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特許7506257染料固着剤及びアミンオキシドを含有する洗濯洗剤組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】染料固着剤及びアミンオキシドを含有する洗濯洗剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 1/75 20060101AFI20240618BHJP
   C11D 1/22 20060101ALI20240618BHJP
   C11D 1/29 20060101ALI20240618BHJP
   C11D 1/72 20060101ALI20240618BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20240618BHJP
   C11D 17/04 20060101ALI20240618BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
C11D1/75
C11D1/22
C11D1/29
C11D1/72
C11D3/37
C11D17/04
C11D17/08
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023518467
(86)(22)【出願日】2020-09-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-13
(86)【国際出願番号】 CN2020118325
(87)【国際公開番号】W WO2022061868
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】タン、ミン
(72)【発明者】
【氏名】キン、ペン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ、キアン
【審査官】中田 光祐
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-514068(JP,A)
【文献】特表2008-517119(JP,A)
【文献】特表2007-532076(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00- 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯洗剤組成物であって、
a)前記組成物の0.01重量%~10重量%の染料固着剤であって、
v)ジアルキルアミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物である、染料固着剤と、
b)前記組成物の0.01重量%~10重量%のアミンオキシドと、を含む、洗濯洗剤組成物。
【請求項2】
前記染料固着剤と前記アミンオキシドとの重量比が、0.05~10である、請求項1に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項3】
前記染料固着剤が、前記組成物の0.02重量%~5重量%の範囲の量で存在し、
前記染料固着剤が、ジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項4】
前記アミンオキシドが、前記組成物の0.02重量%~8重量%の範囲の量で存在する、請求項1~3のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項5】
前記組成物が、
c)前記組成物の0.1重量%~50重量%の非イオン性界面活性剤系、及び/又は
d)前記組成物の0.1重量%~50重量%のアニオン性界面活性剤系、を更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項6】
前記非イオン性界面活性剤系が、前記組成物の重量%~45重量%の範囲の量で存在する、請求項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項7】
前記アニオン性界面活性剤系が、前記組成物の0.1重量%~45重量%の範囲の量で存在する、請求項5に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項8】
6~C20 直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(LASが、前記アニオン性界面活性剤系の10重量%~100重量%の範囲の量で存在する、請求項5に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項9】
前記非イオン性界面活性剤系と前記アニオン性界面活性剤系との重量比が、少なくとも1.2である、請求項5に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項10】
前記組成物が、液体組成物又は単位用量組成物である、請求項1~9のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項11】
前記組成物が、液体組成物であって、
a)前記組成物の0.15重量%~0.9重量%の染料固着剤であって、ジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物からなる群から選択される前記染料固着剤と、
b)前記組成物の0.15重量%~2重量%のアミンオキシドであって、C6~C20アルキルジメチルアミンオキシドである前記アミンオキシドと、
