(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】対話型キャラクター制御システム
(51)【国際特許分類】
A63J 19/00 20060101AFI20240618BHJP
A63H 3/36 20060101ALI20240618BHJP
A63H 3/00 20060101ALI20240618BHJP
A63H 30/00 20060101ALI20240618BHJP
A45F 3/04 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
A63J19/00
A63H3/36 L
A63H3/00 Z
A63H30/00 Z
A45F3/04 300
(21)【出願番号】P 2021540205
(86)(22)【出願日】2020-01-03
(86)【国際出願番号】 US2020012124
(87)【国際公開番号】W WO2020146198
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2022-12-27
(32)【優先日】2019-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】テンプル リッキー リカード
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0130585(US,A1)
【文献】英国特許出願公開第02505212(GB,A)
【文献】特開平09-066172(JP,A)
【文献】特開2006-051186(JP,A)
【文献】国際公開第2018/102313(WO,A2)
【文献】特開平01-313083(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63J 19/00
A63H 3/00-3/52
A63H 30/00-30/04
A45F 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャラクター制御システムであって、
演者によって運ばれるように構成された支持物に取り外し可能に結合するように構成された、ストラップと、
前記ストラップの一部の中に配置され、複数の制御特徴部を備える制御組立体と、
前記制御組立体及び人形の複数のアクチュエータに接続するように構成された制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記複数の制御特徴部の操作に応答して前記人形の複数の部分を動かすように前記複数のアクチュエータを制御するように構成され、コネクタ
が、前記人形の前記複数のアクチュエータを前記制御組立体に取り外し可能に接続するように構成される、
キャラクター制御システム。
【請求項2】
前記支持物を備え、前記支持物は、バックパックである、請求項1に記載のキャラクター制御システム。
【請求項3】
電源を備え、前記電源は、前記バックパックの区画の中に配置される、請求項2に記載のキャラクター制御システム。
【請求項4】
前記バックパックは、前記人形を支持するように構成されたフレームを備える、請求項2に記載のキャラクター制御システム。
【請求項5】
前記ストラップを少なくとも部分的に取り囲むように構成されたカバーを備え、前記カバーは、前記支持物のテーマに適合する、請求項1に記載のキャラクター制御システム。
【請求項6】
前記カバーは、前記ストラップの対応する第2のファスナーに結合するように構成された第1のファスナーを備える、請求項5に記載のキャラクター制御システム。
【請求項7】
前記制御組立体の前記複数の制御特徴部は、制御パッド、1又は2以上のボタン、又はその両方を備える、請求項1に記載のキャラクター制御システム。
【請求項8】
前記制御組立体が前記ストラップの表面と同一平面にないように、前記制御組立体は、前記ストラップの凹部の中に配置される、請求項1に記載のキャラクター制御システム。
【請求項9】
前記制御装置は、前記ストラップの
中に配置される、請求項1に記載のキャラクター制御システム。
【請求項10】
前記制御装置は、
前記コネクタを含む雄プラグを含み、前記雄プラグは、前記支持物を通って延びるように、かつ前記複数のアクチュエータのうちの少なくとも1つのアクチュエータの雌レセプタクルに受け入れられるように構成され
、前記制御装置は、前記雄プラグを介して、前記複数のアクチュエータのうちの少なくとも1つのアクチュエータに接続するように構成される、請求項9に記載のキャラクター制御システム。
【請求項11】
装着型操り人形システムであって、
バックパックと、
