(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】ゲーム装置および景品支持部材
(51)【国際特許分類】
A63F 9/30 20060101AFI20240618BHJP
【FI】
A63F9/30 501D
(21)【出願番号】P 2020014671
(22)【出願日】2020-01-31
【審査請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】511242904
【氏名又は名称】株式会社マーベラス
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】東條 正悟
(72)【発明者】
【氏名】松山 学
【審査官】嶋田 行志
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-025227(JP,A)
【文献】米国特許第06688935(US,B1)
【文献】特開2001-198349(JP,A)
【文献】特開2011-078677(JP,A)
【文献】特開2014-033735(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00-A63F 9/20
A63F 9/26-A63F 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
景品が設置されるゲーム空間と、前記ゲーム空間と連通する景品取出空間とを有するゲーム装置に用いられ、前記景品を支持するための景品支持部材であって、
前記ゲーム装置側に取り付けられる取付部と、
前記取付部
の前記ゲーム装置と反対側に設けられ、前記景品を載置するための載置部と、を有し、
前記取付
部は、拡張部材を取り付けるための
スリットを有
し、
前記スリットは、前記取付部の基端面から前記載置部に向かって直線状に延在し、前記取付部にのみ設けられていることを特徴とする景品支持部材。
【請求項2】
前記
スリットは、前記取付
部の側面に設けられる請求項1に記載の景品支持部材。
【請求項3】
前記スリットの長さは、20~24mmである請求項1または2に記載の景品支持部材。
【請求項4】
前記スリットは、前記取付部の基端面と、前記取付部の側面とで開口している請求項
1ないし3のいずれかに記載の景品支持部材。
【請求項5】
前記拡張部材は、前記
スリットに嵌合する嵌合部を有する請求項1ないし
4のいずれかに記載の景品支持部材。
【請求項6】
ゲーム空間から景品取出空間に景品を移行させて前記景品を獲得するゲーム装置であって、
プレイヤからの入力を受ける入力部と、
前記ゲーム空間と前記景品取出空間との間に設けられた規定部と、
前記景品を支持する景品支持部と、
前記プレイヤからの前記入力に基づいて、前記景品支持部の動作を制御する制御部と、を有し、
前記景品支持部は、前記規定部に取り付けられる取付部と、
前記取付部
の前記規定部と反対側に設けられ、前記景品を載置するための載置部と、を有し、
前記取付
部は、拡張部材を取り付けるための
スリットを有
し、
前記スリットは、前記取付部の基端面から前記載置部に向かって直線状に延在し、前記取付部にのみ設けられていることを特徴とするゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置および景品支持部材、特に、景品を獲得するゲーム装置およびそれに用いられる景品支持部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、クレーンゲーム装置が知られている。近年、これに代わる画期的なゲーム装置が開発された(例えば特許文献1)。このゲーム装置は、開口と、開口上に設けられた景品支持部とを有する。
【0003】
このゲーム装置の景品支持部は、棒状に形成されている。そのため、景品支持部に景品を安定的に支持することが困難である。また、一つの景品支持部に複数の景品を載置することが困難である。これを解決するために、景品支持部は幅広の載置部を有する。しかしながら、この載置部は、予め景品支持部に含まれており、着脱不可能である。
【0004】
そこで、このような幅広の載置部を簡単に取り付けることができる景品支持部が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、幅広の部材を簡単に着脱することができる景品支持部材および当該景品支持部材を用いるゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的は、下記(1)~(8)の本発明により達成される。
(1)景品が設置されるゲーム空間と、前記ゲーム空間と連通する景品取出空間とを有するゲーム装置に用いられ、前記景品を支持するための景品支持部材であって、
前記ゲーム装置側に取り付けられる取付部と、
前記取付部に設けられ、前記景品を載置するための載置部と、を有し、
前記取付部および/または前記載置部は、拡張部材を取り付けるための係合部を有することを特徴とする景品支持部材。
【0008】
(2)前記係合部は、前記取付部および/または前記載置部の側面に設けられる上記(1)に記載の景品支持部材。
【0009】
(3)前記係合部は、前景品支持部材の長手方向に沿って設けられる上記(1)または(2)に記載の景品支持部材。
【0010】
(4)前記係合部は、スリットで構成されている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の景品支持部材。
【0011】
(5)前記スリットは、前記取付部の基端面から前記載置部に向かって、直線状に延在する上記(4)に記載の景品支持部材。
【0012】
(6)前記スリットは、前記取付部の基端面と、前記取付部の側面とで開口している上記(4)または(5)に記載の景品支持部材。
【0013】
(7)前記拡張部材は、前記係合部に嵌合する嵌合部を有する上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の景品支持部材。
【0014】
(8)ゲーム空間から景品取出空間に景品を移行させて前記景品を獲得するゲーム装置であって、
プレイヤからの入力を受ける入力部と、
前記ゲーム空間と前記景品取出空間との間に設けられた規定部と、
前記景品を支持する景品支持部と、
前記プレイヤからの前記入力に基づいて、前記景品支持部の動作を制御する制御部と、を有し、
前記景品支持部は、前記規定部に取り付けられる取付部と、
前記取付部に設けられ、前記景品を載置するための載置部と、を有し、
前記取付部および/または前記載置部は、拡張部材を取り付けるための係合部を有する
ことを特徴とするゲーム装置。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、幅広の部材を簡単に着脱することができる景品支持部材および当該景品支持部材を用いるゲーム装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明のゲーム装置を模式的に示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明のゲーム装置を模式的に示す背面斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明のゲーム装置を模式的に示す底面図である。
