(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】時間管理装置、時間管理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/109 20230101AFI20240618BHJP
G07C 1/00 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
G06Q10/109
G07C1/00 C
(21)【出願番号】P 2020059947
(22)【出願日】2020-03-30
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000101617
【氏名又は名称】アマノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100187562
【氏名又は名称】沼田 義成
(72)【発明者】
【氏名】赤山 貴俊
(72)【発明者】
【氏名】原 隆一
(72)【発明者】
【氏名】加瀬 宏聡
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-200585(JP,A)
【文献】就業管理システム クロノスパフォーマンス,2019年12月10日,pp.1-20
【文献】雇用管理責任者必携 改訂 建設業の雇用管理実務 ,株式会社清文社,2013年06月01日,pp.145
【文献】就業・勤怠管理システム 就業大臣NX,2019年12月10日,pp.1-32
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの打刻操作に応じて、前記ユーザごとに雇用種別と関連付けられて予め登録された個人識別情報と、前記個人識別情報に対応していて前記打刻操作に応じて入力される打刻時入力情報とに基づいて打刻情報を生成する打刻情報生成部と、
前記個人識別情報ごとに、前記打刻情報を記憶する第1の記憶部と、
前記雇用種別ごとに、予め定めた勤務間隔時間数を記憶する第2の記憶部と、
前記打刻操作を行った前記ユーザについて、前記打刻操作の際の打刻時刻と、前記ユーザの前記雇用種別に対応する前記勤務間隔時間数とに基づいて、勤務間インターバル情報を生成する勤務間インターバル情報生成部と、
前記勤務間インターバル情報を前記ユーザに通知する勤務間インターバル情報通知部と、
を備え
、
前記打刻情報生成部は、出勤または退勤の前記打刻操作に応じて、出勤時刻または退勤時刻の前記打刻時刻を含む前記打刻情報を生成し、
前記勤務間インターバル情報生成部は、退勤の前記打刻操作に応じて、前記退勤時刻と前記勤務間隔時間数とに基づいて、前記勤務間インターバル情報として次回の勤務開始推奨時刻を生成し、
勤務区分ごとに、予め定めた通知時間帯を記憶する第3の記憶部と、
前記打刻時刻と、前記打刻操作に応じて決定される前記勤務区分に対応する前記通知時間帯とに基づいて、前記勤務間インターバル情報通知部により前記勤務間インターバル情報を通知するか否かを判定する通知判定部と、
を更に備えることを特徴とする時間管理装置。
【請求項2】
前記第2の記憶部は、前記雇用種別ごとに、予め定めた切り上げ単位を記憶し、
前記勤務間インターバル情報生成部は、前記打刻操作を行った前記ユーザの前記雇用種別に対応する前記切り上げ単位に基づいて前記退勤時刻を切り上げた時刻に、前記勤務間隔時間数を加算して前記勤務開始推奨時刻を算出することを特徴とする請求項
1に記載の時間管理装置。
【請求項3】
出勤または退勤の前記打刻操作に応じて、前記出勤時刻または前記退勤時刻を表示する表示部を更に備え、
前記勤務間インターバル情報通知部は、退勤の前記打刻操作に応じて、前記勤務開始推奨時刻を含む表示情報を前記表示部に表示することで前記勤務間インターバル情報を通知することを特徴とする請求項
1または2に記載の時間管理装置。
【請求項4】
前記打刻操作に応じて、前記打刻時入力情報を記録したタイムカードから前記打刻時入力情報を読み取る読取部と、
前記タイムカードへの印字処理を行う印字部と、
前記打刻情報に基づいて前記タイムカードに印字する印字情報を生成して、前記印字情報の前記タイムカードへの印字処理を前記印字部に指示する印字制御部と、
を更に備え、
前記印字制御部は、前記打刻操作に応じて、前記打刻時刻を含む前記印字情報を生成し、退勤の前記打刻操作の場合には、前記退勤時刻に加えて前記勤務開始推奨時刻を含む前記印字情報を生成することを特徴とする請求項
1~3の何れか1項に記載の時間管理装置。
【請求項5】
ユーザの打刻操作に応じて、前記ユーザごとに雇用種別と関連付けられて予め登録された個人識別情報と、前記個人識別情報に対応していて前記打刻操作に応じて入力される打刻時入力情報とに基づいて打刻情報を生成する打刻情報生成部と、
前記個人識別情報ごとに、前記打刻情報を記憶する第1の記憶部と、
前記雇用種別ごとに、予め定めた勤務間隔時間数を記憶する第2の記憶部と、
前記打刻操作を行った前記ユーザについて、前記打刻操作の際の打刻時刻と、前記ユーザの前記雇用種別に対応する前記勤務間隔時間数とに基づいて、勤務間インターバル情報を生成する勤務間インターバル情報生成部と、
前記勤務間インターバル情報を前記ユーザに通知する勤務間インターバル情報通知部と、
を備え、
前記打刻情報生成部は、出勤または退勤の前記打刻操作に応じて、出勤時刻または退勤時刻の前記打刻時刻を含む前記打刻情報を生成し、
前記勤務間インターバル情報生成部は、退勤の前記打刻操作に応じて、前記退勤時刻と前記勤務間隔時間数とに基づいて、前記勤務間インターバル情報として次回の勤務開始推奨時刻を生成し、
前記打刻情報生成部は、出勤の前記打刻操作に応じて、前記出勤時刻が前記勤務開始推奨時刻以降であるか否かの判定結果に基づいて前記打刻情報の生成を行うことを特徴とする時間管理装置。
【請求項6】
前記打刻情報生成部は、前記出勤時刻が前記勤務開始推奨時刻以降でない場合、勤務間インターバル違反の打刻エラーを出力し、前記打刻情報を生成しないことを特徴とする請求項
5に記載の時間管理装置。
【請求項7】
前記打刻情報生成部は、前記出勤時刻が前記勤務開始推奨時刻以降であるが始業時刻を超えている場合、出退勤例外区分を公用遅刻に設定することを特徴とする請求項
5または
6に記載の時間管理装置。
【請求項8】
前記打刻情報生成部は、前記出勤時刻が前記勤務開始推奨時刻以降でない場合であって、前記打刻操作を行った前記ユーザに違反時打刻許可が自動承認に設定されている場合、勤務間インターバル違反と判定する一方、打刻エラーを出力することなく、前記打刻情報を生成することを特徴とする請求項
5~
7の何れか1項に記載の時間管理装置。
【請求項9】
前記打刻情報生成部は、前記勤務間インターバル違反を判定すると共に前記打刻情報を生成した前記ユーザについて、違反回数をカウントし、
前記勤務間インターバル情報生成部は、前記打刻操作を行った前記ユーザについて前記勤務間インターバル情報を生成するとき、前記ユーザの前記違反回数に応じた違反加算時間を前記勤務間隔時間数に適用することを特徴とする請求項
8に記載の時間管理装置。
【請求項10】
時間管理装置の時間管理方法であって、
ユーザの打刻操作に応じて、前記ユーザごとに雇用種別と関連付けられて予め登録された個人識別情報と、前記個人識別情報に対応していて前記打刻操作に応じて入力される打刻時入力情報とに基づいて打刻情報を生成する打刻情報生成工程と、
前記個人識別情報ごとに、前記打刻情報を記憶する第1の記憶工程と、
前記雇用種別ごとに、予め定めた勤務間隔時間数を記憶する第2の記憶工程と、
前記打刻操作を行った前記ユーザについて、前記打刻操作の際の打刻時刻、と前記ユーザの前記雇用種別に対応する前記勤務間隔時間数とに基づいて、勤務間インターバル情報を生成する勤務間インターバル情報生成工程と、
前記勤務間インターバル情報を前記ユーザに通知する勤務間インターバル情報通知工程と、
を備え
、
前記打刻情報生成工程は、出勤または退勤の前記打刻操作に応じて、出勤時刻または退勤時刻の前記打刻時刻を含む前記打刻情報を生成し、
前記勤務間インターバル情報生成工程は、退勤の前記打刻操作に応じて、前記退勤時刻と前記勤務間隔時間数とに基づいて、前記勤務間インターバル情報として次回の勤務開始推奨時刻を生成し、
勤務区分ごとに、予め定めた通知時間帯を記憶する第3の記憶工程と、
前記打刻時刻と、前記打刻操作に応じて決定される前記勤務区分に対応する前記通知時間帯とに基づいて、前記勤務間インターバル情報通知工程により前記勤務間インターバル情報を通知するか否かを判定する通知判定工程と、
を更に備えることを特徴とする時間管理方法。
【請求項11】
時間管理装置のコンピュータに、
ユーザの打刻操作に応じて、前記ユーザごとに雇用種別と関連付けられて予め登録された個人識別情報と、前記個人識別情報に対応していて前記打刻操作に応じて入力される打刻時入力情報とに基づいて打刻情報を生成する打刻情報生成工程と、
前記個人識別情報ごとに、前記打刻情報を記憶する第1の記憶工程と、
前記雇用種別ごとに、予め定めた勤務間隔時間数を記憶する第2の記憶工程と、
前記打刻操作を行った前記ユーザについて、前記打刻操作の際の打刻時刻と、前記ユーザの前記雇用種別に対応する前記勤務間隔時間数とに基づいて、勤務間インターバル情報を生成する勤務間インターバル情報生成工程と、
前記勤務間インターバル情報を前記ユーザに通知する勤務間インターバル情報通知工程と、
を実行させ
、
前記打刻情報生成工程が、出勤または退勤の前記打刻操作に応じて、出勤時刻または退勤時刻の前記打刻時刻を含む前記打刻情報を生成し、
前記勤務間インターバル情報生成工程が、退勤の前記打刻操作に応じて、前記退勤時刻と前記勤務間隔時間数とに基づいて、前記勤務間インターバル情報として次回の勤務開始推奨時刻を生成し、
勤務区分ごとに、予め定めた通知時間帯を記憶する第3の記憶工程と、
前記打刻時刻と、前記打刻操作に応じて決定される前記勤務区分に対応する前記通知時間帯とに基づいて、前記勤務間インターバル情報通知工程により前記勤務間インターバル情報を通知するか否かを判定する通知判定工程と、
を更に実行させるためのプログラム。
【請求項12】
時間管理装置の時間管理方法であって、
ユーザの打刻操作に応じて、前記ユーザごとに雇用種別と関連付けられて予め登録された個人識別情報と、前記個人識別情報に対応していて前記打刻操作に応じて入力される打刻時入力情報とに基づいて打刻情報を生成する打刻情報生成工程と、
前記個人識別情報ごとに、前記打刻情報を記憶する第1の記憶工程と、
前記雇用種別ごとに、予め定めた勤務間隔時間数を記憶する第2の記憶工程と、
前記打刻操作を行った前記ユーザについて、前記打刻操作の際の打刻時刻、と前記ユーザの前記雇用種別に対応する前記勤務間隔時間数とに基づいて、勤務間インターバル情報を生成する勤務間インターバル情報生成工程と、
前記勤務間インターバル情報を前記ユーザに通知する勤務間インターバル情報通知工程と、
を備え、
前記打刻情報生成工程は、出勤または退勤の前記打刻操作に応じて、出勤時刻または退勤時刻の前記打刻時刻を含む前記打刻情報を生成し、
