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特許7505882電子デバイスのためのリアルタイム位置追跡装置を監視するための無線位置追跡タグ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】電子デバイスのためのリアルタイム位置追跡装置を監視するための無線位置追跡タグ
(51)【国際特許分類】
   G01S 5/02 20100101AFI20240618BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
G01S5/02 Z
H04M11/00 302
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2019237301
(22)【出願日】2019-12-26
(65)【公開番号】P2020118681
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】16/253,347
(32)【優先日】2019-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】フリッツ・フランシス・エブナー
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ディラン・コーネ
(72)【発明者】
【氏名】アーロン・ザッカリー・ボーデン
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・デイビッド・レヴェスク
【審査官】石原 徹弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-031244(JP,A)
【文献】特開2001-043173(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0164245(US,A1)
【文献】特開2012-043440(JP,A)
【文献】特開平05-030110(JP,A)
【文献】特開2001-027983(JP,A)
【文献】特表2013-540992(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00- 5/14
G01S 19/00-19/55
G01S 7/00- 7/42
G01S 13/00-13/95
G01S 1/00- 1/68
G16Y 10/00-40/60
H04M 11/00-11/10
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスの位置を追跡するためのシステムであって、
電子デバイスと、
無線位置タグであって、
マイクロコントローラユニットと、
前記電子デバイスのポートに通信可能に結合されるように構成されたモジュラーコネクタインターフェースと、を有する無線位置タグと、を含み、
前記無線位置タグは、
前記無線位置タグが前記電子デバイスの前記ポートに通信可能に結合されていることを検出することに応答して、1つ以上のバックエンド電子デバイスへのインターネット接続を確立し、
前記電子デバイスと関連付けられた識別情報を取得し、
前記無線位置タグと関連付けられたタグ識別情報を識別し、
前記インターネット接続を介して前記1つ以上のバックエンド電子デバイスに1つ以上の命令を送信し、前記1つ以上の命令が、前記電子デバイス及び前記タグ識別情報と関連付けられた前記識別情報を含み、前記1つ以上のバックエンド電子デバイスが、受信された前記識別情報の少なくとも一部分を、前記タグ識別情報の少なくとも一部分と関連付けるように構成されており、
前記1つ以上のバックエンド電子デバイスに1つ以上のピングメッセージを送信し、各ピングメッセージが、前記無線位置タグの現在位置を示す位置情報を含み、前記1つ以上のバックエンド電子デバイスが、前記位置情報の少なくとも一部分を、前記電子デバイスと関連付けられた前記識別情報の前記少なくとも一部分と関連付けるように構成されている、ように構成されている、電子デバイスを含む、システム。
【請求項2】
前記ポートがイーサネット(登録商標)ポートを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記無線位置タグが、前記無線位置タグのインターフェースを介して前記1つ以上のバックエンド電子デバイスへの前記インターネット接続を確立するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記無線位置タグが、前記無線位置タグのセルラモデムを介して前記1つ以上のバックエンド電子デバイスへの前記インターネット接続を確立するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記無線位置タグが、以下の、