前記バックパックと一体であり、第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータを備える人形であって、前記第1のアクチュエータは、前記人形の第1の部分を動かすように構成され、前記第2のアクチュエータは、前記人形の第2の部分を動かすように構成される、人形と、
第1の制御
装置を備える前記バックパックの第1のストラップであって、前記第1の制御
装置は、前記第1のアクチュエータを制御するように構成される、第1のストラップと、
第2の制御
装置を備える前記バックパックの第2のストラップであって、前記第2の制御
装置は、前記第2のアクチュエータを制御するように構成される、第2のストラップと、
を備える、装着型操り人形システム。
【請求項12】
前記第1のアクチュエータは、前記人形の頭部の位置を調整するように構成される、請求項11に記載の装着型操り人形システム。
【請求項13】
前記第2のアクチュエータは、前記人形の腕又は脚を動かすように構成される、請求項12に記載の装着型操り人形システム。
【請求項14】
前記装着型操り人形システムは、前記第1の制御装置に通信可能に接続するように構成された第1の制御組立体を備え、
前記第1の制御組立体は、制御パッドを備え、前記制御パッドは、方向ボタンのセットを備える、請求項11に記載の装着型操り人形システム。
【請求項15】
装着型人形制御システムであって、
複数のアクチュエータを備える人形であって、前記複数のアクチュエータの第1のアクチュエータは、前記人形の第1の部分を動かすように構成され、前記複数のアクチュエータの第2のアクチュエータは、前記人形の第2の部分を動かすように構成される、人形と、
前記装着型人形制御システムをユーザー上で支持するように構成されかつ
制御装置及び制御組立体を備えるストラップと、
を備え、前記制御組立体は、
制御パッドであって、前記制御装置は、前記制御パッドの操作に応答して、前記第1のアクチュエータ又は前記第2のアクチュエータを制御するように構成され
る、制御パッドと、
第1のボタンであって、前記制御装置は、前記第1のボタンのプッシュを介して、前記制御パッド
の操作に応答して、前記第1のアクチュエータを制御する
ことができるように構成される、第1のボタンと、
第2のボタンであって、前記制御装置は、前記第2のボタンのプッシュを介して、前記制御パッド
の操作に応答して、前記第2のアクチュエータを制御する
ことができるように構成される、第2のボタンと、
を備える、装着型人形制御システム。
【請求項16】
前記人形を所定の又は事前にプログラムされたシーケンスに従わせるように構成された制御装置を備える、請求項15に記載の装着型人形制御システム。
【請求項17】
第3のボタンを備え、前記制御装置は、前記第3のボタンの選択に応答して、前記人形を所定の又は事前にプログラムされたシーケンスに従わせるように構成される、請求項16に記載の装着型人形制御システム。
【請求項18】
前記制御装置は、非作動の閾値時間に応答して、前記人形を所定の又は事前にプログラムされたシーケンスに従わせるように構成される、請求項16に記載の装着型人形制御システム。
【請求項19】
前記人形は、他の人形と互換性があるように構成される、請求項15に記載の装着型人形制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2019年1月10日出願の米国仮特許出願番号62/790,814号「対話型キャラクター制御システム(INTERACTIVE CHARACTER CONTROL SYSTEM)」の利益を主張するものであり、その開示内容全体は、あらゆる目的のために引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、一般に制御システムに関し、より詳細には、対話型キャラクター制御システムに関する。
【背景技術】
【0003】
このセクションは、以下に記載される、及び/又は主張される本技術の種々の態様に関連し得る技術の種々の態様を読み手に紹介することを意図している。この考察は、本開示の種々の態様のよりよい理解を容易にするための背景情報を読み手に提供するのを助けると考えられる。従って、本記載はこの観点から読まれるものであり従来技術の自認ではないことを理解されたい。
【0004】
一般的に、人形、キャラクター、及び/又は他の創造物は、操り人形師などの演者(performer)の操作で及び/又は機械的アクチュエータによって動くように見えるようにすることができる。場合によっては、操り人形師の動きは、人形、キャラクター、及び/又は創造物の対応した動きを発生させることができ、これは、人形、キャラクター、及び/又は創造物が生きている錯覚又は印象を引き起こすことができる。同様に、アクチュエータ、モーター、及び/又は他の駆動装置を利用して、演者の動きに加えて又はその代わりに人形、キャラクター、及び/又は創造物の動きを引き起こすことができる。場合によっては、人形、キャラクター、及び/又は創造物の動きは、演者の技量によって制限される可能性がある。追加的に又は代替的に、人形、キャラクター、及び/又は創造物を見ている観客は、演者がアクチュエータ、モーター、及び/又は駆動装置を制御するのに気付く場合があり、結果的に、人形、キャラクター、及び/又は創造物の現実感が低減する。
