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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】電気メッキ装置及び電気メッキ方法
(51)【国際特許分類】
   C25D 17/12 20060101AFI20240618BHJP
   C25D 7/12 20060101ALI20240618BHJP
   C25D 17/00 20060101ALI20240618BHJP
   C25D 17/06 20060101ALI20240618BHJP
   C25D 21/12 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
C25D17/12 Z
C25D7/12
C25D17/00 H
C25D17/06 C
C25D21/12 A
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2020565819
(86)(22)【出願日】2019-04-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-24
(86)【国際出願番号】 CN2019084880
(87)【国際公開番号】W WO2019223499
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2022-02-17
(31)【優先権主張番号】201810487847.5
(32)【優先日】2018-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510005650
【氏名又は名称】エーシーエム リサーチ (シャンハイ) インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】ジャア ジャオウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン フゥイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ホンチャオ
【審査官】隅川 佳星
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-197299(JP,A)
【文献】特開2001-316887(JP,A)
【文献】特表2002-503766(JP,A)
【文献】特開2003-027291(JP,A)
【文献】特表2007-507615(JP,A)
【文献】米国特許第06027631(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0109611(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0173241(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0144698(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0258408(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0367267(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0362809(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102732924(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25D 7/12
17/06
21/00
21/12
H01L 21/288
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハの表面に電気メッキするための電気メッキ装置であって、
前記ウェハの前記表面に電界を形成するように前記ウェハの全域を覆う複数の電極を備えており、
前記電界の指定領域に独立して強度が制御される独立電界が形成され、
前記ウェハのノッチが前記指定領域内にあるとき、前記指定領域内で前記ノッチが受ける電力量の総量を前記指定領域外で前記ノッチが受ける電力量の総量と比較して減少させ、
前記複数の電極は別々の液体循環管を有し、前記複数の電極によって被覆された複数の領域間に仕切りが配置され、別々の電界空間が形成され
前記ウェハのノッチが前記指定領域内にあるとき、前記ウェハが定速で回転し、前記独立電界の強度は、前記指定領域内で前記ノッチが受ける電力量の総量が減少するように変化する、又は、
前記ウェハのノッチが前記指定領域内にあるとき、前記独立電界の強度が低下して一定値を維持し、前記ウェハの回転速度は、前記指定領域内で前記ノッチが受ける電力量の総量が減少するように変化する、又は、
前記ウェハのノッチが前記指定領域内にあるとき、前記独立電界の強度及び前記ウェハの回転速度の両方は、前記指定領域内で前記ノッチが受ける電力量の総量が減少するように変化する、のいずれかである電気メッキ装置。
【請求項2】
回転可能なチャックをさらに備えており、前記ウェハが前記チャックにクランプされて前記チャックと共に回転し、前記ウェハの前記ノッチと前記チャックとの相対位置が固定される請求項1に記載の電気メッキ装置。
【請求項3】
前記チャックには電極が設けられている請求項に記載の電気メッキ装置。
【請求項4】
第1~第3の3つの電極を備えており、
前記第1電極は円形であって前記ウェハの中央領域を被覆し、第1整流器に接続され、
前記第2電極はノッチのあるリング状であって前記ウェハの周辺領域を被覆し、第2整流器に接続され、
前記第3電極は前記第2電極の前記ノッチの位置にあって、第3整流器に接続され、
前記第1電極、前記第2電極及び前記第3電極が全体として前記ウェハの全域を覆う請求項1に記載の電気メッキ装置。
【請求項5】
前記ウェハの前記ノッチが前記第3電極の被覆領域内に位置していないとき、前記第3整流器が定電流モードで動作して一定の第3電流を出力し、
前記ウェハが回転することで、前記ウェハの前記ノッチが前記第3電極の被覆領域内に入ったとき、前記第3整流器の出力電流が前記第3電流からノッチメッキ電流まで徐々に減少し、
前記ウェハの前記ノッチが前記ウェハの回転につれて前記第3電極の被覆領域を外れたとき、前記第3整流器の出力電流が前記ノッチメッキ電流から前記第3電流まで徐々に増加する請求項に記載の電気メッキ装置。
【請求項6】
前記第3整流器の出力電流が前記第3電流から前記ノッチメッキ電流までリニアに又は非リニアに徐々に減少し
前記第3整流器の出力電流が前記ノッチメッキ電流から前記第3電流までリニアに又は非リニアに徐々に増加する請求項に記載の電気メッキ装置。
【請求項7】
前記ウェハの前記ノッチの基準点が前記第3電極の基準点と位置が合ったときに、前記第3整流器が前記ノッチメッキ電流を出力し、または、
前記ウェハの前記ノッチの前記基準点が前記第3電極の基準領域内にあるときに、前記第3整流器が前記ノッチメッキ電流を連続的に出力する請求項5に記載の電気メッキ装置。
【請求項8】
前記ウェハの前記ノッチが前記第3電極の被覆領域内に位置していないとき、前記第3整流器が定電流モードで動作して一定の第3電流を出力し、
前記ウェハが回転することで、前記ウェハの前記ノッチが前記第3電極の被覆領域内に入ったとき、前記第3整流器は定電圧モードに切り替わり、前記第3整流器の出力電圧が第3電圧からノッチメッキ電圧まで徐々に減少し、
前記ウェハの前記ノッチが前記ウェハの回転につれて前記第3電極の被覆領域を外れたとき、前記第3整流器の出力電圧が前記ノッチメッキ電圧から前記第3電圧まで徐々に増加する請求項に記載の電気メッキ装置。
【請求項9】
前記第3整流器の出力電圧が前記第3電圧から前記ノッチメッキ電圧までリニアに又は非リニアに徐々に減少し、
前記第3整流器の出力電圧が前記ノッチメッキ電圧から前記第3電圧までリニアに又は非リニアに徐々に増加する請求項に記載の電気メッキ装置。
【請求項10】
前記第3整流器がDCパルスモードで動作し、
前記ウェハの前記ノッチが前記第3電極の被覆領域内に位置していないとき、前記第3整流器の出力電流のデューティ周期が高デューティ周期であり、
前記ウェハが回転することで、前記ウェハの前記ノッチが前記第3電極の被覆領域内に入ったとき、前記第3整流器の出力電流のデューティ周期が高デューティ周期から低デューティ周期まで徐々に減少し、
前記ウェハの前記ノッチが前記ウェハの回転につれて前記第3電極の被覆領域を外れたとき、前記第3整流器の出力電流のデューティ周期が低デューティ周期から高デューティ周期まで徐々に増加する請求項に記載の電気メッキ装置。
【請求項11】
前記第3整流器の出力電流のデューティ周期が高デューティ周期から低デューティ周期までリニアに又は非リニアに徐々に減少し、
前記第3整流器の出力電流のデューティ周期が低デューティ周期から高デューティ周期までリニアに又は非リニアに徐々に増加する請求項10に記載の電気メッキ装置。
【請求項12】
第1~第3の3つの電極を備えており、
前記第1電極は円形であって前記ウェハの中央領域を被覆し、第1電源から給電され、
前記第2電極はノッチのあるリング状であって前記ウェハの周辺領域を被覆し、第2電源から給電され、
前記第3電極は湾曲しており前記第2電極の前記ノッチの位置にあって、第3電源から給電され、
