(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】廃棄物処理装置
(51)【国際特許分類】
A61G 12/00 20060101AFI20240618BHJP
B26D 1/02 20060101ALI20240618BHJP
B65B 51/10 20060101ALI20240618BHJP
B65B 51/14 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
A61G12/00 W
B26D1/02 D
B65B51/10 W
B65B51/14
(21)【出願番号】P 2021203301
(22)【出願日】2021-12-15
【審査請求日】2023-10-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000241496
【氏名又は名称】豊田鉄工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106781
【氏名又は名称】藤井 稔也
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 義則
(72)【発明者】
【氏名】細田 真規
(72)【発明者】
【氏名】宮下 長武
(72)【発明者】
【氏名】鈴森 理生
(72)【発明者】
【氏名】成瀬 敦康
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-37456(JP,A)
【文献】特開2021-49236(JP,A)
【文献】特開2005-88991(JP,A)
【文献】特開2000-127092(JP,A)
【文献】特開2006-124029(JP,A)
【文献】特開2006-130132(JP,A)
【文献】特開2001-48124(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 12/00
B26D 1/02
B65B 51/10
B65B 51/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラップフィルムが載置される載置面と、前記載置面から凹んでいるとともに廃棄物を収容可能な収容部と、を有する第1部材と、
前記載置面に対向する対向面と、前記収容部に対向する対向部と、を有する第2部材と、
前記第2部材が前記第1部材に対して相対回動可能であるように前記第1部材及び前記第2部材を支持する支持部と、を備え、
前記第2部材は、前記第2部材が前記第1部材に対して相対回動することにより、前記対向部が前記収容部を閉塞する閉位置と、前記対向部が前記収容部を開放させる開位置と、で前記第1部材に対して相対変位し、
前記第2部材が前記閉位置にあるとき、前記載置面と前記対向面とで挟まれた前記ラップフィルム同士が密着することにより前記廃棄物が封止され、
前記載置面に沿う方向の一方向を第1方向とし、前記第1方向とは反対の方向を第2方向とすると、
前記支持部は、前記第1部材の前記第1方向に位置する端部と、前記閉位置にある前記第2部材の前記第1方向に位置する端部と、を支持し、
前記第1部材の前記第2方向に位置する端部、及び前記閉位置にある前記第2部材の前記第2方向に位置する端部のいずれか一方の端部に設置部を備え、他方の端部に固定部を備え、
前記設置部には、前記ラップフィルムを巻回した巻回体が設置され、
前記固定部には、前記設置部に位置する前記巻回体から引き出された前記ラップフィルムの一部が仮固定可能である廃棄物処理装置。
【請求項2】
前記載置面及び前記対向面のうち、一方を第1面とし、他方を第2面とすると、
前記廃棄物処理装置は、前記第1面から凹んでいる凹部と、前記第2面から突出し、前記第2部材が前記閉位置にあるときに前記凹部に嵌る凸部と、を備える請求項1に記載の廃棄物処理装置。
【請求項3】
前記第1部材及び前記第2部材の一方はヒータ線を備え、
前記ヒータ線は、前記第2部材が前記閉位置にあるときに通電されることで、前記載置面と前記対向面とで挟まれた前記ラップフィルム同士を溶着させる請求項1又は請求項2に記載の廃棄物処理装置。
【請求項4】
前記第1部材の前記第2方向に位置する端部と前記収容部との間に位置する前記第1部材の部分を第1中間部とし、前記閉位置にある前記第2部材のうちで前記第2部材の前記第2方向に位置する端部と前記対向部との間に位置し、且つ前記第1中間部と対向する前記第2部材の部分を第2中間部とすると、
前記第1中間部及び前記第2中間部のいずれか一方は前記ラップフィルムを切断可能な刃部と、前記第2部材が前記開位置にあるときに前記刃部の刃先を囲む弾性部材製の囲み部と、を備え、他方は前記第2部材が前記閉位置にあるときに前記囲み部を押して前記刃先を露出させる押部を備える請求項1~請求項3のうちいずれか一項に記載の廃棄物処理装置。
【請求項5】
前記第2部材が前記開位置にあるときに前記載置面と前記対向面とのなす角度が180度以上をなすように、前記第2部材が前記第1部材に対して相対回動可能である請求項1~請求項4のうちいずれか一項に記載の廃棄物処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の廃棄物処理装置は、廃棄物が載置される第1部材と、第1部材に対して開閉可能な第2部材と、第1部材に設けられた熱シーラーと、を備える。特許文献1に記載の廃棄物処理装置によって廃棄物を封止する際、ビニール袋に入れられた廃棄物は、第1部材の載置部に置かれる。その後、第2部材が閉められることにより、ビニール袋の内部から空気が押し出される。これと同時に、熱シーラーにビニール袋が押し付けられることにより、ビニール袋が熱溶着される。ビニール袋の開口部が封止されることにより、廃棄物がビニール袋の内部に封止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