【発明の概要】
【0005】
当初請求された主題の範囲に見合った特定の実施形態を以下に要約する。これらの実施形態は、本開示の範囲を限定することを意図したものではなく、むしろこれらの実施形態は、特定の開示された実施形態の簡単な要約を提供することのみを意図したものである。実際に、本開示は、以下に示す実施形態と類似、又は異なることができる種々な形態を包含することができる。
【0006】
一実施形態において、キャラクター制御システムは、演者の支持物(prop)に取り外し可能に結合するように構成されたストラップと、ストラップの一部の中に配置され、複数の制御特徴部(control features)を備える制御組立体(controls assembly)と、制御組立体及び人形のアクチュエータに接続された制御装置とを備え、制御装置は、複数の制御特徴部のうちの1つの制御特徴部の操作(actuation)に応答してアクチュエータを制御して人形の一部を動かすように構成される。
【0007】
本開示の上記及び他の特徴、態様、及び利点は、全図を通して同じ符号が同じ要素を示す図面を参照して以下の詳細な説明を読むことでよりよく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の態様による、キャラクター制御システムの実施形態の斜視図である。
【
図2】本開示の態様による、キャラクター制御システムのストラップの実施形態の概略図である。
【
図3】本開示の態様による、キャラクター制御システムの実施形態の分解斜視図である。
【
図4】本開示の態様による、キャラクター制御システムの実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の1又は2以上の特定の実施形態を以下で説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を行うために、実際の実行例の全ての特徴を本明細書で説明することができるというわけではない。何らかの工業設計又は設計プロジェクトの場合と同様に、何らかの当該の実際の実行例の開発において、実行例間で変動する場合があるシステム関連及び事業関連の制約の遵守など、開発担当者らの特定の目標を達成するために数多くの実行固有の意思決定を行う必要があることを認識されたい。さらに、このような開発作業は、複雑かつ時間が掛かることがあり得るが、それでも、本開示の恩恵を有する当業者にとって設計、作製、及び製造の日常的な仕事になることを認識されたい。
【0010】
人形又は他の自動化フィギュア(例えば、キャラクター)を利用すると、さもなければ架空のキャラクター又は創造物が生きている又は動作しているような錯覚をもたらすことができる。例えば、演者は、演者の動きによって人形の動きを引き起こすことができる。演者は、人形の動きを模倣又は演じて人形が生きているような錯覚を起こすために、人形の特徴部(例えば、頭部、腕、脚、及び/又は口)を動かすことができる。追加的に又は代替的に、人形は、遠隔的に又は人形に非常に接近した演者のいずれかで人形の動きを引き起こす、アクチュエータ、モーター、及び/又は他の駆動装置で制御することができる。残念ながら、演者によって引き起こされる人形の動きは、演者が人形の特定に部分又は部品のみを制御できるという理由で制限される可能性がある。加えて、場合によっては、観客は、演者が彼らの動きによって又はアクチュエータに関連した制御装置によって人形の動きを指示していることを認識することができる。用語「キャラクター」、「人形」、「アニマトロニックス」、及び「自動化フィギュア」は、自律的動きの錯覚をもたらすために制御された動きを行うことができる人形又は他のフィギュアに言及するために、本開示を通じて同義的に用いられることに留意されたい。
【0011】
従って、本開示の実施形態は、人形の動きを制御する及び/又はその制御を行わせる演者の能力を隠すことができる改善されたキャラクター制御システムに向けられている。例えば、本開示は、人形を動かすために演者が利用することができる制御ストラップに関する。制御ストラップは、演者の衣装又はユニフォームの一部として隠すことができるので、観客は、演者が人形の動きを制御していることを容易に認識できない。非限定的な例として、制御ストラップは、演者が装着するバックパックの一部として用いることができ、制御される人形のテーマに適合する。制御ストラップは、人形の動きを引き起こす及び/又は人形に観客に対して音声を出力するようにさせるアクチュエータに接続した制御装置を含むことができる。さらに、制御ストラップは、複数の異なる人形及び/又は演者の複数の異なる衣装に互換性がある。従って、制御ストラップは、単一の人形、テーマ、又は衣装に限定されず、キャラクター制御システムのコストの削減が可能になる。
