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  • 特許-接着シートおよび処理装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】接着シートおよび処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20240618BHJP
   H01L 21/02 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/02 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020073610
(22)【出願日】2020-04-16
(65)【公開番号】P2021170606
(43)【公開日】2021-10-28
【審査請求日】2023-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸山 孝之
【審査官】湯川 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-222029(JP,A)
【文献】特開平04-146649(JP,A)
【文献】特開2017-045830(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有するフレーム部材と前記開口部内に設けられた支持対象物とに貼付され、前記支持対象物を前記開口部内で支持する接着シートであって、
前記フレーム部材に貼付される部分よりも内側に位置し、支持面で前記支持対象物を支持する支持部と、
前記支持部の外側に形成され、前記支持部に対して折り曲げられ、所定の画像が表示された画像表示部とを備えていることを特徴とする接着シート。
【請求項2】
開口部を有するフレーム部材と前記開口部内に設けられた支持対象物とに貼付され、前記支持対象物を前記開口部内で支持する接着シートを処理する処理装置であって、
前記接着シートは、前記フレーム部材に貼付される部分よりも内側に位置し、支持面で前記支持対象物を支持する支持部と、前記支持部の外側に形成され、前記支持部に対して折り曲げられ、所定の画像が表示された画像表示部とを備え、
前記支持部に対して前記画像表示部を折り曲げる折曲手段を備えていることを特徴とする処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着シートおよび処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
支持面で支持対象物を支持する支持部を有する接着シートが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平9-7977号公報
【文献】特開2010-13176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された粘着テープN(接着シート)は、その支持面と平行な識別表示5表面にバーコード(所定の画像)が表示されているため、例えば、特許文献2に記載されたような収納ケース10内に所定の間隔をあけて接着シートを積層収容し、当該積層収容状態の外側から所定の画像を読み取る場合、支持面を基準とした俯角が小さくなり、当該所定の画像の読み取りが困難になるという不都合がある。
【0005】
本発明の目的は、支持面を基準とした俯角が小さくても、所定の画像の読み取りを容易に行うことができる接着シートおよび処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、接着シートにおける画像表示部が支持部に対して折り曲げられているため、支持面を基準とした俯角が小さくても、所定の画像の読み取りを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(A)は、本発明の一実施形態に係る接着シートの説明図。(B)~(D)は、本発明の一実施形態に係る処理装置の説明図。(E)~(G)は、本発明の変形例の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図1に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な図1の手前方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸と平行な図1中手前方向で「後」がその逆方向とする。
【0010】
本発明の接着シートとしての第1接着シートAS1は、支持対象物WKを支持するシートであって、支持面AS12で支持対象物WKを支持する支持部AS11と、支持部AS11に対して折り曲げられ、所定の画像としてのバーコードBCが表示された画像表示部AS13とを備えている。なお、本実施形態では、支持対象物であってフレーム部材としてのリングフレームRFにその開口部RF1を覆うように第1接着シートAS1が貼付されるとともに、第2接着シートAS2が貼付された支持対象物WKが開口部RF1内で第1接着シートAS1に支持された一体物UPが形成されている。
画像表示部AS13は、支持対象物WKの外縁と開口部RF1の内縁との間の第1接着シート部分に設けられた、環状でない形状(エンドレスでない形状)の切込CU(図1(A)中AAを付した部分平面図参照)の内側部分で形成されている。
バーコードBCは、画像表示部AS13に設けられたシート部材としてのラベルLBの表面に形成されている。
第1接着シートAS1を構成する材料は特に限定されないが、塑性を備えた材料で構成されるとよい。
【0011】
処理装置EAは、支持対象物WKを支持する第1接着シートAS1を処理する装置であって、支持部AS11に対して画像表示部AS13を折り曲げる折曲手段10を備え、一体物UPを支持する支持手段20の近傍に配置されている。
【0012】
