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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】高圧洗浄機
(51)【国際特許分類】
   B08B 3/02 20060101AFI20240618BHJP
【FI】
B08B3/02 E
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2022131014
(22)【出願日】2022-08-19
(62)【分割の表示】P 2020540736の分割
【原出願日】2019-01-14
(65)【公開番号】P2022166246
(43)【公開日】2022-11-01
【審査請求日】2022-08-19
(31)【優先権主張番号】102018102012.0
(32)【優先日】2018-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】505201098
【氏名又は名称】アルフレッド ケルヒャー エスエー ウント コンパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001069
【氏名又は名称】弁理士法人京都国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミカエル マイヤー
(72)【発明者】
【氏名】ミカ マイレンダー
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス ゲッツ
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ ザイッター
【審査官】葛谷 光平
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-169486(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102008019524(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0239019(US,A1)
【文献】中国実用新案第206558585(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 3/02
H01M 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気モータ(64)及び前記電気モータ(64)により駆動されるポンプ(68)が配置される機器ハウジング(14)と、前記電気モータ(64)にエネルギーを供給するための少なくとも1つの再充電可能な電池(112、114)とを備えた高圧洗浄機であって、
前記高圧洗浄機(10)が、互いに直列に接続される少なくとも2つの再充電可能な電池(112、114)を含むこと、
前記高圧洗浄機(10)が電池収容庫(116)を備えた電池受け装置(48)を含み、前記電池収容庫(116)に前記電池(112、114)が挿入可能であり、前記電池収容庫(116)から前記電池(112、114)が除去可能であること、
前記電池受け装置(48)が前記機器ハウジング(14)の外側に配置されること、
前記高圧洗浄機(10)の立位使用位置において、前記電池受け装置(48)が前記機器ハウジング(14)の上に配置されること、
前記機器ハウジング(14)が空気入口開口(46)を含み、空気入口ダクト(62)が前記空気入口開口(46)と前記電池受け装置(48)との間に配置されること、
前記空気入口開口(46)が、前記機器ハウジング(14)の上壁(36)に配置されること、
前記空気入口ダクト(62)及び前記空気入口開口(46)を介して冷却空気を吸引するための吸引組立体(82)が、前記機器ハウジング(14)内に配置されること、及び
前記吸引組立体(82)が、少なくとも1つの空気入口(78)を含むモータハウジング(66)内に配置されること、
を特徴とする高圧洗浄機。
【請求項2】
請求項1に記載の高圧洗浄機であって、
防沫型の制御ハウジング(72)及び前記制御ハウジング(72)内に位置決めされた電子制御システム(74)を備えた電気式の制御装置(18)が、前記機器ハウジング(14)内に配置され、
前記電子制御システム(74)が電圧供給回路(104)を含み、
前記電池(112、114)が、各々個別の電気接続線(118、120;122、124)を経由して前記電圧供給回路(104)に接続されると共に、前記電圧供給回路(104)によって互いに直列に接続されること、
を特徴とする高圧洗浄機。
【請求項3】
請求項2に記載の高圧洗浄機であって、
前記高圧洗浄機(10)の立位使用位置において、前記ポンプ(68)が前記電気モータ(64)の下に配置されること、及び
前記制御装置(18)が前記ポンプ(68)の横に並べて配置されること、
を特徴とする高圧洗浄機。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の高圧洗浄機であって、前記高圧洗浄機(10)が、共通の回転軸(24)の周りで回転可能である2つのホイール(20、22)を含み、前記制御装置(18)が前記共通の回転軸(24)の近傍に配置されること、を特徴とする高圧洗浄機。
【請求項5】
請求項2~4のいずれか1項に記載の高圧洗浄機であって、前記制御ハウジング(72)が、強制的に案内される冷却空気流が流通するように構成されること、を特徴とする高圧洗浄機。
【請求項6】
請求項5に記載の高圧洗浄機であって、
