(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】中綿
(51)【国際特許分類】
D04H 1/02 20060101AFI20240618BHJP
A47C 27/12 20060101ALI20240618BHJP
B68G 7/02 20060101ALI20240618BHJP
D04H 1/4382 20120101ALI20240618BHJP
【FI】
D04H1/02
A47C27/12 E
A47C27/12 F
B68G7/02
D04H1/4382
(21)【出願番号】P 2020087322
(22)【出願日】2020-05-19
【審査請求日】2023-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】501270287
【氏名又は名称】帝人フロンティア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100169085
【氏名又は名称】為山 太郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 章宏
【審査官】川口 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-089092(JP,A)
【文献】特開2019-203210(JP,A)
【文献】国際公開第2017/069190(WO,A1)
【文献】特開2007-125153(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04H 1/02
A47C 27/12
B68G 7/02
D04H 1/4382
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単繊維繊度0.01~0.9dtexの合成繊維短繊維Aを60~90質量%および単繊維繊度1.0~13dtexの合成繊維短繊維Bを40~10質量%を含む中綿であり、該中綿において合成繊維短繊維A上および合成繊維短繊維B上には中綿0.1gあたり50~150個の固着点
(ただし、固着点は、実体顕微鏡を用いた4倍での目視観察により観察される。)が存在し、該固着点の平均直径
(ただし、平均直径は、マイクロスコープにて倍率20倍で撮影された画像から計測される長径と短径との平均値である。)が0.1~1.5mmであり、該中綿のダウンパワーが440cm
3/g以上であることを特徴とする中綿。
【請求項2】
固着点が、合成繊維短繊維Aおよび/または合成繊維短繊維Bの絡み合いによる固着点である、請求項1記載の中綿。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は中綿に関し、詳しくは高嵩高性の中綿に関する。
【背景技術】
【0002】
防寒衣料や寝具の中綿として、保温性・軽量性などに優れることから羽毛が広く利用されている。この羽毛は、一般的に水鳥から採取されており、胸部より採取されるダウンと羽根に当たるフェザーに分類され、これらを混合したものが羽毛製品として広く使用されている。羽毛を詰め綿として用いたダウンジャケットや羽毛布団は、風合いに富み、軽量で保温性に優れ、体に沿いやすく嵩高性に優れ、そして回復率の高いことが知られている。この羽毛布団に用いられる。
【0003】
しかし、天然の羽毛を得ようとした場合、その供給量には限度がある上、自然条件や疫病の影響によって供給量が変動する。また、自然保護の観点から、野生の鳥を捕捉することには限度がある。そして、水鳥を飼育して羽毛を得ようとした場合、多くの水鳥を飼育しなければならず、その結果、多量の飼料を必要とするばかりか、水鳥の排泄物による水質汚染や感染症の発生とその拡散という問題が生じる。
【0004】
羽毛を中綿として使用するにためには、採毛、選別、消毒、脱脂および布団詰めなどの多くの工程を経る必要があり、かつ、羽毛が舞い上がるという点でも作業が繁雑になり、その結果、羽毛を中綿に用いた寝具等の製品の価格は高くなる。また、採毛時に羽毛の末端に肉が残り腐敗臭の原因となり、欧州等では動物愛護の観点から羽毛を排除する動きも出ている。
【0005】
他方、中綿の素材としてポリエステル原綿が用いられている。ポリエステル原綿は安価で洗濯が可能であり、アレルギー物質を含まないという優れた特徴をもつが、その嵩高性は概ねダウンパワー200~330cm3/g(フィルパワー400~600inch/oz)程度である。他方、日本羽毛性協同組合の品質基準では、ダウンパワー350cm3/g(フィルパワー640inch/oz)を「エクセルゴールドラベル」、400cm3/g(フィルパワー732inch/oz)を「ロイヤルゴールドラベル」、ダウンパワー440cm3/g(フィルパワー805inch/oz)を「プレミアムゴールドラベル」と定めており、これら高品質ダウンの嵩高性の領域には達していない。
