(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】コントロールセンタに用いる誤挿入防止装置、それを用いたコントロールセンタ、及び誤挿入防止装置の取付け方法
(51)【国際特許分類】
H02B 11/133 20060101AFI20240618BHJP
【FI】
H02B11/133 D
(21)【出願番号】P 2020152905
(22)【出願日】2020-09-11
【審査請求日】2023-07-06
(73)【特許権者】
【識別番号】513296958
【氏名又は名称】東芝産業機器システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】服部 和馬
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-056708(JP,A)
【文献】特開2015-002635(JP,A)
【文献】特開平10-075511(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 11/00 - 11/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に開口を有する箱体と、前記箱体内を区画して形成された複数の収納室と、前記収納室に着脱可能に構成された単位装置と、を有するコントロールセンタに使用可能な、単位装置の誤挿入防止装置であって、
相互に対となる形状に形成された、1又は複数組の単位装置側抑制部材及び箱体側抑制部材を備え、
前記単位装置側抑制部材は前記単位装置に取付けられ、
前記箱体側抑制部材は前記箱体に取付けられ、
前記単位装置側抑制部材と前記箱体側抑制部材とは、正しい組み合わせの場合は相互に干渉せず、誤った組み合わせの場合は干渉
し、
前記コントロールセンタは、
前記箱体に設けられる箱体側部品と、
前記単位装置に設けられ、前記単位装置が前記収納室に装着されることに伴い前記箱体側部品と接続され、前記単位装置が前記収納室から取り外されることに伴い前記箱体側部品から抜き出される単位装置側部品と、
前記収納室に面して前記箱体に設けられ、前記箱体側部品を取り付け可能な複数の箱体側取付け部と、
前記単位装置に設けられ、前記単位装置側部品を取付け可能な複数の単位装置側取付け部と、を更に備え、
前記単位装置側抑制部材は、前記箱体側部品と干渉する形状に形成され、前記単位装置側取付け部に取付け可能に構成されており、
前記箱体側抑制部材は、前記単位装置側部品と干渉する形状に形成され、前記箱体側取付け部に取付け可能に構成されている、
誤挿入防止装置。
【請求項2】
前記箱体側部品は、箱体側断路器であり、
前記単位装置側部品は、単位装置側断路器である、
請求項
1に記載の誤挿入防止装置。
【請求項3】
請求項
1又は
2記載の誤挿入防止装置の取付け方法であって、
前記単位装置の複数の前記単位装置側取付け部のうち少なくとも1つに前記単位装置側部品を取り付け、その他の単位装置側取付け部に前記単位装置側抑制部材を取り付け、
前記収納室に面する複数の前記箱体側取付け部のうち前記単位装置側部品に対応する前記箱体側取付け部に前記箱体側部品を取付け、前記単位装置側抑制部材に対応する前記箱体側取付け部に当該前記単位装置側抑制部材と対になる箱体側抑制部材を取り付ける、
誤挿入防止装置の取付け方法。
【請求項4】
前面に開口を有する箱体と、
前記箱体内を区画して形成された複数の収納室と、
前記収納室に着脱可能に構成された単位装置と、
前記箱体に設けられた箱体側抑制部材と、
前記箱体側抑制部材と対に構成され、前記単位装置内において前記単位装置が前記収納室に装着された場合に前記箱体側抑制部材と嵌合する位置に設けられた単位装置側抑制部材と、を備え
、
前記箱体に設けられる箱体側部品と、
前記単位装置に設けられ、前記単位装置が前記収納室に装着されることに伴い前記箱体側部品と接続され、前記単位装置が前記収納室から取り外されることに伴い前記箱体側部品から抜き出される単位装置側部品と、
前記収納室に面して前記箱体に設けられ、前記箱体側部品を取り付け可能な複数の箱体側取付け部と、
前記単位装置に設けられ、前記単位装置側部品を取付け可能な複数の単位装置側取付け部と、を更に備え、
前記箱体側抑制部材は、前記複数の箱体側取付け部のうち、前記箱体側部品が取り付けられていない箱体側取付け部に取り付けられ、
前記単位装置側抑制部材は、前記複数の単位装置側取付け部のうち、前記単位装置側部品が取り付けられていない単位装置側取付け部に取り付けられている、
コントロールセンタ。
【請求項5】
一対の前記箱体側部品と前記単位装置側部品とは、一方が凹形状他方が凸形状である凹凸形状で嵌合可能に構成されており、
前記箱体側抑制部材と前記単位装置側抑制部材とは、一方が凹形状他方が凸形状である凹凸形状で嵌合可能に構成されており、
前記単位装置側部品が凸形状であれば前記単位装置側抑制部材は凸形状であり、前記箱体側部品が凹形状であれば前記箱体側抑制部材は
凹形状である、
請求項
4に記載のコントロールセンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、コントロールセンタに用いる誤挿入防止装置、それを用いたコントロールセンタ、及び誤挿入防止装置の取付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コントロールセンタは、主回路における開閉器、保護装置及び、監視・制御装置などを単位装置毎に箱体に組み込んだ装置である。箱体内に組み込まれる各単位装置は、それぞれ受電制御、モータ制御、フィーダ制御等の機能を有し、各機能を満たすために必要な主回路及び補助回路の装置を備えた構成である。
【0003】
