(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】予約システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/43 20240101AFI20240618BHJP
G06Q 10/02 20120101ALI20240618BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240618BHJP
【FI】
G06Q50/43
G06Q10/02
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020139515
(22)【出願日】2020-08-20
【審査請求日】2023-08-04
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2020年6月4日(開催日:2020年6月13日~14日)に第61回土木計画学研究発表会・春大会 論文にて公開
(73)【特許権者】
【識別番号】000102717
【氏名又は名称】NTTテクノクロス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592000886
【氏名又は名称】八千代エンジニヤリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】深津 颯騎
(72)【発明者】
【氏名】唐澤 光彦
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 泰彦
(72)【発明者】
【氏名】倉嶋 俊
(72)【発明者】
【氏名】天方 匡純
(72)【発明者】
【氏名】菅原 宏明
(72)【発明者】
【氏名】石井 明
(72)【発明者】
【氏名】小篠 耕平
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-9049(JP,A)
【文献】特開2016-194854(JP,A)
【文献】特開2020-65134(JP,A)
【文献】特開2019-179478(JP,A)
【文献】特表2019-526199(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0080196(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロックチェーンプラットフォーム上にスマートコントラクトを実装したサーバが含まれる予約システムであって、
前記サーバは、
駐車場の予約を表す第1のトークンの発行及び移転を行う第1の発行・移転部と、
前記駐車場を目的地とする車両への同乗予約を表す第2のトークンの発行及び移転を行う第2の発行・移転部と、
前記車両への同乗が行われる際に、前記第2のトークンの償却を行う第1の償却部と、
前記駐車場への駐車が行われる際に、前記第1のトークンの償却を行う第2の償却部と、
を有することを特徴とする予約システム。
【請求項2】
前記予約システムには、第1の端末と第2の端末とが更に含まれ、
前記第1の端末は、
前記第1のトークンの発行及び移転を要求する第1の要求部と、
前記第2のトークンの発行を要求する第2の要求部とを有し、
前記第2の端末は、
前記第2のトークンの移転を要求する第3の要求部を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の予約システム。
【請求項3】
前記第1の端末は、前記第1のトークンの償却を要求する第4の要求部を更に有し、
前記第2の端末は、前記第2のトークンの償却を要求する第5の要求部を更に有する、ことを特徴とする請求項2に記載の予約システム。
【請求項4】
前記予約システムには、
前記第1の端末から、前記第1のトークンの情報を読み取る第1の読取部と、
前記第1の読取部で読み取った情報から、前記第1のトークンの所有者が正当であるか否かを確認する第1の確認部と、
前記第1の確認部で正当な所有者であることが確認された場合、前記第1のトークンの償却を要求する第6の要求部と、
前記第2の端末から、前記第2のトークンの情報を読み取る第2の読取部と、
前記第2の読取部で読み取った情報から、前記第2のトークンの所有者が正当であるか否かを確認する第2の確認部と、
前記第2の確認部で正当な所有者であることが確認された場合、前記第2のトークンの償却を要求する第7の要求部と、を有する装置が更に含まれる、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の予約システム。
【請求項5】
前記第1の読取部は、
前記第1の端末が備える表示装置上に表示された二次元コードから、前記第1のトークンの情報を読み取り、
前記第2の読取部は、
前記第2の端末が備える表示装置上に表示された二次元コードから、前記第2のトークンの情報を読み取る、ことを特徴とする請求項4に記載の予約システム。
【請求項6】
前記第1の発行・移転部は、
前記第1のトークンを発行する際に、前記駐車場の予約を行うユーザに付与されたポイントを所定数消費し、
前記ユーザに付与されているポイントが前記所定数未満である場合には前記第1のトークンの発行を行わず、
前記第2の発行・移転部は、
前記第2のトークンの発行が行われた場合、前記駐車場の予約を行ったユーザに対して所定数のポイントを付与する、ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の予約システム。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1乃至6の何れか一項に記載の予約システムに含まれるサーバとして機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予約システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車の増加により、目的地に到着しても駐車場が満車となっており、駐車ができない場合がある。このような問題に対して、携帯電話やインターネットに接続された端末等を用いて、空いている駐車場を予約するシステムが従来から知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、海外では、恒常的な都市の渋滞解消等を目的として、目的地の方向が同じとなるドライバーと同乗者をマッチングするアプリケーションを利用した相乗りサービスが提供されている(例えば、非特許文献1)。更に、国土交通省では、利用者がスマートフォンアプリを使って、出発地から目的地まで複数の公共交通機関を使った最適ルートを一括で検索・予約することを可能とする次世代交通基盤技術(MaaS:mobility as a service)の実証実験を開始している(例えば、非特許文献2)。また、渋滞の解消や公共交通の維持といった観点から公共交通のサービスを向上させ、車からの転換や公共交通の利用促進を図る取り組みの実施や支援等が行われている。