前記第3電極は前記第2電極と結合しており、前記第3電極と前記第2電極とが合わさって完全なリングを形成しており、前記第3電極が前記第2電極から絶縁されており、
前記第1電極、前記第2電極及び前記第3電極が全体として前記ウェハの全域を覆う請求項1に記載の電気メッキ装置。
【請求項13】
前記ウェハの前記ノッチが前記第3電極の被覆領域内に位置していないとき、前記第3電極の電流密度が前記第2電極の電流密度と同じであり、
前記ウェハが回転することで、前記ウェハの前記ノッチが前記第3電極の被覆領域内に入ったとき、前記第3電極の電流密度が徐々に減少し、
前記ウェハの前記ノッチが前記ウェハの回転につれて前記第3電極の被覆領域を外れたとき、前記第3電極の電流密度が前記第2電極の電流密度と同じとなるまで徐々に増加する請求項12に記載の電気メッキ装置。
【請求項14】
第1~第3の3つの電極を備えており、
前記第1電極は円形であって前記ウェハの中央領域を被覆し、第1整流器に接続され、
前記第2電極はノッチのあるリング状であって前記ウェハの周辺領域を被覆し、第2整流器に接続され、
前記第3電極は前記第2電極の前記ノッチの位置にあって、スイッチに接続され、前記スイッチは前記第2電極と制御電源とに接続され、前記スイッチは、前記第3電極が前記第2電極又は前記制御電源に接続されるように切り替えられ、
前記第1電極、前記第2電極及び前記第3電極が全体として前記ウェハの全域を覆う請求項1に記載の電気メッキ装置。
【請求項15】
前記ウェハの前記ノッチが前記第3電極の被覆領域内に位置していないとき、前記スイッチは、前記第3電極が前記第2電極に接続され、両方とも前記第2整流器に接続されるようにし、
前記ウェハが回転することで、前記ウェハの前記ノッチが前記第3電極の被覆領域内に入ったとき、前記スイッチは、前記第3電極が前記制御電源に接続されるようにし、前記制御電源が前記出力電流のデューティ周期を調整し、
前記ウェハの前記ノッチが前記ウェハの回転につれて前記第3電極の被覆領域を外れたとき、前記スイッチは、前記第3電極が前記第2電極に接続されるようにする請求項14に記載の電気メッキ装置。
【請求項16】
第1~第2の2つの電極を備えており、
前記第1電極は円形であって前記ウェハの中央領域を被覆し、凹部を有しており且つ第1電源から給電され、
前記第2電極はリング状であって前記ウェハの周辺領域を被覆し、突出部を有しており且つ第2電源から給電され、
前記第2電極の前記突出部が前記第1電極の前記凹部と結合しており、前記突出部が前記凹部内に侵入しており、前記第1電極及びこれと合わさった前記第2電極が全体として前記ウェハの全域を覆う請求項1に記載の電気メッキ装置。
【請求項17】
前記ウェハの前記ノッチが前記突出部の被覆領域内に位置していないとき、前記第2電極の電流密度が一定に維持され、
前記ウェハが回転することで、前記ウェハの前記ノッチが前記突出部の被覆領域内に入ったとき、前記第2電極の電流密度が徐々に減少し、
前記ウェハの前記ノッチが前記ウェハの回転につれて前記突出部の被覆領域を外れたとき、前記第2電極の電流密度が徐々に増加する請求項16に記載の電気メッキ装置。
【請求項18】
第1~第2の2つの電極を備えており、
前記第1電極は円形であって前記第1電極の直径は前記ウェハの直径を被覆し、前記第1電極にはノッチ部があり且つ第1電源から給電され、
前記第2電極は前記第1電極の前記ノッチ部の位置にあり、第2電源から給電され、
前記第1電極及び前記第2電極が全体として前記ウェハの全域を覆う請求項1に記載の電気メッキ装置。
【請求項19】
前記ウェハの前記ノッチが前記第2電極の被覆領域内に位置していないとき、前記第2電極の電流密度が前記第1電極の電流密度と同じであり、
前記ウェハが回転することで、前記ウェハの前記ノッチが前記第2電極の被覆領域内に入ったとき、前記第2電極の電流密度が徐々に減少し、
前記ウェハの前記ノッチが前記ウェハの回転につれて前記第2電極の被覆領域を外れたとき、前記第2電極の電流密度が前記第1電極の電流密度と同じとなるまで徐々に増加する請求項18に記載の電気メッキ装置。
【請求項20】
複数の前記独立電界が複数の前記指定領域内に形成され、一又は複数の前記独立電界が前記ウェハの前記ノッチにしたがって選択される請求項1に記載の電気メッキ装置。
【請求項21】
ウェハの全域を覆う複数の電極を用いて前記ウェハの表面に電気メッキするための電気メッキ方法であって、
前記複数の電極を制御して前記ウェハの前記表面に電界を形成し、
前記電界の指定領域に独立して強度が制御される独立電界を形成し、
前記ウェハのノッチが前記指定領域内にあるとき、前記指定領域内で前記ノッチが受ける電力量の総量を前記指定領域外で前記ノッチが受ける電力量の総量と比較して減少させ、
前記複数の電極は別々の液体循環管を有し、前記複数の電極によって被覆された複数の領域間に仕切りを配置し、別々の電界空間を形成し、
前記ウェハを定速で回転させるステップと、
前記ウェハの前記ノッチが前記指定領域内にあるとき、前記独立電界の強度を変更することによって、前記指定領域内でノッチが受ける電力量の総量を減少させるステップとを備えている、又は、
前記ウェハを回転させるステップと、
前記ウェハの前記ノッチが前記指定領域内にあるとき、前記独立電界の強度を低下させて一定値を維持し、前記ウェハの回転速度を変更することによって、前記指定領域内で前記ノッチが受ける電力量の総量を減少させるステップとを備えている、又は、
前記ウェハを回転させるステップと、
前記ウェハの前記ノッチが前記指定領域内にあるとき、前記独立電界の強度及び前記ウェハの回転速度の両方を変更することによって、前記指定領域内で前記ノッチが受ける電力量の総量を減少させるステップとを備えている、のいずれかである電気メッキ方法。
【請求項22】
電流を調整することによって前記独立電界を変更する、又は
電圧を調整することによって前記独立電界を変更する、又は
デューティ周期を調整することによって前記独立電界を変更する、のいずれかである請求項21に記載の電気メッキ方法。
【請求項23】
複数の前記独立電界を複数の前記指定領域内に形成し、一又は複数の前記独立電界を前記ウェハの前記ノッチにしたがって選択する請求項21に記載の電気メッキ方法。
【請求項24】
ウェハの表面に電気メッキするための電気メッキ装置であって、
前記ウェハの前記表面に複数の電界を形成するように前記ウェハの全域を覆う複数の電極を備えており、
前記電界の指定領域に独立して強度が制御される独立電界が形成され、
前記指定領域内で受ける電力量の総量が、前記ウェハの前記表面上の特定位置でのメッキ厚を制御するように調整され、
前記複数の電極は別々の液体循環管を有し、前記複数の電極によって被覆された複数の領域間に仕切りが配置され、別々の電界空間が形成される電気メッキ装置。
【請求項25】
複数の前記独立電界が複数の前記指定領域内に形成され、複数の前記独立電界の強度が別々に制御される請求項24に記載の電気メッキ装置。
【請求項26】
ウェハの全域を覆う複数の電極を用いて前記ウェハの表面に電気メッキするための電気メッキ方法であって、
前記複数の電極を制御して前記ウェハの前記表面に複数の電界を形成し、
前記電界の指定領域に独立して強度が制御される独立電界である独立電界を形成し、
前記指定領域内で受ける電力量の総量を、前記ウェハの前記表面上の特定位置でのメッキ厚を制御するように調整し、
前記複数の電極は別々の液体循環管を有し、前記複数の電極によって被覆された複数の領域間に仕切りを配置し、別々の電界空間を形成し、
前記ウェハを定速で回転し、
前記ウェハの前記表面上の前記特定位置が前記指定領域内にあるとき、前記独立電界の強度を変化させ、前記ウェハの前記表面上の前記特定位置の前記メッキ厚を制御する、又は、
前記ウェハを回転し、
前記ウェハの前記表面上の前記特定位置が前記指定領域内にあるとき、前記独立電界の強度を変化させ、その後、前記独立電界の強度を一定値に維持し、前記ウェハの回転速度を変化させ、前記ウェハの前記表面上の前記特定位置の前記メッキ厚を制御する、又は、
前記ウェハを回転し、
前記ウェハの前記表面上の前記特定位置が前記指定領域内にあるとき、前記独立電界の強度及び前記ウェハの回転速度の両方を変化させ、前記ウェハの前記表面上の前記特定位置の前記メッキ厚を制御する、のいずれかである電気メッキ方法。
【請求項27】
複数の前記独立電界を複数の前記指定領域内に形成し、複数の前記独立電界の強度を別々に制御する請求項26に記載の電気メッキ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造プロセスに関し、より詳細には半導体製造プロセスにおける電気メッキプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
電気メッキは、半導体チップの製造プロセス及びパッケージングプロセスの両方に用いられている。電気メッキプロセスの間、メッキチャンバ内にウェハが配置される。メッキチャンバには陽極があり、ウェハが陰極として用いられる。そして、メッキ溶液がメッキチャンバに供給される。電気メッキは、電気化学反応によって達成される。既存の電気メッキ設備は、通常、複数の陽極をもつ電気メッキ装置を採用している。図1は、従来技術において用いられている電気メッキ装置の電極の概略構造を示している。図1に示すように、電気メッキ装置は、第1電極302と第2電極304の2つの電極を有している。第1電極302は、円形であり、中央部に位置している。第2電極304は、環状であり、周辺部に位置している。第1電極及び第2電極は、陽極として機能する。円形の第1電極及び環状の第2電極のいずれも対称構造を有しているので、これらが生成する電界も対称である。初期において通常ウェハ上で複数のチップが対称となるように分布しており、ウェハ自体は円形なので、この構造の電極はメッキプロセスを良好に完了することができる。
