴者の離脱を抑制できる。
【0054】
一方、操作者は、観戦情報に基づいて、カメラワーク(つまり観戦用のプレイ映像における視点の切り替え)を行う。例えば、操作者は、作戦を実行しようとしていると判断されるプレイヤーの動きを追うようにカメラ(つまりプレイ映像の視点)を動かす。これにより、盛り上がりの場面を逃さずに観戦者に提供できる。
【0055】
加工部5を構成するコンピュータは、コンテンツ提供プログラムによって、1つのゲーム空間内で同時多発的にイベントが発生する対戦ゲームをプレイしている複数のプレイヤーそれぞれから取得した、姿勢、活動量及び生体情報の少なくとも1つ(つまりプレイヤー情報)を対戦ゲームの観戦者又は主催者に提供される観戦情報に加工するステップを実行する。
【0056】
[1-2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)対戦ゲームの試合中にプレイヤー自身の状態を観戦情報として観戦者又は主催者に提供することができる。また、試合の終了後に、プレイヤー自身の状態変化の履歴を試合のリプレイと共に振り返ることができる。その結果、試合展開の停滞時や試合の終了後等に観戦者の盛り上がりを誘起できる。
【0057】
(1b)観戦情報に基づいて、注目すべき行動をしているプレイヤーへの観戦者の視線誘導、つまりプレイ映像における視点の切り替えがリアルタイムに行える。そのため、会場にいる観客を含めた観戦者の盛り上がりを底上げすることができる。
【0058】
(1c)出力部3が観戦情報に基づいてプレイ映像を生成するので、観戦情報に基づいた実況、カメラワーク等が観戦者に適宜提供される。その結果、試合会場の臨場感が伝わりにくい視聴者も含めた観戦者の盛り上がりを誘起できる。
【0059】
[2.第2実施形態]
[2-1.構成]
図4に示すコンテンツ提供方法は、取得工程S10と、加工工程S20と、生成工程S30と、出力工程S40とを備える。当該コンテンツ提供方法は、
図1のコンテンツ提供システム1を用いて視聴者に対戦ゲームのプレイ映像を配信する方法である。
【0060】
<取得工程>
本工程では、
図1の取得部4を用い、1つのゲーム空間内で同時多発的にイベントが発生する対戦ゲームをプレイしている複数のプレイヤーそれぞれから、姿勢、活動量及び生体情報の少なくとも1つをプレイヤー情報として取得する。
【0061】
<加工工程>
本工程では、
図1の加工部5を用い、取得工程S10で取得した複数のプレイヤー毎のプレイヤー情報を対戦ゲームの観戦者又は主催者に提供される観戦情報に加工する。
【0062】
<生成工程>
本工程では、加工工程S20で加工された観戦情報に基づいて、対戦ゲームのプレイ映像を生成する。本工程は、
図1の出力部3によって実行されてもよいが、観戦情報を受け取った実況者による解説の付与、観戦情報を受け取った操作者によるカメラワーク等のマニュアル操作によって、プレイ映像が生成されてもよい。
【0063】
<出力工程>
本工程では、
図1の出力部3を用い、生成工程S30で生成した対戦ゲームのプレイ映像を、会場のディスプレイ及びスピーカーに出力すると共に、ネットワークNWを介して視聴者端末に配信する。
【0064】
[2-2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(2a)観戦情報の利用によって、試合展開の停滞時や試合の終了後等に観戦者の盛り上がりを誘起できる。また、試合中の観戦者の盛り上がりを底上げすることができる。
【0065】
[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0066】
(3a)上記実施形態のコンテンツ提供システム1において、出力部3は、必ずしもオンラインでの配信機能を有しなくてもよい。つまり、コンテンツ提供システム1は、少なくとも出力部3によって会場の観客にプレイ映像を提供すれば、必ずしもオンラインで視聴者にプレイ映像を配信しなくてもよい。
【0067】
また、コンテンツ提供システム1は、例えば会場を有さない(つまりプレイヤーが遠隔地でプレイする)対戦ゲームの大会において、プレイ映像のオンライン配信のみを行ってもよい。
【0068】
(3b)上記実施形態のコンテンツ提供システム1において、出力部3は、必ずしも観戦情報に基づいた対戦ゲームのプレイ映像の生成機能を有しなくてもよい。つまり、プレイ映像は、主催者のマニュアル操作のみによって生成されてもよい。
【0069】
(3c)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【符号の説明】
【0070】
1…コンテンツ提供システム、2…処理部、3…出力部、4…取得部、5…加工部、
100…視聴者端末。