前記電子デバイスのメディアアクセス制御アドレス、
前記電子デバイスのインターネットプロトコルアドレス、又は
前記電子デバイスのシリアル番号、のうちの1つ以上を取得することによって、前記電子デバイスと関連付けられた識別情報を取得するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記無線位置タグが、前記無線位置タグと関連付けられた一意の識別子を前記マイクロコントローラユニットから取り出すことによって、前記無線位置タグと関連付けられたタグ識別情報を取得するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記無線位置タグが、前記無線位置タグの前記現在位置を判定するように更に構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記無線位置タグが、屋内位置システムを使用して前記無線位置タグの前記現在位置を判定するように構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記無線位置タグが、セルラネットワークを介して前記無線位置タグの前記現在位置を判定するように構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記電子デバイスが印刷デバイスを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記無線位置タグが、
前記無線位置タグの前記現在位置を前記無線位置タグの以前の位置と比較し、
前記以前の位置が前記現在位置とは異なると判定することに応答して、前記1つ以上のバックエンド電子デバイスに通知を送信するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記無線位置タグは、
前記電子デバイスが電源からある期間切断されているかどうかを検出し、
前記電子デバイスが前記電源から前記ある期間切断されていることを検出することに応答して、前記1つ以上のバックエンド電子デバイスに通知を送信するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
電子デバイスの位置を追跡する方法であって、
無線位置タグによって、前記無線位置タグが電子デバイスのポートに通信可能に結合されていることを検出することと、
前記無線位置タグが前記電子デバイスの前記ポートに通信可能に結合されていることを検出することに応答して、1つ以上のバックエンド電子デバイスへのインターネット接続を確立することと、
前記電子デバイスと関連付けられた識別情報を取得することと、
前記無線位置タグと関連付けられたタグ識別情報を識別することと、
前記インターネット接続を介して前記1つ以上のバックエンド電子デバイスに1つ以上の命令を送信することであって、前記1つ以上の命令が、前記識別情報及び前記タグ識別情報を含み、前記1つ以上のバックエンド電子デバイスが、受信された前記識別情報の少なくとも一部分を、前記タグ識別情報の少なくとも一部分と関連付けられるように記憶するように構成されている、1つ以上の命令を送信することと、
前記1つ以上のバックエンド電子デバイスに1つ以上のピングメッセージを送信することであって、各ピングメッセージが、前記無線位置タグの現在位置を示す位置情報を含み、前記1つ以上のバックエンド電子デバイスが、前記位置情報の少なくとも一部分を前記識別情報の前記少なくとも一部分と関連付けるように構成されている、1つ以上のピングメッセージを送信することと、を含む、方法。
【請求項14】
インターネット接続を確立することが、前記無線位置タグのインターフェースを介して前記1つ以上のバックエンド電子デバイスへの前記インターネット接続を確立することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
インターネット接続を確立することが、前記無線位置タグのセルラモデムを介して前記1つ以上のバックエンド電子デバイスへの前記インターネット接続を確立することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記電子デバイスと関連付けられた識別情報を取得することが、以下の、
前記電子デバイスのメディアアクセス制御アドレス、
前記電子デバイスのインターネットプロトコルアドレス、又は
前記電子デバイスのシリアル番号、のうちの1つ以上を取得することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