【0012】
図面を参照すると、
図1は、演者10が利用するキャラクター制御システム8の実施形態の斜視図である。キャラクター制御システム8は、演者10が人形16を制御するために対話する第1の制御ストラップ12及び第2の制御ストラップ14を含むことができる。
図1の例示的な実施形態に示すように、第1の制御ストラップ12及び第2の制御ストラップ14は、演者10が装着するバックパック18のストラップとして利用される。本開示では、バックパック18のストラップとして第1の制御ストラップ12及び第2の制御ストラップ14を利用することに焦点を合わせているが、第1の制御ストラップ12及び第2の制御ストラップ14は、人形16のテーマに適合することができる(例えば、サスペンダー、オーバーオール、折り襟、及び/又は他の適切なストラップ)、何らかの他の適切な支持物又は衣装及び/又はユニフォームの一部として利用できることを認識されたい。
【0013】
第1の制御ストラップ12及び第2の制御ストラップ14は、人形16の動き及び/又は人形16からの音声出力を制御するために利用することができる。例えば、第1の制御ストラップ12及び第2の制御ストラップ14の各々は、演者10が人形16の動き及び/又は人形16からの音声出力を制御するのを可能にすることができる、ボタン、ジョイスティック、制御パッド、タッチパッド、及び/又は他の対話式特徴部を含むことができる。上述のように、第1の制御ストラップ12及び第2の制御ストラップ14は、それぞれの人形16のテーマに適合する他の衣装、支持物、及び/又はユニフォームに互換性がある。例えば、第1の制御ストラップ12及び第2の制御ストラップ14は、バックパック18から切り離して第2のバックパック20及び/又は第3のバックパック22に結合することができる。追加的に又は代替的に、人形16は、第1の制御ストラップ12、第2の制御ストラップ14、及び/又はバックパック18に互換性がある。従って、第1の制御ストラップ12及び第2の制御ストラップ14は、演者10の様々な異なる衣装、支持物、及び/又はユニフォーム、並びに様々な異なる人形16に利用することができる。従って、キャラクター制御システム8は、第1の制御ストラップ12及び第2の制御ストラップ14の互換性により用途が広く安価である。
【0014】
一部の実施形態において、第1の制御ストラップ12及び第2の制御ストラップ14は、演者10が人形16を制御するのを可能にする様々な制御特徴部を含む。例えば、
図2は、第1の制御ストラップ12及び第2の制御ストラップ14の実施形態の概略図である。
図2の例示的な実施形態に示すように、第1の制御ストラップ12は、第1の制御組立体30を含むことができ、第2の制御ストラップ14は、第2の制御組立体32を含むことができる。第1の制御組立体30は、制御パッド34、第1のボタン36、第2のボタン38、ジョイスティック35、及び/又は制御ホイール37を含むことができる。制御パッド34、第1のボタン36、及び第2のボタン38の各々は、人形16が行うことになる種々の動き、音、及び/又は他の効果を作動させることができる。第1の制御組立体30は、2以上の制御パッド34及び何らかの適切な数のボタン(例えば、1、3、4、5、6、7、8、9、10、又は10を超えるボタン)を含み得ることを認識されたい。加えて、第2の制御組立体32は、制御パッド40(例えば、第2の制御パッド)、第3のボタン42、第4のボタン44、ジョイスティック43、及び/又は制御ホイール45を含むことができる。制御パッド40、第3のボタン42、及び第4のボタン44の各々は、人形16が行うことになる種々の動き、音、及び/又は他の効果を作動させることができる。第1の制御組立体30と同様に、第2の制御組立体32は、2以上の制御パッド40及び何らかの適切な数のボタン(例えば、1、3、4、5、6、7、8、9、10、又は10を超えるボタン)を含み得ることを認識されたい。一部の実施形態において、第1の制御組立体30及び第2の制御組立体32は、本質的に同一であり、同じ制御を提供することができ、このことは、故障の場合に冗長性をもたらすことができるので好都合である。
【0015】
