IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェの特許一覧

特許7506218ユーザによって行われる回転式シェーバーの動きに関するフィードバックを与える方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】ユーザによって行われる回転式シェーバーの動きに関するフィードバックを与える方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B26B 19/38 20060101AFI20240618BHJP
   B26B 19/14 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
B26B19/38 Z
B26B19/14 Z
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023060435
(22)【出願日】2023-04-03
(62)【分割の表示】P 2019561237の分割
【原出願日】2018-05-11
(65)【公開番号】P2023089050
(43)【公開日】2023-06-27
【審査請求日】2023-04-03
(31)【優先権主張番号】17170662.5
(32)【優先日】2017-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】デ フリース,シーブラント レーン
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ユエ
【審査官】山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-534806(JP,A)
【文献】国際公開第2017/032547(WO,A1)
【文献】特表2018-525065(JP,A)
【文献】米国特許第08397388(US,B1)
【文献】特表2016-534804(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 19/00 - 19/48
A45D 26/00
A45D 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって行われる回転式シェーバーの動きに関するフィードバックを与える方法であって、前記回転式シェーバーは、複数の切断要素を含むシェービングユニットを含み、当該方法は、
少なくとも1つの時間間隔中に、前記ユーザによって行われる前記回転式シェーバーの前記動きに対して決定された少なくとも1つの運動タイプを受信するステップであって、該運動タイプは、予め規定された運動タイプのセットから選択され、該予め規定された運動タイプのセットには、小さな回転運動と、1つ又は複数の他の予め規定された運動タイプとが含まれる、受信するステップと、
前記時間間隔中に受信した前記少なくとも1つの運動タイプに基づいて、前記時間間隔における前記予め規定された運動タイプのセット内の各運動タイプの発生度合を決定するステップと、
前記予め規定された運動タイプのセット内の各運動タイプの前記決定された発生度合から、どの運動タイプが前記時間間隔において最も高い発生度合を有するかを決定するステップと、
前記発生度合が最も高いと決定された前記運動タイプが、前記他の予め規定された運動タイプのうちの1つであり、且つ動きのない状態の運動タイプではない場合に、前記回転式シェーバーの小さな回転運動の発生度合を高めるようにフィードバックを前記ユーザに与えるステップと、を含
前記小さな回転運動は、前記シェービングユニットの幾何学的中心が湾曲した閉じた経路を辿るときに、前記湾曲した閉じた経路によって囲まれた前記ユーザの皮膚上の各点が、前記回転運動の少なくとも一部の間に、前記シェービングユニットと接触するような、前記シェービングユニットの湾曲した閉じた経路に沿った回転運動に対応する、
方法。
【請求項2】
前記発生度合が最も高いと決定された前記運動タイプが小さな回転運動である場合に、前記回転式シェーバーの小さな回転運動の前記発生度合が許容可能であることを示すフィードバックを前記ユーザに与えるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つ又は複数の他の予め規定された運動タイプは、大きな回転運動、大きなストローク、及び小さなストロークのうちの1つ又は複数を含
前記大きな回転運動は、前記シェービングユニットの幾何学的中心が湾曲した閉じた経路を辿るときに、前記シェービングユニットの前記湾曲した閉じた経路に沿った完全な回転運動の間に、前記湾曲した経路によって囲まれた前記ユーザの皮膚上の少なくとも1つの点が、前記シェービングユニットと全く接触しないような、前記シェービングユニットの前記湾曲した閉じた経路に沿った回転運動に対応し、
前記小さなストロークは、フルストローク動作中に前記シェービングユニットによって常に覆われる前記ユーザの皮膚上の少なくとも1つの点が存在するような、ストローク長を有する線形ストローク動作を伴う前記シェービングユニットの運動であり、
前記大きなストロークは、フルストローク動作中に前記シェービングユニットによって常に覆われる前記ユーザの皮膚上の点が存在しないような、ストローク長を有する線形ストローク動作を伴う前記シェービングユニットの運動である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記予め規定された運動タイプのセットは、動きのない状態の運動タイプを含み、当該方法は、
前記発生度合が最も高いと決定された前記運動タイプが動きのない状態である場合に、前記回転式シェーバーの移動を開始するようにフィードバックを前記ユーザに与えるステップをさらに含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの運動タイプを受信するステップは、前記時間間隔内の複数の時点の各々でそれぞれの運動タイプを受信するステップを含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記時間間隔における前記予め規定された運動タイプのセット内の特定の運動タイプの前記発生度合は、前記特定の運動タイプが前記時間間隔内で発生する頻度である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記時間間隔における前記予め規定された運動タイプのセット内の特定の運動タイプの前記発生度合は、前記時間間隔内の前記特定の運動タイプの持続時間である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記時間間隔における前記予め規定された運動タイプのセット内の特定の運動タイプの前記発生度合は、前記特定の運動タイプが受信される前記複数の時点の時点の数である、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの運動タイプを受信するステップは、前記ユーザによって行われる前記回転式シェーバーの前記動きに対して決定された前記少なくとも1つの運動タイプを前記回転式シェーバーから受信するステップを含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
コンピュータ可読コードを含むコンピュータプログラムであって、前記コンピュータ可読コードは、適切なコンピュータ又はプロセッサによる実行時に、前記コンピュータ又は前記プロセッサに請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法を実行させるように構成される、コンピュータプログラム。
【請求項11】
ユーザによって行われる回転式シェーバーの動きに関するフィードバックを与える装置であって、前記回転式シェーバーは、複数の切断要素を含むシェービングユニットを含み、当該装置は、
フィードバックを前記ユーザに与えるフィードバックユニットと、
処理ユニットと、を有しており、
該処理ユニットは、
少なくとも1つの時間間隔中に、前記ユーザによって行われる前記回転式シェーバーの前記動きに対して決定された少なくとも1つの運動タイプを受信することであって、該運動タイプは、予め規定された運動タイプのセットから選択され、該予め規定された運動タイプのセットには、小さな回転運動と、1つ又は複数の他の予め規定された運動タイプとが含まれる、受信することと、
前記時間間隔中に受信した前記少なくとも1つの運動タイプに基づいて、前記時間間隔における前記予め規定された運動タイプのセット内の各運動タイプの発生度合を決定することと、
