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特許7506012メッシュネットワークシステム及び通信制御方法
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  • 特許-メッシュネットワークシステム及び通信制御方法 図1
  • 特許-メッシュネットワークシステム及び通信制御方法 図2
  • 特許-メッシュネットワークシステム及び通信制御方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】メッシュネットワークシステム及び通信制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 40/02 20090101AFI20240618BHJP
   H04W 92/20 20090101ALI20240618BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20240618BHJP
   H04W 84/22 20090101ALI20240618BHJP
【FI】
H04W40/02 110
H04W92/20 110
H04W84/18
H04W84/22
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021039778
(22)【出願日】2021-03-12
(65)【公開番号】P2022139408
(43)【公開日】2022-09-26
【審査請求日】2023-03-29
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度、総務省、「無人航空機の目視外飛行における周波数の有効利用技術の研究開発」に係わる委託業務、産業技術力強化第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(74)【代理人】
【識別番号】100116687
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 爾
(74)【代理人】
【識別番号】100098383
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100155860
【弁理士】
【氏名又は名称】藤松 正雄
(72)【発明者】
【氏名】阿部 達也
(72)【発明者】
【氏名】竹川 雅之
【審査官】青木 健
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-236767(JP,A)
【文献】特開2008-124813(JP,A)
【文献】特開2005-252781(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0344667(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第111263379(CN,A)
【文献】特開2019-033326(JP,A)
【文献】Mesh Working Group,Mesh Profile Revision: v1.0.1,Bluetooth Specification,2019年01月21日,17-45頁,Internet<URL:https://www.bluetooth.org/docman/handlers/downloaddoc.ashx?doc_id=457092>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ネットワークを形成する無線ノードとして、移動ノードと、複数の固定ノードとを有するメッシュネットワークシステムにおいて、
前記複数の固定ノードの各々は有線ネットワークにも接続されており、
前記移動ノードからのパケットが任意の固定ノードを通じて無線ネットワークの区間を1ホップで前記有線ネットワークに到達するように、前記複数の固定ノードの各々が他の固定ノードのMACアドレスを指定したMACアドレスフィルタリングにより他の固定ノードとの無線接続を禁止することで、通信経路が制御されることを特徴とするメッシュネットワークシステム。
【請求項2】
無線ネットワークを形成する無線ノードとして、移動ノードと、複数の固定ノードとを有するメッシュネットワークシステムにおいて、
前記複数の固定ノードの各々は有線ネットワークにも接続されており、
前記移動ノードからのパケットが任意の固定ノードを通じて無線ネットワークの区間を1ホップで前記有線ネットワークに到達するように、前記複数の固定ノードの各々が他の固定ノードから転送されたパケットを破棄することで、通信経路が制御されることを特徴とするメッシュネットワークシステム。
【請求項3】
無線ネットワークを形成する無線ノードとして、移動ノードと、複数の固定ノードとを有するメッシュネットワークシステムにおける通信制御方法において、
前記複数の固定ノードの各々は有線ネットワークにも接続されており、
前記無線ノードからのパケットが任意の固定ノードを通じて無線ネットワークの区間を1ホップで前記有線ネットワークに到達するように、前記複数の固定ノードの各々が他の固定ノードのMACアドレスを指定したMACアドレスフィルタリングにより他の固定ノードとの無線接続を禁止することで、通信経路が制御されることを特徴とする通信制御方法。
【請求項4】
無線ネットワークを形成する無線ノードとして、移動ノードと、複数の固定ノードとを有するメッシュネットワークシステムにおける通信制御方法において、
前記複数の固定ノードの各々は有線ネットワークにも接続されており、
