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特許75060942-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸をろ過するための新規な方法
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  • 特許-2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸をろ過するための新規な方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸をろ過するための新規な方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 303/44 20060101AFI20240618BHJP
   B01D 33/06 20060101ALI20240618BHJP
   B01D 33/09 20060101ALI20240618BHJP
   B01D 33/13 20060101ALI20240618BHJP
   C07C 309/15 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
C07C303/44
B01D33/06 A
B01D33/08
C07C309/15
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021568073
(86)(22)【出願日】2020-05-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-15
(86)【国際出願番号】 FR2020050758
(87)【国際公開番号】W WO2020229757
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2023-02-10
(31)【優先権主張番号】1905037
(32)【優先日】2019-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】510338248
【氏名又は名称】エスエヌエフ・グループ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】セドリック・ファヴェロ
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル・ドゥダン
(72)【発明者】
【氏名】ジョアン・キーファー
(72)【発明者】
【氏名】ブノワ・ルグラ
【審査官】藤代 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-145455(JP,A)
【文献】特開2011-046612(JP,A)
【文献】特開2009-155324(JP,A)
【文献】国際公開第2009/072480(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0274048(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0244609(US,A1)
【文献】国際公開第2017/162545(WO,A1)
【文献】特開昭54-163524(JP,A)
【文献】米国特許第04219498(US,A)
【文献】特表2020-511510(JP,A)
【文献】国際公開第2018/172677(WO,A1)
【文献】特表2008-504112(JP,A)
【文献】特表2008-518006(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0096921(US,A1)
【文献】英国特許出願公告第01307240(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 303/44
B01D 33/06
B01D 33/09
C07C 309/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドラムを備えたロータリープレッシャーフィルターによって、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶の懸濁液をろ過するための連続法であって、
前記ドラムの表面にはフィルター媒体で覆われたセルが設けられており、前記ドラムは、互いから封止された少なくとも3つのゾーン、それぞれ、ろ過ゾーン、洗浄ゾーン、及び放出ゾーンを備えた固定された同心円筒内で回転し、各ゾーンは前記セル上に開口しており、
以下の工程、
a)前記ろ過ゾーンに2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶の懸濁液を供給し、前記セルにおいて前記懸濁液をケーキが形成されるまでろ過する工程と、
b)前記洗浄ゾーンに洗浄液を供給して、前記セルに形成された前記ケーキを洗浄する工程と、
c)洗浄した前記ケーキを前記放出ゾーンで前記セルから放出する工程と
を含み、
前記フィルター媒体で覆われた前記セルの深さは6~150mmであり、前記ろ過ゾーン及び前記洗浄ゾーンでは1~10バールの圧力が印加されることを特徴とする、連続法。
【請求項2】
前記セルの深さは、10~100mmであり、好ましくは15~70mmであり、より好ましくは20~70mmであり、更により好ましくは30~60mmであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
以下の工程、
a)前記ろ過ゾーンに2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶の懸濁液を圧力下で供給し、同時に、前記セルにおいて前記懸濁液をケーキが形成されるまでろ過する工程と、
b)前記洗浄ゾーンに洗浄液を圧力下で供給し、同時に、前記セルに形成されたケーキを洗浄する工程と
を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が、以下の2つの付加的な工程、
- 工程b)と工程c)との間に、乾燥ゾーンにガスを注入することによって洗浄した前記ケーキを乾燥させる工程、
- 工程c)の後に、ろ過サイクルを再開する前に清掃ゾーンにおいて前記セルを洗浄する工程
のうち少なくとも一方を含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも前記ろ過ゾーン、洗浄ゾーン、及び乾燥ゾーンにおいて圧力が印加され、前記圧力はゾーンによって異なることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ろ過ゾーンにおいて印加される前記圧力は、1.1~9バールであり、好ましくは1.5~7バールであり、更により好ましくは1.5~5バールであり、更により好ましくは2~4バールであることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記洗浄ゾーンにおいて印加される前記圧力は、1.1~9バールであり、好ましくは1.5~9バールであり、更により好ましくは2~8バールであり、更により好ましくは3~7バールであることを特徴とする、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記乾燥ゾーンにおいて印加される圧力は、1.1~10バールであり、より好ましくは2~10バールであり、更により好ましくは3~10バールであり、更により好ましくは4~10バールであることを特徴とする、請求項5から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