前記勤務間インターバル情報生成工程は、退勤の前記打刻操作に応じて、前記退勤時刻と前記勤務間隔時間数とに基づいて、前記勤務間インターバル情報として次回の勤務開始推奨時刻を生成し、
前記打刻情報生成工程は、出勤の前記打刻操作に応じて、前記出勤時刻が前記勤務開始推奨時刻以降であるか否かの判定結果に基づいて前記打刻情報の生成を行うことを特徴とする時間管理方法。
【請求項13】
時間管理装置のコンピュータに、
ユーザの打刻操作に応じて、前記ユーザごとに雇用種別と関連付けられて予め登録された個人識別情報と、前記個人識別情報に対応していて前記打刻操作に応じて入力される打刻時入力情報とに基づいて打刻情報を生成する打刻情報生成工程と、
前記個人識別情報ごとに、前記打刻情報を記憶する第1の記憶工程と、
前記雇用種別ごとに、予め定めた勤務間隔時間数を記憶する第2の記憶工程と、
前記打刻操作を行った前記ユーザについて、前記打刻操作の際の打刻時刻と、前記ユーザの前記雇用種別に対応する前記勤務間隔時間数とに基づいて、勤務間インターバル情報を生成する勤務間インターバル情報生成工程と、
前記勤務間インターバル情報を前記ユーザに通知する勤務間インターバル情報通知工程と、
を実行させ、
前記打刻情報生成工程が、出勤または退勤の前記打刻操作に応じて、出勤時刻または退勤時刻の前記打刻時刻を含む前記打刻情報を生成し、
前記勤務間インターバル情報生成工程が、退勤の前記打刻操作に応じて、前記退勤時刻と前記勤務間隔時間数とに基づいて、前記勤務間インターバル情報として次回の勤務開始推奨時刻を生成し、
前記打刻情報生成工程が、出勤の前記打刻操作に応じて、前記出勤時刻が前記勤務開始推奨時刻以降であるか否かの判定結果に基づいて前記打刻情報の生成を行うためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの出退勤などを管理する時間管理装置、時間管理方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの出退勤などを管理するタイムレコーダなどの時間管理装置は、タイムカードやIDカードなどを利用した打刻操作を受け付けて、タイムカードやIDカードなどからユーザの識別情報を読み取り、識別情報と共に打刻時刻を記録する。
【0003】
例えば、特許文献1の勤怠管理システムは、打刻者の生体情報を取得する打刻用端末と、打刻用端末により取得された生体情報に基づいて生体認証を行う勤怠管理サーバとを備える。この勤怠管理システムは、生体認証を利用して出退勤時の打刻を行うと共に、打刻時に予め定められた労働基準の閾値の超過をチェックし、アラームメッセージの表示やアラーム音声の出力を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
時間管理装置は、例えば、企業の従業者や管理者などのユーザの出退勤を管理するために用いられるところ、近年、ユーザの労働条件の適正化や長時間労働の抑制が課題となっている。働き方改革関連法に基づく労働時間等設定改善法では、前日の終業時刻から翌日の始業時刻の間に一定時間の休息を確保する、いわゆる勤務間インターバル制度が、事業主の努力義務として規定されている。しかしながら、従来の時間管理装置では、このような勤務間インターバル制度に対応して労働時間や勤務状況を管理することはできない。例えば、上記した特許文献1の勤怠管理システムでは、予め定められた労働基準の閾値を打刻時にチェックし、アラームメッセージの表示や音声の出力を行う技術が開示されているが、ユーザが勤務間インターバル制度に対応することについて、何ら考慮されておらず、ユーザそれぞれの退勤時刻に基づいて前日の終業時刻から翌日の始業時刻の間に一定時間の休息を確保する仕組みについても、何ら考慮されていない。
【0006】
なお、小規模人数の事業所や店舗などでは、時間管理装置として、時間集計や時給計算ができるタイムカード方式の多機能タイムレコーダが、独自の地位を占めている。そのため、時間管理装置は、大規模な装置やシステムを構成することなく、勤務間インターバル制度に対応して労働時間や勤務状況を管理することが求められる。
【0007】
本発明は、上記したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、大規模に構成せずに、ユーザの負担を軽減しつつ、勤務間インターバル制度に対応して、労働時間や勤務状況を適正に把握すると共に一定時間以上の休息を確保する時間管理装置、時間管理方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の時間管理装置は、ユーザの打刻操作に応じて、前記ユーザごとに雇用種別と関連付けられて予め登録された個人識別情報と、前記個人識別情報に対応していて前記打刻操作に応じて入力される打刻時入力情報とに基づいて打刻情報を生成する打刻情報生成部と、前記個人識別情報ごとに、前記打刻情報を記憶する第1の記憶部と、前記雇用種別ごとに、予め定めた勤務間隔時間数を記憶する第2の記憶部と、前記打刻操作を行った前記ユーザについて、前記打刻操作の際の打刻時刻と、前記ユーザの前記雇用種別に対応する前記勤務間隔時間数とに基づいて、勤務間インターバル情報を生成する勤務間インターバル情報生成部と、前記勤務間インターバル情報を前記ユーザに通知する勤務間インターバル情報通知部と、を備え、前記打刻情報生成部は、出勤または退勤の前記打刻操作に応じて、出勤時刻または退勤時刻の前記打刻時刻を含む前記打刻情報を生成し、前記勤務間インターバル情報生成部は、退勤の前記打刻操作に応じて、前記退勤時刻と前記勤務間隔時間数とに基づいて、前記勤務間インターバル情報として次回の勤務開始推奨時刻を生成し、
勤務区分ごとに、予め定めた通知時間帯を記憶する第3の記憶部と、前記打刻時刻と、前記打刻操作に応じて決定される前記勤務区分に対応する前記通知時間帯とに基づいて、前記勤務間インターバル情報通知部により前記勤務間インターバル情報を通知するか否かを判定する通知判定部と、を更に備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の第1の時間管理装置によれば、打刻操作時にユーザに勤務間インターバル情報を通知するので、ユーザは、勤務間インターバル情報を打刻操作時に確認することができ、勤務間インターバル情報に従うことで、一定時間の休息を取ることができ、生活時間や睡眠時間を確保することができる。また、ユーザ各自が勤務間インターバル情報を管理する必要がないので、ユーザの負担を軽減することができる。更に、雇用種別ごとに定めた勤務間隔時間数に基づいて勤務間インターバル情報を生成するので、勤務間インターバル情報を各ユーザに合わせて通知することができる。なお、時間管理装置が単独で勤務間インターバル情報を管理するので、大規模な装置やシステムを構成する必要がない。このように、大規模に構成せずに、ユーザの負担を軽減しつつ、勤務間インターバル制度に対応して、労働時間や勤務状況を適正に把握すると共に一定時間以上の休息を確保することができる。
また、退勤時刻と勤務間隔時間数とを管理しつつ、勤務間インターバル情報として次回の勤務開始推奨時刻をユーザに通知するので、ユーザは、退勤の操作時に、次回に出勤するべき時刻を確認することができ、勤務間インターバル情報を管理する負担を軽減することができる。
また、勤務開始推奨時刻が定時の出勤時間帯となる場合など、勤務間インターバル情報の通知が不要な時間帯の場合には、勤務間インターバル情報を通知しないので、不要な通知を省略することができる。また、勤務間インターバル情報の通知が必要な時間帯のみ、勤務間インターバル情報が通知されるので、ユーザに対して、注意すべき勤務間インターバル情報を強調することができる。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の第2の時間管理装置において、前記第2の記憶部は、前記雇用種別ごとに、予め定めた切り上げ単位を記憶し、前記勤務間インターバル情報生成部は、前記打刻操作を行った前記ユーザの前記雇用種別に対応する前記切り上げ単位に基づいて前記退勤時刻を切り上げた時刻に、前記勤務間隔時間数を加算して前記勤務開始推奨時刻を算出する。
【0013】
本発明の第2の時間管理装置によれば、各企業などが各自の規則に応じて、雇用種別ごとに退勤時刻の切り上げ単位を設定することができ、雇用形態に応じて異なる勤務インターバル情報を設定することができる。また、勤務開始推奨時刻を算出する元になる退勤時刻を各自の規則に合わせて正確に決定することができる。
【0016】
上記課題を解決するために、本発明の第3の時間管理装置は、出勤または退勤の前記打刻操作に応じて、前記出勤時刻または前記退勤時刻を表示する表示部を更に備え、前記勤務間インターバル情報通知部は、退勤の前記打刻操作に応じて、前記勤務開始推奨時刻を含む表示情報を前記表示部に表示することで前記勤務間インターバル情報を通知する。
【0017】
本発明の第3の時間管理装置によれば、ユーザに対して勤務間インターバル情報を打刻操作時に視認させることができ、勤務間インターバル情報の確認を促すことができる。
【0018】
上記課題を解決するために、本発明の第4の時間管理装置は、前記打刻操作に応じて、前記打刻時入力情報を記録したタイムカードから前記打刻時入力情報を読み取る読取部と、前記タイムカードへの印字処理を行う印字部と、前記打刻情報に基づいて前記タイムカードに印字する印字情報を生成して、前記印字情報の前記タイムカードへの印字処理を前記印字部に指示する印字制御部と、を更に備え、前記印字制御部は、前記打刻操作に応じて、前記打刻時刻を含む前記印字情報を生成し、退勤の前記打刻操作の場合には、前記退勤時刻に加えて前記勤務開始推奨時刻を含む前記印字情報を生成する。
【0019】
本発明の第4の時間管理装置によれば、勤務間インターバル情報の記録をタイムカードに残すことができ、ユーザは、タイムカードを確認することで、いつでも勤務間インターバル情報を確認することができる。
【0020】
上記課題を解決するために、本発明の第5の時間管理装置は、ユーザの打刻操作に応じて、前記ユーザごとに雇用種別と関連付けられて予め登録された個人識別情報と、前記個人識別情報に対応していて前記打刻操作に応じて入力される打刻時入力情報とに基づいて打刻情報を生成する打刻情報生成部と、前記個人識別情報ごとに、前記打刻情報を記憶する第1の記憶部と、前記雇用種別ごとに、予め定めた勤務間隔時間数を記憶する第2の記憶部と、前記打刻操作を行った前記ユーザについて、前記打刻操作の際の打刻時刻と、前記ユーザの前記雇用種別に対応する前記勤務間隔時間数とに基づいて、勤務間インターバル情報を生成する勤務間インターバル情報生成部と、前記勤務間インターバル情報を前記ユーザに通知する勤務間インターバル情報通知部と、を備え、前記打刻情報生成部は、出勤または退勤の前記打刻操作に応じて、出勤時刻または退勤時刻の前記打刻時刻を含む前記打刻情報を生成し、前記勤務間インターバル情報生成部は、退勤の前記打刻操作に応じて、前記退勤時刻と前記勤務間隔時間数とに基づいて、前記勤務間インターバル情報として次回の勤務開始推奨時刻を生成し、前記打刻情報生成部は、出勤の前記打刻操作に応じて、前記出勤時刻が前記勤務開始推奨時刻以降であるか否かの判定結果に基づいて前記打刻情報の生成を行うことを特徴とする。
