(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】ノンハロゲン系樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
C08L 101/00 20060101AFI20240618BHJP
C08K 5/521 20060101ALI20240618BHJP
C08K 3/22 20060101ALI20240618BHJP
C08K 5/07 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
C08L101/00
C08K5/521
C08K3/22
C08K5/07
(21)【出願番号】P 2020101585
(22)【出願日】2020-06-11
【審査請求日】2023-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】山内 光典
【審査官】佐藤 貴浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-108177(JP,A)
【文献】特開2017-031351(JP,A)
【文献】特開2000-086810(JP,A)
【文献】特開平08-127688(JP,A)
【文献】特開2001-187832(JP,A)
【文献】特開2000-095909(JP,A)
【文献】特開2007-231183(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00-101/14
C08K 3/00- 13/08
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材樹脂を100質量部と、リン系難燃剤を3質量部以上50質量部以下と、亜鉛化合物を0.1質量部以上5質量部以下と、ジベンゾイルメタンを0.1質量部以上10質量部以下とを含
み、
前記リン系難燃剤は、芳香族リン酸エステルであり、
前記亜鉛化合物は、酸化亜鉛である、
ノンハロゲン系樹脂組成物。
【請求項2】
前記基材樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレンプロピレンジエンゴムおよびスチレンブタジエンゴムから選ばれる1種または2種以上を含む、
請求項1に記載のノンハロゲン系樹脂組成物。
【請求項3】
前記ジベンゾイルメタンの量(質量部)が、前記亜鉛化合物の量(質量部)の等倍以上である、
請求項1
または2に記載のノンハロゲン系樹脂組成物。
【請求項4】
前記ノンハロゲン系樹脂組成物が、さらに、酸化防止剤、滑剤および架橋剤から選ばれる1種または2種以上を含む、
請求項1~
3のいずれか1項に記載のノンハロゲン系樹脂組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノンハロゲン系樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、難燃性熱可塑性エラストマー組成物の製造方法が記載されている。上記製造方法は、(A1)エチレン-α-オレフィン系共重合体ゴムおよび(A2)プロピレン系重合体を含む(A)重合体混合物を、(C)鉱物油系軟化剤と(D)架橋剤との存在下で動的架橋して熱可塑性エラストマー組成物を得る工程(1)と、該熱可塑性エラストマー組成物、(E)有機リン酸エステル化合物などのノンハロゲン系難燃剤、(F)酸化亜鉛および(G)極性基を含有する熱可塑性樹脂を混練する工程(2)とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の製造方法で得られる難燃性熱可塑性エラストマー組成物では、ノンハロゲン系難燃剤とともに酸化亜鉛を使用することにより難燃効果が向上できる。しかしながら、上記難燃性熱可塑性エラストマー組成物の高温成形加工時には、酸化亜鉛の使用に起因してポリマーが焼けるジンクバーニングが発生し、成型不良を生ずる問題がある。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、難燃性に優れるとともに、成形加工時の樹脂焼けを抑制できるノンハロゲン系樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るノンハロゲン系樹脂組成物は、基材樹脂を100質量部と、リン系難燃剤を3質量部以上50質量部以下と、亜鉛化合物を0.1質量部以上5質量部以下と、ジベンゾイルメタンを0.1質量部以上10質量部以下とを含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るノンハロゲン系樹脂組成物は、難燃性に優れるとともに、成形加工時の樹脂焼けを抑制できるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換または変更を行うことができる。
【0009】
実施形態のノンハロゲン系樹脂組成物は、基材樹脂、リン系難燃剤、亜鉛化合物(すなわち亜鉛系難燃助剤)およびジベンゾイルメタンを含む。なお、実施形態のノンハロゲン系樹脂組成物の「ノンハロゲン」とは、該樹脂組成物中に、ハロゲン元素を含む成分を含まないことを意味する。
【0010】
近年、ノンハロゲン難燃樹脂用の難燃剤にはリン系難燃剤が使用されている。また、さらに難燃効果を向上するため、亜鉛化合物が併用されている。しかしながら、亜鉛化合物が併用されると、亜鉛による成形加工時の樹脂焼け(いわゆるジンクバーニング)が頻発する。これに対して、実施形態のノンハロゲン系樹脂組成物では、リン系難燃剤および亜鉛化合物とともに、ジベンゾイルメタンを配合している。これにより、実施形態のノンハロゲン系樹脂組成物は、難燃性に優れるとともに、成形加工時の樹脂焼けを抑制できる。実施形態のノンハロゲン系樹脂組成物によって成形加工時の樹脂焼けが抑制される機構は、次のように考えられる。すなわち、亜鉛は、燃焼時にリン系難燃剤の難燃効果を上げるために触媒として作用するが、高温成形加工では、時間とともに亜鉛化合物がイオン化する。イオン化した亜鉛は、樹脂に対して攻撃し、カルボン酸を発生させ、樹脂の焼けを発生させる原因となり得る。ここで、実施形態のノンハロゲン系樹脂組成物に配合されているジベンゾイルメタンは、イオン化した亜鉛だけを効果的に捕捉して無害化できる。このようにして、カルボン酸の発生と樹脂焼けが抑制されると考えられる。さらに、ジベンゾイルメタンは、難燃効果を阻害しないため、これを配合しても難燃性を低下させない利点もある。