c)前記組成物の4重量%~15重量%の非イオン性界面活性剤系であって、7~9の範囲の重量平均エトキシル化度を有するC10~C16エトキシル化アルコールを含む前記非イオン性界面活性剤系と、
d)前記組成物の1重量%~10重量%のアニオン性界面活性剤系であって、C10~C16 LAS及びC10~C16アルキルエトキシサルフェートを含み、前記C10~C16 LASが、前記アニオン性界面活性剤系の40重量%~90重量%の範囲の量で存在する、前記アニオン性界面活性剤系と、を含み、
前記染料固着剤と前記アミンオキシドとの重量比が、0.2~1であり、前記非イオン性界面活性剤系と前記アニオン性界面活性剤系との重量比が、2~8である、液体組成物である、請求項10に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項12】
前記組成物が、単位用量組成物であって、
a)前記組成物の0.5重量%~3重量%の染料固着剤であって、ジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物からなる群から選択される前記染料固着剤と、
b)前記組成物の0.5重量%~8重量%のアミンオキシドであって、C6~C20アルキルジメチルアミンオキシドである前記アミンオキシドと、
c)前記組成物の10重量%~35重量%の非イオン性界面活性剤系であって、7~9の範囲の重量平均エトキシル化度を有するC10~C16エトキシル化アルコールを含む前記非イオン性界面活性剤系と、
d)前記組成物の3重量%~25重量%のアニオン性界面活性剤系であって、C10~C1 LAS及びC10~C16アルキルエトキシサルフェートを含み、前記C10~C16 LASが、前記アニオン性界面活性剤系の40重量%~90重量%の範囲の量で存在する、前記アニオン性界面活性剤系と、を含み、
前記染料固着剤と前記アミンオキシドとの重量比が、0.2~1であり、前記非イオン性界面活性剤系と前記アニオン性界面活性剤系との重量比が、2~8である、単位用量組成物である、請求項10に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項13】
前記組成物が、
e)前記組成物の0.01重量%~10重量%の脂肪酸、及び/又は
f)前記組成物の0.01重量%~10重量%のポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマー、を更に含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項14】
着色布地の色を保護する方法であって、前記着色布地を、請求項1~13のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物と接触させることを含む、方法。
【請求項15】
前記色の前記保護が、前記着色布地に染料を固着すること、及び/又は前記着色布地からの退色又は色滲みを防止することによって達成される、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、染料固着剤及びアミンオキシドを含有する洗濯洗剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
洗剤製品が進化するにつれて、洗浄に関する消費者のニーズは十分に満たされてきた。しかし、洗濯の分野では、まだ満たされていない消費者の他のニーズがいくつかある。特に、満たされていないニーズの1つは、洗浄サイクル中の着色した織物の退色又は色滲みを防止することである。
【0003】
着色した織物は、特に綿及び混合綿布で作製された暗色の織物の場合、織物から染料が放出されるため、数回の洗浄サイクルで退色することがある。一方、色滲みが生じることがあり、すなわち、異なる色又は白色の織物は、それらが同時に洗浄された場合、洗浄液中の比較的高い染料濃度の結果として、染色された織物から放出された染料で汚れることがある。退色又は色滲みは、着色した織物の外観の急速な劣化をもたらす。したがって、退色及び/又は色滲みを防止することができる洗濯洗剤組成物が引き続き必要とされている。
【0004】
現在、退色又は色滲みの問題を解決するために、いわゆる染料固着剤が洗剤組成物に使用されている。このような染料固着剤は、通常、カチオン性ポリマーであり、織物上又は洗浄液中の負に荷電した染料と結合して、着色した織物からの染料の脱離又は白色織物若しくは異なる染料を有する織物への染料の再付着を防止することができる。しかし、このような染料固着剤を含有する洗剤組成物によって達成される色保護は、消費者の期待を満たすのに十分ではない。加えて、アニオン性界面活性剤、特に直鎖状アルキルベンゼンスルホネートを含む配合物では、このような染料固着剤の添加は、常に、色保護の面で何の効果ももたらさない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、より効果的に色を保護することができる染料固着剤を含有する洗濯洗剤組成物を提供する必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
アミンオキシド、特にC~C20アルキルジメチルアミンオキシド(AO)を、染料固着剤を含有する洗濯洗剤組成物に組み込むことにより、染料固着剤の色保護を著しく改善できることは、本発明の驚くべき予想外の発見である。
【0007】
それに応じて、本発明は、一態様において、洗濯洗剤組成物であって、
a)組成物の0.01重量%~10重量%の染料固着剤であって、
i)ポリアミンとシアナミド及び有機酸及び/又は無機酸などの酸との反応生成物、
ii)シアンバミド(cyanvamides)とアルデヒド及びアンモニウム塩との反応生成物、
iii)シアナミドとアルデヒド及びアミンとの反応生成物、又は
