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特許7505971コンタクトレンズ用出荷容器、コンタクトレンズ用出荷容器の組み合わせ及びコンタクトレンズ用出荷容器の組み合わせ方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】コンタクトレンズ用出荷容器、コンタクトレンズ用出荷容器の組み合わせ及びコンタクトレンズ用出荷容器の組み合わせ方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 75/32 20060101AFI20240618BHJP
   A45C 11/04 20060101ALI20240618BHJP
   B65D 81/22 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
B65D75/32
A45C11/04 B
B65D81/22
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020197084
(22)【出願日】2020-11-27
(65)【公開番号】P2022085411
(43)【公開日】2022-06-08
【審査請求日】2023-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000131245
【氏名又は名称】株式会社シード
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】尾形 聡
(72)【発明者】
【氏名】久保田 慎
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/098870(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0293961(US,A1)
【文献】特開2014-221667(JP,A)
【文献】米国特許第09655423(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/32
B65D 81/22
A45C 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形状のフランジ部と、
前記フランジ部の長手方向の一方の端部に連結し、下方向に延伸するように設けられた支持部と、を備えるコンタクトレンズ用出荷容器であって、
前記フランジ部は、前記長手方向の他方の端部から前記長手方向の一方の端部に向かって順番に、長方形状の第1部分と第2部分と第3部分とを含み、
前記第1部分の前記下方向側に、コンタクトレンズ及びコンタクトレンズ用保存液を収容する収容部が設けられており、
厚み方向において、前記第3部分の下面は、前記第2部分の下面よりも、上方向側に位置し、
前記第3部分の下面側に、格子状の梁部を備える、コンタクトレンズ用出荷容器。
【請求項2】
前記フランジ部は、前記第2部分と前記第3部分とを連結する中間部を有する、請求項1に記載のコンタクトレンズ用出荷容器。
【請求項3】
前記第3部分の上面と下面との間の厚みは、0.01~2mmである、請求項1又は2に記載のコンタクトレンズ用出荷容器。
【請求項4】
前記収容部の底部の頂点付近の外面の形状に対応するように、前記梁部の一部の高さが低くなるように構成されている、請求項に記載のコンタクトレンズ用出荷容器。
【請求項5】
幅方向に延びる前記梁部の一部は、前記収容部の底部の頂点付近の外面の曲率半径と等しい曲率半径の円弧形状を有する、請求項に記載のコンタクトレンズ用出荷容器。
【請求項6】
前記梁部の幅は、0.1~5mmであり、
前記梁部の高さは、0.05~5mmである、請求項1、4及び5のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ用出荷容器。
【請求項7】
請求項1、4~6のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ用出荷容器の組み合わせ方法であって、
2つの前記コンタクトレンズ用出荷容器について、一方の前記コンタクトレンズ用出荷容器の前記収容部の底部の外面と他方の前記コンタクトレンズ用出荷容器の前記第3部分の下面とを対向させて組み合わせた際に、前記一方のコンタクトレンズ用出荷容器の前記収容部の底部の外面は、前記他方のコンタクトレンズ用出荷容器の前記梁部に係止される、コンタクトレンズ用出荷容器の組み合わせ方法。
【請求項8】
請求項1、4~6のいずれか一項に記載のコンタクトレンズ用出荷容器の組み合わせであって、
2つの前記コンタクトレンズ用出荷容器について、一方の前記コンタクトレンズ用出荷容器の前記収容部の底部の外面と他方の前記コンタクトレンズ用出荷容器の前記第3部分の下面とを対向させて組み合わせられており、