【0003】
プロセスが進化し製品が豊富になることにより、様々な要求が生じている。ウェハレベルでのパッケージングプロセスが一般化することにより、非メッキ領域を含むウェハに対する全体メッキプロセスへの要求が生じている。典型的な非メッキ領域は、ウェハのノッチ近傍領域である。いくつかの要求において、ウェハの複数の型が非対称に配置されることがあり、不規則形状の非メッキ領域が形成される。ノッチ近傍の非メッキ領域はより一般的な例である。チップが配置されるメッキ領域では、フォトレジストに多数の開口があり、開口内には金属が堆積する。こういった金属が堆積した開口は、電気メッキの間に配線として機能する。非メッキ領域にはチップは配置されないので、フォトレジストに開口がなく、金属が堆積しない。図1を参照すると、電極の形状は円形及び環状なので、生成された電界の強度は一様ではない。メッキ領域及び非メッキ領域について、電界が一様であるとき、非メッキ領域には配線がなく電流が生成されないので、その近傍領域の配線に大きな電流が発生する。そのため、非メッキ領域の周囲領域では電流密度が現に高くなり、したがって、メッキ速度が速くなり、メッキ高さが他の領域よりも高くなるという結果が得られる。ウェハレベルパッケージングプロセスでは、全体の高さ制御が非常に厳格で、ウェハのノッチ近傍のメッキ高さが高いと製品収率が低下して、損失が発生する可能性が高い。
【0004】
ノッチ領域の近傍でのメッキ高さが高いという問題を解決するために、シールド法が使用される。例えば、ウェハと電極との間にシールド板を付加し、ウェハのノッチがシールド板の位置まで回転してきたとき、ウェハの回転速度を低下させることで、ウェハのノッチはシールド板によって被覆された位置により長い時間留まる。ノッチがシールド板によって被覆された位置にあるとき、電界を受信する効果が弱められ、これに応じてメッキ速度も低下するので、ウェハのノッチ領域のメッキ高さも低くなる。
【0005】
しかし、この解決法を実施するのは困難であり、副作用がある。この解決法は、ウェハがある位置まで回転してきたときにウェハを減速し、当該位置を過ぎると再加速することが必要である。そのためには、チャックの回転を優れた加速減速性能と速い応答時間で駆動するモータが必要となる。電気メッキプロセスはメッキ室内で行われるので、ウェハは実際にはメッキ液槽内に含浸させられる。ウェハの回転の加速減速によってメッキ溶液が攪乱され、それがウェハにも作用し、ウェハの実際の回転速度にも予期しない影響を与える。コントローラと上部制御ソフトウェア(upper control software)との時間差のために、実際にはウェハをしばしば所定の位置で減速又は加速させることができず、位置ズレがおこりやすい。特に回転速度が速いときには、プロセス中にこのようなことが生じる。回転速度が50rpmよりも高いプロセスでは、精確な位置で加速及び減速を行うのが難しい。さらに、ウェハの回転速度を変更すると、全体としてのメッキ電流密度が減少してしまい、出力を増加させることには寄与しない。
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施形態は、ウェハの表面に電気メッキするための電気メッキ装置が提供される。電気メッキ装置は、複数の電極を備えており、複数の電極はウェハの表面に複数の電界を形成する。指定領域に独立した電界が形成され、独立した電界の強度は独立して制御される。ウェハのノッチが指定領域内にあるとき、指定領域内でノッチが受けるパワーの総量が減少する。
【0007】
ウェハのノッチが指定領域内にあるとき、ウェハが定速で回転し、独立した電界の強度は、指定領域内でノッチが受けるパワーの総量が減少するように変化する。または、ウェハのノッチが指定領域内にあるとき、独立した電界の強度が低下して一定値を維持し、ウェハの回転速度は、指定領域内でノッチが受けるパワーの総量が減少するように変化する。または、ウェハのノッチが指定領域内にあるとき、独立した電界の強度及びウェハの回転速度の両方は、指定領域内でノッチが受けるパワーの総量が減少するように変化する。
【0008】
電気メッキ装置は回転可能なチャックをさらに備えており、ウェハがチャックにクランプされてチャックと共に回転し、ウェハのノッチとチャックとの相対位置が固定される。チャックには電極が設けられていてよい。
【0009】
実施形態によると、電気メッキ装置は第1~第3の3つの電極を備えており、第1電極は円形であってウェハの中央領域を被覆し、第1整流器に接続され、第2電極はノッチのあるリング状であってウェハの周辺領域を被覆し、第2整流器に接続され、第3電極は第2電極のノッチの位置にあって、第3整流器に接続され、第1電極、第2電極及び第3電極が全体としてウェハの全域を覆う。
【0010】
実施形態によると、3つの電極は以下のように制御される。ウェハのノッチが第3電極の被覆領域内に位置していないとき、第3整流器が定電流モードで動作して一定の第3電流を出力し、ウェハが回転することで、ウェハのノッチが第3電極の被覆領域内に入ったとき、第3整流器の出力電流が第3電流からノッチメッキ電流まで徐々に減少し、ウェハのノッチがウェハの回転につれて第3電極の被覆領域を外れたとき、第3整流器の出力電流がノッチメッキ電流から第3電流まで徐々に増加する。
【0011】
ノッチメッキ電流は瞬間的な出力であってもよいし、ある期間において連続した出力であってもよい。例えば、ウェハのノッチの基準点が第3電極の基準点と位置が合ったときに、第3整流器がノッチメッキ電流を出力する、または、ウェハのノッチの基準点が第3電極の基準領域内にあるときに、第3整流器がノッチメッキ電流を連続的に出力する。
【0012】
実施形態によると、3つの電極は以下のように制御される。ウェハのノッチが第3電極の被覆領域内に位置していないとき、第3整流器が定電流モードで動作して一定の第3電流を出力し、ウェハが回転することで、ウェハのノッチが第3電極の被覆領域内に入ったとき、第3整流器が定電圧モードに切り替わり、第3整流器の出力電圧が第3電圧からノッチメッキ電圧まで徐々に減少し、ウェハのノッチがウェハの回転につれて第3電極の被覆領域を外れたとき、第3整流器の出力電圧がノッチメッキ電圧から第3電圧まで徐々に増加する。
【0013】
実施形態によると、3つの電極は以下のように制御される。第3整流器がDCパルスモードで動作し、ウェハのノッチが第3電極の被覆領域内に位置していないとき、第3整流器の出力電流のデューティ周期が高デューティ周期であり、ウェハが回転することで、ウェハのノッチが第3電極の被覆領域内に入ったとき、第3整流器の出力電流のデューティ周期が高デューティ周期から低デューティ周期まで徐々に減少し、ウェハのノッチがウェハの回転につれて第3電極の被覆領域を外れたとき、第3整流器の出力電流のデューティ周期が低デューティ周期から高デューティ周期まで徐々に増加する。
【0014】
実施形態によると、電気メッキ装置は第1~第3の3つの電極を備えており、第1電極は円形であってウェハの中央領域を被覆し、第1電源から給電され、第2電極はノッチのあるリング状であってウェハの周辺領域を被覆し、第2電源から給電され、第3電極は湾曲しており第2電極のノッチの位置にあって、第3電源から給電され、第3電極は第2電極と結合しており、第3電極と第2電極とが合わさって完全なリングを形成しており、第3電極が第2電極から絶縁されており、第1電極、第2電極及び第3電極が全体としてウェハの全域を覆う。
【0015】
実施形態によると、3つの電極は以下のように制御される。ウェハのノッチが第3電極の被覆領域内に位置していないとき、第3電極の電流密度が第2電極の電流密度と同じであり、ウェハが回転することで、ウェハのノッチが第3電極の被覆領域内に入ったとき、第3電極の電流密度が徐々に減少し、ウェハのノッチがウェハの回転につれて第3電極の被覆領域を外れたとき、第3電極の電流密度が第2電極の電流密度と同じとなるまで徐々に増加する。
【0016】
実施形態によると、電気メッキ装置は第1~第3の3つの電極を備えており、第1電極は円形であってウェハの中央領域を被覆し、第1整流器に接続され、第2電極はノッチのあるリング状であってウェハの周辺領域を被覆し、第2整流器に接続され、第3電極は第2電極のノッチの位置にあって、スイッチに接続され、スイッチは第2電極と制御電源とに接続され、スイッチは、第3電極が第2電極又は制御電源に接続されるように切り替えられ、第1電極、第2電極及び第3電極が全体としてウェハの全域を覆う。
【0017】
実施形態によると、3つの電極は以下のように制御される。ウェハのノッチが第3電極の被覆領域内に位置していないとき、スイッチは、第3電極が第2電極に接続され、両方とも第2整流器に接続されるようにし、ウェハが回転することで、ウェハのノッチが第3電極の被覆領域内に入ったとき、スイッチは、第3電極が制御電源に接続されるようにし、制御電源が出力電流のデューティ周期を調整し、ウェハのノッチがウェハの回転につれて第3電極の被覆領域を外れたとき、スイッチは、第3電極が第2電極に接続されるようにする。
【0018】
実施形態によると、電気メッキ装置は第1~第2の2つの電極を備えており、第1電極は円形であってウェハの中央領域を被覆し、凹部を有しており且つ第1電源から給電され、第2電極はリング状であってウェハの周辺領域を被覆し、突出部を有しており且つ第2電源から給電され、第2電極の突出部が第1電極の凹部と結合しており、突出部が凹部内に侵入しており、第1電極及びこれと合わさった第2電極が全体としてウェハの全域を覆う。