前記無線ノードからのパケットが任意の固定ノードを通じて無線ネットワークの区間を1ホップで前記有線ネットワークに到達するように、前記複数の固定ノードの各々が他の固定ノードから転送されたパケットを破棄することで、通信経路が制御されることを特徴とする通信制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ネットワークを形成する無線ノードとして、移動ノードと、複数の固定ノードとを有するメッシュネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のロボット技術の進展は実に目覚しく、様々な社会課題の解決にロボットが利用されることも多くなっている。このようなロボットの多くは、無人航空機や自律運転車両等の無人移動体である。無人移動体は、遠隔操縦や自律制御のための制御指令データや、無人移動体に搭載したカメラ等で撮影した映像データを伝送するために、通信システムを具備する必要がある。このとき、無人移動体がレール等に沿った所定の経路を移動する機械でない場合には、移動に適した無線通信が利用されることが多い。
【0003】
例えば、特許文献1には、移動基地局と端末局が、近距離通信を準備するための長距離通信機能と、データ伝送用の近距離通信機能を備え、長距離通信機能を用いた通信により、近距離通信を行うタイミングをスケジューリングする発明が開示されている。また、特許文献2には、無人飛行体を用いた中継システムにおいて、中継の通信品質、予定の中継時間、無人飛行体の電源の状態(電力供給可能量)に基づいて、無人飛行体の中継位置を探索する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2017/018021号
【文献】特開2019-169848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
無人移動体との通信に使用され得る通信ネットワークの一つにメッシュネットワークがある。メッシュネットワークは複数のノードから構成され、隣接する通信可能なノード同士を接続することで、全体で網の目状のネットワークを形成する。特に、ノード間の接続が無線で行われる場合は無線メッシュネットワークと呼ばれ、複数のノードに渡ってバケツリレー式にデータが無線転送される。
【0006】
通常、メッシュネットワークには複数の経路が存在し、ある経路で通信不能になっても代替経路に切り替えることができるため、他のネットワークトポロジと比較して障害に強いという特徴がある。ただし、複数の経路が存在するということは、ネットワークにループ状の経路が存在することも意味する。このようなネットワークにIPパケットをブロードキャストする場合、IPパケットがループ状の経路を一周してからもブロードキャストを繰り返してブロードキャストストームを引き起こすことを避けるため、一般的にスパニングツリープロトコルが適用される。
【0007】
スパニングツリープロトコルではスパニングツリーアルゴリズムを使用し、自動的に特定のノード間の通信をブロッキング状態にすることで、ループを防ぐことが可能である。また、障害が発生した際は、ブロッキング状態を解除することによって、代替経路による通信を継続することが可能である。
【0008】
しかしながら、このようなメッシュネットワークは、特定の優先度の高いノードによる集中制御で経路を決定するのではなく、全てのノードが対等な関係で経路を決定するため、集中制御方式と比較して効率が低下する。特に、高スループットや低遅延が要求されるケースでは、耐障害性の高いメッシュネットワークを採用できない恐れがある。
【0009】
耐障害性に加えて、高スループットと低遅延が要求されるユースケースとして、無人航空機UAV(Unmanned Aerial Vehicle)の遠隔操縦に係る映像伝送を行う無線通信システムが考えられる。図1には、そのような無線通信システムの従来例を示してある。同システムは、UAVの目視外飛行において、UAVの周辺状況を撮影した映像をUAVからサーバに転送し、操縦者がリアルタイムで映像を確認できるようにするものである。
【0010】
図1に示した従来の無線メッシュネットワークでは、UAV本体を含む移動ノード101の飛行経路に沿って、第1固定ノード111、第2固定ノード112、第3固定ノード113、第n固定ノード114が地上に配置されている。また、サーバ121が、第1固定ノード111に有線で接続されている。なお、以降の説明では、移動ノードか固定ノードかを問わず、2台のノード間で無線通信が行われた場合を1ホップ、3台連なったノード間で無線通信が行われた場合を2ホップといったように、通信が行われたノード数から1を減算した値をホップ数と定義する。
【0011】
移動ノード101が第1固定ノード111の上空を飛行している場合は、移動ノード101と第1固定ノード111との間で1ホップの通信が行われ、サーバ121まで最短の経路でデータが転送される。次に、移動ノード101が第2固定ノード112の上空に移動し、第1固定ノード111と直接通信できなくなると、移動ノード101から第2固定ノード112を経由して第1固定ノード111まで2ホップの通信が行われる。同様にして、移動ノード101が第3固定ノード113の上空に移動すると3ホップの通信になり、第n固定ノード114の上空に移動するとnホップの通信になる。そして、ホップ数の増大に伴ってスループットが低下していき、遅延時間も増大してしまう。
【0012】
図2には、別の従来例として、有線と無線によるメッシュネットワーク(以下、「有線/無線メッシュネットワーク」と称する)の構成例を示してある。図2のシステムでは、図1のシステムと同様に、UAV本体を含む移動ノード201の飛行経路に沿って、第1固定ノード211、第2固定ノード212、第3固定ノード213、第n固定ノード214が地上に配置され、更にサーバ221が全ての固定ノードと有線で接続されている。
【0013】
