(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】アンテナ構造、レーダ、端末、および方法
(51)【国際特許分類】
H01Q 13/08 20060101AFI20240618BHJP
H01Q 21/08 20060101ALI20240618BHJP
H01Q 1/32 20060101ALI20240618BHJP
G01S 7/03 20060101ALI20240618BHJP
G01S 13/931 20200101ALI20240618BHJP
【FI】
H01Q13/08
H01Q21/08
H01Q1/32 Z
G01S7/03 230
G01S13/931
(21)【出願番号】P 2022556640
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(86)【国際出願番号】 CN2020079966
(87)【国際公開番号】W WO2021184251
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2022-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘ、イン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ、シャン
(72)【発明者】
【氏名】リ、ハオウエイ
(72)【発明者】
【氏名】リウ、イティン
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0058741(US,A1)
【文献】特開2017-188806(JP,A)
【文献】特開2015-091108(JP,A)
【文献】国際公開第2019/141412(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 13/08
H01Q 21/08
H01Q 1/32
G01S 7/03
G01S 13/931
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ構造であって、
前記アンテナ構造は、メインフィーダと
、前記メインフィーダの長さ方向において前記メインフィーダに直列に接続されている複数のパッチユニットグループとを備え
、
前記複数のパッチユニットグループの
各パッチユニットグループは、V字型構造に配置された少なくとも2つのパッチユニットを有しており
、前記各パッチユニットグループは、前記V字型構造に配置され且
つ前記各パッチユニットグループにおける前記2つのパッチユニットを通じて前記メインフィーダに直列に接続され
ており、
前記各パッチユニットグループ内の全ての前記パッチユニットは、前記メインフィーダの同じ側に配置されている、
アンテナ構造。
【請求項2】
前記各パッチユニットグループは、前記V字型構造に配置され且
つ前記各パッチユニットグループにおける前記2つのパッチユニットの接点を通じて前記メインフィーダに直列に接続されている、請求項1に記載のアンテナ構造。
【請求項3】
前記各パッチユニットグループの偏波方向は、水
平偏波方向である、請求項1または2に記載のアンテナ構造。
【請求項4】
前記複数のパッチユニットグループは前記メインフィーダの両側に直列に接続されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のアンテナ構造。
【請求項5】
前記複数のパッチユニットグループは、前記メインフィーダの前記両側に直列に交互に接続されている、請求項4に記載のアンテナ構造。
【請求項6】
アンテナ構造であって、
前記アンテナ構造は、メインフィーダと、前記メインフィーダの長さ方向において前記メインフィーダに直列に接続されている複数のパッチユニットグループとを備え、
前記複数のパッチユニットグループの各パッチユニットグループは、V字型構造に配置された少なくとも2つのパッチユニットを有しており、前記各パッチユニットグループは、前記V字型構造に配置され且つ前記各パッチユニットグループにおける前記2つのパッチユニットを通じて前記メインフィーダに直列に接続されており、
前記複数のパッチユニットグループは、前記メインフィーダの両側に直列に交互に接続されている、
アンテナ構造。
【請求項7】
前記複数のパッチユニットグループにおけるパッチユニットの幅
は、前記メインフィーダの前記長さ方向である第1の方向においてまず増加
し次に減少する、または、
前記複数のパッチユニットグループにおけるパッチユニットの幅は
、前記第1の方向において増加する、または、
前記複数のパッチユニットグループにおけるパッチユニットの幅
は、前記第1の方向において減少する、
請求項1か
ら6のいずれか一項に記載のアンテナ構造。
【請求項8】
アンテナ構造であって、
前記アンテナ構造は、メインフィーダと、前記メインフィーダの長さ方向において前記メインフィーダに直列に接続されている複数のパッチユニットグループとを備え、
前記複数のパッチユニットグループの各パッチユニットグループは、V字型構造に配置された少なくとも2つのパッチユニットを有しており、前記各パッチユニットグループは、前記V字型構造に配置され且つ前記各パッチユニットグループにおける前記2つのパッチユニットを通じて前記メインフィーダに直列に接続されており、
前記複数のパッチユニットグループにおけるパッチユニットの幅は、前記メインフィーダの前記長さ方向である第1の方向においてまず増加し次に減少する、または、
前記複数のパッチユニットグループにおけるパッチユニットの幅は、前記第1の方向において増加する、または、
前記複数のパッチユニットグループにおけるパッチユニットの幅は、前記第1の方向において減少する、
アンテナ構造。
【請求項9】
アンテナ構造であって、
前記アンテナ構造は、メインフィーダと、前記メインフィーダの長さ方向において前記メインフィーダに直列に接続されている複数のパッチユニットグループとを備え、
前記複数のパッチユニットグループの各パッチユニットグループは、V字型構造に配置された少なくとも2つのパッチユニットを有しており、前記各パッチユニットグループは、前記V字型構造に配置され且つ前記各パッチユニットグループにおける前記2つのパッチユニットを通じて前記メインフィーダに直列に接続されており、
前記複数のパッチユニットグループにおけるパッチユニットの長さは、前記メインフィーダの前記長さ方向である第1の方向においてまず増加し次に減少する、または、
前記複数のパッチユニットグループにおけるパッチユニットの長さは、前記第1の方向において増加する、または、
前記複数のパッチユニットグループにおけるパッチユニットの長さは、前記第1の方向において減少する、
アンテナ構造。
【請求項10】
前記アンテナ構造は、受信アンテナまたは送信アンテナである、請求項1か
ら9のいずれか一項に記載のアンテナ構造。
【請求項11】
請求項1か
ら10のいずれか一項に記載のアンテナ構造を備える、レーダ。
【請求項12】
前記レーダはさらに、制御チップを備え、前記制御チップは
、前記メインフィーダの端部に接続されており、前記制御チップは、信号を送信または受信するように前記アンテナ構造を制御するように構成されている、請求
項11に記載のレーダ。
【請求項13】
前記レーダはさらに、インピーダンス整合部を備え、前記インピーダンス整合部は、前
記端部のインピーダンスと前記制御チップのインピーダンスとを整合させるように構成されており、前記制御チップは、前記インピーダンス整合部を通じて前
記端部に接続されている、請求
項12に記載のレーダ。
【請求項14】
前記レーダはさらに、プリント回路基板を備え、前記プリント回路基板は、積層方式で順に配置された前記アンテナ構造、誘電層および金属層を有しており、前記アンテナ構造は、前記金属層を通じて接地されている、請求
項11から13のいずれか一項に記載のレーダ。
【請求項15】
端末であって、前記端末は請求
項11から14のいずれか一項に記載のレーダを備える、端末。
【請求項16】
前記端末は車両である、請求
項15に記載の端末。
【請求項17】
アンテナ装置を生産するための方法であって、当該方法は、
第1の金属層の上にアンテナ構造をエッチングする段階であって、前記アンテナ構造は、メインフィーダと、少なくとも1つのパッチユニットグループとを備え、前記少なくとも1つのパッチユニットグループは前記メインフィーダの長さ方向において前記メインフィーダに直列に接続されており、前記少なくとも1つのパッチユニットグループの各々は、V字型構造に配置された少なくとも2つのパッチユニットを有し、各パッチユニットグループは、前記V字型構造に配置され且
つ前記各パッチユニットグループにおける前記2つのパッチユニットを通じて前記メインフィーダに直列に接続されている、段階と、
前記アンテナ構造の第1の表面と誘電層の第1の表面とを共に接合する段階と、
前記誘電層の第2の表面と第2の金属層の第1の表面とを共に接合する段階であって、前記誘電層の前記第1の表面は前記誘電層の前記第2の表面に対向して配置されており、前記アンテナ構造は前記第2の金属層を通じて接地されている、段階と
を備える、方法。
【請求項18】
前記各パッチユニットグループは、前記V字型構造に配置され且
つ前記各パッチユニットグループにおける前記2つのパッチユニットの接点を通じて前記メインフィーダに直列に接続されている、請求
項17に記載の方法。