iv)アミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、及び
v)これらの任意の組み合わせ、からなる群から選択される、染料固着剤と、
b)組成物の0.01重量%~10重量%のアミンオキシドと、を含む、洗濯洗剤組成物に関する。
【0008】
好ましくは、染料固着剤とアミンオキシドとの重量比は、0.05~10、好ましくは0.1~5、より好ましくは0.15~2、最も好ましくは0.2~1、例えば0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はこれらの間の任意の範囲であり得る。
【0009】
本開示の特に好ましい実施形態では、組成物は、液体組成物であって、
a)組成物の0.15重量%~0.9重量%の染料固着剤であって、ジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物からなる群から選択される染料固着剤と、
b)組成物の0.15重量%~2重量%のアミンオキシドであって、C6~C20アルキルジメチルアミンオキシドであるアミンオキシドと、
c)組成物の4重量%~15重量%の非イオン性界面活性剤系であって、5~15、好ましくは6~12、より好ましくは7~10の範囲の重量平均エトキシル化度を有するC10~C16エトキシル化アルコールを含む非イオン性界面活性剤系と、
d)組成物の1重量%~10重量%のアニオン性界面活性剤系であって、C10~C16LAS及びC10~C16アルキルエトキシサルフェートを含み、好ましくは、C10~C16LASが、アニオン性界面活性剤系の10重量%~90重量%の範囲の量で存在する、アニオン性界面活性剤系と、を含み、
染料固着剤とアミンオキシドとの重量比が、0.2~2、好ましくは0.2~1であり、非イオン性界面活性剤系とアニオン性界面活性剤系との重量比が、1.5~8である、液体組成物である。
【0010】
本開示の特に好ましい実施形態では、組成物は、単位用量組成物であって、
a)組成物の0.5重量%~3重量%の染料固着剤であって、ジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物からなる群から選択される当該染料固着剤と、
b)組成物の0.5重量%~8重量%のアミンオキシドであって、C~C20アルキルジメチルアミンオキシドである当該アミンオキシドと、
c)組成物の10重量%~35重量%の非イオン性界面活性剤系であって、7~9の範囲の重量平均エトキシル化度を有するC10~C16エトキシル化アルコールを含む当該非イオン性界面活性剤系と、
d)組成物の3重量%~25重量%のアニオン性界面活性剤系であって、C10~C16LAS及びC10~C16アルキルエトキシサルフェートを含み、当該C10~C16LASが、アニオン性界面活性剤系の40重量%~90重量%の範囲の量で存在する、アニオン性界面活性剤系と、を含み、
染料固着剤とアミンオキシドとの重量比が、0.2~2、好ましくは0.2~1であり、非イオン性界面活性剤系とアニオン性界面活性剤系との重量比が、1.5~8である、単位用量組成物である。
【0011】
別の態様では、本発明は、着色布地の色を保護する方法であって、着色布地を上記の洗濯洗剤組成物と接触させることを含む、方法に関する。好ましくは、色の保護は、着色布地中に染料を固着すること、及び/又は着色布地からの退色若しくは色滲みを防止することによって達成される。
【0012】
別の態様では、本発明は、着色布地の退色又は色滲みを防止する方法であって、着色布地を上記の洗濯洗剤組成物と接触させることを含む、方法に関する。
【0013】
別の態様では、本発明は、着色布地中の染料を固着する方法であって、着色布地を上記の洗濯洗剤組成物と接触させることを含む、方法に関する。
【0014】
洗濯洗剤組成物の利点は、例えば、退色及び/又は色滲みの防止並びに染料固着を含む、着色布地のための有効な色保護を提供することである。
【0015】
洗濯洗剤組成物の別の利点は、異なる色(例えば、赤色及び青色)を有する着色布地間の性能のバランスを提供することである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
定義
本明細書で使用するとき、「a」及び「an」などの冠詞は、特許請求の範囲において使用されるときは、特許請求されている又は記載されるもののうちの1つ以上を意味するものと理解される。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「含む(comprise、comprises、comprising)」、「包含する(include、includes、including)」、「含有する(contain、contains、containing)」は、非限定的であり、即ち、最終結果に影響を及ぼすことのない他の工程及び他の成分を加えることができることを意図している。上記用語には、「からなる」及び「から本質的になる」という用語が包含される。
【0018】
本明細書で使用するとき、組成物が特定の成分を「実質的に含まない」ときとは、その組成物が、一定基準未満の量、あるいは組成物の0.1重量%未満、あるいは0.01重量%未満、あるいは0.001重量%の特定成分を含むことを意味する。
【0019】
