(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】ヒンジキャップ
(51)【国際特許分類】
B65D 47/36 20060101AFI20240618BHJP
B65D 47/08 20060101ALI20240618BHJP
B65D 51/22 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
B65D47/36 300
B65D47/08 100
B65D51/22 120
(21)【出願番号】P 2019215262
(22)【出願日】2019-11-28
【審査請求日】2022-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100186358
【氏名又は名称】齋藤 信人
(74)【代理人】
【氏名又は名称】佐野 整博
(72)【発明者】
【氏名】山本 学
【審査官】森本 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-107673(JP,A)
【文献】特開2014-125266(JP,A)
【文献】特開2017-081604(JP,A)
【文献】特開平09-002513(JP,A)
【文献】実開昭55-080254(JP,U)
【文献】特開2010-285202(JP,A)
【文献】特開2016-185814(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/36
B65D 47/08
B65D 51/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の口部に装着されるキャップ本体と、ヒンジを介してキャップ本体に連設される上蓋とからなるヒンジキャップであって、
キャップ本体は、容器の口部に装着される装着部と、装着部の内側に立設される注出筒と、注出筒の内周に連設される隔壁と、隔壁に破断可能な弱化部によって画成され、開口予定部となる開栓部とを備え、
開栓部は、弱化部を介して隔壁と連結する底壁と、ヒンジと反対側の底壁の上面に立設される略円筒形状の引上壁とを備え、
上蓋は、頂壁と、頂壁の周縁部に垂設される側周壁と、頂壁の下面から垂設され、注出筒を密封するシール筒と、シール筒の内側に垂設され、引上壁と係合する係合壁とを備え、
引上壁は、ヒンジと反対側に底壁の弱化部近くまで伸びる突出部が形成され、ヒンジ側から底壁の上面に向けて
、引上壁の上端から底壁のヒンジ側の弱化部近くまで補強リブが設けられていることを特徴とするヒンジキャップ。
【請求項2】
開栓部の底壁は、ヒンジと反対側よりもヒンジ側が高くなるように傾斜が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のヒンジキャップ。
【請求項3】
引上壁の上面に係止突部を設け、係止突部は閉蓋時に上蓋の係合壁に係合されることを特徴とする請求項1または2に記載のヒンジキャップ。
【請求項4】
上蓋は、頂壁に係合壁の内周面と連通する係合穴部を有し、係合壁の内周側上面に係止部を設けて係合穴部の下面が形成され、
閉蓋時に、係止突部の上部は係合壁を越えて係合穴部に達し、係止突部の上部が
溶融により抜け止めされて、係合穴部に広がり、係止突部が係合壁の係止部に係合されることを特徴とする請求項3に記載のヒンジキャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に装着して使用されるヒンジキャップに関し、とくに最初の開蓋時に弱化部を破断して上蓋側に移行する開栓部を有するヒンジキャップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、容器に装着されるキャップ本体と、キャップ本体にヒンジを介して連設された上蓋とからなるヒンジキャップにおいて、容器の密封性を確保するため、キャップ本体の隔壁の開口予定部にプルリングなどを形成した除去部を設けていた。
しかし、除去部を開口するために、上蓋を開けた後、プルリングなどを引っ張り上げて除去部を抜栓する作業が必要となり、手間がかかるともに、力の弱い利用者にとっては抜栓に苦労するという問題があった。
【0003】