工程b)において、前記洗浄は、少なくとも90質量%のアクリロニトリルを含有する溶液で実施されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ガスは、前記乾燥工程において10℃~150℃の温度にあることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶の前記懸濁液は、10~30質量%の2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の結晶を含むことを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記ドラムの回転速度は毎分2~60回転であることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶の前記懸濁液の供給速度は、1m3/h~30m3/hであることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記方法が、放出された前記ケーキを2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶が得られるまで乾燥させる工程を含むことを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、水溶性スルホン化モノマー、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(2-acrylamido-2-methylpropane sulfonic acid:ATBS)の製造に関し、より正確にはロータリープレッシャーフィルターによって2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の結晶の懸濁液をろ過するための新規な方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸は、アクリル繊維における添加剤として、又は石油工業、建築、水処理(海水淡水化、鉱物産業、等)若しくは化粧品等の様々な分野において分散剤、ヒドロゲル、若しくは増粘剤として使用されるポリマーを得るための原料として、広く使用されている。
【0003】
2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸を調製する方法で行われる反応は、アクリロニトリルが反応の溶媒及び試薬の双方となるように過剰に存在する下記の反応スキームに対応する。アクリロニトリルは、硫酸及びイソブチレンと接触させる。
【0004】
【化1】
【0005】
2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸は、アクリロニトリル溶媒には溶解しない。よって、反応生成物は、反応溶媒中における結晶の懸濁液の形態にある。
【0006】
例として、米国特許第6,448,347号は、連続モードでの2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の製造方法を開示している。
【0007】
2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸は、その後、一般的にはろ過によって、アクリロニトリルから分離され、次に乾燥される。2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の乾燥は、結晶に残留するアクリロニトリル及びアクリルアミドの量を低減するために必要である。これらの2つの化合物は、発がん性成分CMRとして分類されており、従って、有効なろ過を実施してアクリロニトリルを除去し、次にアクリロニトリル及びアクリルアミドの含有量をできるだけ低くするために2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸を乾燥させることが必要である。
【0008】
「Iranian J. of Polymer Science and Technology Vol 4 No. 1、1995年」に公開された「On the Ritter synthesis of N-tert-butylacrylamide, reaction between tert-butylalcohol and acrylonitrile in non-aqueous system」と題された論文に記載されているように、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の収率は、合成媒体中における遊離三酸化硫黄(SO3)の比率に関連している。換言すると、媒体がスルホン化するほど、反応は2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸に対してより選択的となり、N-tert-ブチルアクリルアミドを損なう。
【0009】
加えて、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸を製造するための方法に関する米国特許第8,247,601号では、IBSA(2-メチル-2-プロペニル-1-スルホン酸)不純物及びIBDSA(2-メチリデン-1,3-プロピレンジスルホン酸)不純物が、この製造方法の副生成物であることが説明されている。これらの2つの反応副生成物の濃度は、反応混合物中に存在する三酸化硫黄の濃度に比例する。
【0010】
2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸に由来する不純物は、たとえ低濃度であっても、重合、及び得られるポリマーの品質、より詳細にはその分子量及び非水溶性成分の割合に強く影響するため、精製が必要である。
【0011】
米国特許第8,247,601号は、第1の態様において、IBSA及びIBDSAの濃度の液体クロマトグラフィーによるオンラインモニタリングに基づく、反応混合物に導入されるべき三酸化硫黄の量の制御を開示している。第2の態様において、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶は、遠心分離による固体/液体分離を受ける。
【0012】
特許WO2017/162545は、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶の固体/液体分離のためのろ過又は遠心分離技術の使用を開示している。
【0013】
一般的に用いられる連続ろ過技術としては、真空ベルトフィルター、ソリッドボウルデカンター又は有孔ボウルデカンター(perforated bowl decanter)が挙げられる。
【0014】
真空ベルトフィルターは、ろ過されるべき懸濁液と、ろ過布との間に真空を生じさせるために真空のエネルギーを用いる。従って、ろ過の速さは、1バール(bar)の減圧(絶対真空)によって制限される。加えて、これらのフィルターは一般に水平式である。従って、ろ過ユニット当たり大きなフロアゾーンを使用する必要がある。
【0015】
ソリッドボウルデカンターは、液体から固体を分離するために遠心力を用いる連続ろ過技術である。こうしてデカントされた生成物は、設備から生成物を取り出すために回転スクリューによって搬送される。2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の結晶分離の一部として、結晶をソリッドボウルデカンターにおいて洗浄することができない。加えて、こうして得たケーキの残留液分(residual moisture)が高すぎるため、ケーキを乾燥設備に搬送することができない。最終的に、この残留液分は、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶の乾燥工程中に蒸発させる必要があるほどの量のアクリロニトリルを構成する。
【0016】