本明細書で使用するとき、用語「洗濯洗剤組成物」とは、布地を含む、汚れた材料を洗濯するための組成物を意味する。このような組成物は、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用することができ、又は洗濯操作のすすぎ若しくは洗浄サイクル中に添加することができる。洗濯洗剤組成物は、液体、粉末、単区画又は多区画単位用量などの単位用量、パウチ、錠剤、ゲル、ペースト、バー、又はフレークから選択される形態を有してもよい。好ましくは、洗濯洗剤組成物は、液体又は単位用量組成物である。本明細書における「液体洗濯洗剤組成物」という用語は、は、注ぐことが可能な液体、ゲル、クリーム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される形態である組成物を指す。液体洗濯洗剤組成物は、水性又は非水性のいずれかであってもよく、異方性、等方性、又はこれらの組み合わせであってもよい。本明細書における「単位用量洗濯洗剤組成物」という用語は、水溶性フィルムで包まれた特定量の液体を含有する水溶性パウチを指す。
【0020】
本明細書で使用するとき、用語「主要界面活性剤」は、組成物中に、かかる組成物によって含有される一切の他の界面活性剤より大きい量で存在する界面活性剤を指す。同様に、用語「主要アニオン性界面活性剤」は、組成物中に、かかる組成物によって含有される一切の他のアニオン性界面活性剤より大きい量で存在するアニオン性界面活性剤を指す。
【0021】
本明細書で使用するとき、用語「過半の界面活性剤」は、組成物中に、かかる組成物中の合計界面活性剤含有量の少なくとも50重量%である量で存在する界面活性剤を指す。同様に、用語「過半のアニオン性界面活性剤」は、組成物中に、かかる組成物中の合計アニオン性界面活性剤含有量の少なくとも50重量%である量で存在するアニオン性界面活性剤を指す。
【0022】
本明細書で使用するとき、用語「アルキル」は、分枝鎖状又は非分枝鎖状、置換又は非置換であるヒドロカルビル部分を意味する。用語「アルキル」には、アシル基のアルキル部分が含まれる。
【0023】
本明細書で使用するとき、用語「洗浄液」は、1サイクルの洗濯洗浄のために使用される典型的な量、好ましくは、1L~50L、あるいは、手作業で洗浄する場合には1L~20L、機械で洗浄する場合には20L~50Lの水溶液を指す。
【0024】
本明細書で使用するとき、用語「汚れた布地」は、非特定的に使用され、木綿、亜麻布、ウール、ポリエステル、ナイロン、絹、アクリル、及びこれらに類するもの等などであるがこれらに限定されない、天然繊維、人工繊維、及び合成繊維、並びに様々な混合及び組み合わせを含む、任意の種類の天然繊維又は人工繊維を指す場合がある。
【0025】
染料固着剤
本発明の染料固着剤はカチオン性ポリマーである。いかなる理論にも束縛されるものではないが、正電荷を有するこのような染料固着剤は、電荷相互作用を介して負電荷を有する染料に結合し、次いで染料が織物から出るのを防止するか、又は異なる色の織物上への染料の再付着を防止することができると考えられる。特に、染料固着剤は、i)ポリアミンとシアナミド及び有機酸及び/又は無機酸との反応生成物、ii)シアナミドとアルデヒド及びアンモニウム塩との反応生成物、iii)シアナミドとアルデヒド及びアミンとの反応生成物、又はiv)アミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物からなる群から選択することができる。好ましくは、染料固着剤は、アミンが第一級、第二級又は第三級アミンである、アミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物からなる群から選択することができる。より好ましくは、染料固着剤は、ジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物からなる群から選択することができる。最も好ましくは、染料固着剤は、ポリ(ジメチルアミン-コ-エピクロロヒドリン)とも呼ばれるポリ(2-ヒドロキシプロピルジメチルアンモニウムクロリド)、例えば、ClariantからTEXCARE DFC 6の商品名で市販されているポリマー(CAS番号:25988-97-0)であり得る。
【0026】
「アミン」という用語は、モノアミン及びポリアミンを含む。本明細書で使用されるモノアミンは、第一級、第二級及び第三級アミンであり得る。これらは、脂肪族アミン、例えばジアルキルアミン、特にジメチルアミン、脂環式アミン、例えばシクロヘキシルアミン、及び芳香族アミン、例えばアニリンであり得る。しかし、本明細書で使用されるアミンは、脂肪族、脂環式及び芳香族置換基を同時に有することもできる。更に、複素環式化合物、例えばピリジンを使用することも可能である。本明細書における「ポリアミン」という用語には、例えば、ジアミン、トリアミン、テトラアミンなど、並びにまた類似のN-アルキルポリアミン及びN,N-ジアルキルポリアミンも含まれる。これらの例は、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ペンチレンジアミン、ヘキシレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン及び高級ポリアミンである。特に好ましいポリアミンは、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン及びジメチルアミノプロピルアミンであり得る。アンモニウム塩は、アンモニア、特に塩化アンモニウム又は上記のアミン若しくはポリアミンと、異なる無機酸若しくは有機酸との塩、又は第四級アンモニウム塩である。
【0027】
シアナミドは、シアナミド又はジシアンジアミドであり得る。本明細書で使用されるアルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒドなどの脂肪族アルデヒド;ジアルデヒド、例えばグリオキサール;不飽和アルデヒド、例えばアクロレイン、クロトンアルデヒド及び芳香族アルデヒド、例えばベンズアルデヒドが挙げられ得る。特に好ましいアルデヒドは、ホルムアルデヒドなどの脂肪族アルデヒドであり得る。
【0028】