前記一方のコンタクトレンズ用出荷容器の前記収容部の底部の外面は、前記他方のコンタクトレンズ用出荷容器の前記梁部に係止されている、コンタクトレンズ用出荷容器の組み合わせ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンタクトレンズ用出荷容器、コンタクトレンズ用出荷容器の組み合わせ及びコンタクトレンズ用出荷容器の組み合わせ方法に関する。詳しくは、本発明は、親水性を有するコンタクトレンズの出荷時に用いられるコンタクトレンズ用出荷容器、及び、かかるコンタクトレンズ用出荷容器を積重した際の省スペース化と軽量化に優れたコンタクトレンズ用出荷容器の組み合わせ方法及びコンタクトレンズ用出荷容器の組み合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンタクトレンズ、特に、ソフトコンタクトレンズでは、1日使い捨てタイプや定期交換タイプが、主流となっており、これらのコンタクトレンズは、個別の包装容器に保存液と共に収容された後、所定の数ごとに個別の包装容器を二次包装した形態で市場に流通される。
【0003】
ところで、郵便物や民間配送業者の貨物の取扱い規格は、配送する物品の厚みを3cm以内等の制限を設けることで配送料金を段階的に設定することが多いため、この規格内に物品の厚みを収めることは、配送コストの低減にも寄与することとなる。
【0004】
近年では、実店舗の商品購入以外にも、インターネット等による通信販売による配荷手段も増加傾向にあることから、配送コストの低減は、一段と大きな課題となっており、すなわち、配送する物品の厚みを低減することは、配送コストの課題を解決するために非常に重要な役割を担うこととなる。
【0005】
ここで、特許文献1には、コンタクトレンズを封入した包装容器を効率的に流通させる方法として、所要個数の包装容器を横方向に接合させてパッケージに収納して配送する形態が開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、蓋部を収容したコンタクトレンズと接する程度の凹形状とすることで、積重した際の省スペース化を可能にするコンタクトレンズ用出荷容器が開示されている。
【0007】
さらに、特許文献3には、2以上のコンタクトレンズ用包装容器を相互に180°回転させた状態で重ね合わせた際の重合わせた方向の厚みを小さくすることを可能にするコンタクトレンズ包装容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開平09-169357号公報
【文献】特開2012-110592号公報
【文献】国際公開2013/098870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、一般的な流通スタイルである特許文献1に記載の連結容器は、個別のブリスター容器同士の組み合わせ性については考慮されておらず、携帯性に優れていないという問題点があった。
【0010】
また、特許文献2に記載のコンタクトレンズ用出荷容器は、容器同士を嵌め込んで積層することができることから、省スペース化は可能となるものの、蓋部とコンタクトレンズとが常に接触した状態にあることから、光学特性に対する悪影響が発生する懸念があった。
【0011】
さらに、特許文献3に記載のコンタクトレンズ用包装容器は、延出部が従来の包装容器と同程度の厚みであることから、軽量化に対して改良の余地を有していた。
【0012】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、積重時の省スペース化及び軽量化を可能にするコンタクトレンズ用包装容器、コンタクトレンズ用出荷容器の組み合わせ及びコンタクトレンズ用出荷容器の組み合わせ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一態様に係るコンタクトレンズ用出荷容器は、長方形状のフランジ部と、前記フランジ部の長手方向の一方の端部に連結し、下方向に延伸するように設けられた支持部とを備え、前記フランジ部は、前記長手方向の他方の端部から前記長手方向の一方の端部に向かって順番に、長方形状の第1部分と第2部分と第3部分とを含み、前記第1部分の前記下方向側に、コンタクトレンズ及びコンタクトレンズ用保存液を収容する収容部が設けられており、厚み方向において、前記第3部分の下面は、前記第2部分の下面よりも、上方向側に位置することを要旨とする。
【0014】
一態様に係るコンタクトレンズ用出荷容器の組み合わせ方法は、2つの上述のコンタクトレンズ用出荷容器について、一方の前記コンタクトレンズ用出荷容器の前記収容部の底部の外面と他方の前記コンタクトレンズ用出荷容器の前記第3部分の下面とを対向させて組み合わせた際に、前記一方のコンタクトレンズ用出荷容器の前記収容部の底部の外面は、前記他方のコンタクトレンズ用出荷容器の前記梁部に係止されることを要旨とする。
【0015】
一態様に係るコンタクトレンズ用出荷容器の組み合わせは、2つの前記コンタクトレンズ用出荷容器について、一方の前記コンタクトレンズ用出荷容器の前記収容部の底部の外面と他方の前記コンタクトレンズ用出荷容器の前記第3部分の下面とを対向させて組み合わせられており、前記一方のコンタクトレンズ用出荷容器の前記収容部の底部の外面は、前記他方のコンタクトレンズ用出荷容器の前記梁部に係止されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、積重時の省スペース化及び軽量化を可能にするコンタクトレンズ用包装容器、コンタクトレンズ用出荷容器の組み合わせ及びコンタクトレンズ用出荷容器の組み合わせ方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、第1実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10の下方斜視図である。