そこで、開口予定部としての除去部をなくした場合には、内容液がヒンジキャップ内に入り込み易くなるなど、密封性に問題が生じるため、プルリングを省略し、開口予定部に立設された係合壁を上蓋から垂設された垂下片に係合させて、上蓋の開蓋とともに、係合壁ごと引っ張り上げて弱化部を破断して開栓するヒンジキャップが従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、特許文献1記載のヒンジキャップでは、上蓋が開蓋した状態で成形されるため、ヒンジを支点として閉蓋して係合壁を垂下片に係合する必要があり、その際、垂下片が係合壁に斜め方向から部分的に当接されて、弱化部に局所的な負荷がかかってしまい、弱化部が破断してしまう可能性があるため、底壁とヒンジで連設された上蓋とからなる蓋部と、分離片を有する基部とを別体とすることで、分離片を上蓋の筒壁に掛止する際に弱化部に均等に負荷がかかるようにして弱化部の破断を防止することも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平10-338253号公報
【文献】特開2015-34012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1記載のヒンジキャップでは、開栓時に、上蓋を持ち上げることにより、開口予定部に立設された係合壁の全周を引き上げるため、弱化部の破断を開始する際に大きな力を要するという問題があり、さらに、上記特許文献2記載のヒンジキャップでは、特許文献1記載のヒンジキャップと同様の問題に加え、分離片を有する基部を蓋部とは別体で成形しなければならないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題を解決することを課題とし、ヒンジキャップの開栓時に、上蓋を持ち上げた際に、弱化部のヒンジと反対側に応力を集中することにより、弱化部の破断開始を促し、引き続き弱化部の破断を進行させ、開栓部がキャップ本体側から上蓋側に移行できるヒンジキャップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するため、ヒンジキャップとして、容器の口部に装着されるキャップ本体と、ヒンジを介してキャップ本体に連設される上蓋とからなるヒンジキャップであって、キャップ本体は、容器の口部に装着される装着部と、装着部の内側に立設される注出筒と、注出筒の内周に連設される隔壁と、隔壁に破断可能な弱化部によって画成され、開口予定部となる開栓部とを備え、開栓部は、弱化部を介して隔壁と連結する底壁と、ヒンジと反対側の底壁の上面に立設される略円筒形状の引上壁とを備え、上蓋は、頂壁と、頂壁の周縁部に垂設される側周壁と、頂壁の下面から垂設され、注出筒を密封するシール筒と、シール筒の内側に垂設され、引上壁と係合する係合壁とを備え、引上壁は、ヒンジと反対側に底壁の弱化部近くまで伸びる突出部が形成され、ヒンジ側から底壁の上面に向けて、引上壁の上端から底壁のヒンジ側の弱化部近くまで補強リブが設けられていることを特徴とする構成を採用する。
【0009】
ヒンジキャップの具体的実施形態として、開栓部の底壁は、ヒンジと反対側よりもヒンジ側が高くなるように傾斜が設けられていることを特徴とする構成を採用する。
【0010】
さらなるヒンジキャップの具体的実施形態として、引上壁の上面に係止突部を設け、係止突部は閉蓋時に上蓋の係合壁に係合されることを特徴とする構成、また、上蓋は、頂壁に係合壁の内周面と連通する係合穴部を有し、係合壁の内周側上面に係止部を設けて係合穴部の下面が形成され、閉蓋時に、係止突部の上部は係合壁を越えて係合穴部に達し、係止突部の上部が溶融により抜け止めされて、係合穴部に広がり、係止突部が係合壁の係止部に係合されることを特徴とする構成を採用する。
【発明の効果】
【0011】
本発明のヒンジキャップは、ヒンジキャップの開栓時に、上蓋を持ち上げた際に、ヒンジと反対側の弱化部に応力を集中することにより、弱化部の破断開始を促し、引き続き弱化部の破断を進行させて、容易に抜栓することができる。
また、密封可能な隔壁を有するため、プルリングによる抜栓と同程度の密閉性が確保され、熱充填可能な容器に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施例のヒンジキャップを容器に装着し、閉蓋した状態を示す側面断面図である。