タグ識別情報を取得することが、前記無線位置タグと関連付けられた一意の識別子を前記無線位置タグのマイクロコントローラユニットから取り出すことを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記無線位置タグの前記現在位置を判定することと、
前記無線位置タグの前記現在位置を前記無線位置タグの以前の位置と比較することと、
前記以前の位置が前記現在位置とは異なると判定することに応答して、前記1つ以上のバックエンド電子デバイスに通知を送信することと、を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記電子デバイスが印刷デバイスを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記電子デバイスが電源からある期間切断されているかどうかを検出することと、
前記電子デバイスが前記電源から前記ある期間切断されていることを検出することに応答して、前記1つ以上のバックエンド電子デバイスに通知を送信することと、を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
電子デバイスの位置を追跡するためのシステムであって、
電子デバイスと、
コンピュータ可読記憶媒体であって、実行されると、前記電子デバイスに、
前記電子デバイスのポートに通信可能に結合された無線位置タグから、前記電子デバイスと関連付けられた識別情報と、前記無線位置タグと関連付けられたタグ識別情報と、を含む1つ以上の命令を受信させ、
前記識別情報の少なくとも一部分を、前記タグ識別情報の少なくとも一部分と関連付けさせ、
前記無線位置タグから1つ以上のピングメッセージを受信させ、各ピングメッセージが、前記無線位置タグの現在位置を示す位置情報を含み、
前記位置情報の少なくとも一部分を、前記電子デバイスと関連付けられた前記識別情報の前記少なくとも一部分と関連付けさせる1つ以上のプログラミング命令を含むコンピュータ可読記憶媒体と、を含む、システム。
【請求項22】
前記電子デバイスが印刷デバイスを含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記コンピュータ可読記憶媒体が、実行されると、前記電子デバイスに、
前記無線位置タグから、前記無線位置タグの以前の位置が前記無線位置タグの前記現在位置とは異なるという通知を受信させ、
前記現在位置が前記以前の位置とは異なるという通知をユーザに対して生成及び提示させる1つ以上のプログラミング命令を更に含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記コンピュータ可読記憶媒体が、実行されると、前記電子デバイスに、
前記無線位置タグから、前記電子デバイスが電源からある期間切断されているという通知を受信させ、
前記電子デバイスが前記電源から切断されているという通知をユーザに対して生成及び提示させる1つ以上のプログラミング命令を更に含む、請求項21に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
環境内の印刷デバイスの正確な位置を知ることが望ましい場合が多い。例えば、機器提供者又はサービスプロバイダは、顧客の構内で印刷デバイスを見つける場合の正確な説明を技術者に与えるために、印刷デバイスの位置を知ることを望む場合がある。別の例として、機器プロバイダは、顧客が印刷デバイスを設置位置から移動又は切断するときを知ることを望む場合がある。
【0002】
現行では、リアルタイム位置追跡システム(real time location-tracking system、RTLS)タグを使用して、印刷デバイスを特定の位置と関連付ける。しかしながら、このようなタグを関連付けることは、多くの場合、手動で行われ、これは時間を消費するプロセスである。例えば、技術者は、印刷デバイスと関連付けられた識別子を見つけ、タグと関連付けられた識別子を見つけ、それらを、例えば、モバイルアプリケーションを使用して関連付けるように求められる場合がある。しかしながら、手動入力に依存するそのような方法は、エラーが発生する傾向があり、実行するために特殊なトレーニングを必要とする。
【0003】
本明細書は、上述の問題の少なくとも一部、及び/又は他の問題に対処するポータブル電子デバイス(及び、したがって、ポータブル電子デバイスデバイスの位置)であって、ポータブル電子デバイスに印刷デバイスを自動的に関連付け得るように使用され得るポータブル電子デバイスについて記載する。
【0004】