【
図4】
図4は、本発明のゲーム装置の扉を開けた状態を模式的に示す斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明のゲーム装置の構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、本発明のゲーム装置の連結部と景品支持部との連結状態を模式的に示す斜視拡大図である。
【
図7】
図7は、本発明のゲーム装置の景品支持部を模式的に示す図である。(a)は側面図、(b)は斜視図、(c)は背面図である。
【
図8】
図8は、本発明のゲーム装置の景品支持部の他の構成例を模式的に示す図である。
【
図9】
図9は、本発明のゲーム装置の景品支持部と、拡張部材との取付け状態を模式的に示す図である。(a)は側面図、(b)は斜視図、(c)は背面図である。
【
図10】
図10は、本発明のゲーム装置の景品支持部に取り付けられる拡張部材の他の構成例を模式的に示す平面図である。
【
図11】
図11は、本発明のゲーム装置の景品支持部と連結部との連結状態および拡張部材と景品支持部との取付け状態を示す斜視図である。
【
図12】
図12は、本発明のゲーム装置の第1実施形態にかかる可動機構を模式的に示す図である。
【
図13】
図13は、本発明のゲーム装置の第1実施形態にかかる可動機構を模式的に示す側面図である。
【
図14】
図14は、本発明のゲーム装置の第1実施形態にかかる可動機構を模式的に示す図である。
【
図15】
図15は、本発明のゲーム装置のゲーム全体の流れを示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、本発明のゲーム装置の景品支持部が変位する流れを示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、本発明のゲーム装置の第2実施形態にかかる可動機構を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明のゲーム装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。説明の都合上、図中の上側を「上」、下側を「下」、左側を「左」、右側を「右」、紙面手前側を「前」、紙面奥側を「後」として説明する。
【0018】
<<第1実施形態>>
1.ゲーム装置
図1は、本発明のゲーム装置を模式的に示す斜視図、
図2は、本発明のゲーム装置を模式的に示す背面斜視図、
図3は、本発明のゲーム装置を模式的に示す底面図、
図4は、本発明のゲーム装置の扉を開けた状態を模式的に示す斜視図、
図5は、本発明のゲーム装置の構成を示すブロック図、
図6は、本発明のゲーム装置の連結部と景品支持部との連結状態を模式的に示す斜視拡大図である。
【0019】
図1に示すように、本発明のゲーム装置1は、2人のプレイヤが同時プレイを実行できる2プレイタイプのゲーム装置である。このようなゲーム装置1は、景品獲得ゲーム装置1Aと、景品獲得ゲーム装置1Bと、で構成されている。
【0020】
景品獲得ゲーム装置1Aと1Bは、互いに隣接して設けられ、1つの制御部で制御される。2つの景品獲得ゲーム装置1A、1Bを1つの制御部で制御しているため、ゲーム装置1全体の大きさを小型化することができる。景品獲得ゲーム装置1A、1Bの数は特に限定されず、3つ以上の複数であってもよい。同様に、制御部の数も特に限定されない。このような景品獲得ゲーム装置1A、1Bは、ゲーム空間から景品取出空間に景品を落下させるゲーム装置である。
【0021】
以下、景品獲得ゲーム装置1A、1Bの各部の構成を説明するが、景品獲得ゲーム装置1A、1Bは、互いに同じ構成であるから、景品獲得ゲーム装置1Aの各部を代表して、ゲーム装置1の各部として説明する。景品獲得ゲーム装置1Aは、筐体2と、操作部3と、規定部4と、景品支持部5と、操作指示部6と、可動機構7とを有している。
【0022】
<筐体>
筺体2は、箱状に形成され、ゲーム装置1の各部材を設置または収納する機能を有している。筐体2の形状は、特に限定されず、景品獲得ゲーム装置1A、1Bの数に応じて、三角柱状、楕円柱状、円柱状などに変更できる。筐体2は、略角柱状の筐体上部21と、略直方体状の筐体下部22とで構成されている。
【0023】
(筐体上部)
筐体上部21の正面211は、
図1に示すように、Z(鉛直)軸に対して、背面212側に傾斜している。正面211が傾斜していることにより、プレイヤが景品の設置状況を鉛直上方から確認することができるため、どのようにプレイすれば景品を獲得できるか予測しやすくなる。なお、各面の角部は、安全上を考慮して、面取り加工が施されている。また、筐体上部21の各面は、適宜透明部材で構成されている。そのため、ゲーム空間を外から視認することができる。筐体上部21で画成された空間が、ゲーム空間215となっている。
【0024】
筐体上部21の背面212は、
図2に示されるように、凹部213を有する。凹部213は、ゲーム空間215に向かって凹没している。そのため、2つのゲーム装置1を背面212で合わせて配置したとしても、凹部213は互いに塞がれない。その結果、背面212の上部に凹部213による空間を形成することができる。この凹部213は、空気孔214を設ける。空気孔214は、ゲーム空間215に籠った熱を逃がす機能を有する。空気孔214は、複数のスリットが直線状に整列したスリット列(第1のスリット列)で構成されている。本実施形態では、スリット列は、Z軸方向に2列で構成されている。これにより、効率的にゲーム空間215の熱を逃がすことができる。
【0025】
また、空気孔214は、2重構造となっている。すなわち、背面212側の第1のスリット列と、ゲーム空間215側の第2のスリット列とが、Y軸(奥)方向に沿って配置されている。そして、第1のスリット列のスリットは、第2のスリット列のスリットとX軸方向に沿って、半ピッチずれて配置されている。換言すると、第1のスリット列のスリットと、第2のスリット列のスリットとは、交互に配置されている。そのため、第1のスリット列の各スリットから針金などを挿入しても、第2のスリット列に遮られ、ゲーム空間215に針金を入れることができない。これにより、景品の不正取得を防止することができる。
【0026】
(筐体下部)
筐体下部22は、その上面上で筐体上部21と接続されている。筐体下部22は、記憶部8や制御部9を収納することに用いられる。筐体下部22は、景品取出口221と、景品取出板222と、景品取出空間223と、補強部224と、扉225を有する。
【0027】
景品取出口221は、筐体下部22の前面に設けられている。景品取出口221は、景品取出空間223から景品を取り出す機能を有し、矩形の形状に形成されている。景品取出板222は、景品取出口221を塞ぐように、景品取出口221の上部に設けられている。景品取出板222は、景品取出口221に対応して矩形状に形成されている。景品取出空間223は、筐体下部22内に設けられ、開口41を介して筐体上部21のゲーム空間215と連通する。景品取出空間223は、筐体下部22の内部の側面、底面、後面、および景品取出板222で構成される空間である。