有孔ボウルデカンターは、ソリッドボウルデカンターと同じ不都合を有する。付随的に注目すべきは、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶は一般に100μm前後のD50粒径を有するが、ソリッドボウルデカンターを使用するための最小粒径は500μmであるということである。従って、そのような技術を用いることにより、ろ過液中における結晶の重大な損失が生じるであろう。
【0017】
例えば、垂直及び水平絞り器(wringer)、プレッシャーフィルター、Nutscheフィルター又はユニバーサルフィルター(Gaudfrin社ブランド)等の、非連続的なろ過技術も存在する。
【0018】
プレッシャーフィルターは、ろ過室を充填することにより、ろ過エネルギーとしてスラリーの供給圧力を用いる。こうして形成されたケーキの絞りを改善するために、膜/ダイヤフラムを用いてケーキを圧縮する。この技術は、これによりろ過速度及び後続の操作中におけるこのケーキの洗浄品質の低下が生じるため、圧縮性結晶の状況では適当ではないことが知られている。
【0019】
垂直及び水平絞り器は、遠心力を用いて液体から固体を分離する。最初のろ過工程の後、ケーキの洗浄が直ちに実施されず、ケーキの表面の亀裂を生じ、従って優先的経路を生じることは珍しいことではない。従って、これらの優先的経路のために洗浄工程が効率的ではなく、適切な品質を得るために洗浄液の過剰な消費を必要とする。垂直又は水平絞り器は、数百キログラムまで落ちる、比較的低いバッチケーキ生産能力を有する。
【0020】
Nutscheフィルターは、底部にろ過布を有した円筒状容器である。懸濁液は圧力下で供給され、このセットは真空下に配置することができる。これらのフィルターの寸法を考えると、得られるケーキの厚さはかなりあり、最高で数十センチメートルである。ろ過速度は、ケーキの厚さに依存する。従って、ケーキが厚い程、同一のろ過表面に対して、ろ過時間が長くなる。加えて、Nutscheフィルターは、水平又は垂直絞り器と同じ不都合を有する、すなわち、ろ過の終了と結晶洗浄工程の開始との間にケーキの表面上に優先的経路を生じる。
【0021】
Gaudfrin社からのユニバーサルフィルターは、固定コンテナに収容された懸濁液をろ過するために一組の垂直板を用いる。トレイは、様々なろ過操作、洗浄操作及びスピン操作(spinning operation)を実施するために、あるコンテナから別のコンテナに移動される。残念ながら、Gaudfrin社のユニバーサルフィルターは、ろ過工程、洗浄工程及び乾燥工程が存在するのと同数のコンテナを必要とする。加えて、ろ過エネルギーは、ろ過されるべき懸濁液とファブリックの内部との間の真空による減圧によって得られる。従って、ろ過の速さは大幅に低下する。
【0022】
文書WO2009/072480によって教示されるように、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸を得るための方法は、反応媒体中の三酸化硫黄の割合の制御によってIBSA及びIBDSA副生成物の割合を制御するために、好ましくは連続的であるべきである。従って、非連続的なフィルターのセットは適当ではなく、バッファー貯蔵庫の使用を必要とする。バッファー貯蔵庫におけるこれらの待機時間中に、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶は経時的に劣化する。いかなる理論によっても拘束されるものではないが、反応媒体に存在する酸性度により、IBSA及びIBDSA副生成物が経時的に生じ続ける。加えて、非連続的なフィルターのバッチ当たりの生産性が低いことを考えると、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸を得るための連続法によって生成される量をろ過できるようにするためには、設置される設備の数を増やす必要がある。
【0023】
本出願人のWO2017/046546の文書は、ATBS結晶の生成を開示しており、指示として、回転ドラムフィルターを含む様々な固体/液体分離方法を提示しているが、方法の優先性を示しておらず、またろ過パラメータも規定していない。
【0024】
文書GB1307240は、スラリーの固体/液体分離を行うための回転ドラムフィルターを開示しているが、いかなるろ過パラメータも定義していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0025】
【文献】米国特許第6,448,347号
【文献】米国特許第8,247,601号
【文献】WO2017/162545
【文献】WO2009/072480
【文献】WO2017/046546
【文献】GB1307240
【非特許文献】
【0026】
【文献】「On the Ritter synthesis of N-tert-butylacrylamide, reaction between tert-butylalcohol and acrylonitrile in non-aqueous system」、Iranian J. of Polymer Science and Technology Vol 4 No. 1、1995年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
従って、連続法を提供するとともに、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の純度を改善することを目的として、既存の2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の結晶を生成するための方法を改善する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本出願人は、驚いたことに意外にも、ロータリープレッシャーフィルターによる2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶の懸濁液のろ過によって前述の目的を達成することが可能となることをまさに発見した。
【0029】
本発明は、ドラムが設けられ、該ドラムの表面上で少なくとも1つのろ過工程が実施されるロータリープレッシャーフィルターによって、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶の懸濁液をろ過するための連続法に関し、前記表面にはフィルター媒体で覆われたセルが設けられている。
【0030】
本発明はまた、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶の懸濁液を製造する工程と、次に圧力下でのロータリーフィルターによる前記懸濁液のろ過工程とを含む、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸を製造するための方法にも関する。
【0031】
加えて、本発明は、本発明の方法によって得られた2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶のケーキに関する。
【0032】
本発明はまた、前記ケーキから結晶の形態にある2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸を製造するための方法にも関する。
【0033】
本発明はまた、本発明の方法によって得られた2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶から得られたポリマー、並びに、石油及びガスの回収、水処理、スラッジ処理、製紙、建築、鉱業、化粧用配合物、洗剤配合物、紡織業、又は農業におけるこれらのポリマーの使用にも関する。
【0034】