一実施形態では、電子デバイスの位置を追跡するためのシステムは、電子デバイス及び無線位置タグを含む。無線位置タグは、マイクロコントローラユニットと、電子デバイスのポートに通信可能に結合されるように構成されたモジュラーコネクタインターフェースと、を含む。無線位置タグは、無線位置タグが電子デバイスのポートに通信可能に結合されていることを検出することに応答して、1つ以上のバックエンド電子デバイスへのインターネット接続を確立し、電子デバイスと関連付けられた識別情報を取得し、無線位置タグと関連付けられたタグ識別情報を識別するように構成されている。無線位置タグはまた、インターネット接続を介して1つ以上のバックエンド電子デバイスに1つ以上の命令を送信し、1つ以上のバックエンド電子デバイスに1つ以上のピングメッセージを送信するように構成されている。1つ以上の命令は、電子デバイス及びタグ識別情報と関連付けられた識別情報を含む。1つ以上のバックエンド電子デバイスは、受信された識別情報の少なくとも一部分を、タグ識別情報の少なくとも一部分と関連付けるように構成されている。各ピングメッセージは、無線位置タグの現在位置を示す位置情報を含む。1つ以上のバックエンド電子デバイスは、位置情報の少なくとも一部分を、電子デバイスと関連付けられた識別情報の少なくとも一部分と関連付けるように構成されている。
【0005】
任意選択的に、ポートはイーサネット(登録商標)ポートを含んでもよい。
【0006】
無線位置タグは、ポートを介して1つ以上のバックエンド電子デバイスへのインターネット接続を確立するように構成されてもよい。無線位置タグは、無線位置タグのセルラモデムを介して、1つ以上のバックエンド電子デバイスへのインターネット接続を確立するように構成されてもよい。
【0007】
無線位置タグは、以下の、電子デバイスのメディアアクセス制御アドレス、電子デバイスのインターネットプロトコルアドレス、又は電子デバイスのシリアル番号のうちの1つ以上を取得することによって、電子デバイスと関連付けられた識別情報を取得するように構成されてもよい。
【0008】
無線位置タグは、無線位置タグと関連付けられた一意の識別子をマイクロコントローラユニットから取り出すことによって、無線位置タグと関連付けられたタグ識別情報を取得するように構成されてもよい。無線位置タグは、無線位置タグの現在位置を判定するように更に構成されている。
【0009】
無線位置タグは、屋内位置システムを使用して無線位置タグの現在位置を判定するように構成されてもよい。別の実施形態では、無線位置タグは、セルラネットワークを介して無線位置タグの現在位置を判定するように構成されている。電子デバイスは印刷デバイスであってもよい。
【0010】
無線位置タグは、無線位置タグの現在位置を無線位置タグの以前の位置と比較し、以前の位置が現在位置とは異なると判定することに応答して、1つ以上のバックエンド電子デバイスに通知を送信するように構成されてもよい。
【0011】
無線位置タグは、無線位置タグが電源からある期間切断されているかどうかを検出し、無線位置タグが電源からある期間切断されていることを検出することに応答して、1つ以上のバックエンド電子デバイスに通知を送信するように構成されてもよい。
【0012】
一実施形態では、電子デバイスの位置を追跡するためのシステムは、電子デバイス及びコンピュータ可読記憶媒体を含む。コンピュータ可読記憶媒体は、実行されると、電子デバイスに、相手方電子デバイスのポートに通信可能に結合された無線位置タグから、相手方電子デバイスと関連付けられた識別情報と無線位置タグと関連付けられたタグ識別情報とを含む1つ以上の命令を受信させ、識別情報の少なくとも一部分をタグ識別情報の少なくとも一部分と関連付け、無線位置タグから1つ以上のピングメッセージを受信させ、各ピングメッセージは、無線位置タグの現在位置を示す位置情報を含み、位置情報の少なくとも一部分を、電子デバイスと関連付けられた識別情報の少なくとも一部分と関連付けさせる、1つ以上のプログラミング命令を含む。
【0013】
相手方電子デバイスは、印刷デバイスを含んでもよい。
【0014】
コンピュータ可読記憶媒体は、実行されると、電子デバイスに、無線位置タグから、無線位置タグの以前の位置が無線位置タグの現在位置とは異なるという通知を受信させ、現在位置が以前の位置とは異なるという通知をユーザに対して生成及び提示させる、1つ以上のプログラミング命令を含んでもよい。
【0015】
コンピュータ可読記憶媒体は、実行されると、電子デバイスに、無線位置タグから、無線位置タグが電源からある期間切断されているという通知を受信させ、無線位置タグが電源から切断されているという通知をユーザに対して生成及び提示させる1つ以上のプログラミング命令を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】システムの例示的な構成要素を示す。
図2】無線位置タグの例示的な構成要素を示す。
図3】印刷デバイスに接続された例示的な無線位置タグを示す。
図4】無線位置タグを電子デバイスと関連付ける例示的な方法のフローチャートを示す。