【0028】
補強部224は、
図3に示されるように、筐体下部22の底面に設けられる。補強部224は、ゲーム装置1を保護する機能を有し、板状に形成されている。本実施形態では、2つの補強部224は、筐体下部22の底面に、X軸方向に沿って延び、Y軸方向に沿って配置されている。これにより、例えば、フォークリフトでゲーム装置1を運ぶ際、筐体下部22の底面の損傷を抑えることができる。
【0029】
扉225は、2つの景品取出口221の間に設けられている。扉225は、筐体下部22内に収容された制御部9やコイン回収BOXにアクセスする機能を有する。
図4に示すように、扉225の裏面には、メンテナンスパネル(電子機器)226が配置されている。メンテナンスパネル226は、ゲーム管理者がゲーム装置1の稼働率や景品の獲得率などを保守・管理するためのパネルである。
【0030】
メンテナンスパネル226は、
図4に示すように、コイン機構227の上部で扉225の裏面上に設けられている。そのため、扉225を確実に閉じることができるように、メンテナンスパネル226は、切り欠きを有する。また、メンテナンスパネル226は、その上面上にモニタと複数の操作機構とを有する。これにより、ゲーム管理者は、筐体下部22内を除き込む必要がなく、ゲーム空間215内の景品を見ながらメンテナンスパネル226を操作することができる。また、メンテナンスパネル226が扉225の裏面に位置するとともに、その上面に操作機構があるため、メンテナンスパネル226自体の視認性および取り扱い性を高めることができる。
【0031】
<操作部>
操作部3は、筐体下部22の正面上部に設けられ、円柱状の押ボタンで構成されている。操作部3は、プレイヤからの入力情報を受け付ける機能を有しており、景品を獲得するための各種コマンドをプレイヤから受ける。本発明のゲーム装置1では、押しボタンへの1回の操作で景品支持部5の変位が実現される。押ボタンの数は特に限定されず、2以上であってもよい。また、操作部3は、ゲーム装置1の構成に応じて、操作用スティックやベッド表示画面を含んでいてもよい。
【0032】
<規定部>
規定部4は、筐体上部21と筐体下部22との間に設けられ、ゲームフィールドとして機能する。また、規定部4は、景品を落下させる開口41を規定する機能を有する。規定部4は、平板状に形成されている。また、規定部4は、その一部が切り抜かれた開口41と、開口41を構成する内周面に設けられた複数の連結部42とを有する。
【0033】
(開口)
開口41は、
図1に示すように、円形状に形成されている。この開口41は、ゲーム空間215と景品取出空間223とを連通するよう構成され、景品が落下するようになっている。開口41の数は、特に限定されず、2以上の複数であってもよい。本実施形態の景品獲得ゲーム装置1Aでは、規定部4は、1つの開口41を有する。なお、本発明のゲーム装置1では、規定部4は少なくとも2つの開口41を有している。
【0034】
開口41の形状は、特に限定されず、楕円形状、多角形状、矩形状、または湾曲形状等であってもよい。また、開口41の大きさは、規定部4の大きさよりも小さければ特に限定されない。なお、筐体下部22の上面を規定部4として設ければ、独立して規定部4を設ける必要がない。
【0035】
(連結部)
連結部42は、後述する景品支持部5を取り付ける機能を有する。
図1、6に示すように、連結部42は、開口41を構成する内周面に沿って間欠的に設けられている。本実施形態では、連結部42は、8個の連結部42で構成されているが、1つの連結部42で構成されていてもよい。
【0036】
各連結部42は、前記内周面に向かって凹没するように構成されている。そのため、連結部42は、開口41に直面するとともに、景品取出空間223にも直面している。すなわち、連結部42は、正面視で「П」字状に形成されている。
【0037】
<景品支持部>
景品支持部5は、規定部4の連結部42に設けられ、景品を支持するよう機能する。景品支持部5は、複数の景品支持部材5で構成される。景品支持部材5の数は特に限定されず、1つでも複数であってもよい。本実施形態では、景品支持部材5の数は、規定部4の連結部42の数に対応して8本となっている。景品支持部材5の形状は、特に限定されず、棒状、長尺状、平板状、プレート状、半円状、円状などいずれの形状であってもよい。景品支持部材5の長さも特に限定されず、同一でも、異なっていてもよい。
【0038】
また、景品支持部材5の外径(幅および/または厚み)は、その基端から先端にかけて漸減していてもよい。これにより、
図1に示すような水平状態において、景品支持部材5同士の間隙が大きくなり、景品が落下するイメージをプレイヤに与えることができる。以下、景品支持部(景品支持部材)5の各部を説明する。
図7は、本発明のゲーム装置の景品支持部を模式的に示す図である。景品支持部材5は、
図7に示すように、取付部51と、載置部53と、を有する。
【0039】
(取付部)
取付部51は、
図7に示すように、ほぼ角柱に形成され、連結部42に対応する大きさに形成されている。取付部51は、本体511と、本体511から下方に延びるスカート部512とを有する。
【0040】
本体511は、
図7に示すように、その側面に2つのスリット部(係合部)513を有する。このスリット部513は、後述する拡張部材5Eを取り付ける機能を有する。スリット部513は、景品支持部材5の長手方向に沿って、本体511の基端面から載置部53に向かって直線状に延在する。これにより、本体511の基端面から拡張部材5Eをスリット部513にスライドさせることができるので、拡張部材5Eを容易に着脱することができる。そして、スリット部513は、本体511の基端面と、側面とで開口している。これにより、拡張部材5Eの嵌合部5E2を確実にスリット部513に挿入することができる。
【0041】
スリット部513は、拡張部材5Eの嵌合部5E2を挿通できる大きさに構成されている。スリット部513の大きさは、スリット部513が取付部51(景品支持部材5)の側面に形成できる限り、特に限定されない。例えば、スリット部513の長さは20~24mm程度、幅は2~3mm程度が好ましい。なお、本体511は、
図7(c)に示すように、背面視で「H」字状に形成されている。このスリット部513に、拡張部材5Eの嵌合部5E2が挿通されることで、拡張部材5Eがスリット部513に係止される。
【0042】
スカート部512は、規定部4の連結部42と連結する機能を有する。スカート部512は、基端側の留め孔512aと、先端側の接続孔512bとを有する。留め孔512aは、連結部42の内面の接続孔に回転留め具で取り付けられる。これにより、景品支持部材5は、取付部51の留め孔512a(基端)を中心に回動することができ。一方、接続孔512bは、後述するリンク部材73の一端の接続孔に回転留め具で取り付けられる。これにより、景品支持部材5は、接続孔512bを中心に回動することができる。
【0043】