前記予め規定された運動タイプのセット内の各運動タイプの前記決定された発生度合から、どの運動タイプが前記時間間隔において最も高い発生度合を有するかを決定することと、
前記発生度合が最も高いと決定された前記運動タイプが、前記他の予め規定された運動タイプのうちの1つであり、且つ動きのない状態の運動タイプではない場合に、前記フィードバックユニットが、前記回転式シェーバーの小さな回転運動の発生度合を高めるようにフィードバックを前記ユーザに与えることと、を行うように構成され、
前記小さな回転運動は、前記シェービングユニットの幾何学的中心が湾曲した閉じた経路を辿るときに、前記湾曲した閉じた経路によって囲まれた前記ユーザの皮膚上の各点が、前記回転運動の少なくとも一部の間に、前記シェービングユニットと接触するような、前記シェービングユニットの湾曲した閉じた経路に沿った回転運動に対応する、
装置。
【請求項12】
前記ユーザによって行われる回転式シェーバーの動きに関するフィードバックを与えるシステムであって、当該システムは、
請求項11に記載の装置と、
回転式シェーバーと、
前記回転式シェーバーの経時的な動きを測定する運動センサと、を含む、
システム。
【請求項13】
前記回転式シェーバーは、
前記運動センサから前記回転式シェーバーの前記経時的な動きの測定値を受信し、
該受信した測定値を処理して、前記少なくとも1つの時間間隔中に、前記ユーザによって行われる前記回転式シェーバーの前記動きの前記少なくとも1つの運動タイプを決定し、且つ
該決定された少なくとも1つの運動タイプを前記装置の前記処理ユニットに提供する、ように構成されるシェーバー処理ユニットをさらに含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記処理ユニットは、
前記運動センサから前記回転式シェーバーの前記経時的な動きの測定値を受信し、且つ
該受信した測定値を処理して、前記少なくとも1つの時間間隔中に、前記ユーザによって行われる前記回転式シェーバーの前記動きの前記少なくとも1つの運動タイプを決定する、ようにさらに構成される、請求項12に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転式シェーバーのユーザによって行われる回転式シェーバーの動きに関するフィードバックを与える方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シェービング性能は、例えば、シェービングの肌への近さや肌への刺激に関して、ユーザによるシェーバーの取り扱いによって大きく影響される。シェービング後に皮膚刺激を多く受ける人々は、シェービングの動き及びシェーバーをユーザの皮膚に当てる圧力をどの様に改善すべきかに関するアドバイス又はガイダンスを受けることで利益を得ることが知られている。これは、急速に回転する1つ又は複数の円形のブレード(刃)を含む切断要素を使用して毛を切断する回転式シェーバーの場合に特に当てはまる。
【0003】
特許文献1は、シェービング手順中にユーザを案内するシステム及び方法を記載しており、この文献において、画像センサがユーザの身体の一部の画像を登録(register)し、画像解析器が画像内のデータに基づいて局所的な毛の成長方向を決定し、コントローラは、決定された局所的な毛の成長方向に応じて毛切断装置を移動させる方向に関する指示を生成し、そしてフィードバックシステムはその指示をユーザに与える。引用文献1は、加速度計を用いてその装置の運動を再構築することができ、ユーザが毛切断装置の操作を変更すべきことを示すことができることも説明している。
【0004】
しかしながら、シェービング性能をさらに改善するために、ユーザによって行われる回転式シェーバーの動きに関して与えられるフィードバックの改善が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2015/067489号
【発明の概要】
【0006】
回転式シェーバーを小さな回転運動で動かすと、特に皮膚刺激を軽減するという点で、シェービング性能が向上することが分かっている。従って、本発明は、回転式シェーバーの動きを評価し、ユーザによって行われる小さな回転運動の発生度合を高めるようにフィードバックをユーザに与えることを提供する。
【0007】
本発明の第1の態様によれば、ユーザによって行われる回転式シェーバーの動きに関するフィードバックを与える方法が提供される。この方法は、少なくとも1つの時間間隔中に、ユーザによって行われる回転式シェーバーの動きに対して決定された少なくとも1つの運動タイプを受信するステップであって、運動タイプは、小さな回転運動を含む予め規定された運動タイプと、1つ又は複数の他の予め規定された運動タイプとのセットから選択される、受信するステップと;時間間隔中に受信した少なくとも1つの運動タイプに基づいて、時間間隔における予め規定された運動タイプのセット内の各運動タイプの発生度合を決定するステップと;予め規定された運動タイプのセット内の各運動タイプの決定された発生度合から、どの運動タイプが時間間隔において最も高い発生度合を有するかを決定するステップと;発生度合が最も高いと決定された運動タイプが、他の予め規定された運動タイプのうちの1つであり、且つ動きのない状態の運動タイプではない場合に、回転式シェーバーの小さな回転運動の発生度合を高めるようにフィードバックをユーザに与えるステップと;を含む。本発明の第1の態様による方法は、フィードバックを迅速且つ確実に与えることができるという利点を提供し、ユーザが回転式シェーバーの動きを最適化して皮膚刺激を最小限に抑えることを可能にする。
【0008】
本発明による方法の一実施形態では、この方法は、発生度合が最も高いと決定された運動タイプが小さな回転運動である場合に、回転式シェーバーの小さな回転運動の発生度合が許容可能であることを示すフィードバックをユーザに与えるステップをさらに含む。
【0009】
本発明による方法のいくつかの実施形態では、1つ又は複数の他の予め規定された運動タイプは、小さな回転運動ではない任意の運動である1つの運動タイプを含む。
【0010】
本発明による方法の好ましい実施形態では、1つ又は複数の他の予め規定された運動タイプは、大きな回転運動、ストローク、大きなストローク、及び小さなストロークのうちの1つ又は複数を含む。
【0011】
本発明による方法の更なる実施形態では、予め規定された運動タイプのセットは、動きのない状態の運動タイプを含み、方法は、発生度合が最も高いと決定された運動タイプが動きのない状態である場合に、回転式シェーバーの移動を開始するようにフィードバックをユーザに与えるステップをさらに含む。
【0012】
本発明による方法の一実施形態では、少なくとも1つの運動タイプを受信するステップは、時間間隔内の複数の時点の各々でそれぞれの運動タイプを受信するステップを含む。この実施形態では、時間間隔における予め規定された運動タイプのセット内の特定の運動タイプの発生度合は、特定の運動タイプが受信される複数の時点のうちのいくつかの時点であり得る。この実施形態では、どの運動タイプが時間間隔において最も高い発生度合を有するかを決定するステップは、運動タイプ毎に、時間間隔においてそれぞれの運動タイプが受信される複数の時点のうちの時点の数をカウントするステップと;時間間隔において、どの運動タイプが最も多くカウントされた時点の数を有するかを決定するステップと;を含むことができる。
【0013】
本発明による方法の更なる実施形態では、時間間隔における予め規定された運動タイプのセット内の特定の運動タイプの発生度合は、特定の運動タイプが時間間隔内で発生する頻度である。この実施形態では、どの運動タイプが時間間隔において最も高い発生度合を有するかを決定するステップは、どの運動タイプが時間間隔において最も高い頻度を有するかを決定するステップを含むことができる。
【0014】
本発明による方法のさらに別の実施形態では、時間間隔における予め規定された運動タイプのセット内の特定の運動タイプの発生度合は、時間間隔内の特定の運動タイプの持続時間である。この実施形態では、どの運動タイプが時間間隔において最も高い発生度合を有するかを決定するステップは、どの運動タイプが時間間隔において最も長い持続時間を有するかを決定するステップを含む。
【0015】
本発明による方法の好ましい実施形態では、少なくとも1つの運動タイプを受信するステップは、ユーザによって行われる回転式シェーバーの動きに対して決定された少なくとも1つの運動タイプを回転式シェーバーから受信するステップを含む。
【0016】
本発明による方法のさらに好ましい実施形態では、小さな回転運動は、中央領域の周りの回転運動に対応し、中央領域のユーザの皮膚上の各点が、回転運動の少なくとも一部の間に回転式シェーバーと接触する。この実施形態では、小さな回転運動は、円形経路に沿った回転運動を含み、円形経路の直径は、円形経路の中心点でのユーザの皮膚上の点が、回転運動の少なくとも一部の間に回転式シェーバーと接触するような直径である。