一部の実施形態において、制御パッド34は、人形16の頭部、目、耳、腕、指、脚、つま先、翼、胴体、尾、及び/又は口の位置を調整するために利用することができる。一部の実施形態において、第1のボタン36及び/又は第2のボタン38は、演者10が、人形16の様々な要素の間で制御パッド34の制御を切り替えるのを可能にする。例えば、演者10は、制御パッド34が人形16の頭部の位置を調整するのを可能にするために第1のボタン36を押すこと、及び人形16の腕の位置を調整するために第2のボタン38を押すことができる。他の実施形態において、第1の制御組立体30は、人形16の第1の部分(例えば、頭部)を制御することができ、第2の制御組立体32は、人形16の第2の部分(例えば、腕及び/又は脚)を制御することができる。さらなる実施形態において、第1の制御組立体30は、人形16の一部分の直線運動を制御することができ、第2の制御組立体32は、人形16の一部分の回転運動を制御することができる。追加的に又は代替的に、ボタン36、38、42、44は、人形16から音声を出力するために利用することができる。さらに、ボタン36、38、42、44は、人形16が動くように、音を発するように、及び/又は他の適切な効果を実現するようにさせるために、様々な組み合わせで及び/又は同時に押すことができる。従って、演者10は、第1の制御組立体30及び第2の制御組立体32の限られた量の制御特徴(例えば、制御パッド34、40、及び/又は、ボタン36、38、42、44)を用いて、人形16の複数の部分又は部品を制御することができる。制御パッド34、第1のボタン36、第2のボタン38、制御パッド40、第3のボタン42、及び/又は第4のボタン44は、人形16の何らかの適切な動き及び/又は音声を制御するために利用することができることを認識されたい。一部の実施形態において、様々な動き及び/又は音声サブルーチンは、第1及び第2の制御組立体30、32の一方又は両方の特定の作動又は一連の作動に応答して実行されるよう事前にプログラムすることができる。
【0016】
場合によっては、演者10は、観客と対話する及び/又は他の方法で彼らの手を使用する場合があるので、演者10は、第1の制御組立体30及び/又は第2の制御組立体32を用いて人形16の動きを制御することができない。従って、第1の制御組立体30及び/又は第2の制御組立体32は、演者10に人形16をアイドル状態に設定する能力を提供することができ、アイドル状態では、人形16の動きは、所定の又は事前にプログラムされたシーケンスに従う。アイドル状態は、ユーザーによる起動時に及び/又は不作動の閾値時間の後で(例えば、第1及び/又は第2の制御組立体30、32が30秒の間に不作動)、キャラクター制御システム8の制御態様(例えば、制御装置48、50)によって入れられる制御状態と定義することができる。例えば、演者10は、人形16をアイドル状態に設定して、人形16が第1の制御組立体30及び/又は第2の制御組立体32を用いた演者10のさらなる相互作用なしで動くのを可能にするために第1のボタン36を押すことができる。追加的に又は代替的に、キャラクター制御システム8の中央制御装置46は、演者10が所定の時間間隔の範囲内で(例えば、10秒、20秒、30秒)第1の制御組立体30及び/又は第2の制御組立体32に関与していないことを検出して、人形16を自動的にアイドル状態に設定することができる。いずれの場合も、アイドル状態の場合に、演者が第1の制御組立体30及び/又は第2の制御組立体32と相互作用することなく、人形16は動くことができ、人形16が生きているという錯覚を引き起こすことができる。
【0017】
図2の例示的な実施形態に示すように、第1の制御ストラップ12は第1の制御装置48を含むことができ、第2の制御ストラップ14は第2の制御装置50を含むことができる。制御装置は、人形16の中のアクチュエータを調整して人形16の動きを引き起こすように構成されているサーボ制御装置を含むことができる。加えて、制御装置48、50は、人形16のスピーカー及び/又は視覚効果装置を作動させて、人形16から音声及び/又は他の視覚効果を出力させる。第1の制御装置48は第1の制御組立体30に通信可能に接続するので、演者10が第1の制御組立体30と対話する際に、人形16の動きを指示する。同様に、第2の制御装置50は第2の制御組立体32に通信可能に接続するので、演者10が第2の制御組立体32と相互作用する際に、人形16の動きを指示する。一部の実施形態において、第1の制御装置48及び/又は第2の制御装置50の両方は中央制御装置46に接続することができる。他の実施形態において、キャラクター制御システム8は、中央制御装置46を含まない場合もある。
【0018】