コントロールセンタは、箱体に配設された多数の単位装置を備えており、更に各単位装置とコントロールセンタとを電気的に接続及び分離可能な断路装置が設けられている。断路装置は、単位装置側の部分と箱体側の部分に分かれており、単位装置と箱体側とにそれぞれ同じ個数の断路器を設けることで使用される。
【0004】
単位装置は、形式、容量、回路構成が同じであれば交換や入れ替えが可能に構成されている。つまり、単位装置は、基本的に、サイズが同じであれば機能が異なっていても箱体に挿入することが可能である。そのため、異機能を有する単位装置が、コントロールセンタ本体に誤挿入される虞があった。その場合、断路器間に組み合わせの異常が生じ、短絡や結線の異常等の原因となり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
異機能を有する単位装置の誤挿入を抑制できる誤挿入防止装置、それを用いたコントロールセンタ、及び誤挿入防止装置の取付け方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
誤挿入防止装置は、前面に開口を有する箱体と、前記箱体内を区画して形成された複数の収納室と、前記収納室に着脱可能に構成された単位装置と、を有するコントロールセンタに使用可能である。誤挿入防止装置は、相互に対となる形状に形成された、1又は複数組の単位装置側抑制部材及び箱体側抑制部材を備える。前記単位装置側抑制部材は前記単位装置に取付けられ、前記箱体側抑制部材は前記箱体に取付けられる。前記単位装置側抑制部材と前記箱体側抑制部材とは、正しい組み合わせの場合は相互に干渉せず、誤った組み合わせの場合は干渉する。
【0008】
誤挿入防止装置の取付け方法は、前記単位装置の複数の前記単位装置側取付け部のうち少なくとも1つに前記単位装置側部品を取り付け、その他の単位装置側取付け部に前記単位装置側抑制部材を取り付ける。前記収納室に面する複数の前記箱体側取付け部のうち前記単位装置側部品に対応する前記箱体側取付け部に前記箱体側部品を取付け、前記単位装置側抑制部材に対応する前記箱体側取付け部に当該前記単位装置側抑制部材と対になる箱体側抑制部材を取り付ける。
【0009】
コントロールセンタは、前面に開口を有する箱体と、前記箱体内を区画して形成された複数の収納室と、前記収納室に着脱可能に構成された単位装置と、を備える。コントロールセンタは、前記箱体に設けられた箱体側抑制部材と、前記箱体側抑制部材と対に構成され、前記単位装置内において前記単位装置が前記収納室に装着された場合に前記箱体側抑制部材と嵌合する位置に設けられた単位装置側抑制部材と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態によるコントロールセンタの一例の概略構成を表す正面図
【
図2】一実施形態によるコントロールセンタの一例の単位装置周辺を表す概略正面図
【
図3】一実施形態によるコントロールセンタの一例の単位装置を表す概略斜視図
【
図4】一実施形態による誤挿入防止装置の一例の使用状態を示す部分拡大図(その1)
【
図5】一実施形態によるコントロールセンタの一例の
図2のX5-X5に沿った部分断面図
【
図6】一実施形態による誤挿入防止装置の例を示す概略図(その1)
【
図7】一実施形態による誤挿入防止装置の例を示す概略図(その2)
【
図8】一実施形態による誤挿入防止装置の例を示す概略図(その3)
【
図9】一実施形態による誤挿入防止装置の一例の使用状態を示す部分拡大図(その2)
【
図10】一実施形態による誤挿入防止装置の一例の使用状態を示す部分拡大図(その3)
【
図11】一実施形態による誤挿入防止装置の一例の使用状態を示す部分拡大図(その4)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、一実施形態によるコントロールセンタのユニット誤挿入防止装置について、
図1~
図11を参照して説明する。
図1に示すコントロールセンタ10は、前面が開口した縦長矩形箱状の箱体11内に、複数の収納室12を有して構成されている。以下の説明では、箱体11の開口側を、コントロールセンタ10の前面側とし、開口とは反対側を、コントロールセンタ10の背面側とする。また、コントロールセンタ10を
図1の姿勢で床面に設置した場合における重力方向に対する上下方向を、コントロールセンタ10の上下方向とする。また、
図1のコントロールセンタ10を前側から見た場合における左右方向を、コントロールセンタ10の左右方向とする。
【0012】
箱体11は、
図1、
図2に示すように、複数の収納室12、複数の仕切り板13、左右の取付け板14を有する。複数の収納室12は、箱体11の上下方向に並んで設けられている。各収納室12は、後述する単位装置20を内部に収納する空間である。なお、各収納室12は、箱体11の左右の一方の側この場合左側寄りに設けられている。なお、収納室12は、箱体11の上下方向だけでなく左右方向に複数並べて配置しても良い。
【0013】
各仕切り板13は、
図1、
図2等に示すように、水平方向に延びる板状に形成されている。詳細は図示しないが、各仕切り板13は、箱体11の前側寄りであって、箱体11の左右の一方の側この場合左側に寄って設けられている。各仕切り板13は、複数の収納室12の間を区切る。左右の取付け板14は、前後方向に垂直な面つまり上下方向及び左右方向に延びる面を形成している。左右の取付け板14は、箱体11の前後方向の中心付近において、箱体11の左右両端側に分かれて設けられている。つまり、取付け板14は、少なくとも部分的に箱体11内部を前後方向に区切っている。各仕切り板13は、その後縁部側において取付け板14に取り付けられている。各仕切り板13の取付け板14への取付けは、例えば嵌め合いによる。なお、各仕切り板13の取付けは、いわゆるスナップフィットや、ねじ等による方法であっても良い。右側の取付け板14を取付け板141と、左側の取付け板14を取付け板142と称する。なお、取付け板14は、複数の部材に分割される構成に限られず、ひとつながりの構成であっても良い。
