(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】モデル構築セット
(51)【国際特許分類】
E04C 3/32 20060101AFI20240618BHJP
E04C 3/08 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
E04C3/32
E04C3/08
(21)【出願番号】P 2021525013
(86)(22)【出願日】2019-08-02
(86)【国際出願番号】 RU2019050124
(87)【国際公開番号】W WO2020096494
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2022-08-02
(32)【優先日】2018-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】RU
(73)【特許権者】
【識別番号】521193164
【氏名又は名称】シェムシット,イリヤ ウラジーミロヴィチ
(73)【特許権者】
【識別番号】521193175
【氏名又は名称】パウトフ,アレクセイ ジェンナディヴィチ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】シェムシット,イリヤ ウラジーミロヴィチ
(72)【発明者】
【氏名】パウトフ,アレクセイ ジェンナディヴィチ
【審査官】荒井 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-329114(JP,A)
【文献】特開2008-157415(JP,A)
【文献】特開2008-185173(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04C 3/00- 3/46
E04B 1/08
E04B 1/24
E04B 1/344
E04B 1/58
E04G 5/02
E04G 5/06
A63H 33/08
F16B 7/00- 7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦方向及び横方向の両方に接続するように設計された異なる幅の長方形面を有する四角形断面のブロックを備える、モデル構築セットであって、
各ブロックは内側縦通路を有し、小さい面幅を有するブロックの断面の外側サイズは、大きい面幅を有するブロックの前記内側縦通路の断面のサイズに対応し、それによって、ブロックを相互に挿入することを可能にし、
複数の穴が前記ブロックの面に作られ、前記ブロックの全ての穴は丸形かつ同一のサイズであり、
前記モデル構築セットは、さらに、
相互に接続するように設計された補助部であって、1つの補助部は4つの面に穴を有する中空立方体の形状に作られ、前記穴の3つは前記ブロックに作られた前記穴の形状及びサイズと一致する形状及びサイズを有する、補助部と、
大きいサイズを有する第4の穴であって、全ての4つの穴の中心は一平面内に並んでいる、第4の穴と、
2つの対向面に作られた切り欠きと、他の2つの対向面の丸端とを有する前記ブロックの端部を含む、所与の長さを有するブロックの断片の形状に作られている、別の補助部と、を含み、
異なる補助部は、別のブロックの噛合面に位置する接合点の周りで回転することが可能である噛合ブロックの位置が、前記噛合面の平面によって境界される半球体の表面上のいずれかの点における球座標によって決定されるように、前記ブロックの接続を確実にし、前記半球体の半径は第1のブロックの長さに等しい、モデル構築セット。
【請求項2】
全てのブロックは正方形パイプから作られ、前記正方形パイプは、前記正方形パイプのサイズ範囲内に標準的な外寸の2つ以上の隣接値に対応するブロック面幅の寸法を有する、請求項1に記載のモデル構築セット。
【請求項3】
1つのブロック(または複数のブロック)の面の穴が縦方向に交互に並ぶことにより、2つの対向面に位置する同軸穴の対が、前記ブロックの他の2つの対向面に位置する同軸穴の隣接対と縦方向に交互になる一方、前記ブロック(複数のブロック)の両端部の前記穴は、前記穴の中心が前記ブロックの縦軸に垂直な一平面内に並ぶように前記ブロックの全ての面に位置する、請求項1に記載のモデル構築セット。
【請求項4】
前記ブロックに位置する穴の中心間の距離は、基本的に一体になって採用される前記ブロックの前記面幅の倍数である、請求項1に記載のモデル構築セット。
【請求項5】
