IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エバプコ・インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特許-全てが二次の空冷式産業用蒸気復水器 図1A
  • 特許-全てが二次の空冷式産業用蒸気復水器 図1B
  • 特許-全てが二次の空冷式産業用蒸気復水器 図2
  • 特許-全てが二次の空冷式産業用蒸気復水器 図3
  • 特許-全てが二次の空冷式産業用蒸気復水器 図4A
  • 特許-全てが二次の空冷式産業用蒸気復水器 図4B
  • 特許-全てが二次の空冷式産業用蒸気復水器 図5
  • 特許-全てが二次の空冷式産業用蒸気復水器 図6
  • 特許-全てが二次の空冷式産業用蒸気復水器 図7
  • 特許-全てが二次の空冷式産業用蒸気復水器 図8
  • 特許-全てが二次の空冷式産業用蒸気復水器 図9
  • 特許-全てが二次の空冷式産業用蒸気復水器 図10
  • 特許-全てが二次の空冷式産業用蒸気復水器 図11
  • 特許-全てが二次の空冷式産業用蒸気復水器 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】全てが二次の空冷式産業用蒸気復水器
(51)【国際特許分類】
   F28B 1/06 20060101AFI20240618BHJP
   F28B 9/02 20060101ALI20240618BHJP
   F28B 9/10 20060101ALI20240618BHJP
   F28D 1/053 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
F28B1/06
F28B9/02
F28B9/10
F28D1/053 A
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023053055
(22)【出願日】2023-03-29
(62)【分割の表示】P 2022014775の分割
【原出願日】2017-06-21
(65)【公開番号】P2023098904
(43)【公開日】2023-07-11
【審査請求日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】62/353,030
(32)【優先日】2016-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/430,345
(32)【優先日】2016-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/629,205
(32)【優先日】2017-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518276368
【氏名又は名称】エバプコ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Evapco, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 晴夫
(74)【代理人】
【識別番号】100100479
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 三喜夫
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ダブリュー・バグラー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン‐ピエール・リベール
(72)【発明者】
【氏名】マーク・フーバー
【審査官】礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0167093(US,A1)
【文献】米国特許第03707185(US,A)
【文献】特開平09-280752(JP,A)
【文献】特開2006-284171(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0345166(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0027679(US,A1)