【
図2】第1実施例のヒンジキャップの製造直後の開蓋状態を示す図で、(a)は上面図で、(b)は側面断面図である。
【
図3】
図2(a)の要部において、ヒンジキャップの開蓋時における応力の作用を示すイメージ図であり、(a)は補強リブがない場合の応力作用図であり、(b)は補強リブを有する第1実施例における応力作用図である。
【
図4】第2実施例のヒンジキャップの製造直後の開蓋状態を示す図で、(a)は上面図で、(b)は側面断面図である。
【
図5】第3実施例のヒンジキャップの製造直後の開蓋状態を示す図で、(a)は上面図で、(b)は側面断面図である。
【
図6】第4実施例のヒンジキャップの製造直後の開蓋状態を示す図で、(a)は上面図で、(b)は側面断面図である。
【
図7】ヒンジキャップの開蓋時における応力の作用を示すイメージ図であり、(a)は
図4(a)の要部における第2実施例の応力作用図であり、(b)は
図6(a)の要部における第4実施例の応力作用図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のヒンジキャップを具体化した実施例を示した図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0014】
図1において、Aは容器、Bはキャップ本体、Cはヒンジ、DはヒンジCを介してキャップ本体Bに開閉可能に取り付けられた上蓋である。
容器Aは、上部に口部1を有し、口部1の外周面には、嵌合突条2が設けられている。
【0015】
本実施例のヒンジキャップは、素材として直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を使用して製造され、石油由来、植物由来あるいはそれらの混合の低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)が使用可能である。
なお、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレンの場合には、弱化部の破断が難しくなる。
キャップ本体Bは、
図1および
図2に示すように、容器Aの口部1に装着される装着部3と、装着部3の内縁上端から内方に延設される基壁4と、基壁4に立設される注出筒5とを備えている。
【0016】
装着部3は、周縁に係止突条6が設けられ上蓋Dと係合する環状の蓋係合部7と、蓋係合部7の内周側から垂設される内筒8と、蓋係合部7の外周側から垂設される外周壁部9とから構成されている。
外周壁部9は、内周下部には容器Aと係合するための係合突部10が設けられている。
【0017】
外周壁部9のヒンジCの左右いずれかの近傍には、
図2に示すように、外周面に平面視で略V字状の外周切り込み部11が下端部に薄肉底壁12を残して上方から切り込まれている。
係合突部10の外周切り込み部11に対応する位置には、図示しないが内周切り込み部が縦方向に刻設され、縦方向引き裂きラインが形成される。
【0018】
外周切り込み部11のヒンジC側では、端面11aの内周側の上部の薄肉部を隔てた位置を起点として円周方向に延びるように、スリット溝13が上方から凹設され、本実施例では、端面11aを始点として、約345°にわたって延びている。
また、縦方向引き裂きラインに隣接するスリット溝13の起点を引き裂き開始点として、スリット溝13の底面14の内周側には、外周壁部9と蓋係合部7との間を連結する薄肉連結部15が設けられ、周方向引き裂きラインが円弧状に延びるように形成され、終点の破断不能な連結部まで引き裂き可能となっている。
【0019】
注出筒5内には容器Aの口部1を密封する隔壁20が設けられ、隔壁20には、使用時に注出口を開口するために、破断可能な弱化部21によって画成される開栓部22が設けられている。
開栓部22は、弱化部21を介して隔壁20に連結される底壁23と、底壁23の上面には、ヒンジCと反対側に略円筒状の引上壁24が立設されている。
また、引上壁24のヒンジC側には、その上部から底壁23の上面に向けて三角状の補強リブ27が設けられている。
また、引上壁24は、ヒンジCと反対側に底壁23の弱化部21近くまで伸びる突出部24aが形成されている。
そうした上記の構造を有することにより、上蓋Dを持ち上げたときに、
