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特許7506186二次電池モジュール、これを含む二次電池パック及び自動車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】二次電池モジュール、これを含む二次電池パック及び自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/204 20210101AFI20240618BHJP
   H01M 50/107 20210101ALI20240618BHJP
   H01M 50/121 20210101ALI20240618BHJP
   H01M 50/124 20210101ALI20240618BHJP
   H01M 50/24 20210101ALI20240618BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20240618BHJP
   H01M 50/289 20210101ALI20240618BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20240618BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20240618BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240618BHJP
   H01M 10/6567 20140101ALI20240618BHJP
   H01M 10/659 20140101ALI20240618BHJP
【FI】
H01M50/204 101
H01M50/107
H01M50/121
H01M50/124
H01M50/204 401H
H01M50/24
H01M50/249
H01M50/289 101
H01M50/291
H01M50/293
H01M10/613
H01M10/6567
H01M10/659
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022570387
(86)(22)【出願日】2021-11-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-23
(86)【国際出願番号】 KR2021015622
(87)【国際公開番号】W WO2022098027
(87)【国際公開日】2022-05-12
【審査請求日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】10-2020-0147102
(32)【優先日】2020-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジョン-ユン・クム
(72)【発明者】
【氏名】ブム・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ス-ジュン・アン
(72)【発明者】
【氏名】ゲ・スン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ドン-ファン・シン
【審査官】小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-175942(JP,A)
【文献】特開平07-134976(JP,A)
【文献】特開2006-156171(JP,A)
【文献】特開2017-208298(JP,A)
【文献】特開2013-214354(JP,A)
【文献】特開2017-174792(JP,A)
【文献】特開2018-037159(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
H01M 50/10-50/198
H01M 10/613
H01M 10/6567
H01M 10/659
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体及び電解液が収容される電池ケースを有する複数の二次電池セルと、
前記複数の二次電池セルを支持するフレーム部材と、
前記複数の二次電池セルと前記フレーム部材とが収納されるカバーと、
を含み、
前記複数の二次電池セルは防水構造を有しており、
前記防水構造は、
前記二次電池セルに取り付けられて前記二次電池セルから突出する突出部材と、
前記突出部材が取り付けられた前記二次電池セルを包み込むチュービング部材と、
を含むことを特徴とする二次電池モジュール。
【請求項2】
前記チュービング部材は、前記二次電池セル及び前記突出部材を包み込んだ後に熱収縮しており、
前記突出部材は、前記フレーム部材に締まり嵌め方式で結合されて防水可能であることを特徴とする請求項に記載の二次電池モジュール。
【請求項3】