より詳細には、本発明は、ドラムが設けられたロータリープレッシャーフィルターを用いて、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶の懸濁液をろ過するための連続法であって、ドラムの表面にはフィルター媒体で覆われたセルが設けられており、前記ドラムは、互いから封止された少なくとも3つのゾーン、それぞれ、ろ過ゾーン、洗浄ゾーン、及び放出ゾーンを備えた固定された同心円筒内で回転し、各ゾーンはセル上に開口しており、前記方法は、以下の工程、
a)ろ過ゾーンに2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶の懸濁液を供給し、好ましくは同時に、セルにおいて前記懸濁液をケーキが形成されるまでろ過する工程と、
b)洗浄ゾーンに洗浄液を供給し、好ましくは同時に、セルに形成されたケーキを洗浄する工程と、
c)洗浄したケーキを放出ゾーンでセルから放出する工程と
を含む、連続法に関する。
【0035】
本発明によれば、フィルター媒体で覆われたセルの深さは6~150mmであり、ろ過ゾーン及び洗浄ゾーンでは1~10バールの圧力が印加される。
【0036】
実際には、本方法は以下の付加的な工程、
- 工程a)と工程b)との間に、ろ過から生じるろ液を同時に排出する工程と、
- 工程b)と工程c)との間に、洗浄から生じるろ液を同時に排出する工程と
を有する。
【0037】
本発明の好ましい実施形態によれば、工程b)において、洗浄は、少なくとも90質量%のアクリロニトリルを含有する溶液で実施され、好ましくは、アクリロニトリルから成る溶液又は90から99.9質量%のアクリロニトリルと0.1から10質量%の水とを含む溶液で実施される。
【0038】
好ましい実施形態において、本方法は、工程b)の後に第1の洗浄ゾーンに隣接した第2の洗浄ゾーンにおける少なくとも1つの付加的な圧力洗浄工程を含み、好ましくは、工程b)の後に第1の洗浄ゾーンに隣接した第2の洗浄ゾーン及び第3の洗浄ゾーンのそれぞれにおける少なくとも2つの付加的な洗浄工程を含む。換言すると、本発明による方法は、好ましくは3つの連続した洗浄工程を含む。
【0039】
好ましい実施形態において、本方法は、以下の2つの付加的な工程、
- 工程b)と工程c)との間に、乾燥ゾーンにガスを注入することによって洗浄したケーキを乾燥させる工程、
- 工程c)の後に、ろ過サイクルを再開する前に清掃ゾーンにおいてセルを洗浄する工程
のうち少なくとも一方を含む。
【0040】
本発明の好ましい実施形態によれば、乾燥工程において、ガスは、10~150℃、より好ましくは30~80℃の温度にある。ガスは、好ましくは窒素等の不活性ガスである。
【0041】
2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶の懸濁液は、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の結晶の懸濁液をもたらす、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の製造のためのあらゆる方法によって得ることができる。懸濁液は、好ましくは10~30質量%、より好ましくは15~25質量%の2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶を含む。
【0042】
本発明によるロータリープレッシャーフィルターは、全体として、回転円筒状ドラムと、ドラムを包囲する固定された同心円筒とを備えるとともに、いくつかの注入口又はゾーン、一般的には、ろ過されるべき懸濁液用注入口、洗浄液用注入口、乾燥ガス用注入口、清掃液用注入口、及びろ過した物質を放出するための放出口が設けられている。
【0043】
本発明において、「ロータリープレッシャーフィルター」という表現は、ろ過に使用され、一般的には前述の要素を備える装置を表すために用いられる。換言すると、「ロータリープレッシャーフィルター」という表現は、フィルター媒体で覆われたセルが設けられたドラムのみに限定されるものではないが、全体として上記装置に関係する。
【0044】
セルが回転ドラムの表面全体にわたって配置されている。これらのセルは、ドラムの外側に開口し、よって結晶の懸濁液を受容できるようにする面と、フィルターが設けられた内側の面とを有する。
【0045】
本発明の本質的特質によれば、セルの深さは、6~150mmであり、好ましくは10~100mmであり、より好ましくは15~70mmであり、更により好ましくは20~70mmであり、更により好ましくは30~60mmである。
【0046】
液体及びガス状の流出物は、任意の既知の手段によってロータリーフィルターから排出される。そのような手段は、実際にはドラムの中心に位置して流出物をすべて受容する単一のパイプ、又はある種類の流出物をそれぞれ受容する個別のパイプとすることができる。
【0047】
本発明による方法が少なくとも2つの洗浄工程を含む場合、洗浄ゾーンの各々から来る流出物は、別々に又はまとめて収集され得る。別々に又はまとめて収集された一種又は複数種の流出物は、後続の洗浄に使用され得る。換言すると、流出物は洗浄液として使用され得る。
【0048】
本発明による特定のモードにおいて、洗浄工程中、本方法が少なくとも2つの洗浄工程を含む場合には、ロータリーフィルター内に存在するケーキは、並流モード又は向流モードで洗浄される。
【0049】
並流モードでは、洗浄ゾーンn-1からの少なくとも一種の流出物は、洗浄ゾーンnのための洗浄液として使用される。例えば、3つの洗浄ゾーンを備える方法の場合には、第1の洗浄ゾーンからの流出物は第2の洗浄ゾーンにおいて洗浄液として使用され、第2の洗浄ゾーンからの流出物は第3の洗浄ゾーンにおいて洗浄液として使用される。
【0050】
向流モードでは、洗浄ゾーンn+1からの少なくとも一種の流出物は、洗浄ゾーンnのための洗浄液として使用される。例えば、3つの洗浄ゾーンを備える方法の場合には、第3の洗浄ゾーンからの流出物は第2の洗浄ゾーンにおいて洗浄液として使用され、第2の洗浄ゾーンからの流出物は第1の洗浄ゾーンにおいて洗浄液として使用される。好ましくは、最後の洗浄ゾーンにおいて使用される洗浄液は、所謂「きれいな」溶液であり、つまり、まだ洗浄に使用されていないものであり、好ましくは、少なくとも90質量%のアクリロニトリルを含有する溶液であり、より好ましくはアクリロニトリルからなる溶液、又は90から99.9質量%のアクリロニトリルと0.1から10質量%の水とを含む溶液である。向流モードが好ましい。
【0051】
他の場合にはメッシュ開口と呼ばれるセルのフィルターのサイズは、好ましくは1~500μmであり、より好ましくは5~250μmである。
【0052】
本発明の好ましい実施形態において、同心の固定円筒は、
- 注入口を備え、該注入口を介してドラムセルが圧力下で2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶の懸濁液を供給される、ろ過ゾーン(1)と、
- 注入口を備え、該注入口を介してドラムセルが圧力下で洗浄液を供給される、洗浄ゾーン(2)と、
- 任意選択で少なくとも、注入口を備え、該注入口を介してドラムセルが圧力下で洗浄液を供給される、第2の洗浄ゾーン(3)と、
- 注入口を備え、該注入口を介してドラムセルが圧力下でガスを供給される、乾燥ゾーン(4)と、
- スクレーパーを備え、セルからのケーキの除去を可能にする放出ゾーン(5)と、
- 注入口を備え、該注入口を介してセルが清掃液を供給される、清掃ゾーン(6)とを備え、各ゾーンが分離手段によって他のゾーンから分離されており、異なるゾーン間の封止を確保することが可能となる。
【0053】
本発明の好ましい実施形態において、同心の固定円筒は第2の洗浄ゾーン、及び好ましくは第3の洗浄ゾーンを備える。これらの洗浄ゾーンは順次配置され、最初の洗浄ゾーンはろ過ゾーンの後に配置され、最後の洗浄ゾーンは乾燥ゾーンの前に配置される。
【0054】
2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶の懸濁液は、ろ過ゾーン内に圧力下で連続的に導入され、次に、該懸濁液は、印加圧力下でろ過されるためにセルにとどまる。次に、液体の一部がセルから抜き出されて排出される。