本明細書で使用される染料固着剤はまた、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)に基づくホモポリマー及びコポリマーであり得る。DADMACに基づくコポリマーは、更なる成分として、他のビニルモノマー、例えば、ビニルイミダゾール、ビニルピロリドン、ビニルアルコール、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸/エステル、アクリルアミド、スチレン、スチレンスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸(AMPS)などを含有する。DADMACをベースとするホモポリマーは、商品名Dodigen(登録商標)3954、Dodigen 4033及びGenamin PDAC(Clariant製)で入手可能である。
【0029】
好ましくは、本開示における使用に好適な染料固着剤は、アミンが第一級、第二級又は第三級アミンである、アミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物からなる群から選択することができる。より好ましくは、本発明での使用に好適な染料固着剤は、ジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物からなる群から選択することができる。最も好ましくは、染料固着剤はポリ(2-ヒドロキシプロピルジメチルアンモニウムクロリド)であり得る。
【0030】
一実施形態では、染料固着剤は、式(I):
【0031】
【化1】
[式中、nは5~1000の整数である]のポリ(2-ヒドロキシプロピルジメチルアンモニウムクロリド)である。
【0032】
本開示による組成物中の染料固着剤は、組成物の0.02重量%~5重量%、好ましくは0.05重量%~2重量%、より好ましくは0.1重量%~1.5重量%、最も好ましくは0.15重量%~0.9重量%の範囲、例えば、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1.0重量%又はこれらの間の任意の範囲の量で存在し得る。
【0033】
アミンオキシド
本発明における使用に好適なアミンオキシドは、C~C20アルキルジメチルアミンオキシド(AO)及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0034】
好ましくは、アミンオキシドは、以下の構造:
【0035】
【化2】
[式中、RはC6~20アルキル、C6~20ヒドロキシアルキル、又はC6~20アルキルフェニル基であり、各RはC2~5アルキレン、又はC2~5ヒドロキシアルキレン基であり、xは0~約3であり、各RはC1~3アルキル、C1~3ヒドロキシアルキル、又は約1~約3個のエトキシレン(EO)単位を含むポリエチレンオキシドである]を特徴とする。好ましくは、アミンオキシドは、C8~18アルキルジメチルアミンオキシド、好ましくは、C10~16アルキルジメチルアミンオキシドであり得る。
【0036】
好ましくは、アミンオキシドは、ドデシルジメチルアミンオキシド、テトラデシルジメチルアミノオキシド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。より好ましくは、アミンオキシドは、以下の式(III)を有するドデシルジメチルアミノオキシドを含有する。
【0037】
【化3】
【0038】
そのような化合物は、ラウリルジメチルアミンオキシド又はドデシルジメチルアミン-N-オキシド(DDAO)とも呼ばれる。これは、Huntsmanから商標名Oxamin(登録商標)LOで市販されている。
【0039】
本開示による組成物中のアミンオキシドは、組成物の0.01重量%~10重量%、好ましくは0.02重量%~8重量%、より好ましくは0.1重量%~3重量%、最も好ましくは0.15重量%~2重量%の範囲、例えば、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、1.5重量%、2重量%、2.5重量%、3重量%、4重量%、5重量%又はこれらの間の任意の範囲の量で存在し得る。
【0040】
アニオン性界面活性剤
本発明の洗濯洗剤組成物は、アニオン性界面活性剤系を含み得る。特に、本発明の洗濯洗剤組成物は、組成物の0.1重量%~50重量%のアニオン性界面活性剤系を含み得る。
【0041】
好ましくは、アニオン性界面活性剤系は、C~C20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、C~C20アルキルサルフェート(AS)、C~C20アルキルアルコキシサルフェート(AAS)、C~C20メチルエステルスルホネート(MES)、C~C20アルキルエーテルカルボキシレート(AEC)、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるアニオン性界面活性剤を含み得る。より好ましくは、アニオン性界面活性剤系は、C~C20LASと、任意に、C~C20AS及び/又はC~C20AASなどの追加のアニオン性界面活性剤とを含み得る。一実施形態では、LASは、C10~C16LAS、好ましくは、C12~C14LASである。
【0042】
LASは、通常、アルキルベンゼンのスルホン化(SO又はSOを使用する)に続いて、中和反応によって調製される。好適なアルキルベンゼンの供給原料は、硫黄及びHFベースの処理を含む、任意の好適なアルキル化スキームを使用して、オレフィン、パラフィン、又はこれらの混合物から作製することができる。的確にアルキル化触媒を変えることにより、ベンゼンの脂肪族炭化水素鎖への共有結合の位置を広く変えることが可能である。したがって、本明細書のLASは、2-フェニル異性体及び/又は内部異性体含有量が広く変動し得る。
【0043】
