IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】受信装置、及び通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/26 20090101AFI20240618BHJP
   H04W 72/0446 20230101ALI20240618BHJP
   H04W 72/0453 20230101ALI20240618BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20240618BHJP
   H04B 7/15 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
H04W16/26
H04W72/0446
H04W72/0453
H04W16/28
H04B7/15
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023112327
(22)【出願日】2023-07-07
(62)【分割の表示】P 2022150171の分割
【原出願日】2019-01-30
(65)【公開番号】P2023126326
(43)【公開日】2023-09-07
【審査請求日】2023-07-07
(31)【優先権主張番号】P 2018022192
(32)【優先日】2018-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 豊
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-50853(JP,A)
【文献】国際公開第2011/033944(WO,A1)
【文献】AT&T,Wireless backhaul/relay for NR,3GPP TSG-RAN WG1#86 R1-166488,フランス,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_512/Docs/R1-166488.zip> ,2016年08月26日,[検索日 2024.05.28]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
H04B7/15
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信装置からの信号を異なる時間帯で受信する受信装置であって、
第1の通信装置から第1の受信信号を受信するための第1の受信スロットに関する第1受信割当情報と、第2の通信装置から第2の受信信号を受信するための第2の受信スロットに関する第2受信割当情報と、前記第1の通信装置に第1の送信信号を送信するための第1の送信スロットに関する第1送信割当情報と、前記第2の通信装置に第2の送信信号を送信するための第2の送信スロットに関する第2送信割当情報とを含むフレームを生成するフレーム生成部と、
前記フレームを前記第1の通信装置及び前記第2の通信装置に送信する送信部と、
を具備し、
前記第1の受信スロットは、第1の期間中の第1の周波数領域に割り当てられおり、前記第2の受信スロットは、第2の期間中の前記第1の周波数領域に割り当てられており、
前記第1の送信スロットは、第3の期間中の前記第1の周波数領域に割り当てられており、前記第2の送信スロットは、第4の期間中の前記第1の周波数領域に割り当てられており、
第3の通信装置から第3の受信信号を受信する場合は、第3の受信スロットとして前記第1の期間又は前記第2の期間中、前記第1の周波数領域とは異なる第2の周波数領域が割り当てられ、前記第2の通信装置に第3の送信信号を送信するための第3の送信スロットとして前記第3の期間又は前記第4の期間中、前記第2の周波数領域を割り当てる、
受信装置。
【請求項2】
前記第2の送信信号の送信と前記第3の送信信号の送信は、前記第2の通信装置に向けられた単一の送信ビームを用いて行われる、
請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記第3の通信装置は、前記第1の通信装置に接続された中継装置でない第1の機器であり、
前記第1の通信装置を介して、前記第3の通信装置からの前記第3の受信信号を受信し、
前記送信部は、前記第3の受信信号に対応する前記第3の送信信号を、前記第3の送信スロットを用いて、前記第2の通信装置に送信する、
請求項1に記載の受信装置。
【請求項4】
前記第2の通信装置に前記第3の送信信号を送信するための前記第3の送信スロットとして、前記第3の期間又は前記第4の期間中、前記第2の周波数領域とは異なる第3の周波数領域を割り当てることも可能である、
請求項3に記載の受信装置。
【請求項5】
前記第3の送信信号の送信は、前記第1の通信装置に向けられた単一の送信ビームとは異なる送信ビームを用いて行われる、
請求項3に記載の受信装置。
【請求項6】
複数の通信装置からの信号を異なる時間帯で受信する受信装置の通信方法であって、
第1の通信装置から第1の受信信号を受信するための第1の受信スロットに関する第1受信割当情報と、第2の通信装置から第2の受信信号を受信するための第2の受信スロットに関する第2受信割当情報と、前記第1の通信装置に第1の送信信号を送信するための第1の送信スロットに関する第1送信割当情報と、前記第2の通信装置に第2の送信信号を送信するための第2の送信スロットに関する第2送信割当情報とを含むフレームを生成するフレーム生成部と、
前記フレームを前記第1の通信装置及び前記第2の通信装置に送信する送信部と、
を具備し、
前記第1の受信スロットは、第1の期間中の第1の周波数領域に割り当てられおり、前記第2の受信スロットは、第2の期間中の前記第1の周波数領域に割り当てられており、
前記第1の送信スロットは、第3の期間中の前記第1の周波数領域に割り当てられており、前記第2の送信スロットは、第4の期間中の前記第1の周波数領域に割り当てられており、
第3の通信装置から第3の受信信号を受信する場合は、第3の受信スロットとして前記第1の期間又は前記第2の期間中、前記第1の周波数領域とは異なる第2の周波数領域が割り当てられ、前記第2の通信装置に第3の送信信号を送信するための第3の送信スロットとして前記第3の期間又は前記第4の期間中、前記第2の周波数領域を割り当てる、
通信方法。
【請求項7】
前記第2の送信信号の送信と前記第3の送信信号の送信は、前記第2の通信装置に向けられた単一の送信ビームを用いて行われる、
請求項6に記載の通信方法。
【請求項8】
前記第3の通信装置は、前記第1の通信装置に接続された中継装置でない第1の機器であり、
前記第1の通信装置を介して、前記第3の通信装置からの前記第3の受信信号を受信し、
前記第3の受信信号に対応する前記第3の送信信号を、前記第3の送信スロットを用いて、前記第2の通信装置に送信する、
請求項6に記載の通信方法。
【請求項9】
前記第2の通信装置に前記第3の送信信号を送信するための前記第3の送信スロットとして、前記第3の期間又は前記第4の期間中、前記第2の周波数領域とは異なる第3の周波数領域を割り当てることも可能である、
請求項8に記載の通信方法。
【請求項10】
前記第3の送信信号の送信は、前記第1の通信装置に向けられた単一の送信ビームとは異なる送信ビームを用いて行われる、
請求項8に記載の通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信装置、及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数アンテナを用いた通信方法として、例えば、MIMO(Multiple-Input Multiple-Out)と呼ばれる通信方法がある。MIMOに代表されるマルチアンテナ通信では、複数ストリームの送信データを変調し、各変調信号を異なるアンテナから同一周波数(共通の周波数)を用い、同時に送信することで、データの受信品質を高め、および/または、(単位時間当たりの)データの通信速度を高めることができる。
【0003】
また、複数アンテナ通信において、マルチキャスト及び/又はブロードキャスト通信を行う場合、送信装置が、空間の広い方向にわたりほぼ一定のアンテナ利得を有する疑似オムニパターンのアンテナが用いられることがある。例えば、特許文献1では、疑似オムニパターンのアンテナを用いて送信装置が変調信号を送信することが述べられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2011/055536号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の非限定的な実施例は、複数のアンテナを用いる通信方法に関して、さらなる性能改善の提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の通信装置は、第1の通信装置と第2の通信装置との間で送受信される中継信号を中継し、さらに第1の機器と接続する通信装置であって、第1の送信スロットを用いて、前記中継信号を送信し、第2の送信スロットを用いて、前記第1の機器からの信号を、前記第1の送信スロットの送信期間内に、前記第1の送信スロットと異なる周波数領域で送信する。
【0007】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0008】
本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、複数のアンテナを用いる通信方法における性能を改善できる可能性がある。
【0010】
本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】基地局の構成の一例を示す図。
図2】基地局のアンテナ部の構成の一例を示す図。
図3】基地局の構成の一例を示す図。
図4】端末の構成の一例を示す図。
図5】端末のアンテナ部の構成の一例を示す図。
図6】端末の構成の一例を示す図。
図7】基地局と端末の間の通信状態の一例を示す図。
図8】複数ストリームの関係を説明するための図。
図9】フレーム構成の一例を示す図。
図10】フレーム構成の一例を示す図。
図11】シンボル構成の一例を示す図。
図12】基地局と端末の間の通信状態の一例を示す図。
図13】複数の変調信号の関係を示す図。
図14】フレーム構成の一例を示す図。
図15】フレーム構成の一例を示す図。
図16】シンボル構成の一例を示す図。
図17】基地局と端末の間の通信状態の一例を示す図。
図18】基地局と端末の間の通信状態の一例を示す図。
図19】基地局と端末の間の通信状態の一例を示す図。
図20】基地局と端末の間の通信状態の一例を示す図。
図21】複数の変調信号の関係を示す図。
図22】基地局と端末の間の通信状態の一例を示す図。
図23】基地局と端末の通信を行う手順を示す図。
図24】基地局及び端末が送信するシンボルの一例を示す図。
図25】基地局が送信するシンボルの一例を示す図。
図26】基地局と端末の間の通信状態の一例を示す図。
図27】基地局が送信するシンボルの一例を示す図。
図28】基地局と端末の通信を行う手順を示す図。
図29】基地局と端末の間の通信状態の一例を示す図。
図30】基地局と端末の通信を行う手順を示す図。
図31】基地局が送信するシンボルの一例を示す図。
図32】基地局が送信するシンボルの一例を示す図。
図33】基地局と端末の通信を行う手順を示す図。
図34】基地局と端末の通信を行う手順を示す図。
図35】基地局が送信するシンボルの一例を示す図。
図36】基地局と端末の通信を行う手順を示す図。
図37】基地局の構成の一例を示す図。
図38】フレーム構成の一例を示す図。
図39】フレーム構成の一例を示す図。
図40】フレーム構成の一例を示す図。
図41】フレーム構成の一例を示す図。
図42】シンボル領域の端末への割り当ての一例を示す図。
図43】シンボル領域の端末への割り当ての一例を示す図。
図44】基地局の構成の一例を示す図。
図45】中継器を用いたメッシュネットワークの構成の一例を示す図。
図46】中継器同士の接続の一例を示す図。
図47】スロット割り当ての一例を示す図。
図48】スロット割り当ての一例を示す図。
図49】中継器同士の接続の一例を示す図。
図50】スロット割り当ての一例を示す図。
図51】スロット割り当ての一例を示す図。
図52】中継器同士の接続の一例を示す図。
図53】スロット割り当ての一例を示す図。
図54】スロット割り当ての一例を示す図。
図55】スロット割り当ての一例を示す図。
図56】スロット割り当ての一例を示す図。
図57】中継器間で送受信される無線信号の構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における基地局(または、アクセスポイントなど)の構成の一例を示している。
【0013】
図1には、#1情報101-1、#2情報101-2、・・・、#M情報101-Mが示される。つまり、図1には、#i情報101-iが示される。iは1以上M以下の整数とする。なお、Mは2以上の整数とする。なお、必ずしも#1情報から#M情報までのすべてが存在しなくてもよい。
【0014】
信号処理部102は、#1情報101-1、#2情報101-2、・・・、#M情報101-M、および、制御信号159を入力とする。信号処理部102は、制御信号159に含まれる、「誤り訂正符号化の方法(符号化率、符号長(ブロック長))に関する情報」、「変調方式に関する情報」、「プリコーディングに関する情報」、「送信方法(多重化方法)」、「マルチキャスト用の送信を行うか、及び/又は、ユニキャスト用の送信を行うか(マルチキャスト用の送信、ユニキャスト用の送信を同時に実現してもよい)」、「マルチキャストを行うときの送信ストリーム数」、及び/又は、「マルチキャスト用の変調信号を送信する場合の送信方法(この点については、後で詳しく説明する)」などの情報に基づき、信号処理を行い、信号処理後の信号103-1、信号処理後の信号103-2、・・・、及び、信号処理後の信号103-M(つまり、信号処理後の信号103-i)を出力する。なお、必ずしも信号処理後の信号#1から信号処理後の信号#Mまでがすべて存在しなくてもよい。このとき、#i情報101-iに対し、誤り訂正符号化を行い、その後、設定した変調方式によるマッピングを行う。これにより、ベースバンド信号を得る。そして、信号処理部102は、各情報に対応するベースバンド信号を集め、プリコーディングを行う。例えば、信号処理部102は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)を適用してもよい。
【0015】
無線部104-1は、信号処理後の信号103-1、及び制御信号159を入力とし、制御信号159に基づいて、帯域制限、周波数変換、及び増幅などの処理を行い、送信信号105-1を出力する。そして、送信信号105-1は、アンテナ部106-1から電波として出力される。
【0016】
同様に、無線部104-2は、信号処理後の信号103-2、及び制御信号159を入力とし、制御信号159に基づいて、帯域制限、周波数変換、及び増幅などの処理を行い、送信信号105-2を出力する。そして、送信信号105-2は、アンテナ部106-2から電波として出力される。無線部104-3から無線部104-(M-1)までの説明は省略する。
【0017】
無線部104-Mは、信号処理後の信号103-M、及び制御信号159を入力とし、制御信号159に基づいて、帯域制限、周波数変換、及び増幅などの処理を行い、送信信号105-Mを出力する。そして、送信信号105-Mは、アンテナ部106-Mから電波として出力される。
【0018】
各無線部は、信号処理後の信号が存在していない場合は、上記処理を行わなくてもよい。
【0019】
無線部群153は、受信アンテナ群151で受信した受信信号群152を入力とし、周波数変換等の処理を行い、ベースバンド信号群154を出力する。
【0020】
信号処理部155は、ベースバンド信号群154を入力し、復調及び誤り訂正復号を行う。つまり、信号処理部155は、時間同期、周波数同期、及びチャネル推定などの処理も行う。このとき、信号処理部155は、一つ以上の端末が送信した変調信号を受信し、処理を行っているため、各端末が送信したデータと、各端末が送信した制御情報を得る。したがって、信号処理部155は、一つ以上の端末に対応するデータ群156、および、一つ以上の端末に対応する制御情報群157を出力する。
【0021】
設定部158は、制御情報群157、及び設定信号160を入力とし、制御情報群157に基づき、「誤り訂正符号化の方法(符号化率及び符号長(ブロック長))」、「変調方式」、「プリコーディング方法」、「送信方法」、「アンテナの設定」、「マルチキャスト用の送信を行うか、及び/又は、ユニキャスト用の送信を行うか(マルチキャスト及びユニキャストの送信を同時に実現してもよい)」、「マルチキャストを行うときの送信ストリーム数」、及び/又は、「マルチキャスト用の変調信号を送信する場合の送信方法」などを決定し、これらの決定した情報を含んだ制御信号159を出力する。
【0022】
アンテナ部106-1、106-2、・・・、106-Mは、制御信号159を入力としている。このときの動作について、図2を用いて説明する。
【0023】
図2は、アンテナ部106-1、106-2、・・・、106-Mの構成の一例を示している。各アンテナ部は、図2のように複数のアンテナを具備している。なお、図2では、アンテナを4つ描いているが、各アンテナ部は、複数のアンテナを具備していればよい。なお、アンテナの本数は4に限られない。
【0024】
図2は、アンテナ部106-iの構成となる。iは1以上M以下の整数である。
【0025】
分配部202は、送信信号201(図1の送信信号105-iに相当)を入力とし、送信信号201を分配し、信号203-1、203-2、203-3、203-4を出力する。
【0026】
乗算部204-1は、信号203-1、および、制御信号200(図1の制御信号159に相当)を入力とし、制御信号200に含まれる乗算係数の情報に基づき、信号203-1に対し、係数W1を乗算し、乗算後の信号205-1を出力する。係数W1は複素数で定義されるので、W1は実数であってもよい。したがって、信号203-1をv1(t)とすると、乗算後の信号205-1はW1×v1(t)とあらわすことができる(tは時間)。乗算後の信号205-1は、アンテナ206-1から電波として出力される。
【0027】
同様に、乗算部204-2は、信号203-2、および、制御信号200を入力とし、制御信号200に含まれる乗算係数の情報に基づき、信号203-2に対し、係数W2を乗算し、乗算後の信号205-2を出力する。係数W2は複素数で定義されるので、W2は実数であってもできる。したがって、信号203-2をv2(t)とすると、乗算後の信号205-2はW2×v2(t)とあらわすことができる(tは時間)。乗算後の信号205-2は、アンテナ206-2から電波として出力される。
【0028】
乗算部204-3は、信号203-3、および、制御信号200を入力とし、制御信号200に含まれる乗算係数の情報に基づき、信号203-3に対し、係数W3を乗算し、乗算後の信号205-3を出力する。係数W3は複素数で定義されるので、W3は実数であってもよい。したがって、信号203-3をv3(t)とすると、乗算後の信号205-3はW3×v3(t)とあらわすことができる(tは時間)。乗算後の信号205-3は、アンテナ206-3から電波として出力される。
【0029】
乗算部204-4は、信号203-4、および、制御信号200を入力とし、制御信号200に含まれる乗算係数の情報に基づき、信号203-4に対し、係数W4を乗算し、乗算後の信号205-4を出力する。係数W4は複素数で定義されるので、W4は実数であってもよい。したがって、信号203-4をv4(t)とすると、乗算後の信号205-4はW4×v4(t)とあらわすことができる(tは時間)。乗算後の信号205-4は、アンテナ206-4から電波として出力される。
【0030】
なお、W1の絶対値、W2の絶対値、W3の絶対値、及びW4の絶対値のうちの少なくとも2つが、互いに等しくてもよい。
【0031】
図3は、本実施の形態における図1の基地局の構成とは異なる基地局の構成を示している。図3において、図1と同様に動作するものについては、同一番号を付し、以下では説明を省略する。
【0032】
重みづけ合成部301は、変調信号105-1、変調信号105-2、・・・、変調信号105-M、および、制御信号159を入力とする。重みづけ合成部301は、制御信号159に含まれる重みづけ合成に関する情報にもとづき、変調信号105-1、変調信号105-2、・・・、変調信号105-Mに対し、重みづけ合成を行い、重みづけ合成後の信号302-1、302-2、・・・、302-Kを出力する。Kは1以上の整数とする。重みづけ合成後の信号302-1はアンテナ303-1から電波として出力され、重みづけ合成後の信号302-2はアンテナ303-2から電波として出力され、・・・、重みづけ合成後の信号302-Kはアンテナ303-Kから電波として出力される。
【0033】
重みづけ合成後の信号y(t)302-i(iは、1以上K以下の整数)は、以下のようにあらわされる(tは時間)。
【0034】
【数1】
【0035】
式(1)において、Aijは複素数で定義されるので、Aijは実数であってもよい。よって、x(t)は変調信号105-jとなる。jは1以上M以下の整数である。
【0036】
図4は、端末の構成の一例を示している。アンテナ部401-1、401-2、・・・、401-Nは、制御信号410を入力としている。Nは1以上の整数である。
【0037】
無線部403-1は、アンテナ部401-1で受信した受信信号402-1、および、制御信号410を入力とし、制御信号410に基づき、受信信号402-1に対し、周波数変換等の処理を施し、ベースバンド信号404-1を出力する。
【0038】
同様に、無線部403-2は、アンテナ部401-2で受信した受信信号402-2、および、制御信号410を入力とし、制御信号410に基づき、受信信号402-2に対し、周波数変換等の処理を施し、ベースバンド信号404-2を出力する。なお、無線部403-3から無線部403-(N-1)までの説明は省略する。
【0039】
無線部403-Nは、アンテナ部401-Nで受信した受信信号402-N、および、制御信号410を入力とし、制御信号に基づき、受信信号402-Nに対し、周波数変換等の処理を施し、ベースバンド信号404-Nを出力する。
【0040】
ただし、無線部403-1、403-2、・・・、403-Nは、必ずしもすべてが動作するとは限らない。したがって、ベースバンド信号404-1、404-2、・・・、404-Nが、必ずしもすべて存在しているとは限らない。
【0041】
信号処理部405は、ベースバンド信号404-1、404-2、・・・、404-N、および、制御信号410を入力とし、制御信号410に基づいて、復調及び誤り訂正復号の処理を行い、データ406、送信用制御情報407、及び制御情報408を出力する。つまり、信号処理部405は、時間同期、周波数同期、及びチャネル推定などの処理も行う。
【0042】
設定部409は、制御情報408を入力とし、受信方法に関する設定を行い、制御信号410を出力する。
【0043】
信号処理部452は、情報451、及び送信用制御情報407を入力とし、誤り訂正符号化、及び、設定した変調方式によるマッピングなどの処理を行い、ベースバンド信号群453を出力する。
【0044】
無線部群454は、ベースバンド信号群453を入力とし、帯域制限、周波数変換、及び増幅等の処理を行い、送信信号群455を出力する。送信信号群455は、送信アンテナ群456から、電波として出力される。
【0045】
図5は、アンテナ部401-1、401-2、・・・、401-Nの構成の一例を示している。各アンテナ部は、図5に示すように複数のアンテナを具備している。なお、図5では、アンテナを4つ描いているが、各アンテナ部は、複数のアンテナを具備していればよい。なお、アンテナ部のアンテナの本数は4に限られない。
【0046】
図5は、アンテナ部401-iの構成を示す。iは1以上N以下の整数である。
【0047】
乗算部503-1は、アンテナ501-1で受信した受信信号502-1、および、制御信号500(図4の制御信号410に相当)を入力とし、制御信号500に含まれる乗算係数の情報に基づき、受信信号502-1に対し、係数D1を乗算し、乗算後の信号504-1を出力する。係数D1は複素数で定義されるので、D1は実数であってもよい。したがって、受信信号502-1をe1(t)とすると、乗算後の信号504-1はD1×e1(t)とあらわすことができる(tは時間)。
【0048】
同様に、乗算部503-2は、アンテナ501-2で受信した受信信号502-2、および、制御信号500を入力とし、制御信号500に含まれる乗算係数の情報に基づき、受信信号502-2に対し、係数D2を乗算し、乗算後の信号504-2を出力する。係数D2は複素数で定義されるので、D2は実数であってもよい。したがって、受信信号502-2をe2(t)とすると、乗算後の信号504-2はD2×e2(t)とあらわすことができる(tは時間)。
【0049】
乗算部503-3は、アンテナ501-3で受信した受信信号502-3、および、制御信号500を入力とし、制御信号500に含まれる乗算係数の情報に基づき、受信信号502-3に対し、係数D3を乗算し、乗算後の信号504-3を出力する。係数D3は複素数で定義されるので、D3は実数であってもよい。したがって、受信信号502-3をe3(t)とすると、乗算後の信号504-3はD3×e3(t)とあらわすことができる(tは時間)。
【0050】
乗算部503-4は、アンテナ501-4で受信した受信信号502-4、および、制御信号500を入力とし、制御信号500に含まれる乗算係数の情報に基づき、受信信号502-4に対し、係数D4を乗算し、乗算後の信号504-4を出力する。係数D4は複素数で定義されるので、D4は実数であってもよい。したがって、受信信号502-4をe4(t)とすると、乗算後の信号504-4はD4×e4(t)とあらわすことができる(tは時間)。
【0051】
合成部505は、乗算後の信号504-1、504-2、504-3、504-4を入力とし、乗算後の信号504-1、504-2、504-3、504-4を加算し、合成後の信号506(図4の受信信号402-iに相当する)を出力とする。したがって、合成後の信号506は、D1×e1(t)+D2×e2(t)+D3×e3(t)+D4×e4(t)とあらわされる。
【0052】
図6は、本実施の形態における、図4の端末の構成とは異なる端末の構成を示している。図6において、図4と同様に動作するものについては、同一番号を付し、以下では説明を省略する。
【0053】
乗算部603-1は、アンテナ601-1で受信した受信信号602-1、および、制御信号410を入力とし、制御信号410に含まれる乗算係数の情報に基づき、受信信号602-1に対し、係数G1を乗算し、乗算後の信号604-1を出力する。係数G1は複素数で定義されるので、G1は実数であってもよい。したがって、受信信号602-1をc1(t)とすると、乗算後の信号604-1はG1×c1(t)とあらわすことができる(tは時間)。
【0054】
同様に、乗算部603-2は、アンテナ601-2で受信した受信信号602-2、および、制御信号410を入力とし、制御信号410に含まれる乗算係数の情報に基づき、受信信号602-2に対し、係数G2を乗算し、乗算後の信号604-2を出力する。係数G2は複素数で定義されるので、G2は実数であってもよい。したがって、受信信号602-2をc2(t)とすると、乗算後の信号604-2はG2×c2(t)とあらわすことができる(tは時間)。乗算部603-3から乗算部603-(L-1)までの説明は省略する。
【0055】
乗算部603-Lは、アンテナ601-Lで受信した受信信号602-L、および、制御信号410を入力とし、制御信号410に含まれる乗算係数の情報に基づき、受信信号602-Lに対し、係数GLを乗算し、乗算後の信号604-Lを出力する。係数GLは複素数で定義されるので、GLは実数であってもよい。したがって、受信信号602-LをcL(t)とすると、乗算後の信号604-LはGL×cL(t)とあらわすことができる(tは時間)。
【0056】
したがって、乗算部603-iは、アンテナ601-iで受信した受信信号602-i、および、制御信号410を入力とし、制御信号410に含まれる乗算係数の情報に基づき、受信信号602-iに対し、係数Giを乗算し、乗算後の信号604-iを出力する。係数Giは複素数で定義されるので、Giは実数であってもよい。したがって、受信信号602-iをci(t)とすると、乗算後の信号604-iはGi×ci(t)とあらわすことができる(tは時間)。なお、iは1以上L以下の整数とし、Lは2以上の整数である。
【0057】
処理部605は、乗算後の信号604-1、乗算後の信号604-2、・・・、乗算後の信号604-L、および、制御信号410を入力とし、制御信号410に基づき、信号処理を行い、処理後の信号606-1、606-2、・・・、606-Nを出力する。Nは2以上の整数とする。このとき、乗算後の信号604-iをp(t)とあらわす。iは1以上L以下の整数とする。この場合、処理後の信号606-j(r(t))は、以下のようにあらわされる(jは1以上N以下の整数)。
【0058】
【数2】
【0059】
式(2)において、Bjiは複素数で定義されるので、Bjiは実数であってもよい。
【0060】
図7は、基地局と端末の通信状態の一例を示している。なお、基地局は、アクセスポイント、又は放送局などと呼ばれることもある。
【0061】
基地局700は、複数のアンテナを具備し、送信用のアンテナ701から、複数の送信信号を送信する。基地局700は、例えば、図1図3のように構成されており、信号処理部102(および/または、重み付け合成部301)において、プリコーディング(重み付け合成)を行うことで、送信ビームフォーミング(指向性制御)を行う。
【0062】
図7は、ストリーム1のデータを伝送するための送信ビーム702-1、ストリーム1のデータを伝送するための送信ビーム702-2、及び、ストリーム1のデータを伝送するための送信ビーム702-3を示す。また、図7は、ストリーム2のデータを伝送するための送信ビーム703-1、ストリーム2のデータを伝送するための送信ビーム703-2、及び、ストリーム2のデータを伝送するための送信ビーム703-3を示す。
【0063】
なお、図7では、ストリーム1のデータを伝送するための送信ビームの数を3とし、ストリーム2のデータを伝送するための送信ビームの数を3としているが、送信ビームの数はこれに限られない。すなわち、ストリーム1のデータを伝送するための送信ビームが複数であり、かつ、ストリーム2のデータを伝送するための送信ビームが複数であればよい。
【0064】
図7は、端末704-1、704-2、704-3、704-4、704-5を含む。これらの端末は、例えば、図4図5に示す構成であってよい。
【0065】
例えば、端末704-1は、「信号処理部405」、「アンテナ401-1から401-N」、および/または、「乗算部603-1から603-L、および、処理部605」により、受信時の指向性制御を行い、受信指向性705-1、および、受信指向性706-1を形成する。端末704-1は、受信指向性705-1により、ストリーム1のデータを伝送するための送信ビーム702-1の受信及び復調が可能となり、受信指向性706-1により、ストリーム2のデータを伝送するための送信ビーム703-1の受信及び復調が可能となる。
【0066】
同様に、端末704-2は、「信号処理部405」、「アンテナ401-1から401-N」、および/または、「乗算部603-1から603-L、および、処理部605」により、受信時の指向性制御を行い、受信指向性705-2、および、受信指向性706-2を形成する。端末704-2は、受信指向性705-2により、ストリーム1のデータを伝送するための送信ビーム702-1の受信及び復調が可能となり、受信指向性706-2により、ストリーム2のデータを伝送するための送信ビーム703-1の受信及び復調が可能となる。
【0067】
端末704-3は、「信号処理部405」、および/または、「アンテナ401-1から401-N」、および/または、「乗算部603-1から603-L、および、処理部605」により、受信時の指向性制御を行い、受信指向性705-3、および、受信指向性706-3を形成する。端末704-3は、受信指向性705-3により、ストリーム1のデータを伝送するための送信ビーム702-2の受信及び復調が可能となり、受信指向性706-3により、ストリーム2のデータを伝送するための送信ビーム703-2の受信及び復調が可能となる。
【0068】
端末704-4は、「信号処理部405」、および/または、「アンテナ401-1から401-N」、および/または、「乗算部603-1から603-L、および、処理部605」により、受信時の指向性制御を行い、受信指向性705-4、および、受信指向性706-4を形成する。端末704-4は、受信指向性705-4により、ストリーム1のデータを伝送するための送信ビーム702-3の受信及び復調が可能となり、受信指向性706-4により、ストリーム2のデータを伝送するための送信ビーム703-2の受信及び復調が可能となる。
【0069】
端末704-5は、「信号処理部405」、および/または、「アンテナ401-1から401-N」、および/または、「乗算部603-1から603-L、および、処理部605」により、受信時の指向性制御を行い、受信指向性705-5、および、受信指向性706-5を形成する。端末704-5は、受信指向性705-5により、ストリーム1のデータを伝送するための送信ビーム702-3の受信及び復調が可能となり、受信指向性706-5により、ストリーム2のデータを伝送するための送信ビーム703-3の受信及び復調が可能となる。
【0070】
図7では、端末は、ストリーム1のデータを伝送するための送信ビーム702-1、702-2、702-3のうち、空間的な位置により、少なくとも一つの送信ビームを選択し、受信の指向性を向けることで、ストリーム1のデータを高い品質で得ることができる。また、端末は、ストリーム2のデータを伝送するための送信ビーム703-1、703-2、703-3のうち、空間的な位置により、少なくとも一つの送信ビームを選択し、受信の指向性を向けることで、ストリーム2のデータを高い品質で得ることができる。
【0071】
基地局700は、ストリーム1のデータを伝送するための送信ビーム702-1とストリーム2のデータを伝送するための送信ビーム703-1とを、同一周波数(同一周波数帯)及び同一時間を用いて、送信する。基地局700は、ストリーム1のデータを伝送するための送信ビーム702-2とストリーム2のデータを伝送するための送信ビーム703-2とを、同一周波数(同一周波数帯)及び同一時間を用いて、送信する。基地局700は、ストリーム1のデータを伝送するための送信ビーム702-3とストリーム2のデータを伝送するための送信ビーム703-3とを、同一周波数(同一周波数帯)及び同一時間を用いて、送信する。