【請求項19】
各パッチユニットグループの偏波方向は、水
平偏波方向である、請求
項17または18に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのパッチユニットグループは複数のパッチユニットグループを有し、前記複数のパッチユニットグループは前記メインフィーダの両側に直列に接続されている、請求
項17から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記複数のパッチユニットグループは、前記メインフィーダの前記両側に直列に交互に接続されている、請求
項20に記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つのパッチユニットグループは複数のパッチユニットグループを有し、
前記複数のパッチユニットグループにおけるパッチユニットの幅は
、前記メインフィーダの前記長さ方向である第1の方向においてまず増加
し次に減少する、または、
前記複数のパッチユニットグループにおけるパッチユニットの幅は
、前記第1の方向において増加する、または、
前記複数のパッチユニットグループにおけるパッチユニットの幅
は、前記第1の方向において減少する、
請求
項17から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記アンテナ構造は送信アンテナまたは受信アンテナである、請求
項17から22のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、センサ技術分野、より具体的には、センサ技術分野におけるアンテナ構造、レーダおよび端末に関連する。
【背景技術】
【0002】
社会の発展と、科学および技術の進歩とによって、インテリジェントビークルは人々の日常生活に徐々に入っている。センサは、インテリジェントビークルの無人運転およびインテリジェントドライビングにおいて非常に重要な役割を果たす。センサは、ミリ波レーダ、レーザレーダ、超音波レーダ、カメラなどであり得る。例えば、無人運転技術おキーセンサとして、77Ghzのミリ波レーダは、短い波長および小さいデバイスサイズなどの特徴を有する。77Ghzのミリ波レーダは、検出精度、検出距離およびデバイス集積の観点で、代わりのない利点を有する。
【0003】
レーダの検出シナリオおよび実装の機能の観点から、レーダによって使用されるアンテナは、広い3dBビーム帯域幅と低いサイドローブとを有する必要がある。広い3dBビーム帯域幅は、水平方向において大きい検出角度範囲を保証でき、低いサイドローブは、垂直方向において地面により反射されたクラッターエネルギーを低減できる。したがって、誤警報確率が低減する。
【0004】
図1は、既存のアンテナ構造の構造の概略図である。既存のアンテナ構造は、直列フィードモードを使用しており、すなわち、フィーダに垂直方向に接続された複数の放射パッチが1つのフィーダを使用して同時に励起される。複数の放射パッチの幅はまず徐々に増加し、次に、フィーダの長さ方向において徐々に減少し、すなわち、アンテナ構造によって放射されたエネルギーは、フィーダの長さに近い中間領域に集中され、これにより、低いサイドローブ重み付けが実装できる。これにより、レーダの誤警報を回避される。
【0005】
しかしながら、
図1に示された既存のアンテナ構造は、低いサイドローブレベルを実装し得るが、小さい3dBビーム幅を有する。これは、水平方向において小さい検出角度範囲をもたらす。
【発明の概要】
【0006】
本願の実施形態は、アンテナ構造の3dB帯域幅を拡張すべく、アンテナ構造、レーダおよび端末を提供する。
【0007】
第1の態様によると、本願の実施形態はアンテナ構造を提供する。アンテナ構造は、メインフィーダと、少なくとも1つのパッチユニットグループとを含む。少なくとも1つのパッチユニットグループは、メインフィーダの長さ方向において、メインフィーダに直列に接続されている。少なくとも1つのパッチユニットグループの各々は、V字型構造に配置された少なくとも2つのパッチユニットを含む。各パッチユニットグループは、V字型構造に配置され且つ各パッチユニットグループにおける2つのパッチユニットを通じてメインフィーダに直列に接続されている。
【0008】
本願のこの実施形態に提供されているアンテナ構造によると、各パッチユニットグループは、V字型構造に配置され且つ各パッチユニットグループにおける2つのパッチユニットを通じてメインフィーダに直列に接続されている。挟角がV字型構造の2つのパッチユニット間に存在するので、アンテナ構造の開口部は挟角を調整することによって低減できる。これにより、アンテナ構造の3dB帯域幅を拡張できる。
【0009】
以下では、説明のために、少なくとも1つのパッチユニットグループが複数のパッチユニットグループを含む例を使用する。
【0010】
任意選択で、各パッチユニットグループは、V字型構造に配置され且つ各パッチユニットグループにおける2つのパッチユニットを通じて複数の方式でメインフィーダに直列に接続され得る。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0011】
可能な実装態様において、各パッチユニットグループは、V字型構造に配置され且つ各パッチユニットグループにおける2つのパッチユニットの接点を通じてメインフィーダに直列に接続されている。
【0012】
別の可能な実装態様において、各パッチユニットグループは、V字型構造に配置され且つ各パッチユニットグループにおける2つのパッチユニットの各々の一部の領域を通じてメインフィーダに直列に接続され得る。
【0013】
任意選択で、複数のパッチユニットグループは、複数の方式でメインフィーダに直列に接続され得る。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0014】
第1の可能な実装態様において、複数のパッチユニットグループは、メインフィーダの同じ側に直列に接続され得る。
【0015】
第2の可能な実装態様において、複数のパッチユニットグループは、メインフィーダの両側に直列に接続され得る。
【0016】
本願のこの実施形態に提供されているアンテナ構造によると、複数のパッチユニットがメインフィーダの同じ側に直列に接続された場合と比較して、複数のパッチユニットがメインフィーダの両側に直列に接続された場合に、水平放射範囲が増加できる。
【0017】
任意選択で、複数のパッチユニットグループは、複数の方式でメインフィーダの両側に直列に接続され得る。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0018】
可能な実装態様において、複数のパッチユニットグループは、メインフィーダの両側に直列に交互に接続されている。
【0019】
別の可能な実装態様において、複数のパッチユニットグループのうちいくつかは、メインフィーダの1つの側に直列に順に接続され得、残りのパッチユニットグループは、メインフィーダの他方側に直列に順に接続され得る。
【0020】
本願のこの実施形態に提供されているアンテナ構造によると、複数のパッチユニットグループがメインフィーダの両側に直列に接続された場合のパッチユニットグループ間の間隔は、複数のパッチユニットグループがメインフィーダの同じ側に直列に接続された場合のパッチユニットグループ間の間隔より短い。複数のパッチユニットグループはメインフィーダの両側に直列に接続されており、これにより、メインフィーダのサイズが低減できる。
【0021】
加えて、複数のパッチユニットグループがメインフィーダの両側に直列に交互に接続された場合のパッチユニットグループ間の間隔は、複数のパッチユニットグループのうちいくつかがまずメインフィーダの1つの側に直列に接続され、パッチユニットグループの他方が次にメインフィーダの他方側に直列に接続された場合のパッチユニットグループ間の間隔と、複数のパッチユニットグループがメインフィーダの同じ側に直列に接続された場合のパッチユニットグループ間の間隔とより短い。したがって、複数のパッチユニットグループはメインフィーダの両側に直列に交互に接続されており、これにより、メインフィーダのサイズが低減できる。
【0022】
任意選択で、各パッチユニットグループにおけるパッチユニットの幅は異なる値に設定され得る。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0023】
第1の可能な実装態様において、複数のパッチユニットグループにおけるパッチユニットの幅はまず増加し、次に第1の方向において減少する。
【0024】
第2の可能な実装態様において、複数のパッチユニットグループにおけるパッチユニットの幅は、第1の方向において増加または減少する。
【0025】
第3の可能な実装態様において、複数のパッチユニットグループにおけるパッチユニットの幅は同じである。
【0026】
任意選択で、異なるパッチユニットグループにおけるパッチユニットの幅は、同じであってもよく、または異なっていてもよい。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0027】
本願のこの実施形態において、異なるパッチユニットグループにおけるパッチユニットの幅が同じであることは、厳密に同じであることと、略同一であることとを含み、略同一とは、異なるパッチユニットグループにおけるパッチユニットの幅間の差が特定の誤差範囲内であることを意味するということに留意されたい。
