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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】拘束デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/12 20060101AFI20240618BHJP
【FI】
A61B17/12
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022069233
(22)【出願日】2022-04-20
(62)【分割の表示】P 2019081624の分割
【原出願日】2014-03-14
(65)【公開番号】P2022089950
(43)【公開日】2022-06-16
【審査請求日】2022-04-20
(31)【優先権主張番号】1350319-8
(32)【優先日】2013-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】517409413
【氏名又は名称】インプランティカ・パテント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】フォーセル,ペーター
【審査官】和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-500139(JP,A)
【文献】国際公開第2000/009049(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0015474(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0157759(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/12
A61F 2/08
A61F 2/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の尿道を拘束するよう構成された埋め込み可能な拘束要素を操作するための操作デバイス(110)であって、この操作デバイス(110)は、流体を保持するリザーバ(160a)と、操作部材(444)と、電気モータ(130)と、可撓性エンクロージャ(111)とを有しており、
前記リザーバ(160a)は第1の壁部分(163a)を備え、この第1の壁部分(163a)は前記リザーバの容積を可変するよう移動でき、それにより、該リザーバ(160a)から前記拘束要素に流体を移送し、
前記操作部材(444)は前記第1の壁部分(163a)に接続されており、その操作により、前記リザーバ(160a)の容積を変更し、
前記電気モータ(130)は前記操作部材(444)に接続されており、該電気モータ(130)の動力により該操作部材(444)を介して、前記リザーバ(160a)の容積を変更し、
前記可撓性エンクロージャ(111)は前記第1の壁部分(163a)と操作部材(444)を囲んでおり、
前記可撓性エンクロージャ(111)は前記リザーバ(160a)の外側の壁部分(163b)を含み、
前記第1の壁部分(163a)の平均厚みは、前記リザーバ(160a)の外側の壁部分(163b)の平均厚みより小さい
操作デバイス(110)。
【請求項2】
さらに、前記操作部材(444)と電気モータ(130)の間に接続された歯車系(140)を有し、この歯車系(140)は、前記リザーバ(160a)の容積を変更するために、長いストロークを有する電気モータ(130)からの弱い力を、短いストロークを有する操作部材(444)に作用する強い力に変換するよう構成されている
請求項1に記載の操作デバイス(110)。
【請求項3】
さらに、前記リザーバ(160a)から前記拘束要素に流体を移送するための前記リザーバ(160a)に接続された流体導管(162a)を有する
請求項1または2に記載の操作デバイス(110)。
【請求項4】
前記操作部材(444)はねじ山付き部材(441a)を有し、このねじ山付き部材(441a)に係合するよう構成されたねじ山付きシャフト(149)を、前記モータ(130)に接続または前記操作部材(444)と前記モータの間に接続された歯車系(140)に接続して、前記モータ(130)の回転力を前記操作部材(444)を駆動する往復駆動力に変換する
請求項1~3のいずれか1項に記載の操作デバイス(110)。
【請求項5】
さらに、前記リザーバ(160a)に流体を供給するための注入ポート(126)を有する
請求項1~4のいずれか1項に記載の操作デバイス(110)。
【請求項6】
さらに前記操作デバイス(110)のエネルギー消費コンポーネントにエネルギーを提供するエネルギー供給ユニット(190)を有する
請求項1~5のいずれか1項に記載の操作デバイス(110)。
【請求項7】
さらに、前記拘束要素の圧力を直接または間接に測定する圧力センサを有する
請求項1~6のいずれか1項に記載の操作デバイス(110)。
【請求項8】
さらに、前記圧力センサによって測定された圧力に応答して操作デバイスを制御するよう構成された制御ユニットを有する
請求項7に記載の操作デバイス(110)。
【請求項9】
さらに、前記操作デバイスの機能パラメータを測定するセンサを有する
請求項1~8のいずれか1項に記載の操作デバイス(110)。
【請求項10】
さらに、患者のフィジカル・パラメータを測定するセンサを有する
請求項1~9のいずれか1項に記載の操作デバイス(110)。
【請求項11】
前記フィジカル・パラメータは温度である
請求項10に記載の操作デバイス(110)。
【請求項12】
前記可撓性エンクロージャ(111)はシリコーンを含む
請求項1~11のいずれか1項に記載の操作デバイス(110)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療インプラントに関する。より詳細には、本発明は、管腔器官を拘束する
ための医療インプラントに関する。
【背景技術】
【0002】
患者の管腔器官の拘束は、拘束された器官に悪影響を与える場合があり、従って、従来
技術のデバイスより悪影響の少ない方法で患者の管腔器官を拘束するように適合された拘
束デバイスを有することが有利である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
患者の管腔器官を拘束するための液圧式の埋入可能な拘束デバイスが提供される。液圧
式の埋入可能な拘束デバイスは、管腔器官の第1の部分を拘束するように適合された第1
の液圧式拘束要素及び管腔器官の第2の部分を拘束するように適合された第2の液圧式拘
束要素を含む。液圧式のインプラントは、悪影響の少ない拘束をもたらすように、管腔器
官の第1の部分と第2の部分との間の拘束を自動的に切り替えるための、第1及び第2の
拘束要素を制御するように適合された制御ユニットを更に含む。制御ユニットは、10分
~6ヵ月の経過時間、拘束された管腔器官の機能を使用している患者のうちの少なくとも
1つに基づいて、管腔器官の第1の部分と第2の部分との間の拘束を自動的に切り替える
ように適合されてもよい。
【0004】
いくつかの実施形態によれば、埋入可能な拘束デバイスは、患者の腸、患者の血管、患
者の尿道、患者の精管、患者の胃、患者の食道、肛門括約筋、噴門括約筋、尿道括約筋、
及び/又は患者の卵管からなるリストから選択される患者の管腔器官を拘束するように適
合されてもよい。
【0005】
制御信号は、センサ入力に基づいて生成される制御信号であっても、又は患者の身体の
外側から送信される制御信号であってもよい。
【0006】
液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、埋入可能な流体リザーバ、流体リザーバを第1の
拘束要素に接続する第1の流体導管、及び流体リザーバを第2の拘束要素に接続する第2
の流体導管を更に含んでもよい。埋入可能な流体リザーバは、埋入可能な流体リザーバの
容積を変化させることにより埋入可能な流体リザーバから第1及び第2の拘束要素へと流
体を移動させるための少なくとも1つの可動壁部分を含んでもよい。
【0007】
液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、埋入可能なリザーバから第1及び第2の拘束要素
のうちの少なくとも1つに流体を送り込むための液圧式ポンプを更に含んでもよい。液圧
式ポンプは、リザーバの壁が移動することによってポンプとして作用する少なくとも1つ
のリザーバ、容積を変化させることによってポンプとして作用する少なくとも1つのリザ
ーバ、少なくとも1つの無弁ポンプ、少なくとも1つの弁ポンプ、少なくとも1つの蠕動
ポンプ、少なくとも1つの膜ポンプ、少なくとも1つの歯車ポンプ、及び少なくとも1つ
のベローズポンプから選択される液圧式ポンプであってもよい。
【0008】
一実施形態では、液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、埋入可能なリザーバから第1又
は第2の拘束要素に流体を配向するための埋入可能な弁部材を含む。
【0009】
液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、可動壁部分及び/又は埋入可能なポンプ及び/又
は埋入可能な弁部材のうちの少なくとも1つを操作するための、少なくとも1つのモータ
を更に含んでもよい。モータは、交流(AC)電気モータ、直流(DC)電気モータ、リ
ニア型電気モータ、アキシャル型電気モータ、圧電モータ、三相モータ、2相以上のモー
タ、バイメタルモータ、及び形状記憶金属モータから選択される電気モータであってもよ
い。
【0010】
一実施形態によれば、液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、モータと、可動壁部分、埋
入可能なポンプ、及び埋入可能な弁部材のうちの少なくとも1つとの間に配置された歯車
系を更に含む。
【0011】
一実施形態によれば、歯車系は、操作可能な要素、外側の周上に第1の歯の数を含む、
中空円筒の形状を有した第1の歯車、及び内側の周上に第1の歯車より多い歯の数を含む
、中空円筒の形状を有した第2の歯車を含む。操作可能な要素は、第1の歯車の内側を係
合するように適合され、その結果、歯が相互係合しない位置によって相互に隔てられた少
なくとも1つの位置において第1の歯車の歯が第2の歯車と相互係合されるように第1の
歯車の外側が第2の歯車の内側に対して押圧され、操作可能な要素の操作が、位置を前進
させ、それにより、第1の歯車と第2の歯車との間の相対回転を発生させる。操作可能な
要素は、遊星歯車機構、及び第1の歯車と相互接続するために摩擦を少なくとも部分的に
使用する構造体又はホイールのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0012】
一実施形態によれば、液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、リザーバの壁部分を移動さ
せるように配設されたねじ山付き部材を更に含む。ねじ山付き部材は、本明細書における
いずれかの実施形態のモータ及び本明細書におけるいずれかの実施形態の歯車系のうちの
少なくとも1つに接続されてもよい。その結果、回転力が壁部分を移動させるための往復
力へ変換され得る。
【0013】
液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、リザーバに流体を供給するための注入ポートを更
に含んでもよい。
【0014】
一実施形態によれば、液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、モータと、可動壁部分、埋
入可能なポンプ、及び埋入可能な弁部材のうちの少なくとも1つとの間に接続されたサー
ボを更に含む。
【0015】
一実施形態によれば、第1及び第2の拘束要素のうちの少なくとも1つは、細長く、管
腔器官の一部分の周囲に閉ループを形成するように適合される。
【0016】
本明細書におけるいずれかの実施形態の液圧式ポンプは、液圧式蠕動ポンプであっても
よい。液圧式蠕動ポンプは、流体搬送のための中空部材、並びに中空部材を係合及び圧縮
するように適合された操作可能な圧縮部材を含んでもよく、流体が中空部材内で搬送され
るべくモータが圧縮部材を操作するように、圧縮部材はモータと直接又は間接的に接続さ
れている。
【0017】
一実施形態によれば、蠕動ポンプの中空部材は、歯車系及びモータのうちの少なくとも
1つを、少なくとも部分的に同一の軸方向平面に、少なくとも部分的に包囲するように適
合されたループ又はループの一部を形成する。モータは、圧縮部材がループ又はループの
一部の外周に向かって中空部材を圧縮するべく圧縮部材を推進するように適合される。
【0018】
一実施形態によれば、ねじ山付き部材による流体リザーバの可動壁部分の第1の方向へ
の移動は、流体を流体リザーバから第1の液圧式拘束要素へ移動させる。ねじ山付き部材
による流体リザーバの可動壁部分の第2の方向への移動は、流体を流体リザーバから第2
の液圧式拘束要素へ移動させる。
【0019】
液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、患者に埋入されることになるデバイスの任意のエ
ネルギを消費する構成部品にエネルギを提供するための埋入可能なエネルギ供給ユニット
を更に含んでもよい。
【0020】
一実施形態によれば、液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、患者の身体の外側から任意
のエネルギを消費する埋入可能な構成部品及び/又は埋入可能なエネルギ供給ユニットに
無線エネルギを送信する無線エネルギ送信デバイスから、無線エネルギを受信するように
適合された、無線エネルギレシーバを更に含む。
【0021】
液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、患者の身体の外側からデバイスの任意のエネルギ
を消費する埋入可能な構成部品及び/又は埋入可能なエネルギ供給ユニットへのエネルギ
の無線伝達のための無線エネルギ送信器を更に含んでもよい。
【0022】
液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、第1の埋入可能な流体リザーバ、及び流体リザー
バを第1の拘束要素に接続する第1の流体導管、並びに第2の埋入可能な流体リザーバ、
第2の流体リザーバを第2の拘束要素に接続する第2の流体導管を更に含んでもよい。一
実施形態によれば、第2の流体リザーバは、第1のリザーバの分割部を含む。
【0023】
液圧式の埋入可能な拘束デバイスの一実施形態によれば、埋入可能な第1の流体リザー
バは、埋入可能な第1の流体リザーバの容積を変化させ、これにより埋入可能な第1の流
体リザーバから第1の要素へ流体を移動させるための、少なくとも1つの可動壁部分を含
む。液圧式の埋入可能な拘束デバイスの一実施形態によれば、埋入可能な第2の流体リザ
ーバは、埋入可能な第2の流体リザーバの容積を変化させ、これにより埋入可能な第2の
流体リザーバから第2の要素へ流体を移動させるための、少なくとも1つの可動壁部分を
含む。
【0024】
少なくとも1つの可動壁部分は、埋入可能な第2の流体リザーバの容積が減少している
ときに埋入可能な第1の流体リザーバの容積を増加させ、かつ埋入可能な第2の流体リザ
ーバの容積が増加しているときに埋入可能な第1の流体リザーバの容積を減少させるよう
に容積を変化させるために、第1及び第2の流体リザーバ両方の容積を変化させ、これに
より流体を移動させるように適合されてもよい。
【0025】
液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、第1の埋入可能な流体リザーバから第1の拘束要
素へ流体を送り込むための液圧式ポンプ、及び/又は第2の埋入可能な流体リザーバから
第2の拘束要素へ流体を送り込むための液圧式ポンプ、及び/又は第1の埋入可能な流体
リザーバと第2の埋入可能な流体リザーバとの間に流体を送り込むための液圧式ポンプを
更に含んでもよい。
【0026】
一実施形態によれば、埋入可能な第1及び第2の流体リザーバは、埋入可能な流体リザ
ーバの容積を変化させ、これにより第1の流体リザーバ内の流体を増加させると同時に第
2の流体リザーバ内の流体を減少させ、かつ第2の流体リザーバ内の流体を増加させると
同時に第1の流体リザーバ内の流体を減少させるために、少なくとも1つの可動ピストン
によって分割される。
【0027】
本明細書におけるいずれかの実施形態の制御信号は、デバイスを制御するために身体の
外側から入って来る制御信号であってもよく、自動切り替えを無効にする信号、自動で実
行される信号、又は自動切り替えのためのタームをプログラムするためのプログラミング
信号のうちの少なくとも1つで構成される。
【0028】
本明細書におけるいずれかの実施形態の制御信号は、デバイスを制御するために、身体
の内側で生成される制御信号であってもよく、自動切り替えを無効にする信号、自動で実
行される信号、測定されたパラメータ、計算されたパラメータ、デバイスの機能パラメー
タ、患者の生理的又は身体的パラメータ、及び任意のセンサからの入力のうちの少なくと
も1つを含む。
【0029】
患者の管腔器官を拘束するための液圧式の埋入可能な拘束デバイスが提供される。液圧
式の埋入可能な拘束デバイスは、管腔器官の第1の部分を拘束するように適合された第1
の液圧式拘束要素、並びに管腔器官の第2の部分を拘束するように適合された第2の液圧
式拘束要素、並びに悪影響の少ない拘束をもたらすように、管腔器官の第1の部分と第2
の部分との間の拘束を自動的に切り替えるための、第1及び第2の拘束要素を制御するよ
うに適合された制御ユニットを含む。制御ユニットは、制御信号の受信に基づいて、管腔
器官の第1の部分と第2の部分との間の拘束を自動的に切り替えるように適合される。
【0030】
一実施形態によれば、制御信号は、身体の外側から入って来る制御信号であり、自動切
り替えを無効にする信号、自動で実行される信号、又は自動切り替えのためのタームをプ
ログラムするためのプログラミング信号のうちの少なくとも1つで構成される。
【0031】
一実施形態によれば、制御信号は、身体の内側で生成される信号で構成され、自動切り
替えを無効にする信号、自動で実行される信号、測定されたパラメータ、計算されたパラ
メータ、デバイスの機能パラメータ、患者の生理的又は身体的パラメータ、及び任意のセ
ンサからの入力のうちの少なくとも1つを含む。
【0032】
液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、患者の腸、患者の血管、患者の尿道、患者の精管
、患者の胃、患者の食道、肛門括約筋、噴門括約筋、尿道括約筋、及び/又は患者の卵管
からなるリストから選択される患者の管腔器官を拘束するように適合されてもよい。
【0033】
液圧式の埋入可能な拘束デバイスの一実施形態によれば、制御信号の受信は、センサ入
力に基づいて生成された制御信号の受信を含む。
【0034】
一実施形態によれば、制御信号は、患者の身体の外側から送信される。
【0035】
液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、埋入可能な流体リザーバ、及び流体リザーバを第
1の拘束要素に接続する第1の流体導管、及び流体リザーバを第2の拘束要素に接続する
第2の流体導管を更に含んでもよい。
【0036】
本明細書におけるいずれかの実施形態の埋入可能な流体リザーバは、埋入可能な流体リ
ザーバの容積を変化させ、これにより埋入可能な流体リザーバから第1及び第2の拘束要
素へ流体を移動させるための少なくとも1つの可動壁部分を含んでもよい。
【0037】
一実施形態によれば、液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、埋入可能なリザーバから第
1及び第2の拘束要素のうちの少なくとも1つに流体を送り込むための液圧式ポンプを更
に含む。
【0038】
液圧式ポンプは、リザーバの壁が移動することによってポンプとして作用する少なくと
も1つのリザーバ、容積を変化させることによってポンプとして作用する少なくとも1つ
のリザーバ、少なくとも1つの無弁ポンプ、少なくとも1つの弁ポンプ、少なくとも1つ
の蠕動ポンプ、少なくとも1つの膜ポンプ、少なくとも1つの歯車ポンプ、及び少なくと
も1つのベローズポンプから選択される液圧式ポンプであってもよい。
【0039】
一実施形態によれば、液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、埋入可能なリザーバから第
1又は第2の拘束要素に流体を配向するための埋入可能な弁部材を更に含む。
【0040】
一実施形態によれば、液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、可動壁部分、埋入可能なポ
ンプ、及び埋入可能な弁部材のうちの少なくとも1つを操作するための、少なくとも1つ
のモータを更に含む。
【0041】
一実施形態によれば、モータは、交流(AC)電気モータ、直流(DC)電気モータ、
リニア型電気モータ、アキシャル型電気モータ、圧電モータ、三相モータ、2相以上のモ
ータ、バイメタルモータ、及び形状記憶金属モータから選択される電気モータを含む。
【0042】
一実施形態によれば、液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、モータと、可動壁部分、埋
入可能なポンプ、及び埋入可能な弁部材のうちの少なくとも1つとの間に配置された歯車
系を更に含む。
【0043】
本明細書におけるいずれかの実施形態の、液圧式の埋入可能な拘束デバイスの歯車系は
、操作可能な要素、外側の周上に第1の歯の数を含む中空円筒の形状を有した第1の歯車
、及び内側の周上に第1の歯車より多い歯の数を含む中空円筒の形状を有した第2の歯車
を含んでもよい。操作可能な要素は、第1の歯車の内側を係合するように適合され、その
結果、歯が相互係合しない位置によって相互に隔てられた少なくとも1つの位置において
第1の歯車の歯が第2の歯車と相互係合されるように、第1の歯車の外側が第2の歯車の
内側に対して押圧される。操作可能な要素の操作は、位置を前進させ、それにより、第1
の歯車と第2の歯車との間の相対回転を発生させる。操作可能な要素は、遊星歯車機構、
及び第1の歯車と相互接続するために摩擦を少なくとも部分的に使用する構造体又はホイ
ールのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0044】
一実施形態によれば、液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、リザーバの壁部分を移動さ
せるように配設されたねじ山付き部材を更に含む。ねじ山付き部材は、回転力を壁部分を
移動させるための往復力へ変換するために、モータ及び/又は歯車系に接続されてもよい
【0045】
液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、リザーバに流体を供給するための注入ポートを更
に含んでもよい。
【0046】
一実施形態によれば、液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、モータと、可動壁部分、埋
入可能なポンプ、及び埋入可能な弁部材のうちの少なくとも1つとの間に接続されたサー
ボを更に含む。
【0047】
一実施形態によれば、第1及び第2の拘束要素のうちの少なくとも1つは、細長く、管
腔器官の一部分の周囲に閉ループを形成するように適合される。
【0048】
実施形態のうちのいずれかにおける液圧式ポンプは、流体搬送のための中空部材、並び
に中空部材を係合及び圧縮するように適合された操作可能な圧縮部材を含む液圧式蠕動ポ
ンプであってもよい。流体が中空部材内で搬送されるべくモータが圧縮部材を操作するよ
うに、圧縮部材はモータと直接又は間接的に接続される。
【0049】
中空部材は、歯車系及びモータのうちの少なくとも1つを、少なくとも部分的に同一の
軸方向平面に、少なくとも部分的に包囲するよう適合されたループ又はループの一部を形
成してもよい。モータは、圧縮部材がループ又はループの一部の外周に向かって中空部材
を圧縮するべく圧縮部材を推進するように適合されてもよい。
【0050】
一実施形態によれば、ねじ山付き部材による流体リザーバの可動壁部分の第1の方向へ
の移動は、流体を流体リザーバから第1の液圧式拘束要素へ移動させ、ねじ山付き部材に
よる流体リザーバの可動壁部分の第2の方向への移動は、流体を流体リザーバから第2の
液圧式拘束要素へ移動させる。
【0051】
液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、患者に埋入されることになるデバイスの任意のエ
ネルギを消費する構成部品にエネルギを提供するための埋入可能なエネルギ供給ユニット
を更に含んでもよい。
【0052】
一実施形態によれば、液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、患者の身体の外側からデバ
イスの任意のエネルギを消費する埋入可能な構成部品及び/又は埋入可能なエネルギ供給
ユニットに無線エネルギを送信する無線エネルギ送信デバイスから、無線エネルギを受信
するように適合された、無線エネルギレシーバを更に含む。
【0053】
一実施形態によれば、液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、患者の身体の外側からデバ
イスの任意のエネルギを消費する埋入可能な構成部品及び/又は埋入可能なエネルギ供給
ユニットへのエネルギの無線伝達のための無線エネルギ送信器を含む。
【0054】
液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、第1の埋入可能な流体リザーバ、及び流体リザー
バを第1の拘束要素に接続する第1の流体導管、並びに第2の埋入可能な流体リザーバ、
第2の流体リザーバを第2の拘束要素に接続する第2の流体導管を更に含んでもよい。第
2の流体リザーバは、第1のリザーバの分割部を含んでもよい。
【0055】
一実施形態によれば、埋入可能な第1の流体リザーバは、埋入可能な第1の流体リザー
バの容積を変化させ、これにより埋入可能な第1の流体リザーバから第1の要素に流体を
移動させるための少なくとも1つの可動壁部分を含む。
【0056】
一実施形態によれば、埋入可能な第2のリザーバは、埋入可能な第2の流体リザーバの
容積を変化させ、これにより埋入可能な第2の流体リザーバから第2の要素に流体を移動
させるための少なくとも1つの可動壁部分を含む。
【0057】
少なくとも1つの可動壁部分は、埋入可能な第2の流体リザーバの容積が減少している
ときに埋入可能な第1の流体リザーバの容積を増加させ、かつ埋入可能な第2の流体リザ
ーバの容積が増加しているときに埋入可能な第1の流体リザーバの容積を減少させるよう
に容積を変化させるために、第1及び第2の流体リザーバ両方の容積を変化させ、これに
より流体を移動させるように適合されてもよい。
【0058】
一実施形態によれば、液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、第1の埋入可能なリザーバ
から第1の拘束要素へ流体を送り込むための液圧式ポンプ、第2の埋入可能なリザーバか
ら第2の拘束要素へ流体を送り込むための液圧式ポンプ、及び第1の埋入可能なリザーバ
と第2の埋入可能なリザーバとの間に流体を送り込むための液圧式ポンプのうちの少なく
とも1つを更に含む。
【0059】
一実施形態によれば、埋入可能な第1及び第2の流体リザーバは、埋入可能な流体リザ
ーバの容積を変化させ、これにより第1の流体リザーバ内の流体を増加させると同時に第
2の流体リザーバ内の流体を減少させ、かつ第2の流体リザーバ内の流体を増加させると
同時に第1の流体リザーバ内の流体を減少させるために、少なくとも1つの可動ピストン
によって分割されてもよい。
【0060】
拘束デバイスにエネルギを供給するために、デバイスは、例えば、音波信号、超音波信
号、電磁波信号、赤外光信号、可視光信号、紫外光信号、レーザ光信号、マイクロ波信号
、電波信号、x線放射信号、及びガンマ放射信号といった波信号などの、少なくとも1つ
の無線エネルギ信号によってエネルギを受信する無線エネルギレシーバを更に含むことが
できる。無線エネルギ信号は、電場若しくは磁場、又は電場及び磁場の混合場を更に含む
ことができる。
【0061】
更に別の実施形態によれば、デバイスは、デバイスに動力を供給するように適合された
エネルギ供給ユニットを含み、デバイスは、無線モードでエネルギを送信する外部のエネ
ルギ源からエネルギを受信するように同様に適合され得る内部のエネルギ源を含むことが
できる。内部のエネルギ源は、蓄電池、少なくとも1つの電圧レベルガード、及び/又は
少なくとも1つの定電流ガードを更に含むことができる。デバイスは、エネルギを第1の
形態から第2の形態に変換するように適合されたエネルギ-変換デバイスを更に含むこと
ができる。
【0062】
本発明の実施形態のうちのいくつかは、肛門失禁に悩む患者の治療のための肛門失禁治
療装置、又は肛門、結腸、若しくは直腸の糞便の通路若しくは腸のストーマを拘束するよ
うに患者の肛門、結腸、又は直腸の一部分を、大腸若しくは小腸の一部分を係合するため
に患者に埋入可能な調節可能な拘束デバイスを含んだストーマ患者のための治療装置、及
び糞便の通路又は腸のストーマの拘束を変化させるように拘束デバイスを調節するための
患者に埋入可能な操作可能な調節デバイスに関する。文章全体において参照される拘束デ
バイスは、以下のような定義を有する。拘束デバイスとは:2つの拘束デバイスの間で拘
束を自動的に切り替える2つの拘束デバイスを含んだデバイスである。
【0063】
肛門失禁の提示とされるものは、あらゆる適用可能な手法で、腸のストーマにも適用さ
れる。例えば胃、膀胱などの、他のタイプのストーマも、本明細書における提示に適用さ
れる。
【0064】
更に、肛門失禁治療装置は、例示的な製品として使用され、本明細書において参照され
る治療使用選択肢、及び身体の内側での任意の他の可能な適用は、あらゆる適用可能な手
法で、すべてのこれらの代替例にも適用される。この場合、我々は機械的及び液圧式拘束
デバイスの両方に焦点を合わせるが、すべての他の治療分野及び実施形態のための一例と
して機械的な解決策に主な焦点を合わせる。
【0065】
肛門失禁は、広く知られた疾患である。いくつかの種類の括約筋形成手術が、肛門失禁
を治すために今日使用される。陰嚢に配置される弾性リザーバ(バルーン)に接続された