【0021】
本発明の第5の時間管理装置によれば、打刻操作時にユーザに勤務間インターバル情報を通知するので、ユーザは、勤務間インターバル情報を打刻操作時に確認することができ、勤務間インターバル情報に従うことで、一定時間の休息を取ることができ、生活時間や睡眠時間を確保することができる。また、ユーザ各自が勤務間インターバル情報を管理する必要がないので、ユーザの負担を軽減することができる。更に、雇用種別ごとに定めた勤務間隔時間数に基づいて勤務間インターバル情報を生成するので、勤務間インターバル情報を各ユーザに合わせて通知することができる。なお、時間管理装置が単独で勤務間インターバル情報を管理するので、大規模な装置やシステムを構成する必要がない。このように、大規模に構成せずに、ユーザの負担を軽減しつつ、勤務間インターバル制度に対応して、労働時間や勤務状況を適正に把握すると共に一定時間以上の休息を確保することができる。
また、退勤時刻と勤務間隔時間数とを管理しつつ、勤務間インターバル情報として次回の勤務開始推奨時刻をユーザに通知するので、ユーザは、退勤の操作時に、次回に出勤するべき時刻を確認することができ、勤務間インターバル情報を管理する負担を軽減することができる。
また、出勤時刻が勤務間インターバル制度に適合しているか否かを判定することができ、その判定結果に基づいて打刻情報を生成することで、管理者は、事後の打刻情報の修正処理を軽減するように運用することができる。
【0022】
上記課題を解決するために、本発明の第6の時間管理装置において、前記打刻情報生成部は、前記出勤時刻が前記勤務開始推奨時刻以降でない場合、勤務間インターバル違反の打刻エラーを出力し、前記打刻情報を生成しない。
【0023】
本発明の第6の時間管理装置によれば、出勤時刻が勤務間インターバル制度に反していることをユーザに認識させることができる。また、勤務間インターバル制度に反している場合には打刻情報を生成しないため、出勤として取り扱われなくなるので、勤務開始推奨時刻以降の出勤を奨励し、勤務間インターバル制度に反する出勤を抑制することができる。
【0024】
上記課題を解決するために、本発明の第7の時間管理装置において、前記打刻情報生成部は、前記出勤時刻が前記勤務開始推奨時刻以降であるが始業時刻を超えている場合、出退勤例外区分を公用遅刻に設定する。
【0025】
本発明の第7の時間管理装置によれば、通常であれば出勤時刻が始業時刻を超えている場合には遅刻として取り扱われるところ、公用遅刻に設定することにより、ユーザは就業規則と勤務間インターバル制度を同時に守ることができるので、勤務開始推奨時刻以降の出勤を奨励し、勤務間インターバル制度に反する出勤を抑制することができる。
【0026】
上記課題を解決するために、本発明の第8の時間管理装置において、前記打刻情報生成部は、前記出勤時刻が前記勤務開始推奨時刻以降でない場合であって、前記打刻操作を行った前記ユーザに違反時打刻許可が自動承認に設定されている場合、勤務間インターバル違反と判定する一方、打刻エラーを出力することなく、前記打刻情報を生成する。
【0027】
本発明の第8の時間管理装置によれば、勤務間インターバル制度に反していても止むを得ず出勤しなければならないユーザに対しては、出勤として取り扱うことで、勤務間インターバル制度に合わない時間帯でも勤務時間として認めることができる。
【0028】
上記課題を解決するために、本発明の第9の時間管理装置において、前記打刻情報生成部は、前記勤務間インターバル違反を判定すると共に前記打刻情報を生成した前記ユーザについて、違反回数をカウントし、前記勤務間インターバル情報生成部は、前記打刻操作を行った前記ユーザについて前記勤務間インターバル情報を生成するとき、前記ユーザの前記違反回数に応じた違反加算時間を前記勤務間隔時間数に適用する。
【0029】
本発明の第9の時間管理装置によれば、勤務間インターバル制度に反する勤務が多くなるユーザに対しては、勤務間隔時間数を加算するので、ユーザは、就業規則を守りつつ、勤務による疲労の蓄積度合いが考慮された十分な休息時間を確保することができる。
【0030】
上記課題を解決するために、本発明の時間管理装置の時間管理方法は、ユーザの打刻操作に応じて、前記ユーザごとに雇用種別と関連付けられて予め登録された個人識別情報と、前記個人識別情報に対応していて前記打刻操作に応じて入力される打刻時入力情報とに基づいて打刻情報を生成する打刻情報生成工程と、前記個人識別情報ごとに、前記打刻情報を記憶する第1の記憶工程と、前記雇用種別ごとに、予め定めた勤務間隔時間数を記憶する第2の記憶工程と、前記打刻操作を行った前記ユーザについて、前記打刻操作の際の打刻時刻、と前記ユーザの前記雇用種別に対応する前記勤務間隔時間数とに基づいて、勤務間インターバル情報を生成する勤務間インターバル情報生成工程と、前記勤務間インターバル情報を前記ユーザに通知する勤務間インターバル情報通知工程と、を備え、前記打刻情報生成工程は、出勤または退勤の前記打刻操作に応じて、出勤時刻または退勤時刻の前記打刻時刻を含む前記打刻情報を生成し、前記勤務間インターバル情報生成工程は、退勤の前記打刻操作に応じて、前記退勤時刻と前記勤務間隔時間数とに基づいて、前記勤務間インターバル情報として次回の勤務開始推奨時刻を生成し、
勤務区分ごとに、予め定めた通知時間帯を記憶する第3の記憶工程と、前記打刻時刻と、前記打刻操作に応じて決定される前記勤務区分に対応する前記通知時間帯とに基づいて、前記勤務間インターバル情報通知工程により前記勤務間インターバル情報を通知するか否かを判定する通知判定工程と、を更に備えることを特徴とする。
あるいは、本発明の時間管理装置の時間管理方法は、ユーザの打刻操作に応じて、前記ユーザごとに雇用種別と関連付けられて予め登録された個人識別情報と、前記個人識別情報に対応していて前記打刻操作に応じて入力される打刻時入力情報とに基づいて打刻情報を生成する打刻情報生成工程と、前記個人識別情報ごとに、前記打刻情報を記憶する第1の記憶工程と、前記雇用種別ごとに、予め定めた勤務間隔時間数を記憶する第2の記憶工程と、前記打刻操作を行った前記ユーザについて、前記打刻操作の際の打刻時刻、と前記ユーザの前記雇用種別に対応する前記勤務間隔時間数とに基づいて、勤務間インターバル情報を生成する勤務間インターバル情報生成工程と、前記勤務間インターバル情報を前記ユーザに通知する勤務間インターバル情報通知工程と、を備え、前記打刻情報生成工程は、出勤または退勤の前記打刻操作に応じて、出勤時刻または退勤時刻の前記打刻時刻を含む前記打刻情報を生成し、前記勤務間インターバル情報生成工程は、退勤の前記打刻操作に応じて、前記退勤時刻と前記勤務間隔時間数とに基づいて、前記勤務間インターバル情報として次回の勤務開始推奨時刻を生成し、前記打刻情報生成工程は、出勤の前記打刻操作に応じて、前記出勤時刻が前記勤務開始推奨時刻以降であるか否かの判定結果に基づいて前記打刻情報の生成を行うことを特徴とする。
【0031】
本発明の時間管理方法によれば、大規模に構成せずに、ユーザの負担を軽減しつつ、勤務間インターバル制度に対応して、労働時間や勤務状況を適正に把握すると共に一定時間以上の休息を確保することができる。
【0032】
上記課題を解決するために、本発明のプログラムは、時間管理装置のコンピュータに、ユーザの打刻操作に応じて、前記ユーザごとに雇用種別と関連付けられて予め登録された個人識別情報と、前記個人識別情報に対応していて前記打刻操作に応じて入力される打刻時入力情報とに基づいて打刻情報を生成する打刻情報生成工程と、前記個人識別情報ごとに、前記打刻情報を記憶する第1の記憶工程と、前記雇用種別ごとに、予め定めた勤務間隔時間数を記憶する第2の記憶工程と、前記打刻操作を行った前記ユーザについて、前記打刻操作の際の打刻時刻と、前記ユーザの前記雇用種別に対応する前記勤務間隔時間数とに基づいて、勤務間インターバル情報を生成する勤務間インターバル情報生成工程と、前記勤務間インターバル情報を前記ユーザに通知する勤務間インターバル情報通知工程と、を実行させ、前記打刻情報生成工程が、出勤または退勤の前記打刻操作に応じて、出勤時刻または退勤時刻の前記打刻時刻を含む前記打刻情報を生成し、前記勤務間インターバル情報生成工程が、退勤の前記打刻操作に応じて、前記退勤時刻と前記勤務間隔時間数とに基づいて、前記勤務間インターバル情報として次回の勤務開始推奨時刻を生成し、
勤務区分ごとに、予め定めた通知時間帯を記憶する第3の記憶工程と、前記打刻時刻と、前記打刻操作に応じて決定される前記勤務区分に対応する前記通知時間帯とに基づいて、前記勤務間インターバル情報通知工程により前記勤務間インターバル情報を通知するか否かを判定する通知判定工程と、を更に実行させるためのプログラムである。
あるいは、本発明のプログラムは、時間管理装置のコンピュータに、ユーザの打刻操作に応じて、前記ユーザごとに雇用種別と関連付けられて予め登録された個人識別情報と、前記個人識別情報に対応していて前記打刻操作に応じて入力される打刻時入力情報とに基づいて打刻情報を生成する打刻情報生成工程と、前記個人識別情報ごとに、前記打刻情報を記憶する第1の記憶工程と、前記雇用種別ごとに、予め定めた勤務間隔時間数を記憶する第2の記憶工程と、前記打刻操作を行った前記ユーザについて、前記打刻操作の際の打刻時刻と、前記ユーザの前記雇用種別に対応する前記勤務間隔時間数とに基づいて、勤務間インターバル情報を生成する勤務間インターバル情報生成工程と、前記勤務間インターバル情報を前記ユーザに通知する勤務間インターバル情報通知工程と、を実行させ、前記打刻情報生成工程が、出勤または退勤の前記打刻操作に応じて、出勤時刻または退勤時刻の前記打刻時刻を含む前記打刻情報を生成し、前記勤務間インターバル情報生成工程が、退勤の前記打刻操作に応じて、前記退勤時刻と前記勤務間隔時間数とに基づいて、前記勤務間インターバル情報として次回の勤務開始推奨時刻を生成し、前記打刻情報生成工程が、出勤の前記打刻操作に応じて、前記出勤時刻が前記勤務開始推奨時刻以降であるか否かの判定結果に基づいて前記打刻情報の生成を行うためのプログラムである。
【0033】
本発明のプログラムによれば、大規模に構成せずに、ユーザの負担を軽減しつつ、勤務間インターバル制度に対応して、労働時間や勤務状況を適正に把握すると共に一定時間以上の休息を確保することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、大規模に構成せずに、ユーザの負担を軽減しつつ、勤務間インターバル制度に対応して、労働時間や勤務状況を適正に把握すると共に一定時間以上の休息を確保する時間管理装置、時間管理方法およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の実施形態に係る時間管理装置を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る時間管理装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る時間管理装置における打刻情報の例を示す表である。