【0006】
これまで、合成繊維原綿に嵩高性を付与する試みがなされている。例えば、海島複合紡糸によって得られた複合繊維で編地を作成後アルカリ減量し、得られた編地を解編し、得られた長繊維をカットすることで高嵩高な短繊維集合体を作成する方法(特許文献1)や、極細短繊維(0.001~1.0dtex)と細繊度短繊維(0.8~2.8dtex)の混綿詰め綿(特許文献2)などが提案されている。
【0007】
これらの短繊維素材は高嵩高性であることを主張しているが、その嵩性の測定方法はそれぞれ独自の方法で測定した嵩高性であり、実際に羽毛と同様の測定方法で嵩高性を比較した場合に、羽毛と同等以上の嵩高性をもつ化繊中綿素材は未だ提案されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2016-101361号公報
【文献】特開2017-89092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、高品質羽毛並みの高嵩高性を備える、合成繊維短繊維からなる中綿を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち本発明は、単繊維繊度0.01~0.9dtexの合成繊維短繊維Aを60~90質量%および単繊維繊度1.0~13dtexの合成繊維短繊維Bを40~10質量%を含む中綿であり、該中綿において合成繊維短繊維A上および合成繊維短繊維B上には中綿0.1gあたり50~150個の固着点(ただし、固着点は、実体顕微鏡を用いた4倍での目視観察により観察される。)が存在し、該固着点の平均直径(ただし、平均直径は、マイクロスコープにて倍率20倍で撮影された画像から計測される長径と短径との平均値である。)が0.1~1.5mmであり、該中綿のダウンパワーが440cm3/g以上であることを特徴とする中綿である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、高品質羽毛並みの高嵩高性を備える、合成繊維短繊維からなる中綿を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明について詳細に述べる。
【0013】
〔短繊維〕
本発明の中綿は、単繊維繊度0.01~0.9dtexの合成繊維短繊維Aを60~90質量%および単繊維繊度1.0~13dtexの合成繊維短繊維Bを40~10質量%を含む。
【0014】
本発明の中綿の60~90質量%を占める合成繊維短繊維Aの単繊維繊度は0.01~0.9dtex、好ましくは0.02~0.6dtex、さらに好ましくは0.06~0.4dtexである。
【0015】
合成繊維短繊維Aの単繊維繊度が0.01dtex未満であると繊維の比表面積が大きく開繊性が著しく低下するため、嵩高性が低下する。他方、短繊維Aの単繊維繊度が0.9dtexを超えると、合成繊維短繊維Aに由来する固着点直径の平均値が大きくなり嵩高性が低下する。
【0016】
本発明の中綿の40~10質量%を占める合成繊維短繊維Bの単繊維繊度は1.0~13dtexである。合成繊維短繊維Bの単繊維繊度が1.0dtex未満であると形成される固着点直径が小さくなり、繊維の曲げ弾性率が低下するため十分に高い嵩高性が得られない。他方、合成繊維短繊維Bの単繊維繊度が13dtexを超えると固着点直径が大きくなることによる嵩の減少と、中綿の質量あたりの構成繊維本数が低下し、嵩が低下するため十分に高い嵩高性を得られない。
【0017】
本発明の中綿の好ましい態様は、単繊維繊度0.01~0.9dtexの合成繊維短繊維Aを60~90質量%および単繊維繊度1.0~13dtexの合成繊維短繊維Bを含む態様である。
【0018】
合成繊維短繊維の繊維長は、合成繊維短繊維Aおよび合成繊維短繊維Bのいずれも平均繊維長として、好ましくは10~200mm、さらに好ましくは20~100mmである。平均繊維長が10mm未満であると短繊維同士の交絡点が減少するため嵩高性も減少し好ましくない。他方、平均繊維長が200mmを超えると、固着点の平均直径が安定しなくなるため好ましくなく、また各工程での巻き付きトラブルの原因となり好ましくない。
【0019】
合成繊維短繊維Aおよび合成繊維短繊維Bの捲縮数は、好ましくは5~40山/inchである。捲縮数が5山/inch未満であると、繊維同士の絡み合いが減少するため嵩高性が低下して好ましくない。他方、捲縮数が40山/inchを越えると固着点が発生し難くなり好ましくない。
【0020】