液圧式括約筋システムを開発する初期の臨床試験段階の従来の手動で操作される括約筋シ
ステムが存在する。このシステムの欠点は、ポンプの移動によって、リザーバの周囲に、
厚くて硬質な繊維質がもたらされ、いつかはシステムを役に立たないものとすることであ
る。別の欠点は、液圧流体の使用が埋入された液圧式システムから漏れる流体のリスクを
常に伴うことである。
【0066】
本発明の主たる目的は、患者の身体に埋入された装置の液圧式の構成部品から漏れる液
体のリスクが実質的に低減されるか又は完全に排除される肛門失禁治療装置を提供するこ
とである。
【0067】
本発明の更なる目的は、患者の陰嚢又は大陰唇領域に埋入されたリザーバ及びポンプ機
構の手動操作を必要としない、肛門失禁又はストーマ治療装置を提供することである。
【0068】
これらの目的は、調節デバイスが拘束デバイスを機械的に調節するように適合されるこ
とを特徴とする最初に述べられた種類の装置によって達成される。
【0069】
調節デバイスは、非手動で動作してもよい、すなわち、調節デバイスは、任意の動力を
供給された操作デバイスによって動作し、患者の皮膚に触れることによって操作されない
。好ましくは、調節デバイスは、非侵襲的に拘束デバイスを調節するように適合される。
【0070】
調節デバイスは非熱的又は非磁性的に拘束デバイスを調節してもよい、すなわち、拘束
デバイスを調節するときに磁力を伴わなくてもよい。
【0071】
拘束デバイスは好ましくは、糞便の通路の断面積を、好適には無段階で、制御するよう
に、すなわち糞便の通路を開閉するように適合される。
【0072】
以下に説明される様々な実施形態では、拘束デバイスは、一般的に、少なくとも実質的
に閉じたループを形成する。しかしながら、拘束デバイスは、正方形、矩形、又は楕円形
などの、種々の異なる形状となってもよい。実質的に閉じたループは、例えば全体的に平
坦、すなわち、半径方向に見られるように薄くなり得る。拘束デバイスの形状はまた、使
用の間、任意の方向への拘束デバイスの回転又は移動により変化してもよい。
【0073】
小腸、肛門経路の結腸又は直腸のような、身体ルーメンは、多くの場合、ルーメンの少
なくとも2つの向かい合うか又は異なる側壁を互いに対して収縮させることによって拘束
しやすい。表現「結腸又は直腸」は、肛門括約筋まで延在した直腸、及び続く反対方向へ
の大腸の通路を意味すると理解すべきである。
【0074】
拘束デバイスは、結腸又は直腸で糞便の通路を拘束するために、結腸又は直腸を曲げる
ための調節可能なカフ、クランプ、又はローラを含んでもよい。このようなカフ、クラン
プ、又はローラはまた、患者の身体の内側でヒト材料、例えば患者の仙骨、に対して結腸
又は直腸を圧迫するために利用されてもよい。
【0075】
好ましくは、拘束デバイスは、細長い拘束部材、及び結腸又は直腸の一部分の周囲で拘
束部材を少なくとも実質的に閉じたループの形にするための形成手段を含み、ループは拘
束開口部を定め、これにより、調節デバイスは、拘束開口部のサイズを変化させるために
ループの拘束部材を調節する。
【0076】
拘束デバイスは、患者の腹部及び腹膜後腔における埋入のために設計されてもよく、好
ましくは結腸又は直腸を係合してもよい。
【0077】
調節デバイスは、拘束デバイスに組み込まれるだけでなく、液圧式手段によって制御さ
れてもよい。
【0078】
好ましい第1の調節原理によれば、調節デバイスは、ループ形態の細長い拘束部材の長
手方向の伸びを機械的に調節する。
【0079】
第1の調節原理を利用する本発明の好ましい実施形態では、拘束部材は、主要部分及び
2つの細長い端部分を含み、調節デバイスは、拘束部材の端部分の間に長手方向の相対変
位を確立し、その結果拘束開口部のサイズが調節される。形成手段は、細長い拘束部材を
ループの形にするばね材料などの、所望の機能を実践することが可能な任意の好適な公知
の又は従来のデバイスを含んでもよく、その結果拘束開口部が所定のサイズを有し、そし
て調節デバイスは、ばね材料のばね作用に対して拘束部材を調節してもよい。換言すれば
、拘束部材はばねクリップを含んでもよい。ばね材料は、拘束部材において一体化されて
もよい。
【0080】
好ましくは、調節デバイスは、拘束部材の端部分のうちの少なくとも1つと係合して拘
束部材の一方の端部分を他方の端部分に対して変位させるように操作可能な、運動伝達部
材、好適には駆動ホイールを含む。駆動ホイールは有利には、拘束部材の端部分の両方と
係合してもよく、上記端部分を互いに対して変位させるように操作可能であってもよい。
細長い可撓性駆動シャフトが、拘束部材から遠隔の場所より手動の又はモータが生成する
力を伝達するために、駆動ホイールに操作可能に接続されてもよい。最も単純な実施形態
では、駆動ホイールは、拘束部材と機能的に係合したプーリを含んでもよい。代替例とし
て、歯車ラックが、拘束部材の端部分のうちの少なくとも1つの上に形成されてもよく、
駆動ホイールが、歯車ラックと噛み合った歯車ホイールを含んでもよい。他の好適な公知
の又は従来の機構を同様に、また代替的に、調節デバイスとして使用してもよい。
【0081】
運動伝達部材は代替的に、少なくとも1つの円筒及びピストンを含んでもよく、ピスト
ンは、円筒内で移動可能で、拘束部材の端部分の1つに接続され、ピストンは、拘束部材
の一方の端部分を拘束部材の他方の端部分に対して長手方向に配位するように操作可能で
ある。代替的に、運動伝達手段は、2つの相互接続された円筒、及び拘束部材の上記端部
分に、それぞれ、接続されたそれぞれの円筒内の2つのピストンを含んでもよく、ピスト
ンは、拘束部材の端部分を互いに対して長手方向に配位するように操作可能である。他の
公知の又は従来のデバイスを同様に、又は代替的に、運動伝達部材として使用することが
できる。
【0082】
モータは、拘束部材の主要部分に対して固定され、運動伝達部材に操作可能に接続され
た回転駆動シャフトを有し、駆動シャフトが拘束部材に対して直角に延在するように細長
い拘束部材に対して位置してもよい。代替的に、駆動シャフトが拘束部材のループに対し
て実質的に接線方向に延在するように、モータは細長い拘束部材に対して位置してもよい
【0083】
第1の調節原理を利用する本発明の別の実施形態では、細長い拘束部材は長手方向に弾
性であり、調節デバイスは、弾性の拘束部材を長手方向に収縮させるための収縮デバイス
を含む。好ましくは、細長い拘束部材は、実質的に非弾性の主要部分、及び細長い螺旋ば
ねを形成する端部分を含み、螺旋ばねは収縮デバイスによって収縮可能である。収縮デバ
イスは好適には、捕捉部材に対して螺旋ばねを収縮させるように拘束部材の主要部分に接
続されてかつ螺旋ばねを通過して延在する、細長い可撓性引張部材を含んでもよく、捕捉
部材は拘束部材の主要部分に対して固定される。拘束部材から遠隔のモータが、細長いチ
ューブの一方の端に取着されてもよく、螺旋ばねを収縮させるためにチューブを介して引
張部材を引っ張るように、引張部材は、細長いチューブの他方の端で捕捉部材に接合され
て細長いチューブ内に延在してもよい。
【0084】
第1の調節原理を利用する本発明の更に別の実施形態では、細長い拘束部材は、自由端
を有した細長い螺旋ばね、及びばねがその反対端で回転不可能に固着された本体を含む。
調節デバイスは、一方向に螺旋ばねを回転させて、ばねを長手方向に収縮させるように螺
旋ばねのコイルを拡張させ、かつ反対方向にばねを回転させて、ばねを長手方向に伸ばす
ようにばねのコイルのサイズを低減させる。好ましい代替例として、拘束部材は、自由端
を有しかつその反対端で本体に回転不可能に固着された、更に細長い螺旋ばねを含み、調
節デバイスは、ばねの自由端で、それぞれ、ばねに接続された2つの反対の端部分を有し
た駆動シャフトを含み、螺旋コイルは左右の螺旋をそれぞれ形成する。調節デバイスは代
替的に、入力シャフト、及びばねの自由端で、それぞれ螺旋ばねに接続された2つの反対
に位置合わせされた出力シャフトを有する歯車装置を含んでもよく、出力シャフトが入力
シャフトの回転に応じて反対方向に回転するように入力シャフトは上記出力シャフトに接
続され、螺旋コイルは同一の螺旋を形成する。
【0085】
第2の調節原理によれば、拘束部材によって形成される半径方向最内周閉じ込め表面の
少なくとも一部分が実質的に半径方向に変位させられるように、調節デバイスは拘束部材
を機械的に調節する。
【0086】
第2の調節原理を利用する本発明の一実施形態では、拘束部材は、閉じ込め表面の一部
を形成しかつ要素全体に適用された電圧に応答して弓形に曲げることが可能な細長い電圧
応答要素を含み、弓形の曲率半径が電圧のレベルを変化させることによって調節可能であ
る。
【0087】
第2の調節原理を利用する本発明の別の実施形態では、調節デバイスは拘束部材の弾性
環状要素の直径を変化させ、弾性環状要素は閉じ込め表面を形成する。好ましくは、形成
手段は、弾性環状要素を同軸で取り囲む実質的に剛性の外側環状要素を含み、調節デバイ
スは、弾性環状要素を拡大させるために外側環状要素の方へ半径方向外向きに弾性環状要
素を引っ張るための手段を含む。例えば、引張手段は、弾性環状要素の周囲に沿って弾性
環状要素に固着された、外側環状要素に取り付けられたガイド部材を介して弾性環状要素
から走る複数のねじ山を含んでもよい。
【0088】
第2の調節原理を利用する本発明の更に別の実施形態では、形成手段は、実質的に剛性
の外側環状要素を含み、拘束部材は、外側環状要素に沿って内部に延在しかつ外側環状要
素に接触する細長い螺旋ばねを含む。螺旋ばねは、周囲の閉じ込め表面の一部を形成し、
自由端を有する。拘束部材は、ばねが反対端で回転不可能に固着される本体を更に含む。
調節デバイスは、一方向に螺旋ばねを回転させて、周囲の閉じ込め表面を収縮させるよう
にばねのコイルを拡張させ、かつ反対方向にばねを回転させて、周囲の閉じ込め表面を拡
大させるようにばねのコイルのサイズを低減させる。好ましい代替例として、拘束部材は
、周囲の閉じ込め表面の一部を形成しかつ拘束部材の本体に接続された2つの細長い螺旋
ばねを含む。調節デバイスは、一方向に各々のばねを回転させて、周囲の閉じ込め表面を
収縮させるようにばねのコイルを拡張させ、かつ反対方向にばねを回転させて、周囲の閉
じ込め表面を拡大させるようにばねのコイルのサイズを低減させる。
【0089】
第3の調節原理によれば、拘束部材は少なくとも2つの分離要素を含み、そのうちの少
なくとも1つは、拘束部材が延在する平面で転回するように旋回し、調節デバイスは、拘
束開口部のサイズを変化させるように旋回要素を転回させる。好ましくは、拘束部材は、
直列に配列された複数の分離旋回要素を含み、各々の旋回要素が平面で旋回し、調節デバ
イスは、拘束開口部のサイズを変化させるために旋回要素のすべてを転回させる。例えば
、旋回要素は、カメラの従来の調節可能な絞り機構のように配設された薄板を含んでもよ
い。
【0090】
第4の調節原理によれば、調節デバイスは、拘束部材の少なくとも2つの折り畳み可能
なフレーム要素を互い向かって折り畳む。好ましくは、折り畳み可能なフレーム要素は、
半円形の要素が円の一部を形成する全開状態から半円の一部を形成する完全に折り畳まれ
た状態に互いに対して回動可能であるように蝶番で連結された2つの実質的に又は部分的
に半円形のフレーム要素を含む。同一の原理が、一方の端部で互いに取り付けられるが他
方の端部で互いに取り付けられない回動可能な部品で使用されてもよい。代替的に、拘束
デバイスは、結腸又は直腸の反対又は異なる側面上に位置した、2つの好ましい剛性の関
節挟持要素を含んでもよく、調節デバイスは、挟持要素の間で結腸又は直腸を挟持するた
めに、挟持要素を互いに向かって転回させ、これにより結腸又は直腸の糞便の通路を拘束
する。
【0091】
第5の調節原理によれば、調節デバイスは、拘束部材の長手方向延伸部の周囲で拘束部
材を転回させ、細長い拘束部材は、弾性で、断面に見られるように厚さが変化する。好適
には、細長い拘束部材は、弾性ベルトを含む。
【0092】
第6の調節原理によれば、拘束部材の外周の閉じ込め表面が変化するように、調節デバ
イスは拘束開口部のサイズを変化させる。
【0093】
第7の調節原理によれば、拘束部材の外周の閉じ込め表面が変化しないように、調節デ
バイスは拘束開口部のサイズを変化させる。
【0094】
第8の調節原理によれば、細長い拘束部材は可撓性であってもよく、結腸又は直腸の糞
便の通路を拘束するように細長い可撓性拘束部材の反対の長さ間で結腸又は直腸を圧迫す
るために、調節デバイスは、ループの第1の部分とは反対の可撓性拘束部材の第2の部分
から、可撓性拘束部材の第1の部分を引っ張る。
【0095】
第9の調節原理によれば、拘束デバイスは、結腸又は直腸の反対又は異なる側面上に少
なくとも2つの要素を含み、調節デバイスは、要素間で結腸又は直腸を圧迫するために要
素間の距離を減少させ、これにより結腸又は直腸の糞便の通路を拘束する。1つの要素だ
けを使用して、ヒトの骨又は組織に対して結腸又は直腸を圧迫することも可能である。上
述の要素は、本明細書で述べられるすべての拘束部材と同様に、剛性から軟性のあらゆる
ものであってもよい。
【0096】
第10の調節原理によれば、拘束デバイスは、結腸又は直腸の糞便の通路を拘束するた
めに、結腸又は直腸の一部分を曲げるか又は回転させる。例えば、拘束デバイスは、結腸
又は直腸の反対の又は異なる側面上に位置し結腸又は直腸に沿って互いに対して変位した
、円筒又は砂時計形状のローラなどの、少なくとも2つの曲げ部材を含んでもよく、調節
デバイスは、結腸又は直腸の糞便の通路を拘束するために結腸又は直腸を曲げるように、
結腸又は直腸に対して曲げ部材を移動させてもよい。好適には、変位部材は、ローラを含
んでもよい。拘束デバイスはまた、結腸又は直腸の一部分を回転させてもよい。曲げ又は
回転部材は、任意の形状又は形態を有してもよく、液圧式又は非膨張式のいずれかであっ
てもよい。
【0097】
代替的に、一方が他方より遠位に配置された2つの曲げ部材が、互いに対して反対方向
に回転してもよい。相互接続材料、例えば保持部材間の可撓性バンドにより、曲げ部材が
回転するときに、拘束が曲げ部材間で発生する。
【0098】
拘束デバイスは、すべての適用可能な実施形態において、任意の形状であってもよく、
液圧式又は非膨張式のいずれであってもよい。
【0099】
本発明の上記の実施形態のすべてにおいて、調節デバイスは、操作デバイスによって簡
便に操作され、操作デバイスは、サーボ手段及び/又はモータ、好ましくは可逆式電気モ
ータ、を含んでもよい。モータは、拘束デバイスに直接固定されても、若しくは拘束デバ
イスと関連して配置されてもよく、又は代替的に拘束デバイスの遠隔、有利には腹部若し
くは骨盤領域に、又は皮下、又は患者の腹膜後腔、に位置決定されてもよい。後者の変形
例では、患者の腹部でのモータの好適な位置決めを可能にするために、モータは有利には
、可撓性力伝送導管によって、調節デバイスに接続される。モータは、例えば埋入された
切替器によって、手動で起動可能であってもよい。
【0100】
しかしながら、本発明の上記の実施形態のうちのいくつかでは、調節デバイスは液圧式
操作デバイスによって簡便に操作可能であり、液圧式操作デバイスは、好ましくは手動で
起動可能である。液圧式操作デバイスは有利には、手動起動を容易にするために液圧式サ
ーボを備えてもよい。代替例として、液圧式操作デバイスは、電気モータによって力を供
給されてもよく、電気モータは、手動で起動可能であっても、又は遠隔制御手段によって
制御されてもよい。このような液圧式操作デバイスの構成部品は、拘束デバイスと関連し
て配置されても、及び/又は腹部の好適な箇所に位置決定されても、若しくは皮下に埋入
されでもよい。
【0101】
より詳細には、液圧式操作デバイスに流体を供給するための所定の量の流体を含有する
リザーバが、提供されてもよい。リザーバは所定の量の流体のためのチャンバを定め、液
圧式操作デバイスはチャンバの容積を変化させる。液圧式操作デバイスは、リザーバの第
1及び第2の壁部分を含んでもよく、壁部分は、リザーバのチャンバの容積を変化させる
ために互いに対して変位可能である。リザーバの第1及び第2の壁部分は、好ましくは、
いずれかの壁部分の一方向への手動押し込み、引っ張り、又は回転を可能にするために、
壁部分の手動操作によって互いに対して変位可能となるように設計されてもよい。代替的
に、壁部分は、(永久磁石及び磁性材料リードスイッチ、又は他の公知の若しくは従来の
磁気デバイスなどの)磁気手段、液圧式手段、又は電気モータなどの電気的制御手段によ
って、互いに対して変位可能であってもよい。磁気手段、液圧式手段、又は電気的制御手
段はすべて、好ましくは皮下に位置決定された手動操作可能な手段を使用して、手動操作
により起動されてもよい。この制御は、例えば切替器を介した、間接的なものであっても
よい。
【0102】
液圧式操作デバイスは、糞便の通路を開くように拘束デバイスを調節するために、リザ
ーバの第2の壁部分に対するリザーバの第1の壁部分の所定の第1の変位に応答したリザ
ーバからの流体で調節デバイスを操作してもよく、糞便の通路を閉じるように拘束デバイ
スを調節するために、リザーバの第2の壁部分に対するリザーバの第1の壁部分の所定の
第2の変位に応答したリザーバからの流体で調節デバイスを操作してもよい。この実施形
態では、ポンプは使用されず、リザーバの容積だけが変化する。これは、逆止弁の必要性
がなく、かつ流体をリザーバへ及びリザーバから移動させることが依然として可能である
ので、リザーバと調節デバイスとの間で流体を送り込むようにポンプが使用されるときの
下記の解決策と比較して大きな利点である。
【0103】
代替例として、液圧式操作手段は、リザーバと調節デバイスとの間で流体を送り込むた
めのポンプを含んでもよい。ポンプは、流体を、調節デバイスへ送り込んでも、調節デバ
イスから送り出してもよい。一方向に起動部材を押し込むだけで両方向に送り込むことが
可能な、機械的な手動解決策が提案される。別の変形例は、一方向だけに送り込むポンプ
、及びリザーバ内の流体の量を増加させるか又は減少させるように流体の方向を変化させ
るための調節可能な弁である。この弁は、手動で、機械的に、電気的に、磁気的に、又は
液圧で操作されてもよい。任意の種類のモータが、すべての異なる操作並びに無線遠隔解
決策のために当然使用され得る。ポンプは、リザーバから調節デバイスへ流体を送り込む
ようにポンプを起動するための第1の起動部材、及び調節デバイスからリザーバへ流体を
送り込むようにポンプを起動するための第2の起動部材を含んでもよい。起動部材は、好
ましくは一方向への起動部材の手動押し込み、引っ張り、又は回転を可能にするために、
手動操作により動作可能であってもよい。好適には、起動部材のうちの少なくとも1つは
、所定の大きさを超える外圧を受けたときに動作するように適合される。
【0104】
代替的に、第1及び第2の起動部材のうちの少なくとも1つが、磁気手段、液圧式手段
、又は電気モータなどの電気的制御手段によって操作可能であってもよい。磁気手段、液
圧式手段、又は電気的制御手段はすべて、好ましくは皮下に位置決定された、手動操作手
段により起動されてもよい。この起動は、例えば切替器を介した、間接的なものであって
もよい。
【0105】
有利には、特に手動操作手段が使用されるときに、サーボ手段が使用され得る。サーボ
手段により、調節デバイスを操作するために必要な力は小さくなる。用語「サーボ手段」
は、サーボ機構の通常の定義、すなわち、非常に小さな量の力により大きな量の力を制御
する自動的なデバイス、を包含するが、代替的に又は追加的に、長いストロークを有した
移動要素に作用する弱い力を短いストロークを有した別の移動要素に作用する強い力に変
換する機構の定義を包含してもよい。サーボ手段はモータ、好ましくは電気モータ、を含
んでもよく、電気モータは可逆式であってもよい。
【0106】
代替的に、反転サーボが利用されてもよい。用語「反転サーボ」は、短いストロークを
有した移動要素に作用する強い力を長いストロークを有した別の移動要素に作用する弱い
力に変換する機構、すなわち通常のサーボ機構の、上で定義された代替的機構の反対機能
と理解されるべきである。調節デバイスの液圧式手段が組み込まれた別の閉鎖液圧式シス
テムを制御する第1の閉鎖液圧式システムが、使用されてもよい。このとき、第1のシス
テムの小さなリザーバ内の流体の量の小さな変化が、反転サーボによって、第2のシステ
ムの大きなリザーバ内の流体の量の大きな変化に変換され得る。結果として、第2のシス
テムの大きなリザーバ内の容積の変化が、調節デバイスの液圧式手段に影響を及ぼす。例
えば、小さなリザーバの容積を減少させる短いストロークによって、大きなリザーバは調
節デバイスに多量の液圧流体を供給するようになり、液圧流体は、次いで拘束デバイスで
長い機械的な調節ストロークをもたらす。このような反転サーボを使用する大きな利点は
、大きな容積のシステムが、多くの空間が存在する腹部又は腹膜後腔の内側に配置され得
るが、依然として、皮下で小さなシステムの手動操作手段を使用することが可能であるこ
とである。小さなリザーバは、流体供給手段によって、直接又は間接的に制御され得る。
流体供給手段は、別の小さなリザーバを備えてもよく、別の小さなリザーバは、皮下に配
置されてもよく、手動操作手段によって起動されてもよい。サーボ及び反転サーボの両方
が、本明細書に説明される様々な構成部品及び解決策のすべてに関連して使用されてもよ
い。
【0107】
好ましくは、反転サーボは、液圧式手段及び主要流体供給リザーバ、ひいては追加的な
流体供給リザーバを含む。両方のリザーバは、液圧流体を含有するチャンバを定め、液圧
式手段は、主要流体供給リザーバの第1及び第2の壁部分を含み、壁部分は、主要流体供
給リザーバのチャンバの容積を変化させるために互いに対して変位可能である。液圧式手
段は、糞便の通路を閉じるために、いずれかのリザーバの第2の壁部分に対するリザーバ
の第1の壁部分の所定の第1の変位に応答した、例えば主要流体供給リザーバ内の増加し
た流体の量を介して、間接的に調節デバイスを制御してもよく、糞便の通路を開くように
拘束デバイスを間接的に調節するために、任意のリザーバの第2の壁部分に対する第1の
壁部分の第2の変位に応答した、調節デバイスの制御を行ってもよい。リザーバの壁部分
は、壁部分の手動操作によって互いに対して変位可能であるか、又はリザーバの壁部分の
うちのいずれかを一方向に手動で押し込むか、引っ張るか、若しくは回転させることによ
って互いに対して変位可能であるように、設計されてもよい。代替的に、主要流体供給リ
ザーバの壁部分は、磁気手段、液圧式手段、又は電気モータを含む電気制御手段によって
、互いに対して変位可能であってもよい。
【0108】
磁気手段、液圧式手段、又は電気的制御手段はすべて、好ましくは皮下に位置決定され
た、手動操作手段により起動されてもよい。この制御は、例えば切替器を介した、間接的
なものであってもよい。
【0109】
本発明の最も広範な実施形態であっても、調節デバイスは、サーボ手段を含むことがで
きる。サーボ手段は、液圧式操作手段、電気的制御手段、磁気手段、機械的手段、又は手
動操作手段を含んでもよい。液圧式操作手段、電気的制御手段、機械的手段、又は磁気手
段は、手動操作手段によって起動されてもよい。サーボシステムの使用は、調節デバイス
を調節するときの力の使用を抑え、多くの適用で、例えば、バッテリの全エネルギがシス
テムに電力を供給するのに十分であるがバッテリが十分な電流を出力することができない
ときに、重要である。
【0110】
本発明の好ましい実施形態によれば、装置は、少なくとも1つの又は単一の電圧レベル
ガードを備えた埋入可能な電気構成部品、及びコンデンサ又は蓄電池を含み、コンデンサ
又は蓄電池の充電及び放電は、電圧レベルガードを使用して制御される。結果として、コ
ンデンサの制御のための任意の埋入された電流検出器及び/又は充電レベル検出器の必要
性がなく、装置を単純で信頼性の高いものにする。
【0111】
すべての解決策が、調節デバイスを制御するための無線遠隔制御器によって制御されて
もよい。遠隔制御器は有利には、糞便の通路、又は拘束デバイス若しくは結腸若しくは直
腸に対する圧力、又は他の重要な身体的なパラメータに関連する情報を取得すること、及
び取得した情報に応答して拘束デバイスを調節するように調節デバイスに命令することが
可能であってもよい。無線遠隔制御器によって、本発明の装置は、患者が望むときに患者
により簡便に制御され、これは従来技術の手順と比較して大きな利点である。遠隔制御器
によって、本発明の装置は、患者が用を足したいときに糞便の通路を解放するために埋入
された拘束デバイスを調節するように簡便に制御される。
【0112】
装置は、拘束デバイスに対する圧力を直接又は間接的に検出するための圧力センサを更
に含んでもよく、拘束デバイスは、圧力センサからの信号に応答して血流を制御してもよ
い。圧力センサは、米国特許第5540731号、第4846181号、第473826
7号、第4571749号、第4407296号、若しくは第3939823号;又はN
PC-102医療血管形成術用センサに示されるような、任意の好適な公知の又は従来の
圧力センサであってもよい。調節デバイスは好ましくは、断面積のサイズを変化させるよ
うに拘束デバイスを非侵襲的に調節する。
【0113】
調節デバイス、及び/又は装置の他のエネルギを消費する構成部品は、患者の身体の外
側から無線で送信されるエネルギによってエネルギ供給されてもよく、又は埋入されたバ
ッテリ若しくは蓄電池によって電力を供給されてもよい。
【0114】
装置は、無線エネルギを直接又は間接的に拘束デバイスの動作のための運動エネルギに
変換するための埋入されたエネルギ変換デバイスを更に含んでもよい。エネルギ変換デバ
イスは、音波の形態の無線エネルギを、好ましくは直接、拘束デバイスの動作のための電
気エネルギに変換してもよい。好適には、エネルギ変換デバイスは、変換された電気エネ
ルギから電気パルスを生成するように適合されたコンデンサを含む。
【0115】
本発明の装置は、患者の身体の外側から調節デバイスへの及び/又は装置の他のエネル
ギを消費する埋入可能な構成部品へのエネルギの無線伝達のための、エネルギ伝達手段を
更に含んでもよい。エネルギ伝達手段は、装置のエネルギを消費する構成部品のエネルギ
供給に関連した直接使用のために、エネルギパルス列の形態でエネルギを、好ましくは電
気エネルギを、断続的に伝達するように適合されてもよい。0.1μF未満の容量を有す
る埋入されたコンデンサが、エネルギパルス列を生成するために使用されてもよい。
【0116】
モータが、調節デバイスを操作するために埋入されてもよく、エネルギ伝達手段が、伝
達されるエネルギによってモータに直接動力を供給するように適合される。代替的に、又
はモータと組み合わせて、ポンプが、調節デバイスを操作するために埋入されてもよく、
エネルギ伝達手段が、ポンプの直接動力供給のための電磁波の形態で無線エネルギを伝達
するように適合される。好ましくは、ポンプは、プランジャ型のポンプではなく、蠕動又
は膜ポンプを含んでもよい。
【0117】
エネルギ伝達手段は好ましくは、電磁波の形態で無線エネルギを伝達する。しかしなが
ら、安全のために、電波が除外されてもよい。
【0118】
代替的に、エネルギ伝達手段によって伝達されるエネルギは、電場又は磁場を含んでも
よい。
【0119】
最も好ましくは、エネルギ伝達手段によって伝達されるエネルギは、信号を含む。
【0120】
好ましくは、無線遠隔制御器は、分離信号トランスミッタ又はレシーバ、及び患者に埋
入された信号レシーバ又はトランスミッタを含む。例えば、信号トランスミッタ及び信号
レシーバはデジタルパルスの形態で信号を送受信してもよく、デジタルパルスは磁場又は
電場を含んでもよい。代替的に、好ましくは、信号トランスミッタ及び信号レシーバは、
電磁波信号、音波信号、又は遠隔制御信号のための搬送波信号を送受信してもよい。レシ
ーバは、信号トランスミッタからの制御信号に応答して調節デバイスを制御するための埋
入された制御ユニットを含んでもよい。
【0121】
本発明の装置は、電子回路、及び/又は調節デバイスを操作するためのモータなどの、
装置のエネルギを消費する埋入された構成部品にエネルギを提供するための埋入されたエ
ネルギ供給ユニットを更に含んでもよい。装置は、無線エネルギを送信するための外部の
エネルギトランスミッタを含んでもよく、エネルギ供給ユニットは、無線エネルギを電気
エネルギに変換するように適合される。埋入された電気モータは、調節デバイスを操作し
てもよく、エネルギ供給ユニットは、無線エネルギから変換された電気エネルギによって
電気モータに電力を供給するように適合されてもよい。
【0122】
無線エネルギによって切替器に力が供給される「オン」モードで、装置のエネルギを消
費する埋入された構成部品にバッテリを接続するために、かつ切替器に力が供給されない
「スタンバイ」モードで、エネルギを消費する構成部品からバッテリを切断したままにす
るために、エネルギ供給ユニットは、バッテリ、及び外部のトランスミッタによって送信
される無線エネルギにより操作可能な切替器を含んでもよい。
【0123】
制御ユニットは、信号トランスミッタから受信した制御信号に応答して、エネルギ供給
ユニットによって提供されるエネルギにより、このような埋入されたモータに動力を供給
してもよい。ヒト又は哺乳動物の患者用に好適な任意の公知の又は従来の信号トランスミ
ッタ又は信号レシーバが、本発明の信号トランスミッタ又は信号レシーバとして提供され
てもよい。
【0124】
一般的に、すべての上記の信号は、赤外光、可視光、レーザ光、マイクロ波などの、電
磁波、又は超音波若しくは超低周音波などの、音波、又は任意の他のタイプの波信号を含
んでもよい。信号はまた、電場若しくは磁場、又はパルスを含んでもよい。すべての上述
の信号は、デジタル信号を含んでもよい。信号は搬送波信号によって伝送されてもよく、
搬送波信号は、代替的な実施形態では、無線エネルギ信号と同一の信号であってもよい。
好ましくは、デジタル制御信号は、電磁波信号によって伝送されてもよい。搬送波又は制
御信号は、振幅又は周波数変調されてもよい。
【0125】
モータは、空気圧、液圧、又は電気モータなどの、任意のタイプのモータであってもよ
く、エネルギ供給ユニットは、モータのタイプに応じて、加圧気体若しくは液体、又は電
気エネルギによってモータに動力を供給してもよい。モータが電気モータである場合には
、モータは空気圧又は液圧機器に動力を供給してもよい。
【0126】
エネルギ供給ユニットは動力供給装置を含んでもよく、制御ユニットは動力供給装置か
らのエネルギによりモータに動力を供給してもよい。好ましくは、動力供給装置はバッテ
リなどの電力供給装置であり、モータは電気モータである。この場合、バッテリはまた、
信号トランスミッタから送信される信号を受信するように準備された状態に信号レシーバ
を保つために、調節の間のスタンバイモードの信号レシーバの回路の少なくとも一部に連