廃棄物の封止は、ビニール袋ではなくフィルムを用いて行われることも考えられる。フィルムを用いて廃棄物を封止する場合、廃棄物処理装置に廃棄物が置かれる前に、廃棄物処理装置にフィルムを広げる作業が必要となるため、手間がかかる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための廃棄物処理装置は、ラップフィルムが載置される載置面と、前記載置面から凹んでいるとともに廃棄物を収容可能な収容部と、を有する第1部材と、前記載置面に対向する対向面と、前記収容部に対向する対向部と、を有する第2部材と、前記第2部材が前記第1部材に対して相対回動可能であるように前記第1部材及び前記第2部材を支持する支持部と、を備え、前記第2部材は、前記第2部材が前記第1部材に対して相対回動することにより、前記対向部が前記収容部を閉塞する閉位置と、前記対向部が前記収容部を開放させる開位置と、で前記第1部材に対して相対変位し、前記第2部材が前記閉位置にあるとき、前記載置面と前記対向面とで挟まれた前記ラップフィルム同士が密着することにより前記廃棄物が封止され、前記載置面に沿う方向の一方向を第1方向とし、前記第1方向とは反対の方向を第2方向とすると、前記支持部は、前記第1部材の前記第1方向に位置する端部と、前記閉位置にある前記第2部材の前記第1方向に位置する端部と、を支持し、前記第1部材の前記第2方向に位置する端部、及び前記閉位置にある前記第2部材の前記第2方向に位置する端部のいずれか一方の端部に設置部を備え、他方の端部に固定部を備え、前記設置部には、前記ラップフィルムを巻回した巻回体が設置され、前記固定部には、前記設置部に位置する前記巻回体から引き出された前記ラップフィルムの一部が仮固定可能である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図4】第2部材が閉位置にあるときの廃棄物処理装置を示す断面図である。
【
図5】第2部材が閉位置にあるときの廃棄物処理装置を示す断面図である。
【
図7】第1部材の一部を拡大して示す断面図である。
【
図8】廃棄物処理装置による廃棄物の封止方法を説明するための断面図である。
【
図9】廃棄物処理装置による廃棄物の封止方法を説明するための断面図である。
【
図10】廃棄物処理装置による廃棄物の封止方法を説明するための断面図である。
【
図11】廃棄物処理装置による廃棄物の封止方法を説明するための断面図である。
【
図12】刃部によるラップフィルムの切断について説明するための断面図である。
【
図13】刃部によるラップフィルムの切断について説明するための断面図である。
【
図14】刃部によるラップフィルムの切断について説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、一実施形態における廃棄物処理装置について説明する。
<廃棄物処理装置10の基本構成>
図1~
図4に示すように、廃棄物処理装置10は、第1部材11と、第2部材12と、支持部13と、設置部35と、固定部55と、を備えている。廃棄物処理装置10は、廃棄物18をラップフィルム17によって封止する。本実施形態の廃棄物18は、使用済みのおむつである。なお、廃棄物18は使用済みおむつ以外であってもよい。この場合の廃棄物18としては、例えば、残飯や汚物等が挙げられる。
【0008】
ラップフィルム17は、例えば酸素透過度が200以下であって、且つ熱溶融温度が80~200℃である。ラップフィルム17の材料としては、例えばポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル樹脂、及びポリエチレン等が挙げられる。ラップフィルム17の厚みは、例えば10~50μmである。
【0009】
第1部材11及び第2部材12は、例えば耐熱性を有する樹脂材料で構成されている。第1部材11及び第2部材12の材料としては、例えばナイロンやアクリルといった熱可塑性樹脂の耐熱性を強化した材料や、熱硬化性樹脂を採用可能である。
【0010】
<第1部材11の構成>
図1及び
図2に示すように、第1部材11は略直方体状である。第1部材11は、載置面21と、収容部22と、を有する。載置面21にはラップフィルム17が載置される。載置面21は矩形枠状をなす平面である。収容部22は、載置面21から凹んでいる。
【0011】
載置面21に直交する方向の一方向を第1直交方向X1とし、第1直交方向X1とは反対の方向を第2直交方向とする。載置面21に沿う方向の一方向を第1方向Y1とし、第1方向Y1とは反対の方向を第2方向Y2とする。載置面21に沿う方向のうち、第1方向Y1に直交する方向を第1沿い方向Z1とし、第1沿い方向Z1とは反対の方向を第2沿い方向Z2とする。
【0012】
第1部材11の第1方向Y1に位置する端部を、第1部材11の端部11aともいう。第1部材11の第2方向Y2に位置する端部を、第1部材11の端部11bともいう。第1部材11の端部11bと収容部22との間に位置する第1部材11の部分を第1中間部11cとする。
【0013】
図1に示すように、第1部材11は、第2直交方向X2における端部に第1底面11dを備える。第1底面11dは、第2直交方向X2に直交するように延びる平面である。廃棄物処理装置10は、例えば、第1底面11dが下面となるように床やテーブルに置かれた状態で使用される。
【0014】
第1部材11は、端部11aに端面11eを有している。端面11eは第1方向Y1に直交する平面である。第1部材11は切欠部11jを備えている。切欠部11jは、端面11eの一部が切り欠かれることによって第1部材11に形成されている。切欠部11jは、第1沿い方向Z1から見て、三角形状をなしている。切欠部11jは、第1部材11の第1沿い方向Z1の端部と第2沿い方向Z2の端部との間に形成されている。
【0015】
図1及び