【0014】
なお、左右の取付け板14の間には、図示しないR、S、Tの各相の電源母線の一部が収容されている。各電源母線は、電源に接続されている。各収納室12の後部には、図示しない単位電源断路器が設けられている。収納室12側の単位電源断路器は、絶縁ケースと、絶縁ケースに装着された3つの図示しない接触部とを有する。各接触部は、電源母線に接続されている。
【0015】
各収納室12は、
図1に示すように開口部15と扉16とを有する。開口部15は、各収納室12の前面側を前方に向かって開放する。開口部15は、少なくとも、各収納室12の上下の仕切り板13と、箱体11の一部とによって囲まれている。扉16は、各収納室12の開口部15に回動可能に取り付けられ、各収納室12の前面を開閉する。
【0016】
箱体11は、
図1、
図2等に示すように配線室17を有する。配線室17は、箱体11の前側寄りであって、箱体11の左右方向に関して各収納室12が設けられていない側この場合右側に設けられている。この場合、配線室17は、複数の収納室12に跨って設けられている。配線室17の後ろ側には、取付け板14が設けられている。なお、配線室17の前面にも、図示しない回動式の扉が設けられている。
【0017】
コントロールセンタ10は、
図1、
図2等に示すように一又は複数の単位装置20を備える。単位装置20は、外形が概ね矩形の箱状に形成されており、外寸が収納室12の内寸よりやや小さい。単位装置20は、各収納室12に着脱可能に構成されている。単位装置20は、開口部15を通して前後方向に移動させることによって、各収納室12に装着又は各収納室12から脱着される。
【0018】
単位装置20は、
図3に示すように、後ろ板21と、底板22とを有する。後ろ板21は、単位装置20の背面側の面を形成する。後ろ板21は、単位装置20が収納室12に装着された状態で左右の取付け板14と対面する。底板22は、単位装置20の下側の面を形成する。底板22は、単位装置20が収納室12に装着された状態で仕切り板13と接する。
【0019】
単位装置20は、
図3に示す遮断器23、図示しない単位電源断路器、図示しないモータを制御するモータマルチリレー及びその他の機器を組み合わせて構成される。遮断器23は、後ろ板21に取り付けられている。図示しない単位電源断路器は、単位装置20の後ろ板21の背面側に設けられている。遮断器23は、単位装置20側の単位電源断路器に接続されている。単位装置20側の単位電源断路器は、絶縁ケースと、絶縁ケースに装着された3つの図示しない接触部とを有する。単位装置20を収納室12内に装着すると、単位装置20側の単位電源断路器の各接触部が、収納室12側の単位電源断路器の各接触部に接触する。つまり、遮断器23は、図示しない単位電源断路器を介して上述の電源母線に接続される。これにより、単位装置20を収納室12に挿入すると、遮断器23を含む主回路が、電源に接続される。
【0020】
各単位装置20は、
図3等に示すように、単位装置側部品である単位装置側断路器30を有する。各単位装置20に設けられる単位装置側断路器30の個数は、単位装置20の内寸や電流容量などに応じて設定される。例えば、
図3に示す単位装置20の場合、単位装置側断路器30の個数を1個又は2個に設定することができる。
図3では、単位装置側断路器30を1個設けた場合が図示されている。なお、別の実施形態の単位装置20では、単位装置側断路器30の個数を例えば1個から3個に設定することができる。複数の単位装置側断路器30を設ける場合、各単位装置側断路器30は、上下方向に並べて設けられる。
【0021】
単位装置側断路器30は、
図3、
図4等に示すように、ケース31と、接触部32と、導電部33とを有する。ケース31は、単位装置側断路器30の外殻を形成しており、絶縁性の部材によって概ね矩形に形成されている。ケース31の位置は、配線室17側この場合右側の端部が、単位装置20の配線室17側端部と一致するように設定されている。この場合、ケース31の配線室17側の端部の位置が、後ろ板21の配線室17側端部の位置と一致している。
【0022】
図3に示すように、接触部32及び導電部33は、R相、S相、T相に対応して各単位装置側断路器30にそれぞれ3つずつ設けられている。接触部32は、ケース31から左右方向に関して外側この場合配線室17側である右側に突出している。換言すると、接触部32の右端部は、単位装置20が収納室12に装着された状態において、配線室17に露出する。接触部32は雄側接触部である。つまり、単位装置側断路器30は、雄側断路器である。単位装置側断路器30は、全体として凸形状を有する。
【0023】
導電部33は、ケース31内部にあって、接触部32とは反対側この場合左側に設けられている。各接触部32には、図示しない配線が遮断器23から延びており、単位装置側断路器30と遮断器23とは電気的に接続される。
【0024】
単位装置側断路器30は、
図3に示すように、各単位装置20の後ろ板21に取り付けられている。具体的には、単位装置20は、複数段の単位装置側取付け部26を有する。単位装置側取付け部26は、後ろ板21の、配線室17側よりに設けられている。各段の単位装置側取付け部26は、一個の単位装置側断路器30を単位装置20に取り付け可能に構成されている。各段の単位装置側取付け部26は、例えば後ろ板21を貫いて或いは窪ませて設けられた一又は複数の孔である。単位装置側断路器30は、背部に一又は複数この場合二個の爪部34を有する。単位装置側取付け部26は、単位装置側断路器30の爪部34が嵌め込まれることによって、単位装置側断路器30を単位装置20に固定する。なお、単位装置側断路器30は、嵌め合いやいわゆるスナップフィット、ねじ部材等によって単位装置側取付け部26を介して後ろ板21に固定されても良い。