前記突出部材は、前記二次電池セルの側面の上部を包み込むことを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池モジュール。
【請求項4】
前記フレーム部材には、所定の方向に突出する第1リブが形成されており、
前記第1リブが前記カバーに結合されていることを特徴とする請求項1に記載の二次電池モジュール。
【請求項5】
前記カバーの内側を流れる冷却水に乱流が発生するように前記第1リブに突起が形成されていることを特徴とする請求項に記載の二次電池モジュール。
【請求項6】
前記フレーム部材には、所定の方向に突出する第1リブが形成されており、
前記カバーには、前記第1リブに対応する第2リブが形成されており、
前記第1リブと前記第2リブとが結合されていることを特徴とする請求項1に記載の二次電池モジュール。
【請求項7】
前記防水構造は、前記フレーム部材の上側を覆い包む防水樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の二次電池モジュール。
【請求項8】
いずれか一つの二次電池セルから発火が発生した場合に隣り合う他の二次電池セルに火炎が伝播することを防止するために、前記防水樹脂は、難燃材料を含み、前記複数の二次電池セルを覆い包むことを特徴とする請求項に記載の二次電池モジュール。
【請求項9】
前記防水樹脂は、相変化物質(PCM:Phase Change material)を含み、前記二次電池セルを冷却することを特徴とする請求項7または8に記載の二次電池モジュール。
【請求項10】
電極組立体及び電解液が収容される電池ケースを有する複数の二次電池セルと、
前記複数の二次電池セルを支持するフレーム部材と、
前記複数の二次電池セルと前記フレーム部材とが収納されるカバーと、
を含み、
前記複数の二次電池セルは防水構造を有する二次電池モジュールであって、
前記防水構造は、
前記二次電池セルを包み込むチュービング部材と、
前記チュービング部材の表面に塗布された防水グルーと、
を含むことを特徴とする二次電池モジュール。
【請求項11】
電極組立体及び電解液が収容される電池ケースを有する複数の二次電池セルと、
前記複数の二次電池セルを支持するフレーム部材と、
前記複数の二次電池セルと前記フレーム部材とが収納されるカバーと、
を含み、
前記複数の二次電池セルは防水構造を有する二次電池モジュールであって、
前記防水構造は、
前記二次電池セルを包み込むチュービング部材と、
前記チュービング部材の表面に蒸着された金属部材と、
を含むことを特徴とする二次電池モジュール。
【請求項12】
電極組立体及び電解液が収容される電池ケースを有する複数の二次電池セルと、
前記複数の二次電池セルを支持するフレーム部材と、
前記複数の二次電池セルと前記フレーム部材とが収納されるカバーと、
を含み、
前記複数の二次電池セルは防水構造を有する二次電池モジュールであって、
前記防水構造は、
前記二次電池セルを包み込み、二重に形成されたチュービング部材と、
二重に形成された前記チュービング部材の間に結合された金属部材と、
を含むことを特徴とする二次電池モジュール。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の二次電池モジュールを含む二次電池パック。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか一項に記載の二次電池モジュールを含む自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年11月05日付け出願の韓国特許出願第10-2020-0147102号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
本発明は、二次電池モジュール、それを含む二次電池パック及び自動車に関し、より詳細には、冷却水漏れを防止することができる二次電池モジュール、それを含む二次電池パック及び自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル機器の技術開発と需要の増加に伴い、エネルギー源としての二次電池需要が急激に増加しており、従来、二次電池としてニッケルカドミウム電池や水素イオン電池が使用されてきたが、最近では、ニッケル系の二次電池に比べてメモリー効果がほとんど起こらないので、充放電を自由に行うことができ、自己放電率が非常に低く、しかも、エネルギー密度の高いリチウム二次電池が広く使用されている。
【0003】
この種のリチウム二次電池は、主としてリチウム系酸化物及び炭素材をそれぞれ正極活物質及び負極活物質として用いる。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板がセパレーターを間に挟んで配置された電極組立体と、電極組立体を電解液と一緒に封入する外装材、すなわち、電池ケースと、を備える。
【0004】