【0011】
実施形態のノンハロゲン系樹脂組成物において、基材樹脂100質量部に対して、リン系難燃剤は3質量部以上50質量部以下、亜鉛化合物は0.1質量部以上5質量部以下、ジベンゾイルメタンは0.1質量部以上10質量部以下の量で含まれている。リン系難燃剤は、3質量部以上含まれていると、好適に難燃性を発揮できる。また、リン系難燃剤は、40質量部以上含まれていても難燃性の効果はほぼ変わらないため、コストの点からは、40質量部以下であることが好ましい。亜鉛化合物は、0.1質量部以上含まれていると、好適に難燃性を向上できる。亜鉛化合物は、5質量部以上含まれていても難燃性の効果はほぼ変わらない。ジベンゾイルメタンは、上記の量で含まれていると、樹脂焼けを効果的に抑制できる。
【0012】
また、実施形態のノンハロゲン系樹脂組成物において、ジベンゾイルメタンの量(質量部)は、亜鉛化合物の量(質量部)の等倍以上であることが好ましい。すなわち、ジベンゾイルメタンは、質量部で、亜鉛化合物の量と同じか、または亜鉛化合物の量よりも多い量で含まれていることが好ましい。ジベンゾイルメタンが、このような量で含まれていると、樹脂焼けをさらに効果的に抑制できる。
【0013】
基材樹脂は、ノンハロゲンであれば特に限定されない。基材樹脂としては、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴムが挙げられる。より具体的には、基材樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン等のポリエチレン、エチレン-プロピレン共重合体、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリスチレン、スチレン-ブタジエン共重合体、ABS、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ酢酸ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-ビニルアルコール共重合体等のエチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン-アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸メチル共重合体、エチレン-アクリル酸アミド共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン無水マレイン酸共重合体、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)が挙げられる。これらのうちで、基材樹脂としては、実施形態のノンハロゲン系樹脂組成物を電線の被覆材として用いる観点からは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブタジエンゴムが好適に用いられる。基材樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
【0014】
リン系難燃剤としては、芳香族リン酸エステルが挙げられる。また、芳香族リン酸エステルは、モノマー型であっても、縮合型(芳香族縮合リン酸エステル)であってもよい。リン系難燃剤としては、ジベンゾイルメタンと組み合わせた際に、樹脂焼けをさらに効果的に抑制できるため、トリフェニルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、トリキシレニルフォスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)フォスフェート等のモノマー型の芳香族リン酸エステル、ビスフェノール-A-ビスジフェニルフォスフェート等の縮合型の芳香族リン酸エステルが好適に用いられる。リン系難燃剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
【0015】
亜鉛化合物としては、酸化亜鉛、脂肪酸亜鉛、炭酸亜鉛が挙げられる。脂肪酸亜鉛としては、たとえば、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛が挙げられる。これらのうちで、樹脂焼けがより抑制できるため、酸化亜鉛が好適に用いられる。亜鉛化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
【0016】
実施形態のノンハロゲン系樹脂組成物は、本発明の目的を妨げない範囲で、さらに添加剤を含んでいてもよい。なお、添加剤も、ノンハロゲンである。添加剤としては、酸化防止剤、滑剤、架橋剤が挙げられる。また、架橋助剤を用いてもよい。
【0017】
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤が挙げられる。酸化防止剤を用いる場合は、基材樹脂100質量部に対して0.1質量部以上2質量部以下の量で用いることが好ましい。0.1質量部よりも少なすぎると添加効果が得られない場合があり、2質量部よりも多すぎるとブルーミングやブリード・アウトが生じる場合がある。より具体的には、酸化防止剤としては、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、n-オクタデシル-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’-ブチリデンビス-(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4-チオビス-(2-t-ブチル-5-メチルフェノール)、2,2-メチレンビス-(6-t-ブチル-メチルフェノール)、4,4-メチレンビス-(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールホスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、ビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-4,4’-ビフェニレン-ジ-ホスホナイト、テトラキス(メチレン)-3-(ドデシルチオプロピオネート)メタン、ペンタエリトリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]が挙げられる。酸化防止剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
【0018】