続的に電力を供給する。
【0127】
制御信号が信号レシーバに送信される際に、エネルギ供給ユニットは、制御信号からの
エネルギを、埋入された電子構成部品に電力を供給するための電気エネルギに変換しても
よい。例えば、エネルギ供給ユニットは、制御信号からのエネルギを直流か又は交流に変
換してもよい。
【0128】
調節デバイスを操作するための埋入された電気モータが存在する場合には、エネルギ供
給ユニットはまた、変換されたエネルギによってモータに動力を供給してもよい。有利に
は、エネルギ供給ユニットが信号エネルギを電気エネルギに変換する際に、制御ユニット
は電気エネルギによって電気モータに直接電力を供給する。この実施形態は、極めて単純
であり、上記の第1の実施形態において必要とされる、バッテリなどの、空の電力供給装
置を交換するための何らかの反復性の侵襲的措置を必要としない。エネルギが送信される
際に、モータはまた、信号の形態の、無線で送信される電磁気又は磁気エネルギによって
、直接動力を供給されてもよい。本明細書において説明されるモータのすべての様々な機
能及び関連した構成部品が、適用可能な場合に使用されてもよい。
【0129】
操作のために、依然として比較的低いが、より多くの動力を必要とするタイプの調節デ
バイスのために、エネルギ供給ユニットは、取得した電気エネルギを蓄えるための充電式
電力供給装置を含んでもよく、制御ユニットは、信号トランスミッタから受信される制御
信号に応答して、充電式電力供給装置からのエネルギにより電気モータに電力を供給して
もよい。この場合、充電式動力供給装置は、電気モータに電力を供給しない比較的長い時
間(例えば数秒から30分まで)にわたって充電され得る。
【0130】
電力供給装置は好適には、安価で単純なコンデンサを含む。この場合、電気モータは、
ステッピングモータであってもよい。すべての実施形態において、モータは好ましくは、
反転機能を実行可能であってもよい。
【0131】
信号トランスミッタは、電磁信号を送信してもよく、電磁波信号が信号レシーバに送信
される際に、エネルギ供給ユニットは電磁波信号から放射エネルギを引き出し、放射エネ
ルギを電気エネルギに変換してもよい。
【0132】
代替的に、エネルギ供給ユニットは、バッテリ又は蓄電池、切替器に電力が供給される
オンモードで信号レシーバにバッテリを接続しかつ切替器に電力が供給されないスタンバ
イモードで信号レシーバからバッテリを切断した状態に保つように適合された電気的に操
作可能な切替器、及び切替器に電力を供給するための充電式電力供給装置を含んでもよい
。切替器がオンモードのときに、制御ユニットは、信号トランスミッタから受信される制
御信号に応答して、バッテリからのエネルギによって電気モータに電力を供給してもよい
。有利には、制御信号が信号レシーバに送信される際に、エネルギ供給ユニットは、制御
信号からの波エネルギを、好適にはコンデンサである、充電式電力供給装置を充電するた
めの電流に変換してもよい。動力供給装置からのエネルギは次いで、オフ(スタンバイモ
ード)からオンに切替器を変化させるために使用される。この実施形態は、操作のために
比較的高い動力を必要とするタイプの調節デバイスに好適であり、信号レシーバの電子回
路部品が調節の間にバッテリによって動力を供給される必要がないという利点を有する。
結果として、バッテリの寿命は、かなり長くなり得る。切替器は、磁気、手動、又は電気
エネルギによって切り替えられてもよい。
【0133】
一例として、信号トランスミッタは、電磁波信号を送信してもよく、電磁波信号が信号
レシーバに送信される際に、エネルギ供給ユニットは電磁波信号から放射エネルギを引き
出し、放射エネルギを上記電流に変換してもよい。電磁波信号がコイル及び交流に整流す
るための整流器を介して送信されるように、エネルギ供給ユニットは好適には交流を誘導
するための信号レシーバのコイルを含む。整流電流は、充電式動力源に充電するために使
用される。
【0134】
代替的に、信号トランスミッタ及びレシーバが制御信号のために排他的に使用されても
よく、信号トランスミッタ及びレシーバの更なるペアが埋入された構成部品へ信号エネル
ギを伝達するために提供されてもよい。信号トランスミッタ及びレシーバのこのような二
重システムによって、2つのシステムがそれぞれの目的のために、すなわち制御信号を送
信するために、及びエネルギ信号によるエネルギを伝達するために、最適に設計され得る
という利点が得られる。従って、装置は、無線エネルギを送信するための外部のエネルギ
トランスミッタを更に含んでもよく、この場合、エネルギ供給ユニットは、バッテリ、及
び切替器に動力が供給されるオンモードで信号レシーバにバッテリを接続しかつ切替器に
動力が供給されないスタンバイモードで信号レシーバからバッテリを切断した状態に保つ
ための操作可能な切替器を含み、外部のエネルギトランスミッタは切替器に動力を供給す
る。好適には、エネルギトランスミッタは、オンモードに切り替えるために、無線エネル
ギによって切替器に直接動力を供給してもよい。当業者が理解するように、本発明の上記
の実施形態の多くで、調節デバイスが、ポンプなどの、患者の皮膚の下に埋入された制御
手段若しくは手動操作手段、電気切替器、又は機械的な運動伝達手段によって操作されて
もよい。手動の実施形態では、調節デバイスを操作するためのモータを使用することは必
要ではない。
【0135】
液圧式伝送手段を備える実施形態では、液圧式手段に接続された注入ポートが、液圧式
システムの流体の量の、通常単一の、すなわち一度だけの、較正を可能にするために提供
されてもよい。
【0136】
すべての実施形態において、モータが、調節デバイスに操作可能に接続されてもよい。
反転デバイスが、モータを反転させるために患者に埋入されてもよい。
【0137】
調節デバイスは、熱又は磁場にさらされたときに実質的に増加する粘性を有する種類の
液圧流体を持たない、すなわち熱にさらされるか又は磁力の影響を受けたときに液圧流体
が粘性を増さない、液圧式手段を使用することにより拘束デバイスを液圧で調節するよう
に適合されてもよい。
【0138】
圧力センサが、ヒト組織の壊死の発生を防止するべく、拘束デバイス又は結腸若しくは
直腸に対する圧力を直接又は間接的に検出するために使用されてもよい。拘束デバイスは
、圧力センサからの信号に応答して制御されてもよい。このとき、拘束デバイスを調節す
るために好ましくは使用されるモータは、可逆機能を実行可能である、すなわち、モータ
の駆動方向を反転可能である必要がある。
【0139】
好ましくは、調節デバイスは、患者の身体の外側から無線で送信されるエネルギによっ
て、直接エネルギ供給されてもよい。埋入されたエネルギ変換デバイスは、無線エネルギ
を直接又は間接的に拘束デバイスの動作のための運動エネルギに変換する。別の実施形態
によれば、調節デバイスに対して又は埋入された装置の他のエネルギを消費する部品に対
してエネルギを供給するために、埋入された蓄電池又はバッテリを使用して、患者の身体
の外側からこの埋入されたエネルギ源を制御することも可能である。
【0140】
モータ、ポンプ、及びコンデンサなどの、すべての上記の様々な構成部品が、適用可能
な場合に、異なる実施形態で組み合わせられてもよい。また、本発明の上記の実施形態に
関連して説明される様々な機能が、適用可能な場合に、異なる適用で使用されてもよい。
【0141】
本発明はまた、通常閉じられた、糞便の通路又は通路のストーマの周囲の人工括約筋の
ような、患者の腸、肛門経路、結腸、若しくは直腸を直接係合する調節可能な拘束デバイ
スを患者の身体に外科的に埋入すること、及び必要なときに、糞便の通路又はストーマを
一時的に開くように拘束デバイスを機械的に調節することを含んだ、肛門失禁又はストー
マ手術に悩む患者を治療する方法を提供する。拘束デバイスは、定義された拘束デバイス
に含まれる2つの拘束デバイスを自動で切り替える。
【0142】
調節可能な拘束デバイスは、好ましくは、患者の直腸の基部又は延長部に埋入される。
腸、肛門経路、結腸、又は直腸を係合する2つ以上の拘束デバイスを使用することも可能
である。
【0143】
本発明は更に、肛門失禁に悩む患者の身体に少なくとも2つの腹腔鏡トロカールを配置
する段階、トロカールを介して切開ツールを挿入し腹部又は骨盤又は腹膜後腔周辺の結腸
又は直腸のエリアを切開する段階、直腸又は結腸を係合して切開したエリアに少なくとも
1つの調節可能な拘束デバイスを配置する段階、直腸又は結腸の糞便の通路を正常に拘束
するように拘束デバイスを調節する段階、及び患者が用を足したいときに糞便の通路を開
くように拘束デバイスを調節する段階を含んだ、肛門失禁を治療する方法を提供する。拘
束デバイスは、該拘束デバイスに含まれる2つの拘束デバイスを自動で切り替える。
【0144】
機械的に調節可能な拘束デバイスが、好ましくは非手動で、すなわち装置の皮下に埋入
された構成部品に触れることなく、この方法を実践するときに使用されてもよい。
【0145】
本発明は更に、ストーマに悩む患者の身体に少なくとも2つの腹腔鏡トロカールを配置
する段階、トロカールを介して切開ツールを挿入し腹部周辺のストーマを提供する腸のエ
リアを切開する段階、腸を係合して切開したエリアに少なくとも1つの調節可能な拘束デ
バイスを配置する段階、腸のストーマ通路を正常に拘束するように拘束デバイスを調節す
る段階、及び患者が用を足したいときにストーマ通路を開くように拘束デバイスを調節す
る段階を含んだ、ストーマ患者を治療する方法を提供する。機械的に調節可能な拘束デバ
イスが、好ましくは非手動で、すなわち装置の皮下に埋入された構成部品に触れることな
く、この方法を実践するときに使用されてもよい。
【0146】
拘束デバイスは、該拘束デバイスに含まれる2つの拘束デバイスを自動で切り替える。
【0147】
方法は、エネルギの源を患者に埋入すること、及び拘束デバイスにエネルギを供給する
ように患者の身体の外側からエネルギの源を制御するための制御デバイスを提供すること
を更に含んでもよい。
【0148】
本発明はまた、拘束された尿の通路を尿道又は膀胱に形成するために、尿失禁に悩む患
者の尿道又は膀胱を係合するように適合された調節可能な拘束デバイスを含む尿失禁治療
装置に関する。埋入可能な調節デバイスは、拘束デバイスが患者に埋入されたときに、尿
の通路を閉じるために尿道又は膀胱を拘束するか、又は尿の通路を開くために尿道又は膀
胱を解放するように拘束デバイスを調節するために提供される。埋入可能な操作デバイス
は、調節デバイスを操作するために提供される。
【0149】
尿失禁は、広く知られた問題である。多くの人々が骨盤底の筋肉を鍛えることで乗り越
えられるが、非常に多くの人々が尿漏れに関する厳しい問題を抱えている。この問題に対
する多くの異なる解決策が試みられている。陰嚢に、又は大陰唇の領域に配置される弾性
リザーバ/ポンプに接続された従来の手動で操作される括約筋システムが存在する。この
システムの欠点は、ポンプ構成部品の故障の原因となる、硬質な繊維質がリザーバ周囲で
時間をかけて成長することであり、排尿するときに弾性リザーバを手動で圧迫することが
かなり難しく、特に女性は指を濡らす可能性があることである。従って、もたらされる繊
維質はいつかは、リザーバのポンピングを困難にする硬質な線維化層となる。更に別の欠
点は、液圧流体の使用が人工補綴から漏れる流体のリスクを常に伴うことである。更に、
排尿の必要があるときに手動でリザーバをポンピングすることはかなり難しい作業である
【0150】
尿道を圧縮するために作製された従来の液圧式デバイスが、米国特許第5520606
号に開示される。尿道を取り囲むか又は2つの側面上で尿道を封包する膨張可能なカフを
有した人工括約筋が、例えば米国特許第4571749号及び第4222377号に開示
される。米国特許第4969474号は、尿失禁の問題を有する男性及び女性の両方を同
様に治療する液圧法を開示する。米国特許第4969474号の装置は、流体を含有する
リザーバ、及び組織損失又は壊死の発生のリスクを冒すことなく尿道を圧縮する膨張可能
な圧縮デバイスを備える。尿道カフの閉鎖を達成するために外部の磁石を利用した人工液
圧操作尿道括約筋が、米国特許第5562598号に開示される。米国特許第46192
45号に開示される従来の機械的な人工括約筋は、患者身体の都合のよい場所で埋入する
ための手動で制御可能な動作構成部品を含む。
【0151】
尿失禁治療装置は、例示的な製品として使用され、本明細書において参照される治療使
用選択肢、及び身体の内側での任意の他の可能な適用は、あらゆる適用可能な手法で、す
べてのこれらの代替例にも適用される。この場合、我々は機械的及び液圧式拘束デバイス
の両方に焦点を合わせるが、すべての他の治療分野及び実施形態のための一例として液圧
式の解決策に主な焦点を合わせる。
【0152】
この場合、主な目標は、異なる種類の液圧式デバイスを供給することである。本発明の
主たる目的は、患者の陰嚢に又は大陰唇の領域に配置されたリザーバとポンプ機構との組
み合わせの手動操作を必要としない、尿失禁治療装置を提供することである。
【0153】
本発明の別の目的は、難しい手術を必要としない、尿失禁治療装置を提供することであ
る。
【0154】
本発明の更に別の目的は、遠隔制御器で患者により簡便に制御されてもよい、尿失禁治
療装置を提供することである。
【0155】
これらの目的は、操作デバイスが動力を供給された操作デバイス及び/又はサーボ手段
を含むことを特徴とする最初に説明された種類の装置によって達成される。
【0156】
表現「動力を供給された」は、手動力ではないあらゆるもの、好ましくは電気エネルギ
によって、エネルギ供給されたと理解すべきである。換言すれば、調節デバイスは、非手
動で動作する。表現「非手動」は、装置の皮下に埋入された構成部品を手で触れることで
調節デバイスが動作しないか、又は患者の皮膚に触れることで調節デバイスが操作されな
いことを意味すると理解すべきである。従って、尿失禁を治療するときの従来の実践とは
対照的に、本発明の調節デバイスは、手動力によって、例えば陰嚢に又は大陰唇の領域に
埋入された流体を含有するバルーンを手動で圧縮することによって、動作しない。当然、
動力を供給された操作デバイスを起動させるための皮下の開始ボタンなどの手動操作は、
本発明の範囲内で許容される。
【0157】
代替的に、又は動力を供給された操作デバイスと組み合わせて、サーボ手段が使用され
てもよく、強い操作力を必要としない手動操作を可能にする。サーボ手段は、手動操作手
段によって起動されてもよい、液圧式手段、電気制御手段、磁気手段、又は機械的手段を
含んでもよい。サーボシステムの使用は、調節デバイスを調節するときの力の使用を抑え
、多くの適用で重要である。
【0158】
用語「サーボ手段」は、サーボ機構の通常の定義、すなわち、非常に小さな量の力によ
り大きな量の力を制御する自動的なデバイス、を包含するが、代替的に又は追加的に、長
いストロークを有した移動要素に作用する弱い力を短いストロークを有した別の移動要素
に作用する強い力に変換する機構の定義を包含してもよい。サーボ手段はモータ、好まし
くは電気モータ、を含んでもよく、電気モータは可逆式であってもよい。
【0159】
本発明の主な実施形態によれば、装置は、好ましくは所定の量の液圧流体を含有した、
また患者に埋入可能な、リザーバを含み、好適には電力を供給された、操作デバイスが、
リザーバの液圧流体を使用することによって調節デバイスを操作する。
【0160】
調節デバイスは、拘束デバイスに拡大可能な空洞を含んでもよく、尿道又は膀胱は、空
洞の拡大に応じて圧迫され、空洞の収縮に応じて解放される。この実施形態では、操作デ
バイスは、空洞を拡大するためにリザーバから、空洞を収縮させるために空洞からリザー
バへ、液圧流体を分配するように適合される。
【0161】
チューブが装置の他の埋入された構成部品に干渉しないように、流体分配チューブがリ
ザーバと空洞との間に簡単に接続されてもよい。
【0162】
好ましくは、リザーバは、所定の量の流体のためのチャンバを定め、操作デバイスは、
チャンバの容積を変化させる。操作デバイスは好適には、チャンバの容積を変化させるた
めに、リザーバの第1及び第2の壁部分を含み、リザーバの第1及び第2の壁部分の間に
相対変位を提供するように適合される。
【0163】
操作デバイスは、リザーバ内の圧力に応答して上記相対変位を提供するように適合され
てもよい。好適には、操作デバイスは、圧力制御される液圧式操作デバイスを含む。安全
のために、液圧式操作デバイスを制御する圧力が所定の高値を超えて所定の期間を経過し
た場合に警報信号を生成するために、警報が提供されてもよい。
【0164】
好適には、操作デバイスは、リザーバの第2の壁部分に対するリザーバの第1の壁部分
の所定の第1の変位に応答してリザーバから拘束部材の空洞へ流体を分配するように適合
され、第2の壁部分に対する第1の壁部分の所定の第2の変位に応答して空洞からリザー
バへ流体を分配してもよい。
【0165】
リザーバの第1及び第2の壁部分は、磁気、液圧式、又は電気モータなどの電力手段に
より、互いに対して変位可能であってもよい。この実施形態では、ポンプは使用されず、
リザーバの容積だけが変化する。これは、逆止弁の必要性がなく、かつ流体をリザーバへ
及びリザーバから移動させることが依然として可能であるので、操作デバイスが、リザー
バと調節デバイスとの間で流体を送り込むために使用されるポンプを含むときの下記の解
決策と比較して大きな利点である。従って、患者に埋入されるこのような逆止弁を使用す
るときの故障の重大なリスクが排除される。
【0166】
操作デバイスは、液圧式手段、及び液圧式手段と調節デバイスとの間に延在する流体導
管を含んでもよい。液圧式手段及び導管は、いかなる逆止弁も持たない。リザーバは、導
管の一部、及び可変容積を有する流体チャンバを形成してもよい。操作デバイスは、チャ
ンバの容積の低減により流体チャンバから調節デバイスへ流体を分配しても、チャンバの
容積の拡大により調節デバイスから流体を引き込んでもよい。操作デバイスは好ましくは
、チャンバの容積を変化させるためにリザーバの可動壁を移動させるためのモータを含む
。任意の種類のモータが、異なる操作、並びに操作を制御するための無線遠隔解決策のた
めに使用され得る。
【0167】
拘束デバイスは好ましくは、可逆機能を実行するように操作可能であり、従って、拘束
デバイスによって実行される機能を反転させるための患者に埋入可能な反転デバイスが存
在する。好ましくは、このような反転機能は、好適には無段階で、拘束デバイスにより尿
の通路を拡大及び拘束することを伴う。これに関連して、制御デバイスは好適には、拘束
デバイスによって実行される機能を反転させるために、切替器を備えてもよい反転デバイ
スを制御する。反転デバイスは、液圧式手段における流体の流れ方向を変えるための弁を
備えた液圧式手段を含んでもよい。代替的に、反転デバイスは、切替器又は歯車箱などの
、機械的な反転デバイスを含んでもよい。
【0168】
反転デバイスが切替器を含む場合には、制御装置は好適には、切替器に供給される放出
エネルギの極性を変えることによって、切替器の操作を制御する。切替器は電気切替器を
含んでもよく、エネルギの源は、切替器の操作のために電気エネルギを供給してもよい。
上述の切替器は、電子切替器又は、適用可能な場合には、機械切替器を含んでもよい。
【0169】
操作デバイスがモータを含む場合には、反転デバイスはモータを反転させるように適合
される。
【0170】
本発明の別の特定の実施形態によれば、操作デバイスは、リザーバと調節デバイスとの
間で流体を送り込むためのポンプを含む。一方向に起動部材を押し込むだけでリザーバか
ら調節デバイスへ及びその逆へ流体を送り込むことが可能な機械的な解決策が提案される
。ポンプは好ましくは、リザーバから調節デバイスへ流体を送り込むためにポンプを起動
するための第1の起動部材、及び調節デバイスからリザーバへ流体を送り込むためにポン
プを起動するための第2の起動部材を含む。第1及び第2の起動部材のうちの少なくとも
1つは、好ましくは一方向への起動部材の手動押し込み、引っ張り、又は回転を可能にす
るための手動操作によって、又は磁気的に、液圧で、若しくは電気的に動力を供給された
デバイスによって(例えば電気モータによって)動作可能であってもよく、又はこれらの
方法の組み合わせによって動作可能であってもよい。好適には、起動部材のうちの少なく
とも1つは、所定の大きさを超える外圧を受けたときに動作するように適合されてもよい
【0171】
別の変形例は、一方向だけに送り込むポンプ、及びリザーバ内の流体の量を増加させる
か又は減少させるように流体の方向を変化させるための調節可能な弁である。この弁は、
手動、機械的、磁気的、又は液圧のいずれかで操作されてもよい。
【0172】
リザーバを備える上記の本発明の主な実施形態は代替的に、反転サーボを含むサーボ手
段を備えてもよい。用語「反転サーボ」は、短いストロークを有した移動要素に作用する
強い力を長いストロークを有した別の移動要素に作用する弱い力に変換する機構、すなわ
ち通常のサーボ機構の、上で定義された代替的機構の反転機能と理解されるべきである。
調節デバイスの液圧式手段が組み込まれた別の閉鎖液圧式システムを制御する第1の閉鎖
液圧式システムが、使用されてもよい。このとき、第1のシステムの小さなリザーバ内の
流体の量の小さな変化が、反転サーボによって、第2のシステムの大きなリザーバ内の流
体の量の大きな変化に変換され得る。結果として、第2のシステムの大きなリザーバ内の
容積の変化が、調節デバイスの液圧式手段に影響を及ぼす。例えば、小さなリザーバの容
積を減少させる短いストロークによって、大きなリザーバは調節デバイスに多量の液圧流
体を供給するようになり、液圧流体は、次いで拘束デバイスで長い機械的な調節ストロー
クをもたらす。
【0173】
このような反転サーボを使用する大きな利点は、大きな容積のシステムが、多くの空間
が存在する腹部又は腹膜後腔の内側に配置され得るが、依然として、皮下で小さなシステ
ムの手動操作手段を使用することが可能であることである。小さなリザーバは、流体供給
手段によって、直接又は間接的に制御され得る。流体供給手段は、別の小さなリザーバを
備えてもよく、別の小さなリザーバは、皮下に配置されてもよく、手動操作手段によって
起動されてもよい。通常のサーボ手段及び特定の反転サーボの両方が、本明細書に説明さ
れる様々な構成部品及び解決策のすべてに関連して使用されてもよい。
【0174】
従って、反転サーボは、リザーバのチャンバの容積を変化させるために、好適にはリザ
ーバ内の圧力に応答して、リザーバの第1及び第2の壁部分の間に相対変位を提供するよ
うに適合されてもよい。
【0175】
一般的に、反転サーボを備えるサーボ手段は、圧力制御されるサーボ手段を含む。上述
の警報は代替的に、サーボ手段を制御する圧力が所定の高値を超えて所定の期間を経過し
た場合に警報信号を生成するように適合されてもよい。
【0176】
反転サーボは、磁気手段、電気手段、若しくは手動操作手段、又はこれらの組み合わせ
を含んでもよい。しかしながら、好ましくは、反転サーボは液圧式手段を含む。
【0177】
本発明の特定の実施形態によれば、反転サーボは、サーボ流体を含有するチャンバを定
めたサーボリザーバを更に含み、操作デバイスは、サーボリザーバの第1及び第2の壁部
分を含み、壁部分は、サーボリザーバのチャンバの容積を変化させるために互いに対して
変位可能である。サーボリザーバの第1及び第2の壁部分は、磁気手段、液圧式手段、又
は電気制御手段によって互いに対して変位可能であってもよい。
【0178】
反転サーボが液圧式手段を含む場合には、液圧式手段は、閉鎖系でサーボリザーバに接
続された、更なる所定の量の流体を含有する流体供給リザーバを更に含んでもよい。流体
供給リザーバは、更なる所定の量の流体のためのチャンバを定め、操作デバイスは、チャ
ンバの容積を変化させこれによりサーボリザーバの流体の量を制御するように適合される
。流体供給リザーバは、第1及び第2の壁部分を含み、壁部分は、流体供給リザーバのチ
ャンバの容積を変化させるために互いに対して変位可能である。好適には、流体供給リザ
ーバは、流体供給リザーバの第2の壁部分に対する流体供給リザーバの第1の壁部分の所
定の第1の変位に応答してサーボリザーバ内の流体の量を増加させ、流体供給リザーバの
第2の壁部分に対する流体供給リザーバの第1の壁部分の所定の第2の変位に応答してサ
ーボリザーバ内の流体の量を減少させる。
【0179】
本発明の一実施形態によれば、調節デバイスは液圧式調節デバイスを含み、所定の量の
液圧流体を含有する埋入可能なリザーバ、及びリザーバと液圧式調節デバイスとの間の流
体接続を提供する導管が提供される。操作デバイスは、リザーバと液圧式調節デバイスと
の間の導管を介して液圧流体を分配することによって液圧式調節デバイスを操作するよう
に適合され、導管及び液圧式調節デバイスは、導管内の両方向への液圧流体の自由流を可
能にするために、いかなる逆止弁も持たない。好ましくは、リザーバは可変容積を有した
流体チャンバを形成し、操作デバイスは、チャンバの容積の低減によってチャンバから調
節デバイスへ流体を分配して、チャンバの容積の拡大によって調節デバイスから流体を引
き出すように適合される。操作デバイスは、モータ又はポンプを含んでもよい。代替的に
、操作デバイスは、チャンバの容積を変化させるためのリザーバの可動壁を含んでもよい
。例えば、操作デバイスは、チャンバ内の圧力に応答して可動壁を移動させることによっ
てチャンバの容積を変化させるように適合されてもよい。
【0180】
液圧流体のためのリザーバを備える上記の実施形態では、注入ポートが、リザーバのチ
ャンバと流体連通するように、患者への皮下埋入用に提供されてもよい。注入ポートは、
リザーバにおいて一体化されてもよい。このような注入ポートは、使用される液圧式シス
テムの流体の量の、通例単一の、一度だけの、較正を可能にするために提供されてもよい
【0181】
以下に説明される様々な実施形態では、拘束デバイスは、一般的に、少なくとも実質的
に閉じたループを形成する。しかしながら、拘束デバイスは、正方形、矩形、又は楕円形
などの、種々の異なる形状となってもよい。実質的に閉じたループは、例えば全体的に平
坦、すなわち、半径方向に見られるように薄くなり得る。拘束デバイスの形状はまた、使
用の間、任意の方向への拘束デバイスの回転又は移動により変化してもよい。尿道又は膀
胱のような、身体ルーメンは、多くの場合、ルーメンの2つの向かい合う側壁を互いに対
して収縮させることによって拘束しやすい。従って、拘束デバイスは、尿道又は膀胱の向
かい合う壁のこのような収縮効果を奏するように設計されてもよい。機械的又は液圧式の
解決策のいずれかが、拘束デバイスを操作するために利用されてもよい。代替的に、拘束
デバイスは、尿道又は膀胱の通路を閉じるために尿道又は膀胱を曲げるか又は回転させる
ための調節可能なカフ、クランプ、又はローラを含んでもよい。このようなカフ、クラン
プ、又はローラはまた、患者の身体の内側でヒト材料、例えば患者の仙骨、に対して、又
は装置の埋入された構造体に対して、尿道又は膀胱を圧迫するために利用されてもよい。
曲げ又は回転部材は、任意の形状であってもよく、液圧式又は非膨張式のいずれであって
もよい。
【0182】
好ましくは、拘束デバイスは、細長い拘束部材、及び尿道又は膀胱の周囲で拘束部材を
少なくとも実質的に閉じたループの形にするための形成手段を含み、ループは拘束開口部
を定め、これにより、調節デバイスは、拘束開口部のサイズを変化させるためにループの
拘束部材を調節する。
【0183】
有利には、形成手段は、拘束部材を、所定のサイズを有したループの形にしてもよい。
代替的に、形成手段は、拘束部材を、いくつかの所定のサイズから選択されるサイズを有
したループの形にしてもよい。
【0184】
拘束部材の外周の閉じ込め表面が変化するか又は変化しないように、調節デバイスは拘
束開口部のサイズを変化させてもよい。
【0185】
細長い拘束部材は可撓性で、例えばベルト又はコードの形状であってもよく、尿の通路
を拘束するように細長い可撓性拘束部材の反対の長さ間で尿道又は膀胱を圧迫するために
、調節デバイスは、ループの第1の部分の反対の可撓性拘束部材の第2の部分から、可撓
性拘束部材の第1の部分を引っ張ってもよい。拘束部材は非膨張式であってもよく、調節
デバイスはループの拘束部材を機械的に調節してもよい。
【0186】
調節デバイスは、拘束デバイスを機械的に又は液圧で調節してもよい。説明される実施
形態では、調節デバイスは、適用可能な場合に、拘束デバイスを機械的に又は液圧で調節
してもよい。調節デバイスが拘束デバイスを機械的に又は液圧で調節するように適合され
るかどうかに関係なく、操作デバイスは調節デバイスを機械的に又は液圧で操作してもよ
いことに留意する必要がある。
【0187】
本発明の一実施形態によれば、拘束デバイスは、尿道又は膀胱の反対の又は異なる側面
上に少なくとも2つの要素を含み、調節デバイスは、要素間で尿道又は膀胱を圧迫するた
めに要素間の距離を減少させ、これにより尿の通路を拘束する。1つの要素だけを使用し
て、ヒトの骨又は組織に対して尿道又は膀胱を圧迫することも可能である。上述の要素は
、本明細書で述べられるすべての拘束部材と同様に、剛性から軟性のあらゆるものであっ
てもよい。
【0188】
変形例によれば、拘束デバイスは、尿道又は膀胱の尿の通路を拘束するために、尿道又
は膀胱の一部分を曲げるか又は回転させる。例えば、拘束デバイスは、尿道又は膀胱の反
対の又は異なる側面上に位置し尿道又は膀胱に沿って互いに対して変位した、円筒又は砂
時計形状のローラなどの、少なくとも2つの曲げ部材を含んでもよく、調節デバイスは、
尿の通路を拘束するために尿道又は膀胱を曲げるように、尿道又は膀胱に対して曲げ部材
を移動させてもよい。拘束デバイスはまた、尿道又は膀胱の一部分を回転させてもよい。
曲げ又は回転部材は、任意の形状であってもよく、液圧式又は非膨張式のいずれであって
もよい。
【0189】
代替的に、一方が他方より遠位に配置された2つの曲げ部材が、互いに対して反対方向
に回転してもよい。相互接続手段、例えば曲げ部材間の可撓性バンドにより、曲げ部材が
回転するときに、拘束が曲げ部材間で発生する。
【0190】
好ましくは、調節デバイスは、尿道又は膀胱の尿の通路の拘束を無段階で変化させるよ
うに拘束デバイスを調節するために操作可能である。
【0191】
本発明によるすべての実施形態が、無線遠隔制御器により制御されてもよい。
【0192】
本発明の有利な実施形態によれば、操作デバイスを非侵襲的に制御するための無線遠隔
制御器が提供される。遠隔制御器は、外部のハンドヘルド遠隔制御ユニットを簡便に含ん
でもよく、遠隔制御ユニットは、尿道又は膀胱を圧迫及び解放するように拘束デバイスを
制御するために患者により手動で操作可能である。無線遠隔制御器によって、本発明の装
置は、患者が望むときに患者により簡便に制御され、これは従来技術の手順と比較して大