【0028】
本願のこの実施形態に提供されているアンテナ構造によると、パッチユニットグループにおけるパッチユニットの幅が設計され、これにより、異なる電磁波放射形状に対する要件を満たすことができるようになる。例えば、前述の第1の可能な実装態様において設計されたパッチユニットの幅が使用された場合、エネルギーがメインフィーダの中間セグメントに集中されるので、低いサイドローブが実装できる。これにより、誤警報確率が低減する。
【0029】
任意選択で、V字型に配置され且つ各パッチユニットグループにおける2つのパッチユニット間の挟角と、各パッチユニットグループとメインフィーダとの間の挟角とは、異なるサイズであり得る。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0030】
可能な実装態様において、各パッチユニットグループにおける2つのパッチユニット間の挟角は90°であり得る。
【0031】
別の可能な実装態様において、各パッチユニットグループとメインフィーダとの間の挟角は、45°であり得る。
【0032】
本願のこの実施形態に提供されているアンテナ構造によると、V字型構造に配置され且つ各パッチユニットにおける2つのパッチユニット間の挟角が設定され、これにより、アンテナ構造の異なる開口部要件を満たすことができるように、アンテナの水平ビーム幅はさらに広げられることができるように、垂直面の低いサイドローブ要件がさらに実装できるようになる。
【0033】
任意選択で、各パッチユニットグループにおけるパッチユニットの長さは、異なるサイズを有するように設定され得る。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0034】
第1の可能な実装態様において、複数のパッチユニットグループにおけるパッチユニットの長さはまず増加し、次に第1の方向において減少する。
【0035】
第2の可能な実装態様において、複数のパッチユニットグループにおけるパッチユニットの長さは、第1の方向において増加または減少する。
【0036】
第3の可能な実装態様において、複数のパッチユニットグループにおけるパッチユニットの長さは同じである。
【0037】
任意選択で、異なるパッチユニットグループにおけるパッチユニットの長さは、同じであってもよく、または異なっていてもよい。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0038】
本願のこの実施形態において、異なるパッチユニットグループにおけるパッチユニットの長さが同じであることは、厳密に同じであることと、略同一であることとを含み、略同一とは、異なるパッチユニットグループにおけるパッチユニットの長さ間の差が特定の誤差範囲内であることを意味するということに留意されたい。
【0039】
各パッチユニットグループにおけるパッチユニットのサイズは、長さおよび幅を含むことに留意されたい。
【0040】
任意選択で、異なるパッチユニットグループにおけるパッチユニットのサイズは、同じであってもよく、または異なっていてもよい。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0041】
本願のこの実施形態において、異なるパッチユニットグループにおけるパッチユニットのサイズが同じであることは、厳密に同じであることと、略同一であることとを含み、略同一とは、異なるパッチユニットグループにおけるパッチユニットのサイズ間の差が特定の誤差範囲内であることを意味するということに留意されたい。
【0042】
各パッチユニットグループがV字型構造に配置された2つのパッチユニットを含むことは、次の通りに、すなわち、2つのパッチユニットがV字型構造に配置されている、または、2つのパッチユニットが同様のV字型構造に配置されていると理解され得ることに留意されたい。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0043】
可能な実装態様において、各パッチユニットグループに含まれた2つのパッチユニットはC字型構造であり得る。
【0044】
別の可能な実装態様において、各パッチユニットグループに含まれた2つのパッチユニットはL字型構造であり得る。
【0045】
可能な実装態様において、各パッチユニットグループにおけるパッチユニットは矩形であり得る。
【0046】
別の可能な実装態様において、各パッチユニットグループにおけるパッチユニットは、多角形、例えば、平行四辺形の形状であり得る。
【0047】
任意選択で、各パッチユニットグループにおけるパッチユニットの形状は、同じであってもよく、または異なっていてもよい。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0048】
任意選択で、アンテナ構造は、定在波モードまたは進行波モードで動作し得る。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0049】
第1の可能な実装態様において、アンテナ構造が定在波モードで動作する場合、アンテナ構造の第1の端部は負荷整合部を含まない。
【0050】
アンテナ構造の第1の端部が負荷整合部を含まないということは、アンテナ構造の第1の端部が開回路であると理解され得ることに留意されたい。
【0051】
第2の可能な実装態様において、アンテナ構造が進行波モードで動作する場合、アンテナ構造の第2の端部はさらに負荷整合部を含む。負荷整合部は、少なくとも1つのパッチユニットグループによって完全に消費されなかったエネルギーを消費するように構成されている。
【0052】
任意選択で、負荷整合部は、複数の方式でメインフィーダの第1の端部に接続され得る。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0053】
第1の可能な実装態様において、負荷整合部はメインフィーダと同じ長さ方向にある。
【0054】
第2の可能な実装態様において、負荷整合部は、曲げることによってメインフィーダに接続する。
【0055】
本願のこの実施形態に提供されているアンテナ構造によると、負荷整合部へのアクセスの高い自由度は、負荷整合部とメインフィーダとの間の屈曲角度を変更することによって向上できる。
【0056】
第2の態様によると、本願の実施形態はさらに、レーダを提供する。レーダは、第1の態様、または第1の態様の可能な実装態様のうち任意の1つに記載のアンテナ構造を含む。
【0057】
可能な実装態様において、レーダはさらに、制御チップを含む。制御チップは、アンテナ構造の第2の端部に接続されている。制御チップは、信号を送信または受信するべく、アンテナ構造を制御するように構成されている。
【0058】
制御チップは、第1のマイクロストリップ線を通じてアンテナ構造の第2の端部に接続され得ることに留意されたい。
【0059】
可能な実装態様において、レーダはさらに、インピーダンス整合部を含む。インピーダンス整合部は、第2の端部のインピーダンスと制御チップのインピーダンスとを整合させるように構成されており、制御チップは、インピーダンス整合部を通じて第2の端部に接続されている。
【0060】
インピーダンス整合部は第2のマイクロストリップ線であり得ることに留意されたい。
【0061】
すなわち、アンテナ構造の第2の端部のインピーダンスは、第2のマイクロストリップ線のインピーダンスを調整することによって制御チップのインピーダンスと整合させることができる。
【0062】
可能な実装態様において、レーダはさらに、プリント回路基板を含む。プリント回路基板は、積層方式で順に配置されたアンテナ構造、誘電層および金属層を含む。アンテナ構造は、金属層を通じて接地されている。
【0063】
第3の態様によると、本願の実施形態はさらに、端末を提供する。端末は、第2の態様、または第2の態様の可能な実装態様に記載のレーダを含む。
【0064】
任意選択で、本願のこの実施形態における端末は、レーダを介した通信機能および/または検出機能を実装する能力を有し得る。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0065】
可能な実装態様において、端末は、自動運転またはインテリジェントドライビングにおける車両、無人航空機、無人搬送車両、ロボットなどであり得る。
【0066】
別の可能な実装態様において、端末は、携帯電話、タブレットコンピュータ、無線トランシーバ機能を有するコンピュータ、仮想現実端末、拡張現実端末、産業用制御における無線端末、無人運転における無線端末、遠隔医療における無線端末、スマートグリッドにおける無線端末、輸送安全性における無線端末、スマートシティにおける無線端末、またはスマートホームにおける無線端末などであり得る。
【0067】
第4の態様によると、本願の実施形態はさらに、アンテナ装置を生産するための方法であって、当該方法は、第1の金属層の上にアンテナ構造をエッチングする段階であって、アンテナ構造は、メインフィーダと、少なくとも1つのパッチユニットグループとを含み、少なくとも1つのパッチユニットグループはメインフィーダの長さ方向においてメインフィーダに直列に接続されており、少なくとも1つのパッチユニットグループの各々は、V字型構造に配置された少なくとも2つのパッチユニットを含み、各パッチユニットグループは、V字型構造に配置され且つ各パッチユニットグループにおける2つのパッチユニットを通じてメインフィーダに直列に接続されている、段階と、アンテナ構造の第1の表面と誘電層の第1の表面とを共に接合する段階と、誘電層の第2の表面と第2の金属層の第1の表面とを共に接合する段階であって、誘電層の第1の表面は誘電層の第2の表面に対向して配置されており、アンテナ構造は第2の金属層を通じて接地されている、段階とを含む、方法を提供する。