【0017】
本発明の第2の態様によれば、コンピュータ可読コードが組み込まれたコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品が提供され、コンピュータ可読コードは、適切なコンピュータ又はプロセッサによる実行時に、コンピュータ又はプロセッサに上述した方法のいずれかを実行させるように構成される。
【0018】
本発明の第3の態様によれば、ユーザによって行われる回転式シェーバーの動きに関するフィードバックを与える装置が提供される。この装置は、フィードバックをユーザに与えるフィードバックユニットと、処理ユニットと、を有しており、処理ユニットは、少なくとも1つの時間間隔中に、ユーザによって行われる回転式シェーバーの動きに対して決定された少なくとも1つの運動タイプを受信することであって、運動タイプは、小さな回転運動を含む予め規定された運動タイプと、1つ又は複数の他の予め規定された運動タイプとのセットから選択される、受信することと;時間間隔中に受信した少なくとも1つの運動タイプに基づいて、時間間隔における予め規定された運動タイプのセット内の各運動タイプの発生度合を決定することと;予め規定された運動タイプのセット内の各運動タイプの決定された発生度合から、どの運動タイプが時間間隔において最も高い発生度合を有するかを決定することと;発生度合が最も高いと決定された運動タイプが他の予め規定された運動タイプのうちの1つであり、且つ動きのない状態の運動タイプではない場合に、フィードバックユニットが、回転式シェーバーの小さな回転運動の発生度合を高めるようにフィードバックをユーザに与えることと;を行うように構成される。本発明の第3の態様による装置は、フィードバックを迅速且つ確実に与えることができるという利点を提供し、ユーザが回転式シェーバーの動きを最適化して皮膚刺激を最小限に抑えることを可能にする。
【0019】
本発明による装置のいくつかの実施形態では、処理ユニットは、発生度合が最も高いと決定された運動タイプが小さな回転運動である場合に、回転式シェーバーの小さな回転運動の発生度合が許容可能であることを示すフィードバックをユーザに与えるようにさらに構成される。
【0020】
本発明による装置の好ましい実施形態では、1つ又は複数の他の予め規定された運動タイプは、小さな回転運動ではない任意の運動である1つの運動タイプを含む。
【0021】
本発明による装置のさらに好ましい実施形態では、1つ又は複数の他の予め規定された運動タイプは、大きな回転運動、ストローク、大きなストローク、及び小さなストロークのうちの1つ又は複数を含む。
【0022】
本発明による装置の更なる実施形態では、予め規定された運動タイプのセットは、動きのない状態の運動タイプを含み、処理ユニットは、発生度合が最も高いと決定された運動タイプが動きのない状態である場合に、回転式シェーバーの移動を開始するようにフィードバックをユーザに与えるようにさらに構成される。
【0023】
本発明による装置の好ましい実施形態では、処理ユニットは、時間間隔内の複数の時点の各々でそれぞれの運動タイプを受信するように構成される。この実施形態では、時間間隔における予め規定された運動タイプのセット内の特定の運動タイプの発生度合は、処理ユニットが特定の運動タイプを受信する複数の時点のいくつかの時点であり得る。この実施形態では、処理ユニットは、運動タイプ毎に、時間間隔において処理ユニットがそれぞれの運動タイプを受信する複数の時点の時点の数をカウントすること、及び時間間隔において、どの運動タイプが最も多くカウントされた時点の数を有するかを決定することによって、時間間隔においてどの運動タイプが最も高い発生度合を有するかを決定するように構成され得る。
【0024】
本発明による装置の更なる実施形態において、時間間隔における予め規定された運動タイプのセット内の特定の運動タイプの発生度合は、特定の運動タイプが時間間隔内で発生する頻度である。この実施形態では、処理ユニットは、どの運動タイプが時間間隔において最も高い頻度を有するかを決定することにより、どの運動タイプが時間間隔において最も高い発生度合を有するかを決定するように構成され得る。
【0025】
本発明による装置のさらに別の実施形態では、時間間隔における予め規定された運動タイプのセット内の特定の運動タイプの発生度合は、時間間隔内の特定の運動タイプの持続時間である。この実施形態では、処理ユニットは、どの運動タイプが時間間隔において最も長い持続時間を有するかを決定することにより、どの運動タイプが時間間隔において最も高い発生度合を有するかを決定するように構成され得る。
【0026】
本発明による装置の更なる実施形態では、処理ユニットは、ユーザによって行われる回転式シェーバーの動きに対して決定された少なくとも1つの運動タイプを回転式シェーバーから受信するように構成される。
【0027】
本発明による装置の好ましい実施形態では、小さな回転運動は、中央領域の周りの回転運動に対応し、中央領域のユーザの皮膚上の各点が、回転運動の少なくとも一部の間に回転式シェーバーと接触する。この実施形態では、小さな回転運動は、円形経路に沿った回転運動を含み、円形経路の直径は、円形経路の中心点でのユーザの皮膚上の点が、回転運動の少なくとも一部の間に回転式シェーバーと接触するような直径である。
【0028】
本発明の第4の態様によれば、ユーザによって行われる回転式シェーバーの動きに関するフィードバックを与えるシステムが提供される。このシステムは、上述した装置のいずれかと、回転式シェーバーと、回転式シェーバーの経時的な動きを測定する運動センサと、を含む。
【0029】
本発明によるシステムの好ましい実施形態では、回転式シェーバーは、運動センサから回転式シェーバーの経時的な動きの測定値を受信し;受信した測定値を処理して、少なくとも1つの時間間隔中に、ユーザによって行われる回転式シェーバーの動きの少なくとも1つの運動タイプ決定し;且つ決定された少なくとも1つの運動タイプを装置の処理ユニットに提供する;ように構成されるシェーバー処理ユニットをさらに含む。
【0030】
本発明によるシステムの代替実施形態では、装置の処理ユニットは、運動センサから回転式シェーバーの経時的な動きの測定値を受信し;受信した測定値を処理して、少なくとも1つの時間間隔中に、ユーザによって行われる回転式シェーバーの動きの少なくとも1つの運動タイプを決定する;ようにさらに構成される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本発明のより良い理解のために、且つ本発明がどの様に実施され得るかをより明確に示すために、ここで、単なる例として、添付の図面を参照する。
図1(a)】本発明による方法の一実施形態における小さな回転運動の例示的な規定を示す図である。
図1(b)】本発明による方法の一実施形態における小さな回転運動の例示的な規定を示す図である。
図2】本発明による、ユーザによって行われる回転式シェーバーの動きに関するフィードバックを与える装置のブロック図である。
図3】本発明の一実施形態による装置及び回転式シェーバーを含むシステムのブロック図である。
図4】本発明による方法の一実施形態における小さなストロークの例示的な規定を示す図である。
図5】本発明による、ユーザによって行われる回転式シェーバーの動きに関するフィードバックを与える方法を示すフローチャートである。
図6(a)】本発明による方法において受信した運動タイプから形成され得る例示的なヒストグラムを示す図である。
図6(b)】本発明による方法において受信した運動タイプから形成され得る例示的なヒストグラムを示す図である。
図7図7(a)、図7(b)、図7(c)は、パーソナル電子装置上のアプリケーションによって与えられ得るフィードバックを含むスクリーンショットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
上述したように、本発明は、ユーザによって行われる回転式シェーバーの動きに関するフィードバックを与えるためのものである。回転式シェーバーは、急速に回転する1つ又は複数の円形のブレード(刃)を含む切断要素を使用して毛を切るシェーバーの一種である。好ましくは、本発明者らによって見出されたように、回転式シェーバーは、シェーバーが、例えばユーザの皮膚上の略円形の経路を辿るように、回転運動を用いて皮膚上を動かされる。回転式シェーバーは、典型的に、少なくとも2つの切断要素、好ましくは三角形に配置された3つの切断要素を含むが、異なる数の切断要素及び/又は配置を有する回転式シェーバーが利用可能である。回転式シェーバーを小さな回転運動で動かすと、特に皮膚刺激を軽減するという点で、シェービング性能が向上することが分かっている。小さな回転運動は、例えば円形経路に沿った円運動であり、円形経路の直径は、回転運動の円形経路の中心点に対応するユーザの皮膚上の点が、回転式シェーバーと接触する、すなわち回転運動の少なくとも一部の間に回転式シェーバーで覆われるような直径である。この例示的な規定に従って、大きな回転運動は、円形経路に沿った円運動であり、円形経路の直径は、円形経路によって囲まれた中央領域に少なくとも1つの皮膚点があり、この皮膚点が、回転式シェーバーが円形経路に沿って皮膚上で完全に回転している間に、回転式シェーバーと接触しないような直径である。