リチウム二次電池は、正極、負極及びこれらの間に介在するセパレーター及び電解質からなり、正極活物質と負極活物質のどちらを使用するかによって、リチウムイオン電池(LIB:Lithium Ion Battery)、リチウムポリマー電池(PLIB:Polymer Lithium Ion Battery)などに分けられる。通常、これらのリチウム二次電池の電極は、アルミニウムまたは銅のシート、メッシュ、フィルム、ホイルなどの集電体に正極または負極活物質を塗布した後、乾燥することにより形成される。
【0005】
二次電池は、導体であるバスバーを介して互いに電気的に接続され得る。一般に、正極電極リードはアルミニウム材料で作られ、負極電極リードは銅材料で作られ、バスバーも通常銅材料で作られる。
【0006】
ここで、一実施形態では、二次電池モジュールに配備された二次電池セルを冷却するために冷却水を用いることができ、冷却水の漏れ防止、すなわち防水のために、二次電池セルを支持するフレームにゴムパッキングを結合することができる。
【0007】
しかし、フレームにゴムパッキンを射出する方式は高価であるだけでなく、二次電池モジュール内に冷却水を注入するとき、または防水機能を検査するときに真空又は高圧が形成され、このように形成された真空又は高圧により防水用のゴムパッキンが破損して、冷却水の漏れによる二次電池セルの損傷が発生するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、二次電池モジュールの防水が可能であり、冷却水の漏れ防止及びこれによる二次電池セルの損傷を防止できる二次電池モジュール、これを含む二次電池パック及び自動車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、電極組立体及び前記電解液が収容される電池ケースを有する複数の二次電池セルと、前記複数の二次電池セルを支持するフレーム部材と、前記複数の二次電池セルとフレーム部材とが収納されるカバーと、を含み、前記複数の二次電池セルは防水構造を有することを特徴とする二次電池モジュールを提供し得る。
【0010】
また、前記防水構造は、前記二次電池セルに取り付けられて前記二次電池セルから突出する突出部材と、前記突出部材が取り付けられた前記二次電池セルを包み込むチュービング部材と、を含み得る。
【0011】
さらに、前記チュービング部材は、前記二次電池セル及び前記突出部材を包み込んだ後に熱収縮し、前記突出部材は、前記フレーム部材に締まり嵌め方式で結合されて防水可能に構成され得る。
【0012】
さらにまた、前記突出部材は、前記二次電池セルの側面の上部を包み込むように構成され得る。
【0013】
さらにまた、前記フレーム部材には、所定の方向に突出する第1リブが形成され、前記第1リブが前記カバーに結合され得る。
【0014】
さらにまた、前記カバー内側を流れる冷却水に乱流が発生するように前記第1リブに突起が形成され得る。
【0015】
さらにまた、前記フレーム部材には、所定の方向に突出する第1リブが形成され、前記カバーには、前記第1リブに対応する第2リブが形成され、前記第1リブと前記第2リブとが結合され得る。
【0016】
さらにまた、前記防水構造は、前記フレーム部材の上側を覆い包む防水樹脂を含み得る。
【0017】
さらにまた、いずれか一つの二次電池セルから発火が発生した場合に隣り合う他の二次電池セルに火炎が伝播することを防止するために、前記防水樹脂は難燃材を含み、前記複数の二次電池セルを覆い包むように構成され得る。
【0018】
さらにまた、前記防水樹脂は、相変化物質(PCM:Phase Change material)を含み、前記二次電池セルを冷却するように構成され得る。
【0019】
また、前記防水構造は、前記二次電池セルを包み込むチュービング部材と、前記チュービング部材の表面に塗布された防水グルーと、を含み得る。
【0020】
さらにまた、前記防水構造は、前記二次電池セルを包み込むチュービング部材と、前記チュービング部材の表面に蒸着された金属部材と、を含み得る。
【0021】
さらにまた、前記防水構造は、前記二次電池セルを包み込み、二重に形成されたチュービング部材と、二重に形成された前記チュービング部材の間に結合された金属部材と、を含み得る。
【0022】
一方、本発明の他の態様によれば、上述した二次電池モジュールを含む二次電池パックを提供することができ、さらに、前記二次電池モジュールを含む自動車を提供することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の実施形態は、二次電池モジュールの防水が可能であり、冷却水の漏れ防止及びこれによる二次電池セルの損傷を防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態による二次電池モジュールの分離斜視図である。
図2図2(a)、図2(b)、図2(c)、及び図2(d)は、本発明の一実施形態による二次電池モジュールにおいて、二次電池セルに防水用の突出部材を形成する過程を概略的に示す図である。