【0068】
可能な実装態様において、各パッチユニットグループは、V字型構造に配置され且つ各パッチユニットグループにおける2つのパッチユニットの接点を通じてメインフィーダに直列に接続されている。
【0069】
可能な実装態様において、各パッチユニットグループの偏波方向は、水平偏波方向である。
【0070】
可能な実装態様において、少なくとも1つのパッチユニットグループは、複数のパッチユニットグループを含む。複数のパッチユニットグループは、メインフィーダの両側に直列に接続されている。
【0071】
可能な実装態様において、複数のパッチユニットグループは、メインフィーダの両側に直列に交互に接続されている。
【0072】
可能な実装態様において、少なくとも1つのパッチユニットグループは、複数のパッチユニットグループを含む。複数のパッチユニットグループにおけるパッチユニットの幅はまず増加し、次に第1の方向において減少する。あるいは、複数のパッチユニットグループにおけるパッチユニットの幅は、第1の方向において増加する。あるいは、複数のパッチユニットグループにおけるパッチユニットの幅は、第1の方向において減少する。
【0073】
可能な実装態様において、アンテナ構造は、送信アンテナまたは受信アンテナである。
【0074】
本願のこの実施形態に提供されているアンテナ構造によると、各パッチユニットグループは、V字型構造に配置され且つ各パッチユニットグループにおける2つのパッチユニットを通じてメインフィーダに直列に接続されている。挟角がV字型構造の2つのパッチユニット間に存在するので、アンテナ構造の開口部は挟角を調整することによって低減できる。これにより、アンテナ構造の3dB帯域幅を拡張できる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【
図1】従来技術におけるアンテナ構造の構造の概略図である。
【0076】
【
図2】本願の実施形態に係るアンテナ構造100の構造の概略図である。
【0077】
【
図3】本願の実施形態に係るアンテナ構造100の構造の別の概略図である。
【0078】
【
図4】本願の実施形態に係るアンテナ構造100の構造のさらに別の概略図である。
【0079】
【
図5】本願の実施形態に係るアンテナ構造100の構造のさらに別の概略図である。
【0080】
【
図6】本願の実施形態に係るアンテナ構造100の構造のさらに別の概略図である。
【0081】
【
図7】本願の実施形態に係るアンテナ構造100の構造のさらに別の概略図である。
【0082】
【
図8】本願の実施形態に係るアンテナ構造100の構造のさらに別の概略図である。
【0083】
【
図9】本願の実施形態に係るアンテナ構造100の構造のさらに別の概略図である。
【0084】
【
図10】本願の実施形態に係るアンテナ構造100の構造のさらに別の概略図である。
【0085】
【
図11】本願の実施形態に係るアンテナ構造100の構造のさらに別の概略図である。
【0086】
【
図12】本願の実施形態に係るアンテナ構造100の構造のさらに別の概略図である。
【0087】
【
図13】本願の実施形態に係るアンテナ構造100の構造のさらに別の概略図である。
【0088】
【
図14】本願の実施形態に係るアンテナ構造100の構造のさらに別の概略図である。
【0089】
【
図15】本願の実施形態に係るアンテナ構造100の構造のさらに別の概略図である。
【0090】
【
図16】本願の実施形態に係るアンテナ構造100の構造のさらに別の概略図である。
【0091】
【
図17】本願の実施形態に係るアンテナ構造100の構造のさらに別の概略図である。
【0092】
【
図18】本願の実施形態に係るアンテナ構造100の構造のさらに別の概略図である。
【0093】
【
図19】本願の実施形態に係るアンテナ構造100の構造のさらに別の概略図である。
【0094】
【
図20】本願の実施形態に係るレーダ200の構造の概略図である。
【0095】
【
図21】本願の実施形態に係るレーダ200の構造の別の概略図である。
【0096】
【
図22】本願の実施形態に係るレーダ200の構造のさらに別の概略図である。
【0097】
【
図23】本願の実施形態に係るレーダ200の構造のさらにまた別の概略図である。
【0098】
【
図24】本願の実施形態に係る端末300の構造の概略図である。
【0099】
【
図25】本願の実施形態に係るアンテナ装置を生産するための方法400の概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0100】
以下では、添付の図面を参照して、本願の技術的解決手段を説明する。
【0101】
図2は、本願の実施形態に係るアンテナ構造100の構造の概略図である。アンテナ構造100は、メインフィーダ110と、少なくとも1つのパッチユニットグループとを含み得る。
図2は、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ12Nを示しており、ここでNは1より大きい整数である。パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ12Nは、メインフィーダ110の長さ方向においてメインフィーダ110に直列に接続されている。パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ12Nの各々は、V字型構造に配置された少なくとも2つのパッチユニットを含む。
図2に示されるように、パッチユニットグループ121は、V字型構造に配置されたパッチユニット131とパッチユニット132とを含み、各パッチユニットグループは、V字型構造に配置され且つ各パッチユニットグループにおける2つのパッチユニットを通じてメインフィーダ110に直列に接続されている。
【0102】
図2は、アンテナ構造100がパッチユニットグループ121からパッチユニットグループ12Nを含む例のみを示していることに留意されたい。アンテナ構造100は、1つのパッチユニットグループのみを含み得、例えば、パッチユニットグループ121のみを含み得る。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0103】
既存のアンテナ構造において、メインフィーダは放射パッチに垂直方向に直列に接続されており、アンテナ構造の開口部(すなわち、放射パッチの長さ方向におけるサイズ)は大きい。したがって、既存のアンテナ構造の3dB帯域幅は狭い。
【0104】
本願のこの実施形態におけるdB(デシベル,decibel)は電力利得の単位であり、3dB帯域幅は、アンテナ構造の最大利得が3dB減少した場合に使用される対応する周波数間隔であり、アンテナ構造の帯域幅の一般的定義に属することに留意されたい。本願において、3dB帯域幅の例は、技術的課題および技術的効果を説明するために使用される。しかしながら、本願は、説明のために3dB帯域幅のみを使用することには限定されず、アンテナ構造の帯域幅を表すために使用される任意の他の説明が、3dB帯域幅を置換え得る。
【0105】
本願のこの実施形態に提供されているアンテナ構造によると、各パッチユニットグループは、V字型構造に配置され且つ各パッチユニットグループにおける2つのパッチユニットを通じてメインフィーダに直列に接続されている。挟角がV字型構造の2つのパッチユニット間に存在するので、アンテナ構造の開口部は挟角を調整することによって低減できる。これにより、アンテナ構造の3dB帯域幅を拡張できる。
【0106】
任意選択で、各パッチユニットグループは、V字型構造に配置され且つ各パッチユニットグループにおける2つのパッチユニットを通じて複数の方式でメインフィーダに直列に接続され得る。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0107】
可能な実装態様において、各パッチユニットグループは、V字型構造に配置され且つ各パッチユニットグループにおける2つのパッチユニットの接点を通じてメインフィーダ110に直列に接続され得る。
【0108】
例えば、
図2において、パッチユニットグループ121は、V字型構造に配置されたパッチユニット131とパッチユニット132とを含み、パッチユニット131とパッチユニット132との間には挟角αが存在する。パッチユニットグループ121は、パッチユニット131とパッチユニット132との間の挟角αにおける接点を通じてメインフィーダ110に直列に接続されている。
【0109】
別の可能な実装態様において、各パッチユニットグループは、V字型構造に配置され且つ各パッチユニットグループにおける2つのパッチユニットの各々の一部の領域を通じてメインフィーダ110に直列に接続され得る。
【0110】
例えば、
図3において、パッチユニットグループ121は、V字型構造に配置されたパッチユニット131とパッチユニット132とを含み、パッチユニット131とパッチユニット132との間には挟角αが存在する。パッチユニットグループ121は、パッチユニット131の一端と、パッチユニット132の一端とにある一部の領域を通じてメインフィーダ110に直列に接続されている。