【0072】
なお、ストリーム1のデータを伝送するための送信ビーム702-1、702-2、702-3は、同一周波数(同一周波数帯)のビームであってもよいし、互いに異なる周波数(異なる周波数帯)のビームであってもよい。ストリーム2のデータを伝送するための送信ビーム703-1、703-2、703-3は、同一周波数(同一周波数帯)のビームであってもよいし、互いに異なる周波数(異なる周波数帯)のビームであってもよい。
【0073】
上述の場合における、図1図3に示す基地局の設定部158の動作について、説明する。
【0074】
設定部158は、設定信号160を入力としている。設定信号160は、「マルチキャスト用の送信を行うか、及び/又は、ユニキャスト用の送信を行うか」を示す情報を含んでいる。図7のような送信を基地局が行う場合、設定信号160により、「マルチキャスト用の送信を行う」という情報が、設定部158に入力される。
【0075】
設定信号160は、「マルチキャストを行うときの送信ストリーム数」を示す情報を含んでいる。図7のような送信を基地局が行う場合、設定信号160により、「送信ストリーム数は2」という情報が、設定部158に入力される。
【0076】
設定信号160は、「各ストリームをいくつの送信ビームで送信するか」を示す情報を含んでもよい。図7のような送信を基地局が行う場合、設定信号160により、「ストリーム1を送信する送信ビーム数は3、ストリーム2を送信する送信ビーム数は3」という情報が、設定部158に入力される。
【0077】
図1図3の基地局は、データシンボルが「マルチキャスト用の送信であるか、及び/又は、ユニキャスト用の送信であるか」を示す情報、「マルチキャストを行うときの送信ストリーム数」を示す情報、及び/又は、「各ストリームをいくつの送信ビームで送信するか」を示す情報等を含んだ制御情報シンボルを送信してもよい。これにより、端末は、適切な受信が可能となる。制御情報シンボルの構成の詳細については、後述する。
【0078】
図8は、図1図3の#i情報101-iと、図7を用いて説明した「ストリーム1」及び「ストリーム2」との関係を説明するための図面である。
【0079】
例えば、#1情報101-1に対して、誤り訂正符号化などの処理を施し、誤り訂正符号化後のデータを得る。この誤り訂正符号化後のデータを「#1送信データ」と名付ける。そして、#1送信データに対してマッピングを行い、データシンボルを得る。そして、このデータシンボルを、ストリーム1用とストリーム2用とに振り分け、ストリーム1のデータシンボル(データシンボル群)と、ストリーム2のデータシンボル(データシンボル群)とを得る。ストリーム1のシンボル群は、ストリーム1のデータシンボル(データシンボル群)を含み、ストリーム1のシンボル群は、図1図3の基地局から送信される。また、ストリーム2のシンボル群は、ストリーム2のデータシンボル(データシンボル群)を含み、ストリーム2のシンボル群は、図1図3の基地局から送信される。
【0080】
図9は、横軸を時間としたときのフレーム構成の一例を示している。
【0081】
図9のストリーム1の#1シンボル群901-1は、図7におけるストリーム1のデータを伝送するための送信ビーム702-1のシンボル群である。
【0082】
図9のストリーム1の#2シンボル群901-2は、図7におけるストリーム1のデータを伝送するための送信ビーム702-2のシンボル群である。
【0083】
図9のストリーム1の#3シンボル群901-3は、図7におけるストリーム1のデータを伝送するための送信ビーム702-3のシンボル群である。
【0084】
図9のストリーム2の#1シンボル群902-1は、図7におけるストリーム2のデータを伝送するための送信ビーム703-1のシンボル群である。
【0085】
図9のストリーム2の#2シンボル群902-2は、図7におけるストリーム2のデータを伝送するための送信ビーム703-2のシンボル群である。
【0086】
図9のストリーム2の#3シンボル群902-3は、図7におけるストリーム2のデータを伝送するための送信ビーム703-3のシンボル群である。
【0087】
ストリーム1の#1シンボル群901-1、ストリーム1の#2シンボル群901-2、ストリーム1の#3シンボル群901-3、ストリーム2の#1シンボル群902-1、ストリーム2の#2シンボル群902-2、及び、ストリーム2の#3シンボル群902-3は、例えば、時間区間1に存在している。
【0088】
上述のように、ストリーム1の#1シンボル群901-1とストリーム2の#2シンボル群902-1とは、同一周波数(同一周波数帯)を用いて送信されている。ストリーム1の#2シンボル群901-2とストリーム2の#2シンボル群902-2とは、同一周波数(同一周波数帯)を用いて送信されている。ストリーム1の#3シンボル群901-3とストリーム2の#3シンボル群902-3とは、同一周波数(同一周波数帯)を用いて送信されている。
【0089】
例えば、図8の手順で、情報から「ストリーム1のデータシンボル群A」および「ストリーム2のデータシンボル群A」を生成する。そして、「ストリーム1のデータシンボル群A」を構成するシンボルと同じシンボルで構成されたシンボル群「ストリーム1のデータシンボル群A-1」を用意する。「ストリーム1のデータシンボル群A」を構成するシンボルと同じシンボルで構成されたシンボル群「ストリーム1のデータシンボル群A-2」を用意する。「ストリーム1のデータシンボル群A」を構成するシンボルと同じシンボルで構成されたシンボル群「ストリーム1のデータシンボル群A-3」を用意する。
【0090】
つまり、「ストリーム1のデータシンボル群A-1」を構成するシンボルと、「ストリーム1のデータシンボル群A-2」を構成するシンボルと、「ストリーム1のデータシンボル群A-3」を構成するシンボルとは同じである。
【0091】
この場合、図9のストリーム1の#1シンボル群901-1は、「ストリーム1のデータシンボル群A-1」を含んでいる。図9のストリーム1の#2シンボル群901-2は、「ストリーム1のデータシンボル群A-2」を含んでいる。図9のストリーム1の#3シンボル群901-3は、「ストリーム1のデータシンボル群A-3」を含んでいる。つまり、ストリーム1の#1シンボル群901-1、ストリーム1の#2シンボル群901-2、及び、ストリーム1の#3シンボル群901-3は、同一のデータシンボル群を含んでいる。
【0092】
また、「ストリーム2のデータシンボル群A」を構成するシンボルと同じシンボルで構成されたシンボル群「ストリーム2のデータシンボル群A-1」を用意する。「ストリーム2のデータシンボル群A」を構成するシンボル群と同じシンボルで構成されたシンボル群「ストリーム2のデータシンボル群A-2」を用意する。「ストリーム2のデータシンボル群A」を構成するシンボル群と同じシンボルで構成されたシンボル群「ストリーム2のデータシンボル群A-3」を用意する。
【0093】
つまり、「ストリーム2のデータシンボル群A-1」を構成するシンボルと、「ストリーム2のデータシンボル群A-2」を構成するシンボルと、「ストリーム2のデータシンボル群A-3」を構成するシンボルとは同じである。
【0094】
この場合、図9のストリーム2の#1シンボル群902-1は、「ストリーム2のデータシンボル群A-1」を含んでおり、図9のストリーム2の#2シンボル群902-2は、「ストリーム2のデータシンボル群A-2」を含んでおり、図9のストリーム2の#3シンボル群902-3は、「ストリーム2のデータシンボル群A-3」を含んでいる。つまり、ストリーム2の#1シンボル群902-1、ストリーム2の#2シンボル群902-2、及び、ストリーム2の#3シンボル群902-3は、同一のデータシンボル群を含んでいる。
【0095】
図10は、図9で説明した「ストリームXのシンボル群#Y」(X=1,2;Y=1,2,3)のフレーム構成の一例を示している。図10において、横軸は時間方向を示し、制御情報シンボル1001、及び、ストリームのデータシンボル群1002が、時間方向に配置されている。この場合、ストリームのデータシンボル群1002は、図9を用いて説明した「ストリーム1のデータシンボル群A」または「ストリーム2のデータシンボル群A」を伝送するためのシンボルである。
【0096】
なお、図10のフレーム構成において、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式などのマルチキャリア方式を用いてもよく、この場合、周波数軸方向にシンボルが存在していてもよい。また、各シンボルには、受信装置が時間及び周波数同期を行うためのリファレンスシンボル、受信装置が信号を検出するためのリファレンスシンボル、及び/又は、受信装置がチャネル推定を行うためのリファレンスシンボルなどが含まれていてもよい。フレーム構成は図10に限られず、制御情報シンボル1001、及び、ストリームのデータシンボル群1002は、どのように配置されてもよい。なお、リファレンスシンボルは、プリアンブル、又は、パイロットシンボルと呼ばれてもよい。
【0097】
次に、制御情報シンボル1001の構成について説明する。
【0098】
図11は、図10の制御情報シンボルとして送信するシンボルの構成の一例を示している。図11において、横軸は時間である。図11において、端末は、「端末が受信指向性制御を行うためのトレーニングシンボル」1101を受信することで、「信号処理部405」、「アンテナ401-1から401-N」、および/または、「乗算部603-1から603-L、および、処理部605」で実施する、受信時の指向性制御のための信号処理方法を決定する。
【0099】
端末は、「マルチキャストを行っているときの送信ストリーム数を通知するためのシンボル」1102を受信することで、得るストリーム数を知ることができる。
【0100】
端末は、「ストリームのデータシンボルがどのストリームのデータシンボルであるかを通知するためのシンボル」1103を受信することで、基地局が送信しているストリームのうち、どのストリームを受信できているか、を知ることができる。
【0101】
上記についての例を説明する。
【0102】
図7のように、基地局がストリームの送信ビームを送信している場合について説明する。そして、図9のストリーム1の#1シンボル群901-1における制御情報シンボルの具体的な情報について説明する。
【0103】
図7の場合、基地局は「ストリーム1」および「ストリーム2」を送信しているため、「マルチキャストを行っているときの送信ストリーム数を通知するためのシンボル」1102の情報は「2」となる。
【0104】
また、図9のストリーム1の#1シンボル群901-1は、ストリーム1のデータシンボルを送信しているため、「ストリームのデータシンボルがどのストリームのデータシンボルであるかを通知するためのシンボル」1103の情報は「ストリーム1」となる。
【0105】
例えば、端末が、図9のストリーム1の#1シンボル群901-1を受信した場合について説明する。このとき、端末は、「マルチキャストを行っているときの送信ストリーム数を通知するためのシンボル」1102から「送信ストリーム数が2」を、「ストリームのデータシンボル群がどのストリームのデータシンボルであるかを通知するためのシンボル」1103から「ストリーム1のデータシンボル」を得たことを認識する。
【0106】
そして、端末は、「送信ストリーム数が2」であり、得ているデータシンボルが「ストリーム1のデータシンボル」であると認識するため、「ストリーム2のデータシンボル」が得る対象であると認識する。よって、端末は、ストリーム2のシンボル群を探す作業を開始することができる。例えば、端末は、図9のストリーム2の#1シンボル群902-1、ストリーム2の#2シンボル群902-2、又は、ストリーム2の#3シンボル群902-3のうちのいずれかの送信ビームを、探す。
【0107】
そして、端末は、ストリーム2の#1シンボル群902-1、ストリーム2の#2シンボル群902-2、又は、ストリーム2の#3シンボル群902-3のうちのいずれかの送信ビームを得ることで、ストリーム1のデータシンボルとストリーム2のデータシンボルとの両者のデータシンボルを得る。
【0108】
このように制御情報シンボルを構成することにより、本実施の形態の効果として、端末は、的確にデータシンボルを得ることができる。
【0109】
以上のように、マルチキャストデータ伝送及びブロードキャストデータ伝送において、基地局は、データシンボルを複数の送信ビームを用いて送信し、端末は、複数の送信ビームから、品質のよいビームを選択的に受信する。基地局が送信する変調信号には、送信指向性制御、及び受信指向性制御が行われているため、本実施の形態の効果として、高いデータの受信品質が得られるエリアを広くすることができる。
【0110】
なお、上述の説明では、端末が受信指向性制御を行っているが、端末が受信指向性制御を行わなくても、上述の効果を得ることができる。
【0111】
また、図10の「ストリームのデータシンボル群」1002の変調方式は、どのような変調方式であってもよい。また、「ストリームのデータシンボル群」1002の変調方式のマッピング方法は、シンボルごとに切り替わってもよい。つまり、マッピング後に同相I-直交Q平面上において、コンスタレーションの位相が、シンボルごとに切り替わってもよい。
【0112】
図12は、基地局と端末の通信状態の図7とは異なる例である。なお、図12において、図7と同様に動作するものについては同一番号を付している。
【0113】
基地局700は、複数のアンテナを具備し、送信用のアンテナ701から、複数の送信信号を送信する。基地局700は、例えば、図1図3のように構成されており、信号処理部102(および/または、重み付け合成部301)において、プリコーディング(重み付け合成)を行うことで、送信ビームフォーミング(指向性制御)を行う。
【0114】
図12は、「変調信号1」を伝送するための送信ビーム1202-1、「変調信号1」を伝送するための送信ビーム1202-2、及び、「変調信号1」を伝送するための送信ビーム1202-3を示す。また、図12は、「変調信号2」を伝送するための送信ビーム1203-1、「変調信号2」を伝送するための送信ビーム1203-2、及び、「変調信号2」を伝送するための送信ビーム1203-3を示す。
【0115】
図12では、「変調信号1」を伝送するための送信ビームの数を3とし、「変調信号2」を伝送するための送信ビームの数を3としているが、送信ビームの数はこれに限れない。すなわち、「変調信号1」を伝送するための送信ビームが複数であり、「変調信号2」を伝送するための送信ビームが複数であればよい。なお、「変調信号1」、「変調信号2」については、後に詳しく説明する。
【0116】
図12は、端末704-1、704-2、704-3、704-4、704-5を含む。これらの端末は、例えば、図4図5に示す構成であってよい。
【0117】
例えば、端末704-1は、「信号処理部405」、「アンテナ401-1から401-N」、および/または、「乗算部603-1から603-L、および、処理部605」により、受信時の指向性制御を行い、受信指向性705-1、および、受信指向性706-1を形成する。端末704-1は、受信指向性705-1により、「変調信号1」を伝送するための送信ビーム1202-1の受信及び復調が可能となり、受信指向性706-1により、「変調信号2」を伝送するための送信ビーム1203-1の受信及び復調が可能となる。
【0118】
同様に、端末704-2は、「信号処理部405」、「アンテナ401-1から401-N」、および/または、「乗算部603-1から603-L、および、処理部605」により、受信時の指向性制御を行い、受信指向性705-2、および、受信指向性706-2を形成する。端末704-2は、受信指向性705-2により、「変調信号1」を伝送するための送信ビーム1202-1の受信及び復調が可能となり、受信指向性706-2により、「変調信号2」を伝送するための送信ビーム1203-1の受信及び復調が可能となる。
【0119】
端末704-3は、「信号処理部405」、「アンテナ401-1から401-N」、および/または、「乗算部603-1から603-L、および、処理部605」により、受信時の指向性制御を行い、受信指向性705-3、および、受信指向性706-3を形成する。端末704-3は、受信指向性705-3により、「変調信号1」を伝送するための送信ビーム1202-2の受信及び復調が可能となり、受信指向性706-3により、「変調信号2」を伝送するための送信ビーム1203-2の受信及び復調が可能となる。
【0120】
端末704-4は、「信号処理部405」、「アンテナ401-1から401-N」、および/または、「乗算部603-1から603-L、および、処理部605」により、受信時の指向性制御を行い、受信指向性705-4、および、受信指向性706-4を形成する。端末704-4は、受信指向性705-4により、「変調信号1」を伝送するための送信ビーム1202-3の受信及び復調が可能となり、受信指向性706-4により、「変調信号2」を伝送するための送信ビーム1203-2の受信及び復調が可能となる。
【0121】
端末704-5は、「信号処理部405」、「アンテナ401-1から401-N」、および/または、「乗算部603-1から603-L、および、処理部605」により、受信時の指向性制御を行い、受信指向性705-5、および、受信指向性706-5を形成する。端末704-5は、受信指向性705-5により、「変調信号1」を伝送するための送信ビーム1202-3の受信及び復調が可能となり、受信指向性706-5により、「変調信号2」を伝送するための送信ビーム1203-3の受信及び復調が可能となる。
【0122】
図12では、端末が、「変調信号1」を伝送するための送信ビーム1202-1、1202-2、1202-3のうち、空間的な位置により、少なくとも一つの送信ビームを選択し、受信の指向性を向けることで、「変調信号1」を高い品質で得ることができる。また、端末が、「変調信号2」を伝送するための送信ビーム1203-1、1203-2、1203-3のうち、空間的な位置により、少なくとも一つの送信ビームを選択し、受信の指向性を向けることで、「変調信号2」を高い品質で得ることができる。
【0123】
基地局700は、「変調信号1」を伝送するための送信ビーム1202-1と「変調信号2」を伝送するための送信ビーム1203-1とを、同一周波数(同一周波数帯)及び同一時間を用いて、送信する。基地局700は、「変調信号1」を伝送するための送信ビーム1202-2と「変調信号2」を伝送するための送信ビーム1203-2とを、同一周波数(同一周波数帯)及び同一時間を用いて、送信する。基地局700は、「変調信号1」を伝送するための送信ビーム1202-3と「変調信号2」を伝送するための送信ビーム1203-3とを、同一周波数(同一周波数帯)及び同一時刻を用いて、送信する。
【0124】
「変調信号1」を伝送するための送信ビーム1202-1、1202-2、1202-3は、同一周波数(同一周波数帯)のビームであってもよいし、互いに異なる周波数(異なる周波数帯)のビームであってもよい。「変調信号2」を伝送するための送信ビーム1203-1、1203-2、1203-3は、同一周波数(同一周波数帯)のビームであってもよいし、互いに異なる周波数(異なる周波数帯)のビームであってもよい。
【0125】
上述の場合における、図1図3に示す基地局の設定部158の動作について、説明する。
【0126】
設定部158は、設定信号160を入力としている。設定信号160は、「マルチキャスト用の送信を行うか、及び/又は、ユニキャスト用の送信を行うか」を示す情報を含んでいる。図12のような送信を基地局が行う場合、設定信号160により、「マルチキャスト用の送信を行う」という情報が、設定部158に入力される。
【0127】
設定信号160は、「マルチキャストを行うときの送信変調信号数」を示す情報を含んでいる。図12のような送信を基地局が行う場合、設定信号160により、「送信変調信号数は2」という情報が、設定部158に入力される。
【0128】
設定信号160は、「各変調信号をいくつの送信ビームで送信するか」を示す情報を含んでもよい。図12のような送信を基地局が行う場合、設定信号160により、「変調信号1を送信する送信ビーム数は3、変調信号2を送信する送信ビーム数は3」という情報が、設定部158に入力される。
【0129】
図1図3の基地局は、データシンボルが「マルチキャスト用の送信であるか、及び/又は、ユニキャスト用の送信であるか」を示す情報、「マルチキャストを行うときの送信変調信号数」の情報、及び/又は、「各変調信号をいくつの送信ビームで送信するか」を示す情報等を含んだ制御情報シンボルを送信してもよい。これにより、端末は、適切な受信が可能となる。制御情報シンボルの構成の詳細については、後述する。
【0130】
図13は、図1図3の#i情報101-iと、図12を用いて説明した「変調信号1」及び「変調信号2」との関係を説明するための図面である。
【0131】
例えば、#1情報101-1に対して、誤り訂正符号化などの処理を施し、誤り訂正符号化後のデータを得る。この誤り訂正符号化後のデータを「#1送信データ」と名付ける。そして、#1送信データに対してマッピングを行い、データシンボルを得る。そして、このデータシンボルを、ストリーム1用とストリーム2用とに振り分け、ストリーム1のデータシンボル(データシンボル群)と、ストリーム2のデータシンボル(データシンボル群)とを得る。シンボル番号iにおけるストリーム1のデータシンボルをs1(i)、ストリーム2のデータシンボルをs2(i)とする。この場合、シンボル番号iにおける「変調信号1」tx1(i)は、例えば、以下のようにあらわされる。
【0132】
【数3】
【0133】
そして、シンボル番号iにおける「変調信号2」tx2(i)は、例えば、以下のようにあらわされる。
【0134】
【数4】
【0135】
なお、式(3)、式(4)において、α(i)は、複素数で定義されるため、実数であってもよい。β(i)は、複素数で定義されるため、実数であってもよい。γ(i)は、複素数で定義されるため、実数であってもよい。δ(i)は、複素数で定義されるため、実数であってもよい。また、α(i)は、シンボル番号iの関数でなくてもよく、例えば、固定の値であってもよい。β(i)は、シンボル番号iの関数でなくてもよく、例えば、固定の値であってもよい。γ(i)は、シンボル番号iの関数でなくてもよく、例えば、固定の値であってもよい。δ(i)は、シンボル番号iの関数でなくてもよく、例えば、固定の値であってもよい。
【0136】
データシンボルから構成された「変調信号1のデータ伝送領域の信号」を含んだ「変調信号1のシンボル群」は、図1図3の基地局から送信される。また、データシンボルから構成された「変調信号2のデータ伝送領域の信号」を含んだ「変調信号2のシンボル群」は、図1図3の基地局から送信される。
【0137】
なお、「変調信号1」及び/又は「変調信号2」に対して、位相変更及び/又はCDD(Cyclic Delay Diversity)等の信号処理が行われてもよい。ただし、信号処理の方法はこれに限られない。
【0138】
図14は、横軸を時間としたときのフレーム構成の一例を示している。
【0139】
図14の変調信号1の#1シンボル群(1401-1)は、図12における変調信号1のデータを伝送するための送信ビーム1202-1のシンボル群である。
【0140】
図14の変調信号1の#2シンボル群(1401-2)は、図12における変調信号1のデータを伝送するための送信ビーム1202-2のシンボル群である。
【0141】
図14の変調信号1の#3シンボル群(1401-3)は、図12における変調信号1のデータを伝送するための送信ビーム1202-3のシンボル群である。
【0142】
図14の変調信号2の#1シンボル群(1402-1)は、図12における変調信号2のデータを伝送するための送信ビーム1203-1のシンボル群である。
【0143】
図14の変調信号2の#2シンボル群(1402-2)は、図12における変調信号2のデータを伝送するための送信ビーム1203-2のシンボル群である。
【0144】
図14の変調信号2の#3シンボル群(1402-3)は、図12における変調信号2のデータを伝送するための送信ビーム1203-3のシンボル群である。
【0145】
変調信号1の#1シンボル群(1401-1)、変調信号1の#2シンボル群(1401-2)、変調信号1の#3シンボル群(1401-3)、変調信号2の#1シンボル群(1402-1)、変調信号2の#2シンボル群(1402-2)、及び、変調信号2の#3シンボル群(1402-3)は、例えば、時間区間1に存在している。
【0146】
上述のように、変調信号1の#1シンボル群(1401-1)と変調信号2の#1シンボル群(1402-1)とは、同一周波数(同一周波数帯)を用いて送信されている。変調信号1の#2シンボル群(1401-2)と変調信号2の#2シンボル群(1402-2)とは、同一周波数(同一周波数帯)を用いて送信されている。変調信号1の#3シンボル群(1401-3)と変調信号2の#3シンボル群(1402-3)とは、同一周波数(同一周波数帯)を用いて送信されている。
【0147】
例えば、図13の手順で、情報から「変調信号1のデータ伝送領域の信号A」および「変調信号2のデータ伝送領域の信号A」を生成する。そして、「変調信号1のデータ伝送領域の信号A」を構成する信号と同等の信号で構成された信号「変調信号1のデータ伝送領域の信号A-1」を用意する。「変調信号1のデータ伝送領域の信号A」を構成する信号と同等の信号で構成された信号「変調信号1のデータ伝送領域の信号A-2」を用意する。「変調信号1のデータ伝送領域の信号A」を構成する信号と同等の信号で構成された信号「変調信号1のデータ伝送領域の信号A-3」を用意する。
【0148】
つまり、「変調信号1のデータ伝送領域の信号群A-1」を構成する信号と、「変調信号1のデータ伝送領域の信号A-2」を構成する信号と、「変調信号1のデータ伝送領域の信号A-3」を構成する信号とは同じである。
【0149】
この場合、図14の変調信号1の#1シンボル群(1401-1)は、「変調信号1のデータ伝送領域の信号A-1」を含んでいる。図14の変調信号1の#2シンボル群(1401-2)は、「変調信号1のデータ伝送領域の信号A-2」を含んでいる。図14の変調信号1の#3シンボル群(1401-3)は、「変調信号1のデータ伝送領域の信号A-3」を含んでいる。つまり、変調信号1の#1シンボル群(1401-1)、変調信号1の#2シンボル群(1401-2)、及び、変調信号1の#3シンボル群(1401-3)は、同等の信号を含んでいる。
【0150】
また、「変調信号2のデータ伝送領域の信号A」を構成する信号と同等の信号で構成された信号「変調信号2のデータ伝送領域の信号A-1」を用意する。「変調信号2のデータ伝送領域の信号A」を構成する信号と同等の信号で構成された信号「変調信号2のデータ伝送領域の信号A-2」を用意する。「変調信号2のデータ伝送領域の信号A」を構成する信号と同等の信号で構成された信号「変調信号2のデータ伝送領域の信号A-3」を用意する。
【0151】
つまり、「変調信号2のデータ伝送領域の信号A-1」を構成する信号と、「変調信号2のデータ伝送領域の信号A-2」を構成する信号と、「変調信号2のデータ伝送領域の信号A-3」を構成する信号とは同じである。
【0152】
この場合、図14の変調信号2の#1シンボル群(1402-1)は、「変調信号2のデータ伝送領域の信号A-1」を含んでいる。図14のストリーム2の#2シンボル群(1402-2)は、「変調信号2のデータ伝送領域の信号A-2」を含んでいる。図14の変調信号2の#3シンボル群(1402-3)は、「変調信号2のデータ伝送領域の信号A-3」を含んでいる。つまり、変調信号2の#1シンボル群(1402-1)、変調信号2の#2シンボル群(1402-2)、及び、変調信号2の#3シンボル群(1402-3)は、同等の信号を含んでいる。
【0153】
図15は、図14で説明した「変調信号Xのシンボル群#Y」(X=1,2;Y=1,2,3)のフレーム構成の一例を示している。図15において、横軸は時間方向を示し、制御情報シンボル1501、データ伝送用の変調信号送信領域1502が、時間軸方向に配置されている。この場合、データ伝送用の変調信号送信領域1502は、図14を用いて説明した「変調信号1のデータ伝送領域の信号A」または「変調信号2のデータ伝送領域の信号A」を伝送するためのシンボルである。
【0154】
なお、図15のフレーム構成において、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式などのマルチキャリア方式を用いてもよく、この場合、周波数軸方向にシンボルが存在していてもよい。また、各シンボルには、受信装置が時間及び周波数同期を行うためのリファレンスシンボル、受信装置が信号を検出するためのリファレンスシンボル、及び/又は、受信装置がチャネル推定を行うためのリファレンスシンボルなどが含まれていてもよい。フレーム構成は図15に限られず、制御情報シンボル1501、及び、データ伝送用の変調信号送信領域1502はどのように配置されてもよい。リファレンスシンボルは、例えば、プリアンブル、又は、パイロットシンボルと呼んでも良い。
【0155】
次に、制御情報シンボル1501の構成について説明する。
【0156】
図16は、図15の制御情報シンボルとして送信するシンボルの構成の一例を示している。図16において、横軸は時間である。図16において、端末は、「端末が受信指向性制御を行うためのトレーニングシンボル」1601を受信することで、「信号処理部405」、「アンテナ401-1から401-N」、および/または、「乗算部603-1から603-L、および、処理部605」で実施する、受信時の指向性制御のための信号処理方法を決定する。
【0157】
端末は、「マルチキャストを行っているときの送信変調信号数を通知するためのシンボル」1602を受信することで、得る変調信号数を知ることができる。
【0158】
端末は、「変調信号のデータ伝送用の変調信号送信領域がどの変調信号のデータ伝送用の変調信号送信領域であるかを通知するためのシンボル」1603を受信することで、基地局が送信している変調信号のうち、どの変調信号を受信できているか、を知ることができる。
【0159】
上記についての例を説明する。
【0160】
図12のように、基地局が「変調信号」の送信ビームを送信している場合を考える。そして、図14の変調信号1の#1シンボル群1401-1における制御情報シンボルの具体的な情報について説明する。
【0161】
図12の場合、基地局は「変調信号1」および「変調信号2」を送信しているため、「マルチキャストを行っているときの送信変調信号数を通知するためのシンボル」1602の情報は「2」となる。
【0162】
図14の変調信号1の#1シンボル群1401-1は、変調信号1のデータ伝送領域の信号を送信しているため、「変調信号のデータ伝送用の変調信号送信領域がどの変調信号のデータ伝送用の変調信号送信領域であるかを通知するためのシンボル」1603の情報は「変調信号1」となる。
【0163】
例えば、端末が、図14の変調信号1の#1シンボル群1401-1を受信した場合について説明する。このとき、端末は、「マルチキャストを行っているときの送信変調信号数を通知するためのシンボル」1602から「変調信号数が2」を、「変調信号のデータ伝送用の変調信号送信領域がどの変調信号のデータ伝送用の変調信号送信領域であるかを通知するためのシンボル」1603から「変調信号1」を得たことを認識する。
【0164】
そして、端末は、「変調信号数が2」であり、得ている変調信号が「変調信号1」であると認識するため、「変調信号2」を得る対象であると認識する。よって、端末は、「変調信号2」を探す作業を開始することができる。例えば、端末は、図14の「変調信号2の#1シンボル群」1402-1、「変調信号2の#2シンボル群」1402-2、又は、「変調信号2の#3シンボル群」1402-3のうちのいずれかの送信ビームを、探す。
【0165】
そして、端末は、「変調信号2の#1シンボル群」1402-1、「変調信号2の#2シンボル群」1402-2、又は、「変調信号2の#3シンボル群」1402-3のうちのいずれかの送信ビームを得ることで、「変調信号1」と「変調信号2」との両方を得ることができる。よって、端末は、ストリーム1のデータシンボル、及び、ストリーム2のデータシンボルを高品質に得ることができる。
【0166】
このように制御情報シンボルを構成することにより、本実施の形態の効果として、端末は、的確にデータシンボルを得ることができる。
【0167】
以上のように、マルチキャストデータ伝送及びブロードキャストデータ伝送において、基地局は、データシンボルを複数の送信ビームを用いて送信し、端末は、複数の送信ビームから、品質のよいビームを選択的に受信する。基地局が送信する変調信号には、送信指向性制御、受信指向性制御を行っているため、本実施の形態の効果として、高いデータの受信品質が得られるエリアを広くすることができる。
【0168】
なお、上述の説明では、端末が受信指向性制御を行っているが、端末が受信指向性制御を行わなくても、上述の効果を得ることができる。
【0169】
また、図7において、各端末は、ストリーム1の変調信号と、ストリーム2の変調信号との両方を得ているが、実施の形態は、必ずしもこれに限られない。例えば、ストリーム1の変調信号を得たい端末、ストリーム2の変調信号を得たい端末、ストリーム1の変調信号およびストリーム2の変調信号の両方を得たい端末が存在してもよい。すなわち、実施の形態は、端末によって得たい変調信号が異なってもよい。
【0170】
(実施の形態2)
実施の形態1では、マルチキャストデータ伝送及びブロードキャストデータ伝送において、基地局が、データシンボルを複数の送信ビームを用いて送信する方法について説明した。本実施の形態では、実施の形態1の変形例として、基地局が、マルチキャストデータ伝送及びブロードキャストデータ伝送を行うとともに、ユニキャストのデータ伝送を行う場合について説明する。
【0171】
図17は、基地局(または、アクセスポイントなど)と端末の通信状態の一例を示している。図17において、図7と同様に動作するものについては、同一番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0172】
基地局700は、複数アンテナを具備し、送信用のアンテナ701から、複数の送信信号を送信する。このとき、基地局700は、例えば、図1図3のように構成されており、信号処理部102(および/または、重み付け合成部301)において、プリコーディング(重み付け合成)を行うことで、送信ビームフォーミング(指向性制御)を行う。
【0173】
送信ビーム702-1、702-2、702-3、703-1、703-2、703-3の説明については、図7を用いて説明したとおりであるので、説明を省略する。
【0174】
端末704-1、704-2、704-3、704-4、704-5、および、受信指向性705-1、705-2、705-3、705-4、705-5、706-1、706-2、706-3、706-4、706-5の説明については、図7を用いて説明したとおりであるので、説明を省略する。