図5】本明細書に記載されるプロセスの様々な実施形態を実装するために使用され得る様々な機器を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書で使用されるとき、単数形の「a」、「an」、及び「the」と共に単数形の任意の単語は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数の参照を含む。別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書で言及される全ての刊行物は、参照により組み込まれる。本明細書におけるいかなるものも、本明細書に記載された実施形態が、先行発明によりそのような開示に先行する権利を有しないことを認めるものとして解釈されるべきではない。本明細書で使用されるとき、用語「含む(comprising)」は、限定するものではないが、「含む(including)」を意味する。
【0018】
用語「コンピューティングデバイス」及び「電子デバイス」は、プロセッサ及び非一時的コンピュータ可読媒体(すなわち、メモリ)を有するデバイスと言い換えることが可能である。メモリは、プロセッサによって実行されると、プログラミング命令に従って1つ以上の処理動作を実行させるソフトウェアアプリケーションの形態のプログラミング命令を含んでもよい。電子デバイスはまた、ユーザインターフェースとして機能するタッチ感知ディスプレイデバイス、並びに画像をキャプチャするためのカメラなどの追加の構成要素を含んでもよい。電子デバイスはまた、通信ネットワークを介して、又はニアフィールド通信プロトコル若しくは近距離通信プロトコルを介して、デバイスが他のデバイスに信号を送信し、及び/又はそれから信号を受信することを可能にする送信機及び/又は受信機などの1つ以上の通信ハードウェア構成要素を含んでもよい。その場合、プログラミング命令は、リモートデバイスに記憶され、シンクライアント又はモノのインターネット(Internet of Things、IoT)構成におけるように、コンピューティングデバイスのプロセッサで実行されてもよい。電子デバイスの例示的な構成要素は、以下で図6の文脈で論じられる。
【0019】
用語「メモリ」、「メモリデバイス」、「コンピュータ可読媒体」、及び「データストア」はそれぞれ、コンピュータ可読データ、プログラミング命令、又はその両方が記憶される非一時的デバイスを指す。文脈が、単一のデバイスが必要とされるか、又は複数のデバイスが必要とされることを特定的に明示しない限り、用語「メモリ」、「メモリデバイス」、「コンピュータ可読媒体」、及び「データストア」は、単数及び複数の実施形態の両方、並びにメモリセクタなどのそのようなデバイスの部分を含む。
【0020】
「印刷デバイス」又は「印刷エンジン」は、デジタルデータに基づいて文書を印刷するように構成された電子デバイス、又は機能のうちの1つがデジタルデータに基づく印刷である多機能デバイスである。印刷デバイスの例示的な構成要素としては、印刷ヘッドが挙げられ、印刷ヘッドは、インク、トナー、又は別の印刷材料を収容する印刷カートリッジ又はリザーバなどの構成要素を含んでもよく、並びに印刷ヘッドが基材上に文字及び/又は画像を印刷することができるように、印刷デバイスに基材を通すように構成されたドキュメントフィードシステムが挙げられる。
【0021】
「プロセッサ」又は「処理デバイス」は、プログラミング命令を実行するように構成された電子デバイスのハードウェア構成要素である。用語「プロセッサ」は、単一のプロセッサ、又はプロセスの様々なステップを一緒に実行する複数のプロセッサを指し得る。文脈が、単一のプロセッサが必要とされるか、又は複数のプロセッサが必要とされることを特定的に明示しない限り、用語「プロセッサ」は、単数及び複数の実施形態の両方を含む。
【0022】
図1は、様々な実施形態に係る、電子デバイスのリアルタイム位置追跡を実行するためのシステム100の例示的な構成要素を示す。図1に示されるように、システム100は、相手方電子デバイス102、無線位置タグ104、及びバックエンド電子デバイス106を含み得る。本開示を通してより詳細に説明されるように、無線位置タグ104は、電子デバイスのイーサネット(登録商標)ポートを介して相手方電子デバイス102に接続されてもよい。無線位置タグ104は、1つ以上の通信ネットワーク108を介してバックエンド電子デバイスと通信してもよい。通信ネットワーク108は、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)、広域ネットワーク(wide area network、WAN)、モバイル又はセルラ通信ネットワーク、エクストラネット、イントラネット、インターネットなどであってもよい。様々な実施形態では、相手方電子デバイス102は、印刷デバイス、多機能デバイス、ラップトップコンピュータ、モバイル電子デバイス、デスクトップコンピュータなどであってもよい。