きな利点である。遠隔制御器によって、本発明の装置は、患者が用を足したいときに尿の
通路を解放するために埋入された拘束デバイスを調節するように簡便に制御される。
【0193】
遠隔制御器は有利には、尿の通路のコンディション、又は拘束デバイスに対する圧力な
どの、重要なパラメータに関連する情報を取得すること、及び取得した情報に応答して拘
束デバイスを調節するために調節デバイスを操作するように操作デバイスに命令すること
が可能であってもよい。遠隔制御器によって、本発明の装置は、尿の通路を開閉するため
に埋入された拘束デバイスを調節するように簡便に制御される。調節デバイスは、通路の
拘束を無段階で変化させるように拘束デバイスを制御してもよい。
【0194】
好ましくは、無線遠隔制御器は、分離信号トランスミッタ又はレシーバ、及び患者に埋
入された信号レシーバ又はトランスミッタを含む。例えば、信号トランスミッタ及び信号
レシーバはデジタルパルスの形態で信号を送受信してもよく、デジタルパルスは磁場又は
電場を含んでもよい。代替的に、好ましくは、信号トランスミッタ及び信号レシーバは、
電磁波信号、音波信号、又は遠隔制御信号のための搬送波信号を送受信してもよい。レシ
ーバは、信号トランスミッタからの制御信号に応答して調節デバイスを制御するための埋
入された制御ユニットを含んでもよい。ヒト又は哺乳動物の患者用に好適な任意の公知の
又は従来の信号送信又は信号受信手段が、信号トランスミッタ又は信号レシーバとして提
供されてもよい。
【0195】
本発明の装置は、電子回路、及び/又は調節デバイスを操作するためのモータなどの、
装置のエネルギを消費する埋入された構成部品にエネルギを提供するための埋入されたエ
ネルギ供給ユニットを更に含んでもよい。モータが提供される場合には、制御ユニットは
、信号トランスミッタから受信した制御信号に応答して、エネルギ供給ユニットによって
提供されるエネルギにより、モータに動力を供給するように適合される。モータは、空気
圧、液圧、又は電気モータなどの、任意のタイプのモータであってもよく、エネルギ供給
ユニットは、モータのタイプに応じて、加圧気体若しくは液体、又は電気エネルギによっ
てモータに動力を供給してもよい。モータが電気モータである場合には、モータは空気圧
又は液圧機器に動力を供給してもよい。
【0196】
遠隔制御器は有利には、患者の身体の外側から装置のエネルギを消費する埋入可能な構
成部品へエネルギを伝達するための無線エネルギ伝達デバイスを含む。エネルギ伝達デバ
イスは、制御信号が信号レシーバに送信される際に制御信号からのエネルギを電気エネル
ギに変換するように適合された上記エネルギ供給ユニットを含んでもよい。操作デバイス
がモータを含む場合には、無線エネルギ伝達デバイスは、伝達されるエネルギによりモー
タに直接動力を供給するように適合される。
【0197】
無線エネルギ伝達デバイスによって伝達されるエネルギは好ましくは、信号、好適には
波信号を含む。無線エネルギ伝達デバイスによって伝達されるエネルギは、電場若しくは
磁場、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。信号は、アナログ若しくはデジタル、又
はこれらの組み合わせであってもよい。エネルギ伝達デバイスは、信号からのエネルギを
直流、パルス直流、若しくは交流、又はこれらの組み合わせに変換してもよい。
【0198】
上述の信号のうちのいずれかは、アナログ又はデジタルパルスを含んでもよい。アナロ
グ又はデジタル信号は、磁場若しくは電場、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。信
号が波信号である場合には、波信号は、電磁波信号、音波信号、若しくは遠隔制御信号の
ための搬送波信号、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。キャリア信号が使用される
場合には、キャリア信号は、周波数、振幅、又は周波数及び振幅変調されてもよい。
【0199】
本発明の装置は、操作デバイスに動力を供給し及び/又は装置の他のエネルギを消費す
る構成部品にエネルギ供給するための埋入可能なエネルギの源を含んでもよく、エネルギ
の源からのエネルギは、患者の身体の外側から放出可能である。更に、装置は、第1の形
態のエネルギの無線送信のためのエネルギ送信デバイス、並びに第1の形態のエネルギを
、エネルギの源に及び/又は装置の他のエネルギを消費する埋入可能な部品に供給される
ことになる第2の形態のエネルギに変換するための患者に埋入可能なエネルギ変換デバイ
スを含んでもよい。エネルギ変換デバイスは、無線エネルギを、拘束デバイスの操作のた
めの無線エネルギとは異なるエネルギに直接又は間接的に変換してもよい。典型的に、第
2の形態のエネルギは、第1の形態のエネルギと異なる。エネルギ送信デバイスの機能は
、エネルギ変換デバイスの機能と異なってもよい。
【0200】
調節デバイスを操作するための埋入可能なモータ又はポンプが提供されてもよく、エネ
ルギ送信デバイスは、無線エネルギが送信される際に、モータ又はポンプの直接動力供給
のための磁場又は電磁波若しくは電磁場の形態で無線エネルギを送信するように適合され
てもよい。好適には、エネルギ送信デバイスは、上述の制御信号から分離した少なくとも
1つの信号によって、エネルギを送信する。
【0201】
第1又は第2の形態のエネルギを安定させるための埋入可能な安定器が提供されてもよ
い。第2の形態のエネルギが電流を含む場合には、安定器は好適には少なくとも1つのコ
ンデンサを含む。
【0202】
一般的に、エネルギの源は、バッテリ、蓄電池、コンデンサ、又はこれらの組み合わせ
を含む。
【0203】
本発明の一実施形態によれば、装置は、操作デバイスに直接動力を供給し及び/又は装
置の他のエネルギを消費する構成部品にエネルギ供給するための無線エネルギを生成する
ように適合された制御デバイスを含む。
【0204】
装置のエネルギを消費する部品、例えばモータ又はポンプは、エネルギが送信される際
に、無線で送信される未変化のエネルギによってエネルギ供給されても又はエネルギ供給
されなくてもよく、かつエネルギが送信される際に、例えば電気エネルギに変換されるが
装置のエネルギを消費する部品にエネルギ供給するために依然として直接使用される、送
信されるエネルギとは異なるエネルギによって、エネルギ供給されても又はエネルギ供給
されなくてもよいことを理解すべきである。代替的に、装置のエネルギを消費する部品は
、埋入されたエネルギの源又は貯蔵デバイスからエネルギ供給されてもよく、エネルギの
源又は貯蔵デバイスは、依然として無線エネルギにより充填されてもよい。すべてのこれ
らの態様において、エネルギの放出を無線で制御できかつデバイスの実行された機能の結
果のフィードバックを取得できることが好ましい。送信されるエネルギの直接使用は、何
が発生したか、エネルギが目標に到達したかの、フィードバックなしでは、信頼できない
場合がある。
【0205】
一般的に、無線エネルギは、音波信号、超音波信号、電波波信号、赤外光信号、可視光
信号、紫外光信号、レーザ光信号、マイクロ波信号、電波信号、x線放射信号、又はガン
マ放射信号を包含する波信号を含んでもよい。
【0206】
上述の信号のうちのいずれかが、音波信号、超音波信号、電波波信号、赤外光信号、可
視光信号、紫外光信号、レーザ光信号、マイクロ波信号、電波信号、x線放射信号、又は
ガンマ放射信号を包含する波信号を含んでもよい。
【0207】
制御デバイスは、エネルギパルス列の形態で無線エネルギを生成するように適合されて
もよく、エネルギ伝達手段は、装置のエネルギを消費する構成部品のエネルギ供給に関連
した直接使用のためのエネルギパルス列を断続的に伝達するように適合されてもよい。代
替的に、制御デバイスは、調節デバイスの操作に関連した直接使用のための上記エネルギ
パルス列の第2の形態のエネルギを生成するためにエネルギ変換デバイスを制御するよう
に適合されてもよい。伝達されるエネルギは好ましくは、電気エネルギを含む。埋入可能
なコンデンサが、エネルギパルス列を生成するために提供されてもよい。
【0208】
コンデンサが上記の実施形態のいずれかにおいて使用される場合には、コンデンサは、
小さく、埋入に好適であるように、比較的低い容量、すなわち0.1μF未満を有しても
よい。
【0209】
操作デバイスが、調節デバイスを操作するための埋入可能なモータ又はポンプを含む場
合には、エネルギ伝達デバイスは、エネルギが伝達されると同時に伝達されるエネルギに
よってモータ又はポンプに直接動力を供給するように適合されてもよい。ポンプが使用さ
れる場合には、プランジャポンプはノイズが多いので、ポンプは、プランジャ型のポンプ
であってはならないが、蠕動又は膜ポンプを含んでもよい。
【0210】
上述のように、装置は、操作デバイスを非侵襲的に制御するための無線遠隔制御器を含
み、操作デバイスは好ましくは、電力を供給される。代替的に、操作デバイスは、磁気エ
ネルギ、非磁気エネルギ、電磁気エネルギ、非電磁気エネルギ、運動エネルギ、非運動エ
ネルギ、音エネルギ、非音エネルギ、熱エネルギ、又は非熱エネルギによって動力を供給
される。しかしながら、操作デバイスは、永続的な静磁気エネルギによって動力供給不可
能であってもよい。電気、電磁気エネルギ、又は移動する永久磁気エネルギなどの、任意
の他の種類のエネルギが、調節デバイスを操作するために考えられてもよい。結果として
、患者が何らかの永久磁石に近づく場合に、埋入された拘束デバイスは偶然に調節されな
い。好適には、操作デバイスは、調節デバイスを非侵襲的に操作するように適合される。
【0211】
操作デバイスが液圧式操作デバイスを含む場合には、操作デバイスは液圧流体を使用し
てもよく、液圧流体が熱エネルギとは異なるエネルギ、好ましくは電気エネルギ、にさら
されるときに、液圧流体の粘性は変化する。しかしながら、外部の熱源、又は患者が発熱
したときの身体からの熱、及び外部の磁気源が装置の埋入された構成部品に影響を及ぼす
場合があるので、熱又は磁場にさらされたときに増加する粘性を有する種類の液圧流体の
使用は回避されなければならない、すなわち熱にさらされるか又は磁力の影響を受けたと
きに液圧流体は実質的に粘性を増さない。
【0212】
調節デバイスは、尿の通路の拘束を無段階で変化させるように拘束デバイスを調節する
ために操作可能であってもよい。更に、調節デバイスは、拘束デバイスを機械的に調節す
るように適合されてもよい。代替的に、調節デバイスは、熱又は磁場にさらされたときに
実質的に増加する粘性を有する種類の液圧流体を持たない、液圧式手段を使用することに
よって拘束デバイスを液圧で調節するように適合されてもよい。
【0213】
本発明の一実施形態によれば、装置は、拘束デバイスを制御するための制御デバイスを
含む。制御デバイスは、患者に埋入可能な内部のプログラム可能な制御ユニットを含んで
もよく、プログラム可能な内部の制御ユニットをプログラムするための患者の身体の外側
の外部の制御ユニットを含むことが可能である。代替的に、外部の制御ユニットが、プロ
グラム可能であり、かつ拘束デバイスを無線で制御してもよい。制御デバイスは、操作デ
バイスに直接動力を供給し及び/又は装置の他のエネルギを消費する構成部品にエネルギ
供給するための無線エネルギを生成するように適合されてもよい。
【0214】
患者の少なくとも1つの身体的なパラメータを検出するための少なくとも1つのセンサ
が、患者に簡便に埋入されてもよい。センサは、好ましくは身体的なパラメータとして患
者の水平位を検出してもよく、又は拘束デバイス若しくは尿道若しくは膀胱に対する圧力
、若しくは他の重要なパラメータを検出するための圧力センサを含んでもよい。圧力セン
サは、米国特許第5540731号、第4846181号、第4738267号、第45
71749号、第4407296号、若しくは第3939823号;又はNPC-102
医療血管形成術用センサに示されるような、任意の好適な公知の又は従来の圧力センサで
あってもよい。
【0215】
制御デバイスの内部の制御ユニット又は外部の制御ユニットのいずれかが、好適には、
尿の通路を拡張するか又は閉じるように拘束デバイスを制御してもよい。安全のために、
拘束デバイスは、例えば異常に高い圧力値を検出したセンサに応答して、尿の通路を拡張
しても又は開いてもよい。内部の制御ユニットは、センサからの信号に応答して拘束デバ
イスを直接制御してもよい。
【0216】
本発明により磁気手段が利用される場合は必ず、磁気手段は、永久磁石及び磁性材料リ
ードスイッチ、又は他の好適な公知の若しくは従来の磁気手段を含んでもよい。
【0217】
エネルギの源が使用される場合には、制御デバイスは好適には、調節デバイスが埋入さ
れるときに、調節デバイスの操作と関連して使用されるエネルギを放出するようにエネル
ギの源を制御するために、患者の身体の外側から操作可能である。エネルギの源は、患者
の身体の外部に提供されてもよく、制御デバイスは、調節デバイスの操作と関連して使用
される無線エネルギを放出するように外部のエネルギの源を制御するべく適合されてもよ
い。
【0218】
制御デバイスは、磁気エネルギ、非磁気エネルギ、電磁気エネルギ、非電磁気エネルギ
、運動エネルギ、非運動エネルギ、音エネルギ、非音エネルギ、熱エネルギ、又は非熱エ
ネルギを、好ましくは非侵襲的に、決定された期間及び/又は決定されたエネルギパルス
数で放出するようにエネルギの源を制御してもよい。
【0219】
装置の埋入可能な構成部品が電気構成部品を含む場合には、電気構成部品は少なくとも
1つの又は単一の電圧レベルガードを備えてもよい。この場合、電気構成部品は好適には
、任意の電流検出器及び/又は充電レベル検出器を持たない。更に、電気構成部品はコン
デンサ又は蓄電池を含んでもよく、コンデンサ又は蓄電池の充電及び放電は、電圧レベル
ガードを使用して制御される。結果として、コンデンサの制御のための任意の埋入された
電流検出器及び/又は充電レベル検出器の必要性がなく、装置を単純で信頼性の高いもの
にする。
【0220】
本発明の有利な実施形態によれば、装置は、拘束デバイスの操作を直接又は間接的に切
り替えるための埋入可能な切替器を含む。切替器は、上述のエネルギ送信デバイスによっ
て供給されるエネルギにより、上述の埋入可能なエネルギの源が使用されないオフモード
から、エネルギの源が拘束デバイスの操作のためにエネルギを供給するオンモードへ切り
替えるように操作されてもよい。
【0221】
代替的な実施形態によれば、上述の遠隔制御器が埋入可能なエネルギの源を制御するた
めに利用されてもよく、切替器は、エネルギ送信デバイスによって供給されるエネルギに
より、遠隔制御器がエネルギの源を制御するのを妨げられかつエネルギの源が使用されな
いオフモードから、遠隔制御器が拘束デバイスの操作のためにエネルギを供給するように
エネルギの源を制御することができるスタンバイモードへ切り替えるように操作される。
【0222】
別の代替的な実施形態によれば、切替器は、上述の埋入可能なエネルギ変換デバイスに
よって供給されるエネルギにより、エネルギの源が使用されないオフモードから、エネル
ギの源が拘束デバイスの操作のためにエネルギを供給するオンモードへ切り替えるように
操作される。
【0223】
更に別の代替的な実施形態によれば、切替器は、エネルギ変換デバイスによって供給さ
れるエネルギにより、遠隔制御器がエネルギの源を制御するのを妨げられかつエネルギの
源が使用されないオフモードから、遠隔制御器が拘束デバイスの操作のためにエネルギを
供給するようにエネルギの源を制御することができるスタンバイモードへ切り替えるよう
に操作される。
【0224】
好適には、拘束デバイスは、20ショア未満の硬さを有したシリコーン材料などの、軟
性又はゲル状の材料に埋め込まれる。
【0225】
エネルギ変換デバイスは、皮下、又は患者の腹部、胸部、若しくは頭部領域に埋入され
るように設計されてもよい。
【0226】
調節デバイスは、患者が満足のいく尿の通路の所定の収縮を拘束デバイスが提供するよ
うに拘束デバイスを調節するべく適合されてもよい。
【0227】
調節デバイスは好ましくは、デバイスの信頼できない機能を生じさせる原因となる、磁
束若しくは熱を伴わず、又は粘性を変化させずに、補綴デバイスを調節するように適合さ
れる。表現「粘性を変化させず」は、使用される液圧流体の粘性を変化させることによっ
て調節デバイスが調節されないことを意味すると理解すべきである。
【0228】
モータ、ポンプ、及びコンデンサなどの、すべての上記の様々な構成部品が、適用可能
な場合に、異なる実施形態で組み合わせられてもよい。また、本発明の上記の実施形態に
関連して説明される様々な機能が、適用可能な場合に、異なる適用で使用されてもよい。
詳細には、説明される様々な遠隔制御機能、及びエネルギを供給するためのすべての様々
な方法が、当業者に明らかな任意の考えられる組み合わせで使用されてもよい。
【0229】
本発明はまた、尿失禁に悩む患者の身体に少なくとも2つの腹腔鏡トロカールを配置す
る段階、トロカールを介して切開ツールを挿入し腹部又は骨盤又は腹膜後腔周辺の尿道又
は膀胱のエリアを切開する段階、尿道又は膀胱を係合して切開したエリアに少なくとも1
つの調節可能な拘束デバイスを配置する段階、尿道又は膀胱の尿の通路を正常に拘束する
ように拘束デバイスを調節する段階、及び患者が用を足したいときに尿の通路を開くよう
に拘束デバイスを調節する段階を含んだ、尿失禁で悩む患者を治療する方法を提供する。
液圧で調節可能な拘束デバイスが、好ましくは非手動で、すなわち装置の皮下に埋入され
た構成部品に触れることなく、この方法を実践するときに使用されてもよい。
【0230】
方法は、エネルギの源を患者に埋入すること、及び拘束デバイスの調節のためにエネル
ギを供給するように患者の身体の外側からエネルギの源を制御するための制御デバイスを
提供することを更に含んでもよい。
【0231】
本発明はまた、尿の通路を拘束するために尿道又は膀胱を係合する調節可能な拘束デバ
イスを尿失禁に悩む患者の身体に外科的に埋入すること、及び患者が排尿可能になること
が望ましいときに、尿の通路を開くために尿道又は膀胱を一時的に解放するように拘束デ
バイスを調節することを含んだ、尿失禁を治療する方法を提供する。方法は、尿道又は膀
胱の周囲に拘束デバイスの細長い拘束部材を埋入することを更に含んでもよい。
【0232】
本発明の尿失禁治療装置はまた、腹腔鏡下で埋入されてもよい。従って、患者の身体に
少なくとも2つの腹腔鏡トロカールを配置する段階、トロカールを介して切開ツールを挿
入し骨盤又は腹部又は腹膜後腔周辺のエリアを切開する段階、及び切開したエリアに調節
可能な拘束デバイスを配置する段階を含む方法が提供され、結果として、拘束デバイスが
、尿の通路を拘束するために尿道又は膀胱を係合する。
【0233】
上記の実施形態と同じ結果をもたらす本発明の多数の想定可能な代替的な実施形態が存
在する。例えば、外部の及び埋入された、それぞれの、制御ユニットのマイクロプロセッ
サが、別個の構成部品に置き換えられてもよい。信号生成器によって生成される信号が十
分に強い場合には、外部の制御ユニットの力増幅器は省略されてもよい。従って、すべて
の等価構造及びアセンブリを包含するように、本発明には、添付の特許請求の範囲の最も
広い解釈が与えられることになる。
【0234】
任意の実施形態、実施形態の一部、方法、又は方法の一部が、任意の適用可能な手法で
組み合わされてもよい。尿失禁のために説明される任意の実施形態、又は肛門失禁のため
に説明される任意の実施形態が、本明細書に提示されるすべて他の治療分野の治療装置若
しくは方法、又は説明される2つの自動切替拘束デバイスを使用した拘束デバイスを含む
、身体の内側に配置される任意の適用可能な装置の使用に適用されてもよい。
【0235】
ここで、本発明を添付の図面を参照して一例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0236】
図1図1は、液圧式の埋入可能な拘束デバイスが埋入された患者の概観である。
図2a図2aは、腹壁の筋層に固定するときの、埋入された液圧式拘束デバイスの断面図である。
図2b図2bは、液圧式の埋入可能な拘束デバイスの一実施形態を示す。
図3図3は、液圧式の埋入可能な拘束デバイスの一実施形態を示す。
図4図4は、液圧式の埋入可能な拘束デバイスが患者の卵管を拘束するために埋入されたときの、患者の概観である。
図5a図5aは、患者の卵管を拘束する液圧式の埋入可能な拘束デバイスの一実施形態を示す。
図5b図5bは、液圧式の埋入可能な拘束デバイスが埋入されたときの、患者の子宮及び卵管を示す。
図6図6は、液圧式の埋入可能な拘束デバイスが患者のストーマの一部を拘束するために埋入されたときの、患者の概観である。
図7図7は、患者のストーマを拘束するために埋入されたときの、液圧式の埋入可能な拘束デバイスを更に詳細に示す。
図8図8は、液圧式の埋入可能な拘束デバイスが患者の尿道を拘束するために埋入されたときの、患者の概観を示す。
図9a図9aは、液圧式の埋入可能な拘束デバイスが埋入されたときの、患者の尿道を示す。
図9b図9bは、液圧式の埋入可能な拘束デバイスが尿道を拘束するために埋入されたときの、患者の断面図である。
図10図10は、液圧式の埋入可能な拘束デバイスが患者の輸精管を拘束するために埋入されたときの、患者の概観を示す。
図11a図11aは、液圧式の拘束デバイスが埋入されたときの、患者の陰嚢及び輸精管を更に詳細に示す。
図11b図11bは、液圧式の拘束デバイスが埋入されたときの、患者の輸精管を概略的に示す。
図12図12は、液圧式の埋入可能な拘束デバイスが患者の大腸を拘束するために埋入されたときの、患者の概観を示す。
図13a図13aは、液圧式の拘束デバイスが埋入されたときの、患者の大腸を概略的に示す。
図13b図13bは、液圧式の埋入可能な拘束デバイスが大腸を拘束するために埋入されたときの、患者の断面図である。
図14図14は、液圧式の埋入可能な拘束デバイスが患者の動脈瘤を拘束するために埋入されたときの、患者の概観を示す。
図15図15は、液圧式の拘束デバイスが埋入されたときの、患者の腹大動脈を概略的に示す。
図16図16は、液圧式の埋入可能な拘束デバイスが患者の胃を拘束するために埋入されたときの、患者の概観を示す。
図17a図17aは、患者の胃を拘束するために埋入された液圧式拘束デバイスのある実施形態を示す。
図17b図17bは、患者の胃を拘束するために埋入された液圧式拘束デバイスの別の実施形態を示す。
図17c図17cは、患者の胃を拘束するために埋入された液圧式拘束デバイスの更に別の実施形態を示す。
図18a図18aは、液圧式の埋入可能な拘束デバイスにおいて使用される制御ユニットの一実施形態の断面上面図である。
図18b図18bは、液圧式の埋入可能な拘束デバイスにおいて使用される制御ユニットの一実施形態の断面側面図である。
図19a図19aは、液圧式の埋入可能な拘束デバイスにおいて使用される制御ユニットの一実施形態の断面側面図である。
図19b図19bは、液圧式の埋入可能な拘束デバイスにおいて使用される制御ユニットの一実施形態の断面側面図である。
図20a図20aは、操作デバイスにおいて使用される歯車系の上面図である。
図20b図20bは、図20aに示される歯車系の断面側面図である。
図20c図20cは、操作デバイスにおいて使用される歯車系の上面図である。
図21a図21aは、操作デバイスにおいて使用される歯車系の上面図である。
図21b図21bは、図20aに示される歯車系の断面側面図である。
図21c図21cは、操作デバイスにおいて使用される歯車系の上面図である。
図21d図21dは、操作デバイスにおいて使用される歯車系の上面図である。
図22図22は、液圧式の埋入可能な拘束デバイスにおいて使用される制御ユニットの一実施形態の断面側面図及び断面上面図である。
図23図23は、液圧式の埋入可能な拘束デバイスにおいて使用される制御ユニットの一実施形態の断面側面図及び断面上面図である。
図24図24は、液圧式の埋入可能な拘束デバイスにおいて使用される制御ユニットの一実施形態の断面側面図及び断面上面図である。
図25図25は、液圧式の埋入可能な拘束デバイスにおいて使用される制御ユニットの一実施形態の断面側面図及び断面上面図である。
図26図26は、本明細書におけるいずれかの実施形態の操作デバイスで使用される蠕動ポンプの上面図である。
図27a図27aは、蠕動ポンプを含む液圧式拘束デバイスにおいて使用される制御ユニットを斜視図で示す。
図27b図27bは、図27aの制御ユニットの断面側面図である。
図28図28は、操作デバイスの一実施形態の分解図である。
図29図29は、液圧式の埋入可能な拘束デバイスを操作するための操作デバイスの立面斜視図である。
図30a図30aは、第1の状態の、液圧式の埋入可能な拘束デバイスを操作するための操作デバイスの断面側面図である。
図30b図30bは、第2の状態の、図30aの操作デバイスの断面側面図である。
図31a図31aは、液圧式の埋入可能な拘束デバイスを操作するための操作デバイスの断面側面図である。
図31b図31bは、液圧式の埋入可能な拘束デバイスを操作するための操作デバイスの断面上面図である。
図31c図31cは、液圧式の埋入可能な拘束デバイスを操作するための操作デ バイスにおいて用いられる、襞状蛇腹部分を有するリザーバを示す図である。
図32図32は、液圧式の埋入可能な拘束デバイスにおいて使用される制御ユニットの断面立面側面図である。
図33a図33aは、第1の状態の、図32の制御ユニットの立面側面図である。
図33b図33bは、第2の状態の、図32の制御ユニットの立面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0237】
患者の管腔器官を拘束するための液圧式の埋入可能な拘束デバイスが提供される。液圧
式の埋入可能な拘束デバイスは、管腔器官の第1の部分を拘束するように適合された第1
の液圧式拘束要素及び管腔器官の第2の部分を拘束するように適合された第2の液圧式拘
束要素を含む。管腔器官は、例えば、患者の腸、患者の血管、患者の尿道、患者の精管、
患者の胃、患者の食道、又は患者の卵管であり、これらの拘束が、管腔器官内の物体の流
れを制御するように適合される。管腔器官の一部分が拘束されるとき、器官のその特定の
部分の血流が妨げられ、拘束された組織の不可逆的壊死の原因となり得る虚血にその部分
が悩まされるというリスクが生じる。拘束される部分を絶えず切り替えることによって、
患者の組織に対する壊死又は他の悪影響のリスクは、かなり低減される。このため、液圧
式の埋入可能な拘束デバイスは、侵襲性の低い拘束をもたらすように、管腔器官の第1の
部分と第2の部分との間の拘束を自動的に切り替えるための、第1及び第2の拘束要素を
制御するように適合された制御ユニットを更に含む。第1の拘束部分と第2の拘束部分と
の間の切り替えによって、血流を妨げる拘束の影響を適時に制限することができ、その結
果、拘束された組織に対する悪影響のリスクは低減される。制御ユニットは、10分~6
ヵ月の経過時間、拘束された管腔器官の機能を使用している患者、及び制御信号の受信;
のうちの少なくとも1つに基づいて、管腔器官の第1の部分と第2の部分との間の拘束を
自動的に切り替えるように適合される。機能を使用している患者は、例えば、拘束デバイ
スが尿道を拘束するように適合される実施形態では、放尿するために拘束を解放する患者
であり得る。制御ユニットは、例えば、患者の身体の内側で生成されたセンサ入力に基づ
いて生成される制御信号、又は患者の身体の外側から送信される制御信号であり得る、制
御信号の受信に基づいて操作され得る。
【0238】
経過時間は、特定位置の組織が拘束によってもたらされた負荷から回復する必要性に適
合されなければならず、適用範囲に左右され得る。頻度の高い切り替えは多くのエネルギ
を消費し、動作の間隔を選択するときに考慮される必要のある一態様である。経過時間は
、例えば、1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、16時間、20時間、又はまる
1日であり得る。他の適用では、経過時間は2日、4日、1週間、2週間、1ヵ月、2ヵ
月、又は6ヵ月ほどであり得、その場合には、エネルギ消費は非常に少ない。
【0239】
液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、流体導管によって第1及び第2の拘束要素に接続
された埋入可能な流体リザーバを含むことができる。埋入可能な流体リザーバの容積を変
化させることにより埋入可能な流体リザーバから第1及び第2の拘束要素へと流体を移動
させるための少なくとも1つの可動壁部分を含むリザーバによって、流体は、流体リザー
バから第1及び第2の拘束要素へ搬送され得る。
【0240】
液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、埋入可能なリザーバから第1及び第2の拘束要素
のうちの少なくとも1つに流体を送り込むための液圧式ポンプを更に含んでもよい。液圧
式ポンプは、リザーバの壁が移動することによってポンプとして作用するリザーバ、又は
容積を変化させることによって流体を移動させるためのポンプとして作用するリザーバ、
又は少なくとも1つの無弁ポンプ、又は少なくとも1つの弁ポンプ、又は少なくとも1つ
の蠕動ポンプ、又は少なくとも1つの膜ポンプ、又は少なくとも1つの歯車ポンプ、又は
少なくとも1つのベローズポンプの形態の液圧式ポンプであってもよい。
【0241】
別の実施形態では、液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、埋入可能なリザーバから第1
又は第2の拘束要素に流体を配向するための埋入可能な弁部材を更に含んでもよく、この
場合、液圧式拘束デバイスは、一方向に流体を移動させることが可能な1つの液圧式ポン
プを必要とするだけでもよい。
【0242】
拘束デバイスを操作するために、液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、可動壁部分、埋
入可能なポンプ、及び埋入可能な弁部材を操作するための、少なくとも1つのモータを更
に含んでもよい。モータは、例えば、交流(AC)電気モータ、直流(DC)電気モータ
、リニア型電気モータ、アキシャル型電気モータ、圧電モータ、三相モータ、2相以上の
モータ、バイメタルモータ、及び形状記憶金属モータから選択される電気モータであり得
る。
【0243】
力を増加させて、かつモータによって生成される作用のスピードを低減させるために、
液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、モータと、可動壁部分、又は埋入可能なポンプ、又
は埋入可能な弁部材との間に配置された歯車系を更に含んでもよい。
【0244】
歯車系は、操作可能な要素、外側の周上に第1の歯の数を含む中空円筒の形状を有した