【
図4】本発明の実施形態に係る時間管理装置における個人マスタ情報の例を示す表である。
【
図5】本発明の実施形態に係る時間管理装置における個人マスタ情報の例を示す表である。
【
図6】本発明の実施形態に係る時間管理装置における雇用種別情報の例を示す表である。
【
図7】本発明の実施形態に係る時間管理装置における退勤時刻と切り上げ単位の関係の例を示す表である。
【
図8】本発明の実施形態に係る時間管理装置における勤務区分情報の例を示す表である。
【
図9】本発明の実施形態に係る時間管理装置における打刻操作画面の例を示す平面図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る時間管理装置における出勤打刻メッセージ画面の例を示す平面図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る時間管理装置におけるエラーメッセージ画面の例を示す平面図である。
【
図12】本発明の実施形態に係る時間管理装置における退勤打刻メッセージ画面の例を示す平面図である。
【
図13】本発明の実施形態に係る時間管理装置における退勤の打刻操作時の動作の例を示すフローチャートである。
【
図14】本発明の実施形態に係る時間管理装置における打刻情報生成の動作の例を示すフローチャートである。
【
図15】本発明の実施形態に係る時間管理装置における勤務間インターバル情報生成の動作の例を示すフローチャートである。
【
図16】本発明の実施形態に係る時間管理装置における表示情報生成の動作の例を示すフローチャートである。
【
図17】本発明の実施形態に係る時間管理装置における印字情報生成の動作の例を示すフローチャートである。
【
図18】本発明の実施形態に係る時間管理装置における通知判定の動作の例を示すフローチャートである。
【
図19】本発明の実施形態に係る時間管理装置における出勤の打刻操作時の動作の例を示すフローチャートである。
【
図20】本発明の実施形態に係る時間管理装置における違反判定の動作の例を示すフローチャートである。
【
図21】本発明の実施形態に係る時間管理装置におけるタイムカードの例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。以下の実施形態は、本発明の好適な具体例であって、種々の好ましい技術を開示しているが、本発明の技術範囲はこれらの態様に限定されるものではない。
【0037】
本発明の実施形態による時間管理装置1について説明する。時間管理装置1は、従業者や管理者などのユーザの出退勤などを管理する装置であって、勤務間インターバル制度を満たすための勤務間インターバル情報を生成して管理する。時間管理装置1は、
図1に示すように、各部を収容する装置本体2と、タイムカードTCを挿入する挿入口3と、表示部12および操作入力部13(
図2参照)を兼ねるタッチパネル4とを備えている。時間管理装置1は、いわゆるタイムカード方式のタイムレコーダで構成されていて、出勤時刻や退勤時刻などの打刻時刻をタイムカードTCに記録する装置である。
【0038】
なお、タイムカードTCは、打刻時刻を印字可能なカードである。また、タイムカードTCは、各ユーザに固有に設定されて各ユーザを識別する個人識別情報に対応したカード識別情報(打刻時入力情報)を、磁気ストライプやバーコードなどの記録方式で読み取り可能に記録していて、ユーザごとに用意される。また、タイムカードTCは、出勤や退勤などの打刻区分ごとのタイムカードTCを各ユーザに用意してもよく、あるいは、複数の打刻区分に共通の1枚のタイムカードTCを各ユーザに用意してもよい。
【0039】
次に、時間管理装置1の概要について説明する。時間管理装置1は、ユーザの出勤や退勤の打刻操作に応じて、出勤時刻や退勤時刻などの打刻時刻を含む打刻情報を生成し、打刻情報に基づく印字情報をタイムカードTCに印字することで記録する。例えば、打刻操作は、タイムカードTCの挿入口3への挿入である。また、時間管理装置1は、出勤打刻または退勤打刻が勤務間インターバル情報(勤務間インターバル制度)に違反する場合、通常、打刻操作を成立させずに、打刻情報の生成および記録を行わない。一方、時間管理装置1は、出勤または退勤が勤務間インターバル情報に違反する場合でも、例外として、管理者の承認を受けている場合には、勤務間インターバル違反を設定すると共に、打刻操作を成立させて打刻情報を生成および記録する。
【0040】
打刻に関する打刻情報は、例えば、
図3に示すように、各ユーザの個人識別情報である個人IDおよびカード番号、打刻日付、打刻時刻、雇用種別、打刻時勤務区分(勤務シフト)、打刻区分、例外区分、勤務開始推奨時刻、勤務間インターバル違反回数などを含む。
【0041】
個人IDは、ユーザに固有に割り当てられる識別情報であり、カード番号は、ユーザが使用するタイムカードTCに割り当てられる通し番号であり、個人IDまたはカード番号によってユーザを特定可能となる。雇用種別は、社員、アルバイト、パートなどの雇用種類を識別可能な情報であって、雇用種別ごとに割り当てられる雇用種別番号や雇用種別の名称で示されてよい。
【0042】
打刻時勤務区分は、始業時刻から終業時刻までの就業時間帯などの勤務区分(勤務パターン)を識別可能な情報であって、勤務区分ごとに割り当てられる勤務区分番号や勤務区分の名称で示されてよい。なお、ユーザの勤務区分は、後述する個人マスタ情報に予め定められているが、打刻操作時に選択されてもよい。
【0043】
打刻区分は、出勤や退勤などの打刻種類を識別可能な情報であって、打刻区分ごとに割り当てられる打刻区分番号や打刻区分の名称で示されてよい。例外区分は、就業時間帯の例外となる早出、公用遅刻、残業、半休などの出退勤例外を識別可能な情報であって、例外区分ごとに割り当てられる例外区分番号や例外区分の名称で示されてよく、出退勤例外があった打刻情報のみに設定してよい。
【0044】
勤務開始推奨時刻は、退勤に対する次回の出勤(例えば、翌日の出勤)に推奨する出勤時刻であって、勤務間インターバル情報に含まれ、退勤の打刻情報のみに設定してよい。勤務開始推奨時刻は、例えば、後述する勤務間隔時間数を退勤時刻に加算して算出される。勤務間インターバル違反回数は、勤務間インターバル違反の通算回数を示し、勤務間インターバル違反を設定した打刻情報のみに設定してよい。
【0045】
次に、時間管理装置1の電気的構成について説明する。時間管理装置1は、商用電源から電力供給を受けて動作するように構成されている。時間管理装置1は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)などで構成される制御部10と、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクなどの記憶媒体で構成される記憶部11とを備える。
【0046】
制御部10は、バス10aを介して記憶部11に接続され、バス10aは、更にインタフェース10bに接続されている。制御部10および記憶部11は、バス10aおよびインタフェース10bと共に装置本体2の内部に設けられる。制御部10は、バス10aおよびインタフェース10bを介して、上記のタッチパネル4を構成する表示部12および操作入力部13や、時計部14、カード検出部15、カード搬送部16、カード読取部17、カード印字部18、音声出力部19、外部記録媒体接続部20などの時間管理装置1の各部に接続されている。
【0047】
また、制御部10は、記憶部11に記憶されたプログラムやデータに基づいて演算処理を実行することにより、各部および各種機能を統括制御する。例えば、制御部10は、記憶部11に記憶された打刻管理プログラムを実行することにより、打刻情報生成部30、勤務間インターバル情報生成部31、勤務間インターバル情報通知部32、通知判定部33および印字制御部34として動作する。換言すれば、時間管理装置1は、打刻情報生成部30の打刻情報生成工程、勤務間インターバル情報生成部31の勤務間インターバル情報生成工程、勤務間インターバル情報通知部32の勤務間インターバル情報通知工程、通知判定部33の通知判定工程および印字制御部34の印字制御工程を含む打刻管理方法を、打刻管理プログラムによって実現している。
【0048】
また、記憶部11は、ユーザに関する個人マスタ情報をユーザごとに記憶するマスタ情報記憶部40と、上記した打刻情報を個人識別情報ごと、すなわちユーザごとに記憶する打刻情報記憶部41(第1の記憶部)と、雇用種別に関する雇用種別情報を雇用種別ごとに記憶する雇用種別情報記憶部42(第2の記憶部)と、勤務区分に関する勤務区分情報を勤務区分ごとに記憶する勤務区分情報記憶部43(第3の記憶部)とを備える。マスタ情報記憶部40、打刻情報記憶部41、雇用種別情報記憶部42および勤務区分情報記憶部43は、同じ記憶媒体の異なる記憶領域に設けられてもよく、あるいは、異なる記憶媒体に設けられてもよい。なお、外部記録媒体接続部20に着脱可能に接続されるUSB(Universal Serial Bus)メモリなどのリムーバブル記録媒体21も、記憶部11の記憶媒体として機能してよい。
【0049】
マスタ情報記憶部40に記憶される各ユーザの個人マスタ情報は、例えば、
図4や
図5に示すように、各ユーザの個人識別情報である個人IDおよびカード番号、氏名、雇用種別、通常時勤務区分、最終打刻情報、勤務間インターバル違反回数などを含む。
【0050】
個人マスタ情報において、カード番号は、各ユーザが使用中のタイムカードTCのカード番号であって、使用するタイムカードTCを更新する際にカード番号も更新される。最終打刻情報は、各ユーザが前回に打刻操作を成立させたときに生成された打刻情報に対応していて、打刻日付、打刻時刻、打刻時勤務区分、打刻区分、例外区分などを含み、打刻区分が退勤の場合には、勤務開始推奨時刻を含む。勤務間インターバル違反回数は、勤務間インターバル違反が設定される度に更新される。
【0051】
打刻情報記憶部41に記憶される打刻情報は、上記したように、
図3に示すように、各ユーザの個人識別情報である個人IDおよびカード番号、打刻日付、打刻時刻、雇用種別、打刻時勤務区分、打刻区分、例外区分、勤務開始推奨時刻、勤務間インターバル違反回数などを含む。
【0052】
雇用種別情報記憶部42に記憶される雇用種別情報は、例えば、
図6に示すように、雇用種別番号、雇用種別名称、締め日、打刻モード、勤務間隔時間数、切り上げ単位、違反上限、違反加算時間、違反時打刻許可などを含む。
【0053】
雇用種別情報において、勤務間隔時間数は、勤務間インターバル制度において今回の退勤時刻と次回の出勤時刻との間に空けることが推奨される時間であり、所定の範囲内(例えば、1~1439分)で設定され、上記したように、勤務開始推奨時刻を算出するために用いられる。切り上げ単位は、勤務開始推奨時刻の算出において勤務間隔時間数が加算される前に、時刻の0分を基準として退勤時刻を切り上げる単位時間であり、所定の範囲内(例えば、2~60分)で設定される。換言すれば、退勤の打刻操作時に計測された退勤時刻を、切り上げ単位に基づいて切り上げた時刻に対して、勤務間隔時間数を加算して勤務開始推奨時刻が算出される。