前記電気モータ(64)が前記モータハウジング(66)により包囲され、前記制御ハウジング(72)が少なくとも1つの空気案内ダクト(76)を経由して前記モータハウジング(66)と流れ接続し、
前記モータハウジング(66)内へ吸引された冷却空気が、前記少なくとも1つの空気案内ダクト(76)を経由して前記制御ハウジング(72)に供給可能であること、
を特徴とする高圧洗浄機。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の高圧洗浄機であって、前記電池(112、114)が、前記電池収容庫(116)内で解放可能かつロック可能に保持されること、を特徴とする高圧洗浄機。
【請求項8】
請求項7に記載の高圧洗浄機であって、
前記電池受け装置(48)が、ロック位置と解放位置との間で前後に移動可能である複数のロック要素(132)を含み、
前記ロック要素(132)にそれぞれ電池(112;114)及び作動要素(146;148)が関連付けられ、それぞれ関連付けられた前記作動要素(146;148)を作動させることにより、前記ロック要素(132)が前記ロック位置から前記解放位置へと移動可能であること、
を特徴とする高圧洗浄機。
【請求項9】
請求項8に記載の高圧洗浄機であって、前記ロック位置における前記ロック要素(132)が、前記電池収容庫(116)の壁(126)から突き出ていること、を特徴とする高圧洗浄機。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の高圧洗浄機であって、前記ロック要素(132)が、前記ロック位置へと弾性的に付勢されること、を特徴とする高圧洗浄機。
【請求項11】
請求項8、9又は10に記載の高圧洗浄機であって、それぞれ関連付けられた前記電池(112、114)を弾性的な復元力に抗して前記電池収容庫(116)内に挿入することにより、前記ロック要素(132)が前記ロック位置から前記解放位置へと移動可能であること、を特徴とする高圧洗浄機。
【請求項12】
請求項8~11のいずれか1項に記載の高圧洗浄機であって、前記ロック要素(132)が各々、掛止突起(134)を含むこと、を特徴とする高圧洗浄機。
【請求項13】
請求項8~12のいずれか1項に記載の高圧洗浄機であって、前記作動要素(146、148)が各々、押しボタン(150)を含むこと、を特徴とする高圧洗浄機。
【請求項14】
請求項8~13のいずれか1項に記載の高圧洗浄機であって、前記作動要素(146、148)が各々、キャッチを経由してロック要素(132)と協働すること、を特徴とする高圧洗浄機。
【請求項15】
請求項8~14のいずれか1項に記載の高圧洗浄機であって、
前記電池受け装置(48)が、各々電池に関連付けられる複数の取出し要素(158)を含み、
作動要素(146、148)を作動させた後、前記電池収容庫(116)内に挿入された前記電池(112、114)が、それぞれ関連付けられた前記取出し要素(158)により、挿入方向とは反対の方向に移動可能であること、
を特徴とする高圧洗浄機。
【請求項16】
請求項15に記載の高圧洗浄機であって、前記電池(112、114)が、前記電池収容庫(116)内の端位置に到達すると、それぞれ関連付けられた前記取出し要素(158)により、前記挿入方向とは逆に向けられたばね力を加えられるように構成されること、を特徴とする高圧洗浄機。
【請求項17】
請求項15又は16に記載の高圧洗浄機であって、前記取出し要素が各々、取出しばね(158)を含むこと、を特徴とする高圧洗浄機。
【請求項18】
請求項1に記載の高圧洗浄機であって、前記高圧洗浄機(10)の前記立位使用位置において、前記電池(112、114)が前記電池収容庫(116)内へと、前記高圧洗浄機(10)の立位面(12)の方向に挿入可能であること、を特徴とする高圧洗浄機。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか1項に記載の高圧洗浄機であって、前記電池受け装置(48)が、前記電池収容庫(116)を包囲すると共に蓋(54)によって閉鎖可能である収容ウェル(52)を含むこと、を特徴とする高圧洗浄機。
【請求項20】
請求項19に記載の高圧洗浄機であって、前記蓋(54)が前記収容ウェル(52)上に枢動可能に載置されること、を特徴とする高圧洗浄機。
【請求項21】
請求項19又は20に記載の高圧洗浄機であって、前記蓋(54)が閉鎖位置の方向に付勢されること、を特徴とする高圧洗浄機。
【請求項22】
請求項1に記載の高圧洗浄機であって、
前記高圧洗浄機が、液体供給ダクトを接続するための第1の接続要素(26)と、液体分注ダクトを接続するための第2の接続要素(28)とを含み、
2つの前記接続要素(26、28)が前記高圧洗浄機(10)の前側(30)に配置され、
前記空気入口ダクト(62)が前記高圧洗浄機(10)の後側に配置されること、
を特徴とする高圧洗浄機。
【請求項23】
請求項1、18、19、20、21又は22に記載の高圧洗浄機であって、
前記高圧洗浄機(10)が、2つの押し棒(162、164)と、前記押し棒(162、164)を互いに接続する握り(166)とを備えたU字形の押込ハンドル(160)を含み、
前記押込ハンドル(160)が、駐車位置と動作位置との間で前後に変位可能であるように前記機器ハウジング(14)上に載置され、
前記駐車位置における前記握り(166)が、前記電池受け装置(48)の横に並べて配置されること、
を特徴とする高圧洗浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気モータ及び前記電気モータにより駆動されるポンプが配置される機器ハウジングと、前記電気モータにエネルギーを供給するための少なくとも1つの再充電可能な電池とを備えた高圧洗浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