【0055】
圧力が印加される場合、圧力は、固定円筒の外側から固定円筒の内部に向かって印加される。ケーキは、放出ゾーンで取り出されるまで、本方法を通じてセルに残存する。
【0056】
円筒状ドラムが動いている間、セルは洗浄ゾーンに入るためにゾーンを変更し、洗浄ゾーンには、印加圧力下で洗浄液、好ましくは少なくとも90質量%のアクリロニトリルを含有する溶液が注入される。同じように、次にセルから液体が抜き出され放出される。
【0057】
任意選択で、セルは少なくとも第2の洗浄ゾーンに入り、第1の洗浄ゾーンにおけるのと同じプロセスに従う。
【0058】
次に、セルは、圧力下でガスが注入される乾燥ゾーンに入る。ガスは、好ましくは高温であり、好ましくは10℃~150℃、より好ましくは30~80℃の温度を有する。ガスは、一般的には窒素等の不活性ガスである。アクリロニトリルで満たされた上記ガスは、アクリロニトリルを回収するために凝縮器に排出され、このアクリロニトリルは2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸を製造するための方法で再利用される。
【0059】
最後に、セルは、こうして得られた結晶ケーキを放出するために放出ゾーンに入る。結晶ケーキの放出は、好ましくは、ケーキをセルから取り出すことを可能にするスクレーパーによって実施される。このゾーンでは、反対方向、すなわち円筒の内側から外側への圧力が好ましくは印加され、それによりケーキが適切に放出されることが可能となる。使用されるガスは、一般的には窒素である。
【0060】
セルは、次に任意選択で、清掃ゾーンにおいて溶媒で清掃される。一般的には、溶媒は、少なくとも90質量%のアクリロニトリルを含有する溶液である。次いで溶媒は抜き出される。その後、セルはろ過ゾーンにおいて結晶懸濁液で再び満たされるための準備が整う。清掃ゾーンでは、1~10バールの圧力が有利に印加される。
【0061】
ドラムの回転速度は、好ましくは毎分2~60回転であり、より好ましくは毎分5~40回転である。
【0062】
ろ過ゾーン、洗浄ゾーン、及び乾燥ゾーンにおいて、任意でその他(放出ゾーン、清掃ゾーン)に、組織的に印加される圧力は1~10バールであり、この圧力はゾーンによって又は工程によって異なっていてもよい。印加される圧力は、好ましくは1.1~9バールであり、好ましくは1.5~9バールであり、より好ましくは2~7バールである。
【0063】
本発明による好ましい実施形態において、上記圧力はゾーンによって又は工程によって異なる。
【0064】
この好ましい実施形態において、ロータリーフィルターのろ過ゾーンにおいて印加される圧力は、1~10バールであり、好ましくは1.1~9バールであり、より好ましくは1.5~7バールであり、更により好ましくは1.5~5バールであり、更により好ましくは2~4バールである。
【0065】
この好ましい実施形態において、ロータリーフィルターの洗浄ゾーンにおいて印加される圧力は、1~10バールであり、好ましくは1.1~9バールであり、より好ましくは1.5~9バールであり、更により好ましくは2~8バールであり、更により好ましくは3~7バールである。
【0066】
この好ましい実施形態において、ロータリーフィルターの乾燥ゾーンにおいて印加される圧力は、1~10バールであり、好ましくは1.1~10バールであり、より好ましくは2~10バールであり、更により好ましくは3~10バールであり、更により好ましくは4~10バールである。
【0067】
ろ過ゾーンにおける2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶の懸濁液の供給速度は、1m3/h~30m3/hである。
【0068】
ドラムは、好ましくは、0.5m~2.5mの直径、及び0.1m~3mの長さを有する。
【0069】
本発明はまた、上述したようなロータリープレッシャーフィルターによるろ過工程を含む、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸を製造するための方法にも関する。2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶の懸濁液は、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶の懸濁液をもたらす、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の製造のためのあらゆる方法によって得られ得る。
【0070】
本発明はまた、本発明の方法によって得られた2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶のケーキにも関する。この結晶ケーキは、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶に高度に濃縮されている。好ましくは、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶の濃度は75~99質量%である。得られた結晶ケーキはまた、ごく少量のアクリロニトリル、IBSA及びIBDSAも含有する。好ましくは、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶のケーキは、25質量%未満のアクリロニトリル、より好ましくは20質量%未満のアクリロニトリルを含有する。
【0071】
上記ケーキは、好ましくは100ppm未満のIBSA及び10ppm未満のIBDSA、より好ましくは70ppm未満のIBSA及び70ppm未満のIBDSA、一層より好ましくは厳密に60ppm未満のIBSA及び厳密に60ppm未満のIBDSA、更により好ましくは55ppm未満のIBSA及び55ppm未満のIBDSA、更により好ましくは50ppm未満のIBSA及び50ppm未満のIBDSA、更により好ましくは40ppm未満のIBSA及び40ppm未満のIBDSAを含有する。IBSA及びIBDSA不純物レベルは、液体クロマトグラフィーによって、例えば、以下の方法:GL Science社製のODS-3カラム、溶離剤:0.03%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル溶液、溶離剤流量:0.8ml/分、及び検出器波長:200nmに従って測定される。
【0072】
本発明はまた、乾燥によって前記ケーキから結晶の形態にある2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸を生成するための方法にも関する。実際上、結晶ケーキは、粉末状の結晶を得るために、一般的には乾燥器で乾燥される。一般に、乾燥工程の後、結晶中のアクリロニトリルの濃度は1000ppm未満である。
【0073】
本発明の別の態様は、コポリマーを製造するための、本発明の方法によって得られた2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶の使用に関する。本発明のこの態様はまた、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸塩の使用にも及ぶ。
【0074】
本発明はまた、本発明の方法によって得られた2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶から得られたポリマーにも関する。結晶が非常に高純度を有するため、こうして得られたポリマーは改善された性能を示す。
【0075】