【0054】
例えば、
図7に示すように、切り上げ単位が30分に設定されているとき、打刻時刻が22:01~22:30の間であれば、打刻時刻は22:30に切り上げられ、このとき、勤務間隔時間数が9時間に設定されていれば、勤務開始推奨時刻は7:30になり、勤務間隔時間数が11時間に設定されていれば、勤務開始推奨時刻は9:30になる。また、打刻時刻が22:31~23:00の間であれば、打刻時刻は23:00に切り上げられこのとき、勤務間隔時間数が9時間に設定されていれば、勤務開始推奨時刻は8:00になり、勤務間隔時間数が11時間に設定されていれば、勤務開始推奨時刻は10:00になる。また、打刻時刻が23:01~23:30の間であれば、打刻時刻は23:30に切り上げられこのとき、勤務間隔時間数が9時間に設定されていれば、勤務開始推奨時刻は8:30になり、勤務間隔時間数が11時間に設定されていれば、勤務開始推奨時刻は10:30になる。
【0055】
違反上限および違反加算時間は、勤務間インターバル違反回数に応じて勤務間隔時間数を変更するための設定値であって、例えば、勤務間インターバル違反回数が多いユーザに対して、退勤時刻に加算される勤務間隔時間数を増加させる設定値である。具体的には、勤務間インターバル違反回数が違反上限を超えた場合、予め設定された勤務間隔時間数に加えて違反加算時間を退勤時間に加算して勤務開始推奨時刻を算出する。
【0056】
なお、違反上限および違反加算時間は、勤務間インターバル違反回数に応じて段階的に勤務間隔時間数を変更するように設定されてよく、例えば、第1の違反上限およびそれに対応する第1の違反加算時間と、第1の違反上限を超える第2の違反上限およびそれに対応する第1の違反加算時間より多い第2の違反加算時間とが設定されてよい。本実施形態では、2段階の違反上限および2段階の違反加算時間の例を説明したが、違反上限および違反加算時間は、3段階以上設定されてよく、あるいは、勤務間インターバル違反回数に比例する所定の数式によって違反加算時間を算出してもよい。
【0057】
違反時打刻許可は、出勤または退勤が勤務間インターバル情報に違反する場合(例えば、出勤時刻が勤務開始推奨時刻より前である場合)、例外動作として、自動的に打刻操作を成立させるか否かを示す。例えば、管理者の承認を受けていて自動的に打刻操作を成立させる場合、違反時打刻許可は自動承認に設定され、管理者の承認が必要なために打刻操作を成立させない場合、違反時打刻許可は承認要に設定される。
【0058】
勤務区分情報記憶部43に記憶される勤務区分情報は、例えば、
図8に示すように、勤務区分番号、勤務区分名称、日付切替時刻、日付切替モード、始業時刻、終業時刻、通知開始時刻、通知終了時刻などを含む。
【0059】
通知開始時刻および通知終了時刻は、勤務間インターバル情報を通知するか否かを判定するための通知時間帯を決定するための情報である。例えば、退勤時刻が通知開始時刻から通知終了時刻までの通知時間帯内の場合に、勤務開始推奨時刻などの勤務間インターバル情報を、表示部12によるメッセージ表示によって通知する。一方、退勤時刻が通知時間帯内でない場合には、勤務間インターバル情報を通知しない。なお、通知開始時刻および通知終了時刻が設定されずに通知時間帯が決定されない場合には、勤務間インターバル情報を常に通知してよい。
【0060】
次に、時間管理装置1の各部について説明する。
【0061】
タッチパネル4は、装置本体2の前面に設けられる。表示部12は、液晶ディスプレイなどの表示装置で構成され、操作入力部13は、抵抗膜方式や静電容量方式などの位置入力装置で構成され、表示部12および操作入力部13を組み合わせてタッチパネル4が構成される。表示部12は、制御部10によって制御されて様々な操作キーを備えた様々な画面を表示し、操作入力部13が操作キーの操作を検出することでユーザの操作が制御部10に入力される。
【0062】
表示部12は、例えば、
図9に示すように、打刻操作を受け付ける待機状態において打刻操作画面50を表示する。打刻操作画面50は、日時表示部51を含み、また、ユーザの操作入力を受け付けるテンキー52、例外選択キー53などを表示する。例外選択キー53は、ユーザの出退勤例外を選択する操作キーで合って、早出キー、公用遅刻キー、残業キー、半休キー、休日出勤キー、翌日出張キー、翌日年休キーなどを含む。各例外選択キー53の操作に応じて、打刻操作時に、各例外選択キー53に対応する出退勤例外区分が選択されて制御部10に入力される。
【0063】
なお、打刻操作画面50は、ユーザの勤務区分を選択する勤務区分選択キー(図示せず)を備えてもよく、勤務区分選択キーの操作に応じて、打刻操作時に、勤務区分選択キーに対応する勤務区分が選択されて制御部10に入力される。
【0064】
また、表示部12は、例えば、出勤の打刻操作が成立した場合に、
図10に示すように、打刻操作画面50に対して、出勤打刻メッセージ画面54をポップアップで表示する。出勤打刻メッセージ画面54は、出勤の打刻操作において例外選択キー53が操作されていた場合には、対応する出退勤例外区分を表示する。
【0065】
また、表示部12は、出勤の打刻操作が勤務間インターバル情報に違反する場合(出勤時刻が勤務開始推奨時刻より前である場合)、
図11に示すように、打刻操作画面50に対して、勤務間インターバル違反の打刻エラーを示すエラーメッセージ画面55をポップアップで表示する。また、エラーメッセージ画面55は、ユーザに勤務間インターバル違反の視認を促すために確認ボタン56を有していてよい。確認ボタン56は、時間管理装置1の基本設定によって、表示または非表示の切り替えを設定してよい。
【0066】
また、表示部12は、例えば、退勤の打刻操作が成立した場合に、
図12に示すように、打刻操作画面50に対して、退勤打刻メッセージ画面57をポップアップで表示する。退勤打刻メッセージ画面57は、退勤の打刻操作において例外選択キー53が操作されていた場合には、対応する出退勤例外区分を表示する。
【0067】
また、表示部12は、退勤時刻が通知開始時刻から通知終了時刻までの通知時間帯内の場合に、
図12に示すように、打刻操作画面50に対して、勤務開始推奨時刻などの勤務間インターバル情報を含む表示情報メッセージ画面58をポップアップで退勤打刻メッセージ画面57と共に表示する。また、表示情報メッセージ画面58は、ユーザに勤務開始推奨時刻の視認を促すために確認ボタン59を有していてよい。確認ボタン59は、時間管理装置1の基本設定によって、表示または非表示の切り替えを設定してよい。
【0068】
時計部14は、RTC(Real Time Clock)などの時計で構成され、装置本体2の内部に設けられる。時計部14の示す現在時刻は、常に制御部10に読み取られて表示部12の打刻操作画面50の日時表示部51に表示されると共に、打刻操作がされたときに打刻時刻として制御部10に読み取られる。
【0069】
カード検出部15は、タイムカードTCを検出するセンサであり、挿入口3を介して装置本体2の内部に設けられるタイムカードTCの搬送路に沿って設けられる。カード検出部15は、挿入口3に挿入されてカード搬送部16の搬送路における搬送開始位置に到達したタイムカードTCを検出する
【0070】
カード搬送部16は、搬送ローラーおよび搬送モーターなどで構成され、装置本体2の内部でタイムカードTCの搬送路に沿って設けられ、タイムカードTCを搬送開始位置、読取位置および印字位置の間で搬送する。具体的には、カード搬送部16は、挿入口3に挿入された搬送開始位置のタイムカードTCをカード検出部15が検出すると、読取位置へ搬送する。また、カード搬送部16は、カード読取部17が読取位置のタイムカードTCの読取処理を完了すると、印字位置へ搬送する。
【0071】
なお、タイムカードTCが読取位置にあるとき、読み取ったカード識別情報に基づいて、出勤の打刻操作が勤務間インターバル情報に違反しているか否かが判定されるところ、カード搬送部16は、その判定結果に応じて、タイムカードTCの搬送を切り替える。例えば、カード搬送部16は、出勤の打刻操作が勤務間インターバル情報に違反していない場合には、タイムカードTCを読取位置から印字位置へ搬送し、一方、勤務間インターバル情報に違反している場合には、タイムカードTCを読取位置から搬送開始位置へ排出搬送する。また、勤務間インターバル情報に違反して、表示部12のエラーメッセージ画面55に確認ボタン56が表示された場合には、カード搬送部16は、確認ボタン56が操作されるまで、タイムカードTCを読取位置に維持し、一方、確認ボタン56が操作されてから、タイムカードTCを読取位置から搬送開始位置へ排出搬送する。
【0072】
また、カード搬送部16は、カード印字部18が印字位置のタイムカードTCに対する印字情報の印字処理を完了すると、搬送開始位置へ排出搬送する。
【0073】
なお、タイムカードTCが読取位置または印字位置にあるとき、読み取ったカード識別情報に基づいて、退勤の時刻操作が通知時間帯内であるか否かが判定されるところ、カード搬送部16は、その判定結果に応じて、タイムカードTCの搬送を切り替える。退勤の時刻操作が通知時間帯内であって、表示部12の表示情報メッセージ画面58に確認ボタン59が表示された場合には、カード搬送部16は、確認ボタン59が操作されるまで、タイムカードTCを読取位置または印字位置に維持し、一方、確認ボタン59が操作されてから、タイムカードTCの読取位置または印字位置からの搬送を行う。
【0074】
カード読取部17は、磁気カードリーダーやバーコードリーダーで構成され、装置本体2の内部でタイムカードTCの搬送路に沿って設けられる。カード読取部17は、読取位置のタイムカードTCをカード検出部15が検出すると、タイムカードTCから個人IDやカード番号などのカード識別情報を読み取り、制御部10へ送信する。
【0075】
カード印字部18は、ドットプリンタなどで構成され、装置本体2の内部でタイムカードTCの搬送路に沿って設けられる。カード印字部18は、印字位置のタイムカードTCをカード検出部15が検出すると、制御部10から打刻時刻、出退勤例外区分、勤務間インターバル情報(勤務開始推奨時刻)などの印字情報を受信して、
図21に示すように、タイムカードTCに印字情報を印字する。
【0076】
音声出力部19は、スピーカなどで構成され、装置本体2の内部に設けられる。音声出力部19は、打刻操作時に、打刻時刻などの打刻情報やエラー情報を制御部10から受信して音声で出力し、あるいは打刻操作の成功や失敗などの情報を制御部10から受信してこれらを示すビープ音などを出力する。
【0077】
外部記録媒体接続部20は、USBメモリなどのリムーバブル記録媒体21が着脱可能に接続される接続端子で構成され、制御部10からの書き込み指示に応じて情報をリムーバブル記録媒体21に書き込み、また、制御部10からの読み取り指示に応じて情報をリムーバブル記録媒体21から読み取って制御部10へ送信する。
【0078】
次に、打刻管理プログラムの各部について説明する。
【0079】