【0111】
任意選択で、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ12Nは、複数の方式でメインフィーダ110に直列に接続され得る。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0112】
第1の可能な実装態様において、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ12Nは、メインフィーダ110の同じ側に直列に接続され得る。
【0113】
例えば、アンテナ構造100が4つのパッチユニットグループを含む例を使用して、
図4は、パッチユニットグループ121から124の全てがメインフィーダの左側に直列に接続されているアンテナ構造100の概略図を示す。
【0114】
図5は、
図4のアンテナ構造100の偏波方向の概略図であることに留意されたい。
図5に示されるように、パッチユニットグループ121は、パッチユニット131とパッチユニット132とを含む。パッチユニット131の偏波方向は、水平方向に左のF
12と垂直方向に上のF
11とに分解され得、パッチユニット132の偏波方向は水平方向に左のE
12と垂直方向に下のE
11とに分解され得る。パッチユニット131と水平方向との間の挟角と、パッチユニット132と水平方向との間の挟角との両方が45°である場合、パッチユニット121のF
11とE
11とは、垂直方向において互い相殺し、F
12とE
12とは、水平方向において重畳する。したがって、パッチユニットグループ121の偏波方向は水平方向に左向きであり、パッチユニットグループ121のサイズはF
12+E
12である。同様に、パッチユニットグループ122の偏波方向は水平方向に左向きであり、パッチユニットグループ122のサイズはF
22+E
22である。
【0115】
加えて、
図5において、パッチユニットグループ121とパッチユニットグループ122との間の距離D
1は、波長の整数倍である。このように、パッチユニットグループ121とパッチユニットグループ122との間の位相差は360°であり、すなわち、パッチユニットグループ121の偏波方向はパッチユニットグループ122のそれと同じである。したがって、パッチユニットグループ121およびパッチユニットグループ122の全体の偏波方向は水平方向に左向きであり、パッチユニットグループ121およびパッチユニットグループ122のサイズはF
12+E
12+F
22+E
22である。
【0116】
図5において、アンテナ構造100の偏波方向は、例としてパッチユニットグループ121およびパッチユニットグループ122のみを使用して説明されていることに留意されたい。アンテナ構造100に含まれた複数のパッチユニットグループがメインフィーダの左側に直列に接続された場合、アンテナ構造100の偏波方向と、パッチユニットグループ間の間隔とは、
図5におけるそれらと同様である。繰り返しを避けるために、詳細は再度ここで説明しない。
【0117】
第2の可能な実装態様において、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ12Nは、メインフィーダ110の両側に直列に接続され得る。
【0118】
任意選択で、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ12Nは、複数の方式でメインフィーダ110の両側に直列に接続され得る。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0119】
可能な実装態様において、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ12Nは、メインフィーダ110の両側に直列に交互に接続され得る。
【0120】
例えば、アンテナ構造100が4つのパッチユニットグループを含む例を使用して、
図6は、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ124がメインフィーダの両側に直列に交互に接続されているアンテナ構造100の概略図を示す。
【0121】
図7は、
図6のアンテナ構造100の偏波方向の概略図であることに留意されたい。
図7に示されるように、パッチユニットグループ121は、パッチユニット131とパッチユニット132とを含む。パッチユニット131の偏波方向は、水平方向に左のF
12と垂直方向に上のF
11とに分解され得、パッチユニット132の偏波方向は水平方向に左のE
12と垂直方向に下のE
11とに分解され得る。パッチユニット131と水平方向との間の挟角と、パッチユニット132と水平方向との間の挟角との両方が45°である場合、パッチユニット121のF
11とE
11とは、垂直方向において互い相殺し、F
12とE
12とは、水平方向において重畳する。したがって、パッチユニットグループ121の偏波方向は水平方向に左向きであり、パッチユニットグループ121のサイズはF
12+E
12である。同様に、パッチユニットグループ122の偏波方向は水平方向に右向きであり、パッチユニットグループ122のサイズはF
22+E
22である。
【0122】
加えて、
図7において、パッチユニットグループ121とパッチユニットグループ122との間の距離D
2は、半波長の奇数倍である。このように、パッチユニットグループ121とパッチユニットグループ122との間の位相差は180°であり、すなわち、パッチユニットグループ121の偏波方向はパッチユニットグループ122のそれと対向している。したがって、パッチユニットグループ121およびパッチユニットグループ122の全体の偏波方向は水平方向に左向き(または右向き)であり、パッチユニットグループ121およびパッチユニットグループ122のサイズはF
12+E
12+F
22+E
22である。
【0123】
図7において、アンテナ構造100の偏波方向は、例としてパッチユニットグループ121およびパッチユニットグループ122のみを使用して説明されていることに留意されたい。アンテナ構造100に含まれた複数のパッチユニットグループがメインフィーダの左側に直列に交互に接続された場合、アンテナ構造100の偏波方向と、パッチユニットグループ間の間隔とは、
図7におけるそれらと同様である。繰り返しを避けるために、詳細は再度ここで説明しない。
【0124】
別の可能な実装態様において、パッチユニットグループ121から12Nのうちいくつかは、メインフィーダ110の1つの側に直列に順に接続され得、残りのパッチユニットグループは、メインフィーダ110の他方側に直列に順に接続され得る。
【0125】
例えば、アンテナ構造100は、4つのパッチユニットグループを含む。
図8は、パッチユニットグループ121とパッチユニットグループ122とがメインフィーダの左側に直列に接続されており、パッチユニットグループ123とパッチユニットグループ124とがメインフィーダの右側に直列に接続されているアンテナ構造100の概略図である。
【0126】
図8におけるパッチユニットグループ121からパッチユニットグループ124の偏波方向および間隔については、
図5および
図7を参照されたいことに留意されたい。繰り返しを避けるために、詳細は再度ここで説明しない。
【0127】
本願のこの実施形態に提供されているアンテナ構造によると、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ12Nがメインフィーダ110の両側に直列に接続された場合のパッチユニットグループ間の間隔は、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ12Nがメインフィーダ110の同じ側に直列に接続された場合のパッチユニットグループ間の間隔より短い。したがって、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ12Nはメインフィーダの両側に直列に接続され、これにより、メインフィーダのサイズが低減できる。
【0128】
加えて、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ12Nがメインフィーダ110の両側に直列に交互に接続された場合のパッチユニットグループ間の間隔は、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ12Nのうちいくつかがまずメインフィーダ110の1つの側に直列に接続され、次にパッチユニットグループ121からパッチユニットグループ12Nの他方がメインフィーダ110の他方側に直列に接続された場合のパッチユニットグループ間の間隔、およびパッチユニットグループ121からパッチユニットグループ12Nがメインフィーダ110の同じ側に直列に接続された場合のパッチユニットグループ間の間隔より短い。したがって、パッチユニットグループ121から12Nはメインフィーダ110の両側に直列に交互に接続されており、これにより、メインフィーダのサイズが低減できる。
【0129】
任意選択で、各パッチユニットグループにおけるパッチユニットの幅は異なる値に設定され得る。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0130】