第1の歯車、及び内側の周上に第1の歯車より多い歯の数を含む中空円筒の形状を有した
第2の歯車を含んだ、歯車系であり得る。操作可能な要素は、第1の歯車の内側を係合す
るように適合され、その結果、歯が相互係合しない位置によって相互に隔てられた少なく
とも1つの位置において第1の歯車の歯が第2の歯車と相互係合されるように、第1の歯
車の外側が第2の歯車の内側に対して押圧される。操作可能な要素の操作は、位置を前進
させ、それにより、第1の歯車と第2の歯車との間の相対回転を発生させる。
【0245】
操作可能な要素は、遊星歯車機構、又は第1の歯車と相互接続するために摩擦を使用す
る構造体若しくはホイールを含んでもよい。
【0246】
液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、埋入可能なリザーバの壁部分を移動させるように
配設されたねじ山付き部材を更に含んでもよい。ねじ山付き部材は、回転力を壁部分を移
動させるための往復力へ変換するために、モータ又は歯車系に接続されてもよい。
【0247】
液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、リザーバに流体を供給するための注入ポートを更
に含んでもよく、注入ポートは、注入針によって貫通されるように適合された自己シール
性のシリコーン膜を含んだ皮下注入ポートであり得る。
【0248】
液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、モータと、可動壁部分、埋入可能なポンプ、及び
埋入可能な弁部材のうちの1つとの間に接続されたサーボを更に含んでもよい。
【0249】
液圧式の埋入可能な拘束デバイスに含まれる液圧式ポンプは、流体搬送のための中空部
材、並びに中空部材を係合及び圧縮するように適合された操作可能な圧縮部材を含む液圧
式蠕動ポンプであってもよい。流体が中空部材内で搬送されるべくモータが圧縮部材を操
作するように、圧縮部材はモータと直接又は間接的に接続されている。蠕動ポンプの中空
部材は、歯車系及びモータのうちの少なくとも1つを、少なくとも部分的に同一の軸方向
平面に、少なくとも部分的に包囲するように適合されたループ又はループの一部を形成し
てもよく、モータは、圧縮部材がループ又はループの一部の外周に向かって中空部材を圧
縮するべく圧縮部材を推進するように適合されてもよい。
【0250】
液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、患者に埋入されることになるデバイスのエネルギ
を消費する構成部品にエネルギを提供するための埋入可能なエネルギ供給ユニット、並び
に/又は患者の身体の外側からデバイスのエネルギを消費する埋入可能な構成部品及び/
若しくは埋入可能なエネルギ供給ユニットへの、エネルギの無線伝達のためのエネルギ伝
達部材を更に含んでもよい。
【0251】
管腔器官は、流体で充填されるか、又は流体を通過させるように適合されたルーメン、
中空腔、又は腔を含む任意の器官と理解されるべきである。管腔器官は、例えば、患者の
腸、患者の血管、患者の尿道、患者の精管、患者の胃、患者の食道、患者の胆管、小孔を
形成する患者の腸の一部、又は患者の卵管であり得る。
【0252】
管腔器官の拘束は、器官のルーメンの断面積を減少させる任意の動作と理解されるべき
である。拘束は、ルーメン内の物体の流れを減少させても、又は物体が通過することがで
きないようにルーメンを完全に閉じてもよい。
【0253】
制御ユニットは、拘束デバイスを制御することが可能な任意の埋入可能なユニットと理
解されるべきである。制御ユニットは、液圧式の埋入可能な拘束デバイスを操作するため
のモータ及び/若しくはポンプ若しくは別の操作デバイスを備えることができるか、又は
操作デバイスから分離されその動作を制御するように適合されるだけであり得る。
【0254】
制御信号は、拘束デバイスが直接又は間接的に制御され得るように、情報及び/又は電
力を伝送することが可能な任意の信号と理解されるべきである。
【0255】
歯車系は、第1の形態の作用が第2の形態の作用への伝送となり得るように伝送を提供
することが可能な任意のシステムと理解されるべきである。作用の形態としては、例えば
作用の速度、力、及び/又は方向が挙げられ得る。
【0256】
以下では、本発明の実施形態の詳細な説明が、添付の図面を参照して行われる。図面は
例示のためだけのものであり、本発明の範囲を決して制限していないことが認識されるで
あろう。従って、「上へ」又は「下へ」などの、方向のいかなる参照も、図面に示される
方向を指すだけである。同一の参照番号を有した特徴が同一の機能を有することに留意す
る必要があり、従って、明確に矛盾しない限り、一実施形態における特徴が同一の参照番
号を有した別の実施形態の特徴と交換され得る。そのため、同一の参照番号を有した特徴
の説明は、特徴の基本的なアイデアを説明し、それにより特徴の多様性を示す際に、互い
を補足するとみなされなければならない。
【0257】
図1は、管腔器官を拘束するための液圧式の埋入可能な拘束デバイスが埋入された患者
の概観である。液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、拘束要素10、及び拘束要素10の
動作を制御するために拘束要素10に接続された制御ユニット20を含む。制御ユニット
20は、流体力を伝達する流体導管及び/又は制御信号を伝達する電気リード線によって
、拘束要素に接続される。
【0258】
図2aは、患者の管腔器官Lを拘束するための液圧式の埋入可能な拘束デバイスの一実
施形態を示す。液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、管腔器官Lの第1の部分p1を拘束
するように適合された第1の液圧式拘束要素10’及び管腔器官Lの第2の部分p2を拘
束するように適合された第2の液圧式拘束要素10’’を含む。管腔器官Lは、例えば、
患者の腸、患者の血管、患者の尿道、患者の精管、患者の胃、患者の食道の一部分、又は
患者の卵管であり、これらの拘束が、管腔器官L内の物体の流れを制御するように適合さ
れる。液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、侵襲性の低い拘束をもたらすように、管腔器
官Lの第1の部分p1と第2の部分p2との間の拘束を自動的に切り替えるための、第1
及び第2の拘束要素10’、10’’を制御するように適合された操作デバイス110を
含む制御ユニット20を更に含む。第1の拘束部分p1と第2の拘束部分p2との間の切
り替えによって、血流を妨げる拘束の影響を適時に制限することができ、その結果、拘束
された組織に対する悪影響のリスクは低減される。制御ユニット20は、10分~6ヵ月
の経過時間、拘束された管腔器官Lの機能を使用している患者、及び制御信号の受信;の
うちの少なくとも1つに基づいて、管腔器官Lの第1の部分p1と第2の部分p2との間
の拘束を自動的に切り替えるように適合される。機能を使用している患者は、例えば、拘
束デバイスが尿道を拘束するように適合される実施形態では、放尿するために拘束を解放
する患者であり得る。制御ユニット20は、例えば、患者の身体の内側で生成されたセン
サ入力に基づいて生成される制御信号、又は患者の身体の外側から送信される制御信号で
あり得る、制御信号の受信に基づいて操作され得る。
【0259】
第1及び第2の拘束要素10’、10’’は、第1及び第2の流体導管162’、16
2’’によって制御ユニット20に接続される。流体導管162’、162’’及び第1
及び第2の拘束要素10’、10’’は、好ましくは、シリコーン及び/又はポリウレタ
ンなどの、生体適合材料から作製される。ジョイントの数を低減させるように、流体導管
は拘束要素において材料的に一体化され、拘束要素と流体導管162’、162’’との
間の破断のリスクを低減させる。流体導管162’、162’’は、制御ユニット20の
操作デバイス110の液圧式ポンプ150に更に接続される。モータ130によってもた
らされる作用を液圧式ポンプ130に必要なものに適合させる歯車系140を介して液圧
式ポンプに接続され得るモータ130によって、液圧式ポンプ150’’は推進する。
【0260】
制御ユニットは、エネルギを患者の身体で蓄えることができる蓄電池であってもよいエ
ネルギ供給ユニット190を更に含む。蓄電池は、例えば充電式バッテリ又はコンデンサ
であり得る。制御ユニットはまた、拘束デバイスの制御を司るための処理ユニットを含ん
だ制御システム195を含む。処理ユニットは、単一のCPU(中央処理ユニット)であ
るか、又は2つ以上の処理ユニットを含むことができる。例えば、プロセッサは、汎用マ
イクロプロセッサ、命令セットプロセッサ及び/若しくは関連チップセット、並びに/又
はASIC(特定用途向け集積回路)などの専用マイクロプロセッサを含んでもよい。プ
ロセッサはまた、キャッシング用のボードメモリを含んでもよい。制御システム195は
、拘束デバイスが最後に切り替えられたときからの経過時間を追跡するように適合され、
拘束デバイス制御用のセンサ入力を受信するための入出力インターフェースを備えること
ができる。制御システム195は、患者の身体の外側から無線プログラム可能な形態であ
り得、制御のプログラミングは、経過時間、実時間、(デバイスの機能パラメータ又は患
者の身体的なパラメータに関連したセンサ入力であり得る)センサ入力、(例えば遠隔制
御器による)患者入力、及び医療専門家による入力の組み合わせに基づくことができ、そ
の結果、拘束デバイスは、最適に機能するようにプログラムされ得る。拘束デバイスの最
適な機能は、多くの場合、管腔器官の最適な拘束と、拘束される組織に最小の影響を与え
る拘束との間の仲介であり得る。
【0261】
再び埋入された制御ユニットに戻ると、図2aの実施形態の制御ユニット20は、皮下
の、筋層Mの内側に配置される制御ユニット20の主要部20’、及び筋層Mの外側に配
置される制御ユニット20の通信部20’’によって、腹部の筋層Mに固定される。主要
部20’及び通信部20’’は、相互接続部分20’’’によって相互接続される。主要
部20’及び通信部20’’の相互接続は筋層Mを挟持し、筋層Mに制御ユニットを固定
させる。
【0262】
制御ユニットの通信部20’’は、外部ユニット200の、通信ユニット30aから情
報を、無線エネルギトランスミッタ30bから無線エネルギを受信するように適合された
受信/送信ユニット120を含む。無線エネルギは、交流電気エネルギ信号伝達用の変圧
器様回路を形成する、互いに誘導結合された導電体として機能する受信ユニット120及
び外部ユニット200のコイルによって、外部ユニット200のコイルと受信ユニット1
20のコイルとの間で伝達される電磁場の形態であってもよい。無線エネルギは、代替的
な実施形態では、磁石又は磁性材料を含む埋入可能な操作デバイス110の移動可能な構
造体に磁気的に接続された移動磁場の形態であり得、その結果、操作可能なインプラント
の移動可能な構造体が、外部ユニット200においてもたらされる移動磁場とともに移動
する。受信/送信ユニット120は、更に、操作デバイスの移動可能な構造体に影響を及
ぼす移動磁場の形態で、かつ拘束デバイスを操作するためか又はエネルギ供給ユニット1
90を充電するために制御ユニット20で電流を生成する無線エネルギとして、無線エネ
ルギを受信するように適合された組み合わせユニットであり得る。
【0263】
代替的な実施形態では、埋入可能な制御ユニットは、力、情報を提供し、又は制御ユニ
ットの自動的なシステムを無効にするための、皮膚の下に配置された押しボタンを更に含
んでもよい。一般に、拘束デバイスの制御ユニットは、予めプログラムされた時間スケジ
ュールに従って、又は患者の考えられる任意の身体的なパラメータ若しくはデバイスの任
意の機能パラメータを検出する任意のセンサからの入力に基づいて、自動で拘束を制御し
てもよい。
【0264】
制御ユニットは、伸張デバイス若しくは拘束デバイスの少なくとも1つの機能パラメー
タ又は患者の身体的なパラメータに関連したフィードバック情報を与えるために患者の身
体の内側から身体の外側へ情報を送るためのフィードバックデバイスを含んでもよく、こ
れにより拘束デバイスの性能が最適化される。デバイスの1つの好ましい機能パラメータ
は、内部のエネルギ供給ユニットを充電するためのエネルギ伝達と相関する。
【0265】
制御ユニットに供給される無線エネルギは、一般的に、外部ユニット200に配設され
る一次コイル及び埋入された制御ユニット20に配設される二次コイルを備えるデバイス
などの、任意の好適な経皮エネルギ伝達(TET)デバイスによって伝達されてもよい。
電流を一次コイルを介して給電するとき、電圧の形態のエネルギが二次コイルで誘起され
、例えば送られて来るエネルギを、バッテリ又はコンデンサなどの、エネルギ供給ユニッ
ト190で蓄えた後に、拘束デバイスを操作するために使用され得る。しかしながら、本
発明は、一般的に、何らかの特定のエネルギ伝達技術、TETデバイス、又はエネルギ貯
蔵デバイスに限定されず、任意の種類の無線エネルギを使用してもよい。
【0266】
身体の内側のデバイスに受信されるエネルギ量は、デバイスによって使用されるエネル
ギと比較されてもよい。このとき、用語「デバイスによって使用される」は、デバイスに
よって蓄えられるエネルギも包含すると理解される。伝達されるエネルギ量は、決定され
たエネルギ収支に基づいて、外部ユニット200によって調節され得る。正確なエネルギ
量を伝達するために、エネルギ収支及び必要エネルギ量は、制御ユニット20によって決
定され得る。従って、制御ユニット20は、拘束デバイスの適切な動作のために必要とさ
れる必要エネルギ量を反映する、拘束デバイスの一定の特徴を測定する好適なセンサ(図
示せず)などによって取得された様々な測定値を受信するように配設されてもよい。更に
、患者の現在のコンディションが、患者のコンディションを反映するパラメータを提供す
るために、好適な測定デバイス又はセンサによって検出されてもよい。従って、このよう
な特徴及び/又はパラメータは、電力消費、操作モード、及び温度などの、拘束デバイス
の現在の状態、並びに、例えば、体温、血圧、心拍動、及び呼吸によって反映される患者
のコンディションに関連があってもよい。代替的に又は追加的に、必要エネルギ量を同様
に反映する、エネルギ供給ユニット190の特徴が測定されてもよい。エネルギ供給ユニ
ット190の特徴は、例えば電圧、温度などの、バッテリの現在の状態に関連があっても
よい。十分な電圧及び電流を拘束デバイスに提供し、更に過熱を防止するために、正確な
、すなわち少なすぎず又は多すぎない、エネルギ量を受信させることで、エネルギ供給ユ
ニットを最適に充電しなければならないことが明確に理解される。エネルギ供給ユニット
の特徴が、エネルギ供給ユニットの現在の状態を決定するために定期的に測定されてもよ
く、次いで、制御ユニット20の好適な記憶手段に状態情報として記憶されてもよい。従
って、新しい測定値がもたらされるときは常に、記憶されたエネルギ供給ユニットの状態
情報がそれに応じて更新され得る。このようにして、エネルギ供給ユニットの状態は、最
適なコンディションでエネルギ供給ユニットを維持するように、正確なエネルギ量を伝達
することによって「較正され」得る。
【0267】
制御ユニット20は、拘束デバイス若しくは患者、若しくは使用される場合にはエネル
ギ供給ユニット又は任意のこれらの組み合わせ上の上述のセンサ又は測定デバイスによっ
てもたらされる測定値に基づいて、エネルギ収支及び/又は現在の必要エネルギ量(時間
単位当たりのエネルギ又は蓄積エネルギ)を決定するように適合されてもよい。
【0268】
患者身体の内側からのセンサ測定値が外部ユニット200に直接送信され、エネルギ収
支及び/又は現在の必要エネルギ量が外部ユニット200によって決定されるため、結果
として、外部ユニット200に制御ユニット20の上記の機能が一体化される。エネルギ
収支及び現在の必要エネルギ量は、センサ測定値に基づいて外部ユニット200によって
決定され得る。
【0269】
制御ユニット20は、必要エネルギを指示する情報のフィードバックを利用してもよく
、これは、例えば、エネルギ量、エネルギ差、又は拘束デバイスによって使用されるエネ
ルギ速度と比較したエネルギ受信速度に関して、受信したエネルギと比較したエネルギの
実際の使用に基づくので、従来の解決策より効率的である。従って、関連性があり、必要
な場合には、実際のエネルギ収支を決定するためのツールとして、上述したいろいろなパ
ラメータが使用される。しかしながら、このようなパラメータはまた、拘束デバイスを具
体的に操作するために内部で行われる任意の動作のために、当然必要とされてもよい。
【0270】
制御ユニット及び外部ユニットは、基本的に以下のように動作してもよい。エネルギ収
支が、最初に制御ユニット20によって決定される。必要エネルギ量を反映する制御信号
がまた、制御ユニット20によってもたらされ、この制御信号が制御ユニット20から外
部ユニット200へ送信される。代替的に、エネルギ収支が、上述のように、実装による
のではなく、外部ユニット200によって決定され得る。その場合、制御信号が、様々な
センサからの測定結果を伝送してもよい。次いで、外部ユニット200が発するエネルギ
量が、決定されたエネルギ収支に基づいて、例えば受信した制御信号に応答して、外部ユ
ニット200によって調節され得る。このプロセスは、エネルギ伝達が進行している間に
、一定の間隔で断続的に繰り返されても、又はエネルギ伝達の間に、略連続的に実行され
てもよい。伝達されるエネルギの量は、一般的に、電圧、電流、振幅、波周波数、及びパ
ルス特性などの、様々な送信パラメータを調整することによって、調節され得る。従って
、患者に埋入された拘束デバイスに供給される無線エネルギの送信を制御するための方法
が提供される。無線エネルギは、患者の外側の外部ユニットから送信され、患者の内側に
位置決定された制御ユニットによって受信されて、制御ユニットは、受信したエネルギを
拘束デバイスに直接又は間接的に供給するために拘束デバイスに接続される。エネルギ収
支は、制御ユニットによって受信されるエネルギと拘束デバイスのために使用されるエネ
ルギとの間で決定される。次いで、外部ユニットからの無線エネルギの送信が、決定され
たエネルギ収支に基づいて制御される。
【0271】
制御ユニットは、電気モータ又は流体の流れの方向を変換するための反転デバイスを追
加的に含んでもよい。反転デバイスは、例えば、弁部材、機械式歯車、若しくは電流極性
を変化させるためのデバイス、又はコンバータなどの交流を変換するためのデバイスであ
り得る。
【0272】
通信部20’’は、液圧式拘束デバイスの流体レベルを較正することができる皮下注入
ポート126を更に含む。皮下注入ポート126は、例えば硬質シリコーン製の、自己シ
ール性の膜を有することができ、その結果、注入針が、患者の皮膚S及び自己シール性膜
を介して挿入され、実質的にいかなる漏れも発生させずに除去され得る。
【0273】
相互接続部分20’’’は、通信部20’の注入ポート126から液圧式ポンプへ又は
流体ポンプ150と流体接続する流体リザーバへ流体を伝達するための流体導管を含む。
相互接続部分20’’’は、受信/送信ユニット120で受信される電力を伝達するため
の、又は受信/送信ユニット120から受信されるか若しくは受信/送信ユニット120
によって送信されるべき情報及び/若しくは制御信号を伝達するための電気リード線を更
に含む。
【0274】
ここで、無線エネルギを送信するための外部の無線エネルギトランスミッタ30bに戻
る。無線エネルギトランスミッタ30bは、第2のコイルに接続されたコイル及び電子回
路を含み、エネルギトランスミッタ30bのコイルが、埋入された受信/送信ユニット1
20のコイルによって受信される無線エネルギを送信する。制御ユニット20の制御シス
テム195は、受信/送信ユニット120のコイルの接続をオン及びオフに切り替えるた
めの電力切替器を更に含み、その結果、無線エネルギの伝達に関連したフィードバック情
報が、外部のコイルの負荷のインピーダンス変化の形態で無線エネルギトランスミッタ3
0bによって受信され得る。
【0275】
代替的な実施形態では、外部の無線エネルギトランスミッタ30bによって送信される
無線エネルギ信号は、以下の、音波信号、超音波信号、赤外光信号、可視光信号、紫外光
信号、レーザ光信号、マイクロ波信号、電波信号、x線放射信号、及びガンマ放射信号か
ら選択される波信号を含んでもよい。無線エネルギ-送信デバイス30bは、無線エネル
ギ信号を伝送するためのキャリア信号を送信してもよい。このようなキャリア信号は、デ
ジタル、アナログ、又はデジタル及びアナログ信号の組み合わせを含んでもよい。この場
合、無線エネルギ信号は、アナログ若しくはデジタル信号、又はアナログ及びデジタル信
号の組み合わせを含む。
【0276】
ここで、通信ユニット30aに戻る。通信ユニット30aは、装置を非侵襲的に制御す
る無線制御信号を送信するための無線遠隔制御器として機能してもよい。生成される制御
信号が患者入力制御信号となるように、無線遠隔制御器は患者によって操作され得る。無
線遠隔制御器は、追加的に、デバイスを較正するか又は設定を変更するために医療専門家
によって使用され得る。埋入された制御ユニット20は、拘束デバイスを自動で制御する
ように適合されてもよく、無線遠隔制御器からの受信制御信号は、制御ユニット20のプ
ログラミングを変更し、その結果、制御ユニット20の自動的な機能を変更するための制
御信号であり得る。代替的に、制御信号は、制御ユニット20による自動動作を無効にす
るように適合されてもよい。更に代替的な実施形態では、外部ユニット200は、制御ユ
ニット20の自動化された動作を追跡する機能性を含む。すなわち、拘束位置を切り替え
る時間になると、外部ユニット200は、埋入された制御ユニット20に自動で制御信号
を送る。
【0277】
代替的な実施形態では、制御ユニットは、少なくとも1つの筋膜並びに/又は少なくと
も1つの骨筋膜並びに/又は少なくとも1つの皮質骨層並びに/又は少なくとも1つの筋
層並びに/又は線維性組織並びに/又は腹壁の任意の一部並びに/又は身体の皮下腔及び
その周辺の任意の一部に、制御ユニットの少なくとも一部分を直接又は間接的に固定させ
るように適合された固定部材を追加的に含んでもよい。
【0278】
液圧式の埋入可能な拘束デバイスが尿失禁を治療するために患者の尿道を拘束するよう
に適合された拘束デバイスである例では、患者は、尿の放出を可能にするために拘束デバ
イスの解放を、無線遠隔制御器を介して、操作してもよい。医療専門家によって操作され
る通信ユニット30aの異なるバージョンは、例えば拘束デバイスが尿道の第1の部分と
第2の部分との間の拘束を切り替える周波数を変化させることによって、拘束デバイスの
設定を変化させる能力を有することができる。通信ユニットの専門家バージョンはまた、
拘束デバイスからのフィードバックを受信する能力を有することができる。フィードバッ
クは、例えば、制御ユニットのエネルギ供給ユニット190のエネルギレベル、液圧式拘
束デバイスの流体レベル、拘束デバイスが行った動作の数、又は任意の他の、デバイスの
機能パラメータ若しくは患者の生理的パラメータに関連し得る。
【0279】
通信ユニット30aによって使用される無線信号は、周波数、振幅、若しくは位相変調
信号、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。代替的に、無線信号は、アナログ若しく
はデジタル信号、又はアナログ及びデジタル信号の組み合わせを含む。無線制御信号は、
電場若しくは磁場、又は電場及び磁場の混合場を含んでもよい。通信ユニット30aは追
加的に、無線制御信号を伝送するためのキャリア信号を送信してもよい。このようなキャ
リア信号は、デジタル、アナログ、又はデジタル及びアナログ信号の組み合わせを含んで
もよい。制御信号がアナログ若しくはデジタル信号、又はアナログ及びデジタル信号の組
み合わせを含む場合には、無線遠隔制御器は好ましくは、デジタル又はアナログ制御信号
を伝送するための電磁気搬送波信号を送信する。
【0280】
制御ユニットが体液から保護されるように、制御ユニット20はエンクロージャによっ
て封包される。エンクロージャは、炭素系材料(黒鉛、炭化ケイ素、若しくは炭素繊維材
料など)、ホウ素材料、ポリマー材料(シリコーン、Peek(登録商標)、ポリウレタ
ン、UHWPE、若しくはPTFEなど)、金属材料(チタン、ステンレス鋼、タンタル
、白金、ニオブ、若しくはアルミニウムなど)、セラミック材料(二酸化ジルコニウム、
酸化アルミニウム、若しくは炭化タングステンなど)、又はガラスのうちの1つ又はその
組み合わせから作製されたエンクロージャであってもよい。どの場合も、エンクロージャ
は低浸透性の材料から作製されなければならず、結果として、エンクロージャの壁を通過
する流体の移動が妨げられる。
【0281】
図2bは、埋入のための液圧式ポンプ150’の一実施形態を示す。液圧式ポンプは、
液圧流体を第1及び第2の拘束要素10’、10’’に送り込むつまり搬送するように適
合された液圧式蠕動ポンプ150’である。蠕動ポンプ150’は、図2aの制御ユニッ
ト20のモータ130などの、モータの出力に接続されるように適合される。埋入可能な
蠕動ポンプ150’は、シリコーン、Parylene(登録商標)被覆シリコーン、N
BR、ハイパロン、ビトン、PVC、EPDM、ポリウレタン、又は天然ゴムなどの可塑
性ポリマー材料といった、弾性材料から作製される管状物の形態の、流体搬送のための撓
み可能な中空部材152を含む。撓み可能な中空部材152は、中空部材152を係合及
び圧縮しその結果液圧流体を搬送するように適合された、操作可能な圧縮部材153又は
「ワイパー」によって撓むように適合される。圧縮部材153は、モータ(図2aの13
0)によって推進される。中空部材152は蠕動ポンプハウジング151の内側に配置さ
れ、その結果、中空部材152は操作可能な圧縮部材153の間で圧縮される。蠕動ポン
プ150’は、液圧流体を体液から完全に分離することを可能にし、結果として、液圧流
体が漏れのリスクなく搬送され得る。
【0282】
撓み可能な中空部材152は、流体導管162’、162’’に接続又は一体化され、
流体導管もまた、液圧式拘束要素10’、10’’に接続又は一体化される。圧縮部材1
53が時計回り方向に推進されるとき、圧縮部材153は、中空部材152を介し、更に
第1の流体導管162’を介して第1の拘束要素10’に液圧流体を押圧する蠕動波をも
たらす。第1の拘束要素10’が流体によって膨張するとき、第1の拘束要素10’は管
腔器官Lの第1の部分を拘束する。圧縮部材153が反時計回り方向に推進されるとき、
圧縮部材153は、中空部材152を介し、更に第2の流体導管162’’を介して第2
の拘束要素10’’に液圧流体を押圧する蠕動波をもたらす。第2の拘束要素10’’が
流体によって膨張するとき、第2の拘束要素10’’は、図2aに示されるように、管腔
器官Lの第1の部分を拘束する。図2bの実施形態の構成により、拘束される部分は、圧
縮部材153の移動方向を変更することによって、第1から第2へと切り替えられ得る。
漏れのリスクが最小化されるように、図2bに示される実施形態は、液圧式拘束デバイス
の流体を完全に封入することを可能にする。
【0283】
拘束要素が管腔器官Lを包囲する閉ループを形成するように、第1及び第2の拘束要素
10’、10’’は、相互接続されるように適合された固定部分14’a、14’’a、
14’b、14’’bを各々含む。固定部分14’a、14’’aの第1の端部は、例え
ば縫合糸又はステープラによって固定部分14’b、14’’bの第2の端部に接続され
てもよい。
【0284】
図3は、拘束要素10’、10’’が図2a及び図2bを参照にして説明された拘束要
素と同一である、液圧式の埋入可能な拘束デバイスの一実施形態を示す。制御ユニット2
0、又は液圧式の拘束デバイスを操作する制御ユニットの一部は、制御ユニットが、シリ
コーン、Parylene(登録商標)被覆シリコーン、NBR、ハイパロン、ビトン、
PVC、EPDM、ポリウレタン、又は天然ゴムなどの、弾性材料から作製される円環形
状のリザーバを含む点で図2bのものとは異なり、その結果、リザーバ160が、圧縮さ
れ、それによりリザーバ160から拘束要素10’、10’’へ流体を移動させるための
無弁ポンプとして機能することができるように、リザーバの壁は移動可能である。円環形
状のリザーバは、(代替的な実施形態では制御ユニット20において一体化される)埋入
可能な弁部材40に接続される。埋入可能な弁部材40は、弁部材40のハウジング41
内で回転するように制御可能である移動可能な流体ガイド44を含む。弁部材40によっ
て、流体導管162を介して伝えられるリザーバ160からの流体は、弁40によって制
御され、流体ガイド44によって、第1の流体導管162’を介して第1の拘束要素10
’か、又は第2の流体導管162’’を介して第2の拘束要素10’’のどちらかに伝え
られ得る。埋入可能な弁40は、弁ガイド44に接続された電気モータ又はソレノイド(
図示せず)によって操作される。
【0285】
ここで制御ユニット20に戻ると、制御ユニットは、液圧流体を含有するように適合さ
れた円環形状のリザーバ160の形態で液圧式ポンプを含む。円環形状のリザーバ160
は、電気モータ及び歯車系を含む操作デバイス110’に接続されたねじ山付き部材44
1によって操作される半径方向に延在する係合部材444によって圧縮されるように適合
される。円環形状のリザーバ160は好ましくは、吸引をもたらす程度に弾力的な材料か
ら作製され、その結果、半径方向に延在する係合部材444からの圧力が解放されるとき
に、拘束要素からの流体が円環形状のリザーバ160へと戻される。操作デバイス110
’は、例えば図22図23図24、又は図25のいずれかで説明されるようなモータ
及び歯車系の組み合わせを含むことができる。制御ユニットは、円環形状のリザーバ16
0及び半径方向に延在する係合部材444を封包するエンクロージャ161を更に含む。
追加的なエンクロージャ161は、追加的なエンクロージャと、円環形状のリザーバ16
0から埋入可能な弁へと液圧流体を搬送するように適合された流体導管162との間を封
止するように適合されたシール部材167を含む。追加的なエンクロージャは更に、操作
デバイス110’を体液から封止し、線維性組織内殖が操作デバイス110’の動作に影
響を及ぼすリスクを低減させる。制御ユニット20の動作の例は、図22図23図2
4、及び図25を参照して更に詳細に説明される。
【0286】
図4は、拘束要素が患者の卵管Fを拘束し、その結果、卵管を通って移動する卵子が患
者の子宮UTに到達するのを妨げるように液圧式の埋入可能な拘束デバイスが埋入された