実際、本発明の方法による2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶から得られたポリマーはより高い分子量を有する。加えて、上記ポリマーは、それらのポリマーが溶解されるときに、不溶性粒子を示さない。一般的に、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶は、ポリマーを製造するために使用される前に水溶液に入れられる。
【0076】
本発明の特定の実施形態によれば、上記ポリマーは、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸のホモポリマーである。
【0077】
本発明の別の特定の実施形態によれば、上記ポリマーは、本発明の方法によって得られた2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸と少なくとも一種の水溶性モノマーとを含むコポリマーである。
【0078】
上記水溶性モノマーは、水溶性ビニルモノマー、特にアクリルアミド; N-イソプロピルアクリルアミド; N,N-ジメチルアクリルアミド; N-ビニルホルムアミド; アクリロイルモルホリン; N,N-ジエチルアクリルアミド; N-tert-ブチルアクリルアミド; N-tert-オクチルアクリルアミド; N-ビニルピロリドン; N-ビニルカプロラクタム; N-ビニル-イミダゾール、ヒドロキシエチルメタクリルアミド、ヒドロキシプロピルアクリレート、イソプレノール、及びジアセトンアクリルアミドを含む群から特に選択され得る非イオン性モノマーであり得る。有利には、上記非イオン性モノマーはアクリルアミドである。
【0079】
上記水溶性モノマーはまた、アニオン性モノマーの群からも選択され得る。本発明の枠組み内で使用され得るアニオン性モノマーは大きな群から選択され得る。これらのモノマーは、アクリル、ビニル、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、イタコン酸、アリルの官能基を有することができ、カルボキシレート基、ホスホネート基、ホスフェート基、サルフェート基、スルホネート基、又はアニオン電荷を有した他の基を含み得る。アニオン性モノマーは、酸の形態であってもよいし、又は代わりにアルカリ土類金属塩、アルカリ金属塩、若しくはアンモニウム塩の形態であってもよい。適当なモノマーの例としては、アクリル酸;メタクリル酸;イタコン酸;クロトン酸;マレイン酸;フマル酸;例えばスルホン酸型又はホスホン酸型の官能基を示す強酸型のモノマー、例えば、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、2-メチリデンプロパン-1,3-ジスルホン酸、2-スルホエチルメタクリレート、スルホプロピルアクリレート、アリルホスホン酸、スチレンスルホン酸等;及びこれらのモノマーのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、又はアンモニウム塩等のこれらのモノマーの水溶性塩が挙げられる。
【0080】
上記水溶性モノマーは、アミン官能基又は第四級アンモニウム官能基を有するアクリルアミド型、アクリル型、ビニル型、アリル型、又はマレイン酸型のカチオン性モノマーであってもよい。特に、かつ限定されることなく、四級化又は塩化されたジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA)及びジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド(DADMAC)、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC)、並びにメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)に言及することができる。
【0081】
上記水溶性モノマーは、アクリルアミド、アクリル、ビニル、アリル、又はマレイン酸の単位を有し、アミン官能基又は第四級アンモニウム官能基及びカルボン酸(若しくはカルボキシレート)型、スルホン酸(若しくはスルホネート)型又はリン酸(若しくはホスフェート)の酸官能基を有する誘導体等の双性イオン性モノマーとすることができる。例えば、2-((2-(アクリロイルオキシ)エチル)ジメチルアンモニオ)エタン-1-スルホネート、3-((2-(アクリロイルオキシ)エチル)ジメチルアンモニオ)プロパン-1-スルホネート、4-((2-(アクリロイルオキシ)エチル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネート、[2-(アクリロイルオキシ)エチル](ジメチルアンモニオ)アセテート、ジメチルアミノエチルメタクリレートの誘導体、例えば、2-((2-(メタクリロイルオキシ)エチル)ジメチルアンモニオ)エタン-1-スルホネート、3-((2-(メタクリロイルオキシ)エチル)ジメチルアンモニオ)プロパン-1-スルホネート、4-((2-(メタクリロイルオキシ)エチル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネート、[2-(メタクリロイルオキシ)エチル](ジメチルアンモニオ)アセテート等、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドの誘導体、例えば、2-((3-アクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ)エタン-1-スルホネート、3-((3-アクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ)プロパン-1-スルホネート、4-((3-アクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネート、[3-(アクリロイルオキシ)プロピル](ジメチルアンモニオ)アセテート等、ジメチルアミノプロピルメチルアクリルアミドの誘導体、例えば、2-((3-メタクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ)エタン-1-スルホネート、3-((3-メタクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ)プロパン-1-スルホネート、4-((3-メタクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネート及び[3-(メタクリロイルオキシ)プロピル](ジメチルアンモニオ)アセテート等に言及することができる。
【0082】
本発明によれば、上記コポリマーは、直鎖構造、分岐鎖構造、架橋構造、星(星状)構造、又はくし(くし状)構造を有し得る。これらの構造は、開始剤、移動剤、又は、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)やニトロキシド媒介重合(NMP)として知られているか、若しくは原子移動ラジカル重合(ATRP)による制御ラジカル重合等の重合技術、構造モノマーの組み込み、濃度を選択することによって得られ得る。
【0083】
一般に、上記コポリマーは、特定の重合プロセスの開発を必要としない。実際、上記コポリマーは、当業者によく知られたあらゆる重合技術によって得ることができる。そのような重合技術は、特に、溶液重合、ゲル重合、沈殿重合、(水系又は逆相)乳化重合、懸濁重合、反応性押し出し重合、又はミセル重合であり得る。
【0084】
本発明の特定の実施形態によれば、上記コポリマーは後加水分解され得る。後加水分解は重合後のコポリマーの反応である。この工程は、アミド官能基又はエステル官能基等の非イオン性モノマーの加水分解可能な官能基を塩基と反応させることからなる。上記コポリマーのこの後加水分解工程中に、カルボン酸官能基の数が増加する。実際、塩基とコポリマー中に存在するアミド官能基又はエステル官能基との反応は、カルボキシレート基を生成する。
【0085】