本発明において、合成繊維短繊維Aおよび合成繊維短繊維Bは熱可塑性樹脂からなる。この熱可塑性樹脂として、例えば芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステル、脂環族ポリエステル、脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、ポリオレフィン、アクリル、アクリレートなどを例示することができ、中でも芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステルが好ましい。
【0021】
芳香族ポリエステルとして、エチレンテレフタレート、トリメチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレート、シクロヘキサンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルを例示することができる。脂肪族ポリエステルとして、エチレンシクロヘキサレート、乳酸、ブチレンサクシネートを主たる繰り返し単位とするポリエステルを例示することができる。
【0022】
また、機能性の付与や改質を目的として、本発明が呈する中綿の性能を低下させない限りで他のモノマー成分を共重合させてもよい。また、目的に応じて、機能剤や酸化防止剤、艶消し剤などの添加剤を、溶融紡糸時に混錬して繊維中に含有させてもよく、溶融紡糸で糸状に成型してからの後処理により、繊維表面に剤を付着加工してもよい。
【0023】
これらの中でも、高強度かつ、速乾性が高く、中綿素材として適していることから、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが特に好ましい。
【0024】
本発明の中綿は羽毛の代替品として開発したものであり、羽毛代替の観点から、本発明の中綿に柔軟性や側地内での拡散性を付与し、洗濯時のフェルト化を抑制するために、本発明の中綿の合成繊維短繊維Aおよび/または合成繊維短繊維Bにはポリシロキサンが付着していることが好ましい。その場合、付着量は中綿の質量100質量%あたり好ましくは0.1~15質量%、さらに好ましくは0.5~5質量%である。これはポリシロキサンを含む油剤を中綿の合成繊維短繊維Aおよび/または合成繊維短繊維Bに塗布することで付着させることができる。ポリシロキサンを含む油剤を合成繊維短繊維Aおよび/または合成繊維短繊維Bに付着させることにより繊維の平滑性を高め、繊維間の摩擦を軽減することができる。ポリシロキサンの付着量が15質量%を超えると嵩高性が減少する要因となり好ましくない。他方、付着量が0.1質量%未満では付着による効果を得ることができず、好ましくない。
【0025】
〔固着点〕
本発明の中綿において、合成繊維短繊維A上および合成繊維短繊維B上には中綿0.1gあたり50~150個の固着点が存在する。固着点が50個未満であると繊維同士の絡み合いによるネットワーク構造が十分に形成されないために、十分な嵩高性が得られず、他方150個を超えると固着点部分の体積の割合が増加し、全体としての体積が減少するため十分な嵩高性を得られない。
【0026】
この固着点は、合成繊維短繊維Aおよび/または合成繊維短繊維Bの絡み合いによる固着点である。この固着点が繊維同士のネットワーク構造を形成し、嵩高い中綿を得ることができる。固着点は混綿工程でカード機を通過する際に形成される。カード機への供給量条件で固着点数は制御することができる。固着点は少なすぎても多すぎても嵩高性は得ら
れず、中綿0.1gあたり50~150個の固着点を形成することで十分に高い嵩高性が得られる。固着点の数は中綿0.1gを分取して実体顕微鏡を用いて例えば4倍で観察することで、目視によって数えることができる。
【0027】
本発明の中綿に含まれる固着点の平均直径は0.1~1.5mm、好ましくは0.5~1mmである。0.1mm未満であると固着点としての作用を発揮しないため嵩性向上効果が得られない。他方、1.5mmを超えると固着点の重量が増加し嵩性が低下する。
【0028】
本発明の中綿に含まれる固着点は、合成繊維短繊維Aおよび/または合成繊維短繊維Bに由来し、それらの合成繊維短繊維上に存在する。このため、本発明の中綿では、(い)合成繊維短繊維Aと合成繊維短繊維Aとの絡み合いに由来する固着点、(ろ)合成繊維短繊維Bと合成繊維短繊維Bとの絡み合いに由来する固着点、および(は)合成繊維短繊維Aと合成繊維短繊維Bとの絡み合いに由来する固着点の3種類の固着点が形成される。
【0029】
これらのうち(い)の固着点の直径が最も小さく、(ろ)の固着点の直径が最も大きい。混綿後の中綿に含まれる固着点の直径の存在割合は混綿割合に比例するため、中綿には、合成繊維短繊維Aが60~90質量%、短繊維Bが10~40質量%の範囲に含まれることが必要である。
【0030】
中綿において合成繊維短繊維Aの割合が60質量%未満の場合には単位質量あたりの繊維構成本数が減少するため、中綿のネットワーク構造が疎になり、嵩が低下する。合成繊維短繊維Bの割合が90質量%を超える場合、サイズの小さい固着点の割合が増加し、反発性が低下し、嵩が減少する。