女性患者の概観を示す。従って、液圧式の埋入可能な拘束デバイスは、埋入可能な避妊シ
ステムとして機能する。
【0287】
図5a及び図5bは、卵管Fを拘束するように適合された拘束デバイスを更に詳細に示
す。拘束デバイスは、第1及び第2の流体導管162’、162’’によって二方向蠕動
ポンプ150’に接続された2つの拘束要素10’、10’’を含む。第1及び第2の蠕
動ポンプ150’並びに拘束要素10は、2つのポンプ150’及び拘束要素10を制御
する単一の制御ユニットに接続されてもよく、代替的に、第1及び第2の蠕動ポンプ15
0’が制御ユニットに各々接続されて、その結果、第1及び第2の蠕動ポンプ150’並
びに拘束要素10が個別に制御される。
【0288】
拘束された組織が拘束要素10’、10’’によって及ぼされた圧力から逃れることが
できるように、2つの拘束デバイスの蠕動ポンプ150’は、卵管Fの拘束される部分が
連続的に切り替えられるように制御される。卵管の一部分が拘束されるとき、卵管のその
特定の部分の血流が妨げられ、拘束された組織の不可逆的壊死の原因となり得る虚血にそ
の部分が悩まされるというリスクが生じる。拘束される部分を絶えず切り替えることによ
って、患者の組織に対する壊死又は他の悪影響のリスクは、かなり低減される。切り替え
は、経過時間に基づいて及び/又は卵管F内の卵子を解放するためにデバイスを使用する
患者に基づいて行われ得る。すなわち、患者が1つ以上の卵子を解放するために拘束デバ
イスを操作するまで、第1の拘束要素10’が卵管Fを拘束するために使用され、解放後
に、第2の拘束要素10’’が卵管Fを拘束するために使用される。切り替えが経過時間
及び患者の使用に基づいて生じるように制御ユニット20をプログラムすることも考えら
れる。代替的な実施形態、又は先に説明された制御方法の補足として、デバイスは、セン
サ入力に基づいて制御されてもよい。センサ入力を提供するセンサは、圧力、機械的伸び
、若しくは使用可能エネルギといったデバイスの機能パラメータ、又は温度、飽和状態、
血圧、若しくは乳酸塩などの虚血マーカといった患者の身体的なパラメータを検出するセ
ンサであり得る。本明細書における液圧式拘束デバイスの実施形態のうちのいずれかが卵
管を拘束するために使用されてもよく、示される特定の実施形態が一例として現すためだ
けのものであることに留意する必要がある。
【0289】
図6及び図7は、患者の腸Iの一部分を使用して造られたストーマ上に位置して患者の
身体に埋入されたときの、図2a及び図2bを参照してより詳細に説明された実施形態に
よる液圧式の埋入可能な拘束デバイスを示す。患者の腸Iの一部分が除去されたときに、
ストーマは、患者の腸Iを通過した物体を身体から排出させるために、患者の腹壁の筋層
M及び皮膚Sを貫通する。腸Iの一部分が拘束されるとき、腸Iのその特定の部分の血流
が妨げられ、拘束された組織の不可逆的壊死の原因となり得る虚血にその部分が悩まされ
るというリスクが生じる。拘束される部分を絶えず切り替えることによって、患者の組織
に対する壊死又は他の悪影響のリスクは、かなり低減される。切り替えは、経過時間に基
づいて及び/又は腸の内容物を放出するためにデバイスを使用する患者に基づいて行われ
得る。すなわち、患者が腸Iを空にするために拘束デバイスを操作するまで、第1の拘束
要素10’がストーマを拘束するために使用され、空にした後に、第2の拘束要素10’
’がストーマを拘束するために使用される。切り替えが経過時間及び患者の使用に基づい
て生じるように制御ユニット20をプログラムすることも考えられる。代替的な実施形態
、又は先に説明された制御方法の補足として、デバイスは、センサ入力に基づいて制御さ
れてもよい。センサ入力を提供するセンサは、圧力、機械的伸び、若しくは使用可能エネ
ルギといったデバイスの機能パラメータ、又は温度、飽和状態、血圧、若しくは乳酸塩な
どの虚血マーカといった患者の身体的なパラメータを検出するセンサであり得る。本明細
書における液圧式拘束デバイスの実施形態のうちのいずれかが腸を拘束するために使用さ
れてもよく、示される特定の実施形態が一例として現すためだけのものであることに留意
する必要がある。
【0290】
図8図9a、及び図9bは、失禁を治療するために尿道の尿の流れを拘束する目的で
尿道U上に位置して患者の身体に埋入されたときの、図2a及び図2bを参照してより詳
細に説明された実施形態による液圧式の埋入可能な拘束デバイスを示す。尿道Uの一部分
が拘束されるとき、尿道Uのその特定の部分の血流が妨げられ、拘束された組織の不可逆
的壊死の原因となり得る虚血にその部分が悩まされるというリスクが生じる。拘束される
部分を絶えず切り替えることによって、患者の組織に対する壊死又は他の悪影響のリスク
は、かなり低減される。切り替えは、経過時間に基づいて及び/又は尿を放出するために
デバイスを使用する患者に基づいて行われ得る。すなわち、患者が膀胱Bを空にするため
に拘束デバイスを操作するまで、第1の拘束要素10’が尿道を拘束するために使用され
、空にした後に、第2の拘束要素10’’が尿道Uを拘束するために使用される。切り替
えが経過時間及び患者の使用に基づいて生じるように制御ユニット20をプログラムする
ことも考えられる。代替的な実施形態、又は先に説明された制御方法の補足として、デバ
イスは、センサ入力に基づいて制御されてもよい。センサ入力を提供するセンサは、膀胱
B及び尿道U内の尿から拘束要素10’、10’’に及ぼされる圧力、機械的伸び、若し
くは使用可能エネルギといったデバイスの機能パラメータ、又は温度、膀胱の膨張、神経
インパルス、飽和状態、血圧、若しくは乳酸塩などの虚血マーカといった患者の身体的な
パラメータを検出するセンサであり得る。本明細書における液圧式拘束デバイスの実施形
態のうちのいずれかが尿道を拘束するために使用されてもよく、示される特定の実施形態
が一例として現すためだけのものであることに留意する必要がある。
【0291】
拘束デバイスが患者の尿道又は腸を拘束するために使用される場合、デバイスは、拘束
要素の各々が半分のときに尿及び糞便のための通路が開放されるように機能してもよく、
これは、図9aの実施形態では、中空部材152の中央に配置される圧縮部材153に対
応する。患者が通路を開放する必要があるとき、患者が通路を開放することを要求する間
、圧縮部材153は中央へ移動して停止し、その後、圧縮部材153は、他の拘束要素を
閉鎖する反対の端位置へと進む。いずれにせよ拘束を開放する必要がある際に、拘束要素
の切り替えは何らかの追加的なエネルギ消費を生じさせず、エネルギ効率的な解決策をも
たらす。
【0292】
図10図11a、及び図11bは、避妊具又は可逆的な不妊法として機能するように
副精巣Eからの精子の流れを拘束する目的で輸精管V上に位置して患者の身体に埋入され
たときの、図2a及び図2bを参照してより詳細に説明された実施形態による液圧式の埋
入可能な拘束デバイスを示す。輸精管Vの一部分が拘束されるとき、輸精管Vのその特定
の部分の血流が妨げられ、拘束された組織の不可逆的壊死の原因となり得る虚血にその部
分が悩まされるというリスクが生じる。拘束される部分を絶えず切り替えることによって
、患者の組織に対する壊死又は他の悪影響のリスクは、かなり低減される。切り替えは、
経過時間に基づいて及び/又は患者からの入力に基づいて行われ得る。切り替えが経過時
間及び患者の入力に基づいて生じるように制御ユニット20をプログラムすることも考え
られる。代替的な実施形態、又は先に説明された制御方法の補足として、デバイスは、セ
ンサ入力に基づいて制御されてもよい。センサ入力を提供するセンサは、機械的伸び、若
しくは使用可能エネルギといったデバイスの機能パラメータ、又は温度、神経インパルス
、飽和状態、血圧、若しくは乳酸塩などの虚血マーカといった患者の身体的なパラメータ
を検出するセンサであり得る。本明細書における液圧式拘束デバイスの実施形態のうちの
いずれかが輸精管を拘束するために使用されてもよく、示される特定の実施形態が一例と
して現すためだけのものであることに留意する必要がある。
【0293】
図12図13a、及び図13bは、大腸を拘束する目的で患者の肛門に近接した大腸
の端領域で大腸上に位置して患者の身体に埋入され、腸の内容物の流れを拘束しその結果
肛門失禁を治療する人工括約筋として機能するときの、図2a及び図2bを参照してより
詳細に説明された実施形態による液圧式の埋入可能な拘束デバイスを示す。大腸Iの一部
分が拘束されるとき、腸Iのその特定の部分の血流が妨げられ、拘束された組織の不可逆
的壊死の原因となり得る虚血にその部分が悩まされるというリスクが生じる。拘束される
部分を絶えず切り替えることによって、患者の組織に対する壊死又は他の悪影響のリスク
は、かなり低減される。切り替えは、経過時間に基づいて及び/又は腸の内容物を放出す
るためにデバイスを使用する患者に基づいて行われ得る。すなわち、患者が腸Iを空にす
るために拘束デバイスを操作するまで、第1の拘束要素10’が腸Iを拘束するために使
用され、空にした後に、第2の拘束要素10’’が腸Iを拘束するために使用される。切
り替えが経過時間及び患者の使用に基づいて生じるように制御ユニット20をプログラム
することも考えられる。代替的な実施形態、又は先に説明された制御方法の補足として、
デバイスは、センサ入力に基づいて制御されてもよい。センサ入力を提供するセンサは、
腸の内容物によってデバイスに及ぼされる圧力、機械的伸び、若しくは使用可能エネルギ
といったデバイスの機能パラメータ、又は温度、飽和状態、血圧、(例えば、超音波若し
くは電気抵抗によって検出され得る)腸I内の腸の内容物の存在、若しくは乳酸塩などの
虚血マーカといった患者の身体的なパラメータを検出するセンサであり得る。本明細書に
おける液圧式拘束デバイスの実施形態のうちのいずれかが大腸を拘束するために使用され
てもよく、示される特定の実施形態が一例として現すためだけのものであることに留意す
る必要がある。
【0294】
図14及び図15は、大動脈瘤を拘束する目的で腹大動脈A上に位置して患者の身体に
埋入されたときの、図2a及び図2bを参照してより詳細に説明された実施形態による液
圧式の埋入可能な拘束デバイスを示す。大動脈瘤は、腹大動脈Aの壁の弱体化に起因し、
バルーン様の膨らみをもたらす。動脈瘤が成長するにつれて、大動脈の壁は更に弱体化し
、多くの場合、致命的な大動脈の破裂へと最終的に至る。大動脈Aを包囲し、拘束要素に
供給される液圧流体によって大動脈Aに対して押圧する拘束要素10により、液圧式拘束
デバイスは、腹大動脈Aの更なる膨張を拘束する。腹大動脈Aなどの、血管の一部分が拘
束されるとき、血管のその特定の部分の血流が妨げられ、拘束された組織の不可逆的壊死
の原因となり得る虚血にその部分が悩まされるというリスクが生じる。拘束される部分を
絶えず切り替えることによって、患者の組織に対する壊死又は他の悪影響のリスクは、か
なり低減される。切り替えは、経過時間に基づいて並びに/又は患者及び/若しくは医療
専門家からの入力に基づいて行われ得る。切り替えが経過時間及び入力に基づいて生じる
ように制御ユニット20をプログラムすることも考えられる。代替的な実施形態、又は先
に説明された制御方法の補足として、デバイスは、センサ入力に基づいて制御されてもよ
い。センサ入力を提供するセンサは、動脈瘤から及ぼされる圧力、機械的伸び、若しくは
使用可能エネルギといったデバイスの機能パラメータ、又は温度、神経インパルス、飽和
状態、血圧、若しくは乳酸塩などの虚血マーカといった患者の身体的なパラメータを検出
するセンサであり得る。本明細書における液圧式拘束デバイスの実施形態のうちのいずれ
かが動脈瘤を拘束するために使用されてもよく、示される特定の実施形態が一例として現
すためだけのものであることに留意する必要がある。
【0295】
図16及び図17aは、栄養摂取、及び患者が食物を摂取する能力を低減させその結果
患者の体重減少を誘起するために胃Sの食物通路を拘束するべく拘束要素10が患者の胃
Sの一部分を包囲するように拘束デバイスが埋入されたときの、図2a及び図2bを参照
してより詳細に説明された実施形態による液圧式の埋入可能な拘束デバイスを示す。図1
7bは、垂直帯胃形成術(VBG)において液圧式拘束デバイスを使用することによって
、患者の胃を拘束する代替的な手法を示し、図17cは、拘束要素10が胃Sの下位部分
に配置される、胃の食品通路を拘束するための更に別の代替的な実施形態を示す。流体導
管162’、162’’は、本明細書におけるいずれかの実施形態の制御ユニットであり
得る、制御ユニットに拘束要素を接続する。胃Sの一部分が拘束されるとき、胃Sのその
特定の部分の血流が妨げられ、拘束された組織の不可逆的壊死の原因となり得る虚血にそ
の部分が悩まされるというリスクが生じる。拘束される部分を絶えず切り替えることによ
って、患者の組織に対する壊死又は他の悪影響のリスクは、かなり低減される。切り替え
は、経過時間に基づいて並びに/又は患者及び/若しくは医療専門家からの入力に基づい
て行われ得る。切り替えが経過時間及び入力に基づいて生じるように制御ユニット20を
プログラムすることも考えられる。代替的な実施形態、又は先に説明された制御方法の補
足として、デバイスは、センサ入力に基づいて制御されてもよい。センサ入力を提供する
センサは、胃の活動から及ぼされる圧力、機械的伸び、若しくは使用可能エネルギといっ
たデバイスの機能パラメータ、又は温度、神経インパルス、飽和状態、血圧、胃内の酸性
度、血糖値、胃収縮若しくは患者の摂食の他の任意の指標、若しくは乳酸塩などの虚血マ
ーカといった患者の身体的なパラメータを検出するセンサであり得る。本明細書における
液圧式拘束デバイスの実施形態のうちのいずれかが動脈瘤を拘束するために使用されても
よく、示される特定の実施形態が一例として現すためだけのものであることに留意する必
要がある。
【0296】
図18a及び図18bは、本明細書において説明される実施形態のいずれかで制御ユニ
ットとして使用されてもよい、操作デバイス110を含む制御ユニット20の一実施形態
を示す。操作デバイス110は、図2b及び図26を参照して更に深く説明されるような
、液圧式蠕動ポンプを含む。蠕動ポンプは、流体を流体拘束デバイスの拘束要素へ伝える
流体導管162’、162’’と一体化された流体搬送のための中空部材152を含む。
蠕動ポンプは、中空部材152を係合し圧縮するように適合された操作可能な圧縮部材1
53を更に含む圧縮部材153は、歯車系から、出力149の円筒部分へ力を伝達する半
径方向に延在する部分を有した歯車系の回転出力149に接続され、圧縮部材153は出
力149の円筒部分に固定される。操作デバイスの電気モータ及び歯車系は共に、蠕動ポ
ンプの内側に配置される。
【0297】
より詳細には、電気モータのコイル132は、リード線(図示せず)によって制御ユニ
ット20の制御システム195に接続され、制御ユニット20の制御システム195もま
た、エネルギ供給ユニット190に接続される。制御システム195は、コイル132に
エネルギを供給するために使用されるコンバータによって交流(AC)を生成する。従っ
て、伝搬磁場がコイル132にもたらされ、回転可能な構造体135に固定された磁石1
33を推進するように、ACはコイル132にエネルギを順次供給する。回転可能な構造
体135はまた、歯車系の入力142に接続され、その結果、入力は、歯車系の第1の歯
車144を撓ませ、かつ操作可能な圧縮部材153と直接接続された歯車系の出力149
を推進する第3の歯車146と第2の歯車145との間の相対回転を発生させる、操作可
能な要素143’’’a、143’’’bを推進する。歯車系の詳細な動作及び代替的な
実施形態は、図20a~図21dを参照して説明される。中空部材152は、電気モータ
及び歯車系を包囲するループの4分の3を形成し、圧縮部材153は、ループの外周へ、
かつ操作デバイスのエンクロージャの一部分であるハウジング151に対して、中空部材
152を圧縮する。制御システム195は、中空部材152の第1の端部分E1に向かう
第1の方向に圧縮部材153が推進されるように電気モータを制御する。中空部材152
の圧縮は、中空部材152から第1の流体導管162’を介して、管腔器官の第1の部分
を拘束するための第1の拘束要素(図示せず)へと、流体を搬送する。拘束デバイスが管
腔器官の拘束される部分を切り替えなければならないと(例えば経過時間又はセンサ若し
くは人からの入力に基づいて)制御システムが判定するときに、圧縮部材153が、第2
の流体導管162’’を介して、管腔器官の第2の部分を拘束するための第2の拘束要素
(図示せず)へ中空部材からの流体を搬送する中空部材152の第2の端部分E2へと向
かう反対の方向に、中空部材152を圧縮するように、制御システムは電気モータを制御
する。
【0298】
拘束デバイスが患者の尿道又は腸を拘束するために使用される場合、デバイスは、拘束
要素の各々が半分のときに尿及び糞便のための通路が開放されるように機能してもよく、
これは、図18aの実施形態では、中空部材152の中央に配置される圧縮部材153に
対応する。患者が通路を開放する必要があるとき、患者が通路を開放することを要求する
間、圧縮部材153は第1の端部分E1から中央へ移動して停止し、その後、圧縮部材1
53は、拘束要素(10’’、この図では示されず)を閉鎖する反対の端位置E2へと進
む。いずれにせよ拘束を開放する必要がある際に、拘束要素の切り替えは何らかの追加的
なエネルギ消費を生じさせず、エネルギ効率的な解決策をもたらす。
【0299】
図19aは、本明細書において説明される実施形態のいずれかで制御ユニットとして使
用されてもよい、操作デバイス110を含む制御ユニット20の一実施形態を示す。図1
9aに示される実施形態では、(図18a及び図18bに示されるモータ及び歯車系と同
様の)モータ及び歯車系が、図3を参照して説明されるリザーバと同様な、第1及び第2
の圧縮可能なリザーバ160a、160bの間に配置される。
【0300】
詳細には、電気モータのコイル132は、リード線(図示せず)によって制御ユニット
20の制御システム195に接続され、制御ユニット20の制御システム195もまた、
エネルギ供給ユニット190に接続される。制御システム195は、コイル132にエネ
ルギを供給するために使用されるコンバータによって交流(AC)を生成する。従って、
伝搬磁場がコイル132にもたらされ、コイル132の半径方向外側で回転可能な構造体
135に固定された磁石133を推進するように、ACはコイル132にエネルギを順次
供給する。回転可能な構造体135は、回転可能な構造体135の周囲から電気モータ及
び歯車系の下の回転可能な構造体135の中心へ力を伝達するように適合された半径方向
に延在する部分147を含む。半径方向に延在する部分147は歯車系の入力142へ力
を伝達し、入力はまた操作可能な要素143’’’a、143’’’bを係合する。操作
可能な要素143’’’a、143’’’bは、2つの正反対の配置位置で第1の歯車1
44の内側を係合する。操作可能な要素143’’’a、143’’’bは、軸方向断面
で、第1の歯車144を撓ませ、第1の歯車144を長円形状とする。操作可能な要素1
43’’’a、143’’’bは、撓んだ第1の歯車144を維持し、その結果、第1の
歯車144の歯が、角度をとって間隔を置かれた、2つの正反対の配置位置で第2の歯車
145の歯と相互係合される。第2の歯車145は、その内側表面上に、第1の歯車14
4より多数の歯を有し、従って、操作可能な要素143’’’a、143’’’bは、相
互係合された位置を前進させ、それにより第1の歯車144と第2の歯車145との間に
相対回転を発生させる。歯車系は、第1の歯車144の外側と同量の歯を含んだ内側を有
する第3の歯車146を更に含む。第3の歯車146が、相互係合された位置と共に、第
2の歯車145に対して回転するように、第3の歯車146の歯は、第1の歯車144の
歯と相互係合するように適合される。第3の歯車146は、第3の歯車146から出力1
49へ力を伝達するための半径方向に延在する接続構造体147によって、歯車系140
の出力149と接続している。
【0301】
出力149は、図19aで説明される実施形態では、ねじ山付き部材441aの外側の
ねじ山を係合するように適合された内側のねじ山(図示せず)を備える中空シャフトであ
り、その結果、中空シャフト149とねじ山付き部材441との間の相互作用が、歯車系
140の動作によって生成された半径方向に回転する力を直線状の力に変換する。ねじ山
付き部材441は、液圧流体を含有する第1のリザーバ160aを係合するように適合さ
れた(図3を参照して同様に説明されるような)半径方向に延在する係合部材444に接
続される。ねじ山付き部材は、液圧流体を含有する第2のリザーバ160bを係合するよ
うに適合された第2の半径方向に延在する部材444に次いで接続されるシャフト部分4
41bに更に接続される。第1及び第2の流体リザーバ160a、160bは、円環形状
で、リザーバ160a、160bを埋入可能な拘束デバイスの拘束要素に接続する第1及
び第2の流体導管162’、162’’と流体接続している。円環形状のリザーバ160
a、160bは、半径方向に延在する係合部材444からの圧力が解放されるときにリザ
ーバの円環形状へと戻る弾力的な材料から作製されてもよく、及び/又は半径方向に延在
する係合部材444がリザーバ160a、160bの拡大方向に移動するときにリザーバ
が拡大するように、リザーバ160a、160bは半径方向に延在する係合部材444に
固定されてもよい。
【0302】
動作中、中空シャフト149の形態の出力が回転し、ねじ山付き部材441aの直線状
の移動を発生させるように、制御システム195は(コイル132にエネルギを供給する
ことによって)電気モータを制御し、直線状の移動は、電気モータが第1の方向に動作す
るときに、管腔器官の第1の部分を収縮させるように第1のリザーバから第1の流体導管
162’を介して第1の拘束要素(図示せず)へ流体を押圧する第1のリザーバ160a
の圧縮を発生させる。ねじ山付き部材441aは、第2の流体リザーバ160bを係合す
る第2の半径方向に延在する係合部材444に接続されたシャフト441bに接続される
ので、第1の流体リザーバ160aの圧縮と同時に、第2の流体リザーバ160bは拡大
される。第2の流体リザーバ160bの拡大は、第2の拘束要素(図示せず)から第2の
流体導管162’’を介して第2の流体リザーバへ流体を戻らせ、患者の管腔器官の第2
の部分の収縮を解放する。拘束デバイスが管腔器官の拘束される部分を切り替えなければ
ならないと(例えば経過時間又はセンサ若しくは人からの入力に基づいて)制御システム
195が判定するとき、反対方向の回転をもたらして、その結果、中空シャフト149の
形態の出力が回転し反対方向にねじ山付き部材441aの直線状の移動を発生させるよう
に、制御システムは電気モータを制御し、直線状の移動は、シャフト441bとの接続を
介して、管腔器官の第2の部分を収縮させるように第2のリザーバ160bから第2の流
体導管162’’を経て第2の拘束要素(図示せず)へ流体を押圧する第2のリザーバ1
60bの圧縮を発生させる。第2の流体リザーバ160bの圧縮と同時に、第1の流体リ
ザーバ160aは拡大される。第1の流体リザーバ160aの拡大は、第1の拘束要素(
図示せず)から第1の流体導管162’’を介して第1の流体リザーバ160aへ流体を
戻らせ、患者の管腔器官の第1の部分の収縮を解放する。
【0303】
制御ユニットは、リザーバ160の圧縮に対する台座として機能し、同時に歯車系及び
電気モータを少なくとも部分的に封包するエンクロージャとして機能する、座部分445
を含む。座部分445は、出力149及びねじ山付き部材441を封包するように適合さ
れたエンクロージャの襞状蛇腹部分442に接続し、その結果、ねじ山付き部材441及
び出力149は体液から封止される。出力149及びねじ山付き部材441を封包するエ
ンクロージャ442の一部分と座部分445の接続は、座部分445と出力149との間
の封止の必要性を除去して、歯車系140の動作を容易にしかつ歯車系140を密閉封包
することを可能にする。襞状部分442は、襞状部分442の移動性に影響を及ぼさずに
、線維性組織の内殖を可能にするように適合される。更に、図19aの実施形態では、コ
イル132は、個別のコイルエンクロージャ131に配置かつ封止され、その結果、コイ
ル132は、患者の体液から、及び/又は歯車系において使用される潤滑流体から、及び
/又は液圧流体から更に単離される。
【0304】
図19bは、図19aに示される実施形態と機能的に等しい実施形態を示す。相違点は
、埋入可能な流体リザーバ160a、160bの容積を変化させ、それにより第2の流体
リザーバ160bの流体の減少と同時に第1の流体リザーバ160aの流体を増加させか
つその逆を行うための共通の可動壁163によって、埋入可能な第1及び第2のリザーバ
160a、160bが分割されることである。操作デバイスによってもたらされる回転力
が可動壁163を移動させる直線状の力へ変えられるように、操作デバイスの出力149
は、ねじ山を付けられ、可動壁163に対応してねじ山を付けられた部分を係合する。ね
じ山付き出力149(及び操作デバイスの残り)がリザーバ160a、160bの流体か
ら保護されるように、ねじ山付き出力149は可動壁163より上及び下の両方で襞状蛇
腹部分442によって封包される。
【0305】
操作デバイスのうちのいずれかで使用されてもよい歯車系の一実施形態が、図20a~
図21dを参照して更に詳細にここで説明される。
【0306】
図20aは、操作デバイスにおける操作のための埋入可能な歯車系140の一実施形態
を示す。歯車系140は、第1の力及び第1の速度を有する機械的作用を受け、第2の異
なる力及び第2の異なる速度を有する機械的作用を出力するように適合される。歯車系1
40は、その外側の周上に、例えば160の、第1の歯の数144tを含む中空円筒の形
状を有した第1の歯車144、及びその内側の表面上に、例えば162の、第1の歯車よ
り多い歯の数145tを含む、中空円筒の形状を有した第2の歯車145を係合させるよ
うに適合された操作可能な要素143’に接続された入力142を含む。操作可能な要素
143’は、第1の歯車144の内側144aを係合するように適合され、その結果、第
1の歯車144の歯144tが、歯が相互係合しない位置(例えば位置P2)によって相
互に隔てられた位置P1において第2の歯車145の歯145tと相互係合されるように
、第1の歯車144の外側144bが、第2の歯車145の内側145aに対して押圧さ
れる。操作可能な要素143’の動作は、位置P1を前進させ、それにより第1の歯車1
44と第2の歯車145との間に相対回転を発生させる。図20aに示される実施形態で
は、第2の歯車145は、第1の歯車144より2つ多い歯145tを含み、2/160
又は1/80の、操作可能な要素143’が実行する各々の周回に対する周回で回転する
第1の歯車144をもたらし、その結果80倍の伝送がもたらされ、すなわち出力(図2
0bの149)が80分の1の速度及び80倍の力を有する力を提供し、従って、80倍
、例えば電気モータによって及ぼされ得る力を増加させる。図20aに示される実施形態
では、操作可能な要素は、第1の歯車144の内表面に対して半径方向に摺動する。摩擦
を低減させるために、潤滑流体が歯車系に存在してもよく、操作可能な要素143’又は
操作可能なインプラント143’が摺動する表面が、Graphalloy、Nylio
l、又はPTFEなどの、自己潤滑材料を含んでもよいことが更に考えられる。
【0307】
図20bは、断面側面図で歯車系140を示し、この実施形態では、歯車系140は、
第1の歯車144の外側144bと同量の歯146tを含んだ内側146aを有する第3
の歯車146を含む。第3の歯車146が、相互係合された位置(図20aのP1)と共
に、第2の歯車145に対して回転するように、第3の歯車146の歯146tは、第1
の歯車144の歯と相互係合するように適合される。第3の歯車146は、第3の歯車1
46から出力149へ力を伝達するための半径方向に延在する接続構造体147によって
、歯車系140の出力149と接続している。
【0308】
図20cは、医療デバイスの代替的な実施形態を示し、操作可能な要素143’’が、
2つの正反対の配置位置で第1の歯車144の内側144aを係合するように適合される
。操作可能な要素143’’は、軸方向断面で、第1の歯車144を撓ませ、第1の歯車
144を長円形状とする。操作可能な要素143’’は、撓んだ第1の歯車144’を維
持するように適合され、その結果、第1の歯車144の歯が、角度をとって間隔を置かれ
た、2つの正反対の配置位置P1’及びP1’’で第2の歯車145の歯と相互係合され
る。2つの位置P1’及びP1’’は、歯が相互係合しない位置、例えば2つの位置P2
’及びP2’’によって相互に隔てられる。図20cの実施形態では、第1及び第2の歯
車144、145の歯が2つの位置で相互係合するとき、第1の歯車144が等しく撓み
結果として長円形状を形成するように、第1の歯車144と第2の歯車145との間の歯
の数の差は2で割り切れる必要があり、その結果、第1及び第2の歯車144、145の
歯が相互係合しない位置を伴う第1及び第2の歯車144、145の間の2つのエリアに
、異なる歯の数が均等に分配され得る。数学的には、これは、第1の歯車がxの歯を有す
る場合には、第2の歯車はx+n*2の歯数を有する必要があると表すことができ、その
とき歯車系140によって提供される伝送は、伝送=x/(x+n*2)で計算される。
第1の歯車144の均一な撓みをもたらすために、操作可能な要素が、第1及び第2の歯
車144、145が3つ、4つ、又はそれ以上の位置で相互係合されるように第1の歯車
144を撓ませるべく適合された操作可能な要素であってもよい代替的な実施形態(図示
せず)では、第1の歯車144と第2の歯車145との間の歯の数の差は接触部分の数に
対応する必要がある。より一般的な数式では、関係は、第2の歯車がx+n*mの歯の数
を有する必要があると表すことができ、式中、nは所望の伝送に基づいて選択される定数
であり、mは第1及び第2の歯車の歯が相互係合する位置の数である。
【0309】
図21aは、入力142が第1及び第2の遊星歯車143’’’a、143’’’bに
接続された中央の歯車を含む遊星歯車を操作可能な要素が含み、第1の歯車144の歯が
、第1及び第2の位置P1’、P1’’で第2の歯車145の歯を相互係合するように。
第1及び第2の遊星歯車143’’’a、143’’’bがまた、第1の歯車144を撓
ませる一実施形態を示す。図20cを参照して先に説明されたものと類似して、第1の歯
車144が等しく撓み結果として長円形状を形成するように、第1の歯車144と第2の
歯車145との間の歯の数の差は2で割り切れる必要があり、その結果、第1及び第2の