【0004】
ところで、駐車場の予約には車を運転する人と駐車場を管理する人との間で何等かの契約が必要であり、また、相乗りサービスの予約にも車を運転する人と同乗(相乗り)したい人との間で何等かの契約が必要である。これに対して、近年、ブロックチェーン技術を利用して、インターネット上で契約を自動的に実行するスマートコントラクトと呼ばれる技術が注目されている(例えば、非特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献】
【0006】
【文献】UberPool,インターネット<URL:https://www.uber.com/us/en/ride/uberpool/>
【文献】国土交通省報道発表資料,令和元年7月31日,インターネット<URL:https://www.mlit.go.jp/report/press/sogo12_hh_000152.html>
【文献】bitFlyer,インターネット<URL:https://bitflyer.com/ja-jp/glossary/smartcotract>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
例えば、会社や大学、駅、各種商業施設等は多くの人が共通に目的地とする場所である。したがって、運転者がこれらの場所の駐車場予約を行い、かつ、同じ目的地で相乗りしたい人(同乗者)を募集しその予約を受け付けることができるシステムがあれば、上述した渋滞の解消といった目的を支援することができると考えられる。しかしながら、駐車場の予約と同乗者の予約とを同時かつ簡易に行うことができるシステムは存在しない。
【0008】
本発明の一実施形態は、上記の点に鑑みてなされたもので、駐車場の予約と同乗者の予約とを同時かつ簡易に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、一実施形態に係る予約システムは、ブロックチェーンプラットフォーム上にスマートコントラクトを実装したサーバが含まれる予約システムであって、前記サーバは、駐車場の予約を表す第1のトークンの発行及び移転を行う第1の発行・移転部と、前記駐車場を目的地とする車両への同乗予約を表す第2のトークンの発行及び移転を行う第2の発行・移転部と、前記車両への同乗が行われる際に、前記第2のトークンの償却を行う第1の償却部と、前記駐車場への駐車が行われる際に、前記第1のトークンの償却を行う第2の償却部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
駐車場の予約と同乗者の予約とを同時かつ簡易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係る予約システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係るサーバの機能構成の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る運転者端末の機能構成の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る同乗者端末の機能構成の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る確認者端末の機能構成の一例を示す図である。
【
図8】駐車場予約及び同乗者予約の流れの一例を示す図である。
【
図9】相乗りから駐車までの流れの一例を示す図(その1)である。
【
図10】相乗りから駐車までの流れの一例を示す図(その2)である。
【
図11】駐車場予約トークンの移転の流れの一例を示す図である。
【
図12】同乗者予約トークンの移転の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態では、ブロックチェーン技術により予約の信頼性を確保しつつ、スマートコントラクト技術により駐車場の管理者と利用者との間の契約、運転者と同乗者との間の契約を簡易に行うことができる予約システム1について説明する。
【0013】
<全体構成>
図1に示すように、本実施形態に係る予約システム1は、複数のサーバ10と、運転者端末20と、同乗者端末30と、確認者端末40とが含まれる。これらはインターネット等の通信ネットワークを介して通信可能に接続される。なお、
図1では、一例として、運転者端末20、同乗者端末30及び確認者端末40がそれぞれ1台ずつ記載されているが、運転者端末20、同乗者端末30及び確認者端末40はそれぞれ複数台存在してもよい。
【0014】
サーバ10は、ブロックチェーンネットワークのノード(以下、「BCノード」ともいう。)を構成するコンピュータ又はコンピュータシステムである。これらの各サーバ10はブロックチェーンネットワーク上に分散して存在しており、互いにP2P(Peer to Peer)で接続されている。また、各サーバ10はブロックチェーンネットワークで共有するブロックチェーン(分散台帳)を有していると共に、スマートコントラクトが実装されておりトランザクション(取引)の実行等を行う。なお、後述する駐車場予約トークンや同乗者予約トークンの移転や償却等はトランザクションが実行されることで実現される。
【0015】
運転者端末20は、車の運転者が利用する各種端末(例えば、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブルデバイス等)である。運転者は、運転者端末20を利用して、駐車場の予約を行うことができる。また、運転者は、駐車場を予約する際に、同乗可能な人数や集合場所、集合時刻等を指定することで同乗者を募集することができる。駐車場の予約は、運転者端末20からの要求に応じてサーバ10で駐車場予約トークンが発行され、その所有権が運転者に移転されることで行われる。また、同乗者の募集が行われた場合には、運転者端末20からの要求に応じてサーバ10で同乗者予約トークンが発行される。駐車場予約トークンは駐車場を利用するための電子チケットに相当し、同様に同乗者予約トークンは運転者が運転する車に同乗するための電子チケットに相当する。