図2に示すように、収容部22は、底面23と、第1側面24と、第1開口部25と、を備える。底面23は、矩形状の平面である。底面23は、載置面21よりも第2直交方向X2側に位置している。底面23上には反発力の低い弾性体第1吸収部23aが設けられている。弾性体第1吸収部23aは、矩形平板状である。弾性体第1吸収部23aは、第1直交方向X1から底面23を覆っている。弾性体第1吸収部23aの材料としては、例えばウレタンが挙げられる。
【0016】
第1開口部25は、載置面21において矩形状に開口している。第1開口部25は、底面23よりも第1直交方向X1側に位置している。第1開口部25は、第1方向Y1に延びる一対の第1開口縁25aと、第1沿い方向Z1に延びる一対の第2開口縁25bと、を備える。一対の第2開口縁25bは、一対の第1開口縁25aの一方の端部と他方の端部との間を繋いでいる。
【0017】
第1側面24は、底面23の外周縁と第1開口縁25a及び第2開口縁25bとの間で延びている。底面23及び第1側面24によって、収容部22の内部に第1収容空間S1が区画形成されている。第1収容空間S1に廃棄物18が収容されることにより、収容部22は廃棄物18を収容可能である。
【0018】
載置面21は、第2開口縁25bより第1方向Y1側、第2開口縁25bより第2方向Y2側、第1開口縁25aより第1沿い方向Z1側、及び第1開口縁25aより第2沿い方向Z2側の各々に位置している。これにより、載置面21は、収容部22を四方から囲むように位置している。収容部22の第1開口縁25a及び第2開口縁25bが載置面21の内周縁に相当する。
【0019】
第1部材11は、載置面21から凹んでいる凹部26を備える。言い換えると、廃棄物処理装置10は凹部26を備える。本実施形態では、載置面21が第1面に相当する。凹部26は、第1直交方向X1に向けて開口している。凹部26は、第1凹部26a及び第2凹部26bを備える。
【0020】
図2及び
図4に示すように、第1凹部26aは、第1部材11の端部11aと収容部22との間、及び第1部材11の端部11bと収容部22との間の各々に位置する。すなわち、本実施形態の第1凹部26aは、第1中間部11cに位置する。
【0021】
第1凹部26aの第1沿い方向Z1に直交する断面形状は台形である。第1方向Y1における第1凹部26aの寸法は、第2直交方向X2にずれた位置ほど小さくなっている。第1凹部26aは、収容部22の第2開口縁25bに沿って第1沿い方向Z1に延びている。
【0022】
図2及び
図5に示すように、第2凹部26bは、第1沿い方向Z1における第1部材11の端部と収容部22との間、及び第2沿い方向Z2における第1部材11の端部と収容部22との間の各々に位置する。第2凹部26bの第1方向Y1に直交する断面形状は台形である。第1沿い方向Z1における第2凹部26bの寸法は、第2直交方向X2にずれた位置ほど小さくなっている。第2凹部26bは、収容部22の第1開口縁25aに沿って第1方向Y1に延びている。
【0023】
図2に示すように、第1凹部26aの両端部は第2凹部26bの端部と繋がっている。これにより、凹部26は収容部22を四方から囲むように位置している。載置面21は、第1部材11のうち、凹部26と収容部22との間と、凹部26よりも外側部分と、の各々において矩形枠状をなすように位置している。
【0024】
図4~
図6に示すように、第1部材11はヒータ線30を備える。ヒータ線30は、通電されることにより、ラップフィルム17を溶着できる。ヒータ線30の材料としては、例えばニクロムやステンレス鋼等が挙げられる。ヒータ線30は、例えば80~200度に昇温可能である。ヒータ線30の昇温温度は、ラップフィルム17が溶融可能な温度に設定されている。
【0025】
ヒータ線30は、凹部26の内部に位置している。詳細には、凹部26のうち、収容部22より第1方向Y1側に位置する第1凹部26aを除いた部分に位置している。第1凹部26aの内部に位置するヒータ線30は、第1凹部26aの内部において第1沿い方向Z1に延びている。第2凹部26bの内部に位置するヒータ線30は、第2凹部26bの内部において第1方向Y1に延びている。ヒータ線30の軸線に直交するヒータ線30の断面は矩形状である。これにより、ヒータ線30の第1直交方向X1側の端面であるヒータ面30aが平面状をなしている。
【0026】
第1部材11は、付着防止部31、断熱部32、及び弾性部33を備える。本実施形態において、付着防止部31、断熱部32、及び弾性部33は、凹部26のうち、ヒータ線30が設けられた部分に位置している。付着防止部31、断熱部32、及び弾性部33の一部又は全てが凹部26の内面に固定されていてもよい。
【0027】
付着防止部31は矩形平板状である。付着防止部31は、第1直交方向X1からヒータ線30を覆っている。付着防止部31はヒータ面30aに沿って延びている。付着防止部31の材料としては、例えばガラスシートが挙げられる。
【0028】
断熱部32は、第2直交方向X2からヒータ線30を覆っている。断熱部32の材料としては、例えば、セラミック、シリコンゴム、及びニトリルゴム等が挙げられる。弾性部33は、断熱部32よりも第2直交方向X2側に位置している。弾性部33は、ばね部材やゴム部材といった弾性を有する部材である。凹部26の内部のうち、付着防止部31よりも第2直交方向X2側の部分は、ヒータ線30、断熱部32、及び弾性部33によって満たされている。
【0029】
図1及び
図7に示すように、設置部35は、第1部材11の端部11bに位置する。設置部35は、設置底壁35a及び設置側壁35bを備える。設置底壁35aは、平面視で長方形状をなす平板状である。設置底壁35aの長縁部は第1沿い方向Z1に延びている。設置底壁35aの短縁部は第1方向Y1に延びている。設置側壁35bは、設置底壁35aの一対の長縁部及び一対の短縁部の各々から第1直交方向X1に延びている。設置側壁35bの第1直交方向X1における端部によって、設置部35の開口部35hが区画形成されている。
【0030】
設置部35には、ラップフィルム17を巻回した巻回体17aが設置されている。巻回体17aの周方向において、ラップフィルム17の長手が延びている。巻回体17aは、設置部35の内部において巻回体17aの周方向に回転可能である。