【0023】
様々な実施形態では、無線位置タグのプロバイダは、バックエンド電子デバイス及び/又は相手方電子デバイスのプロバイダ又はオペレータと同じであってもよい。例えば、無線位置タグのプロバイダはまた、1つ以上のバックエンド電子デバイスを介して、位置監視又は追跡サービスを提供してもよい。これに代えて、無線位置タグのプロバイダは、バックエンド電子デバイス及び/又は相手方電子デバイスのプロバイダ又はオペレータとは異なってもよい。例えば、無線位置タグのプロバイダは、1つ以上のバックエンド電子デバイスを介して位置監視又は追跡サービスを提供しなくてもよい。これらのサービスは、異なるプロバイダによって提供されてもよい。同様に、相手方電子デバイスのオペレータは、無線位置タグ及び/又はバックエンド電子デバイスのプロバイダとは異なってもよい。
【0024】
図2は、様々な実施形態に係る無線位置タグ104の例示的な構成要素を示す。図2に示されるように、無線位置タグ104は、外部ソースから電力を受け取るように構成された電源200を含んでもよい。例えば、電源は、外部電源によって電力供給される電池であってもよい。無線位置タグ104は、電源が消耗又は切断されたときに無線位置タグに電力を供給し得るバックアップ電池202を含んでもよい。無線位置タグ104は、例えば、セルラモデルなどのモデム204を含んでもよい。例えば、無線位置タグ104は、特定の実施形態ではLTEモデムを含んでもよい。
【0025】
無線位置タグ104は、本開示に記載される位置追跡方法のうちの1つ以上を実行し得るマイクロコントローラユニット206を含んでもよい。マイクロコントローラユニット206は、2つのイーサネット(登録商標)変圧器208、210と通信してもよい。一方のイーサネット(登録商標)変圧器208は、出力インターフェースとして機能するモジュラーコネクタインターフェース212と関連付けられてもよい。他方のイーサネット(登録商標)変圧器210は、入力インターフェースとして機能するモジュラーコネクタインターフェース214と関連付けられてもよい。様々な実施形態では、モジュラーコネクタインターフェースは、例えば、RJ45コネクタなどの、8極8芯ピンアレイ(8P8C)コネクタであってもよい。
【0026】
図3は、様々な実施形態に係る、例えば印刷デバイスなどの電子デバイスに接続された例示的な無線位置タグを示す。図3に示されるように、無線位置タグ104は、無線位置タグインターフェースの出力インターフェースとして機能するモジュラーコネクタインターフェース212が電子デバイスのモジュラーコネクタインターフェース304とインターフェース接続するように、電子デバイス302のイーサネット(登録商標)ポートに挿入されてもよい。図3に示されるように、無線位置タグのインターフェースとして機能するモジュラーコネクタインターフェース214は、例えばローカル通信ネットワークなどの通信ネットワークと通信してもよい。
【0027】
図4は、一実施形態に係る、無線位置タグを電子デバイスと関連付ける例示的な方法を示す。図4に示されるように、無線位置タグは、無線位置タグが関連付けられる電子デバイスに通信可能に結合されてもよい(400)。無線位置タグは、無線位置タグを電子デバイスのイーサネット(登録商標)ポートに挿入することによって通信可能に結合されてもよい。これに代えて、無線位置タグは、例えば、短距離通信を介して、電子デバイスに無線で接続されてもよい。
【0028】
様々な実施形態では、無線位置タグは、無線位置タグが電子デバイスに通信可能に結合されていることを検出してもよい。結合されると、無線位置タグは、例えばインターネットなどの通信ネットワークに接続してもよい。無線位置タグは、例えば、電子デバイスのイーサネット(登録商標)ポートを介して、又はWiFiを使用して、ローカル通信ネットワークを介して通信ネットワークに接続してもよい。これに代えて、無線位置タグは、セルラネットワーク(例えば、LTE/GSM(登録商標)ネットワーク)を利用して通信ネットワークに接続してもよい。
【0029】
電子デバイスに接続されると、無線位置タグは、電子デバイスから識別情報を取得してもよい(402)。識別情報として、例えば、メディアアクセス制御(media access control、MAC)アドレス、インターネットプロトコル(Internet Protocol、IP)アドレス、シリアル番号、又は電子デバイスと関連付けられた他の識別子が挙げられ得る。
【0030】
様々な実施形態において、無線位置タグは、無線位置タグと関連付けられた識別情報を取得してもよい(404)。識別情報は、無線位置タグと関連付けられた一意の識別子を含んでもよい。無線位置タグと関連付けられた識別情報の少なくとも一部分は、無線位置タグのマイクロコントローラユニットに記憶されてもよい。