【0025】
この場合、複数段の単位装置側取付け部26は、上下方向に並んで設けられている。これにより、複数の単位装置側断路器30を上下方向に並べて設けることが可能となる。複数段の単位装置側取付け部26のうち、最下段を単位装置側取付け部261と、最下段の次の段を単位装置側取付け部262と称する。この場合、一段の単位装置側取付け部26には、上下若しくは左右又は上下及び左右に並んだ複数個の孔によって形成されていても良い。本実施形態では、一段の単位装置側取付け部26は、上下に並んだ二個の孔によって形成されている。また、本実施形態では、単位装置側断路器30は、単位装置側取付け部261に固定されている。
【0026】
配線室17は、
図2、5等に示すように、箱体側部品である箱体側断路器40を有する。箱体側断路器40の個数は、箱体側断路器40が隣接する収納室12に装着される単位装置20に設けられている単位装置側断路器30の個数と同一となるように設定される。
図2に示す場合、隣接する収納室12に装着される単位装置20に設けられている単位装置側断路器30の個数は1であるため、箱体側断路器40の個数は1に設定される。
【0027】
箱体側断路器40は、収納室12に単位装置20が装着された状態で、単位装置側断路器30と対応する位置つまり対面する位置に設けられている。この場合、単位装置側断路器30と箱体側断路器40との上下方向の長さ寸法は一致している。箱体側断路器40の下端部の床面からの高さ寸法は、収納室12に単位装置20が装着された状態で、単位装置側断路器30の下端部の床面からの高さ寸法と同一である。
【0028】
箱体側断路器40は、ケース41と、接触部42と、導電部43とを有する。ケース41は、箱体側断路器40の外殻を形成しており、絶縁性の部材によって概ね矩形に形成されている。ケース41の位置は、収納室12側この場合左側の端部が、単位装置20の配線室17側この場合右側端部と向かい合うように設定されている。
【0029】
図4に示すように、接触部42及び導電部43は、R相、S相、T相に対応して各箱体側断路器40にそれぞれ3つずつ設けられている。接触部42は、ケース41内部にあって左右方向に関して収納室12側この場合左側に設けられている。つまり、接触部42は、収納室12側に露出していない。接触部42は雌側接触部である。箱体側断路器40は、雌側断路器である。箱体側断路器40は、全体として凹形状を有する。
【0030】
導電部43は、ケース41内部にあって、接触部42とは反対側この場合右側に設けられている。各接触部32には、図示しない配線がモータなどの負荷から延びており、箱体側断路器40と負荷とは電気的に接続されている。
【0031】
図4に示すように、単位装置20を収納室12に装着すると、単位装置側断路器30の雄側接触部32と、箱体側断路器40の雌側接触部42とが嵌合し、単位装置側断路器30と、箱体側断路器40とが接続される。そのため、電源と負荷とが電気的に接続される。単位装置20を収納室12から取り外すと、単位装置側断路器30の雄側接触部32が、箱体側断路器40の雌側接触部42から抜き出され、単位装置側断路器30は箱体側断路器40から抜き出される。そのため、電源と負荷とが電気的に切断される。
【0032】
図5に、単位装置20が装着されていない状態のコントロールセンタ10の部分断面図を示す。箱体側断路器40は、
図5に示すように、配線室17の後方に位置する取付け板141に取り付けられている。具体的には、右側の取付け板141は、複数段の箱体側取付け部18を有する。箱体側取付け部18は、取付け板141の、左右方向の中央部に設けられている。各段の箱体側取付け部18は、一個の箱体側断路器40を箱体11に取り付け可能に構成されている。各段の箱体側取付け部18は、例えば取付け板141を貫いて又は窪ませて設けられた一又は複数の孔である。箱体側断路器40は、背部に一又は複数この場合2個の爪部44を有する。箱体側取付け部18は、箱体側断路器40の爪部44が嵌め込まれることによって、箱体側断路器40を取付け板141に固定する。なお、箱体側断路器40は、嵌め合いやいわゆるスナップフィット、ねじ部材等によって箱体側取付け部18を介して取付け板141に固定されても良い。
【0033】
この場合、複数段の箱体側取付け部18は、上下方向に並んで設けられている。これにより、複数の箱体側断路器40を上下方向に並べて設けることが可能となる。各収納室12に対応した複数段の箱体側取付け部18のうち、最下段を箱体側取付け部181と、最下段の次の段を箱体側取付け部182と称する。この場合、箱体側取付け部18には、上下若しくは左右又は上下及び左右に並んだ複数個の孔によって形成されていても良い。本実施形態では、一段の箱体側取付け部18は、上下に並んだ二個の孔によって形成されている。また、この場合、箱体側取付け部181の位置は、単位装置20が収納室12に装着された際に、単位装置側取付け部261の位置と対応するように設定されている。また、箱体側取付け部182の位置は、単位装置20が収納室12に装着された際に、単位装置側取付け部262の位置と対応するように設定されている。本実施形態では、箱体側断路器40は、単位装置側断路器30が固定された単位装置側取付け部261と対応する箱体側取付け部181に固定されている。
【0034】
コントロールセンタ10は、
図1、
図2等に示すように、誤挿入防止装置100を更に備える。誤挿入防止装置100は、異機能を有する単位装置20の誤挿入を抑制する機能を有する。誤挿入防止装置100は、コントロールセンタ10を構成する各部材とは別体として形成されている。そのため、誤挿入防止装置100を、従来の単位装置や箱体に取り付けて使用できる。
【0035】
誤挿入防止装置100は、