高圧洗浄機によって、洗浄液、好適には水を圧力下に置き、被洗浄面に向けることができる。洗浄液は、液体供給ダクト、例えば吸引ホースを経由してポンプに供給することができる。洗浄液は、ポンプにより圧力下に置き、液体分注ダクト、例えば圧力ホースを経由して分注することができる。高圧洗浄機は、液体供給ダクトを接続するための第1の接続要素を含むことができると共に、液体分注ダクトを接続するための第2の接続要素を含むことができる。加圧洗浄液は、液体分注ダクトを経由して、排出部品、例えばスプレーランスやスプレーガンに供給することができる。加圧洗浄液は、排出部品によって被洗浄面に向けることができる。
【0003】
多くの場合、外部電圧源、例えば公共の電力供給網によって、エネルギーは電気モータに供給される。この目的で、高圧洗浄機は、外部電圧源に接続される電力ケーブルを含むことができる。しかし、外部電圧源は常に利用可能いうわけではない。更に、外部電源に接続することにより、高圧洗浄機の取扱いがより困難になることも多い。従って、例えばDE 10 2008 019 524 A1から既知である高圧洗浄機は、電気モータにエネルギーを供給するための少なくとも1つの再充電可能な電池を含み、従って必ずしも外部電圧源に接続されなくてもよい。少なくとも1つの再充電可能な電池が提供されることにより、高圧洗浄機の取扱いは改善されるが、電池式の高圧洗浄機は電力が弱いことが多く、洗浄液を非常に大きな圧力下に置くことができない。このことは、電池式の高圧洗浄機によって達成することができる洗浄結果に悪影響を及ぼす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】DE 10 2008 019 524 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、冒頭で述べた種類の電池式の高圧洗浄機を、より良好な洗浄結果が達成できるような仕方で更に発展させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、一般的な高圧洗浄機において、本発明により、前記高圧洗浄機が、互いに直列に接続される少なくとも2つの再充電可能な電池を含むという点で達成される。
【0007】
少なくとも2つの再充電可能な電池を互いに直列に接続することにより、個々の電池の出力電圧の和から生じる供給電圧を、前記電気モータに提供することができる。これにより、定格電圧が36Vを超える電気モータの使用が可能になり、ひいては洗浄液を高圧力下に置くことが可能になるため、より良好な洗浄結果を達成することができる。例えば、洗浄液の圧力は、少なくとも70バールとすることができ、好適には少なくとも100バールとすることができる。2つの再充電可能な電池を使用すると、電流が同じまま直列に接続されることに起因して電池の出力電圧が二倍になるため、直列接続が電力を二倍にする。
【0008】
特に、前記高圧洗浄機の最大電力が少なくとも1kWであるようにしてもよい。
【0009】
前記高圧洗浄機が電池収容庫を備えた電池受け装置を含み、前記電池収容庫に前記電池が挿入可能であり、前記電池収容庫から前記電池が除去可能であると好ましい。このことは電池の交換を促進する。
【0010】
好適には、前記電池は、前記電池収容庫内へ道具なしに挿入可能であり、前記電池収容庫から道具なしに除去可能でもある。
【0011】
前記電池は、前記高圧洗浄機の動作中に放電する。前記電池を再充電するために、内部又は外部の充電装置を使用することができる。
【0012】
前記電池は、外部充電装置に接続される時に前記電池収容庫から除去することができ、充電後に前記電池収容庫内に再度挿入することができる。
【0013】
本発明の有利な実施形態において、前記電池受け装置は前記機器ハウジングの外側に配置される。このことは、前記高圧洗浄機の組立てを促進し、更に、前記電池受け装置が使用者にとって前記電池を交換する目的で容易にアクセス可能であるという利点を有する。
【0014】
防沫型の制御ハウジング及び前記制御ハウジング内に位置決めされた電子制御システムを備えた電気制御装置が、前記高圧洗浄機の前記機器ハウジング内に配置され、前記電子制御システムが電圧供給回路を含み、前記電池が、各々個別の電気接続線を経由して前記電圧供給回路に接続されると共に、前記電圧供給回路によって互いに直列に接続されると特に有利である。本発明による前記高圧洗浄機のその種類の実施形態では、防沫型の制御ハウジングは前記機器ハウジングの内部に配置される。好適には、前記制御ハウジングは、前記機器ハウジングと別の部品として構成される。前記制御ハウジングは、電圧供給回路を含む電子制御システムを収納する。前記制御ハウジングの外部に配置された前記電池は、各々個別の電気接続線を経由して、前記制御ハウジングの内部に位置決めされた前記電圧供給回路に接続される。前記電池は、前記電圧供給回路によって互いに直列に接続され、前記電池の出力電圧は合算されて前記電気モータの供給電圧になる。前記出力電圧の加算は、前記機器ハウジングにより包囲された防沫型の前記制御ハウジングの内部で行われる。これにより、前記機器ハウジングが損傷した場合に、特に前記電池受け装置が損傷した場合に、使用者が前記電気モータの比較的高い供給電圧に接触するリスクを低減することができる。更に、前記電池受け装置への飛沫防止に関する要求が比較的低く抑えられる。なぜなら、前記電池の出力電圧の和が前記電池受け装置の内部で形成されないからである。前記電池の出力電圧は、防沫型の前記制御ハウジング内に配置された前記電圧供給回路に個々の接続線を経由して送信され、前記出力電圧の和は前記電圧供給回路によって前記制御ハウジング内で形成されるのみである。