洗濯洗剤組成物のいくつかの実施形態では、C~C20LASは、アニオン性界面活性剤の1重量%~100重量%、好ましくは10重量%~99重量%、より好ましくは20重量%~95重量%、最も好ましくは30重量%~90重量%の範囲、例えば40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、又はこれらの間の任意の範囲の量で存在し得る。
【0044】
洗濯洗剤組成物のいくつかの実施形態では、LASの濃度は、かかる組成物により含有される任意の他のアニオン性界面活性剤の濃度より高いことが好ましく、すなわち、LASは、かかる組成物中の主要アニオン性界面活性剤である。
【0045】
本開示における使用に好適なアニオン性界面活性剤は、C~C20アルキルサルフェート(AS)、C~C20アルキルアルコキシサルフェート(AAS)、C~C20メチルエステルスルホネート(MES)、C~C20アルキルエーテルカルボキシレート(AEC)、又はこれらの任意の組み合わせを更に含み得る。例えば、洗濯洗剤組成物は、C~C20アルキルアルコキシサルフェート(AAS)[式中、xは、約1~30、好ましくは約1~15、より好ましくは約1~10、最も好ましくは、xは約1~3である]を含有してもよい。かかるAAS中のアルキル鎖は、直鎖状又は分枝鎖状のいずれかであってもよく、中鎖分枝鎖状AAS界面活性剤が特に好ましい。好ましい群のAASとしては、xが約1~3である、C12~C14アルキルアルコキシサルフェートが挙げられる。本発明の洗濯洗剤組成物中のAAS界面活性剤の量は、組成物の約0.05重量%~約100重量%、好ましくは約0.1重量%~約80重量%、より好ましくは約0.5重量%~約50重量%最も好ましくは約1重量%~約30重量%、例えば、5重量%、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、又はこれらの間の任意の範囲であり得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、LASとAASとの重量比は、少なくとも0.6、好ましくは少なくとも0.8、より好ましくは少なくとも0.9、最も好ましくは少なくとも1、例えば、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.2、1.5、2、2.5、3、4、5、8、10、又はこれらの間の任意の範囲である。
【0047】
本開示による組成物中のアニオン性界面活性剤系は、組成物の0.1重量%~45重量%、好ましくは0.5重量%~40重量%、より好ましくは1重量%~35重量%、最も好ましくは2重量%~30重量%の範囲、例えば2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、又はこれらの間の任意の範囲の量で存在し得る。
【0048】
本開示のいくつかの実施形態では、本開示による組成物中のアニオン性界面活性剤は、アニオン性界面活性剤の30重量%未満、好ましくは20重量%未満、より好ましくは10重量%未満、最も好ましくは5重量%未満の石鹸を含み得る。
【0049】
非イオン性界面活性剤(NI)
本発明の洗濯洗剤組成物は、非イオン性界面活性剤系を含み得る。非イオン性界面活性剤系は、アルキルアルコキシル化アルコール、アルキルアルコキシル化フェノール、アルキル多糖類、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルコキシル化脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド(APG)、メチルエステルエトキシレート(MEE)、スクロースエステル、ソルビタンエステル及びソルビタンエステルのアルコキシル化誘導体、並びにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される非イオン性界面活性剤を含み得る。好ましくは、非イオン性界面活性剤系は、1~20、好ましくは5~15、より好ましくは7~10の範囲の重量平均アルコキシル化度を有するC~C20アルコキシル化アルコールを含み得る。より好ましくは、非イオン性界面活性剤系は、1~20、好ましくは5~15、より好ましくは7~10の範囲の重量平均エトキシル化度を有するC~C18エトキシル化アルコールを含み得る。
【0050】
本明細書における使用に好適な非イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、EO7-9を有するC12~C14アルキルエトキシレートなどのC12~C18アルキルエトキシレート;Shellから入手可能なNeodol(登録商標)非イオン性界面活性剤;C~C12アルキルフェノールアルコキシレート(ここで、アルコキシレート単位はエチレンオキシ単位とプロピレンオキシ単位との混合物である);BASFから入手可能なPluronic(登録商標)などのエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックアルキルポリアミンエトキシレートとのC12~C18アルコール及びC~C12アルキルフェノール縮合物;C14~C22中鎖分枝鎖状アルキルアルコキシレート(BAEx、式中、xは約1~約30である);アルキル多糖類、具体的にはアルキルポリグリコシド;ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、並びにエーテル末端処理ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。また、本明細書の非イオン性界面活性剤として、アルコキシル化エステル界面活性剤、例えば、式RC(O)O(R)nR[式中、Rは、直鎖状及び分枝鎖状C~C22アルキル又はアルキレン部分から選択され、Rは、C及びC部分から選択され、Rは、H、CH、C、及びC部分から選択され、nは、約1~約20の値を有する]を有するアルコキシル化エステル界面活性剤も有用である。そのようなアルコキシル化エステル界面活性剤としては、脂肪族メチルエステルエトキシレート(MEE)が挙げられ、当該技術分野において周知である。