【0019】
実施形態によると、2つの電極は以下のように制御される。ウェハのノッチが突出部の被覆領域内に位置していないとき、第2電極の電流密度が一定に維持され、ウェハが回転することで、ウェハのノッチが突出部の被覆領域内に入ったとき、第2電極の電流密度が徐々に減少し、ウェハのノッチがウェハの回転につれて突出部の被覆領域を外れたとき、第2電極の電流密度が徐々に増加する。
【0020】
実施形態によると、電気メッキ装置は第1~第2の2つの電極を備えており、第1電極は円形であって第1電極の直径はウェハの直径を被覆し、第1電極にはノッチ部があり且つ第1電源から給電され、第2電極は第1電極のノッチ部の位置にあり、第2電源から給電され、第1電極及び第2電極が全体としてウェハの全域を覆う。
【0021】
実施形態によると、2つの電極は以下のように制御される。ウェハのノッチが第2電極の被覆領域内に位置していないとき、第2電極の電流密度が第1電極の電流密度と同じであり、ウェハが回転することで、ウェハのノッチが第2電極の被覆領域内に入ったとき、第2電極の電流密度が徐々に減少し、ウェハのノッチがウェハの回転につれて第2電極の被覆領域を外れたとき、第2電極の電流密度が第1電極の電流密度と同じとなるまで徐々に増加する。
【0022】
実施形態によると、複数の独立した電界が複数の指定領域内に形成され、一又は複数の独立した電界がウェハのノッチにしたがって選択される。
【0023】
本発明の実施形態によると、複数の電極を用いてウェハの表面に電気メッキするための電気メッキ方法であって、複数の電極を制御してウェハの表面に複数の電界を形成する。指定領域に独立した電界が形成され、独立した電界の強度は独立して制御され、ウェハのノッチが指定領域内にあるとき、指定領域内でノッチが受けるパワーの総量を減少させる。
【0024】
電気メッキ方法は、
ウェハを定速で回転させるステップと、
ウェハのノッチが指定領域内にあるとき、独立した電界の強度を変更することによって、指定領域内でノッチが受けるパワーの総量を減少させるステップとを備えている。
【0025】
または、電気メッキ方法は、
ウェハを回転させるステップと、
ウェハのノッチが指定領域内にあるとき、独立した電界の強度が低下して一定値を維持し、ウェハの回転速度を変更することによって、指定領域内でノッチが受けるパワーの総量を減少させるステップとを備えている。
【0026】
または、電気メッキ方法は、
ウェハを回転させるステップと、
ウェハのノッチが指定領域内にあるとき、独立した電界の強度及びウェハの回転速度の両方を変更することによって、指定領域内でノッチが受けるパワーの総量を減少させるステップとを備えている。
【0027】
実施形態によると、独立した電界は、以下のように変更されてよい。
【0028】
電流を調整することによって前記独立した電界を変更する、又は
電圧を調整することによって前記独立した電界を変更する、又は
デューティ周期を調整することによって前記独立した電界を変更する、のいずれかである。
【0029】
実施形態によると、複数の独立した電界が複数の指定領域内に形成され、一又は複数の独立した電界がウェハのノッチにしたがって選択される。
【0030】
本発明の実施形態は、ウェハの表面に電気メッキするための電気メッキ装置が提供される。電気メッキ装置は、複数の電極を備えており、複数の電極はウェハの表面に複数の電界を形成する。指定領域に独立した電界が形成される。独立した電界の強度は独立して制御される。指定領域内で受けるパワーの総量が、ウェハの表面上の特定位置でのメッキ厚を制御するように調整される。
【0031】
複数の独立した電界が複数の指定領域内に形成されてよく、複数の独立した電界の強度が別々に制御される。
【0032】
本発明の実施形態によると、複数の電極を用いてウェハの表面に電気メッキするための電気メッキ方法が提供される。この電気メッキ方法は、ウェハの表面に複数の電界を形成する複数の電極を制御する。指定領域に独立した電界が形成され、独立した電界の強度は独立して制御される。指定領域内で受けるパワーの総量が、ウェハの表面上の特定位置でのメッキ厚を制御するように調整される。
【0033】
複数の独立した電界が複数の指定領域内に形成されてよく、複数の独立した電界の強度が別々に制御される。
【0034】
本発明の電気メッキ装置及び電気メッキ方法は、電界の強度を直接制御することによって、ウェハのノッチの電気メッキ高さを制御する。ウェハの回転速度のみを変更する従来の制御方法に比べて、本発明はより精度及び信頼性が高く、電気メッキの効率も向上する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本発明の、上述した、そしてそれ以外の特徴、性質及び利点は、図面を用いた以下の実施形態の説明から明らかになるであろう。
図1図1は、従来技術において用いられている電気メッキ装置の電極の概略構造を示している。
図2a図2aは、本発明の第1実施形態による電気メッキ装置の電極の概略構造を示している。
図2b図2bは、本発明の第1実施形態による電気メッキ装置の電極の概略構造を示している。
図2c図2cは、本発明の第1実施形態による電気メッキ装置の電極の概略構造を示している。
図3図3は、本発明の第1実施形態による電気メッキ装置の概略断面を示している。
図4図4は、本発明の第1実施形態による電気メッキ装置における第3整流器の出力電流の波形を示している。
図5図5は、本発明の第2実施形態による電気メッキ装置における第3整流器の出力電流の波形を示している。
図6図6は、本発明の第5実施形態による電気メッキ装置における複数の電極の概略構造を示している。
図7図7は、本発明の第7実施形態による電気メッキ装置における複数の電極の概略構造を示している。
図8図8は、本発明の第8実施形態による電気メッキ装置における複数の電極の概略構造を示している。
図9a図9aは、本発明の第9実施形態による電気メッキ装置における複数の電極の概略構造を示している。
図9b図9bは、本発明の第9実施形態による電気メッキ装置における複数の電極の概略構造を示している。
図10図10は、本発明の第10実施形態による電気メッキ装置における複数の電極の概略構造を示している。
【発明を実施するための形態】
【0036】
液体に含浸されたウェハの回転速度を制御することと比較して、電界の強度を直接制御することはより効率的である。さらに、より精度の高い正確な制御が達成され得る。必要であれば、電界の強度の制御及びウェハの回転速度の制御が、よりよい制御効果を達成するために結合されてもよい。
【0037】
本発明の実施形態によると、ウェハの表面に電気メッキするための電気メッキ装置が提供される。電気メッキ装置は、複数の電極を備えており、複数の電極はウェハの表面に複数の電界を形成する。指定領域に独立した電界が形成される。独立した電界の強度は独立して制御される。ウェハのノッチが指定領域内にあるとき、指定領域内でノッチが受けるパワーの総量が減少する。
【0038】
以下の3つの方法で、指定領域内でノッチが受けるパワー総量の減少が実現される。
【0039】
1つ目は、ウェハのノッチが指定領域内にあるとき、ウェハが定速で回転し、独立した電界の強度を、指定領域内でノッチが受けるパワーの総量が減少するように変化させる方法である。そして、
2つ目は、ウェハのノッチが指定領域内にあるとき、独立した電界の強度が低下して一定値を維持し、ウェハの回転速度を、指定領域内でノッチが受けるパワーの総量が減少するように変化させる方法である。そして、
3つ目は、ウェハのノッチが指定領域内にあるとき、独立した電界の強度及びウェハの回転速度の両方を、指定領域内でノッチが受けるパワーの総量が減少するように変化させる方法である。
【0040】
第1実施形態
図2a、図2b及び図2cを参照すると、これらの図面は、本発明の第1実施形態による電気メッキ装置の電極の概略構造を示している。第1実施形態によると、電気メッキ装置は、第1電極102と第2電極104と第3電極106の3つの電極を有している。第1電極102は、円形であり、ウェハの中央部を被覆している。第1電極102は、第1整流器に接続されている。第2電極104はノッチのあるリング状であって、ウェハの周辺領域を被覆している。第2電極104は、第2整流器に接続されている。第3電極106は、第2電極104のノッチの位置にある。第3電極106は、第3整流器に接続されている。第1電極102、第2電極104及び第3電極106は、全体としてウェハの全域を覆う。第1電極、第2電極及び第3電極の寸法は、実際の要請にしたがって決定されてよい。例えば、ウェハの直径が300mmであれば、第1電極102の半径R1は5mmから145mmの間であってよい。これに対応して、第2電極104の内径はR1で、第2電極104の外径R2は155mmから160mmであってよい。もし第1電極の直径が比較的小さい場合、環状の第2電極は比較的幅広いものとなる。もし第1電極が比較的大きい場合、環状の第2電極は比較的幅の狭いものとなる。第2電極の内径がR1であると決定されたとしても、実際には、第2電極の内径はR1よりも僅かに小さくてもよく、このとき第1電極と第2電極は接合部分でオーバーラップするため、ウェハの表面を完全に被覆することが保証される。これに対応して、第2電極の外径R2も、ウェハの半径よりも僅かに大きくなる。例えば、直径300mmのウェハの半径が150mmであり、第2電極の外径が155mmから160mmであり、ウェハの半径よりも僅かに大きい。典型的な構成では、第1電極の半径は80mm、第2電極の内径は80mmで外径が160mmである。第2電極104は完全なリング状ではなく、リングの一端にノッチ(notch)があるリングである。第3電極106は、第2電極のノッチ内には位置されている。第3電極106の形状は第2電極のノッチの形状と一致している。第3電極がノッチ内にあるとき、第3電極はノッチの全体を丁度埋めている。第3電極及び第2電極は全体として完全なリングを形成している。このように、第1電極102、第2電極104及び第3電極106は、全体としてウェハの全域を覆っている。図2a、図2b及び図2cは、通常使用される電極の形状を示している。図2aによると、第3電極106の形状は、一方が円弧状で他方が直線のアーチ状である。図2bによると、第3電極の形状は、湾曲したリングの一部である。図2cによると、第3電極は扇形である。