図4等に示すように、1又は複数組の単位装置側抑制部材50と、箱体側抑制部材60と、を有する。単位装置側抑制部材50と箱体側抑制部材60とは、それぞれ絶縁性の部材で構成されている。一対の単位装置側抑制部材50と箱体側抑制部材60とは、互いに対となる凹凸形状に形成されている。
【0036】
単位装置側抑制部材50は、本体51と、凸部52とを有する。本体51は、単位装置側抑制部材50の外殻を形成しており、例えば矩形の箱状に形成されている。本体51の上下方向の長さ寸法は、単位装置側断路器30の上下方向の長さ寸法以下に設定されている。本実施形態では、本体51の上下方向の長さ寸法は、単位装置側断路器30の上下方向の長さ寸法と同一に設定されている。本体51は、単位装置側取付け部26に取り付け可能に構成されている。単位装置側抑制部材50は、複数の単位装置側取付け部26のうち、単位装置側断路器30が取り付けられていない単位装置側取付け部26に取り付けられている。
【0037】
単位装置側抑制部材50の単位装置側取付け部26への取付け方法は、単位装置側断路器30の単位装置側取付け部26への取付け方法と同様である。本実施形態では、単位装置側抑制部材50は、
図3に示すように、背面側に爪部53を有する。単位装置側断路器30は、単位装置側取付け部26に爪部53を嵌め込むことによって、単位装置側取付け部26に取り付けることができる。
【0038】
この場合、単位装置側抑制部材50と単位装置側断路器30とは、上下方向に並んで設けられる。また、本実施形態では、単位装置側抑制部材50は、単位装置側断路器30の上方に設けられる。
【0039】
本体51の配線室17側この場合右側の端部の位置は、単位装置20が収納室12に装着された状態において、
図4に示すように、単位装置側断路器30の配線室17側の端部の位置と同一、又は単位装置側断路器30の配線室17側の端部の位置よりも若干半配線室17側つまり左側になるように設定されている。本実施形態では、本体51の配線室17側この場合右側の端部の位置は、単位装置側断路器30の配線室17側の端部の位置と同一となるように設定されている。
【0040】
凸部52は、本体51から配線室17側この場合右側に突出して形成されている。凸部52は、単位装置20が収納室12に装着された状態において、収納室12から突出して配線室17に露出する。単位装置側抑制部材50は、全体として凸形状に形成されている。本実施形態では、本体51と凸部52とは、一体に形成されている。
【0041】
箱体側抑制部材60は、
図4等に示すように、本体61と、凹部62とを有する。本体61は、箱体側抑制部材60の外殻を形成しており、例えば矩形の箱状に形成されている。本体61の上下方向の長さ寸法は、箱体側断路器40の上下方向の長さ寸法以下に設定されている。本実施形態では、本体61の上下方向の長さ寸法は、箱体側断路器40の上下方向の長さ寸法と同一に設定されている。また、本実施形態では、本体61の上下方向の長さ寸法は、単位装置側抑制部材50の本体51の上下方向の長さ寸法と同一に設定されている。本体61は、箱体側取付け部18に取り付け可能に構成されている。箱体側抑制部材60は、複数の箱体側取付け部18のうち、箱体側断路器40が取り付けられていない箱体側取付け部18に取り付けられている。
【0042】
箱体側抑制部材60の箱体側取付け部18への取付け方法は、箱体側断路器40の箱体側取付け部18への取付け方法と同様である。本実施形態では、箱体側抑制部材60は、
図5に示すように、背面側に爪部63を有する。箱体側抑制部材60は、爪部63を箱体側取付け部18に嵌め込むことによって、箱体側取付け部18に取り付けることができる。
【0043】
この場合、箱体側抑制部材60と箱体側断路器40とは、上下方向に並んで設けられる。また、本実施形態では、箱体側抑制部材60は、箱体側断路器40の上方に設けられる。
【0044】
本体61の収納室12側この場合左側の端部の位置は、
図4に示すように、箱体側断路器40の収納室12側の端部の位置と同一、又は箱体側断路器40の収納室12側の端部の位置よりも若干半収納室12側つまり右側になるように設定されている。本実施形態では、本体61の収納室12側この場合左側の端部の位置は、箱体側断路器40の収納室12側の端部の位置と同一となるように設定されている。
【0045】
凹部62は、本体61の収納室12側この場合左側端部を半収納室12側この場合右側に窪ませて形成されている。箱体側抑制部材60は、全体として凹形状に形成されている。
【0046】
凹部62は、一対の単位装置側抑制部材50と箱体側抑制部材60との、凸部52と凹部62とは、互いに対応する形状に形成されている。つまり、単位装置20と収納室12との組み合わせが適切な場合、単位装置20を収納室12に装着すると、凸部52と凹部62とは嵌合し、互いに干渉しない。一方、単位装置20と収納室12との組み合わせが不適切な場合、単位装置20を収納室12に装着すると、凸部52と凹部62とは嵌合せず、互いに干渉する。
【0047】
図6~
図8には、3組の誤挿入防止装置100a、100b、100cの例がそれぞれ示されている。各誤挿入防止装置100a、100b、100cは、それぞれ単位装置側抑制部材50a、50b、50cと、箱体側抑制部材60a、60b、60cとを有する。各単位装置側抑制部材50a、50b、50cは、本体51a、51b、51cと、凸部52a、52b、52cとを有する。各箱体側抑制部材60a、60b、60cは、本体61a、61b、61cと、凹部62a、62b、62cとを有する。一対の単位装置側抑制部材50と箱体側抑制部材60との凸部52及び凹部62は、対に構成されている。つまり、一対の単位装置側抑制部材50と箱体側抑制部材60との凸部52及び凹部62は、凹凸形状が互いに対応する形状に形成されている。
【0048】