図3】本発明の一実施形態による二次電池モジュールにおいて、突起部材が形成された二次電池セルがフレーム部材に締まり嵌めで結合された様子の一部を概略的に示す断面図である。
図4図3の他の実施形態により第1リブに突起が形成された様子を示す図である。
図5】本発明の一実施形態による二次電池モジュールにおいて、防水樹脂がフレーム部材の上側を覆い包む様子の一部を概略的に示す断面図である。
図6図3のさらに他の実施形態により第1リブと第2リブとが結合された様子を示す図である。
図7】本発明の他の実施形態による二次電池モジュールにおいて、チュービング部材に防水グルーが塗布された様子の概略断面図である。
図8】本発明のさらに他の実施形態による二次電池モジュールにおいて、チュービング部材の表面に金属部材が蒸着された様子の概略断面図である。
図9】本発明のさらに他の実施形態による二次電池モジュールにおいて、チュービング部材の間に金属部材が結合された様子の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面に基づいて、本発明に係る好適な実施形態について詳しく説明する。この明細書及び特許請求の範囲に用いられた用語や単語は、通常的もしくは辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は、自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則を踏まえて、本発明の技術的な思想に見合う意味及び概念として解釈されなければならない。したがって、この明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明の最も好適な一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本発明の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0026】
図面の各構成要素またはその構成要素を構成する特定の部分のサイズは、説明の便宜及び明確性のために誇張、省略、または概略的に示されている。したがって、各構成要素の大きさは実際の大きさを完全に反映するものではない。本発明に係わる公知機能または構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不要に不明瞭にする可能性があると判断される場合には、その説明を省略する。
【0027】
本明細書で使用される「結合」または「接続」という用語は、ある部材と他の部材とが直接的に結合されてもよく、または直接的に接続されてもよいだけでなく、ある部材が継手部材を介して他の部材に間接的に結合されてもよく、または間接的に連結されてもよい場合も含む。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態による二次電池モジュールの分離斜視図であり、図2(a)、図2(b)、図2(c)、及び図2(d)は、二次電池セルに防水用の突出部材を形成する過程を概略的に示す図であり、図3は、本発明の一実施形態による二次電池モジュールにおいて、突起部材が形成された二次電池セルがフレーム部材に締まり嵌めで結合された様子の一部を概略的に示す断面図であり、図4は、図3の他の実施形態により第1リブに突起が形成された様子を示す図であり、図5は、本発明の一実施形態による二次電池モジュールにおいて、防水樹脂がフレーム部材の上側を覆い包む様子の一部を概略的に示す断面図であり、図6は、図3のさらに他の実施形態により第1リブと第2リブとが結合された様子を示す図であり、図7は、本発明の他の実施形態による二次電池モジュールにおいて、チュービング部材に防水グルーが塗布された様子の概略断面図であり、図8は、本発明のさらに他の実施形態による二次電池モジュールにおいて、チュービング部材の表面に金属部材が蒸着された様子の概略断面図であり、図9は、本発明のさらに他の実施形態による二次電池モジュールにおいて、チュービング部材の間に金属部材が結合された様子の概略断面図である。
【0029】
図面を参照すると、本発明の一実施形態による二次電池モジュール10は、複数の二次電池セル100と、フレーム部材200と、カバー300とを含む。
【0030】
二次電池セル100の形状は様々であり得る。例えば、二次電池セル100は、円筒形状であってもよく、角柱形状であってもよい。ただし、二次電池セル100の形状はこれに限定されるものではない。以下では、説明の便宜上、二次電池セル100が円筒形状の場合を中心に説明するが、二次電池セル100の形状の範囲が円筒形に限定されるものではないことを明らかにしておく。
【0031】
また、二次電池セル100の外装は、所定の範囲の剛性を有する様々な材料で作ることができ、例えば、各種金属で作製することができる。しかしながら、二次電池セル100の外装の材料はこれに限定されるものではない。以下では、説明の便宜上、二次電池セル100の外装が金属製である場合を中心に説明するが、二次電池セル100の外装の材料の範囲が金属に限定されるものではないことを明らかにしておく。