図3(b)に示すように、ヒンジCと反対側の弱化部21に応力が集中するようになり、弱化部21の破断が容易なものとなる。
【0020】
また、本実施例では、引上壁24の上面には、引上壁24を覆うように、段部25を介して上方に山形状の係止突部26が設けられている。
係止突部26は、下部が大きく、上部ほど小さい山形状になっており、上部における傾斜は緩くなり、また、ヒンジCの反対側のほうがヒンジC側よりも傾斜は緩くなっている。
係止突部26の上面は、本実施例では平面状であるが、丸くなっていても構わない。
【0021】
上蓋Dは、
図1および
図2に示すように、ヒンジCを介してキャップ本体Bの外周壁部9の外周上端に、回動自在に取着されており、頂壁30と、頂壁30の周縁部から垂設された側周壁31とを備えている。
頂壁30は、下面からシール筒33と、シール筒33の内方のヒンジCと反対側寄りに係合壁34とが垂設され、シール筒33は、外周がキャップ本体Bの注出筒5の内周に当接するように設けられている。
また、頂壁30には、係合壁34の内周面と連通する係合穴部35が開口されている。
【0022】
係合壁34は、
図1に示すように、内周面は係止突部26の下部外周面に合わせて傾斜を有し、下面は閉蓋時に引上壁24の上面の段部25に当接ないし近接するようになっている。
また、係合壁34の内周側上面に係止部36が設けられ、係合穴部35の下面が形成されている。
本実施例では、
図1に示すように、閉蓋時において、係止突部26の上部は、係合穴部35にまで達しており、溶融等による抜け止め加工によって、係止突部26の上部が係合穴部35を埋めるように広げられ、係止突部26は係合壁34上面の係止部36によって係合される。
【0023】
なお、本実施例では、引上壁24の上方に係止突部26を設け、さらに上蓋Dに係合穴部35を設け、閉蓋時において、係止突部26の上部を抜け止め加工によって係合壁34に係合させるものであるが、引上壁24と係合壁34とを係合させる方法はどのようなものであってもよく、また、上蓋Dの係合穴部35もなくても構わない。
【0024】
側周壁31の下端部は、内周側に、キャップ本体Bの蓋係合部7の係止突条6と係合する係合凹部38が周設されている。
側周壁31のヒンジCと反対側の外周には、周方向に円弧状の把手部39が延設され、把手部39の中央部下面には指掛け部40が設けられている。
【0025】
なお、本実施例のヒンジキャップは、使用前の不正開封を防止するために、図示していないが、キャップ本体Bと上蓋Dとの間にシュリンクラベルや封緘部材等が設けられている。
【0026】
次に、本実施例の使用態様と作用効果について説明する。
本実施例のヒンジキャップは、金型を用いた射出成形によって一体成形で製造することができる。
一体成形で製造された本実施例のヒンジキャップは、
図2に示すように、開蓋した状態で得られ、上蓋DをヒンジCを介して回動して
図1に示す閉蓋状態にされる。
その際、引上壁24の上部の係止突部26は、上方が小さく、また、ヒンジCと反対側の傾斜が緩くなっているため、係合壁34の中に簡単に入り込み、上部は係合穴部35に達するとともに、係止突部26の下部外周は、係合壁34内周におさまり、さらに、係合壁34の下面は、引上壁24の段部25に当接または近接する。
【0027】
また、シール筒33は注出筒5に当接してシール部を形成するとともに、キャップ本体Bの蓋係合部7と、上蓋Dの係合凹部38とが嵌合して、
図1の閉蓋状態となる。
本実施例では、閉蓋状態で、係止突部26の上部は溶融等により抜け止め加工が施され、係止突部26は係合壁34に係合される。
次に、閉蓋されたヒンジキャップは、内容液が充填された容器Aに打栓して装着される。
【0028】
本発明のヒンジキャップを最初に使用する際には、開蓋することによって、キャップ本体Bの隔壁20に設けられた弱化部21を破断して抜栓することができる。
まず、上蓋Dの指掛け部40に手指を掛け、把手部39を持ち上げると、ヒンジCと反対側の底壁23が持ち上げられ、それによってヒンジCと反対側の弱化部21が破断し始め、さらに上蓋Dを持ち上げることにより、ヒンジC方向に弱化部21の破断が進み、最後にヒンジCに近い部分の弱化部21が破断され、開栓部22が隔壁20から除去されて、開栓部22の部分が開口部となって、容器A内の内容液の注出が可能となる。
本実施例では、
