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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】血圧測定装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/022 20060101AFI20240618BHJP
【FI】
A61B5/022 300F
A61B5/022 300A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023515775
(86)(22)【出願日】2022-06-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-13
(86)【国際出願番号】 KR2022008009
(87)【国際公開番号】W WO2022260398
(87)【国際公開日】2022-12-15
【審査請求日】2023-05-31
(31)【優先権主張番号】10-2021-0073354
(32)【優先日】2021-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515273368
【氏名又は名称】チャームケア・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】イ,ドン ファ
【審査官】右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-350706(JP,A)
【文献】特開2020-062089(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/022
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者の手首に着用が可能な血圧測定装置であって、
尺骨動脈と隣接した前記手首の一部に巻き付ける第1のストラップ;
前記手首の周りに巻き付けるように前記第1のストラップと連結され、腰骨動脈と隣接した前記手首の一部に巻き付け、空気の流入及び流出が選択的に可能な空気袋を含む、第2のストラップ;及び、
前記第1のストラップまたは前記第2のストラップに設けられ、前記空気袋の圧力を測定する測定部、及び、前記測定部で測定した前記空気袋の圧力を基に被検者の血圧を算出する制御部を含む、本体を含み、
前記空気袋は、
内部に空気が注入されると膨張し、前記手首を加圧することで、前記腰骨動脈の加圧が可能な加圧チャンバを含み、
前記加圧チャンバは、
前記加圧チャンバの内部から外部に向かう方向に膨張する膨張部を有しており
前記第2のストラップには、前記第2のストラップの長さ方向に沿って複数個の孔が設けられており、
前記空気袋には空気袋リングが設けられており、
前記空気袋リングは、前記空気袋の前記第2のストラップ上の位置が調節されるように、前記複数個の孔のうちいずれか一つの孔に脱着可能に結合される、血圧測定装置。
【請求項2】
前記加圧チャンバは、前記膨張部が一つ以上形成される、請求項1に記載の血圧測定装置。
【請求項3】
前記加圧チャンバは、前記手首と隣接する第1の面、及び、前記第1の面と対向する第2の面を含み、
前記膨張部は、前記第2の面の一部が前記第1の面に向かう方向へ突き出される、請求項1に記載の血圧測定装置。
【請求項4】
前記本体は、
算出された血圧を表示するディスプレイ部を含む、請求項1に記載の血圧測定装置。
【請求項5】
前記本体は、
外部装置とデータを送受信する通信部を含む、請求項1に記載の血圧測定装置。
【請求項6】
被検者の手首に着用が可能な血圧測定装置であって、
尺骨動脈と隣接した前記手首の一部に巻き付ける第1のストラップ;
前記手首の周りに巻き付けるように前記第1のストラップと連結され、腰骨動脈と隣接した前記手首の一部に巻き付け、空気の流入及び流出が選択的に可能な空気袋を含む、第2のストラップ;及び
前記第1のストラップまたは前記第2のストラップに設けられ、前記空気袋の圧力を測定する測定部、及び、前記測定部で測定した前記空気袋の圧力を基に被検者の血圧を算出する制御部を含む、本体を含み、
前記空気袋は、
前記手首と隣接する第1の面、及び、前記第1の面と対向する第2の面を含み、内部に空気が注入されると膨張し、前記第1の面で前記手首を加圧することで、前記腰骨動脈の加圧が可能な加圧チャンバ;及び