【0032】
カバー300には、複数の円筒形二次電池セル100及びフレーム部材200が収納される。例えば、カバー300は、複数の円筒形二次電池セル100及びフレーム部材200を包み込むように設けられてもよい。
【0033】
カバー300は、複数の円筒形二次電池セル100の全体を包み込み、それによって外部の振動や衝撃から複数の円筒形二次電池セル100を保護する。
【0034】
カバー300は、複数の円筒形二次電池セル100の形状に対応する形状に形成することができる。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0035】
カバー300は、例えば、金属材料からなるプレートを折り曲げて製造してもよいし、プラスチック射出成形により製造してもよい。また、カバー300は、一体型に製造してもよいし、分離型に製造してもよい。
【0036】
カバー300には、各種コネクタ要素または端子要素を外部に露出させることができる貫通部(図示せず)が形成されてもよい。すなわち、コネクタ要素または端子要素は、外部の所定の部品または部材と電気的に接続され得、このような電気的接続がカバー300によって妨げられないように、カバー300に貫通部(図示せず)が形成され得る。
【0037】
カバー300は、上部カバー310と下部カバー320とから構成されてもよいが、これに限定されない。
【0038】
カバー300の内部、例えば下部カバー320の内部には、複数の円筒形二次電池セル100を冷却するための冷却水900(図3参照)が流入する。このために、図示されていない流入口及び流出口がカバー300に形成され、冷却水900は、流入口を通じて下部カバー320の内部に流入して複数の円筒形二次電池セル100を冷却し、その後、流出口を通じて下部カバー320の外側に流出する。
【0039】
複数の円筒形二次電池セル100は、円筒形二次電池セル110を複数備える。円筒形二次電池セル110は、電極組立体、例えばゼリーロール型電極組立体と、電極組立体とともに電解液が収容される円筒形電池ケースと、電池ケースの例えば一方の側に形成された正極端子と、電池ケースの例えば他方の側に形成された負極端子とを含む。
【0040】
電極組立体は、正極と負極との間にセパレーターが介在させた状態で積層されてゼリーロール状に巻かれた構造を有してもよく、正極には正極リード(図示せず)が取り付けられて電池ケースの例えば上部の正極端子に接続され、負極には負極リード(図示せず)が取り付けられて電池ケースの例えば下部の負極端子に接続される。そして、電極組立体の中心部には円筒形のセンターピン(図示せず)が挿入されてもよい。
【0041】
円筒形二次電池セル110に配備される正極端子及び負極端子は、外部に露出して外部機器に接続される端子の一種であり、導電性材料を使用することができる。
【0042】
複数の円筒形二次電池セル100は、防水構造400を有する。防水構造400は様々であり得、一実施形態では、突出部材410と、チュービング部材420とを含んで構成されてもよい。
【0043】
突出部材410は、円筒形二次電池セル110に取り付けられ、円筒形二次電池セル110から突出する。図2を参照すると、突出部材410は、円筒形二次電池セル110の側面の上部を包み込むように設けられてもよい。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0044】
まず、円筒形二次電池セル110が準備され(図2(a)参照)、突出部材410が円筒形二次電池セル110から突出するように円筒形二次電池セル110に取り付けられると(図2(b)参照)、突出部材410が取り付けられた円筒形二次電池セル110をチュービング部材420が包み込み、次いで、チュービング部材420に熱を供給してチュービング部材420を熱収縮させ(図2(c)参照)、その後、円筒形二次電池セル110に取り付けられた突出部材410をフレーム部材200に締まり嵌め方式で結合する(図2(d)参照)。
【0045】
すなわち、円筒形二次電池セル110に結合されて突出した突出部材410がチュービング部材420によって包まれた後、フレーム部材200に締まり嵌め方式で結合され、これにより円筒形二次電池セル110とフレーム部材200との間に隙間がなくなり、円筒形二次電池セル110とフレーム部材200とが互いに密着するため、防水が可能となる。
【0046】
ここで、チュービング部材420は、PP、PVC、PETなどであり得るが、これらに限定されない。以下、チュービング部材420も同様である。
【0047】
そして、突出部材410は、熱収縮したチュービング部材420により包み込まれて保護されているので、突出部材410がフレーム部材200に締まり嵌めで結合されても、元の位置から逸脱することなくその位置が維持され続けるだけでなく、変形防止効果もある。
【0048】