【文献】特開昭51-123402(JP,A)
【文献】特開昭49-086734(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28B 1/00 - 11/00
F28D 1/00 - 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷式産業用蒸気復水器であって、
字型またはV字型の構成に配置された複数の復水器管束の対を備え、各復水器管束は、互いに隣接して適合されたフィン付き扁平単一チャネル管の単一列を含み
各復水器管束の対が底端部で取り付けられており、前記フィン付き扁平単一チャネル管の底部に蒸気を送給すること、および前記フィン付き扁平単一チャネル管内で冷却されると前記蒸気から形成される復水を回収することの両方のために構成された前記復水器管束の対の長さに沿って延在する、統合蒸気分配-復水回収マニホールドを備え、
各復水器管束がその頂端部で取り付けられており、前記統合蒸気分配-復水回収マニホールドの各々に対して平行な前記復水器管束の長さに沿って延在し、前記蒸気から非凝縮性ガスを回収するように構成される、非復水回収マニホールドを備え、
前記空冷式産業用蒸気復水器は、前記復水器管束下方に延在する蒸気ダクトを含み、前記蒸気ダクトは、記復水器管束の長手方向軸に対して垂直な長手方向軸を有し、前記統合蒸気分配-復水回収マニホールドの底面に接続され、
前記復水器管束に送給される蒸気の全てが前記統合蒸気分配-復水回収マニホールドを経由して送給される、冷式産業用蒸気復水器。
【請求項2】
前記フィン付き扁平単一チャネル管から回収された復水の全てが前記統合蒸気分配-復水回収マニホールド内に回収される、請求項1に記載の冷式産業用蒸気復水器。
【請求項3】
前記フィン付き扁平単一チャネル管の前記長手方向軸が、水平から60°の角度で配置される、請求項1に記載の冷式産業用蒸気復水器。
【請求項4】
前記フィン付き扁平単一チャネル管は、125mmの断面幅と5.2~7mmの断面高さを有する、請求項1に記載の冷式産業用蒸気復水器。
【請求項5】
前記フィン付き扁平単一チャネル管は、125mmの断面幅と6.0mmの断面高さを有する、請求項1に記載の冷式産業用蒸気復水器。
【請求項6】
前記フィン付き扁平単一チャネル管は、前記管の平坦な側面に取り付けられたフィンを有し、前記フィンが10mmの高さを有し、1インチ(25.4mm)あたりフィンが9~12枚の間隔である、請求項1に記載の冷式産業用蒸気復水器。
【請求項7】
前記フィン付き扁平単一チャネル管は、200mmの断面幅と17~20mmの断面高さを有する、請求項1に記載の冷式産業用蒸気復水器。
【請求項8】
前記フィン付き扁平単一チャネル管は、200mmの断面幅と18.8mmの断面高さを有する、請求項1に記載の冷式産業用蒸気復水器。
【請求項9】
前記フィン付き扁平単一チャネル管は、125mmの断面幅と4~10mmの断面高さを有する、請求項1に記載の冷式産業用蒸気復水器。
【請求項10】
前記フィン付き扁平単一チャネル管は、1700mm~2400mmの長さを有する、請求項1に記載の冷式産業用蒸気復水器。
【請求項11】
40~60本の前記フィン付き扁平単一チャネル管を備える、請求項1に記載の冷式産業用蒸気復水器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大規模現場組立型空冷式産業用蒸気復水器に関する。
【背景技術】
【0002】
大部分の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気復水器(「ACC」)に使用される現在のフィン付き管は、長さ約11メートル×幅200mm(「空気移動長さ」とも称される)で、半円形の前縁および後縁を有し、また18.8mmの内部高さ(空気移動長さに垂直)を有する平坦な管を使用する。管壁の厚さは1.35mmである。フィンは、各管の両側の平らな側面にろう付けされる。フィンは、通常18.5mmの高さで、1インチ(25.4mm)あたりフィンが11枚の間隔である。フィン表面は、熱伝達を促進し、フィン剛性を支援するために波状のパターンを有する。