【0033】
しかしながら、一般に、「小さな回転運動」という用語は、ユーザの皮膚上の回転式シェーバーの回転運動として理解すべきであり、回転式シェーバーは、一般に、湾曲した閉じた経路によって囲まれた中央領域の周りの湾曲した閉じた経路を辿る。そして、この中央領域におけるユーザの皮膚上の各点は、湾曲した閉じた経路に沿った回転式シェーバーの完全な回転運動の少なくとも一部の間に回転式シェーバーと接触する。経路が円形又は楕円形である実施形態では、中央領域は円形又は楕円形の経路の中心点を含む。しかしながら、この経路は、非円形及び非楕円形であってもよく、その場合に、中央領域は、一般に、湾曲した閉じた経路の幾何学的中心点を含む領域として理解すべきである。
【0034】
これは図1に示されている。図1(a)は、三角形の構成で配置された3つの切断要素202を有するシェービングユニット200を示す。シェービングユニット200の幾何学的中心又は中点は204としてマークされている。距離Aは、シェービングユニット200の直径であり、特にシェービングユニット200に外接する円の直径であることが示されている。典型的なシェービングユニットでは、距離Aは約5cm~6cmであるが、他のサイズを使用することもでき、参考までに、切断要素202の典型的な直径は約2cm~2.5cmであるが、他のサイズを使用することもできる。
【0035】
上述したように、小さな回転運動は、一般に、中央領域の周りの回転運動であり、この中央領域に位置するユーザの皮膚上の各点が、回転運動の少なくとも一部の間に覆われる(すなわち、シェービングユニット200と接触する)ような回転運動である。円運動の例では、これは、回転運動が小さな回転運動となるために、回転運動が従う円形経路の直径を距離A以下にすべきことを意味する。図1(b)は、シェービングユニット200の回転円運動の例を示している。特に、破線円206は、回転運動の円形経路の直径がAに等しい場合に、シェービングユニット200の中心204が通る円形経路を示している。回転運動の中心は点208として示されており、回転運動が直径Aを有する場合に、回転運動の中心点208は、全回転の少なくとも一部の間にシェービングユニット200によって覆われる(すなわち、回転運動の中心点208は、シェービングユニット200が経路206に沿って完全に一回転する間に少なくとも1回覆われる)。A未満の直径を有する回転運動は、完全な回転の少なくとも一部の間に、点208を中心とする中央領域が覆われることになる。しかしながら、回転運動経路がAより大きい直径を有する場合に、少なくとも中心点208の皮膚は、経路206に沿ったシェービングユニット200の完全な回転中に全く覆われない。
【0036】
従って、本発明は、回転式シェーバーの動きを評価し、ユーザによって行われる小さな回転運動の発生度合(degree of occurrence)を高めるようにフィードバックをユーザに与えることを提供する。
【0037】
図2は、本発明の一態様による、ユーザによって行われる回転式シェーバーの動きに関するフィードバックを与える装置2のブロック図を示している。装置2は、処理ユニット4と、フィードバックユニット6とを含む。いくつかの実施形態では、装置2は、スマートフォン、タブレット、携帯情報端末(PDA)、ラップトップ、デスクトップコンピュータ、スマートミラー(smart mirror)等の電子装置の形態である。他の実施形態では、装置2、特に装置2によって提供される本発明による機能は、回転式シェーバーの一部である。
【0038】
処理ユニット4は、一般に、装置2の動作を制御する。簡潔に言えば、処理ユニット4は、時間間隔中にユーザによって行われている1つ又は複数の運動タイプを示す情報を受信し、受信した運動タイプに基づいてユーザに与えるべきフィードバックを決定するものである。いくつかの実施形態では、処理ユニット4は、装置2の別のコンポーネントから運動タイプに関する情報を受信するように構成することができ、従って、処理ユニット4は、運動タイプを示す情報を他のコンポーネントから受信するための1つ又は複数の入力ポート又は他のコンポーネントを含む又は有することができる。他の実施形態では、処理ユニット4は、回転式シェーバーの運動又は動きの測定値等の、処理ユニット4が受信した他の情報から運動タイプに関する情報を決定することができ、従って、処理ユニット4は、回転式シェーバーの動きの測定値を受信するための1つ又は複数の入力ポート又は他のコンポーネントを含む又は有することができる。
【0039】
処理ユニット4は、ユーザに提供すべきフィードバック又はフィードバックのタイプをフィードバックユニット6に信号合図する(signal)ことができ、従って、処理ユニット4は、提供すべきフィードバック又はフィードバックのタイプをフィードバックユニット6に信号合図するための1つ又は複数の出力ポート又は他のコンポーネントを含むことができる。
【0040】
処理ユニット4は、以下で説明する様々な機能を実行するために、ソフトウェア及び/又はハードウェアを用いて多くの方法で実装することができる。処理ユニット4は、ソフトウェア又はコンピュータプログラムコードを使用してプログラムされ、必要な機能を実行し及び/又は処理ユニット4のコンポーネントを制御して、必要な機能を実行し得る1つ又は複数のマイクロプロセッサ又はデジタル信号プロセッサ(DSP)を含むことができる。処理ユニット4は、いくつかの機能を実行する専用ハードウェア(例えば、増幅器、前置増幅器、アナログデジタル変換器(ADC)、及び/又はデジタルアナログ変換器(DAC))と、他の機能を実行するプロセッサ(例えば、1つ又は複数のプログラムされたマイクロプロセッサ、コントローラ、DSP、及び関連する回路)との組み合わせとして実装され得る。本開示の様々な実施形態で使用され得るコンポーネントの例には、従来のマイクロプロセッサ、DSP、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
処理ユニット4は、揮発性又は不揮発性のコンピュータメモリ等(RAM、PROM、EPROM、及びEEPROM等)のメモリユニット(図2には図示せず)を含むか、それに関連付けることができる。メモリユニットは、処理ユニット4内のプロセッサによって実行されて、装置2に本明細書で説明する様々な機能及び方法を実行させることができるプログラムコードを格納するために使用され得る。特定の実施形態では、プログラムコードは、スマートフォンアプリ又はタブレットアプリの形態であり得る。
【0042】
フィードバックユニット6は、ユーザによって行われた回転式シェーバーの動きに関するフィードバックをユーザに与えるためのものである。フィードバックは、視覚的要素、可聴的要素、触覚的(触知的)要素等の1つ又は複数を含む、任意の適切な又は所望の形式にすることができ、フィードバックユニット6は、それらの要素を提供又は出力できる形態にすることができる。視覚的要素は、文字、数字、記号、写真(画像)、ビデオメッセージ等の形式のメッセージを含むことができ、従って、フィードバックユニット6は、スマートフォン、タブレット、スマートミラー、又は他の個人用電子装置等で使用される表示スクリーンを含むか又は表示スクリーンとすることができる。代替的に(又は、追加的に)、視覚的要素は、1つ又は複数の色(例えば、赤、オレンジ、黄、緑等)を有する1つ又は複数のライト(例えば、1つ又は複数の発光ダイオード(LED))を使用して提供することができる。可聴的要素は、トーン又はビープ音、口頭メッセージ等を含むことができ、従って、フィードバックユニット6は、必要な音声を生成するためのスピーカーを含むことができる。触覚的要素は、特定の強度及び/又は持続時間の振動を含むことができ、従って、フィードバックユニット6は、振動を生成することができるコンポーネント、例えば振動モータを含むことができる。与えられるフィードバックは、複数のタイプのフィードバック(例えば、視覚的及び可聴的フィードバック)を含むことができ、従って、フィードバックユニット6は、適切なタイプのフィードバックを与えるように構成されるか又はフィードバックを与えることができることが理解されよう。特定の装置、例えばスマートフォン又はタブレットは、典型的に、上述した異なるタイプのフィードバックを与えることができるコンポーネントを含むことが理解されよう。