【0051】
特定の実施形態では、本発明の洗濯洗剤組成物によって含有されるアルコキシル化非イオン性界面活性剤は、C~C20アルコキシル化アルコール、好ましくはC~C18アルコキシル化アルコール、より好ましくはC10~C16アルコキシル化アルコールである。C~C20アルコキシル化アルコールは、約1~約50、好ましくは約3~約30、より好ましくは約5~約20、更により好ましくは約5~約9の平均アルコキシル化度のアルキルアルコキシル化アルコールであることが好ましい。本明細書のアルコキシル化は、エトキシル化、プロポキシル化、又はこれらの混合物であってよいが、好ましくはエトキシル化である。一実施形態では、アルコキシル化非イオン性界面活性剤は、C~C20エトキシル化アルコール、好ましくは平均約5~約20モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたC~C18アルコール、より好ましくは平均約5~約9モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたC10~C16アルコールである。最も好ましいアルコキシル化非イオン性界面活性剤は、平均約7モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたC12~C15アルコール、例えばShellから市販されているNeodol(登録商標)25-7である。
【0052】
本開示による組成物中の非イオン性界面活性剤系は、組成物の1重量%~45重量%、好ましくは2重量%~40重量%、より好ましくは3重量%~35重量%、最も好ましくは4重量%~30重量%の範囲、例えば4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、又はこれらの間の任意の範囲の量で存在し得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、非イオン性界面活性剤系とアニオン性界面活性剤系との重量比は、1.5~20、好ましくは1.7~15、より好ましくは1.9~10、最も好ましくは2~8、例えば1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.5、3、4、5、6、7、8、9、10、及びこれらの間の任意の範囲である。
【0054】
他の成分
本開示による洗濯洗剤組成物は、組成物の0.01重量%~10重量%、好ましくは0.1重量%~5重量%、より好ましくは0.2重量%~3重量%、最も好ましくは0.3重量%~2重量%の界面活性剤増強ポリマー、好ましくはポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーを更に含み得る。
【0055】
本発明の洗濯洗剤組成物は、カチオン性界面活性剤を更に含んでもよい。カチオン性界面活性剤の非限定的な例として、第四級アンモニウム塩界面活性剤(最高26個の炭素原子を有することができ、アルコキシル化四級アンモニウム(AQA)界面活性剤を含む)、ジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム;ジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリド;ポリアミンカチオン性界面活性剤、及びアミン界面活性剤(具体的には、アミドプロピルジメチルアミン(APA))が挙げられる。
【0056】
本明細書に記載の洗濯洗剤組成物は、補助成分を含んでもよい。好適な補助物質としては、ビルダー、キレート剤、レオロジー改変剤、移染防止剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒物質、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予備形成済み過酸、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、光漂白成分、香料、香料マイクロカプセル、構造伸縮性付与剤、柔軟仕上げ剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、溶媒、色調剤、構造化剤、及び/又は顔料が挙げられるが、これらに限定されない。洗濯洗剤組成物中のこれら補助成分の正確な性質及びその濃度は、組成物の物理的形状、及び組成物が使用される洗濯動作の性質に依存する。
【0057】
いくつかの実施形態では、本開示による洗濯洗剤組成物は、組成物の0.01重量%~10重量%、好ましくは0.1重量%~5重量%、より好ましくは0.2重量%~3重量%、最も好ましくは0.3重量%~2重量%の脂肪酸を更に含み得る。
【0058】
組成物の調製
本発明の洗濯洗剤組成物は、概して、洗濯洗剤組成物の製造の技術分野において既知である従来法によって調製される。かかる方法は、典型的には、加熱、冷却、真空の適用などをするか又はすることなく、必須成分及び任意成分を任意の所望の順序で比較的均一な状態まで混合することと、それによって、成分を必要濃度で含有する洗濯洗剤組成物を提供することとを含む。
【0059】
使用方法
本発明の別の態様は、布地を処理するための、洗濯洗剤組成物を使用する方法に関する。このような方法により、色保護効果をもたらすことができる。方法は、洗浄液を形成するために、水を含んでいる洗濯洗浄槽内に5g~120gの上記の洗濯洗剤組成物を投与する工程を含む。本明細書の洗濯洗浄槽内の洗浄液は、好ましくは、1L~50L、あるいは、手作業で洗浄する場合は1L~20L、機械で洗浄する場合は20L~50Lの容量を有する。洗濯洗浄液の温度は、好ましくは、5℃~60℃の範囲である。