前記加圧チャンバの前記第2の面の一部と連通して内部に空気が注入されると膨張し、前記加圧チャンバの前記第1の面と平行な方向の端面の直径増減させる凹部が形成され補助チャンバを含
前記第2のストラップには、前記第2のストラップの長さ方向に沿って複数個の孔が設けられており、
前記空気袋には空気袋リングが設けられており、
前記空気袋リングは、前記空気袋の前記第2のストラップ上の位置が調節されるように、前記複数個の孔のうちいずれか一つの孔に脱着可能に結合される、血圧測定装置。
【請求項7】
前記補助チャンバは、前記凹部が一つ以上形成される、請求項6に記載の血圧測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血圧測定装置に関し、さらに詳しくは、ユーザーの手首に着用して血圧測定が可能な血圧測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血圧の情報は、健康の状態を把握するにあたって重要な情報の一つである。血圧とは、血液が血管壁に与える圧力のことをいう。心臓が収縮して血液を押し出すときの血管の圧力を収縮期血圧または最高血圧といい、心臓が弛緩して血液を受け入れるときの血管の圧力を拡張期血圧または最低血圧という。
【0003】
通常、正常人の血圧は、収縮期血圧が120mmHg未満で、拡張期血圧が80mmHg未満である。一方、収縮期血圧が140mmHg以上で、拡張期血圧が90mmHg以上である人は、血圧が高血圧であり、収縮期血圧が90mmHg以下で、拡張期血圧が60mmHg以下である人は、血圧が低血圧である。
【0004】
血圧が高血圧または低血圧の場合、健康に異常信号が発生し得るため、血圧の情報を獲得するために血圧を測定することは重要である。血圧を測定するための方法としては、一般的に、聴診方式、オシロメトリック方式、トノメトリック方式などが挙げられる。
【0005】
このうち、オシロメトリック方式は、動脈の血流が遮断されるように動脈血の通る身体部位を十分に加圧した後、一定速度で減圧する過程において発生する脈波を感知するか、動脈血の通る身体部位を一定速度で増圧して加圧する過程において発生する脈波を感知することで、収縮期血圧及び拡張期血圧を測定する方式である。
【0006】
また、トノメトリック方式は、動脈の血流を完全には遮断しないように一定圧力を身体部位に加え、このとき発生する脈波の大きさ及び形態を利用して血圧を測定する方式である。
【0007】
オシロメトリック方式を利用して被検者の血圧を測定するための従来の装置の多くは、被検者の腕に巻き付けて血圧を測定するように構成されていた。しかしながら、被検者の腕に巻き付けて血圧を測定するように構成された従来の血圧測定装置は、体積が大きく、携帯が不便であるという不都合がある。
【0008】
このような不都合を解決するために、先行文献の韓国登録特許第10-1349767号(以下、「先行文献」という)は、携帯性が向上するように、被検者の手首に着用されてかつ被検者の動脈を加圧できるエアチャンバを備える腕時計型血圧計を開示している。先行文献の腕時計型血圧計は、エアチャンバが被検者の動脈を加圧すればエアチャンバの圧力を測定することができ、測定されたエアチャンバの圧力を基に被検者の血圧を算出するように構成される。
【0009】
一方、エアチャンバに収容される空気の量が多いほど、エアチャンバの圧力はより正確に測定されることができ、エアチャンバに十分な量の空気が収容されていないと、エアチャンバの圧力を測定するにあたり誤謬が発生することもある。
【0010】
先行文献は、内部に空気を収容できるエアチャンバを開示しているものの、内部にできる限り多い量の空気を収容するためのエアチャンバの構成については開示していない。
【0011】
また、空気が注入されて膨張したエアチャンバと手首との間の接触面積が広いほど、被検者の動脈が効果的に加圧されることができるが、先行文献のエアチャンバは、内部に空気が注入されると風船状に膨張するので、エアチャンバと手首との間の接触面積を効果的に広げないという不都合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の1つの課題は、血圧測定装置の空気袋の圧力が正確に測定できず、血圧が正確に算出できないという不都合を解決することにある。
【0013】
本発明の他の課題は、血圧測定装置の空気袋が膨張すれば、手首と空気袋との間の接触面積が十分に確保できないという不都合を解決することにある。
【0014】