【0043】
装置2は、図2に示されるものに追加の構成要素を含んでもよいことが理解されよう。例えば、装置2は、バッテリ等の電源、又は装置2を主電源に接続するためのプラグ等の電力インターフェイス要素を含んでもよい。装置2は、さらに又は代わりに、例えば装置2を起動又は停止し、及び/又は装置2の1つ又は複数の設定又は動作を制御するために、ユーザが装置2と対話できるようにするユーザインターフェイスも含んでもよい。ユーザインターフェイスは、タッチスクリーン、ボタン、スイッチ、キーパッド、キーボード、マウス、スタイラス等の1つ又は複数を含むことができる。
【0044】
システム7の一部としての装置2の特定の実施形態が図3に示されている。この実施形態では、装置2は回転式シェーバーとは別個の装置であり、こうして、図3は、装置2及び回転式シェーバー8を含むシステム7を示している。装置2は、フィードバック装置2とも呼ばれ、上述したような処理ユニット4及びフィードバックユニット6を含み、また、回転式シェーバー8から信号を受信するための送受信機又は受信機ユニット10を含む。送受信機又は受信機ユニット10は、例えば、イーサネット(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、ZigBee(登録商標)、NFC、又は任意の第3、第4、又は第5世代のセルラー通信規格等の、任意の所望の無線又は有線通信規格に従って動作するように構成することができる。
【0045】
回転式シェーバー8は、運動センサ12、シェーバー処理ユニット14、及び送受信機又は送信機ユニット16を含むものとして示されている。送受信機又は送信機ユニット16は、回転式シェーバー8からフィードバックユニット/装置2に信号を送信するためのものである。送受信機又は送信機ユニット16は、フィードバック装置2の送受信機又は受信機ユニット10と通信するために必要に応じて、例えば、イーサネット(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、ZigBee(登録商標)、NFC、又は第3、第4、又は第5世代のセルラー通信規格等の、任意の所望の無線又は有線通信規格に従って動作するように構成することができる。
【0046】
運動センサ12は、ユーザによるシェーバー8の使用中の回転式シェーバー8の運動又は動きを測定するためのものである。運動センサ12は、好ましくは、シェーバー8と一体であるか、さもなければシェーバー8に固定されているので、運動センサ12は、回転式シェーバー8の動きを直接的に測定する。いくつかの実施形態では、運動センサ12は、例えば、3つの直交軸線に沿った加速度を測定する加速度計である。代替的又は追加的に、運動センサ12は、ジャイロスコープ又は磁力計を含むことができる。図3に示される代替実施形態では、回転式シェーバー8の動きは、シェーバー8とは別個であり且つシェーバー8の運動を観察し且つ記録する、カメラ又は他の画像取込み装置の形態の運動センサによって測定することができる。画像を解析して、シェーバー8の経時的な動きを抽出することができる。
【0047】
シェーバー処理ユニット14は、一般に、回転式シェーバー8の動作を制御し、例えば、1つ又は複数の切断要素を起動及び停止して、シェービング又は他の毛切断動作を実施する。シェーバー処理ユニット4は、フィードバック装置2の処理ユニット4と同様に、ソフトウェア及び/又はハードウェアを用いて、多くの方法で実装することができる。
【0048】
シェーバー処理ユニット14は、運動センサ12に接続され、例えばシェーバー処理ユニット14への入力ポートを介して、運動センサ12から回転式シェーバー8の動きの測定値を受信する。いくつかの実施形態では、シェーバー処理ユニット14は、後続の処理のためにフィードバック装置2に送信するために、動きの測定値(例えば、生の加速度データ)を送受信機又は送信機ユニット16に出力することができる。代替実施形態では、シェーバー処理ユニット14は、測定値を処理して、ユーザがその時点で回転式シェーバー8を用いて行っている運動タイプを特定又は決定し、シェーバー処理ユニット14は、後続の処理のためにフィードバック装置2に送信するために、特定した運動タイプを送受信機又は送信機ユニット16に出力する。他の代替実施形態では、シェーバー処理ユニット14は、測定値を処理して、ユーザがその時点で回転式シェーバー8を用いて行っている運動タイプを特定又は決定し、特定した運動タイプを処理して、ユーザに提示すべきフィードバックを決定し、ユーザに提示するようにフィードバック装置2に送信するために、与えるべきフィードバックを示す信号を送受信機又は送信機ユニット16に出力する。
【0049】
図3の好ましい実施態様では、装置2は、本発明による機能を提供するアプリケーションを実行しているスマートフォンであり、シェーバー8及びスマートフォン2はブルートゥース(登録商標)を使用して通信する。
【0050】
本発明の実施形態によれば、フィードバックユニット6は、シェービング行動に関するフィードバックをユーザに与えるために使用される。加速度計又は他の運動センサ12を装備した回転式シェーバー8を使用してシェービングしている間に、シェーバー8の動きが監視され且つ解析される。ユーザが小さな回転運動を用いてシェーバー8を動かすと、例えばシェーバー8はユーザの身体上の略円形又は楕円形の経路を辿り、その動きが正しいことをフィードバックユニット6を介してユーザに通知することができる。しかしながら、ユーザがシェーバー8を用いた小さな回転運動を行うことから逸脱する場合に、その動きを小さな回転運動に変更すべきであることをフィードバックユニット6を介してユーザに通知することができる。
【0051】
シェーバー8の動きの解析は、それぞれの期間又はそれぞれの時点でシェーバー8の運動タイプを決定すること;決定された運動タイプを連続した期間又は時間間隔の連続した時点で組み合わせること;及び組合せに基づいてユーザに与えるべきフィードバックを決定すること;を含むことができる。決定された運動タイプは、予め規定された運動タイプのセットから選択される。予め規定された運動タイプのセットは、小さな回転運動と、大きな回転運動、ストローク(例えば、シェーバー8が直線経路を辿る)、大きなストローク、及び小さなストローク(その例を図4に示す)等の少なくとも1つの他の予め規定された運動タイプとを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの他の予め規定された運動タイプは、非小さな(non-small)回転運動(すなわち、小さな回転運動ではない任意の動き)を単に含む。少なくとも1つの他の予め規定された運動タイプは、シェーバー8がユーザによって動かされていない(又は運動の速度又は大きさが低い、すなわち、予め規定された閾値未満である)「動きのない状態(no motion)」も含むことができる。
【0052】
図4は、本発明の一実施形態における小さなストロークの例示的な規定を示している。小さなストロークとは、例えば、ストロークの長さが、ストローク動作中にシェービングユニットによって常に覆われている、すなわち、シェービングユニットと接触しているユーザの皮膚上の少なくとも1つの点が存在するような長さの運動であり得る。この規定に従うと、大きなストロークとは、ストロークの長さが、ストローク動作中にシェービングユニットによって常に覆われるユーザの皮膚上の点が存在しないような長さの運動である。図4は、この規定に従って小さなストロークと大きなストロークとの間の境界にストローク長さを有する図1(a)に示されるようなシェービングユニット200を示す。切断要素202の直径である距離Bが規定される。図1(a)から、2×Bが図1(a)の距離Aよりも僅かに小さいことが理解されよう。従って、この規定では、小さなストロークは、距離2×B以下の長さの直線経路に沿ったストロークである。破線210は、経路の長さが2×Bである場合に、シェービングユニット200が通る直線経路を示す。こうして、直線経路210の中点にユーザの皮膚上の点212があり、ストローク長さが2×B以下である場合に、この点212は、ストローク動作中に常に覆われていることが分かる。2×Bを超えるストローク長さは、ユーザの皮膚上の経路210の中点が、ストローク動作中に常にシェービングユニット200で覆われるとは限らないことを意味し、この例では2×Bを超えるストローク長は、大きなストロークであるとみなされる。代替実施形態では、例えば、大きなストロークが図1(a)の距離Aを超える長さのストローク動作であり、小さなストロークが距離A以下の長さのストローク動作である場合に、大きなストロークと小さなストロークとの異なる規定を使用できることが理解されよう。