【0015】
好ましくは、前記高圧洗浄機は、前記機器ハウジングの長手方向軸が略垂直に整列する立位使用位置において動作する。その種類の使用位置では、前記高圧洗浄機は立位用の比較的小さな立位面しか必要としない。
【0016】
前記高圧洗浄機の前記使用位置において、前記ポンプが前記電気モータの下に配置され、前記制御装置が前記ポンプの横に並べて位置決めされると好ましい。本発明のその種類の実施形態では、前記高圧洗浄機の前記立位使用位置における前記制御装置は、前記高圧洗浄機の前記立位面から比較的小さな距離のところにある。これにより、前記制御装置が損傷するリスク、特に防沫型の前記制御ハウジングが損傷するリスクを低く抑えることができる。前記高圧洗浄機がその立位使用位置から、前記機器ハウジングの前記長手方向軸が略水平に整列する横臥位置へと転倒したとしても、防沫型の前記制御ハウジングが損傷するリスクは実際上ない。
【0017】
本発明の有利な実施形態において、前記高圧洗浄機は、共通の回転軸の周りで回転可能である2つのホイールを含む。これにより、前記高圧洗浄機を床面に沿って簡単なやり方で転動させることが可能になる。この目的で、前記高圧洗浄機は、その立位使用位置から、前記ホイールの前記共通の回転軸を中心に台車のように傾けてから、前記ホイールによって前記床面を転動させることができる。
【0018】
前記制御装置が前記ホイールの前記共通の回転軸の近傍に配置されると好ましい。特に、前記制御装置が、少なくとも部分的に前記2つのホイール間に位置決めされるようにしてもよい。その種類の実施形態では、前記制御装置は、前記高圧洗浄機の転動時にも床面から比較的小さな距離を採用するため、前記高圧洗浄機が意図せず転倒する場合に、前記制御装置、特に防沫型の前記制御ハウジングが損傷するリスクは低い。
【0019】
本発明の有利な実施形態において、前記制御ハウジングは、強制的に案内される冷却空気流が流通するように構成される。これにより、前記制御ハウジング内に配置された前記電子制御システムを効果的に冷却することができる。
【0020】
前記制御ハウジングが少なくとも1つの空気案内ダクトを経由して前記電気モータのモータハウジングと流れ接続し、前記モータハウジング内へ吸引された冷却空気が前記少なくとも1つの空気案内ダクトを経由して前記制御ハウジングに供給可能であると特に有利である。本発明のその種類の実施形態では、好適には、前記高圧洗浄機の周囲から冷却空気を吸引するための吸引組立体が、前記モータハウジングの内部に配置される。吸引された前記冷却空気は、冷却の目的で前記電気モータに沿って流れ、前記少なくとも1つの空気案内ダクトを経由して前記制御ハウジングに到達することができるため、前記制御ハウジング内に位置決めされた前記電子制御システムをも前記冷却空気により冷却することができる。前記冷却空気は、少なくとも1つの空気出口開口を経由して前記制御ハウジングから逃散することができる。
【0021】
好適には、前記少なくとも1つの空気出口開口は前記制御ハウジングの底壁に配置され、この底壁は、前記高圧洗浄機の垂直使用位置において、前記制御ハウジング内に位置決めされた前記電子制御システムの下に配置される。
【0022】
本発明の好適な実施形態において、前記高圧洗浄機の前記電池は前記電池収容庫内で解放可能かつロック可能に保持される。これにより、前記電池収容庫内での前記電池の位置が意図せず変更されないようにすることができる。
【0023】
前記電池受け装置が、各々ロック位置と解放位置との間で前後に移動可能である複数のロック要素を含み、前記ロック要素にそれぞれ電池及び作動要素が関連付けられ、それぞれ関連付けられた前記作動要素を作動させることにより、前記ロック要素が前記ロック位置から前記解放位置へと移動可能であると有利である。本発明のその種類の実施形態では、前記電池は各々、前記電池収容庫内で個々にロックすることができる。この目的で、それぞれロック要素が使用される。各ロック要素に関連付けられるのは個別の作動要素であり、前記作動要素が作動させることによって、前記ロック要素は前記ロック位置から解放位置へと移動可能であるため、その後、前記電池は前記電池収容庫から簡単なやり方で除去することができる。こうして、前記電池は前記収容庫から次々に除去することができ、除去のためにはそれぞれの作動要素が作動されなければならない。
【0024】
移動可能な前記ロック要素を提供することにより、前記電池を前記電池収容庫内に固定するために前記電池が移動可能な部分を有することが必要でない。これにより、前記電池の製造費用を低減し、前記電池の故障に対する感受性も低く抑えることができる。
【0025】
前記ロック位置における前記ロック要素が、前記電池収容庫の壁から突き出ているようにしてもよい。前記ロック要素の前記ロック位置において、前記ロック要素はそれぞれ関連付けられた前記電池の受け内に入り込み、前記電池を固定することができる。前記ロック要素の前記解放位置において、前記ロック要素はそれぞれの電池の受けから外れることができるため、前記電池は関連付けられた前記ロック要素によって妨げられることなく、前記電池収容庫から除去することができる。
【0026】
前記ロック要素がその前記ロック位置へと弾性的に付勢されると好ましい。前記ロック要素は、このロック要素に作用する付勢の影響を受けてそのロック位置を自動的に採用し、それぞれ関連付けられた前記作動要素を作動させることにより、前記ロック要素はこのロック要素に作用する付勢に抗して前記解放位置へと移動させることができる。
【0027】