【0031】
巻回体17aは、設置底壁35a上に載置されてもよい。設置部35は、巻回体17aを支持する図示しないラップ支持部を備えてもよい。このラップ支持部は、例えば設置底壁35aの短縁部から延びる設置側壁35bから設置部35の内部に向けて突出した形状であってもよい。巻回体17aは、図示しない円筒状の土台部に対してラップフィルム17が巻回されたものであってもよい。巻回体17aの土台部の両端部がラップ支持部に挿入されることにより、巻回体17aは設置部35の内部に支持されつつ、設置部35に対して巻回体17aの周方向において回転可能であってもよい。
【0032】
図7に示すように、第1中間部11cは、第1中間面11hを備えている。第1中間面11hは、載置面21と平行をなすように延びる平面である。第1中間面11hは、載置面21よりも第2直交方向X2側に位置する。第1中間面11hは、第1方向Y1において設置部35と隣接している。
【0033】
図1及び
図7に示すように、第1中間部11cは、刃部36と、囲み部37と、を備える。刃部36及び囲み部37は、第1中間面11h上に位置する。刃部36は、第1方向Y1における設置部35と収容部22との間に位置する。刃部36は、第1中間面11hに沿って第1沿い方向Z1に延びている。刃部36の第1沿い方向Z1における寸法は、ラップフィルム17の短手方向における寸法と同じ、又はラップフィルム17の短手方向における寸法よりも大きい。刃部36は、第1中間面11hから第1直交方向X1に突出している。刃部36の第1直交方向X1における先端に刃先36aが位置する。刃先36aにラップフィルム17が押し当てられることにより、刃部36はラップフィルム17を切断可能である。
【0034】
囲み部37は、弾性部材製である。囲み部37の材料としては、例えばシリコンゴム及びニトリルゴムが挙げられる。囲み部37は、第1囲み部37a及び第2囲み部37bを備える。第1囲み部37aは、第1方向Y1における刃部36と収容部22との間に位置する。第2囲み部37bは、第1方向Y1における刃部36と設置部35との間に位置する。第1囲み部37a及び第2囲み部37bは、第1沿い方向Z1に延びる矩形柱状である。
【0035】
第1囲み部37a及び第2囲み部37bの第1沿い方向Z1における寸法は、刃部36の第1沿い方向Z1における寸法より大きい。第1囲み部37a及び第2囲み部37bの第1直交方向X1における寸法は、刃部36の第1直交方向X1における寸法より大きい。これにより、第1囲み部37aは、刃部36よりも第1方向Y1側から刃部36を覆っている。第2囲み部37bは、刃部36よりも第2方向Y2側から刃部36を覆っている。囲み部37は、刃部36の刃先36aを囲んでいる。
【0036】
図1に示すように、第1部材11は、支持凹部38及び支持凸部39を備える。支持凹部38は、第1方向Y1における収容部22と第1部材11の端部11aとの間に位置している。支持凹部38は、載置面21から凹んでいる。支持凹部38は、第1部材11の第1沿い方向Z1における端部と第2沿い方向Z2における端部との間に形成されている。
【0037】
支持凸部39は、弾性部材製である。支持凸部39は、第1沿い方向Z1に延びる矩形柱状である。支持凸部39は、支持凹部38の内部に位置している。支持凸部39の第2直交方向X2における端部が支持凹部38の内面に固定されていてもよい。支持凸部39の第1直交方向X1における端部は支持凹部38から露出している。支持凸部39が第1直交方向X1から押さえられることにより、支持凹部38から露出する支持凸部39の第1直交方向X1における寸法が小さくなる。
【0038】
図1及び
図3に示すように、第2部材12は略直方体状である。第2部材12は、対向面41と、対向部42と、を有する。対向面41は、載置面21に対向する。対向部42は、収容部22に対向する。対向面41は矩形枠状をなす平面である。対向部42は、対向面41から凹んでいる。
【0039】
図8~
図10に示すように、第2部材12は、第2部材12が第1部材11に対して相対回動することにより、対向部42が収容部22を閉塞する閉位置P1と、対向部42が収容部22を開放させる開位置P2と、で第1部材11に対して相対変位する。本実施形態では、第2部材12が第1部材11に対して回動する。第2部材12が閉位置P1にあるときと開位置P2にあるときとで、第1部材11は変位しない。第2部材12が閉位置P1にあるときと開位置P2にあるときとで、第2部材12は第1部材11に対して変位する。
【0040】
閉位置P1にある第2部材12の第1方向Y1に位置する端部を、第2部材12の端部12aともいう。閉位置P1にある第2部材12の第2方向Y2に位置する端部を、第2部材12の端部12bともいう。なお、第2部材12が開位置P2にあるとき、第2部材12の端部12aと端部12bとの位置関係は反対になる。すなわち、第2部材12が開位置P2にあるとき、端部12bが第2部材12の第1方向Y1に位置する端部に相当するとともに、端部12aが第2部材12の第2方向Y2に位置する端部に相当する。閉位置P1にある第2部材12のうちで第2部材12の端部12bと対向部42との間に位置し、且つ第1中間部11cと対向する第2部材12の部分を第2中間部12cとする。
【0041】
第2部材12は、端部12aに端面12e及び角部12jを有している。閉位置P1にある第2部材12において、端面12eは第1方向Y1に直交する平面である。閉位置P1にある第2部材12において、角部12jは端面12eの第1直交方向X1における端部に位置している。第2部材12が開位置P2にあるとき、角部12jは第1部材11の切欠部11jに収容される。
【0042】
図10に示すように、第2部材12が開位置P2にあるときに載置面21と対向面41とのなす角度A1が180度以上をなすように、第2部材12が第1部材11に対して相対回動可能である。本実施形態の角度A1は、180度よりも大きい。第2部材12が開位置P2にあるとき、角部12jは第1部材11の切欠部11jに収容されることにより、第1部材11の端面11eと第2部材12の端面12eとは平行をなしていない。なお、仮に角度A1が180度であるとき、第1部材11の端面11eと第2部材12の端面12eとが互いに平行をなすように対向する。