【0175】
図17では、基地局が、図7で説明したように、マルチキャストを行い、さらに、基地局700と端末(例えば1702)がユニキャストの通信を行う。
【0176】
基地局700は、マルチキャスト用の送信ビーム702-1、702-2、702-3、703-1、703-2、703-3に加え、図17では、ユニキャスト用の送信ビーム1701を生成し、端末1702に対し、個別データを伝送する。なお、図17では、基地局700が、端末1702に対して、送信ビーム1701の一つを送信している例を示している。しかし、送信ビームの数は、一つに限られない。基地局700は、端末1702に対し、複数の送信ビームを送信してもよい(或いは複数の変調信号を送信してもよい)。
【0177】
端末1702は、「信号処理部405」、「アンテナ401-1から401-N」、および/または、「乗算部603-1から603-L、および、信号処理部605」により、受信時の指向性制御を行い、受信指向性1703を形成する。これにより、端末1702は、送信ビーム1701の受信及び復調が可能となる。
【0178】
送信ビーム1701を含む送信ビームを生成するために、基地局は、例えば、図1図3のような構成における信号処理部102(および/または、重み付け合成部301)において、プリコーディング(重み付け合成)を行う。
【0179】
端末1702が基地局700に対して変調信号を送信する場合、端末1702は、プリコーディング(または、重み付け合成)を行い、送信ビーム1703を送信する。基地局700は、受信時の指向性制御を行い、受信指向性1701を形成する。これにより、基地局700は、送信ビーム1703の受信及び復調が可能となる。
【0180】
基地局700は、ストリーム1のデータを伝送するための送信ビーム702-1とストリーム2のデータを伝送するための送信ビーム703-1とを、同一周波数(同一周波数帯)及び同一時間を用いて、送信する。基地局700は、ストリーム1のデータを伝送するための送信ビーム702-2とストリーム2のデータを伝送するための送信ビーム703-2とを、同一周波数(同一周波数帯)及び同一時間を用いて、送信する。基地局700は、ストリーム1のデータを伝送するための送信ビーム702-3とストリーム2のデータを伝送するための送信ビーム703-3とを、同一周波数(同一周波数帯)及び同一時間を用いて、送信する。
【0181】
なお、ストリーム1のデータを伝送するための送信ビーム702-1、702-2、702-3は、同一周波数(同一周波数帯)のビームであってもよいし、互いに異なる周波数(互いに異なる周波数帯)のビームであってもよい。ストリーム2のデータを伝送するための送信ビーム703-1、703-2、703-3は、同一周波数(同一周波数帯)のビームであってもよいし、互いに異なる周波数(互いに異なる周波数帯)のビームであってもよい。
【0182】
ユニキャスト用の送信ビーム1701は、送信ビーム702-1、702-2、702-3、703-1、703-2、703-3と同一周波数(同一周波数帯)のビームであってもよいし、互いに異なる周波数(互いに異なる周波数帯)のビームであってもよい。
【0183】
なお、図17では、ユニキャスト通信を行う端末を1台として説明したが、基地局とユニキャスト通信を行う端末の数は、複数であってもよい。
【0184】
図1図3に示す基地局の構成における設定部158の動作について、説明する。
【0185】
設定部158は、設定信号160を入力としている。設定信号160は、「マルチキャスト用の送信を行うか、及び/又は、ユニキャスト用の送信を行うか」を示す情報を含んでいる。図17のような送信を基地局が行う場合、設定信号160により、「マルチキャスト用の送信、及び、ユニキャスト用の送信の両方を行う」という情報が、設定部158に入力される。
【0186】
設定信号160は、「マルチキャストを行うときの送信ストリーム数」を示す情報を含んでいる。図17のような送信を基地局が行う場合、設定信号160により、「送信ストリーム数は2」という情報が、設定部158に入力される。
【0187】
設定信号160は、「各ストリームをいくつの送信ビームで送信するか」を示す情報を含んでもよい。図17のような送信を基地局が行う場合、設定信号160により、「ストリーム1を送信する送信ビーム数は3、ストリーム2を送信する送信ビーム数は3」という情報が、設定部158に入力される。
【0188】
図1図3の基地局は、データシンボルが「マルチキャスト用の送信であるか、及び/又は、ユニキャスト用の送信であるか」を示す情報、「マルチキャストを行うときの送信ストリーム数」を示す情報、及び/又は、「各ストリームをいくつの送信ビームで送信するか」を示す情報等を含んだ制御情報シンボルを送信してもよい。これにより、端末は、適切な受信が可能となる。
【0189】
基地局は、ユニキャスト通信を行う端末に対して、基地局が指向性制御を行うためのトレーニング用の制御情報シンボル、及び/又は、端末が指向性制御を行うためのトレーニング用の制御情報シンボルを送信してもよい。
【0190】
図18は、基地局(または、アクセスポイントなど)と端末の通信状態の一例を示している。図18において、図7図12と同様に動作するものについては、同一番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0191】
基地局700は、複数アンテナを具備し、送信用のアンテナ701から、複数の送信信号を送信する。このとき、基地局700は、例えば、図1図3のように構成されており、信号処理部102(および/または、重み付け合成部301)において、プリコーディング(重み付け合成)を行うことで、送信ビームフォーミング(指向性制御)を行う。
【0192】
送信ビーム1202-1、1202-2、1202-3、1203-1、1203-2、1203-3の説明については、図12を用いて説明したとおりであるので、説明を省略する。
【0193】
端末704-1、704-2、704-3、704-4、704-5、および、受信指向性705-1、705-2、705-3、705-4、705-5、706-1、706-2、706-3、706-4、706-5の説明については、図12を用いて説明したとおりであるので、説明を省略する。
【0194】
図18では、基地局が、図12で説明したように、マルチキャストを行い、さらに、基地局700と端末(例えば1702)がユニキャストの通信を行う。
【0195】
基地局700は、マルチキャスト用の送信ビーム1202-1、1202-2、1202-3、1203-1、1203-2、1203-3に加え、図18では、ユニキャスト用の送信ビーム1701を生成し、端末1702に対し、個別データを伝送する。なお、図18では、基地局700が、端末1702に対して、送信ビーム1701の一つを送信している例を示している。しかし、送信ビームの数は、一つに限られない。基地局700は、端末1702に対し、複数の送信ビームを送信してもよい(或いは複数の変調信号を送信してもよい)。
【0196】
端末1702は、「信号処理部405」、「アンテナ401-1から401-N」、および/または、「乗算部603-1から603-L、および、信号処理部605」により、受信時の指向性制御を行い、受信指向性1703を形成する。これにより、端末1702は、送信ビーム1701の受信及び復調が可能となる。
【0197】
送信ビーム1701を含む送信ビームを生成するために、基地局は、例えば、図1及び図3のような構成における信号処理部102(および/または、重み付け合成部301)において、プリコーディング(重み付け合成)を行う。
【0198】
端末1702が基地局700に対して変調信号を送信する場合、端末1702は、プリコーディング(または、重み付け合成)を行い、送信ビーム1701を送信する。基地局700は、受信時の指向性制御を行い、受信指向性1703を形成する。これにより、基地局700は、送信ビーム1701の受信及び復調が可能となる。
【0199】
基地局700は、「変調信号1」を伝送するための送信ビーム1202-1と「変調信号2」を伝送するための送信ビーム1203-1とを、同一周波数(同一周波数帯)及び同一時間を用いて、送信する。基地局700は、「変調信号1」を伝送するための送信ビーム1202-2と「変調信号2」を伝送するための送信ビーム1203-2とを、同一周波数(同一周波数帯)及び同一時間を用いて、送信する。基地局700は、「変調信号1」を伝送するための送信ビーム1202-3と「変調信号2」を伝送するための送信ビーム1203-3とを、同一周波数(同一周波数帯)及び同一時間を用いて、送信する。
【0200】
なお、「変調信号1」を伝送するための送信ビーム1202-1、1202-2、1202-3は、同一周波数(同一周波数帯)のビームであってもよいし、互いに異なる周波数(異なる周波数帯)のビームであってもよい。「変調信号2」を伝送するための送信ビーム1203-1、1203-2、1203-3は、同一周波数(同一周波数帯)のビームであってもよいし、互いに異なる周波数(互いに異なる周波数帯)のビームであってもよい。
【0201】
ユニキャスト用の送信ビーム1701は、送信ビーム1202-1、1202-2、1202-3、1203-1、1203-2、1203-3と同一周波数(同一周波数帯)のビームであってもよいし、互いに異なる周波数(互いに異なる周波数帯)のビームであってもよい。
【0202】
なお、図18では、ユニキャスト通信を行う端末を1台として説明したが、基地局とユニキャスト通信を行う端末の数は、複数であってもよい。
【0203】
上述の場合における、図1図3に示す基地局の設定部158の動作について、説明する。
【0204】
設定部158は、設定信号160を入力としている。設定信号160は、「マルチキャスト用の送信を行うか、及び/又は、ユニキャスト用の送信を行うか」を示す情報を含んでいる。図18のような送信を基地局が行う場合、設定信号160により、「マルチキャスト用の送信、及び、ユニキャスト用の送信の両方を行う」という情報が、設定部158に入力される。
【0205】
設定信号160は、「マルチキャストを行うときの送信ストリーム数」を示す情報を含んでいる。図18のような送信を基地局が行う場合、設定信号160により、「送信ストリーム数は2」という情報が、設定部158に入力される。
【0206】
設定信号160は、「各ストリームをいくつの送信ビームで送信するか」を示す情報を含んでもよい。図18のような送信を基地局が行う場合、設定信号160により、「ストリーム1を送信する送信ビーム数は3、ストリーム2を送信する送信ビーム数は3」という情報が、設定部158に入力される。
【0207】
図1図3の基地局は、データシンボルが「マルチキャスト用の送信であるか、及び/又は、ユニキャスト用の送信であるか」を示す情報、「マルチキャストを行うときの送信ストリーム数」を示す情報、及び/又は、「各ストリームをいくつの送信ビームで送信するか」を示す情報等を含んだ制御情報シンボルを送信してもよい。これにより、端末は、適切な受信が可能となる。
【0208】
基地局は、ユニキャスト通信を行う端末に対して、基地局が指向性制御を行うためのトレーニング用の制御情報シンボル、及び/又は、端末が指向性制御を行うためのトレーニング用の制御情報シンボルを送信してもよい。
【0209】
次に、実施の形態1の変形例として、基地局が、マルチキャストデータ伝送を複数送信する場合について説明する。
【0210】
図19は、基地局(または、アクセスポイントなど)と端末の通信状態の一例を示している。図19において、図7と同様に動作するものについては、同一番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0211】
基地局700は、複数アンテナを具備し、送信用のアンテナ701から、複数の送信信号を送信する。このとき、基地局700は、例えば、図1図3のように構成されており、信号処理部102(および/または、重み付け合成部301)において、プリコーディング(重み付け合成)を行うことで、送信ビームフォーミング(指向性制御)を行う。
【0212】
送信ビーム702-1、702-2、702-3、703-1、703-2、703-3の説明については、図7を用いて説明したとおりであるので、説明を省略する。
【0213】
端末704-1、704-2、704-3、704-4、704-5、および、受信指向性705-1、705-2、705-3、705-4、705-5、706-1、706-2、706-3、706-4、706-5の説明については、図7を用いて説明したとおりであるので、説明を省略する。
【0214】
基地局700は、送信ビーム702-1、702-2、702-3、703-1、703-2、703-3に加えて送信ビーム1901-1、1901-2、1902-1、1902-2を送信する。
【0215】
送信ビーム1901-1は、ストリーム3のデータを伝送するための送信ビームである。また、送信ビーム1901-2も、ストリーム3のデータを伝送するための送信ビームである。送信ビーム1902-1は、ストリーム4のデータを伝送するための送信ビームである。また、送信ビーム1902-2も、ストリーム4のデータを伝送するための送信ビームである。
【0216】
端末704-1、704-2、704-3、704-4、704-5、1903-1、1903-2、1903-3は、例えば、図4図5のように構成されている。なお、端末704-1、704-2、704-3、704-4、704-5の動作については、図7を用いて説明したとおりである。
【0217】
端末1903-1は、「信号処理部405」、「アンテナ401-1から401-N」、および/または、「乗算部603-1から603-L、および、処理部605」により、受信時の指向性制御を行い、受信指向性1904-1、および、受信指向性1905-1を形成する。端末1903-1は、受信指向性1904-1により、ストリーム3のデータを伝送するための送信ビーム1901-2の受信及び復調が可能となり、受信指向性1905-1により、ストリーム4のデータを伝送するための送信ビーム1902-2の受信及び復調が可能となる。
【0218】
端末1903-2は、「信号処理部405」、「アンテナ401-1から401-N」、および/または、「乗算部603-1から603-L、および、処理部605」により、受信時の指向性制御を行い、受信指向性1904-2、および、受信指向性1905-2を形成する。端末1903-2は、受信指向性1904-2により、ストリーム4のデータを伝送するための送信ビーム1902-1の受信及び復調が可能となり、受信指向性1905-2により、ストリーム3のデータを伝送するための送信ビーム1901-2の受信及び復調が可能となる。
【0219】
端末1903-3は、「信号処理部405」、「アンテナ401-1から401-N」、および/または、「乗算部603-1から603-L、および、処理部605」により、受信時の指向性制御を行い、受信指向性1904-3、および、受信指向性1905-3を形成する。端末1903-3は、受信指向性1904-3により、ストリーム3のデータを伝送するための送信ビーム1901-1の受信及び復調が可能となり、受信指向性1905-3により、ストリーム4のデータを伝送するための送信ビーム1902-1の受信及び復調が可能となる。
【0220】
端末1903-4は、「信号処理部405」、「アンテナ401-1から401-N」、および/または、「乗算部603-1から603-L、および、処理部605」により、受信時の指向性制御を行い、受信指向性1904-4、および、受信指向性1905-4を形成する。端末1903-4は、受信指向性1904-4により、ストリーム2のデータを伝送するための送信ビーム703-1の受信及び復調が可能となり、受信指向性1905-4により、ストリーム3のデータを伝送するための送信ビーム1901-1の受信及び復調が可能となる。
【0221】
図19では、基地局が、マルチキャスト用のデータを含むストリームを複数送信し、さらに、各ストリームは、複数の送信ビームで送信されており、各端末は、複数のストリームのうち一つ以上のストリームの送信ビームを選択的に受信する。
【0222】
基地局700は、ストリーム1のデータを伝送するための送信ビーム702-1とストリーム2のデータを伝送するための送信ビーム703-1とを、同一周波数(同一周波数帯)及び同一時間を用いて、送信する。基地局700は、ストリーム1のデータを伝送するための送信ビーム702-2とストリーム2のデータを伝送するための送信ビーム703-2とを、同一周波数(同一周波数帯)及び同一時間を用いて、送信する。基地局700は、ストリーム1のデータを伝送するための送信ビーム702-3とストリーム2のデータを伝送するための送信ビーム703-3とを、同一周波数(同一周波数帯)及び同一時間を用いて、送信する。
【0223】
基地局700は、ストリーム3のデータを伝送するための送信ビーム1901-1とストリーム4のデータを伝送するための送信ビーム1902-1とを、同一周波数(同一周波数帯)及び同一時間を用いて、送信する。基地局700は、ストリーム3のデータを伝送するための送信ビーム1901-2とストリーム4のデータを伝送するための送信ビーム1902-2とを、同一周波数(同一周波数帯)及び同一時間を用いて、送信する。
【0224】
なお、ストリーム1のデータを伝送するための送信ビーム702-1、702-2、702-3は、同一周波数(同一周波数帯)のビームであってもよいし、互いに異なる周波数(互いに異なる周波数帯)のビームであってもよい。ストリーム2のデータを伝送するための送信ビーム703-1、703-2、703-3は、同一周波数(同一周波数帯)のビームであってもよいし、互いに異なる周波数(異なる周波数帯)のビームであってもよい。
【0225】
ストリーム3のデータを伝送するための送信ビーム1901-1、1901-2は、同一周波数(同一周波数帯)のビームであってもよいし、互いに異なる周波数(互いに異なる周波数帯)のビームであってもよい。ストリーム4のデータを伝送するための送信ビーム1902-1、1902-2は、同一周波数(同一周波数帯)のビームであってもよいし、互いに異なる周波数(互いに異なる周波数帯)のビームであってもよい。
【0226】
また、図1の#1情報101-1からストリーム1のデータシンボル及びストリーム2のデータシンボルが生成され、#2情報101-2からストリーム3のデータシンボル及びストリーム4のデータシンボルが生成されてもよい。または、#1情報101-1及び#2情報101-2は、それぞれ、誤り訂正符号化が行われた後に、データシンボルが生成されてもよい。
【0227】
また、図1の#1情報101-1からストリーム1のデータシンボルが生成され、図1の#2情報101-2からストリーム2のデータシンボルが生成され、図1の#3情報101-3からストリーム3のデータシンボルが生成され、図1の#4情報101-4からストリーム4のデータシンボルが生成されてもよい。なお、#1情報101-1、#2情報101-2、#3情報101-3、及び#4情報101-4は、それぞれ、誤り訂正符号化が行われた後に、データシンボルが生成されてもよい。
【0228】
つまり、各ストリームのデータシンボルは、図1の情報のいずれから生成されてもよい。これにより、本実施の形態の効果として、端末は、マルチキャスト用のストリームを選択的に得ることができる。
【0229】
上述の場合における、図1図3に示す基地局の設定部158の動作について、説明する。
【0230】
設定部158は、設定信号160を入力としている。設定信号160は、「マルチキャスト用の送信を行うか、及び/又は、ユニキャスト用の送信を行うか」を示す情報を含んでいる。図19のような送信を基地局が行う場合、設定信号160により、「マルチキャスト用の送信を行う」という情報が、設定部158に入力される。
【0231】
設定信号160は、「マルチキャストを行うときの送信ストリーム数」を示す情報を含んでいる。図19のような送信を基地局が行う場合、設定信号160により、「送信ストリーム数は4」という情報が、設定部158に入力される。
【0232】
設定信号160は、「各ストリームをいくつの送信ビームで送信するか」を示す情報を含んでもよい。図19のような送信を基地局が行う場合、設定信号160により、「ストリーム1を送信する送信ビーム数は3、ストリーム2を送信する送信ビーム数は3、ストリーム3を送信する送信ビーム数は2、ストリーム4を送信する送信ビーム数は2」という情報が、設定部158に入力される。
【0233】
図1図3の基地局は、データシンボルが「マルチキャスト用の送信であるか、及び/又は、ユニキャスト用の送信であるか」を示す情報、「マルチキャストを行うときの送信ストリーム数」を示す情報、及び/又は、「各ストリームをいくつの送信ビームで送信するか」を示す情報等を含んだ制御情報シンボルを送信してもよい。これにより、端末は、適切な受信が可能となる。
【0234】
次に、実施の形態1の変形例として、基地局が、マルチキャストデータ伝送を複数送信する場合について説明する。
【0235】
図20は、基地局(または、アクセスポイントなど)と端末の通信状態の一例を示している。図20において、図7図12図19と同様に動作するものについては、同一番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0236】
基地局700は、複数アンテナを具備し、送信用のアンテナ701から、複数の送信信号を送信する。このとき、基地局700は、例えば、図1図3のように構成されており、信号処理部102(および/または、重み付け合成部301)において、プリコーディング(重み付け合成)を行うことで、送信ビームフォーミング(指向性制御)を行う。
【0237】
送信ビーム1202-1、1202-2、1202-3、1203-1、1203-2、1203-3の説明については、図12の説明と重複するので、説明を省略する。
【0238】
端末704-1、704-2、704-3、704-4、704-5、および、受信指向性705-1、705-2、705-3、705-4、705-5、706-1、706-2、706-3、706-4、706-5の説明については、図12の説明と重複するので、説明を省略する。
【0239】
基地局700は、送信ビーム1202-1、1202-2、1202-3、1203-1、1203-2、1203-3に加えて、送信ビーム2001-1、2001-2、2002-1、2002-2を送信する。
【0240】
送信ビーム2001-1は、「変調信号3」を伝送するための送信ビームである。また、送信ビーム2001-2も、「変調信号3」を伝送するための送信ビームである。
【0241】
送信ビーム2002-1は、「変調信号4」を伝送するための送信ビームである。また、送信ビーム2002-2も、「変調信号4」を伝送するための送信ビームである。
【0242】
端末704-1、704-2、704-3、704-4、704-5、1903-1、1903-2、1903-3は、例えば、図4図5と同じ構成である。なお、端末704-1、704-2、704-3、704-4、704-5の動作については、図7の説明と同じである。
【0243】
端末1903-1は、「信号処理部405」、「アンテナ401-1からアンテナ401-Nまで」、および/または、「乗算部603-1から乗算部603-Lまで、および、処理部605」により、受信時の指向性制御を行い、受信指向性1904-1、および、受信指向性1905-1を形成する。端末1903-1は、受信指向性1904-1により、「変調信号3」を伝送するための送信ビーム2001-2の受信及び復調が可能となり、受信指向性1905-1により、「変調信号4」を伝送するための送信ビーム2002-2の受信及び復調が可能となる。
【0244】
端末1903-2は、「信号処理部405」、「アンテナ401-1からアンテナ401-Nまで」、および/または、「乗算部603-1から乗算部603-Lまで、および、処理部605」により、受信時の指向性制御を行い、受信指向性1904-2、および、受信指向性1905-2を形成する。端末1903-2は、受信指向性1904-2により、「変調信号4」を伝送するための送信ビーム2002-1の受信及び復調が可能となり、受信指向性1905-2により、「変調信号3」を伝送するための送信ビーム2001-2の受信及び復調が可能となる。
【0245】
端末1903-3は、「信号処理部405」、「アンテナ401-1からアンテナ401-Nまで」、および/または、「乗算部603-1から乗算部603-Lまで、および、処理部605」により、受信時の指向性制御を行い、受信指向性1904-3、および、受信指向性1905-3を形成する。端末1903-3は、受信指向性1904-3により、「変調信号3」を伝送するための送信ビーム2001-1の受信及び復調が可能となり、受信指向性1905-3により、「変調信号4」を伝送するための送信ビーム2002-1の受信及び復調が可能となる。
【0246】
端末1903-4は、「信号処理部405」、「アンテナ401-1からアンテナ401-Nまで」、および/または、「乗算部603-1から乗算部603-Lまで、および、処理部605」により、受信時の指向性制御を行い、受信指向性1904-4、および、受信指向性1905-4を形成する。端末1903-4は、受信指向性1904-4により、「変調信号3」を伝送するための送信ビーム2001-1の受信及び復調が可能となり、受信指向性1905-4により、「変調信号4」を伝送するための送信ビーム2002-1の受信及び復調が可能となる。
【0247】
図20において、基地局が、マルチキャスト用のデータを含む変調信号を複数送信し、各変調信号は、複数の送信ビームで送信されており、各端末は、複数の変調信号のうち一つ以上のストリームの送信ビームを選択的に受信する。
【0248】
基地局700は、「変調信号1」を伝送するための送信ビーム1202-1と、「変調信号2」を伝送するための送信ビーム1203-1とを、同一周波数(同一周波数帯)及び同一時間を用いて、送信する。基地局700は、「変調信号1」を伝送するための送信ビーム1202-2と、「変調信号2」を伝送するための送信ビーム1203-2とを、同一周波数(同一周波数帯)及び同一時間を用いて、送信する。基地局700は、「変調信号1」を伝送するための送信ビーム1202-3と、「変調信号2」を伝送するための送信ビーム1203-3とを、同一周波数(同一周波数帯)及び同一時間を用いて、送信する。
【0249】
基地局700は、「変調信号3」を伝送するための送信ビーム2001-1と、「変調信号4」を伝送するための送信ビーム2002-1とを、同一周波数(同一周波数帯)及び同一時間を用いて、送信する。基地局700は、「変調信号3」を伝送するための送信ビーム2001-2と、「変調信号4」を伝送するための送信ビーム2002-2とを、同一周波数(同一周波数帯)及び同一時間を用いて、送信する。
【0250】
なお、ストリーム1のデータを伝送するための送信ビーム702-1、702-2、702-3は、同一周波数(同一周波数帯)のビームであってもよいし、互いに異なる周波数(互いに異なる周波数帯)のビームであってもよい。ストリーム2のデータを伝送するための送信ビーム703-1、703-2、703-3は、同一周波数(同一周波数帯)のビームであってもよいし、互いに異なる周波数(互いに異なる周波数帯)のビームであってもよい。
【0251】
「変調信号3」を伝送するための送信ビーム2001-1、2001-2は、同一周波数(同一周波数帯)のビームであってもよいし、互いに異なる周波数(互いに異なる周波数帯)のビームであってもよい。「変調信号4」を伝送するための送信ビーム2002-1、2002-2は、同一周波数(同一周波数帯)のビームであってもよいし、互いに異なる周波数(互いに異なる周波数帯)のビームであってもよい。
【0252】
図1又は図3に示す基地局の構成における設定部158の動作について、説明する。
【0253】
設定部158は、設定信号160を入力としている。設定信号160は、「マルチキャスト用の送信を行うか、及び/又は、ユニキャスト用の送信を行うか」を示す情報を含んでいる。図19に示す送信を基地局が行う場合、設定信号160により、「マルチキャスト用の送信を行う」という情報が、設定部158に入力される。
【0254】
設定信号160は、「マルチキャストを行うときの送信変調信号数」を示す情報を含んでいる。図20に示す送信を基地局が行う場合、設定信号160により、「送信変調信号数は4」という情報が、設定部158に入力される。
【0255】
設定信号160は、「各変調信号をいくつの送信ビームで送信するか」を示す情報を含んでもよい。図20に示す送信を基地局が行う場合、設定信号160により、「変調信号1を送信する送信ビーム数は3、変調信号2を送信する送信ビーム数は3、変調信号3を送信する送信ビーム数は2、変調信号4を送信する送信ビーム数は2」という情報が、設定部158に入力される。
【0256】
なお、図1図3の基地局は、データシンボルが「マルチキャスト用の送信であるか/ユニキャスト用の送信であるか」を示す情報、「マルチキャストを行うときの送信ストリーム数」の情報、及び/又は、「各ストリームをいくつの送信ビームで送信するか」を示す情報等を含んだ制御情報シンボルを送信してもよい。これにより、端末は、適切な受信が可能となる。
【0257】
図20において、端末は、「変調信号1」の送信ビームと「変調信号2」の送信ビームとの両方を受信すると、高い受信品質でストリーム1のデータとストリーム2のデータを得ることができる。同様に、端末は、「変調信号3」の送信ビームと「変調信号4」の送信ビームとの両方を受信すると、高い受信品質でストリーム3のデータとストリーム4のデータを得ることができる。
【0258】
図20では、基地局が「変調信号1」、「変調信号2」、「変調信号3」、及び、「変調信号4」を送信する例を説明しているが、これは一例である。基地局は、さらに、ストリーム5のデータ及びストリーム6のデータを伝送する「変調信号5」及び「変調信号6」をそれぞれ送信してもよいし、それよりも多くのストリームを伝送するためにより多くの変調信号を送信してもよい。なお、変調信号のそれぞれは1以上の送信ビームを用いて送信される。
【0259】
また、図20には、図17図18で説明したように、ユニキャスト用の送信ビーム(または受信指向性制御)が一つ以上存在していてもよい。
【0260】
「変調信号1」及び「変調信号2」の関係については、図13の説明と重複するので省略する。ここでは、「変調信号3」及び「変調信号4」の関係について、図21を用いて説明する。
【0261】
例えば、#2情報101-2に対して、誤り訂正符号化などの処理を施し、誤り訂正符号化後のデータを得る。この誤り訂正符号化後のデータを「#2送信データ」と名付ける。そして、#2送信データに対してマッピングを行い、データシンボルを得る。このデータシンボルを、ストリーム3用とストリーム4用とに振り分け、ストリーム3のデータシンボル(データシンボル群)とストリーム4のデータシンボル(データシンボル群)とを得る。このとき、シンボル番号iにおけるストリーム3のデータシンボルをs3(i)、ストリーム4のデータシンボルをs4(i)とする。この場合、シンボル番号iにおける「変調信号3」tx3(i)は、例えば、以下のようにあらわされる。
【0262】
【数5】
【0263】
シンボル番号iにおける「変調信号4」tx4(i)は、例えば、以下のようにあらわされる。
【0264】
【数6】
【0265】
式(5)、式(6)において、e(i)、f(i)、g(i)、h(i)は、それぞれ、複素数で定義されるため、実数であってもよい。また、e(i)、f(i)、g(i)、h(i)は、それぞれ、シンボル番号iの関数でなくてもよく、固定の値であってもよい。
【0266】
データシンボルから構成された「変調信号3のデータ伝送領域の信号」を含んだ「変調信号3のシンボル群」は、図1図3の基地局から送信される。データシンボルから構成された「変調信号4のデータ伝送領域の信号」を含んだ「変調信号4のシンボル群」は、図1図3の基地局から送信される。
【0267】
(補足)
当然であるが、本明細書において説明した実施の形態は、その他の内容を複数組み合わせて、実施されてもよい。
【0268】
各実施の形態、及びその他の内容は、あくまでも例である。例えば、「変調方式、誤り訂正符号化方式(使用する誤り訂正符号、符号長、符号化率等)、制御情報など」の例示は、別の「変調方式、誤り訂正符号化方式(使用する誤り訂正符号、符号長、符号化率等)、制御情報など」を適用した場合でも、上述した同様の構成で実施できる。
【0269】
本明細書において説明した実施の形態、及びその他の内容は、本明細書に記載した変調方式以外の変調方式を使用しても実施可能である。例えば、APSK(Amplitude Phase Shift Keying)、PAM(Pulse Amplitude Modulation)、PSK(Phase Shift Keying)、QAM(Quadrature Amplitude Modulation)を適用してもよいし、各変調方式において、均一マッピング、非均一マッピングとしてもよい。APSKは、例えば、16APSK, 64APSK, 128APSK, 256APSK, 1024APSK, 4096APSKを含む。PAMは、例えば、4PAM, 8PAM, 16PAM, 64PAM, 128PAM, 256PAM, 1024PAM, 4096PAMを含む。PSKは、例えば、BPSK, QPSK, 8PSK, 16PSK, 64PSK, 128PSK, 256PSK, 1024PSK, 4096PSKを含む。QAMは、例えば、4QAM, 8QAM, 16QAM, 64QAM, 128QAM, 256QAM, 1024QAM, 4096QAMを含む。
【0270】
I-Q平面における2個、4個、8個、16個、64個、128個、256個、1024個等の信号点の配置方法(2個、4個、8個、16個、64個、128個、256個、1024個等の信号点をもつ変調方式)は、本明細書で示した変調方式の信号点配置方法に限られない。
【0271】
本明細書に記載の「基地局」は、例えば、放送局、基地局、アクセスポイント、端末、又は、携帯電話(mobile phone)などであってもよい。本明細書に記載の「端末」は、テレビ、ラジオ、端末、パーソナルコンピュータ、携帯電話、アクセスポイント、又は、基地局などであってもよい。本開示における「基地局」及び「端末」は、通信機能を有している機器であって、その機器が、テレビ、ラジオ、パーソナルコンピュータ、携帯電話等のアプリケーションを実行するための装置に何らかのインターフェースを解して接続できるようなに構成されてもよい。また、本実施の形態では、データシンボル以外のシンボル、例えば、パイロットシンボル、制御情報用のシンボルなどが、フレームにおいて、どのように配置されていてもよい。
【0272】