上記コポリマーは、その調製が噴霧乾燥、ドラム上での乾燥、電磁放射(高周波マイクロ波)による乾燥、又は流動床における乾燥等の乾燥工程を含む場合には、液体、ゲル又は固体の形態であり得る。
【0086】
上記コポリマーは、10,000~30,000,000ダルトンの分子量を有し得る。上記コポリマーは、分散剤、凝集剤、又は超吸収剤であってもよい。
【0087】
上記コポリマーは、好ましくは少なくとも10モル%、優先的には少なくとも30モル%、より好ましくは少なくとも50モル%の、本発明の方法によって得られた2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸を含有する。
【0088】
本発明はまた、本発明の方法によって得られた2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶から得られたポリマーの、石油及びガスの回収、水処理、スラッジ処理、製紙、建築、鉱業、化粧用配合物、洗剤配合物、紡織業、又は農業における使用にも関する。
【0089】
石油及びガスの回収プロセスは一般に地下層の処理であり、この処理において、上記ポリマーは、水性注入流体の粘度を増大させるため、及び/若しくは地下層への前記流体の注入中に生じる摩擦抵抗のレベルを下げるため、又は地下層の一部をきちんと又は確実に塞ぐためにさえ、使用される。
【0090】
これらの地下処理は、ポリマー溶液で押し流すことによる、孔あけ操作、破砕操作等の刺激処理、完了操作(completion operation)、及び石油回収の改善されたプロセスを含むが、これらに限定されるものではない。
【0091】
本発明はまた、本発明の方法によって得られた2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶から得られたポリマーの、特に凝集剤、分散剤、増粘剤、吸着剤、又は減摩剤としての使用にも関する。
【0092】
本発明及び本発明から生じる利点は、本発明を説明するために、限定されないように与えられた以下の図及び実施例からより明確に分かってくるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0093】
図1】ロータリープレッシャーフィルターの異なるゾーンを概略的に表す図である。
図2】本発明によるロータリープレッシャーフィルターの様々な要素を概略的に表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0094】
より正確には、図1は、ろ過ゾーン(1)、第1の洗浄ゾーン(2)、第2の洗浄ゾーン(3)、乾燥ゾーン(4)、放出ゾーン(5)、及び清掃ゾーン(6)を示す本発明によるロータリープレッシャーフィルターの単純化した断面を表す。
【0095】
より正確には、図2は、第2の洗浄ゾーン(3)を備えていない本発明によるロータリーフィルターの断面を表す。本発明によるロータリーフィルターは固定された円筒状ケーシング(7)を備え、固定された円筒状ケーシング(7)自体は、ろ過ゾーン(1)、洗浄ゾーン(2)、乾燥ゾーン(4)、放出ゾーン(5)及び清掃ゾーン(6)を備える。また、このロータリーフィルターは、回転ドラム(8)及び中心軸(9)も含む。円筒状ケーシングは、各ゾーンのための封止された分離要素(10)、ろ過されるべき懸濁液用注入口(11)、洗浄用注入口(12)、乾燥用注入口(13)、放出ゾーン(5)、及び清掃用注入口(14)を備える。回転ドラムは、フィルター(16)が設けられたセル(15)を備える。
【実施例
【0096】
(実施例1)
2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の結晶懸濁液の生成
いくつかのATBS結晶懸濁液をTable 1(表1)に詳述した操作条件に従って生成する。
【0097】
アクリロニトリル及び硫酸を、第1の1,000リットルのステンレス鋼反応器へ連続的に加える。
【0098】
この第1の反応混合物を-10℃の温度に冷却する。
【0099】
第2の10,000リットルの反応器に、上述した混合物、及びイソブチレンを連続的に供給する。この混合物の温度は、混合温度と呼ばれる所定温度で維持する。
【0100】
2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の結晶懸濁液A~Gをこのようにして得る。
【0101】
【表1】
【0102】
以下のろ過実施例において、フィルターのサイズは、連続法を得ることを目標として、それ自体が原料流量に依存するフィルターに供給する流量に従って適合される。実際、Table 1(表1)では、10m3反応器中における滞留時間に依存して、アクリロニトリル、硫酸及びイソブチレンの流量の合計は比例的に変化できる。
【0103】
従って、以下のろ過実施例では、時間当たり、及びろ過表面の1平方メートル当たりの、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸のkgにおけるろ過速度が再計算される。
ろ過流量(kg/h/m2)=供給流量(kg/h)/ろ過表面(m2)
【0104】
(実施例2)
回転加圧フィルターによるろ過
実施例1で生成したATBS結晶懸濁液A~Gを上述したロータリーフィルターのろ過ゾーン、及び従って対向するドラムのセルに供給する。懸濁液をろ過するために、懸濁液を圧力下で供給する。
【0105】
いくつかの系列の試験を実施する。最初の5つの系列では、ろ過圧力とも呼ばれる供給圧力、洗浄圧力、及び乾燥圧力は互いに異なる。第6の系列の試験では、これらの圧力は互いに同じである。第7の系列の試験では、ろ過セルの深さが変更される。
【0106】
A) ゾーンにより異なる圧力
第1の系列の試験では、フィルター供給圧力は7バールである。この圧力はろ過ゾーンにおいて印加される圧力に相当する。
【0107】
回転ドラムは、毎分30回転の回転速度を有する。ろ過セルは、50mmの深さを有し、50μmのメッシュ開口を有したポリプロピレンろ過布で覆われている。
【0108】
ろ過セルの各々に形成されたケーキは、次に洗浄ゾーンへ搬送される。
【0109】
95質量%のアクリロニトリル及び5質量%の水を含有した1.5バールの圧力の洗浄液をロータリーフィルターの洗浄ゾーンに供給する。
【0110】
2バールの圧力の窒素ガス流をロータリーフィルターの乾燥ゾーンに供給する。
【0111】
こうして洗浄及び乾燥されたケーキは、次に放出ゾーンへ搬送される。ケーキを放出するために、ドラムの内側から加圧窒素が加えられる。加えて、ナイフがセルの内側に挿入されて、ケーキをこすり落とすのを支援する。得られたケーキは、アクリロニトリルの残留液分を有する。得られた結晶の液体クロマトグラフィーによる分析により、IBSA及びIBDSAの残留含量を完成させることができる。
【0112】
懸濁液A~Gのろ過試験の実験条件をTable 2(表2)に記録する。得られたケーキに関する分析結果をTable 3(表3)に記録する。
【0113】
【表2】
【0114】
【表3】
【0115】
第2及び第3の系列の試験では、変化する唯一のパラメータがフィルターの供給圧力、つまり、ろ過ゾーンにおいて印加される圧力のパラメータであるという点を除いて、条件は第1の系列のものと同一である。Table 4(表4)及びTable 5(表5)は、5バール(第2の系列)及び2.5バール(第3の系列)のフィルター供給圧力でそれぞれ得られた結果を要約する。
【0116】
【表4】
【0117】
【表5】
【0118】
これらの結果は、ろ過ゾーンにおける圧力が7バールから5バールに、次いで2.5バールになると、IBSA及びIBDSA不純物レベルが低下することを示している。これは、ろ過ゾーンにおける圧力の調節により、ATBSのより良好な純度を得ることが可能となることを示している。
【0119】