【0016】
なお、駐車場予約トークン及び同乗者予約トークンはブロックチェーンの各種プラットフォームに規定されるトークンにより実現される。本実施形態に係る予約システム1ではブロックチェーンのプラットフォームとして任意のプラットフォームを利用可能であるが、例えば、ブロックチェーンのプラットフォームとしてEthereum(登録商標)が用いられた場合には、駐車場予約トークン及び同乗者予約トークンはERC721に準拠したトークン(NFT:Non-Fungible Token)等により実現可能である。ブロックチェーンのプラットフォームとしては、Ethereum以外にも、例えば、Hyperledger(登録商標) Fabric等がある。
【0017】
同乗者端末30は、運転者が運転する車に同乗(相乗り)したい同乗者が利用する各種端末(例えば、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブルデバイス等)である。同乗者は、同乗者端末30を利用して、同乗の予約を行うことができる。同乗の予約は、同乗者端末30からの要求に応じてサーバ10で同乗者予約トークンの所有権が同乗者に移転されることで行われる。
【0018】
確認者端末40は、駐車場の管理者や同乗者が車に同乗する集合場所の管理者等(以下、「確認者」ともいう。)が利用する各種端末(例えば、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブルデバイス等)である。確認者端末40によって駐車場予約トークンや同乗者予約トークンの所有者確認、トークンの償却要求等が行われる。
【0019】
なお、確認者端末40は必ずしも確認者が利用する端末である必要はなく、例えば、トークン(駐車場予約トークンや同乗者予約トークン)の所有者確認や償却要求等を行うことが可能な機器又は装置であれば任意の機器又は装置が用いられてもよい。例えば、駐車場の入り口に設置され、駐車場予約トークンの所有者確認が成功した場合には車の入場を許可するゲート装置等であってもよい。また、例えば、同乗者が車に同乗する集合場所に設置され、同乗者予約トークンの所有者確認が成功した場合には同乗者の同乗を許可するゲート装置等であってもよい。
【0020】
また、例えば、同乗者予約トークンの所有者確認や償却要求等を行う際には、運転者が確認者であってもよい。したがって、運転者が利用するスマートフォン等の各種端末が確認者端末40として機能してもよい。このとき、当該端末は運転者端末20としても機能する端末であってもよい(つまり、運転者端末20と確認者端末40が同一の端末であってもよい)。
【0021】
ここで、
図1には図示されていないが、駐車場の予約状況(つまり、駐車区画の空き状況等)や同乗者の予約状況(つまり、車の同乗者数の空き状況等)を管理する管理サーバが存在し、サーバ10、運転者端末20及び同乗者端末30は当該管理サーバと通信ネットワークを介して通信可能に接続されるものとする。なお、この管理サーバは、駐車場の予約状況を管理する管理サーバと同乗者の予約状況を管理する管理サーバとに分けられていてもよい。また、この管理サーバは、運転者端末20に対して駐車場予約画面を表示させたり、同乗者端末30に対して同乗予約画面を表示させたりするWebサーバやデータ配信サーバとして機能してもよい。このように、
図1には図示されていないが、本実施形態に係る予約システム1には、駐車場の予約状況や同乗者の予約状況を管理するサーバと、運転者端末20で駐車場予約を行ったり同乗者端末30で同乗予約を行ったりするために必要なデータを提供するサーバとが少なくとも含まれているものとする。
【0022】
<機能構成>
次に、本実施形態に係る予約システム1に含まれるサーバ10、運転者端末20、同乗者端末30及び確認者端末40の機能構成について説明する。
【0023】
≪サーバ10≫
図2に示すように、本実施形態に係るサーバ10は、第1のトークン発行・移転部101と、第1のトークン償却部102と、第2のトークン発行・移転部103と、第2のトークン償却部104とを有する。これら各部は、ブロックチェーンプラットフォーム上に実装されたスマートコントラクトが、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphic Processing Unit)等のプロセッサに実行させる処理により実現される。
【0024】
第1のトークン発行・移転部101は、運転者端末20からの要求に応じて駐車場予約トークンを発行し、この駐車場予約トークンの所有権を運転者に移転する。
【0025】
第1のトークン償却部102は、運転者端末20や確認者端末40からの要求に応じて駐車場予約トークンを償却する。なお、駐車場予約トークンの償却とは、この駐車場予約トークンによって駐車場を再度利用することができないようにすることである。例えば、駐車場予約トークンの破棄、駐車場予約トークンを利用不可に設定する、駐車場予約トークンの所有権を予め決められた者(例えば、駐車場の予約状況を管理する管理サーバの管理者や駐車場の管理者等)に移転する、等によって駐車場予約トークンの償却が行われる。
【0026】
第2のトークン発行・移転部103は、運転者端末20からの要求に応じて同乗者予約トークンを発行する。また、第2のトークン発行・移転部103は、同乗者端末30からの要求に応じて同乗者予約トークンの所有権を同乗者に移転する。
【0027】
第2のトークン償却部104は、運転者端末20や確認者端末40からの要求に応じて同乗者予約トークンを償却する。なお、同乗者予約トークンの償却とは、この同乗者予約トークンによって運転者が運転する車へ再度同乗することができないようにすることである。例えば、同乗者予約トークンの破棄、同乗者予約トークンを利用不可に設定する、同乗者予約トークンの所有権を予め決められた者(例えば、同乗者の予約状況を管理する管理サーバの管理者や確認者等)に移転する、等によって同乗者予約トークンの償却が行われる。
【0028】
≪運転者端末20≫
図3に示すように、本実施形態に係る運転者端末20は、第1のトークン発行・移転要求部201と、第2のトークン発行要求部202と、第1のトークン償却要求部203と、第1のコード表示部204とを有する。これら各部は、運転者端末20にインストールされた1以上のプログラムが、CPU等のプロセッサに実行させる処理により実現される。
【0029】
第1のトークン発行・移転要求部201は、駐車場を予約する際に、駐車場予約トークンの発行・移転をサーバ10に要求する。