折曲手段10は、加圧ポンプやタービン等の気体供給手段11Aに配管11Bを介して接続され、空気やガス等の気体を吹き付ける吹付管やノズル等の気体吹付手段11と、駆動機器としてのリニアモータ12Aのスライダ12Bに回転可能に支持された押圧部材としての押圧ローラ12とを備えている。
【0013】
支持手段20は、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段(保持手段)によって一体物UPの外縁部の吸着保持が可能な支持面21Aおよび上下方向に貫通した貫通孔21Bを有する外側テーブル21と、貫通孔21B内に設けられ、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段(保持手段)によって一体物UPにおける第1接着シートAS1の吸着保持が可能な支持面22Aを有する内側テーブル22とを備えている。
【0014】
以上の処理装置EAの動作を説明する。
先ず、図1(B)で示す初期位置に各部材が配置された処理装置EAに対し、当該処理装置EAの使用者(以下、単に「使用者」という)、または多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が、同図に示すように、一体物UPを支持面21Aおよび支持面22A上の所定位置に載置する。すると、支持手段20が図示しない減圧手段を駆動し、支持面21Aおよび支持面22Aでの一体物UPの吸着保持を開始する。
【0015】
次いで、折曲手段10が気体供給手段11Aを駆動し、図1(C)に示すように、気体吹付手段11からの気体吹付によって画像表示部AS13を上方に折り曲げる。その後、折曲手段10がリニアモータ12Aを駆動し、図1(C)中二点鎖線で示すように、押圧ローラ12を左方に移動させ、当該押圧ローラ12で画像表示部AS13を左方に折り曲げつつリングフレームRFに押圧する。次に、押圧ローラ12がリングフレームRFよりも左方の所定位置に到達し、画像表示部AS13がその弾性復元力により起立すると、折曲手段10が気体供給手段11Aおよびリニアモータ12Aの駆動を停止し、支持手段20が図示しない減圧手段の駆動を停止する。そして、使用者または図示しない搬送手段が、画像表示部AS13が折り曲げられた一体物UPを搬送し、図1(D)に示すように、開口部31を有するカセット等の収容手段30に収容する。収容手段30に収容された一体物UPは、開口部31の外側からバーコードリーダーや撮像機器等の読取手段40でバーコードBCが読み取られ、当該バーコードBCから取得した情報に応じて支持対象物WKが処理される。この際、画像表示部AS13が支持部AS11に対して折り曲げられているため、支持面AS12を基準とした俯角が小さくても、バーコードBCの読み取りを容易に行うことができる。次いで、各手段がそれぞれの駆動機器を駆動し、各部材を初期位置に復帰させ、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0016】
以上のような実施形態によれば、第1接着シートAS1における画像表示部AS13が支持部AS11に対して折り曲げられているため、支持面AS12を基準とした俯角が小さくても、バーコードBCの読み取りを容易に行うことができる。
【0017】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれる。
【0018】
例えば、第1接着シートAS1は、リングフレームRFの外周形状よりも大きく形成されていてもよい。
画像表示部AS13は、第1接着シートAS1に単数または複数形成されていてもよい。
所定の画像は、画像表示部AS13に直接表示されていてもよいし、図1(E)に示すように、画像表示部AS13における支持面AS12に設けたシート部材に表示されていてもよいし、画像表示部AS13における支持面AS12と反対側の面に表示されていてもよいし、図1(G)に示すように、画像表示部AS13における支持面AS12と反対側の面に設けたシート部材に表示されていてもよいし、図1(F)に示すように、支持部AS11に対して画像表示部AS13が折り曲げられた後に表示されてもよい。
所定の画像は、例えば、支持対象物WKの識別番号、品名、製造メーカ名、問い合せ先等の情報でもよいし、支持対象物WKの製造日、賞味期限、消費期限等の情報でもよいし、支持対象物WKの種類、材質、コード、寸法等の情報でもよいし、支持対象物WKの配送先、取扱い方等の情報でもよいし、バーコード等の1次元コードの他、QRコード(登録商標)やデータマトリックス等の2次元コード、文字の書体を決定するフォントや書体等のように、所定の規格で定められた形状や、メモリ等の記憶装置や図示しない制御装置に予め記憶された任意の記号、文字、図形、ロゴまたはこれらを組み合わせたものでもよいし、2つ以上表示されてもよいし、ラベルLBや画像表示部AS13に印刷されたり記載されたり刻印されたりしてもよく、何ら限定されるものではない。
切込CUは、例えば、平面視でU字状、V字状、円弧状、矩形状等どのような形状でもよいし、図1(F)、(G)に示すように、支持対象物WKの外形形状よりも大きく形成した第1接着シートAS1の外周部を画像表示部AS13とし、当該画像表示部AS13を支持部AS11に対して折り曲げる場合、第1接着シートAS1に形成されていなくてもよい。
【0019】
シート部材は、例えば、紙、樹脂、板材、金属等の部材から形成されてもよく、接着力がないものから形成された場合、例えば、第1接着シートAS1の接着剤や粘着剤等の付着部材を利用して画像表示部AS13に取り付けてもよいし、付着部材を塗布したり積層したりして画像表示部AS13に取り付けてもよい。
第2接着シートAS2は、支持対象物WKに貼付されていてもよいし、貼付されていなくてもよい。
フレーム部材は、リングフレームRF以外に、環状でない(外周が繋がっていない)ものや、円形、楕円形、多角形、その他の形状であってもよいし、一体物UPに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0020】