【0053】
ユーザに与えるべきフィードバックの決定は、時間間隔内の各運動タイプの発生度合に基づいて行われる。例えば、時間間隔内の特定の運動タイプの発生度合は、その特定の運動タイプが時間間隔内で発生する頻度であり、最も頻繁に発生した運動タイプを使用して、与えるべきフィードバックのタイプを決定することができる。この実施形態は、各期間が同じ長さである場合に最も適切である。最も頻繁な運動タイプが「小さな回転運動」である場合に、ユーザには、正しい動きを行っていることを示すフィードバックを与えることができる。最も頻繁な運動タイプが「動きなしの状態」である場合に、ユーザには、シェービングを開始すべきであることを示すフィードバックを与えることができる。他の全ての場合に、ユーザには、小さな回転運動でシェーバー8を動かすべきか、さもなければ小さな回転運動の発生を増やすべきであることを示すフィードバックを与えることができる。
【0054】
運動タイプを提供する期間が同じ長さでない場合(例えば、一部の期間が他の期間よりも短いか長い場合)に、発生度合は、時間間隔内の各運動タイプの持続時間になり得る。時間間隔内の特定の運動タイプの持続時間は、特定の運動タイプが発生した期間の持続時間の合計であり得る。この場合に、最も長い持続時間を有する運動タイプによって、ユーザに与えるべきフィードバックが決定される。
【0055】
あるいはまた、運動タイプは、時間間隔内の連続した複数の時点のそれぞれで、好ましくは連続した時点同士の間の規則的な間隔で提供され得る。この代替実施形態では、時間間隔における特定の運動タイプの発生度合は、単に、時間間隔における特定の運動タイプが提供される時点の数であり得る。時間間隔において最も高い発生度合を有する運動タイプは、運動タイプ毎に、時間間隔において各運動タイプが提供される時点の数をカウントすることによって、及びどの運動タイプが時間間隔において最も多くカウントされた時点の数を有するかを決定することによって、決定され得る。
【0056】
このプロセスは、次の時間間隔で繰り返すことができ、又は、スライディング時間ウィンドウ/間隔でフィードバックを継続的に決定することができる。
【0057】
図5は、本発明の一態様による、ユーザによって行われる回転式シェーバー8の動きに関するフィードバックを与える方法を示している。この方法は、処理ユニット4及びフィードバックユニット6によって実行することができる。
【0058】
少なくとも1つの時間間隔中に発生する第1のステップ(ステップ101)では、ユーザによって行われる回転式シェーバー8の動きに対して決定された少なくとも1つの運動タイプが受信される。すなわち、ユーザによって行われた少なくとも1つの運動タイプの指標が受信される。運動タイプは、予め規定された運動タイプのセットから選択される。予め規定された運動タイプのセットは、少なくとも小さな回転運動(例えば、シェーバー8がユーザの身体上の略円形又は楕円形の経路を辿る運動)と、1つ又は複数の他の予め規定された運動タイプとを含む。上述したように、小さな回転運動は、一般に、中央領域の周りの回転運動に対応し、回転運動の中央領域に位置するユーザの皮膚上の各点が、回転運動の少なくとも一部の間にシェービングユニット200によって覆われる、すなわちシェービングユニット200と接触するような回転運動である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの他の予め規定された運動タイプは、非小さな回転運動、すなわち、小さな回転運動ではない任意の運動を含む。他の実施形態では、少なくとも1つの他の予め規定された運動タイプは、大きな回転運動、ストローク(例えば、シェーバー8が直線経路を辿る運動)、大きなストローク、及び小さなストロークのうちの1つ又は複数を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの他の予め規定された運動タイプは、シェーバー8がユーザによって動かされていない(又は回転式シェーバー8の運動の速度又は大きさが低い、すなわち閾値以下である)「動きのない状態」も含むことができる。好ましくは、決定された運動タイプは、時間間隔内の各部分又は期間、或いは時間間隔内の複数の時点のそれぞれで受信される。つまり、受信した運動タイプは、時間間隔全体をカバーする。
【0059】
いくつかの実施形態では、ステップ101は、処理ユニット4がシェーバー8から(例えば、送受信機/送信機ユニット16及び送受信機/受信機ユニット10を介して)少なくとも1つの運動タイプを受信するステップを含む。すなわち、少なくとも1つの運動タイプは、運動センサ12の測定値に基づいてシェーバー処理ユニット14によって決定され、フィードバック装置2に通信され得る。シェーバー8は、運動タイプが決定されると、決定された各運動タイプをフィードバック装置2に通信し得る。すなわち、シェーバー8は、各期間又は時間間隔内の複数の時点のそれぞれで別個の通信動作を行って、決定された運動タイプをフィードバック装置2に通信することができる。他の実施形態では、ステップ101の前に、処理ユニット4は、回転式シェーバー8から回転式シェーバー8の動きの測定値を受信し、それらの測定値から少なくとも1つの運動タイプを決定することができる。これらの実施形態では、処理ユニット4は、回転式シェーバー8から動きの測定値を連続的又は定期的に受信することができ、例えば、動き測定値のセットを期間毎に通信することができる。
【0060】
当業者は、運動センサ12による回転式シェーバー8の動きの測定値から、ユーザによって行われる運動タイプを決定するために使用できる様々な手法を知っているであろう。適切な手法の詳細な説明はここでは提供しない。しかしながら、シェーバー処理ユニット14又はフィードバック装置2の処理ユニット4のいずれかによって使用できる手法の簡単な概要を以下に提供する。
【0061】
次に、ステップ103において、時間間隔における予め規定された運動タイプのセット内の各運動タイプの発生度合は、時間間隔中に受信した少なくとも1つの運動タイプに基づいて決定される。すなわち、発生度合は、受信した運動タイプに基づいて、セット内の可能な運動タイプのそれぞれについて決定される。
【0062】
いくつかの実施形態では、発生度合は、時間間隔内で各運動タイプが発生する頻度(すなわち、回数)である。この実施形態は、(受信した各運動タイプが適用される)各期間が同じ長さを有する場合に最も適切である。代替実施形態では、発生度合は、時間間隔における各運動タイプの持続時間であり得る。各運動タイプの持続時間は、その運動タイプが発生した期間の持続時間の合計又は長さの合計であり得る。この実施形態は、(各運動タイプが受信される)期間が、異なる持続時間又は長さを有する(又は有することができる)(例えば、一部の期間を他の期間よりも短く又は長くすることができる)場合に適切である。決定された運動タイプが時間間隔内の複数の時点のそれぞれで受信される実施形態では、特定の運動タイプの発生度合は、(特定の運動タイプが受信された)時間間隔内にカウントされた時点の数であり得る。
【0063】
こうして、ステップ103は、時間間隔内での小さな回転運動の運動タイプの発生度合、及び時間間隔内での少なくとも1つの非小さな回転運動の運動タイプのそれぞれの発生度合を決定する。
【0064】
ステップ105では、予め規定された運動タイプのセット内の各運動タイプの決定された発生度合から、どの運動タイプが時間間隔において最も高い発生度合を有するかが決定される。こうして、いくつかの実施形態では、ステップ105は、どの運動タイプが最も高い頻度を有するか(すなわち、どの運動タイプが最も多く発生したか)を決定するステップを含み、他の実施形態では、ステップ105は、どの運動タイプが時間間隔において最も長い持続時間を有するかを決定するステップを含む。更なる実施形態では、ステップ105は、どの運動タイプが、(運動タイプが受信される)最も多くカウントされた時点の数を有するかを決定するステップを含むことができる。
【0065】
ステップ103及び105の処理は、受信した運動タイプからヒストグラムを形成するものと考えることができる。図6(a)及び図6(b)には、時間間隔中に受信した運動タイプの例示的な2つのセットに関する例示的な2つのヒストグラムが示されている。図6(a)及び図6(b)では、1秒の持続時間の期間毎に運動タイプが受信され、時間間隔の長さは10秒である。こうして、時間間隔中に10個の運動タイプが受信される。ヒストグラムには、セット内の運動タイプ毎に、つまり、小さな回転運動、大きな回転運動、小さなストローク、大きなストローク、及び動きなしの状態の「ビン(bin)」がある。
【0066】