接続部は、ボルト、ねじ、ナット、ワッシャ、スタッドの標準的な締結具によって固定される、請求項1に記載のモデル構築セット。
【請求項6】
異なる種類の2つの補助部によって形成されるブロックの接続部及びいずれかの種類の単一の補助部によって形成されるブロックの接続部は移動可能であり得る、請求項1に記載のモデル構築セット。
【請求項7】
補助部の断面サイズは、前記補助部が接続する前記ブロックの断面サイズによって決定される、請求項1に記載のモデル構築セット。
【請求項8】
ブロックは、前記ブロックの壁厚の断面積の増加に起因して、前記ブロックの強度を高めるために相互に挿入される、請求項1に記載のモデル構築セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組み立て及び分解ができる構造を設置するための構造物セットに関し、構造物セットは、建築、家具、観光産業、または玩具の業界で適用可能であり、足場または様々な建築要素を設置し、機械または機構のフレームまたはケースを組み立て、様々な機器、建造物またはエンジニアリング構造物、キャンプ用品を含む備品を製造し、ゲーマーのためのゲーム場を備え付け、玩具構造物セットを作る等に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
技術的解決法は、仏国特許出願公開第2891030号明細書(「TIESSE PATRICK JEAN BERNARD[仏]」F16B12/00;F16B7/00;F16B7/18;A47B3/06;A47B47/00;A47C4/02;A63H33/10、公開日2007年3月23日)の発明特許に開示されている先行技術から既知である。本特許文献では、いずれかの1つの材料に限定されない拡張可能自動ロック式組立デバイスが提供され、本デバイスは、接着剤、溶接、締めひも、合わせくぎ、または切り欠き加工なしで、拡張可能な3次元構造を作るように設計され、本デバイスは少なくとも3つの部分を含む構造物セットから組み立てられ、全ての部分は同一の四角形断面を有する。各部分は、当該部分の側面に垂直であり、当該部分の縦軸に対して横断する軸を伴う、少なくとも4つの貫通孔を有する。穴の中心間の距離は当該部分の端面側の長さに等しい。各部分の縦軸は側面に平行であり、当該部分の端面の対角線の両方を交差する。当該部分は、少なくとも3つの接続要素を穴に挿入することによって面に対して相互に接続される。主張する発明の本質的特徴と一致する共通の特徴は、以下の特徴、すなわち、接着剤、溶接、締めひも、合わせくぎ、または切り欠き加工なしで、拡張可能な3次元構造を作るための組立デバイスと、四角形断面と、当該部分の側面に垂直であり、当該部分の縦軸に対して横断する軸を伴う貫通孔とを有する部分を含む、構造物セットと、を含み、各部分の縦軸は部分の側面に平行であり、当該部分は、接続要素を穴に挿入することによって面に対して相互に接続される。
【0003】
また、技術的解決法は英国特許出願公開第2393136号明細書(「WARNER TIMOTHY JOHN[英]」A63H33/10;A63H33/12;A63H33/04;A63H33/108;A63H33/12、公開日2004年3月24日)の発明特許に開示されている先行技術から既知である。本特許文献は、様々な長さ及び形状の複数の構造物ブロックと、ブロックを相互に及び他の要素に接続するための複数のピンとを含む部分の玩具構造物セットを提供し、構造物セットの基本ブロックは立方体の形状である。全ての大きいブロックが整数の基本的な立方体ブロックの立体の組み合わせであるため、これにより、大きいブロックのそれぞれの長さは、基本的な立方体ブロックの側面の整数の長さに等しくなる一方、全ての大きいブロックの断面は同一であり、基本的な立方体ブロックの四角形面に等しい。それに応じて、大きいブロックのそれぞれはK個の要素から成り、Kは、相互に隣に積み重ねられるとき、大きいブロックのより長い長さを構成する立方体ブロックの数である。立方体ブロックのそれぞれは、そのピン受け面のそれぞれの中心に1つの穴を有し、他のブロックのそれぞれはピン受け端面のそれぞれの中心に1つの穴を有し、全てのピン受け穴は同じサイズを有する。加えて、長いブロックは、片側表面に等間隔のK個のピン受け穴と、隣接する側面にK-1個の穴とを有する。主張する発明の本質的特徴と一致する共通の特徴は、以下の特徴、すなわち、様々な長さの複数の構造物ブロックと、ブロックを相互に及び他の要素に接続するための複数の接続要素とを含む部分の構造物セットを含み、また、構造物セットでは、立方体の形状である構造物セットの基本的なブロックと、基本的な立方体ブロックの側面の整数の長さ(または幅)に等しい長さを有する大きいブロックと、全てのブロックの四角形断面と、全てのブロックの面内のピン受け穴と、同じサイズの全てのピン受け穴があり、1つのブロック側面にK個のピン受け穴があり、隣接するブロック側面にK-1個の穴が存在する。