第1の制御装置48及び第2の制御装置50は、それぞれ第1のコネクタ52及び第2のコネクタ54によって人形16、中央制御装置46、及び/又は支持物(例えば、バックパック18)に取り外し可能に接続される。従って、第1の制御ストラップ12及び第2の制御ストラップ14は、複数の人形16及び/又は支持物の間で互換性がある。一部の実施形態において、第1の制御組立体30及び/又は第2の制御組立体32の制御特徴部(例えば、制御パッド34、40及び/又はボタン36、38、42、44)は、人形の種類に応じて、異なる人形16の異なる部分又は部品を調整することができる。第1のコネクタ52及び第2のコネクタ54は、第1の制御装置48及び第2の制御装置50をそれぞれ人形16及び/又は支持物(例えば、バックパック18)の中に配置された様々なアクチュエータに接続するのを可能にすることができる。従って、第1の制御組立体30及び第2の制御組立体32との対話は、第1の制御ストラップ12及び第2の制御ストラップ14に結合されたそれぞれの人形16が行うことになる動き、音声出力(audio output)、及び/又は他の効果を引き起こす。
【0019】
一部の実施形態において、第1の制御ストラップ12及び第2の制御ストラップ14は、バックパック18のためのストラップとして利用することができる。第1の制御組立体30及び第2の制御組立体32は、これらが観客に分からないように隠すために、それぞれ第1の制御ストラップ12及び第2の制御ストラップ14の演者10に対面する内側部分に配置することができる。これらの実施形態において、第1の制御組立体30及び第2の制御組立体32の各々は、ユーザーの指で操作できるように設計又は配置することができる。第1の制御組立体30との意図しない相互作用を防ぐために(例えば、第1の制御組立体30が演者10に押し付けられると人形16の意図しない動きがもたらされる)、第1の制御ストラップ12は、この第1の制御ストラップ12の第1の本体58(例えば、詰め物)の中に形成された第1の凹部56を含むことができる。同様に、第2の制御ストラップ14は、第2の制御ストラップ14の第2の本体62の中に形成された第2の凹部60を含むことができる。凹部56、60は、第1の制御ストラップ12及び第2の制御ストラップ14がバックパック18のストラップとして装着されて演者10と当接する場合に、第1の制御組立体30及び第2の制御組立体32が演者10と接触するのを阻止することができる。換言すると、凹部56、60は、第1の制御組立体30及び第2の制御組立体32をそれぞれ第1の制御ストラップ12及び第2の制御ストラップ14の中に配置する。従って、第1の制御組立体30及び第2の制御組立体32は、それぞれ第1の制御ストラップ12及び第2の制御ストラップ14の本体58、62の表面と同一平面にない。第1の制御ストラップ12及び/又は第2の制御ストラップ14と対話するために、演者は、自分の手を凹部56、60の中に突っ込んで、第1の制御組立体30及び第2の制御組立体32にそれぞれ関与する。凹部56、60は、意図しない人形16の作動を制限するので、演者10による人形16の改善された制御を可能にする。一部の実施形態において、第1及び第2の制御組立体30、32は、第1及び第2の制御ストラップ12、14の前面(又は前面又は背面の両方)からアクセスできる。一部の実施形態において、テーマのある素材を制御組立体30、32との相互作用を隠すために配置することができる。各実施形態において、凹部(例えば、凹部56、60)は、使用時の意図しない動作の可能性を低減するために採用することができる。特定の実施例において、制御組立体30、32は、それぞれの制御ストラップ12、14の中間部分に配置することができ、凹部を介して両側(ユーザーに向かう側及びユーザーの反対側)からアクセスすることができる。
【0020】
上述のように、第1の制御ストラップ12及び第2の制御ストラップ14は、バックパック18、20、22などの支持物の間で互換性がある。従って、第1の制御ストラップ12及び/又は第2の制御ストラップ14は、第1の制御ストラップ12及び/又は第2の制御ストラップ14が様々な支持物のテーマを模倣する、従ってこれに使用されるのを可能にするように構成されるカバーを含むことができる。例えば、
図3は、第1の制御ストラップ12、バックパック18、及びカバー70の分解斜視図である。カバー70は、バックパック18のテーマに適合する模様、プリント柄、及び/又は他の美的特徴部を含むことができる。カバー70は、第1の制御ストラップ12を様々な異なるテーマで使用するのを可能にするために、第1の制御ストラップ12の上に配置されてこれを隠すように構成される。このように、第1の制御ストラップ12は、複数の支持物、衣装、及び/又はユニフォームと共に使用するためにカバー70で隠すことができる一般的な素材で形成することができる。追加のテーマのある素材は、さらに動作を隠すために制御ストラップ12、14に対して配置することができる。例えば、フラップ素材は、制御組立体30、32の操作時の手の動きを隠すために制御組立体30、32に近い領域の上に広がることができる。
【0021】