このように、景品支持部材5はスリット部513を有するため、拡張部材5Eを容易かつ確実に景品支持部材5に取り付けることができる。また、スリット部513がスカート部512よりも上方に存在するため、景品支持部材5が連結部42に取り付けられた状態で拡張部材5Eを取り付けることができる。すなわち、景品支持部材5の先端がZ軸下方を向いた状態(第2の状態)で、拡張部材5Eの嵌合部5E2をスリット部513に挿通することができる。
【0044】
(載置部)
載置部53は、
図7(a)、(b)に示すように、取付部51に連結し、取付部51から直線状に延在する。載置部53の上面(載置面)は、取付部51の上面と連続して形成されている。載置部53は、景品を載置する機能を有する。
図7に示すように、載置部53は、長尺の角柱状に形成されているが、棒状、平板状、長尺板状、半円状、円状などの形状であってもよい。載置部53の径は、特に限定されないが、景品を載置できるよう、所定の径を有する。当該径は、載置部53の基端から先端にかけて一定であってもよく、取付部51からテーパー付けられていても良い。載置部53の長さは、特に限定されず、対向する連結部42に届くような長さであってもよく、開口41の半径に相当するような長さでもよい。
【0045】
載置部53は、景品が安定して載置部53に載置できるよう滑り止め部材を設けていてもよい。これにより、例えば、小さな景品を1つずつ載置部53に載置する際に、景品が滑ることを抑制または防止でききるので、景品を確実に支持することができる。本発明の景品支持部材5は、上述した構成に限らず、種々の構成を利用することができる。以下、景品支持部材5の他の構成例の一例を説明する。
図8は、本発明のゲーム装置の景品支持部の他の構成例を模式的に示す図である。
【0046】
(他の構成例1)
景品支持部5の他の構成例1(第2実施形態)は、景品支持部材5がスリット部513を有する代わりに、凸条(リブ)514を有する点で、上述した構成の景品支持部材5と異なる。すなわち、他の構成例1の景品支持部材5は、
図8(a)に示されるように、取付部51の基端から載置部53の中央部付近に向けて延在する凸条514を有するように構成されている。これにより、例えば、拡張部材5Eの嵌合部5E2が凸条514と嵌合することができる。その結果、拡張部材5Eを景品支持部材5に確実に取り付けることができる。また、本構成例1の景品支持部材5も第1実施形態の景品支持部材5と同様の効果を発揮することができる。
【0047】
(他の構成例2)
景品支持部5の他の構成例2(第3実施形態)は、景品支持部材5がスリット部513を有する代わりに、2つの貫通孔515を有する点で、上述した構成の景品支持部材5と異なる。すなわち、他の構成例2の景品支持部材5は、
図8(b)示されるように、取付部51が1つの貫通孔515を有し、載置部53が1つの貫通孔515を有するように構成されている。これにより、例えば、拡張部材5Eの嵌合部5E2およびサブ嵌合部5E3のそれぞれが2つの貫通孔515と嵌合することができる。その結果、拡張部材5Eを景品支持部材5に確実に取り付けることができる。また、本構成例2の景品支持部材5も第1実施形態の景品支持部材5と同様の効果を発揮することができる。
【0048】
(他の構成例3)
景品支持部5の他の構成例3(第4実施形態)は、景品支持部材5がスリット部513を有しない点で、上述した構成の景品支持部材5と異なる。すなわち、他の構成例3の景品支持部材5は、スリット部513を有さないため、載置部53の下面がスリット部513(係合部)として機能する。例えば、拡張部材5Eの嵌合部5E2が載置部53を包むように、載置部53の下面と嵌合することができる。これにより、景品支持部材5の構成を単純化することができる。また、拡張部材5Eを景品支持部材5に確実に取り付けることができる。また、本構成例3の景品支持部材5も第1実施形態の景品支持部材5と同様の効果を発揮することができる。
【0049】
以上のような景品支持部5が規定部4の連結部42に取り付けられることにより、景品を載置する方法、拡張部材5Eの取付け方法のバリエーションを増やすことができ、ゲームの趣向性を高めることができる。
【0050】
<拡張部材>
次に、拡張部材5Eと、拡張部材5Eが景品支持部材5に取り付けられた状態について説明する。
図9は、本発明のゲーム装置の景品支持部と、拡張部材との取付け状態を模式的に示す図である。
【0051】
拡張部材5Eは、
図9に示すように、拡張載置部5E1と、嵌合部5E2と、サブ嵌合部5E3とを有する。拡張載置部5E1は、景品を載置する機能を有する。拡張載置部5E1は、景品支持部材5の載置部53と略同じ長さを有し、滴状に形成されている。しかしながら、拡張載置部5E1の形状は、特に限定されず、半円状、円状などの形状であってもよい。
【0052】
嵌合部5E2は、スリット部513と嵌合して、拡張部材5Eを景品支持部材5に取り付ける機能を有する。嵌合部5E2は、拡張載置部5E1の基端に設けられている。嵌合部5E2は、スリット部513の形状に対応するような形状に形成されている。嵌合部5E2は、
図9(c)に示すように、拡張部材5Eの背面視で、向かい合う「L」字状に形成されている。嵌合部5E2の構成は、スリット部513の位置や上述した他の構成例にしたがって、変更されてもよい。例えば、嵌合部5E2の長さを鉛直方向へ延ばしてもよく、嵌合部5E2の位置を拡張部材5Eの先端側に移動させてもよく、弾性材料などを嵌合部5E2の下端に持たせてもよい。
【0053】
サブ嵌合部5E3は、拡張部材5Eを景品支持部材5に取り付ける機能を有する。サブ嵌合部5E3は、拡張載置部5E1の先端側に設けられている。サブ嵌合部5E3は、景品支持部材5の載置部53の厚さに対応するような形状に形成されている。サブ嵌合部5E3は、拡張部材5Eの正面視で、向かい合う「I」字状に形成されている。サブ嵌合部5E3の構成は、上述した他の構成例にしたがって、変更されてもよい。例えば、サブ嵌合部5E3の位置を景品支持部材5の基端側に移動させてもよく、サブ嵌合部5E3をなくしてもよく、弾性材料などをサブ嵌合部5E3の内面に持たせてもよい。
【0054】
このような拡張部材5Eは、
図9(a)に示すように、景品支持部材5の基端面から、取付部51のスリット部513に取り付けられる。すなわち、拡張部材5Eは、嵌合部5E2がスリット部513と嵌合するように、景品支持部材5の取付部51の基端面からスライドして取り付けられる。これにより、拡張部材5Eは、
図9(b)や(c)の状態で、景品支持部材5に取り付けられる。
【0055】
通常、景品支持部材5は、留め孔512aで規定部4の連結部42に取り付けられて、取り外すことができない。そのため、ゲーム管理者は、景品支持部材5の第2の状態で、拡張部材5Eを景品支持部材5に取り付ける。具体的には、拡張部材5Eの先端を鉛直下方に向けて、嵌合部5E2をスリット部513にスライドして差し込む。このように、スリット部513が景品支持部材5の取付部51に形成されているため、景品支持部材5が連結部42に取り付けられた状態で、拡張部材5Eを景品支持部材5に取り付けることができる。したがって、ゲーム管理者は、拡張部材5Eの着脱を容易に行うことができる。