【0004】
主張する発明に最も近い先行技術は、英国特許出願公告第1143477号明細書(「HUFGARD ALBERT」、A63H33/10、公開日1969年2月19日)の発明特許で開示されている技術的解決法である。本特許文献では、少なくとも3つの異なる断面サイズの細長要素を含むフレームワークを設置するために使用される装置が開示され、係る要素は、縦方向または横方向に一緒にプラグ接続されるように設計され、各要素は四角形断面を有し、少なくとも、最小断面のサイズと異なるサイズの各要素は、縦方向にその要素を通って延在する通路を有し、最大断面要素のサイズと異なるサイズの各要素は、次に大きい断面サイズを有する要素の当該縦通路のサイズに対応するサイズを有し、少なくとも、最小断面のサイズと異なるサイズの各要素は、その要素の側壁に複数の実質的に正方形開口が形成され、当該開口は当該側壁の対に配置され、そのとき、対向側壁の第1の対に形成される開口の各対は相互に整合し、対向側壁の他の対に形成される開口の隣接対に対して縦方向に交互に並び、各要素の側壁の当該開口のそれぞれは当該要素を通る当該縦通路のその断面サイズに対応し、開口の連続対の縦方向に隣接する端は、当該要素の縦軸に垂直な共通面に並んでいる前述のような交互に並ぶ関係で配置され、少なくとも、最大の断面サイズの要素は、当該要素または固定ピン及び接続要素ならびに接合要素等の部材の小さい開口に挿入するために、その要素の側壁に複数の追加開口(既に言及した開口よりも小さい開口)が形成され、当該追加開口及び最初に言及した開口は当該要素の当該側壁に交互になる順序で配置される。主張する発明の本質的特徴と一致する共通の特徴は、以下の特徴、すなわち、異なる断面サイズの細長要素を含むフレームワークを設置するために使用される装置を備え、係る要素は、縦方向または横方向に一緒にプラグ接続されるように設計され、各要素は四角形断面を有し、各要素は縦方向に要素を通って延在する通路を有し、最大断面要素のサイズと異なるサイズの各要素は、次に大きい断面サイズを有する要素の当該縦通路のサイズに対応するサイズを有し、各要素は、その要素の側壁に複数の実質的に正方形開口が形成され、当該開口は当該側壁の対に配置され、そのとき、対向側壁の第1の対に形成される開口の各対は相互に整合し、対向側壁の他の対に形成される開口の隣接対に対して縦方向に交互に並び、要素は、固定ピン及び接続要素等の部材を挿入するために、その要素の側壁に複数の開口が形成される。
【0005】
上記の技術的解決法を実施する際に生じる未解決のままの技術的課題は、90°以外の角度で様々な種類の角継ぎ手を形成するために上記に説明した組立デバイスが不能であることにより、構造要素(ブロック)を接合する方法の数が制限されることである。具体的には、仏国特許出願公開第2891030号明細書に開示されているデバイスは、ブロックが重なるときに形成される鋭角において1種類だけのブロック接続を提供する。英国特許出願公告第1143477号明細書に開示されているデバイスでは、ベベル端面を有するブロックを使用して、(90°の角度におけるジョイントを除く)様々な角継ぎ手を形成し、ベベル角度は制限された値のセットを有する。英国特許出願公告第1143477号明細書で開示されているフレームワークを設置するためのデバイスでは、両方のブロックが一平面(角度変化がある平面の状態になる)に位置付けられる、または、1つのブロックが角度変化がある平面に垂直に位置付けられるのいずれかである一方、他のブロックが当該平面内に並ぶ場合、0°~180°の範囲のいずれかの角度で、ブロックを相互に接続できる。主張するモデル構築セットの設計は、噛合ブロックの相対位置に関係なく、いろいろなブロックの角継ぎ手を形成することを可能にする(角度は0°~180°で変化し得る)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】仏国特許出願公開第2891030号明細書
【文献】英国特許出願公開第2393136号明細書