前記電池を弾性的な復元力に抗して前記電池収容庫内に挿入することにより、前記ロック要素が前記ロック位置から前記解放位置へと移動可能であると好ましい。このことは、前記電池収容庫内での前記電池の挿入及び固定を促進する。前記電池が前記電池収容庫内に挿入されると、初めにそのロック位置を採用している前記ロック要素は、それぞれ関連付けられた前記電池により、弾性的復元力に抗してその解放位置へと移動させられる。前記電池が前記電池収容庫内のその端位置に到達した際、前記ロック要素が弾性的な復元力の影響を受けてそのロック位置へ戻り、前記ロック要素は各々、前記電池収容庫内で電池をロックする。
【0028】
前記ロック要素が各々、掛止フックを含むようにしてもよい。前記電池を前記電池収容庫内で固定するために、前記掛止フックは前記電池のそれぞれの受け内へ入り込むことができる。これとは別に又は追加で、前記掛止フックは前記電池の掛止突起の後方で係合することができる。
【0029】
好適には、前記作動要素は押しボタンを含む。このことは、前記作動要素の作動を促進する。
【0030】
前記高圧洗浄機の前記垂直使用位置における前記押しボタンが、前記高圧洗浄機の前記立位面の方向に、即ち略垂直下方に押すことができると特に有利である。このことは、前記高圧洗浄機の安定性が、前記作動要素の作動により悪影響を受けないという利点を有する。
【0031】
本発明の有利な実施形態において、前記作動要素は各々、キャッチ、例えば傾斜面を経由してロック要素と協働する。
【0032】
例えば前記作動要素は、押下方向へ直線的に、前記高圧洗浄機の前記立位使用位置では好適には略垂直下方に変位可能とすることができ、前記作動要素が各々、前記作動要素の移動をロック要素に伝達するキャッチに接触する結果、前記ロック要素は前記ロック位置から前記解放位置へと移動する。
【0033】
各キャッチがロック要素に堅く接続されると有利である。
【0034】
例えば、各キャッチがロック要素と共に、一体のプラスチック成形部を形成するようにしてもよい。
【0035】
既に述べたように、前記ロック要素が各々、掛止フックを含むと好ましい。
【0036】
前記掛止フックは、一体のものとしてキャッチに接続することができる。
【0037】
有利な実施形態では、前記電池受け装置が、各々電池に関連付けられる複数の取出し要素を含み、前記電池にそれぞれ関連付けられた前記ロック要素がその解放位置を採用する時、前記電池収容庫内に挿入された前記電池が、それぞれ関連付けられた前記取出し要素により、挿入方向とは反対の方向に移動可能であるという点で、前記電池を交換する時の特に簡単な取扱いが達成される。本発明のこの種類の実施形態において前記電池収容庫から電池を除去するためには、使用者が、前記電池に関連付けられた前記作動要素を作動させなければならない。これにより、前記電池に関連付けられた前記ロック要素がそのロック位置からその解放位置へと移動させられ、ひいては前記電池が関連付けられた前記取出し要素により、挿入方向とは反対の方向に移動させられる。前記作動要素の作動後、使用者は、前記取出し要素により移動させられた前記電池を簡単なやり方で把持し、この電池を前記電池収容庫から完全に除去することができる。前記取出し要素を提供することにより、前記作動要素及び前記ロック要素の提供と組み合わせて片手動作が可能になるため、使用者は電池を片手で把持して前記電池収容庫内に挿入することができ、前記電池がその端位置において前記電池収容庫内で固定され、使用者は、前記電池に関連付けられた前記作動要素をまず作動させてから前記電池を把持して前記電池収容庫から除去することにより、挿入された前記電池を前記電池収容庫から片手で除去することができる。
【0038】
好適には、前記電池が前記電池収容庫内でその端位置に到達すると、前記電池は、それぞれ関連付けられた前記取出し要素により、前記挿入方向とは逆に向けられたばね力を加えられることができる。前記端位置において、前記電池は、それぞれ関連付けられた前記ロック要素により固定される。こうして、関連付けられた前記作動要素を作動させることにより前記ロック要素がそのロック位置からその解放位置へと移動させられる時、前記電池は、前記取出し要素により及ぼされるばね力の影響を受けて、前記挿入方向とは反対の方向に移動させられる。
【0039】
前記取出し要素は、例えば、前記電池が挿入されると張力を受けて前記電池にばね力を加える取出しばねを含むことができ、このばね力の影響を受けて、前記電池は、作動要素の作動後に前記挿入方向とは反対の方向に移動させられる。
【0040】
本発明の特に有利な実施形態において、前記高圧洗浄機の前記立位使用位置における前記電池受け装置は、前記機器ハウジングの上に配置される。その種類の実施形態では、前記高圧洗浄機の前記立位使用位置において、前記電池受け装置が使用者にとって容易にアクセス可能である。これにより、使用者が前記電池を交換することがより容易になる。
【0041】
好適には、前記高圧洗浄機の前記立位使用位置における前記電池は、前記高圧洗浄機の前記立位面の方向において前記電池収容庫内に挿入可能である。前記電池を前記電池収容庫内へ挿入する時、前記高圧洗浄機はこうして前記立位面の方へ向けられた力のみが加えられるため、前記高圧洗浄機の安定性は前記電池の挿入により悪影響を受けない。前記電池は、頂部から底部への略垂直な方向において、前記電池収容庫内に挿入することができる。
【0042】
本発明の好適な実施形態において、前記電池受け装置は、前記電池収容庫を包囲すると共に蓋によって閉鎖可能である収容ウェルを含む。
【0043】
好ましくは、前記蓋は前記収容ウェル上に枢動可能に載置される。
【0044】