パイロットシンボル、及び/又は、制御情報用のシンボルは、どのように名付けられてもよい。例えば、送受信機において、PSK変調を用いて変調した既知のシンボルであってよい。または、送受信機において、受信機が同期することによって、受信機は、送信機が送信したシンボルを知ることができてもよい。受信機は、このシンボルを用いて、周波数同期、時間同期、各変調信号のチャネル推定(CSI(Channel State Information)の推定)、及び、信号の検出等を行う。なお、パイロットシンボルは、プリアンブル、ユニークワード、ポストアンブル、又は、リファレンスシンボル等と呼ばれることがある。
【0273】
制御情報用のシンボルは、データ(アプリケーション等のデータ)以外の通信を実現するための、通信相手に伝送する情報(例えば、通信に用いている変調方式、誤り訂正符号化方式、誤り訂正符号化方式の符号化率、及び/又は、上位レイヤーでの設定情報等)を伝送するためのシンボルである。
【0274】
なお、本開示は、各実施の形態に限定されず、種々変更して実施可能である。例えば、各実施の形態では、通信装置として行う場合について説明しているが、これに限られず、この通信方法をソフトウェア処理として行うことも可能である。
【0275】
例えば、上述の通信方法を実行するプログラムを、予めROM(Read Only Memory)に格納しておき、そのプログラムをCPU(Central Processor Unit)によって動作させるようにしても良い。
【0276】
または、上述の通信方法を実行するプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に格納し、記憶媒体に格納されたプログラムをコンピュータのRAM(Random Access Memory)に記録して、コンピュータをそのプログラムにしたがって動作させるようにしても良い。
【0277】
上記の各実施の形態などの各構成は、典型的には、入力端子及び出力端子を有する集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。これらは、個別に1チップ化されてもよいし、各実施の形態の全ての構成または一部の構成を含むように1チップ化されてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、又は、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法は、LSIに限られるものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現されても良い。LSIの製造後にプログラムが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、或いは、LSI内部の回路セルの接続及び/又は設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用しても良い。さらに、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行っても良い。バイオ技術の適応等が可能性としてあり得る。
【0278】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1、及び/又は、実施の形態2とは異なるビームフォーミングを適用した場合におけるマルチキャスト通信方法について説明する。
【0279】
基地局の構成については、実施の形態1の図1から図3を用いて説明したとおりであるため、実施の形態1と同様に動作する部分については説明を省略する。また、基地局と通信を行う端末の構成についても、実施の形態1の図4から図6を用いて説明したとおりであるため、実施の形態1と同様に動作する部分については説明を省略する。
【0280】
以下では、本実施の形態における基地局と端末の動作の例を説明する。
【0281】
図22は、基地局が1つの端末に対して、マルチキャスト用送信ストリームを送信している場合を示している。
【0282】
図22において、基地局700は、送信用アンテナから「(マルチキャスト用)ストリーム1-1(ストリーム1の第1ビーム)」の送信ビーム2201-1を端末2202-1に対して送信している。端末2202-1は、指向性制御を行うことで、受信指向性2203-1を生成し、「ストリーム1-1」の送信ビーム2201-1を受信している。
【0283】
図23は、図22のような基地局と端末の通信状態のために行う「基地局と端末の通信を行うための手順」の説明を行う。
【0284】
[23-1]端末は、まず、基地局に対し、「ストリーム1のマルチキャスト送信の要求」を行う。
【0285】
[23-2]基地局は、[23-1]を受け、「ストリーム1のマルチキャスト送信を行っていない」ことを認識する。そこで、基地局は、端末に対し、ストリーム1のマルチキャスト送信を行うために、送信指向性制御用のトレーニングシンボル、及び、受信指向性制御用のトレーニングシンボルを送信する。
【0286】
[23-3]端末は、基地局が送信した送信指向性制御用のトレーニングシンボル、および、受信指向性制御用のトレーニングシンボルを受信する。そして、端末は、基地局が送信指向性制御を、端末が受信指向性制御を行うために、基地局に対し、フィードバック情報を送信する。
【0287】
[23-4]基地局は、端末が送信したフィードバック情報に基づいて、送信指向性制御方法(指向性制御を行うときに使用する重み付け係数の決定など)の決定を行う。そして、基地局は、送信指向性制御を行い、ストリーム1のデータシンボルを送信する。
【0288】
[23-5]端末は、受信指向性制御方法(指向性制御を行うときに使用する重み付け係数の決定など)の決定を行う。そして、端末は、基地局が送信したストリーム1のデータシンボルの受信を開始する。
【0289】
なお、図23の「基地局と端末の通信を行うための手順」は一例であり、各情報の送信の順番は、図23に限られない。例えば、各情報の送信の順番を入れ替えても、同様の実施が可能である。
【0290】
また、図23では、端末が受信指向性制御を行う例を説明しているが、端末が受信指向性制御を行わなくてもよい。この場合、図23において、基地局は、受信指向性制御用トレーニングシンボルを送信しなくてもよく、端末は、受信指向性制御方法の決定を行わなくてよい。
【0291】
基地局が送信指向性制御を行う場合において、基地局が図1の構成の場合は、例えば、図2の乗算部204-1、204-2、204-3、204-4における乗算係数が設定されてよい。基地局が図3の構成の場合は、例えば、重み付け合成部301において、重み付け係数が設定されてよい。なお、送信するストリーム数は、図22の場合は「1」であるが、これに限られない。
【0292】
端末が受信指向性制御を行う場合において、端末が図4の構成の場合は、例えば、図5の乗算部503-1、503-2、503-3、503-4における乗算係数が設定されてよい。端末が図6の構成の場合は、例えば、乗算部603-1、603-2、・・・、603-Lにおける乗算係数が設定されてよい。
【0293】
図24は、図23における基地局が、送信指向性制御用シンボル、受信指向性制御用シンボル、及び、データシンボルを送信する場合において、基地局が送信するシンボルと端末が送信するシンボルとを、時間方向に配置した例を示す。図24における(a)は、基地局が送信するシンボルを、時間方向に配置した例を示す。図24における(b)は、端末が送信するシンボルの一例を時間方向に配置した例を示す。図24の(a)及び(b)において、横軸は時間方向を示す。
【0294】
図23に示すように、基地局と端末との間で通信が行われた場合、図24に示すように、基地局はまず、「基地局送信指向性制御トレーニングシンボル」2401を送信する。例えば、「基地局送信指向性制御トレーニングシンボル」2401は、制御情報シンボルと既知のPSKシンボルとによって構成されている。
【0295】
そして、端末は、基地局が送信した「基地局送信指向性制御トレーニングシンボル」2401を受信し、例えば、基地局が送信に使用するアンテナの情報、及び指向性制御で使用する乗算係数(または、重み付け係数)に関する情報を、フィードバック情報シンボル2402として送信する。
【0296】
基地局は、端末が送信した「フィードバック情報シンボル」2402を受信し、フィードバック情報シンボル2402から送信に使用するアンテナを決定する。また、基地局は、フィードバック情報シンボル2402から送信指向性制御に用いる係数を決定する。そして、基地局は、「端末受信指向性制御トレーニングシンボル」2403を送信する。例えば、「端末受信指向性制御トレーニングシンボル」2403は、制御情報シンボルと既知PSKシンボルとによって構成されている。
【0297】
端末は、基地局が送信した「端末受信指向性制御トレーニングシンボル」2403を受信し、例えば、端末が受信に使用するアンテナ、及び、端末が受信指向性制御に使用する乗算係数を決定する。そして、端末は、データシンボルを受信する準備が完了したことを、フィードバック情報シンボル2404として送信する。
【0298】
基地局は、端末が送信した「フィードバック情報シンボル」2404を受信し、フィードバック情報シンボル2404に基づき、データシンボル2405を出力する。
【0299】
なお、図24に示す基地局と端末との間の通信は一例である。例えば、シンボルの送信の順番、又は、基地局の送信と端末の送信との順番は、これに限られない。また、「基地局送信指向性制御トレーニングシンボル」2401、「フィードバック情報シンボル」2402、「端末受信指向性制御トレーニングシンボル」2403、「フィードバック情報シンボル」2404、及び、「データシンボル」2405のそれぞれに、信号検出、時間同期、周波数同期、周波数オフセット推定及びチャネル推定のためのプリアンブル、リファレンスシンボル、パイロットシンボル、及び/又は、制御情報を伝送するためのシンボルなどが含まれていてもよい。
【0300】
図25は、図23における基地局と端末との間の通信が完了した後、基地局がストリーム1のデータシンボルを送信する場合に、基地局が送信するシンボルの例である。図25において、横軸は時間方向を示す。
【0301】
図25では、基地局は、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(1)」2501-1-1として、ストリーム1の送信ビーム1の第1番目のデータシンボルを送信する。その後、データシンボル送信可能な区間2502-1が配置される。
【0302】
その後、基地局は、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(2)」2501-1-2として、(マルチキャスト用)ストリーム1の送信ビーム1の第2番目のデータシンボルを送信する。その後、データシンボル送信可能な区間2502-2が配置される。
【0303】
その後、基地局は、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(3)」2501-1-3として、(マルチキャスト用)ストリーム1の送信ビーム1の第3番目のデータシンボルを送信する。
【0304】
このようにして、基地局は、図22に示した「(マルチキャスト用)ストリーム1-1」2201-1のデータシンボルを、送信する。なお、図25において、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(1)」2501-1-1、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(2)」2501-1-2、「(マルチキャスト用)データシンボル1-1データシンボル(3)」2501-1-3、・・・には、データシンボル以外に、信号検出、時間同期、周波数同期、周波数オフセット推定、チャネル推定のためのプリアンブル、リファレンスシンボル、パイロットシンボル、及び/又は、制御情報を伝送するためのシンボルなどが含まれていてもよい。
【0305】
図25において、データシンボル送信可能な区間2502-1は、ユニキャスト送信区間2503-1を含む。また、データシンボル送信可能な区間2502-2は、ユニキャスト送信区間2503-2を含む。
【0306】
図25において、フレームは、ユニキャスト送信区間2503-1、2503-2を含む。例えば、図25において、基地局は、データシンボル送信可能な区間2502-1のユニキャスト送信区間2503-1を除く区間、および、データシンボル送信可能区間2502-2のユニキャスト送信区間2503-2を除く区間では、マルチキャスト用のシンボルを送信してもよい。なお、この点については、後に、例を用いて説明する。
【0307】
このように、ユニキャスト送信区間をフレームに設けることは、無線通信システムを安定的に動作させるために有用な構成要件となる。なお、この点については、後に、例を用いて説明する。また、ユニキャスト送信区間は、図25のような時間的位置でなくてもよく、どのように時間的に配置してもよい。また、ユニキャスト送信区間では、基地局がシンボルを送信してもよいし、端末がシンボルを送信してもよい。
【0308】
また、基地局は、直接的に、ユニキャスト送信区間を設定できてもよい。或いは、別の方法として、基地局は、マルチキャスト用のシンボルを送信するための最大送信データ伝送速度を設定できてもよい。
【0309】
例えば、基地局が送信可能なデータの伝送速度が2Gbps(bps: bits per second)であり、基地局がマルチキャスト用のシンボルの送信に割り当て可能なデータの最大伝送速度が1.5Gbpsである場合、500Mbpsに相当するユニキャスト送信区間を設定できる。
【0310】
このように、ユニキャスト送信区間を基地局において間接的に設定できるような構成であってもよい。なお、別の具体的な例については、後に説明する。
【0311】
なお、図22の状態に伴い、図25では、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(1)」2501-1-1、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(2)」2501-1-2、及び、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(3)」2501-1-3が存在するフレーム構成を記載しているが、これに限られない。例えば、ストリーム1(ストリーム1-1)以外のマルチキャスト用のストリームのデータシンボルが存在してもよいし、ストリーム1の第2の送信ビームであるストリーム1-2のデータシンボル、及び/又は、ストリーム1の第3の送信ビームであるストリーム1-3のデータシンボルが存在していてもよい。この点については、後に説明する。
【0312】
図26は、図22に示す基地局が、1つの端末に対してマルチキャスト用送信ストリームを送信している状態において、新たな端末が1つ追加された状態を示している。なお、図26において、図22と同様に動作するものについては、同一番号を付している。
【0313】
図26において、端末2202-2が新たに追加されている。端末2202-2は、指向性制御を行うことで、受信指向性2203-2を生成し、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1」の送信ビーム2201-1を受信する。
【0314】
次に、図26について説明する。
【0315】
図26は、基地局700と端末2202-1とがマルチキャスト通信を行っている状態において、新たに端末2202-2がマルチキャスト通信に参加するという状態を示す。以下、図26に示す状態を例に説明する。したがって、基地局は、図27に示すように、「端末受信指向性制御トレーニングシンボル」2701と「データシンボル」2702とを送信し、図24に示した「基地局送信トレーニングシンボル」を送信しない。なお、図27において、横軸は時間方向を示す。
【0316】
図28は、図26に示すような状態、すなわち、基地局が2つの端末に対してマルチキャスト用の送信ビームを送信するような状態を実現するために、基地局及び端末が行う動作の例を示している。
【0317】
[28-1]端末2202-2は、基地局に対して「ストリーム1のマルチキャスト送信の要求」を行う。「ストリーム1のマルチキャスト送信の要求」は、図25におけるユニキャスト送信区間にて送信される。
【0318】
[28-2]基地局は、上記[28-1]に示す要求を受け、「マルチキャスト用のストリーム1の送信を行っていること」を、端末2202-2に通知する。「マルチキャスト用のストリーム1の送信を行っていること」の通知は、図25におけるユニキャスト送信区間にて送信される。
【0319】
[28-3]端末2202-2は、上記[28-2]に示す通知を受け、マルチキャスト用のストリーム1の受信を開始するために、受信指向性制御を実施する。端末2202-2は、受信指向性制御を行い、「マルチキャスト用のストリーム1」の受信ができたことを、基地局に通知する。
【0320】
[28-4]基地局は、上記[28-3]に示す通知を受け、端末が「マルチキャスト用のストリーム1」を受信できたことを確認する。
【0321】
[28-5]端末2202-2は、受信指向性制御を行い、「マルチキャスト用のストリーム1」の受信を開始する。
【0322】
図29は、図22に示す基地局が、1つの端末に対してマルチキャスト用送信ストリームを送信している状態において、新たな端末が1つ追加された状態を示している。なお、図29において、図22と同様に動作するものについては、同一番号を付している。
【0323】
図29において、端末2202-2が新たに追加されている。図29図26と異なる点は、基地局700が、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2(ストリーム1の第2)」の送信ビーム2201-2を新たに送信し、端末2202-2が、指向性制御を行うことにより、受信指向性2203-2を生成し、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2」の送信ビーム2201-2を受信する点である。
【0324】
次に、図29に示すような状態を実現するために、基地局及び端末において行われる制御について説明する。
【0325】
図29は、基地局700と端末2202-1とがマルチキャスト通信を行っている状態において、新たに端末2202-2がマルチキャスト通信に参加するという状態を示す。以下、図29に示す状態を例に説明する。
【0326】
図30は、図29に示すような状態、すなわち、基地局が2つの端末に対してマルチキャスト用の送信ビームを送信するような状態を実現するために、基地局及び端末が行う動作の例を示している。
【0327】
[30-1]端末2202-2は、基地局に対して「ストリーム1のマルチキャスト送信の要求」を行う。「ストリーム1のマルチキャスト送信の要求」は、図25におけるユニキャスト送信区間にて送信される。
【0328】
[30-2]基地局は、上記[30-1]に示す要求を受け、「マルチキャスト用のストリーム1の送信を行っていること」を、端末2202-2に通知する。「マルチキャスト用のストリーム1の送信を行っていること」の通知は、図25におけるユニキャスト送信区間にて送信される。
【0329】
[30-3]端末2202-2は、上記[30-2]に示す通知を受け、「マルチキャスト用のストリーム1を受信していないこと」を、基地局に通知する。「マルチキャスト用のストリーム1を受信していないこと」の通知は、図25におけるユニキャスト送信区間にて送信される。
【0330】
[30-4]基地局は、上記[30-3]に示す通知を受け、マルチキャスト用のストリーム1の別の送信ビーム(つまり、図29の送信ビーム2201-2)を送信すると決定する。なお、ここでは、マルチキャスト用のストリーム1の別の送信ビームを送信すると判断しているが、マルチキャスト用のストリーム1の別の送信ビームを送信しないと判断してもよい。この点については、後に説明する。
【0331】
そして、基地局は、端末2202-2に対し、ストリーム1のマルチキャスト送信を行うために、送信指向性制御用のトレーニングシンボル、及び、受信指向性制御用のトレーニングシンボルを送信する。なお、基地局は、これらのシンボルの送信とは別に、図29におけるストリーム1-1の送信ビームを、送信している。この点については、後で説明する。
【0332】
[30-5]端末2202-2は、基地局が送信した送信指向性制御用のトレーニングシンボル、および、受信指向性制御用のトレーニンシンボルを受信する。そして、端末2202-2は、基地局が送信指向性制御を、端末2202-2が受信指向性制御を行うために、基地局に対し、フィードバック情報を送信する。
【0333】
[30-6]基地局は、端末2202-2が送信したフィードバック情報に基づいて、送信指向性制御方法(指向性制御を行うときに使用する重み付け係数の決定など)の決定を行う。そして、基地局は、ストリーム1のデータシンボル(図29のストリーム1-2の送信ビーム2201-2)を送信する。
【0334】
[30-7]端末2202-2は、受信指向性制御方法(指向性制御を行うときに使用する重み付け係数の決定など)の決定を行う。そして、端末2202-2は、基地局が送信したストリーム1のデータシンボル(図29のストリーム1-2の送信ビーム2201-2)の受信を開始する。
【0335】
なお、図30の「基地局と端末の通信を行うための手順」は一例であり、各情報の送信の順番は、図30に限られない。例えば、各情報の送信の順番を入れ替えても、同様の実施が可能である。
【0336】
また、図30では、端末の受信指向性制御を行う例を説明しているが、端末が受信指向性制御を行わなくてもよい。この場合、図30において、基地局は、受信指向性制御用のトレーニングシンボルを送信しなくてもよく、端末は、受信指向性制御方法の決定を行わなくてもよい。
【0337】
基地局が送信指向性制御を行う場合において、基地局が図1の構成の場合は、例えば、図2の乗算部204-1、204-2、204-3、204-4における乗算係数が設定されてよい。基地局が図3の構成の場合は、例えば、重み付け合成部301において、重み付け係数が設定されてよい。なお、送信するストリーム数は、図29の場合は「2」であるが、これに限られない。
【0338】
端末2202-1、2202-2が受信指向性制御を行う場合において、端末が図4の構成の場合は、例えば、図5の乗算部503-1、503-2、503-3、503-4における乗算係数が設定されてよい。端末が図6の構成の場合は、例えば、乗算部603-1、603-2、・・・、603-Lにおける乗算係数が設定されてよい。
【0339】
図31は、図30における基地局と端末の通信が完了した後、基地局がストリーム1のデータシンボルを送信する場合に、基地局が送信するシンボルの例を示す。図31において、横軸は時間方向を示す。
【0340】
図31では、図29の「ストリーム1-1」が存在しているので、図25と同様に、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(M)」2501-1-M、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(M+1)」2501-1-(M+1)、及び、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(M+2)」2501-1-M+2が存在する。なお、「(M)、(M+1)、(M+2)」と記載している理由は、(マルチキャスト用)ストリーム1-1は、(マルチキャスト用)ストリーム1-2が存在する前から存在しているからである。したがって、図31では、Mは2以上の整数である。
【0341】
図31に示すように、ユニキャスト送信区間2503-1及び2503-2以外の区間において、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2データシンボル(1)」3101-1、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2データシンボル(2)」3101-2、及び、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2データシンボル(3)」3101-3が存在している。
【0342】
図31に例示するシンボルは、これまでの説明と同様、以下のように構成される。
【0343】
・「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(M)」2501-1-M、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(M+1)」2501-1-(M+1)、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(M+2)」2501-1-(M+2)、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2データシンボル(1)」3101-1、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2データシンボル(2)」3101-2、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2データシンボル(3)」3101-3は、いずれも「ストリーム1」を伝送するためのデータシンボルである。
【0344】
・端末は、「ストリーム1-1のデータシンボル」を得ることで、「ストリーム1のデータ」を得る。また、端末は、「ストリーム1-2のデータシンボル」を得ることで、「ストリーム1のデータ」を得る。
【0345】
・「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(M)」2501-1-M、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(M+1)」2501-1-(M+1)、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(M+2)」2501-1-(M+2)の送信ビームの指向性と、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2データシンボル(1)」3101-1、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2データシンボル(2)」3101-2、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2データシンボル(3)」3101-3の送信ビームの指向性とは、互いに異なる。したがって、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(M)」2501-1-M、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(M+1)」2501-1-(M+1)、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(M+2)」2501-1-(M+2)の送信ビームを生成するために使用する基地局の送信装置の乗算係数(または重み付け係数)のセットと、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2データシンボル(1)」3101-1、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2データシンボル(2)」3101-2、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2データシンボル(3)」3101-3の送信ビームを生成するために使用する基地局の送信装置の乗算係数(または重み付け係数)のセットとは、互いに異なる。
【0346】
以上の構成により、基地局が送信したマルチキャストストリームを、2つの端末が受信できる。このとき、送受信で指向性制御を行っているため、本実施の形態の効果として、マルチキャスト用のストリームを受信することができるエリアを広範にすることができる。また、ストリームの追加、及び/又は、送信ビームの追加は、適応的に行われるため、本実施の形態の効果として、データを伝送するための周波数、時間、及び/又は、空間の資源を有効に活用することができる。
【0347】
なお、以降に説明するような制御が行われてもよい。当該制御の詳細は以下のとおりである。
【0348】
図32は、図31と異なる「図30における基地局と端末の通信が完了した後、基地局が(ストリーム1の)データシンボルを送信する際の、基地局が送信するシンボルの例」である。図32において、横軸は時間方向を示す。なお、図32において、図25図31と同様に動作するものについては、同一番号を付している。
【0349】
図32において、図31と異なる点は、ユニキャスト送信区間2503-1、2503-2を時間的に長く設定しているため、基地局は、これ以上のマルチキャスト用のシンボルを追加して、送信しない点である。
【0350】
図33は、図29に示すように基地局が2つの端末(端末2202-1、2202-2)に対してマルチキャスト用の送信ビームを送信し、さらに、新たな端末2202-3が基地局に対して、送信ビームの追加の要求を行う場合における動作の例を示す。なお、基地局が送信する変調信号のフレームを、図32に示す。
【0351】
[33-1]端末2202-3は、基地局に対して、「ストリーム1のマルチキャスト送信の要求」を行う。「ストリーム1のマルチキャスト送信の要求」は、図32におけるユニキャスト送信区間にて送信される。
【0352】
[33-2]基地局は、上記[33-1]に示す要求を受け、「マルチキャスト用のストリーム1の送信を行っていること」を、端末2202-3に通知する。「マルチキャスト用のストリーム1の送信を行っていることの通知」は、図32におけるユニキャスト送信区間にて送信される。
【0353】
[33-3]端末2202-3は、上記[33-2]に示す通知を受け、「マルチキャスト用のストリーム1を受信していないこと」を、基地局に通知する。「マルチキャスト用のストリーム1を受信していないことの通知」は、図32におけるユニキャスト送信区間にて送信される。
【0354】
[33-4]基地局は、上記[33-3]に示す通知を受け、マルチキャスト用ストリーム1の送信ビームとして、ストリーム1-1の送信ビーム及びストリーム1-2の送信ビームとは別の送信ビームを送信することができるか否かを判定する。この場合、図32に示すフレームであることを考慮し、基地局は、マルチキャスト用ストリーム1の別の送信ビームを送信しないと判定する。よって、基地局は、「マルチキャスト用ストリーム1の別の送信ビームを送信しないこと」を、端末2202-3に通知する。なお、「マルチキャスト用ストリーム1の別の送信ビームを送信しないことの通知」は、図32におけるユニキャスト送信区間にて送信される。
【0355】
[33-5]端末2202-3は、「マルチキャスト用ストリーム1の別の送信ビームを送信しないことの通知」を受信する。
【0356】
なお、図33の「基地局と端末の通信の手順」は一例であり、各情報の送信の順番は、図33に限られない。例えば、各送信の順番を入れ替えても、同様の実施が可能である。このように、マルチキャスト送信のための通信資源が不足している場合、マルチキャスト送信ビームの追加は、行われなくてもよい。
【0357】
図34は、図29に示す基地局が2つの端末(端末2202-1、2202-2)に対してマルチキャスト用の送信ビームを送信し、さらに、新たな端末2202-3が、基地局に対して、別のマルチキャスト用のストリーム(ストリーム2)の送信ビームの追加の要求を行う場合における動作の例を示している。なお、基地局が送信している変調信号のフレームは、図31のような状態である。
【0358】
[34-1]端末2202-3は、基地局に対して、「ストリーム2のマルチキャスト送信の要求」を行う。「ストリーム2のマルチキャスト送信の要求」は、図31におけるユニキャスト送信区間2503にて送信される。
【0359】
[34-2]基地局は、上記[34-1]に示す要求を受け、「マルチキャスト用のストリーム2の送信を行っていないこと」を、端末2202-3に通知する。また、基地局は、マルチキャスト用のストリーム2の送信ビームを基地局が追加して送信できるか否かを判定する。この場合、図31のようなフレーム状態であることを考慮し、「マルチキャスト用のストリーム2の送信ビームの送信に対応していること」を、端末2202-3に通知する。「マルチキャスト用のストリーム2の送信を行っていないことの通知」、および、「マルチキャスト用のストリーム2の送信ビームが送信可能であることの通知」は、図31におけるユニキャスト送信区間2503にて送信される。
【0360】
[34-3]端末2203-3は、上記[34-2]に示す通知を受け、「マルチキャスト用のストリーム2の受信準備が完了したこと」を、基地局に通知する。「マルチキャスト用のストリーム2の受信準備が完了したこと」の通知は、図31におけるユニキャスト送信区間2503にて送信される。
【0361】
[34-4]基地局は、上記[34-3]に示す通知を受け、マルチキャスト用のストリーム2の送信ビームを送信することを決定する。そこで、基地局は、端末2202-3に対して、ストリーム2のマルチキャスト送信を行うために、送信指向性制御用のトレーニングシンボル、及び、受信指向性制御用のトレーニングシンボルを送信する。なお、基地局は、これらのシンボルの送信とは別に、図31のようにストリーム1-1の送信ビーム、及び、ストリーム1-2の送信ビームを送信している。この点については、後に説明する。
【0362】
[34-5]端末2202-3は、基地局が送信した送信指向性制御用のトレーニングシンボル、および、受信指向性制御用のトレーニングシンボルを受信する。そして、端末2202-3は、基地局が送信指向性制御を、端末2202-3が受信指向性制御を行うために、基地局に対し、フィードバック情報を送信する。
【0363】
[34-6]基地局は、端末2202-3が送信したフィードバック情報に基づいて、送信指向性制御方法(指向性制御を行うときに使用する重み付け係数の決定など)の決定を行い、ストリーム2のデータシンボルを送信する。
【0364】
[34-7]端末2202-3は、受信指向性制御方法(指向性制御を行うときに使用する重み付け係数の決定など)の決定を行い、基地局が送信したストリーム2のデータシンボルの受信を開始する。
【0365】
なお、図34の「基地局と端末の通信を行うための手順」は、一例であり、各情報の送信の順番は、図34に限られない。例えば、各情報の送信の順番を入れ替えても、同様の実施が可能である。
【0366】
また、図34では、端末の受信指向性制御を行う例を説明しているが、端末が受信指向性制御を行わなくてもよい。この場合、図34において、基地局は、受信指向性制御用のトレーニングシンボルを送信しなくてもよく、端末は、受信指向性制御方法の決定を行わなくてもよい。
【0367】
基地局が送信指向性制御を行う場合において、基地局が図1の構成の場合は、例えば、図2の乗算部204-1、204-2、204-3、204-4における乗算係数が設定されてよい。