つまり、凸部52a及び凹部62a、凸部52b及び凹部62b、凸部52c及び凹部62cは、互いに凹凸形状が対応する形状に形成されている。すなわち、凸部52a及び凹部62a、凸部52b及び凹部62b、凸部52c及び凹部62cは、互いに嵌合可能である。一方、対でない単位装置側抑制部材50と箱体側抑制部材60とでは、凸部52と凹部62とは、互いに干渉し、嵌合不可能である。例えば、凸部52aは、凹部62b及び凹部62cと干渉する。また、凸部52bは、凹部62a及び凹部62cと干渉する。なお、単位装置側断路器30の雄側接触部32は、箱体側抑制部材60の凹部62には収納されない。
【0049】
次に、誤挿入防止装置100を利用した誤挿入防止方法について説明する。まず、単位装置20と収納室12との組み合わせが適切であり、単位装置側断路器30の個数と箱体側断路器40の個数とが一致する場合について検討する。
図4に示すように、単位装置20aは、一個の単位装置側断路器30と、一個の単位装置側抑制部材50aとを有する。箱体11は、収納室12aに面して一個の箱体側断路器40と、一個の箱体側抑制部材60aとを有する。
【0050】
単位装置側断路器30は、単位装置20aの複数段の単位装置側取付け部261、262のうち、単位装置側取付け部261に取り付けられる。また、単位装置側抑制部材50aは、単位装置側取付け部262に取り付けられる。箱体側断路器40は、収納室12aに面する複数段の箱体側取付け部181、182のうち、単位装置側断路器30の位置と対応する箱体側取付け部181に取り付けられる。また、単位装置側抑制部材50aと対となる箱体側抑制部材60aは、単位装置側抑制部材50aの位置と対応する箱体側取付け部182に取り付けられる。この場合、単位装置20aを収納室12aに装着すると、単位装置側抑制部材50aと箱体側抑制部材60aとは嵌合し、互いに干渉しない。
【0051】
次に、単位装置20と収納室12とが、不適切な組み合わせである場合を考える。
図9に不適切な組み合わせである単位装置20aを収納室12bに挿入しようとした場合を示す。この場合、単位装置20aは、収納室12bに対応する単位装置20bとは機能が異なる。一方、単位装置20aに設けられた単位装置側断路器30の個数と、収納室12bに面して設けられた箱体側断路器40の個数とは一致する。
【0052】
単位装置20aは、一個の単位装置側断路器30と、一個の単位装置側抑制部材50aとを有する。箱体11は、配線室17に収納室12bに面して一個の箱体側断路器40と、一個の箱体側抑制部材60bとを有する。この場合、単位装置側抑制部材50aと箱体側抑制部材60bとは、対になっていないため、対応する形状となっていない。そのため、単位装置20aを収納室12bに挿入すると、単位装置側抑制部材50aと箱体側抑制部材60bとは嵌合せず、互いに干渉する。つまり、不適切な組み合わせである単位装置20aを収納室12bに挿入することが抑制される。
【0053】
更に、単位装置側断路器30の個数と箱体側断路器40の個数とが一致しない場合について検討する。例えば、
図10に示すように、単位装置20dは、二個の単位装置側断路器30を有する。箱体11は、配線室17において収納室12aに面して一個の箱体側断路器40と、一個の箱体側抑制部材60aとを有する。この場合、二個の単位装置側断路器30は、上下方向に並んで単位装置側取付け部261、262に設けられている。なお、二個の単位装置側断路器30には、2つずつの導電部33を連結する複数この場合3つの短絡導体35が接続されている。
【0054】
単位装置20aは、
図4に示す実施形態と同様に、一個の単位装置側断路器30と、一個の単位装置側抑制部材50aとを有する。つまり、箱体11には、単位装置側取付け部261に取り付けられた単位装置側断路器30に対応する箱体側断路器40は設けられているが、単位装置側取付け部262に取り付けられた単位装置側断路器30に対応する箱体側断路器40は設けられていない。
【0055】
この場合、単位装置20dを収納室12aに挿入すると、単位装置側取付け部262に取り付けられた単位装置側断路器30の雄側接触部32と、箱体側抑制部材60aとは互いに干渉する。つまり、雄側接触部32は、箱体側抑制部材60aの凹部62aには収納されない。そのため、不適切な組み合わせである単位装置20dを収納室12aに挿入することが抑制される。
【0056】
次に、例えば、
図11に示すように、単位装置20aは、
図4に示す実施形態と同様に、一個の単位装置側断路器30と一個の単位装置側抑制部材50aとを有する。箱体11は、収納室12eに面して配線室17に二個の箱体側断路器40を有する。この場合、二個の箱体側断路器40は、上下方向に並んで箱体側取付け部181、182にそれぞれ設けられている。なお、二個の箱体側断路器40には、2つずつの導電部43を連結する複数この場合3つの短絡導体45が接続されている。単位装置20aには、箱体側取付け部181に取り付けられた箱体側断路器40に対応する単位装置側断路器30は設けられているが、箱体側取付け部182に取り付けられた箱体側断路器40に対応する単位装置側断路器30は設けられていない。
【0057】
この場合、単位装置20aを収納室12eに挿入すると、単位装置側取付け部262に取り付けられた単位装置側抑制部材50aの凸部52aと、上側に設けられた箱体側断路器40とは互いに干渉する。そのため、不適切な組み合わせである単位装置20aを収納室12eに挿入することが抑制される。
【0058】
ここで、単位装置の誤挿入防止方法として、例えば収納室に凸状部を設け、単位装置の底板や後ろ板に切り欠きを設け、適切な組み合わせの単位装置と収納室とは凸状部と切り欠きとが干渉せず、不適切な組み合わせの単位装置と収納室とは凸状部と切り欠きとが干渉するような構成とすることが考えられる。しかしながら、その場合、単位装置及び収納室の設計を変更する必要がある。つまり、既に使用されているコントロールセンタに対応することが困難であった。