折曲手段10は、気体供給手段11Aおよび気体吹付手段11に代えてまたは併用して、棒やブレード材等の押上部材を採用し、当該押上部材で第1接着シートAS1の画像表示部AS13を押し上げてもよいし、リニアモータ12Aおよび押圧ローラ12に代えてまたは併用して気体供給手段および気体吹付手段を採用し、上方に折り曲げた画像表示部AS13に気体を吹き付けて当該画像表示部AS13をリングフレームRFに押圧してもよい。
【0021】
支持手段20は、第1接着シートAS1単体を支持するものであってもよいし、リングフレームRFに貼付され、支持対象物WKを支持していない第1接着シートAS1を支持するものであってもよいし、リングフレームRFに貼付されず、支持対象物WKを支持している第1接着シートAS1を支持するものであってもよいし、一体物UPを第1接着シートAS1側から支持してもよいし、一体物UPを第2接着シートAS2側から支持してもよいし、本発明の処理装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0022】
処理装置EAは、図1(B)中二点鎖線で示すように、駆動機器としての直動モータ51の出力軸51Aにブラケット52Aを介して支持された切断刃52を有する切断手段50を備え、切断手段50が直動モータ51を駆動して切断刃52で第1接着シートAS1に切込CUを形成してもよいし、インクジェットプリンタやレーザプリンタ等の印刷手段や画像を刻印する構成を備え、所定の画像を画像表示部AS13やラベルLBに印刷したり刻印したりしてもよい。
【0023】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、支持部は、支持面で支持対象物を支持するものであればどのようなものでもよく、出願当初の技術常識に照らし合わせてその技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(その他の手段および工程も同じ)。
【0024】
第1、第2接着シートAS1、AS2、ラベルLBおよび支持対象物WKの材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、第1、第2接着シートAS1、AS2、ラベルLBおよび支持対象物WKは、円形、楕円形、多角形、その他の形状であってもよいし、第1、第2接着シートAS1、AS2およびラベルLBは、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよい。また、このような第1、第2接着シートAS1、AS2およびラベルLBは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材と接着剤層との間に中間層を有するもの、基材の上面にカバー層を有する等3層以上のもの、さらには、基材を接着剤層から剥離することのできる所謂両面接着シートのようなものであってもよく、両面接着シートは、単層または複層の中間層を有するものや、中間層のない単層または複層のものであってよい。また、支持対象物WKとしては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂等の単体物であってもよいし、それら2つ以上で形成された複合物であってもよく、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、第1、第2接着シートAS1、AS2は、機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意のシート、フィルム、テープ等でもよい。
【0025】
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、2軸または3軸以上の関節を備えた多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的または間接的に組み合せたものを採用することもできる。
前記実施形態において、ローラ等の回転部材が採用されている場合、当該回転部材を回転駆動させる駆動機器を備えてもよいし、回転部材の表面や回転部材自体をゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、回転部材の表面や回転部材自体を変形しない部材で構成してもよいし、ローラの代わりに回転するまたは回転しないシャフトやブレード等の他の部材を採用してもよいし、押圧ローラや押圧ヘッド等の押圧手段や押圧部材といった被押圧物を押圧するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、ローラ、丸棒、ブレード材、ゴム、樹脂、スポンジ等の部材を採用したり、大気やガス等の気体の吹き付けにより押圧する構成を採用したりしてもよいし、押圧するものをゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、変形しない部材で構成してもよいし、支持(保持)手段や支持(保持)部材等の被支持部材(被保持部材)を支持(保持)するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持(保持)する構成を採用してもよいし、切断手段や切断部材等の被切断部材を切断または、被切断部材に切込や切断線を形成するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、カッター刃、レーザカッタ、イオンビーム、火力、熱、水圧、電熱線、気体や液体等の吹付け等で切断するものを採用したり、適宜な駆動機器を組み合わせたもので切断するものを移動させて切断するようにしたりしてもよい。
【符号の説明】
【0026】
EA…処理装置
10…折曲手段
AS1…第1接着シート(接着シート)
AS11…支持部
AS12…支持面
AS13…画像表示部
BC…バーコード(所定の画像)
WK…支持対象物
図1