【0368】
端末2202-1、2202-2、2202-3が受信指向性制御を行う場合において、端末が図4の構成の場合は、例えば、図5の乗算部503-1、503-2、503-3、503-4における乗算係数が設定されてよい。端末が図6の構成の場合は、例えば、乗算部603-1、603-2、・・・、603-Lにおける乗算係数が設定されてよい。
【0369】
図35は、図34における基地局と端末との間の通信が完了した後、基地局が、ストリーム1及びストリーム2のデータシンボルを送信する場合に、基地局が送信するシンボルの例を示す。図35において、横軸は時間方向を示す。
【0370】
図35において、図31に示す「ストリーム1-1」及び「ストリーム1-2」が存在しているので、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(M)」2501-1-M、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(M+1)」2501-1-(M+1)、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(M+2)」2501-1-(M+2)が存在する。また、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2データシンボル(N)」3101-N、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2データシンボル(N+1)」3101-(N+1)、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2データシンボル(N+2)」3101-(N+2)が存在する。なお、N、Mは、それぞれ、2以上の整数である。
【0371】
図35に示すように、ユニキャスト送信区間2503-1及び2503-2以外の区間において、「(マルチキャスト用)ストリーム2-1データシンボル(1)」3501-1、「(マルチキャスト用)ストリーム2-1データシンボル(2)」3501-2、及び、「(マルチキャスト用)ストリーム2-1データシンボル(3)」3501-3が存在している。
【0372】
図35に例示するシンボルは、これまでの説明と同様、以下のように構成される。
【0373】
・「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(M)」2501-1-M、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(M+1)」2501-1-(M+1)、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(M+2)」2501-1-(M+2)、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2データシンボル(N)」3101-N、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2データシンボル(N+1)」3101-(N+1)、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2データシンボル(N+2)」3101-(N+2)は、いずれも「ストリーム1」を伝送するためのデータシンボルである。
【0374】
・端末は、「ストリーム1-1のデータシンボル」を得ることで、「ストリーム1のデータ」を得る。また、端末は、「ストリーム1-2のデータシンボル」を得ることで、「ストリーム1のデータ」を得る。
【0375】
・「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(M)」2501-1-M、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(M+1)」2501-1-(M+1)、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(M+2)」2501-1-(M+2)の送信ビームの指向性と、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2データシンボル(1)」3101-1、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2データシンボル(2)」3101-2、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2データシンボル(3)」3101-3の送信ビームの指向性とは、互いに異なる。したがって、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(M)」2501-1-M、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(M+1)」2501-1-(M+1)、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(M+2)」2501-1-(M+2)の送信ビームを生成するために使用する基地局の送信装置の乗算係数(または重み付け係数)のセットと、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2データシンボル(1)」3101-1、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2データシンボル(2)」3101-2、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2データシンボル(3)」3101-3の送信ビームを生成するために使用する基地局の送信装置の乗算係数(または重み付け係数)のセットとは、互いに異なる。
【0376】
・「(マルチキャスト用)ストリーム2-1データシンボル(1)」3501-1、「(マルチキャスト用)ストリーム2-1データシンボル(2)」3501-2、「(マルチキャスト用)ストリーム2-1データシンボル(3)」3501-3は、「ストリーム2」を伝送するためのデータシンボルである。
【0377】
・端末は、「ストリーム2-1のデータシンボル」を得ることで、「ストリーム2」のデータを得る。
【0378】
以上の構成により、端末は、基地局が送信した複数のマルチキャストストリーム(ストリーム1とストリーム2)を受信できる。このとき、送受信で指向性制御を行っているため、本実施の形態の効果として、マルチキャスト用のストリームが受信可能なエリアを広範にすることができる。また、ストリームの追加、及び/又は、送信ビームの追加は、適応的に行われるため、本実施の形態の効果として、データを伝送するための周波数、時間、及び/又は、空間の資源を有効に活用することができる。
【0379】
なお、以降に説明するような制御が行なわれてもよい。当該制御の詳細は以下のとおりである。
【0380】
図32は、図35と異なる「基地局が(ストリーム1の)データシンボルを送信する際の、基地局が送信するシンボルの例」である。図32において、横軸は時間方向を示す。なお、図32において、図25図31と同様に動作するものについては、同一番号を付している。
【0381】
図32において、図35と異なる点は、ユニキャスト送信区間2503-1、2503-2を時間的に長く設定しているため、基地局は、これ以上のマルチキャスト用のシンボル、例えば、新しいストリームのシンボルを追加して、送信しない点である。
【0382】
図36は、図29に示すように基地局が2つの端末(端末2202-1、2202-2)にマルチキャスト用の送信ビームを送信し、さらに、新たな端末2202-3が基地局に対して、別のマルチキャスト用のストリーム(ストリーム2)の送信ビームの追加の要求を行う場合における、動作の例を示す。なお、基地局が送信する変調信号のフレームを、図32に示す。
【0383】
[36-1]端末2202-3は、基地局に対して、「ストリーム2のマルチキャスト送信の要求」を行う。「ストリーム2のマルチキャスト送信の要求」は、図32におけるユニキャスト送信区間にて送信される。
【0384】
[36-2]基地局は、上記[36-1]に示す要求を受け、「マルチキャスト用のストリーム2の送信を行っていないこと」を、端末2202-3に通知する。「マルチキャスト用のストリーム2の送信を行っていないこと」は、図32におけるユニキャスト送信区間にて送信される。また、基地局は、マルチキャスト用ストリーム2の送信ビームを送信することができるか否かの判定を行う。基地局は、図32に示すフレームを考慮し、マルチキャスト用ストリーム2の送信ビームを送信しないと判定する。よって、基地局は、「マルチキャスト用ストリーム2の送信ビームを送信しないこと」を、端末2202-3に通知する。なお、「マルチキャスト用ストリーム2の送信ビームを送信しないことの通知」は、図32におけるユニキャスト送信区間にて送信される。
【0385】
[36-3]端末2202-3は、「マルチキャスト用ストリーム2の送信ビームを送信しないことの通知」を受信する。
【0386】
なお、図36の「基地局と端末の通信の手順」は一例であり、各情報の送信の順番は、図36に限られない。例えば、各送信の手順を入れ替えても、同様の実施が可能である。このように、マルチキャスト送信のための通信資源が不足している場合、ストリームの追加、及び/又は、マルチキャスト送信ビームの追加は、行われなくてもよい。
【0387】
なお、図35などで示したユニキャスト送信区間2503-1、2503-2の設定方法について補足説明をする。
【0388】
例えば、図35において、マルチキャスト用の送信ビームの数の最大値を、あらかじめ決定または設定する。
【0389】
そして、基地局は、各端末の要求を受け、マルチキャスト用の送信ビームの数の最大値以下となる、マルチキャスト用の送信ビームを送信する。例えば、図35の場合、マルチキャスト用の送信ビーム数は3である。そして、基地局は、マルチキャスト用の複数の送信ビームを送信し、これらを送信した後の時間的な空き時間をユニキャスト送信区間と定める。
【0390】
以上のように、ユニキャスト送信区間を定めてもよい。
【0391】
(補足1)
補足1では、基地局が、複数の端末とユニキャスト通信、つまり、個別通信を行っている場合について説明する。
【0392】
例えば、図9のストリーム1の#1シンボル群901-1、ストリーム1の#2シンボル群901-2、および、ストリーム1の#3シンボル群901-3は、基地局が、複数の端末とデータ通信を行うために、複数の端末に対してブロードキャストする制御情報であってよい。つまり、これらのシンボル群は、ブロードキャストチャネルの情報であってよい。なお、制御情報は、例えば、基地局と端末との間でデータ通信を実現するために用いることができる情報である。
【0393】
例えば、図9のストリーム1の#1シンボル群901-1、ストリーム1の#2シンボル群901-2、および、ストリーム1の#3シンボル群901-3は、コモンサーチスペース(common search space)であってもよい。なお、コモンサーチスペースは、セル制御を行うための制御情報である。また、コモンサーチスペースは、複数の端末に対し、ブロードキャストされる制御情報である。
【0394】
例えば、図9のストリーム2の#1シンボル群902-1、ストリーム2の#2シンボル群902-2、および、ストリーム2の#3シンボル群902-3は、基地局が、複数の端末とデータ通信を行うために、複数の端末に対してブロードキャストする制御情報であってよい。つまり、これらのシンボル群は、ブロードキャストチャネルの情報であってよい。
【0395】
例えば、図9のストリーム2の#1シンボル群902-1、ストリーム2の#2シンボル群902-2、および、ストリーム2の#3シンボル群902-3は、コモンサーチスペースであってもよい。
【0396】
図9のストリーム1の#1シンボル群901-1、ストリーム1の#2シンボル群901-2、および、ストリーム1の#3シンボル群901-3、ストリーム2の#1シンボル群902-1、ストリーム2の#2シンボル群902-2、および、ストリーム2の#3シンボル群902-3の説明については、これまでの実施の形態にて説明したとおりであるので、説明を省略する。
【0397】
例えば、図14の変調信号1の#1シンボル群1401-1、変調信号1の#2シンボル群1401-2、および、変調信号1の#3シンボル群1401-3は、基地局が、複数の端末とデータ通信を行うために、複数の端末に対してブロードキャストする制御情報であってよい。つまり、これらのシンボル群は、ブロードキャストチャネルの情報であってよい。
【0398】
例えば、図14の変調信号1の#1シンボル群1401-1、変調信号1の#2シンボル群1401-2、および、変調信号1の#3シンボル群1401-3は、コモンサーチスペースであってもよい。
【0399】
例えば、図14の変調信号2の#1シンボル群1402-1、変調信号2の#2シンボル群1402-2、および、変調信号2の#3シンボル群1402-3は、基地局が、複数の端末とデータ通信を行うために、複数の端末に対してブロードキャストする制御情報であってよい。つまり、これらのシンボル群は、ブロードキャストチャネルの情報であってよい。
【0400】
例えば、図14の変調信号2の#1シンボル群1402-1、変調信号2の#2シンボル群1402-2、および、変調信号2の#3シンボル群1402-3は、コモンサーチスペースであってもよい。
【0401】
図14の変調信号1の#1シンボル群1401-1、変調信号1の#2シンボル群1401-2、および、変調信号1の#3シンボル群1401-3は、これまでの実施の形態にて説明したとおりである。図14の変調信号2の#1シンボル群1402-1、変調信号2の#2シンボル群1402-2、および、変調信号2の#3シンボル群1402-3は、これまでの実施の形態にて説明したとおりである。
【0402】
例えば、図25のストリーム1-1データシンボル(1)2501-1-1、ストリーム1-1データシンボル(2)2501-1-2、および、ストリーム1-1データシンボル(3)2501-1-3は、基地局が、複数の端末とデータ通信を行うために、複数の端末に対してブロードキャストする制御情報であってもよい。つまり、これらのシンボルは、ブロードキャストチャネルの情報であってよい。
【0403】
例えば、図25のストリーム1-1データシンボル(1)2501-1-1、ストリーム1-1データシンボル(2)2501-1-2、および、ストリーム1-1データシンボル(3)2501-1-3は、コモンサーチスペースであってもよい。
【0404】
なお、図25のストリーム1-1データシンボル(1)2501-1-1、ストリーム1-1データシンボル(2)2501-1-2、および、ストリーム1-1データシンボル(3)2501-1-3は、これまでの実施の形態にて説明したとおりである。
【0405】
例えば、図31図32のストリーム1-1データシンボル(M)2501-1-M、ストリーム1-1データシンボル(M+1)2501-1-(M+1)、ストリーム1-1データシンボル(M+2)2501-1-(M+2)、ストリーム1-2データシンボル(1)3101-1、ストリーム1-2データシンボル(2)3101-2、及び、ストリーム1-2データシンボル(3)3101-3は、基地局が、複数の端末とデータ通信を行うために、複数の端末に対してブロードキャストする制御情報であってもよい。つまり、これらのシンボルは、ブロードキャストチャネルの情報であってよい。
【0406】
例えば、図31図32のストリーム1-1データシンボル(M)2501-1-M、ストリーム1-1データシンボル(M+1)2501-1-(M+1)、ストリーム1-1データシンボル(M+2)2501-1-(M+2)、ストリーム1-2データシンボル(1)3101-1、ストリーム1-2データシンボル(2)3101-2、及び、ストリーム1-2データシンボル(3)3101-3は、コモンサーチスペースであってもよい。
【0407】
なお、図31図32のストリーム1-1データシンボル(M)2501-1-M、ストリーム1-1データシンボル(M+1)2501-1-(M+1)、ストリーム1-1データシンボル(M+2)2501-1-(M+2)、ストリーム1-2データシンボル(1)3101-1、ストリーム1-2データシンボル(2)3101-2、及び、ストリーム1-2データシンボル(3)3101-3は、これまでの実施の形態にて説明したとおりである。
【0408】
例えば、図35において、ストリーム1-1データシンボル(M)2501-1-M、ストリーム1-1データシンボル(M+1)2501-1-(M+1)、ストリーム1-1データシンボル(M+2)2501-1-(M+2)、ストリーム1-2データシンボル(N)3101-N、ストリーム1-2データシンボル(N+1)3101-(N+1)、および、ストリーム1-2データシンボル(N+2)3101-(N+2)は、基地局が、複数の端末とデータ通信を行うために、複数の端末に対してブロードキャストする制御情報であってもよい。つまり、これらのシンボルは、ブロードキャストチャネルの情報であってよい。
【0409】
例えば、図35において、ストリーム1-1データシンボル(M)2501-1-M、ストリーム1-1データシンボル(M+1)2501-1-(M+1)、ストリーム1-1データシンボル(M+2)2501-1-(M+2)、ストリーム1-2データシンボル(N)3101-N、ストリーム1-2データシンボル(N+1)3101-(N+1)、および、ストリーム1-2データシンボル(N+2)3101-(N+2)は、コモンサーチスペースであってもよい。
【0410】
例えば、図35のストリーム2-1データシンボル(1)3501-1、ストリーム2-1データシンボル(2)3501-2、および、ストリーム2-1データシンボル(3)3501-3は、基地局が、複数の端末とデータ通信を行うために、複数の端末に対してブロードキャストする制御情報であってもよい。つまり、これらのシンボルは、ブロードキャストチャネルの情報であってよい。
【0411】
例えば、図35のストリーム2-1データシンボル(1)3501-1、ストリーム2-1データシンボル(2)3501-2、および、ストリーム2-1データシンボル(3)3501-3は、コモンサーチスペースであってもよい。
【0412】
なお、図35において、ストリーム1-1データシンボル(M)2501-1-M、ストリーム1-1データシンボル(M+1)2501-1-(M+1)、ストリーム1-1データシンボル(M+2)2501-1-(M+2)、ストリーム1-2データシンボル(N)3101-N、ストリーム1-2データシンボル(N+1)3101-(N+1)、および、ストリーム1-2データシンボル(N+2)3101-(N+2)は、これまでの実施の形態にて説明したとおりである。図35のストリーム2-1データシンボル(1)3501-1、ストリーム2-1データシンボル(2)3501-2、および、ストリーム2-1データシンボル(3)3501-3は、これまでの実施の形態にて説明したとおりである。
【0413】
図9図14図25図31図32図35において、各データシンボルを送信する際、シングルキャリアの伝送方法を用いてもよいし、OFDMなどのマルチキャリアの伝送方式を用いてもよい。また、データシンボルの時間的な位置は、図9図14図25図31図32図35に限られない。
【0414】
図25図31図32図35において、横軸を時間方向として説明しているが、横軸を周波数(キャリア)方向としても、同様の実施が可能である。なお、横軸を周波数(キャリア)方向とした場合、基地局は、各データシンボルを、1つ以上のキャリア、または、サブキャリアを用いて、送信する。
【0415】
(補足2)
補足2では、基地局が複数の端末とユニキャスト通信、つまり、個別通信を行っている場合について説明する。
【0416】
例えば、図9のストリーム1の#1シンボル群901-1、ストリーム1の#2シンボル群901-2、ストリーム1の#3シンボル群901-3、ストリーム2の#1シンボル群902-1、ストリーム2の#2シンボル群902-2、および、ストリーム2の#3シンボル群902-3は、基地局宛てのデータ又は通信を行っている複数端末のうちのいずれかの端末宛のデータであってもよい。この場合、データの中には、制御情報が含まれていてもよい。
【0417】
なお、図9のストリーム1の#1シンボル群901-1、ストリーム1の#2シンボル群901-2、ストリーム1の#3シンボル群901-3、ストリーム2の#1シンボル群902-1、ストリーム2の#2シンボル群902-2、および、ストリーム2の#3シンボル群902-3は、これまでの実施の形態にて説明したとおりである。
【0418】
例えば、図14の変調信号1の#1シンボル群1401-1、変調信号1の#2シンボル群1401-2、変調信号1の#3シンボル群1401-3、変調信号2の#1シンボル群1401-3、変調信号2の#2シンボル群1402-2、および、変調信号2の#3シンボル群1402-3は、基地局宛てのデータ又は通信を行っている複数端末のうちのいずれかの端末宛のデータであってもよい。この場合、データの中には、制御情報が含まれていてもよい。
【0419】
なお、図14の変調信号1の#1シンボル群1401-1、変調信号1の#2シンボル群1401-2、変調信号1の#3シンボル群1401-3、変調信号2の#1シンボル群1401-3、変調信号2の#2シンボル群1402-2、および、変調信号2の#3シンボル群1402-3は、これまでの実施の形態にて説明したとおりである。
【0420】
例えば、図25のストリーム1-1データシンボル(1)2501-1-1、ストリーム1-1データシンボル(2)2501-1-2、および、ストリーム1-1データシンボル(3)2501-1-3は、基地局宛てのデータ又は通信を行っている複数端末のうちのいずれかの端末宛のデータであってもよい。この場合、データの中には、制御情報が含まれていてもよい。
【0421】
なお、図25のストリーム1-1データシンボル(1)2501-1-1、ストリーム1-1データシンボル(2)2501-1-2、および、ストリーム1-1データシンボル(3)2501-1-3は、これまでの実施の形態にて説明したとおりである。
【0422】
例えば、図31図32のストリーム1-1データシンボル(M)2501-1-M、ストリーム1-1データシンボル(M+1)2501-1-(M+1)、ストリーム1-1データシンボル(M+2)2501-1-(M+2)、ストリーム1-2データシンボル(1)3101-1、ストリーム1-2データシンボル(2)3101-2、ストリーム1-2データシンボル(3)3101-3は、基地局宛てのデータ又は通信を行っている複数端末のうちのいずれかの端末宛のデータであってもよい。この場合、データの中には、制御情報が含まれていてもよい。
【0423】
なお、図31図32のストリーム1-1データシンボル(M)2501-1-M、ストリーム1-1データシンボル(M+1)2501-1-(M+1)、ストリーム1-1データシンボル(M+2)2501-1-(M+2)、ストリーム1-2データシンボル(1)3101-1、ストリーム1-2データシンボル(2)3101-2、ストリーム1-2データシンボル(3)3101-3は、これまでの実施の形態にて説明したとおりである。
【0424】
例えば、図35において、ストリーム1-1データシンボル(M)2501-1-M、ストリーム1-1データシンボル(M+1)2501-1-(M+1)、ストリーム1-1データシンボル(M+2)2501-1-(M+2)、ストリーム1-2データシンボル(N)3101-N、ストリーム1-2データシンボル(N+1)3101-(N+1)、ストリーム1-2データシンボル(N+2)3101-(N+2)は、基地局宛てのデータ又は通信を行っている複数端末のうちのいずれかの端末宛のデータであってもよい。この場合、データの中には、制御情報が含まれていてもよい。
【0425】
例えば、図35のストリーム2-1データシンボル(1)3501-1、ストリーム2-1データシンボル(2)3501-2、および、ストリーム2-1データシンボル(3)3501-3は、基地局宛てのデータ又は通信を行っている複数端末のうちのいずれかの端末宛のデータであってもよい。この場合、データの中には、制御情報が含まれていてもよい。
【0426】
なお、図35において、ストリーム1-1データシンボル(M)2501-1-M、ストリーム1-1データシンボル(M+1)2501-1-(M+1)、ストリーム1-1データシンボル(M+2)2501-1-(M+2)、ストリーム1-2データシンボル(N)3101-N、ストリーム1-2データシンボル(N+1)3101-(N+1)、ストリーム1-2データシンボル(N+2)3101-(N+2)、ストリーム2-1データシンボル(1)3501-1、ストリーム2-1データシンボル(2)3501-2、および、ストリーム2-1データシンボル(3)3501-3は、これまでの実施の形態にて説明したとおりである。
【0427】
図9図14図25図31図32図35において、各データシンボルを送信する際、シングルキャリアの伝送方法を用いてもよいし、OFDMなどのマルチキャリアの伝送方式を用いてもよい。また、データシンボルの時間的な位置は、図9図14図25図31図32図35に限られない。
【0428】
また、図25図31図32図35において、横軸を時間方向として説明しているが、横軸を周波数(キャリア)方向としても、同様の実施が可能である。なお、横軸を周波数(キャリア)方向としたとき、基地局は、各データシンボルを、1つ以上のキャリア、または、サブキャリアを用いて、送信する。
【0429】
(補足3)
基地局は、図9のフレーム構成のように、ストリーム1の#1シンボル群901-1、ストリーム1の#2シンボル群901-2、ストリーム1の#3シンボル群901-3、ストリーム2の#1シンボル群902-1、ストリーム2の#2シンボル群902-2、及び、ストリーム2の#3シンボル群902-3を送信している時間帯に、「ストリーム1の#1シンボル群901-1の送信ビーム、ストリーム1の#2シンボル群901-2の送信ビーム、ストリーム1の#3シンボル群901-3の送信ビーム、ストリーム2の#1シンボル群902-1の送信ビーム、ストリーム2の#2シンボル群902-2の送信ビーム、ストリーム2の#3シンボル群902-3の送信ビーム」とは別の送信ビームを用いて、別のシンボル群を、送信してもよい。
【0430】
また、図3の基地局は、「信号処理部102の信号処理、および、重み付け合成部301による信号処理」、または、「信号処理部102の信号処理、または、重み付け合成部301による信号処理」によって、上記の「別のシンボル群」のための送信ビームを生成してもよい。
【0431】
また、基地局は、図14のフレーム構成のように、変調信号1の#1シンボル群1401-1、変調信号1の#2シンボル群1401-2、変調信号1の#3シンボル群1401-3、変調信号2の#1シンボル群1402-1、変調信号2の#2シンボル群1402-2、及び、変調信号2の#3シンボル群1402-3を送信している時間帯に、「変調信号1の#1シンボル群1401-1の送信ビーム、変調信号1の#2シンボル群1401-2の送信ビーム、変調信号1の#3シンボル群1401-3の送信ビーム、変調信号2の#1シンボル群1402-1の送信ビーム、変調信号2の#2シンボル群1402-2の送信ビーム、変調信号2の#3シンボル群1402-3の送信ビーム」とは別の送信ビームを用いて、別のシンボル群を、送信してもよい。
【0432】
この場合、「別のシンボル群」は、ある端末宛のデータシンボルを含むシンボル群であってもよいし、本開示の他の部分で説明したような、制御情報シンボル群を含むシンボル群であってもよいし、他のマルチキャスト用のデータシンボルを含むシンボル群であってもよい。
【0433】
また、図3の基地局が、「信号処理部102の信号処理、および、重み付け合成部301による信号処理」、または、「信号処理部102の信号処理、または、重み付け合成部301による信号処理」によって、上記の「別のシンボル群」のための送信ビームを生成してもよい。
【0434】
(補足4)
例えば、基地局は、図25のフレーム構成のように、ストリーム1-1データシンボル(1)2501-1-1、ストリーム1-1データシンボル(2)2501-1-2、又は、ストリーム1-1データシンボル(3)2501-1-3を送信している時間帯に、「ストリーム1-1データシンボル(1)2501-1-1、ストリーム1-1データシンボル(2)2501-1-2、ストリーム1-1データシンボル(3)2501-1-3を送信する送信ビーム」とは別の送信ビームを用いて、別のシンボル群を、送信してもよい。
【0435】
なお、図25において、横軸が周波数方向である場合も同様である。例えば、基地局は、ストリーム1-1データシンボル(1)2501-1-1、ストリーム1-1データシンボル(2)2501-1-2、又は、ストリーム1-1データシンボル(3)2501-1-3を送信している時間帯に、「ストリーム1-1データシンボル(1)2501-1-1、ストリーム1-1データシンボル(2)2501-1-2、ストリーム1-1データシンボル(3)2501-1-3を送信する送信ビーム」とは別の送信ビームを用いて、別のシンボル群を、送信してもよい。
【0436】
例えば、基地局は、図31図32のフレーム構成のように、ストリーム1-1データシンボル(M)2501-1-M、ストリーム1-1データシンボル(M+1)2501-1-(M+1)、又は、ストリーム1-1データシンボル(M+2)2501-1-(M+2)を送信している時間帯に、「ストリーム1-1データシンボル(M)2501-1-M、ストリーム1-1データシンボル(M+1)2501-1-(M+1)、ストリーム1-1データシンボル(M+2)2501-1-(M+2)を送信する送信ビーム」とは別の送信ビームを用いて、別のシンボル群を送信してもよい。
【0437】
なお、図31図32において、横軸が周波数方向である場合も同様である。例えば、基地局は、ストリーム1-1データシンボル(M)2501-1-M、ストリーム1-1データシンボル(M+1)2501-1-(M+1)、又は、ストリーム1-1データシンボル(M+2)2501-1-(M+2)を送信している時間帯に、「ストリーム1-1データシンボル(M)2501-1-M、ストリーム1-1データシンボル(M+1)2501-1-(M+1)、ストリーム1-1データシンボル(M+2)2501-1-(M+2)を送信する送信ビーム」とは別の送信ビームを用いて、別のシンボル群を送信してもよい。
【0438】
例えば、基地局は、図31図32のフレーム構成のように、ストリーム1-2データシンボル(1)3101-1、ストリーム1-2データシンボル(2)3101-2、又は、ストリーム1-2データシンボル(3)3101-3を送信している時間帯に、「ストリーム1―2データシンボル(1)3101-1、ストリーム1-2データシンボル(2)3101-2、ストリーム1-2データシンボル(3)3101-3を送信する送信ビーム」とは別の送信ビームを用いて、別のシンボル群を送信してもよい。
【0439】
なお、図31図32において、横軸が周波数方向である場合も同様である。例えば、基地局は、ストリーム1-2データシンボル(1)3101-1、ストリーム1-2データシンボル(2)3101-2、又は、ストリーム1-2データシンボル(3)3101-3を送信している時間帯に、「ストリーム1-2データシンボル(1)3101-1、ストリーム1-2データシンボル(2)3101-2、ストリーム1-2データシンボル(3)3101-3を送信する送信ビーム」とは別の送信ビームを用いて、別のシンボル群を送信してもよい。
【0440】
例えば、基地局は、図35のフレーム構成のように、ストリーム1-1データシンボル(M)2501-1-M、ストリーム1-1データシンボル(M+1)2501-(M+1)、又は、ストリーム1-1データシンボル(M+2)2501-(M+2)を送信している時間帯に、「ストリーム1-1データシンボル(M)2501-1-M、ストリーム1-1データシンボル(M+1)2501-(M+1)、ストリーム1-1データシンボル(M+2)2501-(M+2)を送信する送信ビーム」とは別の送信ビームを用いて、別のシンボル群を送信してもよい。
【0441】
なお、図35において、横軸が周波数方向である場合も同様である。例えば、基地局は、ストリーム1-1データシンボル(M)2501-1-M、ストリーム1-1データシンボル(M+1)2501-(M+1)、又は、ストリーム1-1データシンボル(M+2)2501-(M+2)を送信している時間帯に、「ストリーム1-1データシンボル(M)2501-1-M、ストリーム1-1データシンボル(M+1)2501-(M+1)、ストリーム1-1データシンボル(M+2)2501-(M+2)を送信する送信ビーム」とは別の送信ビームを用いて、別のシンボル群を送信してもよい。
【0442】
例えば、基地局が、図35のフレーム構成のように、ストリーム1-2データシンボル(N)3101-N、ストリーム1-2データシンボル(N+1)3101-(N+1)、又は、ストリーム1-2データシンボル(N+2)3101-(N+2)を送信している時間帯に、「ストリーム1-2データシンボル(N)3101-N、ストリーム1-2データシンボル(N+1)3101-(N+1)、ストリーム1-2データシンボル(N+2)3101-(N+2)を送信する送信ビーム」とは別の送信ビームを用いて、別のシンボル群を送信してもよい。
【0443】
なお、図35において、横軸が周波数方向である場合も同様である。例えば、基地局は、ストリーム1-2データシンボル(N)3101-N、ストリーム1-2データシンボル(N+1)3101-(N+1)、又は、ストリーム1-2データシンボル(N+2)3101-(N+2)を送信している時間帯に、「ストリーム1-2データシンボル(N)3101-N、ストリーム1-2データシンボル(N+1)3101-(N+1)、ストリーム1-2データシンボル(N+2)3101-(N+2)を送信する送信ビーム」とは別の送信ビームを用いて、別のシンボル群を送信してもよい。
【0444】
例えば、基地局は、図35のフレーム構成のように、ストリーム2-1データシンボル(1)3501-1、ストリーム2-1データシンボル(2)3501-2、ストリーム2-1データシンボル(3)3501-3を送信している時間帯に、「ストリーム2-1データシンボル(1)3501-1、ストリーム2-1データシンボル(2)3501-2、ストリーム2-1データシンボル(3)3501-3を送信する送信ビーム」とは別の送信ビームを用いて、別のシンボル群を送信してもよい。
【0445】
なお、図35において、横軸が周波数方向である場合も同様である。例えば、基地局は、ストリーム2-1データシンボル(1)3501-1、ストリーム2-1データシンボル(2)3501-2、又は、ストリーム2-1データシンボル(3)3501-3を送信している時間帯に、「ストリーム2-1データシンボル(1)3501-1、ストリーム2-1データシンボル(2)3501-2、ストリーム2-1データシンボル(3)3501-3を送信する送信ビーム」とは別の送信ビームを用いて、別のシンボル群を送信してもよい。