【0059】
これに対し、本実施形態によれば、前面に開口を有する箱体11と、箱体11内を区画して形成された複数の収納室12と、収納室12に着脱可能に構成された単位装置20と、を有するコントロールセンタ10に使用可能な、単位装置20の誤挿入防止装置100が提供される。誤挿入防止装置100は、相互に対となる形状に形成された、1又は複数組の単位装置側抑制部材50及び箱体側抑制部材60とを備える。単位装置側抑制部材50は単位装置20に取付けられる。箱体側抑制部材60は箱体11に取付けられる。単位装置側抑制部材50と箱体側抑制部材60とは、正しい組み合わせの場合は相互に干渉せず、誤った組み合わせの場合は干渉する。
【0060】
これによれば、単位装置側断路器30と箱体側断路器40とが適合しない場合、単位装置20を収納室12に挿入することができない。そのため、異機能を有する単位装置20の誤挿入を抑制でき、単位装置20の誤挿入による短絡事故や結線異常等を抑制することができる。また、単位装置側抑制部材50と箱体側抑制部材60とは、単位装置20又は箱体11の一部を切り欠いて形成するのではなく、取り付けることのできる部材である。そのため、単位装置側抑制部材50と箱体側抑制部材60とは、コントロールセンタ10の製造後に、取り付けることができる。そのため、プラント等で既に使用中のコントロールセンタにも事後的に取り付けることができる。また、誤挿入防止装置100は、必要に応じて取り外しや取り換えも簡単に行える構成である。そのため、メンテナンス時等の作業者の作業負担が軽減される。
【0061】
また、コントロールセンタ10は、前面に開口を有する箱体11と、箱体11内を区画して形成された複数の収納室12と、収納室12に着脱可能に構成された単位装置20と、を備える。コントロールセンタ10は、箱体11に設けられた箱体側抑制部材60と、単位装置20に設けられた単位装置側抑制部材50と、を備える。単位装置側抑制部材50は、箱体側抑制部材60と対に構成され、単位装置20内において単位装置20が収納室12に装着された場合に箱体側抑制部材60と嵌合する位置に設けられている。
【0062】
これによれば、異機能を有する単位装置20の誤挿入を抑制できるコントロールセンタ10が提供される。また、コントロールセンタ10は、誤挿入防止装置100の取り付け、取り外しや交換も簡単であり、作業者の作業負担が軽減される。
【0063】
更に、コントロールセンタ10は、箱体側部品と、単位装置側部品と、複数の箱体側取付け部18と、複数の単位装置側取付け部26と、を更に備える。箱体側部品は、箱体11に設けられる。単位装置側部品は、単位装置20に設けられ、単位装置20が収納室12に装着されることに伴い箱体側部品と接続され、単位装置20が収納室12から取り外されることに伴い箱体側部品から抜き出される。箱体側取付け部18は、収納室12に面して箱体11に設けられ、箱体側部品を取り付け可能に構成されている。単位装置側取付け部26は、単位装置20に設けられ、単位装置側部品を取り付け可能に構成されている。単位装置側抑制部材50は、箱体側部品と干渉する形状に形成され、単位装置側取付け部26に取り付け可能に構成されている。箱体側抑制部材60は、単位装置側部品と干渉する形状に形成され、箱体側取付け部18に取り付け可能に構成されている。
【0064】
これによれば、単位装置側抑制部材50と箱体側抑制部材60とは、単位装置側部品と箱体側部品とを取り付ける部分つまり単位装置側取付け部26と箱体側取付け部18とに取り付け可能である。そのため、箱体11や単位装置20の設計を変更しなくても、単位装置20の誤挿入に対する対策が可能となる。
【0065】
更に、箱体側部品は、箱体側断路器40である。単位装置側部品は、単位装置側断路器30である。これによれば、誤挿入防止装置100は、単位装置側断路器30及び箱体側断路器40に近接して設けることができる。また、そのため、単位装置側抑制部材50と箱体側抑制部材60とが干渉するよりも先に不適切な組み合わせの単位装置側断路器30と箱体側断路器40とが嵌合してしまうことを抑制できる。そのため、より確実に異機能を有する単位装置20が誤挿入されてしまうことを抑制できる。
【0066】
また、コントロールセンタ10は、箱体側部品である箱体側断路器40と、単位装置側部品である単位装置側断路器30と、複数の箱体側取付け部181、182と、複数の単位装置側取付け部261、262と、を更に備える。箱体側断路器40は、箱体11に設けられる。単位装置側断路器30は、単位装置20に設けられ、単位装置20が収納室12に装着されることに伴い箱体側断路器40と接続され、単位装置20が収納室12から取り外されることに伴い箱体側断路器40から抜き出される。箱体側取付け部181、182は、収納室12に面して箱体11に設けられ、箱体側断路器40を取り付け可能に構成されている。単位装置側取付け部261、262は、単位装置20に設けられ、単位装置側断路器30を取り付け可能に構成されている。箱体側抑制部材60は、複数の箱体側取付け部181、182のうち、箱体側断路器40が取り付けられていない箱体側取付け部182に取り付けられている。単位装置側抑制部材50は、複数の単位装置側取付け部261、262のうち、単位装置側断路器30が取り付けられていない単位装置側取付け部262に取り付けられている。
【0067】
これによれば、誤挿入防止装置100の取付けスペースとして、単位装置側断路器30や箱体側断路器40が設けられていない、つまり空きスペースを利用できる。そのため、コントロールセンタ10は、箱体11や単位装置20の設計を変更しなくても、単位装置20の誤挿入に対する対策が可能となる。
【0068】