【0031】
無線位置タグは、例えばインターネット接続を介して、バックエンド電子デバイスへの通信チャネルを確立してもよい(406)。バックエンド電子デバイスは、電子デバイスからリモートに位置してもよい。一実施形態では、無線位置タグは、バックエンド電子デバイスに関連付け命令を送信してもよい(408)。関連付け命令は、電子デバイスと関連付けられた識別情報、及び/又は無線位置タグと関連付けられた識別情報の少なくとも一部分を含んでもよい。
【0032】
バックエンド電子デバイスは、関連付け命令を受信してもよい(410)。バックエンド電子デバイスは、関連付け命令に含まれる情報の少なくとも一部分を、この少なくとも一部分が関連付けられるように、データストアに記憶してもよい(412)。例えば、電子処理デバイスは、関連付け命令に含まれる、無線タグと関連付けられた識別情報と関連して、関連付け命令に含まれる、電子デバイスと関連付けられた識別情報を記憶してもよい。
【0033】
様々な実施形態では、無線位置タグは、無線位置タグの現在位置を周期的に判定してもよい(414)。例えば、無線位置タグは、無線位置タグの現在位置を規則的な間隔で判定してもよい。これに代えて、無線位置タグは、無線位置タグの現在位置をランダムな時間で、又は1つ以上のトリガに応答して判定してもよい。トリガは、1つ以上のアクションの発生又は非発生であってもよい。例えば、無線位置タグが電力を失ったことを無線位置タグが検出する場合、このことが、現在位置を判定するトリガであってもよい。
【0034】
一実施形態では、無線位置タグは、例えば、WiFiベースの屋内位置システム、近接度ベースのシステム、音響システム、及び赤外線システムなどの屋内位置システムを使用して、無線位置タグの位置を判定してもよい(414)。屋内位置システムとは、屋内の物体の位置を特定することを可能にする技術を指す。
【0035】
例えば、WiFiベースの屋内位置システムでは、無線位置タグは、環境内の1つ以上の無線アクセスポイントと通信してもよい。例えば、オフィス設定では、無線位置タグが印刷デバイスに接続されてもよい。無線位置タグは、印刷デバイスに近接する1つ以上の無線アクセスポイントと通信してもよい。無線アクセスポイントとは、無線に対応した電子デバイスが有線ネットワークに接続することを可能にするハードウェア電子デバイスを指す。無線アクセスポイントは、環境内の様々な位置に配置された独立型デバイスであってもよい。これに代えて、無線アクセスポイントは、例えば、環境の至る所で同様に配置されたルータなどの別のデバイスの構成要素であってもよい。無線アクセスポイントは、環境全体にサービスを提供するのに十分高い密度で存在してもよい。
【0036】
様々な実施形態では、無線アクセスポイントは、無線位置タグからの1つ以上の通信の時間及び強度をロギングしてもよい。無線アクセスポイントは、ロギングされた情報の少なくとも一部を、例えばバックエンド電子デバイスなどの電子デバイスに送信してもよい。バックエンド電子デバイスは、受信された情報を使用して、無線アクセスタグの位置を推定してもよい。例えば、電子デバイスは、受信された情報を使用して、環境内の固定点に対する無線位置タグの位置を判定してもよい。電子デバイスは、関連する環境のマップを記憶し、又はマップにアクセスしてもよく、マップを使用して、基準点に対する無線位置タグの位置を判定してもよい。この位置は、基準点からの特定の距離として、又は経度及び緯度などの1つ以上の位置座標として測定されてもよい。
【0037】
別の実施形態では、無線位置タグは、セルラ技術を使用して無線位置タグの位置を判定してもよい(414)。例えば、セキュアユーザプレーンロケーション(Secure User Plane Location、SUPL)プロトコルを使用して、無線位置タグの位置を正確に特定してもよい。SUPLプロトコルは、IPを介して位置情報を受信するためのインターネットプロトコル(IP)ベースのプロトコルである。この位置情報は、1つ以上のバックエンド電子デバイスによって記憶され得る環境のマップと関連して使用されてもよい。
【0038】
様々な実施形態では、無線位置タグは、無線位置タグの現在位置をロギングしてもよい(416)。無線位置タグは、無線位置タグ上のローカルデータストア、又は無線位置タグと通信するローカルデータストアに、現在位置の表示を保存することによって、無線位置タグの現在位置をロギングしてもよい(416)。現在位置の表示は、現在位置の1つ以上の座標であってもよい。一実施形態では、無線位置タグは、1つ以上のバックエンド電子デバイスに1つ以上のピングメッセージを送信してもよい。ピングメッセージとは、無線位置タグの現在位置の表示を含む通信を指す。様々な実施形態では、無線位置タグは、1つ以上のバックエンド電子デバイスにピングメッセージを定期的に送信してもよい。別の実施形態では、無線位置タグは、以下により詳細に記載されるように、トリガイベントに応答して、1つ以上のバックエンド電子デバイスに1つ以上のピングメッセージを送信してもよい。一実施形態では、1つ以上のバックエンド電子デバイスは、印刷デバイス及び/又は無線位置タグと関連付けられた識別情報の少なくとも一部分と関連してそのような情報を記憶してもよい。