【0030】
第2のトークン発行要求部202は、同乗者の募集が行われた際に、同乗者予約トークンの発行をサーバ10に要求する。
【0031】
第1のトークン償却要求部203は、運転者が予約した駐車場を利用した際に、この駐車場を利用するための駐車場予約トークンの償却をサーバ10に要求する。
【0032】
第1のコード表示部204は、運転者が予約した駐車場を利用する際に、この駐車場を利用するための駐車場予約トークンの情報が含まれるコード(例えば、QRコード(登録商標)等の二次元コード)を生成し、このコードを運転者端末20のディスプレイ等に表示する。
【0033】
≪同乗者端末30≫
図4に示すように、本実施形態に係る同乗者端末30は、第2のトークン移転要求部301と、第2のトークン償却要求部302と、第2のコード表示部303とを有する。これら各部は、同乗者端末30にインストールされた1以上のプログラムが、CPU等のプロセッサに実行させる処理により実現される。
【0034】
第2のトークン移転要求部301は、同乗の予約が行われた際に、同乗者予約トークンの移転をサーバ10に要求する。
【0035】
第2のトークン償却要求部302は、同乗者が予約した車への同乗が行われた際に、この同乗を行うための同乗者予約トークンの償却をサーバ10に要求する。
【0036】
第2のコード表示部303は、同乗者が予約した車に同乗する際に、この同乗を行うための同乗者予約トークンの情報が含まれるコード(例えば、QRコード等の二次元コード)を生成し、このコードを同乗者端末30のディスプレイ等に表示する。
【0037】
≪確認者端末40≫
図5に示すように、本実施形態に係る確認者端末40は、第1の読取部401と、第1のトークン確認部402と、第1のトークン償却要求部403と、第2の読取部404と、第2のトークン確認部405と、第2のトークン償却要求部406とを有する。これら各部は、確認者端末40にインストールされた1以上のプログラムが、CPU等のプロセッサに実行させる処理により実現される。
【0038】
第1の読取部401は、運転者端末20のディスプレイ上に表示されているコードを読み取って、このコードに含まれる情報(つまり、駐車場予約トークンの情報)を取得する。
【0039】
第1のトークン確認部402は、第1の読取部401によって取得された駐車場予約トークンの情報を用いて、当該駐車場予約トークンの所有者確認を行う。すなわち、第1のトークン確認部402は、当該運転者端末20のユーザが当該駐車場予約トークンの正当な所有者であることの確認を行う。
【0040】
第1のトークン償却要求部403は、第1のトークン確認部402によって正当な所有者であることが確認された場合に、駐車場予約トークンの償却をサーバ10に依頼する。
【0041】
第2の読取部404は、同乗者端末30のディスプレイ上に表示されているコードを読み取って、このコードに含まれる情報(つまり、同乗者予約トークンの情報)を取得する。
【0042】
第2のトークン確認部405は、第2の読取部404によって取得された同乗者予約トークンの情報を用いて、当該同乗者予約トークンの所有者確認を行う。すなわち、第2のトークン確認部405は、当該同乗者端末30のユーザが当該同乗者予約トークンの正当な所有者であることの確認を行う。
【0043】
第2のトークン償却要求部406は、第2のトークン確認部405によって正当な所有者であることが確認された場合に、同乗者予約トークンの償却をサーバ10に依頼する。
【0044】
≪駐車場予約トークン及び同乗者予約トークン≫
ここで、駐車場予約トークンのデータ構成の一例を
図6に示す。
図6に示すように、駐車場予約トークンには、トークンを識別する識別情報(例えば、トークンID)と、トークンの所有者のアドレス情報とが少なくとも含まれる。これら以外にも、駐車場予約トークンには、運転者が運転する車(車両)を識別する識別情報、予約した駐車場を識別する識別情報、駐車場を利用する予定日時、利用可否フラグ等が含まれていてもよい。利用可否フラグとはトークンが利用可能か否かを示すフラグであり、トークンが発行されたときは利用可能であることを示す値となっており、トークンが償却された場合には利用不可能であることを示す値に更新される。また、車の識別情報は自動車登録番号(いわゆるナンバー)等であるが、これに加えて、例えば、車種や色等の情報が含まれていてもよい。なお、トークンの所有者のアドレス情報はユーザ(運転者端末20のユーザや同乗者端末30のユーザ等)の公開鍵を基に作成される。
【0045】
また、同乗者予約トークンのデータ構成の一例を
図7に示す。
図7に示すように、同乗者予約トークンには、トークンを識別する識別情報(例えば、トークンID)と、トークンの所有者のアドレス情報とが少なくとも含まれる。これら以外にも、同乗者予約トークンには、駐車場予約トークンを識別する識別情報(例えば、トークンID)、同乗者が同乗する車を識別する識別情報、同乗者が同乗する際の集合場所、集合時刻、目的地とする駐車情報を識別する識別情報、利用可否フラグ等が含まれていてもよい。
【0046】
<駐車場予約及び同乗者予約の流れ>
駐車場予約及び同乗者予約の流れの一例について、
図8を参照しながら説明する。
【0047】
まず、運転者は運転者端末20を用いて所定の画面上で駐車場の空き状況を確認し、予約を希望する日時(駐車予定日時)、予約を希望する駐車場、自身の車の識別情報等を入力することで、駐車場を予約するための操作を行うことができる。なお、所定の画面とは、例えば、Webサーバから提供されたWebページ、データ配信サーバから配信されたデータを表示する画面等である。
【0048】
駐車場を予約するための操作が行われた場合、運転者端末20の第1のトークン発行・移転要求部201は、駐車場予約トークンの発行・移転要求をサーバ10に送信する(ステップS101)。ここで、駐車場予約トークンの発行・移転要求には、駐車場を予約するための操作で入力された各種情報(例えば、予約を希望する日時(駐車予定日時)、予約を希望する駐車場、自身の車の識別情報等)が含まれる。このとき、駐車場予約トークンの所有者となる運転者のアドレス情報は、駐車場予約トークンの発行・移転要求に含まれていてもよいし、他の任意の方法(例えば、メール、SNS、Webページ上での入力等)でサーバ10に送信されてもよい。
【0049】
なお、運転者端末20は、ブロックチェーンネットワークを構成する複数のサーバ10のうち、予め決められたサーバ10に対して駐車場予約トークンの発行・移転要求を送信すればよい。以降、このことは、運転者端末20が各種要求をサーバ10に送信する際にも同様である。