【0041】
通常において、上述した第1電極、第2電極及び第3電極は陽極(anode)であり、ウェハが陰極(cathode)として機能する。陽極は、チタン若しくはタンタルのような不活性金属又はその金属酸化物から作製されたものでよく、また、プラチナ、金若しくは銀のような金属フィルムが陽極のサービス寿命を伸ばすために上述した材料にさらにメッキされてもよい。
【0042】
図3は、本発明の第1実施形態による電気メッキ装置の概略断面を示している。図3によると、電気メッキ装置は、陽極室202と陰極室204とに大きく分けられる。上述した第1電極、第2電極及び第3電極は陽極室202内に配置されている。陽極室202は、第1電極102、第2電極104及び第3電極106のそれぞれの位置に対応して、第1陽極領域221、第2陽極領域222及び第3陽極領域223に分けられる。複数の仕切り206が、第1陽極領域221と第2陽極領域222と第3陽極領域223との間に配置されている。陽極領域の間に配置された複数の仕切り206は絶縁材からなるので、各陽極領域内の電界は互いに独立している。各陽極領域内の電界は、それぞれの電極によって制御される。通常、第1電極、第2電極及び第3電極は、陽極室202の底部に配置される。第1陽極領域221、第2陽極領域222及び第3陽極領域223は、第1電極、第2電極及び第3電極の上方に形成される。メッキ金属イオンを含むメッキ溶液のような消耗材は、各陽極領域に配置されている。電気メッキの必要に応じて、銅、錫、ニッケル、コバルト及びルテニウムのような金属イオンを含有していてもよい。一実施形態において、第1電極、第2電極及び第3電極並びに各第1陽極領域、第2陽極領域及び第3陽極領域は、それぞれ別々の液体循環管を有しており、各陽極領域がそれぞれ独立した空間を形成している。各空間内では、メッキ溶液及び電界が互いに独立している。しかし、陽極領域間の金属イオン濃度バランスの要求を考慮すると、小さな貫通孔が仕切りに形成される。貫通孔を通って陽極領域間をメッキ溶液がある程度循環することによって、金属イオン濃度バランスの要求が実現される。絶縁材の仕切りに設けられた小さな貫通孔のインピーダンスは大きいので、各陽極領域の独立した電流制御は実質的に影響を受けない。図示の実施形態によると、第1電極102、第2電極104及び第3電極106は、すべて陽極であって陽極室内においてその底部に配置されている。別の実施形態では、第3電極106はチャック上に配置されてもよい。チャックに配置された電極は、陽極でも陰極でもよい。チャックに配置された電極に関して、「電極」の定義は広く、電界を調整する目的を達成する装置は「電極」であると解釈されてよい。
【0043】
さらに図3について説明すると、陽極室202と陰極室204との間には、イオン薄膜208が配置されている。このイオン薄膜は、比較的安定なメッキ液を形成し消耗材である金属イオンを補給して高速物質交換を達成するために、陽極室202と陰極室204との間のイオンストライク(ion strike)を制御することができる。仕切り206は、陽極室202から陰極室204へと延在しており、陰極室204内でウェハに近づくまで上へと延びている。そして、第1陽極領域221と第2陽極領域222と第3陽極領域223とにそれぞれ対応した第1陰極領域、第2陰極領域及び第3陰極領域が、陰極室204内に形成されている。陰極室の仕切り206にも小さい貫通孔が設けられてもよく、これによって金属イオン濃度バランスの要求が達成される。或いは、陰極室の仕切り206には小さい貫通孔が設けられていなくてもよく、これによって陰極室の各陰極領域はより好ましく絶縁される。陰極室204内のウェハに近い位置には、フローフィールド板(flow field plate)210がさらに配置されている。
【0044】
図3において、ウェハ212はチャックによってクランプされている。チャックは回転可能である。ウェハ212は、チャックによってクランプされてチャックと共に回転する。ウェハのノッチとチャックの相対位置は固定されているので、ノッチの位置はチャックの回転位置によって決定される。電気メッキプロセスの間、例えば10rpmのような回転速度でチャックはウェハを回転させる。回転方向は、正転と逆転交互とすることができる。チャックとウェハは所定期間だけ正転し、それから逆転に変わってよい。回転速度は10rpmに維持されてよい。そして、同じ期間が経過してから、同じ回転速度で再び正転に変わる。このようなモードを交互に繰り返す。回転中には、正転と逆転の切り替え時間を除いて、ウェハの回転は定速である。回転速度は0.1rpmから500rpmであってよく、実際の条件によって決定される。
【0045】
断面からみると、本発明の電気メッキ装置は、電極、陽極室、陰極室、イオン薄膜、フローフィールド板などの構造と基本的な電気メッキプロセスが従来技術と類似している。本発明の実施形態は、主に、図2a、図2b及び図2cに示すように、第3電極の形状及び配置に主眼をおいている。
【0046】
本発明の実施形態では、ウェハのノッチの領域内での電界を独立して制御しようとして、ウェハのノッチの領域内に独立した電界を形成している。そして、この電界の強度は残りの領域での強度よりも弱いので、ウェハのノッチ近傍におけるメッキ高さを制御することができる。
【0047】
第1実施形態によると、第1電極、第2電極及び第3電極のそれぞれが、互いに独立した第1整流器、第2整流器及び第3整流器によってそれぞれ制御される。第1整流器及び第2整流器の動作モードは、従来技術と類似している。例えば、第1整流器はDC又はパルス電流を出力してもよい。第1整流器の最大電流は20Aに設定してもよく、第1整流器の最大電圧は40Vに設定してもよい。第2整流器はDC又はパルス電流を出力してもよい。第2整流器の最大電流は30Aに設定してもよく、第2整流器の最大電圧は40Vに設定してもよい。これら2つの整流器の最大電流及び最大電圧は、通常、電極の面積の大きさによって設定される。第3整流器は、第3電極を制御するために用いられる。第3整流器もまたDC又はパルス電流を出力してよい。第3整流器の最大電流は5Aに設定してもよく、第3整流器の最大電圧は60Vに設定してもよい。もしパルス電流が用いられるのであれば、第3整流器のパルス周波数は0.1msから2000msに設定されてよい。
【0048】
第1実施形態によると、第3整流器の動作モードは以下のようであってよい。ウェハのノッチが第3電極の被覆領域内に位置していないとき、第3整流器が定電流モードで動作して一定の第3電流を出力する。ウェハが回転することで、ウェハのノッチが第3電極の被覆領域内に入ったとき、第3整流器の出力電流が第3電流からノッチメッキ電流まで徐々に減少する。そして、ウェハのノッチがウェハの回転につれて第3電極の被覆領域を外れたとき、第3整流器の出力電流がノッチメッキ電流から第3電流まで徐々に増加する。ウェハがチャックにクランプされてチャックと共に回転するので、ウェハのノッチとチャックとの相対位置が固定される。ノッチの位置は、チャックの回転位置を検出することによって決定される。ウェハのノッチが第3電極の被覆領域内に入り始めたとき、第3整流器の出力電流が減少して、第3電極によって生成される電界が弱くなる。
【0049】
図4は、本発明の第1実施形態による電気メッキ装置における第3整流器の出力電流の波形を示している。第1実施形態によると、ノッチ及び第3電極は0°において完全に位置が一致しており、ノッチは350°から10°の間の範囲で第3電極の被覆領域内にある。ノッチが10°から350°の間の位置にあるとき、ノッチは第3電極の被覆領域内に位置しておらず、第3整流器は一定の第3電流として0.5Aを出力する。ノッチが350°の位置まで回転すると、第3整流器の出力電流は減少し始める。350°から360°(0°)までの回転プロセスの間、第3整流器の出力電流は、第3電流0.5Aからノッチメッキ電流0.05Aまで徐々に減少する。そして、0°から10°までの回転プロセスの間、第3整流器の出力電流がノッチメッキ電流0.05Aから第3電流0.5Aまで徐々に増加する。第3整流器の出力電流が徐々に減少し徐々に増加するというプロセスは、リニアな変化又は非リニアな変化のどちらでもよい。図4に示した実施形態では、第3整流器の出力電流が徐々に減少し徐々に増加するというプロセスは、リニアである。
【0050】
第2実施形態