第1の可能な実装態様において、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ12Nにおけるパッチユニットの幅はまず増加し、次に第1の方向において減少する。
【0131】
第1の方向はメインフィーダの長さ方向であり得ることに留意されたい。
【0132】
例えば、
図9に示されるように、アンテナ構造100は、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ126を含み、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ126のパッチユニットの幅は、順に、d
1からd
6であり、d
1<d
2<d
3<d
4>d
5>d
6である。
【0133】
別の例では、
図10に示されるように、アンテナ構造100は、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ126を含み、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ126のパッチユニットの幅は、順に、d
1からd
6であり、d
1=d
2<d
3=d
4>d
5=d
6である。
【0134】
第2の可能な実装態様において、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ12Nにおけるパッチユニットの幅は、第1の方向において増加または減少する。
【0135】
例えば、
図11に示されるように、アンテナ構造100は、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ126を含み、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ126のパッチユニットの幅は、順に、d
1からd
6であり、d
1<d
2<d
3<d
4<d
5<d
6である。
【0136】
第3の可能な実装態様において、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ12Nにおけるパッチユニットの幅は同じである。
【0137】
例えば、
図6に示されるように、アンテナ構造100は、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ124を含み、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ124のパッチユニットの幅は、順に、d
1からd
4であり、d
1=d
2=d
3=d
4である。
【0138】
任意選択で、異なるパッチユニットグループにおけるパッチユニットの幅は、同じであってもよく、または異なっていてもよい。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0139】
本願のこの実施形態において、異なるパッチユニットグループにおけるパッチユニットの幅が同じであることは、厳密に同じであることと、略同一であることとを含み、略同一とは、異なるパッチユニットグループにおけるパッチユニットの幅間の差が特定の誤差範囲内であることを意味するということに留意されたい。
【0140】
本願のこの実施形態に提供されているアンテナ構造によると、パッチユニットグループにおけるパッチユニットの幅が設計され、これにより、異なる電磁波放射形状に対する要件を満たすことができるようになる。例えば、前述の第1の可能な実装態様において設計されたパッチユニットの幅が使用された場合、エネルギーがメインフィーダの中間セグメントに集中されるので、低いサイドローブが実装できる。これにより、誤警報確率が低減する。
【0141】
任意選択で、V字型に配置され且つ各パッチユニットグループにおける2つのパッチユニット間の挟角と、各パッチユニットグループとメインフィーダとの間の挟角とは、異なるサイズであり得る。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0142】
可能な実装態様において、各パッチユニットグループにおける2つのパッチユニット間の挟角は90°であり得る。
【0143】
別の可能な実装態様において、各パッチユニットグループとメインフィーダとの間の挟角は、45°であり得る。
【0144】
本願のこの実施形態に提供されているアンテナ構造によると、V字型構造に配置され且つ各パッチユニットにおける2つのパッチユニット間の挟角が設定され、これにより、アンテナ構造の異なる開口部要件を満たすことができるように、アンテナの水平ビーム幅はさらに広げられることができるように、垂直面の低いサイドローブ要件がさらに実装できるようになる。
【0145】
任意選択で、各パッチユニットグループにおけるパッチユニットの長さは、異なるサイズを有するように設定され得る。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0146】
第1の可能な実装態様において、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ12Nにおけるパッチユニットの長さはまず増加し、次に第1の方向において減少する。
【0147】
第1の方向はメインフィーダの長さ方向であり得ることに留意されたい。
【0148】
例えば、
図12に示されるように、アンテナ構造100は、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ126を含み、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ126のパッチユニットの長さは、順に、s
1からs
6であり、s
1<s
2<s
3<s
4>s
5>s
6である。
【0149】
別の例では、
図13に示されるように、アンテナ構造100は、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ126を含み、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ126のパッチユニットの長さは、順に、s
1からs
6であり、s
1=s
2<s
3=s
4>s
5=s
6である。
【0150】
第2の可能な実装態様において、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ12Nにおけるパッチユニットの長さは、第1の方向において増加または減少する。
【0151】
例えば、
図14に示されるように、アンテナ構造100は、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ126を含み、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ126のパッチユニットの長さは、順に、s
1からs
6であり、s
1<s
2<s
3<s
4<s
5<s
6である。
【0152】
第3の可能な実装態様において、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ12Nにおけるパッチユニットの長さは同じである。
【0153】
例えば、
図6に示されるように、アンテナ構造100は、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ124を含み、パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ124のパッチユニットの長さは、順に、s
1からs
4であり、s
1=s
2=s
3=s
4である。
【0154】
任意選択で、異なるパッチユニットグループにおけるパッチユニットの長さは、同じであってもよく、または異なっていてもよい。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0155】
本願のこの実施形態において、異なるパッチユニットグループにおけるパッチユニットの長さが同じであることは、厳密に同じであることと、略同一であることとを含み、略同一とは、異なるパッチユニットグループにおけるパッチユニットの長さ間の差が特定の誤差範囲内であることを意味するということに留意されたい。
【0156】
各パッチユニットグループにおけるパッチユニットのサイズは、長さおよび幅を含むことに留意されたい。
【0157】
任意選択で、異なるパッチユニットグループにおけるパッチユニットのサイズは、同じであってもよく、または異なっていてもよい。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0158】
例えば、
図15に示されるように、アンテナ構造100は、パッチユニットグループ121とパッチユニットグループ126とを含む。パッチユニットグループ121からパッチユニットグループ126におけるパッチユニットの長さは、順にs
1からs
6であり、パッチユニットの幅は順にd
1からd
6であり、ここで、s
1<s
2<s
3<s
4<s
5<s
6且つd
1=d
2<d
3=d
4>d
5=d
6である。
【0159】
本願のこの実施形態において、異なるパッチユニットグループにおけるパッチユニットのサイズが同じであることは、厳密に同じであることと、略同一であることとを含み、略同一とは、異なるパッチユニットグループにおけるパッチユニットのサイズ間の差が特定の誤差範囲内であることを意味するということに留意されたい。