【0050】
サーバ10の第1のトークン発行・移転部101は、駐車場予約トークンの発行・移転要求を受信すると、駐車場予約トークンを発行する(ステップS102)。このとき、第1のトークン発行・移転部101は、予め決められた者(例えば、駐車場の予約状況を管理する管理サーバの管理者や駐車場の管理者等)のアドレス情報をトークン所有者のアドレス情報とした駐車場予約トークンを発行する。また、当該駐車場予約トークンには、当該発行・移転要求に含まれる各種情報(駐車予定日時、予約を希望する駐車場、運転者の車の識別情報等)が設定される。
【0051】
次に、サーバ10の第1のトークン発行・移転部101は、上記のステップS103で発行した駐車場予約トークンの所有権を、上記のステップS101で駐車場予約トークンの発行・移転要求を送信した運転者端末20のユーザ(運転者)に移転する(ステップS103)。そして、サーバ10の第1のトークン発行・移転部101は、駐車場予約トークンの発行・移転要求に対する結果(例えば、発行・移転の成功又は失敗)を返信する。なお、駐車場予約トークンの発行及び移転に成功した場合は駐車場の予約に成功したことを意味し、そうでない場合は駐車場の予約に失敗したことを意味する。
【0052】
ここで、駐車場予約トークンの所有権の移転とは、当該トークンの所有者のアドレス情報を、新たな所有者である運転者のアドレス情報に書き換えることを意味する。このようなトークンの所有権の移転は、上記の書き換えを行うトランザクションを発行することで実現される。すなわち、上記の書き換えを行うトランザクションをブロックチェーンネットワーク内の各サーバ10に送信し、このトランザクションが検証及び承認され、新たなブロックとしてブロックチェーンに追加されることで実現される。このようにブロックチェーンではトランザクションの履歴がブロックとして記録されている。
【0053】
運転者は駐車場の予約をする際(又は、駐車場の予約をした後)に、所定の画面上で同乗可能な人数や集合場所、集合時刻等を入力することで、同乗者を募集するための操作を行うことができる。なお、所定の画面とは、例えば、Webサーバから提供されたWebページ、データ配信サーバから配信されたデータを表示する画面等である。
【0054】
同乗者を募集するための操作が行われた場合、運転者端末20の第2のトークン発行要求部202は、同乗者予約トークンの発行要求をサーバ10に送信する(ステップS104)。ここで、同乗者予約トークンの発行要求には、同乗者を募集するための操作で入力された各種情報(例えば、同乗可能な人数や集合場所、集合時刻等)が含まれる。また、当該同乗者予約トークンの発行要求には、運転者が予約した駐車場を利用するための駐車場予約トークンの識別情報、当該運転手が運転する車の識別情報、当該駐車場の識別情報等が含まれていてもよい。
【0055】
サーバ10の第2のトークン発行・移転部103は、同乗者予約トークンの発行要求を受信すると、同乗者予約トークンを発行する(ステップS105)。このとき、第2のトークン発行・移転部103は、予め決められた者(例えば、同乗者の予約状況を管理する管理サーバの管理者や確認者等)のアドレス情報をトークン所有者のアドレス情報とした同乗者予約トークンを、同乗可能な人数分発行する。また、これらの同乗者予約トークンには、当該発行要求に含まれる集合場所及び集合時刻等の各種情報や駐車場予約トークンの識別情報、車の識別情報、駐車場の識別情報等が設定される。
【0056】
続いて、相乗りを希望する同乗者は同乗者端末30を用いて所定の画面上で同乗者予約トークンの情報(集合場所、集合時刻、目的地とする駐車場等)を確認し、所望の同乗者予約トークンを選択することで、同乗を予約するための操作を行うことができる。なお、所定の画面とは、例えば、Webサーバから提供されたWebページ、データ配信サーバから配信されたデータを表示する画面等である。
【0057】
同乗を予約するための操作が行われた場合、同乗者端末30の第2のトークン移転要求部301は、同乗者予約トークンの移転要求をサーバ10に送信する(ステップS106)。ここで、同乗者予約トークンの移転要求には、同乗を予約するための操作で選択された同乗者予約トークンの情報(集合場所、集合時刻、目的地とする駐車場等)が含まれる。このとき、同乗者予約トークンの所有者となる同乗者のアドレス情報は、同乗者予約トークンの移転要求に含まれていてもよいし、他の任意の方法(例えば、メール、SNS、Webページ上での入力等)でサーバ10に送信されてもよい。
【0058】
なお、同乗者端末30は、ブロックチェーンネットワークを構成する複数のサーバ10のうち、予め決められたサーバ10に対して同乗者予約トークンの移転要求を送信すればよい。以降、このことは、同乗者端末30が各種要求をサーバ10に送信する際にも同様である。
【0059】
サーバ10の第2のトークン発行・移転部103は、同乗者予約トークンの移転要求を受信すると、同乗を予約するための操作で選択された同乗者予約トークンの所有権を、上記のステップS106で同乗者予約トークンの移転要求を送信した同乗者端末30のユーザ(同乗者)に移転する(ステップS107)。なお、同乗を予約するための操作で選択された同乗者予約トークンが複数存在する場合は、これらの同乗者予約トークンのうちの1つの同乗者予約トークンの所有権を当該同乗者に移転すればよい。
【0060】
そして、サーバ10の第2のトークン発行・移転部103は、同乗者予約トークンの移転要求に対する結果(例えば、移転の成功又は失敗)を返信する。なお、同乗者予約トークンの所有権の移転に成功した場合は同乗の予約に成功したことを意味し、そうでない場合は同乗の予約に失敗したことを意味する。また、同乗者予約トークンの所有権の移転とは、駐車場予約トークンの所有権の移転と同様に、当該トークンの所有者のアドレス情報を、新たな所有者である同乗者のアドレス情報に書き換えることを意味する。
【0061】
<相乗りから駐車までの流れ>
次に、運転者が運転する車に同乗者が相乗りしてから駐車場に車を駐車するまでの流れについて説明する。以下では、確認者端末40を用いない場合の流れについては
図9を、確認者端末40を用いる場合の流れについては
図10をそれぞれ参照しながら説明する。
【0062】
≪確認者端末40を用いない場合≫