【文献】英国特許出願公告第1143477号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、縦方向及び横方向の両方に接続するように設計された異なる幅の長方形面を有する四角形断面のブロックを備えるモデル構築セットを使用することによって、様々な高強度構造物を組み立てることを可能にするモデル構築セットの機能拡張を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
各ブロックは内側縦通路を有し、小さい面幅を有するブロックの断面の外側サイズは、大きい面幅を有するブロックの内側縦通路の断面のサイズに対応し、それによって、ブロックを相互に挿入することを可能にする。複数の穴はブロックの面に作られ、ブロックの全ての穴は丸形及び同一のサイズである。モデル構築セットは、さらに、相互に接続するように設計された補助部(1つの補助部は4つの面に穴を有する中空立方体の形状に作られ、当該穴の3つはブロックに作られた穴の形状及びサイズと一致する形状及びサイズを有する)、大きいサイズを有する第4の穴(全ての4つの穴の中心は一平面内に並んでいる)、及び別の補助部(2つの対向面に作られた切り欠きと、他の2つの対向面の丸端とを有するブロックの端部を含む、所与の長さを有するブロックの断片の形状に作られる)を含む。当該異なる補助部は、別のブロックの噛合面に位置する接合点の周りで回転することが可能である噛合ブロックの位置が、噛合面の平面によって境界される半球体の表面上のいずれかの点における球座標によって決定されるようにブロックの接続を確実にし、半球体の半径は第1のブロックの長さに等しい。
【0009】
全てのブロックは正方形パイプから作られ、正方形パイプは、正方形パイプのサイズ範囲内に標準的な外寸の2つ以上の隣接値に対応するブロック面幅の寸法を有する。ブロック(または複数のブロック)の面の穴が縦方向に交互に並ぶことにより、2つの対向面に位置する同軸穴の対が、ブロックの他の2つの対向面に位置する同軸穴の隣接対と縦方向に交互になる一方、ブロック(複数のブロック)の両端部の穴は、穴の中心がブロックの縦軸に垂直な一平面内に並ぶようにブロックの全ての面に位置し、ブロックに位置する穴の中心間の距離は、基本的に一体になって採用されるブロックの面幅の倍数である。
【0010】
接続部は、ボルト、ねじ、ナット、ワッシャ、スタッド等の標準的な締結具によって固定される。
【0011】
異なる種類の2つの補助部によって形成されるブロックの接続部及びいずれかの種類の単一の補助部によって形成されるブロックの接続部は移動可能であり得る。
【0012】
補助部の断面サイズは、補助部が接続するブロックの断面サイズによって決定される。
【0013】
様々な高強度構造物を組み立てることを可能にするモデル構築セットの機能拡張は以下のものによって提供される。
-90°以外の角度における接続を含むいずれかのブロック接続を形成するとき、穴を整列することを容易にする丸形及び同一サイズの穴、
-相互に接続するように設計された補助部(1つの補助部は4つの面に穴を有する中空立方体の形状に作られ、当該穴の3つはブロックに作られた穴の形状及びサイズと一致する形状及びサイズを有する)、大きいサイズを有する第4の穴(全ての4つの穴の中心は一平面内に並んでいる)、別の補助部(2つの対向面に作られた切り欠きと、他の2つの対向面の丸端とを有するブロックの端部を含む、所与の長さを有するブロックの断片の形状に作られる)が利用可能である。当該異なる補助部は、別のブロックの噛合面に位置する接合点の周りで回転することが可能である噛合ブロックの位置が、噛合面の平面によって境界される半球体の表面上のいずれかの点における球座標によって決定されるようにブロックの接続を確実にし、半球体の半径は第1のブロックの長さに等しい。
【0014】
本発明は以下の図面によって示される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】基準寸法を有するブロックの全体図を示す(不等角投影図)。
【
図2】相互に挿入されるブロックの断面図を示す(断面図)。
【
図3】立方体状の補助部及びこの補助部を締結する配置の図を示す(不等角投影図;断面図)。
【
図4】ブロック断片の形状の補助部の全体図を示す(不等角投影図)。
【
図5】ブロックの一方が別のブロックに接続される縦接続の図を示す(不等角投影図)。
【
図6】ブロックのT字形及びL字形の突き合わせ接続のタイプを示す(写真)。
【
図7】(0°~180°のいずれかの角度における)ブロックの面内の角度接続の図を示す(写真)。