【0160】
各パッチユニットグループがV字型構造に配置された2つのパッチユニットを含むことは、次の通りに、すなわち、2つのパッチユニットがV字型構造に配置されている、または、2つのパッチユニットが同様のV字型構造に配置されていると理解され得ることに留意されたい。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0161】
可能な実装態様において、各パッチユニットグループに含まれた2つのパッチユニットはC字型構造であり得る。
【0162】
別の可能な実装態様において、各パッチユニットグループに含まれた2つのパッチユニットはL字型構造であり得る。
【0163】
例えば、
図16はアンテナ構造100の構造のさらに別の概略図である。アンテナ構造100は、パッチユニットグループ121とパッチユニットグループ124とを含む。各パッチユニットグループは、C字型構造に配置された2つのパッチユニットを含む。
【0164】
任意選択で、各パッチユニットグループにおけるパッチユニットは、複数の異なる形状を有し得る。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0165】
可能な実装態様において、各パッチユニットグループにおけるパッチユニットは、
図1から
図15に示されるように矩形であり得る。
【0166】
別の可能な実装態様において、各パッチユニットグループにおけるパッチユニットは、
図17に示されるように、多角形、例えば、平行四辺形の形状であり得る。
【0167】
任意選択で、各パッチユニットグループにおけるパッチユニットの形状は、同じであってもよく、または異なっていてもよい。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0168】
任意選択で、アンテナ構造は、定在波モードまたは進行波モードで動作し得る。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0169】
定在波および進行波は、波伝播プロセスにおいて現れる現象であることに留意されたい。
【0170】
進行波:波が波源から送信される。
【0171】
例えば、振幅が等しい高周波数交流電流電源を使用して無限長の平行なワイヤの対を駆動すると、電源端部の近くの導線における電源に同期された高周波数交流電圧と高周波数交流電流とが存在する。導線の各セクションについて、それを通じて流れる電流は同じ振幅の高周波数交流電流であるが、各セクションを通して流れる電流の時相は異なる。導線全体について、同じ時刻の各点における電流は、電源端部から距離を置いて正弦波分布となっている。正弦電流波は、無限端から電源に、導線に沿って連続的に流れ、次に、電源から無限端に、別の導線に沿って流れると思われる。電流波のこの流れのモードは、進行波と呼ばれる。
【0172】
アンテナ構造の最大ビーム指向角度は、周波数によって変化することに留意されたい。この現象は、周波数走査と称される。進行波モードにおいて、アンテナ構造の周波数走査範囲は低減できる。
【0173】
定在波:波は、空間内で前後に反射される。反射波は、後続の波と干渉し、安定した干渉場を形成する。各部分の振幅は安定している。振幅がゼロである位置は波節と呼ばれ、振幅が最も大きい位置は波腹部と呼ばれる。
【0174】
例えば、振幅が等しい高周波数交流電流電源を使用して無限長の均等に平行なワイヤの対を駆動した前述の場合である。導線は無限長であるので、電源によって励起された電流波(実際には、電圧波も)は、導線に沿って遠くに流れ、決して戻ってこない。しかしながら、平行なワイヤの長さが限定されていると、終端境界は電流波および電圧波の元の状態を破壊する。開回路端部において導線の電流が常にゼロであると、短絡端部における導線間の電圧は常にゼロになる。次に、この境界状態は、長いワイヤに沿って逆方向に他の部品に影響を与え、元の進行波状態を乱すであろう。この外乱は、電源から送られたエネルギーとみなされることもでき、これは、当該エネルギーが連続的に送られることができず、当該エネルギーを使い尽くす場所がないからである。したがって、エネルギーは再び反射されることしかできない。導線全体について、各点における電圧および電流は同じ位相を有し、各点は独自の固定振幅を有する。電圧波および電流波は導線に沿って動かないと思われる。電流波のこの流れのモードは、定在波と呼ばれる。
【0175】
負荷整合は、電力の観点からの最大出力電力を意味しており、すなわち、電源回路において、負荷インピーダンスは電源におけるインピーダンスのコンジュゲート値に等しい(抵抗が等しく、リアクタンスが等しく、符号は逆である)ことにさらに留意されたい。整合の目的は、最大出力電力の取得である。伝送線の観点から、これは無損失伝送を意味して、すなわち、伝送線において、負荷インピーダンスは、伝送線の特性インピーダンスに等しいことを意味し、このことは「整合」と呼ばれる。整合の目的は、負荷により生じる反射を除去し、定在波を回避し、負荷が最大パワーを取得することを可能にすることである。
【0176】
したがって、定在波モードにおいて、信号ソースから負荷への信号の送信は、負荷インピーダンスが信号ソースのインピーダンスと整合している場合にのみ最大化あり得る。一例として基地局システムを使用すると、信号ソースは送信器であり、負荷はアンテナフィーダサブシステムであり、アンテナフィーダサブシステムは、アンテナ、フィーダ、無線周波数コネクタ、および避雷器などの補助的なデバイスを含む。そうでなければ、負荷が信号ソースと整合しないと、いくつかの信号は信号ソースに再び反射され、これは望ましくない。この場合、前進波と後進波が生成され、2つの信号が組み合わされて定在波を形成する。
【0177】
定在波モードにおいて適切な整合された負荷インピーダンスを設計することで、負荷によって生じる反射によって生じるエネルギー損失を除去できることに留意されたい。
【0178】
第1の可能な実装態様において、アンテナ構造が定在波モードで動作する場合、アンテナ構造の第1の端部は負荷整合部を含まない。
【0179】
アンテナ構造の第1の端部が負荷整合部を含まないということは、アンテナ構造の第1の端部が開回路であると理解され得ることに留意されたい。
【0180】
例えば、
図1から
図17に示された全てのアンテナ構造100は、定在波モードで機能するアンテナ構造である。
【0181】
第2の可能な実装態様において、アンテナ構造が進行波モードで動作する場合、アンテナ構造の第2の端部はさらに負荷整合部を含む。負荷整合部は、少なくとも1つのパッチユニットグループによって完全に消費されなかったエネルギーを消費するように構成されている。
【0182】
任意選択で、負荷整合部は、複数の方式でメインフィーダの第1の端部に接続され得る。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0183】
第1の可能な実装態様において、負荷整合部はメインフィーダと同じ長さ方向にある。
【0184】
図18は、本願の実施形態に係るアンテナ構造100の構造のさらに別の概略図である。
図18に示されるように、アンテナ構造の第1の端部は負荷整合部140を含み、負荷整合部140の長さ方向は、メインフィーダ110の長さ方向と同じである。
【0185】
第2の可能な実装態様において、負荷整合部は、曲げることによってメインフィーダに接続する。
【0186】
図19は、本願の実施形態に係るアンテナ構造100の構造のさらに別の概略図である。
図19に示されるように、アンテナ構造の第1の端部は負荷整合部140を含み、負荷整合部140は曲げることによってメインフィーダ110に接続されており、すなわち、負荷整合部140とメインフィーダ110との間に挟角が存在する。
【0187】
本願のこの実施形態に提供されているアンテナ構造によると、負荷整合部へのアクセスの高い自由度は、負荷整合部とメインフィーダとの間の屈曲角度を変更することによって向上できる。
【0188】
任意選択で、アンテナ構造は、受信アンテナまたは送信アンテナであり得る。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0189】
本願のこの実施形態に提供されているアンテナ構造によると、ビームの左サイドローブレベルは-21.2dBであり得、ビームの右サイドローブレベルは-17.8dBであり得、3dBビーム幅は97°であり得る。
【0190】
前述では、
図1から
図19を参照して、本願の実施形態に提供されたアンテナ構造100について説明している。以下では、本願の実施形態に提供されたレーダについて説明する。
【0191】
図20は、本願の実施形態に係るレーダ200の構造の概略図である。レーダ300は、
図2から
図19に示されたアンテナ構造100を含み得る。
【0192】
任意選択で、
図21に示されるように、レーダ200はさらに、制御チップ150を含む。制御チップ150はアンテナ構造の第2の端部に接続されており、制御チップ150は、信号を送信または受信するようにアンテナ構造を制御するように構成されている。
【0193】
制御チップ150は、第1のマイクロストリップ線を通じてアンテナ構造の第2の端部に接続され得ることに留意されたい。
【0194】
任意選択で、