【0043】
図1及び
図3に示すように、対向部42は、天面43と、第2側面44と、第2開口部45と、を備える。天面43は、矩形状の平面である。開位置P2にある第2部材12において、天面43は、対向面41よりも第2直交方向X2側に位置している。天面43上には反発力の低い弾性体第2吸収部43aが設けられている。弾性体第2吸収部43aは、矩形平板状である。開位置P2にある第2部材12において、弾性体第2吸収部43aは、第1直交方向X1から天面43を覆っている。弾性体第2吸収部43aの材料としては、例えばウレタンが挙げられる。
【0044】
第2開口部45は、対向面41において矩形状に開口している。開位置P2にある第2部材12において、第2開口部45は、天面43よりも第1直交方向X1側に位置している。第2開口部45は、第1方向Y1に延びる一対の第3開口縁45aと、第1沿い方向Z1に延びる一対の第4開口縁45bと、を備える。一対の第4開口縁45bは、一対の第3開口縁45aの一方の端部と他方の端部との間を繋いでいる。
【0045】
第2側面44は、天面43の外周縁と第3開口縁45a及び第4開口縁45bとの間で延びている。天面43及び第2側面44によって、対向部42の内部に第2収容空間S2が区画形成されている。第2収容空間S2に廃棄物18が収容されることにより、対向部42は廃棄物18を収容可能である。対向面41は、第4開口縁45bより第1方向Y1側、第4開口縁45bより第2方向Y2側、第3開口縁45aより第1沿い方向Z1側、及び第3開口縁45aより第2沿い方向Z2側の各々に位置している。これにより、対向面41は、対向部42を四方から囲むように位置している。対向部42の第3開口縁45a及び第4開口縁45bが対向面41の内周縁に相当する。
【0046】
第2部材12は、対向面41から突出する凸部46を備える。言い換えると、廃棄物処理装置10は凸部46を備える。本実施形態では、対向面41が第2面に相当する。凹部26は、第2部材12が閉位置P1にあるときに凹部26に嵌る。これにより、載置面21に載置されたラップフィルム17が凹部26と凸部46とによって引っ張られる。第2部材12が閉位置P1にあるとき、載置面21と対向面41とで挟まれたラップフィルム17同士が密着することにより廃棄物18が封止される。凸部46は、第1凸部46a及び第2凸部46bを備える。
【0047】
図3及び
図4に示すように、第1凸部46aは、第2部材12の端部12aと対向部42との間、及び第2部材12の端部12bと対向部42との間の各々に位置する。すなわち、本実施形態の第1凸部46aは、第2中間部12cに位置する。
【0048】
第1凸部46aの第1沿い方向Z1に直交する断面形状は台形である。閉位置P1にある第2部材12において、第1方向Y1における第1凸部46aの寸法は、第2直交方向X2にずれた位置ほど小さくなっている。第1凸部46aは、対向部42の第4開口縁45bに沿って第1沿い方向Z1に延びている。
【0049】
図3及び
図5に示すように、第2凸部46bは、第1沿い方向Z1における第2部材12の端部と対向部42との間、及び第2沿い方向Z2における第2部材12の端部と対向部42との間の各々に位置する。第2凸部46bの第1方向Y1に直交する断面形状は台形である。閉位置P1にある第2部材12において、第1沿い方向Z1における第2凸部46bの寸法は、第2直交方向X2にずれた位置ほど小さくなっている。第2凸部46bは、対向部42の第3開口縁45aに沿って第1方向Y1に延びている。
【0050】
図3に示すように、第1凸部46aの両端部は第2凸部46bの端部と繋がっている。これにより、凸部46は対向部42を四方から囲むように位置している。対向面41は、第2部材12のうち、凸部46と対向部42との間と、凸部46よりも外側部分と、に位置している。
【0051】
図1及び
図4に示すように、第2部材12は、端部12bに端面12sを有する。閉位置P1にある第2部材12において、端面12sは、第1方向Y1に直交するように延びる平面である。固定部55は、端面12s上に位置する。これにより、固定部55は、第2部材12の端部12bに位置する。
【0052】
固定部55は、挟み部56を備えている。第2部材12が閉位置P1にあるとき、設置部35よりも第1直交方向X1側に挟み部56が位置している。閉位置P1にある第2部材12において、第1直交方向X1における挟み部56の端部を起点として、第2直交方向X2における挟み部56の端部が変位可能である。ユーザーによって第2直交方向X2における挟み部56の端部が第2部材12の端面12sから離れるように挟み部56が変位された状態で、設置部35に位置する巻回体17aから引き出されたラップフィルム17が挟み部56と端面12sとの間に差し込まれる。その後、ユーザーが挟み部56から手を放す等、ユーザーによって第2直交方向X2における挟み部56の端部が第2部材12の端面12sに近づくように変位されることにより、挟み部56と端面12sとの間にラップフィルム17の一部が挟まれた状態となる。このように、固定部55には、設置部35に位置する巻回体17aから引き出されたラップフィルム17の一部が仮固定可能である。
【0053】
図4に示すように、第2中間部12cは、押部57を備える。閉位置P1にある第2部材12において、押部57は、対向面41から第2直交方向X2に突出している。押部57は、第1沿い方向Z1に延びている。閉位置P1にある第2部材12において、押部57の第1方向Y1における寸法は、第1部材11の第1囲み部37aの第1方向Y1における寸法と同じである。閉位置P1にある第2部材12において、押部57の第1沿い方向Z1における寸法は、第1部材11の第1囲み部37aの第1沿い方向Z1における寸法と同じである。