本発明の課題は、以上で言及した課題に限定されるものではなく、言及されていない他の課題は、以下の記載から当業者にとって明確に理解できるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記した技術的課題を達成するための技術的手段として、本発明の一実施例に係る血圧測定装置は、被検者の手首に着用が可能な血圧測定装置であって、尺骨動脈と隣接した前記手首の一部に巻き付ける第1のストラップ、前記手首の周りに巻き付けるように前記第1のストラップと連結され、腰骨動脈と隣接した前記手首の一部に巻き付け、空気の流入及び流出が選択的に可能な空気袋を含む、第2のストラップ、及び、前記第1のストラップまたは前記第2のストラップに設けられ、前記空気袋の圧力を測定する測定部、及び、前記測定部で測定した前記空気袋の圧力を基にユーザーの血圧を算出する制御部を含む、本体を含み、前記空気袋は、内部に空気が注入されると膨張し、前記手首を加圧することで、前記腰骨動脈の加圧が可能な加圧チャンバを含み、前記加圧チャンバは、前記手首と隣接する第1の面、及び、前記第1の面と対向する第2の面を含み、前記第2の面は、一部が前記第1の面に向かう方向へ突き出して膨張部が形成されても良い。
【0016】
また、前記加圧チャンバは、前記膨張部が一つ以上形成されても良い。
【0017】
また、前記第2のストラップは、長さ方向に沿って複数個の孔が設けられ、前記空気袋には、空気袋リングが設けられ、前記空気袋リングは、前記空気袋の前記第2のストラップ上の位置が調節されるように、前記複数個の孔のうちいずれか一つの孔に脱着可能に結合されても良い。
【0018】
また、前記本体は、算出された血圧を表示するディスプレイ部を含んでいても良い。
【0019】
また、前記本体は、外部装置とデータを送受信する通信部を含んでいても良い。
【0020】
上記した技術的課題を達成するための技術的手段として、本発明の他の実施例に係る血圧測定装置は、被検者の手首に着用が可能な血圧測定装置であって、尺骨動脈と隣接した前記手首の一部に巻き付ける第1のストラップ、前記手首の周りに巻き付けるように前記第1のストラップと連結され、腰骨動脈と隣接した前記手首の一部に巻き付け、空気の流入及び流出が選択的に可能な空気袋を含む、第2のストラップ、及び、前記第1のストラップまたは前記第2のストラップに設けられ、前記空気袋の圧力を測定する測定部、及び、前記測定部で測定した前記空気袋の圧力を基にユーザーの血圧を算出する制御部を含む、本体を含み、前記空気袋は、前記手首と隣接する第1の面、及び、前記第1の面と対向する第2の面を含み、内部に空気が注入されると膨張し、前記第1の面で前記手首を加圧することで、前記腰骨動脈の加圧が可能な加圧チャンバ、及び、前記加圧チャンバの前記第2の面の一部と連通して内部に空気が注入されると膨張し、前記加圧チャンバの前記第1の面と平行な方向の端面の直径が増減するように形成されて、凹部が形成される補助チャンバを含んでいても良い。
【0021】
また、前記補助チャンバは、前記凹部が一つ以上形成されても良い。
【0022】
課題を解決するためのその他の実施例の具体的な事項は、発明の説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0023】
上述した本発明の課題の解決手段によれば、本発明に係る血圧測定装置は、空気袋が膨張部の形成された加圧チャンバを備えることで、効果的に大きく膨張し、内部に多い量の空気を収容することが可能であるので、空気袋の圧力が正確に測定されて、血圧が正確に算出される効果を提供する。
【0024】
また、空気袋が凹部の形成された補助チャンバを備えることで、空気袋が楕円状に膨張して空気袋と被検者の手首との間の接触面積が効果的に広くなるので、被検者の動脈が効果的に加圧されて、血圧が正確に測定される効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施例に係る血圧測定装置の断面図である。
図2】被検者の手首に着用されて空気袋に空気が注入された血圧測定装置を示す図である。
図3a】膨張部が形成されていない加圧チャンバが膨張する形状を示す図である。
図3b】膨張部が形成された加圧チャンバが膨張する形状を示す図である。
図4】加圧チャンバと連通する補助チャンバを製造する方法の一例を示す図である。
図5a】補助チャンバが備えられていない空気袋が膨張して被検者の手首を加圧する形状を示す図である。
図5b】補助チャンバが備えられた空気袋が膨張して被検者の手首を加圧する形状を示す図である。
図6】第1のストラップと第2のストラップ、及び空気袋が連結される構造の一例を示す図である。