同乗者は同乗者端末30を用いて所定の画面上で同乗者予約トークンの情報(例えば、集合場所、集合時刻、車両の識別情報等)を確認し、集合時刻に集合場所に向かって運転者と合流する。なお、所定の画面とは、例えば、Webサーバから提供されたWebページ、データ配信サーバから配信されたデータを表示する画面等である。ただし、同乗者予約トークンの情報ではなく、例えば、同乗者が同乗を予約した車の位置情報が表示可能に表示されるWebページ、当該位置情報が配信されるデータ配信アプリケーション等を確認することで、同乗者は運転者と合流してもよい。
【0063】
同乗者は運転者と合流し、車に同乗する際に同乗者端末30を操作して同乗者予約トークンの償却操作を行う。この操作が行われると、同乗者端末30の第2のトークン償却要求部302は、同乗者予約トークンの償却要求をサーバ10に送信する(ステップS201)。ここで、同乗者予約トークンの償却要求には、償却対象の同乗者予約トークンを特定するための情報(例えば、トークンID、同乗者のメールアドレス、電話番号、ユーザID等)が含まれる。
【0064】
サーバ10の第2のトークン償却部104は、同乗者予約トークンの償却要求を受信すると、この償却要求の正当性を判定する(ステップS202)。正当性の判定は、例えば、当該償却要求に対して付与された電子署名の検証等が挙げられる。なお、電子署名は同乗者の秘密鍵を用いて付与され、その検証は当該同乗者の公開鍵を用いて行われる。
【0065】
次に、サーバ10の第2のトークン償却部104は、上記のステップS202で当該償却要求が正当であると判定された場合、当該償却要求に係る同乗者予約トークンを償却する(ステップS203)。そして、サーバ10の第2のトークン償却部104は、同乗者予約トークンの償却要求に対する結果(例えば、償却の成功又は失敗)を返信する。なお、同乗者予約トークンの償却に成功した場合は同乗者の相乗りが許可された(又は相乗りが行われた)こと意味し、そうでない場合は相乗りが許可されなかったことを意味する。
【0066】
次に、運転者が予約した駐車場に到着した場合、運転者は運転者端末20を用いて駐車場予約トークンの償却操作を行う。この操作が行われると、運転者端末20の第1のトークン償却要求部203は、駐車場予約トークンの償却要求をサーバ10に送信する(ステップS204)。ここで、駐車場予約トークンの償却要求には、償却対象の駐車場予約トークンを特定するための情報(例えば、トークンID、運転者のメールアドレス、電話番号、ユーザID等)が含まれる。
【0067】
サーバ10の第1のトークン償却部102は、駐車場予約トークンの償却要求を受信すると、この償却要求の正当性を判定する(ステップS205)。正当性の判定は、例えば、当該償却要求に対して付与された電子署名の検証等が挙げられる。なお、電子署名は運転者の秘密鍵を用いて付与され、その検証は当該運転者の公開鍵を用いて行われる。
【0068】
次に、サーバ10の第1のトークン償却部102は、上記のステップS205で当該償却要求が正当であると判定された場合、当該償却要求に係る駐車場予約トークンを償却する(ステップS206)。そして、サーバ10の第1のトークン償却部102は、駐車場予約トークンの償却要求に対する結果(例えば、償却の成功又は失敗)を返信する。なお、駐車場予約トークンの償却に成功した場合は駐車場への駐車が許可された(又は駐車が完了した)ことを意味し、そうでない場合は駐車が許可されなかったことを意味する。
【0069】
≪確認者端末40を用いる場合≫
同乗者は同乗者端末30を用いて所定の画面上で同乗者予約トークンの情報(例えば、集合場所、集合時刻、車両の識別情報等)を確認し、集合時刻に集合場所に向かって運転者と合流する。なお、所定の画面とは、例えば、Webサーバから提供されたWebページ、データ配信サーバから配信されたデータを表示する画面等である。ただし、同乗者予約トークンの情報ではなく、例えば、同乗者が同乗を予約した車の位置情報が表示可能に表示されるWebページ、当該位置情報が配信されるデータ配信アプリケーション等を確認することで、同乗者は運転者と合流してもよい。
【0070】
同乗者は運転者と合流し、車に同乗する際に同乗者端末30を用いて、同乗者予約トークンの情報が含まれるコードの表示操作を行う。この操作が行われると、同乗者端末30の第2のコード表示部303は、当該同乗者予約トークンの情報が含まれるコード(例えば、QRコード等の二次元コード)をディスプレイ上に表示する(ステップS301)。なお、二次元コードは一例であって、バーコード等であってもよい。また、これ以外にも、例えば、当該同乗者予約トークンの情報を表現する音波や光の点滅、画像等を出力又は表示してもよい。
【0071】
確認者端末40の第2の読取部404は、上記のステップS301で同乗者端末30のディスプレイ上に表示されたコードを読み取って、同乗者予約トークンの情報(トークンの識別情報(トークンID)、トークンの所有者のアドレス情報等)を取得する(ステップS302)。なお、第2の読取部404は、例えば、確認者端末40が備えるカメラ装置等によりコードを読み取ればよい。
【0072】
確認者端末40の第2のトークン確認部405は、上記のステップS302で取得した情報を用いて、当該同乗者予約トークンの所有者確認を行う(ステップS303)。すなわち、第2のトークン確認部405は、上記のステップS302で取得した情報に含まれるトークンIDを用いて、このトークンIDに対応するトークンをブロックチェーンネットワーク上で参照して、当該トークンの所有者のアドレス情報と、上記のステップS302で取得した情報に含まれるアドレス情報とが一致するか否かを確認する。これらのアドレス情報が一致していることが確認された場合は、当該同乗者は当該同乗者予約トークンの所有権を有していること(つまり、正当な所有者であること)を意味し、そうでない場合は、当該同乗者は当該同乗者予約トークンの所有権を有していないことを意味する。
【0073】
そして、確認者端末40の第2のトークン確認部405は、所有者確認に対する結果(例えば、成功又は失敗)を返信する。なお、成功を示す結果が同乗者端末30に返信されることで、同乗者は、同乗者予約トークンが実際に償却される前に相乗りを開始することが可能となる。すなわち、トークンの償却にはトランザクションの実行が必要であるため、一般に数秒から数十秒程度の待ち時間が発生するが、成功を示す結果が同乗者端末30に返信されることで、待ち時間なく相乗りを開始することが可能となる。
【0074】
また、上記の返信は必ずしも行われる必要はなく、例えば、確認者端末40のディスプレイ上に結果が表示され、この結果を同乗者が確認してもよい。更に、後述するように同乗者予約トークンの償却要求は確認者端末40が送信するため、同乗者端末30は必ずしも通信ネットワークに接続されている必要はない。したがって、例えば、同乗者端末30の通信状態が悪く、ブロックチェーンネットワークに接続できない場合であっても、同乗者は相乗りを開始することが可能となる。