一部の実施形態において、カバー70は、第1の制御ストラップ12を包み込む及び/又はそれに結合するように構成されたフラップ72(例えば、折り重ね部)を含む。フラップ72は、第1の制御ストラップ12の対応するファスナー76に係合してカバー70を第1の制御ストラップ12にしっかり固定するための、ファスナー74(例えば、留め金、ベルクロ(登録商標)、シッパー、及び/又はボタン)を含むことができる。従って、カバー70は、第1の制御ストラップ12を人形16のテーマに適合した支持物、衣装、及び/又はユニフォームと共に使用することを可能にすることができる。様々なカバー70を第1の制御ストラップ12に結合することができるので、第1の制御ストラップ12は、様々な異なるテーマに利用することができる。
【0022】
例示的な実施形態に示すように、第1の制御ストラップ12は、第1の接続部78及び第2の接続部80でバックパック18にしっかり固定することができる。一部の実施形態において、第1の制御ストラップ12は、第1の端部84及び第2の端部86に雄プラグ82を含むことができる。雄プラグ82は、第1の接続部78及び第2の接続部80でバックパック18の雌レセプタクル88の中に挿入するように構成することができる。雄プラグ82は、第1のコネクタ52を含むことができ、バックパック18の雌レセプタクル88は、第1の制御組立体30を人形16に通信可能に接続するように構成することができる。従って、第1の制御ストラップ12は、接続部78、80を介してバックパック18に結合することができ、カバー70は、演者10が人形16の制御を開始することができるように第1の制御ストラップ12の上に配置することができる。他の実施形態において、第1の制御ストラップ12は、他の適切な方法(例えば、バックル、締め具、留め金)でバックパック18に結合することができる。理解されるように、バックパック18は、第2の制御ストラップ14のための対応する接続部を含むことができ、第2の制御ストラップ14は、第1の制御ストラップ12と概して同じ方法でバックパック18に結合することができる。他の実施形態において、雄コネクタ(例えば、雄プラグ82)ではなく、雌コネクタを採用することができ、雌コネクタ(例えば、雌レセプタクル88)ではなく、雄コネクタを採用することができる。さらに、第1のストラップ12及び第2のストラップ14が対応する接続部を有するのではなく、接続部は、ポカヨケ構成をもたらすために相反することができる。例えば、第1のストラップ12は、2つの雄コネクタを含むことができ、第2のストラップ14は、2つの雌コネクタを含むことができ、これらを誤って不適切な配列で接続するのを防ぐようになっている。
【0023】
例えば、
図4は、バックパック18に結合された第1の制御ストラップ12、第2の制御ストラップ14、及び人形16の実施形態の斜視図である。
図4の例示的な実施形態に示すように、人形16は、バックパック18で支持することができる。一部の実施形態において、バックパック18は、人形16の支持を可能にすることができ及び/又はバックパック18を満杯であるように見せることができるフレーム100を含むことができる。他の実施形態において、人形16は、演者10によって直接支持されるように(例えば、ショルダーマウントで)、及び/又は演者10が運ぶ及び/又は装着する他の支持物で支持されるように構成することができる。例えば、1つの実施形態において、バックパックの本体は、人形16の本体のように見えるようにテーマ付けすることができる。
【0024】
人形16は、人形16の様々な部分又は部品の動きを制御するように構成されたアクチュエータ102を含むことができる。アクチュエータ102は、制御装置48、50に接続することができる(例えば、有線で又は無線で)。詳細には、例えば、アクチュエータ102は、対応する制御装置48、50の無線送信器及び/又は受信器に通信可能に接続することができる、無線送信器及び/又は受信器を含むことができる。一部の実施形態において、対応する制御装置48、50の無線送信器及び/又は受信器は、バックパック18の中の雌レセプタクル88に接続することができる。他の実施形態において、対応する制御装置48、50の無線送信器及び/又は受信器は、制御ストラップ12、14の中にある。一部の実施形態において、バックパックは、人形16の追加の雄プラグ106を受け入れるように構成された、追加の雌レセプタクル104を含むことができる。追加の雄プラグ106は、アクチュエータ102に接続することができるので、雄プラグ82、雌レセプタクル88、及び/又は追加の雌レセプタクル104を介して、第1の制御組立体30、第2の制御組立体32、及びアクチュエータ102の間の接続を確立することができる。全ての言及されたコネクタのように、他の実施形態において、雌コネクタ及び雄コネクタは、置き換え可能とすることができる。