図7図6の空気袋が第2のストラップに連結される構造の一例を示す図である。
図8】本発明の一実施例に係る血圧測定装置の本体を示すブロック図である。
図9】ディスプレイ部が備えられた本体の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下では、添付した図面を参照しながら、本願の属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように本願の実施例を詳しく説明する。ところが、本願は様々な異なる形態に具現されることができ、ここで説明する実施例に限定されるものではない。そして、図面において、本願を明確に説明するために、説明とは関係ない部分は省略しており、明細書全体に亘って類似した部分に対しては類似した図面符号を付けている。
【0027】
本願の明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結」されているという場合、これは「直接的に連結」されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで「電気的に連結」されている場合も含む。
【0028】
本願の明細書全体において、ある部材が他の部材の「上に」位置しているという場合、これは、ある部材が他の部材に接している場合だけでなく、両部材の間にまた他の部材が存在する場合も含む。
【0029】
本願の明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。本願の明細書全体において使用される程度の用語「約」、「実質的に」などは、言及された意味に固有の製造及び物質許容誤差が提示される場合、その数値で、またはその数値に近接した意味として使用され、本願の理解を助けるために、適確であるか絶対的な数値が言及された開示内容を非良心的な侵害者が不当に利用することを防止するために使用される。本願の明細書全体において使用される程度の用語「(する)ステップ」または「~のステップ」は、「~のためのステップ」を意味するものではない。
【0030】
以下、添付した図面及び後述の内容を参照しながら、本発明の好ましい実施例を詳しく説明する。ところが、本発明は、ここで説明される実施例に限定されるものではなく、異なる形態に具体化されることもできる。明細書全体に亘って同一の参照番号は同一の構成要素を示す。
【0031】
以下、本発明の実施例に係る血圧測定装置1の構成について説明する。
【0032】
図1は、本発明の一実施例に係る血圧測定装置の断面図である。
【0033】
図1を参照しながら説明すると、本発明の一実施例に係る血圧測定装置1は、被検者の手首に着用可能に構成されても良く、被検者の手首の一部に巻き付ける第1のストラップ100、被検者の手首の他の一部に巻き付ける第2のストラップ200、血圧算出が可能な本体300を含んでいても良い。
【0034】
先ず、第1のストラップ100について説明する。
【0035】
図2は、被検者の手首に着用されて空気袋に空気が注入された血圧測定装置を示す図である。
【0036】
図1及び図2を参照しながら説明すると、第1のストラップ100は、尺骨動脈(B)と隣接した被検者の手首の一部に巻き付けるように配置されても良く、撓みを防止するように所定大きさ以上の強さを有する材料で形成されても良い。
【0037】
例を挙げて説明すると、第1のストラップ100は、所定大きさ以上の強さ及び弾性を有する金属、プラスチック、硬ゴムなどで形成されても良い。
【0038】
第1のストラップ100が弾性を有しながら所定大きさ以上の強さを有する材料で形成されることにより、被検者の手首及び手首の内部に位置した尺骨動脈(B)が第1のストラップ100の曲げなどによって加圧されることが防止されるので、尺骨動脈(B)を流れる血液が遮断されることが防止できる。
【0039】
したがって、血圧測定装置1は、動脈の血流を完全には遮断していない状態で血圧が測定できるトノメトリック方式によっても血圧を測定することができる。
【0040】
第1のストラップ100は、一側に第1の連結部130を備えていても良く、第1の連結部130は、後述する第2のストラップ200と連結されるように構成されても良い。
【0041】
次いで、第2のストラップ200について説明する。
【0042】