【
図8】(0°~90°のいずれかの角度における)ブロックの重なり角度接続の図を示す(写真)。
【
図9】異なる2つの種類の補助部を使用するブロック接続の図を示す(写真)。
【
図10】交差する3つのブロックの直交接続及び角度接続の図を示す(写真)。
【発明を実施するための形態】
【0016】
モデル構造物セットは、四角形断面、長方形側面2,3、及び内側縦通路4を有する、複数のブロック1を備える。全てのブロック1は正方形パイプから作られ、ブロック面幅(四角形断面の側面に等しい長さ)は、正方形パイプのサイズ範囲内の標準的な外寸の2つ以上の隣接値に対応するように作られている。選択されたブロック面幅の1つは基準寸法(
図2の「b」)として採用される。複数の同一の丸穴5は縦方向に交互に並ぶブロック1の全ての面に作られ、これにより、2つの対向面に位置する同軸穴の対は、ブロックの他の2つの対向面に位置する同軸穴の対と縦方向に交互になり、奇数の穴が片側面2に形成され、偶数の穴が隣接側面3に形成されるようになる。ブロック1のそれぞれの端部6の穴5は、穴5の中心がブロック1の縦軸8に垂直な一平面内に並ぶように、ブロック1の全ての面に位置する。穴5の中心間の距離は基準寸法の倍数であり、すなわち、
図1に「a」として指定された穴5の中心間の距離は2つの基準寸法に等しい。ブロック1の端部6に位置する穴5の中心と、端部6に隣接し、奇数の穴を有する面2に位置する穴の中心との間の距離(
図2の「b」)は基準寸法に等しく、ブロック1の端部6に位置する穴5の中心からブロック1の末端縁7までの距離(
図1の「c」)は基準寸法の半分に等しい。モデル構築セットは、さらに、4つの面に穴5を有する中空立方体の形状に作られた補助部9(当該穴の3つは、ブロックに作られた穴5の形状及びサイズと一致する形状及びサイズを有する)、大きいサイズを有する第4の穴10(全ての4つの穴の中心は、一平面内に並んでいる)、及び別の補助部11(2つの対向面に作られた切り欠き12と、他の2つの対向面の丸端13とを有するブロック6の端部を含む、所与の長さを有するブロックの断片の形状に設計されている)を含む。
【0017】
モデル構築セットは様々な種類のブロック接続を提供し、すなわち、ブロックの一方を他方に縦方向に挿入することによって接続すること(
図5)、補助部9を使用してブロックのT字形及び/またはL字形の突き合わせ接続(接続部は移動可能であり得る)(
図6)、補助部11を使用するブロック接続(接続部は移動可能であり得る)(
図7)、
(0°~90°のいずれかの角度における)2つの平行面内にブロックの重なり角度接続(接続部は移動可能であり得る)(
図8)、相互接続された補助部9及び補助部11によるブロック接続(接続部は移動可能であり得る)(
図9)、交差する3つのブロックの直交接続及び角度接続(
図10)、を提供する。
【0018】
接続部は、ボルト、ねじ、ナット、ワッシャ、スタッド等の標準的な締結具によって固定される。
【0019】
ブロック1のいずれかの長さは基準寸法の倍数である。
【0020】
モデル構築セットの好ましい実施形態が下記に提示される。
【0021】
作成される構造の機能的な目的に応じて、ブロック1の面幅は、仕上げられた正方形パイプのサイズ範囲内の標準的な外寸の隣接値の中から選択される。モデル構築セットを設計するために、2つのサイズを選ぶのに十分であるが、ほとんどの場合、3つのサイズ(例えば、壁厚が2mmを有する、35mm、40mm、及び45mmの正方形パイプのサイズ)の組み合わせを使用する。1つサイズ(例えば、40mm)は基準寸法として採用される。ブロック1のいずれかの長さを任意に選ぶことができるが、必ず、基準寸法の倍数(例えば、1960mm、1000mm、または520mm)にする必要がある。
【0022】
仕上げられた成形パイプは、成形パイプから作られたブロック1の縦通路4を形成する内部空洞を有する。同一の丸穴5はブロック1の側面に削孔される。穴の直径を任意に選ぶことができる。例えば、40mmの基準寸法に関して、穴の直径を12mmに等しくなるように採用できる。
【0023】
ブロックの穴の配列は、ブロックの他の2つの対向面に位置する同軸穴の対と縦方向に交互になるように対応し、奇数の穴5が片側面2に形成され、偶数の穴5が隣接側面3に形成されるようになる。ブロック1のそれぞれの端部6の穴は、穴の中心がブロック1の縦軸8に垂直な一平面内に並ぶように、ブロック1の全ての面に削孔される。穴5の中心間の距離は2つの基準寸法に等しく、ブロック1の端部6に位置する穴5の中心と、端部6に隣接し、奇数の穴を有する面2に位置する穴の中心との間の距離は基準寸法に等しく、ブロック1の端部6に位置する穴5の中心からブロック1の末端縁7までの距離は基準寸法の半分に等しい。