フレーム部材200は、複数の円筒形二次電池セル100を支持する。図1を参照すると、フレーム部材200に開口220を形成することができ、フレーム部材200は、複数の円筒形二次電池セル100の上側において開口220を通じて複数の円筒形二次電池セル100に結合される。この場合、上述したように、円筒形二次電池セル110の突出部材410は、フレーム部材200に締まり嵌め方式で結合される。
【0049】
フレーム部材200には、所定の方向に突出する第1リブ210が形成されてもよい。次に、図3を参照すると、第1リブ210は、例えば下部カバー320に結合されている。ここで、第1リブ210と下部カバー320との結合方式は様々であり得、例えば、ボンディング(b)方式で結合されてもよいが、これに限定されるものではない。
【0050】
一方、他の実施形態として図6を参照すると、フレーム部材200には所定の方向に突出する第1リブ210が形成され、下部カバー320には第1リブ210に対応する第2リブ321が形成され、第1リブ210と第2リブ321とを結合するように構成されてもよい。第1リブ210と第2リブ321とを様々な方式で結合することができ、例えば、ボンディング(b)方式で結合することができるが、これに限定されるものではない。
【0051】
もちろん、フレーム部材200にリブが形成されず、下部カバー320の第2リブ321(図6参照)が突出してフレーム部材200に結合するように構成されてもよい。下部カバー320の第2リブ321は、様々な方式でフレーム部材200に結合することができ、例えば、ボンディング方式で結合することができるが、これらに限定されるものではない。
【0052】
このように、いずれか一つの円筒形二次電池セル110と隣り合う他の円筒形二次電池セル110との間に第1リブ210または第2リブ321による隔壁が形成されると、複数の円筒形二次電池セル100を冷却するためにカバー300内に引き込まれた冷却水900は、第1リブ210または第2リブ321と衝突して回転し回転して乱流が発生する。
【0053】
また、冷却水900が回転すると、様々な部分で複数の円筒形二次電池セル100に接触可能であるため、冷却性能が向上する効果がある。すなわち、フレーム部材200に形成された第1リブ210またはカバー300に形成された第2リブ321によってカバー300の内側には前述の隔壁が形成され、冷却水900が隔壁に衝突して回転しながら、冷却水900の様々な部分で複数の円筒形二次電池セル100に接触することで冷却性能を向上させる。
【0054】
一方、第1リブ210または第2リブ321による隔壁は、複数の円筒形二次電池セル100の冷却性能を向上させることができるだけでなく、カバー300の構造的剛性を高める働きもする。これにより、冷却水900をカバー300内に注入するとき、または二次電池モジュール10の防水機能を検査するときに真空又は高圧が形成されても、防水機能を維持することができる効果がある。
【0055】
他の実施形態として図4を参照すると、第1リブ210に突起211を形成してもよい。このように、第1リブ210に突起211が形成されると、突起211が形成されていない場合よりもカバー300内側を流れる冷却水900に乱流がよりスムーズに発生するため、冷却効果がさらに向上することができる。ここで、第2リブ321が配備された場合、第2リブ321に突起211を形成してもよいことは言うまでもない。
【0056】
図5を参照すると、防水構造400の他の実施形態、すなわち、突出部材410及びチュービング部材420とは異なる実施形態として、防水構造500は、フレーム部材200の上側全体を覆い包む防水樹脂510で構成されてもよい。防水樹脂510は、様々な防水材料から形成されてもよい。
【0057】
突出部材410及びチュービング部材420と、防水樹脂510とは、必要に応じてどちらか一方のみを設けられてもよいし、又は両方とも設けてもよい。
【0058】
ここで、防水樹脂510は種々の難燃材料から構成されてもよい。このように、防水樹脂510が難燃材料からなり、図5のように複数の円筒形二次電池セル100全体を覆い包む場合、いずれか一つの円筒形二次電池セル110から発火が発生したとき、隣り合う他の円筒形二次電池セル110に火炎が伝播するのを防止できる効果がある。
【0059】
すなわち、難燃材料からなる防水樹脂510は、円筒形二次電池セル110に火炎が発生するのを防止するものではなく、いずれか一つの円筒形二次電池セル110に火炎が発生した場合に隣接する他の円筒形二次電池セル110に炎が伝播するのを防止する機能を有する。
【0060】
一方、防水樹脂510は相変化物質(PCM:Phase Change material)から構成されてもよい。相変化物質とは、固体から液体に変化する際に熱を吸収して内部に蓄え、液体から固体に変化する際に蓄えた熱を放出する物質であり、円筒形二次電池セル110が発熱すると、相変化物質の防水樹脂510が円筒形二次電池セル110から発生した熱を吸収して液体に変化し、これにより円筒形二次電池セル110を冷却することができる。
【0061】