【0446】
上記において、「別のシンボル群」とは、ある端末宛のデータシンボルを含むシンボル群であってもよいし、本明細書の他の部分で説明したような、制御情報シンボルを含むシンボル群であってもよいし、他のマルチキャスト用のデータシンボルを含むシンボル群であってもよい。
【0447】
この場合、図1の基地局は、信号処理部102の信号処理によって、上記の「別のシンボル群」のための送信ビームを生成してもよい。或いは、図1の基地局が、アンテナ部106-1からアンテナ部106-Mまでのアンテナを選択することで、上記の「別のシンボル群」のための送信ビームを生成してもよい。
【0448】
また、図3の基地局は、「信号処理部102の信号処理、および、重み付け合成部301による信号処理」、または、「信号処理部102の信号処理、または、重み付け合成部301による信号処理」によって、上記の「別のシンボル群」のための送信ビームを生成してもよい。
【0449】
また、図25図31図32図35に記載されているようなユニキャスト送信区間2503-1、2503-2は設定されなくてもよい。
【0450】
(補足5)
図31図32に関する説明では、以下のような説明を行っている。
【0451】
・「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(M)」2501-1-M、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(M+1)」2501-1-(M+1)、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(M+2)」2501-1-(M+2)、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2データシンボル(1)」3101-1、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2データシンボル(2)」3101-2、及び、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2データシンボル(3)」3101-3は、いずれも「ストリーム1」を伝送するためのデータシンボルである。
【0452】
・端末は、「ストリーム1-1のデータシンボル」を得ることで、「ストリーム1のデータ」を得る。また、端末は、「ストリーム1-2のデータシンボル」を得ることで、「ストリーム1のデータ」を得る。
【0453】
また、図35に関する説明では、以下のような説明を行っている。
【0454】
・「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(M)」2501-1-M、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(M+1)」2501-1-(M+1)、「(マルチキャスト用)ストリーム1-1データシンボル(M+2)」2501-1-(M+2)、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2データシンボル(N)」3101-N、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2データシンボル(N+1)」3101-(N+1)、及び、「(マルチキャスト用)ストリーム1-2データシンボル(N+2)」3101-(N+2)は、いずれも「ストリーム1」を伝送するためのデータシンボルである。
【0455】
・端末は、「ストリーム1-1のデータシンボル」を得ることで、「ストリーム1のデータ」を得る。また、端末は、「ストリーム1-2のデータシンボル」を得ることで、「ストリーム1のデータ」を得る。
【0456】
以下では、上述の内容について、補足説明を行う。例えば、図35において、以下の、<方法1-1>、<方法1-2>、<方法2-1>、または、<方法2-2>により、上述を実現できる。
【0457】
<方法1-1>
・ストリーム1-1データシンボル(M)2501-1-Mとストリーム1-2データシンボル(N)3101-Nとが同じデータを含んでいる。ストリーム1-1データシンボル(M+1)2501-1-(M+1)とストリーム1-2データシンボル(N+1)3101-(N+1)とが同じデータを含んでいる。ストリーム1-1データシンボル(M+2)2501-1-(M+2)とストリーム1-2データシンボル(N+2)3101-(N+2)とが同じデータを含んでいる。
【0458】
<方法1-2>
・ストリーム1-1データシンボル(K)2501-1-Kに含まれるデータと同じデータを含むストリーム1-2データシンボル(L)3101-Lが存在する。なお、K、Lは整数である。
【0459】
<方法2-1>
・ストリーム1-1データシンボル(M)2501-1-Mとストリーム1-2データシンボル(N)3101-Nとが一部同じデータを含んでいる。ストリーム1-1データシンボル(M+1)2501-1-(M+1)とストリーム1-2データシンボル(N+1)3101-(N+1)とが一部同じデータを含んでいる。ストリーム1-1データシンボル(M+2)2501-1-(M+2)とストリーム1-2データシンボル(N+2)3101-(N+2)が一部同じデータを含んでいる。
【0460】
<方法2-2>
・ストリーム1-1データシンボル(K)2501-1-Kが含むデータの一部を含んでいるストリーム1-2データシンボル(L)3101-Lが存在する。なお、K、Lは整数である。
【0461】
すなわち、第1の基地局または第1の送信システムは、第1のストリームのデータを含む第1のパケット群と、第1のストリームのデータを含む第2のパケット群とを生成し、第1のパケット群に含まれるパケットを第1の送信ビームを用いて第1の期間に送信し、第2のパケット群に含まれるパケットを第1の送信ビームとは異なる第2の送信ビームを用いて第2の期間に送信し、第1の期間と第2の期間は互いに重複していない。
【0462】
ここで、第2のパケット群は、第1のパケット群に含まれる第1のパケットが含むデータと同一のデータを含む第2のパケットを含んでいてもよい。また、上記とは別の構成として、第2のパケット群は、第1のパケット群に含まれる第1のパケットが含むデータの一部と同一のデータを含む第3のパケットを含んでいてもよい。
【0463】
また、第1の送信ビームと第2の送信ビームは、同一のアンテナ部を用いて送信される互いに異なる指向性を有する送信ビームであってもよいし、互いに異なるアンテナ部を用いて送信される送信ビームであってもよい。
【0464】
また、第2の基地局または第2の送信システムは、第1の基地局または第1の送信システムの構成に加えて、第1のストリームのデータを含む第3のパケット群をさらに生成し、第3のパケット群に含まれるパケットを第1の送信ビーム及び第2の送信ビームとは異なる第3の送信ビームを用いて第3の期間に送信し、第3の期間は第1の期間および第2の期間と重複していない。
【0465】
ここで、第2の基地局または第2の送信システムは、第1の期間、第2の期間及び第3の期間を所定の順序で繰り返し設定してもよい。
【0466】
また、第3の基地局または第3の送信システムは、第1の基地局または第1の送信システムの構成に加えて、第1のストリームのデータを含む第3のパケット群をさらに生成し、第3のパケット群に含まれるパケットを第1の送信ビーム及び第2の送信ビームとは異なる第3の送信ビームを用いて第3の期間に送信し、第3の期間の少なくとも一部は第1の期間と重複している。
【0467】
ここで、第3の基地局または第3の送信システムは、第1の期間、第2の期間及び第3の期間を繰り返し設定してもよく、繰り返し設定される第3の期間のいずれの第3の期間もその少なくとも一部が第1の期間と重複していてもよいし、繰り返し設定される第3の期間のうち少なくともいずれか一つの第3の期間も第1の期間と重複していなくてもよい。
【0468】
また、第4の基地局または第4の送信システムは、第1の基地局または第1の送信システムの構成に加えて、第2のストリームのデータを含む第4のパケットをさらに生成し、第4のパケットを第1の送信ビームとは異なる第4の送信ビームを用いて第4の期間に送信し、第4の期間の少なくとも一部は第1の期間と重複している。
【0469】
なお、上記の説明では、第1の期間と第2の期間は互いに重複していないと説明したが、第1の期間と第2の期間は一部が互いに重複していてもよいし、第1の期間の全部が第2の期間と重複していてもよいし、第1の期間の全部が第2の期間の全部と互いに重複していてもよい。
【0470】
また、第5の基地局または第5の送信システムは、第1のストリームのデータを含むパケット群を一つまたは複数生成し、パケット群毎に互いに異なる送信ビームを用いて送信し、端末から送信される信号に基づいて生成するパケット群の数を増加、または減少させるとしてもよい。
【0471】
なお、上述において、「ストリーム」と記載しているが、本明細書の他の箇所で記載しているように、図31図32の「ストリーム1-1データシンボル(M)2501-1-M、および、ストリーム1-1データシンボル(M+1)2501-1-(M+1)、および、ストリーム1-1データシンボル(M+2)2501-1-(M+2)、および、ストリーム1-2データシンボル(1)3101-1、および、ストリーム1-2データシンボル(2)3101-2、ストリーム1-2データシンボル(3)3101-3」、および、図35の「ストリーム1-1データシンボル(M)2501-1-M、および、ストリーム1-1データシンボル(M+1)2501-1-(M+1)、ストリーム1-1データシンボル(M+2)2501-1-(M+2)、および、ストリーム1-2データシンボル(N)3101-N、および、ストリーム1-2データシンボル(N+1)3101-(N+1)、および、ストリーム1-2データシンボル(N+2)3101-(N+2)」は、ある端末宛のデータシンボルを含むシンボルであってもよいし、制御情報シンボルを含むシンボルであってもよいし、マルチキャスト用のデータシンボルを含むシンボルであってもよい。
【0472】
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態1から実施の形態3で説明した通信システムの具体的な例について説明する。
【0473】
本実施の形態における通信システムは、例えば、(複数の)基地局と複数の端末で構成されている。例えば、図7図12図17図19図20図26、又は図29などにおける、基地局700及び端末704-1、704-2などによって構成された通信システムを考える。
【0474】
図37は、基地局(700)の構成の一例を示している。
【0475】
論理チャネル生成部3703は、データ3701および制御データ3702を入力とし、論理チャネル信号3704を出力する。論理チャネル信号3704は、例えば、制御用の論理チャネルである「BCCH(Broadcast Control Channel)、PCCH(Paging Control Channel)、CCCH(Common Control Channel)、MCCH(Multicast Control Channel)、DCCH(Dedicated Control Channel)」、データ用の論理チャネルである「DTCH(Dedicated Traffic Channel)、及び/又は、MTCH(Multicast Traffic Channel)」などで構成されている。
【0476】
「BCCHは、下りリンク、システム制御情報の報知用チャネル」である。「PCCHは、下りリンク、ページング情報用チャネル」である。「CCCHは、下りリンク、RRC(Radio Resource Control)接続が存在しないときに使用する共通制御チャネル」である。「MCCHは、下りリンク、1対多のMBMS(Multimedia Broadcast Multicast Service)のためのマルチキャスト・チャネルスケジューリング、制御用チャネル」である。「DCCHは、下りリンク、RRC接続をもつ端末に使用される専用制御チャネル」である。「DTCHは、下りリンク、1台の端末UE(User Equipment)への専用トラフィック・チャネル、ユーザ・データ専用チャネル」である。「MTCHは、下りリンク、1対多のMBMSユーザ・データ用チャネル」である。
【0477】
トランスポートチャネル生成部3705は、論理チャネル信号3704を入力とし、トランスポートチャネル信号3706を生成し、出力する。トランスポートチャネル信号3706は、例えば、BCH(Broadcast Channel)、DL-SCH(Downlink Shared Channel)、PCH(Paging Channel)、MCH(Multicast Channel)などで構成されている。
【0478】
「BCHは、セル全域にわたって報知されるシステム情報用チャネル」である。「DL-SCHは、ユーザ・データ、制御情報とシステム情報を用いるチャネル」である。「PCHは、セル全域にわたって放置されるページング情報用チャネル」である。「MCHは、セル全域にわたって報知されるMBMSトラフィックならびに制御用チャネル」である。
【0479】
物理チャネル生成部3707は、トランスポートチャネル信号3706を入力とし、物理チャネル信号3708を生成し、出力する。物理チャネル信号3708は、例えば、PBCH(Physical; Broadcast Channel)、PMCH(Physical Multicast Channel)、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)などで構成されている。
【0480】
「PBCHは、BCHトランスポート・チャネルの伝送用」である。「PMCHは、MCHトランスポート・チャネル伝送用」である。「PDSCHは、DL-SCHならびにトランスポート・チャネルの伝送用」である。「PDCCHは下りリンクL1(Layer 1)/L2(Layer 2)制御信号の伝送用」である。
【0481】
変調信号生成部3709は、物理チャネル信号3708を入力とし、物理チャネル信号3708に基づいた変調信号3710を生成し、出力する。そして、基地局700は、変調信号3710を、電波として送信する。
【0482】
まず、基地局が、複数の端末とユニキャスト通信、つまり、個別通信を行っている場合を考える。
【0483】
この場合、例えば、図9における、ストリーム1のシンボル群#1(901-1)、および、ストリーム1のシンボル群#2(901-2)、および、ストリーム1のシンボル群#3(901-3)は、基地局が、複数の端末とデータ通信を行うために、複数の端末に対してブロードキャストされる制御情報であってよい。つまり、これらのシンボル群は、ブロードキャストチャネルの情報であってよい。制御情報は、例えば、基地局と端末との間でデータ通信を実現するために用いることができる情報である。
【0484】
ここで、ブロードキャストチャネルについて説明する。ブロードキャストチャネルは、物理チャネル(物理チャネル信号3708)における、「PBCH」、「PMCH」、および、「PD-SCHの一部」が該当する。
【0485】
また、ブロードキャストチャネルは、トランスポートチャネル(トランスポートチャネル信号3706)における、「BCH」、「DL-SCHの一部」、「PCH」、及び、「MCH」が該当する。
【0486】
また、ブロードキャストチャネルは、論理チャネル(論理チャネル信号3704)における、「BCCH」、「CCCH」、「MCCH」、「DTCHの一部」、及び、「MTCH」が該当する。
【0487】
例えば、図9における、ストリーム2のシンボル群#1(902-1)、および、ストリーム2のシンボル群#2(902-2)、および、ストリーム2のシンボル群#3(902-3)は、基地局が、複数の端末とデータ通信を行うために、複数の端末に対してブロードキャストする制御情報であってよい。つまり、これらのシンボル群は、ブロードキャストチャネルの情報であってよい。制御情報は、例えば、基地局と端末との間でデータ通信を実現するために用いることができる情報である。
【0488】
なお、ブロードキャストチャネルは、物理チャネル(物理チャネル信号3708)における、「PBCH」、「PMCH」、および、「PD-SCHの一部」が該当する。
【0489】
また、ブロードキャストチャネルは、トランスポートチャネル(トランスポートチャネル信号3706)における、「BCH」、「DL-SCHの一部」、「PCH」、及び、「MCH」が該当する。
【0490】
また、ブロードキャストチャネルは、論理チャネル(論理チャネル信号3704)における、「BCCH」、「CCCH」、「MCCH」、「DTCHの一部」、及び、「MTCH」が該当する。
【0491】
この場合、図9における、ストリーム1のシンボル群#1(901-1)、ストリーム1のシンボル群#2(901-2)、および、ストリーム1のシンボル群#3(901-3)の説明については、これまでの実施の形態にて説明したとおりであるので、説明を省略する。また、図9のストリーム2のシンボル群#1(902-1)、ストリーム2のシンボル群#2(902-2)、および、ストリーム2のシンボル群#3(902-3)の説明については、これまでの実施の形態にて説明したとおりであるので、説明を省略する。
【0492】
なお、図9のストリーム2のシンボル群#1(902-1)、ストリーム2のシンボル群#2(902-2)、及び/又は、ストリーム2のシンボル群#3(902-3)などのストリーム2が送信されない場合もあり得る。例えば、ブロードキャストチャネルの信号を送信する場合、基地局は、ストリーム2のシンボル群を、送信しなくてもよい。この場合、図7の例では、基地局701から、ストリーム703-1、703-2、703-3は、送信されない。
【0493】
例えば、図14の変調信号1のシンボル群#1(1401-1)、変調信号1のシンボル群#2(1401-2)、および、変調信号1のシンボル群#3(1401-3)は、基地局が、複数の端末とデータ通信を行うために、複数の端末に対してブロードキャストする制御情報であってよい。つまり、これらのシンボル群は、ブロードキャストチャネルの情報であってよい。制御情報は、例えば、基地局と端末との間でデータ通信を実現するために用いることができる情報である。
【0494】
なお、ブロードキャストチャネルは、物理チャネル(物理チャネル信号3708)における、「PBCH」、「PMCH」、および、「PD-SCHの一部」が該当する。
【0495】
また、ブロードキャストチャネルは、トランスポートチャネル(トランスポートチャネル信号3706)における、「BCH」、「DL-SCHの一部」、「PCH」、及び、「MCH」が該当する。
【0496】
また、ブロードキャストチャネルは、論理チャネル(論理チャネル信号3704)における、「BCCH」、「CCCH」、「MCCH」、「DTCHの一部」、及び、「MTCH」が該当する。
【0497】
例えば、図14における、変調信号2のシンボル群#1(1402-1)、変調信号2のシンボル群#2(1402-2)、および、変調信号2のシンボル群#3(1402-3)は、基地局が、複数の端末とデータ通信を行うために、複数の端末に対してブロードキャストするための制御情報であってよい。つまり、これらのシンボル群は、ブロードキャストチャネルの情報であってよい。なお、制御情報は、例えば、基地局と端末との間でデータ通信を実現するために用いることができる情報である。
【0498】
なお、ブロードキャストチャネルは、物理チャネル(物理チャネル信号3708)における、「PBCH」、「PMCH」、および、「PD-SCHの一部」が該当する。
【0499】
また、ブロードキャストチャネルは、トランスポートチャネル(トランスポートチャネル信号3706)における、「BCH」、「DL-SCHの一部」、「PCH」、及び、「MCH」が該当する。
【0500】
また、ブロードキャストチャネルは、論理チャネル(論理チャネル信号3704)における、「BCCH」、「CCCH」、「MCCH」、「DTCHの一部」、及び、「MTCH」が該当する。
【0501】
なお、図14の変調信号1のシンボル群#1(1401-1)、変調信号1のシンボル群#2(1401-2)、および、変調信号1のシンボル群#3(1401-3)の説明については、これまでの実施の形態にて説明したとおりであるので、説明を省略する。図14の変調信号2のシンボル群#1(1402-1)、変調信号2のシンボル群#2(1402-2)、および、変調信号2のシンボル群#3(1402-3)の説明については、これまでの実施の形態にて説明したとおりであるので、説明を省略する。
【0502】
例えば、図25における、ストリーム1-1データシンボル(1)(2501-1-1)、ストリーム1-1データシンボル(2)(2501-1-2)、および、ストリーム1-1データシンボル(3)(2501-1-3)は、基地局が、複数の端末とデータ通信を行うために、複数の端末に対してブロードキャストする制御情報であってよい。つまり、これらのシンボルは、ブロードキャストチャネルの情報であってよい。制御情報は、例えば、基地局と端末との間でデータ通信を実現するために用いることができる情報である。
【0503】
なお、ブロードキャストチャネルは、物理チャネル(物理チャネル信号3708)における、「PBCH」、「PMCH」、および、「PD-SCHの一部」が該当する。
【0504】
また、ブロードキャストチャネルは、トランスポートチャネル(トランスポートチャネル信号3706)における、「BCH」、「DL-SCHの一部」、「PCH」、及び、「MCH」が該当する。
【0505】
また、ブロードキャストチャネルは、論理チャネル(論理チャネル信号3704)における、「BCCH」、「CCCH」、「MCCH」、「DTCHの一部」、及び、「MTCH」が該当する。
【0506】
なお、図25のストリーム1-1データシンボル(1)(2501-1-1)、ストリーム1-1データシンボル(2)(2501-1-2)、および、ストリーム1-1データシンボル(3)(2501-1-3)の説明については、これまでの実施の形態にて説明したとおりであるので、説明を省略する。
【0507】
例えば、図31図32における、ストリーム1-1データシンボル(M)(2501-1-M)、ストリーム1-1データシンボル(M+1)(2501-1-(M+1))、ストリーム1-1データシンボル(M+2)(2501-1-(M+2))、ストリーム1-2データシンボル(1)(3101-1)、ストリーム1-2データシンボル(2)(3101-2)、及び、ストリーム1-2データシンボル(3)(3101-3)は、基地局が、複数の端末とデータ通信を行うために、複数の端末に対してブロードキャストする制御情報であってよい。つまり、これらのシンボルは、ブロードキャストチャネルの情報であってよい。制御情報は、例えば、基地局と端末との間でデータ通信を実現するために用いることができる情報である。
【0508】
なお、ブロードキャストチャネルは、物理チャネル(物理チャネル信号3708)における、「PBCH」、「PMCH」、および、「PD-SCHの一部」が該当する。
【0509】
また、ブロードキャストチャネルは、トランスポートチャネル(トランスポートチャネル信号3706)における、「BCH」、「DL-SCHの一部」、「PCH」、及び、「MCH」が該当する。
【0510】
また、ブロードキャストチャネルは、論理チャネル(論理チャネル信号3704)における、「BCCH」、「CCCH」、「MCCH」、「DTCHの一部」、及び、「MTCH」が該当する。
【0511】
なお、図31図32における、ストリーム1-1データシンボル(M)(2501-1-M)、ストリーム1-1データシンボル(M+1)(2501-1-(M+1))、ストリーム1-1データシンボル(M+2)(2501-1-(M+2))、ストリーム1-2データシンボル(1)(3101-1)、ストリーム1-2データシンボル(2)(3101-2)、ストリーム1-2データシンボル(3)(3101-3)の説明については、これまでの実施の形態にて説明したとおりであるので、説明を省略する。
【0512】
例えば、図35において、ストリーム1-1データシンボル(M)(2501-1-M)、ストリーム1-1データシンボル(M+1)(2501-1-(M+1))、ストリーム1-1データシンボル(M+2)(2501-1-(M+2))、ストリーム1-2データシンボル(N)(3101-N)、ストリーム1-2データシンボル(N+1)(3101-(N+1))、および、ストリーム1-2データシンボル(N+2)(3101-(N+2))は、基地局が、複数の端末とデータ通信を行うために、複数の端末に対してブロードキャストする制御情報であってよい。つまり、これらのシンボルは、ブロードキャストチャネルの情報であってよい。制御情報は、例えば、基地局と端末との間でデータ通信を実現するために用いることができる情報である。
【0513】
なお、ブロードキャストチャネルは、物理チャネル(物理チャネル信号3708)における、「PBCH」、「PMCH」、および、「PD-SCHの一部」が該当する。
【0514】
また、ブロードキャストチャネルは、トランスポートチャネル(トランスポートチャネル信号3706)における、「BCH」、「DL-SCHの一部」、「PCH」、及び、「MCH」が該当する。
【0515】
また、ブロードキャストチャネルは、論理チャネル(論理チャネル信号3704)における、「BCCH」、「CCCH」、「MCCH」、「DTCHの一部」、及び、「MTCH」が該当する。
【0516】
例えば、図35において、ストリーム2-1データシンボル(1)(3501-1)、ストリーム2-1データシンボル(2)(3501-2)、および、ストリーム2-1データシンボル(3)(3501-3)は、基地局が、複数の端末とデータ通信を行うために、複数の端末に対してブロードキャストする制御情報であってよい。つまり、これらのシンボルは、ブロードキャストチャネルの情報であってよい。制御情報は、例えば、基地局と端末との間でデータ通信を実現するために用いることができる情報である。
【0517】
なお、ブロードキャストチャネルは、物理チャネル(物理チャネル信号3708)における、「PBCH」、「PMCH」、および、「PD-SCHの一部」が該当する。
【0518】
また、ブロードキャストチャネルは、トランスポートチャネル(トランスポートチャネル信号3706)における、「BCH」、「DL-SCHの一部」、「PCH」、及び、「MCH」が該当する。
【0519】
また、ブロードキャストチャネルは、論理チャネル(論理チャネル信号3704)における、「BCCH」、「CCCH」、「MCCH」、「DTCHの一部」、及び、「MTCH」が該当する。
【0520】
なお、図35において、ストリーム1-1データシンボル(M)(2501-1-M)、ストリーム1-1データシンボル(M+1)(2501-1-(M+1))、ストリーム1-1データシンボル(M+2)(2501-1-(M+2))、ストリーム1-2データシンボル(N)(3101-N)、ストリーム1-2データシンボル(N+1)(3101-(N+1))、および、ストリーム1-2データシンボル(N+2)(3101-(N+2))の説明については、これまでの実施の形態にて説明したとおりであるので、説明を省略する。図35において、ストリーム2-1データシンボル(1)(3501-1)、ストリーム2-1データシンボル(2)(3501-2)、および、ストリーム2-1データシンボル(3)(3501-3)の説明については、これまでの実施の形態にて説明したとおりであるので、説明を省略する。
【0521】
図9図14図25図31図32図35において、各データシンボルを送信する際、シングルキャリアの伝送方法を用いてもよいし、OFDMなどのマルチキャリアの伝送方式を用いてもよい。また、データシンボルの時間的な位置は、図9図14図25図31図32図35に限られない。
【0522】
また、図25図31図32図35において、横軸を時間方向として説明しているが、横軸を周波数(キャリア)方向としても、同様の実施が可能である。なお、横軸を周波数(キャリア)方向とした場合、基地局は、各データシンボルを、1つ以上のキャリア、または、サブキャリアを用いて、送信する。
【0523】
なお、図9のストリーム1のシンボル群に、端末個別に送信するデータ(ユニキャスト用のデータ)(または、シンボル)が含まれてもよい。同様に、図9のストリーム2のシンボル群に、端末個別に送信するデータ(ユニキャスト用のデータ)(または、シンボル)が含まれてもよい。
【0524】
図14のストリーム1のシンボル群に、端末個別に送信するデータ(ユニキャスト用のデータ)(または、シンボル)が含まれてもよい。同様に、図14のストリーム2のシンボル群に、端末個別に送信するデータ(ユニキャスト用のデータ)(または、シンボル)が含まれてもよい。
【0525】
図25のストリーム1-1のシンボルに、端末個別に送信するデータ(ユニキャスト用のデータ)(または、シンボル)が含まれてもよい。図31図32の、ストリーム1-1のシンボル及びストリーム1-2のシンボルに、端末個別に送信するデータ(ユニキャスト用のデータ)(または、シンボル)が含まれてもよい。
【0526】
PBCHは、例えば、「UEがセルサーチ後の最初に読む最低限の情報(システム帯域幅、システムフレーム番号、送信アンテナ数など)を送信するために使用される」構成であってもよい。
【0527】
PMCHは、例えば、「MBSFN(Multicast-broadcast single-frequency network)の運用に使用される」構成であってもよい。
【0528】
PDSCHは、例えば、「下りリンクのユーザデータを送信するための共有データチャネルであり、C(control)-plane/U(User)-planeに関係なくすべてのデータを集約して送信される」構成であってもよい。
【0529】
PDCCHは、例えば、「eNodeB(gNodeB)(基地局)がスケジューリングにより選択したユーザに対して、無線リソースの割り当て情報を通知するために使用される」構成であってもよい。
【0530】
以上のような実施の形態によれば、マルチキャスト又はブロードキャストによるデータ伝送において、基地局が、データシンボル及び制御情報シンボルを複数の送信ビームを用いて送信する。また、端末は、複数の送信ビームから、品質のよいビームを選択的に受信し、これに基づき、データシンボルの受信を行う。これにより、本実施の形態の効果として、端末は、高いデータの受信品質を得ることができる。
【0531】
(実施の形態5)
本実施の形態では、基地局(700)が送信する図9のストリーム1のシンボル群とストリーム2のシンボル群の構成について補足説明を行う。
【0532】
図38は、基地局(700)が送信するストリーム1のフレーム構成の一例を示している。図38において、横軸は時間方向を示し、縦軸は周波数方向を示す。図38は、時刻1から時刻10における、キャリア1からキャリア40までのフレーム構成を示している。したがって、図38は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式のようなマルチキャリア伝送方式のフレーム構成となる。
【0533】
図38において、ストリーム1のシンボル領域3801_1は、時刻1から時刻10におけるキャリア1からキャリア9に存在している。
【0534】
ストリーム1のシンボル群#i(3800_i)は、時刻1から時刻10におけるキャリア10からキャリア20に存在している。なお、ストリーム1のシンボル群#i(3800_i)は図9のストリーム1のシンボル群#i(901-i)に相当する。
【0535】
ストリーム1のシンボル領域3801_2は、時刻1から時刻10におけるキャリア21からキャリア40に存在している。
【0536】
この場合、例えば、実施の形態4などで説明したように、基地局は、1つ以上の端末に対し、個別のデータを伝送する(ユニキャストする)場合、図38のストリーム1のシンボル領域3801_1、及び、3801_2を使用することができる。
【0537】
また、実施の形態1、及び、実施の形態4などで説明したように、基地局は、マルチキャスト用のデータを伝送するために、図38のストリーム1のシンボル群#i(3800_i)を使用することができる。
【0538】
図39は、基地局(700)が送信するストリーム2のフレーム構成の一例を示している。図39において、横軸は時間方向を示し、縦軸は周波数方向を示す。図39は、時刻1から時刻10における、キャリア1からキャリア40までのフレーム構成を示している。したがって、図39は、OFDM方式のようなマルチキャリア伝送方式のフレーム構成となる。
【0539】
図39において、ストリーム2のシンボル領域3901_1は、時刻1から時刻10におけるキャリア1からキャリア9に存在している。
【0540】
ストリーム2のシンボル群#i(3900_i)は、時刻1から時刻10におけるキャリア10からキャリア20に存在している。なお、ストリーム2のシンボル群#i(3900_i)は、図9のストリーム2のシンボル群#i(902-i)に相当する。
【0541】
ストリーム2のシンボル領域3901_2は、時刻1から時刻10におけるキャリア21からキャリア40に存在している。
【0542】
この場合、例えば、実施の形態4などで説明したように、基地局は、1つ以上の端末に対し、個別のデータ伝送する(ユニキャストする)場合、図39のストリーム2のシンボル領域3901_1、及び、3901_2を使用することができる。
【0543】
また、実施の形態1、及び、実施の形態4などで説明したように、基地局は、マルチキャスト用のデータを伝送するために、図39のストリーム2のシンボル群#i(3900_i)を使用することができる。
【0544】
基地局は、図38の時刻X(図38の場合、Xは1以上10以下の整数)におけるキャリアY(図38の場合Yは1以上40以下の整数)のシンボルと、図39の時刻XにおけるキャリアYのシンボルとを、同一周波数及び同一時刻を用いて送信する。
【0545】
図9に示す、ストリーム1のシンボル群#1(901-1)、ストリーム1のシンボル群#2(901-2)、および、ストリーム1のシンボル群#3(901-3)の説明については、これまでの実施の形態にて説明したとおりであるので、説明を省略する。つまり、図38のストリーム1のシンボル群#iの説明については、図9のストリーム1のシンボル群と同様であり、これまでの実施の形態にて説明したとおりであるので、説明を省略する。
【0546】
図9に示す、ストリーム2のシンボル群#1(902-1)、ストリーム2のシンボル群#2(902-2)、および、ストリーム2のシンボル群#3(902-3)の説明については、これまでの実施の形態にて説明したとおりであるので、説明を省略する。つまり、図39のストリーム2のシンボル群#iの説明については、図9のストリーム2のシンボル群と同様であり、これまでの実施の形態にて説明したとおりであるので、説明を省略する。