第2実施形態の電気メッキ装置の構造は第1実施形態のものと同じであり、ここでは同じ説明を繰り返さない。第2実施形態は、第3整流器の制御モードがやや異なる点において第1実施形態と相違している。第2実施形態によると、第3整流器は以下のような動作モードを採用している。ウェハのノッチが第3電極の被覆領域内に位置していないとき、第3整流器が定電流モードで動作して一定の第3電流を出力する。ウェハが回転することで、ウェハのノッチが第3電極の被覆領域内に入ったとき、第3整流器の出力電流が第3電流からノッチメッキ電流まで徐々に減少する。そして、ウェハのノッチがウェハの回転につれて第3電極の被覆領域を外れたとき、第3整流器の出力電流がノッチメッキ電流から第3電流まで徐々に増加する。第1実施形態によると、ノッチメッキ電流は、ノッチの基準点が第3電極の基準点と位置が合った瞬間(本実施形態では0°位置)だけに発生し、第3整流器がノッチメッキ電流を出力する。しかし、第2実施形態では、ノッチメッキ電流は、ある期間にわたって連続的に出力される。ノッチの基準点が第3電極の基準領域内にあるときに、第3整流器がノッチメッキ電流を連続的に出力する。
【0051】
図5は、本発明の第2実施形態による電気メッキ装置における第3整流器の出力電流の波形を示している。第2実施形態によると、ウェハのノッチが第3電極と完全に一致する位置、つまりノッチの基準点と第3電極の基準点とが一致するのは、本実施形態では、0°位置である。350°から10°の範囲内において、ウェハのノッチは第3電極の被覆範囲内に入る。そして、355°から5°の範囲内において、ノッチの基準点が第3電極の基準領域内にある。ウェハのノッチが10°から350°の間にあるとき、ウェハのノッチは第3電極の被覆範囲内に入らない。このとき、第3整流器は一定の第3電流として0.5Aを出力する。ウェハのノッチが350°の位置まで回転すると、第3整流器の出力電流は減少し始める。350°から355°までの回転プロセスの間、第3整流器の出力電流は、第3電流0.5Aからノッチメッキ電流0.05Aまで徐々に減少する。そして、355°から5°の回転プロセスの間、ノッチの基準点が第3電極の基準領域内にあり、第3整流器は、ノッチメッキ電流として0.05Aを常に出力する。5°から10°までの回転プロセスの間、第3整流器の出力電流がノッチメッキ電流0.05Aから第3電流0.5Aまで徐々に増加する。第3整流器の出力電流が徐々に減少し徐々に増加するというプロセスは、リニアな変化又は非リニアな変化のどちらでもよい。図5に示した実施形態では、第3整流器の出力電流が徐々に減少し徐々に増加するというプロセスは、リニアである。
【0052】
第3実施形態
第3実施形態の電気メッキ装置の構造は第1実施形態のものと同じであり、ここでは同じ説明を繰り返さない。第3実施形態は、第3整流器の制御モードがやや異なる点において第1実施形態と相違している。第1実施形態及び第2実施形態では、第3整流器は常に一定の電流モードで動作する。しかし、第3実施形態において、第3整流器は、ウェハのノッチが第3電極の被覆領域内に入ったときに、定電圧モードに切り替わる。ウェハのノッチが第3電極の被覆領域内に位置していないとき、第3整流器が定電流モードで動作して一定の第3電流を出力する。ウェハが回転することで、ウェハのノッチが第3電極の被覆領域内に入ったとき、第3整流器は定電圧モードに切り替わり、第3整流器の出力電圧が第3電圧からノッチメッキ電圧まで徐々に減少する。そして、ウェハのノッチがウェハの回転につれて第3電極の被覆領域を外れたとき、第3整流器の出力電圧がノッチメッキ電圧から第3電圧まで徐々に増加する。定電圧モードへの切り替え時に、第3整流器の出力電圧は電気メッキの電気化学反応のしきい値電圧よりも高い。つまり、ノッチメッキ電圧は電気メッキの電気化学反応のしきい値電圧よりも高い。しきい値電圧では、電気メッキの電気化学反応及びメッキ溶液の腐食反応が互いに相殺し合って、実際のメッキ速度はほとんどゼロとなる。しかし、メッキ溶液の腐食のために、第3電極の被覆領域内では、ウェハに既にメッキされた金属が消失することがないことも保証される。
【0053】
加えて、定電圧モードには付加的な利益がある。つまり、ウェハのノッチが第3電極の被覆領域内に入ったときに、実際の電流が自動的に減少する。ウェハのノッチは非メッキ領域にあるので、非メッキ領域の抵抗はメッキ領域の抵抗よりも大きくなる。定電圧モードでは、ノッチが第3電極の被覆領域に入るプロセスの間、抵抗が連続して増加するので、この領域での電流が連続して減少する。ノッチが第3電極の被覆領域を外れたとき、抵抗は減少して電流は増加する。
【0054】
第3実施形態によると、ウェハのノッチが第3電極と完全に一致する位置、つまりノッチの基準点と第3電極の基準点とが一致するのは、本実施形態では、0°位置である。350°から10°の範囲内において、ウェハのノッチは第3電極の被覆範囲内に入る。そして、355°から5°の範囲内において、ノッチの基準点が第3電極の基準領域内にある。ウェハのノッチが10°から350°の間にあるとき、ウェハのノッチは第3電極の被覆範囲内に入らない。このとき、第3整流器は定電流モードで動作し、一定の第3電流として0.5Aを出力する。ウェハのノッチが350°の位置まで回転すると、第3整流器は定電圧モードに切り替えられ、その出力電圧の初期値は第3電圧として0.5Vである。350°から355°までの回転プロセスの間、第3整流器の出力電圧は、初期第3電圧0.5Vからノッチメッキ電圧0.05Vまで徐々に減少する。355°から5°の回転プロセスの間、ノッチの基準点が第3電極の基準領域内にあり、第3整流器は、ノッチメッキ電圧として0.05Vを常に出力する。5°から10°までの回転プロセスの間、第3整流器の出力電圧がノッチメッキ電圧0.05Vから第3電圧0.5Vまで徐々に増加する。第3整流器の出力電圧が徐々に減少し徐々に増加するというプロセスは、リニアな変化又は非リニアな変化のどちらでもよい。
【0055】
第4実施形態
第4実施形態の電気メッキ装置の構造は第1実施形態のものと同じであり、ここでは同じ説明を繰り返さない。第4実施形態は、第3整流器の制御モードがやや異なる点において第1実施形態と相違している。第3整流器はDCパルスモードで動作する。ウェハのノッチが第3電極の被覆領域内に位置していないとき、第3整流器の出力電流のデューティ周期が高デューティ周期である。ウェハが回転することで、ウェハのノッチが第3電極の被覆領域内に入ったとき、第3整流器の出力電流のデューティ周期が高デューティ周期から低デューティ周期まで徐々に減少する。ウェハのノッチがウェハの回転につれて第3電極の被覆領域を外れたとき、第3整流器の出力電流のデューティ周期が低デューティ周期から高デューティ周期まで徐々に増加する。DCパルスモードで動作する第3整流器は応答が速いため、ノッチ領域のメッキ高さをより正確に制御することができ、ウェハの高回転速度でのプロセスにより適する。回転速度が20rpmよりも高いプロセスにおいて、DCパルスモードで動作する第3整流器が用いられ得る。回転速度が50rpmよりも高い又は100rpmよりも高いプロセスにおいて、DCパルスモードで動作する第3整流器の利点がより明らかとなる。
【0056】
第4実施形態によると、ウェハのノッチが第3電極と完全に一致する位置、つまりノッチの基準点と第3電極の基準点とが一致するのは、本実施形態では、0°位置である。350°から10°の範囲内において、ウェハのノッチは第3電極の被覆範囲内に入る。そして、355°から5°の範囲内において、ノッチの基準点が第3電極の基準領域内にある。ウェハのノッチが10°から350°の間にあるとき、ウェハのノッチは第3電極の被覆範囲内に入らない。このとき、第3整流器の出力電流のデューティ周期が高デューティ周期であり、例えば、デューティ周期は100%であり、第3整流器はDCパルスモードにおいて連続的に0.5Aの電流を出力する。ウェハのノッチが350°の位置まで回転すると、第3整流器は出力電流のデューティ周期を減少させ始める。350°から355°までの回転プロセスの間、第3整流器の出力電流のデューティ周期は、初期の100%から5%へと減少する。355°から5°までの回転プロセスの間、ノッチの基準点が第3電極の基準領域内にあり、第3整流器が出力する電流のデューティ周期は、5%に維持される。5°から10°までの回転プロセスの間、第3整流器の出力電流のデューティ周期は、5%から100%へと増加する。第3整流器の出力電流のデューティ周期変動は、リニアな変化又は非リニアな変化のどちらでもよい。
【0057】
第5実施形態
第5実施形態の電気メッキ装置の構造は第1実施形態のものと僅かに異なる。第5実施形態によると、電気メッキ装置は、第1電極502と第2電極504と第3電極506の3つの電極を有している。第1電極502は、円形であり、ウェハの中央部を被覆している。第1電極は第1電源によって給電される。第2電極504はノッチのあるリング状であって、ウェハの周辺領域を被覆している。第2電極は第2電源によって給電される。第3電極506は湾曲しており第2電極のノッチの位置に配置されている。第3電極は、第3電源から給電される。第3電極506の円弧は、第2電極504のリングと一致している。第3電極506及び第2電極504が合わさって全体として完全なリングを形成している。第3電極506は、第2電極504とは絶縁されている。第1電極502、第2電極504及び第3電極506は、全体としてウェハの全域を覆う。第1電極、第2電極及び第3電極の寸法は、上述した実施形態と同様に実際の要請にしたがって決定されてよく、ここでは詳細を繰り返さない。
【0058】
第5実施形態の電気メッキ装置の断面構造は上述した実施形態と類似しており、複数の電極、陽極室、陰極室、イオン薄膜、フローフィールド板などを有しているが、ここでは詳細を繰り返さない。
【0059】