図6(a)では、受信した運動タイプには、4つの小さな回転運動の発生、1つの大きな回転運動の発生、3つの小さなストロークの発生、2つの大きなストロークの発生が含まれ、且つ動きなしの状態が発生していないことが分かる。ヒストグラムは、各運動タイプの発生回数を単に表し、運動タイプが受信された順序を表さないことが理解されよう。こうして、ステップ103は、図6(a)に示されるヒストグラムを形成するステップを含むことができ、ステップ105は、ヒストグラム内で発生が最も多いビン、この場合には小さな回転運動のビンを特定するステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、ステップ105は、発生に従ってビンを順序付けるステップを含むことができる。
【0067】
図6(b)では、受信した運動タイプには、2つの小さな回転運動の発生、2つの大きな回転運動の発生、3つの小さなストロークの発生、2つの大きなストロークの発生、及び1つの動きなしの状態が含まれていることが分かる。図6(a)と同様に、ヒストグラムは、各運動タイプの発生回数を単に表し、運動タイプが受信された順序を表さないことが理解されよう。こうして、ステップ103は、図6(b)に示されるヒストグラムを形成するステップを含むことができ、ステップ105は、ヒストグラム内で発生が最も多いビン、この場合には小さなストロークのビンを特定するステップを含むことができる。
【0068】
各期間の持続時間が異なる可能性のある実施形態、例えば期間の持続時間が、特定の運動タイプが発生した時間の長さによって決定される場合(例えば、ユーザが4.3秒間大きな回転運動を行う場合に、その運動タイプに関連する期間の持続時間は4.3秒である)、ステップ103のヒストグラムは、各運動タイプの総持続時間を表す発生軸線を用いて形成することができる。こうして、4.3秒の長い期間の大きな回転運動では、ヒストグラムの大きな回転運動のビンに4.3秒間の高さのエントリが生じる。大きな回転運動のその後の期間は、大きな回転運動のビン内のエントリのサイズをさらに増大させる。
【0069】
時間間隔内で最も高い発生度合を有する運動タイプがステップ105で決定されると、ステップ107でフィードバックがユーザに与えられ得る。特に、発生度合が最も高いと決定された運動タイプが他の予め規定された運動タイプのうちの1つで、且つ動きのない状態の運動タイプではない場合(つまり、非小さな回転運動の運動タイプ、又は大きなストロークや小さなストローク等の特定の非回転運動の運動タイプである場合)に、ユーザには、回転式シェーバー8の小さな回転運動の発生を増やすべきことを示すフィードバックが与えられる。フィードバックは、上記で概説したように、例えば、記述されたメッセージ、可聴メッセージ、又はトーンとして、及び/又は触覚/触知形式で等の、任意の適切な形式で与えることができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、発生度合が最も高いと決定された運動タイプが小さな回転運動である場合に、方法は、小さな回転運動の発生が正しいか又は許容可能であること、或いはシェーバーを今動かしているようにシェーバーを動かし続けるべきであることを示すフィードバックをユーザに与えるステップをさらに含むことができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、発生度合が最も高いと決定された運動タイプが動きのない状態である場合に、方法は、回転式シェーバー8の移動を開始すべきであることを示すフィードバックをユーザに与えるステップをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、このフィードバックは、ユーザが、小さな回転運動を用いてシェーバー8を移動させるべきであることを示すことができる。
【0072】
図7の画像は、本発明に従って提供できるフィードバックの3つの例を示している。特に、3つの例は、スマートフォンやタブレット等のスマート装置で実行されるアプリケーションのスクリーンショットである。各スクリーンショットは、フィードバックメッセージ20と他の様々なオプション情報とを示している。図7(a)のスクリーンショットは、発生度合が最も高いと決定された運動タイプが、小さな回転運動ではなく、且つ動きのない状態ではない場合に提供されるフィードバックを示しており、フィードバックメッセージ20は、ユーザが「小さな円を試す」べきであると示している。図7(b)のスクリーンショットは、発生度合が最も高いと決定された運動タイプが小さな回転運動である場合に提供されるフィードバックを示しており、フィードバックメッセージ20は肯定的であり、「完璧です。そのまま続けて!」と示している。図7(c)のスクリーンショットは、発生度合が最も高いと決定された運動タイプが動きのない状態である場合に提供されるフィードバックを示しており、フィードバックメッセージ20は、ユーザが「シェービングを開始する」べきであることを示している。オプションとして、後者の例では、フィードバックメッセージ20は、代替的に又は追加的に、小さな円又は小さな回転運動を使用するようにユーザに助言することができる。図7の例に示されている特定の文言は、それぞれ、小さな回転運動の発生を増やす必要がある、現在の動きが許容可能である又は正しい、或いはユーザシェービングを開始する必要があるという指標を依然として提供しながら、多数の方法で変更することができる。
【0073】
フィードバックメッセージ20に加えて、又はこのメッセージ20の代替として、ディスプレイの色及び/又はアイコン又は記号(例えば、チェックマーク又はクロス)の存在等の1つ又は複数の他の指標を介してフィードバックをユーザに伝えることができる。例えば、画面の色又は画面の一部は、動きが正しいという肯定的なフィードバックをユーザに与えるために緑色に、小さな円運動の発生を増やすためのフィードバックを与えるために赤色にすることができる。
【0074】
図7のスクリーンショットに示される他のオプション情報には、経過したシェービング時間22、シェーバー8のシェービング感度設定24、シェーバー8のバッテリ残量26が含まれる。
【0075】
上述したように、フィードバックは、少なくとも1つの運動タイプが受信される時間間隔に対して決定され、こうして、時間間隔は任意の所望の長さにすることができる。ただし、ユーザへのフィードバックを過剰な頻度(例えば、1秒毎又は数秒毎)で変更する方法を回避しながら、現在のシェービングイベントを改善するための有用なフィードバックをユーザに与えるために、時間間隔は典型的なシェービングイベントに適した長さにすることが好ましい。こうして、時間間隔は6秒程度の長さにすることができるが、3秒、10秒、20秒等の、より短い又はより長い長さも可能である。受信した各運動タイプは、ある期間内の動きを指す。また、期間の長さは、時間間隔の長さ以下である。明らかに、期間の長さによって、各時間間隔で受信される運動タイプの数が決まる。いくつかの実施形態では、より長い及びより短い長さの期間(例えば、0.5秒、1.5秒等)が可能であるが、運動タイプは1秒の期間毎に受信される。
【0076】
上述したように、当業者は、運動センサ12による回転式シェーバー8の動きの測定値から、ユーザによって行われる運動タイプを決定するために使用できる様々な手法を知っているであろう。上でも述べたように、測定値(例えば、加速度測定値)の処理は、特定の実施態様に応じて、シェーバー処理ユニット14又はフィードバック装置2の処理ユニット4によって実行され得る。
【0077】
例示的な一手法では、シェービング運動タイプの検出又は分類アルゴリズムは、1人又は複数の異なるユーザによるいくつかのシェービング「テスト」セッションの解析に基づいて決定することができる。特に、1人又は複数のユーザは、運動センサ12を含む回転式シェーバーを使用してシェービングルーチンを行うことができるが、ユーザ及びシェーバーはカメラ又は別の人物によって観察されるため、運動タイプを予め規定された運動タイプのセット内の異なる運動タイプに視覚的に分類することができる。その後、運動センサの測定値を解析して、様々な運動タイプとの良好な相関を有する測定値のそれぞれの特性・特徴を特定する。当業者は、この特徴解析に使用できる様々な手法を知っているであろう。例えば、オペレーター又はオブザーバーによって運動タイプに手動でタグ付けされた測定値のサンプルセットを使用してトレーニングされたニューラルネットワークを使用することができる。ニューラルネットワークは、タグ付けされたサンプルデータセットをできるだけ近いものに一致させようとする分類器/最適化関数である。これらの特性・特徴が特定されると、検出された測定特徴のセットと分類された運動タイプとの関係を記述する伝達関数を確立することができる。回転式シェーバー8の使用中に、シェーバー処理ユニット14又はフィードバック装置2の処理ユニット4(必要に応じて)は、シェーバー8の動きの新しい測定値を特性・特徴データのセット及び伝達関数と比較し、現在の運動タイプを決定することができる。