【0031】
〔嵩高性〕
本発明の中綿のダウンパワーは440cm
3
/g以上、好ましくは500cm
3
/g以上である。440cm
3
/g未満であると高級羽毛に相当する嵩高性を得ることができる。ダウンパワーは高いほど望ましいが、上限は例えば550cm
3
/gである。なお、ダウンパワー440cm
3
/gはフィルパワー805inch/ozに相当する。
【0032】
本発明では、混綿工程で短繊維同士が絡まり合い、細かな固着点が発生するため、潰れ難く、嵩高い構造を得ることができ、従来得られなかった高嵩高性の中綿を得ることができる。
【0033】
〔製造方法〕
本発明の中綿は、単繊維繊度0.01~0.9dtexの合成繊維短繊維Aを60~90質量%および単繊維繊度1.0~13dtexの合成繊維短繊維Bを、ローラーカード機によって開繊および混綿することで、短繊維同士を絡まり合せ、細かな固着点を形成することで得ることができる。ローラーカード機内部への合成繊維短繊維の供給量を過剰にすることで、合成繊維短繊維本数の増加により短繊維間摩擦が増加して絡み合いが発生し、固着点が形成される。
【0034】
ローラーカード機内部への合成繊維短繊維供給量を増加させるためには、フィードローラー速度を早くすること、またはドッファーの速度を低下させることで、ローラーカード機内に滞留する短繊維の量を過剰にする方法を用いることができる。
【0035】
通常のカーディング工程では固着点の発生は欠点であるため、固着点が発生しない短繊維供給量で実施されるが、本発明の中綿を製造するためには、通常の条件よりも短繊維供給量を過剰にする。
【0036】
発生する固着点の数は合成繊維短繊維供給量に比例して増加することから、合成繊維短繊維の供給量を、発生する固着点数が中綿0.1gあたり50~150個になるように調整する。合成繊維短繊維の供給量が少ないと、発生する固着点は必要数に満たず十分な嵩性が得られない。他方、供給が過剰であると、必要以上に固着点が形成され、この場合も十分な嵩性が得られない。
【実施例】
【0037】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。実施例中における各特性値の測定は、以下の方法にしたがった。
【0038】
(1)単繊維繊度
JIS L1015:2010 8.5.1 A法により測定した。
【0039】
(2)嵩高性(ダウンパワー、フィルパワー)
JIS L 1903-2011に準じた方法でダウンパワー(cm3/g)を測定し、フィルパワー値(inch/oz)に換算した。
【0040】
(3)固着点の個数
中綿0.1g中に含まれる固着点の個数を目視にてカウントした。カウントには日本ヴィジョンエンジニアリング(株)製の実態顕微鏡を倍率4倍で使用した。
【0041】
(4)固着点の平均直径
KEYENCE社マイクロスコープにて倍率20倍で中綿の画像を撮影し、固着点の平均直径を計測した。平均直径は固着点の画像での長径と短径との平均値とした。
【0042】
(5)平均繊維長
JIS L 1015 8.4.1 C法に記載の方法により測定した。
【0043】
〔実施例1〕
合成繊維短繊維Aとして単繊維繊度0.1dtex、平均繊維長38mmのポリエチレンテレフタレート短繊維と、合成繊維短繊維Bとして単繊維繊度2.2dtex、平均繊維長51mmのポリエチレンテレフタレート短繊維とを、それぞれ50質量%用いて混綿後、100g分を幅40cm、長さ60cmになるように並べてローラーカードに投入した。この時フィード条件を0.1m/min、ドッファー条件を19.4m/min、シリンダー条件を236rpm、テーカイン条件を352rpmとすることで、繊維同士の絡み合いによる固着点を含む中綿を得た。得られた中綿の評価結果を表1に示す。
【0044】
【0045】
〔比較例1〕
実施例1と同様の合成繊維短繊維Aと合成繊維短繊維Bとを同様の混率で混綿した後、カード機でウェブ上に成型した。この時、ウェブ上に固着点が形成されないように供給速度条件を変更することで、固着点の無い中綿を得た。得られた中綿の評価結果を表1に示す。
【0046】
〔比較例2〕
実施例1と同様の合成繊維短繊維Aと合成繊維短繊維Bとを同様の混率で混綿した後、カード機でウェブ上に成型した。この時、ウェブ上の固着点を増やすように供給速度条件を変更し、実施例1よりも固着点の多い中綿を得た。得られた中綿の評価結果を表1に示す。
【0047】
〔比較例3〕
実施例1と同様の合成繊維短繊維Aと、合成繊維短繊維Bとして単繊維繊度13dtexのポリエチレンテレフタレート短繊維を同様の混率で混綿した後、カード機にて実施例1と同様の条件でウェブ状に成型した。得られた中綿の評価結果を表1に示す。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の中綿は、衣料や寝具などの中綿として好適に用いることができる。