好ましくは、前記高圧洗浄機の前記立位使用位置における前記蓋の枢動軸は、水平に配向される。
【0045】
前記蓋が前記蓋の閉鎖位置の方向に付勢されると特に有利である。これにより、電池交換時の前記高圧洗浄機の取扱いを簡単にすることができる。なぜなら、蓋が使用者により保持されていなければ、前記蓋は、自らに作用する付勢に起因して、その閉鎖位置を自動的に採用するからである。
【0046】
前記機器ハウジングが、空気入口開口、及び前記空気入口開口と前記電池受け装置との間に配置された空気入口ダクトを含むと有利である。冷却空気が、前記機器ハウジング上に配置された前記空気入口ダクト及び前記空気入口開口を経由して前記機器ハウジング内へ流れることができ、前記冷却空気は、前記空気入口ダクトを流通する時、前記電池受け装置も冷却する。前記空気入口ダクトが前記機器ハウジングと前記電池受け装置との間を延びるため、前記電池受け装置は、飛沫水が前記空気入口開口を介して前記機器ハウジングに侵入し得るリスクを低減する。
【0047】
好適には、前記空気入口開口は前記機器ハウジングの上壁に配置される。
【0048】
好ましくは、前記空気入口ダクト及び前記空気入口開口を介して冷却空気を吸引するための吸引組立体が、前記機器ハウジング内に配置される。
【0049】
前記吸引組立体が前記電気モータの前記モータハウジング内に配置され、前記モータハウジングが少なくとも1つの空気入口を含むと特に好ましい。前記機器ハウジングの前記空気入口ダクト、前記空気入口開口、及び前記モータホーシングの前記少なくとも1つの空気入口を介して吸引された前記冷却空気は、前記電気モータを冷却するために前記電気モータに沿って流れることができる。既に述べたように、吸引された前記冷却空気は空気案内ダクトを介して前記制御ハウジングにその後到達し、前記冷却空気によって前記制御ハウジング内に位置決めされた前記電子制御システムも冷却することができると特に有利である。
【0050】
好適には、前記高圧洗浄機は、液体供給ダクトを接続するための第1の接続要素と、液体分注ダクトを接続するための第2の接続要素とを含み、前記2つの接続要素は前記高圧洗浄機の前側に配置される。
【0051】
好適には、前記空気入口ダクトは前記高圧洗浄機の後側に配置される。これにより、飛沫水が前記空気入口ダクト及び前記空気入口開口を介して前記機器ハウジングに侵入するリスクを特に低く抑えることができる。
【0052】
本発明の有利な実施形態において、前記高圧洗浄機は、2つの押し棒と、前記押し棒を互いに接続する握りとを備えたU字形の押込ハンドルを含み、前記押込ハンドルは、駐車位置と動作位置との間で前後に変位可能であるように前記機器ハウジング上に載置される。前記駐車位置において、前記握りは、前記動作位置におけるよりも小さな前記機器ハウジングからの距離を採用する。前記動作位置において、前記握りは、前記高圧洗浄機を移動させるために、使用者により容易に把持されることができる。前記高圧洗浄機の前記立位使用位置において動作される場合、この目的で、前記押込ハンドルは前記駐車位置へと変位させることができるため、前記高圧洗浄機の更なる取扱いを妨げない。
【0053】
前記押込ハンドルの前記駐車位置において、前記握りと、好適には前記握りを向く前記押し棒の端領域とが、前記電池受け装置の横に並べて配置されると特に有利である。このことは、前記高圧洗浄機が転倒した場合に、前記握り、特に前記押し棒の端部分が前記電池装置の損傷を防ぐという利点を有する。
【0054】
更なる説明のため、図面を参照しつつ、本発明の有利な実施形態を次に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1】押込ハンドルが動作位置を採用した、立位面上に設置される立位使用位置における高圧洗浄機の第1斜視図。
図2】押込ハンドルが駐車位置を採用した、図1の高圧洗浄機の第2斜視図。
図3】押込ハンドルが隠れている、図1の高圧洗浄機の部分分解斜視図。
図4図1の高圧洗浄機のモータポンプユニット及び制御装置の断面図。
図5図4のモータポンプユニット及び制御装置の側面図。
図6】電池受け装置の蓋が開放位置を採用した、図1の高圧洗浄機の電池受け装置の正面図。
図7図6の電池受け装置の断面図。
図8図7の細部Xの拡大図。
図9図1の高圧洗浄機の電子制御システムの略図。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1図3に略示したのは、高圧洗浄機10が立位面12上に設置される立位使用位置における、本発明による高圧洗浄機10の有利な実施形態である。高圧洗浄機10は、モータポンプユニット16及び制御装置18を包囲すると共に第1ホイール20及び第2ホイール22が載置される機器ハウジング14を含む。2つのホイール20、22は、高圧洗浄機10を転動するよう共通の回転軸24の周りで回転可能である。機器ハウジング14からは、第1接続要素26並びに第2接続要素28が突き出ている。第1接続要素26には液体供給ダクト、特に吸引ホースを接続することができ、第2接続要素28には液体分注ダクト、特に圧力ホースを接続することができる。
【0057】
機器ハウジング14は、前側30及び後側32を含むと共に、底壁34及び上壁36、並びに第1側壁38及び第2側壁40を含む。前側30で中央に配置されるのは、高圧洗浄機10が立位使用位置にあるとき略垂直に整列すると共に、回転式スイッチとして構成される高圧洗浄機10の主スイッチ44が上壁36に向かう方向において隣接する運搬ハンドル42である。
【0058】
上壁36は、冷却空気が機器ハウジング14内へと流れることができる空気入口開口46を含む。このことは特に図2において明らかにされる。
【0059】