管の中心間の標準間隔は57.2mmである。管自体は、断面面積(cross sectional face area)(空気流れ方向に対して垂直な)の約3分の1を構成する一方、フィンは断面面積(cross section face area)のほぼ3分の2を占める。隣接するフィン先端の間に1.5mmの小さなスペースが存在する。夏季の周囲条件では、管を通過する最大蒸気速度は、典型的には28mpsほど高く、より典型的には23~25mpsである可能性がある。これらの管とフィンとを組み合わせた単一のA字型フレーム設計は、管の長さ、フィンの間隔、フィンの高さと形状、および空気移動長さに基づいて最適化されてきた。フィン付き管は、典型的には熱交換器管束あたり39本の管の熱交換器管束へと組み立てられ、ファンあたり10~14個の管束が単一のA字型フレーム内に一緒に配列された2つの熱交換器へと配置される。ファンは、典型的にはA字型フレームの下部に存在し、管束を通して上向きに空気を強制通風する。管とフィンの全体的な設計と、管とフィンの組み合わせによる空気圧低下も、200~250馬力で動作する大口径(36フィート(10.9メートル))のファンの空気移動能力に適合するように最適化されてきた。この最適化された配置は、20年以上も前に単列楕円管の概念が導入されて以来、多くの異なる製造業者にわたってあまり変化していない。
【0003】
上述の典型的なA字型フレームACCは、第1段または「一次」復水器管束と第2段または「二次」管束との両方を含む。熱交換器管束の約80%~90%は第1段または一次復水器管束である。蒸気は一次復水器管束の頂部に入り、復水と一部の蒸気が底部から出される。第1段構成は熱効率が良好であるが、非凝縮性ガスを除去する手段が提供されない。第1段の管束を通る非凝縮性ガスを一掃するために、熱交換器管束の10%~20%は第2段または二次管束として構成され、典型的には一次管束の間に点在し、下部復水マニホールドからベイパーを吸引する。この配置では、蒸気および非凝縮性ガスは、それらが二次管束の底部に引き込まれるときに第1段の管束を通って進む。ガスの混合物が二次管束を通って上昇するにつれて、残りの蒸気は凝縮し、非凝縮性ガスを濃縮する。二次管束の頂部は、システムから非凝縮性ガスを除去する真空マニホールドに取り付けられる。
【0004】
標準的な先行技術のACC配置に対する変形例は、例えば米国特許出願公開第2015/0204611号および同第2015/0330709号に開示されている。これらの明細書は、同一のフィン付き管を示すが、管の長さが大幅に短縮されたもので、一連の小さなA字型フレーム、典型的にはファンあたり5つのA字型フレームに配置されている。この論理の一部は、蒸気圧力降下を低減することであり、夏季における全容量に及ぼす影響は小さいが、冬季の条件ではより大きな影響を与える。この論理の別の一部は、工場において管束の各々に頂部蒸気マニホールドダクトを溶接してこれらを一緒に出荷し、高価な現場での溶接作業を省くことである。工場で取り付けられ、管束と共に出荷される蒸気マニホールドを用いたこの配置の正味の効果は、標準的なハイキューブ輸送コンテナ内のマニホールドに適合するように管の長さを短縮することである。管がより短く、従って表面積の総量が減少するため、夏季の条件においては、類似の全体的な寸法の標準単一A字型フレーム設計に対する比較容量は約3%減少する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書に提示される発明は、1)大規模現場組立型産業用蒸気復水器を含むがこれに限定されない、熱交換器システムで使用するための新規な管設計と、2)発電所等のための大規模現場組立型産業用蒸気復水器の新規な設計とを含み、その両方とも、ACCの熱容量を著しく増大させる一方、いくつかの構成では材料を低減する。本発明の様々な態様および/または実施形態を以下に示す。
【課題を解決するための手段】
【0006】