【0056】
このような本発明の拡張部材5Eは、上述した構成に限らず、種々の構成を利用することができる。以下、拡張部材5Eの他の構成例の一例を説明する。
図10は、本発明のゲーム装置の景品支持部に取り付けられる拡張部材の他の構成例を模式的に示す平面図である。
【0057】
(他の構成例)
拡張部材5Eの他の構成例は、拡張載置部5E1の形状が異なる点で、上述した構成の拡張部材5Eと異なる。すなわち、他の構成例の拡張部材5Eは、
図10に示されるように、扁平の八角形状に形成されている。これにより、拡張載置部5E1の面積が大きくなるので、大きい景品や複数の景品を拡張載置部5E1に載置することができる。その結果、景品の広告、宣伝効果を発揮することができる。
【0058】
以上のような景品支持部材5を連結部42に取り付けた状態および拡張部材5Eを景品支持部材5に取り付けた状態を
図11に示す。
図11は、本発明のゲーム装置の景品支持部と連結部との連結状態および拡張部材と景品支持部との取付け状態を示す斜視図である。
図11に示すように、景品獲得ゲーム装置1Aにおいて、8本の景品支持部材5が景品を支持可能な状態(第1の状態)、すなわち、水平状態を維持している。また、景品獲得ゲーム装置1Bにおいて、1本の景品支持部材5が、景品の支持を解除した状態(第2の状態)、すなわち、鉛直状態に変化している。そして、残りの7本の景品支持部材5に拡張部材5Eが取り付けられている。その7本の景品支持部材5が第1の状態を維持している。また、7本の景品支持部材5のうち、5本の景品支持部材5に本実施形態の拡張部材5Eが取り付けられ、2本の景品支持部材5に他の構成例の拡張部材5Eが取り付けられている。
【0059】
図11の景品獲得ゲーム装置1Aに示すように、拡張部材5Eを景品支持部材5に取り付けないと、開口41が露出するため、景品を安定して載置することができない。その結果、景品を獲得し易い印象をプレイヤに与えることができる。一方、
図11の景品獲得ゲーム装置1Bに示すように、拡張部材5Eを景品支持部材5に取り付けると、拡張部材5Eを取り付けない場合と比較して、開口41の面積が小さくなる。そのため、多くの景品を拡張載置部5E1に安定して載置することができる。その結果、1本の景品支持部材5の変位により、大量の景品を獲得できるチャンスをプレイヤに与えることができる。また、大型の景品を安定して拡張載置部5E1に載置することもできる。その結果、景品の広告、宣伝効果をプレイヤに与えることができる。
【0060】
<操作指示部>
操作指示部6は、プレイヤにどの景品支持部5を動作させるかを支持する機能を有する。操作指示部6は、
図1に示すように、開口41に対応して規定部4上に設けられている。すなわち、操作指示部6は、景品支持部材5や開口41を囲むように開口41の周方向に沿って設けられている。本実施形態では、操作指示部6は、景品支持部材5と同心状(円環状)に設けられている。操作指示部6は、
図6に示すように、複数のブロック体61で構成されている。なお、ブロック体61の数は特に限定されず、1個であっても、2個以上の複数であてもよい。本実施形態では、ブロック体61の数は32個である。
【0061】
複数のブロック体61は、景品支持部材5と隣接して景品支持部材5と対応するように設けられた8個の対応ブロック体61aと、対応ブロック体61a同士の間に設けられ、景品支持部材5に対応しないように設けられた24個の非対応ブロック体61bとで構成されている。すなわち、1個の対応ブロック体61aと、3個の非対応ブロック体61bとが、交互に設けられている。
【0062】
各ブロック体61は、ほぼ直方体状をなしており、その内部に表示装置が設けられている。表示装置としては、例えば、LEDや液晶モニタなどが挙げられる。表示装置の点灯および点滅は、後述する制御部9により制御される。
【0063】
本実施形態では、対応ブロック体61aと景品支持部材5とが、1対1で対応して設けられているが、これに限定されない。例えば、
図6に示すように、1本の景品支持部材5に対応するように、1つの対応ブロック体61aと、それに隣接する3つの非対応ブロック体61bとが1つのグループを構成してもよい。このようなグループ中の対応ブロック体61aや非対応ブロック体61bの表示装置の点灯中に押ボタンが押圧されると、そのグループに対応する1本の景品支持部材5を変位させることができる。このような構成は、景品支持部材5と対応ブロック体61aとの厳密な一致を要求しないため、景品を容易に獲得できる印象をプレイヤに与えることができる。
【0064】
また、前記グループ中の複数(例えば4個)のブロック体61の表示装置が同時に点灯および点滅するようにしてもよい。このような構成によっても、グループ化されたブロック体61の表示装置の点灯中に押ボタンが押圧されると、それに対応する1本の景品支持部材5を変位させることができるため、上記効果を発揮することができる。
【0065】
<可動機構>
次に、可動機構7について説明する。
図12は、本発明のゲーム装置の第1実施形態にかかる可動機構を模式的に示す図、
図13は、本発明のゲーム装置の第1実施形態にかかる可動機構を模式的に示す側面図、
図14は、本発明のゲーム装置の第1実施形態にかかる可動機構を模式的に示す図である。
【0066】
可動機構7は、景品支持部材5を可動させる機能を有する。可動機構7は、連結部42に設けられる。そのため、可動機構7は、景品支持部材5や連結部42に対応して設けられている。このような可動機構7は、
図12に示すように、可動部71と、支持本体72と、リンク部材73とで構成される。
【0067】
(可動部)
可動部71は、電磁力により、直線運動をする機能を有する。可動部71は、例えば、可動鉄心と、電磁コイルと、軸受けとで構成された、いわゆるソレノイドである。可動部71は、電気エネルギー(例えば、電流)を受けると、磁場を発生する。この時発生する電磁力により、可動部71は、直線運動する。本実施形態では、可動部71は、鉛直下方に移動する。一方、可動部71への電気エネルギーの付与を停止すると、電磁力が消失する。これにより、可動部71は、元の状態に戻るように、直線運動する。すなわち、可動部71は、鉛直上方に移動する。
【0068】
可動部71は、直径2~4cm、長さ4~7cm程度の大きさに形成されている。このように、可動部71は、比較的小型である。そのため、高さ140~150cm程度の小型のゲーム装置1に好ましく搭載することができる。
【0069】
(支持本体)
支持本体72は、景品支持部材5と可動部71とを支持する機能を有する。支持本体72は、ほぼ板状に形成されている。支持本体72は、その中央部で、可動部71の軸受けと連結している。これにより、可動部71は、鉛直下方に沿って設けられる。支持本体72は、基端部に設けられた連結部材721と、上面に設けられたギャップ722と、先端部に設けられた爪部723と、を有する。支持本体72の連結部材721は、回動可能に連結部42に連結される。これにより、支持本体72は、連結部材721を支点として、回動することができる。
【0070】
ギャップ722は、後述するリンク部材73を係止する機能を有する。すなわち、ギャップ722は、景品支持部材5を水平状態に保つことができる。ギャップ722は、支持本体72の上面上に設けられ、