【0025】
さらに、一部の実施形態において、第1の制御ストラップ12、第2の制御ストラップ14、人形16、及び/又はバックパック18は、アクチュエータ102に電力を供給して、最終的に人形16の動きを引き起こす、人形16から音を出させる、及び/又は人形16の作用を発生させるように構成された電源108を含むことができる。電源108は、第1の制御ストラップ12、第2の制御ストラップ14、人形16、及び/又はバックパック18の一部の中に配置され、従って観客から隠された、バッテリを含むことができる。電源108は、キャラクター制御システム8のあらゆる場所に分散配置することができ、追加電力及び/又は冗長電力を供給するために協働することができる、複数の電源を表すことができる。電源108は、アクチュエータ102に加えて、第1の制御組立体30、第2の制御組立体32、第1の制御装置48、第2の制御装置50、及び/又は他の適切な構成要素に電力を供給することができる。他の実施形態において、キャラクター制御システム8は、複数の別個の電源を含むことができる(例えば、第1の制御ストラップ12、第2の制御ストラップ14、人形16、及び/又はバックパック18の各々のための電源)。
【0026】
図4の例示的な実施形態に示すように、人形16は、頭部110、目112、耳114、胴体116、脚118、及び尾120を含むことができる猫とすることができる。一部の実施形態において、アクチュエータ102は、頭部110を第1の軸122に沿って動かすように、頭部110を第2の軸124に沿って動かすように、及び/又は頭部110を第1の軸122の周りの円周方向で回転させるように構成することができる。例えば、制御パッド34は、頭部を第1の軸122及び第2の軸124に沿って動かすために使用することができ、制御パッド40は、頭部を第1の軸122の周りで回転させるために使用することができる。さらに、ボタン36、38、42、44のうちの1つを押すことによって、アクチュエータ102は、目112を動かす(例えば、目112をまばたきさせる)及び/又は耳114を動かす(例えば、耳114を前後に動かして揺動運動させる)ように構成することができる。上述のように、ボタン36、38、42、44は、制御パッド34、40が制御を頭部110から、胴体116、脚118、及び/又は尾120へ切り替えることができるように利用することができる。追加的に又は代替的に、ボタン36、38、42、44は、人形16から音(例えば、のどを鳴らす音)を発生させるために、人形16に組み込まれたスピーカー126を作動させることができる。
【0027】
従って、演者10は、第1の制御組立体30及び第2の制御組立体32を利用して、アクチュエータ102によって、人形16が動く、音を発する、及び/又は他の効果を発生するようにさせる。演者10による人形16の制御は、第1の制御組立体30及び第2の制御組立体32が演者に面しており、観客の視界から隠れているので、ほとんどの場合、観客から隠される。他の実施形態において、様々な隠蔽技術(例えば、制御組立体30、32の近くでユーザーの手を覆うテーマのある素材)を含むことができる。従って、演者10がバックパック18のストラップを保持しているように見えるが、演者10は、人形16の動きを制御することができる。
【0028】
本明細書では本発明の実施形態の特定の特徴のみを図示して説明したが、当業者であれば多くの修正例及び変更例を想定できるはずである。従って、特許請求の範囲は、本開示の真の精神に該当する全ての当該修正例及び変更例を包含することが意図されていると理解される。
【0029】
本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、従って抽象的なもの、無形のもの又は純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物及び具体例を参照し、これらに適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「...[機能]を[実行]する手段」又は「...[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法112条(f)に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むあらゆる請求項については、このような要素を米国特許法112条(f)に従って解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0030】
8 キャラクター制御システム
10 演者
12 第1の制御ストラップ
14 第2の制御ストラップ
16 人形
18 バックパック
20 第2のバックパック
22 第2のバックパック