打刻情報生成部30は、ユーザの打刻操作に応じて、ユーザごとに雇用種別と関連付けられて予め登録された個人識別情報と、個人識別情報に対応していて打刻操作に応じて入力されるカード識別情報とに基づいて打刻情報を生成する。具体的には、打刻情報生成部30は、打刻操作時にカード読取部17がタイムカードTCから個人IDやカード番号などのカード識別情報を読み取ると、このカード識別情報に対応する個人識別情報を含む個人マスタ情報を、マスタ情報記憶部40から検索して打刻操作をしたユーザを特定する。なお、ユーザの特定は、個人IDのみを比較してもよく、またはカード番号のみを比較してもよく、あるいは、個人IDおよびカード番号の両方を比較してもよい。
【0080】
また、打刻情報生成部30は、取得した個人マスタ情報から雇用種別、通常時勤務区分、最終打刻情報および勤務間インターバル違反回数を取得する。更に、打刻情報生成部30は、ユーザの雇用種別に基づいて雇用種別情報記憶部42から雇用種別情報を取得する。なお、個人マスタ情報および雇用種別情報は、打刻情報生成部30、勤務間インターバル情報生成部31、勤務間インターバル情報通知部32、通知判定部33および印字制御部34が共通して使用できるように、打刻管理プログラムが取得してよい。
【0081】
打刻情報生成部30は、最終打刻情報の打刻区分が出勤の場合、打刻操作に関する打刻区分を退勤と判定し、出勤以外の場合、打刻操作に関する打刻区分を出勤と判定する。なお、操作入力部13が出勤ボタンや退勤ボタンなどの打刻ボタンを備えている場合には、打刻情報生成部30は、打刻ボタンの操作に応じた打刻区分を操作入力部13から受信してもよい。
【0082】
打刻情報生成部30は、出勤または退勤の打刻操作が行われたときの出勤時刻または退勤時刻の打刻日付や打刻時刻を時計部14から受信する。
【0083】
打刻情報生成部30は、打刻操作時に、勤務区分選択キーが操作されない場合には、通常時勤務区分を打刻情報の打刻時勤務区分とし、勤務区分選択キーが操作された場合には、対応する勤務区分を打刻情報の打刻時勤務区分とする。更に、打刻情報生成部30は、ユーザの勤務区分に基づいて勤務区分情報記憶部43から勤務区分情報を取得する。なお、勤務区分情報は、打刻情報生成部30、勤務間インターバル情報生成部31、勤務間インターバル情報通知部32、通知判定部33および印字制御部34が共通して使用できるように、打刻管理プログラムが取得してよい。
【0084】
打刻情報生成部30は、打刻操作時に、例外選択キー53が操作された場合には、対応する出退勤例外区分を打刻情報の例外区分とする。
【0085】
打刻情報生成部30は、打刻区分が退勤の場合、勤務間インターバル情報生成部31によって生成される次回(翌日)の勤務開始推奨時刻などの勤務間インターバル情報を取得する。
【0086】
打刻情報生成部30は、打刻区分が出勤の場合、出勤時刻と最終打刻情報の勤務開始推奨時刻とを比較して、勤務間インターバル違反を判定する。打刻情報生成部30は、出勤時刻が勤務開始推奨時刻以降であれば、勤務間インターバル違反でないと判定し、打刻操作を成立させて、上記のように取得した情報を含む打刻情報を生成して打刻情報記憶部41に記憶する。
【0087】
このとき、打刻情報生成部30は、勤務開始推奨時刻が勤務区分情報の始業時刻以前であって、勤務間インターバル違反でない出勤時刻が始業時刻より早い場合には、このような場合の打刻操作について自動的に出退勤例外を早出に設定して打刻情報の例外区分とする。
【0088】
また、打刻情報生成部30は、勤務開始推奨時刻が勤務区分情報の始業時刻を超えている場合には、勤務間インターバル違反でない出勤時刻は、勤務開始推奨時刻以降であるにも拘わらず始業時刻を超えることになるので、このような場合の打刻操作について自動的に出退勤例外を公用遅刻に設定して打刻情報の例外区分とする。
【0089】
一方、打刻情報生成部30は、出勤時刻が勤務開始推奨時刻より前であれば、勤務間インターバル違反であると判定する。また、打刻情報生成部30は、雇用種別情報の違反時打刻許可に基づいて勤務間インターバル違反時の動作を判定する。
【0090】
このとき、打刻情報生成部30は、違反時打刻許可が自動承認であれば、例外動作として、勤務間インターバル違反を設定すると共に、打刻操作を成立させて打刻情報を生成して打刻情報記憶部41に記憶し、また、勤務間インターバル違反回数をカウントアップしてマスタ情報記憶部40の個人マスタ情報を更新する。
一方、打刻情報生成部30は、違反時打刻許可が承認要であれば、勤務間インターバル違反を設定して、打刻操作を成立させずに、打刻情報の生成を行わず、カード搬送部16によってタイムカードTCを排出させる。
【0091】
打刻情報生成部30は、勤務間インターバル違反の場合、上記したように、勤務間インターバル違反の打刻エラーを示すエラーメッセージ画面55を表示部12に表示させる。打刻情報生成部30は、違反時打刻許可が承認要の場合のみ、エラーメッセージ画面55を表示してもよく、あるいは、違反時打刻許可に拘わらず、エラーメッセージ画面55を表示してもよい。
【0092】
打刻情報生成部30は、勤務間インターバル違反か否かに拘わらず、打刻操作を成立させる場合には、最終打刻情報を生成してマスタ情報記憶部40の個人マスタ情報を更新し、カード搬送部16によってタイムカードTCを印字位置へ搬送させる。
【0093】
勤務間インターバル情報生成部31は、打刻操作を行ったユーザについて、この打刻操作の際の打刻時刻と、このユーザの雇用種別に対応する勤務間隔時間数とに基づいて、勤務間インターバル情報を生成する。具体的には、勤務間インターバル情報生成部31は、上記したように打刻情報生成部30が退勤の打刻操作に応じて動作する場合に、退勤時刻に雇用種別情報の勤務間隔時間数を加算することで次回(翌日)の勤務開始推奨時刻を生成する。このとき、勤務間インターバル情報生成部31は、雇用種別情報の切り上げ単位に基づいて退勤時刻を切り上げた時刻に、勤務間隔時間数を加算して勤務開始推奨時刻を算出するとよい。
【0094】
また、勤務間インターバル情報生成部31は、打刻操作を行ったユーザの個人マスタ情報の勤務間インターバル違反回数(この打刻操作が勤務間インターバル違反であった場合には更新後の勤務間インターバル違反回数)に応じた違反加算時間を、勤務間隔時間数に適用する。例えば、勤務間インターバル情報生成部31は、勤務間インターバル違反回数が違反上限(第1の違反上限または第2の違反上限)を超えた場合、退勤時間(退勤時間を切り上げた時刻)に勤務間隔時間数を加算し、更に加算結果に違反加算時間(第1の違反加算時間または第2の違反加算時間)を加算して勤務開始推奨時刻を算出する。
【0095】
勤務間インターバル情報通知部32は、勤務間インターバル情報生成部31が生成した勤務間インターバル情報をユーザに向けて通知する。具体的には、勤務間インターバル情報通知部32は、退勤の打刻操作に応じて、勤務開始推奨時刻を含む表示情報を生成し、この表示情報を含む表示情報メッセージ画面58を表示部12に表示することで勤務間インターバル情報を通知する。例えば、表示情報は、勤務間インターバル情報に係る記載(例えば、勤務開始推奨時刻の時分)を空欄にした基準メッセージ(例えば、「明日の業務開始時刻はHH:MM以降としてください」)に対して、勤務開始推奨時刻などの勤務間インターバル情報に係る記載を空欄(例えば、HH:MM)に入力することで生成される。
【0096】
通知判定部33は、打刻操作を行ったユーザについて、この打刻操作の際の打刻時刻と、打刻操作に応じて決定される勤務区分に対応する通知時間帯とに基づいて、勤務間インターバル情報通知部32により勤務間インターバル情報を通知するか否かを判定する。具体的には、通知判定部33は、退勤の打刻操作に応じて、勤務区分情報の通知開始時刻から通知終了時刻までの通知時間帯を判定し、退勤時刻が通知時間帯内であるか否かを判定する。
【0097】
通知判定部33は、退勤時刻が通知時間帯内である場合には、勤務開始推奨時刻などの勤務間インターバル情報を、表示部12の表示情報メッセージ画面58によって通知する。一方、通知判定部33は、退勤時刻が通知時間帯内でない場合には、勤務間インターバル情報について表示部12の表示情報メッセージ画面58による通知をしなくてよい。なお、通知判定部33は、勤務間インターバル情報の表示情報メッセージ画面58の通知を、通知時間帯の範囲内のみ行う通知設定と、通知時間帯に拘わらず常に行う通知設定との何れかを選択するようにしてもよい。
【0098】
印字制御部34は、出勤または退勤の打刻操作に応じて、出勤時刻または退勤時刻などの打刻時刻や出退勤例外区分を含む印字情報を生成する。特に、印字制御部34は、退勤の打刻操作に応じて、退勤時刻に加えて勤務開始推奨時刻を含む印字情報を生成する。また、印字制御部34は、生成した印字情報のタイムカードTCへの印字処理をカード印字部18に指示する。勤務開始推奨時刻は、例えば、タイムカードTCの当日分の予備欄に印字されてよい。
【0099】
なお、印字制御部34は、通知判定部33によって退勤時刻が通知時間帯内であると判定された場合のみ、印字情報に勤務開始推奨時刻を含むようにしてもよい。通知判定部33は、印字制御部34による勤務開始推奨時刻を含む印字情報の生成を、通知時間帯の範囲内のみ行う通知設定と、通知時間帯に拘わらず常に行う通知設定との何れかを選択するようにしてもよい。
【0100】
次に、時間管理装置1の退勤の打刻操作時の動作を
図13~
図18のフローチャートを参照しながら説明する。
【0101】
先ず、ユーザがタイムカードTCを装置本体2の挿入口3に挿入すると、カード検出部15が搬送開始位置のタイムカードTCを検出して、カード搬送部16が駆動してタイムカードTCを読取位置へ搬送する。
図13に示すように、カード読取部17が読取位置のタイムカードTCからカード識別情報を読み取ると(ステップS1)、打刻情報生成部30は、このカード識別情報に対応する個人識別情報を含む個人マスタ情報を取得する(ステップS2)。
【0102】
次に、制御部10は、打刻情報生成部30によって、退勤の打刻情報の生成を開始して、打刻情報の各種設定を取得する(ステップS3)。
【0103】
ここで、打刻情報生成部30は、
図14に示すように、個人マスタ情報から個人IDやカード番号などの個人識別情報を取得し(ステップS21)、退勤の打刻操作が行われたときの打刻日付や打刻時刻を時計部14から受信して取得する(ステップS22)。打刻情報生成部30は、個人マスタ情報の最終打刻情報の打刻区分または操作入力部13の操作に応じて打刻区分を退勤と判定し、個人マスタ情報の勤務区分または操作入力部13の操作に応じて勤務区分を判定して取得する(ステップS23)。打刻情報生成部30は、退勤時刻または操作入力部13の操作に応じて退勤操作に出退勤例外があれば、例外区分として取得する(ステップS24)。打刻情報生成部30は、上記した各種設定を記憶部11に一時的に記憶しておく(ステップS25)。
【0104】
次に、制御部10は、勤務間インターバル情報生成部31によって、勤務間インターバル情報の生成を行う(ステップS4)。
【0105】
ここで、勤務間インターバル情報生成部31は、