図12(b)に示すように、側面視で「L」字状に形成される。ギャップ722の高さは、1~4mm程度が好ましく、2~3mm程度がより好ましい。これにより、リンク部材73および景品支持部材5を適切に支持することができる。その結果、景品支持部材5は、水平状態(第1の状態)を維持することができる。また、可動部71で発生する電磁力で確実にリンク部材73とギャップ722との係止を解除することができる。これにより、景品支持部材5は、鉛直状態(第2の状態)に変位する。
【0071】
爪部723は、景品支持部材5を第2の状態から第1の状態に戻すときに、ゲーム管理者によって把持される。爪部723は、
図12(b)に示すように、側面視で「く」字状に形成される。これにより、ゲーム管理者が爪部723を容易かつ確実に把持することができる。なお、爪部723は、操作性の観点から、可動部71よりも景品支持部材5側に位置している。
【0072】
(リンク部材)
リンク部材73は、景品支持部材5を支持本体72に支持する機能を有する。リンク部材73は、景品支持部材5と支持本体72との間に設けられる。リンク部材73の一端は、ギャップ722に係止可能に配置される。これにより、可動部71の電磁力で可動部71が下方に移動すると、リンク部材73の一端と、ギャップ722との係止が容易に解除される。リンク部材73は、一端に設けられた突出部731と、他端に設けられた接続孔とを有する。リンク部材73の接続孔は、景品支持部材5の接続孔512bに回転留め具で取り付けられる。これにより、リンク部材73は、接続孔を中心に回動することができる。
【0073】
一方、突出部731は、リンク部材73の両側面から突出するように設けられている。突出部731は、図示しないガイド部に挿入されている。ここで、ガイド部は、支持本体72の上で、支持本体72と平行に延びるように設けられている。例えば、ガイド部は、連結部42の両側面に設けられている。そのため、突出部731は、ガイド部内を移動可能に構成されている。これにより、リンク部材73は、ガイド部に沿って移動することができる。
【0074】
ここで、可動機構7の可動状態を図面を用いて説明する。可動部71に電流が流れていない場合、支持本体72は水平状態を維持する。この状態で、リンク部材73の一端がギャップ722に係止すると、景品支持部材5を水平状態に維持することができる(
図12参照)。次に、可動部71に電流が流れると、可動部71に電磁力が発生する。これにより、可動部71は、鉛直下方に可動する。このとき、
図13に示すように、支持本体72は、可動部71の重さにより、連結部材721を中心に下方に傾く。これにより、リンク部材73の一端とギャップ722との係止が解除される(
図13参照)。
【0075】
その後、景品支持部材5の自重により、リンク部材73の接続孔と、景品支持部材5の留め孔512aとを中心に景品支持部材5が回動する。これと同時に、リンク部材73の突出部731は、ガイド部に沿って連結部材721の方向(後方)に直線移動する。そして、リンク部材73は、水平状態となる。これにより、景品支持部材5は、第2の状態に変位する(
図14参照)。その後、ゲーム管理者は、爪部723を把持し、リンク部材73の一端をギャップ722に係止することで、景品支持部材5を第1の状態に復帰させることができる。
【0076】
このように、景品支持部材5を変位させるために、可動部71に電流が付与される。この電流は、景品支持部材5を第1の状態から第2の状態に変位させるときのみ、可動部71を流れる。この時の可動部71の動作時間は短いため、可動部71のコイルが熱せられることはない。また、本実施形態の可動部71は、モーターよりも低廉であるため、モーターを使用する場合と比較して、コストを低減することができる。さらに、本実施形態の可動部71は、モーターよりも小さいため、可動機構7を小型化することができる。したがって、本実施形態の可動機構7を用いれば、ゲーム装置1を小型化することができる。
【0077】
<入力部>
入力部10は、ゲームの設定に関する入力情報を受ける機能を有する。入力部10は、ゲーム管理者が操作できる限り、景品獲得ゲーム装置1Aのどこに設けられていてもよい。本実施形態では、筐体上部21のフレームに接するように設けられている。入力部10は、複数のボタンで構成されている。ゲームの設定に関する入力情報は、後述する初期状態を登録するための登録情報、初期状態を確認するための確認情報、初期状態を再設定するための再設定情報、ゲームのリセット情報等を含む。
【0078】
<検知部>
検知部11は、ゲーム装置1の各部材の動作を検知する機能を有する。検知部11は、部材の動作を検知できれば、設置場所は限定されない。また、検知部11は、特に限定されないが、カメラ、加速度センサー、重量センサー、感圧センサー、赤外線センサー、光電センサー等の各種センサーで構成される。景品獲得ゲーム装置1Aは、例えば、第1の検知部と、第2の検知部と、第3の検知部とを有する。第1の検知部は、景品支持部5が第2の状態にあることを検知する。そのため、第1の検知部は、連結部42付近で、可動機構7に設けられている。これにより、後述する動作制御部93が適切に動作することができる。
【0079】
第2の検知部は、景品が景品取出空間223に存在するか否を検知する。第2の検知部は、景品取出空間223を構成する両側面に設けられている。第2の検知部は、例えば、発光部と受光部とを含む光電センサーで構成されている。これにより、景品取出空間223に落下した景品を確実に検知することができる。
【0080】
第3の検知部は、ゲーム装置1が揺らされたことを検知する。第3の検知部は、プレイヤに近い位置、例えば、筐体下部22に設けられている。第3の検知部は、例えば、加速度センサーで構成されている。これにより、プレイヤが景品を不正に得るためにゲーム装置1を揺らした場合に、正確かつ確実にその揺れを検知することができる。この場合、図示しない報知手段が音や光等により、ゲーム管理者に揺れを報知することができる。
次に、
図5に戻って、ゲーム装置1の内部構成を説明する。
【0081】
<記憶部>
記憶部8は、CPUが実行するゲームプログラムや、音情報等を保存するROMと、CPUが実行する演算結果を一時的に記憶するRAMとを備えている。具体的に、記憶部8は、ブロック体61の表示装置の点滅速度や、順次点滅する方向(点滅方向)、対応ブロック体61aの点滅モード等の点滅パターンを記憶する。また、記憶部8は、複数の景品支持部材5と複数のブロック体61とを対応させた対応表(図示しない)を記憶する。
【0082】
具体的に、対応表は、番号1~32と、第1~第8景品支持部材5と、第1~第8対応ブロック体61aと、第1~第24非対応ブロック体61bとが対応してリストされている。そして、1つの景品支持部材5に1つの対応ブロック体61aが対応した1:1モード、1つの景品支持部材5に1つの対応ブロック体61aと隣接する3つの非対応ブロック体61bとが対応した1:4モードなどのモードが記憶されている。また、記憶部8は、ゲームに使用される景品支持部材5の番号および対応ブロック体61aの番号、第1の状態にある景品支持部材5の番号および対応ブロック体61aの番号、第2の状態にある景品支持部材5の番号および対応ブロック体61aの番号などを記憶する。