図1及び図2を参照しながら説明すると、第2のストラップ200は、被検者の手首の周りに巻き付けるように第1のストラップ100と連結されても良く、腰骨動脈(A)と隣接した被検者の手首の一部に巻き付けるように配置されても良い。また、第2のストラップ200は、空気袋210を備えていても良く、内部に空気流路220が形成されても良く、一側に第2の連結部230を備えていても良い。
【0043】
空気袋210は、血圧測定装置1を着用する被検者の腰骨動脈(A)と隣接した手首の一部を加圧できるように第2のストラップ200に設けられても良く、内部に空気の流入及び流出が選択的に可能となるように構成されても良い。
【0044】
空気袋210の内部に空気が注入されると、図2に示されるように、空気袋210が膨張して手首を加圧することによって、腰骨動脈(A)を加圧するようになる。そのとき、空気袋210の内部に収容された空気の量を調節することによって、空気袋210が手首を加圧する力を調節することができる。
【0045】
一方、空気袋210は、手首を加圧できる加圧チャンバ212、及び、加圧チャンバ212と連通するように構成される補助チャンバ214を含んでいても良い。
【0046】
加圧チャンバ212は、内部に空気が流入及び流出できるチャンバの形状で構成されても良く、内部に空気が注入されると膨張し、また内部に注入された空気が排出されると収縮するシリコン、ウレタン、ゴムなどの弾性を有する材料で形成されても良い。
【0047】
また、加圧チャンバ212は、手首と隣接する第1の面、及び、第1の面と対向する第2の面を含んでいても良く、第2の面は、一部が第1の面に向かう方向へ突き出して膨張部212-1が形成されても良い。膨張部212-1は、円柱状の突起、長さ方向に延長して突き出す突起などの形状を有しても良く、特定の形状に形状が限定されるものではない。
【0048】
膨張部212-1は、加圧チャンバ212の第2の面に一つ以上が形成されても良く、加圧チャンバ212の内部に空気が注入される際、加圧チャンバ212が内部にできる限り多い量の空気を収容できるように、加圧チャンバ212の体積を増加させる機能を果たすことができる。
【0049】
図3aは、膨張部が形成されていない加圧チャンバが膨張する形状を示す図面であり、図3bは、膨張部が形成された加圧チャンバが膨張する形状を示す図である。
【0050】
例えば、図3aを参照しながら説明すると、膨張部212-1が形成されていない加圧チャンバ212の内部に空気が注入されると、加圧チャンバ212は、所定の第1の体積を有するように膨張する。
【0051】
これと比較して、図3bを参照しながら説明すると、膨張部212-1が形成された加圧チャンバ212の内部に空気が注入されると、加圧チャンバ212が膨張するにつれ、膨張部212-1が加圧チャンバ212の内部から外部に向かう方向へ膨張するようになる。したがって、膨張部212-1が形成されていない加圧チャンバ212に比べて、膨張部212-1が形成された加圧チャンバ212は、膨張部212-1が膨張される体積だけ内部に空気をさらに収容できるようになる。
【0052】
補助チャンバ214は、加圧チャンバ212の第2の面の一部と連通し、内部に空気が注入されると膨張し、内部に注入された空気が排出されると収縮するシリコン、ウレタン、ゴムなどの弾性を有する材料で形成されても良い。
【0053】
また、補助チャンバ214は、加圧チャンバ212の第1の面と平行な方向の端面の直径が増減するように形成されて、凹部214-1が形成されても良い。
【0054】
例えば、図1を参照しながら説明すると、補助チャンバ214は、加圧チャンバ212の第1の面から離れる方向に直径が増加及び減少を繰り返すことで、1つ以上の凹部214-1が形成されても良い。
【0055】
図4は、加圧チャンバと連通する補助チャンバを製造する方法の一例を示す図である。
【0056】
例えば、図4を参照しながら説明すると、加圧チャンバ212の第1の面、加圧チャンバ212の第1の孔が設けられた第2の面、補助チャンバ214の第2の孔が設けられた第1の板214-2、補助チャンバ214の第3の孔が設けられた第2の板214-3、補助チャンバ214の第4の孔が設けられた第3の板214-4、補助チャンバ214の第4の板214-5を順次に積層及び接着して加圧チャンバ212と連通しながら凹部214-1が形成された補助チャンバ214を製造することができる。
【0057】
このように、加圧チャンバ212と連結された補助チャンバ214に凹部214-1が形成されることによって、加圧チャンバ212及び補助チャンバ214に空気が注入されると、加圧チャンバ212は、空気袋と被検者の手首との間の接触面積が広くなるように楕円状に膨張することができる。