【0547】
図38図39に示すフレーム構成のキャリア10からキャリア20における時刻11以降にシンボルが存在する場合、そのキャリアは、マルチキャスト伝送に使用されてもよいし、個別データ伝送(ユニキャスト伝送)に使用されてもよい。
【0548】
基地局は、図38図39に示すフレーム構成にて、図9のようなフレームを送信する場合、実施の形態1、及び、実施の形態4と同様のことを実施してもよい。
【0549】
以上のような実施によれば、マルチキャスト及び/又はブロードキャストのデータ伝送において、基地局は、データシンボル及び/又は制御情報シンボルを、複数の送信ビームを用いて送信する。端末は、複数の送信ビームから、品質のよいビームを選択的に受信し、これに基づき、データシンボルの受信を行う。これにより、本実施の形態の効果として、端末は、高いデータの受信品質を得ることができる。
【0550】
(実施の形態6)
本実施の形態では、基地局(700)が送信する、図14の変調信号1のシンボル群と変調信号2のシンボル群との構成について補足説明を行う。
【0551】
図40は、基地局(700)が送信する変調信号1のフレーム構成の一例を示している。図40において、横軸は時間方向を示し、縦軸は周波数方向を示す。図40は、時刻1から時刻10における、キャリア1からキャリア40までのフレーム構成を示している。したがって、図40は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式のようなマルチキャリア伝送方式のフレーム構成となる。
【0552】
図40において、変調信号1のシンボル領域4001_1は、時刻1から時刻10におけるキャリア1からキャリア9に存在している。
【0553】
変調信号1のシンボル群#i(4000_i)は、時刻1から時刻10におけるキャリア10からキャリア20に存在している。なお、変調信号1のシンボル群#i(4000_i)は、図14の変調信号1のシンボル群#i(1401-i)に相当する。
【0554】
変調信号1のシンボル領域4001_2は、時刻1から時刻10におけるキャリア21からキャリア40に存在している。
【0555】
この場合、例えば、実施の形態4などで説明したように、基地局は、1つ以上の端末に対し、個別のデータを伝送する(ユニキャストする)場合、図40のストリーム1のシンボル領域4001_1、及び、4001_2を使用することができる。
【0556】
また、実施の形態1、及び、実施の形態4などで説明したように、基地局は、マルチキャスト用のデータを伝送するために、図40の変調信号1のシンボル群#i(4000_i)を使用することができる。
【0557】
図41は、基地局(700)が送信する変調信号2のフレーム構成の一例を示している。図41において、横軸は時間方向を示し、縦軸は周波数方向を示す。図41は、時刻1から時刻10における、キャリア1からキャリア40までのフレーム構成を示している。したがって、図41は、OFDM方式のようなマルチキャリア伝送方式のフレーム構成となる。
【0558】
図41において、変調信号2のシンボル領域4101_1は、時刻1から時刻10におけるキャリア1からキャリア9に存在している。
【0559】
変調信号2のシンボル群#i(4100_i)は、時刻1から時刻10におけるキャリア10からキャリア20に存在している。なお、変調信号2のシンボル群#i(4100_i)は、図14の変調信号2のシンボル群#i(1402-i)に相当する。
【0560】
変調信号2のシンボル領域4101_2は、時刻1から時刻10におけるキャリア21からキャリア40に存在している。
【0561】
この場合、例えば、実施の形態4などで説明したように、基地局は、1つ以上の端末に対し、個別のデータ伝送する(ユニキャストする)場合、図41の変調信号2のシンボル領域4101_1、及び、4101_2を使用することができる。
【0562】
また、実施の形態1、及び、実施の形態4などで説明したように、基地局は、マルチキャスト用のデータを伝送するために、図41の変調信号2のシンボル群#i(4100_i)を使用することができる。
【0563】
基地局は、図40の時刻X(図40の場合、Xは1以上10以下の整数)におけるキャリアY(図40の場合Yは1以上40以下の整数)のシンボルと、図41の時刻XにおけるキャリアYのシンボルとを、同一周波数及び同一時刻を用いて送信する。
【0564】
図14に示す、ストリーム1のシンボル群#1(1401_1)、変調信号1のシンボル群#2(1401_2)、および、変調信号1のシンボル群#3(1401_3)の説明については、これまでの実施の形態にて説明したとおりであるので、説明を省略する。つまり、図40の変調信号1のシンボル群#iの説明については、図14の変調信号1のシンボル群と同様であり、これまでの実施の形態にて説明したとおりであるので、説明を省略する。
【0565】
図14に示す、変調信号2のシンボル群#1(1402_1)、変調信号2のシンボル群#2(1402_2)、および、変調信号2のシンボル群#3(1402_3)の説明については、これまでの実施の形態にて説明したとおりであるので、説明を省略する。つまり、図41の変調信号2のシンボル群#iの説明については、図14の変調信号2のシンボル群と同様であり、これまでの実施の形態にて説明したとおりであるので、説明を省略する。
【0566】
図40図41に示すフレーム構成のキャリア10からキャリア20における時刻11以降にシンボルが存在する場合、そのキャリアは、マルチキャスト伝送に使用されてもよいし、個別データ伝送(ユニキャスト伝送)に使用されてもよい。
【0567】
基地局は、図40図41に示すフレーム構成にて、図14のようなフレームを送信する場合、実施の形態1、及び、実施の形態4と同様のことを実施してもよい。
【0568】
上述の説明における、図38のストリーム1のシンボル領域3801_1、3801_2、図39のストリーム2のシンボル領域3901_1、3901_2、図40の変調信号1のシンボル領域4001_1、4001_2、及び、図41の変調信号2のシンボル領域4101_1、4102_2の使用方法の例について説明する。
【0569】
図42は、「図38のストリーム1のシンボル領域3801_1、3801_2、図39のストリーム2のシンボル領域3901_1、3901_2、図40の変調信号1のシンボル領域4001_1、4001_2、及び、図41の変調信号2のシンボル領域4101_1、4102_2」を、端末に割り当てる一例を示す。なお、図42において、横軸は時間方向を示し、縦軸は周波数(キャリア)方向を示す。
【0570】
図42に示すように、例えば、「図38のストリーム1のシンボル領域3801_1、3801_2、図39のストリーム2のシンボル領域3901_1、3901_2、図40の変調信号1のシンボル領域4001_1、4001_2、及び、図41の変調信号2のシンボル領域4101_1、4102_2」を周波数分割し、端末に対して割り当てる。図42は、端末#1用に割り当てられたシンボル群4201_1と、端末#2用に割り当てられたシンボル群4201_2と、端末#3用に割り当てられたシンボル群4201_3とを示す。
【0571】
例えば、基地局(700)は、端末#1、端末#2、及び/又は、端末#3と通信を行っている。基地局は、端末#1に対してデータを伝送する場合、図42の「端末#1用に割り当てられたシンボル群4201_1」を用いて、端末#1にデータを伝送する。基地局は、端末#2に対してデータを伝送する場合、図42の「端末#2用に割り当てられたシンボル群4201_2」を用いて、端末#2にデータを伝送する。基地局は、端末#3に対してデータを伝送する場合、図42の「端末#3用に割り当てられたシンボル群4201_3」を用いて、端末#3にデータを伝送する。
【0572】
なお、端末への割り当て方法は、図42に限られない。例えば、周波数帯域(キャリア数)は、時間により変化してもよいし、また、どのように設定されてもよい。また、時間とともに端末への割り当て方法を変更してもよい。
【0573】
図43は、「図38のストリーム1のシンボル領域3801_1、3801_2、図39のストリーム2のシンボル領域3901_1、3901_2、図40の変調信号1のシンボル領域4001_1、4001_2、及び、図41の変調信号2のシンボル領域4101_1、4102_2」を端末に割り当てる、図42とは異なる一例を示す。なお、図43において、横軸は時間方向を示し、縦軸は周波数(キャリア)方向を示す。
【0574】
図43に示すように、例えば、「図38のストリーム1のシンボル領域3801_1、3801_2、図39のストリーム2のシンボル領域3901_1、3901_2、図40の変調信号1のシンボル領域4001_1、4001_2、及び、図41の変調信号2のシンボル領域4101_1、4102_2」を時間分割及び周波数分割し、端末に対して割り当てる。図43は、端末#1用に割り当てられたシンボル群(4301_1は)と、端末#2用に割り当てられたシンボル群(4301_2)と、端末#3用に割り当てられたシンボル群(4301_3)と、端末#4用に割り当てられたシンボル群(4301_4)と、端末#5用に割り当てられたシンボル群(4301_5)と、端末#6用に割り当てられたシンボル群(4301_6)とを示す。
【0575】
例えば、基地局(700)は、端末#1、端末#2、端末#3、端末#4、端末#5、及び、端末#6と通信を行っている。基地局は、端末#1に対してデータを伝送する場合、図43の「端末#1用に割り当てられたシンボル群4301_1」を用いてデータを伝送する。基地局は、端末#2に対してデータを伝送する場合、図43の「端末#2用に割り当てられたシンボル群4301_2」を用いて、端末#2にデータを伝送する。基地局は、端末#3に対してデータを伝送する場合、図43の「端末#3用に割り当てられたシンボル群4301_3」を用いて、端末#3にデータを伝送する。基地局は、端末#4に対してデータを伝送する場合、図43の「端末#4用に割り当てられたシンボル群4301_4」を用いて、端末#4にデータを伝送する。基地局は、端末#5に対してデータを伝送する場合、図43の「端末#5用に割り当てられたシンボル群4301_5」を用いて、端末#5に対してデータを伝送する。基地局は、端末#6に対してデータを伝送する場合、図43の「端末#6用に割り当てられたシンボル群4301_6」を用いて、データを伝送する。
【0576】
なお、端末への割り当て方法は、図43に限られない。例えば、周波数帯域(キャリア数)、及び、時間幅は、変化してもよいし、また、どのように設定されてもよい。また、時間とともに端末への割り当て方法を変更してもよい。
【0577】
また、図38図39図40図41における、ストリーム1のシンボル領域、ストリーム2のシンボル領域、変調信号1のシンボル領域、及び、変調信号2のシンボル領域では、キャリアごとに異なる重み付け合成を行ってもよいし、複数のキャリアを単位として、重み付け合成方法を決定してもよい。また、図42図43のように割り当てた端末ごとに重み付け合成のパラメータを設定してもよい。キャリアにおける重み付け合成の方法の設定は、これらの例に限られない。
【0578】
以上のような実施によれば、マルチキャスト及び/又はブロードキャストのデータ伝送において、基地局は、データシンボル及び/又は制御情報シンボルを、複数の送信ビームを用いて送信する。端末は、複数の送信ビームから、品質のよいビームを選択的に受信し、これに基づき、データシンボルの受信を行う。これにより、本実施の形態の効果として、端末は、高いデータの受信品質を得ることができる。
【0579】
(実施の形態7)
本明細書において、図7図12図17図18図19図20図22における基地局700、或いは、他の実施の形態で説明した基地局は、図44に示すような構成であってもよい。
【0580】
以下では、図44の基地局の動作について説明を行う。図44において、図1図3と同様に動作するものについては、同一番号を付し、説明を省略する。
【0581】
重み付け合成部301は、信号処理後の信号103_1、103_2、・・・、103_M、および、制御信号159を入力とし、制御信号159に基づき、重み付け合成を行い、重み付け合成信号4401_1、4401_2、・・・、4401_Kを出力する。なお、Mは2以上の整数とし、Kは2以上の整数とする。
【0582】
例えば、信号処理後の信号103_i(iは1以上M以下の整数)をui(t)(tは時間)、重み付け合成後の信号4401_g(gは1以上K以下の整数)をvg(t)とあらわすと、vg(t)は次式であらわすことができる。
【0583】
【数7】
【0584】
無線部104_gは、重み付け合成後の信号4401_g、制御信号159を入力とし、制御信号159に基づいて、所定の処理を行い、送信信号105_gを生成し、出力する。そして、送信信号105_gはアンテナ303_1から送信される。
【0585】
なお、基地局が対応している送信方法は、OFDMなどのマルチキャリア方式であってもよいし、シングルキャリア方式であってもよい。また、基地局は、マルチキャリア方式、及び、シングルキャリア方式の両方に対応していてもよい。この場合、本実施の形態は、シングルキャリア方式の変調信号を生成する複数の方法のうち、いずれの方法を採用しても、実施可能である。例えば、シングルキャリア方式の例として、「DFT(Discrete Fourier Transform)-Spread OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)」、「Trajectory Constrained DFT-Spread OFDM」、「OFDM based SC(Single Carrier)」、「SC(Single Carrier)-FDMA(Frequency Division Multiple Access)」、「Guard interval DFT-Spread OFDM」などがある。
【0586】
式(7)では、時間の関数で記載しているが、OFDM方式などのマルチキャリア方式の場合、時間及び周波数の関数であってもよい。
【0587】
例えば、OFDM方式において、キャリアごとに異なる重み付け合成を行ってもよいし、複数のキャリアを1つの単位として、重み付け合成方法を決定してもよい。キャリアにおける重み付け合成の方法の設定は、これらの例に限られない。
【0588】
(補足6)
当然であるが、本明細書において説明した実施の形態は、補足など、その他の内容を複数組み合わせて、実施されてもよい。
【0589】
基地局の構成は、図1及び図3の例に限られない。複数の送信アンテナを有し、複数の送信ビーム(送信指向性ビーム)を生成及び送信する基地局であれば、本開示を実施可能である。
【0590】
また、各実施の形態は、あくまでも例に過ぎない。例えば、「変調方式、誤り訂正符号化方式(使用する誤り訂正符号、符号長、符号化率等)、制御情報など」が例示されているとしても、別の「変調方式、誤り訂正符号化方式(使用する誤り訂正符号、符号長、符号化率等)、制御情報など」を適用し、同様の構成によって実施可能である。
【0591】
本明細書において説明した実施の形態、及びその他の内容は、本明細書に記載した変調方式以外の変調方式を使用しても実施可能である。例えば、APSK(例えば、16APSK, 64APSK, 128APSK, 256APSK, 1024APSK, 4096APSKなど)、PAM(例えば、4PAM, 8PAM, 16PAM, 64PAM, 128PAM, 256PAM, 1024PAM, 4096PAMなど)、PSK(例えば、BPSK, QPSK, 8PSK, 16PSK, 64PSK, 128PSK, 256PSK, 1024PSK, 4096PSKなど)、QAM(例えば、4QAM, 8QAM, 16QAM, 64QAM, 128QAM, 256QAM, 1024QAM, 4096QAMなど)などを適用してもよいし、各変調方式において、均一マッピング、非均一マッピングとしてもよい。また、I-Q平面における2個、4個、8個、16個、64個、128個、256個、1024個等の信号点の配置方法(2個、4個、8個、16個、64個、128個、256個、1024個等の信号点をもつ変調方式)は、本明細書で示した変調方式の信号点配置方法に限られない。
【0592】
本明細書において、送信装置を具備しているのは、例えば、放送局、基地局、アクセスポイント、端末、携帯電話(mobile phone)等の通信・放送機器であることが考えられる。この場合、受信装置を具備しているのは、テレビ、ラジオ、端末、パーソナルコンピュータ、携帯電話、アクセスポイント、基地局等の通信機器であることが考えられる。また、本開示における送信装置及び受信装置は、通信機能を有している機器であって、その機器が、テレビ、ラジオ、パーソナルコンピュータ、携帯電話等のアプリケーションを実行するための装置に何らかのインターフェースを解して接続できるような形態であることも考えられる。また、本実施の形態では、データシンボル以外のシンボル、例えば、パイロットシンボル(プリアンブル、ユニークワード、ポストアンブル、リファレンスシンボル等)及び制御情報用のシンボルなどが、フレームにどのように配置されていてもよい。本実施の形態では、パイロットシンボル及び制御情報用のシンボルと名付けられているが、これらは、どのように名付けられてもよい。つまり、異なる名称でも同様の機能を有する。
【0593】
パイロットシンボルは、例えば、送受信機において、PSK変調を用いて変調した既知のシンボルであればよい。受信機は、このシンボルを用いて、周波数同期、時間同期、各変調信号のチャネル推定(CSI(Channel State Information)の推定)、及び/又は、信号の検出等を行う。または、受信機は、パイロットシンボルを同期することによって、送信機が送信したシンボルを知ることができてもよい。
【0594】
また、制御情報用のシンボルは、データ(アプリケーション等のデータ)以外の通信を実現するための、通信相手に伝送する情報を伝送するためのシンボルである。例えば、制御情報用のシンボルは、通信に用いている変調方式、誤り訂正符号化方式、誤り訂正符号化方式の符号化率、及び/又は、上位レイヤーでの設定情報等を転送する。
【0595】
なお、本開示は各実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、各実施の形態は、通信装置の動作として説明しているが、これに限られず、通信方法を実現するソフトウェアの動作として説明することもできる。
【0596】
例えば、上記通信方法を実行するプログラムを予めROMに格納しておき、そのプログラムをCPUによって動作させるようにしても良い。
【0597】
また、上記通信方法を実行するプログラムをコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納し、記憶媒体に格納されたプログラムをコンピュータのRAMに記録して、コンピュータをそのプログラムにしたがって動作させるようにしても良い。
【0598】
そして、上記の各実施の形態などの各構成は、典型的には、入力端子及び出力端子を有する集積回路であるLSIとして実現されてもよい。これらは、個別に1チップ化されてもよいし、各実施の形態の全ての構成または一部の構成を含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限られるものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現しても良い。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGAや、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用しても良い。さらに、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行っても良い。バイオ技術の適応等が可能性としてあり得る。
【0599】
本明細書において、種々のフレーム構成について説明した。本明細書で説明したフレーム構成の変調信号を、図1の送信装置を具備する、例えば基地局(AP)が、OFDM方式などのマルチキャリア方式を用いて送信する。この場合、基地局(AP)と通信を行っている端末(ユーザー)が変調信号を送信する際、端末が送信する変調信号はシングルキャリア方式であるという適用方法を考えることができる。基地局(AP)はOFDM方式を用いることで、複数の端末に対し、同時にデータシンボル群を送信することができ、また、端末はシングルキャリア方式を用いることにより、消費電力を低減することが可能となる。
【0600】
また、基地局(AP)が送信する変調信号が使用する周波数帯域の一部を用いて、端末は変調方式を送信するTDD(Time Division Duplex)方式を適用してもよい。
【0601】
図1のアンテナ部106-1、106-2、・・・、106-Mの構成は、実施の形態において説明した構成に限られない。例えば、アンテナ部106-1、106-2、・・・、106-Mが、複数のアンテナで構成されていなくてもよい。また、アンテナ部106-1、106-2、・・・、106-Mは、信号159を入力としなくてもよい。
【0602】
図4のアンテナ部401-1、401-2、・・・、401-Nの構成は、実施の形態において説明した構成に限られない。例えば、アンテナ部401-1、401-2、・・・、401-Nが、複数のアンテナで構成されていなくてもよい。また、アンテナ部401-1、401-2、・・・、401-Nは、信号410を入力としなくてもよい。
【0603】
なお、基地局及び端末が対応している送信方法は、OFDMなどのマルチキャリア方式であってもよいし、シングルキャリア方式であってもよい。また、基地局は、マルチキャリア方式、及びシングルキャリア方式の両方に対応していてもよい。この場合、本実施の形態は、シングルキャリア方式の変調信号を生成する複数の方法のうち、いずれの方法を採用しても、実施可能である。例えば、シングルキャリア方式の例として、「DFT(Discrete Fourier Transform)-Spread OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)」、「Trajectory Constrained DFT-Spread OFDM」、「OFDM based SC(Single Carrier)」、「SC(Single Carrier)-FDMA(Frequency Division Multiple Access)」、「Guard interval DFT-Spread OFDM」などがある。
【0604】
また、図1図3図44における情報#1(101_1)、情報#2(101_2)、・・・、情報#M(101_M)の中に、少なくともマルチキャスト(ブロードキャスト)のデータが存在する。例えば、図1において、情報#1(101_1)がマルチキャスト用のデータの場合、このデータを含んだ複数のストリームまたは変調信号を、信号処理部102により生成し、アンテナから出力する。
【0605】
図3において、情報#1(101_1)がマルチキャスト用のデータの場合、このデータを含んだ複数のストリームまたは変調信号を、信号処理部102および/または重み付け合成部301で生成し、アンテナから出力する。
【0606】
図44において、情報#1(101_1)がマルチキャスト用のデータの場合、このデータを含んだ複数のストリームまたは変調信号を、信号処理部102および/または重み付け合成部301で生成し、アンテナから出力する。
【0607】
なお、複数ストリームまたは変調信号の様子については、図7図9図12図14図17図18図19を用いて説明したとおりである。
【0608】
さらに、図1図3図44における情報#1(101_1)、情報#2(101_2)、・・・、情報#M(101_M)の中に、個別端末宛のデータを含んでいてもよい。この点については、本明細書の実施の形態で説明したとおりである。
【0609】
なお、FPGA(Field Programmable Gate Array)およびCPU(Central Processing Unit)の少なくとも一方が、本開示において説明した通信方法を実現するために必要なソフトウェアの全部あるいは一部を、無線通信または有線通信によりダウンロードできるような構成であってもよい。さらに、更新のためのソフトウェアの全部あるいは一部を、無線通信または有線通信によりダウンロードできるような構成であってもよい。そして、ダウンロードしたソフトウェアを記憶部に格納し、格納されたソフトウェアに基づいてFPGAおよびCPUの少なくとも一方を動作させることにより、本開示において説明したデジタル信号処理を実行するようにしてもよい。
【0610】
このとき、FPGAおよびCPUの少なくとも一方を具備する機器は、通信モデムと無線または有線で接続し、この機器と通信モデムにより、本開示において説明した通信方法を実現してもよい。
【0611】
例えば、本明細書で記載した基地局、AP、端末などの通信装置が、FPGAおよび、CPUのうち、少なくとも一方を具備しており、FPGA及びCPUの少なくとも一方を動作させるためのソフトウェアを外部から入手するためのインターフェースを通信装置が具備していてもよい。さらに、通信装置が外部から入手したソフトウェアを格納するための記憶部を具備し、格納されたソフトウェアに基づいて、FPGA、CPUを動作させることで、本開示において説明した信号処理を実現するようにしてもよい。
【0612】
(実施の形態8)
図45は、無線信号の中継器(以下単に「中継器」という)を用いたメッシュネットワークの構成の一例を示す図である。
【0613】
図45に示すように、複数の中継器は、所定のエリアの複数の地点にそれぞれ配置され、メッシュ型の無線バックホールを構成する。
【0614】
例えば、中継器4800Bは、中継器4800Aから受信した信号を、中継器4800Cへ送信する。また、中継器4800Bは、中継器4800Aから受信した信号を、当該中継器4800Bに接続されているエッジノード4810へ送信する。また、中継器4800Bは、当該中継器4800Bに接続されているエッジノード4810から受信した信号を、別の中継器4800Cへ送信する。
【0615】
例えば、エッジノードは、宅内のネットワークに対するゲートウェイ機器であってよい。当該ユースケースは、Wireless To The Home(WTTH)と呼ばれている。また、エッジノードは、ビルディング内のネットワークに対するゲートウェイ機器であってよい。当該ユースケースは、Wireless to the building(WTTB)と呼ばれている。また、エッジノードは、例えば、Wi-Fiのアクセスポイントであってもよい。このように、エッジノードを無線で接続するユースケースを、まとめてWireless to the X(WTTX)と呼ぶことにする。
【0616】
なお、「中継器」という呼称はあくまで一例であり、中継器は、例えば、通信装置、基地局、または、ノードと呼んでもよい。したがって、本明細書において、基地局の動作として記載している実施内容を、本実施の形態における中継器の動作としてもよい。
【0617】
図46は、実施の形態8に係る中継器同士の接続の一例を示す模式図である。
【0618】
図46において、中継器4900Bは、中継器4900Aの方向へビームの指向性を向けて、変調信号を送受信する。すなわち、中継器4900Bは、中継器4900Aの方向へ、ビームフォーミングBF1を行う。また、中継器4900Bは、中継器4900Cの方向へビームの指向性を向けて、変調信号を送受信する。すなわち、中継器4900Bは、中継器4900Cの方向へ、ビームフォーミングBF2を行う。
【0619】
図46において、中継器4900Bは、中継器4900Aが送信した変調信号4902Aを受信し、その変調信号4901Aに対応する変調信号4901Cを中継器4900Cへ送信する。また、中継器4900Bは、中継器4900Cが送信した変調信号4902Cを受信し、その変調信号4902Cに対応する変調信号4901Aを中継器4900Aへ送信する。すなわち、中継器4900Bは、中継器4900Aと中継器4900Cとの間の変調信号を中継する。
【0620】
なお、変調信号4902Aと変調信号4901Cは、同一の変調信号であるとは限らない。変調信号4902Aと変調信号4901Cは、同一の情報(第1の情報とよぶ)を少なくとも含んでいる、または、第1の情報に関連する情報を含んでいる。また、変調信号4902Aを生成するための変調方式と、変調信号4901Cを生成するための変調方式は同一であるとは限らない。
【0621】
さらに、変調信号4902Aを生成するための誤り訂正符号化方式と、変調信号4901Cを生成するための誤り訂正符号化方式は同一であるとは限らない。そして、変調信号4902Cと変調信号4901Aは、同一の変調信号であるとは限らない。変調信号4902Cと変調信号4901Aは、同一の情報(第2の情報とよぶ)を少なくとも含んでいる、または、第2の情報に関連する情報を含んでいる。
【0622】
また、変調信号4902Cを生成するための変調方式と、変調信号4901Aを生成するための変調方式は同一であるとは限らない。さらに変調信号4902Cを生成するための誤り訂正符号化方式と、変調信号4901Aを生成するための誤り訂正符号化方式は同一であるとは限らない。
【0623】
中継器4900Bは、中継器4900Aへ変調信号4901Aを送信する場合、及び、中継器4900Aから変調信号4902Aを受信する場合、中継器4900Aの方向へビームフォーミングBF1を行う。これにより、中継器4900Bと中継器4900Aとの間の変調信号の受信品質が向上する。
【0624】
また、中継器4900Bは、中継器4900Cへ変調信号4901Cを送信する場合、及び、中継器4900Cから変調信号4902Cを受信する場合、中継器4900Cの方向へビームフォーミングBF2を行う。これにより、中継器4900Bと中継器4900Cとの間の変調信号の受信品質が向上する。
【0625】
図47は、図46の中継器4900Bに対するスロット割り当ての一例を示す図である。
【0626】
中継器には、変調信号の送信用のスロット(以下「送信スロット」という)と、変調信号の受信用のスロット(以下「受信スロット」という)が割り当てられる。1スロットは、図47に示すように、所定の時間期間及び周波数を占めるリソース単位であり、時間軸上に配置される。なお、図47において1つに表現されているスロット(例えば送信スロット5001A)は、複数のスロットによって構成されてもよい。これは、他の図48図50図51図53図54図55図56についても同様である。
【0627】
図47の例は、中継器4900Bに対して、中継器4900Aへの送信スロット5001A、中継器4900Cへの送信スロット5001C、中継器4900Cからの受信スロット5002C、及び、中継器4900Cからの受信スロット5002Aが、時間軸上に順に割り当てられていることを示す。なお、後述するが、送信期間及び受信期間を合わせて、1つのTDD intervalを構成する。
【0628】
すなわち、図47は、送信スロットを時間軸上に連続に、及び、受信スロットを時間軸上に連続に割り当てた一例である。なお、送信スロットが連続的に割り当てられている期間を送信期間、受信スロットが連続的に割り当てられている期間を受信期間と呼ぶことにする。
【0629】
なお、送信スロット5001Aと送信スロット5001Cの間に他のシンボル(例えば、制御情報シンボル、データシンボル)が存在してもよいし、変調信号が存在しない時間期間があってもよい。そして、受信スロット5002Cと受信スロット5002Aの間に他のシンボル(例えば、制御情報シンボル、データシンボル)が存在してもよく、変調信号が存在しない時間期間があってもよい。
【0630】
送信スロット5001A及び送信スロット5001Cの期間長は、同じであっても良いし、互いに異なっても良い。同様に、受信スロット5002C及び受信スロット5002Aの期間長は、同じであっても良いし、互いに異なっても良い。これは、他の図48図50図51図53図54図55図56についても同様である。
【0631】
なお、図47は、中継器4900Bの或る時間におけるスロットの割り当てを示しており、当該時間以外においては、中継器4900Bに対して、図47と同じ順に送信スロット及び受信スロットが割り当てられても良いし、図47とは異なる順に送信スロット及び受信スロットが割り当てられても良い。これは、他の図48図50図51図53図54図55図56についても同様である。
【0632】
なお、図47における送信スロット5001A、5001Cで送信するデータは、1つ以上前のTDD intervalの受信スロット、または、1つ以上前のフレームで受信したデータであり、図47における受信スロット5002A、5002Cで受信したデータは、1つ以上後のTDD intervalの送信スロット、または、1つ以上後のフレームで送信されるデータである。これは、他の図48図50図51図53図54図55図56についても同様である。
【0633】
中継器4900Bは、送信スロット5001Aの期間において、中継器4900Aの方向へビームの指向性を向け(つまり、指向性制御を行い)、変調信号を送信する。また、中継器4900Bは、送信スロット5001Cの期間において、中継器4900Cの方向へビームの指向性を向け、変調信号を送信する。
【0634】
また、中継器4900Bは、受信スロット5002Cの期間において、中継器4900Cの方向へビームの指向性を向け、中継器4900Cが送信した変調信号を受信する。また、中継器4900Bは、受信スロット5002Aの期間において、中継器4900Aの方向へ指向性を向け、中継器4900Aが送信した変調信号を受信する。
【0635】
図47に示すように、送信スロット及び受信スロットの少なくとも1つを連続的(一定の時間及び一定の周波数帯域)に割り当てることにより、中継器4900Bにおける電力増幅器の負荷を低減でき、その結果、中継器4900Bの消費電力量を低減できる。また、送信スロット5001Aと送信スロット5001Cとの間にガード期間を設ける場合に、当該ガード期間を短くでき、その結果、データの伝送速度が向上する。
【0636】
図48は、図46の中継器4900Bに対するスロット割り当ての変形例を示す図である。
【0637】
図48の例は、中継器4900Bに対して、中継器4900Cからの受信スロット5102C、中継器4900Cへの送信スロット5101C、中継器4900Aからの受信スロット5102A、及び、中継器4900Aへの送信スロット5101Aが、時間軸上に順に割り当てられていることを示す。すなわち、図48は、連続的に割り当てられた「同じ中継器に対する受信スロット及び送信スロット」で構成するスロットのペアの一例である。
【0638】
受信スロット5102Cと送信スロット5101Cとの間には、ガード期間が設けられてよい。同様に、受信スロット5102Aと送信スロット5101Aとの間には、ガード期間が設けられてよい。なお、ガード期間とは、例えば、変調信号が存在しない期間である。
【0639】