【0024】
ブロックの穴の中心間の距離が基準寸法の倍数であるとき、様々な穴の相対位置における噛合ブロックにおいて及び同様に様々な縁幅で、穴5を均一に整列することが容易であり、係る場合に取得されるジョイントを強力に固定することが可能になる。
【0025】
長い構造を組み立てるために、ブロックは相互に挿入され、これにより、同じ数の穴(面2または面3のいずれかの穴)を有するブロックの重なり面内の全ての穴5を正確に整列し、穴5の選択された場所のいずれかにおけるブロックの固定接続を可能にする。
【0026】
ブロックの曲げ強度を高めるために、ブロックが相互に挿入され、それらのブロックが相互に対して縦方向にシフトし、または、奇数の穴を有する面2は、偶数の穴を有する面3と整合し、立体ブロック表面を形成する。
【0027】
一方のブロックを別のブロックに挿入することによるブロックの縦接続は、小さい縁幅を有するブロックの外側断面サイズが、大きい縁幅を有するブロックの内側縦通路の断面サイズに対応するときに行われる。
【0028】
ブロックの堅いT字形及び/またはL字形の突き合わせ接続を形成するために、補助部9を使用する。補助部9は、最小縁幅(例えば、35mm)を有するブロック1の端部6を切り取ることによって製造できる。補助部9の4つの穴5のうちの1つは拡大して、外に向いているねじを用いてボルト本体を拡大された穴10を通して導入することによって、ボルト頭部を補助部9の内側空間に挿入することを可能にする。
【0029】
長いブロック間に斜め結束(ブレース等)を形成するために、接続される全てのブロックがブロックの面に平行な一平面内に位置する場合、単一の補助部11を使用するブロックを接続するのに十分である。補助部11は、端部6を有するブロック1の断片を切り取ることによって製造でき、ブロック1は最大の縁幅(例えば、45mm)を有する。切り欠き12は、ブロック1の切断された断片の端部6の2つの対向面のいずれかに作られる一方、他の2つの対向端の端13は丸みがあるように作られている。切り欠き12の深さはブロック間の噛合角度によって決定され、より鋭角が要求され、より深い切り欠き12が作られている。
【0030】
他のブロック(第2のブロック)の噛合面に位置する接合点に対して噛合ブロックを回転させることよって、噛合ブロックの一方のブロック(第1のブロック)の位置を変化させる能力により、ブロックの接続を形成するために、補助部9は噛合ブロック1の第1のブロックの面に取り付けられる。部分9の噛合面は、大きい穴10を含む面の反対側の面である。部分9の噛合面の軸線と第1のブロック1の噛合面の軸線との間の角度(
図9の「d」)は0°~360°の範囲内のいずれかであり得る。次に、補助部11は部分9に取り付けられ及び固定され、それに関して、部分11の縦軸線と、第1のブロックの噛合面に垂直である部分9の接合点を通過する線との間の角度は、0°~90°で変動し得る。
【0031】
ブロックの重なり接続、同様に、相互接続された補助部9ならびに補助部11によって形成される接続及び単一の補助部によるブロック接続は移動可能であり得、これにより、ヒンジレバーとしてブロックを使用し、ヒンジ軸として締結接続要素を使用することを可能にする。
【0032】
補助部9及び補助部11の断面サイズは、補助部が接続するブロックの断面サイズによって決定される。
【0033】
主張するモデル構築セットは、フレームワークの便利なモデルのいずれかを組み立てることと、同様に、そのモデルのいずれかの必要な変更及び改善を行うこととを可能にする。モデル構築セットは、また、構造物セットの一部ではない他の要素と接続するように設計される。具体的には、いずれかのユーザが利用し易いシート(例えば、自動車のシート)、様々な家電製品(コンピュータ、プレイステーション(登録商標)、TV等)は、主張するモデル構築セットから組み立てられたフレームワークまたはフレームに設置できる。
【符号の説明】
【0034】
1 ブロック
2 ブロックの側面(奇数の穴がある)
3 ブロックの側面(偶数の穴がある)
4 ブロックの内側の縦通路
5 穴
6 ブロックの端部
7 末端縁
8 ブロックの縦軸
9 立方体状の補助部
10 補助部9の大穴
11 補助部
12 切り欠き
13 丸端