歯車144、145の歯が相互係合しない位置を伴う第1及び第2の歯車144、145
の間の2つのエリアに、異なる歯の数が均等に分配され得る。
【0310】
図21aの遊星歯車機構は、中央の歯車142と遊星歯車機構143’’’a、143
’’’bとの間の歯の数の差から生じる伝送によって歯車系の伝送を更に増加させる、す
なわち、歯車系140の全伝送は、遊星歯車機構によって提供される伝送プラス第1の歯
車144と第2の歯車145との間の歯の数の差によって提供される伝送に等しい。
【0311】
図21bは、断面側面図で歯車系140を示す。図21bに示される実施形態では、歯
車系140はまた、図20bを参照して説明される第3の歯車と類似した第3の歯車14
6を含み、結果として、第3の歯車146は第1の歯車及び相互係合された位置P1’’
、P1’’と共に回転する。第3の歯車146は、第3の歯車146から出力149へ力
を伝達するための半径方向に延在する接続構造体147によって、歯車系140の出力1
49と接続している。
【0312】
図21cは、遊星歯車機構が中央の歯車142と接続される1つの遊星歯車143’’
’aを含むだけである、遊星歯車機構の代替的な実施形態を示す。実施形態は、図20
を参照して説明される実施形態と同様に機能し、相違点は、追加的な伝送が遊星歯車機構
によって提供されることである。
【0313】
図21dは、遊星歯車機構が3つの遊星歯車143’’’a、143’’’b、143
’’’cを含む実施形態を示し、各々の遊星歯車が第1の歯車144’を撓ませ、結果と
して、第1の歯車144が、(各々の間が実質的に120度で)角度をとって間隔を置か
れた、3つの接触位置P1’、P1’’、P1’’’で第2の歯車145に対して押圧さ
れる。説明される他の実施形態と類似して、第1の歯車144と第2の歯車145との間
の歯の数の差は、接触部分の数に対応する必要があり、すなわち、図21dに示される実
施形態では、第1の歯車144が均等に撓むように、差は3で割り切れる必要がある。
【0314】
代替的な実施形態では、図20a~図21dを参照して説明される実施形態のいずれか
における遊星歯車機構の歯車は、歯なし歯車であり、従って、互いに相互係合するために
摩擦を使用するだけである。そのため、中央の歯車は、摩擦に基づく接続によって、遊星
歯車機構に接続され、遊星歯車機構を推進する。
【0315】
図20a~図21dの実施形態のうちのいずれかの歯車系140は、例えば、金属材料
、プラスチック材料、又はセラミック材料で作製され得る。一実施形態では、歯車系は、
非金属及び/又は非磁性材料で作製され、その結果、歯車系は、埋入可能なエネルギレシ
ーバへのエネルギ伝達に影響を及ぼさない。歯車系は、ヒアルロン酸などの生体適合潤滑
剤によって潤滑されてもよく、そのために、液圧流体を保持するように適合されたリザー
バの内側に配置され、液圧流体が同様に潤滑剤の役割を果たしてもよい。歯車系は、体液
が歯車系に、並びに/又は歯車系におけるヒト組織の内殖に、並びに/又は液圧流体及び
/若しくは潤滑流体の漏れに影響を及ぼすのを妨げるためのエンクロージャによって封入
されてもよい。エンクロージャは、非金属及び/又は非磁性エンクロージャであってもよ
く、結果として、エンクロージャの材料は、操作可能なインプラントの無線エネルギレシ
ーバへ無線エネルギを伝達する能力に影響を及ぼさない。歯車系は、別々に封入されても
、又は操作デバイスの電気モータ、若しくは操作デバイスの追加的な構成部品と共に封入
されてもよい。
【0316】
図22は、流体導管162に接続された単一のリザーバ160の形態で液圧式ポンプを
含んだ操作デバイス110を有する制御ユニット20の一実施形態を示す。制御ユニット
は、例えば図3を参照して説明されるような、弁部材と共に使用されてもよい。図22
操作デバイス110は、コイル132及び磁石133を含んだ、埋入可能な電気モータを
含む。コイル132のエネルギ供給は、コイル巻線132’及びコイルコア132’’で
、電流によって磁場を生成し、磁石133と磁気的に接続する。磁石133は、回転可能
な構造体135に固定され、その結果、コイル132の順次エネルギ供給は、磁石133
を推進し、回転可能な構造体135を回転させる。生成されるトルクができる限り大きな
ものとなるように、コイル132と磁石133との間の磁気的な接続は、操作デバイス1
10の周囲に位置する。回転可能な構造体135は、操作可能な要素143’’’a、1
43’’’bと接続した歯車系の入力142へ操作デバイス110の周囲のコイル132
及び磁石133によって生成された力を伝達する半径方向に延在する部分147を含む。
歯が相互係合されない位置によって相互に隔てられた2つの位置で第1の歯車144の歯
が第2の歯車145の歯と相互係合されるべく第1の歯車144の外側が第2の歯車14
5の内側に対して押圧されるように、操作可能な要素は、歯車系140の第1の歯車14
4を係合し、撓ませる。第2の歯車145は、その内側表面上に、第1の歯車144より
多数の歯を有し、従って、操作可能な要素143’’’a、143’’’bは、相互係合
された位置を前進させ、それにより第1の歯車144と第2の歯車145との間に相対回
転を発生させる。
【0317】
歯車系は、中空円筒の形状を有した第3の歯車146を更に含む。第3の歯車146の
内側は、第1の歯車144の外側と同じ量の歯を含み、第3の歯車146が、少なくとも
1つの相互係合された位置と共に、第2の歯車145に対して回転するように、第3の歯
車146の歯は、第1の歯車144の歯を相互係合するように適合される。第3の歯車1
46は、第3の歯車146と歯車系の中央に配置された出力149とを接続する半径方向
に延在する部分147に接続される。
【0318】
第1の歯車144、第2の歯車145、及び第3の歯車146はすべて、磁石133が
固定された回転可能な構造体135の一部分より小さな直径、及びコイル133を固定す
るエンクロージャ111cの一部分より小さな直径を有する。従って、歯車系は電気モー
タの内側に配置され、その結果、コイル132及び磁石133は歯車系を軸方向に部分的
に覆う。同一の軸方向平面に配置される電気モータ及び歯車系は、操作デバイス110を
薄いエンクロージャ111内に包むことを可能にし、例えば、皮下埋入に好適な操作デバ
イス110を作製する。
【0319】
図22を参照して説明される操作デバイスの実施形態は、第1の方向の第1の螺旋溝及
び第2の方向の第2の螺旋溝を有したウォームシャフト441’の形態で、ねじ山付き部
材を含む。ウォームシャフト441’は、リザーバ160を圧縮するように適合された半
径方向に延在する係合部材444に次に接続される操作可能な部分446によって係合さ
れる。ウォームシャフト441’の回転は、第1の螺旋溝を係合する操作可能な部分44
6から、ウォームシャフト441’の端部分で第2の螺旋溝を係合する操作可能な部分4
46に切り替えることによって、螺旋溝における操作可能な部分446の往復を発生させ
る。ウォームシャフト441’は、同じ方向に常に回転する電気モータによってリザーバ
160を圧縮及び拡大することを可能にして、制御を容易にし、かつ特定の回転方向にモ
ータ、シール、及びベアリングを最適化することを可能にする。
【0320】
図22の操作デバイス110では、コイル132は封止空間に配置され、電気モータに
電力を供給するように適合された、バッテリ190の形態のエネルギ供給ユニット、及び
操作可能なインプラントの電気モータ及び/又は追加的な操作可能な要素を制御するよう
に適合された制御システム195を更に含む。バッテリ190及び/又は制御システム1
95は、無線エネルギレシーバ、及び/又は無線通信ユニット、及び/又は操作デバイス
に追加的なエネルギを供給するための追加的なバッテリ190に、バッテリ190及び/
又は制御システム195を接続するリード線192と接続している。電気モータが無線エ
ネルギレシーバから直接電力を供給される代替的な実施形態では、バッテリ190は、制
御システム195に電力を供給するように適合されるだけである。
【0321】
図23は、図22を参照して示される制御ユニット20及び操作デバイス110と同様
の、制御ユニット20及び操作デバイス110を示し、相違点は、図23の操作デバイス
では、磁石133が、回転可能な構造体135の周囲から電気モータ及び歯車系の下の回
転可能な構造体135の中心まで力を伝達するように適合された半径方向に延在する部分
147を含む回転可能な構造体135に固定されることである。半径方向に延在する部分
147は歯車系の入力142へ力を伝達し、入力はまた操作可能な要素143’’’a、
143’’’bを係合する。
【0322】
図23の実施形態では、コイル132は、個別のコイルエンクロージャ131内に配置
及び封止され、その結果、コイル132が、患者の体液から、及び/又は歯車系で使用さ
れる潤滑流体から、及び/又はリザーバ160から流体導管162を通って液圧で操作可
能な身体係合部分へと力を伝達するように適合された液圧流体から、更に単離される。
【0323】
図24は、図22及び図23を参照して示される制御ユニット20及び操作デバイス1
10と同様の、制御ユニット20及び操作デバイス110の代替的な実施形態を更に示す
図24を参照して示される実施形態では、磁石133を含む回転可能な構造体135は
、磁石133が取り付けられる回転可能な構造体135の直径より大きな周径を有するエ
ンクロージャ111の一部分111cに取り付けられたコイル132によって推進される
ように適合される。従って、コイル132は、磁石133の半径方向外側に配置され、コ
イルエンクロージャ131によって、操作デバイス110の残りから、かつ患者の体液か
ら封止される。回転可能な構造体135は、回転可能な構造体の中心で入力142に接続
され、入力142もまた(本明細書における他の実施形態でより詳細に説明されるように
)歯車系の操作可能な要素143’’’a、143’’’bを係合するように適合される
図24に示される実施形態は、操作デバイス110の回転部品を更に隔離する操作デバ
イス110の中央に操作デバイス110のすべての回転部品を配置し、その結果、移動部
品によってもたらされるノイズは、操作デバイス110のエンクロージャ111及び患者
の身体を通って伝播しにくい。
【0324】
図25は、図22図23、及び図24を参照して示される制御ユニット20及び操作
デバイス110と同様の、制御ユニット20及び操作デバイス110の代替的な実施形態
を更に示す。図25では、磁石133は、操作デバイス110の操作可能な要素143’
’’a、143’’’b内に一体化される。操作可能な要素143’’’a、143’’
’bは、接続構造体143cに回転可能に接続され、コイルによって生成される磁気引力
が操作可能な要素143’’’a、143’’’bを推進する磁石133を順次引き寄せ
る際に、歯車系の第1の歯車144を係合し、撓ませる。磁石133が接続される操作可
能な要素143’’’a、143’’’bの一部分は、歯車系の第1の歯車144を係合
する操作可能な要素143’’’a、143’’’bの一部分より大きな直径を有し、そ
の結果、磁石133は、コイル132と近接して配置され得る。コイル132と磁石13
3との間の距離は、例えば、50μm、100μm、200μm、400μm、600μ
m、800μm、1mm、2mm、3mm、又は5mmのうちの1つほどであり得、操作
デバイス110の全体寸法、及びコイル132によってもたらされる磁力に左右される。
【0325】
図26は、液圧流体を液圧式拘束要素(図示せず)に送り込むつまり搬送するように適
合された埋入可能な蠕動ポンプ150’のより詳細な図である。蠕動ポンプ150’は、
例えば本明細書において開示されるモータ及び/又は歯車系のうちのいずれかの、電気モ
ータ及び/又は歯車系の出力に接続されるように適合され得る。埋入可能な蠕動ポンプ1
50’は、シリコーン、Parylene(登録商標)被覆シリコーン、NBR、ハイパ
ロン、ビトン、PVC、EPDM、ポリウレタン、又は天然ゴムなどの可塑性ポリマー材
料といった、弾性材料から作製される管状物の形態の、流体搬送のための撓み可能な中空
部材152を含む。撓み可能な中空部材152は、中空部材152を係合及び圧縮しその
結果液圧流体を搬送するように適合された、操作可能な圧縮部材153a~153c又は
ワイパーによって撓むように適合される。圧縮部材153a~153cは、モータ/歯車
系接続(図示せず)によって推進される。中空部材152は蠕動ポンプハウジング151
の内側に配置され、その結果、中空部材152は操作可能な圧縮部材153a~153c
の間で圧縮される。中空部材152が、流体を拘束要素(図示せず)へと伝える流体導管
162と一体化されるので、蠕動ポンプ150’は、液圧流体を体液から完全に分離する
ことを可能にし、結果として、液圧流体が漏れのリスクなく搬送され得る。
【0326】
図27a及び図27bは、本明細書において開示される拘束デバイスのいずれかにおい
て使用される、図26を参照して説明される蠕動ポンプ150’と同様の液圧式蠕動ポン
プ150’を含んだ操作デバイス110を含む制御ユニット20を示す。図26において
開示される実施形態と図27a及び27bの実施形態との間の相違点は、操作可能な圧縮
部材が、歯車系140の出力149によって推進される回転可能な構造体155に回転可
能に接続されたローラ153a’~153c’を含むことである。歯車系140もまた、
歯車系140を推進するように適合された電気モータ130に接続される。電気モータ1
30は、図27a及び図27bにおいて説明される実施形態では、制御ユニット20を封
包するエンクロージャ111によって共に封包される、バッテリ190によってエネルギ
を供給され、制御システム195によって制御される。
【0327】
ローラ153a’~153c’は、中空部材152を順次圧縮し、従って、中空部材1
52内の流体を搬送する。図27bでは、蠕動ポンプ150’を有する操作デバイスが、
断面で示され、その結果、中空部材152が、非圧縮状態152で、及びローラ153c
’が蠕動ポンプ150’のハウジング151に対して中空部材152’を圧縮するときの
、圧縮状態152’で示される。電気モータ130及び歯車系140は、例えば、本明細
書における実施形態のうちのいずれかで説明される電気モータ(130)及び歯車系(1
40)であり得る。ローラ153a’~153c’が中空部材152に対して回転するの
で、ローラ153a’~153c’は、操作可能なワイピング又は摺動圧縮部材が冒す摩
耗又は破裂のリスクと同様な、中空部材152の摩耗又は破裂をもたらさず、中空部材1
52の寿命を増加させる。
【0328】
図28は、電気モータ並びに第1及び第2の歯車系の一実施形態を分解図で示す。この
実施形態は、本明細書におけるいずれかの実施形態の制御ユニット内で一体化されてもよ
い。最下位の断片は、第1の歯車系の第2の歯車145a、及び第2の歯車系145bの
第2の歯車145bを含む操作デバイス110の静止部である。最下位の断片は、コイル
コア132’’及びコイル巻線132’’を含んだ、電気モータのコイル132、並びに
コイル132を密閉封包するように適合された、コイルエンクロージャ131を更に含み
、その結果、コイル132が、体液から、並びに/又は第1及び/若しくは第2の歯車系
を潤滑するように適合された潤滑剤から、並びに/又は(本明細書において説明される他
の実施形態に関連して更に説明される)操作デバイス110から操作可能なインプラント
の液圧で操作可能な身体係合部分へ力を伝達するための液圧流体から封止される。静止部
132、145a、145bの上には、回転可能な構造体135が描かれる。回転可能な
構造体135は、コイル132と磁気的な接続をするように適合された磁石133を含み
、その結果、コイル132の順次エネルギ供給は、磁石133を、つまり磁石133が固
定された回転可能な構造体135を推進する。回転可能な構造体145はまた、第1の歯
車系140aへの入力142aを含み、第1の歯車系の入力は、歯を相互係合するか、又
は摩擦によって、第1の歯車系140aの操作可能な要素143:1である遊星歯車機構
143’’’を推進するように適合される。第1の歯車144aの外側の歯144tが、
静止部の一部である第1の歯車系の第2の歯車145aの内側の歯145tを相互係合す
るように、操作可能な要素143’’’は、第1の歯車系140aの第1の歯車144a
を係合し、撓ませる。第1の歯車系の第1の歯車144aは、第2の歯車系の第2の歯車
145bより少ない歯144tを含むので、第1及び第2の歯車144a、145aの間
の相互係合位置は前進し、第1の歯車系の第3の歯車146aは、第1の歯車144aと
同じ量の歯146tを含むので、第3の歯車146aは前進位置とともに移動する。第1
の歯車系の第3の歯車146aは、第2の歯車系の操作可能な要素143:2の一体化部
であり、従って、第2の歯車系の出力149b、及び第1の歯車系の第3の歯車146a
と操作可能な要素143:2の回転する操作可能な要素143:2’とを接続する半径方
向に延在する構造体147を同様に含む。
【0329】
第2の歯車系の操作可能な要素143:2の回転する操作可能な要素143:2’は、
第2の歯車系の第1の歯車144bを係合して撓ませ、その結果、第2の歯車系は、第1
の歯車系と類似して、第2の歯車系の第3の歯車146bを推進する。第2の歯車系の第
3の歯車146bは、第3の歯車146bと第2の歯車系の(及び操作デバイスの)出力
149bとを接続する半径方向に延在する要素147を更に含む構造体(描かれた最上位
の構造体)内で一体化され、その結果、電気モータ132、133によって生成される機
械的作用が、出力149bを介して回転力として出力され得る。
【0330】
図28に示される実施形態では、第1及び第2の歯車系は、同一の伝送を有する。しか
しながら、第2の歯車系が第1の歯車系より大きな伝送を有すること、すなわち、第1及
び第2の歯車系の第1及び第2の歯車144a、144b、145a、145bの歯の数
の差は同じであるが、第2の歯車系の歯車が第1の歯車系の歯車より多くの歯を有するこ
とが考えられる。例えば、98の歯を有する第1の歯車系の第1の歯車144a、100
の歯を有する第1の歯車系の第2の歯車145、198の歯を有する第2の歯車系の第1
の歯車144b、及び200の歯を有する第2の歯車系の第2の歯車144bは、結果と
して、1:50の伝送(プラス操作可能な要素によって提供される遊星歯車系の伝送)を
有する第1の歯車系、及び1:100の伝送を有する第2の歯車系をもたらす。いくつか
の適用では、第2の歯車系の歯車は低い速度で大きな力を伝達することを必要とするので
、第2の歯車系の歯車は第1の歯車系の歯車と同じ数の(従って大きい)歯を有すること
が有利である。
【0331】
図29は、図28を参照して説明される操作デバイスと同様の、操作デバイス110の
代替的な実施形態を示す。相違点は、第1の歯車系140aが周囲に配置された歯車系で
あり、第2の歯車系140bが中央に配置された歯車系であることである。図29に示さ
れる実施形態のコイル132は、磁石133を含む回転可能な構造体135の内側に配置
される。回転可能な構造体135は、図29に示される実施形態では、第1の歯車系14
0aの操作可能な要素143:1と一体化される。操作可能な要素143:1は、図29
に示される実施形態では、第1の歯車144aを撓ませるために第1の歯車144aの内
側を係合するように適合された回転する操作可能な要素143:1’を含む。第1の歯車
系140aの第1の歯車144a及び第3の歯車146aの相互係合は、操作デバイス1
10の出力の役割を果たす、第2の歯車系140bの第3の歯車146bを推進するため
に、第2の歯車系140bの第1の歯車144bを次いで撓ませる操作可能な要素143
’’’を推進するように適合された入力142bと接続される第1の歯車系140aの第
3の歯車146aを推進する。第1の歯車系140aの第2の歯車145が、第2の歯車
系140bの第2の歯車145b及びコイルエンクロージャ131と共に静止するように
、コイル132を封包する構造体131、145bは、操作デバイス110の静止部を構
成し、第1の歯車系140aの第2の歯車145に直接又は間接的に接続される。
【0332】
図30aは、本明細書におけるいずれかの実施形態の制御ユニット内で一体化されても
よい操作デバイス110の一実施形態を示す。図30a及び図30bの実施形態の操作デ
バイス110は、液圧流体を含有するように適合された操作可能なリザーバ160を含む
。操作デバイスの電気モータ及び二重歯車系部分は、図28及び図29を参照して説明さ
れる操作デバイスのものと同様である。しかしながら、図30a及び図30bの操作デバ
イスは、操作デバイス110を包囲する円形リザーバ160を追加的に含む。円形リザー
バ160は、円形リザーバ160を圧縮及び拡大させるように適合された可動壁部分を含
み、それにより、リザーバ160の容積を変更する。第1及び第2の歯車144b、14
5bの間の相互係合部分と共に回転する、第2の歯車系の第3の歯車146bは、半径方
向に固定された対応する操作螺旋473を係合するように適合された操作螺旋472に接
続され、結果として、半径方向に固定された操作螺旋473に対する操作螺旋472の動
作が、半径方向に固定された動作螺旋を軸方向に移動させ、その結果、リザーバ160は
圧縮される。
【0333】
図30aは、操作螺旋473が対応する半径方向に固定された操作螺旋に対して位置合
わせされ、その結果、2つの螺旋472、473が合致して、できる限り薄い、つまりリ
ザーバ160を最小限に圧縮する構造体を形成する状態、すなわち、操作螺旋472bの
最も薄い部分が、半径方向に固定された操作螺旋473aの最も厚い部分を係合する状態
の、操作デバイス110を示す。
【0334】
図30bは、操作螺旋472がほぼ完全回転を行い、結果として、操作螺旋472aの
最も厚い部分が半径方向に固定された操作螺旋473aの最も厚い部分を係合し、その結
果、2つの螺旋が「合致せず」、できる限り厚い、つまりリザーバ160を最大限に圧縮
する構造体を形成する状態の、操作デバイス110を示す。従って、操作螺旋472の1
周回は、完全に拡大される状態から完全に圧縮される状態にリザーバ160の状態を変更
し、リザーバから液圧で操作可能な身体係合部分への操作デバイス110による液圧流体
の搬送を可能にする。
【0335】
円形リザーバ160は、非可塑性ポリマー材料などの、弾性であるが強力ではない材料
からリザーバ160を作製することを可能にする、襞状部分443により圧縮可能である
【0336】
図31a及び図31bは、図30a及び図30bを参照して示される操作デバイス11
0の実施形態と同様な、操作デバイス110の一実施形態を示す。電気モータ130部分
及び歯車系140部分は、同一である。操作デバイスの相違点は、操作デバイス110の
円周の実質的半分に沿って半径方向に各々延在する、2つのリザーバ160a、160b
を係合するように適合された半径方向に操作可能な操作部材482a、482bに、第2
の(外側の)歯車系の第3の歯車146が接続されることである。第1及び第2の半径方
向に延在するリザーバ160a、160bは、半径方向に操作可能な操作部材482a、
482bの半径方向移動によるリザーバ160a、160bの圧縮を可能にする襞状部分
442を有した壁を含む。第1のリザーバ160aの第1の端部160a’は、第1の半
径方向に操作可能な操作部材482aに接続され、第1のリザーバ160aの第2の端部
160a’’は、第1の半径方向に固定された部材483aに接続される。類似して、第
2のリザーバ160bの第1の端部160b’は、第2の半径方向に操作可能な操作部材
482bに接続され、第2のリザーバ160bの第2の端部160b’’は、第2の半径
方向に固定された部材483bに接続される。第1及び第2のリザーバ160a、160
bはそれぞれ、半径方向に操作可能な操作部材482a、482bと半径方向に固定され
た部材483a、483bとの間で圧縮され、その結果、第1及び第2のリザーバの容積
は変化する。リザーバの容積が減少するので、リザーバに含有される流体は、リザーバ1
60a、160bから流体導管162を介して身体係合部分へ搬送される。図31aの操
作デバイスは、エネルギ及び/又は情報を伝達するように適合されたリード線192によ
って、(例えば本明細書において説明される制御ユニットのうちのいずれかの)制御ユニ
ット20に接続される。
【0337】
図32は、操作可能な液圧式インプラントの身体係合部分を操作するための埋入可能な
操作デバイス110を含んだ制御ユニット20を断面で示す。制御ユニットは、本明細書
において開示される位置のいずれかへの埋入のために使用されてもよく、本明細書におけ
る実施形態のうちのいずれかに従って、拘束要素に接続されてもよい。操作デバイスは、
液圧流体を保持するためのリザーバ160aを含む。リザーバ160aは、リザーバ16
0aの容積を変更することによってリザーバ160aから身体係合部分へ液圧流体を搬送
するために移動するように適合された可動壁部分163aを含む。操作デバイスは、半径
方向に延在して可動壁部分163aに接続される、操作部材444を更に含み、その結果
、操作部材444の操作が、リザーバ160aの容積を変更する。操作デバイス110は
、エンクロージャの外形サイズ及び形状を変化させることによって変更される容積を有し
かつ可動壁部分163a及び操作部材444を封包するように適合された可撓性エンクロ
ージャ111を更に含む。可動壁部分163aはエンクロージャ111の内側で移動する
ように適合され、その結果、エンクロージャ111の内側の可動壁部分163aの移動に
よるリザーバ160aの容積の変化より少ない程度で反対方向に操作デバイス110の外
寸に影響を及ぼすことによって、リザーバ160aの容積を変化させることができる。リ
ザーバ160aは、患者の身体の外側から手動力によって圧縮されるように適合された可
動壁部分163cを含む手動部分(リザーバ)160bを更に含み、その結果、身体係合
部分で液圧を一時的に増加させるために、流体が、リザーバ160bから第2の流体導管
162bを介して身体係合部分へ手動力によって搬送され得る。手動部分160bは、例
えば、埋入可能なバッテリが充電切れになった場合、又は患者が自動的なシステムを無効
にすることを望む場合などの、非常事態において使用され得る。
【0338】
より詳細には、図32に示される液圧式操作デバイス110は、電気モータ130を含
み、電気モータ130は、示される実施形態では、静止構造体に接続された複数のコイル
132、及び回転可能な構造体135に接続された複数の磁石133を含む交流(AC)
電気モータである。複数のコイル132及び複数の磁石133は、磁気的に接続され、そ
の結果、コイル132の順次エネルギ供給が、磁石133を、つまり回転可能な構造体1
35を推進する。回転可能な構造体135の周面は、ベルト137を係合するプーリ13
8aを含むか、又はプーリ138aとして働き、その結果、電気モータ130の動作がベ
ルト137を推進する。
【0339】
ベルト137は、本明細書におけるいくつかの実施形態で説明される歯車系である、歯
車系140の入力142にプーリ138aを接続する、半径方向に延在する部分147に
接続された第2のプーリ138bに、更に接続される。入力142は、操作可能な要素1
43’’’を推進し、操作可能な要素143’’’もまた、第2の歯車145及び第3の
歯車146を相互係合する歯を有した第1の歯車144を係合して撓ませる。第2の歯車
145より少ない歯を有する第1の歯車144は、第1及び第2の歯車144、145の
間の相互係合位置の回転をもたらす。第3の歯車146は、第1の歯車144と同じ量の
歯を有し、従って、相互係合された位置と共に回転する。第3の歯車146は、半径方向
に延在する部分147によって、歯車系140の出力149に接続される。出力149は
、リザーバ160aの可動壁部分163aを係合するように適合された半径方向に延在す
る操作部材444の、ねじ山付き部材441の内側のねじ山を係合するように適合された
ねじ山付きシャフトである。ねじ山付きシャフト149とねじ山付き部材441との間の
相互作用は、歯車系140の動作によって生成された半径方向に回転する力を直線状の、
軸方向に往復する力に変換する。可動壁部分163aの平均厚さは、リザーバ160aの
可動外壁部分163bの平均厚さより小さい。リザーバ160aは、流体リザーバ160
aから液圧で操作可能なインプラント110の身体係合部分へ流体を搬送するための流体
導管162aに接続される。
【0340】
半径方向に延在する操作部材444は、流体リザーバ160aを圧縮するために可動壁
部分163aを上方へ押圧し、真空が半径方向に延在する操作部材444の下にもたらさ
れて、外側の可動壁163bを下方に移動させ従って外側からリザーバ160aを圧縮す
る。従って、操作は、操作デバイス110内の可動壁163aを移動させることによって
、操作デバイス110の外のサイズを変化させる。
【0341】
第2の手動リザーバ160bは、同軸で、リザーバ160aの上に配置される。手動リ
ザーバ160bは、第1のリザーバ160aの壁、及び患者の身体の外側から手動操作に
よって圧縮されるように適合された外の可動壁163cによって封包される。第2の手動
リザーバ160bは、身体係合部分に第2の手動リザーバ160bを接続するように適合
された第2の流体導管162bを含み、その結果、リザーバ160bの手動圧縮が、第2
の手動リザーバ160bから身体係合部分へ流体を搬送する。手動部分は、例えば、埋入
可能なバッテリが充電切れになった場合、又は患者が自動的なシステムを無効にすること
を望む場合などの、非常事態において使用され得る。
【0342】
代替的な実施形態では、埋入可能な操作デバイス110は、患者の身体の外側からリザ
ーバ内に液圧流体を注入するための注入ポートを追加的に含んでもよい。注入ポートは、
リザーバの一体化部分であっても、又は流体導管によってリザーバに接続されてもよい。
注入ポートは、第1のリザーバ及び/又は手動リザーバ160bの流体量を再充填するか
又は較正するように適合されてもよい。
【0343】
制御ユニットは、皮下に埋入されてもよく、かつ少なくとも1つの筋膜並びに/又は少
なくとも1つの骨筋膜並びに/又は少なくとも1つの皮質骨層並びに/又は少なくとも1
つの筋層並びに/又は線維性組織並びに/又は腹壁の任意の一部並びに/又は身体の皮下
腔及びその周辺の任意の一部に、埋入可能な操作デバイスの少なくとも一部分を直接又は
間接的に固定させるように適合された(図43a~図43eを参照して説明される固定部
材などの)固定部材を追加的に含んでもよい。
【0344】
代替的な実施形態では、操作デバイスの電気モータ130は、交流(AC)電気モータ