機器ハウジング14上に電池受け装置48が配置される。電池受け装置48は、収容ウェル52及び蓋54により形成される収容ハウジング50を含む。蓋54は、収容ウェル52上に枢動可能に載置されるのであり、高圧洗浄機10が立位使用位置にあるとき水平かつ側壁38、40に対して略垂直に整列する枢動軸56の周りで枢動することができる。蓋54は、図1図3では収容ウェル52を被覆する閉鎖位置を採用し、図6及び図7では収容ウェル52を被覆しない開放位置を採用する。
【0060】
収容ウェル52は、高圧洗浄機10が立位使用位置にあるとき略垂直に整列する周方向外壁60が隣接するウェル基部58を含む。
【0061】
特に図2において明らかにされるように、ウェル基部58は機器ハウジング14の上壁36からの距離を採用する。ウェル基部58と上壁36との間には、冷却空気が上壁36の空気入口開口46にそれを介して到達することのできる空気入口ダクト62が延びる。2つの接続要素26、28は機器ハウジング14の前側に配置され、空気入口ダクト62は機器ハウジング14の後側で開放する。
【0062】
モータポンプユニット16は、モータハウジング66により包囲される電気モータ64を含む。更に、モータポンプユニット16は、高圧洗浄機10が垂直使用位置にあるとき電気モータ64の下に配置されると共に電気モータ64の伝動装置70により駆動されるポンプ68を含み、伝動装置70は電気モータ64とポンプ68との間に配置される。
【0063】
制御装置18は機器ハウジング14の内部でポンプ68と機器ハウジング14の後側32との間に配置される。制御装置18は、電気モータ64を制御するための電子制御システム74が中に配置される防沫型制御ハウジング72を含む。制御ハウジング72は、機器ハウジング14により包囲される別の部品として構成される。制御装置は、回転軸24の近傍にあり、大部分が2つのホイール20、22間に配置される。
【0064】
制御ハウジング72は空気案内ダクト76を経由してモータハウジング66と流れ接続している。モータハウジング66は機器ハウジング14の空気入口開口46の下に2つの空気入口78、79を含む。空気入口78、79には、モータシャフト80に回転不可能に接続される吸引組立体82がモータハウジング66の内部で隣接するのであり、空気入口78、79によってモータハウジング66内へと冷却空気を吸引することができる。空気入口78は機器ハウジング14の前側30を向き、空気入口79は機器ハウジング14の後側32を向く。従って空気入口ダクト62は、空気入口開口46及び空気入口78、79と組み合わさって冷却空気の或る種の流れラビリンスを形成する。
【0065】
モータハウジング66の内部で電気モータ64の、吸引組立体82から遠く離れた側に配置されるのは、吸引組立体82により吸引された冷却空気を空気案内ダクト76を介して制御ハウジング72にそれによって送風することのできるファンホイール84である。空気案内ダクト76は、冷却空気が制御ハウジング72内へとそれを介して流れることのできる制御ハウジング72の上方ハウジング開口86を被覆する。制御ハウジング72の基部88上に配置されるのは、冷却空気が制御ハウジング72からそれを介して流れることのできる下方ハウジング開口90である。図4に、冷却空気流を矢印77によって概略的に描く。
【0066】
特に図9において明らかにされるように、電子制御システム74は、出力線94を経由して電気モータ64に接続されるモータ調節ユニット92を含む。電子制御システム74は、第1電圧供給線98及び第2電圧供給線100を経由して、並びに制御線102を経由してモータ調節ユニット92に接続されると共に電圧供給回路104を含む制御ユニット96をも含む。制御ユニット96は圧力信号線106を経由して圧力スイッチ108にも電気接続しており、圧力スイッチ108は、第2接続要素28の領域内で優勢である圧力に依存している制御信号を制御ユニット96に提供する。既に述べたように、第2接続要素28は液体分注ダクトに接続することができる。液体分注ダクトは、洗浄液用の排出部品、例えばスプレーガンをその自由端で支承することができるのであり、排出部品は使用者により手動で閉鎖可能である。従って、排出部品が使用者により閉鎖される際、第2接続要素の領域内で洗浄液の圧力が上昇する。その際、電気モータをオフに切り替えるよう、対応する制御信号が制御ユニット96をトリガすることができる。従って、排出部品が使用者により再度開放される際、第2接続要素の領域内では洗浄液の圧力が降下し、その際、電気モータを再度オンに切り替えるよう、対応する制御信号が制御ユニット96をトリガすることができる。更に、制御ユニット96には表示装置110が接続される。
【0067】
電気モータ64にはエネルギーが、電池受け装置48の収容ウェル52により形成される電池収容庫116内に挿入することのできる第1再充電可能な電池112及び第2再充電可能な電池114を経由して供給される。第1電池112は第1接続線118、120を経由して電圧供給回路104と電気接続しており、第2電池114は別の第2接続線122、124を経由して電圧供給回路104と電気接続している。第1電池112の出力電圧は第1接続線118、120を経由して電圧供給回路104に提供され、第2電池114の出力電圧は第2接続線122、124を経由して電圧供給回路104に提供される。電池112、114は電圧供給回路104によって互いに直列に接続され、直列接続から生じる2つの電池112、114の出力電圧の和が、電圧供給回路104により電圧供給線98、100を介してモータ調節ユニット92に提供される。
【0068】