管設計発明の様々な実施形態によれば、管は長さ2.044mであり、管の断面寸法は100~200mm幅、好ましくは125mm幅(空気移動長さ)であると共に、断面高さ(空気移動長さに垂直)は10mm未満、好ましくは4~10mm、より好ましくは5.0~9mm、さらにより好ましくは5.2~7mm、最も好ましくは6.0mmの高さ(「外側管幅」とも呼ばれる)であり、1インチ(25.4mm)あたりのフィンの数が9~12枚、好ましくは9.8枚で配置されたフィンを有する。さらに好ましい実施形態によれば、実際のフィンは、高さが17~20mm、好ましくは高さが18.5mmであり、2本の隣接する管の間の空間にまたがり、効果的に9.25mmのフィンを各管に対してそれぞれの側で利用できるようにする。
【0007】
より小さな断面の管(空気移動長さは同じであるが、高さが顕著により小さい)を製造することは、大規模な発電所によって出力される膨大な蒸気量に対応するために、できる限り大きな断面で管を製造する必要があり、管のサイズが大きくなるほどコストが下がるという当該技術分野における現行の支配的な見解に直接的に反している。この配置のコストは先行技術の管配置よりもはるかに大きいが、本発明者らは予期しないことに、より低い高さの管を用いることによる効率増加は(最も好ましい実施形態では、先行技術の管と比較して効率が30%超より高い)、コストの増加を埋め合わせるに留まらないことを発見した。この新規な管設計は、先行技術の大規模現場組立型産業用蒸気復水器(例えば、背景技術の項で説明したような)に使用されてもよく、または本明細書で後述する新規なACC設計と併せて使用されてもよい。
【0008】
次に、大規模現場組立型産業用蒸気復水器の新規な設計を検討してみるが、本発明の主な特徴は、本発明によるACCの全ての管束が二次管束として構築され、その中では蒸気は、底部から上向きに配向された管(管束の横断方向軸と平行に整列され、各管は概して25°~35°、好ましくは垂直から30°に配向される)に供給され、復水は管束からは底部から回収され、好ましくは管への蒸気の送達と管からの復水の回収との両方を行う統合/ハイブリッドマニホールドを使用して回収される。一実施形態によれば、統合/ハイブリッドマニホールドは、復水が蒸気送達ライザー(複数可)を下降するのを阻止し、その代わりに統合/ハイブリッドマニホールドに接続された復水回収管に送達されるように構築されてもよい。代替的な実施形態によれば、復水は蒸気送達ライザーを下降することができ、地面により近い蒸気送達ダクトから除去されるように、統合/ハイブリッドマニホールドが構築されてもよい。管の頂部は、非凝縮性ガスを回収するための別個のマニホールドに接続されている。この新規な「全てが二次の」ACC構成は、A字型フレームで、管から非凝縮性ガスを集める単一のマニホールドを有する頂部で結合された2つの二次管束を有して、または各管束の頂部に1つずつの2つの非凝縮性マニホールドを有して構成されてもよい。
【0009】
本明細書で使用される場合、用語「全てが二次の」および「一次がない」は、全ての管束が底部から水蒸気を受け取り、底部において復水を回収し、非凝縮性ガスを上部から送達する大規模現場組立型空冷式産業用蒸気復水器を指す。比較すると、大規模現場組立型空冷式産業用蒸気復水器における一次管束は上部で蒸気を受け取り、底部で復水を送達し、また底部で別個の二次復水器に非凝縮ガスを送達する。
【0010】
しかし、好ましくは、本発明のACCはV字構成で配置されてもよく、その中で2つの二次専用コンデンサ束が底部で単一の統合蒸気分配マニホールド/復水回収マニホールドと接続され、別個の非凝縮物回収マニホールドを各管束の頂部に有している。
【0011】
好ましいV字構成の実施形態によれば、蒸気マニホールドは管束の底部に存在するため、2つ以上の位置でマニホールドに入ることでマニホールドのサイズが小さくなり、フィン付き管を少し長くすることができる。本明細書に記載のより小さい断面の管(200mm×高さ10mm未満、好ましくは4~10mm、より好ましくは5.0~9mm、さらにより好ましくは5.2~7mm、最も好ましくは6.0mm)と組み合わせると、システムは、上述した標準的なACC配置および構成に対して、少なくとも25%~30%の改善された性能を示し、ユニットは、床面積の点でも同様な量だけ小さくできる場合がある。
【0012】
さらなる代替的な実施形態によれば、本発明の新規なACC設計は、100mm×、好ましくは4~10mm、より好ましくは5.0~9mm、さらにより好ましくは5.2~7mmの寸法を有し、最も好ましくは6.0mmの高さの管と共に、オフセットフィンを有して、使用されてもよい。