【0054】
第2部材12が閉位置P1にあるとき、押部57は第2直交方向X2において第1囲み部37aと対向するとともに、刃部36より第1直交方向X1側の位置よりも第1方向Y1にずれた位置にある。押部57は、第2部材12が閉位置P1にあるときに囲み部37としての第1囲み部37aを押して刃先36aを露出させる。
【0055】
<支持部13の構成>
図1及び
図4に示すように、支持部13は、第2部材12が第1部材11に対して相対回動可能であるように第1部材11及び第2部材12を支持する。詳細には、支持部13は、第1部材11の端部11aと、閉位置P1にある第2部材12の端部12aと、を支持する。支持部13は、第1部材11の端面11eと第2部材12の端面12eとに固定されている。支持部13は、仮想的な回動軸L1を中心に、第2部材12を第1部材11に対して相対回動可能としている。回動軸L1は、支持部13を通過して第1沿い方向Z1に延びる仮想的な直線である。
【0056】
本実施形態の廃棄物処理装置10は、2つの支持部13を備えている。2つの支持部13は、第1沿い方向Z1において互いに離れている。なお、廃棄物処理装置10が備える支持部13は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0057】
<作用>
次に、本実施形態の廃棄物処理装置10の作用について、廃棄物処理装置10による廃棄物18の封止方法と共に説明する。
【0058】
図8に示すように、廃棄物処理装置10による廃棄物18の封止に際しては、第2部材12が閉位置P1にある状態で、設置部35に設置された巻回体17aから引き出されたラップフィルム17の一部をユーザーが固定部55に仮固定する。これにより、巻回体17aと固定部55との間でラップフィルム17が繋がった状態となる。支持凸部39は第2部材12によって第2直交方向X2へと押されている。
【0059】
図9に示すように、固定部55へのラップフィルム17の仮固定の後、ユーザーが第2部材12を回動させる。ラップフィルム17の一部が固定部55に仮固定された状態で、第2部材12の回動に伴ってラップフィルム17が巻回体17aから引き出される。ラップフィルム17は、収容部22及び対向部42を覆うように広がる。
【0060】
図10に示すように、ユーザーは開位置P2まで第2部材12を回動させる。このとき、第2部材12の角部12jが第1部材11の切欠部11jに収容される。これにより、載置面21と対向面41とのなす角度A1が180度より大きくなる。
【0061】
ラップフィルム17のうち、巻回体17aと固定部55との間で延びる部分は、載置面21上で広がる。ラップフィルム17は載置面21に載置される。ラップフィルム17は、第1直交方向X1において第1凹部26aに重なる。ラップフィルム17は、第1直交方向X1において第1凸部46aに重なる。
図10において図示が省略されているが、ラップフィルム17は、第1直交方向X1において第2凹部26b及び第2凸部46bにも重なる。第2部材12が開位置P2にあって、収容部22に廃棄物18が収容される前においては、収容部22より第1直交方向X1側に位置するラップフィルム17の部分が弾性体第1吸収部23aから離れている。
【0062】
閉位置P1から開位置P2への第2部材12の変位に際して、第2部材12が支持凸部39から離れるため、支持凸部39が第2部材12から押圧を受けなくなる。これにより、支持凹部38から露出する支持凸部39の第1直交方向X1の寸法が大きくなる。支持凹部38から露出した支持凸部39は、支持凸部39よりも第1直交方向X1に位置するラップフィルム17の部分を支持可能である。支持凸部39がラップフィルム17を支持することにより、ラップフィルム17の折れ曲がりを抑制できる。
【0063】
第2部材12が開位置P2にある状態で、ユーザーが廃棄物18を収容部22の内部に置く。廃棄物18は、収容部22より第1直交方向X1側に位置するラップフィルム17上に置かれる。収容部22より第1直交方向X1側に位置するラップフィルム17の部分は、廃棄物18の重さによって弾性体第1吸収部23aに近づくように変位する。ラップフィルム17の一部が弾性体第1吸収部23aに接する。廃棄物18は、ラップフィルム17を介して弾性体第1吸収部23a上に位置するようになる。これにより、収容部22は廃棄物18を収容した状態となる。
【0064】
なお、本実施形態では、収容部22に収容された状態での廃棄物18の第1直交方向X1における寸法が、収容部22の第1直交方向X1における寸法より大きい場合について例示している。収容部22に収容された状態で、廃棄物18の第1直交方向X1における寸法は、収容部22の第1直交方向X1における寸法以下であってもよい。
【0065】
図11に示すように、収容部22に廃棄物18が置かれた後、ユーザーが開位置P2から第2部材12を回動させる。第2部材12の回動に伴って、ラップフィルム17の長手方向における中間部分でラップフィルム17が折り曲げられる。第1部材11の端部11aと収容部22との間に位置する第1凹部26aよりも第1方向Y1側の載置面21上に位置するラップフィルム17の箇所が折り曲げられる。ユーザーによる開位置P2から閉位置P1への第2部材12の変位に伴って、載置面21上に位置するラップフィルム17の部分と、対向面41上に位置するラップフィルム17の部分と、が近づいていく。
【0066】
図4及び
図5に示すように、ユーザーの第2部材12の操作によって閉位置P1まで第2部材12が回動すると、載置面21と対向面41とが第1直交方向X1において対向するようになる。収容部22と対向部42とが第1直交方向X1において対向するようになる。収容部22及び対向部42によって廃棄物18が収容される。第1直交方向X1における弾性体第1吸収部23aと弾性体第2吸収部43aとの間にラップフィルム17で挟まれた廃棄物18が位置する。
【0067】