【0083】
<制御部>
制御部9は、ゲームプログラムを実行するCPUを含み、ゲーム装置1全体を制御する。制御部9は、情報取得部91と、情報処理部92と、動作制御部93と、情報設定部94と、報知部95とを有する。以下、制御部9の各部の構成を説明する。
【0084】
(情報取得部)
情報取得部91は、各種情報を取得する機能を有している。具体的に、情報取得部91は、操作部3からの入力情報、各景品支持部材5の状態(第1の状態や第2の状態)の情報、操作部3への入力時に点灯していた表示装置(プレイヤにより選択されたブロック体61)を特定する情報、検知部11が検知した情報、入力部10からの入力情報などを取得する。取得された情報は、情報処理部92に提供される。
【0085】
(情報処理部)
情報処理部92は、ゲーム全体を処理する機能を有する。特に、情報処理部92は、情報取得部91が取得した情報を処理して動作制御部93に指示する機能を有している。具体的に、情報処理部92は、操作部3への入力により点灯したブロック体61の情報と、記憶部8が記憶している対応表とに基づいて、対応する景品支持部材5の有無を特定する。また、対応する景品支持部材5が有る場合には、情報処理部92は、その番号を特定し、特定された景品支持部材5の動作を、動作制御部93に指示する。
【0086】
(動作制御部)
動作制御部93は、景品支持部材5および操作指示部6の動作を制御する機能を有している。動作制御部93は、各ブロック体61に内蔵された表示装置順次点滅するように、対応表に基づいてその点灯および点滅を制御する。さらに、動作制御部93は、点滅方向を時計回りや反時計回りに制御することや、点滅速度を自在に制御することもできる。これにより、例えば、点滅速度を遅くしてゲームの難易度を低くすることができ、点滅速度を速くしてゲームの難易度を高くすることができる。また、その点滅方向や点滅速度をランダムに変更すれば、ゲームの難易度をより高くすることもできる。
【0087】
ブロック体61の表示装置は、所定のプログラムに従ってまたはランダムに点滅するように制御される。例えば、表示装置は、時計回りまたは反時計回りに順次点滅するように制御される。これにより、ブロック体61の表示装置は、所定の方向に順次点滅していき、プレイヤは、変位させたい景品支持部材5に対応するブロック体61の表示装置が点灯する瞬間を狙って押ボタンを押圧する。押圧した時に点灯していた表示装置のみを点灯させることで、表示装置のブロック体61に対応する景品支持部材5の有無がプレイヤに示される。また、動作制御部93は、前述したモードにしたがって、連続するブロック体61を同時に、順次点滅するように制御することもできる。
【0088】
動作制御部93は、情報処理部92が対応表から特定した番号の景品支持部材5を第1の状態から第2の状態へ変位するよう制御する。すなわち、景品支持部材5が取り付けられている可動機構7に電気エネルギーを付与するように制御する。このような電気エネルギーの付与は、記憶部8に記憶されているモードにしたがって、複数の景品支持部材5に対応する可動機構7で同時になされてもよい。これにより、景品支持部材5を1つずつまたは複数変更することができるので、ゲームの難易度を変更することができる。
【0089】
(情報設定部)
情報設定部94は、入力部10からの入力情報に基づいてゲームを設定する機能を有する。情報設定部94は、入力部10からの入力情報に基づいて、ゲームに使用するための、第1の状態にある景品支持部材5と、それに対応する対応ブロック体61aとを、初期状態として設定する。
【0090】
具体的に、ゲーム管理者が
図11に示すように、7つの景品支持部材5を第1の状態に設定した場合、第2の検知部は当該景品支持部材5が第1の状態にあることを検知する。この状態で、ゲーム管理者が入力部10に入力動作を行うと、情報処理部92は、対応表を参照して、第1の状態にある景品支持部材5と、それに対応する対応ブロック体61aとを特定する。情報設定部94は、情報処理部92が特定した景品支持部材5と、対応ブロック体61aとを、初期状態として、ゲームに使用する景品支持部材5およびブロック体61に設定する。
【0091】
(報知部)
報知部95は、情報設定部94が設定した情報を報知する機能を有する。特に、報知部95は、ゲームに使用する景品支持部材5および/または操作指示部6を初期状態として報知する。また、報知部95は、景品支持部材5が第2の状態に変位したことを報知する。このような報知は、操作指示部6の対応ブロック体61aの表示装置を点滅または点灯させることにより実行される。これに限定されず、報知は、ゲームに使用する景品支持部材5および対応ブロック体61aを図示しないスピーカーにより音声で報知してもよい。また、景品支持部材5や対応ブロック体61aの震動、対応ブロック体61aの可動などにより、ゲームに使用する景品支持部材5および対応ブロック体61aを視覚的に報知してもよい。
【0092】
報知部95は、初期状態に設定された景品支持部材5および/または操作指示部6を報知してもよいが、入力部10が入力情報を受けたときにのみ、初期状態に設定された景品支持部材5および/または操作指示部6を報知することができる。したがって、ゲーム管理者は、景品支持部材5を初期状態に迅速に設定することができる。
【0093】
2.ゲーム装置の動作方法
次に、本実施形態のゲーム装置の動作方法について詳細に説明する。
図15は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置のゲーム全体の流れを示すフローチャート、
図16は、本発明のゲーム装置の景品支持部が変位する流れを示すフローチャートである。
【0094】
まず、プレイヤがコインを投入すると、情報取得部91がこの情報を取得する。これにより、ゲームが開始される。
図15に示すように、ゲームが開始されると、動作制御部93が、操作指示部6を作動させる(S501)。これにより、各ブロック体61の表示装置が順次点滅する(S502)。次に、処理はステップS503に移行する。なお、ステップS501の処理は、ゲーム開始前から行われていてもよい。この場合、例えば、ゲーム開始前は、ブロック体61の表示装置の点滅方向をランダムに制御しておき、ゲーム開始時から点滅方向を一定にすればよい。
【0095】
各ブロック体61が順次点滅している状態で、プレイヤは、変位させたい景品支持部5に対応するブロック体61が点灯する瞬間を狙って、操作部3への入力を行う。操作部3への入力がない場合、処理はステップS502に戻り、ステップS502およびS503の処理が繰り返される。
【0096】
操作部3への入力があった場合、その入力情報を情報取得部91が取得する。情報処理部92は、情報取得部91が取得した入力情報に基づき、その入力時に点灯したブロック体61を特定する(S504)。この時、情報処理部92は、特定したブロック体61の動作を動作制御部93に指示し、動作制御部93は、その特定されたブロック体61のみを点灯させる。
【0097】