滑剤としては、脂肪酸アミド系滑剤、フッ素系滑剤、シリコン系滑剤が挙げられる。滑剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
【0019】
実施形態のノンハロゲン系樹脂組成物は、所望の形状に成形した後、架橋して、架橋物として使用することができる。架橋は、電子線架橋であっても化学架橋であってもよく、従来の方法により行うことができる。架橋を行う場合は、実施形態のノンハロゲン系樹脂組成物は、さらに架橋剤、架橋助剤を含んでいてもよい。
【0020】
化学架橋を行う場合は、架橋剤として有機過酸化物が好適に用いられる。架橋剤としては、ジクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシド)ヘキシン、1,3-ビス-(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1,-ジ-t-ブチルパーオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンが挙げられる。架橋剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。架橋剤は、基材樹脂100質量部に対して、1質量部以上5質量部以下の量で用いることが好ましい。
【0021】
電子線架橋を行う場合は、架橋助剤が好適に用いられる。架橋助剤としては、多官能アクリレートモノマー、多官能メタクリレートモノマーが挙げられる。より具体的には、架橋助剤としては、ポリエチレングリコール#200グリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#1000ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジアクリレート、1,10-デカンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、エトキシ化2-メチル-1,3-プロパンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイロキシプロピルメタクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、1,9-ノナンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコール#400ジアクリレート、ポリプロピレングリコール#700ジアクリレート等のジアクリレートモノマー、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等のトリアクリレートモノマー、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール#400ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#600ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#1000ジメタクリレート、1,3-ブタンジオールジメタクリレート、1,4-ブタンジオールジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9-ノナンジオールジメタクリレート、2-メチル-1,8-オクタンジオールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコール#700ジメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコール#400ジメタクリレート等のジメタクリレートモノマー、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレート等のトリメタクリレートモノマーが挙げられる。架橋助剤は、基材樹脂100質量部に対して、1質量部以上5質量部以下の量で用いることが好ましい。
【0022】
実施形態のノンハロゲン系樹脂組成物は、上述した成分を配合し、従来の方法で混合して得ることができる。
【0023】
実施形態のノンハロゲン系樹脂組成物は、たとえば、絶縁電線、電子機器配線用電線、自動車用電線、機器用電線、電源コード、屋外配電用絶縁電線等の電線の被覆材として好適に用いられる。被覆は、従来の方法により行うことができる。
【0024】
なお、電線を製造する際に、実施形態のノンハロゲン系樹脂組成物に架橋剤が含まれており、化学架橋を行う場合は、導体上に直接もしくは間接に該ノンハロゲン系樹脂組成物を押出被覆した後、たとえば160℃以上200℃以下に加熱して架橋することができる。また、電線を製造する際に、実施形態のノンハロゲン系樹脂組成物に架橋助剤が含まれており、電子線架橋を行う場合は、導体上に直接もしくは間接に該ノンハロゲン系樹脂組成物を押出被覆した後、電子線を照射して架橋することができる。電子線の照射線量は、たとえば50Mrad以上200Mrad以下である。
【0025】
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0026】
[実施例]
[実施例1]
表1に示すように、エチレン-アクリル酸エチル共重合体(EEA)100質量部と、トリフェニルフォスフェート(TPP)3質量部と、酸化亜鉛0.1質量部と、ジベンゾイルメタン(DBM)0.1質量部と、フェノール系酸化防止剤(株式会社ADEKA社製、商品名アデカスタブ AO-60)1質量部とを配合し、ノンハロゲン系樹脂組成物を作製した。
【0027】
[実施例2~12、比較例1~3]
実施例2~12、比較例1~3では、表1に示すように配合量を変えた以外は、実施例1と同様にして、ノンハロゲン系樹脂組成物を作製した。
【0028】
[評価]
下記のように評価を行った。その結果を、表1に示す。
〔難燃性〕
難燃性は酸素指数により評価した。酸素指数は、JIS K 7201に準拠して求めた。酸素指数が19以上の場合は、難燃性に優れているといえる。また、酸素指数が19未満の場合は、難燃性に劣るといえる。
【0029】
〔加工性〕
ノンハロゲン系樹脂組成物について、ラボプラストミル(20mm径)、200℃で押出しを行い、60min後のスクリューについて、黄変した樹脂の付着物の有無を確認した。付着物が見られなかった場合は、成形加工時に樹脂焼けが抑制されたことが確認できる。また、付着物が見られた場合は、成形加工時に樹脂焼けが起こったことが確認できる。
【0030】
【0031】
【0032】