例えば、箱体側断路器40の個数が単位装置側断路器30の個数よりも少ない、単位装置20と収納室12とが不適正な組み合わせについて考える。その場合、単位装置20を収納室に装着しようとしても、箱体側抑制部材60と単位装置側断路器30の1つとが干渉する。そのため、不適切な箱体側断路器40と単位装置側断路器30との接続を許さない。したがって、異機能を有する単位装置20の誤挿入を防止することができる。
【0069】
また、箱体側断路器40の個数が単位装置側断路器30の個数よりも多い、単位装置20と収納室12とが不適正な組み合わせについて考える。その場合、単位装置20を収納室12に装着しようとしても、単位装置側抑制部材50と箱体側断路器40の1つとが干渉する。そのため、不適切な箱体側断路器40と単位装置側断路器30との接続を許さない。したがって、異機能を有する単位装置20の誤挿入を防止することができる。
【0070】
ここで、例えば、単位装置側断路器30が雌側断路器で箱体側断路器40が雄側断路器であり、かつ単位装置側抑制部材50が凸部を有し箱体側抑制部材60が凹部を有する場合を考える。この場合、二個の単位装置側断路器30と、一個の箱体側断路器40及び一個の箱体側抑制部材60との組み合わせは、互いに干渉しないため、異機能を有する単位装置が誤挿入されてしまう虞がある。単位装置側断路器30が雄側断路器で箱体側断路器40が雌側断路器であり、かつ単位装置側抑制部材50が凹部を有し箱体側抑制部材60が凸部を有する場合も同様である。
【0071】
これに対し、実施形態のコントロールセンタ10は、一対の箱体側部品である箱体側断路器40と単位装置側部品である単位装置側断路器30とは、一方が凹形状他方が凸形状である凹凸形状で嵌合可能に構成されている。箱体側抑制部材60と単位装置側抑制部材50とは、一方が凹形状他方が凸形状である凹凸形状で嵌合可能に構成されている。単位装置側断路器30が凸形状であれば単位装置側抑制部材50は凸形状である。箱体側断路器40が凹形状であれば箱体側抑制部材60は凹形状である。
【0072】
これによれば、単位装置側断路器30と単位装置側抑制部材50とは、凹形状であるか凸形状であるかが一致している。また、箱体側断路器40と箱体側抑制部材60とは、凹形状であるか凸形状であるかが一致している。そのため単位装置側断路器30及び箱体側抑制部材60と、単位装置側抑制部材50及び箱体側断路器40とは、互いに干渉する。そのため、単位装置側断路器30の個数と箱体側断路器40の個数とが一致しない場合であっても、より一層確実に単位装置20の誤挿入を抑制できる。
【0073】
更に、本実施形態の誤挿入防止装置100の取付け方法によれば、単位装置20の複数の単位装置側取付け部261、262のうち少なくとも1つこの場合単位装置側取付け部261に単位装置側部品である単位装置側断路器30を取り付ける。その他の単位装置側取付け部262に単位装置側抑制部材50を取り付ける。収納室12に面する複数の箱体側取付け部181、182のうち単位装置側断路器30に対応する箱体側取付け部181に箱体側部品である箱体側断路器40を取付ける。単位装置側抑制部材50に対応する箱体側取付け部182に当該単位装置側抑制部材50と対になる箱体側抑制部材60を取り付ける。
【0074】
これによれば、単位装置20と収納室12との組み合わせが適切であれば、単位装置側断路器30と箱体側抑制部材60と、又は箱体側断路器40と単位装置側抑制部材50とは、互いに干渉しない。そのため、各断路器30、40の取付け部26、18を利用しても、コントロールセンタ10の正常な運転を妨げない。
【0075】
なお、上記実施形態では、単位装置側断路器30及び箱体側断路器40がそれぞれ一個又は二個設けられ、単位装置側抑制部材50及び箱体側抑制部材60がそれぞれゼロ個又は一個設けられる構成を示したが、単位装置側断路器30及び箱体側断路器40の個数並びに単位装置側抑制部材50及び箱体側抑制部材60の個数は、これらに限定されない。例えば、単位装置側断路器30を最大三個設けられるサイズの単位装置の場合、単位装置側断路器30及び箱体側断路器40がそれぞれ一個から三個設けられても良い。また、単位装置側抑制部材50及び箱体側抑制部材60はそれぞれゼロ個から二個設けられても良い。
【0076】
また、上記実施形態では、単位装置側断路器30を雄側断路器、箱体側断路器40を雌側断路器とし、かつ単位装置側抑制部材50に凸部52を設け、箱体側抑制部材60に凹部62を設けたが、これには限られない。つまり、別の実施形態では例えば単位装置側断路器30を雌側断路器、箱体側断路器40を雄側断路器とし、かつ単位装置側抑制部材50に凹部を設け、箱体側抑制部材60に凸部を設ける構成としても良い。その場合であっても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0077】
更に、上記実施形態では、単位装置側抑制部材50と箱体側抑制部材60とは、それぞれ単位装置側断路器30又は箱体側断路器40の上方に設けられているが、これには限らない。つまり、単位装置側抑制部材50と箱体側抑制部材60とは、それぞれ単位装置側断路器30又は箱体側断路器40の下方に設けられていても良い。
【0078】
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態及びその変形は、発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0079】
10…コントロールセンタ、11…箱体、12…収納室、13…仕切り板、14…取付け板、17…配線室、18…箱体側取付け部、20…単位装置、26…単位装置側取付け部、30…単位装置側断路器(単位装置側部品)、40…箱体側断路器(箱体側部品)、50…単位装置側抑制部際、60…箱体側抑制部材、100…誤挿入防止装置