【0058】
図5aは、補助チャンバが備えられていない空気袋が膨張して被検者の手首を加圧する形状を示す図であり、図5bは、補助チャンバが備えられた空気袋が膨張して被検者の手首を加圧する形状を示す図である。
【0059】
例えば、図5aを参照しながら説明すると、補助チャンバ214が備えられていない空気袋210に空気が注入されると、空気袋210が風船状に膨張し、空気袋210と被検者の手首との間の第1の接触面積(C)は狭くなる。
【0060】
これと比較して、図5bを参照しながら説明すると、凹部214-1が形成された補助チャンバ214が備えられた空気袋210に空気が注入されると、加圧チャンバ212の第1の面と平行な方向へ優勢に膨張する補助チャンバ214によって、加圧チャンバ212が第1の面と垂直な方向へ膨張することが抑制される。したがって、加圧チャンバ212は、楕円状に膨張するようになり、空気袋210と被検者の手首との間の第2の接触面積(D)は、第1の接触面積(C)に比べて相対的に広くなる。
【0061】
空気流路220は、空気袋210に空気が流入されるか、空気袋210から空気が流出されるように、第2のストラップ200内部に形成された流路であっても良い。具体的に、空気流路220は、本体300の作動によって空気が空気袋210の内部に流入されるか、空気袋210から流出されるように、一側は加圧チャンバ212と連結され、他の一側は本体300と連結されるように構成されても良い。
【0062】
第2の連結部230は、第1の連結部130と連結され、第1のストラップ100及び第2のストラップ200を連結させる機能を果たすことができる。
【0063】
例を挙げて説明すると、第1の連結部130と第2の連結部230とは、相互に連結及び解除が可能となるように従来のマジックテープなどで構成されても良い。
【0064】
図6は、第1ストラップと第2のストラップ、及び空気袋が連結される構造の一例を示す図である。
【0065】
例えば、図6を参照しながら説明すると、第1の連結部130にはリング130-1が備えられ、マジックテープ形式の第2のストラップ200はリング130-1を通過して付着されることによって、第1のストラップ100と第2のストラップ200とが連結されることができる。
【0066】
また、空気袋210には空気袋リング210-1が備えられ、第2のストラップ200に連結されることもできる。
【0067】
図7は、図6の空気袋が第2のストラップに連結される構造の一例を示す図である。
【0068】
例えば、図7を参照しながら説明すると、第2のストラップ200には、長さ方向に沿って複数個の孔200-1が設けられても良く、空気袋リング210-1は、複数個の孔200-1のうちいずれか一つの孔に選択的に脱着可能に結合されるよう構成されても良い。
【0069】
このように、空気袋リング210-1が複数個の孔200-1のいずれか一つの孔に選択的に結合が可能になるように構成されることで、被検者の腰骨動脈(A)を効果的に加圧するように空気袋210の位置を調節できるようになる。
【0070】
次いで、本体300について説明する。
【0071】
図8は、本発明の一実施例に係る血圧測定装置の本体を示すブロック図である。
【0072】
図8を参照しながら説明すると、本体300は、本発明の血圧測定装置1の作動を制御することで被検者の血圧を算出する機能を果たすことができ、空気供給部310、測定部320、制御部330、ディスプレイ部340、操作部350、電源部360、通信部370を含んでいても良い。
【0073】
空気供給部310は、空気流路220を介して第2のストラップ200の空気袋210に空気を供給するか、空気袋210から空気が流出されるように空気を吸い込むことができ、エアポンプ、バルブなどを含む従来の空気供給装置で構成されても良い。
【0074】
測定部320は、血圧算出の基礎となる空気袋210の圧力を測定する機能を果たすことができ、従来の圧力センサなどで構成されても良い。例えば、測定部320は、空気流路220が本体300と連結される部分に設けられる圧力センサで構成され、空気袋210の圧力を測定することができる。
【0075】
制御部330は、従来のマイコン(micro computer)などで構成され、血圧測定装置1を構成する構成要素の作動を制御することができる。例を挙げて説明すると、制御部330は、空気袋210が自在な圧力で被検者の手首を加圧するように空気供給部310の作動を制御することができ、ディスプレイ部340が特定情報を出力するようにディスプレイ部340を制御することができる。