本実施形態では、第2部材12が閉位置P1にあるときに、弾性体第1吸収部23aと弾性体第2吸収部43aとの第1直交方向X1における寸法よりも廃棄物18の第1直交方向X1における寸法が小さい場合について例示している。第2部材12が閉位置P1にあるときの廃棄物18の第1直交方向X1における寸法は、弾性体第1吸収部23aと弾性体第2吸収部43aとの第1直交方向X1における寸法以上であってもよい。この場合、第2部材12の閉位置P1への変位に伴って、廃棄物18が弾性体第1吸収部23aと弾性体第2吸収部43aとで押される。これにより、第1部材11及び第2部材12から廃棄物18に対する過剰な押圧の作用が抑制されつつ、ラップフィルム17を廃棄物18に密着させることができる。
【0068】
第2部材12が閉位置P1まで変位すると、載置面21と対向面41との間でラップフィルム17が二重になる。載置面21と対向面41とでラップフィルム17同士が挟まれる。第2部材12が閉位置P1まで変位すると、第2部材12の凸部46が第1部材11の凹部26に嵌る。凹部26への凸部46の挿入に伴って、凹部26と凸部46との間に位置するラップフィルム17の部分が凸部46によって凹部26に押し込まれる。
【0069】
ラップフィルム17が凹部26に押し込まれると、収容部22及び対向部42の内部に位置するラップフィルム17の部分、及び載置面21と対向面41との間に位置するラップフィルム17の部分が凹部26に向けて引っ張られる。これにより、ラップフィルム17同士が密着するようになる。
【0070】
図4、
図5、及び
図12に示すように、第2部材12が閉位置P1にあるとき、二重になったラップフィルム17が凸部46の先端面と付着防止部31とで挟まれる。これにより二重になったラップフィルム17が付着防止部31を介してヒータ線30のヒータ面30aに押し付けられる。ユーザーの操作などによりヒータ線30に通電されることにより、ヒータ線30は、ラップフィルム17同士を溶着させる。
【0071】
ラップフィルム17のうち、廃棄物18より第2方向Y2側に位置する部分、廃棄物18より第1沿い方向Z1側に位置する部分、及び廃棄物18より第2沿い方向Z2側に位置する部分がヒータ線30による溶着を受けて封止される。廃棄物18より第1方向Y1側に位置するラップフィルム17の部分は、折り曲げられている。これにより、ラップフィルム17によって廃棄物18が封止される。
【0072】
図12に示すように、ヒータ線30とラップフィルム17との間に付着防止部31が介在するため、ヒータ線30に直接ラップフィルム17が接触しない。これにより、溶融したラップフィルム17がヒータ線30に付着することを抑制できる。ヒータ線30の熱は断熱部32によって第1部材11に伝達しにくくなっている。弾性部33によって、ヒータ線30に対してラップフィルム17が過度に押し付けられることを抑制できる。
【0073】
図13に示すように、ユーザーが閉位置P1にある第2部材12を第2直交方向X2に変位させる。この第2部材12の変位に伴って、押部57が第1直交方向X1から第1囲み部37aを押す。これにより、第1囲み部37aが押しつぶされるため、刃先36aの第1方向Y1側の部分が囲み部37から露出する。
【0074】
押部57と第1囲み部37aとの間には、二重になったラップフィルム17が介在する。押部57によって第1囲み部37aが押しつぶされると、ラップフィルム17が第1囲み部37aに押さえつけられる。これにより、押部57と第1囲み部37aとに挟まれる部分と巻回体17aとの間で延びるラップフィルム17の途中で、ラップフィルム17が刃先36aに押し付けられる。刃先36aに押し付けられたラップフィルム17は、刃部36によって切断される。
【0075】
図14に示すように、刃部36によるラップフィルム17の切断により、巻回体17aから延びるラップフィルム17と、廃棄物18を封止するラップフィルム17と、の間にこれらが分断された分断部17bが形成される。その後、ユーザーが第2部材12を回動させた後、ラップフィルム17によって封止された廃棄物18を廃棄物処理装置10から取り出す。
【0076】
ユーザーが固定部55を操作することにより、ラップフィルム17が固定部55から取り外される。固定部55に仮固定されていたラップフィルム17の部分は、廃棄物18を封止するラップフィルム17と繋がっているため、廃棄物処理装置10から取り出される廃棄物18と共に廃棄物処理装置10から取り外される。
【0077】
<効果>
本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られる。
(1)支持部13は、第1部材11の端部11aと、第2部材12の端部12aと、を支持する。廃棄物処理装置10は、第1部材11の端部11bに設置部35を備えるとともに、第2部材12の端部12bに固定部55を備える。設置部35には、ラップフィルム17を巻回した巻回体17aが設置される。固定部55には、設置部35に位置する巻回体17aから引き出されたラップフィルム17の一部が仮固定可能である。これにより、閉位置P1から開位置P2へと第2部材12を第1部材11に対して相対回動させることにより、ラップフィルム17を載置面21上及び収容部22上に広げることができる。収容部22上に廃棄物18が置かれた後、開位置P2から閉位置P1へと第2部材12を第1部材11に対して相対回動させることにより、ラップフィルム17を折り畳むとともに、ラップフィルム17によって廃棄物18を挟むことができる。第2部材12が閉位置P1にあるとき、載置面21と対向面41とで挟まれたラップフィルム17同士が密着することにより廃棄物18が封止される。このように、閉位置P1と開位置P2との間で第2部材12を第1部材11に対して相対回動する動作によって、廃棄物処理装置10にラップフィルム17を広げる作業と、ラップフィルム17の封止と、を行うことができる。したがって、ラップフィルム17の封止とは別に生じる、廃棄物処理装置10にラップフィルム17を広げる手間を省くことができる。
【0078】