従って、一見すると移動ノード201がどの固定ノードと接続されていても、サーバ221との間で1ホップの通信が実現できるように見える。しかしながら、有線ネットワークと無線ネットワークとの間でループが形成されているため、いずれか1つの固定ノードとサーバ221との間でのみ有線回線での通信が許可され、残りの全ての固定ノードへの有線回線はブロッキングされる。
【0014】
つまり、第1固定ノード211とサーバ221との間だけがブロッキングされていない状態で、移動ノード201が第1固定ノード211の上空から第2固定ノード212の上空に移動し、第1固定ノード211と直接通信できなくなると、移動ノード201から第2固定ノード212を経由して第1固定ノード211まで2ホップの通信が行われ、サーバ221と接続されることになる。
【0015】
また、ループ検知は一般的にループ検知用のパケットをブロードキャストして行うため、ネットワークの規模が大きい場合や通信負荷が大きい場合、ループを検知するまでに長時間を要する恐れがある。更に、ループ検知機能そのものによりネットワーク負荷を増大させるため、可能な限りループを形成しないネットワークを構築すべきである。
【0016】
本発明は、上記のような従来の事情に鑑みて為されたものであり、移動ノードと固定ノードを有するメッシュネットワークにおいて、移動ノードの移動に伴って通信経路が変更されても、高スループットと低遅延を維持できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、本発明では無線通信システムを以下のように構成した。
すなわち、無線ネットワークを形成する無線ノードとして、移動ノードと、複数の固定ノードとを有するメッシュネットワークシステムにおいて、複数の固定ノードの各々は有線ネットワークにも接続されており、移動ノードからのパケットが任意の固定ノードを通じて所定のホップ数以内で有線ネットワークに到達するように通信経路が制御されることを特徴とする。
【0018】
ここで、複数の固定ノードの各々は、移動ノードとの無線通信が許可される一方で他の固定ノードとの無線通信が禁止される構成であってもよい。
【0019】
また、無線ネットワークに対して、所定のホップ数を超えたパケットを破棄するように設定された構成であってもよい。
【0020】
また、無線ネットワークに対して、所定のホップ数として1が設定された構成であってもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、移動ノードと固定ノードを有するメッシュネットワークにおいて、移動ノードの移動に伴って通信経路が変更されても、高スループットと低遅延を維持できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】従来の無線メッシュネットワークの構成例を示す図である。
図2】従来の有線/無線メッシュネットワークの構成例を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る有線/無線メッシュネットワークの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の一実施形態について、以下に図面を参照して説明する。
図3には、本発明の一実施形態に係る有線/無線メッシュネットワークの構成例を示してある。本例の有線/無線メッシュネットワークは、移動ノード301と、移動ノード301との間でのみ無線通信を許可された第1固定ノード311と、移動ノード301との間でのみ無線通信を許可された第2固定ノード312と、移動ノード301との間でのみ無線通信を許可された第3固定ノード313と、移動ノード301との間でのみ無線通信を許可された第n固定ノード314と、全ての固定ノードと有線で接続されたサーバ321とを備えている。本例では、移動ノード301としてUAVを想定しているが、列車や自動車に搭載された無線機や、人が携帯可能な無線機など、任意の移動無線機を適用することができる。
【0024】
図3に示すように、本例の有線/無線メッシュネットワークでは、固定ノードと固定ノードの間は無線による直接接続を禁止している。例えば、第1固定ノード311には、第2固定ノード312のMACアドレスと、第3固定ノード313のMACアドレスと、第n固定ノード314のMACアドレスを指定し、MACアドレスフィルタリングによりこれら固定ノードとの接続を禁止する。これにより、第1固定ノード311は、移動ノード301とだけ無線接続することが可能になる。他の固定ノードにも同様な設定がなされている。
【0025】
また、図3に示す有線/無線メッシュネットワークでは、ホップ数の最大値が1に設定されている。これは、送信するパケットのIPヘッダ内にあるTTL(Time To Live)を1に設定することで実現可能である。パケットが無線ノードから無線ノードへ転送された際に、TTLから1が減算されて直ちに0になり、この時点で宛先ノードに到達していなければパケットは破棄されるので、最大ホップ数が1の無線ネットワークになる。
【0026】
以下、移動ノード301の移動に伴う通信経路の切り替え制御について説明する。
まず、移動ノード301は第1固定ノード311の上空を飛行しており、第1固定ノード311だけが移動ノード301と無線接続されているものとする。この状態で移動ノード301から映像情報などのデータをサーバ321へ初めて送信する場合、通常はサーバ321のIPアドレスは既知であるものの、サーバ321のMACアドレスが不明なため、ARP要求パケットがブロードキャストで送信される。ARP要求パケットは第1固定ノード311を介した経路だけでサーバ321に到達し、サーバ321は自身のMACアドレスをARP応答パケットに載せて移動ノード301に返すことで、アドレス解決がなされる。以後、移動ノード301からのデータは、1ホップで第1固定ノード311に無線で送信された後、有線でサーバ321に転送される。なお、前述したように、無線ネットワークではホップ数の最大値を1に設定していることによりループが形成されないので、任意の固定ノードとサーバ321との間でブロッキングされることはない。