図15に示すように、個人マスタ情報から雇用種別を取得し(ステップS31)、雇用種別に対応する雇用種別情報を取得する(ステップS32)。勤務間インターバル情報生成部31は、雇用種別情報の切り上げ単位に基づいて退勤時刻を切り上げ(ステップS33)、切り上げた時刻に、勤務間隔時間数を加算して勤務開始推奨時刻を算出する(ステップS34)。
【0106】
勤務間インターバル情報生成部31は、個人マスタ情報の勤務間インターバル違反回数が違反上限を超えたか否かを判定し(ステップS35)、違反上限を超えていなければ(ステップS35:NO)、算出した勤務開始推奨時刻を維持する一方、違反上限を超えている場合(ステップS35:YES)、算出した勤務開始推奨時刻に更に違反加算時間を加算する(ステップS36)。
【0107】
そして、打刻情報生成部30は、上記のように取得した打刻情報の各種設定と、勤務間インターバル情報生成部31で生成した勤務開始推奨時刻とに基づいて退勤の打刻情報を生成して打刻情報記憶部41に記憶し(ステップS37)、また、打刻情報に基づいて最終打刻情報を個人マスタ情報に記憶する。
【0108】
次に、制御部10は、勤務間インターバル情報通知部32によって、勤務間インターバル情報を含む表示情報を生成する(ステップS5)。
【0109】
ここで、勤務間インターバル情報通知部32は、
図16に示すように、打刻情報記憶部41の打刻情報または個人マスタ情報の最終打刻情報から、勤務間インターバル情報として、勤務開始推奨時刻を取得する(ステップS41)。そして、勤務間インターバル情報通知部32は、基準メッセージに勤務開始推奨時刻を入力して表示情報を生成する(ステップS42)。
【0110】
次に、制御部10は、印字制御部34によって、退勤打刻に関する印字情報を生成する(ステップS6)。
【0111】
ここで、印字制御部34は、
図17に示すように、打刻情報記憶部41の打刻情報または個人マスタ情報の最終打刻情報から、勤務間インターバル情報として、勤務開始推奨時刻を取得する(ステップS51)。そして、印字制御部34は、退勤時刻および例外区分と共に勤務開始推奨時刻を含む、退勤打刻に関する印字情報を生成する(ステップS521)。
【0112】
次に、制御部10は、打刻情報生成部30によって、退勤の打刻情報を含む退勤打刻メッセージ画面57を生成し、この退勤打刻メッセージ画面57を表示部12によって表示する(ステップS7)。
【0113】
次に、制御部10は、通知判定部33によって、勤務間インターバル情報を通知するか否かの通知判定を行う(ステップS8)。ここで、通知判定部33は、
図18に示すように、勤務区分に基づく勤務区分情報を取得し(ステップS61)、勤務区分情報から通知開始時刻および通知終了時刻を取得して通知時間帯を判定する(ステップS62)。通知判定部33は、退勤時刻が通知時間帯内であるか否かを判定して(ステップS63)、通知時間帯内である場合には(ステップS63:YES)、戻り値を通知ありに設定し(ステップS64)、一方、通知時間帯内でない場合には(ステップS63:NO)、戻り値を通知なしに設定する(ステップS65)。
【0114】
通知判定の戻り値が通知ありの場合(ステップS9:YES)、制御部10は、勤務間インターバル情報通知部32によって、表示情報を含む表示情報メッセージ画面58を生成し、表示部12によって表示させる(ステップS10)。
【0115】
そして、制御部10は、印字制御部34によって、上記の退勤打刻に関する印字情報をカード印字部18によってタイムカードTCに印字させる(ステップS11)。
【0116】
一方、通知判定の戻り値が通知なしの場合(ステップS9:NO)、制御部10は、表示情報を含む表示情報メッセージ画面58の表示を行うことなく、印字制御部34によって、上記の退勤打刻に関する印字情報をカード印字部18によってタイムカードTCに印字させる(ステップS11)。
【0117】
次に、制御部10は、印字情報の印字が完了したタイムカードTCを、カード搬送部16によって搬送開始位置へ排出搬送する(ステップS12)。
【0118】
次に、時間管理装置1の出勤の打刻操作時の動作を
図19~
図20のフローチャートを参照しながら説明する。
【0119】
先ず、ユーザがタイムカードTCを装置本体2の挿入口3に挿入すると、カード検出部15が搬送開始位置のタイムカードTCを検出して、カード搬送部16が駆動してタイムカードTCを読取位置へ搬送する。
図19に示すように、カード読取部17が読取位置のタイムカードTCからカード識別情報を読み取ると(ステップS71)、打刻情報生成部30は、このカード識別情報に対応する個人識別情報を含む個人マスタ情報を取得する(ステップS72)。
【0120】
次に、制御部10は、打刻情報生成部30によって、出勤の打刻情報の生成を開始して、打刻情報の各種設定を取得する(ステップS73)。出勤の打刻情報の生成のフローは、
図14に示す退勤の打刻情報の生成と同様である。
【0121】
ここで、打刻情報生成部30は、個人マスタ情報から個人IDやカード番号などの個人識別情報を取得し(ステップS21)、出勤の打刻操作が行われたときの打刻日付や打刻時刻を時計部14から受信して取得する(ステップS22)。打刻情報生成部30は、個人マスタ情報の最終打刻情報の打刻区分または操作入力部13の操作に応じて打刻区分を出勤と判定し、個人マスタ情報の勤務区分または操作入力部13の操作に応じて勤務区分を判定して取得する(ステップS23)。打刻情報生成部30は、出勤時刻または操作入力部13の操作に応じて出勤操作に出退勤例外があれば、例外区分として取得する(ステップS24)。打刻情報生成部30は、上記した各種設定を記憶部11に一時的に記憶しておく(ステップS25)。
【0122】
次に、制御部10は、打刻情報生成部30によって、勤務間インターバル情報の違反判定を行う(ステップS74)。
【0123】
ここで、打刻情報生成部30は、
図20に示すように、打刻情報から出勤時刻を取得し(ステップS91)、また、個人マスタ情報の最終打刻情報から前回の退勤時の勤務間インターバル情報として勤務開始推奨時刻を取得する(ステップS92)。打刻情報生成部30は、出勤時刻が勤務開始推奨時刻より前であるか否かを判定して(ステップS93)、勤務開始推奨時刻より前である場合、すなわち、勤務間インターバル違反である場合には(ステップS93:YES)、戻り値を違反ありに設定し(ステップS94)、一方、勤務開始推奨時刻より前でない場合、すなわち、勤務間インターバル違反でない場合には(ステップS93:NO)、戻り値を違反なしに設定する(ステップS95)。
【0124】
勤務間インターバル違反であって違反判定の戻り値が違反ありの場合(ステップS75:YES)、打刻情報生成部30は、個人マスタ情報から雇用種別を取得し(ステップS76)、雇用種別に対応する雇用種別情報を取得する(ステップS77)。打刻情報生成部30は、雇用種別情報の違反時打刻許可が自動承認であるか否かを判定する(ステップS78)。
【0125】
違反時打刻許可が自動承認でない場合(ステップS78:NO)、すなわち、承認要である場合、打刻情報生成部30は、打刻操作を成立させずに、打刻情報の生成を行わず、勤務間インターバル違反の打刻エラーを示すエラーメッセージ画面55を表示部12に表示させる(ステップS79)。
【0126】
そして、制御部10は、印字情報を印字することなく、タイムカードTCを、カード搬送部16によって搬送開始位置へ排出搬送する(ステップS80)。
【0127】
また、違反時打刻許可が自動承認である場合(ステップS78:YES)、打刻情報生成部30は、勤務間インターバル違反回数をカウントアップする(ステップS81)。そして、打刻情報生成部30は、打刻操作を成立させて、上記した情報に基づいて出勤の打刻情報を生成して打刻情報記憶部41に記憶し(ステップS82)、また、打刻情報に基づいて最終打刻情報を個人マスタ情報に記憶する。
【0128】
制御部10は、打刻情報生成部30によって、出勤の打刻情報を含む出勤打刻メッセージ画面54を生成し、この出勤打刻メッセージ画面54を表示部12によって表示する(ステップS83)。
【0129】
制御部10は、印字制御部34によって、出勤打刻に関する印字情報を生成する(ステップS84)。ここで、印字制御部34は、出勤時刻および例外区分を含む、出勤打刻に関する印字情報を生成する。そして、制御部10は、印字制御部34によって、上記の出勤打刻に関する印字情報をカード印字部18によってタイムカードTCに印字させる(ステップS85)。
【0130】
次に、制御部10は、印字情報の印字が完了したタイムカードTCを、カード搬送部16によって搬送開始位置へ排出搬送する(ステップS80)。
【0131】
一方、勤務間インターバル違反でなく違反判定の戻り値が違反なしの場合(ステップS75:NO)、打刻情報生成部30は、打刻操作を成立させて、上記した情報に基づいて出勤の打刻情報を生成して打刻情報記憶部41に記憶し(ステップS82)、また、打刻情報に基づいて最終打刻情報を個人マスタ情報に記憶する。
【0132】
制御部10は、打刻情報生成部30によって、出勤の打刻情報を含む出勤打刻メッセージ画面54を生成し、この出勤打刻メッセージ画面54を表示部12によって表示する(ステップS83)。
【0133】
制御部10は、印字制御部34によって、出勤打刻に関する印字情報を生成する(ステップS84)。ここで、印字制御部34は、出勤時刻および例外区分を含む、出勤打刻に関する印字情報を生成する。そして、制御部10は、印字制御部34によって、上記の出勤打刻に関する印字情報をカード印字部18によってタイムカードTCに印字させる(ステップS85)。
【0134】
次に、制御部10は、印字情報の印字が完了したタイムカードTCを、カード搬送部16によって搬送開始位置へ排出搬送する(ステップS80)。
【0135】
上記のように、本実施形態によれば、時間管理装置1は、ユーザの打刻操作に応じて、ユーザごとに雇用種別と関連付けられて予め登録された個人識別情報と、個人識別情報に対応していて打刻操作に応じて入力されるカード識別情報(打刻時入力情報)とに基づいて打刻情報を生成する打刻情報生成部30と、個人識別情報ごとに、打刻情報を記憶する打刻情報記憶部41(第1の記憶部)と、雇用種別ごとに、予め定めた勤務間隔時間数を記憶する雇用種別情報記憶部42(第2の記憶部)と、打刻操作を行ったユーザについて、打刻操作の際の打刻時刻と、ユーザの雇用種別に対応する勤務間隔時間数とに基づいて、勤務間インターバル情報を生成する勤務間インターバル情報生成部31と、勤務間インターバル情報をユーザに通知する勤務間インターバル情報通知部32と、を備える。
【0136】
このような構成により、時間管理装置1が打刻操作時にユーザに勤務間インターバル情報を通知するので、ユーザは、勤務間インターバル情報を打刻操作時に確認することができ、勤務間インターバル情報に従うことで、一定時間の休息を取ることができ、生活時間や睡眠時間を確保することができる。また、ユーザ各自が勤務間インターバル情報を管理する必要がないので、ユーザの負担を軽減することができる。更に、雇用種別ごとに定めた勤務間隔時間数に基づいて勤務間インターバル情報を生成するので、勤務間インターバル情報を各ユーザに合わせて通知することができる。なお、時間管理装置1が単独で勤務間インターバル情報を管理するので、大規模な装置やシステムを構成する必要がない。このように、時間管理装置1によれば、大規模に構成せずに、ユーザの負担を軽減しつつ、勤務間インターバル制度に対応して、労働時間や勤務状況を適正に把握すると共に一定時間以上の休息を確保することができる。