【0039】
現在位置をロギングした後、無線位置タグは、現在位置が、ロギングされた直前の位置とは異なるかどうかを判定してもよい(418)。現在位置が直前の位置とは異なる場合、無線位置タグは、無線位置タグの位置が変化したという通知をバックエンド電子デバイスに送信してもよい(420)。バックエンド電子デバイスは、次いで通知を生成し、通知をユーザに提示して、位置の変化を管理者などのユーザに通知してもよい。
【0040】
様々な実施形態では、上述のように、無線位置タグは、1つ以上のトリガイベントが発生する場合に、バックエンド電子デバイスに通知を送信してもよい。例えば、無線位置タグは、電子デバイスのイーサネット(登録商標)ポートから、無線位置タグがプラグインされていないことを検出する場合、又は電子デバイスがある期間電源オフされていることを検出する場合に、バックエンド電子デバイスに通知を送信してもよい。同様に、無線位置タグは、バックエンド電子デバイスに、無線位置タグが電力を失うか、又はそうでないかの通知を、無線位置タグのバックアップ電源を使用して送信してもよい。バックエンド電子デバイスは、次いで通知を生成し、通知をユーザに提示して、ユーザにトリガイベントを通知してもよい。
【0041】
図5は、処理能力を有する印刷デバイス、又は印刷デバイスと通信するローカル若しくはリモートコンピューティングデバイス、又はバーコード走査デバイスなどの、システムの電子構成要素のいずれかに含まれ得る内部ハードウェアの例を示す。電気バス500は、ハードウェアの他の例示された構成要素を相互接続する情報ハイウェイとして機能する。プロセッサ505は、プログラミング命令を実行するために必要な計算及び論理演算を実行するように構成された、システムの中央処理デバイスである。本明細書及び特許請求の範囲で使用されるとき、用語「プロセッサ」及び「処理デバイス」は、中央処理ユニット(central processing unit、CPU)、グラフィック処理ユニット(graphics processing unit、GPU)、リモートサーバ、又はこれらの組み合わせなどの一連の演算を集合的に実行するプロセッサのセット内の単一のプロセッサ又は任意の数のプロセッサを指し得る。読み出し専用メモリ(Read only memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、フラッシュメモリ、ハードドライブ、及び電子データを記憶することができる他のデバイスは、プログラミング命令を記憶し得るメモリデバイス525の例を構成する。メモリデバイスは、データ及び/又は命令が記憶される単一のデバイス又はデバイスの集合を含んでもよい。本発明の様々な実施形態は、1つ以上のプロセッサ又は他のデバイスに、前の図との関連で記載される機能を実行させるように構成されたプログラミング命令を含むコンピュータ可読媒体を含んでもよい。
【0042】
任意選択のディスプレイインターフェース530は、バス500からの情報が、視覚的、グラフィック的、又は英数字形式でディスプレイデバイス535に表示されることを可能にしてもよい。オーディオインターフェース及びオーディオ出力(スピーカーなど)も設けられてもよい。外部デバイスとの通信は、無線アンテナ、RFIDタグ、及び/又は近距離又はニアフィールド通信送受信機などの様々な通信デバイス540を使用して行われてもよく、これらのそれぞれは、任意選択的に、1つ以上の通信システムを介してデバイスの他の構成要素と通信可能に接続してもよい。通信デバイス(単数又は複数)540は、インターネット、ローカルエリアネットワーク、又はセルラ電話データネットワークなどの通信ネットワークに通信可能に接続されるように構成されてもよい。
【0043】
ハードウェアはまた、キーボード、マウス、ジョイスティック、タッチスクリーン、タッチパッド、リモートコントロール、ポインティングデバイス、及び/又はマイクロフォンなどの入力デバイス550からのデータの受信を可能にするユーザインターフェースセンサ545を含んでもよい。
【0044】
上記に開示された特徴及び機能、並びに代替物は、多くの他の異なるシステム又は用途に組み合わされてもよい。様々な現在予期されない、又は先行例のない代替物、修正、変形、又は改善が、当業者によって行われてもよく、これらのそれぞれはまた、開示される実施形態によって包含されることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5