第4の系列の試験では、同一のATBS結晶懸濁液A~Gを同一の回転ドラムフィルターに供給する。ろ過条件は同一のままであるが、印加される圧力は以下の通りである。ろ過ゾーンにおける供給圧力は7バールであり、洗浄ゾーンにおける圧力は4バールであり、乾燥ゾーンにおける圧力は8バールである。
【0120】
得られたケーキに関する分析結果をTable 6(表6)に示す。
【0121】
【表6】
【0122】
これらの結果は、洗浄ゾーン及び乾燥ゾーンにおける圧力を4バール及び8バールにそれぞれ調節することによって、IBSA及びIBDSA不純物レベルが、前の試験と比較して更に低下することを示しており、より高純度のATBS結晶を得る可能性を表している。
【0123】
第5の系列の試験を実施し、これらの試験では、同一のATBS結晶懸濁液A~Gを同一の回転ドラムフィルターに供給する。ろ過条件は同一のままであるが、印加される圧力は以下の通りである。ろ過ゾーンにおける供給圧力は2.5バールであり、洗浄ゾーンにおける圧力は4バールであり、乾燥ゾーンにおける圧力は8バールである。
【0124】
得られたケーキに関する分析結果をTable 7(表7)に示す。
【0125】
【表7】
【0126】
これらの結果は、ゾーンの各々における異なる適切な圧力の選択により、IBSA及びIBDSA不純物のレベルを非常に低くすることができ、従って非常に高純度のATBS結晶を得ることが可能となることを示している。
【0127】
B) 複数のゾーンにおける一定圧力
第6の系列の試験を実施し、これらの試験では、同一のATBS結晶懸濁液A~Gを同一の回転ドラムフィルターに供給する。ろ過条件は同一のままであるが、印加される圧力は以下の通りである。ろ過ゾーンにおける圧力とも呼ばれる供給圧力、洗浄圧力及び乾燥圧力は、2バールに等しい。
【0128】
得られたケーキに関する分析結果をTable 8(表8)に示す。
【0129】
【表8】
【0130】
C) セル深さの変化
最後に、最終系列である第7の系列の試験は、セルの深さを変化させることによって実施する。この系列の試験では、ATBS結晶懸濁液A及びCの同一の懸濁液を、セルが変化させた深さを有する同一の回転ドラムフィルターに供給する。印加される圧力は以下の通りである。ろ過ゾーンにおける供給圧力は2.5バールであり、洗浄ゾーンにおける圧力は4バールであり、乾燥ゾーンにおける圧力は8バールである。
【0131】
回転ドラムは、毎分30回転の回転速度を有する。ろ過セルは、異なる深さを有し、50μmのメッシュ開口を有したポリプロピレンろ過布で覆われている。
【0132】
得られたケーキに関する分析結果をTable 9(表9)に示す。
【0133】
【表9】
【0134】
5mmのセル深さによる試験を実施したが、生産性が強く影響を受け、それにより本方法が工業的に持続可能なものではなくなるため、結果は満足のいくものではない。
【0135】
これらの結果は、セル深さの調節により、より良好な純度のATBSを得ることが可能となることを示している。
【0136】
(実施例3)
真空ベルトフィルターによるろ過
実施例1で生成したATBS結晶懸濁液A、C及びEを、所与のろ過ゾーンを有する真空ベルトフィルターに供給する。ベルトフィルターの内部は300ミリバール(mbar)の真空下に維持される。
【0137】
真空ベルトフィルターは、50μmのメッシュ開口を有したポリプロピレンろ過布を装備している。
【0138】
フィルター上に形成されたケーキは、次に洗浄ゾーンへ搬送される。
【0139】
95質量%のアクリロニトリル及び5質量%の水を含有した、1.5バールの圧力の洗浄液がケーキ上に噴霧される。
【0140】
2バールの圧力の窒素ガス流を真空ベルトフィルターの乾燥ゾーンに供給する。
【0141】
こうして洗浄及び乾燥されたケーキは、次にスクレーパーナイフを用いて放出される。
【0142】
得られた結晶の液体クロマトグラフィーによる分析により、IBSA及びIBDSAの残留含量を完成させることができる。
【0143】
懸濁液A、C及びEのろ過試験8~10の実験条件をTable 10(表10)に記録する。ケーキに関する分析結果をTable 11(表11)に記録する。
【0144】
【表10】
【0145】
【表11】
【0146】
(実施例4)
完全な円筒円錐形ボウル(full cylindrical-conical bowl)を有した連続デカンターによるろ過
実施例1で生成したATBS結晶の懸濁液A、B及びFを完全な円筒円錐形ボウルを有した連続デカンターに供給する。
【0147】
ボウルは毎分4,400回転の速度で回転させ、内部搬送スクリューは毎分4,420回転の速度で回転させる。
【0148】
ボウル内部で形成されたケーキは、内部スクリューによって放出ゾーンに搬送される。ソリッドボウルデカンターはケーキを洗浄することができない。従って、ケーキの洗浄は実施されない。
【0149】
得られた結晶の液体クロマトグラフィーによる分析により、IBSA及びIBDSAの残留含量を完成させることができる。
【0150】
懸濁液A、B及びFのろ過試験11~13の実験条件をTable 12(表12)に記録する。ケーキに関する分析結果をTable 13(表13)に記録する。
【0151】
【表12】
【0152】
【表13】
【0153】
得られたケーキは泥状の外観を有し、それらのケーキは当業者に既知の固体搬送技術で運ぶことが困難である。
【0154】
(実施例5)
ソリッドボウルゾーン及び有孔ボウルゾーンを有する円筒円錐形ボウルを有した連続デカンターによるろ過
14番のろ過試験では、結晶懸濁液Aを、ソリッドボウルゾーン及び有孔ボウルゾーンを有する円筒円錐形ボウル連続デカンターに供給する。ボウルの合計表面は25m2であり、有孔ボウルゾーンは500μmのメッシュサイズを有する。
【0155】
結晶懸濁液の供給速度は9,000kg/hである。
【0156】
ボウルは毎分4,400回転の速度で回転させ、内部搬送スクリューは毎分4,420回転の速度で回転させる。
【0157】
ボウル内部で形成されたケーキは、内部スクリューによって有孔ボウルのゾーンに搬送される。95質量%のアクリロニトリル及び5質量%の水を含有した、1.5バールの圧力の洗浄液が供給され、ケーキ上に噴霧される。
【0158】
得られたケーキは、65質量%のアクリロニトリル残留液分、及び泥状の外観を有する。このケーキは、当業者に既知の固体搬送技術で運ぶことが困難である。
【0159】
加えて、ケーキの50%がフィルターを通過しており、ろ過液中の懸濁物に見られる。これは2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の、直接的な損失を表し、従って収率を表す。
【0160】
得られた結晶の液体クロマトグラフィーによる分析は、得られた結晶が300ppmのIBSA含有量及び280ppmのIBDSA含有量を有することを示している。
【0161】
結晶懸濁液のろ過速度は498kg/m2/hである。
【0162】
結論として、これらの実施例は、本発明によるろ過方法が、他のろ過方法で得られたものよりも遥かに低レベルのIBSA及びIBDSAを有する2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶を得ることを可能にすることを示している。従って、本発明による方法は、優れたろ過性能及び結晶のアクリロニトリルの残留液分を保持しながら、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸結晶の純度を著しく改善することを可能にする連続法を提供する。更に、この改善には、ろ過速度の増大、従って生産性の増大が付随することは注目されるべきである。
【符号の説明】
【0163】
1 ろ過ゾーン
2 第1の洗浄ゾーン
3 第2の洗浄ゾーン
4 乾燥ゾーン
5 放出ゾーン
6 清掃ゾーン
7 円筒状ケーシング
8 回転ドラム
9 中心軸
10 封止された分離要素
11 懸濁液用注入口
12 洗浄用注入口
13 乾燥用注入口
14 清掃用注入口
15 セル
16 フィルター
図1
図2