図2図2は、第1実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10の裏面平面図である。
図3図3は、第1実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10の側面図である。
図4図4は、図2におけるX-X断面図である。
図5図5は、図4における第2部分41及び第3部分44の拡大図である。
図6図6は、第2実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10の裏面平面図である。
図7図7は、第3実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10の下方斜視図である。
図8図8は、第3実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10の裏面平面図である。
図9図9は、第3実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10を2つ組み合わせて積層した際の測面図である。
図10図10は、第3実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10を2つ組み合わせて積層した際の上方斜視図である。
図11図11は、第3実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10を複数組み合わせて積層した際の測面図である。
図12図12は、第3実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10を複数組み合わせて積層した際の上方斜視図である。
図13図13は、第4実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10の下方斜視図である。
図14図14は、第4実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10の裏面平面図である。
図15図15は、第5実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10の下方斜視図である。
図16図16は、第5実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10の裏面平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0019】
なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる場合がある。
【0020】
<第1実施形態>
図1図5を参照して、本発明の第1実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10について説明する。図1は、第1実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10の下方斜視図を示し、図2は、第1実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10の裏面平面図を示し、図3は、第1実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10の側面図を示す。
【0021】
図1図3に示すように、本実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10は、長方形状のフランジ部1と、収容部2と、支持部3と、梁部5と、蓋部(図示せず)とを有している。
【0022】
図2及び図3に示すように、本実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10は、長手方向Lと、幅方向(短手方向)Wと、厚み方向Hとを有している。また、かかる厚み方向Hは、上方向U及び下方向Dを有している。
【0023】
例えば、本実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10の長手方向Lの長さは、30~50mmであり、本実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10の幅方向Wの長さは、15~35mmであり、本実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10の厚み方向Hの長さ(すなわち、収容部2の深さ)は、5~15mmである。
【0024】
また、本実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10に用いられる合成樹脂は、コンタクトレンズ及びコンタクトレンズ用保存液を封入した後に滅菌工程を行う必要があるので、例えば、オートクレーブ滅菌に耐えうる程度の耐熱性や耐薬品性を有するものが好ましい。
【0025】
例えば、かかる合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、脂環式ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、熱可塑性エラストマー等が挙げられ、本発明においては、成形性の観点から、かかる合成樹脂として、ポリプロピレンが好ましく用いられる。