【0027】
次に、移動ノード301が第2固定ノード312の上空に近づくにつれて、移動ノード301と第2固定ノード312との間で無線接続ができるようになり、移動ノード301は第1固定ノード311及び第2固定ノード312と接続された状態になる。この状態で移動ノード301がサーバ321に対してARP要求パケットを再度ブロードキャストすると、ARP要求パケットは第1固定ノード311を経由する経路と第2固定ノード312を経由する経路の両方でサーバ321に到達する。サーバ321は、ARP要求パケットの到着順にARP応答パケットを返す。この2つのARP応答パケットは、それぞれ第1固定ノード311を経由する経路と第2固定ノード312を経由する経路で移動ノード301に到達する。移動ノード301は、ARP応答パケットのMACヘッダ内にある送信機アドレス(TA)を調べれば、ARP応答パケットがどの固定ノードを経由したかを判別することができる。
【0028】
ここで、メッシュネットワークでは一般に、経路毎に通信コストを算出し、最小の通信コストの経路を選択するように制御される。例えば、無線LANのメッシュネットワークの標準規格であるIEEE 802.11sでは、通信コストとして下記のメトリック値Caが算出される。
Ca=[0+Bt/r]/(1-ef)
ここで、0はチャネルアクセスオーバーヘッド、Btは8192(テストフレームのbitサイズ)、rはデータレート(Mbit/sec)、efはフレームエラーレートである。
【0029】
このように、複数の経路でARP応答パケットが返ってきた場合は、通信コストの最も小さい経路を選択することで、無線回線品質の良い経路が選択される。従って、移動ノード301の移動に伴って、移動ノード301と第1固定ノード311との間で無線通信が行えなくなる前に第2固定ノード312を経由する経路に切り替わり、安定した通信を継続することが可能となる。
【0030】
同様にして、移動ノード301が第3固定ノード313の上空に近づくにつれて、移動ノード301と第3固定ノード313との間で無線接続ができるようになる。そして、第2固定ノード312を経由する経路の通信コストよりも第3固定ノード313を経由する経路の通信コストが小さくなると、第3固定ノード313を経由する経路に切り替えられる。その後、移動ノード301が最終目的地の近傍に配置された第n固定ノード314に到達するまで、同様の経路切り替え制御が行われる。
【0031】
このように、無線と有線の両方で構成された有線/無線メッシュネットワークでデータ伝送を行う場合に、無線ネットワーク側で所定のホップ数を超えた場合は強制的にパケットを破棄してループを形成させないことによって、有線ネットワーク側のブロッキングが発生しないようにする。更に、無線ネットワークから所定のホップ数以内で必ず有線ネットワークに到達できるように経路を設定することによって、高スループットと低遅延を維持しつつ、障害にも強いネットワークを構築することが可能となる。
【0032】
以上のように、本例の有線/無線メッシュネットワークシステムでは、固定ノード311~314の全てが有線ネットワークにも接続されており、移動ノード301からのパケットが任意の固定ノードを通じて所定のホップ数以内で有線ネットワークのサーバ321に到達するように通信経路が制御される。これにより、移動ノードの移動に伴って通信経路が変更されても、高スループットと低遅延を維持できるようになる。
【0033】
また、本例の有線/無線メッシュネットワークシステムでは、固定ノード311~314の全てについて、移動ノード301との無線通信を許可する一方で他の固定ノードとの無線通信を禁止している。これにより、移動ノード301から有線ネットワークに至る通信経路を簡単に制限することができる。
【0034】
また、本例の有線/無線メッシュネットワークシステムでは、無線ネットワークに対して、所定のホップ数を超えたパケットを強制的に破棄するように設定されている。これにより、ループの形成を簡単に防止することができ、ブロッキング状態の発生が抑制される。
【0035】
また、本例の有線/無線メッシュネットワークシステムでは、無線ネットワークに対して、所定のホップ数として1が設定されている。これにより、移動ノード301からのパケットが固定ノード間で無断に通信されることを抑制することができる。なお、ホップ数を2以上に設定して、無線ネットワーク内の通信経路に或る程度の自由度を持たせても構わない。
【0036】
以上、本発明について一実施形態に基づいて説明したが、本発明はここに記載された構成に限定されるものではなく、他の構成のシステムに広く適用することができることは言うまでもない。
また、本発明は、例えば、上記の処理に関する技術的手順を含む方法や、上記の処理をプロセッサにより実行させるためのプログラム、そのようなプログラムをコンピュータ読み取り可能に記憶する記憶媒体などとして提供することも可能である。
【0037】
なお、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらす全ての実施形態をも含む。更に、本発明の範囲は、全ての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画され得る。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、無線ネットワークを形成する無線ノードとして、移動ノードと、複数の固定ノードとを有するメッシュネットワークシステムに利用することが可能である。
【符号の説明】
【0039】
101,201,301:移動ノード、 111,211,311:第1固定ノード、 112,212,312:第2固定ノード、 113,213,313:第3固定ノード、 114,214,314:第n固定ノード、 221,321:サーバ

図1
図2
図3