【0137】
また、本実施形態では、時間管理装置1において、打刻情報生成部30は、出勤または退勤の打刻操作に応じて、出勤時刻または退勤時刻の打刻時刻を含む打刻情報を生成し、勤務間インターバル情報生成部31は、退勤の打刻操作に応じて、退勤時刻と勤務間隔時間数とに基づいて、勤務間インターバル情報として次回の勤務開始推奨時刻を生成する。
【0138】
このような構成により、時間管理装置1は、退勤時刻と勤務間隔時間数とを管理しつつ、勤務間インターバル情報として次回の勤務開始推奨時刻をユーザに通知するので、ユーザは、退勤の操作時に、次回に出勤するべき時刻を確認することができ、勤務間インターバル情報を管理する負担を軽減することができる。
【0139】
また、本実施形態では、時間管理装置1において、雇用種別情報記憶部42は、雇用種別ごとに、予め定めた切り上げ単位を記憶し、勤務間インターバル情報生成部31は、打刻操作を行ったユーザの雇用種別に対応する切り上げ単位に基づいて退勤時刻を切り上げた時刻に、勤務間隔時間数を加算して勤務開始推奨時刻を算出する。
【0140】
このような構成により、時間管理装置1は、各企業などが各自の規則に応じて、雇用種別ごとに退勤時刻の切り上げ単位を設定することができ、雇用形態に応じて異なる勤務インターバル情報を設定することができる。また、勤務開始推奨時刻を算出する元になる退勤時刻を各自の規則に合わせて正確に決定することができる。
【0141】
また、本実施形態では、時間管理装置1は、勤務区分ごとに、予め定めた通知時間帯を記憶する勤務区分情報記憶部43(第3の記憶部)と、打刻時刻と、打刻操作に応じて決定される勤務区分に対応する通知時間帯とに基づいて、勤務間インターバル情報通知部32により勤務間インターバル情報を通知するか否かを判定する通知判定部33と、を更に備える。
【0142】
このような構成により、時間管理装置1は、例えば、勤務開始推奨時刻が定時の出勤時間帯となる場合など、勤務間インターバル情報の通知が不要な時間帯の場合には、勤務間インターバル情報を通知しないので、不要な通知を省略することができる。また、勤務間インターバル情報の通知が必要な時間帯のみ、勤務間インターバル情報が通知されるので、ユーザに対して、注意すべき勤務間インターバル情報を強調することができる。
【0143】
また、本実施形態では、時間管理装置1において、出勤または退勤の打刻操作に応じて、出勤時刻または退勤時刻を表示する表示部12を更に備え、勤務間インターバル情報通知部32は、退勤の打刻操作に応じて、勤務開始推奨時刻を含む表示情報を表示部12に表示することで勤務間インターバル情報を通知する。
【0144】
このような構成により、時間管理装置1は、ユーザに対して勤務間インターバル情報を打刻操作時に視認させることができ、勤務間インターバル情報の確認を促すことができる。
【0145】
また、本実施形態では、時間管理装置1において、打刻操作に応じて、カード識別情報を記録したタイムカードからカード識別情報を読み取るカード読取部17と、タイムカードへの印字処理を行うカード印字部18と、打刻情報に基づいてタイムカードに印字する印字情報を生成して、印字情報のタイムカードへの印字処理をカード印字部18に指示する印字制御部34と、を更に備え、印字制御部34は、出勤の打刻操作に応じて、出勤時刻を含む印字情報を生成する一方、退勤の打刻操作に応じて、退勤時刻および勤務開始推奨時刻を含む印字情報を生成する。
【0146】
このような構成により、時間管理装置1は、勤務間インターバル情報の記録をタイムカードTCに残すことができ、ユーザは、タイムカードTCを確認することで、いつでも勤務間インターバル情報を確認することができる。
【0147】
また、本実施形態では、時間管理装置1において、打刻情報生成部30は、出勤の打刻操作に応じて、出勤時刻が勤務開始推奨時刻以降であるか否かの判定結果に基づいて打刻情報の生成を行う。
【0148】
このような構成により、時間管理装置1は、出勤時刻が勤務間インターバル制度に適合しているか否かを判定することができ、その判定結果に基づいて打刻情報を生成することで、管理者は、事後の打刻情報の修正処理を軽減するように運用することができる。
【0149】
また、本実施形態では、時間管理装置1において、打刻情報生成部30は、出勤時刻が勤務開始推奨時刻以降でない場合、勤務間インターバル違反の打刻エラーを出力し、打刻情報を生成しない。
【0150】
このような構成により、時間管理装置1は、出勤時刻が勤務間インターバル制度に反していることをユーザに認識させることができる。また、勤務間インターバル制度に反している場合には打刻情報を生成しないため、出勤として取り扱われなくなるので、勤務開始推奨時刻以降の出勤を奨励し、勤務間インターバル制度に反する出勤を抑制することができる。
【0151】
また、本実施形態では、時間管理装置1において、打刻情報生成部30は、出勤時刻が勤務開始推奨時刻以降であるが始業時刻を超えている場合、出退勤例外区分を公用遅刻に設定する。
【0152】
このような構成により、時間管理装置1は、通常であれば出勤時刻が始業時刻を超えている場合には遅刻として取り扱われるところ、公用遅刻に設定することにより、ユーザは就業規則と勤務間インターバル制度を同時に守ることができるので、勤務開始推奨時刻以降の出勤を奨励し、勤務間インターバル制度に反する出勤を抑制することができる。
【0153】
また、本実施形態では、時間管理装置1において、打刻情報生成部30は、出勤時刻が勤務開始推奨時刻以降でない場合であって、打刻操作を行ったユーザに違反時打刻許可が自動承認に設定されている場合、勤務間インターバル違反と判定する一方、打刻エラーを出力することなく、打刻情報を生成する。
【0154】
このような構成により、時間管理装置1は、勤務間インターバル制度に反していても止むを得ず出勤しなければならないユーザに対しては、出勤として取り扱うことで、勤務間インターバル制度に合わない時間帯でも勤務時間として認めることができる。
【0155】
また、本実施形態では、時間管理装置1において、打刻情報生成部30は、勤務間インターバル違反を判定すると共に打刻情報を生成したユーザについて、違反回数をカウントし、勤務間インターバル情報生成部31は、打刻操作を行ったユーザについて勤務間インターバル情報を生成するとき、ユーザの違反回数に応じた違反加算時間を勤務間隔時間数に適用する。
【0156】
このような構成により、時間管理装置1は、勤務間インターバル制度に反する勤務が多くなるユーザに対しては、勤務間隔時間数を加算するので、ユーザは、就業規則を守りつつ、勤務による疲労の蓄積度合いが考慮された十分な休息時間を確保することができる。
【0157】
更に、本実施形態によれば、時間管理装置1の時間管理方法は、ユーザの打刻操作に応じて、ユーザごとに雇用種別と関連付けられて予め登録された個人識別情報と、個人識別情報に対応していて打刻操作に応じて入力されるカード識別情報(打刻時入力情報)とに基づいて打刻情報を生成する打刻情報生成工程と、個人識別情報ごとに、打刻情報を記憶する第1の記憶工程と、雇用種別ごとに、予め定めた勤務間隔時間数を記憶する第2の記憶工程と、打刻操作を行ったユーザについて、打刻操作の際の打刻時刻、とユーザの雇用種別に対応する勤務間隔時間数とに基づいて、勤務間インターバル情報を生成する勤務間インターバル情報生成工程と、勤務間インターバル情報をユーザに通知する勤務間インターバル情報通知工程と、を備える。
【0158】
このような構成により、時間管理装置1の時間管理方法は、時間管理装置1と同様に、大規模に構成せずに、ユーザの負担を軽減しつつ、勤務間インターバル制度に対応して、労働時間や勤務状況を適正に把握すると共に一定時間以上の休息を確保することができる。
【0159】
また、本実施形態では、時間管理装置1において、コンピュータである制御部10に、各種工程を実行させるための時間管理プログラムは、ユーザの打刻操作に応じて、ユーザごとに雇用種別と関連付けられて予め登録された個人識別情報と、個人識別情報に対応していて打刻操作に応じて入力されるカード識別情報(打刻時入力情報)とに基づいて打刻情報を生成する打刻情報生成工程と、個人識別情報ごとに、打刻情報を記憶する第1の記憶工程と、雇用種別ごとに、予め定めた勤務間隔時間数を記憶する第2の記憶工程と、打刻操作を行ったユーザについて、打刻操作の際の打刻時刻と、ユーザの雇用種別に対応する勤務間隔時間数とに基づいて、勤務間インターバル情報を生成する勤務間インターバル情報生成工程と、勤務間インターバル情報をユーザに通知する勤務間インターバル情報通知工程と、を実行させる。
【0160】
このような構成により、時間管理装置1の時間管理プログラムは、時間管理装置1と同様に、大規模に構成せずに、ユーザの負担を軽減しつつ、勤務間インターバル制度に対応して、労働時間や勤務状況を適正に把握すると共に一定時間以上の休息を確保することができる。
【0161】
なお、上記した実施形態では、時間管理装置1を、タイムカードTCからカード識別情報を読み取るタイムカード方式のタイムレコーダで構成して、カード識別情報を打刻時入力情報として、予め登録された個人識別情報を比較してユーザを特定する例を説明したが、本発明は、この例に限定されない。例えば、他の実施形態では、時間管理装置1を、IDカードからカード識別情報を打刻時入力情報として読み取るカードリーダ方式のタイムレコーダで構成してもよい。あるいは、時間管理装置1は、ユーザの撮影画像を打刻時入力情報として読み取るように構成してもよく、またはユーザの指紋や虹彩などの生体情報を打刻時入力情報として読み取るように構成してもよい。
【0162】
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う時間管理装置、時間管理方法およびプログラムもまた本発明の技術思想に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0163】
本発明の技術は小規模な事業所や店舗などにおいて、従業者の出退勤の勤務データを管理するための時間管理装置及び時間管理方法として好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0164】
1 時間管理装置
2 装置本体
4 タッチパネル
10 制御部
11 記憶部
12 操作入力部
13 表示部
14 時計部
15 カード検出部
16 カード搬送部
17 カード読取部
18 カード印字部
30 打刻情報生成部
31 勤務間インターバル情報生成部
32 勤務間インターバル情報通知部
33 通知判定部
34 印字制御部
40 マスタ情報記憶部
41 打刻情報記憶部(第1の記憶部)
42 雇用種別情報記憶部(第2の記憶部)
43 勤務区分情報記憶部(第3の記憶部)