これによれば、防水樹脂510は、防水、火炎の伝播の防止、及び円筒形二次電池セル110の冷却という全ての効果を有することができる。
【0062】
図7は、防水構造600の他の実施形態であり、図7を参照すると、防水構造600は、チュービング部材610と、防水グルー620とを含んでいてもよい。
【0063】
チュービング部材610は、円筒形二次電池セル110を包み込むように設けられる。チュービング部材610が円筒形二次電池セル110を包み込むと、チュービング部材610に熱を供給してチュービング部材610を熱収縮させる。
【0064】
そして、防水グルー620は、防水性及び接着性を有する物質であり、チュービング部材610の表面に塗布され、図7に示すように、防水グルー620により円筒形二次電池セル110がフレーム部材200に結合され得る。
【0065】
図8は、防水構造700のさらに他の実施形態であり、図8を参照すると、防水構造700は、チュービング部材710と、金属部材720とを含んでいてもよい。
【0066】
チュービング部材710は、前述した図7に係る実施形態と共通するので、前述の説明に置き換える。
【0067】
ここで、金属部材720は、チュービング部材710の表面に蒸着される。金属部材720は様々であり得、例えば、アルミニウムはチュービング部材710の表面に蒸着され得る。ただし、金属部材720がアルミニウムに限定されるものではない。
【0068】
そして、チュービング部材710の表面に蒸着されたアルミニウムなどの金属部材720によって防水機能を実現することができる。
【0069】
図9は、防水構造800のさらに他の実施形態であり、図9を参照すると、防水構造800は、チュービング部材810a、810bと、金属部材820とを含んでいてもよい。
【0070】
ここで、図8の実施形態との相違点は次のとおりである。図9の場合、チュービング部材810a、810bが二重に形成されて円筒形二次電池セル110を包み込み、金属部材820は二重に形成されたチュービング部材810a、810bの間に結合される。
【0071】
ここで、金属部材820は、接着剤によりチュービング部材810a、810bの間でチュービング部材810a、810bに結合することができ、これにより防水が可能となる効果がある。
【0072】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態による二次電池モジュール10の作用及び効果について説明する。
【0073】
本発明の一実施形態による二次電池モジュール10は、防水構造400、500を有する。
【0074】
防水構造400は、突出部材410とチュービング部材420とを備えていてもよい。すなわち、円筒形二次電池セル110に結合されて突出した突出部材410をチュービング部材420で包んだ後、フレーム部材200に締まり嵌め方式で結合して防水可能に設けられてもよい。あるいは、防水構造500は、フレーム部材200の上側全体を覆い包む防水樹脂510によって防水可能に設けられてもよい。
【0075】
このとき、防水樹脂510は、各種難燃材料からなり、いずれか一つの円筒形二次電池セル110に火炎が発生した場合、隣り合う他の円筒形二次電池セル110への火炎の伝播を防止する。
【0076】
一方、本発明の一実施形態による二次電池パック(図示せず)は、上述したような本発明の一実施形態による二次電池モジュール10を1つ以上含んでいてもよい。また、前記二次電池パック(図示せず)は、このような二次電池モジュール10の他に、このような二次電池モジュール10を収納するためのケース、二次電池モジュール10の充放電を制御するための各種装置、例えば、バッテリー管理システム(BMS)、電流センサ、ヒューズなどをさらに含んでいてもよい。
【0077】
一方、本発明の一実施形態による自動車(図示せず)は、上述した二次電池モジュール10または二次電池パック(図示せず)を含んでいてもよく、前記二次電池パック(図示せず)は前記二次電池モジュール10を含んでいてもよい。そして、本発明の一実施形態による二次電池モジュール10は、前記自動車(図示せず)、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車などの電気を使用する所定の自動車(図示せず)に適用されてもよい。
【0078】
以上、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で様々な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、二次電池モジュール、これを含む二次電池パック及び自動車に関し、特に二次電池に関連する産業において利用可能である。
【符号の説明】
【0080】
10 二次電池モジュール
110 二次電池セル
200 フレーム部材
300 カバー
400、500、600、700、800 防水構造
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9