【0076】
また、制御部330は、測定部320が測定した空気袋210の圧力に関する情報の伝送を受け、これを基に被検者の血圧を算出することができ、被検者の血圧データを保存することもできる。
【0077】
ディスプレイ部340は、文字または記号などを含む情報を被検者などのユーザーが見ることができるように出力することができ、従来の液晶ディスプレイ(LCD)などを含んで構成されても良い。
【0078】
図9は、ディスプレイ部が備えられた本体の一例を示す図である。
【0079】
例えば、図9を参照しながら説明すると、ディスプレイ部340は、制御部330によって算出された被検者の血圧に関する情報を数字で表示することができる。
【0080】
操作部350は、被検者などのユーザーが所定の力で加圧するか触ることで血圧測定装置1を操作できるようにボタンまたはタッチパネルなどで構成され、本体300の外面に設けられても良い。
【0081】
電源部360は、血圧測定装置1を作動させるための電力を供給する機能を果たすことができ、従来のバッテリーなどの電力供給手段で構成されても良い。
【0082】
通信部370は、外部装置とデータを送受信できる従来の通信モジュールなどで構成されても良く、データの送受信に適合するようにRFID(Radio Frequency Identification)、UWB(Ultra Wide Band)、ブルートゥース、無線センサネットワークなどの通信技術を活用することができる。血圧測定装置1は、通信部370を介して外部装置に被検者の血圧データまたは応急構造信号などを送信することができる。
【0083】
以下、本発明の血圧測定装置の作用及び効果を具体的に説明する。
【0084】
被検者の手首に血圧測定装置1を着用させて操作部350を操作すると、空気袋210が腰骨動脈(A)に隣接した手首を加圧することができる。
【0085】
そのとき、第1のストラップ100は、尺骨動脈(B)を加圧しないように所定大きさ以上の強さを有する材料で形成されるので、尺骨動脈(B)を流れる血液が遮断されることが防止される。
【0086】
また、操作部350の操作によって内部に空気が注入される空気袋210の加圧チャンバ212は、膨張部212-1を備えるので、内部に効果的に多い量の空気を収容しながら膨張する。
【0087】
さらに、加圧チャンバ212は、凹部214-1が形成された補助チャンバ214が第2の面に結合されているので、内部に空気が注入されて膨張するときに、空気袋と被検者の手首との間の接触面積が広くなるように楕円状に膨張する。
【0088】
被検者の手首を加圧する空気袋210の圧力は、測定部320によって測定され、測定された空気袋210の圧力に関する情報を基に制御部330は被検者の血圧を算出することができる。
【0089】
このように算出された被検者の血圧に関する情報は、ディスプレイ部340に出力されるか、通信部370を介して外部装置に伝送されることができる。
【0090】
このように、本発明に係る血圧測定装置は、空気袋が膨張部の形成された加圧チャンバを備えることで、効果的に大きく膨張し、内部に多い量の空気を収容することが可能であるので、空気袋の圧力が正確に測定されて、血圧が正確に算出される効果を提供する。
【0091】
また、空気袋が凹部の形成された補助チャンバを備えることで、空気袋が楕円状に膨張して空気袋と被検者の手首との間の接触面積が効果的に広くなるので、被検者の動脈が効果的に加圧されて、血圧が正確に測定される効果を提供する。
【0092】
上述した本発明の説明は例示のためのものであり、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更せずに他の具体的な形態に容易に変形可能であるということを理解できるはずである。それゆえ、上記した実施例は全ての面において例示的なものであり、限定的なものではないと理解すべきである。例えば、単一型で説明されている各構成要素は分散して実施されても良く、同様に、分散したものと説明されている構成要素も結合された形態で実施されても良い。
【0093】
本発明の範囲は、上記詳細な説明よりは後述する請求の範囲によって示され、請求の範囲の意味及び範囲、並びにその均等概念から導出される全ての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれると解釈されなければならない。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9