中継器4900Bは、受信スロット5102Cの期間において、中継器4900Cの方向へビームの指向性を向け(指向性制御を行う)、中継器4900Cが送信した変調信号を受信する。また、中継器4900Bは、送信スロット5101Cの期間において、中継器4900Cの方向へビームの指向性を向け、変調信号を送信する。
【0640】
また、中継器4900Bは、受信スロット5102Aの期間において、中継器4900Aの方向へビームの指向性を向け、中継器4900Aが送信した変調信号を受信する。また、中継器4900Bは、送信スロット5101Aの期間において、中継器4900Aの方向へ指向性を向け、変調信号を送信する。
【0641】
図48に示すように、同じ中継器に対する受信スロット及び送信スロットを連続的に割り当てることにより、中継器4900Bは、受信スロット5102C及び送信スロット5101Cの期間では中継器4900Cの方向へビームの指向性を向け、受信スロット5102A及び送信スロット5101Aの期間では中継器4900Aの方向へビームの指向性を向ければ良い。よって、中継器4900Bにおけるビームの指向性制御が容易になる。
【0642】
なお、図47に示すスロット割り当て方式と、図48に示すスロット割り当て方式とは、無線通信及び/又は伝搬環境等の状況に応じて切り換えられてよい。例えば、中継器4900Bは、当該状況の変化に応じて、所定の切り替え情報を中継器4900A、4900Cへ送信し、スロット割り当て方式を切り換えてもよい。
【0643】
このようにすることで、通信状況に応じて、好適な伝送方法を選択するので、受信データ品質の向上、データ伝送速度の向上の両立を図ることができるという効果が得られる。
【0644】
(実施の形態9)
図49は、実施の形態9に係る中継器同士の接続の一例を示す図である。
【0645】
図49は、図46と比較して、中継器5200Bに機器5210が接続されている点が相違する。
【0646】
機器5210は、例えば、動画または静止画の撮影装置(例えば監視カメラ)、所定のセンサ又は無線基地局である。中継器5200Bと機器5210とは、例えばUSBといったI/F(インターフェース)で接続される。ただし、中継器5200Bと機器5210との間のI/Fはこれに限られず、例えばギガビッドクラスのEthernetであってもよい。また、当該I/Fは、有線に限られず、無線であっても良い。また、中継器5200Bと機器5210で構成された1つの機器、または、1つのシステムであってもよい。
【0647】
中継器5200Bは、図46と同様、中継器5200Aが送信した変調信号5202Aを受信し、受信した変調信号5202Aに対応する変調信号5201Cを中継器5200Cへ送信する。また、中継器5200Bは、中継器5200Cが送信した変調信号5202Cを受信し、受信した変調信号5202Cに対応する変調信号5201Aを中継器5200Aへ送信する。すなわち、中継器5200Bは、中継器5200Aと中継器5200Cとの間の変調信号の中継を行う。
【0648】
なお、変調信号5202Aと変調信号5201Cは、同一の変調信号であるとは限らない。変調信号5202Aと変調信号5201Cは、同一の情報(第1の情報とよぶ)を少なくとも含んでいる、または、第1の情報に関連する情報を含んでいる。
【0649】
また、変調信号5202Aを生成するための変調方式と、変調信号5201Cを生成するための変調方式は同一であるとは限らない。さらに、変調信号5202Aを生成するための誤り訂正符号化方式と、変調信号5201Cを生成するための誤り訂正符号化方式は同一であるとは限らない。そして、変調信号5202Cと変調信号5201Aは、同一の変調信号であるとは限らない。
【0650】
変調信号5202Cと変調信号5201Aは、同一の情報(第2の情報とよぶ)を少なくとも含んでいる、または、第2の情報に関連する情報を含んでいる。また、変調信号5202Cを生成するための変調方式と、変調信号5201Aを生成するための変調方式は同一であるとは限らない。さらに変調信号5202Cを生成するための誤り訂正符号化方式と、変調信号5201Aを生成するための誤り訂正符号化方式は同一であるとは限らない。
【0651】
これに加えて、中継器5200Bは、当該中継器5200Bに接続されている機器5210が送信したデータ、または、データを含む変調信号を受信し、機器5210が送信したデータの少なくとも一部、または、送信したデータに関連するデータの少なくとも一部を含む変調信号を生成し、変調信号5203Aとして、中継器5200Aへ送信する。
【0652】
また、中継器5200Bは、当該機器5210が送信したデータ、または、データを含む変調信号を受信し、機器5210が送信したデータの少なくとも一部、または、送信したデータに関連するデータの少なくとも一部を含む変調信号を生成し、変調信号5203Cとして、中継器5200Cへ送信する。
【0653】
なお、上述で、「関連する情報」、「関連データ」と記載しているが、この点について、一例を説明する。
【0654】
例えば、装置Aが、第1の場面の映像について第1の符号化を行い、第1のデータを生成し、第1の場面の映像について第2の符号化を行い、第2のデータを生成する。このとき、第1のデータと第2のデータは「関連する情報」、または、「関連データ」という関係になる。
【0655】
また、例えば、装置Bが、生成された第1のデータを得て、第1のデータから第1の場面の映像を生成し、再度、第2の符号化を行い、第2のデータを生成する。このとき、第1のデータと第2のデータは「関連する情報」、または、「関連データ」という関係になる。なお、この点については、本明細書に含まれる実施の形態のすべてにおいて、適用可能である。
【0656】
なお、変調信号の送受信時におけるビームの指向性制御については、図46の場合と基本的な動作は同様であるので、説明を省略する。
【0657】
図50は、図49の中継器5200Bに対するスロット割り当ての一例を示す図である。なお、図50において、横軸は時間であり、縦軸は周波数である。そして、第1の周波数帯において形成される第1チャネルと第2の周波数帯において形成される第2チャネルを図50では示している。
【0658】
図50は、中継器5200Bに対して、第1チャネルにおいて、中継器5200Aへの送信スロット5301A、中継器5200Cへの送信スロット5301C、中継器5200Cからの受信スロット5302C、及び、中継器5200Cからの受信スロット5302Aが、時間軸上に順に割り当てられていることを示している。
【0659】
これに加えて、図50は、中継器5200Bに対して、第2チャネルにおいて、機器5210が送信したデータの少なくとも一部、または、送信したデータに関連するデータの少なくとも一部を含む変調信号を中継器5200Aへ送信するための送信スロット5303Aと、機器5210が送信したデータの少なくとも一部、または、送信したデータに関連するデータの少なくとも一部を含む変調信号を中継器5200Cへ送信するための送信スロット5303Cと、が割り当てられていることを示している。なお、すでに説明したように、中継器5200Bは、機器5210が送信したデータを得るため機構を保持している。
【0660】
第1チャネルと第2チャネルとは互いに異なるチャネル(周波数領域)である。なお、第1チャネルと第2チャネルとは、互いに隣接していても良いし、互いに離間していても良い。
【0661】
これにより、中継器5200Bに新たに機器5210を接続した場合に、中継器5200Bに対する既存のスロットの割り当て(例えば第1チャネルにおけるスロットの割り当て)を変更することなく、中継器5200Bに対して、機器5210が送信したデータの少なくとも一部、または、送信したデータに関連するデータの少なくとも一部を含む変調信号を送信するための送信スロット5303A、5303Cを割り当てることができる。つまり、中継器に対して新たにスロットを割り当てる場合に、既存のスロットの割り当てを変更することを省略できる。
【0662】
また、図50に示すように、機器5210が送信したデータの少なくとも一部、または、送信したデータに関連するデータの少なくとも一部を含む変調信号を中継器5200Aへ送信するための送信スロット5303Aの期間は、同じく中継器5200Aへの送信スロット5301Aの期間内となるように割り当てることができる。
【0663】
同様に、機器5210が送信したデータの少なくとも一部、または、送信したデータに関連するデータの少なくとも一部を含む変調信号を中継器5200Cへ送信するための送信スロット5303Cの期間は、同じく中継器5200Cへの送信スロット5301Cの期間内となるように割り当てることができる。
【0664】
これにより、中継器5200Bは、送信スロット5301Aの期間では、中継器5200Aの方向へビームの指向性を向け、送信スロット5301Cの期間では、中継器5200Cの方向へビームの指向性を向ければ良い。よって、中継器5200Bにおけるビームの指向性制御が容易になる。例えば、中継器5200Bは、送信スロット5301A及び送信スロット5303Aについて、共通のプリコーディング行列を用いることができ、ビームフォーミングのための手続き、及び信号処理の少なくとも一部を簡略化できるという効果が得られる。
【0665】
なお、図50に示す受信スロット5302C、5302Aについては、図47の場合と基本的には同様であるので、説明を省略する。
【0666】
図51は、図49の中継器5200Bに対するスロット割り当ての変形例を示す図である。なお、図51において、図50と同様、横軸は時間であり、縦軸は周波数である。そして、第1の周波数帯において形成されるチャネルを第1チャネルと呼んでおり、第1チャネルは、1つ以上のキャリアで構成された第1キャリア群と1つ以上のキャリアで構成された第2キャリア群を含んでいる。
【0667】
図51は、中継器5200Bに対して、第1チャネルの第1キャリア群において、中継器5200Aへの送信スロット5401A、中継器5200Cへの送信スロット5401C、中継器5200Cからの受信スロット5402C、及び、中継器5200Cからの受信スロット5402Aが、時間軸上に順に割り当てられていることを示している。
【0668】
これに加えて、図51は、中継器5200Bに対して、第1チャネルの第2キャリア群において、機器5210が送信したデータの少なくとも一部、または、送信したデータに関連するデータの少なくとも一部を含む変調信号を中継器5200Aへ送信するための送信スロット5403Aと、機器5210が送信したデータの少なくとも一部、または、送信したデータに関連するデータの少なくとも一部を含む変調信号を中継器5200Cへ送信するための送信スロット5403Cと、が割り当てられていることを示す。なお、すでに説明したように、中継器5200Bは、機器5210が送信したデータを得るため機構を保持している。
【0669】
第1キャリア群及び第2キャリア群のそれぞれは、1つ以上のキャリアを含む。第1キャリア群と第2キャリア群とは互いに異なる周波数領域である。第1キャリア群と第2キャリア群のキャリア数は、同じであっても良いし、異なっても良い。第1キャリア群と第2キャリア群とは、隣接していても良いし、離間していても良い。
【0670】
これにより、中継器5200Bに新たに機器5210を接続した場合に、中継器5200Bに対する既存のスロットの割り当て(例えば第1キャリア群におけるスロットの割り当て)を変更することなく、中継器5200Bに対して、機器5210が送信したデータの少なくとも一部、または、送信したデータに関連するデータの少なくとも一部を含む変調信号を送信するための送信スロット5403A、5403Cを割り当てることができる。つまり、中継器に対して新たにスロットを割り当てる場合に、既存のスロットの割り当てを変更することを省略できる。
【0671】
また、キャリア群を構成するキャリア数を調整することにより、キャリア群におけるスロットのデータ伝送速度を調整できる効果が得られる。例えば、機器5210からの信号のデータ量が小さい場合は、第2キャリア群を少数のキャリア数で構成し、機器5210からの信号のデータ量が大きい場合は、第2キャリア群を多数のキャリア数で構成すればよい。
【0672】
また、図51に示すように、機器5210が送信したデータの少なくとも一部、または、送信したデータに関連するデータの少なくとも一部を含む変調信号を中継器5200Aへ送信するための送信スロット5403Aの期間は、同じく中継器5200Aへの送信スロット5401Aの期間内となるように割り当てられる。
【0673】
同様に、機器5210が送信したデータの少なくとも一部、または、送信したデータに関連するデータの少なくとも一部を含む変調信号を中継器5200Cへ送信するための送信スロット5403Cの期間は、同じく中継器5200Cへの送信スロット5401Cの期間内となるように割り当てられる。
【0674】
これにより、中継器5200Bは、送信スロット5401Aの期間では、中継器5200Aの方向へビームの指向性を向け、送信スロット5401Cの期間では、中継器5200Cの方向へビームの指向性を向ければ良い。
【0675】
よって、中継器5200Bにおけるビームの指向性制御が容易になる。例えば、中継器5200Bは、送信スロット5401A及び送信スロット5403Aについて、共通のプリコーディング行列を用いることができ、ビームフォーミングのための手続き、及び信号処理の少なくとも一部を簡略化できるという効果が得られる。
【0676】
なお、図51に示す受信スロット5402C、5402Aについては、図47の場合と基本的な動作は同様であるので、説明を省略する。
【0677】
図52は、実施の形態9に係る中継器同士の接続の変形例を示す図である。
【0678】
図52は、図49と比較して、中継器5200Aに機器5211が接続されている点が相違する。機器5211は、図49の機器5210と同様、例えば、動画または静止画の撮影装置(例えば監視カメラ)、所定のセンサ又は無線基地局である。
【0679】
中継器5200Bは、図49で説明した処理に加えて、次の処理も行う。すなわち、中継器5200Aは、機器5211が送信したデータを受信し、受信したデータの少なくとも一部、または、受信したデータに関連するデータの少なくとも一部を含む変調信号5205Aを中継器5200Bに送信する。
【0680】
そして、中継器5200Bは、この変調信号5205Aを受信することにより得たデータの少なくとも一部、または、得たデータに関連するデータの少なくとも一部を含む変調信号5204Cを中継器5200Cへ送信する。すなわち、中継器5200Bは、機器5211が送信したデータの少なくとも一部、または、機器5211が送信したデータに関連するデータの少なくとも一部を含む変調信号を中継器5200Cへ中継する。
【0681】
図53は、図52の中継器5200Bに対するスロット割り当ての一例を示す図である。
【0682】
図53は、図50と比較して、第2チャネルにおいて、以下の点が相違する。
【0683】
中継器5200Aは、接続されている機器5211から得られるデータの少なくとも一部、または、得られたデータに関連するデータの少なくとも一部によって生成された変調信号を送信する。そして、その送信された変調信号を、中継器5200Bは、受信する。この変調信号を中継器5200Bが受信するための受信スロットが、図53の受信スロット5305Aとなる。
【0684】
また、中継器5200Bは、1つ以上前における受信スロット5305Aで得たデータを中継器5200Cに伝送する。このデータを含む変調信号を中継器5200Bが送信するための送信スロットが、送信スロット5304Cとなる。
【0685】
これにより、中継器5200Aに新たに機器5211を接続した場合に、中継器5200Bに対する第1チャネルの既存のスロットの割り当て(例えば図50に示すスロットの割り当て)を変更することなく、第2チャネルとして送信スロット5304C、受信スロット5305Aを割り当てることができる。つまり、中継器に対して新たにスロットを割り当てる場合に、既存のスロットの割り当ての変更を省略できるという効果が得られる。
【0686】
また、図53に示すように、送信スロット5304Cの期間は、同じく中継器5200Cへの送信スロット5301Cの期間内、かつ、先に割り当て済みの送信スロット5303Cとは異なる期間となるように割り当てられる。
【0687】
これにより、中継器5200Bは、送信スロット5301Cの期間では、中継器5200Cの方向へビームの指向性を向ければよい。よって、中継器5200Bにおけるビームの指向性制御が容易になる。このため、例えば、中継器5200Bは、送信スロット5301C、送信スロット5303C、及び送信スロット5304Cについて、共通のプリコーディング行列を用いることができ、ビームフォーミングのための手続き、及び信号処理の少なくとも一部を簡略化することが可能となる効果が得られる。
【0688】
図54は、図52の中継器5200Bに対するスロット割り当ての第1の変形例を示す図である。
【0689】
図54は、図51と比較して、第1チャネルの第2キャリア群において、以下の点が相違する。
中継器5200Aは、接続されている機器5211から得られるデータの少なくとも一部、または、得られるデータに関連するデータの少なくとも一部によって生成された変調信号を送信する。そして、中継器5200Bは、中継器5200Aが送信した変調信号を受信する。つまり、中継器5200Aからの受信に対するスロットが、図54の受信スロット5405Aとなる。
【0690】
また、中継器5200Bは、受信スロット5405Aで得たデータを中継器5200Cに送信する。中継器5200Cへ送信するデータを含む変調信号を送信するスロットが、送信スロット5404Cとなる。
【0691】
これにより、中継器5200Aに新たに機器5211が接続した場合に、中継器5200Bに対する既存のスロットの割り当て(例えば図51に示すスロットの割り当て)を変更することなく、送信スロット5404C、受信スロット5405Aを割り当てることができる。つまり、中継器に対して新たにスロットを割り当てる場合に、既存のスロットの割り当ての変更を省略できるという効果が得られる。
【0692】
また、図54に示すように、送信スロット5404Cの期間は、同じく中継器5200Cへの送信スロット5401Cの期間内、かつ、先に割り当て済みの送信スロット5403Cとは異なる期間となるように割り当てられる。
【0693】
これにより、中継器5200Bは、送信スロット5401Cの期間では、中継器5200Aの方向へビームの指向性を向ければよい。よって、中継器5200Bにおけるビームの指向性制御が容易になる。このため、例えば、中継器5200Bは、送信スロット5401C、送信スロット5403C、及び送信スロット5404Cについて、共通のプリコーディング行列を用いることができ、ビームフォーミングのための手続き、及び信号処理の少なくとも一部を簡略化することが可能となる効果が得られる。
【0694】
図55は、図52の中継器5200Bに対するスロット割り当ての第2の変形例を示す図である。
【0695】
図55は、図50と比較して、第3チャネルにおいて、以下の点が相違する。
【0696】
中継器5200Aは、接続されている機器5211から得られるデータの少なくとも一部、または、得られるデータに関連するデータの少なくとも一部によって生成された変調信号を送信する。そして、中継器5200Bは、送信された変調信号を受信する。中継器5200Aからの受信に対するスロットが、図55の受信スロット5307Aとなる。
【0697】
また、中継器5200Bは、受信スロット5307Aで得たデータを中継器5200Cに送信する。中継器5200Cへ送信するデータを含む変調信号を送信する送信スロットが、送信スロット5306Cとなる。
【0698】
これにより、中継器5200Aに新たに機器5211が接続された場合に、中継器5200Bに対する既存のスロットの割り当て(例えば図50に示すスロットの割り当て)を変更することなく、送信スロット5306C、受信スロット5307Aを割り当てることができる。つまり、中継器に対して新たにスロットを割り当てる場合に、既存のスロットの割り当ての変更を省略できるという効果が得られる。
【0699】
また、図55に示すように、送信スロット5306Cの期間は、同じく中継器5200Cへの送信スロット5301Cの期間内となるように、かつ、送信スロット5306Cのチャネルは、先に割り当て済みの送信スロット5301C、5303Cとは異なるチャネルとなるように割り当てられる。
【0700】
これにより、中継器5200Bは、送信スロット5301Cの期間では、中継器5200Cの方向へビームの指向性を向ければよい。よって、中継器5200Bにおけるビームの指向性制御が容易になる。このため、例えば、中継器5200Bは、送信スロット5301C、送信スロット5303C、及び送信スロット5306Cについて、共通のプリコーディング行列を用いることができ、ビームフォーミングのための手続き、及び信号処理の少なくとも一部を簡略化できるという効果が得られる。
【0701】
図56は、図52の中継器5200Bに対するスロット割り当ての第3の変形例を示す図である。
【0702】
図56は、図51と比較して、第3キャリア群において、以下の点が相違する。
【0703】
中継器5200Aは、接続されている機器5211から得られるデータの少なくとも一部、または、得られるデータに関連するデータの少なくとも一部によって生成された変調信号を送信する。そして、中継器5200Bは、中継器5200Aが送信した変調信号を受信する。つまり、中継器5200Aからの受信に対するスロットが、図56の受信スロット5407Aとなる。
【0704】
また、中継器5200Bは、受信スロット5407Aで得たデータを中継器5200Cに送信する。中継器5200Cへ送信するデータを含む変調信号を送信するスロットが、送信スロット5406Cとなる。
【0705】
これにより、中継器5200Aに新たに機器5211が接続した場合に、中継器5200Bに対する既存のスロットの割り当て(例えば図51に示すスロットの割り当て)を変更することなく、送信スロット5406C、受信スロット5407Aを割り当てることができる。つまり、中継器に対して新たにスロットを割り当てる場合に、既存のスロットの割り当てを変更することを省略できるという効果が得られる。
【0706】
また、図56に示すように、送信スロット5406Cの期間は、同じく中継器5200Cへの送信スロット5401Cの期間内となるように、かつ、送信スロット5406Cのキャリア群は、先に割り当て済みの送信スロット5401C、5403Cとは異なるキャリア群となるように割り当てられる。
【0707】
これにより、中継器5200Bは、送信スロット5401Cの期間では、中継器5200Cの方向へビームの指向性を向ければよい。よって、中継器5200Bにおけるビームの指向性制御が容易になる。このため、例えば、中継器5200Bは、送信スロット5401C、送信スロット5403C、及び送信スロット5406Cについて、共通のプリコーディング行列を用いることができ、ビームフォーミングのための手続き、及び信号処理の少なくとも一部を簡略化できるという効果が得られる。
【0708】
図57は、中継器間で送受信される信号の構成の一例を示す図である。
【0709】
中継器間における信号は、図57に示すIEEE802.11ad、IEEE802.11ayに係るフレームの構成を有してよい。
【0710】
図57は、横軸時間におけるフレーム構成の一例である。図57における「BTI」はBeacon Transmission Intervalである。「A-BFT」はAssociation Beamforming Trainingである。「ATI」はAnnouncement Transmission Intervalである。「CBAP1」、「CBAP2」が存在するが、「CBAP」はContention-Based Access Periodである。「SP」は、Scheduled Service Periodである。「TDD」はTime Division Duplexである。「STA」はStationである。「TX」はTransmitter、「RX」はReceiverである。
【0711】
図57のフレームでは、中継器は、「BTI」、「A-BFT」、「ATI」、「CBAP1」、「SP1」、「SP with TD(Time Division) channel access」、「CBAP2」の順に送信する。
【0712】
そして、「SP with TD channel access」は「TDD interval 1」、「TDD interval 2」、・・・、「TDD interval n」で構成されている。なお、nは1以上の整数とする。また、各「TDDinterval」は、1つ以上のTDD slotで構成されている。
【0713】
例えば、図45から図56において説明したスロットは、図57に示すTDD-slotで構成されてよい。例として、送信スロットは、図57に示すTDD-slot0~2に相当し、受信スロットは、図57に示すTDD-slot3~5に相当してよい。なお、図57では、周波数軸については、記載していない。
【0714】
また、図45から図56において説明した中継器は、例えば、図1に示す構成を有してよい。例えば、受信アンテナ群151、無線部群153、信号処理部155は、図45から図56の受信スロットを復調するための処理部(処理回路)となる。そして、信号処理部(信号処理回路)102、無線部(無線回路)104-1~104-M、アンテナ106-1~106-Mは、送信スロットの変調信号を送信するための処理が行われる。
【0715】
そして、設定部(設定回路)158では、送信スロット、受信スロットのスケジューリングが行われ、送信スロットの送信処理、受信スロットの受信処理が適切に行われる。
【0716】
なお、本実施の形態の図47図48図50図51図53図54図55図56における送信スロット、受信スロットにおいて、「1つのストリーム(または、1つの変調信号)を送信する伝送方式」を用いてもよいし、「2つ以上のストリーム(または、2つ以上の変調信号)を送信する伝送方式」を用いてもよい。
【0717】
中継器の構成は、図1の構成に限ったものではない。例えば、送信機能、受信機能として、「1つのストリームの送受信」に対応するための中継器の構成であってもよい。したがって、例えば、図1において、無線部104-2~104-M、アンテナ106-2~106-Mを省略して、無線部104-1、アンテナ106-1により構成されてもよい。
【0718】
また、本実施の形態の図47図48図50図51図53図54図55図56における送信スロット、受信スロットにおいて、他の実施の形態で説明したように、送信ビームの指向性制御と受信ビームの指向性制御をそれぞれ実施する場合、送信スロットと受信スロットが同一時間に存在していてもよい。
【0719】
そして、送信スロットが存在する周波数帯と受信スロットが存在する周波数帯を異なる周波数帯に配置してもよいし、また、送信スロットが存在するチャネルと受信スロットが存在するチャネルを異なるチャネルに配置してもよい。さらに、送信スロットが存在するキャリア群と受信スロットが存在するキャリア群を異なるキャリア群に配置してもよい。
【0720】
以上のように、中継器は、本実施の形態を実施することで、中継器以外の装置が提供したデータを、中継器に提供し、これにより、このデータが中継されることにより、新しい機能を追加することができ、本実施の形態のように中継方法を実施することで、既存のスロットの割り当ての変更を省略して、新規のスロットを割り当てられるという効果が得られる。
【0721】
(実施の形態9の変形例1)
実施の形態9において、図49図52の機器5210、および、図52における機器5211は、無線基地局でもよいと記載したが、無線通信の代わりに有線通信を用いた有線基地局、または、有線を用いた通信機器であってもよい。
【0722】
(補足説明)
以下、本開示の送信装置、受信装置、送信方法、及び、受信方法について補足説明をする。
【0723】
本開示の一態様の送信装置は、複数の送信アンテナを備える送信装置であって、第1ストリームのデータを変調して第1ベースバンド信号を生成し、第2ストリームのデータを変調して第2ベースバンド信号を生成する信号処理部と、第1ベースバンド信号からそれぞれ指向性の異なる複数の第1送信信号を生成し、第2ベースバンド信号からそれぞれ指向性の異なる複数の第2送信信号を生成し、複数の第1送信信号及び複数の前記第2送信信号を同一時間に送信する送信部と、を備え、送信部は、さらに、端末から第1ストリームの送信の要求を受けた場合には、複数の第1送信信号とは異なり、かつ、それぞれ指向性の異なる複数の第3送信信号を、第1ベースバンド信号から生成して送信する。
【0724】
複数の第1送信信号及び複数の第2送信信号のそれぞれは、当該送信信号が第1ストリームおよび第2ストリームのうちのいずれのストリームのデータを伝送する信号であるかを通知するための制御信号を含んでいてもよい。
【0725】
複数の第1送信信号及び複数の第2送信信号のそれぞれは、受信装置が指向性制御を行うためのトレーニング信号を含んでいてもよい。
【0726】
本開示の一態様の受信装置は、複数の受信アンテナを備える受信装置であって、送信装置が同一時間に送信する第1ストリームのデータを伝送するそれぞれ指向性の異なる複数の第1信号及び第2ストリームのデータを伝送するそれぞれ指向性の異なる複数の第2信号のうち、少なくとも1つの第1信号及び少なくとも1つの第2信号を選択し、選択した複数の信号を受信するための指向性制御を行って信号を受信する受信部と、受信した信号を復調して前記第1ストリームのデータ及び前記第2ストリームのデータを出力する信号処理部と、受信部によって前記少なくとも1つの第1信号が受信されていない場合に、送信装置に対して第1ストリームの送信の要求を行う送信部とを備える。
【0727】
受信部は、複数の受信信号のそれぞれに含まれる前記第1ストリームおよび前記第2ストリームのうちのいずれのストリームのデータを伝送する信号であるかを通知するための制御信号に基づいて、前記少なくとも1つの第1信号及び前記少なくとも1つの第2信号を選択してもよい。
【0728】
受信部は、複数の受信信号のそれぞれに含まれるトレーニング信号を用いて指向性制御を行ってもよい。
【0729】
本開示の一態様の送信方法は、複数の送信アンテナを備える送信装置で実行される送信方法であって、第1ストリームのデータを変調して第1ベースバンド信号を生成し、第2ストリームのデータを変調して第2ベースバンド信号を生成する処理と、第1ベースバンド信号からそれぞれ指向性の異なる複数の第1送信信号を生成し、第2ベースバンド信号からそれぞれ指向性の異なる複数の第2送信信号を生成し、複数の第1送信信号及び複数の前記第2送信信号を同一時間に送信する処理とを含み、送信処理では、さらに、端末から第1ストリームの送信の要求を受けた場合には、複数の第1送信信号とは異なり、かつ、それぞれ指向性の異なる複数の第3送信信号を、第1ベースバンド信号から生成して送信する。
【0730】
本開示の一態様の受信方法は、複数の受信アンテナを備える受信装置で実行される受信方法あって、送信装置が同一時間に送信する第1ストリームのデータを伝送するそれぞれ指向性の異なる複数の第1信号及び第2ストリームのデータを伝送するそれぞれ指向性の異なる複数の第2信号のうち、少なくとも1つの第1信号及び少なくとも1つの第2信号を選択し、選択した複数の信号を受信するための指向性制御を行って信号を受信する処理と、受信した信号を復調して前記第1ストリームのデータ及び前記第2ストリームのデータを出力する処理と、受信処理において少なくとも1つの第1信号が受信されていない場合に、送信装置に対して第1ストリームの送信の要求を行う送信処理とを含む。
【0731】
本開示の一態様の通信装置は、第1の通信装置と第2の通信装置との間で送受信される中継信号を中継し、さらに第1の機器と接続する通信装置であって、第1の送信スロットを用いて、前記中継信号を送信し、第2の送信スロットを用いて、前記第1の機器からの信号を、前記第1の送信スロットの送信期間内に、前記第1の送信スロットと異なる周波数領域で送信する。
【0732】
本開示の一態様の通信装置は、前記第1の送信スロットの期間において、前記第1の送信スロットの送信先の通信装置の方向へ指向性を向ける。
【0733】
本開示の一態様の通信装置は、前記第1の通信装置又は前記第2の通信装置に第2の機器が接続され、第3の送信スロットを用いて、前記第2の機器が接続されている通信装置を介して受信した前記第2の機器からの信号を、前記第1の送信スロット及び前記第2の送信スロットと異なる周波数領域で送信する。
【0734】
本開示の一態様の通信装置は、前記第1の通信装置又は前記第2の通信装置に第2の機器が接続され、第3の送信スロットを用いて、前記第2の機器が接続されている通信装置を介して受信した前記第2の機器からの信号を、前記第1の送信スロットの期間内に、前記第2の送信スロットと共通の周波数領域で送信する。
【0735】
本開示の一態様の通信方法は、第1の通信装置と第2の通信装置との間で送受信される中継信号を中継し、さらに第1の機器と接続する通信装置における通信方法であって、第1の送信スロットを用いて、前記中継信号を送信し、第2の送信スロットを用いて、前記第1の機器からの信号を、前記第1の送信スロットの期間内に、前記第1の送信スロットと異なる周波数領域で送信する。
【0736】
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物又は移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0737】
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されず、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター又は計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
【0738】
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
【0739】
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサー等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサーが含まれる。
【0740】
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
【0741】
本開示によれば、疑似オムニパターンのアンテナを用いる場合と比較して、複数ストリームのマルチキャスト/ブロードキャスト通信における通信距離を拡大できる可能性がある。
【産業上の利用可能性】
【0742】
本開示は、複数のアンテナを用いる通信において有用である。
【符号の説明】
【0743】
700 基地局
701 アンテナ
702,703 送信ビーム
704 端末
705,706 受信指向性
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56
図57