【0026】
蓋部は、コンタクトレンズ用出荷容器10に剥離可能に固着されており、収容部2に収容されているコンタクトレンズを密封収容するように構成されている。ユーザは、必要に応じて、蓋部をコンタクトレンズ用出荷容器10より剥離して収容部2に収容されているコンタクトレンズを取り出すことができるようになっている。
【0027】
例えば、蓋部は、ポリプロピレンとアルミ箔の積層物、又は、容器本体部と同一の合成樹脂で形成されていることが好ましく、前者は、押圧成形によることが好ましく、後者は、射出成型によることが好ましい。
【0028】
ここで、コンタクトレンズ用出荷容器10と蓋部との接合方法には、例えば、熱溶着、超音波溶着、高周波溶着等の通常のプラスチックの溶着方法を用いることが好ましく、両者の材質によっては接着剤や溶剤による接着方法を用いてもよい。
【0029】
図3に示すように、フランジ部1は、長手方向Lの端部E1(すなわち、長手方向Lの他方の端部)から長手方向Lの端部E2(すなわち、長手方向Lの一方の端部)に向かって順番に、長方形状の第1部分40と第2部分41と第3部分44とを含む。
【0030】
図1図3に示すように、収容部2は、第1部分40の下方向D側に設けられている。かかる収容部2は、コンタクトレンズ及びコンタクトレンズ用保存液を収容するように構成されている。
【0031】
図1図3に示すように、支持部3は、フランジ部1の長手方向の端部E2に連結し、下方向Dに延伸するように設けられている。
【0032】
次に、図4及び図5を参照して、第2部分41及び第3部分44の構成について説明する。図4は、図2におけるX-X断面図を示し、図5は、図4における第2部分41及び第3部分44の拡大図を示す。
【0033】
図5(a)~図5(d)に示すように、厚み方向Hにおいて、第3部分44の下面45は、第2部分41の下面42よりも、上方向U側に位置するように構成されている(すなわち、フランジ部1は、段違い構成を有している)。
【0034】
ここで、図5(a)に示すように、フランジ部1は、第2部分41と第3部分44とを連結する中間部47を有していてもよい。
【0035】
図5(a)に示すように、第2部分41及び第3部分44は、中間部47を介して連結しており、且つ、厚み方向Hにおいて、第3部分44の上面46は、第2部分41の上面43よりも、上方向U側に位置するように構成されていてもよい。
【0036】
或いは、図5(b)に示すように、第2部分41の上面43及び第3部分44の上面46は、連続するよう構成されていてもよい(すなわち、厚み方向Hにおいて、第2部分41の上面43及び第3部分44の上面46は、同じ位置であるように構成されていてもよい)。
【0037】
或いは、図5(c)に示すように、厚み方向Hにおいて、第3部分44の上面46は、第2部分41の上面43よりも、上方向U側に位置するように構成されていてもよい。
【0038】
或いは、図5(d)に示すように、第3部分44の上面46は、第2部分41の上面43よりも、上方向U側に位置するように構成されており、且つ、第2部分41の上面43及び第3部分44の下面45は、連続するよう構成されていてもよい(すなわち、厚み方向Hにおいて、第2部分41の上面43及び第3部分44の下面45は、同じ位置であるように構成されていてもよい)。
【0039】
また、第2部分41及び第3部分44は、並行するように構成されていてもよいし、それ以外の構成であってもよい。
【0040】
なお、第2部分41及び第3部分44の構成は、上述の構成以外の構成であってもよい。
【0041】
例えば、第3部分44の上面46と下面45との間の厚みは、0.01~2mmであることが好ましく、さらに好ましくは、0.01~1mmである。かかる構成によれば、2つのコンタクトレンズ用出荷容器10を、収容部2の底部の外面と第3部分44の下面45とを対向させて組み合わせた際の全体の厚みを低減することを可能にする。
【0042】
その結果として、所定数のコンタクトレンズ用出荷容器10の組み合わせを個別の包装容器に二次包装した形態においても、従来に比べて、省スペース化及び軽量化を可能にすることから、輸送や保管の際に好適に作用することとなる。
【0043】
ここで、第2部分41の厚みは、第3部分44の厚みと同一であってもよいし、第3部分44の厚みと異なってもよい。
【0044】
図1図4に示すように、梁部5は、第3部分44の下面側に、格子状に設けられている。
【0045】
また、梁部5は、第3部分44の下面45における長手方向L及び幅方向Wのそれぞれに少なくとも2本以上が設けられていればよく、長手方向Lに延びる梁部5については、支持部3の下面側31に連続して延設した構成であることが好ましい。
【0046】
例えば、各梁部5は、それぞれが独立して、各梁部5の幅は、0.1~5mmであり、各梁部5の高さは、0.05~5mmであることが好ましい。ここで、各梁部5の幅が、0.1mm未満であったり、各梁部5の高さが、0.05mmで未満あったりすると、本発明における梁部5として機能するための強度が不足することになる。また、各梁部5の幅が、5mmを超えていたり、各梁部5の高さが、5mmを超えていたりすると、後述のように、コンタクトレンズ用出荷容器10を組み合わせた際の省スペース化を達成することができない。
【0047】