第5実施形態による第3電極は、以下のように動作する。すなわち、ウェハのノッチが第3電極の被覆領域内に位置していないとき、第3電極の電流密度が第2電極の電流密度と同じである。ウェハが回転することで、ウェハのノッチが第3電極の被覆領域内に入ったとき、第3電極の電流密度が徐々に減少する。ウェハのノッチがウェハの回転につれて第3電極の被覆領域を外れたとき、第3電極の電流密度が第2電極の電流密度と同じとなるまで徐々に増加する。ウェハのノッチが第3電極の被覆領域内に位置しているとき、第3電極の電流密度が減少し、ウェハのノッチ領域のメッキ高さを制御し減少させるという目的が達成される。
【0060】
第6実施形態
第6実施形態の電気メッキ装置の構造は第1実施形態のものと僅かに異なる。第6実施形態によると、電気メッキ装置は、第1電極と第2電極と第3電極の3つの電極を有している。第1電極は、円形であり、ウェハの中央部を被覆している。第1電極は、第1整流器に接続されている。第2電極はノッチのあるリング状であって、ウェハの周辺領域を被覆している。第2電極104は、第2整流器に接続されている。第3電極は、第2電極のノッチの位置にある。第3電極は、独立した第3整流器ではなくスイッチに接続されている。スイッチは、第2電極と制御電源に接続されている。スイッチは、第3電極が第2電極又は制御電源に接続されるように切り替えられる。第1電極、第2電極及び第3電極が全体としてウェハの全域を覆う。第1電極、第2電極及び第3電極の寸法は、実際の要請にしたがって決定されてよい。第2電極のノッチの形状及び第3電極の形状は、ウェハのノッチにあるフォトレジストの被覆形状に応じて決定される。第2電極のノッチの形状及び第3電極の形状は、ウェハのノッチにあるフォトレジストの被覆形状と一致している。
【0061】
第6実施形態による第3電極は、以下のように動作する。すなわち、ウェハのノッチが第3電極の被覆領域内に位置していないとき、スイッチは、第3電極が第2電極に接続され、両方とも第2整流器に接続されるようにする。第3電極及び第2電極は、第2整流器によって給電される。ウェハが回転することで、ウェハのノッチが第3電極の被覆領域内に入ったとき、スイッチは、第3電極が第2電極とは非接続とされて制御電源に接続されるようにする。制御電源は出力電流のデューティ周期を調整する。ウェハのノッチがウェハの回転につれて第3電極の被覆領域を外れたとき、スイッチは、第3電極が再び第2電極に接続されるようにする。制御電源がDCパルス電流を出力し、ウェハのノッチが第3電極の被覆領域内に入ったとき、制御電源の動作モードは、第4実施形態におけるのと類似したものとなる。
【0062】
第7実施形態
図7は、本発明の第7実施形態による電気メッキ装置における複数の電極の概略構造を示している。第7実施形態の電気メッキ装置の構造は上述した実施形態のものとは異なっている。第7実施形態によると、電気メッキ装置は、第1電極702と第2電極704の2つの電極のみを有している。第1電極702は、円形であり、ウェハの中央部を被覆している。第1電極は凹部721を有しており、第1電源によって給電される。第2電極704はリング状であって、ウェハの周辺領域を被覆している。第2電極704は、突出部741を有しており且つ第2電源から給電される。第2電極704の突出部741が第1電極702の凹部721と結合しており、突出部741が凹部721内に侵入しており、第1電極702及びこれと合わさった第2電極704が全体としてウェハの全域を覆っている。第1電極及び第2電極の寸法は、上述した実施形態と同様に実際の要請にしたがって決定されてよく、ここでは詳細を繰り返さない。
【0063】
第7実施形態の電気メッキ装置の断面構造は上述した実施形態と類似しており、複数の電極、陽極室、陰極室、イオン薄膜、フローフィールド板などを有しているが、ここでは詳細を繰り返さない。
【0064】
第7実施形態による第2電極は、以下のように動作する。すなわち、ウェハのノッチが突出部の被覆領域内に位置していないとき、第2電極の電流密度が通常レベルで一定に維持される。ウェハが回転することで、ウェハのノッチが突出部の被覆領域内に入ったとき、第2電極の電流密度が徐々に減少する。ウェハのノッチがウェハの回転につれて突出部の被覆領域を外れたとき、第2電極の電流密度が徐々に増加する。そして、ノッチ領域のメッキ高さを制御し減少させるという目的が達成される。
【0065】
第7実施形態は上述した実施形態と比較して電極を1つ減らし、2つの電極だけが採用されている。構造及び制御は上述した実施形態よりも簡単であるが、ノッチ領域のメッキ高さを制御する目的は達成される。第7実施形態を実施するコストは低く、より経済的である。
【0066】
第8実施形態
図8は、本発明の第8実施形態による電気メッキ装置における複数の電極の概略構造を示している。第8実施形態による電気メッキ装置も、第1電極802と第2電極806の2つの電極のみを有している。第1電極802は、円形であり、第1電極の直径はウェハの直径を被覆するものとなっている。第1電極802はノッチ部を有しており、第1電源によって給電される。第2電極806は、第1電極802のノッチ部の位置にある。第2電極806は第2電源によって給電される。第1電極802及び第2電極806は、全体としてウェハの全域を覆う。第1電極及び第2電極の寸法は、上述した実施形態と同様に実際の要請にしたがって決定されてよく、ここでは詳細を繰り返さない。
【0067】
第8実施形態の電気メッキ装置の断面構造は上述した実施形態と類似しており、複数の電極、陽極室、陰極室、イオン薄膜、フローフィールド板などを有しているが、ここでは詳細を繰り返さない。
【0068】
第8実施形態による第2電極は、以下のように動作する。すなわち、ウェハのノッチが第2電極の被覆領域内に位置していないとき、第2電極の電流密度が第1電極の電流密度と同じである。ウェハが回転することで、ウェハのノッチが第2電極の被覆領域内に入ったとき、第2電極の電流密度が徐々に減少し、ウェハのノッチがウェハの回転につれて第2電極の被覆領域を外れたとき、第2電極の電流密度が第1電極の電流密度と同じとなるまで徐々に増加する。
【0069】
第8実施形態では、上述した実施形態と比べると2つの電極を採用している。1つはノッチのある円形電極であり、もう1つはノッチの位置にある電極である。リング状の電極は用いられていない。第8実施形態は、主として、8インチウェハのような比較的小さな直径のウェハのためのものである。比較的小さなサイズのウェハについては、1つの円形電極及び1つのノッチ電極だけで被覆することができ、ウェハの周辺領域を被覆するために追加のリング電極を必要としない。
【0070】
上述した第1から第8の実施形態において、電界強度の調整は説明のための例として取り上げている。すなわち、指定領域内でウェハのノッチが受けるパワーの総量を減少させる3つの方法のうちの第一は、ウェハを定速で回転させ、独立した電界の強度を、指定領域内でウェハのノッチが受けるパワーの総量が減少するように変化させることである。
【0071】
上述した実施形態に基づくと、ウェハの回転速度の制御と組み合わせることによって、例えば、ウェハのノッチが第3電極(第8実施形態では第2電極)又は突出部の被覆領域に入ったときに、ウェハの回転速度を減少させて、2つ目のやり方が行われる。つまり、ウェハのノッチが指定領域内にあるとき、独立した電界の強度を低下させて一定値を維持し、ウェハの回転速度を、指定領域内でウェハのノッチが受けるパワーの総量が減少するように変化させる。電界の強度の制御及びウェハの回転速度の制御を組み合わせることによって、よりよいメッキ高さ制御が達成される。
【0072】
第3の方法は、従来技術で用いられている方法と類似したものであって、主にウェハの回転速度を変更することに基づいている。しかし、ウェハのノッチが指定領域内に入ったとき、この領域の独立した電界の強度を低下させて一定の低い値に維持する。
【0073】
上述した第1から第8の実施形態は、電気メッキ方法としてもまとめることができる。複数の電極を用いてウェハの表面に電気メッキするための電気メッキ方法であって、複数の電極を制御して前記ウェハの前記表面に複数の電界を形成し、指定領域に独立した電界が形成され、独立した電界の強度は独立して制御され、ウェハのノッチが指定領域内にあるとき、指定領域内でノッチが受けるパワーの総量を減少させる。
【0074】
電気メッキ方法は、
ウェハを定速で回転させるステップと、
ウェハのノッチが指定領域内にあるとき、独立した電界の強度を変更することによって、指定領域内でノッチが受けるパワーの総量を減少させるステップとを備えている。
【0075】
または、電気メッキ方法は、
ウェハを回転させるステップと、
ウェハのノッチが指定領域内にあるとき、独立した電界の強度が低下して一定値を維持し、ウェハの回転速度を変更することによって、指定領域内でノッチが受けるパワーの総量を減少させるステップとを備えている。
【0076】
または、電気メッキ方法は、
ウェハを回転させるステップと、
ウェハのノッチが指定領域内にあるとき、独立した電界の強度及びウェハの回転速度の両方を変更することによって、指定領域内でノッチが受けるパワーの総量を減少させるステップとを備えている。
【0077】
ウェハのノッチが独立した電界の領域に入ったとき、ノッチ領域が受けるパワーの総量を減少させて、ノッチ領域のメッキ高さを減少させる。これにより、パッケージの要求、特にウェハレベルパッケージの要求が満たされる。
【0078】
同様に、電気メッキ方法が、ウェハの回転速度の制御と結びつけられてもよい。ウェハのノッチが第3電極又は突出部の被覆領域内に入ったとき、ウェハの回転速度が減少する。電界の強度の制御及びウェハの回転速度の制御を組み合わせることによって、よりよいメッキ高さ制御が達成される。