【0013】
さらなる実施形態によれば、本発明の新規なACC設計は、1インチ(25.4mm)あたりフィンが9.8枚配置された「アローヘッド」タイプのフィンを有する120mmまたは最大200mm×5mm~7mmの管で使用されてもよい。
【0014】
さらに別の実施形態によれば、本発明の新規なACC設計は、オフセットフィンとほぼ同様に機能する「ルーバー」フィンを有する管と共に使用されてもよく、より容易に入手可能で製造が容易となる。
【0015】
最も好ましいACC構成と最も好ましい管寸法とを組み合わせた本発明の好ましい実施形態および最も好ましい実施形態によれば、本発明のACCは、以下の特徴及び寸法を有する:
一次管束はなく、全てが二次の管束(全ての管は底部から蒸気を受け、復水を底部を通して分配し、非凝縮性ガスを頂部から外へ分配する)、
セル/ファンあたり4つ、5つ(最も好ましい)または6つのV字型の管束の対
管の外径4~10mm(好ましくは5~7mm、最も好ましくは6.0mm)×100~200mm(最も好ましくは125mm)の断面、
管中心間の間隔が20~29mm(最も好ましくは24.5mm)、
管壁の厚さ0.7~0.9mm(最も好ましくは0.8mm)、
管束あたりの管数=40~60(最も好ましくは50)、
管の長さ1,700~2,400mm(最も好ましくは2,044mm)、
隣接する管の間にまたがり両方の管に熱的に接続されているアローヘッドフィン(好ましいが、要件ではない)、
フィン高さ17~19(最も好ましくは18.5mm(有効高さは管の片側あたり9.25mm))、
空気移動長さのフィン95mm~195mm、最も好ましくは120mm。
【0016】
この最も好ましい実施形態によれば、総ファン出力、蒸気量、および熱条件が同一である先行技術のACCに対する管束面の総面積は79%であり、同様に、この最も好ましい実施形態の総床面積は、総ファン出力、蒸気量、および熱条件が同一である先行技術のACCの面積の79%である。
【0017】
さらに、本発明のACC設計は、より容易に設置することができ、発電所内の必要とされる全体のスペースをより小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1A】先行技術の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気復水器の熱交換部分の斜視図である。
図1B】蒸気分配マニホールドに対する管の配向を示す、先行技術の大規模現場組立型空冷式産業用蒸気復水器の熱交換部分を部分的に分解した拡大図である。
図2】本発明の第1の実施形態による、大規模現場組立型空冷式産業用蒸気復水器(「ACC」)の熱交換部分の斜視図である。
図3】本発明の第2の実施形態による、大規模現場組立型空冷式産業用蒸気復水器(「ACC」)の熱交換部分の斜視図である。
図4A】本発明の第3の実施形態による、大規模現場組立型空冷式産業用蒸気復水器(「ACC」)の熱交換部分の斜視図である。
図4B】本発明の第4の実施形態による、大規模現場組立型空冷式産業用蒸気復水器(「ACC」)の熱交換部分の斜視図である。
図5】先行技術のACC管およびフィンの断面の斜視図である。
図6】本発明の一実施形態によるミニ管およびフィンの斜視図である。
図7】本発明の別の実施形態によるミニ管およびフィンの斜視図である。
図8図4Aに示されたV字型の二次的な熱交換管束のみの対の配置を有する、本発明の一実施形態による、大規模現場組立型空冷式産業用蒸気復水器の1つのストリートの側面図である。
図9図8に示される大規模現場組立型空冷式産業用蒸気復水器の端面図である。
図10】それぞれ6つのセルの6つの縦蒸気ヘッダー(6つのストリート)に分割されている1つのタービン排気ダクトを示す、図8に示す大規模現場組立型空冷式産業用蒸気復水器の上面図である。
図11】本発明の一実施形態による二次復水器フィン付き管束の斜視図である。
図12図11に描かれた二次復水器フィン付き管束の斜視写真である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(全てが二次の管束を有するAフレームACC)
【0020】