【0060】
本明細書の方法における投与量は、洗浄タイプに応じて異なってもよい。一実施形態では、方法は、約5g~約60gの洗濯洗剤組成物を手作業の洗浄槽(例えば、約2~4L)に投与することを含む。代替の実施形態では、方法は、約5g~約100g、好ましくは約10g~約65gの洗濯洗剤組成物を洗濯機(例えば、約30~45L)に投与することを含む。
【0061】
試験方法
試験1:染料滲み試験
ターゴトメーター(型式:RHLQ1V、Research Institute of Daily Chemical Industry(RIDCI)製)を使用することによって、以下のように染料滲み試験を行う。
1)約1.0gの試験布(ASIE-130又はASIE-133)を、ターゴトメーターの管ごとに各片に切断する。
2)水浴で40℃に加熱された約9gpgの水硬度レベル(Ca2+とMg2+との重量比が約4:1)を有する1Lの逆浸透(RO)水を加える。
3)約2.0グラムの試料液体洗剤組成物を溶解して、約2000ppmの洗剤用量を有する洗浄液を形成する。
4)溶液のpHを約8.5に調整する。
5)約30mLの溶液を取り出して、洗浄前にL/a/bを測定する(UltraScan VIS(HunterLab(Virginia,USA)製)を用いて、5cm×1cmの試料セルを使用することによって測定する)。
6)1.0gの試験布1枚を各管に加え、約20分間洗浄する。
7)約30mLの溶液を取り出して、工程5)と同じ条件下でL/a/bを測定する。及び
8)洗浄の前後の測定値に基づいてΔEを計算し、ΔEが高いほど、染料の滲みが悪いことを示す。
【実施例
【0062】
実施例1:色保護の態様における染料固着剤とアミンオキシドとの間の相乗作用
以下の成分を含有する4つの試料液体洗濯洗剤組成物を調製した。試料1は、染料固着剤もアミンオキシドも含有しない。試料2はアミンオキシドを含有し、試料3は染料固着剤を含有する。試料4は、染料固着剤及びアミンオキシドの両方を含む。
【0063】
【表1】
1染料固着剤:ClariantからTEXCARE DFC 6の商品名で市販されているポリ(2-ヒドロキシプロピルジメチルアンモニウムクロリド)。
【0064】
試験1:青色染料(ASIE-133)又は直接赤色染料(ASIE-130)によって着色した布地がそれぞれ使用される上述の染料滲み試験に従って、これらの試料のΔEを染料滲みの測定値として測定した。ΔEが高いほど染料の滲みが悪く、ΔEが低いほど、色保護効果が高いことを示す。
【0065】
青色布地
青色に着色した布地についての結果を以下の表に示し、ここで、着色した布地は、染料固着剤もアミンオキシド界面活性剤も含まない試料1を使用することによって洗浄された後の色滲み(すなわち、1.18のΔE)を示す。驚くべきことに、本発明者らは、染料固着剤とアミンオキシドとの組み合わせが、有効な色保護、すなわち、対照(1.18のΔE)、染料固着剤単独(2.17のΔE)又はアミンオキシド単独(1.09のΔE)と比較して有意に低減された色滲み(0.63のΔE)をもたらすことができることを発見した。
【0066】
【表2】
【0067】
赤色布地
赤色染料(ASIE-130)によって着色した布地を使用することによる別の試験を実施して、上述の試験1:染料滲み試験を用いることによって異なる色(すなわち、赤色)に対する色保護を示した。結果を以下の表に示し、ここでは、染料固着剤とアミンオキシドとの間の相乗作用も観察される。それはまた、染料固着剤又はアミンオキシド単独と比較して、染料固着剤とアミンオキシドとの組み合わせによって達成された色滲みの低減(0.74のΔE対0.79のΔE)を示す。
【0068】
【表3】
【0069】
実施例2:染料固着剤及びアミンオキシドを含有する液体洗濯洗剤組成物の例示的な配合物
表4に示す以下の液体洗濯洗剤組成物は、列挙した成分を列挙した割合(重量%)で含んで作製される。
【0070】
【表4】
1染料固着剤:ClariantからTEXCARE DFC 6の商品名で市販されているポリ(2-ヒドロキシプロピルジメチルアンモニウムクロリド)
【0071】
【表5】
1染料固着剤:ClariantからTEXCARE DFC 6の商品名で市販されているポリ(2-ヒドロキシプロピルジメチルアンモニウムクロリド)
【0072】
実施例3:染料固着剤及びアミンオキシドを含有する単位用量洗濯洗剤組成物の例示的な配合物
表5に示される例示的な配合物は、単位用量洗濯洗剤用に作製される。これらの組成物は、ポリビニルアルコール系フィルムを使用することによって、単位用量の区画内に封入される。
【0073】
【表6】
1染料固着剤:ClariantからTEXCARE DFC 6の商品名で市販されているポリ(2-ヒドロキシプロピルジメチルアンモニウムクロリド)
【0074】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0075】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本出願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は別途限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献又は複数の参考文献と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0076】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。