これにより、プレイヤは、選択したブロック体61を確認でき、所望の景品支持部5を選択することができたかを確認することができる。この間、情報処理部92は、記憶部8に記憶された対応表を参照し、特定されたブロック体61に対応する景品支持部5があるかを判断する(S505)。
【0098】
対応する景品支持部5がある場合、処理はステップS506に移行し、情報処理部92は、対応する景品支持部5が第1の状態にあるかを判断する。一方、対応する景品支持部5がない場合、処理はステップS509に移行し、動作制御部93は、可動機構7を動作しないように制御する(S509)。その後、処理は、ステップ510に移行する。
【0099】
ステップS506において、対応する景品支持部5が第1の状態にない場合、処理はステップS509に移行し、動作制御部93は、可動機構7を動作しないように制御する(S509)。その後、処理は、ステップ510に移行する。一方、対応する景品支持部5が第1の状態にある場合は、処理はステップS507に移行し、動作制御部93は、対応する景品支持部5を第2の状態へと変位させる(S507)。
【0100】
ここで、ステップS507の処理を
図16を参照して詳細に説明する。まず、動作制御部93は、当該景品支持部5に対応する可動機構7の可動部71に電流を流すよう制御する(S5071)。可動部71に電流が流れると、可動部71に磁場が発生し、電磁力が発生する。これにより、可動部71が直線運動、すなわち、鉛直下方に移動する(S5072)。
【0101】
可動部71が直線運動すると、支持本体72は、連結部材721を中心に回動し、前方に傾く(S5073)。これにより、リンク部材73と支持本体72のギャップ722との係止が解除される(S5074)(
図13参照)。係止が解除されると、リンク部材73の突出部731がガイド部に沿って後方に移動する。そして、景品支持部5は、留め孔512aを中心に回動する。これにより、景品支持部5が第2の状態に変化する(S5075)。
【0102】
図15に戻って、処理は、ステップS508に移行する。情報処理部92は、対応する景品支持部5が第2の状態に変位したことにより、景品が落下したかどうかを判断する(S508)。景品が落下した場合は、ゲーム終了となる。一方、景品が落下していない場合、処理はステップS510に移行する。
【0103】
ステップS510において、情報処理部92がゲーム回数の有無を判断する。ゲーム回数が残っている場合は、処理はステップS502に戻り、ステップS502~ステップS510が繰り返される。一方、ゲーム回数が残っていない場合、ゲーム終了となる。
【0104】
以上、前述の処理方法は、コンピュータで実行されるプログラムで作成可能である。このようなプログラムは、CPU(central processing unit)、マイクロプロセッサ(micro processor)、GPU(graphic processing unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などによって実現される。
【0105】
<<第2実施形態>>
次に、本発明のゲーム装置の第2実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0106】
図17は、本発明の第2実施形態にかかるゲーム装置の可動機構を模式的に示す斜視図である。
【0107】
以下、第2実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0108】
本実施形態のゲーム装置1は、可動部71が水平方向から支持本体72に設けられている点以外は、前記第1実施形態のゲーム装置1と同様である。具体的に、
図17に示すように、可動部71は、その軸受けで、支持本体72の側面に接続されている。
【0109】
本実施形態では、水平方向に沿って可動部71が設けられるため、鉛直方向に可動部71用のスペースを設ける必要がない。そのため、可動機構7をコンパクトに構成することができる。また、本実施形態のゲーム装置1も第1実施形態のゲーム装置1と同様の効果を発揮することができる。
【0110】
なお、
図17では、支持本体72と、リンク部材73とが示されているが、本実施形態では、これらの部材を省略してもよい。すなわち、可動部71が景品支持部材5のスカート部512に直接接続されていてもよい。この場合であっても、可動部71の直線運動により、景品支持部材5が水平方向に変位することができるので、景品を景品取出空間223に移行させることができる。
【0111】
<<第3実施形態>>
次に、本発明のゲーム装置の第3実施形態を説明する。以下、第3実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
【0112】
本実施形態のゲーム装置1は、可動機構7が可動部71のみで構成されている点以外は、前記第1実施形態のゲーム装置1と同様である。具体的には、第3実施形態の可動部71は、景品支持部材5の取付部51に内蔵されている。そして、可動部71の軸受けが景品支持部材5の留め孔512a同士を連結する軸に接続されている。
【0113】
本実施形態では、可動部71に電気エネルギーが付与されていない状態で、景品支持部材5の水平状態が維持される。そして、可動部71に電気エネルギーが付与されると、電磁力により可動部71が直線運動し、可動部71の軸受けが留め孔512aの軸を中心に回動可能になる。これにより、景品支持部材5を第2の状態に変位することができる。このように、可動部71が取付部51に内蔵されているため、可動機構7をコンパクトに構成することができ、ゲーム装置1をさらに小型化することができる。また、本実施形態のゲーム装置1も第1実施形態のゲーム装置1と同様の効果を発揮することができる。
【0114】
以上、本発明のゲーム装置を、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の手段または構成物が付加されていてもよい。また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0115】
1…ゲーム装置 1A、1B…景品獲得ゲーム装置 2…筺体 21…筐体上部 211…正面 212…背面 213…凹部 214…空気孔 215…ゲーム空間 22…筐体下部 221…景品取出口 222…景品取出板 223…景品取出空間 224…補強部 225…扉 226…メンテナンスパネル 227…コイン機構 3…操作部 4…規定部 41…開口 42…連結部 5…景品支持部(景品支持部材) 51…取付部 511…本体 512…スカート部 512a…留め孔 512b…接続孔 513…スリット部 514…凸条 515…貫通孔 53…載置部 5E…拡張部材 5E1…拡張載置部 5E2…嵌合部 5E3…サブ嵌合部 6…操作指示部 61…ブロック体 61a…対応ブロック体 61b…非対応ブロック体 7…可動機構 71…可動部 72…支持本体 721…連結部材 722…ギャップ 723…爪部 73…リンク部材 731…突出部 8…記憶部 9…制御部 91…情報取得部 92…情報処理部 93…動作制御部 94…情報設定部 95…報知部 10…入力部 11…検知部