図2を参照すると、管2は二次管束4に配置されている。管2の長手方向軸は、管束の横断方向軸と平行に整列され、各管は概して垂直から25°~35°、好ましくは30°に配向されている。統合蒸気分配/凝縮回収マニホールド6は、Aフレーム構成でその頂部で結合されている2つの二次管束4の各々の底部に取り付けられている。蒸気は、統合蒸気分配/復水回収マニホールド6を介して管2に分配され、蒸気が凝縮すると管2内に復水を形成し、管2を下降して統合蒸気分配/復水回収マニホールド6に流入する。単一の非凝縮物回収マニホールド8が、管2の頂部に移動する非凝縮性ガスを集めるために、両方の管束6の頂部に取り付けられている。蒸気は、ライザー12を介して蒸気ダクト10から統合蒸気分配/復水回収マニホールド6に供給される。統合蒸気分配/復水回収マニホールド6に集まる凝縮水は、復水回収管14内でACCから運び去られる。
【0021】
図3は、図2の実施形態と非常に類似した実施形態を示しているが、ただし各管束4はその頂部で専用の非凝縮物回収マニホールドに取り付けられている。
【0022】
(全てが二次の管束を有するV字型ACC)
【0023】
図4Aおよび図4Bを参照すると、管2は二次管束4に配置されている。管2の長手方向軸は、管束の横断方向軸と平行に、各管は概して垂直から25°~35°、好ましくは30°に配向されている。2つの二次管束4の底部には、V字構成で55°~65°、好ましくは60°の角度で結合された統合蒸気分配/復水回収マニホールド6が取り付けられている。蒸気は、統合蒸気分配/復水回収マニホールド6を介して管2に分配され、蒸気が凝縮して管2内に復水を形成し、管2を下降して統合蒸気分配/復水集合マニホールド6の中へと入る。非凝縮物回収マニホールド8が両方の管束6の頂部に取り付けられて、管2の頂部に移動する非凝縮性ガスを回収する。蒸気は、ライザー12を介して蒸気ダクト10から統合蒸気分配/復水回収マニホールド6に供給される。統合蒸気分配/復水回収マニホールド6に回収された凝縮水は、復水回収管14内でACCから運び去られる。
【0024】
上述の新規なACC設計は、長さ約11メートル、幅200mm(または「空気移動長さ」)で半円形の先端と後端を有し、且つ内部高さ(空気移動長さに垂直)が18.8mmで管壁の厚さが1.35mmであり、各管の両方の平らな側面にろう付けされたフィンであって、通常、18.5mmの高さで、1インチ(25.4mm)あたりフィンが11枚の間隔であるフィンを有する図5に示された管を含む任意の先行技術の管にも使用されてもよい。しかし、より好ましい実施形態によれば、本発明の新規なACC設計は、以下の特徴および寸法を有する:
一次管束はなく、全てが二次の管束(全ての管は底部から蒸気を受け、復水を底部から分配し、非凝縮性ガスを頂部から外へ分配する)、
セル/ファンあたり4つ、5つ(最も好ましい)または6つのV字型の管束の対、
管の外径4~10mm(好ましくは5~7mm、最も好ましくは6.0mm)×100~200mm(最も好ましくは125mm)の断面、
管中心間隔が20~29mm(最も好ましくは24.5mm)、
管壁の厚さ0.7~0.9mm(最も好ましくは0.8mm)
管束あたりの管数=40~60(最も好ましくは50)
管の長さ1,700~2,400mm(最も好ましくは2,044mm)
隣接する管の間にまたがり両方の管に熱的に接続されているアローヘッドフィン(好ましいが、要件ではない)
フィン高さ18.5mm(有効高さは管の片側あたり9.25mm)、
空気移動長さフィン95mm~195mm、最も好ましくは120mm。
この好ましい実施形態によれば、25~30%の容量増加が、一定のファン出力で単一のセルに対して、標準的な管を用いた先行技術のA字形フレーム設計を上回って提供される。
【0025】
図8図10は、図4Aに示されたV字型の二次熱交換管束の対のみを有する、本発明の実施形態による代表的な大規模現場組立型空冷式産業用蒸気復水器を示す。図8図10に示す装置は、36セル(6ストリート×6セル)のACCであり、セルあたり5つの管束対の最も好ましい実施形態であるが、本発明は、任意のサイズのACCで使用されてもよく、また1セルあたり任意の数の管束対を用いてもよい。
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12