【0075】
確認者端末40の第2のトークン償却要求部406は、同乗者予約トークンの償却要求をサーバ10に送信する(ステップS304)。ここで、同乗者予約トークンの償却要求には、償却対象の同乗者予約トークンを特定するための情報(例えば、トークンID、同乗者のメールアドレス、電話番号、ユーザID等)が含まれる。
【0076】
なお、確認者端末40は、ブロックチェーンネットワークを構成する複数のサーバ10のうち、予め決められたサーバ10に対して同乗者予約トークンの償却要求を送信すればよい。以降、このことは、確認者端末40が各種要求をサーバ10に送信する際にも同様である。
【0077】
サーバ10の第2のトークン償却部104は、同乗者予約トークンの償却要求を受信すると、この償却要求の正当性を判定する(ステップS305)。正当性の判定は、例えば、当該償却要求に対して付与された電子署名の検証等が挙げられる。なお、電子署名は確認者の秘密鍵を用いて付与され、その検証は当該確認者の公開鍵を用いて行われる。
【0078】
次に、サーバ10の第2のトークン償却部104は、上記のステップS305で当該償却要求が正当であると判定された場合、当該償却要求に係る同乗者予約トークンを償却する(ステップS306)。そして、サーバ10の第2のトークン償却部104は、同乗者予約トークンの償却要求に対する結果(例えば、償却の成功又は失敗)を返信する。
【0079】
続いて、運転者が予約した駐車場に到着した場合、当該運転者は運転者端末20を用いて、駐車場予約トークンの情報が含まれるコードの表示操作を行う。この操作が行われると、運転者端末20の第1のコード表示部204は、当該駐車場予約トークンの情報が含まれるコード(例えば、QRコード等の二次元コード)をディスプレイ上に表示する(ステップS307)。なお、上述したように、二次元コードは一例であって、バーコード等であってもよいし、音波や光の点滅、画像等であってもよい。
【0080】
確認者端末40の第1の読取部401は、上記のステップS307で運転者端末20のディスプレイ上に表示されたコードを読み取って、駐車場予約トークンの情報(トークンの識別情報(トークンID)、トークンの所有者のアドレス情報等)を取得する(ステップS308)。なお、第1の読取部401は、例えば、確認者端末40が備えるカメラ装置等によりコードを読み取ればよい。
【0081】
確認者端末40の第1のトークン確認部402は、上記のステップS308で取得した情報を用いて、当該駐車場予約トークンの所有者確認を行う(ステップS309)。すなわち、第1のトークン確認部402は、上記のステップS308で取得した情報に含まれるトークンIDを用いて、このトークンIDに対応するトークンをブロックチェーンネットワーク上で参照して、当該トークンの所有者のアドレス情報と、上記のステップS308で取得した情報に含まれるアドレス情報とが一致するか否かを確認する。これらのアドレス情報が一致していることが確認された場合は、当該運転者は当該駐車場予約トークンの所有権を有していること(つまり、正当な所有者であること)を意味し、そうでない場合は、当該運転者は当該駐車場予約トークンの所有権を有していないことを意味する。
【0082】
そして、確認者端末40の第1のトークン確認部402は、所有者確認に対する結果(例えば、成功又は失敗)を返信する。なお、成功を示す結果が運転者端末20に返信されることで、運転者は、駐車場予約トークンが実際に償却される前に駐車場への駐車を開始することが可能となる。すなわち、トークンの償却にはトランザクションの実行が必要であるため、一般に数秒から数十秒程度の待ち時間が発生するが、成功を示す結果が運転者端末20に返信されることで、待ち時間なく駐車を開始することが可能となる。
【0083】
また、上記の返信は必ずしも行われる必要はなく、例えば、確認者端末40のディスプレイ上に結果が表示され、この結果を運転者が確認してもよい。更に、後述するように駐車場予約トークンの償却要求は確認者端末40が送信するため、運転者端末20は必ずしも通信ネットワークに接続されている必要はない。したがって、例えば、運転者端末20の通信状態が悪く、ブロックチェーンネットワークに接続できない場合であっても、運転者は駐車を開始することが可能となる。
【0084】
確認者端末40の第1のトークン償却要求部403は、駐車場予約トークンの償却要求をサーバ10に送信する(ステップS310)。ここで、駐車場予約トークンの償却要求には、償却対象の駐車場予約トークンを特定するための情報(例えば、トークンID、運転者のメールアドレス、電話番号、ユーザID等)が含まれる。
【0085】
サーバ10の第1のトークン償却部102は、駐車場予約トークンの償却要求を受信すると、この償却要求の正当性を判定する(ステップS311)。正当性の判定は、例えば、当該償却要求に対して付与された電子署名の検証等が挙げられる。なお、電子署名は確認者の秘密鍵を用いて付与され、その検証は当該確認者の公開鍵を用いて行われる。
【0086】
次に、サーバ10の第1のトークン償却部102は、上記のステップS311で当該償却要求が正当であると判定された場合、当該償却要求に係る駐車場予約トークンを償却する(ステップS312)。そして、サーバ10の第1のトークン償却部102は、駐車場予約トークンの償却要求に対する結果(例えば、償却の成功又は失敗)を返信する。
【0087】
<駐車場予約トークンの移転の流れ>
或る運転者(以下、運転者Aという。)は他の運転者(以下、運転者Bという。)に自身が予約した駐車場予約トークンの所有権を移転することが可能である。これにより、例えば、予定が変更になり駐車場の予約が不要になった場合等に、運転者Aは運転者Bにその予約を譲渡することが可能となる。
【0088】
そこで、駐車場予約トークンの移転の流れについて、
図11を参照しながら説明する。
図11では、運転者Aの運転者端末20を「運転者端末20A」、運転者Bの運転者端末20を「運転者端末20B」と表記する。
【0089】
まず、運転者Aは運転者端末20Aを用いて、駐車場予約トークンの所有権を運転者Bに移転するための操作を行う。この操作では、運転者Bのアドレス情報(又は、このアドレス情報を特定するための情報(例えば、メールアドレスや電話番号、ユーザID等))が指定される。なお、運転者Aは任意の方法(例えば、メールやSNS、電話等)で運転者Bのアドレス情報(又は、このアドレス情報を特定するための情報)を入手すればよい。