【0079】
独立した電界の調整は、電流の調整、電圧の調整又はデューティ周期の調整によって達成され得る。独立した電界の強度変更は、リニアでも非リニアでもよい。
【0080】
上述した第1~第8の実施形態は、主として、ウェハのノッチ領域のメッキ高さを制御することに関するものである。本発明の実施形態を拡張すると、指定領域をノッチ領域からウェハの全体エッジ領域に拡張することが可能である。ウェハの製造ラインの拡張につれて、ウェハをさらなる非対称で非一様に配置することがある。ノッチ領域に加えて、ウェハの全体エッジ領域のメッキ高さ制御の問題もある。
【0081】
さらに、製造効率を上げるために、メッキプロセスの速度を上げることが望ましい。メッキプロセスの速度を上げる重要な手段は、メッキ電流を増加させることである。メッキ効率は高電流メッキを用いることで上昇させることができる。しかし、高電流メッキの一つの副作用は、特にウェハのエッジ領域でメッキの均一性が低下することである。均一性は高電流が用いられるときにはより低下しやすい。
【0082】
拡張として、本発明の実施形態は、ウェハの表面に電気メッキするための電気メッキ装置であって、複数の電極を備えており、複数の電極がウェハの表面に複数の電界を形成する。複数の独立した電界が複数の指定領域内に形成され、複数の独立した電界の強度が別々に制御される。指定領域内で受けるパワーの総量が、ウェハの表面上の特定位置でのメッキ厚を制御するように調整される。
【0083】
第9実施形態
図9a及び図9bは、本発明の第9実施形態による電気メッキ装置における複数の電極の概略構造を示している。図9a及び図9bに示す第9実施形態によると、電気メッキ装置は、第1電極902と第2電極904と第3電極906の3つの電極を有している。第3電極906の数は、上述した実施形態に示す1つだけの第3電極の代わりに、複数となっている点に留意されたい。第1電極902は、円形であり、ウェハの中央部を被覆している。第2電極は複数のノッチのあるリング状であって、ウェハの周辺領域を被覆している。いくつかの第3電極906は、第2電極904のノッチの位置にある。第1電極902、第2電極904及び第3電極906は、全体としてウェハの全域を覆う。第1電極、第2電極及び第3電極の寸法は、実際の要請にしたがって決定されてよい。図示した実施形態では、第2電極904の複数のノッチが周縁部に分布しており、これに対応して、複数の第3電極906が周縁部に配置されている。図9aに示す例では、第2電極904の2つのノッチが180°のインターバルで分布しており、2つの第3電極906もまた180°のインターバルで分布している。図9bに示す例では、第2電極904の3つのノッチが120°のインターバルで分布しており、3つの第3電極906もまた180°のインターバルで分布している。また、第2電極のノッチ及びこれに対応する第3電極の形状及び寸法は、互いに異なっていてもよい。例えば、図9aでは、2つの第3電極906が、互いに異なる形状及び寸法を持つように示されている。図9bでは、3つの第3電極906が、互いに同じ形状及び寸法を持つように示されている。第3電極及び第2電極のノッチは、周縁部に一様に配置されていてもよいし、不均等に配置されていてもよい。一様な配置とすることによって制御がしやすくなる。
【0084】
複数の第3電極があるときにおける各第3電極の制御のやり方については、上記した第1~第6実施形態における動作モードを参照することができる。ウェハのノッチが回転によってある第3電極の被覆領域内に入ったとき、当該第3電極が生成する電界は弱められ、ウェハのノッチが当該第3電極の被覆領域から外れたとき、当該第3電極が生成する電界は強められる。第3電極には独立した第3整流器が設けられているか、或いは、第3電極は第2電極又は制御電源にスイッチによって切り替えられてもよい。第3電極の電界は、定電流モード、定電圧モード又はデューティ周期が調整されるモードで制御されてよい。これらの内容については、上記した第1~第6実施形態で説明しており、当業者はこれらを第9実施形態に適用することができる。
【0085】
複数の第3電極を採用した構成の利点は、ウェハのエッジ領域全体に対する制御が実現できることである。複数の指定領域又は連続指定領域におけるメッキ厚の制御は、複数の第3電極を選択的に又は共働的に用いることで達成される。同様に、第9実施形態は、ウェハのノッチ領域のメッキ高さを制御するためにも適用可能である。この電気メッキ装置は、複数の第3電極がウェハのノッチ領域のメッキ高さを制御するために用いられるときに適用範囲が広がる。例えば、同様の電気メッキ装置を複数の異なる製品に用いることができる。製品が異なればウェハ上には異なるチップが配置され、ウェハのノッチ領域のフォトレジストの形状及びサイズが大きく異なることがあり、いくつかは2倍又は3倍も相違する。もし第3電極が1つだけであれば、そういった複数の異なる製品にうまく対応することができないだろう。もしサイズ及び形状が異なる複数の第3電極が配置されていれば、これらの複数の第3電極は複数の異なる製品により良く適用することができる。
【0086】
上述した第1~第6実施形態で説明した第3電極が1つだけあるモードも、ウェハの周辺領域のような指定領域のメッキ高さを制御するために用いることができる。
【0087】
第10実施形態
図10は、本発明の第10実施形態による電気メッキ装置における複数の電極の概略構造を示している。第10実施形態の電気メッキ装置は、第7実施形態に基づいた複数電極形式を発展させたものである。
【0088】
第10実施形態による電気メッキ装置は、第1電極1002と第2電極1004の2つの電極を備えている。第1電極1002は、円形であり、ウェハの中央部を被覆している。第1電極には凹部1021及び1022が設けられている。第1電極は第1電源によって給電される。第2電極1004はリング状であって、ウェハの周辺領域を被覆している。第2電極1004には突出部1041及び1042が設けられている。第2電極は第2電源によって給電される。第2電極1004の突出部1041が第1電極1002の凹部1021と結合しており、突出部1041が凹部1021内に侵入している。第2電極1004の突出部1042が第1電極1002の凹部1022と結合しており、突出部1042が凹部1022内に侵入している。第1電極1002及び第2電極1004は、全体としてウェハの全域を覆う。第1電極及び第2電極の寸法は、上述した実施形態と同様に実際の要請にしたがって決定されてよく、ここでは詳細を繰り返さない。2つの凹部及び2つの突出部はサイズが異なっている。
【0089】
複数の凹部及び複数の突出部があるときにおける各凹部及び各突出部の制御方法については、上述した第7実施形態の動作モードを参照することができる。ここでは説明を繰り返さない。
【0090】
複数の凹部及び複数の突出部を採用した構成の利点は、ウェハのエッジ領域全体に対する制御が実現できることである。複数の指定領域又は連続指定領域におけるメッキ厚の制御は、複数の凹部及び複数の突出部を選択的に又は共働的に用いることで達成される。同様に、第10実施形態は、ウェハのノッチ領域のメッキ高さを制御するためにも適用可能である。この電気メッキ装置は、複数の凹部及び複数の突出部がウェハのノッチ領域のメッキ高さを制御するために用いられるときに適用範囲が広がる。例えば、同様の電気メッキ装置を複数の異なる製品に用いることができる。製品が異なればウェハ上には異なるチップが配置され、ウェハのノッチ領域のフォトレジストの形状及びサイズが大きく異なることがあり、いくつかは2倍又は3倍も相違する。もし凹部及び突出部が1つだけであれば、そういった複数の異なる製品にうまく対応することができないだろう。もしサイズ及び形状が異なる複数の凹部及び複数の突出部が配置されていれば、これらの複数の凹部及び複数の突出部は複数の異なる製品により良く適用することができる。
【0091】
上述した第7及び第8実施形態で説明した凹部及び突出部が1つだけあるモードも、ウェハの周辺領域のような指定領域のメッキ高さを制御するために用いることができる。
【0092】
第9及び第10実施形態には、電界の調整及びウェハの回転速度の制御を組み合わせることもできる。第9及び第10実施形態は、複数の電極を用いてウェハの表面に電気メッキするための電気メッキ方法であって、複数の電極を制御してウェハの表面に複数の電界を形成する方法であると総括することができる。複数の独立した電界が複数の指定領域内に形成され、複数の独立した電界の強度が別々に制御される。指定領域内で受けるパワーの総量が、ウェハの表面上の特定位置でのメッキ厚を制御するように調整される。
【0093】
本発明の電気メッキ装置及び電気メッキ方法は、電界の強度を直接制御することによって、ウェハのノッチの電気メッキ高さを制御する。ウェハの回転速度のみを変更する従来の制御方法に比べて、本発明はより精度及び信頼性が高く、電気メッキの効率も向上する。
【0094】
上述した実施形態は当業者が本発明を実現又は使用するためのものであり、本発明の本旨及び原理から外れることなく当業者は様々な変更又は修正を行うことができるものであり、上述した実施形態は様々な変更又及び修正がされてよい。したがって、本発明の保護範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の特徴の最大範囲は特許請求の範囲にしたがうべきである。
図1
図2a
図2b
図2c
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図10