(2)廃棄物処理装置10は、載置面21から凹んでいる凹部26と、対向面41から突出し、第2部材12が閉位置P1にあるときに凹部26に嵌る凸部46と、を備える。凹部26に凸部46が嵌ることにより、ラップフィルム17が引っ張られるため、ラップフィルム17同士がより密着するようになる。したがって、より強固に廃棄物18を封止できる。
【0079】
(3)第1部材11はヒータ線30を備える。ヒータ線30は、第2部材12が閉位置P1にあるときに通電されることで、載置面21と対向面41とで挟まれたラップフィルム17同士を溶着させる。したがって、ラップフィルム17同士の密着によって廃棄物18を封止する場合と比較して、より強固に廃棄物18を封止できる。
【0080】
(4)第1中間部11cは、ラップフィルム17を切断可能な刃部36と、第2部材12が開位置P2にあるときに刃部36の刃先36aを囲む弾性部材製の囲み部37と、を備える。第2中間部12cは、第2部材12が閉位置P1にあるときに囲み部37を押して刃先36aを露出させる押部57を備える。そのため、ラップフィルム17の切断を廃棄物処理装置10によって行うことができる。したがって、封止された廃棄物18を廃棄物処理装置10から取り出す際に、ユーザーによるラップフィルム17の切断作業が不要となるため、作業効率を向上させることができる。
【0081】
(5)第2部材12が開位置P2にあるときに載置面21と対向面41とのなす角度A1が180度以上をなすように、第2部材12が第1部材11に対して相対回動可能である。したがって、第2部材12が開位置P2にあるときに載置面21と対向面41とのなす角度A1が180度未満である場合と比較して、載置面21上でのラップフィルム17のしわや折れ曲がりの発生を抑制できる。しわや折れ曲がりが抑制された状態のラップフィルム17を用いて廃棄物18の封止ができるため、より強固に廃棄物18を封止できる。
【0082】
<変更例>
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0083】
・第2部材12が開位置P2にあるときに載置面21と対向面41とのなす角度A1は、180度であってもよいし、180度未満であってもよい。
・廃棄物処理装置10によるラップフィルム17の封止に支障がないのであれば、第1部材11から支持凹部38の形成を省略するとともに、載置面21上に支持凸部39を設けてもよい。第1部材11への支持凹部38及び支持凸部39の形成を省略してもよい。支持凹部38及び支持凸部39に代えて、ラップフィルム17が密着する密着面を載置面21上に設けてもよい。この場合の密着面とは、例えば載置面21よりも滑らかな平面である。支持凹部38及び支持凸部39や、密着面を、第2部材12に設けてもよい。
【0084】
・第1囲み部37aと第2囲み部37bとは一体であってもよい。この場合は、例えば、刃部36より第1沿い方向Z1側の位置と第2沿い方向Z2側の位置とで第1囲み部37aと第2囲み部37bとが繋がっていてもよい。
【0085】
・第1中間部11cが押部57を備えてもよい。第2中間部12cが刃部36及び囲み部37を備えてもよい。
・第1部材11及び第2部材12から刃部36、囲み部37、及び押部57を省略してもよい。この場合、はさみ等を用いてユーザーがラップフィルム17を切断することにより、廃棄物18を封止するラップフィルム17と巻回体17aから延びるラップフィルム17とを分断させることができる。
【0086】
・ヒータ線30の形状は任意に変更可能である。例えば、ヒータ線30は断面円形状であってもよい。
・凹部26へのヒータ線30の設置範囲は任意に変更可能である。例えば、凹部26の全体にヒータ線30を設けてもよい。第1凹部26aへのヒータ線30の設置を省略してもよい。第2凹部26bへのヒータ線30の設置を省略してもよい。ヒータ線30の設置が省略された部分でも、凹部26への凸部46の挿入に伴ってラップフィルム17同士が密着することにより封止される。
【0087】
・ヒータ線30、付着防止部31、断熱部32、及び弾性部33の一部又は全てについて、凹部26への設置を省略してもよい。ヒータ線30を凹部26に設置しない場合、第2部材12にヒータ線30を設けてもよい。
【0088】
・弾性部33は、凸部46の先端に設けてもよい。
・凹部26及び凸部46の断面形状は任意に変更可能である。例えば、凹部26及び凸部46の断面形状は長方形状や正方形状であってもよい。
【0089】
・凹部26を第2部材12に設けるとともに、凸部46を第1部材11に設けてもよい。この場合、対向面41が第1面に相当するとともに、載置面21が第2面に相当する。
・凹部26の内面及び凸部46の外面の少なくとも一方にローラを設けてもよい。この場合、凹部26への凸部46の挿入に伴って、凹部26の内部へのラップフィルム17の引き込みがローラによってよりスムーズに行われる。
【0090】
・廃棄物処理装置10への凹部26及び凸部46の形成を省略してもよい。
・固定部55は、ラップフィルム17が密着可能な密着面であってもよい。この場合、巻回体17aから引き出されたラップフィルム17の一部を密着面に密着させる動作をユーザーが行うことにより、ラップフィルム17が固定部55に仮固定される。
【0091】
・設置部35は、第2部材12の端部12bに設けられてもよい。固定部55は、第1部材11の端部11bに設けられてもよい。
・対向部42は、廃棄物18を収容可能なものに限らない。例えば、対向部42は、対向面41と同一平面上に延びる平面であってもよい。
【符号の説明】
【0092】
A1…角度
P1…閉位置
P2…開位置
Y1…第1方向
Y2…第2方向
10…廃棄物処理装置
11…第1部材
11a,11b,12a,12b…端部
11c…第1中間部
12…第2部材
12c…第2中間部
13…支持部
17…ラップフィルム
17a…巻回体
18…廃棄物
21…載置面
22…収容部
26…凹部
30…ヒータ線
35…設置部
36…刃部
36a…刃先
37…囲み部
41…対向面
42…対向部
46…凸部
55…固定部
57…押部