【0090】
上記の操作が行われると、運転者端末20Aの第1のトークン発行・移転要求部201は、駐車場予約トークンの移転要求をサーバ10に送信する(ステップS401)。ここで、駐車場予約トークンの移転要求には、移転対象の駐車場予約トークンを特定するための情報と、移転先である運転者Bのアドレス情報(又は、このアドレス情報を特定するための情報)とが含まれる。
【0091】
サーバ10の第1のトークン発行・移転部101は、駐車場予約トークンの移転要求を受信すると、移転対象の駐車場予約トークンの所有権を運転者Aから運転者Bに移転する(ステップS402)。すなわち、第1のトークン発行・移転部101は、当該駐車場予約トークンの所有者のアドレス情報を、運転者Bのアドレス情報に書き換える。
【0092】
そして、サーバ10の第1のトークン発行・移転部101は、駐車場予約トークンの移転要求に対する結果(例えば、移転の成功又は失敗)を運転者端末20A及び運転者端末20Bに送信する。
【0093】
<同乗者予約トークンの移転の流れ>
或る車への同乗予約を行った者(以下、同乗者Aという。)は他の者(以下、同乗者Bという。)に自身が予約した同乗者予約トークンの所有権を移転することが可能である。これにより、例えば、予定が変更になり相乗りが不要になった場合等に、同乗者Aは同乗者Bにその予約を譲渡することが可能となる。
【0094】
そこで、同乗者予約トークンの移転の流れについて、
図12を参照しながら説明する。
図12では、同乗者Aの同乗者端末30を「同乗者端末30A」、同乗者Bの同乗者端末30を「同乗者端末30B」と表記する。
【0095】
まず、同乗者Aは同乗者端末30Aを用いて、同乗者予約トークンの所有権を同乗者Bに移転するための操作を行う。この操作では、同乗者Bのアドレス情報(又は、このアドレス情報を特定するための情報(例えば、メールアドレスや電話番号、ユーザID等))が指定される。なお、同乗者Aは任意の方法(例えば、メールやSNS、電話等)で同乗者Bのアドレス情報(又は、このアドレス情報を特定するための情報)を入手すればよい。
【0096】
上記の操作が行われると、同乗者端末30Aの第2のトークン移転要求部301は、同乗者予約トークンの移転要求をサーバ10に送信する(ステップS501)。ここで、同乗者予約トークンの移転要求には、移転対象の同乗者予約トークンを特定するための情報と、移転先である同乗者Bのアドレス情報(又は、このアドレス情報を特定するための情報)とが含まれる。
【0097】
サーバ10の第2のトークン発行・移転部103は、同乗者予約トークンの移転要求を受信すると、移転対象の同乗者予約トークンの所有権を同乗者Aから同乗者Bに移転する(ステップS502)。すなわち、第2のトークン発行・移転部103は、当該同乗者予約トークンの所有者のアドレス情報を、同乗者Bのアドレス情報に書き換える。
【0098】
そして、サーバ10の第2のトークン発行・移転部103は、同乗者予約トークンの移転要求に対する結果(例えば、移転の成功又は失敗)を同乗者端末30A及び同乗者端末30Bに送信する。
【0099】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る予約システム1は、駐車場の予約と同乗者の予約(同乗者の募集)とを同時かつ簡易に行うことができる。しかも、本実施形態に係る予約システム1は、ブロックチェーンプラットフォーム上に実装されたスマートコントラクトによって発行されたトークンを電子チケットとした予約を行うことで、予約の信頼(つまり、予約が改ざんされたり、不正な予約が行われたりしないこと等)を確保することができる。
【0100】
ここで、本実施形態の変形例をいくつか以下に示す。
【0101】
(変形例1)
図9のステップS206で駐車場予約トークンを償却する際に、サーバ10は、同乗者の有無を確認し、同乗者がいる場合にのみ償却を行う(つまり、駐車場の利用を許可する)ようにしてもよい。具体的には、サーバ10は、ブロックチェーンネットワークを参照して、当該駐車場予約トークンのトークンIDが含まれる同乗者予約トークンを検索し、このような同乗者予約トークンが存在し、かつ、この同乗者予約トークンが償却済みである場合のみ当該駐車場予約トークンを償却するようにしてもよい。これにより、運転者が車で移動する際の相乗りを促進させることが可能となる。
【0102】
(変形例2)
図8のステップS102で駐車場予約トークンを発行する際に、サーバ10は、運転者の特性によって駐車場予約トークンの発行を制限してもよい。例えば、予め運転者の住所を登録しておき、運転者の居住エリア内の駐車場のみを予約可能として、サーバ10は、居住エリア外の駐車場予約トークンの発行を制限してもよい。又は、例えば、運転者の通勤日や通学日のみ駐車場を予約可能として、サーバ10は、通勤日や通学日以外の駐車場予約トークンの発行を制限してもよい。
【0103】
(変形例3)
駐車場の予約に対してポイント制度が導入されてもよい。例えば、運転者には毎月一定のポイントを付与し、駐車場予約トークンの発行の際には一定数のポイントが消費されるようにし、保有するポイントが一定数以下となった場合には駐車場を予約することができないようにしてもよい。これにより、駐車場の予約回数に制限を持たせ、公共交通機関の利用を促進させることが可能となる。
【0104】
また、例えば、運転者が同乗者の募集を行って同乗者予約トークンを発行した場合にはポイントを一定数付与してもよい。これにより、運転者が車で移動する際の相乗りを促進させることが可能となる。
【0105】
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載から逸脱することなく、種々の変形や変更、既知の技術との組み合わせ等が可能である。
【符号の説明】
【0106】
1 予約システム
10 サーバ(BCノード)
20 運転者端末
30 同乗者端末
40 確認者端末
101 第1のトークン発行・移転部
102 第1のトークン償却部
103 第2のトークン発行・移転部
104 第2のトークン償却部
201 第1のトークン発行・移転要求部
202 第2のトークン発行要求部
203 第1のトークン償却要求部
204 第1のコード表示部
301 第2のトークン移転要求部
302 第2のトークン償却要求部
303 第2のコード表示部
401 第1の読取部
402 第1のトークン確認部
403 第1のトークン償却要求部
404 第2の読取部
405 第2のトークン確認部
406 第2のトークン償却要求部