【0078】
従って、シェービング性能を改善するためにユーザによって行われる回転式シェーバーの動きに関して与えられるフィードバックの改善を提供する方法及び装置が提供される。
【0079】
開示された実施形態の変形形態は、図面、明細書の開示、及び添付の特許請求の範囲の検討から、特許請求の範囲に記載された発明を実施する際に当業者によって理解され、達成され得る。特許請求の範囲において、「備える、有する、含む(comprising)」という用語は他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「1つの(a, an)」は複数を除外するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲に記載された、いくつかのアイテムの機能を果たし得る。特定の手段が互いに異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組合せを有利に使用できないことを示すものではない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアとともに又は他のハードウェアの一部として提供される光学記憶媒体又はソリッドステート媒体等の適切な媒体に格納又はその媒体で配布することができるが、インターネットや他の有線又は無線の通信システム等を介して他の形式で配布することもできる。請求項中の参照符号は、特許請求の範囲を限定するものとして解釈すべきではない。
【0080】
以下に、出願当初の特許請求の範囲の内容を実施例として記載しておく。
[実施例1]
ユーザによって行われる回転式シェーバーの動きに関するフィードバックを与える方法であって、当該方法は、
少なくとも1つの時間間隔中に、前記ユーザによって行われる前記回転式シェーバーの前記動きに対して決定された少なくとも1つの運動タイプを受信するステップであって、該運動タイプは、小さな回転運動を含む予め規定された運動タイプと、1つ又は複数の他の予め規定された運動タイプとのセットから選択される、受信するステップと、
前記時間間隔中に受信した前記少なくとも1つの運動タイプに基づいて、前記時間間隔における前記予め規定された運動タイプのセット内の各運動タイプの発生度合を決定するステップと、
前記予め規定された運動タイプのセット内の各運動タイプの前記決定された発生度合から、どの運動タイプが前記時間間隔において最も高い発生度合を有するかを決定するステップと、
前記発生度合が最も高いと決定された前記運動タイプが、前記他の予め規定された運動タイプのうちの1つであり、且つ動きのない状態の運動タイプではない場合に、前記回転式シェーバーの小さな回転運動の発生度合を高めるようにフィードバックを前記ユーザに与えるステップと、を含む、
方法。
[実施例2]
前記発生度合が最も高いと決定された前記運動タイプが小さな回転運動である場合に、前記回転式シェーバーの小さな回転運動の前記発生度合が許容可能であることを示すフィードバックを前記ユーザに与えるステップをさらに含む、実施例1に記載の方法。
[実施例3]
前記1つ又は複数の他の予め規定された運動タイプは、大きな回転運動、ストローク、大きなストローク、及び小さなストロークのうちの1つ又は複数を含む、実施例1又は2に記載の方法。
[実施例4]
前記予め規定された運動タイプのセットは、動きのない状態の運動タイプを含み、当該方法は、
前記発生度合が最も高いと決定された前記運動タイプが動きのない状態である場合に、前記回転式シェーバーの移動を開始するようにフィードバックを前記ユーザに与えるステップをさらに含む、実施例1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
[実施例5]
前記少なくとも1つの運動タイプを受信するステップは、前記時間間隔内の複数の時点の各々でそれぞれの運動タイプを受信するステップを含む、実施例1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
[実施例6]
前記時間間隔における前記予め規定された運動タイプのセット内の特定の運動タイプの前記発生度合は、前記特定の運動タイプが前記時間間隔内で発生する頻度である、実施例1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
[実施例7]
前記時間間隔における前記予め規定された運動タイプのセット内の特定の運動タイプの前記発生度合は、前記時間間隔内の前記特定の運動タイプの持続時間である、実施例1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
[実施例8]
前記時間間隔における前記予め規定された運動タイプのセット内の特定の運動タイプの前記発生度合は、前記特定の運動タイプが受信される前記複数の時点の時点の数である、実施例5に記載の方法。
[実施例9]
前記少なくとも1つの運動タイプを受信するステップは、前記ユーザによって行われる前記回転式シェーバーの前記動きに対して決定された前記少なくとも1つの運動タイプを前記回転式シェーバーから受信するステップを含む、実施例1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
[実施例10]
小さい回転運動は、中央領域の周りの回転運動に対応し、前記中央領域の前記ユーザの皮膚上の各点が、前記回転運動の少なくとも一部の間に前記回転式シェーバーと接触する、実施例1乃至9のいずれか一項に記載の方法。
[実施例11]
コンピュータ可読コードを含むコンピュータプログラムであって、前記コンピュータ可読コードは、適切なコンピュータ又はプロセッサによる実行時に、前記コンピュータ又は前記プロセッサに実施例1乃至10のいずれか一項に記載の方法を実行させるように構成される、コンピュータプログラム。
[実施例12]
ユーザによって行われる回転式シェーバーの動きに関するフィードバックを与える装置であって、当該装置は、
フィードバックを前記ユーザに与えるフィードバックユニットと、
処理ユニットと、を有しており、
該処理ユニットは、
少なくとも1つの時間間隔中に、前記ユーザによって行われる前記回転式シェーバーの前記動きに対して決定された少なくとも1つの運動タイプを受信することであって、該運動タイプは、小さな回転運動を含む予め規定された運動タイプと、1つ又は複数の他の予め規定された運動タイプとのセットから選択される、受信することと、
前記時間間隔中に受信した前記少なくとも1つの運動タイプに基づいて、前記時間間隔における前記予め規定された運動タイプのセット内の各運動タイプの発生度合を決定することと、
前記予め規定された運動タイプのセット内の各運動タイプの前記決定された発生度合から、どの運動タイプが前記時間間隔において最も高い発生度合を有するかを決定することと、
前記発生度合が最も高いと決定された前記運動タイプが、前記他の予め規定された運動タイプのうちの1つであり、且つ動きのない状態の運動タイプではない場合に、前記フィードバックユニットが、前記回転式シェーバーの小さな回転運動の発生度合を高めるようにフィードバックを前記ユーザに与えることと、を行うように構成される、
装置。
[実施例13]
前記ユーザによって行われる回転式シェーバーの動きに関するフィードバックを与えるシステムであって、当該システムは、
実施例12に記載の装置と、
回転式シェーバーと、
前記回転式シェーバーの経時的な動きを測定する運動センサと、を含む、
システム。
[実施例14]
前記回転式シェーバーは、
前記運動センサから前記回転式シェーバーの前記経時的な動きの測定値を受信し、
該受信した測定値を処理して、前記少なくとも1つの時間間隔中に、前記ユーザによって行われる前記回転式シェーバーの前記動きの前記少なくとも1つの運動タイプを決定し、且つ
該決定された少なくとも1つの運動タイプを前記装置の前記処理ユニットに提供する、ように構成されるシェーバー処理ユニットをさらに含む、実施例13に記載のシステム。
[実施例15]
前記処理ユニットは、
前記運動センサから前記回転式シェーバーの前記経時的な動きの測定値を受信し、且つ
該受信した測定値を処理して、前記少なくとも1つの時間間隔中に、前記ユーザによって行われる前記回転式シェーバーの前記動きの前記少なくとも1つの運動タイプを決定する、ようにさらに構成される、実施例13に記載のシステム。
図1(a)】
図1(b)】
図2
図3
図4
図5
図6(a)】
図6(b)】
図7