また、各梁部5は、均一の構成であってもよいし、部分ごとに異なる構成であってもよい。例えば、各梁部5は、連続した直線形状や、不連続の直線形状や、連続又は不連続の直線形状と曲線形状との組み合わせ等、様々な形状を取り得る。
【0048】
本実施形態では、図1及び図2に示すように、長手方向Lに延びる梁部5の本数は、3本であり、幅方向Wに延びる梁部5の本数は、3本である。また、長手方向Lに延びる梁部5及び幅方向Wに延びる梁部5のいずれも、連続した直線形状を有している。
【0049】
なお、収容部2に収容されたコンタクトレンズを取り出す際には、コンタクトレンズ用出荷容器10に溶着された蓋部を剥がし、収容部2を開放した状態にすることとなるが、その際に、第3部分44及び支持部3の少なくとも一方は、コンタクトレンズ用出荷容器10の把持部となるため、第3部分44の下面45及び支持部3の下面31の少なくとも一方に設けられた梁部5が滑り止めとしても機能することとなる。
【0050】
<第2実施形態>
以下、図6を参照して、本発明の第2実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10について、上述の第1実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10との相違点に着目して説明する。図6は、第2実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10の裏面平面図を示す。
【0051】
図6に示すように、本発明の第2実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10では、第3部分44の下面45に、上述の梁部5が設けられていない。
【0052】
本実施形態によれば、梁部5を設けることなく、積重時の省スペース化及び軽量化を可能にすることができるので、低コスト化も実現することができる。
【0053】
<第3実施形態>
以下、図7図12を参照して、本発明の第3実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10について、上述の第1実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10との相違点に着目して説明する。
【0054】
図7は、第3実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10の下方斜視図を示し、図8は、第3実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10の裏面平面図を示し、図9は、第3実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10を2つ組み合わせて積層した際の測面図を示し、図10は、第3実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10を2つ組み合わせて積層した際の上方斜視図を示し、図11は、第3実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10を複数組み合わせて積層した際の測面図を示し、図12は、第3実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10を複数組み合わせて積層した際の上方斜視図を示す。
【0055】
図7及び図8に示すように、本実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10では、収容部2の底部の頂点P付近の外面の形状に対応するように、梁部5の一部の高さが低くなるように構成されている。
【0056】
具体的には、図7及び図8に示す領域Aにおける長手方向L及び幅方向Wの各梁部5の高さは、領域A以外の領域における長手方向L及び幅方向Wの各梁部5の高さよりも低くなるように構成されている。
【0057】
すなわち、本実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10では、各梁部5は、部分ごとに異なる構成を有しており、上述の領域Aにおいて、収容部2の底部の外面の曲率に合わせた椀形状の窪みを有するように構成されている。
【0058】
図9及び図10に示すように、2つのコンタクトレンズ用出荷容器10について、一方のコンタクトレンズ用出荷容器10の収容部2の底部の外面と他方のコンタクトレンズ用出荷容器10の第3部分44の下面45とを対向させて組み合わせる場合、一方のコンタクトレンズ用出荷容器10の収容部2の底部の外面は、他方のコンタクトレンズ用出荷容器10の梁部5に係止される。
【0059】
本実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10を2つ積層した際の厚みは、フランジ部1が単一面で構成されている従来のコンタクトレンズ用容器を2つ同様に積層した場合の厚みに比べ、1~25%小さくすることを可能にする。
【0060】
そのため、上述のように積層した2つの本実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10を一組として、図11及び図12に示すように、所定数のコンタクトレンズ用出荷容器10の組み合わせを個別の包装容器に二次包装した市場での流通形態における軽量化と省スペース化も可能とする。