図3に示すように、引上壁24のヒンジC側に三角状の補強リブ27が設けられているため、ヒンジCと反対側の弱化部21に応力が集中し、弱化部21の破断が容易となる。
また、本実施例では、引上壁24のヒンジCと反対側に突出部24aが形成されており、ヒンジCと反対側の弱化部21への応力が集中しやすくなっている。
【0029】
内容液の使用後に、上蓋Dをキャップ本体Bに再び閉蓋することで、上蓋Dのシール筒33と注出筒5とでシール部が形成されるとともに、キャップ本体Bの蓋係合部7と、上蓋Dの係合凹部38とが嵌合して、ヒンジキャップ内を再度密封することができ、繰り返し上蓋Dを開閉して使用することができる。
【0030】
本実施例のヒンジキャップは、容器A内の内容液を全部使用した後、容器Aから分別して廃棄することができる。
その際には、ヒンジキャップを開蓋し、上蓋Dを指で把持して外方に引っ張ると、外周壁部9のヒンジCとの連設部位が引っ張られて変形し、縦方向引き裂きラインが破断され、さらに上蓋Dを引っ張ると、周方向引き裂きラインを形成する薄肉連結部15が破断を始める。薄肉連結部15の破断が進行すると、上蓋Dがキャップ本体Bから離れていく。
スリット溝13の終端部で薄肉連結部15の破断が完了し、さらに上蓋Dを引っ張ると、キャップ本体Bと容器Aとの嵌合が外され、ヒンジキャップと容器Aとを分別廃棄することができる。
【実施例2】
【0031】
次に、開栓部22の構成を変更した第2実施例について説明する。
以下、第1実施例と同一部分には同一の符号を付し、相違点を中心に説明する。
なお、後述の開栓部22の構成を変更した第3~4実施例についても同様である。
【0032】
第2実施例は、
図4に示すように、キャップ本体Bの開栓部22の底壁43はヒンジC側が高くなるように傾斜が設けられ、補強リブ37は、引上壁24の上端部より底壁43に向けて設けられている。
【実施例3】
【0033】
第3実施例は、
図5に示すように、キャップ本体Bの開栓部22の底壁43はヒンジC側が高いが、補強リブ47は、引上壁24のヒンジC側の上端部より少し下あたりから底壁43に向けて設けられている。
【実施例4】
【0034】
第4実施例は、
図6に示すように、キャップ本体Bの開栓部22の底壁43はヒンジC側が高く、補強リブ57は、引上壁24のヒンジC側の上端部から底壁43のヒンジC側の弱化部21の近くまであり、最も大きくなるように設けられている。
【0035】
次に、上記第2実施例~第4実施例について、その実施態様と作用効果について説明する。
いずれも第1実施例より、最初の開蓋時にヒンジCと反対側の弱化部21に引き上げる力が集中し、弱化部21の破断がより容易になっている。
図7は、第2実施例と第4実施例におけるヒンジCと反対側の弱化部21における応力集中度の差を示す。
なお、弱化部21における応力集中度は、第1実施例<第3実施例<第2実施例<第4実施例の順に高くなり、それにより弱化部21の破断もより容易になる。
その他の構成と作用効果は、第1実施例と同じである。
【0036】
なお、上記の本実施例では、ヒンジキャップの容器Aへの装着を打栓としているが、ねじによる螺着であっても構わない。
また、弱化部21はヒンジCと反対側もヒンジC側も同じ薄肉にしているが、ヒンジCと反対側を破断しやすいようにより薄肉にしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明のヒンジキャップは、一体成形可能で、最初の開蓋時に弱化部が容易に破断されるため、少ない力で抜栓することが可能となる。
また、口部を密封する隔壁を有するため密閉性に優れ、熱充填可能であり、気密性の必要な内容液を収納する容器用のヒンジキャップとして広い範囲に応用できる。
【符号の説明】
【0038】
A 容器
B キャップ本体
C ヒンジ
D 上蓋
1 口部
2 嵌合突条
3 装着部
4 基壁
5 注出筒
6 係止突条
7 蓋係合部
8 内筒
9 外周壁部
10 係合突部
11 外周切り込み部
11a 端面
12 薄肉底壁
13 スリット溝
14 底面
15 薄肉連結部
20 隔壁
21 弱化部
22 開栓部
23、43 底壁
24 引上壁
24a 突出部
25 段部
26 係止突部
27、37、47、57 補強リブ
30 頂壁
31 側周壁
33 シール筒
34 係合壁
35 係合穴部
36 係止部
38 係合凹部
39 把手部
40 指掛け部