収容ウェル52の外壁60の後壁部分125と電池収容庫116との間に内壁126が位置決めされる。内壁126と外壁60との間に配置されるのは、ウェル基部58から遠く離れたその上面で、内壁126を外壁60に接続する接続壁130により画定される隙間128である。
【0069】
2つの電池112、114をロックするために、隙間128内に配置されるのは、各々が電池112及び114にそれぞれ関連する、同一に構成された2つのロック要素である。図面にはロック要素132を1つのみ概略的に描く。ロック要素132は、内壁126内の貫通穴136を通して係合して、傾斜面140を形成するキャッチ138に一体に接続される掛止フック134を含む。掛止フック134は、内壁126の、隙間128を向く内側144に、板ばねとして構成される復元ばね142を経由して固定される。
【0070】
接続壁130には、同一に構成された2つの作動要素146、148が移動可能に載置され、作動要素146、148は、各々電池112及び114にそれぞれ関連付けられ、各々押しボタン150を形成する。押しボタン150は、接続壁130内の案内開口154を通過すると共にその端部が隙間128内へと入り込むことにより傾斜面140に摺動式に当接する案内シャフト152を含む。
【0071】
高圧洗浄機10が立位使用位置にあるとき、作動要素146、148に各々、略垂直に向けられる作動力、即ち立位面12の方へ向けられる作動力を加えることができる。これにより、作動要素146148のそれぞれの押しボタン150が押下されるため、それぞれの案内シャフト152が隙間128内へと移動する。このことにより、キャッチ138及びこのキャッチ138と共に掛止フック134が、図7及び図8に描くそのロック位置から解放位置へと移動させられる結果となる。前記移動は、復元ばね142により掛止フック134上に及ぼされるばね力に抗して行われる。掛止フック134は、ロック位置のとき電池収容庫166内へと突き出し、解放位置のとき電池収容庫116の封鎖を完全に解除する。
【0072】
同一に構成された電池112、114は各々、そのロック位置における掛止フック134がその中へと入り込む掛止受け156を含み、それぞれの電池112及び114はそれぞれ電池収容庫内で固定される。電池を除去するには、掛止受け156内へと入り込む掛止フック134が、掛止受け156から外れるその解放位置へと復元ばね142のばね力に抗して移動させられるよう、それぞれ関連付けられた作動要素146、148を使用者が作動させることができる。
【0073】
それぞれの作動要素146、148を作動させた後の電池112、114の除去を促進するために、収容ハウジング50のウェル基部58上に配置されるのは、各々が電池112及び114にそれぞれ関連付けられた取出し要素である。これらの取出し要素は同一の構成であり、各々、それぞれ関連付けられた電池112及び114がそれぞれ挿入されるとウェル基部58とそれぞれの電池112、114との間で緊締される取出しばね158を形成する。従って、挿入状態のとき、電池112、114には各々、高圧洗浄機10が立位使用位置にあるときに略垂直上方へと向けられる取出し力が加えられる。使用者が電池112、114を電池収容庫116から除去したい場合、この目的で、作動要素146、148と協働するロック要素132が所望の電池112、114を解放し、その後、電池112、114が取出しばね158の影響下に挿入方向とは反対の方向に、つまり略垂直上方へ変位するように、使用者は電池に関連付けられた作動要素146、148を作動させる。電池はこのように持ち上げられ、その後、電池は使用者により片手で容易に把持することができる。
【0074】
図示する実施形態において、充電状態における2つの電池112、114の出力電圧はいずれの場合も36Vである。従って、電池112、114が直列に接続されることに起因して、電気モータ64には72Vである供給電圧を提供することができる。このことにより、電気モータ64により駆動されるポンプ68によって、洗浄液は少なくとも70バールの圧力下に、好適には少なくとも100バールの圧力下に置かれることが可能になる。
【0075】
2つの電池112、114の出力電圧が電池受け装置48内ではなくむしろ制御ハウジング72内でやっと互いに直列に接続されるため、電池受け装置48又は機器ハウジング14が損傷した場合に、直列接続から生じる全電圧に使用者が接触するリスクは低い。
【0076】
制御ハウジング72は、ポンプ68と後側32との間の位置を採用しつつ共通の回転軸24の近傍に配置されるため、制御ハウジング72が損傷するリスクは低い。高圧洗浄機10がその立位使用位置から転倒した場合に、これによって制御ハウジング72が損傷するリスクは実際上ない。
【0077】
既に言及したように、高圧洗浄機10は2つのホイール20、22によって転動することができる。転動を促進するために、高圧洗浄機10は、機器ハウジング14上に変位可能に載置されて握り166を経由して互いに堅く接続される第1押し棒162及び第2押し棒164を含むU字形の押込ハンドル160を含む。押込ハンドル160は、図1に描く動作位置と図2に描く駐車位置との間で前後に変位させることができる。握り166と機器ハウジング14との間の距離は、動作位置のときの方が駐車位置のときよりも大きい。駐車位置のとき、握り166及び握り166を向く2つの押し棒162、164の端領域は、電池受け装置48の横に並べて配置される。高圧洗浄機10がその立位使用位置から後ろへ転倒した場合には、握り166及び握り166を向く押し棒162、164の端領域が、電池受け装置48、特に収容ハウジング50を損傷から防止する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9