【0061】
さらに、上述のように、2つの本実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10を積層した場合、左右のぐらつきを軽減することが可能であることから、二次包装を行う際の作業性の向上が期待できると共に、ユーザが購入後に所望数のコンタクトレンズ用出荷容器10を個別に持ち運ぶ際の携帯性の向上も期待できる。
【0062】
<第4実施形態>
以下、図13図14を参照して、本発明の第4実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10について、上述の第1実施形態及び第3実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10との相違点に着目して説明する。
【0063】
図13は、第4実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10の下方斜視図を示し、図14は、第4実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10の裏面平面図を示す。
【0064】
本実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10では、図13及び図14に示すように、幅方向Wに延びる梁部5の一部は、収容部2の底部の頂点P付近の外面の曲率半径と等しい曲率半径の円弧形状を有するように構成されている。
【0065】
具体的には、図13及ぶ図14に示すように、幅方向Wに延びる梁部5のうちの梁部5Aは、収容部2の底部の頂点P付近の外面の曲面形状に対応する曲線形状を有するように構成されている。
【0066】
本実施形態では、かかる曲線形状は、フランジ部1の端部E2側に凸となるように構成されているが、フランジ部1の端部E1側に凸となるように構成されていてもよい。
【0067】
本実施形態では、図13及び図14に示すように、長手方向Lに延びる梁部5の本数は、2本であり、幅方向Wに延びる直線形状の梁部5の本数は、3本であり、幅方向Wに延びる曲線形状の梁部5の本数は、1本である。
【0068】
かかる構成によれば、2つのコンタクトレンズ用出荷容器1を積層する際に、一方のコンタクトレンズ用出荷容器1の収容部2の底部の外面と一方のコンタクトレンズ用出荷容器1の第3部分44の下面45とを対向させて組み合わせた際の組み合わせ性が向上する。
【0069】
<第5実施形態>
以下、図15図16を参照して、本発明の第5実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10について、上述の第4実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10との相違点に着目して説明する。
【0070】
図15は、第5実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10の下方斜視図を示し、図16は、第5実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10の裏面平面図を示す。
【0071】
本実施形態に係るコンタクトレンズ用出荷容器10では、図15及び図16に示すように、幅方向Wに延びる梁部5の一部は、収容部2の底部の頂点P付近の外面の曲率半径と等しい曲率半径の円弧形状を有するように構成されている。
【0072】
具体的には、図15及ぶ図16に示すように、幅方向Wに延びる梁部5のうちの梁部5B及び5Cは、収容部2の底部の頂点P付近の外面の曲面形状に対応する曲線形状を有するように構成されている。
【0073】
本実施形態では、図15及び図16に示すように、長手方向Lに延びる梁部5の本数は、2本であり、幅方向Wに延びる直線形状の梁部5の本数は、3本であり、幅方向Wに延びる曲線形状の梁部5の本数は、2本である。
【0074】
かかる構成によれば、2つのコンタクトレンズ用出荷容器1を積層する際に、一方のコンタクトレンズ用出荷容器1の収容部2の底部の外面と一方のコンタクトレンズ用出荷容器1の第3部分44の下面45とを対向させて組み合わせた際の組み合わせ性が向上する。
【0075】
上述のように、本発明について、上述した実施形態によって説明したが、かかる実施形態における開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。かかる開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【符号の説明】
【0076】
10…コンタクトレンズ用出荷容器
1…フランジ部
E1…フランジ部の長手方向の一方の端部
E2…フランジ部の長手方向の他方の端部
2…収容部
P…収容部の頂点
3…支持部
31…支持部の下面
5、5A…梁部
40…第1部分
41…第2部分
42…第2部分の下面
43…第2部分の上面
44…第3部分
45…第3部分の下面
46…第3部分の上面
47…中間部
L…長手方向
W…幅方向
H…厚み方向
U…上方向
D…下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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図16