図22に示されるように、レーダ200はさらに、インピーダンス整合部160を含む。インピーダンス整合部160は、第2の端部のインピーダンスと制御チップ150のインピーダンスとを整合させるように構成されており、制御チップ150は、インピーダンス整合部を通じて第2の端部に接続されている。
【0195】
インピーダンス整合部は第2のマイクロストリップ線であり得ることに留意されたい。
【0196】
すなわち、アンテナ構造の第2の端部のインピーダンスは、第2のマイクロストリップ線のインピーダンスを調整することによって制御チップのインピーダンスと整合させることができる。
【0197】
任意選択で、
図23に示されるように、レーダ200はさらに、プリント回路基板170を含む。プリント回路基板170は、積層方式で順に配置されたアンテナ構造100(
図23において、
【数1】
のように示される)、誘電層171(
図23において、
【数2】
のように示される)および金属層172(
図23において、
【数3】
のように示される)を含む。アンテナ構造は、金属層を通じて接地されている。
【0198】
図24は、本願の実施形態に係る端末300を示す。端末300は、
図20から
図23に説明されたレーダ200を含む。
【0199】
任意選択で、本願のこの実施形態における端末は、レーダを介した通信機能および/または検出機能を実装する能力を有し得る。これは、本願のこの実施形態において限定されることはない。
【0200】
可能な実装態様において、端末は、自動運転またはインテリジェントドライビングにおける車両、無人航空機、無人搬送車両、ロボットなどであり得る。
【0201】
別の可能な実装態様において、端末は、携帯電話(mobile phone)、タブレットコンピュータ(pad)、無線トランシーバ機能を有するコンピュータ、仮想現実(virtual reality,VR)端末、または拡張現実(augmented reality,AR)端末、産業用制御(industrial control)における無線端末、自動運転(self-driving)における無線端末、遠隔医療(remote medical)における無線端末、スマートグリッド(smart grid)における無線端末、輸送安全性(transportation safety)における無線端末、スマートシティ(smart city)における無線端末、およびスマートホーム(smart home)における無線端末などであり得る。
【0202】
前述では、
図20から
図24を参照して、本願の実施形態に提供されたレーダおよび端末を示している。以下では、
図25を詳細に参照して、本願の実施形態におけるアンテナ装置の生産方法について説明する。
【0203】
図25は、本願の実施形態に係るアンテナ装置を生産するための方法400を示す。方法400は、以下の段階S410からS430を含む。
【0204】
S410.アンテナ構造を第1の金属層の上にエッチングする段階であって、アンテナ構造は、メインフィーダと、少なくとも1つのパッチユニットグループとを含み、少なくとも1つのパッチユニットグループは、メインフィーダの長さ方向においてメインフィーダに直列に接続されており、少なくとも1つのパッチユニットグループの各々は、V字型構造に配置された少なくとも2つのパッチユニットを含み、各パッチユニットグループは、V字型構造で且つ各パッチユニットグループの上にある2つのパッチユニットを通じてメインフィーダに直列に接続されている、段階。
【0205】
S420.アンテナ構造の第1の表面と誘電層の第1の表面とを共に接合する段階。
【0206】
S430.誘電層の第2の表面と第2の金属層の第1の表面とを共に接合する段階であって、誘電層の第1の表面は誘電層の第2の表面と対向して配置されており、アンテナ構造は第2の金属層を通じて接地されている、段階。
【0207】
任意選択で、各パッチユニットグループは、V字型構造に配置され且つ各パッチユニットグループにおける2つのパッチユニットの接点を通じてメインフィーダに直列に接続されている。
【0208】
任意選択で、各パッチユニットグループの偏波方向は、水平偏波方向である。
【0209】
任意選択で、少なくとも1つのパッチユニットグループは複数のパッチユニットグループを含み、複数のパッチユニットグループはメインフィーダの両側に直列に接続されている。
【0210】
任意選択で、複数のパッチユニットグループは、メインフィーダの両側に直列に交互に接続されている。
【0211】
任意選択で、少なくとも1つのパッチユニットグループは、複数のパッチユニットグループを含む。複数のパッチユニットグループにおけるパッチユニットの幅はまず増加し、次に第1の方向において減少する。あるいは、複数のパッチユニットグループにおけるパッチユニットの幅は、第1の方向において増加する。あるいは、複数のパッチユニットグループにおけるパッチユニットの幅は、第1の方向において減少する。
【0212】
本願のこの実施形態に提供されているアンテナ構造によると、各パッチユニットグループは、V字型構造に配置され且つ各パッチユニットグループにおける2つのパッチユニットを通じてメインフィーダに直列に接続されている。挟角がV字型構造の2つのパッチユニット間に存在するので、アンテナ構造の開口部は挟角を調整することによって低減できる。これにより、アンテナ構造の3dB帯域幅を拡張できる。
【0213】
当業者であれば、本明細書に開示された実施形態に説明された例と組み合わせて、ユニットおよびアルゴリズム段階が、電子ハードウェア、またはコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組み合わせを使用することによって実装され得ることに気付くことができる。これらの機能がハードウェアまたはソフトウェアのどちらで実行されるかは、技術的解決手段の具体的な用途および設計上の制約で決まる。当業者であれば、異なる方法を使用して、説明された機能を具体的な用途の各々のために実装し得るが、このことは、当該実装が本願の範囲を越えるものとみなされるべきではない。
【0214】
簡便且つ簡潔な説明のために、前述のシステム、装置、およびユニットの詳細な作動プロセスについては、前述の方法の実施形態における対応するプロセスを参照できることは、当業者が明確に理解するであろう。詳細については、再度ここで説明しない。
【0215】
本願に提供されたいくつかの実施形態において、開示されたシステム、装置および方法は他の方式で実装され得ることを理解されたい。例えば、説明される装置の実施形態は一例に過ぎない。例えば、複数のユニットへの分割は単に論理的な機能分割に過ぎず、実際の実装では他の分割であってよい。例えば、複数のユニットまたはコンポーネントが組み合わされても、別のシステムへ統合されてもよく、いくつかの機能が無視されても、実行されなくてもよい。加えて、表示されたまたは説明された相互連結、すなわち直接連結または通信接続が、いくつかのインタフェースを介して実装されてよい。装置またはユニット間の間接連結または通信接続は、電気的形態、機械的形態または他の形態で実装されてよい。
【0216】
別個の部品として説明されるユニットは、物理的に分離されてもよく、分離されていなくてもよく、ユニットとして表示される部分は、物理ユニットであってもそうでなくともよく、1カ所に配置されてもよく、または、複数のネットワークユニット上に分散されてもよい。一部または全部のユニットは、実施形態における解決手段の目的を実現すべく、実際の要件に基づいて選択され得る。
【0217】
加えて、本願の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてもよいし、または、それらのユニットの各々が、物理的に単独で存在してもよいし、または、2つもしくはそれよりも多いユニットが1つのユニットに統合される。
【0218】
これらの機能がソフトウェア機能ユニットの形態で実装され、別個の製品として販売されるかまたは使用される場合、これらの機能はコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。そのような理解に基づいて、本願の技術的解決手段は本質的に、または従来技術に寄与する部分が、またはこれらの技術的解決手段のうちのいくつかが、ソフトウェア製品の形態で実装され得る。コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に格納され、本願の実施形態において説明された方法のステップの全てまたは一部を実行するようにコンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワークデバイスなどであってよい)に命令するための複数の命令を含む。前述の記憶媒体は、プログラムコードを格納することができる任意の媒体、例えば、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、リードオンリメモリ(read-only memory.ROM)ランダムアクセスメモリ(random access memory,RAM)、磁気ディスク、または光ディスクを含む。
【0219】
前述の説明は、本願の単なる特定の実装例に過ぎず、本願の保護範囲を限定することを意図するものではない。本願に開示の技術的範囲内において当業者により容易に想到されるあらゆる変形または置換が、本願の保護範囲に含まれるものとする。したがって、本願の保護範囲は特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。