、直流電気モータ、リニア型電気モータ、アキシャル型電気モータ、圧電モータ、2相以
上のモータ、三相モータ、バイメタルモータ、及び形状記憶金属モータから選択される電
気モータであってもよい。
【0345】
図33aは、リザーバ(図32の160a、160b)が完全に拡大されたときの、す
なわち可動壁163b、163cが圧縮されないときの、図32に示される制御ユニット
20を外観図で示す。エンクロージャ111は、Parylene(登録商標)被覆シリ
コーンなどの、弾性ポリマー材料から作製される。エンクロージャ111を貫通する第1
及び第2の流体導管162a、162bに加えて、エンクロージャ111は、電気モータ
図32の130)に電力を供給するために電気リード線がエンクロージャ111を貫通
することができるリード線導入口192iを更に含む。電気リード線は、エンクロージャ
111の外側に位置決定されたバッテリに、又はエンクロージャ111の外側に位置決定
された(本明細書における他の実施形態で更に開示される)無線エネルギを受信するため
の受信ユニットに接続されてもよい。
【0346】
図33bは、第1及び第2のリザーバ両方の容積が最小限まで圧縮される、完全に圧縮
された状態の液圧式操作デバイス110を示す。示される実施形態では、第1のリザーバ
図32の160a)の周囲の側壁は、第1のリザーバの圧縮を可能にするように適合さ
れた襞状部分443を含む。
【0347】
異なる態様若しくは態様の任意の一部、又は異なる実施形態若しくは実施形態の任意の
一部はすべて、可能な限りの任意の手法で組み合わされてもよい。任意の方法の実施形態
、又は任意の方法の実施形態の任意の段階が装置の説明とみなされてもよく、同様に、任
意の装置の実施形態、態様、又は態様の一部若しくは実施形態の一部が方法の説明とみな
されてもよく、すべてが、些細な詳細まで、可能な限りの任意の手法で組み合わされても
よい。いかなる詳細な説明も、一般的な概要の説明として最も広い枠組で解釈されなけれ
ばならず、任意の実施形態又は実施形態の一部、及び任意の方法又は方法の一部が任意の
手法で組み合わせられ得ることに留意する必要がある。本明細書におけるすべての例が、
一般的な説明の一部とみなされなければならず、従って、一般に、任意の手法で組み合わ
せ可能でなければならない。
【0348】
番号付き実施形態
以下では、例示的な、番号付き実施形態が、グループA及びBで提供され、そのグルー
プ内で番号をつけられる。番号付き実施形態は、特許請求の範囲によって定義される、本
発明の範囲を限定するものとみなされてはならない。異なる番号をつけられた実施形態の
参照番号は、番号をつけられた実施形態で説明される要素に対応する添付の図面の要素の
例とみなされるだけである。
【0349】
番号付き実施形態A1~32:
1.患者の管腔器官を拘束するための液圧式の埋入可能な拘束デバイスであって、
上記液圧式の埋入可能な拘束デバイスは:
・上記管腔器官の第1の部分を拘束するよう適合された、第1の液圧式拘束要素;並び

・上記管腔器官の第2の部分を拘束するよう適合された、第2の液圧式拘束要素;並び

・悪影響が比較的少ない拘束を生成するために、上記管腔器官の上記第1の部分の拘束
と上記第2の部分の拘束とを自動的に切り替えるように上記第1の拘束要素及び第2の拘
束要素を制御するよう適合された、制御ユニット
を備え、上記制御ユニットは:
○10分~6ヵ月の経過時間;及び
○拘束された上記管腔器官の機能を使用する上記患者
のうちの少なくとも1つに基づいて、上記管腔器官の上記第1の部分の拘束と上記第2
の部分との拘束を自動的に切り替える、液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
2.上記埋入可能な拘束デバイスは:
・上記患者の腸;
・上記患者の血管;
・上記患者の尿道;
・上記患者の精管;
・上記患者の胃;
・上記患者の食道;
・肛門括約筋;
・噴門括約筋;
・尿道括約筋;及び
・上記患者の卵管
からなるリストから選択される上記患者の管腔器官を拘束するよう適合される、実施形
態1に記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
3.制御信号の受信は、センサ入力に基づいて生成された制御信号の受信である、実施形
態1又は2に記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
4.上記制御信号は上記患者の体外から伝送される、実施形態1~3のいずれか1つに記
載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
5.埋入可能な流体リザーバ;及び上記流体リザーバを上記第1の拘束要素に接続する第
1の流体導管;及び上記流体リザーバを上記第2の拘束要素に接続する第2の流体導管を
更に備える、実施形態1~4のいずれか1つに記載の埋入可能な拘束デバイス。
6.上記埋入可能な流体リザーバの容積を変更することによって、上記埋入可能な流体リ
ザーバから上記第1の拘束要素及び上記第2の拘束要素に流体を移動させるための、少な
くとも1つの可動壁部分を備える、実施形態5に記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス

7.上記埋入可能なリザーバから上記第1の拘束要素及び上記第2の拘束要素のうちの少
なくとも1つに上記流体を送り込むための液圧式ポンプを更に備える、実施形態5に記載
の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
8.上記液圧式ポンプは:
・少なくとも1つのリザーバであって、上記リザーバの壁が移動することによってポン
プとして作用する、少なくとも1つのリザーバ;
・容積を変更することによってポンプとして作用する、少なくとも1つのリザーバ;
・少なくとも1つの無弁ポンプ;
・少なくとも1つの弁ポンプ;
・少なくとも1つの蠕動ポンプ;
・少なくとも1つの膜ポンプ;
・少なくとも1つの歯車ポンプ;及び
・少なくとも1つのベローズポンプ
から選択される液圧式ポンプである、実施形態7に記載の液圧式の埋入可能な拘束デバ
イス。
9.上記埋入可能なリザーバから上記第1の拘束要素又は上記第2の拘束要素に上記流体
を配向するための、埋入可能な弁部材を更に備える、実施形態5~8のいずれか1つに記
載の埋入可能な弁部材。
10.・実施形態6に記載の上記可動壁部分;
・実施形態7に記載の埋入可能な上記ポンプ;及び
・実施形態9に記載の上記埋入可能な弁部材
のうちの少なくとも1つを動作させるための少なくとも1つのモータを更に備える、実
施形態7又は8に記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
11.上記モータは、
・交流(AC)電気モータ;
・直流(DC)電気モータ;
・リニア型電気モータ;
・アキシャル型電気モータ;
・圧電モータ;
・三相モータ;
・2相以上のモータ;
・バイメタルモータ;及び
・形状記憶金属モータ
から選択される電気モータを備える、実施形態10に記載の液圧式の埋入可能な拘束デ
バイス。
12.上記モータと:
・実施形態6に記載の上記可動壁部分;
・実施形態7に記載の埋入可能な上記ポンプ;及び
・実施形態9に記載の上記埋入可能な弁部材
のうちの少なくとも1つとの間に配置される歯車系を更に備える、実施形態10又は1
1に記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
13.上記歯車系は:
・操作可能な要素;
・第1の個数の歯を外側の周上に備える、中空円筒形状の第1の歯車;及び
・上記第1の歯車より多数の歯を内側表面上に備える、中空円筒形状の第2の歯車を備
え、
上記操作可能な要素は、上記第1の歯車の内側に係合するよう適合され、これによって
上記第1の歯車の外側は、上記第2の歯車の内側に対して押圧され、これによって上記第
1の歯車の上記歯は、上記歯が相互係合しない位置によって隔てられた少なくとも1つの
位置において上記第2の歯車の上記歯と相互係合し、
上記操作可能な要素の操作は、上記位置を前進させることによって、上記第1の歯車と
上記第2の歯車との間の相対回転を発生させる、実施形態12に記載の液圧式の埋入可能
な拘束デバイス。
14.上記操作可能な要素は、遊星歯車、及び上記第1の歯車と相互接続するために少な
くとも部分的に摩擦を用いる構造体又はホイールのうちの少なくとも1つを備える、実施
形態13に記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
15.上記リザーバの上記壁部分を移動させるよう配設されたねじ山付き部材を更に備え

上記ねじ山付き部材は、回転力を、上記壁部分を移動させるための往復力に変換するた
めに:
・実施形態10又は11に記載の上記モータ;
・実施形態12~14のいずれかに記載の歯車系
のうちの少なくとも1つに接続される、実施形態5~14のいずれか1つに記載の液圧
式の埋入可能な拘束デバイス。
16.上記流体を上記リザーバに供給するための注入ポートを更に備える、実施形態7~
15のいずれか1つに記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
17.上記モータと:
・実施形態6に記載の上記可動壁部分;
・実施形態7、8に記載の上記埋入可能なポンプ;及び
・実施形態9に記載の上記埋入可能な弁部材
との間に接続されたサーボを更に備える、実施形態10~16のいずれか1つに記載の
液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
18.上記第1の拘束要素及び上記第2の拘束要素のうちの少なくとも1つは、細長く、
上記管腔器官の一部分の周囲に閉ループを形成するよう適合される、実施形態1~17の
いずれか1つに記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
19.上記液圧式ポンプは液圧式蠕動ポンプであり、
上記液圧式蠕動ポンプは、流体輸送用の中空部材と、上記中空部材に結合して上記中空
部材を圧縮するよう適合された操作可能な圧縮部材とを備え、
上記圧縮部材は、上記モータと直接的又は間接的に接続され、これにより上記モータが
上記圧縮部材を動作させ、これにより上記流体が上記中空部材中に輸送される、実施形態
7~18のいずれか1つに記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
20.上記蠕動ポンプの上記中空部材は、上記歯車系及び上記モータのうちの少なくとも
1つを、少なくとも部分的に同一の軸方向平面内に、少なくとも部分的に包囲するよう適
合された、ループ又はループの一部を形成し、
上記モータは、上記圧縮部材が上記ループ又はループの一部の外周に向かって上記中空
部材を圧縮するように、上記圧縮部材を推進するよう適合される、実施形態19に記載の
液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
21.上記ねじ山付き部材による上記流体リザーバの上記移動可能な壁部分の第1の方向
への移動は、上記流体を上記流体リザーバから上記第1の液圧式拘束要素へ移動させ、
上記ねじ山付き部材による上記流体リザーバの上記移動可能な壁部分の第2の方向への
移動は、上記流体を上記流体リザーバから上記第2の液圧式拘束要素へ移動させる、実施
形態15~20のいずれか1つに記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
22.上記患者に埋入されることになる上記デバイスのいずれのエネルギを消費する構成
部品にエネルギを供給するための、埋入可能なエネルギ供給ユニットを更に備える、実施
形態1~21のいずれか1つに記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
23.上記患者の身体の外側から実施形態22の上記埋入可能なエネルギ供給ユニットを
含む上記デバイスの上記いずれのエネルギを消費する埋入可能な構成部品に無線エネルギ
を伝送する無線エネルギ伝送デバイスから、上記無線エネルギを受承するよう適合された
、無線エネルギレシーバを更に備える、実施形態1~22のいずれか1つに記載の液圧式
の埋入可能な拘束デバイス。
24.上記患者の上記身体の外側から、上記デバイスの上記いずれのエネルギを消費する
埋入可能な構成部品又は実施形態22の上記埋入可能なエネルギ供給ユニットへの、エネ
ルギの無線転送のための無線エネルギ伝送を備える、実施形態1~23のいずれか1つに
記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
25.第1の埋入可能な流体リザーバ、及び上記流体リザーバを上記第1の拘束要素に接
続する第1の流体導管、第2の埋入可能な流体リザーバ、上記第2の流体リザーバを上記
第2の拘束要素に接続する第2の流体導管を更に備える、実施形態1~24のいずれか1
つに記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
26.上記第2の流体リザーバは、上記第1のリザーバの分割部分を備える、実施形態1
~25のいずれか1つに記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
27.上記埋入可能な第1の流体リザーバは、上記埋入可能な第1の流体リザーバの容積
を変更することによって、上記埋入可能な第1の流体リザーバから上記第1の要素に上記
流体を移動させるための、少なくとも1つの可動壁部分を備えること;及び
上記埋入可能な第2の流体リザーバは、上記埋入可能な第2の流体リザーバの容積を変
更することによって、上記埋入可能な第21の流体リザーバから上記第2の要素に上記流
体を移動させるための、少なくとも1つの可動壁部分を備えること
のうちの少なくとも1つを満たす、実施形態25に記載の液圧式の埋入可能な拘束デバ
イス。
28.上記少なくとも1つの可動壁部分は、上記埋入可能な第2の流体リザーバの上記容
積が減少した場合に上記埋入可能な第1の流体リザーバの上記容積を増大させ、また上記
埋入可能な第2の流体リザーバの上記容積が増大した場合に上記埋入可能な第1の流体リ
ザーバの上記容積を減少させるように、上記第1の流体リザーバ及び上記第2の流体リザ
ーバの上記容積を変更するよう適合される、実施形態25に記載の液圧式の埋入可能な拘
束デバイス。
29.上記埋入可能な第1の流体リザーバから上記第1の拘束要素に上記流体を送り込む
ための、液圧式ポンプ;
上記埋入可能な第2の流体リザーバから上記第2の拘束要素に上記流体を送り込むため
の、液圧式ポンプ;及び
上記埋入可能な第1の流体リザーバと上記埋入可能な第2の流体リザーバとの間に上記
流体を送り込むための、液圧式ポンプ
のうちの少なくとも1つを更に備える、実施形態25に記載の液圧式の埋入可能な拘束
デバイス。
30.上記埋入可能な第1の流体リザーバ及び上記埋入可能な第2の流体リザーバは、上
記埋入可能な第1の流体リザーバの上記容積を変更することによって、上記第1の流体リ
ザーバ内の上記流体を増加させると同時に上記第2の流体リザーバ内の上記流体を減少さ
せ、かつ上記第1の流体リザーバ内の上記流体を減少させると同時に上記第2の流体リザ
ーバ内の上記流体を増加させるために、少なくとも1つの可動ピストンによって分割され
る、実施形態25に記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
31.上記デバイスを制御するために上記患者の外側から入って来る制御信号を含み、
上記制御信号は:自動切り替えを無効にする信号;自動で実行される信号;又は自動切
り替えのためのタームをプログラムするためのプログラミング信号のうちの少なくとも1
つで構成される、実施形態1~30のいずれか1つに記載の液圧式の埋入可能な拘束デバ
イス。
32.上記デバイスを制御するために、上記身体の内側で生成される信号で構成される制
御信号を備え、
上記制御信号は:自動切り替えを無効にする信号;自動で実行される信号;測定された
パラメータ;計算されたパラメータ;上記デバイスの機能パラメータ;上記患者の生理学
的又は物理的パラメータ;及びいずれのセンサからの入力のうちの少なくとも1つを含む
、実施形態1~31のいずれか1つに記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
【0350】
番号付き実施形態B1~32:
1.患者の管腔器官を拘束するための液圧式の埋入可能な拘束デバイスであって、
上記液圧式の埋入可能な拘束デバイスは:
・上記管腔器官の第1の部分を拘束するよう適合された、第1の液圧式拘束要素;並び

・上記管腔器官の第2の部分を拘束するよう適合された、第2の液圧式拘束要素;並び

・悪影響が比較的少ない拘束を生成するために、上記管腔器官の上記第1の部分の拘束
と上記第2の部分の拘束とを自動的に切り替えるように上記第1の拘束要素及び第2の拘
束要素を制御するよう適合された、制御ユニット
を備え、上記制御ユニットは:
制御信号の受信に基づいて、上記管腔器官の上記第1の部分の拘束と上記第2の部分と
の拘束を自動的に切り替える、液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
2.上記身体の外側から入って来るいずれの制御信号は:自動切り替えを無効にする信号
;自動で実行される信号;又は自動切り替えのためのタームをプログラムするためのプロ
グラミング信号のうちの少なくとも1つで構成される、実施形態1に記載の液圧式の埋入
可能な拘束デバイス。
3.上記制御信号は、上記身体の内側で生成される信号で構成され、自動切り替えを無効
にする信号;自動で実行される信号;測定されたパラメータ;計算されたパラメータ;上
記デバイスの機能パラメータ;上記患者の生理学的又は物理的パラメータ;及びいずれの
センサからの入力のうちの少なくとも1つを含む、実施形態1又は2に記載の液圧式の埋
入可能な拘束デバイス。
4.上記埋入可能な拘束デバイスは:
・上記患者の腸;
・上記患者の血管;
・上記患者の尿道;
・上記患者の精管;
・上記患者の胃;
・上記患者の食道;
・肛門括約筋;
・噴門括約筋;
・尿道括約筋;及び
・上記患者の卵管
からなるリストから選択される上記患者の管腔器官を拘束するよう適合される、実施形
態1~3のいずれか1つに記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
5.制御信号の受信は、センサ入力に基づいて生成された制御信号の受信である、実施形
態1~4のいずれか1つに記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
6.上記制御信号は上記患者の体外から伝送される、実施形態1~5のいずれか1つに記
載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
7.埋入可能な流体リザーバ;及び上記流体リザーバを上記第1の拘束要素に接続する第
1の流体導管;及び上記流体リザーバを上記第2の拘束要素に接続する第2の流体導管を
更に備える、実施形態1~6のいずれか1つに記載の埋入可能な拘束デバイス。
8,上記埋入可能な流体リザーバの容積を変更することによって、上記埋入可能な流体リ
ザーバから上記第1の拘束要素及び上記第2の拘束要素に流体を移動させるための、少な
くとも1つの可動壁部分を備える、実施形態7に記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス

9.上記埋入可能なリザーバから上記第1の拘束要素及び上記第2の拘束要素のうちの少
なくとも1つに上記流体を送り込むための液圧式ポンプを更に備える、実施形態7に記載
の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
10.上記液圧式ポンプは:
・少なくとも1つのリザーバであって、上記リザーバの壁が移動することによってポン
プとして作用する、少なくとも1つのリザーバ;
・容積を変更することによってポンプとして作用する、少なくとも1つのリザーバ;
・少なくとも1つの無弁ポンプ;
・少なくとも1つの弁ポンプ;
・少なくとも1つの蠕動ポンプ;
・少なくとも1つの膜ポンプ;
・少なくとも1つの歯車ポンプ;及び
・少なくとも1つのベローズポンプ
から選択される液圧式ポンプである、実施形態9に記載の液圧式の埋入可能な拘束デバ
イス。
11.上記埋入可能なリザーバから上記第1の拘束要素又は上記第2の拘束要素に上記流
体を配向するための、埋入可能な弁部材を更に備える、実施形態7~10のいずれか1つ
に記載の埋入可能な弁部材。
12.・実施形態8に記載の上記可動壁部分;
・実施形態9に記載の埋入可能な上記ポンプ;及び
・実施形態10に記載の上記埋入可能な弁部材
のうちの少なくとも1つを動作させるための少なくとも1つのモータを更に備える、実
施形態9又は10に記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
13.上記モータは、
・交流(AC)電気モータ;
・直流(DC)電気モータ;
・リニア型電気モータ;
・アキシャル型電気モータ;
・圧電モータ;
・三相モータ;
・2相以上のモータ;
・バイメタルモータ;及び
・形状記憶金属モータ
から選択される電気モータを備える、実施形態12に記載の液圧式の埋入可能な拘束デ
バイス。
14.上記モータと:
・実施形態8に記載の上記可動壁部分;
・実施形態9に記載の埋入可能な上記ポンプ;及び
・実施形態11に記載の上記埋入可能な弁部材
のうちの少なくとも1つとの間に配置される歯車系を更に備える、実施形態12又は1
3に記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
15.上記歯車系は:
・操作可能な要素;
・第1の個数の歯を外側の周上に備える、中空円筒形状の第1の歯車;及び
・上記第1の歯車より多数の歯を内側表面上に備える、中空円筒形状の第2の歯車を備
え、
上記操作可能な要素は、上記第1の歯車の内側に係合するよう適合され、これによって
上記第1の歯車の外側は、上記第2の歯車の内側に対して押圧され、これによって上記第
1の歯車の上記歯は、上記歯が相互係合しない位置によって隔てられた少なくとも1つの
位置において上記第2の歯車の上記歯と相互係合し、
上記操作可能な要素の操作は、上記位置を前進させることによって、上記第1の歯車と
上記第2の歯車との間の相対回転を発生させる、実施形態14に記載の液圧式の埋入可能
な拘束デバイス。
16.上記操作可能な要素は、遊星歯車、及び上記第1の歯車と相互接続するために少な
くとも部分的に摩擦を用いる構造体又はホイールのうちの少なくとも1つを備える、実施
形態15に記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
17.上記リザーバの上記壁部分を移動させるよう配設されたねじ山付き部材を更に備え

上記ねじ山付き部材は、回転力を、上記壁部分を移動させるための往復力に変換するた
めに:
・実施形態12又は13に記載の上記モータ;
・実施形態14~16のいずれかに記載の歯車系
のうちの少なくとも1つに接続される、実施形態7~16のいずれか1つに記載の液圧
式の埋入可能な拘束デバイス。
18.上記流体を上記リザーバに供給するための注入ポートを更に備える、実施形態9~
17のいずれか1つに記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
19.上記モータと:
・実施形態8に記載の上記可動壁部分;
・実施形態9、10に記載の上記埋入可能なポンプ;及び
・実施形態11に記載の上記埋入可能な弁部材
との間に接続されたサーボを更に備える、実施形態12~18のいずれか1つに記載の
液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
20.上記第1の拘束要素及び上記第2の拘束要素のうちの少なくとも1つは、細長く、
上記管腔器官の一部分の周囲に閉ループを形成するよう適合される、実施形態1~19の
いずれか1つに記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
21.上記液圧式ポンプは液圧式蠕動ポンプであり、
上記液圧式蠕動ポンプは、流体輸送用の中空部材と、上記中空部材に結合して上記中空
部材を圧縮するよう適合された操作可能な圧縮部材とを備え、
上記圧縮部材は、上記モータと直接的又は間接的に接続され、これにより上記モータが
上記圧縮部材を動作させ、これにより上記流体が上記中空部材中に輸送される、実施形態
9~20のいずれか1つに記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
22.上記蠕動ポンプの上記中空部材は、上記歯車系及び上記モータのうちの少なくとも
1つを、少なくとも部分的に同一の軸方向平面内に、少なくとも部分的に包囲するよう適
合された、ループ又はループの一部を形成し、
上記モータは、上記圧縮部材が上記ループ又はループの一部の外周に向かって上記中空
部材を圧縮するように、上記圧縮部材を推進するよう適合される、実施形態21に記載の
液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
3.上記ねじ山付き部材による上記流体リザーバの上記移動可能な壁部分の第1の方向へ
の移動は、上記流体を上記流体リザーバから上記第1の液圧式拘束要素へ移動させ、
上記ねじ山付き部材による上記流体リザーバの上記移動可能な壁部分の第2の方向への
移動は、上記流体を上記流体リザーバから上記第2の液圧式拘束要素へ移動させる、実施
形態17~22のいずれか1つに記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
24.上記患者に埋入されることになる上記デバイスのいずれのエネルギを消費する構成
部品にエネルギを供給するための、埋入可能なエネルギ供給ユニットを更に備える、実施
形態1~23のいずれか1つに記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
25.上記患者の身体の外側から実施形態24の上記埋入可能なエネルギ供給ユニットを
含む上記デバイスの上記いずれのエネルギを消費する埋入可能な構成部品に無線エネルギ
を伝送する無線エネルギ伝送デバイスから、上記無線エネルギを受承するよう適合された
、無線エネルギレシーバを更に備える、実施形態1~24のいずれか1つに記載の液圧式
の埋入可能な拘束デバイス。
26.上記患者の上記身体の外側から、上記デバイスの上記いずれのエネルギを消費する
埋入可能な構成部品又は実施形態24の上記埋入可能なエネルギ供給ユニットへの、エネ
ルギの無線転送のための無線エネルギ伝送を備える、実施形態1~25のいずれか1つに
記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
27.第1の埋入可能な流体リザーバ、及び上記流体リザーバを上記第1の拘束要素に接
続する第1の流体導管、第2の埋入可能な流体リザーバ、上記第2の流体リザーバを上記
第2の拘束要素に接続する第2の流体導管を更に備える、実施形態1~26のいずれか1
つに記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
28.上記第2の流体リザーバは、上記第1のリザーバの分割部分を備える、実施形態1
~27のいずれか1つに記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。
29.上記埋入可能な第1の流体リザーバは、上記埋入可能な第1の流体リザーバの容積
を変更することによって、上記埋入可能な第1の流体リザーバから上記第1の要素に上記
流体を移動させるための、少なくとも1つの可動壁部分を備えること;及び
上記埋入可能な第2の流体リザーバは、上記埋入可能な第2の流体リザーバの容積を変
更することによって、上記埋入可能な第21の流体リザーバから上記第2の要素に上記流
体を移動させるための、少なくとも1つの可動壁部分を備えること
のうちの少なくとも1つを満たす、実施形態27に記載の液圧式の埋入可能な拘束デバ
イス。
30.上記少なくとも1つの可動壁部分は、上記埋入可能な第2の流体リザーバの上記容
積が減少した場合に上記埋入可能な第1の流体リザーバの上記容積を増大させ、また上記
埋入可能な第2の流体リザーバの上記容積が増大した場合に上記埋入可能な第1の流体リ
ザーバの上記容積を減少させるように、上記第1の流体リザーバ及び上記第2の流体リザ
ーバの上記容積を変更するよう適合される、実施形態27に記載の液圧式の埋入可能な拘
束デバイス。
31.上記埋入可能な第1の流体リザーバから上記第1の拘束要素に上記流体を送り込む
ための、液圧式ポンプ;
上記埋入可能な第2の流体リザーバから上記第2の拘束要素に上記流体を送り込むため
の、液圧式ポンプ;及び
上記埋入可能な第1の流体リザーバと上記埋入可能な第2の流体リザーバとの間に上記
流体を送り込むための、液圧式ポンプ
のうちの少なくとも1つを更に備える、実施形態27に記載の液圧式の埋入可能な拘束
デバイス。
32.上記埋入可能な第1の流体リザーバ及び上記埋入可能な第2の流体リザーバは、上
記埋入可能な第1の流体リザーバの上記容積を変更することによって、上記第1の流体リ
ザーバ内の上記流体を増加させると同時に上記第2の流体リザーバ内の上記流体を減少さ
せ、かつ上記第1の流体リザーバ内の上記流体を減少させると同時に上記第2の流体リザ
ーバ内の上記流体を増加させるために、少なくとも1つの可動ピストンによって分割され
る、実施形態27に記載の液圧式の埋入可能な拘束デバイス。

異なる番号をつけられた実施形態の異なる態様若しくは態様の任意の一部、又は実施形
態の任意の一部はすべて、可能な限りの任意の手法で組み合わされてもよい。任意の方法
の実施形態、又は任意の方法の実施形態の任意の段階が装置の説明とみなされてもよく、
同様に、任意の装置の実施形態、態様、又は態様の一部若しくは実施形態の一部が方法の
説明とみなされてもよく、すべてが、些細な詳細まで、可能な限りの任意の手法で組み合
わされてもよい。いかなる詳細な説明も、一般的な概要の説明として最も広い枠組で解釈
されなければならない。
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9a
図9b
図10
図11a
図11b
図12
図13a
図13b
図14
図15
図16
図17a
図17b
図17c
図18a
図18b
図19a
図19b
図20a
図20b
図20c
図21a
図21b
図21c
図21d
図22
図23
図24
図25
図26
図27a
図27b
図28
図29
図30a
図30b
図31a
図31b
図31c
図32
図33a
図33b